JP2016148085A - スズ−銅めっき液および導電部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】銅系金属材料を基材とし、最外層にスズ系めっき層を備える導電部材であって、中間層としてニッケルめっき層を必要としない導電部材を提供すること、およびかかる導電部材の中間層として使用されることが好適なスズ−銅めっき液を提供する。【解決手段】スズ含有物質、銅含有物質および1,2‐ビス(2‐ヒドロキシエチルチオ)エタンからなるスズ系めっき酸化抑制剤を含有するスズ−銅めっき液であって、銅含有物質の銅換算含有量は、0.05mol/L以上0.11mol/L以下であり、スズ系めっき酸化抑制剤の含有量は、0.1mol/L以上0.3mol/L以下であるスズ−銅めっき液。【選択図】 なし
Description
本発明は、スズ−銅めっき液および導電部材に関し、詳しくは、銅系金属材料(銅を主成分とする金属系材料)からなる基材上にスズ−銅めっき層を形成するために用いられるスズ−銅めっき液、および銅系金属材料からなる基材と、当該基材上に設けられた、上記のスズ−銅めっき液から形成されたスズ−銅めっき層と、上記のスズ−銅めっき層上に形成されたスズ系めっき層とを備える導電部材に関する。
銅系金属材料は優れた良導体であることから、配線やコネクタなど導電部材の素材として現在も使用されている。
銅系金属材料の主成分たる銅が酸化するとはんだ濡れ性が低下するおそれがあるため、銅系金属材料を基材とする導電部材に対してはんだ濡れ性を高めるための処理が施される場合が多い。このはんだ濡れ性を高めるための処理は、通常、ニッケルめっき処理およびスズ系めっき処理により行われる。本明細書において、スズ系めっきとは、スズを含有する材料からなるめっきであり、導電部材のはんだ濡れ性を高めるために行われるものを意味する。
はんだ濡れ性を高める観点からは、導電部材の最表面をスズ系めっき層からなるものとすることが好ましい。ところが、銅系金属材料からなる基材に対して直接スズ系めっき層を形成すると、スズ系めっき層に含有されるスズが銅系金属材料に含有される銅と反応してCu−Sn系金属間化合物が形成されやすくなる。このCu−Sn系金属間化合物は、酸化されると導電部材のはんだ濡れ性を著しく低下させる。このため、銅系金属材料からなる基材上にまずニッケルめっき処理を行って、銅を含む表面をすべてニッケルによって覆い、その後、スズ系めっき処理が行われることが通常である(例えば、特許文献1および2)。
しかしながら、基材を構成する銅系金属材料とはんだ濡れ性を向上させるためのスズ系めっき層との間に位置する中間層が、上記のようにニッケルめっき層を備える場合には、ニッケルめっき層がピンホールを形成しやすいため、スズ系めっき層のはんだ濡れ性を向上させることは容易でない。すなわち、ニッケルめっき層にピンホールが存在する場合には、この部分で基材を構成する銅系金属材料に含有される銅とスズめっき層に含有されるスズとがCu−Sn系金属間化合物を形成しやすくなる。このため、ニッケルめっき層のピンホール近傍に位置するスズ系めっき層ははんだ濡れ性が低下してしまう。このニッケルめっき層のピンホールに由来する不具合を回避するためには、ニッケルめっき層の厚さを増やす必要があり、結果として導電部材の生産性の低下をもたらしてしまう。
本発明は、銅系金属材料を基材とし、最外層にスズ系めっき層を備える導電部材であって、中間層としてニッケルめっき層を必要としない導電部材を提供すること、およびかかる導電部材の中間層として使用されることが好適なスズ−銅めっき液を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく本発明者が検討したところ、1,2‐ビス(2‐ヒドロキシエチルチオ)エタンからなるスズ系めっき酸化抑制剤を所定の含有量で含有し、銅含有物質の銅換算含有量も制御されたスズ−銅めっき液から形成されたスズ−銅めっき層からなる中間層は、従来技術に係るニッケルめっき層からなる中間層よりもスズ系めっき層を酸化させにくいとの新たな知見が得られた。また、1,2‐ビス(2‐ヒドロキシエチルチオ)エタンと銅含有物質の銅換算含有量との関係を制御することによって、優れた中間層となりうるスズ系めっき層が得られやすいとの知見も得られた。
かかる新たな知見により完成された本発明は次のとおりである。
(1)スズ含有物質、銅含有物質および1,2‐ビス(2‐ヒドロキシエチルチオ)エタンからなるスズ系めっき酸化抑制剤を含有するスズ−銅めっき液であって、前記銅含有物質の銅換算含有量は、0.05mol/L以上0.11mol/L以下であり、前記スズ系めっき酸化抑制剤の含有量は、0.1mol/L以上0.3mol/L以下であることを特徴とするスズ−銅めっき液。
(1)スズ含有物質、銅含有物質および1,2‐ビス(2‐ヒドロキシエチルチオ)エタンからなるスズ系めっき酸化抑制剤を含有するスズ−銅めっき液であって、前記銅含有物質の銅換算含有量は、0.05mol/L以上0.11mol/L以下であり、前記スズ系めっき酸化抑制剤の含有量は、0.1mol/L以上0.3mol/L以下であることを特徴とするスズ−銅めっき液。
(2)前記スズ系めっき酸化抑制剤の含有量の、前記銅含有物質の銅換算含有量に対するモル比率は、1.0以上5.0以下である、上記(1)に記載のスズ−銅めっき液。
(3)ベンゾチアゾール化合物を含有する、上記(1)または(2)に記載のスズ−銅めっき液。
(4)アミン系界面活性剤を含有する、上記(1)から(3)のいずれかに記載のスズ−銅めっき液。
(5)銅系金属材料からなる基材と、前記基材上に設けられた、上記(1)から(4)のいずれかに記載されるスズ−銅めっき液により形成されたスズ―銅めっき層と、前記スズ―銅めっき層上に設けられたスズ系めっき層とを備えることを特徴とする導電部材。
(6)ニッケルめっき層を備えない、上記(5)に記載の導電部材。
(7)前記導電部材を80℃、相対湿度100%の環境下に96時間静置した後、前記スズ系めっき層をエネルギー分散型X線分光法により測定したときに、前記スズ系めっき層からの酸素の検出量が0.90質量%以下となる、上記(5)または(6)に記載の導電部材。
本発明によれば、銅系金属材料を基材とし、最外層にスズ系めっき層を備える導電部材であって、スズ−銅めっき層からなる中間層を備える導電部材が提供される。また、かかる導電部材の中間層を形成するためのめっき液として好適なスズ−銅めっき液が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
1.スズ−銅めっき液
(1)スズ含有物質
本発明の一実施形態に係るスズ−銅めっき液はスズ含有物質を含有する。本明細書においてスズ含有物質とは、スズ−銅めっき層として析出するスズの供給源であって、スズの2価の陽イオン(Sn2+)およびこれを含有する浴可溶性物質からなる群から選ばれる1種または2種以上の成分をいう。
スズ含有物質をめっき浴に供給する原料物質(本発明において、「スズ源」ともいう。)として、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、p−フェノールスルホン酸等の有機スルホン酸の第一スズ塩、ホウフッ化第一スズ、スルホコハク酸第一スズ、硫酸第一スズ、酸化第一スズ、塩化第一スズなどが例示される。スズ源は一種類の化合物から構成されていてもよいし、複数種類の化合物から構成されていてもよい。
(1)スズ含有物質
本発明の一実施形態に係るスズ−銅めっき液はスズ含有物質を含有する。本明細書においてスズ含有物質とは、スズ−銅めっき層として析出するスズの供給源であって、スズの2価の陽イオン(Sn2+)およびこれを含有する浴可溶性物質からなる群から選ばれる1種または2種以上の成分をいう。
スズ含有物質をめっき浴に供給する原料物質(本発明において、「スズ源」ともいう。)として、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、p−フェノールスルホン酸等の有機スルホン酸の第一スズ塩、ホウフッ化第一スズ、スルホコハク酸第一スズ、硫酸第一スズ、酸化第一スズ、塩化第一スズなどが例示される。スズ源は一種類の化合物から構成されていてもよいし、複数種類の化合物から構成されていてもよい。
本発明の一実施形態に係るスズ−銅めっき液におけるスズ含有物質のスズ換算含有量は限定されない。この含有量が過度に少ない場合にはスズ−銅めっき層が析出しにくくなることもあるため、上記のスズ換算含有量は0.04mol/L以上であることが好ましく、0.08mol/L以上であることがより好ましく、0.12mol/L以上であることが特に好ましい。スズ含有物質のスズ換算含有量が過度に多い場合には外観不良やつきまわり性の低下が生じやすくなることもあるため、上記のスズ換算含有量は1mol/L以下であることが好ましく、0.8mol/L以下であることがより好ましく、0.6mol/L以下であることが特に好ましい。
(2)銅含有物質
本発明の一実施形態に係るスズ−銅めっき液は銅含有物質を含有する。本明細書において銅含有物質とは、スズ−銅めっき層として析出する銅の供給源であって、銅の2価の陽イオン(Cu2+)およびこれを含有する浴可溶性物質からなる群から選ばれる1種または2種以上の成分をいう。
本発明の一実施形態に係るスズ−銅めっき液は銅含有物質を含有する。本明細書において銅含有物質とは、スズ−銅めっき層として析出する銅の供給源であって、銅の2価の陽イオン(Cu2+)およびこれを含有する浴可溶性物質からなる群から選ばれる1種または2種以上の成分をいう。
銅含有物質をめっき浴に供給する原料物質(本発明において、「銅源」ともいう。)として、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、p−フェノールスルホン酸等の有機スルホン酸の有機スルホン酸の銅塩、硫酸銅、塩化銅、酸化銅、炭酸銅、酢酸銅、ピロリン酸銅、シュウ酸銅などが例示される。銅源は一種類の化合物から構成されていてもよいし、複数種類の化合物から構成されていてもよい。
本発明の一実施形態に係るスズ−銅めっき液における銅含有物質の銅換算含有量は、0.05mol/L以上0.11mol/L以下である。銅含有物質の銅換算含有量が上記の範囲にあり、後述するスズ系めっき酸化抑制剤の含有量が適切な範囲にある場合に、銅系金属材料を基材とし最外層にスズ系めっき層を備える導電部材の中間層として適切なスズ―銅めっき層を形成することが可能なスズ―銅めっき液を得ることが可能である。かかる中間層を形成することをより安定的に実現する観点から、本発明の一実施形態に係るスズ−銅めっき液における銅含有物質の銅換算含有量は、0.06mol/L以上0.10mol/L以下であることが好ましく、0.065mol/L以上0.095mol/L以下であることがより好ましい。
(3)スズ系めっき酸化抑制剤
本発明の一実施形態に係るスズ−銅めっき液は、1,2‐ビス(2‐ヒドロキシエチルチオ)エタンからなるスズ系めっき酸化抑制剤を0.1mol/L以上0.3mol/L以下含有する。かかるスズ系めっき酸化抑制剤を含有することにより、本発明の一実施形態に係るスズ−銅めっき液から形成されたスズ―銅めっき層を中間層とし、銅系金属材料からなる基材および最外層にスズ系めっき層を備える導電部材のスズ系めっき層は酸化が生じにくい。それゆえ、上記のスズ―銅めっき層を備える本発明の一実施形態に係る導電部材は、はんだ濡れ性が低下しにくいと期待される。導電部材が備えるスズ系めっき層の酸化を生じにくくさせる観点から、本発明の一実施形態に係るスズ−銅めっき液の上記のスズ系めっき酸化抑制剤の含有量は、0.15mol/L以上0.27mol/L以下であることが好ましく、0.20mol/L以上0.25mol/L以下であることがより好ましい。
本発明の一実施形態に係るスズ−銅めっき液は、1,2‐ビス(2‐ヒドロキシエチルチオ)エタンからなるスズ系めっき酸化抑制剤を0.1mol/L以上0.3mol/L以下含有する。かかるスズ系めっき酸化抑制剤を含有することにより、本発明の一実施形態に係るスズ−銅めっき液から形成されたスズ―銅めっき層を中間層とし、銅系金属材料からなる基材および最外層にスズ系めっき層を備える導電部材のスズ系めっき層は酸化が生じにくい。それゆえ、上記のスズ―銅めっき層を備える本発明の一実施形態に係る導電部材は、はんだ濡れ性が低下しにくいと期待される。導電部材が備えるスズ系めっき層の酸化を生じにくくさせる観点から、本発明の一実施形態に係るスズ−銅めっき液の上記のスズ系めっき酸化抑制剤の含有量は、0.15mol/L以上0.27mol/L以下であることが好ましく、0.20mol/L以上0.25mol/L以下であることがより好ましい。
上記のスズ系めっき層の酸化を生じにくくさせる観点から、スズ系めっき酸化抑制剤の含有量の、銅含有物質の銅換算含有量に対するモル比率(本明細書において「モル比率(A)」と略記する場合もある。)は、1.0以上5.0以下であることが好ましく、2.0以上4.5以下であることがより好ましく、2.5以上4.0以下であることが特に好ましい。
(4)その他の成分
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液は、上記の成分に加えて、次に説明する電解質成分、界面活性剤、光沢成分、光沢補助剤、酸化防止剤、消泡剤などを含有してもよい。
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液は、上記の成分に加えて、次に説明する電解質成分、界面活性剤、光沢成分、光沢補助剤、酸化防止剤、消泡剤などを含有してもよい。
(4−1)電解質成分
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液は、めっき液の導電性を高めるための成分(本明細書において「電解質成分」ともいう。)を含有してもよい。電解質成分の種類は特に限定されない。硫酸、塩酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸等の無機酸;イセチオン酸等のアルカノールスルホン酸、メタンスルホン酸等のアルカンスルホン酸、フェノールスルホン酸等の芳香族系スルホン酸などの有機スルホン酸;および酢酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等のカルボン酸などの酸ならびにこれら酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の塩が例示され、これらは単独で用いられてもよいし、複数種類が用いられてもよい。これらの中でも有機スルホン酸および/または有機スルホン酸塩が好ましい。
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液は、めっき液の導電性を高めるための成分(本明細書において「電解質成分」ともいう。)を含有してもよい。電解質成分の種類は特に限定されない。硫酸、塩酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸等の無機酸;イセチオン酸等のアルカノールスルホン酸、メタンスルホン酸等のアルカンスルホン酸、フェノールスルホン酸等の芳香族系スルホン酸などの有機スルホン酸;および酢酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等のカルボン酸などの酸ならびにこれら酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の塩が例示され、これらは単独で用いられてもよいし、複数種類が用いられてもよい。これらの中でも有機スルホン酸および/または有機スルホン酸塩が好ましい。
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液に電解質成分を含有させる場合において、その含有量は限定されず、めっき処理における電流密度などに基づいて適宜設定すればよい。電解質成分の含有量の範囲の一例を挙げれば、遊離酸換算含有量として50g/L以上300g/L以下である。
(4−2)界面活性剤
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液は界面活性剤を含有していてもよい。かかる界面活性剤として、非イオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレン基を有するイオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが例示される。界面活性剤は一種類の物質から構成されていてもよいし、複数種類の物質から構成されていてもよい。
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液は界面活性剤を含有していてもよい。かかる界面活性剤として、非イオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレン基を有するイオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが例示される。界面活性剤は一種類の物質から構成されていてもよいし、複数種類の物質から構成されていてもよい。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンパラクミルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレン高級アルコールエーテル、ポリオキシアルキレン−α−またはβ−ナフトールエーテル、ポリオキシアルキレン−モノ−、ジ−またはトリ−スチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、エチノンジアミンのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエチレンジアミン等のポリオキシアルキレン付加アルキルアミン、ポリオキシアルキレン付加アルキルアミド等が例示される。これらは単独で用いてもよいし、複数種類を組み合わせて用いてもよい。非イオン性界面活性剤の中でも、ポリオキシアルキレン付加アルキルアミンなどのアミン系界面活性剤が好ましい。
ポリオキシアルキレン基を有するイオン性界面活性剤としては、アルキルフェノキシポリオキシアルキレンエチルスルホン酸およびその塩、高級アルコールのポリオキシアルキレンエチルスルホン酸およびその塩等のアニオン性界面活性剤、N,N−ジポリオキシアルキレン−N,N−ジアルキルアンモニウム塩酸塩等のカチオン性界面活性剤が例示される。これらは単独で用いてもよいし、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
カチオン性界面活性剤の具体例として、N−モノアルキル−N−トリメチルアンモニウム塩、N,N−ジアルキル−N−ジメチルアンモノウム塩、N−アルキル−イソキノリニウム塩および1−アルキル−1−ヒドロキシエチル−イミダゾリウム塩が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例として、1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシアルキレン−2−アルキルイミダゾリウムベタイン、およびN,N−ジメチル−N−アルキルベタインが挙げられる。
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液に界面活性剤を含有させる場合において、その含有量は限定されない。界面活性剤の含有量が過度に少ないと、得られためっきに光沢が得られにくくなる場合があり、その含有量が過度に多いと、発泡が盛んになりやすくなる場合があることを考慮して適宜設定すればよい。上記の界面活性剤の含有量は、0.5g/L以上80g/L以下の範囲で用いられることが好ましい場合があり、1g/L以上50g/L以下であればさらに好ましい場合がある。
(4−3)光沢成分
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液は光沢成分を含有してもよい。光沢成分として芳香族カルボニル化合物が例示される。芳香族カルボニル化合物の具体例として、芳香族アルデヒド、芳香族ケトンなどが挙げられる。光沢成分は一種類の物質から構成されていてもよいし、複数種類の物質から構成されていてもよい。
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液は光沢成分を含有してもよい。光沢成分として芳香族カルボニル化合物が例示される。芳香族カルボニル化合物の具体例として、芳香族アルデヒド、芳香族ケトンなどが挙げられる。光沢成分は一種類の物質から構成されていてもよいし、複数種類の物質から構成されていてもよい。
芳香族アルデヒドの具体例として、ベンズアルデヒド、o−クロルベンズアルデヒド、トルアルデヒド、アニスアルデヒド、シンナムアルデヒド、2,5−ジメトキシベンズアルデヒド、および1−または2−ナフトアルデヒドが例示される。芳香族ケトンの具体例として、ベンジリデンアセトンおよびアルキルナフチルケトンが例示される。
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液に光沢成分を含有させる場合において、その含有量は限定されない。光沢成分の含有量が過度に少ないと、得られるスズ―銅めっき層の光沢の程度が高まりにくくなる場合があり、その含有量が過度に多いと、スズ―銅めっき液の安定性が低下する可能性が高まる場合があることを考慮して適宜設定すればよい。光沢成分の好ましい含有量の範囲は0.005g/L(5ppm)以上5g/L以下であり、0.01g/L(10ppm)以上2g/L以下とすればさらに好ましい。
(4−4)光沢補助剤
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液は、補助光沢剤を含有してもよい。補助光沢剤として複素環化合物が例示される。かかる複素環化合物として、ピリジン化合物、ピロール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、メルカプト基を有するトリアゾール化合物などが例示される。補助光沢剤は一種類の物質から構成されていてもよいし、複数種類の物質から構成されていてもよい。
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液は、補助光沢剤を含有してもよい。補助光沢剤として複素環化合物が例示される。かかる複素環化合物として、ピリジン化合物、ピロール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、メルカプト基を有するトリアゾール化合物などが例示される。補助光沢剤は一種類の物質から構成されていてもよいし、複数種類の物質から構成されていてもよい。
これらの中でも、補助光沢剤としてベンゾチアゾール化合物を含有することが好ましい。ベンゾチアゾール化合物の具体例としては、ベンゾチアゾール、2―メチルベンゾチアゾール、2―(メチルメルカプト)ベンゾチアゾール、2―アミノベンゾチアゾール、2―アミノ―6―メトキシベンゾチアゾール、2―メチル―5―クロロベンゾチアゾール、2―ヒドロキシベンゾチアゾール、2―アミノ―6―メチルベンゾチアゾール、2―クロロベンゾチアゾール、2,5―ジメチルベンゾチアゾール、2―メルカプトベンゾチアゾール、6―ニトロ―2―メルカプトベンゾチアゾール、5―ヒドロキシ―2―メチルベンゾチアゾール、2―ベンゾチアゾールチオ酢酸などが挙げられる。
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液に光沢補助剤を含有させる場合において、その含有量は限定されない。光沢補助剤の含有量が過度に少ないと、光沢補助剤を含有させた効果を得られにくくなる場合があり、その含有量が過度に多いと、他の添加成分とのバランスが崩れる可能性が高まる場合があり、この場合には、外観の低下、めっき析出速度の低下のおそれがあることを考慮して、適宜設定すればよい。限定されない一例として、本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液の補助光沢剤の含有量を、0.005g/L(5ppm)以上0.2g/L(200ppm)以下とすることが挙げられる。
酸化防止剤はめっき液中のスズ第一イオンが酸化されることを抑制するためのものであり、カテコール、ハイドロキノンなどが例示される。その含有量は限定されないが、好ましい一例を挙げれば0.05g/L以上20g/L以下であり、0.1g/L以上15g/L以下とすればさらに好ましい。
消泡剤としては、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、高級脂肪族アルコール、アセチレンアルコール、ポリアルコキシレートなどの有機系の消泡剤およびシリコーン系の消泡剤が例示される。
消泡剤としては、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、高級脂肪族アルコール、アセチレンアルコール、ポリアルコキシレートなどの有機系の消泡剤およびシリコーン系の消泡剤が例示される。
(5)溶媒、pH
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液の溶媒は水を主成分とする。水以外の溶媒としてアルコール、エーテル、ケトンなど水への溶解度が高い有機溶媒を混在させてもよい。この場合には、めっき液全体の安定性および廃液処理への負荷の緩和の観点から、その比率は全溶媒に対して10体積%以下とすることが好ましい。
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液の溶媒は水を主成分とする。水以外の溶媒としてアルコール、エーテル、ケトンなど水への溶解度が高い有機溶媒を混在させてもよい。この場合には、めっき液全体の安定性および廃液処理への負荷の緩和の観点から、その比率は全溶媒に対して10体積%以下とすることが好ましい。
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液は酸性である。好ましい一態様においては強酸性であり、そのpHは通常1以下である。前述の電解質成分を含有させる場合には、電解質成分の一種として酸を用い、その酸の添加量を調整することによって、めっき液を所望のpHに設定することができる。
2.めっき条件
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液のめっき条件は特に限定されない。各条件についての好ましい態様は次のとおりである。
本発明の一実施形態に係るスズ―銅めっき液のめっき条件は特に限定されない。各条件についての好ましい態様は次のとおりである。
(1)電流密度
電流密度は限定されない。通常、1A/dm2以上20A/dm2以下で実施される。生産性を確保する観点および形成されためっき層の外観を良好にする観点から、電流密度を、2A/dm2以上15A/dm2以下で実施することが好ましい場合があり、3A/dm2以上10A/dm2以下で実施することがより好ましい場合がある。
電流密度は限定されない。通常、1A/dm2以上20A/dm2以下で実施される。生産性を確保する観点および形成されためっき層の外観を良好にする観点から、電流密度を、2A/dm2以上15A/dm2以下で実施することが好ましい場合があり、3A/dm2以上10A/dm2以下で実施することがより好ましい場合がある。
(2)めっき温度
めっき温度は限定されない。通常、20℃以上50℃以下の範囲で実施される。温度の変動はめっき外観の変化をもたらす場合があるため、めっき温度の管理幅は5℃程度とすることが好ましい。
めっき温度は限定されない。通常、20℃以上50℃以下の範囲で実施される。温度の変動はめっき外観の変化をもたらす場合があるため、めっき温度の管理幅は5℃程度とすることが好ましい。
(3)積算電流量
積算電流量は限定されない。スズ―銅めっき層に求められる厚さに応じて適宜設定される。導電部材の中間層としてニッケルめっき層を用いる場合には、ピンホールの発生を安定的に回避するために、通常、1μm程度の厚さのめっき層が形成されるように、積算電流量は設定される。これに対し、本発明の一実施形態に係る導電部材の中間層であるスズ―銅めっき層は、ニッケルめっき層からなる中間層のように基材全体を覆うように形成される必要がないため、積算電流量は、ニッケルめっき層を形成する場合に比べて、1/5から1/10程度で十分である。したがって、処理時間および消費エネルギーの双方の観点で、スズ―銅めっき層からなる中間層はニッケルめっきからなる中間層に比べて有利である。
積算電流量は限定されない。スズ―銅めっき層に求められる厚さに応じて適宜設定される。導電部材の中間層としてニッケルめっき層を用いる場合には、ピンホールの発生を安定的に回避するために、通常、1μm程度の厚さのめっき層が形成されるように、積算電流量は設定される。これに対し、本発明の一実施形態に係る導電部材の中間層であるスズ―銅めっき層は、ニッケルめっき層からなる中間層のように基材全体を覆うように形成される必要がないため、積算電流量は、ニッケルめっき層を形成する場合に比べて、1/5から1/10程度で十分である。したがって、処理時間および消費エネルギーの双方の観点で、スズ―銅めっき層からなる中間層はニッケルめっきからなる中間層に比べて有利である。
3.導電部材
本発明の一実施形態に係る導電部材は、銅系金属材料からなる基材と、基材上に設けられた、上記のスズ−銅めっき液により形成されたスズ―銅めっき層と、スズ―銅めっき層上に設けられたスズ系めっき層とを備える。中間層がスズ―銅めっき層からなることにより、かかる中間層を用いない場合や、ニッケルめっき層を中間層とした場合よりも、酸化されにくいスズ系めっき層が得られやすい。したがって、本発明の一実施形態に係る導電部材は、ニッケルめっき層を備えないことが好ましい。
本発明の一実施形態に係る導電部材は、銅系金属材料からなる基材と、基材上に設けられた、上記のスズ−銅めっき液により形成されたスズ―銅めっき層と、スズ―銅めっき層上に設けられたスズ系めっき層とを備える。中間層がスズ―銅めっき層からなることにより、かかる中間層を用いない場合や、ニッケルめっき層を中間層とした場合よりも、酸化されにくいスズ系めっき層が得られやすい。したがって、本発明の一実施形態に係る導電部材は、ニッケルめっき層を備えないことが好ましい。
導電部材が備えるスズ系めっき層の酸化されやすさの程度は、次のような評価を行うことにより確認することが可能である。
すなわち、導電部材を、80℃、相対湿度100%の環境下に96時間静置する。次に、かかる静置後の導電部材のスズ系めっき層を、エネルギー分散型X線分光法により測定する。この測定により、スズ系めっき層からの酸素の検出量が0.90質量%以下となる場合に、導電部材が備えるスズ系めっき層は酸化されにくいものであると判断することができる。導電部材が備えるスズ系めっき層の酸化しにくさを高める観点から、上記の酸素の検出量は、0.85質量%以下であることが好ましく、0.80質量%以下であることがより好ましい。
本発明の一実施形態に係る導電部材が備える基材を構成する銅系金属材料の種類は限定されない。ベリリウム銅、リン青銅、真鍮および洋白、ならびに銅または銅合金めっきが施された鋼材が例示される。
本発明の一実施形態に係る導電部材が備えるスズ―銅めっき層の厚さは限定されない。スズ―銅めっき層が酸化されにくくなることが安定的に実現される観点から、スズ―銅めっき層の厚さは、0.1μm以上であることが好ましく、0.15μm以上であることがより好ましい。スズ―銅めっき層の生産性を高める観点から、スズ―銅めっき層の厚さは、1μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましく、0.6μm以下であることが特に好ましい。
本発明の一実施形態に係る導電部材が備えるスズ系めっき層の厚さは限定されない。導電部材のはんだ濡れ性を安定的に確保する観点から、スズ系めっき層の厚さは、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることが特に好ましい。スズ系めっき層の生産性を高める観点から、スズ―銅めっき層の厚さは、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることが特に好ましい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、本発明の効果を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
次の組成を有するスズ―銅めっき液を調製した。
メタンスルホン酸:1mol/L
スズ含有物質:スズ換算で40g/L
銅含有物質:銅換算で表1に示す量(単位:g/L)
界面活性剤
ポリオキシエチレンパラクミルフェニルエーテル:10g/L
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエチレンジアミン:3g/L
スズ系めっき酸化抑制剤
1,2‐ビス(2‐ヒドロキシエチルチオ)エタン:表1に示す量(単位:g/L)
2‐メチルベンゾチアゾール:50ppm
カテコール:0.7g/L
次の組成を有するスズ―銅めっき液を調製した。
メタンスルホン酸:1mol/L
スズ含有物質:スズ換算で40g/L
銅含有物質:銅換算で表1に示す量(単位:g/L)
界面活性剤
ポリオキシエチレンパラクミルフェニルエーテル:10g/L
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエチレンジアミン:3g/L
スズ系めっき酸化抑制剤
1,2‐ビス(2‐ヒドロキシエチルチオ)エタン:表1に示す量(単位:g/L)
2‐メチルベンゾチアゾール:50ppm
カテコール:0.7g/L
銅系材料(C1220)からなる板状の基材を、その表面の一部をマスキングした状態で、上記のスズ―銅めっき液内に浸漬させ、次の条件でめっき処理を行った。
電流密度:5A/dm2
めっき温度:40℃
めっき時間:10秒間
電流密度:5A/dm2
めっき温度:40℃
めっき時間:10秒間
こうして、基材と、基材の表面の一部上に設けられたスズ―銅めっき層とからなる部材を得た。なお、次の処理のために基材上のマスキングはそのまま残した。
次のスズめっき液を調製した。
メタンスルホン酸:1mol/L
スズ含有物質:スズ換算で40g/L
界面活性剤
ポリオキシエチレンパラクミルフェニルエーテル:10g/L
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエチレンジアミン:3g/L
2‐メチルベンゾチアゾール:50ppm
カテコール:0.7g/L
メタンスルホン酸:1mol/L
スズ含有物質:スズ換算で40g/L
界面活性剤
ポリオキシエチレンパラクミルフェニルエーテル:10g/L
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエチレンジアミン:3g/L
2‐メチルベンゾチアゾール:50ppm
カテコール:0.7g/L
前述のスズ―銅めっき液を用いためっき処理により得られた部材のスズ―銅めっき層の面のうち、基材の面のマスキングに接する部分を含む一部をマスキングした。この階段状にマスキングが施された部材を上記のスズめっき液に浸漬させ、次の条件でめっき処理を行い、スズ−銅めっき面上にスズ系めっき層を形成した。
電流密度:5A/dm2
めっき温度:40℃
めっき時間:60秒間
電流密度:5A/dm2
めっき温度:40℃
めっき時間:60秒間
めっき処理後、双方のマスキングを基材から外して、基材と、基材の表面の一部上に設けられた、中間層としてのスズ―銅めっき層と、スズ―銅めっき層の表面の一部上に設けられた、最外層のスズ系めっき層とからなる評価用の導電部材を得た。すなわち、評価用の導電部材は、平面視で、基材の面と、スズ―銅めっき層の面と、スズ系めっき層の面とが露出した状態となっていた。なお、スズ系めっき層の厚さは2〜2.5μmであった。
(実施例2)
次の組成のニッケルめっき液を調製した。
スルファミン酸ニッケル:450g/L
塩化ニッケル:5g/L
ホウ酸:40g/L
次の組成のニッケルめっき液を調製した。
スルファミン酸ニッケル:450g/L
塩化ニッケル:5g/L
ホウ酸:40g/L
実施例1において用いた基材を別途用意し、上記のニッケルめっき液に浸漬させて、次の条件でめっき処理を行った。
電流密度:5A/dm2
めっき温度:50℃
めっき時間:60秒間
電流密度:5A/dm2
めっき温度:50℃
めっき時間:60秒間
こうして、基材と、基材の表面の一部上に設けられたニッケルめっき層とからなる部材を得た。なお、次の処理のために基材上のマスキングはそのまま残した。この部材におけるニッケルめっき層の厚さは1μmであった。この部材のニッケルめっき層の面のうち、基材の面のマスキングに接する部分を含む一部をマスキングした。
この階段状にマスキングが施された部材を、実施例1において調製したスズめっき液に浸漬させ、実施例1の場合と同じ条件でめっき処理を行い、ニッケルめっき層上にスズ系めっき層を形成した。めっき処理後、双方のマスキングを基材から外して、基材と、基材の表面の一部上に設けられた、中間層としてのニッケルめっき層と、ニッケルめっき層の表面の一部上に設けられた、最外層のスズ系めっき層とからなる評価用の導電部材を得た。すなわち、評価用の導電部材は、平面視で、基材の面と、ニッケルめっき層の面と、スズ系めっき層の面とが露出した状態となっていた。なお、スズ系めっき層の厚さは、2〜2.5μmであった。
(実施例3)
実施例1において用いた基材を別途用意し、その基材の表面の一部をマスキングした状態で、実施例1において調製したスズめっき液に浸漬させ、実施例1の場合と同じ条件でめっき処理を行った。めっき処理後にマスキングを基材から外して、基材と、基材の表面の一部上に設けられた最外層のスズ系めっき層とからなる評価用の導電部材を得た。すなわち、評価用の導電部材は、平面視で、基材の面と、スズ系めっき層の面とが露出した状態となっていた。なお、スズ系めっき層の厚さは、2〜2.5μmであった。
実施例1において用いた基材を別途用意し、その基材の表面の一部をマスキングした状態で、実施例1において調製したスズめっき液に浸漬させ、実施例1の場合と同じ条件でめっき処理を行った。めっき処理後にマスキングを基材から外して、基材と、基材の表面の一部上に設けられた最外層のスズ系めっき層とからなる評価用の導電部材を得た。すなわち、評価用の導電部材は、平面視で、基材の面と、スズ系めっき層の面とが露出した状態となっていた。なお、スズ系めっき層の厚さは、2〜2.5μmであった。
(試験例1)
実施例において作製した評価用の導電部材を、80℃、相対湿度100%の環境下に96時間静置した。次に、かかる静置後の評価用の導電部材のスズ系めっき層を、エネルギー分散型X線分光法(測定装置:日本電子社製「JSM−6480A」)により測定した。測定結果を表1に示した。
実施例において作製した評価用の導電部材を、80℃、相対湿度100%の環境下に96時間静置した。次に、かかる静置後の評価用の導電部材のスズ系めっき層を、エネルギー分散型X線分光法(測定装置:日本電子社製「JSM−6480A」)により測定した。測定結果を表1に示した。
Claims (7)
- スズ含有物質、銅含有物質および1,2‐ビス(2‐ヒドロキシエチルチオ)エタンからなるスズ系めっき酸化抑制剤を含有するスズ−銅めっき液であって、
前記銅含有物質の銅換算含有量は、0.05mol/L以上0.11mol/L以下であり、
前記スズ系めっき酸化抑制剤の含有量は、0.1mol/L以上0.3mol/L以下であること
を特徴とするスズ−銅めっき液。 - 前記スズ系めっき酸化抑制剤の含有量の、前記銅含有物質の銅換算含有量に対するモル比率は、1.0以上5.0以下である、請求項1に記載のスズ−銅めっき液。
- ベンゾチアゾール化合物を含有する、請求項1または2に記載のスズ−銅めっき液。
- アミン系界面活性剤を含有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のスズ−銅めっき液。
- 銅系金属材料からなる基材と、
前記基材上に設けられた、請求項1から4のいずれか一項に記載されるスズ−銅めっき液により形成されたスズ―銅めっき層と、
前記スズ―銅めっき層上に設けられたスズ系めっき層と
を備えることを特徴とする導電部材。 - ニッケルめっき層を備えない、請求項5に記載の導電部材。
- 前記導電部材を80℃、相対湿度100%の環境下に96時間静置した後、前記スズ系めっき層をエネルギー分散型X線分光法により測定したときに、前記スズ系めっき層からの酸素の検出量が0.90質量%以下となる、請求項5または6に記載の導電部材。
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JP2015025730A JP2016148085A (ja) | 2015-02-12 | 2015-02-12 | スズ−銅めっき液および導電部材 |
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CN110249076A (zh) * | 2017-01-31 | 2019-09-17 | 三菱综合材料株式会社 | 锡合金镀液 |
-
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- 2015-02-12 JP JP2015025730A patent/JP2016148085A/ja active Pending
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