JP2016149452A - 有機太陽電池モジュールおよびその製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換効率を向上させた、有機太陽電池モジュールおよびその製造方法、並びに電子機器を提供する。
【解決手段】基板10上に電気的に接続した2以上の有機太陽電池セル100A,100B,100Cを備えた有機太陽電池モジュール1であって、前記有機太陽電池セル100A,100B,100Cは、下部に位置する第一電極層11A,11B,11C、有機層12A,12B,12C、および上部に位置する第二電極層13A,13B,13Cを含み、少なくとも1つの有機太陽電池セル100Bの第一電極層11Bの、該有機太陽電池セル100Bと隣り合う有機太陽電池セル100Aの第二電極層13Aと導通する側の端部とは反対側に位置する端部を覆うように設けられ、導電性の高分子を含むめっき下地塗膜層14Bと、前記めっき下地塗膜層14B上に無電解めっき法により形成された金属めっき膜からなる補助配線15Bとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機太陽電池モジュールおよびその製造方法、並びに電子機器に関する。
有機太陽電池モジュールは、安価で毒性が低く、原材料不足の懸念もないことから、シリコン系太陽電池モジュールに次ぐ次世代の太陽電池モジュールとして大変注目を集めている。
このような有機太陽電池モジュールを構成する有機太陽電池セルでは、特に光電変換効率の向上が求められており、光電変換効率の高い化合物の検討などがされている(例えば、特許文献1、非特許文献1)。
特開2012−234945号公報
Pierre−Luc T. Boudreault, Ahmed Najari, and Mario Leclerc, Chem. Mater., 2011, 23, pp456−469
一般に、有機太陽電池セルの陽極には、酸化インジウム−酸化スズ(ITO)等の透明電極が用いられているが、陰極を形成する金属に比べて、電気抵抗が高い。そのため、透明電極中を電流が輸送されるときに、電圧の降下を招き、結果として発電電力の低下を引き起こす問題を有していた。
また、有機太陽電池セルにおいて、発電機能を有する有機層は非常に薄く形成されるため、有機層によって透明電極の端部を完全に被覆することができない場合があり、有機太陽電池セルを形成した際、リーク電流の要因となっていた。
本発明は、光電変換効率を向上させた、有機太陽電池モジュールおよびその製造方法、並びに電子機器を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、基板上に電気的に接続した2以上の有機太陽電池セルを備えた有機太陽電池モジュールであって、前記有機太陽電池セルは、下部に位置する第一電極層、有機層、および上部に位置する第二電極層を含み、少なくとも1つの有機太陽電池セルの第一電極層の、該有機太陽電池セルと隣り合う有機太陽電池セルの第二電極層と導通する側の端部とは反対側に位置する端部を覆うように設けられ、導電性の高分子を含むめっき下地塗膜層と、前記めっき下地塗膜層上に無電解めっき法により形成された金属めっき膜からなる補助配線とを備えた有機太陽電池モジュールが提供される。
本発明の一態様によれば、基板上に電気的に接続した2以上の有機太陽電池セルにおける、少なくとも1つの有機太陽電池セルの第一電極層の、該有機太陽電池セルと隣り合う有機太陽電池セルの第二電極層と導通する側の端部とは反対側に位置する端部を覆うように、導電性の高分子を含むめっき下地塗膜層を塗布法により形成するめっき下地塗膜層形成工程と、前記めっき下地塗膜層上に、無電解めっき法により金属めっき膜からなる補助配線を形成する補助配線形成工程とを備えた有機太陽電池モジュールの製造方法が提供される。
本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る有機太陽電池モジュールを備える電子機器が提供される。
本発明の一態様によれば、光電変換効率を向上させた、有機太陽電池モジュールおよびその製造方法、並びに電子機器を提供することができる。
本実施形態における有機太陽電池モジュールの概略図である。 第一電極層およびめっき下地塗膜層を平面視したときの下地塗膜層の配置を説明するための図である。 図2の断面図である。 有機太陽電池セルを平面視したときの第二電極層の配置を説明するための図である。 変形例における、第二電極層の配置を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。また、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているものの、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本実施形態の有機太陽電池モジュールは、基板上に電気的に直列接続した2以上の有機太陽電池セルを備えている。有機太陽電池セルは、下部に位置する第一電極層、有機層、および上部に位置する第二電極層をこの順に積層した構造を有している。
有機太陽電池セルは、少なくとも1つの有機太陽電池セルの第一電極層の、該有機太陽電池セルと隣り合う有機太陽電池セルの第二電極層と導通する側の端部とは反対側に位置する端部を覆うように設けられ、導電性の高分子を含むめっき下地塗膜層と、めっき下地塗膜層上に無電解めっき法により形成された金属めっき膜からなる補助配線とを備えたことを特徴とする。
本実施形態によれば、導電性高分子を含むめっき下地塗膜層を第一電極層の端部を覆うように設けたので、第一電極層の端部はめっき下地塗膜層で覆われたことで緩やかな形状になる。このため、めっき下地塗膜層が形成された第一電極層の上に、有機層および第二電極層を積層したとき、第一電極層の端部は、緩やかな形状であるために、有機層で完全に被覆できる。このため、起電力による端部への電界集中が避けられ、第二電極層と第一電極層との間のリーク電流を抑制することが可能となる。
また、めっき下地塗膜層の上に金属めっき膜からなる補助配線を設けたので、発生した電流がこの補助配線を介して有機太陽電池セルの外部へと輸送される。このため、第一電極層の電気抵抗が高い場合であっても、発生した電流が第一電極層の内部を流れることで生じる電圧の降下を抑制できる。
結果として、光電変換効率を向上させた、有機太陽電池モジュールを提供できる。
このように、光電変換効率を向上させる効果が得られるため、本実施形態の有機太陽電池モジュールは、室内用の有機太陽電池モジュールとして、好適に用いられる。
以下、本実施形態の有機太陽電池モジュールを構成ごとに説明する。
(有機太陽電池モジュール)
図1は、本実施形態における有機太陽電池モジュールの概略図である。
第一実施形態の有機太陽電池モジュール1は、基板10上に並置された第一の有機太陽電池セル100A、第二の有機太陽電池セル100Bおよび第三の有機太陽電池セル100Cを備えている。
第一の有機太陽電池セル100Aは、第一電極層11A、有機層12Aおよび第二電極層13Aを、この順に積層した構造を有している。また、第二の有機太陽電池セル100Bは、第一の有機太陽電池セル100Aの構造と同様に、第一電極層11B、有機層12Bおよび第二電極層13Bを、この順に積層した構造を有している。第三の有機太陽電池セル100Cも、第一の有機太陽電池セル100Aの構造と同様に、第一電極層11C、有機層12Cおよび第二電極層13Cを、この順に積層した構造を有している。
本実施形態において、第一の有機太陽電池セル100Aの第二電極層13Aおよび第二の有機太陽電池セル100Bの第一電極層11Bは電気的に接続しており、第二の有機太陽電池セル100Bの第二電極層13Bおよび第三の有機太陽電池セル100Cの第一電極層11Cも電気的に接続されている。第一電極層と第二電極層は互いに極性が異なるので、第一の有機太陽電池セル100A、第二の有機太陽電池セル100Bおよび第三の有機太陽電池セル100Cは直列に接続されている。
なお、本実施形態では、直列接続した有機太陽電池セルが2以上あればよく、図1では第一の有機太陽電池セル100A、第二の有機太陽電池セル100Bおよび第三の有機太陽電池セル100Cの3つを示したが、有機太陽電池セルの数は3つに限定されない。
(基板)
本発明の有機薄膜太陽電池は、通常、基板上に形成される。該基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有するものが好ましい。例えば、ガラス基板および透明性樹脂フィルムがある。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリプロピレン等が挙げられる。
不透明な基板の場合には、反対の電極(即ち、基板から遠い方の電極)が透明電極または半透明電極であることが好ましい。
(有機太陽電池セル)
本実施形態の有機太陽電池セル100A,100B,100Cは、第一電極層11A,11B,11C、有機層12A,12B,12Cおよび第二電極層13A,13B,13Cを、この順に積層した構造を有している。また、本実施形態の有機太陽電池セル100A,100B,100Cは、導電性の高分子を含むめっき下地塗膜層14A,14B,14Cと、金属めっき膜からなる補助配線15A,15B,15Cとをさらに備えている。
なお、以下の説明では、第二の有機太陽電池セル100Bの各部材について説明し、第一の有機太陽電池セル100Aおよび第三の有機太陽電池セル100Cの各部材については、その説明を省略する。
(セル構成)および(有機層)
本発明の有機薄膜太陽電池は下記のいずれかの構成としてもよい。
すなわち上記有機層をバルクヘテロ接合有機活性層を中心として正孔輸送層、p層、n層、電子輸送層に層を分割して機能分離をしてもよい。ここで「p層」とは、バルクヘテロ接合有機活性層に用いられるp型の発電材料を含む層であり、「n層」とは同じく、n型の発電材料を含む層である。これらを用いて、セル構成全体を電極層とともに以下に記載する。
(1)第一電極層/バルクヘテロ接合有機活性層/第二電極層
(2)第一電極層/p層/バルクヘテロ接合有機活性層/n層/第二電極層
(3)第一電極層/p層/バルクヘテロ接合有機活性層/第二電極層
(4)第一電極層/バルクヘテロ接合有機活性層/n層/第二電極層
上記(2)の層構成において、p層とn層を置換してもよい。
また、上記(1)、(2)、(3)の層構成において、必要に応じて電極層と有機層の間に正孔輸送層や電子輸送層を設けてもよい。例えば具体例として、上記(1)の層構成に正孔輸送層や電子輸送層を設け、下記(5)〜(7)の層構成としてもよい。
(5)第一電極層/正孔輸送層/バルクヘテロ接合有機活性層/第二電極層
(6)第一電極層/バルクヘテロ接合有機活性層/電子輸送層/第二電極層
(7)第一電極層/正孔輸送層/バルクヘテロ接合有機活性層/電子輸送層/第二電極層
ここで、正孔輸送層や電子輸送層には、後述のように無機材料を用いてもよい。
(第一電極層)
本実施形態の第一電極層11Bは、基板10上に形成される。
本実施形態の第一電極層11Bとしては、例えば、アノード電極層および透明電極層等が挙げられる。第一電極層11Bを形成する材料は、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペーストおよびカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が挙げられる。
第一電極層11Bの膜厚は、電流の導通さえあれば特に制限はないが、好ましくは5nm以上50μm以下、より好ましくは50nm以上500nm以下の範囲である。上記好ましい範囲内であれば、導電性を付与しかつ、短時間に成膜することができる。また透明電極としても透明性を確保できる。
第一電極層11Bは、上記の導電性材料を含む、溶液、ペースト、インク、および分散液等の流動性電極材料を用いて形成することができる。これらの中でも、導電性ポリマー、または白金、金、銀、もしくは銅を含有する金属微粒子を含む流動性電極材料が好ましい。金属微粒子を含有する分散物としては、例えば、公知の導電性ペースト等を用いてもよいが、通常粒子径が0.5nm以上50nm以下、1nm以上10nm以下の金属微粒子を含有する分散物であると好ましい。この金属微粒子の材料としては、例えば、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができる。これらの金属微粒子を、主に有機材料からなる分散安定剤を用いて、水や任意の有機溶媒である分散媒中に分散した分散物を用いて電極を形成するのが好ましい。このような金属微粒子の分散物の製造方法としては、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法等の物理的生成法、並びに、コロイド法および共沈法等の、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法等が挙げられる。好ましくは、コロイド法またはガス中蒸発法により製造された金属微粒子の分散物である。
これらの金属微粒子分散物を用いて直接インクジェット法によりパターニングしてもよく、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成してもよい。また凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。前記電極を成形し、溶媒を乾燥させた後、必要に応じて100℃以上300℃以下、好ましくは150℃以上200℃以下の範囲で形状様に加熱することにより、金属微粒子を熱融着させ、目的の形状を有する電極パターンを形成できる。
さらに、第一電極層11Bの別の材料として、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマーを用いることも好ましく、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸の錯体等も好適に用いられる。これらの形成方法もインクジェット法によりパターニングしてもよく、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成してもよい。また凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
(めっき下地塗膜層)
本実施形態の導電性の高分子を含むめっき下地塗膜層14Bは、第一電極層11Bの、この有機太陽電池セル100Bと隣り合う有機太陽電池セル100Aの第二電極層13Aと導通する側の端部111Bとは反対側に位置する端部112Bを覆うように設けられている。導電性高分子を含むめっき下地塗膜層14Bを第一電極層11Bの端部112Bを覆うように設けたので、第一電極層11Bの端部112Bはめっき下地塗膜層14Bで覆われたことで緩やかな形状になる。このため、めっき下地塗膜層14Bが形成された第一電極層11Bの上に、有機層12Bおよび第二電極層13Bを積層したとき、第一電極層11Bの端部112Bは、緩やかな形状であるために、有機層12Bで完全に被覆できる。このため、起電力による端部112Bへの電界集中が避けられ、第二電極層13Bと第一電極層11Bとの間のリーク電流を抑制することが可能となる。
本実施形態では、めっき下地塗膜層14Bは、第一電極層11Bの端部112Bを覆うだけでなく、第一電極層11Bの端部112Bに引き続いて、基板10上にも形成されることが好ましい。めっき下地塗膜層14Bが形成される領域が広がることで、めっき下地塗膜層14Bの上に形成される補助配線15Bの形成面積も広がるため、補助配線15Bの電気抵抗が小さくなる。
図2に示すように、第一電極層11Bおよびめっき下地塗膜層14Bを平面視したとき、めっき下地塗膜層14Bは、第一電極層11Bの端部112Bの長手方向を覆うように形成される。
本実施形態のめっき下地塗膜層14Bは、めっき下地塗膜層形成用溶液を用いて、塗布法により形成される。
(めっき下地塗膜層形成用溶液)
めっき下地塗膜層14Bを形成するためのめっき下地塗膜層形成用溶液には、少なくとも導電性の高分子および溶媒を含んでなる。
(導電性の高分子)
本実施形態の導電性の高分子としては、触媒金属を吸着させることができるものであればよい。例えば還元性であり、触媒金属のイオンを還元して吸着することにより、結果的に導電性の高分子となる。
具体的には、ポリアニリン、PEDOT:PSS、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリアセンおよび各種誘導体が挙げられる。
還元性の高分子としては、触媒金属を吸着していない導電性の高分子を脱ドープ処理することにより得ることもできる。例えば、本実施形態の第一電極層11B上に、触媒金属を吸着していない導電性の高分子とバインダーとを含む塗料を50μm以下の幅でパターン状に印刷し、その後、脱ドープ処理を行って、還元性の高分子膜を得ることができる。
そして、この触媒金属を吸着していない導電性の高分子としては、導電性を有するπ−共役二重結合を有する高分子であれば特に限定されないが、例えば、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンおよびそれらの各種誘導体が挙げられ、好ましくは、ポリピロール粒子、ポリアニリン粒子、可溶性ポリアニリン、PEDOT:PSS(多くは粒子状)が挙げられる。
導電性の高分子粒子は、π−共役二重結合を有するモノマーから合成して使用することができるが、市販で入手できる導電性の高分子粒子を使用することもできる。導電性の高分子粒子の好ましい材料として、ポリピロール粒子、ポリアニリン粒子、PEDOT:PSSの粒子のような粒子状の形状をした高分子粒子がある。ここで高分子粒子とは触媒金属を吸着させることができるとともに、その平均粒子径が0.010μm以上3μm以下であればよい。例えば還元性の高分子粒子であり、かつ平均粒子径が0.010μm以上3μm以下のものが好ましく、0.020μm以上3μm以下がより好ましく使用される。また、高分子粒子は1次粒子(単一粒子)、或いは2次粒子(凝集粒子)の状態であってもよい。
また、もう一つの好ましい材料である、可溶性のポリアニリンは、有機溶媒に完全に溶解するため、上記の微粒子状にはならないため、微細な印刷パターン特性に優れる。これらの具体例としては、例えば、特開2014−132104号公報に記載のポリアニリン組成物、国際公開WO2005/052058号公報に記載の組成物が挙げられる。
(脱ドープ処理)
脱ドープ処理としては、還元剤を含む溶液で処理して還元する方法、または、アルカリ性溶液で処理する方法が挙げられる。還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン等のアルキルアミンボラン、および、ヒドラジン等が挙げられる。
このうち、操作性および経済性の観点から、アルカリ性溶液で処理する方法が好ましい。例えば、1M 水酸化ナトリウム水溶液中で、20℃以上50℃以下、好ましくは30℃以上40℃以下の温度で、1分間以上30分間以下、好ましくは3分間以上10分間以下で処理することが好ましい。
(バインダー)
めっき下地塗膜層形成用溶液は、塗布特性、印刷のパターン特性を向上させるためにバインダーを含んでいてもよい。ただし、塗布特性、印刷パターンの容易さは、導電性の高分子、溶媒といった溶液構成物、塗布する対象物の表面エネルギーや表面粗さにより異なり、必ずしもバインダーを必要としない場合もありうる。
本実施形態のバインダーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルホン酸系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリ(N−ビニルカルバゾール)系樹脂、炭化水素系樹脂、ケトン系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチルセルロース系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂等が挙げられる。
使用するバインダー量は、導電性の高分子1質量部に対して0.1質量部以上使用することができ、具体的には、導電性の高分子1質量部に対して0.1質量部以上60質量部以下の範囲である。バインダーが60質量部を超えると金属めっき膜が析出し難くなる場合があり、バインダーが0.1質量部未満であると、印刷によるパターニング特性が悪くなることがある。
(溶媒)
本実施形態の溶媒としては、特に限定されるものではないが、具体的には、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類およびこれらの混合物等が挙げられる。
また、メチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等の多価アルコール誘導体溶媒、ミネラルスピリット等の炭化水素溶媒、ジヒドロターピネオール、D−リモネン等のテルペン類に分類される溶媒を用いることもできる。
(無機系粒子)
また、本実施形態のめっき下地塗膜層形成用溶液には、無機系粒子を含んでもよい。無機系粒子としては、シリカ粒子、酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。また、無機系粒子の平均粒子径は、0.2μm以上3μm以下となるように調整されたものであればよい。
さらに、本実施形態のめっき下地塗膜層形成用溶液は、必要に応じて、分散安定剤、増粘剤、顔料、染料、バインダー等の樹脂を加えてもよい。
めっき下地塗膜層14Bのうち、第一電極層11B上に形成された領域における膜厚は10nm以上10μm以下が好ましく、100nm以上1μm以下がさらに好ましい。
また、めっき下地塗膜層14Bの膜厚は、第一電極層11Bの膜厚よりも厚く形成することが好ましい。ここで、めっき下地塗膜層14Bの膜厚は、最も厚く形成された領域における膜厚である。これにより、第一電極層11Bの端部112Bは、膜厚の厚いめっき下地塗膜層14Bで覆われたことでより緩やかな形状になる。このため、めっき下地塗膜層14Bが形成された第一電極層11Bの上に、有機層12Bおよび第二電極層13Bを積層したとき、第一電極層11Bの端部112Bは、緩やかな形状であるために、有機層12Bで完全に被覆できる。このため、起電力による端部112Bへの電界集中が避けられ、第二電極層13Bと第一電極層11Bとの間のリーク電流をより一層抑制することが可能となる。
めっき下地塗膜層14Bの幅は特に制限はないが、図3に示す、第一電極層11B上に形成された領域の幅d1は5μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましく、20μm以上50μm以下がさらに好ましい。幅d1が広すぎると、第一電極層11Bからの透過光が遮られることで開口率が低下し、有機層12Bへの太陽光の照射が一部遮られ、光電変換効率が低下してしまう。このため、発電面積を大きくとって電荷発生量を増加させるには第一電極層11Bとのオーバーラップ部分である、幅d1を狭くすればよい。
めっき下地塗膜層14Bの全体の幅が広いほど、めっき下地塗膜層14Bの上に形成される補助配線15Bの電気抵抗は小さくなるため、光電変換効率向上の観点からは、めっき下地塗膜層14Bの全体の幅は広い方が有利である。したがって、めっき下地塗膜層14Bの基板10上に形成された領域の幅はなるべく広げることが好ましい。しかしながら、隣接する有機太陽電池セルとの間隔(ギャップ)には限りがある。このため、図3に示す、めっき下地塗膜層14Bにおける、基板10上に形成された領域の幅d2は、ギャップ幅の70%以下に留めることが望ましい。さらに望ましくは50%以下である。
また印刷による成型技術の観点から、めっき下地塗膜層14Bの全体の幅となる、第一電極層11B上に形成された領域の幅d1と、基板10上に形成された領域の幅d2との合計(d1+d2)は、20μm以上5000μm以下が好ましい。また、50μm以上1000μm以下がより好ましく、50μm以上200μm以下がさらに好ましい。
めっき下地塗膜層14Bの形成方法としては、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、反転印刷(リバースオフセット)、ドライオフセット印刷、グラビアオフセット印刷、パッド印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。スクリーン印刷が特に好ましい。また、細線を印刷する場合は反転印刷が好ましい。スクリーン印刷を使用する場合、めっき下地塗膜層形成用溶液の粘度は、50cPs以上200000cPs以下であることが望ましく、1000cPs以上200000cPs以下であることがより好ましい。
(金属めっき膜からなる補助配線)
本実施形態の金属めっき膜からなる補助配線15Bは、めっき下地塗膜層14B上に無電解めっき法により形成されている。
めっき下地塗膜層14Bの上に補助配線15Bを設けることで、発生した電流がこの補助配線15Bを介して有機太陽電池セル100Bの外部へと輸送される。このため、第一電極層11Bの電気抵抗が高い場合であっても、発生した電流が第一電極層11Bの内部を流れることで生じる電圧の降下を抑制できる。
無電解めっき法は、通常知られた方法にしたがって行うことができる。即ち、基板10の上に、第一電極層11B、めっき下地塗膜層14Bの順で形成されたものを、触媒液に浸漬した後、水洗等を行い、無電解めっき浴に浸漬することにより、めっき下地塗膜層14B上に金属めっき膜からなる補助配線15Bを得ることができる。
(触媒液)
触媒液は、無電解めっきに対する触媒活性を有する貴金属(触媒金属)を含む溶液である。触媒金属としては、パラジウム、金、白金、ロジウム等が挙げられ、これら金属は単体でも化合物でもよい。触媒金属を含む安定性の点からパラジウム化合物が好ましい。その中でも塩化パラジウムが特に好ましい。具体的な触媒液としては、0.05%塩化パラジウム−0.005%塩酸水溶液(pH3)が挙げられる。触媒液による処理温度は、20℃以上50℃以下が好ましく、30℃以上40℃以下がより好ましい。また、触媒液による処理時間は、0.1分以上20分以下が好ましく、1分以上10分以下がより好ましい。
(無電解めっき浴)
無電解めっき浴としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。即ち、無電解めっきに使用できる金属、銅、金、銀、ニッケル等、全て適用することができる。このうち、銅が好ましい。無電解銅めっき浴の具体例としては、例えば、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業社製)等が挙げられる。無電解めっき浴による処理温度は、20℃以上50℃以下が好ましく、30℃以上40℃以下がより好ましい。また、無電解めっき浴による処理時間は、1分以上30分以下が好ましく、5分以上15分以下がより好ましい。
本実施形態の有機層12Bは、基板10、第一電極層11B、めっき下地塗膜層14Bおよび金属めっき膜からなる補助配線15B上に形成される。本実施形態では、有機層12Bとして正孔輸送層およびバルクヘテロ接合有機活性層を形成する。
〔正孔輸送層〕
正孔輸送層を形成する材料としては、高分子化合物であればポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン:ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)、ポリアニリン:カンファースルホン酸(PANI:CSA)等に代表される公知の導電性高分子等が挙げられる。また、無機半導体化合物を用いてもよく、p−Si、n−Si、GaAs、CdS、PbS、CdTe、SiC、CdSe、InP、Nb、WO、Fe等のドーピング半導体および化合物半導体、また、二酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化モリブデン(MoO)等の導電性酸化物が挙げられる。
正孔輸送層の膜厚は、通常の膜厚は1nmから10μmの範囲が適しているが、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
本実施形態において、正孔輸送層は、大気圧プラズマ法等のドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、およびダイコート法等の塗布による方法、印刷およびインクジェット、スクリーン印刷法、メニスカス塗布法、グラビア、グラビアオフセット法、フレキソ印刷法、反転印刷法等のパターニングによる方法等のウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。これらの中でも、ダイコート法やスクリーン印刷法、インクジェット法、メニスカス塗布法が好ましく用いられる。
〔バルクヘテロ接合有機活性層〕
バルクへテロ接合有機活性層は、正孔輸送層上に形成される。
バルクへテロ接合有機活性層は、p型有機活性層領域とn型有機活性層領域が混在し、複雑なバルクへテロpn接合を形成している。ここで、p型有機活性層領域は、例えば、P3HT(poly(3−hexylthiophene−2,5diyl))で形成され、n型有機活性層領域は、例えば、PCBM(6,6−phenyl−C61−butyric acid methyl ester)で形成されている。
バルクヘテロ接合有機活性層の膜厚は、通常1nm〜100μmであり、好ましくは2nm〜1000nmであり、より好ましくは5nm〜500nmであり、さらに好ましくは20nm〜200nmである。この範囲内であれば、効率よく発電することができる。
有機層としてのバルクヘテロ接合有機活性層の形成方法については、前記した正孔輸送層の形成方法と同様の方法等を、材料に応じて使用できる。
本実施形態において、有機層としてのバルクヘテロ接合有機活性層の形成も、上記と同様の理由により、ダイコート法やスクリーン印刷法、インクジェット法、メニスカス塗布法が好ましく用いられる。
〔電子輸送層〕
電子輸送層に好ましい化合物としては、膜厚を厚くしても電流が低下しないようにキャリア移動度が充分に高い化合物が好ましい。例えば、低分子化合物であれば下記に示すNTCDAに代表される芳香族環状酸無水物等が挙げられ、また、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)用途で公知な正孔障壁層用材料、イオン化ポテンシャルが充分に大きい化合物が挙げられる。具体的には、有機EL素子用途で公知な材料であるバソクプロイン(BCP)、バソフェナントロリン(BPhen)等が陰極側の正孔障壁層材料として挙げられる。また、無機半導体化合物を用いてもよく、n−Si、n−GaAs、n−CdS、PbS、CdTe、SiC、CdSe、InP、WO、Fe等のドーピング半導体および化合物半導体、また、二酸化チタン(TiO)、一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti)等の酸化チタン、酸化亜鉛(ZnO)、Alドープ酸化亜鉛AZO等の導電性酸化物が挙げられる。
(第二電極層)
本実施形態の第二電極層13Bは、基板10および有機層12Bの上に形成され、かつ、隣接する有機太陽電池セル100Cの第一電極層11Cと導通するように形成される。また、第二電極層13Bは、図4に示すように、有機太陽電池セル100Bを平面視したとき、有機層12Bの長手方向を覆うように形成される。
本実施形態の第二電極層13Bとしては、例えば、カソード電極層等が挙げられる。第二電極層13Bを形成する材料としては、例えば、銀、銅、アルミニウム、タングステン、モリブデン、マンガン、およびマグネシウム等の金属が挙げられる。
第二電極層13Bの膜厚は、電流の導通さえあれば特に制限はないが、好ましくは5nm以上50μm以下、より好ましくは50nm以上500nm以下の範囲である。上記好ましい範囲内であれば、導電性を付与しかつ、短時間に成膜することができる。また透明電極としても透明性を確保できる。
第二電極層13Bの形成方法としては、真空加熱蒸着法、およびスクリーン印刷等の印刷法等が挙げられる。
本実施形態によれば、導電性高分子を含むめっき下地塗膜層14Bを第一電極層11Bの端部112Bを覆うように設けたので、第一電極層11Bの端部112Bはめっき下地塗膜層14Bで覆われたことで緩やかな形状になる。このため、めっき下地塗膜層14Bが形成された第一電極層11Bの上に、有機層12Bおよび第二電極層13Bを積層したとき、第一電極層11Bの端部112Bは、緩やかな形状であるために、有機層12Bで完全に被覆できる。このため、起電力による端部112Bへの電界集中が避けられ、第二電極層13Bと第一電極層11Bとの間のリーク電流を抑制することが可能となる。
また、めっき下地塗膜層14Bの上に金属めっき膜からなる補助配線15Bを設けたので、発生した電流がこの補助配線15Bを介して有機太陽電池セル100Bの外部へと輸送される。このため、第一電極層11Bの電気抵抗が高い場合であっても、発生した電流が第一電極層11Bの内部を流れることで生じる電圧の降下を抑制できる。結果として、光電変換効率を向上させた有機太陽電池モジュールを提供できる。
このように、光電変換効率を向上させる効果が得られるため、本実施形態の有機太陽電池モジュールは、室内用の有機太陽電池モジュールとして、好適に用いられる。
(有機太陽電池モジュールの製造方法)
本実施形態の有機太陽電池モジュールの製造方法は、図1に示すように、基板10上に設けられた有機太陽電池セル100Bの第一電極層11Bの、該有機太陽電池セル100Bと隣り合う有機太陽電池セル100Aの第二電極層13Aと導通する側の端部111Bとは反対側に位置する端部112Bを覆うように、導電性の高分子を含むめっき下地塗膜層14Bを塗布法により形成するめっき下地塗膜層形成工程と、めっき下地塗膜層14B上に、無電解めっき法により金属めっき膜からなる補助配線15Bを形成する補助配線形成工程とを備えている。また、めっき下地塗膜層形成工程では、少なくとも導電性の高分子、バインダーおよび溶媒を含むめっき下地塗膜層形成用溶液を用いてめっき下地塗膜層14Bが形成されることが好ましい。
なお、めっき下地塗膜層14B、金属めっき膜からなる補助配線15B以外の構成については、特に制限はなく、既知の手法を用いて製造できる。また、めっき下地塗膜層14A,14C、金属めっき膜からなる補助配線15A,15Cについても、上記めっき下地塗膜層形成工程、補助配線形成工程により形成される。
本実施形態によれば、有機太陽電池セル100Bのめっき下地塗膜層14Bを塗布法により形成し、金属めっき膜からなる補助配線15Bを無電解めっき法により形成する。真空蒸着などの高価な設備を使用することなく、めっき下地塗膜層14Bおよび金属めっき膜からなる補助配線15Bを形成可能なため、製造コストを低減でき、上記本実施形態の有機太陽電池モジュールを好適に製造できる。
(電子機器)
本実施形態に係る電子機器は、上述の本発明の一態様に係る有機太陽電池モジュールを備えている。
本実施形態に係る電子機器としては、例えば、電子計算機、携帯電話、モバイル電子機器、非常用電源、各種センサー、時計、リモコン等が挙げられる。
[変形例]
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、めっき下地塗膜層14Bを第一電極層11Bの端部112Bを覆うだけではなく、第一電極層11Bの端部112Bに引き続いて、基板10上にも形成したが、第一電極層11Bの端部112Bだけを覆うように形成してもよい。
また、第二電極層13Bを、有機太陽電池セル100Bを平面視したとき、有機層12Bの長手方向を覆うように形成したが、図5に示すように、有機層12Bの上の一部分のみに第二電極層13Bが形成された構成としてもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な手順、および構造等は本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
1…有機太陽電池モジュール、10…基板、100A…第一の有機太陽電池セル、100B…第二の有機太陽電池セル、100C…第三の有機太陽電池セル、11A,11B,11C…第一電極層、12A,12B,12C…有機層、13A,13B,13C…第二電極層、14A,14B,14C…めっき下地塗膜層、15A,15B,15C…金属めっき膜からなる補助配線。

Claims (13)

  1. 基板上に電気的に接続した2以上の有機太陽電池セルを備えた有機太陽電池モジュールであって、
    前記有機太陽電池セルは、下部に位置する第一電極層、有機層、および上部に位置する第二電極層を含み、
    少なくとも1つの有機太陽電池セルの第一電極層の、該有機太陽電池セルと隣り合う有機太陽電池セルの第二電極層と導通する側の端部とは反対側に位置する端部を覆うように設けられ、導電性の高分子を含むめっき下地塗膜層と、
    前記めっき下地塗膜層上に無電解めっき法により形成された金属めっき膜からなる補助配線とを備えた
    ことを特徴とする有機太陽電池モジュール。
  2. 請求項1に記載の有機太陽電池モジュールにおいて、
    前記めっき下地塗膜層を構成する導電性の高分子が、微粒子状であるものを含み、
    前記導電性の高分子の触媒金属を吸着させる前の平均粒子径は、0.010μm以上3μm以下である
    ことを特徴とする有機太陽電池モジュール。
  3. 請求項1または請求項2に記載の有機太陽電池モジュールにおいて、
    前記めっき下地塗膜層を構成する導電性の高分子に含まれる微粒子が、ポリピロール粒子、およびポリアニリン粒子の少なくともいずれか一種である
    ことを特徴とする有機太陽電池モジュール。
  4. 請求項1または請求項2に記載の有機太陽電池モジュールにおいて、
    前記めっき下地塗膜層を構成する導電性の高分子が、可溶性ポリアニリンを含む
    ことを特徴とする有機太陽電池モジュール。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の有機太陽電池モジュールにおいて、
    前記めっき下地塗膜層の膜厚は、前記第一電極層の膜厚より厚い
    ことを特徴とする有機太陽電池モジュール。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の有機太陽電池モジュールにおいて、
    前記めっき下地塗膜層の前記第一電極層上に形成された領域の幅d1は、5μm以上100μm以下である
    ことを特徴とする有機太陽電池モジュール。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の有機太陽電池モジュールにおいて、
    前記めっき下地塗膜層の前記基板上に形成された領域の幅d2は、少なくとも1つの有機太陽電池セルの第一電極層と、該有機太陽電池セルと隣り合う有機太陽電池セルの第一電極層との間隔の70%以下である
    ことを特徴とする有機太陽電池モジュール。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の有機太陽電池モジュールにおいて、
    前記めっき下地塗膜層の前記第一電極層上に形成された領域の幅d1と、前記基板上に形成された領域の幅d2との合計(d1+d2)は、20μm以上5000μm以下である
    ことを特徴とする有機太陽電池モジュール。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の有機太陽電池モジュールにおいて、
    該有機太陽電池モジュールは、室内用である
    ことを特徴とする有機太陽電池モジュール。
  10. 基板上に電気的に直接接続した2以上の有機太陽電池セルにおける、
    少なくとも1つの有機太陽電池セルの第一電極層の、該有機太陽電池セルと隣り合う有機太陽電池セルの第二電極層と導通する側の端部とは反対側に位置する端部を覆うように、導電性の高分子を含むめっき下地塗膜層を塗布法により形成するめっき下地塗膜層形成工程と、
    前記めっき下地塗膜層上に、無電解めっき法により金属めっき膜からなる補助配線を形成する補助配線形成工程と
    を備えたことを特徴とする有機太陽電池モジュールの製造方法。
  11. 請求項10に記載の有機太陽電池モジュールの製造方法において、
    前記めっき下地塗膜層形成工程では、少なくとも導電性の高分子および溶媒を含むめっき下地塗膜層形成用溶液を用いて前記めっき下地塗膜層が形成される
    ことを特徴とする有機太陽電池モジュールの製造方法。
  12. 請求項11に記載の有機太陽電池モジュールの製造方法において、
    前記めっき下地塗膜層形成用溶液は、バインダーをさらに含む
    ことを特徴とする有機太陽電池モジュールの製造方法。
  13. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の有機太陽電池モジュールを備えることを特徴とする電子機器。
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CN108666426A (zh) * 2018-06-30 2018-10-16 中国科学院上海硅酸盐研究所 一种钙钛矿太阳能电池模块及其制备方法

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