JP2016145591A - ジャーナル軸受及び回転機械 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、キャリアリング、ガイドメタル、第1軸受パッド、第2軸受パッド、及び複数の給油ノズルを備えたジャーナル軸受が開示されている。給油ノズルは、供給された潤滑油をロータ軸の外周面と軸受パッドの内周面との間に供給するものであり、ガイドメタルの一端部に配置された第1の給油ノズルと、第1軸受パッドの両端部に配置された第2及び第3の給油ノズルと、第2軸受パッドの一端部に配置された第4の給油ノズルと、を備えている。そして、各給油ノズル(第1の給油ノズル、第2の給油ノズル、第3の給油ノズル及び第4の給油ノズル)から同量の潤滑油が供給されるようになっている。
円筒状に形成されたキャリアリングと、
前記キャリアリングの下半領域の内周側に設けられ、ロータ軸を下方から支持するように構成された第1軸受パッドと、
前記キャリアリングの前記下半領域の内周側において前記第1軸受パッドよりも前記ロータ軸の回転方向下流側に設けられ、前記ロータ軸を下方から支持するように構成された第2軸受パッドと、
前記キャリアリングの上半領域の内周側に設けられ、前記ロータ軸の外周面のうち上側領域を覆うガイドメタルと、
前記第1軸受パッドの上流側直前に設置された第1給油ユニットと、
前記第1軸受パッドと前記第2軸受パッドとの間の周方向位置に設置された第2給油ユニットと、
前記キャリアリングの軸方向一端部と他端部とに前記ロータ軸の外周に沿って設置された一対のサイドプレートと、
を備え、
各々の前記サイドプレートの内周面と前記ロータ軸の外周面との間に前記一対のサイドプレートによって囲まれた軸受内部空間と外部とを連通させるための隙間を有し、
前記第1給油ユニットから吐出される潤滑油の油量は、前記第2給油ユニットから吐出される潤滑油の油量よりも多く設定される。
前記第1給油ユニットの油吐出孔総面積は、前記第2給油ユニットの油吐出孔総面積よりも大である。
上記(2)の構成によれば、第1給油ユニットから第1軸受パッドに供給される潤滑油の油量を第2給油ユニットから第2軸受パッドに供給される潤滑油の油量よりも多く設定しやすい。
前記第1給油ユニットの油吐出孔の数は、前記第2給油ユニットの油吐出孔の数よりも多である。
上記(3)の構成によれば、第1給油ユニットと第2給油ユニットとの間に油吐出孔数の差を設けることで、第1給油ユニットの油吐出孔総面積を第2給油ユニットの油吐出孔総面積よりも大にできる。
前記第1給油ユニットの油吐出孔の大きさは、前記第2給油ユニットの油吐出孔の大きさよりも大である。
上記(4)の構成によれば、第1給油ユニットと第2給油ユニットとの間に油吐出孔の大きさの差を設けることで、第1給油ユニットの油吐出孔総面積を第2給油ユニットの油吐出孔総面積よりも大にできる。
前記キャリアリングは、前記第1給油ユニット及び前記第2給油ユニットに連通するマニホールドを前記キャリアリングの内部に有する。
上記(5)の構成によれば、マニホールドに供給された潤滑油を第1給油ユニットと第2給油ユニットとに分配できる。
前記キャリアリングは、下半領域を構成する下半部と、上半領域を構成する上半部とを含み、前記マニホールドは、前記上半部と前記下半部の一方の接合面のみを貫通する。
上記(6)の構成によれば、マニホールドが貫通する一方の接合面のみをシールすればよく、コストダウンを図ることができる。
前記第1給油ユニットの内圧は、前記第2給油ユニットの内圧よりも大である。
上記(7)の構成によれば、第1給油ユニットと第2給油ユニットとの間に内圧の差を設けることで、第1給油ユニットから第1軸受パッドに供給される潤滑油の油量を第2給油ユニットから第2軸受パッドに供給される潤滑油の油量よりも多く設定できる。
前記第2給油ユニットに潤滑油を供給する第2給油源と、前記第1給油ユニットに前記第2給油源よりも高い圧力で潤滑油を供給する第1給油源とを有する。
上記(8)の構成によれば、第1給油ユニットから第1軸受パッドに供給される潤滑油の油量を第2給油ユニットから第2軸受パッドに供給される潤滑油の油量よりも多く設定できる。
上記(1)乃至(8)の何れか一つに記載のジャーナル軸受にロータ軸が支持される。
上記(9)の構成によれば、ロータ軸の回転方向上流側に位置する軸受パッドにおける油膜厚さを十分に確保することができる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図2に示す例示的な実施形態では、ガイドメタル33は、キャリアリング2の軸線方向に沿って見たときに扇形の形状を有し、ロータ軸11の外周面のうち上側領域を覆っている。ガイドメタル33は、キャリアリング2の径方向において内側に軸受面33aを有する。軸受面33aは、ジャーナル12の外周面12aの上側領域に沿うように湾曲し、ジャーナル12の外周面12aの上側領域と軸受隙間を有して対向する。
これら複数の給油ユニット(4,5,6)は、周方向において相互に離間して配置され、それぞれ、ロータ軸11に向けて潤滑油を供給可能である。例えば、キャリアリング2にマニホールド24が形成され、マニホールド24を通じて複数の給油ユニット(4,5,6)に潤滑油が供給される。
図4に示すように、第1給油ユニット4のノズル41,42は、それぞれ、基部43と枝部44とを有している。基部43は、先端が塞がれた円筒形状を有し、キャリアリング2の径方向に沿って配置され、マニホールド24に連通するように、キャリアリング2に固定される。枝部44は、基部43よりも細い先端が塞がれた円筒形状を有し、キャリアリング2の軸方向に沿って配置され、基部43の内部空間に連通するように、基部43の両側に固定されている。また、枝部44には、複数の油吐出孔45がキャリアリング2の軸心を向くように設けられている。
この点において、上述した直接潤滑方式のジャーナル軸受1は、軸受内部空間を潤滑油で満たすようにした油浴潤滑方式のジャーナル軸受と相違する。油浴潤滑方式のジャーナル軸受では、サイドプレートとジャーナル外周面との間にシール部材を設けて、軸受内部空間からの潤滑油の外部への漏えいを防止し、軸受内部空間を潤滑油で満たすようになっている。このため、油浴潤滑方式のジャーナル軸受の内部空間に存在する潤滑油は、大気圧よりも高い圧力になっている。
すなわち、直接潤滑方式のジャーナル軸受1では、各々のサイドプレート7,7の内周面とロータ軸11の外周面との間に一対のサイドプレート7によって囲まれた軸受内部空間と外部とを連通させるための隙間Cを有し、第2軸受パッド32からロータ軸11の回転方向に第1軸受パッド31に至る領域で該隙間Cから吸い込まれた空気が潤滑油に混入する。このため、第1軸受パッド31にキャリーオーバされる潤滑油には多くの空気が含まれ、実質の潤滑油の油量が少ない(例えば、空気90%に対して潤滑油10%)。したがって、第1軸受パッド31の上流側直前の第1給油ユニット4と、第2軸受パッド32の上流側直前の第2給油ユニット5と、の吐出油量が同じであっても、第2軸受パッド32に比べて第1軸受パッド31では潤滑油不足となりやすい。特に、第1軸受パッド31及び第2軸受パッド32に対するロータ軸11の面圧が低かったり、ロータ軸11が低回転領域で回転したりする場合には、第1軸受パッド31にキャリーオーバされる潤滑油が少ないため、第1軸受パッド31における潤滑油不足が顕著である。第1軸受パッド31に供給される潤滑油が不足すると、第1軸受パッド31は入口から濡れないために油膜圧力の発生域が狭くなり、第1軸受パッド31の油膜が薄くなる。これにより、第1軸受パッド31及び第2軸受パッド32に対するロータ軸11の面圧が低かったり、ロータ軸11が低回転領域で回転したりする場合には、ロータ軸11の軸心軌跡が鉛直線上から逸れてジャーナル軸受1の等方性が損なわれる虞がある。
この場合、第2軸受パッド32からロータ軸11の回転方向下流側に第1軸受パッド31に至る領域で潤滑油に空気が吸入されても第1給油ユニット4から第1軸受パッド31に潤滑油が十分に供給される。これにより、第1軸受パッド31及び第2軸受パッド32に対するロータ軸11の面圧が低かったり、ロータ軸11が低回転領域で回転したりする場合にも、ロータ軸11の軸心軌跡が鉛直線上に位置するので、ジャーナル軸受1の等方性を維持できる。
図5及び図6に示すように、幾つかの実施形態では、第1給油ユニット4の油吐出孔総面積は、第2給油ユニット5の油吐出孔総面積よりも大である。例えば、第1給油ユニット4の油吐出孔総面積が5に対して第2給油ユニット5の油吐出孔総面積が3である。この場合において、第1給油ユニット4及び第2給油ユニット5をそれぞれ二つのノズル41,42,51,52で構成すると、第1給油ユニット4を構成する二つのノズル41,42で油吐出孔面積が5となるように油吐出孔45が形成され、第2給油ユニット5を構成する二つのノズル51,52で油吐出孔面積が3となるように油吐出孔55が形成される。
図7に示すように、幾つかの実施形態では、キャリアリング2は、内部に第1給油ユニット4及び第2給油ユニット5に連通するマニホールド24を有する。
この構成によれば、マニホールド24に供給された潤滑油を第1給油ユニット4と第2給油ユニット5とに分配できる。
すなわち、マニホールド24は、キャリアリング2の内周に沿って円弧状に設けられ、マニホールド24の一端は、下半領域を構成する下半部25の中央部分からロータ軸11の回転方向上流側の接合面27を通り、上半領域を構成する上半部26に延在する。一方、マニホールド24の他端部は、下半部25の中央部分からロータ軸11の回転方向下流側に延在し、ロータ軸11の回転方向下流側の接合面28の手前で止まる。
図8に示すように、幾つかの実施形態では、第1給油ユニット4の内圧は、第2給油ユニット5の内圧よりも大である。例えば、第1給油ユニット4の油吐出孔45の数と第2給油ユニット5の油吐出孔45の数とが等しく、かつ、第1給油ユニット4の油吐出孔45の大きさと第2給油ユニット5の油吐出孔45の大きさが等しくした場合に、第1給油ユニット4の内圧が5に対して第2給油ユニット5の内圧が3である。
11 ロータ軸
12 ジャーナル
12a 外周面
2 キャリアリング
24 マニホールド
24A,24B マニホールド
25 下半部
26 上半部
27,28 接合面
31 第1軸受パッド
31a 内周面
31b 外周面
32 第2軸受パッド
32a 内周面
32b 外周面
33 ガイドメタル
33a 軸受面
4 第1給油ユニット
41 ノズル
42 ノズル
43 基部
44 枝部
45 油吐出孔
5 第2給油ユニット
51,52 ノズル
53 基部
54 枝部
55 油吐出孔
6 第3給油ユニット
61 ノズル
63 基部
64 枝部
65 油吐出孔
7 サイドプレート
71 ボルト
81 第1給油源
82 第2給油源
C 隙間
H ハウジング
H1 台座部
H2 カバー
H3 ボルト
Claims (9)
- 円筒状に形成されたキャリアリングと、
前記キャリアリングの下半領域の内周側に設けられ、ロータ軸を下方から支持するように構成された第1軸受パッドと、
前記キャリアリングの前記下半領域の内周側において前記第1軸受パッドよりも前記ロータ軸の回転方向下流側に設けられ、前記ロータ軸を下方から支持するように構成された第2軸受パッドと、
前記キャリアリングの上半領域の内周側に設けられ、前記ロータ軸の外周面のうち上側領域を覆うガイドメタルと、
前記第1軸受パッドの上流側直前に設置された第1給油ユニットと、
前記第1軸受パッドと前記第2軸受パッドとの間の周方向位置に設置された第2給油ユニットと、
前記キャリアリングの軸方向一端部と他端部とに前記ロータ軸の外周に沿って設置された一対のサイドプレートと、
を備え、
各々の前記サイドプレートの内周面と前記ロータ軸の外周面との間に前記一対のサイドプレートによって囲まれた軸受内部空間と外部とを連通させるための隙間を有し、
前記第1給油ユニットから吐出される潤滑油の油量は、前記第2給油ユニットから吐出される潤滑油の油量よりも多く設定されることを特徴とするジャーナル軸受。 - 前記第1給油ユニットの油吐出孔総面積は、前記第2給油ユニットの油吐出孔総面積よりも大であることを特徴とする請求項1に記載のジャーナル軸受。
- 前記第1給油ユニットの油吐出孔の数は、前記第2給油ユニットの油吐出孔の数よりも多であることを特徴とする請求項2に記載のジャーナル軸受。
- 前記第1給油ユニットの油吐出孔の大きさは、前記第2給油ユニットの油吐出孔の大きさよりも大であることを特徴とする請求項2又は3に記載のジャーナル軸受。
- 前記キャリアリングは、前記第1給油ユニット及び前記第2給油ユニットに連通するマニホールドを前記キャリアリングの内部に有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のジャーナル軸受。
- 前記キャリアリングは、下半領域を構成する下半部と、上半領域を構成する上半部とを含み、前記マニホールドは、前記上半部と前記下半部の一方の接合面のみを貫通することを特徴とする請求項5に記載のジャーナル軸受。
- 前記第1給油ユニットの内圧は、前記第2給油ユニットの内圧よりも大であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のジャーナル軸受。
- 前記第2給油ユニットに潤滑油を供給する第2給油源と、前記第1給油ユニットに前記第2給油源よりも高い圧力で潤滑油を供給する第1給油源とを有すること特徴とする請求項7に記載のジャーナル軸受。
- 前記請求項1乃至8の何れか一項に記載のジャーナル軸受にロータ軸が支持されることを特徴とする回転機械。
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WO2018029838A1 (ja) * | 2016-08-10 | 2018-02-15 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | ジャーナル軸受及び回転機械 |
Citations (3)
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JPS607417U (ja) * | 1983-06-27 | 1985-01-19 | 三菱電機株式会社 | テイルテイングパツド軸受装置 |
JP2010116956A (ja) * | 2008-11-12 | 2010-05-27 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ジャーナル軸受 |
JP2010203481A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-16 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ジャーナル軸受 |
-
2015
- 2015-02-06 JP JP2015021770A patent/JP6403594B2/ja active Active
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WO2018029838A1 (ja) * | 2016-08-10 | 2018-02-15 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | ジャーナル軸受及び回転機械 |
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