JP2016150171A - 洗濯機及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、寸法安定性及び剛性に優れ、洗剤カスや汚れが付着し難い外槽を有する洗濯機を提供する。
【解決手段】本発明の洗濯機は、内槽の外側に外槽20を有し、前記外槽20が、第1樹脂を含んで形成されるベース部材20aと、第2樹脂を含んで形成され、少なくとも前記ベース部材20aの前記内槽に対向する側の表面を被覆する皮膜20bと、前記ベース部材20aから前記皮膜20b内に亘って延在するとともに前記皮膜20bの表面に露出しないように当該皮膜20bに留まっている繊維材料41と、を有していることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、洗濯機及びその製造方法に関する。
従来、洗濯から乾燥までを通して行なうことができる洗濯乾燥機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この洗濯乾燥機は、外槽の内側に配置された回転ドラム(内槽)内で洗濯物の洗濯、すすぎ、及び脱水を行った後に、外槽を介して送り込んだ温風で洗濯物を乾燥する。
ところで、前記の外槽としては、ガラス繊維、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ等の無機材料を含むポリプロピレン製のものが知られている(例えば、特許文献2参照)。このような外槽は、無機材料を含むことで寸法安定性及び剛性に優れる。
特開2008−125804号公報 特開平8−252392号公報
しかしながら、無機材料を含むポリプロピレン製の外槽は表面粗さが大きいため、洗剤カスや汚れが付着し易い。中でもガラス繊維を含む外槽は、寸法安定性及び剛性に優れるものの洗剤カスや汚れがより付着し易い。また外装の表面に付着した洗剤カスや汚れは水洗を行っただけでは落ち難く、外槽に残った洗剤カスや汚れは細菌やカビの発生原因となる。そして、発生した細菌やカビは、回転ドラム内の洗濯物を汚染する。
したがって、寸法安定性及び剛性に優れ、洗剤カスや汚れが付着し難い外槽を有する洗濯機が望まれている。
そこで、本発明の課題は、寸法安定性及び剛性に優れ、洗剤カスや汚れが付着し難い外槽を有する洗濯機及びその製造方法を提供することにある。
前記課題を解決した本発明は、内槽の外側に外槽を有し、前記外槽が、第1樹脂を含んで形成されるベース部材と、第2樹脂を含んで形成され、少なくとも前記ベース部材の前記内槽に対向する側の表面を被覆する皮膜と、前記ベース部材内から前記皮膜内に亘って延在するとともに前記皮膜の表面に露出しないように当該皮膜内に留まっている繊維材料と、を有していることを特徴とする。
また、前記課題を解決した本発明の洗濯機の製造方法は、前記第1樹脂と前記繊維材料とを含む第1樹脂組成物を用いて前記ベース部材を成形するベース部材成形工程と、前記ベース部材成形工程で得られる前記ベース部材の表面に前記第2樹脂を含む第2樹脂組成物を施して前記皮膜を形成する皮膜形成工程と、を有し、前記皮膜形成工程を実施する前の前記ベース部材の表面を顕微鏡で50倍に拡大して観察した際に、前記ベース部材の表面に露出する前記繊維材料が確認できることを特徴とする。
本発明の実施形態に係る洗濯機の斜視図である。 本発明の実施形態に係る洗濯機の側面断面図である。 図2に示す洗濯機における外槽の一部の断面を模式的に示す部分断面図である。 図2に示す洗濯機の製造工程におけるベース部材成形工程を実施して得られるベース部材の一部の断面を模式的に示す部分断面図であり、外槽の皮膜を仮想線(二点鎖線)で示す図である。
次に、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下では本発明の洗濯機についてドラム式の洗濯乾燥機を例にとって説明する。
<洗濯乾燥機の全体構成>
図1は、実施形態に係る洗濯乾燥機Lの斜視図である。図2は、実施形態に係る洗濯乾燥機Lの側面断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るドラム式の洗濯乾燥機Lは、基礎部1の上に、鋼板と樹脂成形品とで組み合わされて構成される外枠2が載せられている。外枠2の正面には洗濯物を出し入れするドア3と前面カバー22が設けられ、外枠2の背面には背面カバー23が設けられている。図1中、符号9は、排水ホースである。
図2に示すように、外枠2の内側には、後に詳しく説明する外槽20が配置される。外槽20は、その下部に配置された複数個のサスペンション21によって支持されている。
外槽20の内側にある回転ドラム29には、開けたドア3を介して洗濯物30が投入される。この回転ドラム29は、特許請求の範囲にいう「内槽」に相当する。
回転ドラム29の開口部の外周には、脱水時の洗濯物30のアンバランスによる振動を低減するための流体バランサー31が設けられている。
回転ドラム29の内側には、洗濯物30を掻き揚げる複数個のリフター33が設けられている。回転ドラム29は、回転ドラム用金属製フランジ34に連結された主軸35を介してドラム駆動用モータ36に直結されている。外槽20の開口部には、弾性体からなるゴム系のパッキン38が取付けられている。パッキン38は、外槽20内とドア3との水密性を維持する。このパッキン38によって、洗い、すすぎ及び脱水時の水漏れの防止が図られる。回転ドラム29は、側壁に遠心脱水及び通風用の多数の小孔(図示せず)を有している。外槽20の底壁に開口した排水口37は、排水弁8を介して排水ホース9に接続されている。
また、洗濯乾燥機Lは、洗濯物30を乾燥させる除湿ダクト5と、送風手段としてのファン61と、加熱手段としてのヒータ62とを有する乾燥装置を備えている。この乾燥装置は、外槽20から離して外枠2に固定されている。
除湿ダクト5と通風口32とは、柔軟構造のベローズ4を介して略水平に接続されている。ヒータ62の出口と吹出しノズル11とは、柔軟構造のベローズ7を介して接続されている。これらのベローズ4,7は、外槽20の振動を吸収する。排水口37、ファン61の吸気口、及びファン61の吐出口には、それぞれ温度センサ(図示せず)が設けられている。
<洗濯乾燥機の動作>
次に、このような洗濯乾燥機Lの動作について説明する。
洗濯工程においては、洗濯乾燥機Lは、排水弁8を閉じた状態で給水して外槽20に洗濯水を溜め、回転ドラム29を回転させて洗濯物30を洗濯する。
なお、給水は、図示しない洗剤トレーを介して行われる。この洗剤トレーには、洗濯工程で行われる洗い及びすすぎに応じた所定のタイミングで洗剤、漂白剤、柔軟仕上げ剤等が投入される。
脱水工程においては、排水弁8を開いて外槽20内の洗濯水を排水した後、回転ドラム29を回転させて洗濯物の遠心脱水を行う。
乾燥工程の前半から中盤においては、排水弁8を開いた状態で回転ドラム29を回転させる。外槽20内の空気は、ファン61によって通風口32から除湿ダクト5へと排出される。
除湿ダクト5へと排出される空気は、回転ドラム29内の洗濯物30から水分を奪って湿潤している。除湿ダクト5内では、冷却水供給管(図示省略)の開口部51から除湿ダクト5の壁面を伝って流下する冷却水52と外槽20からの湿潤した空気とが接触する。この冷却水52と接触した空気は、水冷除湿される。除湿ダクト5内の壁面に流れ出た冷却水52は、排水口37を通って排水ホース9により排出される。
なお、この乾燥工程の前半から中盤における除湿ダクト5に設けられた吸気弁13は閉じられており、後記する外部空気16が除湿ダクト5内に流入しないようになっている。
除湿ダクト5内を流れる空気は、ヒータ62で加熱され、吹出しノズル11を介して洗濯物30を有する回転ドラム29内へと吹き出される。つまり、外槽20内の空気は、除湿ダクト5、ファン61、ヒータ62、吹出しノズル11を介して外槽20へと戻る循環空気12を生成する。
また、乾燥工程後半では、ヒータ62がOFFになるとともに冷却水52が止められる。図2中、一点鎖線で示す外部空気16は、吸気弁13が破線で示されるように開くことによって、基礎部1の下部の隙間から吸い込まれる。この外部空気16は、外槽20の側面を流れながら外槽20、ドラム駆動用モータ36、及びファン61の排熱によって温められる。温められた外部空気16は、乾燥中盤までに外槽20の上面と外枠2の空間に溜められた高温の筐体内部の空気と一緒になってファン61へと吸込まれる。
排熱を伴った外部空気16は、洗濯物30に吹き付けられ、洗濯物30から水分を奪う。そして、排水口37を通過した外部空気16は、排水ホース9を流れ、排水トラップ10の水封じ(図示せず)を破って排水口39に排出される。
<外槽>
次に、本実施形態での外槽20についてさらに詳しく説明する。
図3は、図2に示す洗濯乾燥機Lにおける外槽20の一部の断面を模式的に示す部分断面図である。なお、図3は模式図であり、作図の便宜上、ベース部材20aに対する皮膜20bの寸法比率、繊維材料41の厚さ、繊維材料41の太さ、繊維材料41の配置形態、繊維材料41の配置密度等は現実のものと異なっている。
図3に示すように、本実施形態での外槽20は、ベース部材20aと、このベース部材20aの表面に積層される皮膜20bと、ベース部材20aと皮膜20bとに跨って延在する繊維材料41と、を有して構成されている。
ちなみに、外槽20におけるベース部材20aの表面は、図2に示す回転ドラム29(内槽)に対向する側の表面であり、図3に示すベース部材20aでは、図3の紙面上側の表面に対応する。
(ベース部材)
ベース部材20aの形状は、後記するように皮膜20bの厚さが薄いことから、外槽20と略同形状を呈している。
本実施形態でのベース部材20aは、後記する第1樹脂を含んで構成されている。
第1樹脂としては、熱可塑性樹脂が好適に使用され、中でもポリプロピレン(PP)が望ましい。
また、ベース部材20aは、第1樹脂を含んでいればよく、ベース部材20aには、この第1樹脂に加えて無機材料を含めることもできる。
ちなみに、本実施形態での無機材料は、繊維材料41とは別の範疇に属するものを想定しており、ベース部材20aの構成要素となる。
本実施形態での無機材料は、例えば、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ等の非繊維物を想定している。
ベース部材20aにおける無機材料の含有率は、後記するように繊維材料の含有率を15質量%以上、30質量%以下とした場合に、第1樹脂と無機材料との合計質量に対する無機材料の質量割合で、30質量%以下とすることが望ましい。
(皮膜)
本実施形態での皮膜20bは、前記したようにベース部材20aの表面を被覆するように配置されている(図3参照)。具体的には、皮膜20bは、前記したように回転ドラム29(図2参照)に対向する側のベース部材20aの表面上に形成されている。また、皮膜20bは、ベース部材20aの表面から延出する繊維材料41をも被覆し、皮膜20bの表面には、繊維材料41が露出していない。
このような皮膜20bの表面粗さRaは、3.0μm以下となっていることが望ましい。
本実施形態での皮膜20bの厚さは、20μm〜100μmに設定されている。
皮膜20bは、第2樹脂を含んで構成されている。
第2樹脂としては、熱可塑性樹脂が望ましく、中でもポリオレフィンがより望ましい。
このポリオレフィンとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、その他のC5系α−オレフィンの重合体、ポリ(4−メチルペンタ−1−エン)、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、その他のα−オレフィンの共重合体、α−オレフィンと50%以下の他のモノマとの共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸三元共重合体等)等のポリオレフィン類、及びこれらのポリオレフィン類の塩素化合物である塩素化ポリオレフィンが挙げられる。中でも塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、及び塩素化ポリブテンは、ポリプロピレンを含むベース部材20aに対する付着性がより向上するので望ましく、塩素化ポリプロピレンは特に望ましい。
なお、塩素化ポリオレフィンの塩素含有率は34質量%以下に設定すると、ポリプロピレンを含むベース部材20aに対する皮膜20bの付着性がさらに向上するので望ましい。
このようなポリオレフィンは、重量平均分子量(Mw)が50000以上のものが、洗剤、漂白剤、接触等による皮膜20bの耐久性を向上させるので望ましい。
また、ポリオレフィンは、重量平均分子量(Mw)が70000以下のものを使用すると、スプレー法に好適な皮膜20bの形成用塗料を容易に調製することができる。
ポリオレフィンは、50℃より高い融点を示すものが望ましい。また、70℃より高い融点を示すポリオレフィンは、洗濯乾燥機L(図2参照)の前記した乾燥工程の温度を高く設定することができるので、洗濯乾燥機Lにおける乾燥時間設定や洗濯物30の厚手又は薄手の別に応じた乾燥条件設定等のようなモード設定の自由度が広がるのでより望ましい。また、ポリオレフィンは、外槽20の熱変形温度よりも低いものが望ましい。
また、皮膜20bは、第2樹脂を含んでいればよく、皮膜20bには、第2樹脂に加えて所定の添加剤を含めることもできる。
この添加剤としては、例えばシリコーンオイル、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
また、皮膜20bには、表面粗さRaが大きくなりすぎないことを条件に、添加剤として、例えばシリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛等のフィラーを含めることもできる。
(繊維材料)
図3に示すように、繊維材料は、本実施形態での外槽20においては、ベース部材20a内から皮膜20b内に亘って延在し、皮膜20bの表面に露出しないように皮膜20b内に留まっている。
繊維材料41としては、無機繊維材料が望ましく、例えば、ガラス繊維、ロックウール繊維、セラミック繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。中でも、ガラス繊維が望ましい。
また、繊維材料は、短繊維のいわゆるカットファイバが望ましく、ガラス繊維のカットファイバは特に望ましい。
繊維材料41の外径は、5〜20μmのものが望ましい。繊維材料41の平均長さは、0.1〜8.0mmのものが望ましい。
このような単繊維の繊維材料41を使用することで、後記するベース部材20aに対する皮膜20bの接合効果(アンカー効果)をより一層向上させることができる。
繊維材料41の含有率は、第1樹脂と繊維材料41の合計質量に対して15質量%以上であることが望ましい。また、繊維材料41の含有率は、30質量%以下であることが望ましい。
このような単繊維の繊維材料41を使用することで、後記するベース部材20aに対する皮膜20bの接合効果(アンカー効果)をより一層向上させることができる。
<洗濯乾燥機の製造方法>
次に、本実施形態に係る洗濯乾燥機Lの製造方法においては、外槽20の製造工程に特徴点を有するので、以下では主に外槽20の製造工程について説明する。
図4は、図2に示す洗濯乾燥機Lの製造工程におけるベース部材成形工程を実施して得られるベース部材20aの一部の断面を模式的に示す部分断面図であり、外槽20の皮膜20bを仮想線(二点鎖線)で示す図である。
外槽20の製造方法は、ベース部材20a(図3参照)を成形するベース部材成形工程と、このベース部材20aの表面に皮膜20b(図3参照)を形成する皮膜形成工程と、を有している。
ベース部材成形工程においては、ベース部材20a(図3参照)が射出成形法によって得られる。この射出成形法では、外槽20の形状を模ったキャビティを有する金型が使用される。ちなみに、外槽20は、ベース部材20aの表面に皮膜20bを形成して製造されるが、皮膜20bの厚さが前記したように薄いため、ベース部材20aの成形には、前記のように従来の外槽20用の金型を使用することができる。
この射出成形法では、第1樹脂と、繊維材料41とを含む第1樹脂組成物が使用される。この第1樹脂組成物は、第1樹脂と繊維材料41のみで構成することができるが、前記のように、無機材料を含めることもできる。
図4に示すように、このようなベース部材成形工程で得られたベース部材20aには、繊維材料41が含まれるとともに、この繊維材料41は、ベース部材20aの表面からその先端部が突出している。
なお、繊維材料41の突出程度としては、このベース部材20aの表面を顕微鏡(電子顕微鏡、光学顕微鏡等)で50倍に拡大して観察した際に、当該繊維材料41の先端が突出していることが確認できる程度が望ましい。
次に、ベース部材20aの表面に皮膜20bを形成する皮膜形成工程について説明する。
この皮膜形成工程においては、図4中、仮想線(二点鎖線)で示すように、ベース部材20aの表面に皮膜20bが形成される。
具体的には、第2樹脂を含む第2樹脂組成物がベース部材20aの表面に施されることで皮膜20bが形成される。
本実施形態での皮膜形成工程は、次に説明する塗料の塗布工程と、塗膜の乾燥工程と、乾燥塗膜の熱アニール工程と、を有している。
塗布工程では、前記の第2樹脂組成物を含む塗料がベース部材20aの表面に塗布される。
このような塗料は、第2樹脂及び必要に応じて加えられる添加剤からなる第2樹脂組成物を所定の溶媒に溶解させて調製することができる。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、n−ペンタン、ヘキサン等の脂肪族系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン等の脂環族系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、二塩化プロパン等の塩素化炭素系溶媒を使用することができる。溶媒の使用量は、塗料の取り扱いに適切になるように適宜設定される。また、溶媒の使用量を調節することで塗料中の溶媒の揮発速度を調節することもできる。これにより皮膜20bの表面の肌荒れを防止することもできる。
また、塗料は、前記したように第2樹脂組成物を所定の溶媒に溶解させた溶剤系の塗料に限定されずに、第2樹脂組成物が所定の分散媒に分散させたエマルジョン系の塗料とすることもできる。
塗料の塗布法としては、スプレー法、刷毛塗り、スキージー塗り等の公知の塗布法を使用することができるが、中でもスプレー法が望ましい。
塗膜の厚さは、次に説明する乾燥工程を実施した後の乾燥膜厚で、前記した20μm〜100μm程度となれば特に制限はなく、塗料に含まれる溶媒量(分散媒量)に応じて適宜に調節することができる。
乾燥工程では、ベース部材20a上に形成された塗膜の乾燥が行われる。塗膜の乾燥は、常温(JIS Z 8703)の下に無風状態で、又は塗膜に送風を行って実施される。
乾燥時間は、塗料に含まれる溶剤(又は溶媒)の種類に応じて1分から1日程度の範囲内で設定できる。この際、乾燥は、塗膜が完全乾燥の状態になるまで行う必要はないが、少なくとも硬化乾燥の状態になるまで行うことが望ましい。
熱アニール工程は、前記の乾燥工程で乾燥させた塗膜(皮膜20b)を所定の温度で加熱することによって実施される。皮膜20bの加熱温度としては、皮膜20bを構成する第2樹脂の種類に応じて調節することができ、第2樹脂の融点以上の温度が望ましい。本実施形態での加熱温度は、外槽20(ベース部材20a)の熱変形温度よりも低い温度を想定しているが、この加熱温度の上限は、外槽20に含まれる繊維材料41(図3参照)の含有量に応じて調節することができる。ちなみに、加熱温度の上限は、外槽20と同じ材料で形成したテストピースについて熱変形温度を予め測定しておき、この熱変形温度よりも低い温度にて設定することができる。
加熱方法としては、特に制限はないが、例えば、皮膜20bを温風加熱する方法、皮膜20bに赤外線照射を行う方法等が挙げられる。
加熱時間は、特に制限はないが、20分〜40分程度に設定することができる。
このような熱アニール工程を実施することにより、皮膜20bは完全乾燥の状態になるとともに、ベース部材20a(図3参照)、及びこのベース部材20aの表面から突出する繊維材料に対する皮膜20bの密着性が高められる。
ちなみに、本実施形態での外槽20における皮膜20bの表面粗さRa(JIS B 0601、2001)は、3.0μm以下であることが望ましい。
このような製造工程にて得られた外槽20が、図2に示すように、基礎部1上の外枠2内に回転ドラム29等の他の部品とともに組み付けられて本実施形態に係る洗濯乾燥機Lが完成する。
以上のような本実施形態に係る洗濯乾燥機L及びその製造方法によれば、次のような効果を奏することができる。
この洗濯乾燥機Lの外槽20は、繊維材料41を含んでいるので寸法安定性及び剛性に優れている。
また、この外槽20では、繊維材料41がベース部材20a内から皮膜20b内に亘って延在することによって皮膜20bをベース部材20a側に繋ぎ止めるアンカー効果を発揮する。一般には樹脂製のベース部材20a及び皮膜20b同士の接合は剥離し易いところ、この外槽20によれば、このアンカー効果によってベース部材20aに対する皮膜20bの接合強度が一段と高まる。
また、この外槽20では、繊維材料41が皮膜20bの表面に露出せずに皮膜20b内に留まっている。そのため本実施形態での外槽20は、無機材料を含む樹脂で形成される従来の外槽(例えば、特許文献2参照)と比べて、表面粗さが小さい。したがって、本実施形態での外槽20によれば、従来の外槽(例えば、特許文献2参照)よりも洗剤カスや汚れが付着し難い。つまり、本実施形態での外槽20によれば、従来の外槽(例えば、特許文献2参照)と比べて耐汚染性に優れる。
また、皮膜20bの表面粗さRa(JIS B 0601、2001)が3.0μm以下である外槽20は、より一層耐汚染性に優れることとなる。
また、本実施形態での外槽20は、複数の単繊維からなる繊維材料41の含有率が第1樹脂と繊維材料41との合計質量に対して15質量%以上となるように設定されることで、ベース部材20aの表面から皮膜20b側に突出する繊維材料41の数が一段と増大する。これにより本実施形態での外槽20は、ベース部材20aに対する皮膜20bの接合強度がより一層高まる。
また、本実施形態に係る製造方法では、皮膜形成工程を実施する前のベース部材20aの表面を電子顕微鏡で50倍に拡大して観察した際に、ベース部材20aの表面から突出した繊維材料41の先端が確認できることを条件とする。したがって、本実施形態に係る製造方法では、ベース部材20a内から皮膜20b側に亘って延在するように繊維材料41をより確実に外槽20内に配置することができる。つまり、この製造方法によれば、ベース部材20aに対する皮膜20bの接合強度に優れた外槽20をより確実に製造することができる。
また、本実施形態に係る製造方法では、皮膜形成工程において、皮膜20bを所定の温度で加熱する熱アニール工程を有するので、ベース部材20a及びこのベース部材20aの表面から突出する繊維材料41に対する皮膜20bの親和性が高まって、ベース部材20a及び繊維材料41に対する皮膜20bの密着力が向上する。その結果、この製造方法によれば、ベース部材20aに対する皮膜20bの接合強度をより一層高めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態では、ベース部材20aの内周面にのみ皮膜20bを形成した外槽20を想定しているが、本発明では外槽20の内外全面に皮膜20bを形成する構成とすることもできる。
また、前記実施形態では、皮膜20bを形成する第2樹脂として熱可塑性樹脂を使用することを想定しているが、この第2樹脂としては、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を使用することもできる。
また、前記実施形態では、斜めドラム式の洗濯乾燥機Lについて説明したが、本発明は縦ドラム式の洗濯乾燥機について適用してもよい。
次に、実施例を示しながら本発明についてさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例において、「部」は質量部を表している。
(実施例1)
<ベース部材の成形>
本実施例では、図2に示す洗濯乾燥機Lの外槽20と略同形状のベース部材20a(図3参照)を作製した。ベース部材20aは、第1樹脂としてのホモポリマーのポリプロピレン700部と、繊維材料41としてのガラス繊維60%含有ポリプロピレンマスターバッチ500部とを含む第1樹脂組成物を使用し、射出成形法によって作製した。このベース部材20aの表面を50倍の電子顕微鏡にて観察したところ、ベース部材20aの表面には、先端部を突出させるガラス繊維が確認できた。
<皮膜の形成>
皮膜20bの形成用の塗料を調製した。
塗料は、メチルシクロへキサン788部と、酢酸ブチル388部との混合溶媒に、第2樹脂としての塩素化ポリオレフィン[日本製紙ケミカル社製、スーパークロン(登録商標)892LS、重量平均分子量(Mw)50000〜70000、融点80℃〜90℃、塩素含有率21〜23質量%]100部を溶解させることによって調製した。
次に、ベース部材20aの内周面(回転ドラム29と対向する側の面)に、塗料をスプレーガン[アネスト岩田社製、LPH−200 122P]にて塗布した。
ベース部材20a上の塗膜の厚さは、次の乾燥工程を行った後の乾燥膜厚が20μm〜100μmとなるような厚さに調節した。
その後、塗膜に含まれる溶媒を室温で揮発させることによって塗膜の乾燥工程を行い、ベース部材20a上に硬化乾燥した塗膜からなる皮膜20bを得た。
次に、皮膜20bを形成したベース部材20aを温風乾燥炉内に投入することで皮膜20bに対する熱アニール工程を実施した。熱アニールは、皮膜20bを支持するベース部材20aの温度が90℃に維持される雰囲気下で30分間行った。
このような熱アニール工程の実施によって、皮膜20bと、ベース部材20a及びこのベース部材20aの表面から突出するガラス繊維との密着性が高められた外槽20が得られた。
<外槽の評価試験>
まず、外槽20の皮膜20bの表面を50倍の電子顕顕微鏡にて観察した。皮膜20bの表面には、ガラス繊維は露出していなかった。
また、JIS B 0601、2001に準拠して皮膜20bの表面の表面粗さRaを測定した。表面粗さRaは、1.9μmであった。
次に得られた外槽20の耐汚染性について評価した。ここでは皮膜20bを形成したベース部材20aを備える洗濯乾燥機Lを使用して、ポンプ循環して槽内を通水させる工程を15分間、その後停止させる工程を15分間行ない、これを1サイクルとして連続サイクル試験を1日8時間、延べ30日間行なった。
通水させる水には、洗濯用合性洗剤[花王社製、アタック高活性バイオEX(登録商標)、弱アルカリ性、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤配合]を洗濯水量15Lあたりに10g投入した。
また、汚れ成分としてパラフィン0.110g、ミリスチン酸0.168g、オレイン酸0.168g、トリステアリン0.168g、トリオレイン0.168g、ステアリン酸0.020g、コレステロール0.110g、スクアレンコレステロール0.088g、関東ローム層0.495g、及びカーボンブラック0.055gを洗濯水に投入した。
試験終了後、皮膜20bの状態を目視で観察した。皮膜20bの表面には汚れが付着していなかった。
次に、ベース部材20aに対する皮膜20bの密着性について評価した。これらの評価においては、ベース部材20aと同じ材質からなる板体を準備するとともに、この板体に前記したと同様に皮膜20bを形成し、これを試験片とした。
付着性の評価は、JIS−K−5600に準拠したクロスカット試験法によって行い、試験片の皮膜20bに対して格子状の切り傷を形成した後、これにセロハンテープを貼付し、次いで剥離した際の皮膜20bの状態を目視で観察した。
その結果、皮膜20bの状態は良好で、皮膜20bはベース部材20aに対する密着性に優れていた。
(比較例1)
実施例1と同様にしてベース部材20aを作製した。このベース部材20aの表面を50倍の電子顕微鏡にて観察したところ、ベース部材20aの表面には、先端部を突出させるガラス繊維が確認された。
実施例1とは異なって、このベース部材20aには皮膜20bを形成せずに、このベース部材20a自体を外槽20とした。JIS B 0601、2001に準拠してベース部材20aの表面の表面粗さRaを測定した。表面粗さRaは、3.0μmであった。
次に外槽20(ベース部材20a自体)の耐汚染性について実施例1と同様の試験を行って評価した。
試験終了後、外槽20(ベース部材20a自体)の状態を目視で観察した。外槽20(ベース部材20a自体)の表面には洗剤カスや汚れが付着していた。
(比較例2)
実施例1の第1樹脂組成物においてガラス繊維を加えなかった以外は、実施例1と同様に試験片用の板体を作製した。この板体の表面に実施例1と同様の塗料を使用して皮膜20bを形成し、試験片を作製した。
この試験片について、実施例1と同様にクロスカット試験法による皮膜20bの付着性能試験を行った。その結果、皮膜20bは、試験片の部分により部分的に剥がれたものが発生し、密着性の結果にバラツキが見られた。
[外槽の評価結果]
実施例1の外槽20は、比較例1の外槽20と比べて耐汚染性に優れることが確認された。また、実施例1の外槽20における皮膜20bは、比較例2の皮膜20bと比べてベース部材20aに対する密着性に優れることが確認された。
1 基礎部
2 外枠
3 ドア
5 除湿ダクト
8 排水弁
9 排水ホース
10 排水トラップ
11 吹出しノズル
20 外槽
20a ベース部材
20b 皮膜
21 サスペンション
22 前面カバー
23 背面カバー
29 回転ドラム(内槽)
30 洗濯物
31 流体バランサー
33 リフター
36 ドラム駆動用モータ
41 繊維材料
51 冷却水供給管の開口部
61 ファン
62 ヒータ
L 洗濯乾燥機

Claims (4)

  1. 内槽の外側に外槽を有し、
    前記外槽が、第1樹脂を含んで形成されるベース部材と、
    第2樹脂を含んで形成され、少なくとも前記ベース部材の前記内槽に対向する側の表面を被覆する皮膜と、
    前記ベース部材内から前記皮膜内に亘って延在するとともに前記皮膜の表面に露出しないように当該皮膜内に留まっている繊維材料と、
    を有していることを特徴とする洗濯機。
  2. 前記繊維材料は、複数の単繊維からなる繊維材料であり、
    前記繊維材料の含有率は、前記第1樹脂と前記繊維材料との合計質量に対して15質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
  3. 前記皮膜の表面粗さRaは、3.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
  4. 請求項1に記載の洗濯機の製造方法であって、
    前記第1樹脂と前記繊維材料とを含む第1樹脂組成物を用いて前記ベース部材を成形するベース部材成形工程と、
    前記ベース部材成形工程で得られる前記ベース部材の表面に前記第2樹脂を含む第2樹脂組成物を施して前記皮膜を形成する皮膜形成工程と、
    を有し、
    前記皮膜形成工程を実施する前の前記ベース部材の表面を顕微鏡で50倍に拡大して観察した際に、前記ベース部材の表面から突出した前記繊維材料の先端が確認できることを特徴とする洗濯機の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021189663A1 (zh) * 2019-03-27 2021-09-30 无锡小天鹅电器有限公司 桶组件以及洗衣机

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