JP2016148717A - 光ファイバの接続方法、装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】グレーティングカプラに対するファイバブロックの取付角を容易に調整できる光ファイバの接続方法、装置およびプログラムを提供する。【解決手段】光ファイバの端部に設けられているファイバブロックをグレーティングカプラに仮付けした状態で、光ファイバとグレーティングカプラとの間に様々な波長の光を伝搬させて、光ファイバとグレーティングカプラとの間の結合効率が高くなる光の波長を特定し、グレーティングカプラに仮付けされているファイバブロックが、データ伝送用の波長の光の伝搬に応じた取付角になるように調整する際に参照する角度の調整量を、グレーティングカプラの特性と特定した光の波長とに基づいて決定し、グレーティングカプラに仮付けされていたファイバブロックを、決定した調整量の角度に動かしてグレーティングカプラに固定する。【選択図】図2
Description
本願は、光ファイバの接続方法、装置およびプログラムに関する。
サーバやスーパーコンピュータの分野では、信号の伝送速度の高速化が求められている。そこで、近年では、電気配線よりも高速な伝送を実現できる技術として、光を信号の伝送に用いる光インターコネクションが提案されている。光インターコネクションは、光を使った配線技術であり、高周波領域での損失が大きく十分な帯域が取れない従来の電気配線に代わる技術である。
光インターコネクションでは、例えば、性能面や価格面で優れる光ファイバが配線部材として多用される。一方、例えば、光トランシーバや光カプラ、スプリッタ、AWG(Arrayed Waveguide Grating)といった光信号を処理するものは、基板上に部品として形成
されることが多い。また、最近では、半導体製造プロセスを使って製造されたシリコンフォトニクスも用いられつつある。半導体製造プロセスを使って製造された部品であれば、光信号を処理する部品を小さくすることができる。基板上に形成され或いは実装された光インターコネクション用の部品は、例えば、導波路の一端に形成されたグレーティングカプラに接続される光ファイバを通じて、様々な電子機器または電子部品と信号を取り交わす(例えば、特許文献1−3や非特許文献1を参照)。
されることが多い。また、最近では、半導体製造プロセスを使って製造されたシリコンフォトニクスも用いられつつある。半導体製造プロセスを使って製造された部品であれば、光信号を処理する部品を小さくすることができる。基板上に形成され或いは実装された光インターコネクション用の部品は、例えば、導波路の一端に形成されたグレーティングカプラに接続される光ファイバを通じて、様々な電子機器または電子部品と信号を取り交わす(例えば、特許文献1−3や非特許文献1を参照)。
Wim Bogaerts, Dirk Taillaert, Pieter Dumon, Dries Van Thourhout, Roel Baets著、「A polarization-diversity wavelength duplexer circuit in silicon-on-insulator photonic wires」、OPTICS EXPRESS 1567、Vol.15, No.4、2007年2月19日
導波路の端部に設けられるグレーティングカプラには、伝搬させる光の波長や光ファイバの端部の取付角が予め定められている。しかし、グレーティングカプラに形成されるグレーティングや、光ファイバの端部に設けられるファイバブロックの加工精度によっては、光ファイバがグレーティングに対し規定の角度で固定されない虞がある。そこで、互いが規定の角度となるように、取付角を漸次変えながら光を伝搬させて結合効率を測定することが行われる。しかしながら、取付角を漸次変えながら光を伝搬させて結合効率を測定する作業を繰り返し行い、取付角を調整することは煩わしい。
そこで、本願は、グレーティングカプラに対するファイバブロックの取付角を容易に調整できる光ファイバの接続方法、装置およびプログラムを提供する。
本願は、次のような光ファイバの接続方法を開示する。すなわち、本願で開示する光フ
ァイバの接続方法では、光ファイバの端部に設けられているファイバブロックをグレーティングカプラに仮付けした状態で、前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間に様々な波長の光を伝搬させて、前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間の結合効率が高くなる光の波長を特定し、前記グレーティングカプラに仮付けされている前記ファイバブロックが、データ伝送用の波長の光の伝搬に応じた取付角になるように調整する際に参照する角度の調整量を、前記グレーティングカプラの特性と前記特定した光の波長とに基づいて決定し、前記グレーティングカプラに仮付けされていた前記ファイバブロックを、決定した前記調整量の角度に動かして前記グレーティングカプラに固定する。
ァイバの接続方法では、光ファイバの端部に設けられているファイバブロックをグレーティングカプラに仮付けした状態で、前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間に様々な波長の光を伝搬させて、前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間の結合効率が高くなる光の波長を特定し、前記グレーティングカプラに仮付けされている前記ファイバブロックが、データ伝送用の波長の光の伝搬に応じた取付角になるように調整する際に参照する角度の調整量を、前記グレーティングカプラの特性と前記特定した光の波長とに基づいて決定し、前記グレーティングカプラに仮付けされていた前記ファイバブロックを、決定した前記調整量の角度に動かして前記グレーティングカプラに固定する。
また、本願は、次のような光ファイバの接続装置を開示する。すなわち、本願で開示する光ファイバの接続装置は、光ファイバの端部に設けられているファイバブロックをグレーティングカプラに仮付けした状態で、前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間に様々な波長の光を伝搬させて、前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間の結合効率が高くなる光の波長を特定する手段と、前記グレーティングカプラに仮付けされている前記ファイバブロックが、データ伝送用の波長の光の伝搬に応じた取付角になるように調整する際に参照する角度の調整量を、前記グレーティングカプラの特性と前記特定した光の波長とに基づいて決定する手段と、前記グレーティングカプラに仮付けされていた前記ファイバブロックを、決定した前記調整量の角度に動かして前記グレーティングカプラに固定する手段と、を備える。
また、本願は、次のような光ファイバの接続プログラムを開示する。すなわち、本願で開示する光ファイバの接続プログラムは、光ファイバの端部に設けられているファイバブロックをグレーティングカプラに仮付けした状態で、前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間に様々な波長の光を伝搬させて、前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間の結合効率が高くなる光の波長を特定する処理と、前記グレーティングカプラに仮付けされている前記ファイバブロックが、データ伝送用の波長の光の伝搬に応じた取付角になるように調整する際に参照する角度の調整量を、前記グレーティングカプラの特性と前記特定した光の波長とに基づいて決定する処理と、前記グレーティングカプラに仮付けされていた前記ファイバブロックを、決定した前記調整量の角度に動かして前記グレーティングカプラに固定する処理と、を光ファイバの接続装置の制御装置に実行させる。
上記の光ファイバの接続方法、装置およびプログラムであれば、グレーティングカプラに対するファイバブロックの取付角を容易に調整できる。
以下、実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、単なる例示であり、本開示の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
図1は、実施形態に係る光ファイバの接続装置の構成図の一例である。実施形態に係る光ファイバの接続装置1は、図1に示すように、制御装置2、ステージコントローラ3、光源4、PD(Photodiode)出力モニタ5、記憶装置6、ファイバブロック11を動かすステージ7B、光導波路基板12を動かすステージ7Kを備える。接続装置1は、光ファイバ10の端部に設けられたファイバブロック11を光導波路基板12のグレーティングカプラ13に接続する装置である。一端にファイバブロック11が設けられている光ファイバ10は、他端側に設けられている光コネクタ14を介して、光源4に設けられている光ファイバ10Kの光コネクタ14K接続されている。
制御装置2は、メモリに展開されたコンピュータプログラムを実行することにより、接続装置1の各機器を制御する。制御装置2は、例えば、PD出力モニタ5から送られる情報や記憶装置6に格納されている較正式等の情報を参照し、ステージコントローラ3や光源4に各種の命令を行う。
ステージコントローラ3は、ステージ7B,7Kに備わっているモータ等の駆動機構を動作させる装置である。ステージコントローラ3は、制御装置2から送られる命令に従ってステージ7B,7Kを動作させ、ファイバブロック11や光導波路基板12の位置や姿勢(角度)を調整する。
光源4は、様々な波長の光を出射可能な多波長光源である。光源4としては、例えば、波長可変LD(Laser Diode)、ASE(Amplified Spontaneous Emission)光源といっ
た広帯域光源、或いは波長が互いに異なる複数のLDをスイッチで切り替えるもの等を適用可能である。
た広帯域光源、或いは波長が互いに異なる複数のLDをスイッチで切り替えるもの等を適用可能である。
PD出力モニタ5は、光導波路基板12に設けられているグレーティングカプラ13に併設されており、グレーティングカプラ13のグレーティングが受光した光を検知するPD8と繋がっている。PD8は、グレーティングカプラ13のグレーティングに直結されていてもよいし、グレーティングから分岐した光導波路に接続されていてもよい。PD出力モニタ5は、PD8が検知した光の強度を数値データに変換し、制御装置2へ提供する。
以下、接続装置1において実現される接続処理のフローについて説明する。図2は、接続装置1の制御装置2が実行する接続処理のフローチャートの一例である。
制御装置2は、メモリに展開したコンピュータプログラムの実行を開始すると、ファイバブロック11を光導波路基板12に突き当てる命令をステージコントローラ3に対して行う(S101)。制御装置2の命令を受けたステージコントローラ3は、ステージ7Bやステージ7Kの駆動機器を動かし、ファイバブロック11を光導波路基板12のグレーティングカプラ13に突き当てた後、ファイバブロック11をやや上昇させ、ファイバブロック11を光導波路基板12の面に沿って動かせる程度にファイバブロック11を僅かに浮かせる。ファイバブロック11とグレーティングカプラ13との間には、接着剤が充填される。ファイバブロック11とグレーティングカプラ13との間に充填される接着剤は、光の屈折率が硬化の前後で変化が少ないものが望ましい。
次に、制御装置2は、ファイバブロック11を光導波路基板12の表面と平行に動かしながら、もしくは表面に(略)垂直な軸を中心とした回転を行いながら光が強くなる位置を探索する(S102)。すなわち、制御装置2は、光源4やPD出力モニタ5を作動させる。そして、制御装置2は、光源4から適当な波長の光を出射させた状態で、ファイバブロック11がグレーティングカプラ13上を動くようにステージ7Bやステージ7Kを作動させる。そして、制御装置2は、PD出力モニタ5によって検知される光の強度が最も高くなる位置でステージ7Bやステージ7Kを停止させる。この段階において、ファイバブロック11とグレーティングカプラ13との間に充填されている接着剤はまだ硬化されておらず、ファイバブロック11はグレーティングカプラ13に仮付けされた状態である。
次に、制御装置2は、ファイバブロック11とグレーティングカプラ13との間の結合効率と光の波長との相関関係を特定する(S103)。すなわち、制御装置2は、様々な波長の光を光源4に出射させながら、PD出力モニタ5によって検知される光の強度を取得する。そして、制御装置2は、PD出力モニタ5によって検知した光の強度に基づき、ファイバブロック11とグレーティングカプラ13との間の結合効率を波長毎に算出する。なお、ASE光源のような広いスペクトルを有するものを光源4として用いる場合、結合効率を波長毎に得るには、バンドパスフィルターに通した光をPD8に入射して、スペクトル測定を行う。各波長における光源の光の強さやPD8の感度は予め特定されており、記憶装置6に記憶されている。制御装置2は、各波長における光源の光の強さやPD8の感度を基に、ファイバブロック11とグレーティングカプラ13との間の結合効率を算出する。
次に、制御装置2は、ステップS103において取得した相関関係から、ファイバブロック11とグレーティングカプラ13との間の結合効率が最も高くなる光の波長を算出する(S104)。図3は、ファイバブロック11とグレーティングカプラ13との間の結合効率と光の波長との相関関係を表したグラフの一例である。制御装置2は、図3のグラフの実線が示すような相関関係をステップS103において取得した後、ファイバブロック11とグレーティングカプラ13との間の結合効率が最も高くなる光の波長λPEAKを算出する。ファイバブロック11とグレーティングカプラ13との間の結合効率が最も高くなる光の波長は、換言すると、図3のグラフの実線においてピークの部分における波長である。
次に、制御装置2は、記憶装置6に記憶されている較正式を使い、ファイバブロック11の角度の調整量を算出する(S105)。ファイバブロック11がグレーティングカプラ13に仮付けされている状態なので、ステップS103において制御装置2が取得した結合効率と光の波長との相関関係は、例えば、図3のグラフの実線が示すように、結合効率がピークとなる波長が、ファイバブロック11とグレーティングカプラ13との間でデータを伝送する際に用いる予定の設計上の光の中心波長λ0と一致していない。そこで、制御装置2は、記憶装置6に記憶されている較正式を使い、ファイバブロック11の角度の調整量を算出する。
なお、記憶装置6に記憶されている較正式は、以下のようにして得られたものである。例えば、仮にグレーティングカプラの放射角度が+1°ずれている場合、ファイバブロック11とグレーティングカプラ13との間の結合部分の損失は、ファイバブロック11を+1°傾けても最小になるとは限らない。ファイバブロック11をグレーティングカプラ13の放射角度に合わせても結合部分の損失が最小にならない理由としては、例えば、斜めになったファイバブロック11への入射角度が屈折により変化することが挙げられる。これは、構成する材料の屈折率が分かれば計算で修正可能である。
また、ファイバブロック11をグレーティングカプラ13の放射角度に合わせても結合部分の損失が最小にならない他の理由としては、例えば、ファイバブロック11を傾けると、グレーティングカプラ13と光ファイバ10の端部との間に隙間が生じる。図4は、ファイバブロック11とグレーティングカプラ13との間の結合効率と光の波長との相関関係を、ファイバブロック11の角度毎に表したグラフの一例である。ファイバブロック11を傾けた場合に生ずるグレーティングカプラ13と光ファイバ10の端部との間の隙間には、ファイバブロック11をグレーティングカプラ13に固定するための接着剤が充填される。よって、隙間が大きくなり、グレーティングカプラ13と光ファイバ10の端部との間に充填される接着剤が多くなると光の損失が増大する。従って、ファイバブロック11を傾けてグレーティングカプラ13の放射角度に一致させることによる損失低減と、ファイバブロック11を傾けると生ずるグレーティングカプラ13と光ファイバ10の端部との間の隙間による損失増大とは、トレードオフの関係になる。従って、ファイバブロック11を傾けてグレーティングカプラ13の放射角度に完全に一致させるよりも、ファイバブロック11がグレーティングカプラ13の放射角度よりもやや傾いたままの方が、結合効率が最も高くなる場合があり得る。
ファイバブロック11の角度の最適な調整量は、例えば、シミュレーションで求めることができる。すなわち、例えば、グレーティングカプラ13の放射角度とファイバブロック11の傾斜角度を変えてトレランス特性をシミュレーションする。グレーティングカプラ13と光ファイバ10の端部との隙間の間隔は、グレーティングカプラ13に対するファイバブロック11の傾斜角度によって特定できる。そして、特性式から、ある放射角度ずれが生じたときに最も損失が小さくなるファイバブロック11の傾斜角を数値計算で求める。放射角度ずれが生じたときに最も損失が小さくなるファイバブロック11の傾斜角の算出をいくつかの条件について実施し、グラフにプロットすると、放射角度ずれθと傾斜角φがある傾きを持った直線の関係にあることが分かる。そこから、その直線の傾きdφ/dθが求まる。また、グレーティングカプラ13の特性に関する設計情報として、波長λと放射角度θの関係dθ/dλが既知なので、dθ/dλとdφ/dθとを乗ずることにより、dφ/dλの較正式を求めることができる。
なお、較正式はこのような取得方法に限られない。グレーティングカプラ13からの放射角度は光の波長で変化する。そこで、例えば、ファイバブロック11を適当な角度φに傾けた状態でグレーティングカプラ13に仮付けし、様々な波長の光を伝搬させて強度がピークとなる波長特性を求める。この際、ファイバブロック11とグレーティングカプラ13との隙間には、接着剤もしくは接着剤と同じ屈折率を有する屈折率整合剤を予め充填しておく。光の放射角度は波長によって変化するため、様々な波長の光を伝搬させて波長特性を求めることは、グレーティングカプラ13の放射角度とファイバブロック11の傾斜角度との最適な関係を自動的に測定していることに他ならない。図5は、ファイバブロック11の傾斜角度とピーク波長との相関関係を示したグラフの一例である。様々な波長の光を伝搬させて波長特性を求めることにより、図5のグラフが示すような較正式dφ/dλ=(ファイバブロック傾斜角度)÷(ピーク波長)を求めることもできる。
制御装置2は、ファイバブロック11の角度の調整量を算出するにあたり、ステップS104において算出したλPEAKと、データ伝送用の光の中心波長λ0との差であるピーク波長ずれΔλ(=λPEAK−λ0)を算出する。そして、制御装置2は、算出したΔλに、上記のように取得されて記憶装置6に記憶された較正式dφ/dλを乗じ、ファイバブロック11の角度の調整量である補正角度φ(=dφ/dλ×Δλ)を算出する。
制御装置2は、補正角度φを算出した後、ファイバブロック11の角度を調整する(S106)。図6は、ファイバブロック11の角度の変更手順の一例を示した図である。制
御装置2は、補正角度φを算出した後にステージ7Bを動かして、ファイバブロック11を上昇させ(S106−1)、ファイバブロック11を補正角度φ分だけ回転させ(S106−2)、ファイバブロック11を下降させる(S106−3)。そして、制御装置2は、ファイバブロック11を光導波路基板12に接触させた状態で(S106−4)、ファイバブロック11を光導波路基板12の表面に沿って移動(面内移動)させる(S106−5)。そして、制御装置2は、PD8によって検知される光の強度が最も高くなる位置を探索し、探索した位置でステージ7Bを停止させる(S106−6)。
御装置2は、補正角度φを算出した後にステージ7Bを動かして、ファイバブロック11を上昇させ(S106−1)、ファイバブロック11を補正角度φ分だけ回転させ(S106−2)、ファイバブロック11を下降させる(S106−3)。そして、制御装置2は、ファイバブロック11を光導波路基板12に接触させた状態で(S106−4)、ファイバブロック11を光導波路基板12の表面に沿って移動(面内移動)させる(S106−5)。そして、制御装置2は、PD8によって検知される光の強度が最も高くなる位置を探索し、探索した位置でステージ7Bを停止させる(S106−6)。
制御装置2は、上記ステップS106の一連の処理を完了した後、ファイバブロック11とグレーティングカプラ13との間にある接着剤を硬化させて、ファイバブロック11をグレーティングカプラ13に固定する(S107)。制御装置2は、図示しない硬化手段を制御して接着剤を自動的に硬化させてもよいし、或いは、オペレータに硬化させてもよい。接着剤を硬化させる手段としては、例えば、接着剤が紫外線硬化性の場合には紫外線を発光するものを適用可能であり、接着剤が熱硬化性の場合には接着剤を加熱するものを適用可能である。
一般的に、グレーティングカプラは、干渉の原理を用いているため、屈折率環境に敏感である。例えば、光導波路を形成するシリコンの厚みのばらつきや、グレーティングを形成する際のエッチングの深さのばらつきによって実効屈折率が変化し、グレーティングカプラの放射角度が設計値から1〜2°ずれることがある。
また、光ファイバの端部は、先端を所望の角度で斜めにカットしたファイバブロック(フェルールまたはファイバアレイと呼ばれる場合もある)に収納され、ファイバブロックの角度で基板表面に保持される。このため、グレーティングカプラの放射角度が設計値からずれると、光ファイバへ斜め入射することになり、結合部分の損失が増大する。
グレーティングカプラの放射角度やファイバブロックの角度のずれの解決策として、いわゆるアクティブアライメント法がある。アクティブアライメント法は、光の強さを監視しながらファイバブロックを動かし、光が最も強く感知される位置にファイバブロックの位置を調整するものである。しかし、アクティブアライメント法をグレーティングカプラの放射角度のずれの修正に適用すると、以下のような課題が生じる。
まず、ファイバブロックの角度調節が難しいという課題が挙げられる。すなわち、ファイバブロックが光導波路基板に密着した状態では、ファイバブロックの角度を変えられないため、ファイバブロックを光導波路基板から一旦引き離すことになる。そして、ファイバブロックを光導波路基板から引き離した状態で、ファイバブロックを所定の角度だけ回転させる。その後、ファイバブロックを再び光導波路基板に密着させることになるが、光導波路基板に対するファイバブロックの相対的な姿勢が変化しているため、ファイバブロックを光導波路基板に再び密着させる際の下降量は、上昇量と異なる。このため、ファイバブロックを光導波路基板に再び密着させる際の操作に注意が求められる。
また、ファイバブロックを回転させる場合、回転中心とファイバの先端とが一致していることが望ましいが、現実には一致させることが困難である。よって、ファイバブロックの回転により、光ファイバの先端の位置ずれが生じる。このため、ファイバブロックを回転させてから真下に降ろしても、グレーティングと光ファイバの位置関係がファイバブロックの回転前の位置関係と異なってしまう。そこで、光導波路基板の表面と平行にファイバブロックを動かす水平方向のアクティブアライメントを再び行い、光の強度が最も高くなる位置を再探索することになる。
従来のアクティブアライメント法によれば、位置ずれや角度ずれの量や方向が未知の状
態で、位置や角度を少しずつ変化させながら最適ポイントを探索することになるため、グレーティングカプラの取付角の調整に適用すると膨大な手間と時間がかかり、非現実的である。この点、本実施形態に係る接続装置1を用いた接続方法であれば、上述したように、取付角を漸次変えながら光を伝搬させて結合効率を測定する作業が行われず、ファイバブロック11の角度を変える工程が1回で済むので、グレーティングカプラ13に対するファイバブロック11の取付角を容易に調整することができる。
態で、位置や角度を少しずつ変化させながら最適ポイントを探索することになるため、グレーティングカプラの取付角の調整に適用すると膨大な手間と時間がかかり、非現実的である。この点、本実施形態に係る接続装置1を用いた接続方法であれば、上述したように、取付角を漸次変えながら光を伝搬させて結合効率を測定する作業が行われず、ファイバブロック11の角度を変える工程が1回で済むので、グレーティングカプラ13に対するファイバブロック11の取付角を容易に調整することができる。
図7は、光ファイバ10を一列で保持した単段のファイバブロック11が取り付けられるグレーティングカプラ13の一例を示した図である。光ファイバ10を一列に保持した単段のファイバブロック11が取り付けられるグレーティングカプラ13の場合、接続装置1のPD出力モニタ5に接続されるPD8は、例えば、図7に示されるように、一列に並ぶ複数のグレーティングのうち最も外側にあるグレーティングに各々配置されていることが好ましい。PD8がこのように配置されていれば、一列に並ぶ複数のグレーティングに対し、ファイバブロック11が傾いて固定される虞が無い。
図8は、光ファイバ10を複数列で保持した多段のファイバブロック11が取り付けられるグレーティングカプラ13の一例を示した図である。多段のファイバブロック11の場合、ファイバブロック11を傾けると、各段の間におけるファイバのピッチが、各グレーティングのピッチに対して相対的に狭くなる。このため、個々のファイバとグレーティング間における角度ずれ及び隙間による損失の他、ファイバとグレーティングとが相対的に位置ずれすることによる損失が更に加わる。また、ファイバとグレーティングとの隙間は、ファイバの位置によって異なるため、個々のファイバとグレーティング間における隙間分の損失にばらつきが生じる。そのため、多段のファイバブロック11の取付においては、隙間の大きい部分における位置ずれの抑制を優先し、位置ずれによる損失は隙間の小さい部分が担うようにすることが、全体的な損失の抑制に繋がる。そこで、記憶装置6に記憶させる多段のファイバブロック11用の較正式を得る際は、例えば、位置ずれを含めたトレランス特性を取得する。そして、取得される複数の特性式から、ある放射角度ずれが生じたときに最も損失が小さくなるファイバブロック11の傾斜角を数値計算で求める。これを幾つかの条件について実施し、グラフにプロットすると、放射角度ずれθと傾斜角φがある傾きを持った直線の関係として現れる。
図9は、グレーティングの放射角度ずれとファイバブロック11の補正角度(傾斜角φ)との関係の一例を表したグラフである。例えば、複数の芯線を一括接続するMT(Mechanical transfer)コネクタにおいて、グレーティングの設計放射角度を10度、グレー
ティングとファイバとの間に充填する接着剤の屈折率が1.55の場合、放射角度ずれが生じたときに最も損失が小さくなるファイバブロック11の傾斜角を数値計算で求めてグラフにプロットすると、図9に示すように、放射角度ずれθと傾斜角φがある傾きを持った直線の関係として現れる。なお、図9のグラフにおいて「12MT」と示した線は12本のファイバが繋がった単段のファイバブロックであり、「24MT」と示した線は12本のファイバを2列にした2段のファイバブロックであり、「48MT」と示した線は12本のファイバを4列にした4段のファイバブロックの場合を示している。そして、単段、2段および4段のファイバブロックのそれぞれにおける放射角度ずれθと傾斜角φの関係を示す直線の傾きdφ/dθとしては、例えば、以下の表1に示すような値が求まる。
ティングとファイバとの間に充填する接着剤の屈折率が1.55の場合、放射角度ずれが生じたときに最も損失が小さくなるファイバブロック11の傾斜角を数値計算で求めてグラフにプロットすると、図9に示すように、放射角度ずれθと傾斜角φがある傾きを持った直線の関係として現れる。なお、図9のグラフにおいて「12MT」と示した線は12本のファイバが繋がった単段のファイバブロックであり、「24MT」と示した線は12本のファイバを2列にした2段のファイバブロックであり、「48MT」と示した線は12本のファイバを4列にした4段のファイバブロックの場合を示している。そして、単段、2段および4段のファイバブロックのそれぞれにおける放射角度ずれθと傾斜角φの関係を示す直線の傾きdφ/dθとしては、例えば、以下の表1に示すような値が求まる。
なお、上記の表1に示すように、傾きdφ/dθが1.0とならないのは、ファイバブロック11の角度補正を行うと隙間が開くため、その損失が加算されるためである。よって、決定される補正角度は、角度ずれによる損失と隙間による損失との和が最小となる角度が望ましい。
グレーティングカプラ13に関する既知の設計情報として、波長λと放射角度θの関係dθ/dλは取得できる。dθ/dλは、設計にもよるが概ね0.05〜0.2度/nmの値を取る。例えば、dθ/dλが0.10の値を取るグレーティングカプラの場合、dφ/dθとdθ/dλとを乗ずることにより得られる換算式は、例えば、下記のようになる。
ところで、一般的に、送信用のグレーティングカプラは、シリコン光導波路から出射するため、単一偏光で動作する。一方、受信用のグレーティングカプラは、光ファイバからの入射光の偏光状態が不定のため、図7や図8に示したように、単一偏波用グレーティングが交差した形状のものが用いられる。よって、グレーティングカプラは、送信用と受信用とでグレーティング形成のエッチング面積率が異なるため、同じ製造バラつきが発生した場合でも、角度ずれが互いに異なる可能性がある。そこで、例えば、互いの角度ずれ量が比較的小さい場合は、一方の角度ずれ(=ピーク波長)を用いるか、送信用および受信用の両グレーティングの角度ずれの平均値を用いてファイバブロックの角度を較正することが好ましい。一方、互いの角度ずれ量が比較的大きい場合は、送信用のトレランス特性と受信用のトレランス特性とを取得する。そして、可能性のある角度ずれの組み合わせについて、最適な補正角度を求めて、表形式もしくは近似式として格納しておく。ファイバブロックの初期位置で波長特性を測定して各グレーティングにおけるピーク波長が得られた段階で、それぞれの角度ずれから、最適な補正角度を求めることが好ましい。
1・・接続装置:2・・制御装置:3・・ステージコントローラ:4・・光源:5・・PD出力モニタ:6・・記憶装置:7B,7K・・ステージ:8・・PD
10,10K・・光ファイバ:11・・ファイバブロック:12・・光導波路基板:13・・グレーティングカプラ:14,14K・・光コネクタ
10,10K・・光ファイバ:11・・ファイバブロック:12・・光導波路基板:13・・グレーティングカプラ:14,14K・・光コネクタ
Claims (5)
- 光ファイバの端部に設けられているファイバブロックをグレーティングカプラに仮付けした状態で、前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間に様々な波長の光を伝搬させて、前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間の結合効率が高くなる光の波長を特定し、
前記グレーティングカプラに仮付けされている前記ファイバブロックが、データ伝送用の波長の光の伝搬に応じた取付角になるように調整する際に参照する角度の調整量を、前記グレーティングカプラの特性と前記特定した光の波長とに基づいて決定し、
前記グレーティングカプラに仮付けされていた前記ファイバブロックを、決定した前記調整量の角度に動かして前記グレーティングカプラに固定する、
光ファイバの接続方法。 - 前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間の結合効率が高くなる光の波長を特定する際は、波長が互いに異なる複数の光源からの光、波長を変更可能な波長可変光源からの光、若しくは、所定のスペクトル幅を有する光源からの光のうち少なくとも何れかの光を、前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間に伝搬させる、
請求項1に記載の光ファイバの接続方法。 - 前記調整量を決定する際は、グレーティングカプラに対する光ファイバの端部の角度を漸次変えながら様々な波長の光を伝搬させて測定した結果得られた前記特性と、前記特定した光の波長とに基づいて前記調整量を決定する、
請求項1または2に記載の光ファイバの接続方法。 - 光ファイバの端部に設けられているファイバブロックをグレーティングカプラに仮付けした状態で、前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間に様々な波長の光を伝搬させて、前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間の結合効率が高くなる光の波長を特定する手段と、
前記グレーティングカプラに仮付けされている前記ファイバブロックが、データ伝送用の波長の光の伝搬に応じた取付角になるように調整する際に参照する角度の調整量を、前記グレーティングカプラの特性と前記特定した光の波長とに基づいて決定する手段と、
前記グレーティングカプラに仮付けされていた前記ファイバブロックを、決定した前記調整量の角度に動かして前記グレーティングカプラに固定する手段と、を備える
光ファイバの接続装置。 - 光ファイバの接続装置において、前記接続装置の制御装置が実行する光ファイバの接続プログラムであって、
光ファイバの端部に設けられているファイバブロックをグレーティングカプラに仮付けした状態で、前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間に様々な波長の光を伝搬させて、前記光ファイバと前記グレーティングカプラとの間の結合効率が高くなる光の波長を特定する処理と、
前記グレーティングカプラに仮付けされている前記ファイバブロックが、データ伝送用の波長の光の伝搬に応じた取付角になるように調整する際に参照する角度の調整量を、前記グレーティングカプラの特性と前記特定した光の波長とに基づいて決定する処理と、
前記グレーティングカプラに仮付けされていた前記ファイバブロックを、決定した前記調整量の角度に動かして前記グレーティングカプラに固定する処理と、を実行させる
光ファイバの接続プログラム。
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2015
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