以下、図面を参照して、一実施形態に係る電子機器について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、電子機器は実施形態の構成には限定されない。
以下、図1から図5の図面に基づいて、電子機器を説明する。
<実施例>
図1に、本実施形態の情報処理装置(以下、電子機器とも称す)のハードウェアの構成を例示する。本実施形態の情報処理装置10は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスに、ユーザ操作による接触位置の座標を検出するデバイスを組合せたタッチパネル等の入力デバイスを備える情報処理装置である。
情報処理装置10には、例えば、PC(PC:Personal Computer)、携帯電話機、ス
マートフォン、ノートPC、タブレットPC、PDA(Personal Data Assistance)、ゲーム機、ナビゲーション装置等の情報処理装置が含まれる。
また、情報処理装置10は、例えば、加速度センサ14bといった、情報処理装置10の上下左右前後方向への傾きを検出するセンサを備える。なお、情報処理装置10の上下左右前後方向への傾きを検出するセンサは、加速度センサ14bに限定されない。例えば、情報処理装置10の重力方向を検出する重力センサ、情報処理装置10の上下左右前後方向の回転を検出するジャイロセンサ等であってもよい。
図1に例示の情報処理装置10は、出力部15にLCD15a等の表示デバイスを備える。また、情報処理装置10は、入力部14にタッチセンサ14a等の、表示デバイス面に対する接触位置の座標を検出するデバイスを備える。タッチセンサ14aは、例えば、LCD15a等の表示デバイスと重畳させて組合せることで、表示デバイス面への操作者(以下、ユーザとも称す)のタッチ操作による接触位置の座標を検出する、タッチパネルといったポインティングデバイスとして機能する。
本実施形態の情報処理装置10のタッチセンサ14aは、例えば、操作指等の接触による電界の変化を捉えて、LCD15a等の表示デバイス面に対する操作指等の接触位置を検出する相互容量方式のタッチセンサである。
図2に、相互容量方式のタッチセンサの説明図を例示する。図2に例示の静電容量方式のタッチセンサ14aは、LCD15a等の表示デバイスと組合せられ、情報処理装置10が備えるタッチパネルとして機能する。なお、タッチセンサ14aで検出される座標は、例えば、組合せられたLCD15a等の表示デバイスの左上角部を原点とし、表示デバイスの左右方向をX軸、上下方向をY軸とした(X,Y)の2次元座標として表すことができる。
図2に例示のように、タッチセンサ14aでは、例えば、ITO(酸化インジウムスズtin-doped indium oxide)等の透明電極である受信側電極及び送信側電極が、縦横2層に交差するようマトリクス状に配置されている。そして、受信側電極と送信側電極とが交差する交点は、例えば、操作指等の接触による電界の変化を検出信号として検知する電極(…、Pn−1、Pn、Pn+1、…)列となる。タッチセンサ14aは、例えば、各電極の検出信号から、タッチセンサ14aに対する操作指等の接触状態を検出する。タッチセンサ14aは、接触状態となった電極Pnの座標位置から、操作指等の接触位置に係る座標を検出することができる。
相互容量方式のタッチセンサでは、送信側電極から受信側電極に対してパルスを入力することで電極間に電界を発生させる。受信側電極により検出した電界の検出信号の変化量は0値を中心にプラスの値とマイナスの値が出力されるので、この変化量をもとに操作指等の接触状態を検出することが出来る。
例えば、相互容量方式のタッチセンサ14aでは、センサ表面に何も接触していない状態では受信側電極の検出信号の変化量は0値であり、センサ表面に指が近付くと電界の一部が指に吸い取られ指を経由して接地方向に流れるため電極間の電界が減少する。電界の減少は、マイナスの値を有する電荷の受信側電極への移動の減少を意味し、結果として検出信号の変化量はプラス値となる。
しかし、センサ表面に水等が付着した被水状態では、水等が誘電体として働き、電界が水等の付着部分に吸い寄せられ電極間の電界が増加するので、水等が接触する領域の電極Pnから検出される検出信号の変化量はマイナスの値が検出されることとなる。なお、センサ表面に水等が付着した被水状態では、相互容量方式のタッチセンサ14aの、水等が接触している領域と非接触領域との境界領域の電極Pnでは、水等の付着部分に電界が吸い寄せられたことにより境界領域の電界は減少するので、検出信号の変化量としてプラスの値が検出されることとなる。
図3Aに、被水状態の一例として、相互容量方式のタッチセンサ14aを備える情報処理装置10の一部が水没した状態の説明図を例示する。図3Aに例示の説明図において、境界領域G1は、水没した領域と水没していない領域との境界領域を表す。
図3Aの例では、所謂、ナビゲーションバー等の帯状の表示領域A1を含む、情報処理装置10の境界領域G1より下方側の部分領域が水没した状態にある。水没状態となる部分領域の表示領域A1には、使用頻度の高い操作ボタンである“BACK”、“HOME”、“MENU”と言った操作用オブジェクトが含まれる。また、水没した部分領域には、情報処理装置10に搭載されたアプリケーションソフトウェア(Application software、以下“アプリ”とも称す)の機能と関連付けられたアイコン(icon)の表示領域A6−A8が含まれている。なお、図3Aの例において、境界領域G1より上方側の、日時情報を表示する表示領域A2、アイコンを表示する表示領域A3−A5を含む部分領域は、水没状態の領域範囲には含まれていない。
水没した状態にある、表示領域に対応するタッチセンサ14aの電極Pnでは、センサ面に水が接触する。このため、水没状態となった表示領域のタッチセンサ14aの電極Pnでは、接触に係る検出信号の変化量としてマイナスの値が検出される。この結果、情報処理装置10は、例えば、水没状態となった表示領域A1,A6−A8等に対するユーザの操作指等による接触操作を検出することが困難となる。
相互容量方式のタッチパネルを備える情報処理装置10では、例えば、防水機能を備えていても、水中の表示領域A1,A6−A8に対する接触操作を検知できないため、ナビゲーションバー等に配置された操作用オブジェクトの操作が不能となる虞がある。また、相互容量方式のタッチパネルを備える情報処理装置10では、例えば、表示領域A6−A8に表示されたアイコンに関連付けられた情報処理機能を利用できない虞がある。
なお、図3Aの例において、表示領域A3−A5のアイコンが表示された領域は水没領域に含まれていない。このため、各表示領域のタッチセンサ14aの電極Pnでは、センサ面に接触する水の影響を受けることはない。例えば、表示領域A3−A5のアイコンが表示された領域では、ユーザの接触操作を検知することが可能であり、接触位置に係るアイコンを起動し、情報処理機能を利用することが可能である。
図3B−3Dに、情報処理装置10の一部の領域が水没した状態で、該水没した部分領域に含まれる操作用オブジェクトを操作可能とする機能の説明図を例示する。水没した部分領域の操作用オブジェクトを操作可能とする機能は、例えば、図3Bに例示のように、水没した部分領域に含まれる表示領域A1の操作用オブジェクトの表示位置を表示領域A2の上部側等の、水没していない領域に移動することが提案できる。
図3Bの例では、情報処理装置10は、例えば、水没した部分領域の表示領域A1の座標情報から表示に係る上下方向の表示幅を特定し、特定した表示幅に基づいて、表示領域A2−A5が含まれる表示領域の座標位置を下方側にシフトさせる。そして、情報処理装置10は、例えば、表示位置がシフトされた表示領域A2の上方側の領域に、ナビゲーションバー等に配置された操作用オブジェクトが含まれる表示領域A1の表示位置を移動させる。表示領域A1が移動した部分領域は水没していない領域であるため、例えば、情報処理装置10は、ナビゲーションバー等に配置された操作用オブジェクトに対する接触操作を検知することができる。
図3Bの例では、情報処理装置10は、例えば、水没状態の部分領域に含まれる操作用オブジェクトを操作可能とすることができる。また、境界領域G1より上方側の表示領域A3−A5では、各表示領域に表示されたアイコンへの接触操作が継続して実行できる。操作用オブジェクトの表示位置が移動された情報処理装置10では、例えば、継続して情報処理機能を利用することが可能となる。
次に、図3Cに例示のように、例えば、LCD15a等の表示デバイスに表示される各
表示領域の表示位置を、水没した部分領域の座標位置に応じて、境界領域G1より上方側の表示領域にシフトさせることが提案できる。
図3Cの例では、情報処理装置10は、例えば、境界領域G1より下方側の水没した部分領域に対応する表示領域の座標範囲を特定する。そして、情報処理装置10は、例えば、水没前の表示領域A1が含まれる最下端の表示位置を、境界領域G1より上方側にシフトさせる。境界領域G1より上方側に最下端の表示位置がシフトした表示領域A1,A3−A8は、水没状態ではない表示領域に表示される。このため、情報処理装置10では、例えば、ナビゲーションバー等に配置された操作用オブジェクトに対する接触操作が検知できる。また、情報処理装置10では、例えば、水没した部分領域の、表示領域A6−A8のアイコンに対する接触操作が検知できる。図3Cの例では、情報処理装置10では、例えば、表示領域A6−A8に表示されたアイコンに関連付けられた情報処理機能が利用可能となる。
次に、図3Dに例示のように、例えば、LCD15a等の表示デバイスに表示される各表示領域の表示位置を、境界領域G1より上方側の水没状態ではない表示領域に縮小して表示させることが提案できる。図3Dの例は、例えば、LCD15a等の表示デバイスに表示される各表示領域の表示位置を、境界領域G1より上方側の水没状態ではない表示領域のサイズに応じて、水没前の表示画面を上下方向に縮小して表示させた画面例である。
図3Dに例示の情報処理装置10は、例えば、境界領域G1より下方側の水没した部分領域に対応する表示領域の座標範囲を特定する。そして、情報処理装置10は、特定した表示領域の座標範囲から、水没していない部分領域に対応する領域範囲を求め、水没前の表示デバイスに表示された表示画面を表示するための縮小率を決定する。水没前の表示デバイスに表示された表示画面は、例えば、水没していない部分領域に応じた縮小率で表示領域が縮小され、境界領域G1より上方側の領域範囲に表示される。
このため、情報処理装置10は、例えば、水没前の表示領域A1に表示されたナビゲーションバー等の操作用オブジェクトに対する接触操作を検知することができる。また、情報処理装置10は、例えば、水没前の表示領域A6−A8に表示されたアイコンに対する接触操作を検知することができる。図3Dの例では、情報処理装置10では、例えば、水没していない部分領域に縮小して表示された、水没前の表示画面の各表示領域に表示されたアイコンに関連付けられた情報処理機能が利用可能となる。
本実施形態の情報処理装置10は、例えば、情報処理装置10の一部が水没した状態において、相互容量方式のタッチセンサ14aから検出された検出信号に基づいて、水没領域と非水没領域の境界領域G1を特定する。そして、本実施形態の情報処理装置10は、例えば、特定した境界領域G1に基づいて、水没領域の領域範囲に対応する表示デバイス上に表示された操作用オブジェクトの表示領域を特定する。本実施形態の情報処理装置10は、例えば、水没領域の領域範囲に対応する表示領域の操作用オブジェクトを、非水没領域の領域範囲に対応する表示領域に表示する。
LCD15等の表示デバイス面に水滴等が付着した状態や水濡れ状態といった他の被水状態においても同様である。本実施形態の情報処理装置10は、相互容量方式のタッチセンサ14aから検出された検出信号に基づいて、水滴付着領域(水濡れ領域をも含む)と、非水滴付着領域の境界領域G1を特定する。そして、情報処理装置10は、例えば、特定した境界領域G1に基づいて、水滴付着状態の領域範囲に対応する操作用オブジェクトの表示領域を特定する。情報処理装置10は、例えば、特定した水滴付着状態の領域範囲に対応する表示領域の操作用オブジェクトの表示位置を非水滴付着領域に表示する。
この結果、本実施形態の情報処理装置10では、情報処理装置10の一部が被水状態となっても、当該一部に表示されていた操作用オブジェクトに対応する操作を可能とする技術が提供できる。
なお、本実施形態の情報処理装置10では、例えば、加速度センサ14bといった情報処理装置10の上下左右前後方向の傾きを検出するセンサを備えることができる。情報処理装置10は、例えば、相互容量方式のタッチセンサ14aと加速度センサ14bとの検出値を組合せることにより、水滴付着状態であるか水没状態であるかを適切に判断することができる。相互容量方式のタッチセンサ14aと加速度センサ14bとの検出値を組合せることにより、情報処理装置10では、例えば、水没状態の検出精度を高めることが可能となる。
〔装置構成〕
図1に戻り、本実施形態の情報処理装置10は、接続バスB1によって相互に接続されたCPU(Central Processing Unit)11、主記憶部12、補助記憶部13、入力部1
4、出力部15、通信部16を有する。主記憶部12及び補助記憶部13は、情報処理装置10が読み取り可能な記録媒体である。
情報処理装置10は、CPU11が補助記憶部13に記憶されたプログラムを主記憶部12の作業領域に実行可能に展開し、プログラムの実行を通じて周辺機器の制御を行う。これにより、情報処理装置10は、上述した所定の目的に合致した機能を実現することができる。
図1に例示の情報処理装置10において、CPU11は、情報処理装置10全体の制御を行う中央処理演算装置である。CPU11は、補助記憶部13に格納されたプログラムに従って処理を行う。主記憶部12は、CPU11がプログラムやデータをキャッシュしたり、作業領域を展開したりする記憶媒体である。主記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。
補助記憶部13は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部13は、外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部13には、OS、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、例えば、搭載されたアプリに対し、管理するリソースへのインターフェースをアプリに提供する。情報処理装置10に搭載されたアプリは、OSによって提供されたリソースへのインターフェースを使用することで、アプリ機能を実現する。OSは、通信部16を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、図示しないネットワーク上の、PCやサーバ等の他の情報処理装置、外部記憶装置等が含まれる。
補助記憶部13は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ソリッドス
テートドライブ装置、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)装置等であ
る。また、補助記憶部13としては、例えば、CDドライブ装置、DVDドライブ装置、BDドライブ装置等が提示できる。記録媒体としては、例えば、不揮発性半導体メモリ(フラッシュメモリ)を含むシリコンディスク、ハードディスク、CD、DVD、BD、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード等がある。
入力部14は、ユーザ等からの操作指示等を受け付ける。入力部14は、カメラ、入力ボタン、タッチセンサ14a、加速度センサ14b、ポインティングデバイス、マイクロフォン等の入力デバイスである。入力部14には、キーボード、ワイヤレスリモコン等が含まれるとしてもよい。ポインティングデバイスには、例えば、タッチセンサ14aとL
CD15a等が組み合わされたタッチパネル、マウス、トラックボール、ジョイスティック等が含まれる。入力部14から入力された情報は、接続バスB1を介してCPU11に通知される。例えば、ポインティングデバイスで検出した座標情報、加速度センサ14bで検出された加速度情報等は、接続バスB1を介してCPU11に通知される。
出力部15は、CPU11で処理されるデータや主記憶部12に記憶されるデータを出力する。出力部15は、LCD15a、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)パネル、有機ELパネル等
の表示デバイスを含む。また、出力部15には、プリンタ、スピーカ等の出力デバイスが含まれる。
通信部16は、例えば、情報処理装置10が接続するネットワーク等とのインターフェースである。ネットワークには、例えば、インターネット等の公衆ネットワーク、携帯電話網等の無線ネットワーク、LAN(Local Area Network)等が含まれる。
情報処理装置10は、CPU11が補助記憶部13に記憶されているOS、各種プログラムや各種データを主記憶部12に読み出して実行することにより、対象プログラムの実行と共に、図1に例示の各処理手段を実現する。情報処理装置10は、対象プログラムの実行により、図1に例示の境界判定部101、表示制御部102を実現する。但し、図1に例示の各処理手段のいずれか、あるいは、これらの一部がハードウェア回路によって動作するものであってもよい。情報処理装置10は、以上の各処理手段が参照し、或いは、管理するデータの保存先として補助記憶部13を備える。
なお、図1に例示の各処理手段のうち、いずれかが、他の情報処理装置等に含まれてもよい。例えば、境界判定部101を含む情報処理装置と、表示制御部102を含む情報処理装置と、外部記憶部とがネットワークを介して接続し、情報処理装置10として機能するとしてもよい。情報処理装置10は、例えば、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドとして実現できる。
〔処理ブロック構成〕
図1に例示の情報処理装置10において、境界判定部101は、例えば、相互容量方式のタッチセンサ14aと加速度センサ14bとの検出値に基づいて、被水状態の領域と被水していない他の領域との境界領域を判定する。境界領域は、例えば、タッチセンサ14aの座標分布として表すことができる。境界判定部101は、例えば、判定された境界領域の座標分布を主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶し、表示制御部102に引き渡す。
境界判定部101は、例えば、10msといった一定の周期間隔で、タッチセンサ14aの各電極からの検出信号の変化量を受け付ける。受け付けられた検出信号の変化量は、例えば、各電極に対応する座標に対応付けられて主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶される。そして、境界判定部101は、例えば、受け付けた検出信号の変化量に所定の閾値を下回るマイナス側の値が含まれるかを判定する。図2で説明したように、受け付けた検出信号の変化量にマイナス側の値が含まれる場合では、水等の付着による接触が発生したと判断できるからである。なお、所定の閾値とは、例えば、タッチセンサ14aに水滴等を付着させて、水滴等の付着に伴う検出信号の変化量を実験的に求め、閾値とすることができる。
同様に、境界判定部101は、例えば、一定の周期間隔で、加速度センサ14bで検出された上下左右前後方向の傾きに係る検出信号を受け付ける。境界判定部101は、例えば、加速度センサ14bから受け付けた検出信号を、主記憶部12の所定の領域に一時的
に記憶する。
境界判定部101は、例えば、受け付けた検出信号の変化量にマイナス側の値が含まれる場合では、所定の閾値を下回るマイナス側の値を示す各電極の集合をグループ化し、各グループの座標分布を特定する。境界判定部101は、例えば、特定したそれぞれのグループについての座標分布を、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
また、境界判定部101は、例えば、所定の閾値を超えるプラス側の値を示す各電極の集合をグループ化し、各グループの座標分布を特定する。図2で説明したように、水等が接触している領域と非接触領域との境界領域では、境界領域となる各電極から検出される検出信号の変化量としてプラス側の値が検出される傾向にあるからである。なお、所定の閾値については、マイナス側の判定と同様に、例えば、タッチセンサ14aに水滴等を付着させて、境界領域となる各電極から検出信号の変化量を実験的に求め、閾値とすることができる。境界判定部101は、例えば、特定したそれぞれのグループについての座標分布を、主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
また、境界判定部101は、例えば、所定の閾値を下回るマイナス側の値を示すグループの座標分布、所定の閾値を超えるプラス側の値を示すグループの座標分布に基づいて、水滴付着状態、或いは、水没状態であるかを判定する。そして、境界判定部101は、例えば、水没状態と判定される場合には、所定の閾値を超えるプラス側の値を示すグループの座標分布に基づいて、水没領域と非水没領域との境界領域を特定する。
例えば、本実施形態の情報処理装置10では、水滴付着状態、水没状態であっても、被水状態に存在する操作用オブジェクトを被水状態以外の操作可能領域へ表示することが可能である。しかし、雨粒等の付着が連続して発生する場合等では、操作オブジェクトの表示位置の変更が頻繁に発生することとなる。操作オブジェクトの表示位置が頻繁に変更される場合には、ユーザは煩わしさを感じる虞がある。一方、水没状態を伴う場合では、例えば、水面下と水面上の風景を撮影するといった特殊な環境下での使用等が想定できる。水没状態を伴う環境下では、水没領域の操作オブジェクトを非水没領域に表示することで情報処理装置10の使い勝手といった操作性を高めることができる。本実施形態の情報処理装置10の境界判定部101は、水滴付着状態と水没状態を判別することで、操作用オブジェクトに対する操作性を向上させる。
以下、図4A−4Cに例示の図面を参照し、被水状態としての水滴付着状態と水没状態について説明する。図4Aに例示の図面は、情報処理装置10の一部領域が水中に没した状態の説明図である。図4A(a)は、情報処理装置10の下部領域が水中に没した状態を表す説明図であり、図4A(b)は、水没状態の領域を含むタッチセンサ14aの検出信号の変化量を表す説明図である。なお、図4A(b)において、格子状に配列された“+”、“−”、“0”と言った記号は、例えば、相互容量方式のタッチセンサ14aの各電極で検出される検出信号の変化量を表す。
図4A(a)の説明例において、例えば、水中にある情報処理装置10の下部領域は水没領域B1として表され、空気中にある情報処理装置10の水没領域B1を除く領域は、非水没領域B2として表されている。水没領域B1と非水没領域B2とは、水面を境として区分けされ、水面位置に隣接する非水没領域B2側には、水面位置に平行する境界領域G1が含まれる。なお、情報処理装置10の一部領域が水没状態では、水没領域B1は、例えば、境界領域G1に対し、鉛直方向の下方側の領域となる。
図4A(a)の水没領域B1において、情報処理装置10の備える相互容量方式のタッチセンサ14aでは、センサ面に接触した水に起因する検出信号の変化量が、マイナス側
の値として検出される。一方、非水没領域B2では、相互容量方式のタッチセンサ14aのセンサ面には、例えば、空気中にあるため、接触による検出信号の変化量は検出されない。但し、タッチセンサ14aの水面位置に隣接する非水没領域B2側の境界領域G1では、図2で述べたように、検出信号の変化量としてプラス側の値が検出されることとなる。
図4A(a)に例示にように、情報処理装置10の一部が水中に沈んだ状態では、水没領域B1と非水没領域B2とを区分する水面位置は、情報処理装置10の備えるタッチセンサ14aのセンサ面を直線状に横断することとなる。図4A(a)では、例えば、水面の位置は、情報処理装置10の備えるタッチセンサ14aの左側端部14a−2と右側端部14a−1とを直線状に結び、センサ面を横断することとなる。
このため、情報処理装置10では、水面位置に平行する境界領域G1は、タッチセンサ14aの左側端部14a−2と右側端部14a−1とを直線状に結び、センサ面を横断することとなる。つまり、検出信号の変化量としてプラス側の値が検出される境界領域G1の座標領域は、左側端部14a−2と右側端部14a−1とを直線状に結び、センサ面を横断する座標領域に分布することとなる。
図4A(b)に例示のように、検出信号の変化量がマイナス側の値(図例では“−”として表示)として検出される電極PnのグループM1は、水没領域B1に対応する座標領域に集合して分布している。また、検出信号の変化量が検出されない(図例では“0”として表示)電極Pnのグループは、非水没領域B2に対応する座標領域に集合して分布している。なお、電極PnのグループM1は、検出信号の変化量が所定の閾値を下回るマイナス側の値を示すグループである。
そして、検出信号の変化量がプラス側の値(図例では“+”として表示)として検出される電極PnのグループP1は、境界領域G1に対応する座標領域に集合して分布している。電極PnのグループP1は、検出信号の変化量が所定の閾値を超えるプラス側の値を示すグループである。グループP1は、タッチセンサ14aのセンサ面の左側端部14a−2と右側端部14a−1とを横断する直線状の座標領域に集合して分布している。また、グループP1とグループM1との相対な位置関係は、例えば、グループM1の領域は、グループP1の分布領域に対し、鉛直方向の下方側に分布している。なお、タッチセンサ14aが、鉛直方向に対して傾きを有する場合には、“下方側”とは、鉛直方向に対して斜め下方をも含む。
次に、図4Bに例示の図面を参照し、被水状態としての水滴付着状態を説明する。図4Bに例示の図面は、情報処理装置10の備えるタッチセンサ14aのセンサ面に雨粒等の水滴が付着した状態の説明図である。図4B(a)は、タッチセンサ14aのセンサ面の2箇所に水滴が付着した状態を表す説明図であり、図4B(b)は、図4B(a)に例示の水滴付着状態におけるタッチセンサ14aの検出信号の変化量を表す説明図である。なお、図4B(b)において、格子状に配列された“+”、“−”、“0”と言った記号は、図4A(b)と同様に、例えば、相互容量方式のタッチセンサ14aの各電極で検出される検出信号の変化量を表している。
図4B(a)の説明例において、水滴付着領域C1、C2は、タッチセンサ14aのセンサ面に付着した水滴の付着領域を表す。非水滴付着領域C3は、水滴付着領域C1、C2を除く、他のセンサ領域である。水滴付着領域C1、C2では、それぞれの付着範囲に応じた座標領域を有する。
情報処理装置10の相互容量方式のタッチセンサ14aでは、センサ面に付着した水滴
により発生した接触が、付着範囲に応じて検出される。例えば、タッチセンサ14aの水滴付着領域C1、C2内では、センサ面に付着した水滴により発生した接触による検出信号の変化量がマイナス側の値として検出される。一方、水滴付着領域C1、C2を除く非水滴付着領域C3では、例えば、空気中にあるため、接触による静電容量の変化量は検出されない。但し、タッチセンサ14aの水滴付着領域C1、C2に隣接する非水滴付着領域C3側には、図2で述べたように、検出信号の変化量としてプラス側の値を検出する境界領域が含まれることとなる。
図4B(a)に例示のように、水滴付着領域C1、C2の縁辺は閉曲線となる傾向にある。このため、水滴付着領域C1、C2に平行して隣接する境界領域は、水滴付着領域C1、C2を囲む閉曲線状の座標領域に分布することとなる。
図4B(b)に例示のように、検出信号の変化量がマイナス側の値(図例では“−”として表示)として検出される電極PnのグループM2、M3は、それぞれ水滴付着領域C1、C2に対応する座標領域に集合して分布している。また、検出信号の変化量が検出されない(図例では“0”として表示)電極Pnのグループは、非水滴付着領域C3に対応する座標領域に集合して分布している。そして、検出信号の変化量がプラス側の値(図例では“+”として表示)として検出される電極PnのグループP2、P3は、それぞれ水滴付着領域C1、C2を囲む、閉曲線状の座標領域に集合して分布している。ここで、電極PnのグループM2、M3は、検出信号の変化量が所定の閾値を下回るマイナス側の値を示すグループであり、グループP2、P3は、検出信号の変化量が所定の閾値を超えるプラス側の値を示すグループである。
図4A、4Bで説明したように、情報処理装置10の一部領域が水没した状態では、水面位置に平行して、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状の境界領域G1が存在することとなる。そして、境界領域G1の鉛直方向の下方側には、検出信号の変化量がマイナス側の値(図例では“−”として表示)として検出される電極PnのグループM1が存在することとなる。
一方、水滴付着状態では、水滴付着状態C1、C2と非水滴付着状態C3との間の、境界領域は閉曲線状であり、閉曲線状の境界領域で囲まれた座標領域内に、検出信号の変化量がマイナス側の値として検出される電極PnのグループM2、M3が存在することとなる。水滴付着状態では、例えば、検出信号の変化量がプラス側の値として検出される電極PnのグループP2、P3は、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状の座標分布として検出されることはない。また、水滴付着状態では、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状の座標分布として検出される境界領域の鉛直方向の下方側に、検出信号の変化量がマイナス側の値となる電極Pnのグループが分布することはない。
なお、水滴付着状態では、センサ面に付着した水滴の数量に応じて、検出信号の変化量としてプラス側の値となる電極Pnのグループが複数に分散して検出される傾向にある。しかし、情報処理装置10の一部領域が水没した状態では、検出信号の変化量がプラス側の値として検出される電極Pnのグループは、複数に分散して検出されることはない。水没状態では、例えば、水面位置に平行して、単一の、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状の境界領域G1が検出される傾向となる。
従って、情報処理装置10は、例えば、検出信号の変化量としてプラス側の値となる電極Pnのグループが、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状の座標分布として検出された場合には、水没状態と判定できる。例えば、情報処理装置10の境界判定部101は、検出信号の変化量がプラス側の値となる電極Pnの座
標分布として、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状のグループを検出することを判定条件とする(以下、判定条件1とも称する)。
そして、情報処理装置10は、例えば、判定条件1の直線状の境界領域を検出した場合には、境界領域の鉛直方向の下方側となる座標領域に、検出信号の変化量をマイナス側の値とする電極Pnのグループが検出されることを判定条件とすることができる。なお、当判定条件を、“判定条件3”とも称する。
また、情報処理装置10は、例えば、判定条件1の直線状の境界領域を検出した場合には、検出された直線状の境界領域が単一であること(複数に存在しないこと)を、判定条件(以下、判定条件2とも称する)とすることができる。情報処理装置10の境界判定部101は、例えば、判定条件1−3に基づいて、水滴付着状態、或いは、水没状態を判定する。
但し、情報処理装置10の一部が水濡れ状態となり、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状の、検出信号の変化量がプラス側の値となる電極Pnのグループを擬似的に検出されることが想定される。図4Cに、水濡れ状態により、擬似的にセンサ面を横断する直線状の領域分布を検出する説明図を例示する。
図4C(a)は、タッチセンサ14aのセンサ面の上部側が水濡れ状態となった説明図であり、図4C(b)は、図4C(a)に例示の水濡れ状態におけるタッチセンサ14aの検出信号の変化量を表す説明図である。なお、図4C(b)において、格子状に配列された“+”、“−”、“0”と言った記号は、図4A(b)と同様に、例えば、相互容量方式のタッチセンサ14aの各電極で検出される検出信号の変化量を表している。
図4C(a)に例示のように、水滴付着領域D1は、タッチセンサ14aのセンサ面に付着した水滴の付着領域を表す。非水滴付着領域D2は、水滴付着領域D1を除く、他のセンサ領域である。水滴付着領域D1は、タッチセンサ14aの左側端部14a−2と右側端部14a−1とを含む座標領域に分布している。なお、水平面G2は、例えば、加速度センサ14b等で検出された情報処理装置10の水平面を表す。
図4C(a)の水滴付着領域D1では、例えば、センサ面に付着した水滴により発生した接触による静電容量の変化量がマイナス側の値として検出される。一方、水滴付着領域D1を除く非水滴付着領域D2では、例えば、水等の接触による静電容量の変化量は検出されない。但し、水滴付着領域D1に隣接する非水滴付着領域D2側には、図2で述べたように、検出信号の変化量としてプラス側の値を検出する境界領域が含まれることとなる。非水滴付着領域側D2に含まれる境界領域は、例えば、水滴付着領域D1の縁辺に平行して分布する。
図4C(b)に例示のように、検出信号の変化量がマイナス側の値(図例では“−”として表示)として検出される電極PnのグループM4は、水滴付着領域D1に対応する座標領域に集合して分布している。また、検出信号の変化量が検出されない(図例では“0”として表示)電極Pnのグループは、非水滴付着領域D2に対応する座標領域に集合して分布している。そして、検出信号の変化量がプラス側の値(図例では“+”として表示)として検出される電極PnのグループP4は、水滴付着領域D1の縁辺に平行した座標領域に集合して分布している。
図4C(b)では、水滴付着領域D1は、タッチセンサ14aの左側端部14a−2と右側端部14a−1とを含む座標領域に分布する。このため、水滴付着領域D1の縁辺に平行する境界領域は、例えば、タッチセンサ14aの左側端部14a−2から右側端部1
4a−1へと擬似的に横断する斜め方向の、曲線状あるいは折れ線状の領域に分布することとなる。
ここで、情報処理装置10の一部が水没状態となった場合には、水没領域B1と非水没領域B2とを区分けする水面位置は、例えば、加速度センサ14bで検出される水平面と一致する。例えば、情報処理装置10が、上下左右前後方向に傾いた状態で水没する場合であっても、加速度センサ14bで検出される水平面と水面位置とは平行関係にある。
しかしながら、図4C(b)に例示するように、水濡れ状態で検出される境界領域は、水面位置とは異なるため、例えば、加速度センサ14b等で検出された情報処理装置10の水平面とは、傾斜角θを有することとなる。なお、図4C(b)では、斜め方向の曲線状の領域を直線近似した、直線として取り扱う。
例えば、グループP4の座標分布について、各座標位置が検出誤差の範囲内でバラつく場合には、情報処理装置10は、該グループP4の座標分布に基づいて、直線近似を行うとすればよい。また、検出誤差の範囲外でバラつく場合には、例えば、曲線状あるいは折れ線状のグループP4の座標分布を2つ以上の部分領域に分割し、分割した部分領域毎に、直線近似を行うとすればよい。そして、情報処理装置10は、直線近似された複数の座標分布を含む場合には、例えば、相対距離が最も長い部分領域の傾きを判定の対象とすればよい。
情報処理装置10は、例えば、加速度センサ14b等で検出された水平面と、境界領域となる検出信号の変化量としてプラス側の値となる電極Pnのグループの角度が一致することを判定条件(判定条件4とも称す)とすることができる。情報処理装置10は、例えば、加速度センサ14a等で検出した水平面と境界領域となる検出信号の変化量としてプラス側の値の電極Pnのグループの角度が一致することを判定条件に含むことにより、水濡れ状態と水没状態とを判別することができる。
図4A−4Cで説明したように、情報処理装置10の判定境界部101は、例えば、判定条件1−4に基づいて、水濡れ状態を含む水滴付着状態と水没状態とを判定することにより、水没状態の判定精度を高めることができる。
図1に例示の図面に戻り、境界判定部101は、例えば、所定の閾値を超えるプラス側の値を示す電極Pnのグループの座標分布を境界領域と判定する。そして、境界判定部101は、例えば、境界領域と判定された所定の閾値を超えるプラス側の値を示す電極Pnのグループの座標分布を表示制御部102に引き渡す。なお、上述したように、境界判定部101は、上述した判定条件1−4を満たす場合に水没状態を検出し、所定の閾値を超えるプラス側の値を示す電極Pnのグループの座標分布を境界領域と判定するとしてもよい。情報処理装置10は、例えば、水没状態の検出を条件として操作オブジェクトの表示位置の移動を行うことができる。
表示制御部102は、境界判定部101から引き渡された、境界領域となる座標分布に基づいて、LCD15a等の表示デバイスに表示される表示画面の表示制御を行う。例えば、表示制御部102は、境界領域となる座標分布に基づいて、被水状態にある領域の座標範囲を特定する。なお、被水状態にある領域の座標範囲は、例えば、境界判定部101から引き渡されるとしてもよい。
表示制御部102は、例えば、特定した被水状態の座標領域内に、操作用オブジェクトの表示領域が含まれるかを判定する。表示制御部102は、例えば、操作用オブジェクトの表示領域についての座標情報を、予め補助記憶部13等の記憶部に記憶するとすればよ
い。そして、表示制御部102は、例えば、補助記憶部13に記憶された操作用オブジェクトの表示領域についての座標情報を参照し、該操作用オブジェクトの表示領域が被水状態の座標領域内に含まれるかを判定するとすればよい。
表示制御部102は、例えば、タッチパネル等を操作する操作用オブジェクトが被水状態の座標範囲内に含まれる場合には、該操作用オブジェクトを被水状態以外の領域内に移動する。例えば、表示制御部102は、図3Bに例示するように、水没した部分領域に含まれる表示領域A1の表示位置を示す座標情報から上下方向の表示幅を特定し、表示領域A2−A5が含まれる表示領域の座標位置を下方側にシフトさせる。そして、表示制御部102は、例えば、表示位置がシフトされた表示領域A2の上方側の領域に、ナビゲーションバー等に配置された操作用オブジェクトが含まれる表示領域A1を移動させる。
また、例えば、表示制御部102は、図3Cに例示するように、境界領域より下方側の水没した部分領域に対応する表示デバイス上の領域範囲を特定する。そして、表示制御部102は、例えば、水没前の表示領域A1を含む下端の表示位置を、境界領域より上方側に移動させる。また、例えば、表示制御部102は、図3Dに例示するように、LCD15a等の表示デバイスに表示される各表示領域の表示位置を、境界領域より上方側の非水没領域内に縮小して表示させることができる。
〔処理フロー〕
以下、図5A、5Bに例示のフローチャートを参照し、本実施形態の情報処理装置10の水没状態検出に係る処理を説明する。情報処理装置10は、例えば、主記憶部12に実行可能に展開されたコンピュータプログラムにより、図5A、5Bに例示の水没状態検出に係る処理を実行する。
図5Aに例示のフローチャートにおいて、水没状態検出に係る処理の開始は、例えば、情報処理装置10に備えられた相互容量方式のタッチセンサ14aからの、検出信号の変化量の検出のときが例示できる。情報処理装置10は、例えば、タッチセンサ14aの各電極Pnで検出された検出信号の変化量Xn(n=1…n)を読み出し、各電極の座標位置と対応付けて、該検出信号の変化量Xnを主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する(S1)。なお、タッチパネル14aで検出される座標は、例えば、組合せられたLCD15a等の表示デバイスの左上角部を原点とし、表示デバイスの左右方向をX軸、上下方向をY軸とした(X,Y)の2次元座標として表すことができる。
情報処理装置10は、例えば、S1の処理で取得した検出信号の変化量Xnの中に、所定のマイナスの閾値を下回る値が存在するか否かを判定する(S2)。図2等で説明したように、検出信号の変化量にマイナス側の値が含まれる場合では、水等の付着による接触が発生したと判断できるからである。なお、所定のマイナスの閾値とは、例えば、タッチセンサ14aに水滴等を付着させて、水滴等の付着に伴う検出信号の変化量を実験的に求め、閾値とすることができる。
情報処理装置10は、例えば、S1の処理で取得した検出信号の変化量Xnの中に、所定のマイナスの閾値を下回る値が存在する場合には(S2、“Y”)、S4の処理に移行する。一方、情報処理装置10は、例えば、S1の処理で取得した検出信号の変化量Xnの中に、所定のマイナスの閾値を下回る値が存在しない場合には(S2、“N”)、S3の処理に移行し、水滴等の付着は無しと判定し、当該処理を終了する。
S4の処理では、情報処理装置10は、例えば、S1の処理で取得した検出信号の変化量Xnの中で、所定のマイナスの閾値を下回る値を示す各電極Pnの集合をグループ化する。そして、情報処理装置10は、例えば、グループ化した各電極Pnの集合のそれぞれ
についての座標分布Mn(n=1…n)を主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
同様に、情報処理装置10は、例えば、S1の処理で取得した検出信号の変化量Xnの中で、所定のプラスの閾値を上回る値を示す各電極Pnの集合をグループ化する。そして、情報処理装置10は、例えば、グループ化した各電極Pnの集合の、それぞれについての座標分布PLn(n=1…n)を主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する(S5)。
図2等で説明したように、水等が接触していると判定できる場合には、水等の接触領域と非接触領域との境界領域では、境界領域の各電極Pnからは、検出信号の変化量としてプラスの値が検出される傾向にあるからである。なお、所定のプラスの閾値については、マイナスの閾値と同様に、例えば、タッチセンサ14aに水滴等を付着させて、境界領域となる各電極からの検出信号の変化量を実験的に求め、閾値とすることができる。
S6の処理では、情報処理装置10は、例えば、S4−S5の処理でグループ化した座標分布Mn、PLnが、図4A−Cで説明した、判定条件1−4を満たすことを判定し、水滴付着状態か水没状態化を判定する。S6の処理により、情報処理装置10では、例えば、処理中の情報処理装置10の状態が、水滴付着状態であるか、水没状態であるかが判定される。なお、S6の処理については、図5Bに例示のフローチャートを参照し、詳細を説明する。
S7の処理では、情報処理装置10は、例えば、S5の処理でグループ化した座標分布PLnは、水没領域と非水没領域との境界領域を示す座標分布であると特定する。そして、情報処理装置10は、例えば、S5の処理でグループ化した座標分布PLnより、下方の座標領域が水没領域であると特定する(S8)。
情報処理装置10は、例えば、加速度センサ14b等を介して検出された検出信号に基づいて、S5の処理でグループ化した座標分布PLnより、鉛直方向の下方側の座標領域を特定する。そして、情報処理装置10は、例えば、水没領域或いは水滴付着領域と特定された座標領域内に、タッチパネルを操作するためのオブジェクト(操作ボタン、アイコン等)が配置されているかを判定する(S9)。
情報処理装置10は、例えば、操作用オブジェクトの表示領域についての座標情報が格納された座標情報テーブルといったデータベース(DB)を予め、補助記憶部13に保持するとすればよい。そして、情報処理装置10は、例えば、S9の処理で、補助記憶部13に保持された座標情報テーブル等を参照し、水没領域或いは水滴付着領域と特定された座標領域内に、タッチパネルを操作するためのオブジェクトが配置されているかを判定するとすればよい。
情報処理装置10は、例えば、水没領域或いは水滴付着領域と特定された座標領域内に、タッチパネルを操作するためのオブジェクトが配置されていない場合には(S9,“N”)、当該処理を終了する。一方、情報処理装置10は、例えば、水没領域或いは水滴付着領域と特定された座標領域内に、タッチパネルを操作するためのオブジェクトが配置されている場合には(S9,“Y”)、S10の処理に移行する。
S10の処理では、情報処理装置10は、例えば、水没領域或いは水滴付着領域と特定された座標領域内のタッチパネル操作用オブジェクトを、上記領域外に移動させる。以下、タッチパネル操作用オブジェクトが水没領域に含まれる場合について説明するが、水滴付着領域に含まれる場合でも同様の処理が行われる。
情報処理装置10は、ナビゲーションバー等の表示領域が水没領域内に含まれる場合には、例えば、ナビゲーションバー等の表示領域の座標情報から、上下方向の表示幅を特定する。そして、情報処理装置10は、例えば、非水没領域の表示位置を全体的に、ナビゲーションバー等の表示領域の上下方向の表示幅分、下方側にシフトさせる。そして、情報処理装置10は、例えば、ナビゲーションバー等を、非水没領域の最上部領域に移動させる。この結果、例えば、情報処理装置10のLCD15a等の非水没領域の表示領域には、図3Bに例示するように、水没領域に含まれるナビゲーションバー等が表示されることとなる。
また、情報処理装置10は、例えば、水没領域と特定された座標領域に対応する、LCD15a等の表示デバイス上の領域範囲を特定する。そして、情報処理装置10は、例えば、操作用オブジェクトを含む領域範囲の下端の表示位置を、境界領域より上側の非水没領域に移動させる。この結果、例えば、情報処理装置10の非水没領域の表示領域には、図3Cに例示するように、水没領域と特定された座標領域に含まれる操作用オブジェクトの表示領域の下端位置が表示されることとなる。
また、情報処理装置10は、例えば、境界領域より上方側の非水没領域の領域範囲を特定する。そして、非水没領域の領域範囲と、水没前の表示領域との比率に応じて、水没前の表示領域の縦方向の表示縮尺を縮小する。この結果、例えば、情報処理装置10の非水没領域の表示領域には、図3Dに例示するように、水没領域に含まれる操作用オブジェクトが、非水没領域に縮小されて表示されることとなる。
情報処理装置10は、例えば、非水没領域に表示された、水没領域に含まれる操作用オブジェクトに対する接触操作を検出することにより、水没状態となった操作用オブジェクトに関連付けられた各種機能を利用することができる。
なお、既に説明したように、本実施形態の情報処理装置10では、水滴付着状態、水没状態であっても、被水状態に存在する操作用オブジェクトを被水状態以外の操作可能領域へ表示することが可能となる。しかし、雨粒等の付着が連続して発生する場合等のように操作オブジェクトの表示位置が頻繁に変更されるケースでは、ユーザは煩わしさを感じる虞がある。このようなケースに対処するため、情報処理装置10は、水没状態に限定し、S9−S10の処理を行うとしてもよい。水没領域に存在する操作用オブジェクトを非水没領域に表示することで、水没状態を伴う使用環境下での操作性を高めることができる。
ここで、情報処理装置10で実行されるS1−S6の処理は、タッチパネルの電極群のうち、水に対応する所定の値が検出された電極群を含む領域が検出されたか否かを判定するステップの一例である。また、情報処理装置10のCPU11等は、タッチパネルの電極群のうち、水に対応する所定の値が検出された電極群を含む領域が検出されたか否かを判定する手段の一例としてS1−S6の処理を実行する。
また、情報処理装置10で実行されるS10の処理は、領域が検出された場合には、領域に対応する位置に表示されている表示オブジェクトの表示位置を領域に対応する位置とは異なる位置に移動する表示制御を行うステップの一例である。また、情報処理装置10のCPU11等は、領域が検出された場合には、領域に対応する位置に表示されている表示オブジェクトの表示位置を領域に対応する位置とは異なる位置に移動する表示制御を行う手段の一例としてS10の処理を実行する。
次に、図5Bに例示のフローチャートを参照し、図5Aに例示のS6の処理を説明する。S6の処理では、水滴付着状態と水没状態とを判別することができる。図5Bに例示の
フローチャートにおいて、S11の処理では、情報処理装置10は、例えば、S5の処理でグループ化した座標分布PLnに基づいて、境界領域である座標分布PLnが、図4A−4Cで説明したように判定条件1を満たすことを判定する。ここで、判定条件1とは、S5の処理でグループ化した座標分布PLnの形状が、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状となる座標分布を示すことである。
例えば、情報処理装置10のLCD15a等の表示デバイスの画素数が480(横)×640(縦)のVGA(Video Graphics Array)規格に相当する表示領域を有するデバイスであると想定する。表示デバイス上の座標は、例えば、表示デバイス上の左上角部を原点とし、表示デバイスの左右方向をX軸、上下方向をY軸とした(X,Y)の2次元座標として表すことができる。このため、例えば、表示デバイス上の左上角部の画素位置は、(0,0)との座標で表すことができ、表示デバイス上の右下角部の画素位置は、(479,639)との座標で表すことができる。
ここで、情報処理装置10のセンサ面を囲む上端部は、(Xm(m=0〜479)、0)の座標分布として表すことができる。同様にして、情報処理装置10のセンサ面を囲む下端部は、(Xj(j=0〜479),639)の座標分布として表すことができる。また、情報処理装置10のセンサ面を囲む左端部は、(0,Yh(h=0〜639))の座標分布として表すことができ、右端部は、(479,Yk(k=0〜639))の座標分布として表すことができる。
情報処理装置10は、例えば、S5の処理でグループ化した座標分布PLnから、センサ面を囲む上下左右の端部を表す座標を特定する。例えば、情報処理装置10は、S5の処理でグループ化した座標分布PLnから、図4Aの左端部14a−2上の座標位置となる座標(0,Yh)を特定する。また、例えば、情報処理装置10は、S5の処理でグループ化した座標分布PLnから、図4Aの右端部14a−1上の座標位置となる座標(479,Yk)を特定する。そして情報処理装置10は、例えば、S5の処理でグループ化した各座標が、座標(0,Yh)と座標(479,Yk)とを結ぶ直線上に、分布することを判定する。
例えば、図4Aの例において、水面位置が水平である場合には、“Yh=Yk±α(αは検出誤差を表す)”となり、S5の処理でグループ化した座標分布PLnは、座標(0,Yh)と座標(479,Yk±α)とを結ぶ直線上に分布することになる。情報処理装置10は、S11の処理において、例えば、S5の処理でグループ化した各座標が、座標(0,Yh)と座標(479,Yk)とを結ぶ直線上に、所定の誤差範囲内に分布する場合には、判定条件1を満たすと判定する。なお、検出誤差αについては、例えば、情報処理装置10の一部領域を実験的に水没させた状態で、検出信号の変化量がプラス側の値となる電極PLnの座標分布を取得し、求めることができる。
図5Bに例示のフローチャートに戻り、情報処理装置10は、例えば、S5の処理でグループ化した座標分布PLnが、判定条件1を満たさないと判定した場合には(S11,“N”)、S16の処理に移行する。S16の処理では、情報処理装置10は、図5AのS2の処理で判定した状態は、水滴付着状態であると判定し、S9の処理に移行する。なお、図5Aに例示のS9−S10の処理が水没状態に限定される場合には、情報処理装置10はS9の処理に移行せずに、当該処理を終了するとすればよい。
一方、情報処理装置10は、例えば、S5の処理でグループ化した座標分布PLnが、判定条件1を満たすと判定した場合には(S11,“Y”)、S12の処理に移行する。S12の処理では、情報処理装置10は、例えば、S11の処理で判定条件1を満たすと判定された座標分布PLnのグループが、図4A−4Cで説明したように、判定条件3を
満たすことを判定する。つまり、情報処理装置10は、S11の処理で判定条件1を満たす座標分布PLnのグループが、単一のグループであることを判定する。情報処理装置10の一部領域が水中に存在する状態では、判定条件1を満たす座標分布PLnのグループである境界領域は、複数に検出されないからである。
情報処理装置10は、例えば、座標分布PLnのグループが判定条件3を満たさない場合には(S12,“N”)、S16の処理に移行する。S16の処理では、情報処理装置10は、図5AのS2の処理で判定した状態は、水滴付着状態であると判定し、S9の処理に移行する。なお、図5Aに例示のS9−S10の処理が水没状態に限定される場合には、情報処理装置10はS9の処理に移行せずに、当該処理を終了するとすればよい。
一方、情報処理装置10は、例えば、座標分布PLnのグループが判定条件3を満たす場合には(S12,“Y”)、S13の処理に移行する。S13の処理では、情報処理装置10は、例えば、図4A−4Cで説明したように、S4の処理でグループ化した座標分布Mnが、判定条件2を満たすことを判定する。
情報処理装置10は、例えば、加速度センサ14b等を介して検出された検出信号に基づいて鉛直方向と平行する上下方向を特定する。そして、情報処理装置10は、例えば、S4の処理でグループ化した座標分布Mnが、判定条件1、3を満たす座標分布PLnのグループの下方側領域に分布することを判定する(判定条件3)。
情報処理装置10は、例えば、S4の処理でグループ化した座標分布Mnが、判定条件2を満たさない場合には(S13,“N”)、S16の処理に移行する。S16の処理では、情報処理装置10は、図5AのS2の処理で判定した状態は、水滴付着状態であると判定し、S9の処理に移行する。なお、図5Aに例示のS9−S10の処理が水没状態に限定される場合には、情報処理装置10はS9の処理に移行せずに、当該処理を終了するとすればよい。
一方、情報処理装置10は、例えば、S4の処理でグループ化した座標分布Mnが判定条件3を満たす場合には(S13,“Y”)、S14の処理に移行する。S14の処理では、例えば、情報処理装置10は、図4A−4Cで説明したように、座標分布PLnが、判定条件4を満たすことを判定する。
例えば、情報処理装置10の一部が水没状態となった場合には、水没領域B1と非水没領域B2とを区分けする水面位置は、加速度センサ14bで検出される水平面と一致する。例えば、情報処理装置10が、上下左右前後方向に傾いた状態で水没する場合であっても、加速度センサ14bで検出される水平面と水面位置とは平行関係にある。S14の処理では、情報処理装置10は、加速度センサ14b等で検出された情報処理装置10の水平面と座標分布PLnの角度関係が一致することを判定する。
例えば、図4Cの例において、加速度センサ14b等により検出された水平面G2の座標位置は、検出誤差をαとした場合、座標(0,Yh)と座標(479,Yk±α)とを結ぶ直線上に分布することとなる。判定条件1−3を満たす、センサ面を横断する直線状の座標分布PLnと、加速度センサ14b等により検出された水平面G2の座標分布とが傾斜角度θを有する場合には、情報処理装置10の水平面と座標分布PLnの角度関係は一致するとは言えない。
情報処理装置10は、例えば、加速度センサ14b等で検出された水平面と、判定条件1−3を満たす、センサ面を横断する直線状の座標分布PLnとが一致する(平行となる)場合には(S14,“Y”)、S15の処理に移行する。S15の処理では、情報処理
装置10は、例えば、図5AのS2の処理で判定した状態は、水没状態であると判定し、図5AのS7の処理に移行する。
一方、情報処理装置10は、例えば、加速度センサ14b等で検出された水平面と、判定条件1−3を満たす、センサ面を横断する直線状の座標分布PLnとが傾斜角度θを有する場合には(S14,“N”)、S16の処理に移行する。S16の処理では、情報処理装置10は、図5AのS2の処理で判定した状態は、水滴付着状態であると判定し、S9の処理に移行する。なお、図5Aに例示のS9−S10の処理が水没状態に限定される場合には、情報処理装置10はS9の処理に移行せずに、当該処理を終了するとすればよい。
ここで、情報処理装置10で実行されるS11の処理は、タッチパネルのセンサ面を横断する領域の上辺が、水平面と所定の許容誤差の範囲で平行である場合に、領域が検出されたと判定するステップの一例である。また、情報処理装置10のCPU11等は、タッチパネルのセンサ面を横断する領域の上辺が、水平面と所定の許容誤差の範囲で平行である場合に、領域が検出されたと判定する手段の一例としてS11の処理を実行する。
また、情報処理装置10で実行されるS12の処理は、タッチパネルのセンサ面を横断する領域が単一である場合に、領域が検出されたと判定するステップの一例である。また、情報処理装置10のCPU11等は、タッチパネルのセンサ面を横断する領域が単一である場合に、領域が検出されたと判定する手段の一例としてS12の処理を実行する。
また、情報処理装置10で実行されるS13の処理は、タッチパネルのセンサ面を横断する領域の位置より上方側に、水に対応する所定の値が検出されない電極群が存在する場合に、領域が検出されたと判定するステップの一例である。また、情報処理装置10のCPU11等は、タッチパネルのセンサ面を横断する領域の位置より上方側に、水に対応する所定の値が検出されない電極群が存在する場合に、領域が検出されたと判定する手段の一例としてS13の処理を実行する。
また、情報処理装置10で実行されるS14の処理は、タッチパネルに対する水平面を検出する手段を有し、タッチパネルのセンサ面を横断する前記領域の上辺が、水平面と所定の許容誤差の範囲で平行である場合に、領域が検出されたと判定するステップの一例である。また、情報処理装置10のCPU11等は、タッチパネルに対する水平面を検出する手段を有し、タッチパネルのセンサ面を横断する前記領域の上辺が、水平面と所定の許容誤差の範囲で平行である場合に、領域が検出されたと判定する手段の一例としてS14の処理を実行する。
以上、説明したように、本実施形態の相互容量方式のタッチセンサ14aを備える情報処理装置10では、情報処理装置10の一部領域が被水状態となった場合の、被水状態の領域と被水状態以外の領域とを境界領域に基づいて判定することができる。このため、被水状態の領域内に操作用オブジェクトが含まれる場合には、該操作用オブジェクトを被水状態以外の領域に表示することができる。
また、本実施形態の情報処理装置10では、水没状態となった場合の、非水没領域と水没領域の境界領域を検出し、判定することができる。例えば、情報処理装置10は、相互容量方式のタッチセンサ14aから、検出信号の変化量がプラスの値となる電極Pnのグループについての座標分布PLnを検出することができる。そして、情報処理装置10は、検出された座標分布PLnが、例えば、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状の形状となることを判定できる(判定条件1)。
このため、本実施形態の情報処理装置10は、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状の形状となる座標分布PLnの座標情報に基づいて、水没領域と非水没領域の領域範囲を特定することができる。情報処理装置10は、例えば、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状の形状となる座標分布PLnの鉛直方向の下方側の領域を水没領域と特定することができる。この結果、本実施形態の情報処理装置10は、水没領域内にタッチパネルを操作するためのオブジェクトが配置されている場合には、該水没領域内のオブジェクトの表示位置を、非水没領域内に移動することができる。情報処理装置10は、例えば、非水没領域内に表示位置が移動された水没領域のオブジェクトに対する接触操作を検知することができる。本実施形態の情報処理装置10では、情報処理装置10の一部が水中に存在する状態となっても、当該一部に表示されていた操作用オブジェクトに対する操作を可能とする技術が提供できる。
また、本実施形態の情報処理装置10は、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状の形状となる座標分布PLnが、単一のグループであることを判定できる(判定条件2)。このため、情報処理装置10は、検出された座標分布PLnが、水没状態における非水没領域と水没領域との間の境界領域であることの確度を高めることができる。情報処理装置10では、水没状態に対する境界領域の検出精度を高めることができる。
また、本実施形態の情報処理装置10は、相互容量方式のタッチセンサ14aから、検出信号の変化量がマイナスの値となる電極Pnのグループについての座標分布Mnを検出することができる。そして、情報処理装置10は、検出した座標分布Mnが、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状の形状となる座標分布PLnの、鉛直方向の下方側領域に分布することを判定できる(判定条件3)。このため、情報処理装置10は、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状の形状となる座標分布PLnが、水没状態における非水没領域と水没領域との間の境界領域であることの確度を高めることができる。情報処理装置10では、水没状態に対する境界領域の検出精度を高めることができる。
また、本実施形態の情報処理装置10は、加速度センサ14b等から検出した上下左右前後方向の傾きから、該情報処理装置10における水平面を検出することができる。情報処理装置10が上下左右前後方向に傾いた状態で該情報処理装置10の一部が水没する場合には、タッチパネル14aのセンサ面で検出される水面位置と、加速度センサ14b等から検出された水平面とは平行関係にある。本実施形態の情報処理装置10は、加速度センサ14b等から検出された水平面と、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状の形状となる座標分布PLnとの角度関係が一致することを判定する(判定条件4)。このため、情報処理装置10は、タッチセンサ14aのセンサ面を囲む一端から他の一端へと横断する直線状の形状となる座標分布PLnが、水没状態における非水没領域と水没領域との間の境界領域であることの確度を高めることができる。情報処理装置10では、水没状態に対する境界領域の検出精度を高めることができる。
《コンピュータが読み取り可能な記録媒体》
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等
から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
《その他》
以上の実施形態は、さらに以下の付記と呼ぶ態様を含む。以下の各付記に含まれる構成要素は、他の付記に含まれる構成と組み合わせることができる。
(付記1)
タッチパネルの電極群のうち、水に対応する所定の値が検出された電極群を含む領域が検出されたか否かを判定する手段と、
前記領域が検出された場合には、前記領域に対応する位置に表示されている表示オブジェクトの表示位置を前記領域に対応する位置とは異なる位置に移動する表示制御を行う手段と、
を備える電子機器。
(付記2)
前記タッチパネルに対する水平面を検出する手段を有し、
前記判定する手段は、前記タッチパネルのセンサ面を横断する前記領域の上辺が、前記水平面と所定の許容誤差の範囲で平行である場合に、前記領域が検出されたと判定することを特徴とする付記1に記載の電子機器。
(付記3)
前記判定する手段は、前記タッチパネルのセンサ面を横断する前記領域の位置より上方側に、水に対応する所定の値が検出されない電極群が存在する場合に、前記領域が検出されたと判定することを特徴とする付記1または2に記載の電子機器。
(付記4)
前記判定する手段は、前記タッチパネルのセンサ面を横断する前記領域が単一である場合に、前記領域が検出されたと判定することを特徴とする付記1から付記3の何れか一の付記に記載の電子機器。
(付記5)
前記表示制御を行う手段は、前記領域に対応する位置に表示されている複数の表示オブジェクトを含む表示オブジェクトグループを前記表示オブジェクトグループに含まれる各前記表示オブジェクトの位置関係を維持したまま、前記領域に対応する位置とは異なる位置に移動することを特徴とする付記1から付記4の何れか一の付記に記載の電子機器。
(付記6)
前記表示制御を行う手段は表示されている画面イメージを上方にスライドすることにより、前記領域に対応する位置に表示されている表示オブジェクトの表示位置を前記領域に対応する位置とは異なる位置に移動することを特徴とする付記1から付記4の何れか一の付記に記載の電子機器。
(付記7)
前記表示制御を行う手段は、表示されている画面イメージを縮小することにより、前記領域に対応する位置に表示されている表示オブジェクトの表示位置を前記領域に対応する位置とは異なる位置に移動することを特徴とする付記1から付記4の何れか一の付記に記載の電子機器。
(付記8)
前記タッチパネルは静電容量方式のセンサを有する、付記1から付記7の何れか一の付記に記載の電子機器。
(付記9)
タッチパネルを備えるコンピュータに、
前記タッチパネルの電極群のうち、水に対応する所定の値が検出された電極群を含む領域が検出されたか否かを判定するステップと、
前記領域が検出された場合には、前記領域に対応する位置に表示されている表示オブジェクトの表示位置を前記領域に対応する位置とは異なる位置に移動する表示制御を行うステップと、
を実行させるための表示制御プログラム。
(付記10)
前記タッチパネルに対する水平面を検出するステップを有し、
前記判定するステップは、前記タッチパネルのセンサ面を横断する前記領域の上辺が、前記水平面と所定の許容誤差の範囲で平行である場合に、前記領域が検出されたと判定することを特徴とする付記9に記載の表示制御プログラム。
(付記11)
前記判定するステップは、前記タッチパネルのセンサ面を横断する前記領域の位置より上方側に、水に対応する所定の値が検出されない電極群が存在する場合に、前記領域が検出されたと判定することを特徴とする付記9または10に記載の表示制御プログラム。
(付記12)
前記判定するステップは、前記タッチパネルのセンサ面を横断する前記領域が単一である場合に、前記領域が検出されたと判定することを特徴とする付記9から付記11の何れか一の付記に記載の表示制御プログラム。
(付記13)
前記表示制御を行うステップは、前記領域に対応する位置に表示されている複数の表示オブジェクトを含む表示オブジェクトグループを前記表示オブジェクトグループに含まれる各前記表示オブジェクトの位置関係を維持したまま、前記領域に対応する位置とは異なる位置に移動することを特徴とする付記9から付記12の何れか一の付記に記載の表示制御プログラム。
(付記14)
前記表示制御を行うステップは、表示されている画面イメージを上方にスライドすることにより、前記領域に対応する位置に表示されている表示オブジェクトの表示位置を前記領域に対応する位置とは異なる位置に移動することを特徴とする付記9から付記12の何れか一の付記に記載の表示制御プログラム。
(付記15)
前記表示制御を行うステップは、表示されている画面イメージを縮小することにより、前記領域に対応する位置に表示されている表示オブジェクトの表示位置を前記領域に対応する位置とは異なる位置に移動することを特徴とする付記9から付記12の何れか一の付記に記載の表示制御プログラム。
(付記16)
前記タッチパネルは静電容量方式のセンサを有する、付記9から付記15の何れか一の付記に記載の表示制御プログラム。