JP2016148592A - 検査デバイスの製造方法 - Google Patents

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達也 塩入
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理 額賀
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幸平 松丸
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Abstract

【課題】マイクロ流体デバイスに備えられた微小な反応場に対する加工用液体の流入及び流出を適切に制御し、加工用液体によって反応場を加工することにより、目的の検査デバイスを簡便に製造することが可能な検査デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】マイクロ流体デバイス10を使用して、液体試料に含まれ得る被検出物質に対して結合可能な捕捉物質が含まれた液体を第1空間部S1に導入し、第一の開口部Taから、微細貫通孔T内に前記液体の一部を流入させて、微細貫通孔Tを構成する内側面Yに捕捉物質を固定した後、第1空間部S1から液体を排出し、続いて、液体の排出の際に微細貫通孔T内に一時的に残留した一部の液体を、微細貫通孔Tの第一の開口部Taから第1空間部S1へ流出させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細貫通孔を備えたマイクロ流体デバイスを加工して、液体試料を検査するためのデバイスを製造する方法に関する。
近年、マイクロスケールからナノスケールの微小な反応場において、抗原抗体反応を利用した免疫学的測定、化学反応、細胞培養等を行うためのマイクロTAS、マイクロ流体デバイス、マイクロミキサ等が注目されている。在宅医療、ポイント・オブ・ケア(POC)、臨床検査、細胞培養等を迅速に少ない試料で行うためには、これらのデバイスの小型化が重要である。
従来のマイクロ流体デバイスとして、流路の途中に細胞培養可能な空間を備え、その下流に細胞が流出しないように堰き止め部を有する流路チップが開示されている(特許文献1)。この堰き止め部の上部には微細な流路が形成されており、細胞は通過し難く、培養液のみが流出し易い構造を有する。培養空間及び流路は透明なプラスチック基板で形成されているため、培養した細胞に対して所望の薬剤を投与し、その反応を光学的に観察することができる。
特開2012−185008号公報
マイクロ流体デバイスに設けられた反応場に目的の物質が含有される液体を流入させたり、その反応場から液体を流出させたりする送液方法として、シリンジポンプが一般的に使用されている。しかしながら、近年のマイクロ流体デバイスにおいては、流路だけでなく、流路に接続された反応場の微小化(微細化)が進んでいるため、ポンプ操作のみで微小な反応場の内外に液体を送液する場合には、精密な圧力制御を行い得る高価なポンプが必要である。したがって、マイクロ流体デバイスに備えられた反応場を加工して検査デバイスを製造(作製)する場合に、前記反応場に対する加工用液体の流入及び流出を適切に制御するためには高価なポンプが必要である。このため、前記検査デバイスの製造コストが高騰する、という問題がある。
さらに、マイクロ流体デバイスを構成する流路には、液体だけでなく空気が流入することが一般的であるが、このような気液混合系の流路内における送液をポンプのみで精密に制御することは難しく、前記検査デバイスの製造効率が低下する、という問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、マイクロ流体デバイスに備えられた微小な反応場に対する加工用液体の流入及び流出を適切に制御し、前記加工用液体によって前記反応場を加工することにより、目的の検査デバイスを簡便に製造することが可能な、検査デバイスの製造方法の提供を課題とする。
(1)液体試料を検査するデバイスの製造方法であって、第1空間部を構成する第1内壁面と、第2空間部を構成する第2内壁面と、前記第1内壁面に開口する第一の開口部及び前記第2内壁面に開口する第二の開口部を有し、前記第1空間部と前記第2空間部を空間的に連結する1本以上の微細貫通孔を構成する内側面と、を備えるマイクロ流体デバイスを使用して、前記液体試料に含まれ得る被検出物質に対して結合可能な捕捉物質が含まれた液体を前記第1空間部に導入し、前記第一の開口部から、前記1本以上の微細貫通孔内に前記液体の一部を流入させて、前記1本以上の微細貫通孔を構成する前記内側面に前記捕捉物質を固定した後、前記第1空間部から前記液体を排出することによって前記第1内壁面に前記液体からなる膜を形成し、続いて、前記膜の乾燥過程に伴う、前記膜と前記1本以上の微細貫通孔内に一時的に残留した前記一部の液体との張力によって、前記一部の液体を、前記1本以上の微細貫通孔の前記第一の開口部から前記第1空間部へ流出させることを特徴とする検査デバイスの製造方法。
上記(1)の検査デバイスの製造方法によれば、マイクロ流体デバイスに備えられた微細貫通孔の内部に液体を流入させるために、微細貫通孔が本来的に有する毛細管力(毛細管現象)を利用している。また、微細貫通孔内から液体を流出させるために、前記膜と微細貫通孔内の液体との張力差、及びその張力差が前記膜の乾燥に伴って変化することを利用している。よって、ポンプで発生した高圧力を微細貫通孔に負荷する必要がないため、穏やか且つ確実に微細貫通孔内へ加工用の液体を流入させることができる。
前記液体には前記捕捉物質が含まれており、前記微細貫通孔内に前記捕捉物質を容易に流入される。流入された前記捕捉物質は、前記微細貫通孔を構成する内側面に直接又は間接的に接触して、固定される。その後、前記捕捉物質の溶媒である前記液体が前記微細貫通孔の外へ流出される。この際、従来行われている様な乱暴なポンプ制御によって、前記微細貫通孔内の液体を大きな流速で激しく流入させたり流出させたりすると、前記捕捉物質が前記内側面に充分に固定されなかったり、前記内側面に固定された前記捕捉物質が前記内側面から剥がれたりする恐れがある。しかし、本発明にかかる製造方法においては、毛細管現象によって穏やかに前記液体を流入し、その後、前記第1空間部の排出に伴って自発的に起きる流れを利用して、穏やかに前記微細貫通孔から前記液体を自然に流出させているため、前記捕捉物質が前記内側面から剥がれる恐れは殆どない。つまり、本発明の製造方法によれば、従来方法よりも確実に、前記捕捉物質を前記微細貫通孔の内側面に固定することができる。
(2)液体試料を検査するデバイスの製造方法であって、第1空間部を構成する第1内壁面、第2空間部を構成する第2内壁面、・・・、及び第n空間部(nは3以上の整数を表す。)を構成する第n内壁面、を含むn個の内壁面と、前記第1内壁面に開口する第一の開口部及び前記第2内壁面に開口する第二の開口部を有し、前記第1空間部と前記第2空間部を空間的に連結する1本以上の微細貫通孔を構成する第1内側面、・・・、並びに、前記第1内壁面に開口する第一の開口部及び前記第n内壁面に開口する第二の開口部を有し、前記第1空間部と前記第n空間部を空間的に連結する1本以上の微細貫通孔を構成する第(n−1)内側面、を含む(n−1)個の内側面と、を備えるマイクロ流体デバイスを使用して、前記液体試料に含まれ得る被検出物質に対して結合可能な捕捉物質が含まれた液体を前記第1空間部に導入し、前記(n−1)個の内側面によって構成される各微細貫通孔の各々が有する第一の開口部から、各微細貫通孔内に前記液体の一部を流入させて、各微細貫通孔を構成する各内側面に前記捕捉物質を固定した後、前記第1空間部から前記液体を排出することによって前記第1内壁面に前記液体からなる膜を形成し、続いて、前記膜の乾燥過程に伴う、前記膜と前記各微細貫通孔内に一時的に残留した前記一部の液体との張力によって、前記一部の液体を、各微細貫通孔の第一の開口部から前記第1空間部へ流出させることを特徴とする検査デバイスの製造方法。
上記(2)の検査デバイスの製造方法においても、上記(1)の製造方法と同様の効果が奏される。すなわち、本発明にかかる製造方法においては、毛細管現象によって穏やかに前記液体を流入し、その後、前記第1空間部の排出に伴って自発的に起きる流れを利用して、穏やかに前記各微細貫通孔から前記液体を自然に流出させているため、前記捕捉物質が前記内側面から剥がれる恐れは殆どない。つまり、本発明の製造方法によれば、従来方法より確実に、前記捕捉物質を前記各微細貫通孔の内側面に固定することができる。
(3)液体試料を検査するデバイスの製造方法であって、第1空間部を構成する第1内壁面と、第2空間部を構成する第2内壁面、・・・、及び第n空間部(nは3以上の整数を表す。)を構成する第n内壁面、を含むn個の内壁面と、前記第1内壁面に開口する第一の開口部及び前記第2内壁面に開口する第二の開口部を有し、前記第1空間部と前記第2空間部を空間的に連結する1本以上の微細貫通孔を構成する第1内側面、・・・並びに、前記第1内壁面に開口する第一の開口部及び前記第n内壁面に開口する第二の開口部を有し、前記第1空間部と前記第n空間部を空間的に連結する1本以上の微細貫通孔を構成する第(n−1)内側面、を含む(n−1)個の内側面と、を備えるマイクロ流体デバイスを使用して、前記液体試料に含まれ得る被検出物質に対して結合可能な第1捕捉物質が含まれた第1液体を、前記第2空間部に導入し、前記第1内側面によって構成される前記1本以上の微細貫通孔が有する前記第二の開口部から、前記1本以上の微細貫通孔内に前記第1液体の一部を流入させて、前記1本以上の微細貫通孔を構成する前記第1内側面に前記第1捕捉物質を固定した後、前記第2空間部から前記第1液体を排出することによって前記第2内壁面に前記第1液体からなる膜を形成し、続いて、前記膜の乾燥過程に伴う、前記膜と前記1本以上の微細貫通孔内に一時的に残留した前記一部の第1液体との張力によって、前記一部の第1液体を、前記1本以上の微細貫通孔の第二の開口部から前記第2空間部へ流出させる操作と、・・・、前記液体試料に含まれ得る被検出物質に対して結合可能な第(n−1)捕捉物質が含まれた第(n−1)液体を、前記第n空間部に導入し、前記第(n−1)内側面によって構成される前記1本以上の微細貫通孔が有する前記第二の開口部から、前記1本以上の微細貫通孔内に前記第(n−1)液体の一部を流入させて、前記1本以上の微細貫通孔を構成する前記第(n−1)内側面に前記第(n−1)捕捉物質を固定した後、前記第n空間部から前記第(n−1)液体を排出することによって前記第n内壁面に前記第(n−1)液体からなる膜を形成し、続いて、前記膜の乾燥過程に伴う、前記膜と前記1本以上の微細貫通孔内に一時的に残留した前記一部の第(n−1)液体との張力によって、前記一部の第(n−1)液体を、前記1本以上の微細貫通孔の前記第二の開口部から前記第n空間部へ流出させる操作と、を有すること特徴とする検査デバイスの製造方法。
上記(3)の検査デバイスの製造方法においても、上記(1)の製造方法と同様の効果が奏される。すなわち、本発明にかかる製造方法においては、毛細管現象によって穏やかに前記液体を流入し、その後、第2空間部〜第n空間部の各排出に伴って自発的に起きる流れを利用して、穏やかに各微細貫通孔から前記液体を自然に流出させているため、前記捕捉物質が前記内側面から剥がれる恐れは殆どない。つまり、本発明の製造方法によれば、従来方法より確実に、前記捕捉物質を前記各微細貫通孔の内側面に固定することができる。
さらに、前記検査デバイスにおいては、第1内側面〜第(n−1)内側面によって構成される各微細貫通孔における液体の流入及び流出をそれぞれ独立に制御できるため、各微細貫通孔に対して、互いに異なる捕捉物質を固定することができる。よって、各微細貫通孔を個別の反応場として使用することができる。
(4)前記第1捕捉物質が結合可能な前記被検出物質と、・・・、前記第n捕捉物質が結合可能な前記被検出物質とが、それぞれ互いに異なることを特徴とする上記(3)に記載の検査デバイスの製造方法。
上記(4)の検査デバイスの製造方法によれば、前記検査デバイスに備えられた各微細貫通孔を構成する第1内側面〜第(n−1)内側面に、互いに異なる被検出物質を結合可能な第1捕捉物質〜第n捕捉物質を固定することができる。
このように製造された検査デバイスを1つ使用するだけで、各微細貫通孔において互いに異なる被検出物質を個別に捕捉し、検査対象である液体試料に含まれ得る複数の被検出物質を分析することができる。
(5)前記第1捕捉物質が結合可能な前記被検出物質、・・・、及び前記第n捕捉物質が結合可能な前記被検出物質からなる被検出物質群の中に、少なくとも1組の同じ被検出物質が含まれることを特徴とする上記(3)に記載の検査デバイスの製造方法。
上記(5)の検査デバイスの製造方法によれば、前記検査デバイスに備えられた各微細貫通孔を構成する第1内側面〜第(n−1)内側面に、少なくとも1組の同じ被検出物質を結合可能な第1捕捉物質〜第n捕捉物質を固定することができる。
このように製造された検査デバイスを使用して、単一の液体試料を各微細貫通孔に流入させると、同じ被検出物質を結合可能な捕捉物質が固定された微細貫通孔においては、同じ(同等の)結果が得られるはずである。つまり、単一の液体試料を複数の微細貫通孔で重複して検査することができるので、検査精度を向上させることができる。
(6)前記第1捕捉物質が結合可能な前記被検出物質と、・・・、前記第n捕捉物質が結合可能な前記被検出物質とが、全て同じ被検出物質であることを特徴とする上記(3)に記載の検査デバイスの製造方法。
上記(6)の検査デバイスの製造方法によれば、前記検査デバイスに備えられた各微細貫通孔を構成する第1内側面〜第(n−1)内側面の全てに、同じ被検出物質を結合可能な第1捕捉物質〜第n捕捉物質を固定することができる。
このように製造された検査デバイスを使用して、単一の液体試料を各微細貫通孔に流入させると、同じ被検出物質を結合可能な捕捉物質が固定された微細貫通孔においては、同じ(同等の)結果が得られるはずである。つまり、単一の液体試料を複数の微細貫通孔で重複して検査することができるので、検査精度を向上させることができる。また、互いに異なる複数の液体試料を、上記検査デバイスに備えられた各微細貫通孔にそれぞれ流入させると、各液体試料に含有され得る共通の被検出物質を単一の検査デバイスで分析することができる。すなわち、多検体測定を効率よく実施することができる。
ここで、同じ被検出物質を結合可能な捕捉物質が2つある場合、両捕捉物質は物質として同じであってもよいし、異なっていてよい。
(7)前記捕捉物質が、前記被検出物質に対して特異的又は非特異的に結合する捕捉物質であることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一項に記載の検査デバイスの製造方法。
(8)前記捕捉物質が高分子であることを特徴とする上記(1)〜(7)の何れか一項に記載の検査デバイスの製造方法。
(9)前記高分子が、抗体、核酸アプタマー、ペプチド、前記抗体を除くタンパク質又は糖鎖であることを特徴とする上記(8)に記載の検査デバイスの製造方法。
(10)前記捕捉物質は、前記高分子が微粒子に担持された構成を有することを特徴とする上記(8)又は(9)に記載の検査デバイスの製造方法。
本発明の検査デバイスの製造方法によれば、マイクロ流体デバイスに備えられた微細貫通孔の内部に液体を流入させるために、微細貫通孔が本来的に有する毛細管力(毛細管現象)を利用している。ポンプで発生した高圧力を微細貫通孔に負荷する必要がないため、穏やか且つ確実に、微細貫通孔内へ加工用の液体を流入させることができる。
前記液体には前記捕捉物質が含まれており、前記微細貫通孔内に前記捕捉物質を容易に流入される。流入された前記捕捉物質は、前記微細貫通孔を構成する内側面に直接又は間接的に接触して、固定される。その後、前記捕捉物質の溶媒である前記液体が前記微細貫通孔の外へ流出される。この際、従来行われている様な乱暴なポンプ制御によって、前記微細貫通孔内の液体を大きな流速で激しく流入させたり流出させたりすると、前記捕捉物質が前記内側面に充分に固定されなかったり、前記内側面に固定された前記捕捉物質が前記内側面から剥がれたりする恐れがある。しかし、本発明にかかる製造方法においては、毛細管現象によって穏やかに前記液体を流入し、その後、前記第1空間部の排出に伴って自発的に起きる流れを利用して、穏やかに前記微細貫通孔から前記液体を自然に流出させているため、前記捕捉物質が前記内側面から剥がれる恐れは殆どない。つまり、本発明の製造方法によれば、従来方法よりも確実に、前記捕捉物質を前記微細貫通孔の内側面に固定することができる。
本発明の検査デバイスの製造方法において使用可能なマイクロ流体デバイス10の模式的な断面図である。 図1の要部を示す図であり、マイクロ流体デバイス10における送液の様子を示した模式図である。 図1の要部を示す図であり、マイクロ流体デバイス10における送液の様子を示した模式図である。 図1の要部を示す図であり、マイクロ流体デバイス10における送液の様子を示した模式図である。 本発明の送液方法を利用した生化学検査の一例を行う様子を示した、マイクロ流体デバイスの要部の模式的な断面図である。 本発明の送液方法を利用した生化学検査の一例を行う様子を示した、マイクロ流体デバイスの要部の模式的な断面図である。 本発明の送液方法を利用した生化学検査の一例を行う様子を示した、マイクロ流体デバイスの要部の模式的な断面図である。 本発明の送液方法を利用した生化学検査の一例を行う様子を示した、マイクロ流体デバイスの要部の模式的な断面図である。 本発明の送液方法を利用した生化学検査の一例を行う様子を示した、マイクロ流体デバイスの要部の模式的な断面図である。 本発明の送液方法を利用した生化学検査の一例を行う様子を示した、マイクロ流体デバイスの要部の模式的な断面図である。 本発明の送液方法を利用した生化学検査の一例を行う様子を示した、マイクロ流体デバイスの要部の模式的な断面図である。 本発明の送液方法を利用した生化学検査の一例を行う様子を示した、マイクロ流体デバイスの要部の模式的な断面図である。 本発明の送液方法を利用した生化学検査の一例を行う様子を示した、マイクロ流体デバイスの要部の模式的な断面図である。 マイクロ流体デバイスに備えられた、第1空間部、第2空間部及び複数の微細貫通孔を表す模式的な断面図である。 図6Aのマイクロ流体デバイスにおける複数の微細貫通孔をA−A’方向で切断した時の各微細貫通孔の断面形状の一例を示した模式図である。 図6Aのマイクロ流体デバイスにおける複数の微細貫通孔をA−A’方向で切断した時の各微細貫通孔の断面形状の一例を示した模式図である。 図6Aのマイクロ流体デバイスにおける複数の微細貫通孔をA−A’方向で切断した時の各微細貫通孔の断面形状の一例を示した模式図である。 図6Aのマイクロ流体デバイスにおける複数の微細貫通孔をA−A’方向で切断した時の各微細貫通孔の断面形状の一例を示した模式図である。 本発明の検査デバイスの製造方法において使用可能なマイクロ流体デバイス20の模式的な断面図である。 本発明の検査デバイスの製造方法において使用可能なマイクロ流体デバイス30の模式的な断面図である。 本発明の検査デバイスの製造方法において使用可能なマイクロ流体デバイス40の模式的な断面図である。 マイクロ流体デバイスを構成する第一基板及び第二基板の模式的な断面図である。 マイクロ流体デバイスを構成する第一基板及び第二基板の模式的な断面図である。 マイクロ流体デバイスの微細貫通孔Tを含む要部の模式的な断面図である。 マイクロ流体デバイスの微細貫通孔Tを含む要部の模式的な断面図である。 マイクロ流体デバイスの微細貫通孔Tを含む要部の模式的な断面図である。
《検査デバイスの製造方法》
図1に示すマイクロ流体デバイス10は、本発明にかかる検査デバイスの製造方法の第一実施形態において使用可能なマイクロ流体デバイスの一例である。図1はマイクロ流体デバイス10の模式的な断面図を示している。
マイクロ流体デバイス10は、第1空間部S1を構成する第1内壁面w1と、第2空間部S2を構成する第2内壁面w2と、第1内壁面w1に開口する第一の開口部Ta及び第2内壁面w2に開口する第二の開口部Tbを有し、第1空間部S1と第2空間部S2を空間的に連結する一つ以上の微細貫通孔Tを構成する内側面Yと、を含む本体部4を少なくとも備えている。マイクロ流体デバイス10において、本体部4に内在される第1空間部S1及び第2空間部S2は、複数の微細貫通孔Tによって互いに空間的に連結している(連通している)。
第一実施形態の検査デバイスの製造方法においては、第1空間部S1に加工用の液体を導入し、第一の開口部Taから、毛細管現象(毛細管力)により各微細貫通孔T内に前記液体の一部を流入させた後、第1空間部S1から前記液体を排出し、続いて、前記液体の排出の際に各微細貫通孔T内に一時的に残留した前記一部の液体を、各微細貫通孔Tの第一の開口部Taから第1空間部S1へ自動的に流出させる送液方法(1)を採用する。
<送液方法(1)>
送液方法(1)の説明は、流入ステップ、排出ステップ、流出ステップの3ステップに分けられる。
流入ステップは、第1空間部S1に任意の液体を導入するとともに、第1空間部S1に開口する各微細貫通孔Tの第一の開口部Taから、毛細管現象により各微細貫通孔T内に前記液体の一部を流入させるステップである。
排出ステップは、各微細貫通孔T内に流入された前記一部の液体を残したまま、第1空間部S1から前記液体を排出するステップである。
流出ステップは、前記排出の後、各微細貫通孔Tの第一の開口部Taから、各微細貫通孔T内に残留された前記液体を第1空間部S1へ自動的に流出させるステップである。
以下、各ステップを順に説明する。
(流入ステップ)
図2に示す様に、マイクロ流体デバイス10を構成する本体部4の表面に開口する開口部から第1空間部S1へ液体Qを導入すると、第1空間部S1に開口する各微細貫通孔Tの第一の開口部Taから、毛細管現象(毛細管力)により各微細貫通孔T内に液体Qの一部が流入する。この際、各微細貫通孔T内の空気は第2空間部S2へ自然に押し出される。
微細貫通孔Tの孔径(長手方向に直交する断面の直径又は長径)は、上記毛細管現象が起きる範囲であれば特に制限されず、使用する液体Qの表面張力や粘度等にもよるが、通常1nm〜1000μmの範囲であることが好ましい。
微細貫通孔Tの第一の開口部Taから流入して進む液体Qの先端部は、第2空間部S2に開口する第二の開口部Tbに達してもよいし、達しなくてもよい。第二の開口部Tbに達した場合、その先端部を構成する液体Qの一部が第二の開口部Tbから流出しても構わないが、基本的には第二の開口部Tbから流出せずに、第二の開口部Tbで液体Qの先端部の進行が止まる。この理由は、毛細管力が液体Qを微細貫通孔T内に留めるため、及び第二の開口部Tbにおいて液体Qの先端部に働く表面張力が液体Qを微細貫通孔T内に留めるため、だと推測される。
第1空間部S1に液体Qが充分に導入されると、各微細貫通孔Tの内部も液体Qの一部によって満たされる(図3参照)。この際、第1空間部S1に継続して液体Qを導入し続けてもよいし、第1空間部S1の液体Qの流通を止めて、第1空間部S1を液体Qで満たした状態を保ってもよい。
(排出ステップ)
次に、図4に示す様に、各微細貫通孔T内に流入された前記一部の液体Qを残したまま、第1空間部S1から液体Qを排出する。排出方法は特に制限されず、重力を利用した自然排出であってもよいし、シリンジポンプ、ペリスターポンプ等を利用した強制排出であってもよい。排出速度は特に制限されず、第1空間部S1が陰圧になる程に勢いよく排出しても構わないが、通常、より穏やかに排出することが好ましい。すなわち、液体Qの排出によって、第1空間部S1が陰圧になってもよいし、陰圧にならなくてもよい。
(流出ステップ)
第1空間部S1から液体Qを排出すると、液体Qが排出されて第1空間部S1に空気が流入し、この空気に接した順に、各微細貫通孔Tの第一の開口部Taから、各微細貫通孔T内に残されていた液体Qが自動的に第1空間部S1へ流出する。
この自動的な流出が発生する要因の一つとして、第1空間部S1から液体Qを排出した直後に、各微細貫通孔Tの第一の開口部Taが開口する第1空間部S1の第1内壁面w1に、液体Qからなる薄い膜Mが形成されることが挙げられる。この膜Mが第1空間部S1に流入した空気によって徐々に乾燥し、その膜Mの厚みが徐々に薄くなり、最終的には膜Mが無くなる。この乾燥過程に伴って、各微細貫通孔T内の液体Qと膜Mの間に張力が働き、各微細貫通孔T内の液体Qが膜Mの方向に引き寄せられて第一の開口部Taから流出する、というメカニズムが働いている。このメカニズムにより、空気に触れる順番が速い第一の開口部Taを有する微細貫通孔Tから順に(図4においては、紙面の上から下に並んだ複数の微細貫通孔Tのうち、上側の微細貫通孔Tから順に)、ある程度の時間差を伴って、各々の微細貫通孔Tの内部に残された液体Qが第1空間部S1へ自動的に流出する。
以上の各ステップにより、第1空間部S1に導入した液体Qの一部を各微細貫通孔T内に流入させ、所望に応じてその状態を保持し、続いて、第1空間部S1から液体Qを排出することにより、前記液体Qの排出時に一時的に各微細貫通孔T内に残された液体Qの一部を第1空間部S1へ流出させることができる。
以上の説明においては、第1空間部S1に液体Qを導入する場合を説明したが、この場合と同様に第2空間部S2に液体Qを導入すれば、第2空間部S2に開口する各微細貫通孔Tの第二の開口部Tbから各微細貫通孔T内に液体Qの一部を流入させることができる。次いで、第2空間部S2内の液体Qを排出することにより、各微細貫通孔T内の液体Qを第二の開口部Tbから第2空間部S2へ流出させることができる。第1空間部S1と第2空間部S2の構造及び構成は互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
<検査デバイスの製造方法の第一実施形態>
前述した送液方法(1)の液体Qとして、微細貫通孔Tの内側面Yを加工する液体(加工用液体)を使用することにより、マイクロ流体デバイス10を材料として検査デバイス10’を製造することができる。
第一実施形態の検査デバイスの製造方法においては、加工用液体として、検査対象である液体試料に含まれ得る被検出物質に対して結合可能な捕捉物質が含まれた液体を使用する。この加工用液体をマイクロ流体デバイス10の第1空間部S1に導入し、第一の開口部Taから、毛細管現象により微細貫通孔T内に加工用液体の一部を流入させて、微細貫通孔Tを構成する内側面Yに前記捕捉物質を固定した後、第1空間部S1から加工用液体を排出し、続いて、加工用液体の排出の際に微細貫通孔T内に一時的に残留した前記一部の加工用液体を、微細貫通孔Tの第一の開口部Taから第1空間部S1へ自動的に流出させる。
第一実施形態の検査デバイスの製造方法によれば、マイクロ流体デバイス10に備えられた微細貫通孔Tの内部に加工用液体を流入させるために、微細貫通孔Tが本来的に有する毛細管力(毛細管現象)を利用している。ポンプで発生した高圧力を微細貫通孔Tに負荷する必要がないため、穏やか且つ確実に微細貫通孔T内へ加工用液体を流入させることができる。
加工用液体には前記捕捉物質が含まれているため、マイクロ流体デバイス10に備えられた各微細貫通孔T内に前記捕捉物質を容易に流入させることができる。流入された前記捕捉物質は、各微細貫通孔Tを構成する内側面Yに直接又は間接的に接触して、固定される。例えば、前記捕捉物質と内側面Yとの分子間力による物理化学的結合により、前記捕捉物質を直接的に内側面Yに固定する方法が挙げられる。また、前記捕捉物質を間接的に内側面Yに固定する方法として、例えば、前記捕捉物質と内側面Yを連結し得るリンカー物質を予め内側面Yに固定し、その後、前記捕捉物質を前記アンカー物質に結合させる方法が挙げられる。アンカー物質を内側面Yに直接に固定する場合、前記捕捉物質を内側面Yに直接に固定する方法と同様の方法が適用できる。
各微細貫通孔T内へ加工用液体を流入させた後、前記捕捉物質の溶媒である加工用液体が各微細貫通孔Tの外へ流出される。この際、従来行われている様な乱暴なポンプ制御によって、各微細貫通孔T内の加工用液体を大きな流速で激しく流入させたり流出させたりすると、前記捕捉物質が内側面Yに充分に固定されなかったり、内側面Yに固定された前記捕捉物質が内側面Yから剥がれたりする恐れがある。しかし、本実施形態においては、毛細管現象によって穏やかに加工用液体を流入し、その後、第1空間部S1における加工用液体の排出に伴って自発的に起きる流れを利用して、穏やかに各微細貫通孔Tから加工用液体を自然に流出させている。このため、前記捕捉物質が内側面Yから剥がれる恐れは殆どない。つまり、第一実施形態の検査デバイスの製造方法によれば、従来方法よりも確実に、前記捕捉物質を各微細貫通孔Tの内側面Yに固定することができる。
このように製造された検査デバイス10’を使用して前記送液方法を実施することにより、各微細貫通孔Tを物理、化学、生物学(バイオテクノロジー)に関する反応場として利用することができる。具体的には、例えば、免疫化学反応を利用した生化学的検査デバイスとして、検査デバイス10’を使用することができる。
<検査デバイス10’の製造と使用>
検査デバイス10’の製造と使用の一例として、マイクロ流体デバイス10に備えられた微細貫通孔Tに、前記捕捉物質としての一次抗体Ab1が固定された検査デバイス10’の製造と使用が挙げられる。以下に、図5A〜図5Iを参照して説明する。
まず、一次抗体Ab1を含む第一の液体Q1(加工用液体の一例)が第1空間部S1に導入されると、液体Q1が第1空間部S1を徐々に満たすとともに、毛細管力によって各微細貫通孔Tの第一の開口部Taから内部へ液体Q1が流入する(図5A)。各微細貫通孔Tに流入した液体Q1に含まれる一次抗体Ab1は、各微細貫通孔Tの内側面Yに吸着して、固定される。
全ての微細貫通孔T内に液体Q1が満たされた後、第1空間部S1から液体Q1を排出すると、第1空間部S1に空気が流入する。第1空間部S1に開口する各微細貫通孔Tの第一の開口部Taのうち、空気に接触した順序が速い第一の開口部Taから順に、各微細貫通孔Tの内部に残された液体Q1が第1空間部S1へ流出する(図5B)。この際、各微細貫通孔Tの内側面Yに吸着した一次抗体Ab1は、内側面Yに固定された状態を維持する。このようにして、各微細貫通孔Tの内部の液体Q1が全て排出された後においても、一次抗体Ab1が各微細貫通孔Tの内側面Yに固定された検査デバイス10’を製造することができる(図5C)。
続いて、抗原Ag(被検出物質の一例)を含む第二の液体Q2(液体試料の一例)が第1空間部S1に導入されると、液体Q2が第1空間部S1を徐々に満たすとともに、毛細管力によって各微細貫通孔Tの第一の開口部Taから内部へ液体Q2が流入する(図5D)。各微細貫通孔Tに流入した液体Q2に含まれる抗原Agは、各微細貫通孔Tの内側面Yに固定された一次抗体Ab1に対する抗原抗体反応によって結合する。なお、一次抗体Ab1には、抗原Agに対する結合性が予め付与されている。
全ての微細貫通孔T内に液体Q2が満たされた後、第1空間部S1から液体Q2を排出すると、第1空間部S1に空気が流入する。第1空間部S1に開口する各微細貫通孔Tの第一の開口部Taのうち、空気に接触した順序が速い第一の開口部Taから順に、各微細貫通孔Tの内部に残された液体Q2が第1空間部S1へ流出する(図5E)。この際、各微細貫通孔Tの内側面Yに吸着した一次抗体Ab1は抗原Agを結合した状態を維持する。各微細貫通孔Tの内部の液体Q2が全て排出された後においても、一次抗体Ab1は抗原Agを結合した状態を維持している(図5F)。
ここで、抗原Agとは異なる夾雑物質、すなわち一次抗体Ab1に結合しない物質が液体Q2に含まれている場合には、微細貫通孔Tから液体Q2が流出する際に、液体Q2とともに微細貫通孔Tから夾雑物質が除外される。つまり、B/F分離(一次抗体に結合した物質(抗原)と結合しなかった物質(夾雑物質)の分離)が効率的に行われる。
次に、抗原Agに対する結合性が予め付与された二次抗体Ab2を含む第三の液体Q3が第2空間部S2に導入されると、液体Q3が第2空間部S2を徐々に満たすとともに、毛細管力によって各微細貫通孔Tの第二の開口部Tbから内部へ液体Q3が流入する(図5G)。各微細貫通孔Tに流入した液体Q3に含まれる二次抗体Ab2は、各微細貫通孔Tの内側面Yにおいて一次抗体Ab1に結合した抗原Agを認識して結合し、一次抗体−抗原−二次抗体からなる三者複合体Comp.を形成する。
全ての微細貫通孔T内に液体Q3が満たされた後、第2空間部S2から液体Q3を排出すると、第2空間部S2に空気が流入する。第2空間部S2に開口する各微細貫通孔Tの第二の開口部Tbのうち、空気に接触した順序が速い第二の開口部Tbから順に、各微細貫通孔Tの内部に残された液体Q3が第2空間部S2へ流出する(図5H)。この際、各微細貫通孔Tの内側面Yにおいて形成された三者複合体Comp.は、一次抗体Ab1を介して内側面Yに結合された状態を維持する。各微細貫通孔Tの内部の液体Q3が全て排出された後においても、三者複合体Comp.は、一次抗体Ab1を介して内側面Yに結合した状態を維持している(図5I)。
二次抗体Ab2には、予め発光性標識物質が結合(コンジュゲート)されているため、例えば、微細貫通孔Tに励起光を照射すると、微細貫通孔Tの内側面Yに形成された三者複合体Comp.に含まれる発光性標識物質が蛍光を発する。この蛍光の発光量は三者複合体Comp.の存在量に依存する。したがって、蛍光の発光量を測定することにより、液体Q2に含まれていた抗原Agの含有量を定量することができる。ただし、微細貫通孔Tの内側面Yに吸着した一次抗体Ab1の量及び微細貫通孔Tに流入させた二次抗体Ab2の量がそれぞれ、抗原Agの量よりも充分に多いという前提がある。
励起光照射による蛍光測定を実施する前に、微細貫通孔Tの内側面Y又は一次抗体Ab1に対して非特異的に吸着した二次抗体Ab2を洗浄する目的で、洗浄液を微細貫通孔T内に流入した後、流出させてもよい。
通常、微細貫通孔T内の洗浄は、次の何れか1つ以上の段階で行われることが好ましい。
・一次抗体Ab1を含む液体Q1が微細貫通孔Tに流入及び流出した後
・抗原Agを含む液体Q2が微細貫通孔Tに流入及び流出した後
・二次抗体Ab2を含む液体Q3が微細貫通孔Tに流入及び流出した後
二次抗体Ab2が結合する発光性標識物質としては、外部からの光照射を受けて励起された発光性標識物質自身が蛍光を発する蛍光物質であってもよいし、他の基質を化学発光する発光物質に変換する触媒物質であってもよい。
前記蛍光物質としては、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、量子ドット等が挙げられる。前記触媒物質としては、例えば、ELISAで使用される公知の酵素が適用可能であり、具体例として、ペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、イクオリン等の酵素が挙げられる。この酵素の基質としては、例えば、3−(p−ハイドロオキシフェノール)プロピオン酸及びその類似体、ルシフェリン及びルシフェリン類似体、セレンテラジン及びセレンテラジン類似体等が挙げられる。
1種類の発光性標識物質が単独で使用されてもよいし、2種類以上の発光性物質が併用されてもよい。2種類以上の蛍光物質が併用されてもよいし、2種類以上の酵素及び基質が併用されてもよいし、1種類以上の蛍光物質と、1種類以上の酵素及び基質とが併用されてもよい。二次抗体Ab2に種々の発光性標識物質を結合させる方法は特に限定されず、公知方法が適用可能である。
微細貫通孔T内に存在する物質をトレースするための標識物質は、上記の様に発光性標識物質であってもよいし、非発光性標識物質であってもよい。非発光性標識物質としては、例えば、公知のラジオイムノアッセイ法で使用される様な放射性標識物質が挙げられる。
以上で説明した検査デバイスの使用の一例は、検査対象である液体Q2中に抗原Agが含有されるか否かを定性的に分析すること、又は液体Q2中に含まれる抗原Agの含有量を定量的に分析することを目的として、一般にサンドイッチイムノアッセイと呼ばれる形式を採用している。このため、抗原Agに対して特異的又は非特異的に結合する一次抗体Ab1及び二次抗体Ab2を予め準備しておく必要がある。このような抗体は公知方法により取得される。
本発明にかかる検査デバイスを使用した検査においては、上記のサンドイッチイムノアッセイ形式に代えて、間接抗体イムノアッセイ形式、ブリッジングイムノアッセイ形式等の他の公知のイムノアッセイ形式を採用してもよい。また、抗体及び抗原の少なくとも何れか一方を利用しない、他の分子間相互作用を利用した検査を実施してもよい。これらのイムノアッセイ形式及びその他の分子間相互作用を利用した検査の基本的な方法は何れも公知であるため、ここでは簡単な説明に留める。
間接抗体イムノアッセイ形式を採用する場合は、抗原Ag(捕捉物質の一例)が微細貫通孔Tの内側面Yに固定された後、一次抗体Ab1、二次抗体Ab2が順に微細貫通孔T内に導入される。この形式によれば、検査対象である液体試料中に一次抗体Ab1(被検出物質の一例)が含有されている可能性が有る場合に、その一次抗体Ab1の含有の有無又は含有量を分析することができる。
ブリッジングイムノアッセイ形式を採用する場合は、抗原Ag(捕捉物質の一例)が微細貫通孔Tの内側面Yに固定された後、一次抗体Ab1、標識物質を有する抗原Agが順に微細貫通孔T内に導入される。この形式によれば、検査対象である液体中の一次抗体Ab1(被検出物質の一例)の有無又は含有量を分析することができる。
<液体試料>
検査対象である液体試料に含まれる被検出物質は特に限定されず、例えば、所定の抗体に対して特異的又は非特異的に結合し得る抗原、所定の抗原に対して特異的又は非特異的に結合し得る抗体、任意の有機化合物、無機化合物、金属等が挙げられる。
前記抗原の種類は特に制限されず、検査の目的に応じて適宜選定される。前記抗原の具体例としては例えば、風邪、肝炎、後天的免疫不全等を惹起するウイルス、細菌等の病原体に由来するタンパク質、ペプチド、核酸、脂質、糖鎖等が挙げられる。
液体試料に含まれ得る被検出物質は1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
<捕捉物質>
微細貫通孔Tの内側面Yに固定する捕捉物質としては、微細貫通孔T内に固定された状態で被検出物質を結合できる(捕捉できる)物質であれば特に限定されず、例えば、抗体、抗原、ペプチド(ペプチドアプタマー)、DNAアプタマー、RNAアプタマー、DNA及びRNA以外の核酸からなるアプタマー、糖鎖、タンパク質、脂質等が挙げられる。
前記捕捉物質は、高分子であってもよいし、低分子であってもよい。ここで、高分子とは、分子量Mwが10000以上である分子をいう。また、前記捕捉物質は、被検出物質を特異的に結合してもよいし、被検出物質を非特異的に検出してもよい。これらの捕捉物質の中でも、被検出物質に対する特異性が高い(被検出物質を特異的に結合可能な)物質が好ましい。
微細貫通孔Tの内側面Yに固定する捕捉物質は1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
<捕捉物質の固定方法>
微細貫通孔Tの内側面Yに抗体、抗原、及びその他のタンパク質、ペプチド、核酸、脂質、糖鎖等の捕捉物質を固定する方法は公知方法が適用可能である。例えば、任意の抗原Agが含まれた溶液を清浄な内側面Yを有する微細貫通孔Tに流入させると、抗原Agを内側面Yに吸着させて、抗原Agと内側面Yの物理化学的な相互作用(例えば分子間力)により固定することができる。その後、必要に応じて、その他の物質が非特異的に内側面Yに吸着することを防ぐために、いわゆるブロッキング処理を内側面Yに施すことが好ましい。また、抗原Agを吸着させたくない箇所が流路内にある場合には、当該箇所の撥水性を高めるコーティング等の表面処理を予め施しておくことにより、不要な吸着を防ぐことができる。
前記捕捉物質を間接的に内側面Yに固定する方法を採用してもよい。例えば、前記捕捉物質と内側面Yを連結し得るリンカー物質を介して固定してもよい。リンカー物質を予め内側面Yに固定し、その後、前記捕捉物質を前記リンカー物質に結合させてもよい。また、リンカー物質と前記捕捉物質とが結合した複合体を予め準備し、この複合体を内側面Yに固定してもよい。
前記リンカー物質としては、例えば、前記捕捉物質を担持可能な微粒子が挙げられる。
前記微粒子の材料は特に制限されず、例えば、合成樹脂、シリカ、前記合成樹脂以外の重合体等が挙げられる。前記合成樹脂の種類は特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル、ラテックス等が挙げられる。前記合成樹脂以外の重合体としては、例えばセルロースが挙げられる。
前記微粒子の平均粒径は、微細貫通孔T内に流入させることが可能な粒径であれば特に限定されず、例えば1nm〜1000μm程度が好ましい。
前記微粒子は、その表面が清浄であれば多様な物質をその表面に吸着することが可能であり、微細貫通孔Tの内側面Yに対しても容易に吸着する。よって、前記微粒子と前記捕捉物質とを接触させることにより両者を結合することができる。また、前記微粒子と微細貫通孔Tの内側面Yとを接触させることにより両者を結合することができる。このような微粒子に対する物質の吸着は公知である。
前記捕捉物質が抗体である場合、前記リンカー物質としてプロテインAを使用することが好ましい。プロテインAは、一般的な抗体に対して高い特異性で結合するタンパク質である。例えば、プロテインAを微細貫通孔Tの内側面Yに非特異的に固定して、その後、プロテインAに対して前記捕捉物質としての抗体を結合することにより、前記捕捉物質を内側面Yに間接的に固定することができる。
<マイクロ流体デバイス>
本発明にかかる検査デバイスの製造方法において使用可能なマイクロ流体デバイスの例として、以下に、マイクロ流体デバイス10,20,30,40の構成を説明する。
図1に示すマイクロ流体デバイス10を構成する複数の微細貫通孔Tは、それぞれ第1空間部S1を構成する第1内壁面w1に開口する第一の開口部Taと、第2空間部S2を構成する第2内壁面w2に開口する第二の開口部Tbとを有する。各微細貫通孔Tは、マイクロ流体デバイス10を構成する本体部4に内在して第一の流路を形成する第1空間部S1と、本体部4に内在して第二の流路を形成する第2空間部S2とを空間的に連結している(連通している)。つまり、各微細貫通孔Tの第一の端部が第一の開口部Taを構成し、各微細貫通孔Tの第二の端部が第二の開口部Tbを構成している。
本体部4に内在する第1空間部S1は、本体部4が有する第1内壁面w1によって形成されている。第1空間部S1は本体部4の表面の任意の箇所に少なくとも2つの開口部を有する。何れかの開口部から任意の液体Qを注入すると、第1空間部S1内に液体Qが導入される。その後、所望のタイミングで第1空間部S1内の液体Qを何れかの開口部から排出する。第1空間部S1における液体Qの導入及び排出を制御するために、マイクロ流体デバイス10にポンプ又はバルブが取り付けられてもよい。
第1空間部S1の形状は、第一の開口部Taが開口する第1内壁面w1を有する形状であれば特に限定されず、例えば、公知の流体デバイスを構成する流路と同じ形状であってもよいし、立方体、直方体、球、回転楕円体等の任意の立体形状であってもよい。第1空間部S1の形状が長手方向を有する形状である場合、その長手方向に直交する断面の形状は矩形、円形、楕円形等の任意の形状でよい。前記断面の断面積は特に限定されず、例えば、1mm〜400mm程度が好ましい。この範囲であると、第1空間部S1に開口する各微細貫通孔T内に対して、穏やか且つ確実に、液体Qが流入し得る。
第2空間部S2の形状及びサイズは、第1空間部S1と同じであってもよいし、異なっていてもよい。第2空間部S2が構成する第二の流路の経路と、第1空間部S1が構成する第一の流路の経路とは互いに異なるが、両方の経路の一部が重複したり交差したりしても構わない。各流路における液体Qの流れの制御は、公知方法で行えばよく、例えば流路上に設けられたバルブ又はポンプ(不図示)によって制御することができる。その他の第2空間部S2に関する説明は、上記の第1空間部S1の説明と同様であるため省略する。
微細貫通孔Tの孔径、すなわち微細貫通孔Tの長手方向に直交する断面の直径又は長径(最大径)は、上記毛細管力による液体Qの流入及び上記自動的な液体Qの流出が容易になるため、第一の開口部Taから第二の開口部Tbまで均一であることが好ましい。前記孔径は、前述した様に1nm〜1000μm程度の範囲であることが好ましい。この範囲であると、上記毛細管力による液体Qの流入及び上記自動的な液体Qの流出が、穏やか且つ確実に行われ得る。
微細貫通孔Tの第一の開口部Ta及び第二の開口部Tbの形状(微細貫通孔Tの両端部が第1内壁面w1及び第2内壁面w2にそれぞれ形成する縁の輪郭)は、上記毛細管力による液体Qの流入及び上記自動的な液体Qの流出が起こることを妨げる形状でなければ特に制限されない。上記流入及び流出がより容易に起きるため、第一の開口部Ta及び第二の開口部Tbの形状は、これら開口部Ta,Tbを両端に有する微細貫通孔Tの長手方向に直交する断面の形状と同じであることが好ましい。
微細貫通孔Tの第一の開口部Taと第二の開口部Tbの形状は互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、マイクロ流体デバイス10の様に、微細貫通孔Tがデバイス内に複数備えられている場合には、各微細貫通孔Tの長手方向に直交する断面の形状、及び各微細貫通孔Tの開口部Ta、Tbの形状は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
マイクロ流体デバイスが有する複数の微細貫通孔Tを図6AのA−A’方向で切断したときの各微細貫通孔Tの断面形状の具体例を次に示す。図6Bは楕円形状の断面を有する複数の微細貫通孔Tが直線的に配列された例であり、図6Cは矩形状の断面を有する複数の微細貫通孔Tが直線的に配列された例であり、図6Dは楕円形状の断面を有する複数の微細貫通孔Tが三本の直線状に配列された例であり、図6Eは図6Bよりも扁平で長径の方向が異なる楕円形状の断面を有する複数の微細貫通孔Tが直線的に配列された例である。マイクロ流体デバイスに備えられた複数の微細貫通孔Tは、互いに同じ断面形状を有していてもよいし、異なる断面形状を有していてもよい。
微細貫通孔Tの長手方向の長さは、上記毛細管力による液体Qの流入及び上記自動的な液体Qの流出が起こる長さであれば特に制限されず、例えば0.5mm〜15mm程度が好ましい。この範囲であると、微細貫通孔Tにおける液体Qの流入及び流出を、穏やか且つ確実に起こすことができる。
マイクロ流体デバイス10に備えられた微細貫通孔Tが複数である場合、各微細貫通孔T同士の距離(離間距離)及び各微細貫通孔Tの開口部Ta,Tb同士の距離(離間距離)は特に制限されず、例えば1μm〜100μm程度が好ましい。各微細貫通孔Tの長手方向に沿う中心軸線の方向(中心軸が指す方向)は、互いに平行であってもよいし、非平行であってもよい。
マイクロ流体デバイス10の本体部4において、微細貫通孔Tが連通する第1空間部S1及び第2空間部S2は、二つの平行な流路を形成している。各流路において、微細貫通孔Tの長手方向に沿う中心軸線が各流路を通過する方向の流路径は特に限定されないが、各流路から微細貫通孔T内へ液体が流入し易くなる観点から、0.5mm〜20mm程度が好ましい。
前記各流路の長手方向に沿う中心軸線と、各微細貫通孔Tの長手方向に沿う中心軸線との「なす角」は特に制限されず、90度であってもよいし、鈍角であってもよいし、鋭角であってもよい。前記なす角が特に制限されない理由は、各微細貫通孔Tにおける液体Qの流入及び流出に対して支配的な力は、上記毛細管力、及び、各第一の開口部Ta周辺の第1空間部S1を構成する第1内壁面w1において形成される液体Qからなる膜Mの移動(乾燥)の際に発生する張力であり、上記なす角の寄与は小さいからである。
マイクロ流体デバイス10においては、第1空間部S1及び第2空間部S2を構成する第1内壁面w1及び第2内壁面w2、並びに複数の微細貫通孔Tを構成する内側面Yが、本体部4を構成する基材(基板)に含まれている。
次に、マイクロ流体デバイス10の変形例として、マイクロ流体デバイス20(図7参照)、マイクロ流体デバイス30(図8参照)を説明する。
マイクロ流体デバイス20,30を使用して、前述したマイクロ流体デバイス10と同様に、流入ステップ、排出ステップ及び流出ステップによって送液することができる。
したがって、マイクロ流体デバイス10を使用して検査デバイス10’を製造する方法と同様に、前述した送液方法(1)により、マイクロ流体デバイス20,30を使用して検査デバイス20’,30’を製造することができる。
図7に示すマイクロ流体デバイス20は、第1空間部S1を構成する第1内壁面w1及び第2空間部S2を構成する第2内壁面w2を含む本体部4と、第1空間部S1に面して開口する第一の開口部Ta及び第2空間部S2に面して開口する第二の開口部Tbを有し、第1空間部S1と第2空間部S2を空間的に連結する(連通する)一つ以上の微細貫通孔Tを構成する内側面Yを含む副本体部5(チップ)と、を備えている。
マイクロ流体デバイス20においては、副本体部5が本体部4の内部に設置されている。副本体部5の第一の表面5uは、本体部4の第1内壁面w1と一体化して第1空間部S1を構成している。副本体部5に含まれる各微細貫通孔Tの第一の開口部Taは、第1空間部S1に面するように第一の表面5uに開口している。同様に、副本体部5の第二の表面5vは、本体部4の第2内壁面w2と一体化して第2空間部S2を構成している。副本体部5に含まれる各微細貫通孔Tの第二の開口部Tbは、第2空間部S2に面するように第二の表面5vに開口している。
図8に示すマイクロ流体デバイス30は、第1空間部S1を構成する第1内壁面w1及び第2空間部S2を構成する第2内壁面w2を含む本体部4と、第1空間部S1を構成する第1副内壁面ww1及び第2空間部S2を構成する第2副内壁面ww2を含み、更に、第1副内壁面ww1に開口する第一の開口部Ta及び第2副内壁面ww2に開口する第二の開口部Tbを有し、第1空間部S1と第2空間部S2を空間的に連結する(連通する)一つ以上の微細貫通孔Tを構成する内側面Yを含む副本体部5(チップ)と、を備えている。
マイクロ流体デバイス30においては、副本体部5が本体部4の内部に設置されている。副本体部5の第1副内壁面ww1は、本体部4の第1内壁面w1に接続されて、全体として一つの第1空間部S1を形成している。副本体部5に含まれる各微細貫通孔Tの第一の開口部Taは、第1空間部S1に面するように第1副内壁面ww1に開口している。同様に、副本体部5の第2副内壁面ww2は、本体部4の第2内壁面w2に接続されて、全体として一つの第2空間部S2を形成している。副本体部5に含まれる各微細貫通孔Tの第二の開口部Tbは、第2空間部S2に面するように第2副内壁面ww2に開口している。
マイクロ流体デバイス20,30を構成する副本体部5(チップ)は、本体部4から取り外すこと及び本体部4に取り付けることが可能なように設置されていてもよいし、本体部4から取り外すことができないように接着又は接合された状態で設置されていてもよい。
副本体部5を構成する基体の形状は、本体部4に設置可能な形状であれば特に限定されない。前記基体の形状としては、例えば直方体、立方体等の箱型形状(チップ形状)が挙げられる。前記基体の材料は特に限定されず、本体部4を構成する基体の材料と同じ材料が適用可能である。
本体部4又は副本体部5を構成する基体に、微細貫通孔T、第1空間部S1及び第2空間部S2を形成する方法は特に限定されず、公知の微細加工技術を適用できる。マイクロ流体デバイス10の製造方法を代表例として、後で詳述する。
以上で説明したマイクロ流体デバイス10,20,30は、2つの空間部S1、S2を備えたデバイスである。
以下に、3つ以上の空間部を備えたマイクロ流体デバイス40を、図9を参照して例示する。
マイクロ流体デバイス40は、第1空間部S1を構成する第1内壁面w1と、第2空間部S2を構成する第2内壁面w2と、・・・第n空間部Snを構成する第n内壁面wnと、の合計n個の内壁面を含む。前記「n」は3以上の整数(序数)を表す。
さらに、マイクロ流体デバイス40は、第1内壁面w1に開口する第一の開口部Ta及び第2内壁面w2に開口する第二の開口部Tbを有し、第1空間部S1と第2空間部S2を空間的に連結する一つ以上の微細貫通孔Tを構成する第1内側面Y1と、・・・第1内壁面w1に開口する第一の開口部Ta及び第n内壁面wnに開口する第二の開口部Tbを有し、第1空間部S1と第n空間部Snを空間的に連結する(連通する)一つ以上の微細貫通孔Tを構成する第(n−1)内側面Y(n−1)と、の合計(n−1)個の内側面を含む。1つの内側面は1本以上の微細貫通孔を構成する。前記「n」は3以上の整数(序数)を表す。
ここで、「第1空間部S1を構成する第1内壁面w1と、第2空間部S2を構成する第2内壁面w2と、・・・第n空間部Snを構成する第n内壁面wn」の表記における「・・・」は、第3空間部S3を構成する第3内壁面w3、第4空間部S4を構成する第4内壁面w4、第5空間部S5を構成する第5内壁面w5、・・・の順序で、任意のn個の空間部が繰り返されることを表す。前記「n」は3以上の整数(序数)を表し、図9においてはn=5の場合を例示している。
同様に、「・・・第1内壁面w1に開口する第一の開口部Ta及び第n内壁面に開口する第二の開口部Tbを有し、第1空間部S1と第n空間部Snを空間的に連結する(連通する)一つ以上の微細貫通孔Tを構成する第(n−1)内側面Y(n−1)と、」の表記における「・・・」は、
第1内壁面w1に開口する第一の開口部Ta及び第3内壁面に開口する第二の開口部Tbを有し、第1空間部S1と第3空間部S3を空間的に連結する(連通する)一つ以上の微細貫通孔Tを構成する第2内側面Y2と、
第1内壁面w1に開口する第一の開口部Ta及び第4内壁面に開口する第二の開口部Tbを有し、第1空間部S1と第4空間部S4を空間的に連結する(連通する)一つ以上の微細貫通孔Tを構成する第3内側面Y3と、・・・
の順序で、任意の(n−1)個の内側面が繰り返されることを表す。前記「n」は3以上の整数(序数)を表し、第n空間部Snにおける「n」と同一の整数である。よって、図9においてはn=5の場合を例示している。
マイクロ流体デバイス40は、第1空間部S1と第2空間部S2を連通する一つ以上の微細貫通孔Tからなる第1微小空間群G1、第1空間部S1と第3空間部S3を連通する一つ以上の微細貫通孔Tからなる第2微小空間群G2、・・・第1空間部S1と第n空間部Snを連通する一つ以上の微細貫通孔Tの第(n−1)微小空間群G(n−1)を有する。ここでも、「・・・」の表記は前述と同様の順序で、任意の(n−1)個の微小空間群が繰り返されることを表す。前記「n」は3以上の整数(序数)を表し、第n空間部Snにおける「n」と同一の整数である。よって、図9においてはn=5の場合を例示している。
<送液方法(2)>
マイクロ流体デバイス40における第一の送液方法(送液方法(2))は、前述したマイクロ流体デバイス10等と同様に、流入ステップ、排出ステップ及び流出ステップによって実施することができる。
第一の送液方法において、流入ステップは、第1空間部S1に液体Qを導入するとともに、第1空間部S1に開口し、第1微小空間群G1を構成する各微細貫通孔Tの第一の開口部Ta、・・・及び第1空間部S1に開口し、第(n−1)微小空間群G(n−1)を構成する各微細貫通孔Tの第一の開口部Taから、毛細管現象により各微細貫通孔T内に液体Qの一部をそれぞれ流入させるステップである。排出ステップは、各微細貫通孔T内に流入された前記一部の液体Qを残したまま、第1空間部S1から液体Qを排出するステップである。流出ステップは、前記排出後、各微細貫通孔Tの第一の開口部Taから、各微細貫通孔T内の液体Qを第1空間部S1へ自動的に流出させるステップである。なお、nは3以上の整数(序数)を表す。
第一の送液方法においては、マイクロ流体デバイス40が有する第1微小空間群〜第(n−1)微小空間群を構成する各微細貫通孔Tの第一の開口部Taが共通に開口している第1空間部S1に、液体Qを導入することによって、第1微小空間群〜第(n−1)微小空間群の各微細貫通孔Tに同一の液体Qを流入し、その後流出させている。
<検査デバイスの製造方法の第二実施形態>
前述した送液方法(2)の液体Qとして、微細貫通孔の内側面を加工する液体(加工用液体)を使用することにより、マイクロ流体デバイス40を材料として検査デバイス40’を製造することができる。
第二実施形態の検査デバイスの製造方法においては、加工用液体として、検査対象である液体試料に含まれ得る被検出物質に対して結合可能な捕捉物質が含まれた液体を使用する。この加工用液体をマイクロ流体デバイス40の第1空間部S1に導入し、微細貫通孔Tの各々が有する第一の開口部Taから、毛細管現象により各微細貫通孔T内に加工用液体の一部を流入させて、各微細貫通孔Tを構成する各内側面に前記捕捉物質を固定した後、第1空間部S1から加工用液体を排出し、続いて、加工用液体の排出の際に各微細貫通孔T内に一時的に残留した前記一部の加工用液体を、各微細貫通孔Tの第一の開口部Taから第1空間部S1へ自動的に流出させる。
第二実施形態の検査デバイスの製造方法によれば、第一実施形態の検査デバイスの製造方法と同様の効果が奏される。すなわち、第二実施形態の検査デバイスの製造方法においては、毛細管現象によって穏やかに加工用液体を流入し、その後、第1空間部S1の排出に伴って自発的に起きる流れを利用して、穏やかに各微細貫通孔Tから加工用液体を自然に流出させているため、前記捕捉物質が各微細貫通孔の内側面から剥がれる恐れは殆どない。つまり、第二実施形態の検査デバイスの製造方法によれば、従来方法より確実に、前記捕捉物質を各微細貫通孔Tの内側面Yに固定することができる。
第二実施形態の製造方法によって製造された検査デバイス40’においては、各微小空間群G1〜G(n−1)のそれぞれに対して独立に、種々の互いに異なる液体を流入させたり流出させたりすることができる。よって、検査デバイス40’に備えられた各微小空間群における微細貫通孔Tを独立した反応場として使用することができる。
<送液方法(3)>
前述の第一の送液方法(送液方法(2))とは異なる第二の送液方法(送液方法(3))として、第1微小空間群〜第(n−1)微小空間群のそれぞれの群に対して、異なる液体を流入及び流出させることも可能である。
マイクロ流体デバイス40における第二の送液方法(送液方法(3))は、前述の流入ステップ、排出ステップ及び流出ステップの一部を変更して実施される。第二の送液方法においては、各微細貫通孔Tが有する第二の開口部Tbから液体Qを流入する。
マイクロ流体デバイス40における各微細貫通孔Tの第二の開口部Tbは、第2空間部〜第n空間部の何れかにそれぞれ開口している。これら各空間部に第1液体〜第(n−1)液体をそれぞれ導入すると、これら各液体が、第2空間部〜第n空間部に開口する各微細貫通孔T、すなわち第1微小空間群〜第(n−1)微小空間群、の内部に毛細管力によって流入する。各空間部における各液体の導入及び排出は、それぞれ独立に制御することができるため、第2空間部〜第n空間部に開口する各微細貫通孔Tに対して、個別の液体を、所望のタイミングで、それぞれ独立に流入させたり流出させたりすることができる。
以下に、第二の送液方法(送液方法(3))を具体的に詳述する。
マイクロ流体デバイス40を使用した第二の送液方法においては、第1微小空間群〜第(n−1)微小空間群の各群がそれぞれ独立に、流入ステップ、排出ステップ及び流出ステップを行う。その流入ステップにおいては、各群を構成する各微細貫通孔Tの第二の開口部Tbが群ごとに個別に開口する、第2空間部S2〜第n空間部Snのそれぞれに対して所望の液体を導入する。
第1微小空間群G1を構成する各微細貫通孔Tに所定の液体Aを流入及び流出させる際には、第2空間部S2において液体Aを導入及び排出すればよい。この第1微小空間群G1における液体Aの流入及び流出とは独立に、第(n−1)微小空間群G(n−1)に液体Bを流入及び流出させる際には、第n空間部Snに液体Bを導入し、その後排出すればよい。
第2空間部S2に導入された液体Aの一部は、第1微小空間群G1を構成する各微細貫通孔Tの第二の開口部Tbから各微細貫通孔T内に流入する。次いで、第2空間部S2から液体Aを排出すると、第1微小空間群G1を構成する各微細貫通孔T内に一時的に残留した液体Aの一部が第二の開口部Tbから第2空間部S2へ流出する。
第n空間部Snに導入された液体Bの、第(n−1)微小空間群G(n−1)における流入及び流出についても、第2空間部S2に導入された液体Aの場合と同様である。
つまり、第二の送液方法は、本体部4と、本体部4に内在する第1空間部S1、第2空間部S2、・・・及び第n空間部Sn(nは3以上の整数を表す。)と、本体部4に内在し、第1空間部S1と第2空間部S2を連通する一本以上の微細貫通孔Tからなる第1微小空間群G1、・・・及び第1空間部S1と第n空間部Snを連通する一本以上の微細貫通孔Tからなる第(n−1)微小空間群G(n−1)と、を備えたマイクロ流体デバイス40を使用して、以下で説明するように、第1微小空間群G1における送液、・・・、第(n−1)微小空間群G(n−1)における送液をそれぞれ独立に行う送液方法である。
ここでも、「・・・」の表記は前述と同様の順序で、任意の(n−1)個の微小空間群が繰り返されることを表す。前記「n」は3以上の整数(序数)を表し、第n空間部Snにおける「n」と同一の整数である。よって、図9においてはn=5の場合を例示している。
第1微小空間群G1における送液は、第2空間部S2に第1の液体を導入するとともに、第2空間部S2に開口する第1微小空間群G1を構成する各微細貫通孔Tの第二の開口部Tbから、毛細管現象により各微細貫通孔T内に前記液体の一部を流入させる流入ステップと、第1微小空間群G1を構成する各微細貫通孔T内に流入された前記一部の液体を残したまま、第2空間部S2から前記液体を排出する排出ステップと、前記排出後、第1微小空間群G1を構成する各微細貫通孔Tの第二の開口部Tbから、各微細貫通孔T内の液体を第2空間部S2へ自動的に流出させる流出ステップと、を有する。
第(n−1)微小空間群G(n−1)における送液は、第n空間部Snに第(n−1)の液体を導入するとともに、第n空間部Snに開口する第(n−1)微小空間群G(n−1)を構成する各微細貫通孔Tの第二の開口部Tbから、毛細管現象により各微細貫通孔T内に前記液体の一部を流入させる流入ステップと、第(n−1)微小空間群G(n−1)を構成する各微細貫通孔T内に流入された前記一部の液体を残したまま、第n空間部Snから前記液体を排出する排出ステップと、前記排出後、第(n−1)微小空間群G(n−1)を構成する各微細貫通孔Tの第二の開口部Tbから、各微細貫通孔T内の液体を第n空間部Snへ自動的に流出させる流出ステップと、を有する。
マイクロ流体デバイス40を使用した第二の送液方法においては、各群に対してそれぞれ独立に、同一の液体を送液してもよいし、異なる液体を送液してもよい。
<検査デバイスの製造方法の第三実施形態>
前述した送液方法(3)の液体Qとして、微細貫通孔の内側面を加工する液体(加工用液体)を使用することにより、マイクロ流体デバイス40を材料として検査デバイス40”を製造することができる。
第三実施形態の検査デバイスの製造方法においては、加工用液体として、検査対象である液体試料に含まれ得る被検出物質に対して結合可能な捕捉物質がそれぞれ含まれた第1液体〜第(n−1)液体を使用する。
第三実施形態の検査デバイスの製造方法は、第1操作〜第(n−1)操作を有する。ここで、nは3以上の整数であり、マイクロ流体デバイス40が有する「第n空間部」における「n」と同じ整数である。
第1操作は、検査対象である液体試料に含まれ得る被検出物質に対して結合可能な第1捕捉物質が含まれた第1液体を、第2空間部S2に導入し、第1内側面Y1によって構成される一本以上の微細貫通孔T(微小空間群G1)が有する各第二の開口部Tbから、毛細管現象により各微細貫通孔T内に第1液体の一部を流入させて、各微細貫通孔Tを構成する第1内側面Y1に第1捕捉物質を固定した後、第2空間部S2から第1液体を排出し、続いて、第1液体の排出の際に各微細貫通孔T内に一時的に残留した前記一部の第1液体を、各微細貫通孔の第二の開口部から第2空間部S2へ自動的に流出させる操作である。
第(n−1)操作は、前記液体試料に含まれ得る被検出物質に対して結合可能な第(n−1)捕捉物質が含まれた第(n−1)液体を、第n空間部Snに導入し、第(n−1)内側面Ynによって構成される一本以上の微細貫通孔T(微小空間群G(n−1))が有する第二の開口部Tbから、毛細管現象により各微細貫通孔T内に第(n−1)液体の一部を流入させて、各微細貫通孔Tを構成する第(n−1)内側面Ynに第(n−1)捕捉物質を固定した後、第n空間部Snから第(n−1)液体を排出し、続いて、第(n−1)液体の排出の際に各微細貫通孔T内に一時的に残留した前記一部の第(n−1)液体を、各微細貫通孔Tの第二の開口部Tbから第n空間部Snへ自動的に流出させる操作である。
第三実施形態の検査デバイスの製造方法においては、(n−1)個の操作を行う。すなわち、第1操作、第2操作、第3操作、第4操作、・・・、及び第(n−1)操作を行う。
ここで、nは、全て同一の3以上の整数(序数)であり、使用するマイクロ流体デバイス40が有する「第n空間部」を表すnと一致する整数である。
上記の各操作は独立に制御可能であるため、各操作を同時に行ってもよいし、個別に所望のタイミングで行ってもよい。
第三実施形態の検査デバイスの製造方法によれば、第一実施形態の検査デバイスの製造方法と同様の効果が奏される。すなわち、第三実施形態の検査デバイスの製造方法においては、第2空間部〜第n空間部に対する加工用液体の導入をそれぞれ独立に制御して、毛細管現象によって穏やかに加工用液体を各微細貫通孔Tに流入することにより、前記捕捉物質を各内側面Ynに効率よく固定することができる。その後、第2空間部〜第n空間部においてそれぞれ独立に制御される加工用液体の排出に伴って自発的に起きる流れを利用して、穏やかに各微細貫通孔Tから加工用液体を自然に流出させることができる。このように、各微細貫通孔Tにおける加工用液体の流入及び流出を穏やかに行うことができるため、各内側面Ynに固定された前記捕捉物質が剥がれる恐れは殆どない。つまり、本実施形態の検査デバイスの製造方法によれば、従来方法より確実に、前記捕捉物質を前記各微細貫通孔Tの内側面に固定することができる。
第三実施形態の製造方法によって製造された検査デバイス40”においては、各微小空間群G1〜G(n−1)のそれぞれに対して独立に、種々の互いに異なる液体を流入させたり流出させたりすることができる。よって、検査デバイス40”に備えられた各微小空間群における微細貫通孔Tを独立した反応場として使用することができる。
<検査デバイス40”の製造と使用例>
検査デバイス40”を使用した第二の送液方法(送液方法(3))においては、各微小空間群G1〜G(n−1)に対してそれぞれ独立に、同一の液体を送液してもよいし、異なる液体を送液してもよい。例えば、各微小空間群G1〜G(n−1)において異なる抗原を検出するELISAを実施することができる。各微小空間群におけるELISAは独立に行うことができるため、複数のELISAを同時並行で実施することも可能である。
検査デバイス40”の製造と使用において、第二の送液方法と第一の送液方法を組み合わせた送液方法を実施してもよい。この送液方法により、各微小空間群の独立性を活かして、効率の良い送液を実現することができる。具体例として、以下のように、検査デバイス40”の製造と使用を連続して行う例が挙げられる。
まず、マイクロ流体デバイス40において、第一の送液方法によって、全ての微小空間群G1〜G(n−1)を構成する微細貫通孔Tに対して一括して、プロテインAを含む溶液を送液する。この送液によって、各微小空間群を構成する各微細貫通孔Tの内側面Y1〜Y(n−1)にプロテインAを吸着させた後、第一の送液方法によって、スキムミルクが含まれた溶液を送液して、全ての微小空間群を構成する各微細貫通孔Tの内側面Y1〜Y(n−1)をブロッキングする。
次に、第二の送液方法によって、各微小空間群に対してそれぞれ独立に、所望の抗原特異性を有する個別の一次抗体を含む溶液を送液する。この送液によって、前記プロテインAと一次抗体が結合して、各微小空間群を構成する各微細貫通孔Tの内側面Y1〜Y(n−1)に個別の一次抗体が固定される。この一次抗体は前記捕捉物質であり、一次抗体が微細貫通孔Tの内側面に固定されたマイクロ流路デバイス40は、検査デバイス40”である。
上記のように製造(作製)された検査デバイス40”において、第一の送液方法によって、全ての微小空間群G1〜G(n−1)を構成する微細貫通孔Tに対して一括して、洗浄液を送液した後、全ての微小空間群に対して一括して、検査対象の液体試料を送液する。この送液によって、液体試料に含まれる被検出物質が、各微小空間群の各微細貫通孔Tに固定された捕捉物質である一次抗体に結合し得る。続いて、第一の送液方法によって、全ての微小空間群に対して一括して、標識物質が結合された二次抗体を含む溶液を送液する。この送液によって、各微小空間群の各微細貫通孔T内において、一次抗体−被検出物質−二次抗体からなる三者複合体が形成され得る。その後、二次抗体に結合された標識物質を検出又は測定することにより、各微小空間群において、それぞれ独立したELISAを実施することができる。
《マイクロ流体デバイスの製造方法》
前述したマイクロ流体デバイスは公知の微細加工技術を適用することにより製造することができる。
マイクロ流体デバイスの本体部4の材料は特に制限されず、例えば、ガラス、プラスチック(樹脂)、半導体、金属、セラミックス等が挙げられる。本体部4の形状は特に制限されず、本体部4を他のデバイス(例えばポンプ、試薬瓶、廃液溜め等)に接続したり、設置したりすることが容易になるため、立方体、直方体等の箱型の形状であることが好ましい。このような形状の本体部4を「基板」と称する。以下、本体部4が基板によって構成されている場合のマイクロ流体デバイスの製造方法を説明するが、本体部4が基板以外の形状であっても同様に製造することができる。
基板(本体部4)に内在する微細貫通孔Tを形成する方法として、例えば、第一の形成方法と第二の形成方法の2つの形成方法が例示できる。
(第一の形成方法)
第一の形成方法は、図10及び図11に示す様に、第一基板4Aの表面に溝Ya(凹部)を形成し、その表面に第二基板4Bを接合して、溝Yaに天井を形成することにより微細貫通孔Tを形成する方法である。
図10及び図11は、本体部4の微細貫通孔Tを含む要部を拡大した模式的な断面図である。本体部4は、第一基板4Aと第二基板4Bを接合してなる。微細貫通孔Tは、両基板の界面に形成されている。図10の場合は、断面が矩形状の微細貫通孔Tを1つ形成した場合である。図11の場合は、断面が矩形状の微細貫通孔Tを複数形成した場合である。
図11に示す様に、溝Yaの高さH1が、隣接する微細貫通孔T同士の離間距離L2よりも大きい場合(H1>L2の場合)、各微細貫通孔Tの表面積(微細貫通孔を構成する内側面の面積)の合計は、図10に示した一つの大きな微細貫通孔Tの表面積(微細貫通孔を構成する内側面の面積)よりも大きくなる。したがって、本体部4に内在される微細貫通孔Tが有する表面積、すなわち液体Qと微細貫通孔Tを構成する内側面との接触面積、を増やしたい場合は、図11の様に微細貫通孔Tを複数形成すればよい。前記表面積(接触面積)を更に増やすためには、各微細貫通孔Tのアスペクト比(高さH1/底辺L1)を1より大きくすればよい。アスペクト比を大きくする程、前記表面積を増やすことができる。
第一基板4Aに溝Yaを形成する方法として、第一基板4Aの材料に応じて種々の公知方法が挙げられる。
第一基板4Aとして樹脂基板を使用する場合には、例えば、ソフトリソグラフィ技術によって作製した微細なパターンを転写して形成するモールディング、ナノインプリント、射出成形などの公知方法を適宜組み合わせる形成方法が挙げられる。
第一基板4Aとしてガラス基板を使用する場合には、例えば、フォトリソグラフ、レーザー加工、機械加工、ドライエッチング、ウェットエッチングなどの公知方法を適宜組み合わせる方法が挙げられる。ナノスケールの溝Yaを形成する場合には、短パルスレーザー加工による基板改質とウェットエッチングの組み合わせが好ましい。
第一基板4Aと第二基板4Bとを接合する方法としては、例えば、接着剤によって接着する方法、陽極接合法、自己溶着法、表面改質を併用した低温圧着法等の公知方法が挙げられる。
第一基板4Aと第二基板4Bの材質は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。具体的には、両基板ともガラス基板であってもよいし、ガラス基板とシリコン基板との組み合わせであってもよいし、ガラス基板とプラスチック基板との組み合わせであってもよいし、両基板とも樹脂基板であってもよい。
プラスチック基板の種類は特に限定されず、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PS(ポリスチレン)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、AS(アクリロニトリルスチレン)樹脂、PC(ポリカーボネート)、PLA(ポリ乳酸)等が挙げられる。ガラス基板を構成するガラスの種類も特に限定されず、例えば、石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス等が挙げられる。
(第二の形成方法)
第二の形成方法は、図12、図13及び図14に示す様に、第一基板4Cの内部に微細貫通孔Tを直接的に形成する方法である。基板の内部に短パルスレーザー光の焦点(集光部)を結び、基板内に微細貫通孔Tを形成する部位を走査することにより、その走査した部位(改質部)のエッチング耐性を弱める様に改質する。その後、ウェットエッチングによって基板内から改質部を除去することにより、基板内部に微細貫通孔Tを形成することができる。
図12、図13及び図14は、本体部4に形成された複数の微細貫通孔Tを含む要部の模式的な断面図である。本体部4は、単一の基板4Cによって構成されている。微細貫通孔Tは、基板4Cの内部に形成されている。
図12の場合は、複数の楕円状の断面を有する微細貫通孔Tが、基板厚さ方向Kと直交する方向(基板の平面方向)に一列で配列した場合である。前記楕円の長径は基板厚さ方向Kに沿っているため、前記断面が真円である場合よりも、基板の平面方向における微細貫通孔Tの集積密度を高めることができる。集積密度を高めることにより、単位体積当たりの計測サンプル数が増加するため、測定精度が向上し得る。
図13の場合は、複数の楕円状の断面を有する微細貫通孔Tが、基板厚さ方向Kと直交する方向(基板の平面方向)に二列で配列した場合である。図において上段に配列された微細貫通孔Tと下段に配列された微細貫通孔Tとは、基板の厚み方向Kに見て互いに重ならない様に配列している。このように配列することにより、各微細貫通孔Tを基板厚さ方向Kに観察する際の容易さを損なうことなく、複数の微細貫通孔Tの集積密度を高めることができる。
図14の場合は、複数の楕円状の断面を有する微細貫通孔Tが、基板厚さ方向Kに一列で配列した場合である。このように配列すると、微細貫通孔Tの長径が基板平面方向に沿っている(微細貫通孔Tの短径が基板厚さ方向Kに沿っている)ため、基板厚み方向Kに沿って光(例えば、励起光、内部を観察するためのバックライト等)を微細貫通孔Tに照射した際、その照射光が屈折され難く、照射光を透過させ易い。したがって、微細貫通孔Tの内部に光を照射し易く、微細貫通孔T内部における発光を基板の厚み方向Kから観察し易い。
(第二の形成方法の具体例)
本具体例においては、フェムト秒レーザーであるチタンサファイアレーザー光を発生する装置を使用するが、他の種類のレーザー光を発生する装置を使用しても構わない。
まず、精密ステージに設置した石英ガラス基板の第一面からレーザー光を基板内部に入射させ、レーザー光の焦点を基板内部の所定位置に結び、レーザー光の伝搬方向(光軸)に対して垂直の方向にレーザー光の焦点を走査する。この際、走査方向に対してレーザー偏波が垂直であると、ナノオーダー(例えば10nm〜500nm程度)の短径を有する微細貫通孔Tを容易に形成することができる。また、レーザー光の照射強度は、加工下限閾値以上且つ加工上限閾値未満に設定されることが好ましい。最適な照射強度は、予め同じ種類の石英ガラス基板を用いて調べておくことが好ましい。
一例として、例えば以下の照射条件が挙げられる。
・波長(中心波長)=800nm、スペクトル幅=10nm(±5nm)、パルス時間幅=〜250fs、対物レンズの開口数(N.A.)=0.5、偏波=直線偏波、光軸と走査方向とのなす角度=約90度
・ピーク強度(1パルス当りのレーザーフルエンス/パルス時間幅)=9TW/cm
・走査速度(μm/sec)=1,000μm/sec、繰り返し周波数(kHz)=200kHz
・1パルス毎の焦点が重なるようにシフトさせながら一定の速度で走査
上記のように石英基板に対してレーザー光を照射することにより、レーザー光の焦点及びその周辺を含む集光部が走査した領域に、エッチング耐性が低下した改質部が形成される。例えば、基板表面に対して略平行に延在し、その延在する方向に対して直交方向の断面の形状が楕円形(略矩形)である改質部を形成することができる。一例として、長径(縦の長さ)(基板厚み方向Kの長さ)が約5μmであり、短径(横の長さ)(基板平面方向の長さ)が約30nmである改質部を形成することができる。このようなレーザー加工によって、互いに平行に並んだ複数の改質部を形成することができる。
次に、各改質部の両端が表面に露出した石英基板を、フッ酸又は水酸化カリウム水溶液に浸漬してエッチングを行う。このエッチングにおいて、各改質部の両端から各改質部の内部にエッチング溶液が浸透し、各改質部が石英基板内から除去される。この結果、石英基板を貫通する複数の微細貫通孔Tを形成することができる。一例として、両端部が石英基板の表面に開口し、長手方向に対して直交する方向の断面の形状が楕円形(略矩形)であり、長径(縦の長さ)(基板厚み方向Kの長さ)が約5.5μmであり、短径(横の長さ)(基板平面方向の長さ)が約300nmである微細貫通孔を形成することができる。
石英基板に改質部を形成した際に、その改質部の両端部が基板表面に露出していない場合には、エッチングの前に、フォトリソグラフ、研削、研磨等の方法により、改質部の両端部が基板表面に露出するように予備加工すればよい。
以上で説明した各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはなく、請求項(クレーム)の範囲によってのみ限定される。
本発明にかかる検査デバイスの製造方法は、医療検査の分野等に広く利用することができる。
10,20,30,40…マイクロ流体デバイス、S1…第1空間部、S2…第2空間部、S3…第3空間部、S4…第4空間部、S5…第5空間部、w1…第1内壁面、w2…第2内壁面、w3…第3内壁面、w4…第4内壁面、w5…第5内壁面、Ta…第一の開口部、Tb…第二の開口部、T…微細貫通孔、Y…内側面、4…本体部、5…副本体部、M…液体からなる膜、G1…第1微小空間群、G2…第2微小空間群、G3…第3微小空間群、G4…第4微小空間群、Q…液体、Q1…第一の液体、Q2…第二の液体、Q3…第三の液体、Ab1…一次抗体、Ab2…二次抗体、Ag…抗原、Comp.…三者複合体

Claims (10)

  1. 液体試料を検査するデバイスの製造方法であって、
    第1空間部を構成する第1内壁面と、第2空間部を構成する第2内壁面と、
    前記第1内壁面に開口する第一の開口部及び前記第2内壁面に開口する第二の開口部を有し、前記第1空間部と前記第2空間部を空間的に連結する1本以上の微細貫通孔を構成する内側面と、を備えるマイクロ流体デバイスを使用して、
    前記液体試料に含まれ得る被検出物質に対して結合可能な捕捉物質が含まれた液体を前記第1空間部に導入し、前記第一の開口部から、前記1本以上の微細貫通孔内に前記液体の一部を流入させて、前記1本以上の微細貫通孔を構成する前記内側面に前記捕捉物質を固定した後、
    前記第1空間部から前記液体を排出することによって前記第1内壁面に前記液体からなる膜を形成し、続いて、前記膜の乾燥過程に伴う、前記膜と前記1本以上の微細貫通孔内に一時的に残留した前記一部の液体との張力によって、前記一部の液体を、前記1本以上の微細貫通孔の前記第一の開口部から前記第1空間部へ流出させることを特徴とする検査デバイスの製造方法。
  2. 液体試料を検査するデバイスの製造方法であって、
    第1空間部を構成する第1内壁面、第2空間部を構成する第2内壁面、・・・、及び第n空間部(nは3以上の整数を表す。)を構成する第n内壁面、を含むn個の内壁面と、
    前記第1内壁面に開口する第一の開口部及び前記第2内壁面に開口する第二の開口部を有し、前記第1空間部と前記第2空間部を空間的に連結する1本以上の微細貫通孔を構成する第1内側面、・・・、並びに、前記第1内壁面に開口する第一の開口部及び前記第n内壁面に開口する第二の開口部を有し、前記第1空間部と前記第n空間部を空間的に連結する1本以上の微細貫通孔を構成する第(n−1)内側面、を含む(n−1)個の内側面と、を備えるマイクロ流体デバイスを使用して、
    前記液体試料に含まれ得る被検出物質に対して結合可能な捕捉物質が含まれた液体を前記第1空間部に導入し、前記(n−1)個の内側面によって構成される各微細貫通孔の各々が有する第一の開口部から、各微細貫通孔内に前記液体の一部を流入させて、各微細貫通孔を構成する各内側面に前記捕捉物質を固定した後、
    前記第1空間部から前記液体を排出することによって前記第1内壁面に前記液体からなる膜を形成し、続いて、前記膜の乾燥過程に伴う、前記膜と前記各微細貫通孔内に一時的に残留した前記一部の液体との張力によって、前記一部の液体を、各微細貫通孔の第一の開口部から前記第1空間部へ流出させることを特徴とする検査デバイスの製造方法。
  3. 液体試料を検査するデバイスの製造方法であって、
    第1空間部を構成する第1内壁面と、第2空間部を構成する第2内壁面、・・・、及び第n空間部(nは3以上の整数を表す。)を構成する第n内壁面、を含むn個の内壁面と、
    前記第1内壁面に開口する第一の開口部及び前記第2内壁面に開口する第二の開口部を有し、前記第1空間部と前記第2空間部を空間的に連結する1本以上の微細貫通孔を構成する第1内側面、・・・、並びに、前記第1内壁面に開口する第一の開口部及び前記第n内壁面に開口する第二の開口部を有し、前記第1空間部と前記第n空間部を空間的に連結する1本以上の微細貫通孔を構成する第(n−1)内側面、を含む(n−1)個の内側面と、を備えるマイクロ流体デバイスを使用して、
    前記液体試料に含まれ得る被検出物質に対して結合可能な第1捕捉物質が含まれた第1液体を、前記第2空間部に導入し、前記第1内側面によって構成される前記1本以上の微細貫通孔が有する前記第二の開口部から、前記1本以上の微細貫通孔内に前記第1液体の一部を流入させて、前記1本以上の微細貫通孔を構成する前記第1内側面に前記第1捕捉物質を固定した後、前記第2空間部から前記第1液体を排出することによって前記第2内壁面に前記第1液体からなる膜を形成し、続いて、前記膜の乾燥過程に伴う、前記膜と前記1本以上の微細貫通孔内に一時的に残留した前記一部の第1液体との張力によって、前記一部の第1液体を、前記微細貫通孔の第二の開口部から前記第2空間部へ流出させる操作と、・・・、
    前記液体試料に含まれ得る被検出物質に対して結合可能な第(n−1)捕捉物質が含まれた第(n−1)液体を、前記第n空間部に導入し、前記第(n−1)内側面によって構成される前記1本以上の微細貫通孔が有する前記第二の開口部から、前記1本以上の微細貫通孔内に前記第(n−1)液体の一部を流入させて、前記1本以上の微細貫通孔を構成する前記第(n−1)内側面に前記第(n−1)捕捉物質を固定した後、前記第n空間部から前記第(n−1)液体を排出することによって前記第n内壁面に前記第(n−1)液体からなる膜を形成し、続いて、前記膜の乾燥過程に伴う、前記膜と前記1本以上の微細貫通孔内に一時的に残留した前記一部の第(n−1)液体との張力によって、前記一部の第(n−1)液体を、前記1本以上の微細貫通孔の前記第二の開口部から前記第n空間部へ流出させる操作と、を有すること特徴とする検査デバイスの製造方法。
  4. 前記第1捕捉物質が結合可能な前記被検出物質と、・・・、前記第n捕捉物質が結合可能な前記被検出物質とが、それぞれ互いに異なることを特徴とする請求項3に記載の検査デバイスの製造方法。
  5. 前記第1捕捉物質が結合可能な前記被検出物質、・・・、及び前記第n捕捉物質が結合可能な前記被検出物質からなる被検出物質群の中に、少なくとも1組の同じ被検出物質が含まれることを特徴とする請求項3に記載の検査デバイスの製造方法。
  6. 前記第1捕捉物質が結合可能な前記被検出物質と、・・・、前記第n捕捉物質が結合可能な前記被検出物質とが、全て同じ被検出物質であることを特徴とする請求項3に記載の検査デバイスの製造方法。
  7. 前記捕捉物質が、前記被検出物質に対して特異的又は非特異的に結合する捕捉物質であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の検査デバイスの製造方法。
  8. 前記捕捉物質が高分子であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の検査デバイスの製造方法。
  9. 前記高分子が、抗体、核酸アプタマー、ペプチド、前記抗体を除くタンパク質又は糖鎖であることを特徴とする請求項8に記載の検査デバイスの製造方法。
  10. 前記捕捉物質は、前記高分子が微粒子に担持された構成を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の検査デバイスの製造方法。
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