JP2016148560A - 木質材料の外観分析方法およびそのための外観分析装置 - Google Patents

木質材料の外観分析方法およびそのための外観分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】木質材料の意匠性の評価に資する見えの変化を客観的な指標を用いて評価することができる外観分析方法およびそのための外観分析装置を提供する。
【解決手段】本発明の木質材料の外観分析方法は、木質材料Tの表面の評価対象領域Xを含む撮像区画Aを光源方位角θが異なる撮像条件で撮像した第一画像P1および第二画像P2から、評価対象領域Xの濃淡値G1、G2を画素単位または複数画素の代表値として取得し、第一画像P1の濃淡値G1と第二画像P2の濃淡値G2との相関係数rを算出して、相関係数rを用いて木質材料Tの外観を評価する。
【選択図】図1

Description

本発明は、木質材料の外観分析方法およびそのための外観分析装置に関する。
近年、住宅の床材や壁材などの内装材として使用する木質材料に、自然な木が持つ独特の質感や風合いなどを取り入れて、室内空間の快適性の向上を図る試みが行われるようになってきている。
一般に、木質材料の特徴として、表面に当たる光の量や角度、観察者の視点、光源と観察者との位置関係などによって、その表面の見え方が変化すること(以下、「見えの変化」ともいう。)が知られている。そして、この見えの変化の有無や変化の程度が、木質材料の意匠性に大きく影響する要因のひとつであると考えられている。
従来、木質材料の表面における特徴を抽出する観点からは、撮像手段により撮像した木質材料の表面の画像を、電子計算機を用いて解析する試みが行われている。例えば、特許文献1では、カメラにより撮像したモノクロの濃淡画像を処理して、木質材料の表面の節、割れ、変色などの欠陥を抽出することを可能とする外観検査装置が提案されている。
特許第5086970号公報
しかしながら、特許文献1のように木質材料の製造過程における検査では、画像から抽出した解析値と規定値(標準値)とを比較することを目的としており、意匠性を評価することとは根本的に技術的な着眼点や発想が異なっている。つまり、木質材料の見えの変化は、観察者が感じる美感などとも関連するより繊細な視覚情報であって、一般的な検査で判別しようとする欠陥などとは本質的に対象が異なっており、相容れるものではない。
一方、測色(JIS Z 28722)や鏡面光沢度(JIS Z 8741)などを指標として、木質材料の外観を評価する試みもなされているが、これらはいずれも、局所的な測定に基づいた数値に過ぎない。そのため、これらの指標を木質材料に適用した場合であっても、見えの変化のように一定の面積を有する領域で現れる特徴を捉えるまでには至らない。また、これらの指標と見えの変化との間に何らかの関連性があるといった報告は、これまでのところなされていない。
このように、木質材料の外観、特に、意匠性の評価に資する見えの変化を分析する手法は、現在のところ確立されていないという課題があった。そのため、木質材料について、自然な木の質感や風合いなどの客観的な評価を可能とするような方法が望まれていた。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、木質材料の意匠性の評価に資する見えの変化を客観的な指標を用いて評価することができる外観分析方法およびそのための外観分析装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の木質材料の外観分析方法は、木質材料の表面の評価対象領域を含む撮像区画を光源方位角が異なる撮像条件で撮像した第一画像および第二画像から、前記評価対象領域の濃淡値を画素単位または複数画素の代表値として取得し、前記第一画像と前記第二画像との前記濃淡値の相関係数を算出して、前記相関係数を用いて前記木質材料の外観を評価することを特徴としている。
また、本発明の木質材料の外観分析装置は、
光源と、
木質材料の表面の評価対象領域の木目方向に対する光源方向を変更する光源方位角変更手段と、
前記木質材料の表面の前記評価対象領域を含む撮像区画を光源方位角が異なる撮像条件で撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された第一画像および第二画像から、前記評価対象領域の濃淡値を画素単位または複数画素の代表値として取得する濃淡値取得部と、
前記第一画像と前記第二画像との前記濃淡値の相関係数を算出する算出部と、
前記相関係数を用いて前記木質材料の外観を評価する評価部とを備えることを特徴としている。
本発明によれば、木質材料の意匠性の評価に資する見えの変化を客観的な指標を用いて評価することができる外観分析方法およびそのための外観分析装置が提供される。
本発明の木質材料の外観分析方法の一実施形態を例示した分析装置の模式図である。(a)は、木質材料の表面に関して、垂直方向からの平面視であり、(b)は、木質材料の表面に関して、水平方向からの平面視である。 本発明の木質材料の外観分析方法によって撮像された木質材料の表面の画像の一例である。(a)は、見えの変化がある木質材料の画像例であり、(b)は、見えの変化がほとんどない木質材料の画像例である。 実施例で得られた見えの変化の評価値と、被験者による主観的評価の相関を示すグラフである。 実施例の結果を示すグラフおよび画像である。(a)はオーク材であり、(b)はメイプル材である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ここでは、本発明の実施形態の代表例として、外観分析の対象となる木質材料(以下、「試料」ともいい、記号Tにより表記する。)として床材を想定した場合を例にして説明する。
本実施形態に係る木質材料の外観分析方法は、木質材料の表面の評価対象領域を含む撮像区画を光源方位角が異なる撮像条件で撮像した第一画像および第二画像から、前記評価対象領域の濃淡値を画素単位または複数画素の代表値として取得し、前記第一画像と前記第二画像との前記濃淡値の相関係数を算出して、前記相関係数を用いて前記木質材料の外観を評価する。
本実施形態では、ゴニオフォトメトリー(変角光度分析)に基づいて、木質材料の外観を光学的に分析することを基本的なコンセプトとしている。つまり、本実施形態では、木質材料の表面、光源、観察者の位置関係の変化を実験的に再現するために、観察者に代わるものとして撮像手段を用いて、木質材料の表面の評価対象領域について複数の画像を得る。撮像に際しては、木質材料および撮像手段を固定し、光源の位置を変化させることで光源方位角が異なる撮像条件を設けて、木質材料の表面の評価対象領域を含む撮像区画を撮像する。そして、得られた画像から選択した2つの画像(第一画像および第二画像)から、評価対象領域の濃淡値を画素単位または複数画素の代表値として取得し、当該濃淡値の相関係数を算出して、当該相関係数を用いて木質材料の外観を評価する。
本明細書において、「評価対象領域」とは、木質材料Tの表面の外観分析の対象となる領域を指す。以下、評価対象領域を、記号Xにより表記する。また、「濃淡値取得領域」とは、評価対象領域Xを撮像した画像について、後述する画像処理によって濃淡値を取得する領域を指す。以下、濃淡値取得領域を、記号Yにより表記する。なお、評価対象領域Xと濃淡値取得領域Yとの面積の関係は、X≧Yである。
本明細書において、「撮像区画」とは、後述する撮像手段4によって撮像される区画を指す。以下、撮像区画を、記号Aにより表記する。撮像区画Aの範囲内には、少なくとも、試料Tの評価対象領域Xが含まれる。なお、撮像区画Aと評価対象領域Xとの面積の関係は、A≧Xである。
本明細書において、「光源方位角」とは、木質材料Tの表面を垂直方向から平面視した際に、評価対象領域Xの木目方向(以下、単に「木目方向」ともいう。)と、後述する光源2の中心点と評価対象領域Xの中心点とを結ぶ直線(以下、「光源方向」ともいう。)とが成す角度を指す。以下、光源方位角、木目方向および光源方向を、それぞれ、記号θ、記号αおよび記号βにより表記する。
図1は、本発明の木質材料の外観分析方法の一実施形態を例示した外観分析装置の模式図である。図1(a)は、木質材料の表面に関して垂直方向からの平面視であり、図1(b)は、木質材料の表面に関して水平方向からの平面視である。
図1に示す外観分析装置1は、光源2と、木質材料Tの表面の評価対象領域Xの木目方向αに対する光源方向βを変更する光源方位角変更手段3とを備えている。また、外観分析装置1は、木質材料Tの表面の評価対象領域Xを含む撮像区画Aを光源方位角θが異なる撮像条件で撮像する撮像手段4を備えている。また、外観分析装置1は、撮像手段4により撮像された第一画像および第二画像から、評価対象領域Xの濃淡値を画素単位または複数画素の代表値として取得する濃淡値取得部51と、第一画像の濃淡値と第二画像の濃淡値との相関係数を算出する算出部52と、相関係数を用いて木質材料Tの外観を評価する評価部53とを備えている。
より具体的には、外観分析装置1は、四角形箱型の筐体6を有している。なお、筐体6の形状は、少なくとも、外観分析装置1に試料Tを設置した際に、評価対象領域Xを含む撮像区画Aの輪郭線を侵さないものであれば特に限定されない。
筐体6の対向する一対の側面部61、62には、試料Tの出し入れが可能なように構成された挿入送出部63が形成されている。筐体6の内側の底面部64は、試料Tが設置される試料台の役割を兼ねている。
また、筐体6の内側においては、撮像手段設置部材41が、筐体6の上面部65から鉛直下方に延びており、撮像手段設置部材41の先端に、撮像手段4が取り付けられている。
撮像手段4は、試料Tの評価対象領域Xを含む撮像区画Aを撮像することができるものであれば特に限定されないが、撮像される画像の解像度、処理効率などを考慮して、デジタル方式の撮像手段を用いることが好ましい。例えば、デジタルカメラを用いることができる。なお、撮像手段4の解像度は、試料Tの種類、用いた撮像手段4の機種などに応じて適宜設定することができるが、例えば、0.1mm/pixelを一応の目安とすることができる。また、底面部64から撮像手段4までの距離(撮像距離d)は、評価対象領域Xの範囲に応じて適宜調節される。
また、撮像手段設置部材41には、光源方位角変更手段3が取り付けられている。より具体的には、図1(b)に示すように、撮像手段設置部材41には、筐体6の内側の上面部65から一定の距離を置いた位置から水平方向に延びるアーム部材31が取り付けられている。アーム部材31は、撮像手段設置部材41を回転軸として、筐体6の内部を回転可能とされている。なお、光源方位角θの条件設定をより簡便に行う観点から、図1(b)に示すように、アーム部材31の回転軸が、撮像手段4の撮像レンズの中心点を通るようにすることが好ましく考慮される。
アーム部材31の先端部31aからは、光源設置部材32が鉛直下方に延びており、光源設置部材32の先端には、光源2が取り付けられている。
光源2の種類は特に制限されるものではなく、例えば、点光源、線光源、面光源などを用いることができる。本実施形態では、試料Tの表面の評価対象領域Xに対して狭い角度範囲で光を照射して指向性反射をより効果的に得る観点から、光源2としては、点光源を用いることが好ましい。
なお、底面部64から光源2までの距離(光源高さh)は、試料Tの種類、撮像距離d、光源2の強度などに応じて適宜設定することができるが、例えば、300mm〜1000mmの範囲内を一応の目安とすることができる。
本実施形態では、アーム部材31の長さLは、撮像手段設置部材41を回転軸とした光源2の回転半径に相当する。アーム部材31の長さLは、試料Tの評価対象領域Xの面積範囲、撮像距離d、光源高さhなどを考慮して適宜設定することができるが、図1(b)に示すように、撮像手段4の撮像レンズの中心点から鉛直下方に延ばした仮想線と、この仮想線が試料Tと交差する部分と光源2の中心点とを結んだ仮想線の成す角度(入射角)φが20〜40°の範囲内を一応の目安とすることができる。
本実施形態では、撮像手段設置部材41を回転軸としたアーム部材31の回転により、光源設置部材32の先端に取り付けられた光源2の位置が変化し、これに伴って、木目方向αに対する光源方向βが変化することによって、光源方位角θが変化する。
なお、光源方位角θを変化させるための機構およびそのための装置構成としては、上述の形態に限定されず、光源2の種類、撮像手段4の種類、試料Tのサイズ、評価対象領域Xの面積範囲などに応じて、適宜設計することができる。
図2は、本発明の木質材料の外観分析方法によって撮像された木質材料の表面の画像の一例である。図2(a)は、見えの変化がある木質材料の画像例であり、図2(b)は、見えの変化がほとんどない木質材料の画像例である。
図2において、矢印直線は、試料Tの評価対象領域Xの木目方向αを示し、幅のあるブロック矢印は、光源方向βを示す。
図2(a)の画像例からは、光源方位角θによって、評価対象領域Xの明るさ(濃淡)が異なっていることがわかる。一方、図2(b)の画像例からは、光源方位角θが変化しても、評価対象領域Xの明るさ(濃淡)がほとんど変化していないことがわかる。
このように、外観分析装置1を用いて撮像された画像は、ヒトの肉眼観察においても、光源方位角θが変化することによって評価対象領域Xにおける明るさ(画像の濃淡)が変化していることがわかる。また、図2(a)と図2(b)とを比較した場合には、ヒトの肉眼観察においても、試料Tの種類による見えの変化の違いが、有意な差として認識することができる。従って、試料Tの評価対象領域Xについて得た画像の中から任意の2つの画像を選択して濃淡値を取得し、その相関関係を分析することによって、見えの変化を数値化することができると考えられる。
そこで、本実施形態では、木質材料Tの表面の評価対象領域Xを含む撮像区画Aを光源方位角θが異なる撮像条件で撮像した第一画像および第二画像から、評価対象領域Xの濃淡値を画素単位または複数画素の代表値として取得する。そして、第一画像の濃淡値と第二画像の濃淡値との相関係数を算出して、当該相関係数を用いて木質材料Tの外観(見えの変化)を評価する。
本実施形態では、撮像手段4により撮像された画像は、図1に示す画像処理手段5において画像処理される。
画像処理手段5は、濃淡値取得部51、算出部52および評価部53を主要な構成要素としている。画像処理手段5としては、例えば、パーソナルコンピュータなどの電子計算機を用いることができる。
画像処理手段5は、例えば、有線方式や無線方式により、筐体6内の撮像手段4とデータ通信可能に接続することができる。この場合には、撮像手段4により撮像された画像データを、画像処理手段5に直接送信することができる。
なお、画像処理手段5は、必ずしも撮像手段4とデータ通信可能に接続されていなくてもよく、撮像手段4によって撮像された画像データを受け取ることができればよい。例えば、撮像手段4によって撮像された画像データを、記録媒体などを介して画像処理手段5が受け取るようにしてもよい。
濃淡値取得部51では、木質材料Tの表面の評価対象領域Xを含む撮像区画Aを光源方位角θが異なる撮像条件で撮像した第一画像および第二画像から、評価対象領域Xの濃淡値を画素単位または複数画素の代表値として取得する。
撮像手段4により撮像された画像データから第一画像および第二画像を選択するにあたっては、画像データから、評価対象領域Xをトリミングする。また、評価対象領域Xにおいて、光源2の映り込みなどのノイズがある場合には、当該ノイズを除いたできる限り広い領域を、濃淡値取得領域Yとしてトリミングする。なお、上述したトリミングについては、撮像手段4の種類、画素数、解像度などに応じて適宜調節することができる。
濃淡値の取得のために用いる第一画像および第二画像としては、図2(a)に示した画像例を用いて例示すると、光源方位角θが木目方向αに対して0°と90°、90°と180°、60°と90°、90°と120°など、さまざまな組み合わせで選択することができる。
また、第一画像および第二画像としては、第一画像と第二画像との間で、見えの変化がより顕著となるような組み合わせを選択することが好ましい。
従って、このような観点からは、本実施形態では、第一画像および第二画像のうちの少なくとも一方が、光源方位角θが木目方向αに対して0°もしくは180°で撮像した画像、または光源方位角θが木目方向αに対して90°もしくは270°で撮像した画像であることが好ましい。
また、本実施形態では、第一画像および第二画像のうちの一方が、光源方位角θが木目方向αに対して0°もしくは180°で撮像した画像であり、他方が、光源方位角θが木目方向αに対して90°もしくは270°で撮像した画像であることがより好ましい。
すなわち、上述した光源方位角θの定義から理解されるように、木目方向αと光源方向βとが平行である撮像条件で撮影した画像、および木目方向αと光源方向βとが直交する撮像条件で撮影した画像のうちの少なくとも一方を用いることによって、木質材料Tの外観の特徴をより効果的に分析することができると考えられる。
さらに、木目方向αと光源方向βとが平行である撮像条件で撮影した画像と、木目方向αと光源方向βとが直交する撮像条件で撮影した画像とを組み合わせることによって、見えの変化が最も顕著な画像の組み合わせとなり、木質材料Tの外観の特徴をさらにより効果的に分析することができると考えられる。
第一画像および第二画像から、評価対象領域Xの濃淡値を取得する方法は、一般に公知の画像処理方法を適用することができる。例えば、評価対象領域X(もしくは濃淡値取得領域Y)に含まれる画素単位で、画像の濃度(例えば、0〜255までの256階調の濃度値)を濃淡値として抽出することができる。また、濃淡値は、複数画素の代表値として取得することもできる。
算出部52では、第一画像の濃淡値と第二画像の濃淡値との相関係数を算出する。相関係数の算出は、一般的な相関係数の定義に従って行われる。具体的には、相関係数は、以下の数式を用いて計算される。
相関係数r=(共分散)/{(第一画像P1の濃淡値G1の標準偏差)・(第二画像P2の濃淡値G2の標準偏差)}
評価部53では、相関係数rを用いて木質材料Tの外観を評価する。
相関係数rを用いた試料Tの見えの変化の評価においては、例えば、相関係数rの絶対値|r|をとり、当該絶対値が小さいほど、試料Tの見えの変化が大きいと評価することができる。この場合において、相関係数rの絶対値をとるのは、相関係数rの符号が正の場合も負の場合もあるためである。
また、評価尺度としての利用のし易さの観点からは、以下の数式:
(見えの変化の評価値V)=1−|r|
により、見えの変化の評価値Vを得て、評価値Vが大きいほど、見えの変化が大きいと評価することができる。
さらに、同一の試料Tについて、評価対象領域Xを複数箇所設定し、各々の評価対象領域Xでの相関係数rを算出し、これらの平均値rAVを用いることで、試料Tのより広範にわたる見えの変化、さらには、試料T全体の見えの変化を数値化することができる。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、具体的な形態はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更等があっても本発明に含まれる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<装置構成および撮像条件>
本実施例では、図1に例示した外観分析装置1の各構成要素を、以下に示すとおりに設定して、外観分析装置を作製した。
光源2:点光源(Panasonic EFA10ED/7H2)
撮像手段4:デジタルカメラ(Nikon D5100)
撮像手段4の解像度:0.1mm/pixel
撮像距離d:50cm
入射角φ:30°
光源方位角θ:木目方向αに対して0°〜180°の範囲内を30°間隔で設定
評価対象領域X:1つの試料Tにつき4箇所
上記の構成を備えた外観分析装置を暗室に設置し、試料台に設置した試料について、分析を行った。なお、撮像した画像から取得する濃淡値の補正用として、撮像区画内に白色紙(Canon マットフォトペーパー MP−101A3)を設置した。
<相関係数の算出>
本実施例では、撮像した画像から光源の写り込みを除いた200×160mmの領域を濃淡値取得領域として選択した。
また、本実施例では、同一の試料について評価対象領域を4箇所設定し、各々の評価対象領域を含む撮像区画を撮像した。
得られた画像について、1つの評価対象領域について第一画像P1および第二画像P2を選択して濃淡値G1、G2を取得し、相関係数rを算出して得られた計4つの相関係数rの平均値rAVを用いて評価を行った。
<結果および考察>
図3は、本実施例で得られた見えの変化の評価値と、被験者による主観的評価の相関を示すグラフである。図4は、本実施例の結果を示すグラフおよび画像である。図4(a)はオーク材であり、図4(b)はメイプル材である。
図3に示すグラフでは、木材の種類や切り出し位置や塗装方法を変えて得られた20種類の木質床材(303×1818mm)について、横軸に、相関係数の平均値rAVから得られた見えの変化の評価値(V=1−|rAV|)をとり、縦軸に、被験者24名による見えの変化の主観的評価の平均値をとった。
なお、被験者による見えの変化の主観的評価は、木質床材を目視で観察し、自然な木の風合いの有無の度合いを、0、1、2、3の4段階で判定することにより行った。
図3において、四角印のプロットは、第一画像P1と第二画像P2との組合せが、木目方向αに対して0°と90°、90°と180°の場合を示し、この結果から、回帰直線aが得られた。丸印のプロットは、第一画像P1と第二画像P2との組合せが、木目方向αに対して30°と90°、90°と120°の場合を示し、この結果から、回帰直線bが得られた。
図3の回帰直線aおよびbについて、評価値Vと被験者の主観的評価との相関は、それぞれ、相関係数0.59、相関係数0.65と計算され、やや強い相関が確認された。この結果から、本実施例で得られた評価値Vは、木質床材に特有の見えの変化を示しているといえる。
図4には、図3で示した20種類の木質床材のうち、オーク材(a)、メイプル材(b)の分析結果をより詳細に示す。
まず、図4(a)および図4(b)について、各々個別に見ると、同一の樹種から製造した木質床材であっても、表面の塗装の種類や表面材の種類によって、見えの変化が異なっていることがわかる。また、評価値Vの値によって、これらの見えの変化の違い(大小関係)が有意な差として表れていることがわかる。
次に、図4(a)と図4(b)とを比較すると、表面の塗装の種類または表面材の種類が同じ条件では、いずれもオーク材よりもメイプル材の方が評価値Vの値が大きいことがわかる。
この結果は、これまでの経験的知見から一般的に言われている「メイプル材はオーク材に比べて見えの変化が大きい」という特徴と一致するものである。従って、このことからも、本実施例で得られた評価値Vが、木質床材に特有の見えの変化を示しているといえる。
このように、本実施例で得られた評価値Vを用いることによって、同一の樹種から製造した木質材料であっても、表面状態(塗装の種類、表面材の種類など)の違いによって見えの変化が異なることを、客観的に評価することができることがわかった。また、本実施例で得られた評価値Vを用いることによって、異なる樹種から製造した木質材料について、例えば同一の塗装処理を施した場合や同一の表面材を用いた場合に、樹種によって見えの変化が異なることを客観的に評価することができることがわかった。
このように、本発明の木質材料の外観分析方法および外観分析装置によれば、木質材料に特有の見えの変化を数値化することができる。また、得られた見えの変化の評価値を用いることによって、木質材料の意匠性の評価に資する見えの変化を客観的な指標を用いて評価することができる。
1 外観分析装置
2 光源
3 光源方位角変更手段
4 撮像手段
51 濃淡値取得部
52 算出部
53 評価部
T 木質材料(試料)
X 評価対象領域
A 撮像区画
θ 光源方位角
α 木目方向
β 光源方向
P1 第一画像
P2 第二画像
G1、G2 濃淡値
r 相関係数

Claims (5)

  1. 木質材料の表面の評価対象領域を含む撮像区画を光源方位角が異なる撮像条件で撮像した第一画像および第二画像から、前記評価対象領域の濃淡値を画素単位または複数画素の代表値として取得し、前記第一画像の前記濃淡値と前記第二画像の前記濃淡値との相関係数を算出して、前記相関係数を用いて前記木質材料の外観を評価することを特徴とする木質材料の外観分析方法。
  2. 前記第一画像および前記第二画像のうちの少なくとも一方が、前記光源方位角が木目方向に対して0°もしくは180°で撮像した画像、または前記光源方位角が木目方向に対して90°もしくは270°で撮像した画像であることを特徴とする請求項1に記載の木質材料の外観分析方法。
  3. 前記第一画像および前記第二画像のうちの一方が、前記光源方位角が木目方向に対して0°もしくは180°で撮像した画像であり、他方が、前記光源方位角が木目方向に対して90°もしくは270°で撮像した画像であることを特徴とする請求項2に記載の木質材料の外観分析方法。
  4. 前記光源が点光源であることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の木質材料の外観分析方法。
  5. 光源と、
    木質材料の表面の評価対象領域の木目方向に対する光源方向を変更する光源方位角変更手段と、
    前記木質材料の表面の前記評価対象領域を含む撮像区画を光源方位角が異なる撮像条件で撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮像された第一画像および第二画像から、前記評価対象領域の濃淡値を画素単位または複数画素の代表値として取得する濃淡値取得部と、
    前記第一画像の前記濃淡値と前記第二画像の前記濃淡値との相関係数を算出する算出部と、
    前記相関係数を用いて前記木質材料の外観を評価する評価部とを備えることを特徴とする木質材料の外観分析装置。
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