JP2016147285A - 転造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度なねじ体の大量生産を可能にする。
【解決手段】 ねじ素材Bにねじ部を転造するねじ転送装置100であって、第一転造凹凸が形成される第一ダイ部材132と、第二転造凹凸が形成され且つ前記第一ダイ部材132に対して転造方向に相対移動する第二ダイ部材142と、 第一ダイ部材132と第二ダイ部材142の間にねじ素材Bを挟持した状態で、両者を相対移動させてねじ素材Bにねじ部を転造するサイクル機構160と、第一ダイ部材132と第二ダイ部材142の転造方向の相対位置を調整する位置調整機構180と、を有するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、被転造体を転造するための転造装置に関する。
従来、転造製品を転造によって製造する転造装置では、ブランクとも呼ばれる円柱状の棒状体である被転造体を、所望の転写形状を表面に有する複数の剛性平板、剛性円柱若しくは剛性円筒体或いは剛性円弧体となる一対のダイ部材によって挟持しつつ、一対のダイ部材を相対変位させることで、被転造体がダイ部材の表面を転動し、被転造体表面に所望の転写形状を、塑性変形によって形成するのが一般的である。
なお、参考として、被転造体としては、例えば、雄ねじ体を挙げることが出来、その中でもねじ部の軸方向における同一領域上に、右ねじ部と左ねじ部とを有する両ねじ体が知られ、これを転造によって生産するための試みがなされている(特許文献1)。
特許文献1によれば、ダイ部材に凹設される両ねじ体の条部となる平行四辺形の凹みの形状を最適化することで、転造後の軸形状が比較的安定し、なおかつ、条部を高精度に形成できる。
特開2013−43183号公報
ところで、従来の転造装置では、転造の事前において、ダイ部材と、それを保持するブロックの間に、金属薄板等の所謂シムや紙等を挟み込むことによって、一対のダイ部材の相対位置の調整が行われている。そして、試験転造を行ってねじ部の転造状況を確認し、調整不良の場合は、再度、装置を停止してシムの量や厚み等を調整する。従って、安定した量産に至るまでの調整時間に長時間を要するという問題があった。
また、量産中においても、周囲の気温の変化や、装置自体の温度変化によって、一対のダイ部材の相対位置が変化し、転造不良が生じ得る。その際にも、上記と同様に、シムの量や厚み等を変化させながら試験転造を繰り返したり、転造装置の操業を停止させたりする必要がある。結果として、従来の転造装置を用いた転造にあっては、量産効率の悪化を招くという問題があった。
特に昨今は、一層高精度な転造、具体例としては、両ねじ体の転造をより簡易な事前調整や途中調整にして大量生産を可能とする転造装置が求められている。
本発明は、上述の如くの問題を解決すること、即ち、簡易な調整にして高精度な転造製品を量産可能な転造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の転造装置は、所望の転造用形状が設けられた第一表面を有する第一ダイ部材を保持する第一保持機構と、上記第一表面に対応した転造用形状が設けられた第二表面を有する第二ダイ部材を保持する第二保持機構と、を備え、上記第一保持機構と上記第二保持機構とは、上記第一表面と上記第二表面との間に被転造体を挟持しつつ、互いに対向しながら相対移動させることで、上記被転造体を転動させながら所望の転造形状を造形することを可能とするように構成され、上記相対移動の方向における前記第一ダイ部材と前記第二ダイ部材の相対位置を調整し得、当該調整による設定位置を保持することが可能な位置調整機構を有すること、を特徴とする。
更に、前記位置調整機構は、前記第一ダイ部材又は前記第二ダイ部材を前記転造方向に案内する調整用ガイドと、前記調整用ガイドに沿って、前記第一ダイ部材又は前記第二ダイ部材を移動させる調整用駆動部と、を備えることを特徴とする。
更に、前記相対位置を検出する位置検出装置と、前記位置検出装置の検出結果に基づいて、前記調整用駆動部による前記調整用駆動機構の移動量を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
更に、前記第一ダイ部材は固定側となり、前記第二ダイ部材は、上記第一保持機構と上記第二保持機構を相対移動させる移動機構によって移動する移動側となり、前記位置調整ガイドは、前記第一ダイ部材を保持する前記第一保持機構を前記転造方向に案内することを特徴とする。
更に、前記第一ダイ部材は固定側となり、前記第二ダイ部材は、上記第一保持機構と上記第二保持機構を相対移動させる移動機構によって移動する移動側となり、前記第一保持機構は、前記第一ダイ部材を、前記第一表面の法線方向に位置調整自在に保持しており、前記位置調整ガイドは、前記第一ダイ部材を、前記第一保持機構に対して前記転造方向に案内することを特徴とする。
更に、前記第一ダイ部材及び前記第二ダイ部材は、転造を行う表面の最外部間を繋いで得られる仮想表面の法線方向視において略平行四辺形状を成し、該仮想表面から凹設される複数の凹部が、前記相対変位する方向に沿って複数配列される両ねじ部形成領域を備えることを特徴とする。
更に、前記第一ダイ部材及び前記第二ダイ部材は、前記両ねじ部形成領域における前記凹部の前記相対変位する方向の配列ピッチが、前記ねじ素材と相対変位する際の上流側から下流側に向かって小さく設定される領域を有することを特徴とする。
本発明によれば、転造時の調整手間を省き、操業効率を向上させると共に、高精度な転造製品の大量生産を可能にするという優れた効果を奏する。
本発明の実施形態に係る転造装置の転送手法の概要を示すものであり、(A)は平ダイス転造、(B)はローリング転造、(C)はプラネタリ転造を示す図である。 平ダイス転造を採用した同転造装置の平面図である。 同転造装置の転造部における(A)右側面図、(B)左側面図、(C)図2のC−C断面図である。 同転造装置に適用されるダイ部材を示す(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は分解図である。 (A)は同ダイ部材における両ねじ部形成領域の凹部の配置を説明する正面図であり、(B)は同両ねじ部形成領域によるねじ素材の変形工程を示す図であり、(C)は同凹部の断面形状を拡大して示す断面図である。 同ダイ部材における両ねじ部形成領域の凹部の配列ピッチを説明する正面図である。 (A)はローリング転造の応用例を示す図であり、(B)はプラネタリ転造の応用例を示す図である。 (A)乃至(C)は、同ダイ部材における前駆体加工領域によってねじ素材を加工する工程を示す側面図である。 (A)は両ねじ体の一部を拡大して示す側面図であり、(B)は両ねじ領域のねじ山の最高頂部の断面積を示す断面図であり、(C)同両ねじ体の底面図である。 (A)は両ねじ体の一部を拡大して示す側面図であり、(B)は両ねじ領域のねじ山の交差部の断面積を示す断面図であり、(C)同両ねじ体の底面図である。 (A)は同ダイ部材の他の構成例を示す正面図及び側面図であり、(B)はこれによって転造される両ねじ体Dの例を示す側面図であり、(C)及び(D)は、ねじ素材Bの他の構成例を示す正面図である。 同転造装置の他の構成例を示す平面図である。 同転造装置の他の構成例を示す平面図である。 (A)は同転造装置の他の構成例を示す平面図であり、(B)は右側面図であり、(C)左側面図であり、(D)は(A)のD−D矢視断面図であり、(E)は(A)のE−E矢視断面図である。
以下本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
先ず、本発明の実施形態に係る転造装置について説明する。本発明を適用可能な転造装置の種類としては、図1(A)に示す、プレート状の第一ダイ部材132を二つ用いる所謂平ダイス転造装置や、図1(B)に示す、円柱状若しくは円筒型の二つ以上の丸ダイ部材132,142を合わせて用いる所謂ローリング転造装置、図1(C)に示す、一方が円弧型のダイ部材132で、他方が円柱若しくは円筒型の丸ダイ部材142を用いて転造する所謂プラネタリ転造装置等がある。以降、本実施形態では平ダイス構造の転造装置を具体的に説明するが、これらに例示されない他のあらゆる転造装置に本発明を適用することができる。
図2に示すように、転造装置100は、基台110と、素材供給部120と、転造部130と、駆動部150と、位置調整部170を有する。基台110は、転造部130や位置調整部170等を所定の傾斜状態、具体的には図2において上側が高く且つ下側が低くなるように傾斜状態で支持する部材であって、周囲にオイルパン108が配置される。勿論、このような高低差は必須ではない。
素材供給部120は、被転造体であるねじ素材Bを転造部130に一つずつ供給する。素材供給部120は、ねじ素材Bが蓄積される振動パーツフィーダ122と、振動パーツフィーダ122から供給されるねじ素材Bを揺動摺滑させて案内するガイドレール124と、ガイドレール124の下端において、ねじ素材Bを一つずつ転造部130に押し出すプッシャ126を有する。
転造部130は、固定側となる第一ダイ部材132と、移動側となる第二ダイ部材142と、第一ダイ部材132を保持する第一保持機構134と、第二ダイ部材142を保持する第二保持機構144と、第二保持機構を転造方向Xに摺動自在に案内しつつ、転造圧に抗する反力を得るためのサポートレール149を有する。
第一ダイ部材132と第二ダイ部材142は、転造方向Xに対して直角となる転造幅方向Wに間隔を存して対向配置される。互いに対向する転造面132A、142Aには、それぞれ互いに対応して設けられる、被転造体を所望の転造用形状、即ち転写形状に塑性変形させるための当該転写形状に対応した転造凹凸が形成される。転造凹凸の構造については後に詳述する。
第一保持機構134は、第一ダイ部材132を収容する収容凹部135を有しており、この収容凹部135内で第一ダイ部材132を固定する。具体的に第一保持機構134は、第一ダイ部材132を上面側から固定ボルト136Aを利用して挟み込む挟持部材136と、第一ダイ部材132の転造面132Aの反対側の面(裏面)を支持する一式の突出量調整ボルト137と、第一ダイ部材132の転造方向Xに対向する一方の面(側面)を保持する転造方向固定ボルト138を有する。従って、突出量調整ボルト137を締め込めば、第一ダイ部材132の転造面132Aが、第二ダイ部材142に接近する。転造方向固定ボルト138を締め込めば、第一ダイ部材123が、収容凹部135の側面(転造方向位置決め面)135Aに押し付けられて固定される。この際、第一ダイ部材132と側面135Aの間にシムや紙を挿入して、第一ダイ部材132の転造方向Xの位置を微調整しても良いが、後述するように、本実施形態では位置調整部170を有するので、シム等を利用した調整は原則として不要にできる。第一ダイ部材132が、突出量調整ボルト137と転造方向固定ボルト138によって位置決めされた状態で、固定ボルト136Aによって挟持部材136を第一ダイ部材132の上面に押し付けることで、第一ダイ部材132の保持が完了する。
第二保持機構144は、第二ダイ部材142を収容する収容凹部145を有しており、この収容凹部145内で第二ダイ部材142を固定する。具体的に第二保持機構144は、収容凹部145の収容される第二ダイ部材142を、上面側から固定ボルト146Aを利用して挟み込む挟持部材146を有する。この固定ボルト146Aによって挟持部材146を第二ダイ部材142の上面に押し付けることで、第二ダイ部材142の保持が完了する。
サポートレール149は、第二保持機構144における背面144Aを保持する摺動面146Aを有する。従って、サポートレール149は、第二保持機構144が転造時において第二ダイ部材142から受ける力(転造時の反力)を、摺動面146Aで受け止める。なお、サポートレール149は、第二保持機構144の上面を保持する上部レール147も備えており、第二保持機構144が転造方向に往復移動する際に、第二保持機構144が上下方向に移動しないように規制する。
駆動部150は、駆動源152と、この駆動源152を利用して第二保持機構144を転造方向Xに往復移動させる移動機構160を有する。駆動源152は、特に図示しないモータと、このモータの回転をサイクル機構160に伝達するベルト154及びプーリ156を有する。勿論、これらの構成は必須不可欠なものではなく、可動側である第二保持機構144を駆動可能に構成されるものであれば特に限定されるものではない。
サイクル機構160は、プーリ156の回転が伝達されるフライホイール162と、このフライホイール162の偏心位置に配置されるクランク軸164と、第二保持機構144側に配置されるクランクピン166と、クランク軸162とクランクピン166を連結する連結部材168を有する。結果、クランク軸164がフライホイール162によって公転すると、連結部材168を利用したクランク機構によって、第二保持機構144が転造方向Xに直線的に往復運動する。結果、第一ダイ部材132と第二ダイ部材142が、ねじ軸Bを挟持した状態で、転造方向Xに相対移動し、ねじ素材Bにねじ部が転造形成される。
位置調整部170は、制御装置172と位置調整機構180を有する。図3に拡大して示すように、位置調整機構180は、第一保持機構134の底面に形成されるスライダ部182と、基台110に配置されてスライダ部182を転造方向Xに案内する調整用ガイド184と、基台110に配置されて第一保持機構134(スライダ部182)を転造方向Xに移動させる調整用駆動部186を有する。調整用駆動部186は、ここでは油圧サーボを用いた油圧シリンダを採用しており、その移動軸が第一保持機構134に連結固定される。
更に調整用駆動部186は、特に図示しない位置検出装置を備える。この位置検出装置は、例えば、調整用駆動部(油圧シリンダ)186に内蔵されるデジタル測長センサ等を用いることができる。この分解能は、例えば100μm以下、望ましくは10μm以下、更に好ましくは2μm以下が好ましく、これらの分解能で位置調整できるようにする。
制御装置172は、CPUやROM、RAM、等を内蔵しており、CPUで所定のプログラムを実行することで、特に図示しない外部からの入力信号に基づき、位置検出装置で検出されるデータを参照して調整用駆動部186を制御する。結果、第一保持機構134を高精度な分解能で転造方向Xに位置調整する。例えば、5μm下流側へ移動(又は上流側へ移動)させる入力信号を受付けると、位置検出装置で検出されるデータを参照して調整用駆動部186をフィードバック制御し、第一保持機構134を5μm下流側(又は上流側)に移動させる。
以上の通り、第一ダイ部材132や第一保持機構134を分解することなく、位置調整部170によって、第一保持機構134を転造方向Xの位置を高精度に調整することで、転造装置100の稼動中においても、第一ダイ部材132と第二ダイ部材142の転造方向Xの相対位置を微調整できる。
次に、第一及び第二ダイ部材132、142の転造面132A、142Aのダイス構造について詳細に説明する。なお、両者のダイス構造は共通していることから、ここでは第一ダイ部材132の転造面132Aのダイス構造のみについて説明し、他は省略する。なお、本発明におけるダイ部材の構造や形状は、特に限定されるものではない。
本実施形態の転造面132Aの転造ダイス構造は、図4に示すように、両ねじ体を製造するためのものであり、所望の転写形状(に対応した転造凹凸)が設けられた剛性表面20を有する。剛性表面20は、ねじ素材Bに対して圧接されながら相対変位する。従って、剛性表面20は、このねじ素材Bの軸方向に直交する方向に相対変位しながら当該ねじ素材B表面を変形させて、軸方向における同一領域上に右ねじ部と左ねじ部を有する両ねじ体を転造することが可能である。
図4(A)に示すように、第一ダイ部材132の剛性表面20は、この剛性表面20の最外部(最もねじ素材Bに接近する部分)間を繋いで得られる仮想表面22において、凹部30が複数独立して整列して設けられる両ねじ部形成領域Uを備える。両ねじ部形成領域Uの凹部30は、法線方向視において略平行四辺形状を成しており、図4(B)に示すように仮想表面22から凹設される。ここで、仮想表面22は、プレート状の第一ダイ部材132の場合には平面状に、丸ダイス形態の場合には円筒面状に、円弧状ダイス形態の場合には部分円筒面(円弧面)状に設定することが望ましい。
各凹部30は、仮想平面22の法線方向視において略平行四辺形状に形成され、好ましくは略菱形状を成す。このように略菱形状に設定すれば、転造される両ねじ体Dの右ねじ部と左ねじ部におけるそれぞれのねじピッチを互いに等しいものとすることが出来る。
これらの凹部30は、それぞれ法線方向視における略平行四辺形状の四つ角対応部位のうち、二つ以上の角部31,31が、図5(A)に示すように法線方向視において丸く形成される。本実施形態では、略平行四辺形状の四つ角対応部位の全ての角部31,31,32,32を丸く形成している。なお、これら二つ以上の角部31,31は、互いに対角位置状に設定することが好ましく、特に、二つ以上の角部31,31をねじ素材Bの転動する方向、即ち相対変位の方向における対角位置として設定すれば、転造の際の切り子の発生を抑制でき、且つ、万一発生した切り子が相対変位の際に凹部30から流れ出易くなって好ましい。
また凹部30は、この開口面を一構成面とするような仮想的な略四角錐形状の穴状を成しており、この略四角錐形状の中央頂部が凹部30の最深部位34を構成する。より好ましくは、凹部30の最深部位34が略扁平な底部35を有するような形状とする。こうすることで、底部35が広くなり、万一発生した切り子が詰まることなく流れ出易くなると共に、両ねじ体Dのねじ山Mの最高頂部が両ねじ体Dの軸直角方向において鋭角と成らずに済み、両ねじ体Dに対する雌ねじ体の螺合時における安定性を向上させることが出来る。また大量生産によって得られる両ねじ体Dの製品精度を著しく向上させることが出来る。
図5(A)に示すように、両ねじ部形成領域Uにおける凹部30の相対変位する方向の配列ピッチT1、T2、T3・・・が、ねじ素材Bと相対変位する際の上流側から下流側に向かって小さく設定される。即ちT1>T2>T3>・・・とする。図5(B)に示すように、ねじ素材Bを両ねじ部形成領域U上において上流から下流へ転動させると、ねじ山Mを除いた軸部Eが次第に形作られる。軸部Eの外周距離(正円と仮定した場合は、直径×π)は下流に向かって徐々に小さくなり、最終的に略正円形状となる。従って、ねじ素材Bが一回転することによって進む転動距離も、下流に向かって徐々に小さくなるので、それに合わせて、凹部30の相対変位する方向の配列ピッチT1、T2、T3・・・を小さく設定しておくと、転動中のねじ素材Bに対して、いつも同じ位相で凹部30を圧接することが可能になり、ねじ山Mの形状精度を著しく高めることが出来る。なお、ここでは両ねじ部形成領域Uの全域に亘って、配列ピッチT1、T2、T3・・・が次第に小さくなる場合を例示しているが、相対変位方向の部分的な領域に限って配列ピッチT1、T2、T3・・・を次第に小さくしても良い。
図5(B)に示すように、転造ダイス構造を用いた転造中は、本両ねじ部形成領域Uにおいてねじ素材Bの軸心E1と仮想表面22との距離L1、L2、L3・・・を、ねじ素材Bが相対変位する上流側から下流側に向かって小さくすることが好ましい。即ちL1>L2>L3>・・・とする。このようにすると、ねじ素材Bの軸部Eの直径が下流に向かって徐々に小さくなるように、ねじ素材Bを圧縮することができるので、凹部30の相対変位する方向の配列ピッチT1、T2、T3・・・を小さくすることとの相乗効果によって、より一層ねじ山Mの形状精度を高めることが出来る。
なお、図5(A)では、全ての凹部30に関して、相対変位する方向の最大寸法Wが一定となる場合を例示しているが、例えば図6に示すように、両ねじ部形成領域Uにおける複数の凹部30の相対変位する方向の最大寸法W1、W2、W3・・・が、上流側から下流側に向かう配列順に、次第に小さくなるように設定することも好ましい。即ちW1>W2>W3>・・・とする。ねじ山Mの最終形状は、両ねじ部形成領域Uの最下流側の凹部30と近似する。一方で、上流側は、配列ピッチT1、T2、T3・・・が最下流側よりも大きいことから、スペースに余裕があるので、凹部30の同最大寸法W1、W2、W3・・・を大きく設定できる。凹部30の同最大寸法W1、W2、W3・・・が大きい方が、ねじ素材Bの塑性変形量を増やすことが出来るので、上流側の凹部30で可能な限り素早く塑性変形させていき、下流側に進むにつれて最終のねじ山Mの形状に近づけていくような転造が可能となる。
図5(C)に示すように、これらの凹部30は、仮想表面22の法線方向に沿う断面形状において、その周縁33部分が、例えばR加工等のように丸く形成され、略平行四辺形状を成す周縁33の周回上に沿って丸く形成される。このように、凹部30の周縁33部分を、周縁33の周回上に亘って丸くすることによって、転造時に第一ダイ部材132表面とねじ素材Bとの不合理な当たりによってねじ素材Bから削り出されて発生する切り子の発生を防止することが可能となる。なお、本発明はこれに限定されず、例えば、図5(D)に示すように台形形状にしてもよく、V字形状にすることも可能である。
図5(A)に示すように、仮想表面22の法線方向視において略平行四辺形状の凹部30は、その対角線のうち少なくとも一方の対角線距離Wを、ねじ素材Bの半径をR0、円周率をπとするとき、2πR0以下となるように設定する。好ましくは、本発明の実施によって得られる両ねじ体Dの谷径をd(図9参照。)とするとき、凹部30を成す略平行四辺形の対角線のうち少なくとも一方の対角線距離Wをπd以下とする。より好ましくは、凹部30を成す略平行四辺形の対角線のうち少なくとも相対変位方向に平行な対角線の対角線距離をπd以下に設定する。このように設定することによって、右ねじ部と左ねじ部のねじピッチを同等に設定可能となる上、高精度な両ねじ体Dを得ることが出来るようになる。
また、図5(A)のように、凹部30の開口は、仮想表面22の法線方向視における略平行四辺形の一方の対角線距離、好ましくは相対変位方向の対角線距離Wを比較的長く設定し、他方の対角線距離、好ましくは相対変位方向に対して直交する方向の対角線距離Fを比較的短く設定する。なお、凹部30は、該凹部30の容積をv、円周率をπ、第一ダイ部材132の相対変位の方向に対する直交方向における凹部30の凹設ピッチをp、両ねじ体Dの谷径をd(図9参照)、凹部30の最深部位34の深さをhとするとき、個々の凹部30の容積vの設定範囲が、πpdh/7≦v≦πpdh/5で規定されるように構成することが好ましい。この範囲よりも小さく設定すると、ねじ山Mが痩せ過ぎたり、小さくなり過ぎて強度不足になったり、或いは、本発明の実施によって得られる雄ねじである両ねじ体Dに雌ねじ体を螺合した際に遊びが大きくなり過ぎてガタ付きが大きくなり過ぎてしまう。逆に、この範囲よりも大きく設定すると、ねじ山Mが太り過ぎたり、大きくなり過ぎて、本発明の実施によって得られる雄ねじである両ねじ体Dに雌ねじ体を螺合した際に遊びが小さくなり過ぎて螺合困難若しくは螺合不能になったり、或いは、ねじ山Mを高精度に転造することが困難となる。
従って、図6に示すように凹部30のサイズを変化させる場合は、上記容積vの条件を満たす範囲内で変化させることが好ましい。
以上説明の両ねじ体Dの転造用ダイス構造の第一ダイ部材132を用いて転造すれば、高精度な両ねじ体Dを効率的に大量生産することが可能となる。
ダイ部材の剛性表面は、この剛性表面の最外部(最もねじ素材Bに接近する部分)間を繋いで得られる仮想表面22において前駆体加工領域を有する。この前駆体加工領域は、例えば、断面形状が楕円形、或いは、長円形等の如くの前駆的な断面形状(以下、略楕円形状という)に加工するためのものであり、これに続く両ねじ部形成領域Uにおいて、両ねじ部を形成しやすくするための前駆的形状を形成するためのものである。特に、前駆的な断面形状を略楕円形状に加工する第一ダイ部材132の剛性表面20は、図4(A)に示すように、仮想表面22において前駆体加工領域Qを有する。
この前駆体加工領域Qは、図8に示すように、ねじ素材Bと相対変位する方向に沿って、仮想表面22自体が面状態を維持したまま、当該ねじ素材Bの軸心E1に次第に接近していく接近領域Q1と、軸心E1から次第に離反していく離反領域Q2を繰り返している。従って、図8(A)のように、当初は断面正円形状となるねじ素材Bが、接近領域Q1で圧縮される工程が同位相で繰り返されることにより、最終的に、図8(C)のように、長軸と短軸を有する断面非円形となる。なお、ここでは接近領域Q1及び離反領域Q2が曲面となっている場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図8(D)に示すように、断面が台形となるような凹凸であっても良く、また、鋸刃状の凹凸であっても良い。
図4(A)のように、第一ダイ部材132における前駆体加工領域Qの少なくとも一部は、両ねじ部形成領域Uに対して、ねじ素材Bが相対変位する際の上流側に存在する。望ましくは、前駆体加工領域Qと両ねじ部形成領域Uを独立配置する。このようにすると、両ねじ部形成領域Uにねじ素材Bが進入する前に、予め、前駆体加工領域Qにおいて、ねじ素材Bを略楕円形状に変形させることが可能となる。勿論この前駆体加工領域Qの一部または全部が、両ねじ部形成領域Uと重複するようにしても良い。重ねる場合は、ねじ素材Bを楕円加工しながら、ねじ山も同時に形成していくことになる。
両ねじ部形成領域Uにおいて相対変位する方向に沿って直線上に配置される複数の凹部30の配列ピッチPUに対して、前駆体加工領域Qにおける接近領域Q1と離反領域Q2の間の変形ピッチPQはその整数倍、ここでは四倍に設定される。なお凹部30は、平行四辺形が斜め格子状に配置されていることから、ジグザグ状に配置される複数凹部30の格子ピッチPXが、直線上に配置される凹部30の配列ピッチPUの二分の一となる。更に、前駆体加工領域Qとこれに隣接する両ねじ部形成領域Uの間は、変形ピッチPQの位相と配列ピッチPUの位相が一致している。このようにすると、前駆体加工領域Qから両ねじ部形成領域Uへのねじ素材Bの転動が円滑に行われる。
図9(B)及び図10(B)に示すように、両ねじ体Dにおいて、右ねじと左ねじが重なって形成される両ねじ領域の特徴として、180°の位相差を有する一対のねじ山M、Mの最高頂部のねじ山Mのみの総断面積S1(図9(B)参照)と、この最高頂部に対して周方向に90°ずれて、互いのねじ山M、Mが交差している交差部のねじ山Mのみの総断面積S2(図10(B)参照)が、大幅に異なることが挙げられる。即ち、両ねじ体Dの転造は、軸部Eを正円に近似させるようにねじ素材Bを変形させつつも、その周囲のねじ山Mは、最高頂部近傍の体積と、それに対して90°ずれた交差部近傍の体積が異なるように転造しなければならない。従って、仮に断面正円のねじ素材Bのまま、両ねじ部形成領域Uを用いて転造する場合、交差部近傍のねじ素材Bを減肉し、最高頂部近傍のねじ素材Bを増肉しなければならず、ねじ素材Bの材質によっては、そのような材料の流動が困難な場合がある。
従って、本実施形態のように、両ねじ部形成領域Uよりも上流側の前駆体加工領域Qにおいて、ねじ素材Bを、将来のねじ山Mの最高頂部となり得る場所を長軸とし、将来のねじ山Mの交差部となり得る場所を短軸とする略楕円形状に変形させておくことで、両ねじ部形成領域Uでは、ねじ素材Bの塑性変形量を少なくすることが可能となる。しかも、第一ダイ部材132に、前駆体加工領域Qと両ねじ部形成領域Uを一体的に配置しておき、前駆体加工領域Qの変形ピッチPQ(短軸と長軸のピッチ)と、両ねじ部形成領域Uにおけるねじ山の最高頂部と交差部のピッチ(配列ピッチPUの四分の一)の位相を一致させる。その結果、一連の転造動作で、楕円形又は長円形の加工とねじ山加工をまとめて行うことで、極めて高精度な両ねじ領域を、極めて高い作業効率で転造することが可能となる。
図4(A)に示すように、第一ダイ部材132の剛性表面20は、両ねじ部形成領域Uに対してねじ素材Bの軸方向にずれた状態で隣接配置される片ねじ部形成領域Jを備える。この片ねじ部形成領域Jには、仮想表面22に対して帯状に延在する谷部50が凹設され、この谷部50によって、図9及び図10の両ねじ体Dの片ねじ領域のねじ山を転造する。この谷部50は、ねじ素材Bが相対変位する方向に対してリード角分傾斜配置されていればよい。ねじ素材Bを、両ねじ部形成領域Uと片ねじ部形成領域Jの双方に跨るように配置して転造すれば、図9及び図10に示すように、片ねじ部形成領域Jによって片ねじ領域が形成され、両ねじ部形成領域Uによって両ねじ領域が形成される両ねじ体Dを得ることが出来る。
図4(C)に示すように、第一ダイ部材132は、両ねじ部形成領域Uと片ねじ部形成領域Jの境界で部品として分割可能となっている。両ねじ体Dは、仕様に応じて片ねじ領域の長さを変更する必要がある。第一ダイ部材132を分割可能にしておくと、片ねじ部形成領域Jに相当する部品だけ軸方向の幅が異なるものに交換すれば、簡単に、両ねじ体Dの片ねじ領域の長さを変更できる。また、両ねじ部形成領域Uも部品として簡単に交換できるので、両ねじ部形成領域Uのねじ山Mの形状を変更したり、あるいは、両ねじ部形成領域Uと片ねじ部形成領域Jの軸方向配置を入れ替えたり、更には、片ねじ部形成領域Jの両脇に両ねじ部形成領域Uを配置するなど、様々なバリエーションに柔軟に対応できる。通常は、両ねじ部形成領域Uの軸方向寸法を、余裕をもって大きく設定しておけば、あらゆる長さの両ねじ領域に対応できることになる。
第一ダイ部材132は、片ねじ部形成領域Jにおける軸方向の途中の境界で、ここでは三つの部品片J1、J2、J3に分割可能となっている。このようにすると、例えば5mmの軸方向幅となる部品片を多数個用意しておき、部品片の連結数によって、片ねじ部形成領域Jの軸方向幅を5mm単位で自在に調整できる。この思想を両ねじ部形成領域Uに適用することも可能である。
図4(A)に示すように、第一ダイ部材132の剛性表面20は、片ねじ部形成領域Jに対して、ねじ素材Bの軸方向にずれた状態で隣接配置される平面状の円筒(円柱であってもよい)部形成領域Kを備える。この円筒部形成領域Kは、図9及び図10の両ねじ体Dの円筒領域を転造してもよく、又、当該平面状の円筒部形成領域Kがねじ素材Bに触れないように構成することで元々のねじ素材Bの円柱状の適宜領域を残存させることで円筒部としてもよい。図4(C)に示すように、円筒部形成領域Kと片ねじ部形成領域Jの境界は分割可能となっている。両ねじ体Dでは、その仕様に応じて円筒領域の長さを変更する必要がある。このように分割可能にしておくと、第一ダイ部材132において、円筒部形成領域Kに相当する部品だけ軸方向の幅が異なるものに交換すれば、簡単に両ねじ体Dの円筒領域の長さを変更できる。
なおここでは特に図示しないが、第一ダイ部材132は、円筒部形成領域Kにおける軸方向の途中の境界で、更に部品片として分割可能としてもよい。このようにすると、例えば5mmの軸方向幅となる円筒部形成領域Kの部品片を多数個用意しておき、部品片の連結数によって、円筒部形成領域Kの軸方向幅を5mm単位で自在に調整できる。
本実施形態の転造装置100を用いた両ねじ体Dの転造方法は、円柱状のねじ素材Bに対して圧接しつつ、このねじ素材Bの軸方向に直交する方向に相対変位しながら当該ねじ素材B表面を変形させて軸方向における同一領域上に右ねじ部と左ねじ部を有する両ねじ体Dを転造する。
本実施例のようなプレート状の第一ダイ部材132、第二ダイ部材142を用いて転造する場合、図1(A)に示したように、一方の第一ダイ部材132を固定し、これに対して最外表面間の距離が所定間隔dとなるように他方の第二ダイ部材142を配置し、この他方の第二ダイ部材122を、この間隔dを保持しながら相対変位させる。勿論、これらの第一及び第二ダイ部材132,142は相対変位していればよく、両方を互い違いの方向に変位させるように構成してもよく、間隔dも一定でなく、幾分か第一及び第二ダイ部材132、142同士を傾斜させて配設してもよい。
本実施形態の転造装置100は、第一ダイ部材132と第二ダイ部材142の転造方向Xの相対位置を調整する位置調整機構180を備える。従って、転造装置100の周囲の温度変化や、転造装置100自体の温度変化による熱膨張によって、第一ダイ部材132と第二ダイ部材142の相対位置が変化した場合でも、簡単に第一ダイ部材132と第二ダイ部材142の相対位置を微調整できる。従って、量産される両ねじ体Dの状態を確認しながら、転造装置100の稼動を停止させることなく、第一ダイ部材132と第二ダイ部材142の相対位置を微調整できる。結果、常に高精度な両ねじ体Dを高い歩留りで大量生産することができる。
特に本実施形態で示すように、両ねじ体Dを製造するためのダイス構造を第一及び第二ダイ部材132、134が採用する場合、転造面において転造方向に周期的に凹部30が配置される。従って、第一ダイ部材132と第二ダイ部材142の相対位置が微小にずれてしまうと、凹部30によるねじ素材Bに対する転造タイミング(転造周期)が、第一ダイ部材132と第二ダイ部材142でずれてしまう。結果、ねじ山Mの形状が崩れてしまい、両ねじ体Dの完成精度に多大な影響及ぼす。従って、本実施形態の転造装置100のように、調整用駆動部186を利用して、100μm以下のリアルタイムな微調整を可能にすることで、常にねじ山Mの完成度合いを監視しながら、第一ダイ部材132と第二ダイ部材142の相対位置を調整して最適化できる。従って、試作を繰り返しながら行う量産前のセッティング時間を大幅に短縮でき、また大量生産中の微調整も自在となる。
また本転造装置100では、位置調整機構180として、固定側の第一ダイ部材132を転造方向Xに案内する調整用ガイド184と、調整用ガイド184に沿って第一ダイ部材132を移動させる調整用駆動部186を有する。従って、固定側の第一ダイ部材132を積極的に調整することで、転造装置100自体を複雑化することなく、第一ダイ部材132と第二ダイ部材142の相対位置を調整できる。更に本転造装置100では、調整用駆動部186に内蔵される位置検出装置の検出結果に基づいて、制御装置172によって相対位置を自動制御できる。従って、利用者は、制御目標値(移動量)を制御装置172に入力すれば、たとえ転造装置100の運転中であっても、第一ダイ部材132と第二ダイ部材142の相対位置を変更できる。・
また本実施形態の転造装置100では、図4(A)及び図5(A)に示すように、両ねじ部形成領域Uにおける凹部30の相対変位する方向の配列ピッチT1、T2、T3・・・を、ねじ素材Bと相対変位する際の上流側から下流側に向かって小さくする。即ちT1>T2>T3>・・・とする。図5(B)に示すように、ねじ素材Bを両ねじ部形成領域U上において上流から下流へ転動させると、ねじ山Mを除いた軸部Eが次第に形成されていく。軸部Eの外周距離(正円と仮定した場合は、直径×π)は下流に向かって徐々に小さくなり、最終的に略正円形状となる。従って、ねじ素材Bが一回転することによって進む転動距離も、下流に向かって徐々に小さくなるので、それに合わせて、凹部30の相対変位する方向の配列ピッチT1、T2、T3・・・を下流に向かって小さくなるように設定しておくと、転動中のねじ素材Bに対して、常にほぼ同じ位相で凹部30を圧接することが可能になり、ねじ山Mの形状精度を著しく高めることが出来る。
図5(B)に示すように、両ねじ部形成領域Uにおいて、ねじ素材Bの中心軸E1と仮想表面22との距離L1、L2、L3・・・を、ねじ素材Bが相対変位する上流側から下流側に向かって小さくこともできる。その場合は、対向する一対の第一ダイ部材132の仮想表面22を非平行にして、互いの距離が、ねじ素材Bの転動の進行方向に向かって次第に小さくなるように設定すればよい。
更に図6に示すように、両ねじ部形成領域Uにおける複数の凹部30の相対変位する方向の最大寸法W1、W2、W3・・・が、上流側から下流側に向かう配列順に、次第に小さくなるように設定することも出来る。即ちW1>W2>W3>・・・とする。ねじ山Mの最終形状は、両ねじ部形成領域Uの最下流側の凹部30と近似する。一方、上流側は、配列ピッチT1、T2、T3・・・が最下流側よりも大きいことから、スペースに余裕があるので、凹部30の同最大寸法W1、W2、W3・・・を大きく設定できる。凹部30の同最大寸法W1、W2、W3・・・が大きい方が、ねじ素材Bの塑性変形量を増やすことが出来るので、上流側の凹部30で可能な限り素早く塑性変形させていき、下流側に進むにつれて最終のねじ山Mの形状に近づけていくような転造が可能となる。
なお、図1(B)に示すように、円柱状若しくは円筒型の二つ以上の丸ダイ部材12,12を合わせ用いる所謂ローリング転造の場合には、二つの丸ダイ部材12,12を、互いの回転軸が並行で、かつ最外表面間の距離が所定間隔dとなるように保持する。そしてこの間隔dを保持しながらそれぞれ回転可能にする。このとき、それぞれの丸ダイ部材12,12は互いに逆回転であっても同回転であってもよい。
この丸ダイ部材12を用いる場合でも、両ねじ部形成領域Uにおいて、ねじ素材Bの中心軸E1と仮想表面22との距離L1、L2、L3・・・を、ねじ素材Bが相対変位する上流側から下流側に向かって小さくできる。その場合は、図7(A)に示すように、少なくとも一方の丸ダイ部材12の中心軸E1から仮想表面22までの距離X1、X2、X3・・・を、周方向に進むにつれて次第に大きくなるように変位させる。結果、対向する一対の仮想表面22の距離が、ねじ素材Bの転動の進行方向に向かって次第に小さくなる。
また、図1(C)に示すように、一方が円弧型ダイ部材132で、他方が円柱若しくは円筒型の丸ダイ部材142を用いて転造する所謂プラネタリ方式の転造の場合には、一方の円弧型ダイ部材132を固定し、これに対して最外部間の距離が所定間隔dとなるように、他方の丸ダイ部材142を回転自在に保持する。そしてこの間隔dを保持しながら、剛性表面20,20間が相対変位可能となるように配設する。
この円弧型ダイ部材132を用いる場合でも、両ねじ部形成領域Uにおいて、ねじ素材Bの中心軸E1と仮想表面22との距離L1、L2、L3・・・を、ねじ素材Bが相対変位する上流側から下流側に向かって小さくできる。その場合は、図7(B)に示すように、円弧型ダイ部材132の内周側の仮想表面22と、相手側の円筒型の丸ダイ部材142の中心軸E1の間の距離Y1、Y2、Y3・・・を、周方向に進むにつれて次第に小さくなるように変位させる。結果、相手側の円筒型のダイ部材142の仮想表面22との距離が、ねじ素材Bの転動の進行方向に向かって次第に小さくなる。
また、本実施形態によれば、図4(A)に示すように、第一ダイ部材132の前駆体加工領域Qを利用して、ねじ素材Bを楕円形又は長円形加工することができる。
より具体的には、両ねじ部形成領域Uにねじ素材Bを進入させる前に、予めねじ素材Bを略楕円形状に変形させる。
その際、両ねじ部形成領域Uよりも上流側の前駆体加工領域Qにおいて、ねじ素材Bを、将来のねじ山Mの最高頂部となり得る場所を長軸とし、将来のねじ山Mの交差部となる得る場所を短軸とするように略楕円形状に変形する。結果、両ねじ部形成領域Uでは、ねじ素材Bの塑性変形量を少なくできる。しかも、第一ダイ部材132及び/又は第二ダイ部材142上に前駆体加工領域Qと両ねじ部形成領域Uを一体的に配置しておき、前駆体加工領域Qの変形ピッチPQ(短軸と長軸のピッチ)と、両ねじ部形成領域Uにおけるねじ山の最高頂部と交差部のピッチ(配列ピッチPUの四分の一)の位相を一致させながら、一連の転造動作で、楕円形又は長円形加工とねじ山加工をまとめて行う。その結果、極めて高精度な両ねじ領域を、極めて高い作業効率で転造することが可能となる。
図4(A)に示すように、第一ダイ部材132及び/又は第二ダイ部材142の剛性表面20は、両ねじ部形成領域Uに対してねじ素材Bの軸方向にずれた状態で隣接配置される片ねじ部形成領域Jを備えることができる。この片ねじ部形成領域Jには、仮想表面22に対して帯状に延在する谷部50が凹設され、この谷部50によって、図9及び図10の両ねじ体Dの片ねじ領域のねじ山を転造する。この谷部50は、ねじ素材Bが相対変位する方向に対してリード角分傾斜配置されていればよい。ねじ素材Bを、両ねじ部形成領域Uと片ねじ部形成領域Jの双方に跨るように配置して転造すれば、図9及び図10に示すように、片ねじ部形成領域Jによって片ねじ領域が形成され、両ねじ部形成領域Uによって両ねじ領域が形成される両ねじ体Dを得ることが出来る。
また更に、本実施形態の転造装置100では、図4(C)に示すように、第一ダイ部材132及び/又は第二ダイ部材142が、両ねじ部形成領域Uと片ねじ部形成領域Jの境界で部品として分割可能としている。第一ダイ部材132又は第二ダイ部材142を分割可能にしておくと、片ねじ部形成領域Jに相当する部品だけ軸方向の幅が異なるものに交換すれば、簡単に、両ねじ体Dの片ねじ領域の長さを変更できる。
第一ダイ部材132及び/又は第二ダイ部材142は、片ねじ部形成領域Jにおける軸方向の途中の境界で、ここでは三つの部品片J1、J2、J3に分割可能となっているので、これらの部品片の連結数によって、片ねじ部形成領域Jの軸方向幅を自在に調整できる。この思想を両ねじ部形成領域Uに適用することも可能である。
本実施形態の転造装置100では、図4(C)に示すように、円筒部形成領域Kと片ねじ部形成領域Jの境界は分割可能としている。両ねじ体Dでは、その仕様に応じて円筒(円柱であってもよい)領域の長さを変更する必要がある。このように分割可能にしておくと、第一ダイ部材132及び/又は第二ダイ部材142において、円筒部形成領域Kに相当する部品だけ軸方向の幅が異なるものに交換すれば、簡単に両ねじ体Dの円筒領域の長さを変更できる。
上記実施形態の変更例として、例えば図11(A)に示す転造用ダイス構造が挙げられる。この転造用ダイス構造は、第一ダイ部材132及び/又は第二ダイ部材142の剛性表面20において、両ねじ部形成領域Uと片ねじ部形成領域Jの間にスペーサ領域SPが配置される。このスペーサ領域SPは、転造される両ねじ体Dの谷径に相当する突出量に設定されることで、両ねじ部形成領域Uと片ねじ部形成領域Jの境界部に幾分かの遊間を形成する役割を担う。このようにすると、図11(B)に示されるように、転造後の両ねじ体Dの両ねじ領域と片ねじ領域の間に、谷径となる微小幅のくびれ部Vが形成されるので、両ねじと片ねじのピッチを一致させておけば、片ねじ領域と両ねじ領域のねじ山の移行が円滑に行われる。
なお、ここでは両ねじ部形成領域Uと片ねじ部形成領域J間にスペーサ領域SPを配置する場合を例示したが、第一ダイ部材132及び/又は第二ダイ部材142の前駆体加工領域Q(図4参照)において、両ねじ部形成領域Uと片ねじ部形成領域Jに相当する境界にスペーサ領域SPを配置することも好ましい。このようにすると、図11(C)に示すように、ねじ素材Bが前駆体加工領域Qを通過した状態の所謂前駆体(この前駆体もねじ素材の一部と定義できる)にくびれ部Vを形成することができる。結果、その後の両ねじ部形成領域Uと片ねじ部形成領域Jの境界に仮にスペーサ領域が無くても、くびれ部Vの存在によって転造が円滑となる。なお、第一ダイ部材132及び第二ダイ部材142のスペーサ領域SPによってくびれ部Vを形成する他に、第一ダイ部材132及び第二ダイ部材142に供給されるねじ素材B自体に、事前工程で、くびれ部Vを形成しておくことも可能である。
また、上記実施形態では、ねじ素材Bが、ダイス構造における両ねじ部形成領域Uと片ねじ部形成領域Jの双方に亘って同じ断面積となる場合を例示しているが、本発明はこれに限定されない。例えば図11(C)に示すように、両ねじ部形成領域Uに相当するねじ素材Bの両ねじ対応領域BUの断面積と比較して、片ねじ部形成領域Jに相当するねじ素材Bの片ねじ対応領域BJの断面積を大きく設定することが好ましい。図11(B)の両ねじ体Dからわかるように、両ねじ領域と片ねじ領域は、谷径は同じであるにもかかわらず、ねじ山の高さは、両ねじ部の方が部分的に小さい。即ち、両ねじ体Dにおける両ねじ領域の単位ねじ山の体積と、片ねじ領域の単位ねじ山の体積は、片ねじ領域の方が大きい。従って、両ねじと片ねじのねじ山の体積差に相当する量だけ、ねじ素材Bの両ねじ対応領域BUと片ねじ対応領域BJに体積差を設けておくことが好ましい。
更に、ここではねじ素材Bの両ねじ対応領域BUと片ねじ対応領域BJの境界にくびれVを形成する以外に、境界にテーパ面を形成することも好ましい。このようにすると、ねじ素材Bを圧造によって成型する際に、予め形成することができる。
以上、本実施形態の転造装置100では、位置調整部170によって、固定側の第一ダイ部材132を調整する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図12に示すように、位置調整部170によって第二ダイ部材142側を転造方向Xに移動させても良い。例えば、位置調整部170の位置調整機構180は、第二保持機構144、サポートレール149、サイクル機構160等をまとめて転造方向Xに移動させても良い。また、特に図示しないが、サイクル機構160の連結部材168の長さを可変制御することで、第二保持機構144を転造方向Xに移動させることもできる。
また、本転造装置100では、位置調整部170における調整用駆動部186が、油圧サーボを用いた油圧シリンダとなる場合を例示したが、その駆動源は特に限定されない。例えば、ボールねじやウオームギヤ等の機械式アクチュエータ、電磁アクチュエータ、圧電素子を利用した圧電アクチュエータ、金属や樹脂等の熱膨張を利用した熱膨張アクチュエータ(サーモアクチュエータ)等を利用することができる。ただし、油圧サーボや熱膨張を利用したアクチュエータを用いる場合には、高精度な位置の微調整が可能となるが、機械装置の場合には、これらに比して精度が劣りやすくなることに注意を要する。
更に本転造装置100では、図1(A)で示す平ダイス転造装置の場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図1(B)で示すローリング転造装置の場合は、位置調整機構が、一方の丸ダイ132と他方の丸ダイ142の相対位相を調整できるようにする。また例えば図1(C)で示すプラネタリ転造装置の場合は、図13に示すように、位置調整部170における位置調整機構180が、調整用ガイド184を利用して、円弧型のダイ部材132を円弧の軸心を中心に移動可能に案内すれば良い。
また、位置調整部170による位置調整量は特に限定されるものではないが、0.5mm以上の調整ストロークを有することが好ましい。また、位置調整部170における位置検出装置は、調整用駆動部186に内蔵される場合に限られず、ダイ部材の位置を直接計測しても良く、その他の部位を利用して位置検出を行っても良い。
更に上記実施形態では、第一保持機構134によって第一ダイ部材132の位置を固定し、この第一保持機構134の転造方向Xの位置を、位置調整部170によって高精度に調整する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。
例えば図14に示すように、第一ダイ部材132に対して、位置調整部170の調整用駆動部186を直結して、転造方向Xに移動させることが好ましい。ちなみに本応用例では、第一ダイ部材132が、ダイ部132Bとホルダ132Cに分かれており、ホルダ132Cに設置される挟持部材136によって、ダイ部132Bを、上面側から固定ボルト136Aを利用して挟み込んでホルダ132Cに固定する。
第一ダイ部材132は、第一保持機構134の収容凹部135に収容される。第一保持機構134には、第一ダイ部材132の転造面132Aの反対側の面(裏面)を先端で支持する四本の突出量調整ボルト137Aと、突出量調整ボルト137Aと平行となり第一ダイ部材132に締結される引張りボルト137Bが設けられる。引張ボルト137Bは、第一ダイ部材132を、収容凹部135側に引き寄せることで、突出量調整ボルト137Aの先端面と第一ダイ部材132の間に高い圧力を付与する。これにより、第一ダイ部材123の高精度な位置決めが実現できる。
また、第一保持機構134における引張ボルト137B用の貫通孔134Aは、転造方向Xに沿った長穴となる。引張ボルト137Bの頭部と第一保持機構134の間には、軸方向の厚み変化が小さい状態で、面方向に大きく変形可能な第一変形プレート139Aが挿入されている。また第一ダイ部材132のホルダ132Cと、突出量調整ボルト137Aの突端との間にも第二変形プレート139Bが挿入されている。この第一及び第二変形プレート139A、139Bは、図14(A)の拡大部に示すように、ゴムG1と鋼板G2を交互に積層して加硫接着した所謂積層ゴムが用いられる。従って、引張ボルト137B及びこれに締結される第一ダイ部材132が、第一保持機構134に対して転造方向Xに相対移動すると、第一変形プレート139A及び第二変形プレート139Bは、図14(A)の拡大部の点線に示すように、積層厚は殆ど変わることなく、積層方向に対する直角方向に変形、即ち剪断変形する。
なお、図14(E)に示すように、第一ダイ部材132のホルダ132Cには、上下方向に延びる貫通孔132Dが形成される。この貫通孔132Dに挿入される底面固定ボルト132Eを利用して、第一ダイ部材132を、収容凹部135の底面側に固定する。この貫通孔132Dは、固定ボルト132Eのねじ軸に対して大きく設定されている。これは、第一ダイ部材132は、収容凹部135に対して、転造方向X、及び転造面132Aの法線方向の双方に位置調整が必要となるからである。
収容凹部135の底面には、凹部側摺動プレート135Fが設置され、第一ダイ部材132(ホルダ132C)の底面にも、ダイ側摺動プレート132Fが設置される。凹部側摺動プレート135F及びダイ側摺動プレート132Fは、ステンレス鋼板であって、互いの摺動面にフッ素樹脂コーティング(例えばテフロン(登録商標)加工)が施されている。従って、収容凹部135に対して第一ダイ部材132が相対移動可能となる。
以上の構成により、初期セッティング時において、突出量調整ボルト137A、引張りボルト137B、底面固定ボルト132E等を利用して、第一ダイ部材132を第一保持機構134に強固に固定した後でも、位置調整部170の調整用駆動部186によって、第一ダイ部材132のみを転造方向Xに移動可能となる。この際、ダイ側摺動プレート132Fと凹部側摺動プレート135Fが摺動部分と、第一変形プレート139A及び第二変形プレート139Bの面方向変形が、本発明でいう「調整用ガイド」として機能する。結果、第一ダイ部材132や第一保持機構134を分解することなく、位置調整部170によって、第一ダイ部材132を転造方向Xの位置を高精度に調整することで、転造装置100の稼動中においても、第一ダイ部材132と第二ダイ部材142の転造方向Xの相対位置を微調整できる。
なお、図14においては、ダイ部材132の転造面132Aの法線方向の位置決めは、四本の突出量調整ボルト137Aと引張りボルト137Bの組み合わせにより手動で行う場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、これらもアクチュエータによって構成することも可能である。
以上に説明の転造装置は、勿論、これらに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
20 剛性表面
22 仮想表面
30 凹部
31 角部
35 底部
50 谷部
100 転造装置
120 素材供給部
130 転造部
132 第一ダイ部材
134 第一保持機構
142 第二ダイ部材
144 第二保持機構
149 サポートレール
150 駆動部
152 駆動源
160 移動機構
170 位置調整部
172 制御装置
180 位置調整機構
182 スライダ部
184 調整用ガイド
186 調整用駆動部
B ねじ素材
D 両ねじ体
E 軸部
J 片ねじ部形成領域
K 円筒部形成領域
M ねじ山
Q 前駆体加工領域
U 両ねじ部形成領域

Claims (7)

  1. 所望の転造用形状が設けられた第一表面を有する第一ダイ部材を保持する第一保持機構と、
    上記第一表面に対応した転造用形状が設けられた第二表面を有する第二ダイ部材を保持する第二保持機構と、
    を備え、
    上記第一保持機構と上記第二保持機構とは、上記第一表面と上記第二表面との間に被転造体を挟持しつつ、互いに対向しながら相対移動させることで、上記被転造体を転動させながら所望の転造形状を造形することを可能とするように構成され、
    上記相対移動の方向における、前記第一ダイ部材と前記第二ダイ部材の相対位置を微調整し得、当該微調整による設定位置を保持することが可能な位置調整機構を有すること、
    を特徴とする転造装置。
  2. 前記位置調整機構は、
    前記第一ダイ部材又は前記第二ダイ部材を前記転造方向に案内する調整用ガイドと、
    前記調整用ガイドに沿って、前記第一ダイ部材又は前記第二ダイ部材を移動させる調整用駆動部と、
    を備えることを特徴とする、
    請求項1に記載のねじ転造装置。
  3. 前記相対位置を検出する位置検出装置と、
    前記位置検出装置の検出結果に基づいて、前記調整用駆動部による前記調整用駆動機構の移動量を制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とする、
    請求項2に記載のねじ転造装置。
  4. 前記第一ダイ部材は固定側となり、前記第二ダイ部材は、上記第一保持機構と上記第二保持機構を相対移動させる移動機構によって移動する移動側となり、
    前記位置調整ガイドは、前記第一ダイ部材を保持する前記第一保持機構を前記転造方向に案内することを特徴とする、
    請求項2又は3に記載のねじ転造装置。
  5. 前記第一ダイ部材は固定側となり、前記第二ダイ部材は、上記第一保持機構と上記第二保持機構を相対移動させる移動機構によって移動する移動側となり、
    前記第一保持機構は、前記第一ダイ部材を、前記第一表面の法線方向に位置調整自在に保持しており、
    前記位置調整ガイドは、前記第一ダイ部材を、前記第一保持機構に対して前記転造方向に案内することを特徴とする、
    請求項2又は3に記載のねじ転造装置。
  6. 前記第一ダイ部材及び前記第二ダイ部材は、転造を行う表面の最外部間を繋いで得られる仮想表面の法線方向視において略平行四辺形状を成し、該仮想表面から凹設される複数の凹部が、前記相対変位する方向に沿って複数配列される両ねじ部形成領域を備えることを特徴とする、
    請求項1乃至5のいずれかに記載のねじ転造装置。

  7. 前記第一ダイ部材及び前記第二ダイ部材は、前記両ねじ部形成領域における前記凹部の前記相対変位する方向の配列ピッチが、前記ねじ素材と相対変位する際の上流側から下流側に向かって小さく設定される領域を有することを特徴とする、
    請求項6に記載のねじ転造装置。
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