まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。また、本実施例においては、『実行』と『実施』とは同義である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3と、遊技機用枠3を回動可能に支持する外枠200(図3、図4参照)と、から構成されている。遊技盤2の前面には、ガイドレール2bによって囲まれた遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、後述する第1透明板50a及び第2透明板50bを有する開閉扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該開閉扉枠50により遊技領域10を含む遊技機用枠3の前面を開閉できるようになっており、開閉扉枠50により遊技機用枠3の前面を閉鎖したときに第1透明板50a及び第2透明板50bからなる透視部を通して遊技領域10を透視できるようになっている。
遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて、図1に示すように、正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面には障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられている。尚、本実施例では、後述するように、遊技盤2の後方に役物装置310A、310Bが設けられていることを遊技者に認識され難くするために、該遊技盤2を非透光性部材に形成した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技盤2を、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材からなる盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)とにより形成しても良い。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、パチンコ遊技機1の前後方向に貫通する開口2cが形成されており、開口2cには、環状のステージ飾り枠51が嵌合されている(図5参照)。また、遊技盤2の後方には剣型の模型を傾倒可能に有する1対の役物装置310A、310Bや、後述する投影装置400から投影される画像を映し出すための3つのスクリーンを備えるスクリーンユニット300や、演出表示装置5が設けられており、スクリーンユニット300と演出表示装置5を、開口2cを通して視認できるようになっている。尚、役物装置310A、310Bは、開口2cを通して視認し難い位置である、開口2cから少し外れた位置に設けられており、剣型の模型が傾倒されることで、開口2cから剣型の模型を視認可能となるようになっている。
演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄ともいう)が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
演出図柄の変動表示は、スクリーンユニット300と演出表示装置5のいずれにおいても実行される。演出表示装置5において演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出表示装置5の表示領域に設定された、「左」、「中」、「右」の演出図柄変動エリア5L,5C,5Rにて個々に演出図柄の変動表示が実行され、変動表示が終了するときに、「左」、「中」、「右」の各演出図柄変動エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
また、スクリーンユニット300において演出図柄の変動表示が実行される場合にも、演出表示装置5と同様に、「左」、「中」、「右」の3つの演出図柄変動エリアにて演出図柄の変動表示が実行され、変動表示が終了するときに、「左」、「中」、「右」の3つの演出図柄変動エリアに確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、スクリーンユニット300及び演出表示装置5では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、確定演出図柄(最終停止図柄)をスクリーンユニット300または演出表示装置5の一方のみに表示するようにしても良い。また、特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
スクリーンユニット300や演出表示装置5において変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやはずれとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
スクリーンユニット300を構成する後述する平面状の第2スクリーン302の下方領域と、演出表示装置5の表示領域の上部領域には、保留記憶表示エリアが設定されている。保留記憶表示エリアでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
尚、本実施例では、後述する予告演出やリーチ演出等が実行される場合においてスクリーンユニット300が変化したり、スクリーンユニット300に演出画像が大きく投影表示される場合において、演出表示装置5の上部領域の保留記憶表示エリアに保留記憶表示が表示されるが、それ以外の通常時においては、主に、第2スクリーン302の下方領域の保留記憶表示エリアに保留記憶表示が表示される。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示にて保留記憶表示エリアの左側領域に表示し、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の青色表示にて保留記憶表示エリアの右側領域に表示する。
図1に示す例では、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、閉鎖位置となる閉鎖状態と開放位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動板が閉鎖位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい閉鎖状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動板が開放位置となる開放制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの右方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉(図示略)を備え、その大入賞口扉(図示略)によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口(図示略)を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉(図示略)が大入賞口(図示略)を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉(図示略)が大入賞口(図示略)を開放状態として、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口(図示略)を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口(図示略)を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口(図示略)に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口(図示略)が閉鎖状態となれば、大入賞口(図示略)に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの右側には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の前面(遊技盤面)には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘(図示略)が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
開閉扉枠50の上部位置には、前方に突出する上突出部210Aが設けられているとともに、該上突出部210Aの両側に隣接して、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられている。さらに遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。尚、本実施例では、遊技領域10内のスクリーンユニット300の周辺部にも演出用LED9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲にも、演出用LEDが配置されていてもよい。開閉扉枠50の右下部位置には、遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)52が設けられている。例えば、打球操作ハンドル52は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル52には、発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における開閉扉枠50の所定位置には、賞球や貸玉として払い出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿が設けられている。
開閉扉枠50の前面下部には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含む。スティックコントローラ31Aの下部には、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられている。
スティックコントローラ31Aの上方には、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における打球供給皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
また、外枠200の下部には、幕板214(図3参照)が設けられており、該幕板214の内部には、低音出力用のスピーカ8Uが内蔵されている。
図3は、パチンコ遊技機1を示す背面図である。図4は、開閉扉枠50を開放して遊技盤2を遊技機用枠3に取付ける状態を示す斜視図である。図5は、パチンコ遊技機1の内部構造を示す概略縦断面図である。図6は、(A)は第2スクリーン302が第2退避位置、第3スクリーン303が第3退避位置、(B)は第2スクリーン302が第2投影位置、第3スクリーン303が第3退避位置にある状態を示すスクリーンユニット300の斜視図である。図7(A)と図7(B)は、投影装置400とスクリーンユニット300との位置関係を示す概略縦断面図である。図8は、(A)は第2スクリーン302が第2投影位置、(B)は第3スクリーン303が第3投影位置、(C)は第2スクリーン302が第2退避位置、第3スクリーン303が第3退避位置にあるときの投影光及び投影画像を示す説明図である。
図3に示すように、パチンコ遊技機1の背面側、つまり、遊技機用枠3の背面上部には、遊技場に設置される遊技島(図示略)から供給される遊技球を受ける球タンク150が設けられている。球タンク150に供給された遊技球は、補給通路151を流下して左側の払出装置152に供給される。払出装置152から払い出された遊技球は、賞球通路153を流下してパチンコ遊技機1の前面に設けられた打球供給皿に誘導される。また、遊技機用枠3の背面における補給通路151の上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板154が設置されている。
外枠200は、四角枠状に形成されており、該外枠200の下部には、幕板214が設けられている。外枠200には、遊技機用枠3が左側辺を中心として外枠200を閉鎖する閉鎖位置と外枠200を開放する開放位置との間で回動可能に支持されており(図4参照)、遊技機用枠3が閉鎖位置にあるときに、遊技機用枠3と幕板214とにより開口が閉鎖されるようになっている。
図4に示すように、遊技機用枠3には、遊技機用枠3とほぼ同形に形成された枠体50cと、第1透明板50a及び第2透明板50bとを有する開閉扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、遊技領域10を含む遊技機用枠3の前面を開閉できるようになっている。開閉扉枠50を閉鎖したときには、第1透明板50a及び第2透明板50bを透して遊技領域10を透視できるようになっている。また、開閉扉枠50は、遊技機用枠3の前面全域を被覆可能な大きさに形成されている。
また、遊技機用枠3には、正面視四角形状の開口部160が形成されており、開口部160を閉鎖するように遊技盤2が前方から着脱可能に取付けられる。遊技盤2は、該遊技盤2の前後面に設けられる各種部材や電子部品等を含む構造体である。また、遊技盤2の背面には、演出表示装置5、スクリーンユニット300及び役物装置310A,310B等が組付けられたカバー体220が取付けられ一体化されている。カバー体220は、外部からの光の入射を遮ることができるように黒色で不透明な合成樹脂材により前面が開口する略箱状に形成され、遊技盤2の背面略全域を覆うように該遊技盤2の背面に取付けられる。このように、カバー体220が一体に取付けられた遊技盤2が遊技機用枠3に取付けられると、カバー体220が開口部160を介して遊技機用枠3の背面側に突出するようになっている(図5参照)。
パチンコ遊技機1の後方に向けて膨出するカバー体220の外周面下部に形成された傾斜面220aには主基板11が収納された遊技制御基板ケース11Aが設けられている。また、遊技機用枠3の背面におけるカバー体220の下方には、遊技球の払い出しに関わる制御を行う払出制御基板91が収納された払出制御基板ケース91Aと、パチンコ遊技機1に電力を供給するための電源基板92が収納された電源基板ケース92Aと、が前後に重畳するように設けられている。このようにすることで、カバー体220の背面には、基板が配置されないので、カバー体220の奥行き方向の突出寸法を大きくとることにより、スクリーンユニット300と投影装置400との離間距離を大きくできるようにしている。
図4〜図6に示すように、開閉扉枠50の前面には、第2透明板50bの上方の上突出部210Aと、第2透明板50bの左右の側方突出部210Bと、第2透明板50bの下方の下突出部210Cと、からなるカバー部材が、それぞれ第2透明板50bに対し前方に突出するように設けられている。
上突出部210Aは、開閉扉枠50の上辺に沿って庇状に形成され、左右方向の中央位置には投影装置400を収容可能な収容部211が設けられている。また、収容部211の左右にはスピーカ8L,8Rが収容されている。上突出部210Aにおける収容部211に対応する部分は、その左右側よりもやや前方に突出している。側方突出部210Bは、開閉扉枠50の左側辺及び右側辺それぞれに沿って上下方向に延設され、正面視細長帯状に形成されている。下突出部210Cは、開閉扉枠50の下辺に沿って形成され、打球供給皿、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B及び打球操作ハンドル52等が設けられている。尚、上突出部210Aにおける収容部211に対応する部分は、側方突出部210Bよりも前方に大きく突出している。
上記したように、側方突出部210Bにスピーカ8L,8Rを配置することで、遊技者とスピーカ8L,8Rの距離を短縮することができるため、他のパチンコ遊技機1から出力される音の影響を受けにくくなり、効果音の効果を高めることができる。
尚、スピーカ8L,8Rは、弾性部材である防振ゴム(図示略)を介して収容部211に固定されており、スピーカ8L,8Rの振動が投影装置400に伝搬して、投影画像が不鮮明となってしまうことを防ぐことができるようにしている。
図1に示すように、上突出部210Aは、細長帯状の側方突出部210Bを介して下突出部210Cと一体に形成されている。よって、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B及び打球操作ハンドル52等が操作されることにより下突出部210Cに振動が生じた場合、側方突出部210Bを介して上突出部210Aに振動が伝達されるが、側方突出部210Bは、上突出部210Aや下突出部210Cに比べて表面積が小さく、かつ、突出長さも小さいことで、振動が上突出部210Aに伝達されにくくなる。よって、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B及び打球操作ハンドル52等の操作により生じる振動で投影装置400から投影された画像が揺れることが抑制される。
第1透明板50a及び第2透明板50bは、枠体50cの開口を閉鎖するように設けられている。本実施例では、第1透明板50aは透明なガラス板にて構成され、第2透明板50bは、前方側からの光の入射を防ぐために、半透明のアクリル樹脂板(いわゆるスモークアクリル板)にて構成されており、第1透明板50a及び第2透明板50bは、前方、つまり、遊技者側から見て第2透明板50b、第1透明板50aの順に配置されている。
また、第1透明板50aは第2透明板50bよりも薄い板厚寸法を有する平板(ガラス板)にて形成されている。
このように、本実施例では、第2透明板50bが存在することにより、第1透明板50aは、遊技者によって殴打されること等が無いとともに、投影装置400から投影される画像の光(投影光)は、第1透明板50aを透過しなければならないため、できるだけ第1透明板50aによる屈折や光の吸収等を抑えることが好ましいので、第1透明板50aの板厚を、遊技球の衝突等によって破損しない強度を有する最小限の厚みとなるようにしている。
また、第2透明板50bとしてアクリル樹脂板を用いることにより、第2透明板50bが破損しても破片が飛散してしまうことを防ぐことができるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2透明板50bとして第1透明板50aと同じくスモークフィルムを貼着したガラス板等を用いても良い。また、逆に、第1透明板50aと第2透明板50bの双方をアクリル樹脂板としても良い。
尚、本実施例の第1透明板50a(ガラス板)の表面には、光の反射を抑えるために、蒸着によって銀の薄膜が形成されている。
このように、第1透明板50aにのみ銀の薄膜を表面に形成しているのは、本実施例では、投影装置400から投影される画像の光(投影光)は、第2透明板50bは透過しないが、第1透明板50aを透過しなければならないとともに、第1透明板50aに対して斜め上方から投影光が入射されるので、投影光が第1透明板50aにて反射され易いことから、これら投影光が第1透明板50aにて反射されることを、銀の薄膜を表面に形成することによって防ぐようにしている。
尚、本実施例では、反射防止膜として銀薄膜を用いた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら銀薄膜以外の反射防止膜を使用しても良い。
また、本実施例では、第1透明板50aと第2透明板50bとに平板を用いた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、湾曲する湾曲板や、屈曲板等にて構成されていてもよい。
また、本実施例では、上記したように、第1透明板50aを透明なガラス板にて構成し、第2透明板50bを半透明のアクリル樹脂板にて構成した形態を例示したが、第1透明板50aと第2透明板50bの少なくとも一方を、ガラス板またはアクリル樹脂板以外の透明素材、例えば、ポリカーボネート樹脂等にて構成されていてもよい。このように、第1透明板50aと第2透明板50bとは、異なる素材にて構成されていてもよいし、同一の素材にて構成されていてもよい。
第1透明板50aは、略鉛直方向に沿って立設されており、開閉扉枠50が閉鎖位置にあるときに、遊技盤2に対し前方に離れた位置において略平行をなし、該遊技盤2との間に遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されるようになっている。
第2透明板50bは、第1透明板50aに対し前方に離れた位置において傾斜するように設けられる。詳しくは、第1透明板50aと第2透明板50bとの上端部間の前後寸法D1が、第1透明板50aと第2透明板50bとの下端部間の前後寸法D2よりも長寸となるように設けられている(D1>D2)。つまり、第2透明板50bは、下方から上方にかけて漸次、第1透明板50aとの距離が増大するように傾斜して設けられている。
また、第1透明板50aと第2透明板50bとの間に形成される空間の側周面は閉鎖枠212により覆われており、第1透明板50aと第2透明板50bとの間に手指を挿入できないようになっている。また、閉鎖枠212における収容部211に対応する部分(上部)には投影口213が形成されており、該投影口213に投影部401(レンズ)が臨むように投影装置400が設けられている。
投影装置400は、投影部401を後斜め下向きにした状態で収容部211内に収容される。また、投影部401には、該投影部401からの投影光の拡散を防止する(投影範囲を決定する)ための拡散防止筒402が投影部401を囲むように設けられている。
このように投影装置400は、第1透明板50aと第2透明板50bと閉鎖枠212とにより囲まれた空間と収容部211とを連通する投影口213に投影部401及び拡散防止筒402が臨むように収容部211に設けられることで、収容部211の後方に配設されるスクリーンユニット300に第1透明板50aを通して画像を投影可能となっている。詳しくは、投影部401から投影された投影光は、第1透明板50aの前方から該第1透明板50aを斜めに透過し、遊技盤2の開口2cを通過してスクリーンユニット300に到達するようになっている。つまり、投影装置400は、投影部401から投影される光が第2透明板50bを通過せずに第1透明板50aを通過する位置に設けられている。
また、投影部401及び拡散防止筒402は、第1透明板50aと第2透明板50bと閉鎖枠212とにより囲まれた空間内に投影口213を介して臨むように設けられていることで、投影部401及び拡散防止筒402の前方が第2透明板50bにより被覆されるため、第1透明板50aと第2透明板50bと閉鎖枠212とにより囲まれた空間内に手指や異物を進入させることができないので、投影部401から投影された投影光が手指で遮られたり、投影部401(レンズなど)や第1透明板50aに触られて指紋がついたりすること等を回避できる。
図3〜図5に示すように、開閉扉枠50の背面下部には、演出制御基板12が収納された演出制御基板ケース12Aが取付けられている。演出制御基板12には、配線230の一端が接続されている。この配線230は、遊技機用枠3の下部に形成された挿通口215を介して遊技機用枠3の背面側に延設され、該配線230の他端は、主基板11やスクリーン用モータ304A,304B等を含む各種基板及び演出用電子部品にそれぞれ接続されている。尚、本実施例では、演出制御基板12を開閉扉枠50の背面下部に設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カバー体220の背面以外であれば、その他の部分に演出制御基板12を配置するようにしても良い。
図6及び図7に示すように、スクリーンユニット300は、前方及び上方に向けて開口する略箱状に形成された第1スクリーン301と、第2スクリーン302及び第3スクリーン303と、第2スクリーン302及び第3スクリーン303をそれぞれ個別に移動させるためのスクリーン用モータ304A,304Bと、スクリーン用モータ304A,304Bの駆動力を第2スクリーン302、第3スクリーン303に伝達するための機構ユニット305とを有し、カバー体220に固設されている。
第1スクリーン301は、左側板301A、右側板301B、下板301C、背板301Dにより前方及び上方に向けて開口する略箱状、つまり、立体状に形成されている。左側板301Aと右側板301Bとは、前方に向けて漸次離間寸法が大きくなるように平面視略ハの字状に配設されていることで、前方から視認できるようになっている。下板301Cは、前方に向けて下方に傾斜するように配設されていることで、前方から視認できるようになっている。背板301Dは、略鉛直方向に向けて遊技盤2と略平行をなすように配設されている。
第2スクリーン302は、正面視略台形状に形成された平板にて構成されたベース板302Aと、該ベース板302Aの左側辺、右側辺及び下辺に沿って各辺を覆うように取付けられた弾性材(例えば、ゴム材など)からなる緩衝部材302Bと、から構成されている。また、ベース板302Aの上辺は、左右の機構ユニット305の内部に設けられた回動軸(図示略)に軸支された左右一対のアーム間に架設された連結杆305Aに取付けられている。よって、第2スクリーン302は、スクリーン用モータ304Aの駆動により、第1スクリーン301の前部に嵌合する第2投影位置(図6(B)において実線で示す位置)と、第1スクリーン301の上方に退避する第2退避位置(図6(B)において2点鎖線で示す位置)と、の間で左右方向を向く回動軸心を中心として回動可能とされている。
また、第2スクリーン302は、第2投影位置において、該第2スクリーン302の左側辺、右側辺及び下辺を構成する緩衝部材302Bが、第1スクリーン301の左側板301A、右側板301B及び下板301Cそれぞれの前部に近接し、上方に向けて背面側に傾倒するように配置される(図6(C)参照、緩衝部材302Bと左側板301A、右側板301Bとの近接の図示は省略する)。つまり、第2スクリーン302は、第2投影位置において、第1スクリーン301の前部に嵌合するようになっており、嵌合した状態において第1スクリーン301に近接する部分に緩衝部材302Bが設けられている。よって、第1スクリーン301と第2スクリーン302との間隙が、緩衝部材302Bによってふさがれるようになるので、第1スクリーン301において第2スクリーン302より後方にある部分が間隙から視認されてしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施例では、第2スクリーン302は、第2投影位置にて第1スクリーン301の前部に嵌合した状態において、緩衝部材302Bが第1スクリーン301の左側板301A、右側板301B及び下板301Cそれぞれの前部に近接するようになっていたが、緩衝部材302Bが第1スクリーン301の左側板301A、右側板301B及び下板301Cそれぞれの前部に当接するようにしてもよい。
また、緩衝部材302Bが弾性材にて形成されていることで、第1スクリーン301と第2スクリーン302とが嵌合して当接するときに、衝突の衝撃によって第1スクリーン301や第2スクリーン302が大きく変形してしまうことを防ぐことができるとともに、嵌合して当接するときに第1スクリーン301や第2スクリーン302が疵ついてしまうことも防ぐことができる。
尚、本実施例では、緩衝部材302Bが弾性材にて形成されていたが、緩衝部材302Bがアルミ材やステンレス材等の金属部材にて形成されていても良く、このようにすることで、第1スクリーン301と第2スクリーン302とが嵌合するときに、衝突によって第1スクリーン301や第2スクリーン302が大きく変形してしまうことを防ぐことができる。
また、第2スクリーン302は、第2投影位置へ移動して第1スクリーン301に嵌合して該第1スクリーン301に近接する部分における角部を、切欠状またはカーブ状(アール形状)としても良く、このようにすることで、第1スクリーン301と第2スクリーン302とが嵌合して当接するときに、第2スクリーン302において第1スクリーン301と当接する部分における角部が破損してしまうことを防ぐことができる。
第3スクリーン303は、正面視略長方形状をなし、上下方向の略中央位置が前側に湾曲する湾曲板とされている。また、第3スクリーン303の左右側には、機構ユニット305の内部に設けられた回動軸(図示略)に軸支されたアームが取付けられている。よって、第3スクリーン303は、スクリーン用モータ304Bの駆動により、第1スクリーン301の前方を覆うように配置される第3投影位置(図8(B)において実線で示す位置)と、第1スクリーン301の背面側に退避する第3退避位置(図8(A)(C)において実線で示す位置)と、の間で左右方向を向く回動軸心を中心として回動可能とされている。尚、第3スクリーン303が第3投影位置に配置されたときに第1スクリーン301に嵌合するようにしてもよく、このようにする場合、第1スクリーン301と第3スクリーン303とが近接する部分に緩衝部材302Bを設けることが好ましい。
このように、第1スクリーン301はカバー体220に固設されており、第2スクリーン302及び第3スクリーン303は第1スクリーン301に対し回動可能に設けられている。尚、本実施例では、第2スクリーン302と第3スクリーン303とは、第2投影位置及び第3投影位置それぞれに一緒に配置されることはなく、交互に配置されるようになっているが、双方が一緒に第2投影位置及び第3投影位置に配置される構成にしてもよい。
つまり、投影装置400によって画像が投影される被投影部としてのスクリーンユニット300は、第2スクリーン302と第3スクリーン303とが第2投影位置と第3投影位置とに選択的に配置可能に設けられていることで、形状を変化可能である。具体的には、第2スクリーン302が第2投影位置に配置されて被投影部となる第1形状と、第3スクリーン303が第3投影位置に配置されて被投影部となる第2形状と、第2スクリーン302と第3スクリーン303とが第2投影位置と第3投影位置に退避し、第1スクリーン301が被投影部となる第3形状と、に変化可能である。
図7において1点鎖線で示すように、投影装置400は、投影部401から投影された投影光が投影装置400の後斜め下方に配設された第1スクリーン301に到達するように設けられている。具体的には、投影部401から投影された投影光の投影範囲は、上限が背板301Dの上端よりやや上方、下限が下板301Cの前端よりやや下方、左限が左側板301Aの前端、右限が右側板301Bの前端となる範囲とされている。
また、投影装置400は、投影部401から投影された投影光が、遊技盤2の前面である遊技盤面や、開口2cに嵌合され、遊技盤面側から遊技領域10に向けて突設されたステージ飾り枠51や、演出表示装置5などにより遮られることがないように設けられている。
このように構成された投影装置400とスクリーンユニット300にあっては、図8(A)に示すように、第2スクリーン302が第2投影位置にあるときは、第2スクリーン302の前面に、投影装置400から投影された画像(例えば、演出図柄の変動表示など)が表示される。
また、図8(B)に示すように、第3スクリーン303が第3投影位置にあるときは、第3スクリーン303の前面に、投影装置400から投影された画像(例えば、演出画像など)が表示される。尚、画像は、第3スクリーン303の湾曲面に応じた画像が投影される場合がある。
また、図8(C)に示すように、第2スクリーン302が第2退避位置、第3スクリーン303が第3退避位置にあるときは、第1スクリーン301の前面に、投影装置400から投影された画像(例えば、演出画像など)が表示される。尚、画像は、それぞれ異なる方向を向く左側板301A,右側板301B,下板301C,背板301Dに応じた画像が投影される場合がある。
投影装置400の投影部401から被投影部としての第1スクリーン301、第2スクリーン302及び第3スクリーン303までの距離はそれぞれ異なっている。詳しくは、図8(A)に示すように、投影部401から第2投影位置に配置された第2スクリーン302の前後左右方向の略中央位置までの距離L1と、図8(B)に示すように、投影部401から第3投影位置に配置された第3スクリーン303の前後左右方向の略中央位置までの距離L2と、図8(C)に示すように、投影部401から第1スクリーン301において最も後方に配置された背板301Dの前後左右方向の略中央位置までの距離L3と、はそれぞれ異なっている。
また、各距離L1,L2,L3の関係は、L3>L1>L2とされている。つまり、投影部401から第3投影位置にある第3スクリーン303までの距離L2が最も短く、投影部401から第1スクリーン301の背板301Dまでの距離L3が最も長くなっており、投影部401から第2投影位置にある第2スクリーン302までの距離L1は、距離L2と距離L3との間の長さとなっている(L3>L1>L2)。すなわち、投影装置400によって画像が表示される被投影部は、投影部401との距離が最も長い遠領域としての背板301Dと、投影部401との距離が最も短い近領域としての第3投影位置にある第3スクリーン303と、背板301Dと第3スクリーン303との間の中間領域としての第2投影位置にある第2スクリーン302と、を含む。
このように、第1スクリーン301の背板301Dに画像を投影する場合と、第2スクリーン302に画像を投影する場合と、第3スクリーン303に画像を投影する場合と、で投影部401からの距離が異なるため、例えば、投影部401の焦点を該投影部401に最も近い第3スクリーン303に合わせると、最も後方にある背板301Dに投影する際における焦点のずれが大きくなる。また、投影部401の焦点を該投影部401から最も遠い背板301Dに合わせると、最も前方にある第3スクリーン303に投影する際の焦点のずれが大きくなり、画像が見づらくなってしまう。
よって、本実施例では、背板301Dと第3スクリーン303との間の第2投影位置に配置される第2スクリーン302に予め焦点Fを合わせて調整していることで、第1スクリーン301の背板301Dに画像を投影する場合、第2スクリーン302に画像を投影する場合及び第3スクリーン303に画像を投影する場合における焦点のずれを小さく抑えることができるので、各スクリーンに投影される画像が見づらくなることを防ぐことができる。
尚、本実施例では、第2投影位置は、後方の背板301Dと前方の第3スクリーン303との中間位置よりやや前方位置であるが、前述したように第2スクリーン302が第2投影位置に配置される状態がスクリーンユニット300の駆動初期状態とされ、演出図柄の変動表示画像等を投影する時間が長いため、図8(A)に示すように、焦点Fを第2投影位置に配置される第2スクリーン302に合わせているが、背板301Dと第3スクリーン303との間の中間領域に合わせれば良く、背板301Dと第3スクリーン303との中間位置あるいは該中間位置よりやや後方位置等に合わせてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、発射制御基板、インタフェース基板、前述したターミナル基板154などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、投影装置400、演出表示装置5、スピーカ8L,8R,8U、演出用LED9、スクリーンユニット300、役物装置310A,310Bといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、投影装置400における表示投影動作や、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8R,8Uからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部、スクリーンユニット300の動作制御全部または一部、役物装置310A,310Bの動作制御の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8R,8Uから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。LED制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたLED出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED9などにおける点灯/消灯駆動を行うLEDドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、投影装置400における投影動作や演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8R,8Uからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、演出用LED9の点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
図9(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図9(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図9(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して、変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図9(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図9(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態;通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態;時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態;時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態;時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンド9F00(H)は、デモンストレーション画面(デモ画面)の表示が可能であることを通知する演出制御コマンド(デモ表示可能コマンド)である。尚、本実施例におけるデモ表示可能コマンドは、デモ画面の表示、つまりデモ演出の実行を許可するコマンドであって、該デモ表示可能コマンドを受信した演出制御基板12は、受信直後にデモ画面を表示(デモ演出を開始)するのではなく、デモ演出の開始条件である所定時間に亘って変動表示が無かったことが成立した場合に、デモ演出を開始(デモ画面を表示)するようにしている。尚、主基板11からデモ表示可能コマンドを送信しない態様であっても良く、演出制御基板12において、所定期間変動表示が無く、遊技者による操作も無かった場合に、デモ演出を開始(デモ画面を表示)する旨の判定を行うようにしても良い。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。これら第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドが出力されることにより、演出制御基板12において、RAM122の所定の記憶領域に設定された第1特図保留記憶領域並びに第2特図保留記憶領域において、第1特図保留記憶番号または第2特図保留記憶番号に対応する各格納領域(エントリ)のうち、始動入賞フラグがセットされていない最上位の格納領域(エントリ)に始動入賞フラグがセットされる。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図10は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図10に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば、RAM102の遊技制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図はずれ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図11は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図11に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。また、スーパーリーチβ、スーパーリーチαのリーチ演出中においては、いずれも、スクリーンユニット300が変化する演出が実行される場合があるが、これらスクリーンユニット300が変化する演出が実行される割合(確率)は、スーパーリーチαよりもスーパーリーチβの方が高くなるように設定されている。
尚、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしても良い。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図11に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図12は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。すなわち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図13は、ROM101に記憶される大当り種別判定テーブルの構成例を示している。本実施例の大当り種別判定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変大当りA」、「確変大当りB」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における大当り種別について、図13(B)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りAや確変大当りBと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りとが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態と「非確変大当り」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。一方、「確変大当りB」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される短期開放大当りである。よって、「確変大当りA」を16ラウンド(16R)確変大当りと呼称し、「確変大当りB」を5ラウンド(5R)確変大当りと呼称する場合がある。
確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りAや確変大当りBである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
一方、「非確変大当り」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(本実施例では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
図13(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「81」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「確変大当りB」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「確変大当りB」としてラウンド数の少ない短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、得られる賞球が少ない短期開放大当り状態の頻発を回避して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
尚、図13(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、「非確変」の大当り種別に対する判定値の割当ては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに係わらず同一とされているので、非確変の大当りとなる確率と確変の大当りとなる確率は、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず同一とされている。
よって、上記したように、「確変大当りB」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、ラウンド数の多い「確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、本実施例では、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変大当り」とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら以外の大当りの種別を設定するようにしても良い。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、特図表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施例では、これらの判定値が、大当りの種別が「確変大当りA」または「確変大当りB」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「非確変大当り」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「確変大当りA」または「確変大当りB」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、はずれ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
はずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図11に示すように、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチはずれの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば、遊技制御用データ保持エリアが設けられている。この遊技制御用データ保持エリアには、第1特図保留記憶部と、第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、遊技制御フラグ設定部と、遊技制御タイマ設定部と、遊技制御カウンタ設定部と、遊技制御バッファ設定部とが設けられている。
第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部は、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部は、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
本実施例の演出制御基板12には、図2に示すように、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理や投影装置400における投影動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125と、その時点の日付時刻データを出力可能なRTC126とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
本実施例の表示制御部123は、主基板11からの前述した表示制御コマンドの受信に基づいて演出制御用CPU120から出力される指示に応じて、ROM121に記憶されているキャラクタ画像データ等の各種画像データを読み出して、投影装置400により投影される画像や演出表示装置5に表示される画像の画像データを生成して投影装置400や演出表示装置5に出力する。
尚、本実施例のスクリーンユニット300には、前述したように、箱状の第1スクリーン301、平面状の第2スクリーン302、湾曲板状の第3スクリーン303が設けられているため、これら箱状の第1スクリーン301、平面状の第2スクリーン302、湾曲板状の第3スクリーン303のそれぞれの形状に合わせて予め作成された画像データがROM121に記憶されており、これら各スクリーン形状に合わせた画像を用いた画像が表示制御部123において生成され(読み出され)て投影装置400に出力されることにより、各スクリーン形状に合わせた画像が投影装置400により投影される。
尚、本実施例では、ROM121に記憶された画像として、各スクリーン形状において、投影対象となる各部位に対応付けられた画像、つまりプロジェクションマッピング技術により作成された画像を用いている。
これら各スクリーン形状に合わせた画像としては、具体的は、略箱状をなす第1スクリーン301に投影する画像であれば、第1スクリーン301を構成する左側板301A、右側板301B、下板301C、背板301Dのそれぞれに投影する画像として、本実施例では、例えば、図8(C)に示すように、略箱状をなす第1スクリーン301を部屋に見立てた画像が例示される。この部屋に見立てた図8(C)に示す画像は、下板301Cに投影される領域の画像を奥側が狭幅となると下板301Cに形成される面の形状に合致させた床面の画像とし、左側板301Aに投影される領域の画像を左側板301Aが形成する面に対応する形状に合致させた壁面の画像とし、右側板301Bに投影される領域の画像を右側板301Bが形成する面に対応する形状に合致させた壁面の画像とし、背板301Dに投影される領域の画像を背板301Dが形成する面に対応する形状に合致させた壁面の画像として予め作成されたもの、すなわち、略箱型の第1スクリーン301を構成する各面の領域毎に合致させた画像を各面に投影するためにマッピングされた画像(いわゆるプロジェクションマッピング画像)とされている。
また、湾曲状をなす第3スクリーン303に投影する画像であれば、第3スクリーン303が有する湾曲面に投影する画像として、本実施例では、例えば、図8(B)に示すように、作業車のタイヤに見立てた画像が例示される。この作業車のタイヤに見立てた図8(B)に示す画像は、第3スクリーン303の上下の端部領域部分に投影される画像としてタイヤの上下端部であり、奥方にタイヤがあるように見える画像を割り当て(マッピング)、第3スクリーン303の上下方向の中央領域部分に投影される画像としてタイヤの中央部であり、手前側にタイヤがあるように見える画像を割り当て(マッピング)した画像とされている。
また、平面状をなす第2スクリーン302に投影する画像であれば、第2スクリーン302の傾斜と第2スクリーン302の面に合わせた画像、例えば、図8(A)に示すように、第2スクリーン302の傾斜によらず、上下に移動(変動)する演出図柄の画像が例示される。この第2スクリーン302の傾斜によらない図8(A)に示す画像は、第2スクリーン302の下端部領域部分に投影される画像として、上端部領域部分に投影される画像よりも幅寸法が狭くなる画像を割り当て(マッピング)た画像とされている。
尚、本実施例では、各スクリーン301,302,303のそれぞれの形状に合わせて予めマッピングして画像を作成しておき、その画像データをROM121に記憶しておき、表示制御部123がROM121に記憶された画像データを読み出して、投影装置400に出力するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各スクリーン301,302,303のそれぞれの形状に対応したマッピング済みの画像を予め作成しておくものでなくても良い。例えば、各スクリーン301,302,303の形状に対応していない画像データと、各スクリーン301,302,303の形状に合致させて画像をマッピングするための領域(座標)が記述されたマッピング用データをROM121に記憶しておき、表示制御部123がROM121に記憶された画像データとスクリーンに応じたマッピング用データとを読み出すとともに、その読み出した画像データを各スクリーン301,302,303の形状に対応するようにリアルタイムにてマッピングして、該マッピングした画像をスクリーン301,302,303に投影装置400を用いて投影するようにしても良い。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、投影装置400や演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、LED制御基板14に対してLEDデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線、役物装置310A,310Bに設けられた可動役物用モータ311A,311Bに駆動信号を出力するための配線、スクリーンユニット300に設けられたスクリーン用モータ304A,304Bに駆動信号を出力するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の決定用テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ(プロセステーブルデータ)などが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば投影装置400、演出表示装置5、スピーカ8L,8R,8U、演出用LED9、役物装置310A,310B、スクリーンユニット300等)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンデータが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示す時系列データなどから構成されている。演出制御パターンデータには、例えば特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターン、一斉演出を行うための一斉演出制御パターン、デモ演出を行うためのデモ演出制御パターン等の各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。一斉演出制御パターンやデモ演出制御パターンは、一斉演出やデモ演出における各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
尚、特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、例えば、投影装置400にて投影される演出画像や演出表示装置5に表示される演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部には、例えば、影装置400にて投影される演出画像や演出表示装置5に表示される演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1特図保留記憶領域並びに第2特図保留記憶領域が設定されている。第1特図保留記憶領域並びに第2特図保留記憶領域には、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(記憶番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられており、各格納領域に、始動入賞の有無を示すフラグデータ(具体的には始動入賞無しを示す「0」と、始動入賞有りを示す「1」)とが記憶されている。尚、これら第1特図保留記憶領域並びに第2特図保留記憶領域のデータは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの受信や、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドの受信に応じて更新されるとともに、更新後の第1特図保留記憶領域並びに第2特図保留記憶領域のデータに基づいて保留記憶表示エリアにおける保留記憶表示が更新される。
具体的には、第1始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第1始動口入賞指定コマンドを受信したときには、保留記憶表示エリアに第1始動入賞に対応した丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第1特図の変動表示が開始されたことに基づいて第1変動開始コマンドを受信したときには、該丸型の白色表示の保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留記憶表示を更新する。同様に、第2始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第2始動口入賞指定コマンドを受信したときには、保留記憶表示エリアに第2始動入賞に対応した丸型の青色表示が新たに追加される一方、新たに第2特図の変動表示が開始されたことに基づいて第2変動開始コマンドを受信したときには、該丸型の青色表示の保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の青色表示が消去されて、その他の丸型の青色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留記憶表示を更新する。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「はずれ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をはずれ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やはずれ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やはずれ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りAに対応する大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りBに対応する大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」または「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。尚、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
尚、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りに対応する大当り図柄となり、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが、確変大当りAと同じく第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における所定期間と同じであるが、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)よりも少ない第2回数(例えば、5回)繰返し実行される。尚、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。尚、これら短期開放大当り状態では、ラウンド回数を第2回数である5回とした形態を例示しているが、ラウンド回数は通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)と同一とする一方、所定数(例えば6)以降の各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)を、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)とすることで、実質的なラウンド回数を通常開放大当り状態よりも少なくするようにしても良い。
このような短期開放大当り状態では、ラウンド数が通常開放大当り状態よりも少ないことにより、通常開放大当り状態よりも獲得できる出玉(賞球)の期待値が少ない大当り状態であれば良い。尚、これら短期開放大当り状態では、全てのラウンドについて、大入賞口の開放期間を第2期間(0.1秒間など)とすることで、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態としても良い。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となることで、通常開放大当り状態よりも獲得可能な出玉(賞球)が少ないものであればよい。
投影装置400により投影されるスクリーンユニット300や演出表示装置5では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、スクリーンユニット300上や演出表示装置5上の領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、例えば、演出表示装置5の「左」、「中」、「右」の演出図柄変動エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄変動エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄変動エリア(例えば「中」の演出図柄変動エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄変動エリア5L,5C,5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。尚、これらリーチ状態は、スクリーンユニット300における変動表示においても発生する。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、スクリーンユニット300や演出表示装置5に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたり、スクリーンユニット300の形状を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、スクリーンユニット300や演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8R,8Uによる音声出力動作や、演出用LED9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、本実施例では、前述したように、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている(図11参照)。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。更に、本実施例では、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様においては、スーパーリーチβが出現した場合には、スーパーリーチαが出現した場合よりも変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高い(大当り期待度:スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ)。
尚、本実施例では、後述するように、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており(図11参照)、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高くなるようになっている。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。これら「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。尚、「滑り」の変動表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、LED点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、スクリーンユニット300上や演出表示装置5上の「左」、「中」、「右」の演出図柄変動エリアの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄変動エリアにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、保留表示予告演出となるものが含まれていてもよい。保留表示予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが、予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留記憶表示などの表示態様の変化に基づいて示唆される予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。尚、特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチはずれ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば、スクリーンユニット300上や演出表示装置5上において変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄変動エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば、スクリーンユニット300上や演出表示装置5上において変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄変動エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば、スクリーンユニット300上や演出表示装置5上において変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」以外の奇数「1」、「3」、「5」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄変動エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「1」、「3」、「5」である演出図柄は、上記した「7」である演出図柄と同様に確変図柄と称される。尚、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。一方、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出を実行しても良い。再抽選演出では、スクリーンユニット300や演出表示装置5に通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄変動エリアにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われば良い。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。尚、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、スクリーンユニット300や演出表示装置5にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図14のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図14に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図15は、特別図柄プロセス処理として、図14に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞処理を実行する(S21)。該始動入賞処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。図16は、特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S141の処理では、遊技制御カウンタ設定部に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S141;N)、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に格納された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S144)、S149に移行する。
一方、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S145の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S145の処理は、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S145;N)、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に格納された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S148)、S149に移行する。
S149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「はずれ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図12に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「はずれ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「はずれ」のいずれとするかを決定する(S150)。尚、このS150においては、その時点の遊技状態が、確変フラグがセットされている高確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が10000〜12180の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「はずれ」と判定する。また、確変フラグがセットされていない低確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が1〜219の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「はずれ」と判定する。
このように、S149で選択される特図表示結果判定テーブルにおいては、その時点の遊技状態(高確、低確)に対応して異なる判定値が「大当り」に割り当てられていることから、S150の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が高確状態であるか否かに応じて、異なる判定用データ(判定値)を用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定されることで、遊技状態が高確状態である場合には、低確状態である場合よりも高確率で「大当り」と判定される。
S150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S151;Y)、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図13(A)に示す大当り種別判定テーブルを選択してセットする(S153)。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別判定テーブルにおいて「非確変」、「確変A」、「確変B」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S154)。
S154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S155)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、大当り種別が非確変大当りに対応する「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、確変大当りAに対応する「確変A」であれば「1」とし、確変大当りBに対応する「確変B」であれば「2」とすればよい。
一方、S151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S151;N)、S156に進む。
S156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変A」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「確変B」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S157)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、S145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S145;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば、図25に示すように、投影装置400による投影によってスクリーンユニット300に所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(デモ表示可能コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、デモ表示可能コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、デモ表示可能コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図15に戻って、S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理においては、特別図柄通常処理において変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて実行する変動パターンを、図11に示す変動パターンのうちのいずれとするかを決定する処理、決定した変動パターンを通知する変動パターン指定コマンドや、変動表示結果指定コマンドを送信設定する処理、決定した変動パターンに対応する変動時間の変動時間タイマを設定する等の決定した変動パターンによる特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う処理などが含まれている。尚、変動パターンの決定は、事前決定結果が「大当り」である場合と「はずれ」である場合とで異なる判定テーブルを用いて実行されることで、前述したように、各変動パターンの期待度が異なるように設定されているともに、合計保留記憶数や時短フラグがセットされているか否かにより、前述したはずれ用変動パターン判定テーブルA〜Dを用いて実行されることで、合計保留記憶数が多い場合や時短フラグがセットされている場合には、短い変動時間の変動パターンが多く決定されることにより単位時間当りに実行される変動表示の回数が増加して、無駄な始動入賞の発生を低減できるように設定されている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
このように、S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理、図柄確定コマンドを送信設定する処理、時短回数カウンタを減算更新するととともに減算更新後の時短回数カウンタが0である場合に時短フラグをクリアする処理、大当りフラグがセットされている場合(当該変動表示で大当り図柄を導出表示した場合)に大当り開始指定コマンドを送信設定する処理、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、スクリーンユニット300の投影画像や演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する処理等が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、投影装置400とスクリーンユニット300、演出表示装置5、スピーカ8L,8R,8U、演出用LED9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間をセットし、該セットした期間(大当り終了表示時間)に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(大当りフラグのクリア、大当り終了指定コマンドの送信設定、確変フラグや時短フラグのセット、時短回数カウンタのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図17は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S50)。そして、役物装置310A,310B、投影装置400、スクリーンユニット300等の各演出装置の起動タイミングを設定するための演出装置起動設定処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9参照)であるのか解析する。
そして、演出制御用CPU120は、一斉演出処理を行う(S55)。一斉演出処理では、RTC126から取得した日付時刻データから特定される日付時刻が、一斉演出の開始時刻となったときに、隣接する他のパチンコ遊技機1と連動(同期)した一斉演出を実行するための各種制御処理を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S56)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して投影装置400や演出表示装置5の制御や、スピーカ8L,8R,8Uからの効果音の出力制御や、演出用LED9の点灯制御や、スクリーンユニット300や役物装置310A,310Bの制御等を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S57)、デモ演出を実行するための各種制御処理を含むデモ演出処理を実行した後(S58)、S52に移行する。
ここで、本実施例の演出装置起動設定処理(S51)について、図27を用いて以下に説明する。
本実施例の演出装置起動設定処理において演出制御用CPU120は、各演出装置である投影装置400、スクリーンユニット300(スクリーン用モータ304A,304B)、役物装置310A,310B(可動役物用モータ311A,311B)の起動タイミングがそれぞれ異なるタイミングとなるように設定する。
具体的には、図27に示すように、投影装置400、スクリーンユニット300(スクリーン用モータ304A,304B)を起動(動作開始)させる前に、役物装置310A,310Bの可動役物用モータ311A,311Bを起動して、動作確認用初期動作をさせるための設定を行うとともに、投影装置400を起動して暖機運転を開始させる起動タイミングとして、役物装置310A,310Bの動作確認用初期動作が完了した直後のタイミングを設定し、スクリーンユニット300のスクリーン用モータ304A,304Bを起動して動作確認用初期動作を開始させるタイミングとして、投影装置400が起動して暖機運転が完了した直後のタイミングを設定する。
つまり、役物装置310A,310Bの動作確認用初期動作の期間と、投影装置400の暖機運転期間と、スクリーンユニット300の動作確認用初期動作の期間とが重複しないように、各起動タイミングを設定することで、これら役物装置310A,310Bの動作確認用初期動作の期間と、投影装置400の暖機運転期間と、スクリーンユニット300の動作確認用初期動作の期間とが重複することによって、消費電力が一時的に極端に大きくなってしまい、電源基板92の電力供給能力を消費電力が超えてしまうことを防ぐとともに、電源基板92が要求される電力供給能力の最大電力量を低く抑えて、電源基板92のコストが増加してしまうことを抑えることができるようにしている。
尚、本実施例では、上記したように、スクリーンユニット300のスクリーン用モータ304A,304Bを起動して動作確認用初期動作を開始させるタイミングとして、投影装置400が起動して暖機運転が完了した直後のタイミングを設定することにより、投影装置400の暖機運転が完了した後にスクリーンユニット300の動作確認用初期動作を行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図28に示すように、スクリーンユニット300のスクリーン用モータ304A,304Bを起動して動作確認用初期動作を開始させるタイミングとして、役物装置310A,310Bの動作確認用初期動作が完了した直後のタイミングを設定するとともに、投影装置400を起動して暖機運転を開始させる起動タイミングとして、スクリーンユニット300の動作確認用初期動作が完了した直後のタイミングを設定するようにしても良い。このようにすれば、投影装置400からの画像の投影は、スクリーンユニット300の動作確認用初期動作が完了した後、更に、暖機運転が完了してから開始されるので、スクリーンユニット300が初期動作を行って形状が変化している段階において投影装置400から画像が投影されてしまい、不適切な投影が行われてしまうことを防ぐことができる。
尚、暖機運転の完了は、電力供給が開始されてからの期間で判定するものであっても良いし、投影装置400の実際の温度、または温度に依存する電流や電圧などで判定しても良いし、電力供給が開始されてからの期間内であっても、温度に依存する電流や電圧の状態によって完了を判定するもの(電断からの復旧時等では短くなる)であっても良い。
また、本実施例では、役物装置310A,310Bの動作確認用初期動作を最初に行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影装置400の暖機運転またはスクリーンユニット300の動作確認用初期動作を最初に行うようにしても良い。
尚、本発明における暖機運転には、投影装置400の温度を投影可能温度とする状態だけではなく、投影装置400を投影可能な状態とするための処理等を行う状態、たとえば、電源立ち上げ時(電源復旧時を含む)の初期設定や動作確認等を行っている状態を含むものであり、例えば、投影装置400が投影可能温度とする必要がない場合には、これら投影可能温度とする運転状態を伴わず、初期設定や動作確認等を行っている投影装置400を投影可能な状態とするための状態も、本発明の暖機運転に含まれる。
図18は、図17に示された演出制御メイン処理における一斉演出処理を示すフローチャートである。一斉演出処理において演出制御用CPU120は、先ず、一斉演出が実行中であることを示す一斉演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S200)。一斉演出実行中フラグがセットされていない場合は(S200;N)、その時点の時刻を、RTC126から取得した日付時刻データから特定する(S200a)。
そして、特定した時刻が、設定されている一斉演出の開始時刻に一致しているか否か、すなわち、一斉演出の開始タイミングか否かを判定する(S201)。
一斉演出の開始タイミングでない場合は(S201;N)、一斉演出処理を終了する。一方、一斉演出の開始タイミングである場合は(S201;Y)、更に、デモ演出中であるか否かを判定する(S201a)。デモ演出中でない場合(S201a;N)は、S202に進む。一方、デモ演出中である場合(S201a;Y)は、実行中のデモ演出を中止した後、S202に進む。
S202においては、一斉演出実行中フラグをセットする。そして、一斉演出期間タイマに一斉演出期間に応じた値をセットする(S203)。その後、一斉演出制御パターン(一斉演出プロセステーブル)をセットする(S204)。尚、一斉演出制御パターン(一斉演出プロセステーブル)は、他の演出制御パターンと同様に、一斉演出プロセスタイマのタイマ値に対応付けて、当該タイマ値となったときに実行する各種演出装置を制御するための制御実行データ(表示制御実行データ(投影制御実行データを含む)、音出力制御実行データ、操作部制御実行データ、スクリーンユニット制御実行データ、役物装置制御実行データ等)から構成される時系列に記述された制御データである。
尚、本実施例では、一斉演出制御パターン(一斉演出プロセステーブル)を1つのみとした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら一斉演出を実行する時刻に応じて複数種類の一斉演出制御パターン(一斉演出プロセステーブル)を設けておき、時刻に応じて異なる種類の一斉演出が実行されるようにしても良いし、導入から一定期間が経過したことにより、実行される一斉演出の種類が異なる(置き換えだけではなく追加も含む)ものとしてもよい。
S204にて一斉演出制御パターンをセットした後は、一斉演出プロセスタイマをスタートし(S205)、最初の一斉演出プロセスデータの内容に従って、投影装置400からの投影、演出表示装置5における表示、演出用LED9での光出力、スピーカ8L,8R,8Uでの音出力、スクリーンユニット300の態様、役物装置310A,310Bの動作等の制御を実行し(S206)、一斉演出処理を終了する。
一方、S200において一斉演出実行中フラグがセットされている場合は(S200;Y)、一斉演出期間タイマ及び一斉演出プロセスタイマをそれぞれ−1し(S207a,S207b)、一斉演出期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S208)。一斉演出期間タイマがタイマアウトしていない場合は(S208;N)、更に、投影対象のスクリーンを、第1スクリーン301、第2スクリーン302、第3スクリーン303のいずれかから他の1スクリーンに変化させるスクリーン変化タイミングであるか否かを判定する(S209)。尚、これらスクリーン変化タイミングであるか否かは、一斉演出プロセスデータに含まれるスクリーンユニット制御データに基づいて判定される。
スクリーン変化タイミングではない場合には(S209;N)、S211に進む。一方、スクリーン変化タイミングである場合には(S209;Y)、投影対象のスクリーンを変化させるスクリーン変化制御処理を実行した後(S210)、S211に進む。尚、S210のスクリーン変化制御処理においては、その時点の一斉演出プロセスタイマ値に対応付けられているスクリーンユニット制御データを実行することにより、投影対象のスクリーンを変化させるようになっている。
つまり、本実施例の一斉演出においては、投影装置400からスクリーンユニット300に画像が投影される演出が実施されるとともに、投影装置400から画像が投影される投影対象のスクリーンが、一斉演出中において切り替わるようになっており、これら投影対象のスクリーンが切り替わることで一斉演出の興趣を向上できるようになっている。
S211においては、一斉演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する。
一斉演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は(S211;N)、一斉演出処理を終了する。一方、一斉演出プロセスタイマがタイマアウトしている場合は(S211;Y)、一斉演出プロセスデータを次のプロセスデータに切り替え(S212)、次の一斉演出プロセスタイマをスタートさせる(S213)。そして、該次の一斉演出プロセスデータの内容に従って、投影装置400からの投影、演出表示装置5における表示、演出用LED9での光出力、スピーカ8L,8R,8Uでの音出力、スクリーンユニット300の態様、役物装置310A,310Bの動作等の制御を実行し(S212)、一斉演出処理を終了する。
また、S208において一斉演出期間タイマがタイマアウトしている場合は(S208;Y)、投影装置400からスクリーンユニット300に投影されている一斉演出画像の消去の他、一斉演出に関する演出用LED9での光出力やスピーカ8L,8R,8Uでの一斉演出に関する音出力等の制御を終了し(S215)、一斉演出実行中フラグをクリアする(S216)。そして、演出制御プロセス処理の対象表示装置を演出表示装置5に限定する設定を解除して、演出制御プロセス処理の対象表示装置にスクリーンユニット300を加えることで、演出図柄の変動表示がスクリーンユニット300にも表示可能とした後(S217)、一斉演出処理を終了する。尚、S217において、演出制御プロセス処理の対象表示装置として演出表示装置5に限定する設定を解除するのは、後述する演出制御プロセス処理において一斉演出の実行中は演出制御プロセス処理の対象表示装置として演出表示装置5に限定する設定がなされることで、一斉演出の実行中において演出図柄の変動表示や保留記憶表示等が、演出表示装置5のみにおいて実行されるからである。
尚、本実施例では、タイマ割り込みよって一斉演出処理を実行するときに、一斉演出実行中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU120がRTC126から日付時刻データを取得し、該日付時刻データが示す日付時刻から一斉演出の開始時刻であるか否かを判定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、営業当日の起動時から計時された計時タイマ値から、その時点の時刻を特定して、一斉演出開始時刻となっているか否かを判定するようにしても良い。
また、本実施例のデモ演出処理(S58)において演出制御用CPU120は、デモ演出の実行条件が成立したことに応じて、図25に示すデモ演出(デモンストレーション演出)を実行するための各種制御処理、具体的には、図25に示すデモ演出のデモ演出制御パターンが記述されたデモ演出プロセステーブルを実行することによる演出制御を実行する。
ここで、図25を用いて、本実施例のデモ演出について説明すると、デモ演出が開始されると、まず、図25(A)に示すように、スクリーンユニット300の第2スクリーン302に、キャラクタが作業車に追いかけられている画像(映像)が投影装置400から投影される。
その後、スクリーンユニット300における投影対象のスクリーンが、第2スクリーン302から第3スクリーン303に変化して、図25(B)に示すように、キャラクタと作業車の進行方向側から見た画像が投影装置400から第3スクリーン303に投影される。このように、第3スクリーン303において該第3スクリーン303の形状に合わせて作業車のタイヤが投影されて表示されることで、キャラクタが作業者に押しつぶされてしまうのではないかという迫力ある映像が第3スクリーン303に表示できる。
更に、スクリーンユニット300における投影対象のスクリーンが、第3スクリーン303から第1スクリーン301に変化して、図25(C)に示すように、作業車の運転席から見た画像が投影装置400から第1スクリーン301に投影される。この場合において、第1スクリーン301を構成する左側板301A、右側板301B、下板301C、背板301Dのそれぞれにより形成される各屈曲部には、図25(C)に示すように、作業車の運転席であることを解り易くするための強調フレームの画像が投影され、背板301Dには、キャラクタが逃げる姿の画像(映像)であって、キャラクタがだんだん接近する画像(映像)が投影される。
その後、スクリーンユニット300における投影対象のスクリーンが、第1スクリーン301から第2スクリーン302に変化して、図25(D)に示すように、追いかける作業車をキャラクタが撃退する画像(映像)が投影装置400から第2スクリーン302に投影され、デモ演出が終了する。
このように、本実施例のデモ演出では、スクリーンユニット300の変化を伴う演出を行うようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、デモ演出として、スクリーンユニット300の変化を伴わない演出を行うようにしても良い。具体的には、例えば、低確率状態においてはスクリーンユニット300形態を平面状の第2スクリーン302に変化させ、高確率状態においては、スクリーンユニット300形態を箱状の第1スクリーン301に変化させるように、遊技状態に応じてスクリーンユニット300の形態を変化させるような場合にあっては、デモ演出を実行する時点のスクリーンユニット300形態に応じたデモ演出、つまり、スクリーンユニット300形態が第2スクリーン302に変化した状態であれば、第2スクリーン302に対応したデモ演出パターン(投影画像)を記憶しておき、該第2スクリーン302に対応したデモ演出パターン(投影画像)によるデモ演出を実行し、スクリーンユニット300形態が第1スクリーン301に変化した状態であれば、第1スクリーン301に対応したデモ演出パターン(投影画像)を記憶しておき、該第1スクリーン301に対応したデモ演出パターン(投影画像)によるデモ演出を行うようにしても良い。
また、上記したように、遊技状態に応じてスクリーンユニット300の形態を変化させるような場合に前述した一斉演出を行う場合にあっても、RTC126により特定される時刻が一斉演出の開始時刻であるときにスクリーンユニット300形態が第2スクリーン302に変化した状態であれば、予め記憶されている第2スクリーン302に対応した一斉演出パターン(投影画像)による一斉演出を実行し、一斉演出の開始時刻におけるスクリーンユニット300形態が第1スクリーン301に変化した状態であれば、予め記憶されている第1スクリーン301に対応した一斉演出パターン(投影画像)による一斉演出を行うようにすれば良い。
尚、上記では、遊技状態に対応するスクリーンを第1スクリーン301と第2スクリーン302とする形態を例示しているが、例えば、遊技状態に応じてスクリーンユニット300の形態が第1スクリーン301、第2スクリーン302、第3スクリーン303に変化する場合には、第1スクリーン301、第2スクリーン302、第3スクリーン303に対応した3つのデモ演出パターン(投影画像)や一斉演出パターン(投影画像)を予め記憶しておき、デモ演出や一斉演出の開始時における投影対象のスクリーンに対応するデモ演出パターン(投影画像)や一斉演出パターン(投影画像)を選択して、デモ演出や一斉演出を実行するようにすれば良い。尚、デモ演出や一斉演出の実行中に遊技状態が変化することで、投影対象のスクリーンが変化した場合には、変化後の投影対象のスクリーン対応するデモ演出パターン(投影画像)や一斉演出パターン(投影画像)を選択して実行すれば良い。
尚、上記した第1スクリーン301、第2スクリーン302、第3スクリーン303に対応するデモ演出パターン(投影画像)や一斉演出パターン(投影画像)としては、同一の投影画像を各スクリーンの形状に合わせただけのものであっても良いし、特定の遊技状態(例えば、高確率状態)の場合のみ、例えば特別キャラクタの画像等を含む等のように他の遊技状態とは一部が異なるデモ演出パターン(投影画像)や一斉演出パターン(投影画像)を実行するようにしても良く、特に、特別キャラクタの画像等を含む等のように他の遊技状態とは一部が異なる一斉演出パターン(投影画像)を用いるようにすることで、一斉演出の開始時の遊技状態で異なる一斉演出が実行されるようになるので、一斉演出による遊技興趣を向上できるようになる。
尚、上記したように、特定の遊技状態において、特別キャラクタの画像等を含む等のように他の遊技状態とは一部が異なる一斉演出パターン(投影画像)を用いる場合にあっては、例えば、「特別キャラクタ出現させろ」等のミッションを遊技者に提示するミッション演出を実行したり、該パチンコ遊技機1における遊技履歴を遊技者が管理可能なサーバ(サイト)において、「特別キャラクタ出現させる」等のミッションを設定する等により、特定の遊技状態において一斉演出を実行させることの動機付けを遊技者に与えることができるようにしても良い。
図19は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S56)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出制御プロセスフラグの値が、変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応する値であるか否か、つまり、演出図柄の変動表示中であるか否かを判定する。
演出制御プロセスフラグの値が、変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応する値である場合(S790;Y)、つまり、演出図柄の変動表示中または大当り遊技中ではない場合にはS799に進む。
演出制御プロセスフラグの値が、変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応する値ではない場合(S790;N)、つまり、演出図柄の変動表示中または大当り遊技中である場合には、更に、一斉演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S791)。
一斉演出実行中フラグがセットされていない場合は(S791;N)、S799に進む。一方、一斉演出実行中フラグがセットされている場合は(S790;Y)、該演出制御プロセス処理の対象表示装置として演出表示装置5のみに限定し(S792)、未だ、一斉演出用の演出制御プロセステーブルを実行していない場合には、実行中の演出制御プロセステーブルに代えて一斉演出用の演出制御プロセステーブルを実行対象として特定する(S793)。つまり、スクリーンユニット300において一斉演出を実行するために、演出図柄の変動表示やリーチ演出等を演出表示装置5にて行うようにする。
そして、演出制御用CPU120は、S799において、保留記憶表示エリアにおける保留記憶表示を、図示しない第1特図保留記憶領域並びに第2特図保留記憶領域の記憶内容に基づいて更新する保留表示更新処理を実行する。尚、保留記憶表示エリアは、前述したように、通常においては、スクリーンユニット300の第2スクリーン302の下方の領域が設定されているが、予告演出やリーチ演出等の演出がスクリーンユニット300において実行される期間においては演出表示装置5の上方領域が設定されるようになっている(図24参照)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
尚、本実施例の変動パターン指定コマンド受信待ち処理には、図19に示すように、インターバル画像処理が含まれている。
本実施例のインターバル画像処理において演出制御用CPU120は、非変動表示の状態が所定期間継続する毎、つまり、演出制御プロセスフラグの値が変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応する値となってから所定期間が経過する毎に、一定時間、インターバル画像を投影装置400にてスクリーンユニット300の第2スクリーン302に投影する制御を行う。
このように、インターバル画像処理が実行されることにより、図26に示すように、保留記憶表示エリアであることを解り易く表示するための保留記憶表示用フレームが第2スクリーン302や投影装置400に焼き付いてしまうことを、インターバル画像を表示することによって防ぐようになっている。
つまり、非変動状態等が長く続くと、該非変動状態においてはスクリーンユニット300の第2スクリーン302に保留記憶表示用フレームを含む画面が長く投影されることになるので、所定期間毎に保留記憶表示用フレームを含まないインターバル画像を表示することで、第2スクリーン302や投影装置400に保留記憶表示用フレームが焼き付いてしまうことを防ぐようにしている。
尚、本実施例では、インターバル画像を表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらインターバル画像を表示することに代えて、デモ演出を実行することにより、第2スクリーン302や投影装置400に保留記憶表示用フレームが焼き付いてしまうことを防ぐようにしても良く、この場合には、デモ演出の画像がインターバル画像に該当することになる。
また、本実施例では、デモ演出を実行する場合には、保留記憶表示用フレームを消去する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保留記憶表示用フレームをデモ演出においては消去しないようにしても良く、このような場合においては、上記したインターバル画像を表示することによる焼き付き防止の効果がより一層高まる。
尚、本実施例では、非変動表示の状態が所定期間継続することを条件にインターバル画像を表示するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶表示用フレームが表示されている時間を積算しておき、該積算時間が規定時間に達する毎に、非変動表示中においてインターバル画像を表示するようにしたり、或いは、変動表示中において保留記憶表示用フレームの消去を伴う演出画像をインターバル画像として表示するようにしても良い。
また、本実施例では、焼き付いてしまう部分として特定画像である保留記憶表示用フレームを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら焼き付いてしまう部分は、パチンコ遊技機の稼働中において、他の部分よりも同一の画像が継続して表示される部分が該当し、例えば、保留記憶表示ではなく、実行中の変動表示に対応する保留記憶表示(消費保留表示)を表示するための領域表示(消費保留表示領域)や、演出に使用されるキャラクタ等のレベル等が表示される表示領域であっても良い。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、スクリーンユニット300または演出表示装置5において大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、スクリーンユニット300または演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S806):スクリーンユニット300または演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図20は、図19に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S271;Y)、図示しない第1特図保留記憶領域における第1特図保留記憶番号「1−0」〜「1−4」に対応付けて格納されている始動入賞フラグを、保留記憶番号1個分ずつ上位にシフトする(S272)。尚、第1特図保留記憶番号「1−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
また、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S271;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S273;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S273;Y)、図示しない第2特図保留記憶領域における第2特図保留記憶番号「2−0」〜「2−4」に対応付けて格納されている始動入賞フラグを、保留記憶番号1個分ずつ上位にシフトする(S274)。尚、第2特図保留記憶番号「2−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
S272またはS274の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S275)。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、本実施例では、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「7」で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りBに該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する第4変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが、はずれに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU120は、図21に示す予告演出決定処理を実施して、当該変動表示において予告演出を実行するか否かを決定する(S277)。尚、本実施例では、予告演出決定処理において、スクリーンユニット300の変化の前兆演出を伴い、スクリーンユニット300が実際に変化するスクリーン変化予告や、前兆演出を伴うもののスクリーンユニット300が変化しないスクリーン非変化予告や、前兆演出を伴わずにスクリーンユニット300が変化しないスクリーン非変化予告や等のスクリーンユニット300の変化に関連した予告演出を決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの予告演出として、その他の態様の予告演出、例えば、予告画像が段階的に変化するステップアップ予告や、所定のキャラクタの一群が表示領域を横切る群予告等の実行を決定するようにしても良く、これら異なる態様の予告演出を決定する場合には、予告演出を開始するタイミングが予告演出の態様に応じて異なるので、後述する予告演出開始待ちタイマに、予告演出の態様に応じた異なる期間を設定すれば良い。
本実施例の予告演出決定処理において演出制御用CPU120は、図21に示すように、まず、変動表示結果と変動パターンとを特定する(S291)。変動表示結果は、変動開始時において主基板11から送信される変動表示結果(はずれ、確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)を指定するための変動表示結果指定コマンドを格納するための変動表示結果指定コマンド格納領域に記憶されている変動表示結果指定コマンドにより特定することができる。また、変動パターンは、前述したように、変動パターン指定コマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにて特定できる。尚、本実施例では、図22に示すように、予告演出の対象が、大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)、スーパーリーチ、ノーマルリーチであるので、具体的には、変動表示結果が大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)であるのか否かを変動表示結果指定コマンドにより特定し、変動パターンがスーパーリーチであるのか否か、ノーマルリーチであるのか否かを変動パターン指定コマンドにて特定すれば良い。
そして、予告演出決定用乱数を抽出するとともに、図22(a)に示す予告演出種別決定用テーブルを用いて予告演出の実行の有無と、実行する場合の予告演出の種別とを決定する(S292)。
尚、本実施例では、予告演出決定用乱数は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、予告演出決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら予告演出決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。また、これら予告演出決定用乱数を生成するための予告演出決定用乱数カウンタがRAM122に設定されており、該予告演出決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
本実施例では、予告演出として、図22(a)に示すように、スクリーン変化予告と、スクリーン非変化予告(前兆あり)と、スクリーン非変化予告(前兆なし)とが決定可能とされている。
予告演出種別決定用テーブルにおいては、図22(a)に示すように、「スクリーン変化予告」、「スクリーン非変化予告(前兆あり)」、「スクリーン非変化予告(前兆なし)」、「予告演出なし」のそれぞれに対して、変動表示結果が大当りとなる場合、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合、のそれぞれに異なる判定値が、図22(a)に示す判定値数となるように、割り当てられている。
具体的には、変動表示結果が大当りとなる場合については、「スクリーン変化予告」に対して75個の判定値が割り当てられ、「スクリーン非変化予告(前兆あり)」に対して10個の判定値が割り当てられ、「スクリーン非変化予告(前兆なし)」に対して10個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して5個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合については、「スクリーン変化予告」に対して30個の判定値が割り当てられ、「スクリーン非変化予告(前兆あり)」に対して25個の判定値が割り当てられ、「スクリーン非変化予告(前兆なし)」に対して25個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して20個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合については、「スクリーン変化予告」に対して10個の判定値が割り当てられ、「スクリーン非変化予告(前兆あり)」に対して15個の判定値が割り当てられ、「スクリーン非変化予告(前兆なし)」に対して15個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して60個の判定値が割り当てられている。
このように判定値が割り当てられていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれやノーマルリーチはずれとなる場合よりも予告演出が実行され易くなるとともに、「スクリーン変化予告」や「前兆演出」が決定され易くなっている。また、スーパーリーチはずれである場合については、スクリーンユニット300が変化しない「スクリーン非変化予告」が決定され易くなっている。ノーマルリーチはずれである場合については、「予告演出なし」が、大当りとなる場合やスーパーリーチはずれの場合よりも決定されやすくなっている。
よって、本実施例では予告演出が実行されないときよりも、予告演出が実行されるときの方が、大当り期待度が高くなっている。更に、予告演出においては、スクリーンユニット300が変化する「スクリーン変化予告」やスクリーンユニット300が変化することを事前に示唆する「前兆演出」が実行されるときの方が、「スクリーン非変化予告」が実行されるときや「前兆演出」が実行されないときよりも大当り期待度が高くなっている。
尚、本実施例は、「スクリーン変化予告」を行う場合には、必ず前兆演出を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら「スクリーン変化予告」を行う場合にも、「前兆あり」、「前兆なし」のいずれかを決定して、前兆演出が実行されなくてもスクリーンが変化する予告演出が実行されるようにしても良い。
また、各予告演出の大当り期待度(信頼度)とは、各予告演出が実行されて「大当り」となる確率を、各予告演出が実行されて「大当り」となる確率と各予告演出が実行されて「はずれ」となる確率の和で除算した数値である。
図21に戻り、S293においては、S292において、いずれかの予告演出の実行を決定したか否か、つまり「スクリーン変化予告」、「スクリーン非変化予告(前兆あり)」、「スクリーン非変化予告(前兆なし)」のいずれかを決定したか否かを判定する。ここで、「スクリーン変化予告」、「スクリーン非変化予告(前兆あり)」、「スクリーン非変化予告(前兆なし)」のいずれの予告演出も決定していない場合、つまり、「予告演出なし」を決定した場合には、当該予告演出決定処理を終了する。一方、「スクリーン変化予告」、「スクリーン非変化予告(前兆あり)」、「スクリーン非変化予告(前兆なし)」のいずれかを決定した場合には、S294に進んで、更に、「スクリーン変化予告」を決定したか否かを判定する。
「スクリーン変化予告」を決定していない場合には、S296に進む。一方、「スクリーン変化予告」を決定した場合には、S295に進んで、前兆演出の何回目においてスクリーンユニット300を変化させるか、つまり、スクリーンユニット300を変化させるタイミングを、図22(b)に示すスクリーン変化タイミング決定用テーブルとスクリーン変化タイミング決定用乱数とを用いて、「前兆1回目」、「前兆2回目」、「前兆3回目」のいずれかに決定し、スクリーン変化予告において第1スクリーン301に表示される窓の表示態様を、図22(c)に示す窓種別決定用テーブルと窓種別決定用乱数とを用いて、「1面のみ」、「2面」、「3面」のいずれかに決定するとともに、スクリーン変化予告において第1スクリーン301外へのキャラクタのはみ出しの有無を、図22(d)に示すはみ出し決定用テーブルとはみ出し決定用乱数とを用いて「有り」、「無し」のいずれかに決定する。
尚、「スクリーン非変化予告(前兆あり)」が決定された場合には、スクリーンユニット300は変化しないので、スクリーンユニット300の変化タイミングを決定する必要はなく、「前兆1回目」、「前兆2回目」、「前兆3回目」の全てにおいて失敗してスクリーンユニット300が変化しない前兆演出が実行されるようになっている。
また、本実施例では、「スクリーン変化予告」が決定された場合には、後述するように、スクリーンユニット300において、投影装置400から画像が投影される投影対象のスクリーンが、平面状の第2スクリーン302から箱状の第1スクリーン301に変化するため、第1スクリーン301における屈曲部を跨がる窓種別を決定し、「スクリーン非変化予告」が決定された場合には、スクリーンユニット300において、投影装置400から画像が投影される投影対象のスクリーンが、平面状の第2スクリーン302のままであるので、屈曲部を跨がる窓種別を決定する必要がないので、窓種別を決定しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、「スクリーン非変化予告」を決定した場合においても、該予告演出において第2スクリーン302に投影する画像に含まれる背景画像における窓の数を、窓種別と同様に「1」〜「3」のいずれかに決定して「スクリーン非変化予告」を実行するようにしても良い。
また、本実施例では、「スクリーン変化予告」が決定された場合にのみ、キャラクタのはみ出しの有無を決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、「スクリーン非変化予告(前兆あり)」、「スクリーン非変化予告(前兆なし)」を決定した場合においても、キャラクタのはみ出しの有無を同様に決定して、はみ出しの「有り」を決定した場合には、キャラクタが第2スクリーン302をはみ出す態様の「スクリーン非変化予告(前兆あり)」、「スクリーン非変化予告(前兆なし)」を実行するようにしても良い。
本実施例のスクリーン変化タイミング決定用テーブルにおいては、図22(b)に示すように、「前兆1回目」、「前兆2回目」、「前兆3回目」のそれぞれに対して、変動表示結果が大当りとなる場合、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合、のそれぞれに異なる判定値が、図22(b)に示す判定値数となるように、割り当てられている。
具体的には、変動表示結果が大当りとなる場合については、「前兆1回目」に対して10個の判定値が割り当てられ、「前兆2回目」に対して25個の判定値が割り当てられ、「前兆3回目」に対して65個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合については、「前兆1回目」に対して25個の判定値が割り当てられ、「前兆2回目」に対して50個の判定値が割り当てられ、「前兆3回目」に対して25個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合については、「前兆1回目」に対して65個の判定値が割り当てられ、「前兆2回目」に対して25個の判定値が割り当てられ、「前兆3回目」に対して10個の判定値が割り当てられている。
このように判定値が割り当てられていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、「前兆3回目」が決定され易く、当該変動表示の変動パターンがスーパーリーチはずれである場合には、「前兆2回目」が決定され易く、当該変動表示の変動パターンがノーマルリーチはずれである場合には、「前兆1回目」が決定され易い。
つまり、スクリーンユニット300が遅いタイミングで変化(投影対象のスクリーンの切り替え)した方が、早いタイミングで変化(投影対象のスクリーンの切り替え)した場合よりも、当該変動表示において大当りとなる期待度が高くなるように設定されているので、これら変化(投影対象のスクリーンの切り替え)するタイミングに注目させることができ、遊技興趣を向上できる。
尚、本実施例では、スクリーンユニット300の変化タイミングが遅い方が大当りとなる期待度が高くなる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、逆に、スクリーンユニット300の変化タイミングが早い方が大当りとなる期待度が高くなるようにしても良いし、特定のタイミング(例えば、前兆2回目)においてスクリーンユニット300が変化した場合に、特定以外のタイミング(例えば、前兆1回目や前兆3回目)においてスクリーンユニット300が変化した場合よりも、大当りとなる期待度が高くなるようにしても良い。
本実施例の窓種別決定用テーブルにおいては、図22(c)に示すように、「1面のみ」、「2面」、「3面」のそれぞれに対して、変動表示結果が大当りとなる場合、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合、のそれぞれに異なる判定値が、図22(c)に示す判定値数となるように、割り当てられている。
尚、「1面のみ」が決定された場合には、図24(D)に示すように、「スクリーン変化予告」において、変化後の第1スクリーン301を構成する背板301Dの1面のみに窓の画像が投影され、「2面」が決定された場合には、図24(E)に示すように、「スクリーン変化予告」において、変化後の第1スクリーン301を構成する左側板301Aと背板301Dとの2つの面に跨がって窓の画像が投影され、「3面」が決定された場合には、図24(F)に示すように、「スクリーン変化予告」において、変化後の第1スクリーン301を構成する左側板301Aと背板301Dと右側板301Bの3つの面に跨がって窓の画像が投影される。
具体的には、変動表示結果が大当りとなる場合については、「1面のみ」に対して15個の判定値が割り当てられ、「2面」に対して30個の判定値が割り当てられ、「3面」に対して55個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合については、「1面のみ」に対して30個の判定値が割り当てられ、「2面」に対して55個の判定値が割り当てられ、「3面」に対して15個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合については、「1面のみ」に対して55個の判定値が割り当てられ、「2面」に対して30個の判定値が割り当てられ、「3面」に対して15個の判定値が割り当てられている。
このように判定値が割り当てられていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、「3面」が決定され易く、当該変動表示の変動パターンがスーパーリーチはずれである場合には、「2面」が決定され易く、当該変動表示の変動パターンがノーマルリーチはずれである場合には、「1面」が決定され易い。
つまり、投影される窓の画像が跨がる面の数が多い程、すなわち、隣接する面により形成される屈曲部を窓の画像が跨がる数が多い程、当該変動表示において大当りとなる期待度が高くなるように設定されている。
尚、本実施例では、窓の画像が跨がる屈曲部の数が多い方が大当りとなる期待度が高くなる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、逆に、窓の画像が跨がる屈曲部の数が少ない方が大当りとなる期待度が高くなるようにしても良いし、窓の画像が跨がる屈曲部の数が特定の数(例えば、1)において、最も大当りとなる期待度が高くなるようにしても良い。
また、本実施例では、窓の画像が跨がる屈曲部の数、つまり、窓の画像が跨がる面の数によって大当りとなる期待度を示す形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、屈曲部は跨がらせずに、窓の画像が表示される面の数によって大当りとなる期待度を示すようにしても良い。
本実施例のはみ出し決定用テーブルにおいては、図22(d)に示すように、「有り」、「無し」のそれぞれに対して、変動表示結果が確変大当りとなる場合、変動表示結果が非確変大当りとなる場合、変動表示結果がはずれである場合、のそれぞれに異なる判定値が、図22(d)に示す判定値数となるように割り当てられている。
尚、「有り」が決定された場合には、図24(D’)〜図24(F’)に示すように、「スクリーン変化予告」において、変化後の第1スクリーン301からはみ出してキャラクタが投影され、「無し」が決定された場合には、図24(D)〜図24(F)に示すように、変化後の第1スクリーン301からはみ出さずにキャラクタが投影される。
具体的には、変動表示結果が確変大当りとなる場合については、「有り」に対して65個の判定値が割り当てられ、「無し」に対して35個の判定値が割り当てられている。また、変動表示結果が非確変大当りとなる場合については、「有り」に対して35個の判定値が割り当てられ、「無し」に対して65個の判定値が割り当てられている。また、変動表示結果がリーチはずれである場合(スーパーリーチはずれおよびノーマルリーチはずれ)については、「有り」に対して10個の判定値が割り当てられ、「無し」に対して90個の判定値が割り当てられている。
このように判定値が割り当てられていることにより、当該変動表示において確変大当りとなる場合には、「有り」が決定され易く、当該変動表示において非確変大当りとなる場合およびはずれとなる場合には、「無し」が決定され易い。
つまり、キャラクタが変化後の第1スクリーン301からはみ出して投影される場合には、はみ出さずに投影される場合よりも、当該変動表示において確変大当りとなる期待度が高くなるように設定されており、このように、キャラクタが変化後の第1スクリーン301からはみ出して投影することで、遊技者に意外性を与えることで遊技興趣を向上できるとともに、確変大当りとなるのではないかという遊技者の期待感を高めることもでき、遊技興趣を更に向上できる。
尚、本実施例では、はみ出しの有無によって、確変大当りとなる期待度を変化させるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、はみ出しの大きさや度合い等によって、確変大当りとなる期待度を変化させるようにしても良い。
また、本実施例では、はみ出しの有無によって示唆する対象を、「確変」、「非確変」の大当り種別としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記した変化タイミングや窓種別のように、当該変動表示において大当りとなるか否かを示唆するようにしても良いし、これら大当りとなるか否か以外の内容、たとえば、大当りのラウンド数や、大当り後の時短回数や確変回数等を示唆するようにしても良い。また、逆に、上記した変化タイミングや窓種別において示唆する内容を、当該変動表示において大当りとなるか否かではなく、「確変」、「非確変」の大当り種別としても良いし、これら「確変」、「非確変」の大当り種別以外の内容、たとえば、大当りのラウンド数や、大当り後の時短回数や確変回数等を示唆するようにしても良い。
このようにして決定した変化タイミングや窓種別やはみ出しの有無等の内容や、前述したS292にて決定した予告演出の種別は、図21のS296においてRAM122の所定領域に記憶される。
その後、演出制御用CPU120は、S297に進んで、予告演出実行決定フラグをセットした後、当該予告演出決定処理を終了する。
図20に戻り、S277の予告演出決定処理の後に、S278において演出制御用CPU120は、予告演出実行決定フラグがセットされているか否か、つまり、S277の予告演出決定処理において、いずれかの予告演出の実行を決定したか否かを判定する。
予告演出実行決定フラグがセットされている場合には、S279に進んで、予告演出開始待ちタイマに、予告演出開始までの期間として予告演出の種別、具体的には、前兆演出の有無に対応した期間(前兆演出が有る場合には短い期間、前兆演出が無い場合には長い期間)を設定し(S279)、予告演出実行決定フラグをクリアして(S280)、S281に進む。一方、予告演出実行決定フラグがセットされていない場合には、S279、S280を経由することなくS281に進む。
S281において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S282)。
尚、プロセステーブルには、投影装置400による投影や演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8R,8Uから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データや、スクリーンユニット300の動作を制御するためのスクリーンユニット制御実行データ、役物装置310A,310Bの動作を制御するための役物装置制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1、スクリーンユニット制御実行データ1、役物装置制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての投影装置400や演出表示装置5、演出用部品としての各種演出用LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R,8U、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A)、演出用部品としてのスクリーンユニット300、演出用部品としての役物装置310A,310B等)の制御を実行する(S283)。例えば、スクリーンユニット300や演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種演出用LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8R,8Uからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、スクリーンユニット300を動作させるために、スクリーン用モータ304A,304Bに駆動信号を出力する。また、役物装置310A,310Bを動作させるために、可動役物用モータ311A,311Bに駆動信号を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S284)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S285)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を投影装置400や演出表示装置5に出力し、投影装置400が信号に応じた画像を投影するとともに演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動表示が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S286)。
図23は、図19に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、まず、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S301,S302,S303)。また、演出制御用CPU120は、予告演出開始待ちタイマがセットされている(予告演出を行うことに決定されている)か、または予告演出実行中フラグがセットされている(予告演出の実行中である)場合には(S304;Y)、予告演出処理を実行する(S305)。予告演出開始待ちタイマも予告演出実行中フラグもセットされていない場合には、S305の予告演出処理を実施することなく、S306に進む。尚、特に図示しないが、予告演出実行中フラグは、予告演出開始待ちタイマがタイマアップして予告演出が開始されるときにセットされるフラグである。
S306において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S307)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S308)。
また、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ、スクリーンユニット制御実行データ、役物装置制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S309)。
次に、投影開始タイミングであるか否かを判定する(S310)。投影開始タイミングであるか否かは、実行中のプロセスデータの表示制御実行データ等より特定することができる。
投影開始タイミングでない場合にはS314に進む。投影開始タイミングである場合には、S311に進んで、役物装置310A、310Bが動作中であるか否かを判定する。尚、本実施例では、プロセスデータにおいて、投影装置400からの投影を開始するときには、役物装置310A、310Bが動作しないように予め役物装置制御実行データが記述されているため、S311において役物装置310A、310Bが動作中であると判断される場合とは、役物装置310A、310Bが何らかの不具合、例えば、ノイズ等によって動作を停止せずに、動作が継続している場合等である。
よって、役物装置310A、310Bが動作している場合には、役物装置310A、310Bが備える剣型の模型によって投影装置400からの投影光が遮られてしまうことを防ぐために、役物動作を中止して、剣型の模型を格納位置に移動させる設定を行う(S312)。尚、役物装置310A、310Bが動作していない場合、つまり、剣型の模型が立設した状態で格納位置に格納されている場合には、S312を経由することなく、S313に進む。S313では、表示制御実行データに基づいて投影装置400による投影を開始する。
次に、役物動作タイミングであるか否かを判定する(S314)。役物動作タイミングであるか否かは、実行中のプロセスデータの役物装置制御実行データ等より特定することができる。
役物動作タイミングでない場合にはS317に進む。役物動作タイミングである場合には、S315に進んで、更に、投影装置400による投影を実行中であるか否かを判定する。
投影装置400による投影を実行中でない場合にはS316に進んで、役物装置制御実行データに基づいて可動役物用モータ311A,311Bに駆動信号を出力して役物装置310A、310Bの動作を開始する。
このように、S310〜S316の処理を実行することにより、投影装置400により投影される投影光が、役物装置310A、310Bが動作することによって、役物装置310A、310Bに設けられた剣型の模型によって遮られてしまうことを防止できるようになっている。
次に、演出制御用CPU120は、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S317)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S317;Y)、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S318)。そのようにして、投影装置400や演出表示装置5において、演出図柄の変動表示制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を投影装置400や演出表示装置5に出力する。そのようにして、投影装置400や演出表示装置5において、演出図柄の変動表示における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が投影または表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S319)。
また、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合(S317;N)には、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S320)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S322)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S321;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S322)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S306の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやLED制御実行データや音出力制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
尚、予告演出処理において、演出制御用CPU120は、既に予告演出が開始されている状態であるか否かを判定し、予告演出が開始されていない場合には、予告演出開始待ちタイマの値を−1する。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしていなければ予告演出処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしている場合には、RAM122の所定領域に記憶されている予告演出の種類、内容に基づいて実行する予告演出を特定し、特定した予告演出に該当する予告演出期間に相当する値を予告期間タイマにセットする。
次いで、演出制御用CPU120は、実行する予告演出の種類および内容に対応する予告演出制御パターンを、予告演出制御パターンテーブル(図示略)から読み出して選択した後、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)のプロセスデータ1における予告プロセスタイマをスタートさせる。
そして演出制御用CPU120は、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)の最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1、スクリーンユニット制御実行データ1、役物装置制御実行データ1等)に従って各演出装置の制御を開始する。
また、既に予告演出が開始されている状態である場合に演出制御用CPU120は、予告プロセスを変更するための予告プロセスタイマの値を−1する。そして、予告演出期間の終了を計時するための予告期間タイマの値を−1し、予告期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する。予告期間タイマがタイマアウトしている場合は予告演出処理を終了し、予告期間タイマがタイマアウトしていない場合は、予告プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する。
予告プロセスタイマがタイマアウトしていない場合には、予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)を順次実行する。尚、実行中の予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)と予告プロセスタイマとに基づいて、スクリーンユニット300の変化タイミングであるか否か(スクリーン変化予告のみ)を判定する。
スクリーンユニット300の変化タイミングである場合にはスクリーン用モータ304A,304Bに駆動信号を出力して、スクリーンユニット300の投影対象を、第2スクリーン302から第1スクリーン301に変化させる。
一方、予告プロセスタイマがタイマアウトしている場合は、予告プロセスデータの切り替えを行う。すなわち、予告プロセステーブルにおける次に設定されている予告プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる。また、その次に設定されている予告プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ、スクリーンユニット制御実行データ、役物装置制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して実施した後、予告演出処理を終了する。
次に、本実施例における予告演出について、図24を用いて以下に説明する。本実施例における予告演出においては、図24(A)に示すように、変動表示がスクリーンユニット300の第2スクリーン302にて投影表示により開始された後、予告演出の開始タイミングにおいて保留記憶表示エリアが、第2スクリーン302の下方領域から演出表示装置5の上方領域に変更されて、保留記憶表示が演出表示装置5の上方に表示されるとともに、演出図柄の変動表示も、演出表示装置5に表示され、変動表示が第2スクリーン302と演出表示装置5の双方において表示される。
このように、遊技にとって重要な表示である保留記憶の数等を示す保留記憶表示や変動表示が、演出表示装置5において表示されることにより、スクリーンユニット300の変化によって、保留記憶表示や変動表示が誤認されてしまうことを防ぐことができる。
予告演出の種別が前兆ありの予告演出種別である場合には、図24(B1)に示すように、変動表示の画面内にキャラクタが登場して、第2スクリーン302を持ち上げて変化させようとする画像(映像)が投影表示される。
スクリーンユニット300の変化タイミングが前兆1回目に決定されている場合には、キャラクタが1回目に登場して第2スクリーン302を持ち上げて変化させようとする画像(映像)されたときに、図24(C)に示すように、投影が中止されてスクリーンユニット300が暗転して、投影対象のスクリーンが第2スクリーン302から第1スクリーン301に変化した後、該第1スクリーン301への投影による図24(D)〜(F)または図24(D’)〜(F’)のいずれかの演出に進む。
一方、前兆1回目以外の変化タイミングが決定されている場合とスクリーンユニット300の変化なしで「前兆あり」の予告演出種別が決定されている場合には、図24(B2)に示すように、キャラクタが第2スクリーン302を持ち上げることに失敗する画像(映像)が第2スクリーン302に投影表示される。そして、図24(B1)に示すように、1回目と同じように、変動表示の画面内にキャラクタが登場して、第2スクリーン302を持ち上げて変化させようとする画像(映像)が再度投影表示される。
スクリーンユニット300の変化タイミングが前兆2回目に決定されている場合には、該キャラクタが再登場(2回目の登場)して第2スクリーン302を持ち上げて変化させようとする画像(映像)されたときに、図24(C)に示すように、投影が中止されてスクリーンユニット300が暗転して、投影対象のスクリーンが第2スクリーン302から第1スクリーン301に変化した後、該第1スクリーン301への投影による図24(D)〜(F)または図24(D’)〜(F’)のいずれかの演出に進む。
一方、前兆3回目の変化タイミングが決定されている場合とスクリーンユニット300の変化なしで「前兆あり」の予告演出種別が決定されている場合には、図24(B2)に示すように、1回目の失敗と同様にキャラクタが第2スクリーン302を持ち上げることに失敗する画像(映像)が第2スクリーン302に投影表示される。そして、図24(B1)に示すように、1回目および2回目と同じように、変動表示の画面内にキャラクタが登場して、第2スクリーン302を持ち上げて変化させようとする画像(映像)が再度投影表示される。
スクリーンユニット300の変化タイミングが前兆3回目に決定されている場合には、該キャラクタが再登場(3回目の登場)して第2スクリーン302を持ち上げて変化させようとする画像(映像)されたときに、図24(C)に示すように、投影が中止されてスクリーンユニット300が暗転して、投影対象のスクリーンが第2スクリーン302から第1スクリーン301に変化した後、該第1スクリーン301への投影による図24(D)〜(F)または図24(D’)〜(F’)のいずれかの演出に進む。
一方、スクリーンユニット300の変化なしで「前兆あり」の予告演出種別が決定されている場合には、図24(B2)に示すように、2回目の失敗と同様にキャラクタが第2スクリーン302を持ち上げることに失敗する画像(映像)が第2スクリーン302に投影表示された後、第2スクリーン302においてスクリーン非変化予告の予告演出が実行される。
上記したように、本実施例では、スクリーンユニット300が変化する期間において、図24(C)に示すように、投影を中止してスクリーンユニット300を暗転させるようにすることで、投影画像がスクリーンユニット300の変化によって誤認識されてしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施例では、スクリーンユニット300が変化する期間において、投影装置400による投影を中止するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、スクリーンユニット300が変化する期間において、変化に連動すること等で、投影表示が誤認されることのない変化時画像を投影して、これら変化時において画像が投影されないことによる興趣の低下を防ぐようにしても良いし、明るさが非常に低い画像(変化時画像)を投影したり、更には、これらスクリーンユニット300が変化する期間において、投影装置400の動作自体を停止させて非作動状態として、投影を不能とすることで、スクリーンユニット300の形状が変化するときに、変化に対応していない誤った画像が投影されて、遊技者に誤認されてしまうことを防ぐことができるようにしても良い。
スクリーンユニット300が第1スクリーン301に変化する期間の経過後においては、予告演出の実行決定時に決定した内容に基づいて、第1スクリーン301の形状に対応した部屋の画像(映像)が投影される図24(D)〜(F)または図24(D’)〜(F’)のいずれかの演出が実行される。
尚、第1スクリーン301の形状に対応した部屋の画像(映像)は、図24(D)〜(F)または図24(D’)〜(F’)に示すように、第1スクリーン301の屈曲部に黒色のフレームを投影表示することで、第1スクリーン301の形状、つまり、箱状の立体であることを強調して部屋の画像(特定画像)の興趣を向上できるようになっている。つまり、黒色のフレームの画像が屈曲部であることを強調する強調画像に該当し、投影装置400は、これら強調画像を投影可能である。
予告演出の実行決定時において窓種別が「1面のみ」が決定されるとともに、はみ出し「無し」が決定されている場合には、図24(D)に示すように、背板301Dにて形成される1面のみに窓があって、窓がいずれの屈曲部を跨がらず、且つ第1スクリーン301をキャラクタがはみ出さない部屋の画像が投影表示される。
また、予告演出の実行決定時において窓種別が「1面のみ」が決定されるとともに、はみ出し「有り」が決定されている場合には、図24(D’)に示すように、背板301Dにて形成される1面のみに窓があって、窓がいずれの屈曲部を跨がらず、且つ第1スクリーン301をキャラクタがはみ出す部屋の画像が投影表示される。
予告演出の実行決定時において窓種別が「2面」が決定されるとともに、はみ出し「無し」が決定されている場合には、図24(E)に示すように、第1スクリーン301の左側板301Aと背板301Dとの2つの面に跨がった窓があって、第1スクリーン301をキャラクタがはみ出さない部屋の画像が投影表示される。
予告演出の実行決定時において窓種別が「2面」が決定されるとともに、はみ出し「有り」が決定されている場合には、図24(E’)に示すように、第1スクリーン301の左側板301Aと背板301Dとの2つの面に跨がった窓があって、第1スクリーン301をキャラクタがはみ出す部屋の画像が投影表示される。
予告演出の実行決定時において窓種別が「3面」が決定されるとともに、はみ出し「無し」が決定されている場合には、図24(F)に示すように、第1スクリーン301の左側板301Aと背板301Dと右側板301Bの3つの面に跨がった窓があって、第1スクリーン301をキャラクタがはみ出さない部屋の画像が投影表示される。
予告演出の実行決定時において窓種別が「3面」が決定されるとともに、はみ出し「有り」が決定されている場合には、図24(F’)に示すように、第1スクリーン301の左側板301Aと背板301Dと右側板301Bの3つの面に跨がった窓があって、第1スクリーン301をキャラクタがはみ出す部屋の画像が投影表示される。
本実施例の予告演出では、図24(D’)〜(F’)に示すように、投影画像(キャラクタ画像)が第1スクリーン301の外に飛び出すように見えるので、遊技者に意外性を与えて遊技興趣を向上できる。
尚、第1スクリーン301の外に飛び出す映像を投影する場合において、これら第1スクリーン301の外に飛び出す部分の映像が見づらくならないように、第3スクリーン303の裏面についても、画像を投影可能な領域(例えば、他の投影領域や前面と同様の形態としたり、他の投影領域や前面よりも暗い色で非投影時には目立たないが、投影画像は視認可能な形態(例えばグレー塗料を塗布する等)とすることが望ましい。
以上、本実施例によれば、スクリーンユニット300の形状が変化して投影対象のスクリーンが切り替わるときには、特定画像である保留記憶表示等の投影が中止されるとともに、これら特定画像である保留記憶表示等が演出表示装置5に表示されるので、スクリーンユニット300の形状が変化することによる保留記憶表示等の特定画像の誤認を防ぐことができる。
また、本実施例によれば、デモ演出において、図25(B)に示すように、中央部が前方に突出する湾曲板状とされた第3スクリーン303に対応するようにマッピングされたタイヤの画像や、図25(C)に示すように、第1スクリーン301の略箱状に対応するようにマッピングされた運転席の画像による演出が実行されるので、デモ演出の興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、非変動表示の状態が所定期間継続する毎にインターバル画像が表示されることで、第2スクリーン302(被投影部)に保留記憶表示用フレーム等の特定画像が焼き付いてしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例によれば、予告演出において、特別画像である窓の画像が跨がる屈曲部が多い程、大当りとなる期待度が高くなるため、特別画像が跨がる屈曲部の数に遊技者を注目させることができるので、遊技興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、スクリーンユニット300において投影対象のスクリーンが第2スクリーン302から第1スクリーン301に切り替わるため遊技興趣を向上できるとともに、これら投影対象のスクリーンが切り替わる前に、図24(B1)、図24(B2)に示す前兆予告の演出を行うので、投影対象のスクリーンが切り替わることへの遊技者 の期待感を高めることができる。
また、本実施例によれば、図27に示すように、投影装置400の暖機運転が完了してからスクリーンユニット300が初期動作して形状が変化するので、暖機運転が完了する前にスクリーンユニット300の形状が変化して投影装置400から画像が投影されてしまい、不適切な投影が行われてしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120がS51の演出装置起動設定処理において、図27に示すように、役物装置310A,310Bが初期動作を実行した後に、投影装置400が起動して暖機運転を開始するように、起動タイミングを設定するので、投影装置400と役物装置310A,310Bとが同時に起動されて電力消費が著しく高くなってしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が演出図柄変動中処理において、S310〜S316の処理を実行することにより、投影装置400による投影と役物装置310A,310Bとが同時に作動することが制限されているので、投影装置400と役物装置310A,310Bとが同時に作動して電力消費が著しく高くなってしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例によれば、第2スクリーン302に緩衝部材302Bを設けているので、第1スクリーン301と第2スクリーン302とが当接するときの損傷を防ぐことができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、予告演出において、スクリーンユニット300を第2スクリーン302から第1スクリーン301に変化させる形態を例示していが、本発明はこれに限定されるものではなく、スクリーンユニット300を第2スクリーン302から第3スクリーン303に変化させる変化パターンや、スクリーンユニット300を第2スクリーン302から第3スクリーン303、更に第3スクリーン303から第1スクリーン301に変化させる変化パターンを設けて、これら変化の実行回数によって、大当り期待度や確変期待度が異なるようにしても良い。
また、前記実施例では、スクリーンユニット300を変化させる場合においては、保留記憶表示エリアを、第2スクリーン302の下方領域から演出表示装置5の上方領域に変更して、変化するスクリーンユニット300には表示しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図29に示すように、例えば、変化後の第1スクリーン301に、保留記憶表示等の遊技にとって重要な表示(特定画像の表示)を行うようにしても良く、この場合には、図29に示すように、第1スクリーン301のように屈曲部を有するスクリーンであれば、屈曲部を跨がらないように表示することで、保留記憶表示等の重要な表示がこれらスクリーンの屈曲部や凹凸部によって視認し難くなったり、誤認されてしまうことがないようにすれば良い。尚、これらの屈曲部は、第1スクリーン301のように各面が成す部分ではなく、例えば、スクリーンが凹凸部を有するものである場合であれば、これら凹凸部についての屈曲部であってもよく、これら凹凸部の屈曲部を跨がらないように表示すれば良い。
また、前記実施例では、演出図柄の変動表示が、第1特別図柄の変動表示に連動したものである場合でも第2特別図柄の変動表示に連動したものである場合でも、同一の演出図柄変動エリアにて変動表示を行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図30に示すように、第1特別図柄に連動した演出図柄の変動表示については背板301Dにより形成される1面内において実行し、第2特別図柄に連動した演出図柄の変動表示については、背板301Dとは異なる下板301Cにより形成される1面内において実行することで、演出図柄の変動表示の連動対象が、第1特別図柄であるのか第2特別図柄であるのかを、遊技者が直感的に認識できるようにしても良く、この場合にあっては、前述した保留記憶表示と同様に、スクリーンの屈曲部(凹凸部の屈曲部を含む)を跨がらないように演出図柄を変動表示する(特定画像を表示する)ことで、演出図柄の変動表示がこれらスクリーンの屈曲部によって誤認されてしまうことがないようにすれば良い。
尚、上記した特定画像としては、保留記憶表示(保留記憶表示用フレームを含む)や演出図柄の変動表示だけではなく、遊技にとって重要となる画像、例えば、遊技者の遊技履歴等を他の遊技機等に引き継いだり、或いは、サーバ等において遊技者が管理できるようにするために表示される2次元バーコードやパスワード等であっても良い。
また、前記実施例では、屈曲部を有する第1スクリーン301には、予告演出やリーチ演出において振動していない部屋の画像を表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図31に示すように、これら屈曲部を有する第1スクリーン301に振動していることを示す画像(映像)を投影表示するようにしても良く、この場合にあっては、画像が視認し難くなってしまうことや、振動している画像(映像)であることが解り難くなってしまうことを防ぐために、スクリーンの屈曲部(凹凸部の屈曲部を含む)を跨がらないように表示するようにすれば良い。よって、上記したように、スクリーンの屈曲部を跨がらないように表示する特定画像に、振動していることを示す画像(映像)が含まれるようにすれば良い。
また、前記実施例では、スクリーンユニット300を構成する第1スクリーン301、第2スクリーン302、第3スクリーン303を、単体のスクリーンとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、箱状のスクリーンを隠すスクリーンを前方に設ける場合にあっては、図32に示すように、これら前方に設けるスクリーンを、左右の略方形の2つのスクリーンを合体させて横長の方形型のスクリーンとし、箱状のスクリーンに投影表示する場合には、前方のスクリーンの合体を解消して、箱状のスクリーンの両側方位置に、移動させて格納するようにすれば良い。このようにすることにより、複数の部分が合体して横長の方形型のスクリーンが構成されるため、大きなスクリーンに画像を大きく投影することができるので、画像の迫力を高めることができる。
また、前記実施例では実施していないが、図33(A)に示すように、背板301Dの背面に、面状発光が可能なバックライト等の発光体を設けておき、例えば、前述した予告演出において窓が表示されるときに、バックライトを発光させて窓の部分が非常に明るく光る場合(図33(B))と、バックライトを発光させずに窓の部分が明るく光らない場合(図33(C))とがあるようにしても良く、これらバックライトを発光させる場合とバックライトを発光させない場合とを、大当りとなる場合と大当りとならない場合とで異なる割合にて決定することや、確変大当りとなる場合と確変大当りとならない場合とで異なる割合にて決定することにより、バックライトを発光させる場合とバックライトを発光させない場合とで大当り期待度や確変期待度が異なるようにしても良い。このように、バックライトをスクリーンユニット300に設けることで、被投影部であるスクリーンユニット300に投影される画像による光だけではなく、バックライトによってスクリーンユニット300を背面からも照光することが可能となるため、スクリーンユニット300をより一層、目立たせることができるので、遊技興趣を向上できる。
尚、このようにバックライトを設ける場合にあっては、背板301Dの全体または窓の表示に対応する部分だけを、光を透過可能であって十分な機械的強度を有する素材、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム等により形成すれば良い。
また、前記実施例では、形態が変化するスクリーンユニット300とともに形態が変化しない液晶表示装置からなる演出表示装置5を設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出表示装置5に対応する部分に形態が変化しない第4スクリーンを設けて、演出表示装置5の表示内容と同様に、少なくともスクリーンユニット300が変化する期間において、保留記憶表示や演出図柄の変動表示を、投影装置400が該第4スクリーンに投影するようにしても良い。尚、第4スクリーンは、演出表示装置5の位置ではなく、スクリーンユニット300において変化しない部分として設けられていても良い。つまり、投影装置400(投影手段)は、スクリーンユニット300(被投影部)に投影可能な保留記憶表示や演出図柄の変動表示や2次元バーコード等の特定画像について、少なくともスクリーンユニット300の形状が変化するときには、形態が変化しない非変化部である第4スクリーンに投影すれば良い。尚、これら第4スクリーンを設ける場合には、該第4スクリーンとスクリーンユニット300とが被投影部を構成する。
また、前記実施例では、スクリーンユニット300の形状の変化が、投影対象のスクリーンを切り替えることによるものとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、スクリーンユニット300が1のスクリーンのみを備え、該1のスクリーンの形状が膨らんだり、或いは凹むように変化するものであっても良い。
また、前記実施例では、マッピングされた画像を投影する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投影画像は、マッピングされていない画像であっても良い。
前記実施例では、遊技盤2を前方から覆う第1透明板50aを有するパチンコ遊技機1であって、遊技に関する画像を投影可能な投影装置400(投影手段)と、投影装置400(投影手段)によって画像が投影されるスクリーンユニット300(被投影部)と、第1透明板50aを前方から覆う第2透明板50bと、を備え、投影装置400(投影手段)が投影光を出力する投影部401(投光部)が、第1透明板50aと第2透明板50bの間に設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影部401(投光部)が第1透明板50aと第2透明板50bの間に設けられていないものであっても良い。
前記実施例では、遊技に関する制御を行う主基板11や演出制御基板12等の各種の制御基板が、スクリーンユニット300(被投影部)の前方領域を除く位置であって、スクリーンユニット300(被投影部)の後方端よりも前方となる位置、つまり、スクリーンユニット300(被投影部)の背面位置を除いた位置となる、後方に向けて膨出するカバー体220の外周面下部に形成された傾斜面220aや開閉扉枠50の背面下部に配置されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種の制御基板の配置位置は、スクリーンユニット300(被投影部)の背面位置を除いた位置であれば、パチンコ遊技機1の任意の位置として良い。
前記実施例では、パチンコ遊技機1の前面上部位置に、前方側に突出するように庇状に形成された上突出部210A(庇部)に投影装置400(投影手段)が設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投影装置400(投影手段)を上突出部210A(庇部)とは異なる部分、例えば、カバー体220の上方位置等に設けて、上突出部210A(庇部)には反射鏡だけを設けるようにしても良い。
前記実施例では実施していないが、スクリーンユニット300(被投影部)の周囲に位置する、ステージ飾り枠51や障害釘や風車等の部材を、スクリーンユニット300(被投影部)の周囲に位置しない部材よりも、光を反射し難い色、材質、表面状態の少なくともいずれかとすることで、これらスクリーンユニット300(被投影部)の周囲に位置する部材により、投影装置400(投影手段)からの投影光やスクリーンユニット300(被投影部)からの光が反射されて、スクリーンユニット300(被投影部)に投影された画像の視認性が低下してしまうことを防ぐようにしても良い。
尚、ステージ飾り枠51等のスクリーンユニット300(被投影部)の周囲に位置する部材だけではなく、例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31B等のスクリーンユニット300の周囲に位置しない他の部材を含むパチンコ遊技機1全体を、光を反射し難い茶(平均反射率25%)や赤(平均反射率20%)、黒(平均反射率4%)等の色に着色したり、黒色であるカーボン材等の光が反射し難い材質にて構成しても良い。
前記実施例では実施していないが、パチンコ遊技機1にエラー報知制御手段を備えるようにして、該エラー報知制御手段により、パチンコ遊技機1における異常の発生を報知するようにしても良く、この場合にあっては、本体を開閉可能に覆う開閉扉枠50(開閉扉)の開放異常を投影装置400(投影手段)によりスクリーンユニット300(被投影部)に大きく投影して報知しようとしても、前記実施例では開閉扉枠50(開閉扉)に投影装置400(投影手段)が設けられているため、異常を報知する画像をスクリーンユニット300(被投影部)に投影できなくなってしま可能性が高いので、少なくとも開閉扉枠50(開閉扉)が開放されている期間においては、スクリーンユニット300(被投影部)とは個別に設けられ、画像を表示可能な表示手段である演出表示装置5に、エラー報知画像を表示して異常の発生を報知するようにすれば良い。
前記実施例では、遊技球(遊技媒体)が通過する通過経路は、該通過経路を通過する遊技球がスクリーンユニット300(被投影部)に投影される投影光を遮らない位置に設けられていることで、通過経路を通過する遊技球によって投影光が遮られて画像が分かりづらくなってしまうことを防止できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、通過経路を通過する遊技球が、投影光の一部を遮るように通過経路を形成するようにしても良い。
前記実施例では、投影装置400(投影手段)の制御を行う投影制御手段である演出制御用CPU120は、本体を開閉可能に覆う開閉扉枠50(開閉扉)の開放に関係なく投影装置400(投影手段)の制御を行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影制御手段である演出制御用CPU120は、少なくとも開閉扉枠50(開閉扉)が開放されている期間においては、閉鎖されている期間と比較して投影装置400から投影される投影光の明るさを低減させる制御、または、投影装置400による投影を停止する制御を行うようにしても良い。
前記実施例では、投影装置400の焦点を、投影装置400に近い近領域である第3スクリーン303と、投影装置400から遠い遠領域である背板301Dとの間の中間領域となる第2スクリーン302(第2投影位置)に合わせた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、投影装置400として、自動的に投影されるスクリーンに焦点を自動的に修正可能なものを用いるようにしても良い。
前記実施例では、投影装置400の暖機運転を起動時において実行し、その後は、投影装置400を継続して稼働状態とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投影装置400を、例えば、遊技者にとって有利な有利状態となる期待度が第1演出よりも高い第2演出を実行する場合において稼働状態として、スクリーンユニット300に第2演出に関する画像を投影装置400が投影するようにしても良く、この場合にあっては、第2演出が実行される前に該第2演出が実行されるか否かを判定する判定手段を備えるようにして、該判定手段によって第2演出が少なくとも実行されることが判定された場合に、第2演出に係わる作動条件が成立、つまり、第2演出に関する画像を投影するタイミングとなる前に、事前に暖機運転を開始するようにすれば良い。
前記実施例では、投影装置400を上突出部210Aに不動に固定して設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影装置400を、例えば、第1スクリーン301(第1被投影部)に画像を投影可能な第1状態と、第2スクリーン302(第2被投影部)に画像を投影可能な第2状態に可動させる可動手段にて可動可能に上突出部210Aに設けるようにしても良く、この場合にあって投影装置400は、少なくとも可動手段によって可動される期間においては、投影光の明るさを低減させて遊技に関する画像を投影する、または、遊技に関する画像を投影しないようにすれば良い。
前記実施例では、スクリーンユニット300(被投影部)に投影される投影画像と、演出表示装置5に表示される表示画像とが、互いに作用し合うような連携演出を行わない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影装置400(投影手段)が投影する投影画像と演出表示装置5(表示手段)が表示する表示画像とにより連携演出を実行する連携演出実行手段を備えるようにしても良く、この場合にあっては、スクリーンユニット300(被投影部)の近傍に配置される演出表示装置5の表示制御と、投影装置400の投影制御を行う制御手段である演出制御用CPU120は、連携演出が実行されるときには、投影装置400(投影手段)により投影される投影画像の明るさと、演出表示装置5(表示手段)により表示される表示画像の明るさとを合わせる制御を行うようにすれば良い。
前記実施例では、投影装置400(投影手段)を、本体を開閉可能に覆う開閉扉枠50(開閉扉)に前方側に突出するように庇状に形成された上突出部210Aに設け、開閉扉枠50(開閉扉)の開閉に応じて投影装置400(投影手段)の投影方向が変化する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投影装置400(投影手段)を、例えば、投影装置400(投影手段)を投影可能な上突出部210Aを、開閉扉枠50(開閉扉)等から分離固定して、開閉扉枠50(開閉扉)を閉鎖した状態及び開放した状態のいずれの状態であっても、スクリーンユニット300(被投影部)に画像を投影可能に設けるようにしても良いし、開閉扉枠50(開閉扉)ではなく、開閉扉枠50(開閉扉)の開閉に伴って移動しない遊技盤2に投影装置400を設けることにより、開閉扉枠50(開閉扉)を閉鎖した状態及び開放した状態のいずれの状態であっても、スクリーンユニット300(被投影部)に画像を投影可能に設けるようにしても良い。つまり、投影装置400を開閉扉枠50(開閉扉)を閉鎖した状態及び開放した状態のいずれの状態であっても、スクリーンユニット300(被投影部)に画像を投影可能な位置に設けるようにしても良い。
前記実施例では、投影装置400をパチンコ遊技機1の前方に突出する上突出部210Aに、遊技盤2と対向するように設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、上突出部210Aに反射鏡を配置して、投影装置400を遊技盤2側に設けて、投影装置400からの投影光を反射鏡にて反射してスクリーンユニット300(被投影部)に投影するようにしても良い。
また、前記実施例では、演出表示装置5を設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出表示装置5を設けないようにしても良い。
また、前記実施例では、図24に示すように、スクリーンユニット300(被投影部)と演出表示装置5の双方において演出図柄の変動表示を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出図柄の変動表示をスクリーンユニット300(被投影部)と演出表示装置5のいずれか一方のみで行うようにしても良い。
また、前記実施例では、ベース板302Aの左側辺、右側辺及び下辺に沿って各辺を覆うように緩衝部材302Bを設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ベース板302Aが下辺においてのみ、第1スクリーン301の下板301Cと当接する場合には、これら当接する下辺にのみに、緩衝部材302Bを設けるようにしても良い。
また、前記実施例では、被投影部が切り替わることを予告する演出として、図24(B1)に示すように、キャラクタが登場して、第2スクリーン302を持ち上げて変化させようとする画像(映像)を投影する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、スクリーンの移動方向が左右に移動するものであれば、キャラクタがスクリーンの移動方向である右方向または左方向に移動することで、被投影部が切り替わることを予告するようにしても良い。また、スクリーンが分割して切り替わるような場合であれば、スクリーンが分割することを示すエフェクト画像(ヒビが入る画像(映像)等)を投影したり、或いは、切り替え後のスクリーンの形状の画像やアイコン等を投影する当により、被投影部が切り替わることを予告するようにしても良い。更には、これら画像等を投影せずに、移動するスクリーンを少しだけ移動させて戻すような動きや、スクリーンが割れるような動作を少しだけ行って被投影部が切り替わることを予告するようにしても良い。
また、前記実施例では、前述したように、演出装置である役物装置310A,310Bの動作確認用初期動作の期間と、投影装置400の暖機運転期間と、スクリーンユニット300の動作確認用初期動作の期間とが重複しないようにした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら役物装置310A,310Bだけではなく、例えば、他の演出装置である、演出用LED9やスピーカ8L,8R,8Uの動作確認用初期動作の期間も、投影装置400の暖機運転期間と、スクリーンユニット300の動作確認用初期動作の期間と重複しないようにして、一時的に電力消費が著しく高くなってしまうことを更に防ぐことができるようにしても良い。
また、前記実施例では、スクリーンユニット300を変化させる演出の1例として予告演出を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらスクリーンユニット300を変化させる演出を、リーチ演出中において実行したり、変動表示が実行されていない大当り中に実行される演出、例えば、前述した大当り中昇格演出として実行することで、確変昇格を報知する演出として実行しても良いし、例えば、5ラウンド大当りであるか16ラウンドの大当りであるかが不明である場合に、16ラウンドであることを報知するラウンド昇格演出として実行したり、大当り後に保留記憶によって実行される変動表示によって大当りが連続して発生するか否かを示唆する保留内連荘示唆演出として実行するようにしても良い。更には、大当りに当選する確率が高い高確率状態であるのか、大当りに当選する確率が低い通常状態(低確率状態)であるのかが判別不能である潜伏状態である場合に、高確率状態であるか通常状態(低確率状態)であるのを示唆する演出として実行しても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBを、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を著しく短くして、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りBの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしても良い。尚、これら確変大当りBを突確大当りとする場合には、該確変大当りBの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りBや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な演出表示装置やリールに変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該演出表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。尚、本発明をスロットマシンに適用する場合の遊技領域としては、スロットマシンの前面を閉鎖する遊技機用枠に設けられた透明板の後方に配置されるスクリーンユニットを含む。
また、前記実施例では、スクリーンユニット300の後方領域には、いずれの基板も配置しない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、投影装置400とスクリーンユニット300との距離を十分に確保できる場合にあっては、スクリーンユニット300の後方領域に、基板を配置するようにしても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ変動表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、変動表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。