JP2016145478A - フロータ及び水域構造物の補強工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被運搬物を簡便に且つ安全に運搬可能なフロータ及びフロータを用いた水中構造物の補強工法を提供する。【解決手段】中空に形成されて内部を密閉された鋼製の第1の浮力発生部13と、中空に形成され、注水弁15を介して内部にバラスト水を注排水可能な鋼製の第2の浮力発生部14と、を備え、ストラット部材1a、1bの積載時には、フロータ10の重量及びストラット部材の重量と第1の浮力発生部及び第2の浮力発生部の容積に応じた浮力とで中性浮力状態になり、ストラット部材の非積載時には、フロータの重量及び第2の浮力発生部内に注水されたバラストの重量と第1の浮力発生部の容積に応じた浮力とで中性浮力状態になるフロータ。【選択図】図2

Description

本発明はフロータ及び該フロータを用いた水域構造物の補強工法に関するものであり、特に、湾岸等に設置された水域構造物の補強等に供する被運搬物を水中曳航するフロータ及び該フロータを用いた水域構造物の補強工法に関するものである。
湾岸に設置された桟橋、ドルフィン及び橋脚等の水域構造物は、海底、湖底等に打ち込まれ水面から突出した複数の杭を脚柱とする下部構造物と、該下部構造物に載置された上部工等の上部構造物と、で構成されている。
水域構造物の老朽化対策、耐震対策として、特許文献1に示すような水域構造物の補強工法が知られている。特許文献1には、水域構造物の供用を停止することなく、隣り合う杭を伸縮可能なストラット部材で結合して、杭同士を一体に固定して補強する伸縮式ストラット工法が開示されている。
このような伸縮式ストラット工法では、被運搬物としてのストラット部材を水中曳航するフロータが用いられている。具体的には、潜水士がストラット部材を積載したフロータを杭まで押すことにより、ストラット部材が所望の取付位置まで運搬される。このようなフロータは、発泡スチロール製又はFRP製等で形成されており、ストラット部材をフロータで曳航する際に必要な浮力を有する。
特許第4864774号公報
しかしながら、特許文献1記載の伸縮式ストラット工法に用いられるフロータでは、通常、フロータの形状が函型又は俵型等に形成され、フロータの容積に応じた浮力が得られるものである。そこで、ストラット部材の水中重量に応じた容積のフロータを用いてストラット部材を運搬するが、ストラット部材をフロータからおろすと、フロータが急激に浮上する等して潜水士に危険が及ぶ虞があった。
このような問題に対して、フロータに作用する浮力を任意に調整可能なバルーン式フロータを採用することも考えられる。このようなフロータでは、バルーンの容積を任意に変化させてバルーン内の気体量に応じて得られる浮力を調整することができる。しかしながら、バルーンは、フロータの深度に応じた水圧で拡縮するため、所望の浮力を正確に得ることが難しいという問題があった。
そこで、被運搬物を簡便に且つ安全に運搬可能なフロータ及び該フロータを用いた水中構造物の補強工法を提供するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載のフロータは、被運搬物を水中曳航するフロータにおいて、中空に形成されて内部を密閉された鋼製の第1の浮力発生部と、中空に形成され、弁を介して内部にバラスト水を注排水可能な鋼製の第2の浮力発生部と、を備え、前記フロータは、前記被運搬物の積載時には、前記フロータの重量及び前記被運搬物の重量と前記第1の浮力発生部の容積に応じた浮力及び第2の浮力発生部の容積に応じた浮力とで中性浮力状態になり、前記被運搬物の非積載時には、前記フロータの重量及び前記第2の浮力発生部内に注水されたバラスト水の重量と前記第1の浮力発生部の容積に応じた浮力とで中性浮力状態になるフロータを提供する。
この構成によれば、第1の浮力発生部及び第2の浮力発生部を気体で満たすことにより、被運搬物を積載したフロータが水中で中性浮力状態となり、且つ、第2の浮力発生部にバラスト水を注水すると共に、第1の浮力発生部のみを気体で満たすことにより、被運搬物をおろしたフロータが水中で中性浮力状態となる。すなわち、被運搬物の積載/非積載に応じて、第2の浮力発生部にバラスト水を注排水することにより、フロータが水中で安定して浮遊する中性浮力状態になるため、被運搬物を簡便に且つ安全に運搬することができる。
また、第1の浮力発生部及び第2の浮力発生部が、鋼製であることにより、第1の浮力発生部及び第2の浮力発生部が水中で水圧を受けても形状が保持されて、第1の浮力発生部及び第2の浮力発生部の容積が一定に維持されるため、フロータの潜水深度に係らず所望の浮力を得ることができる。
請求項2記載のフロータは、請求項1記載のフロータの構成に加えて、前記第2の浮力発生部は、前記被運搬物の非積載時には、前記第2の浮力発生部内をバラスト水で満水になるフロータを提供する。
この構成によれば、被運搬物の非積載時に、第2の浮力発生部内がバラスト水と気体とが混在することが回避されるため、第2の浮力発生部内でバラスト水が偏在することに起因するフロータの傾きが抑制され、水中でのフロータの姿勢を安定させることができる。また、フロータの中性浮力状態を確保できるようにフロータの浮力調整を確実に行うことができる。
請求項3記載のフロータは、請求項1又は2記載のフロータの構成に加えて、前記第1の浮力発生部は、断面円形状に形成されているフロータを提供する。
この構成によれば、断面円形状の第1の浮力発生部は、その形状に起因して水圧を均等に受けることにより、第1の浮力発生部の形状が保持され易いため、第1の浮力発生部に別途補強材を設けることなく所望の浮力を得ることができる。
請求項4記載のフロータは、請求項1乃至3の何れか1項記載のフロータの構成に加えて、前記第2の浮力発生部は、断面円形状に形成されているフロータを提供する。
この構成によれば、断面円形状の第2の浮力発生部は、その形状に起因して水圧を均等に受けることにより、第2の浮力発生部の形状が保持され易いため、第2の浮力発生部に別途補強材を設けることなく所望の浮力を得ることができる。
請求項5記載のフロータは、被運搬物を水中曳航するフロータにおいて、前記フロータの重量は、中空鋼製のフロータ内にバラスト水を注排水することにより、前記被運搬物の積載時に中性浮力状態となる最小重量、又は、前記被運搬物の非積載時に中性浮力状態となる最大重量に調整可能であるフロータを提供する。
この構成によれば、フロータ内のバラスト水を排水することにより、フロータの重量が、被運搬物を積載したフロータが水中で中性浮力状態となる最小重量となり、且つ、フロータの一部にバラスト水を注水することにより、フロータの重量が、被運搬物をおろしたフロータが水中で中性浮力状態となる最大重量となる。すなわち、被運搬物の積載/非積載に応じて、フロータ内にバラスト水を注排水することにより、フロータが水中で安定して浮遊する中性浮力状態になるため、被運搬物を簡便に且つ安全に運搬することができる。
また、フロータが鋼製であることにより、フロータが水中で水圧を受けても形状が保持されて、フロータの容積が一定に維持されるため、フロータの潜水深度に係らず所望の浮力を得ることができる。
請求項6記載の水域構造物の補強工法は、請求項1乃至5の何れか1項記載のフロータを用いて水域構造物の補強に供するストラット部材を前記水域構造物まで曳航する水域構造物の補強工法を提供する。
この構成によれば、ストラット部材の積載/非積載に応じて、フロータにバラスト水を注排水してフロータの重量を調整することにより、フロータが水中で安定して浮遊する中性浮力状態になり、且つ、フロータの潜水深度に係らず所望の浮力を得ることができるため、ストラット部材を簡便に且つ安全に運搬することができる。
請求項7記載の水域構造物の補強工法は、水域構造物の補強に供するストラット部材をフロータで水中曳航する水域構造物の補強工法において、中空に形成されて内部を密閉された鋼製の第1の浮力発生部と、中空に形成され、弁を介して内部にバラスト水を注排水可能な鋼製の第2の浮力発生部と、を備えているフロータを用意する工程と、前記第2の浮力発生部内のバラスト水を排水して、前記ストラット部材の積載時に前記フロータが中性浮力状態となるように前記第1の浮力発生部及び第2の浮力発生部の浮力を設定する工程と、前記ストラット部材を下部構造物に曳航する工程と、前記第2の浮力発生部にバラスト水を注水して、前記ストラット部材の非積載時に中性浮力状態となるように前記第1の浮力発生部の浮力を設定する工程と、前記バラスト水の注水後に、前記フロータと前記ストラット部材とを切り離す工程と、を含む水域構造物の補強工法を提供する。
この構成によれば、フロータがストラット部材を積載している間は、第1の浮力発生部及び第2の浮力発生部の容積に応じた浮力がフロータ及びストラット部材の重量とつり合うことにより、フロータが水中で中性浮力状態を維持される。また、ストラット部材をおろした後は、第2の浮力発生部内にバラスト水を注水することにより、フロータが水中で中性浮力状態を維持される。すなわち、ストラット部材の積載/非積載に応じて、第2の浮力発生部にバラスト水を注排水することにより、フロータが水中で安定して浮遊する中性浮力状態となるため、ストラット部材を簡便に且つ安全に運搬することができる。
また、第1の浮力発生部及び第2の浮力発生部が、鋼製であることにより、第1の浮力発生部及び第2の浮力発生部が水中で水圧を受けても形状が保持されて、第1の浮力発生部及び第2の浮力発生部の容積が一定に維持されるため、フロータの潜水深度に係らず所望の浮力を得ることができる。
請求項8記載の水域構造物の補強工法は、水域構造物の補強に供するストラット部材をフロータで水中曳航する水域構造物の補強工法において、中空鋼製に形成され、内部にバラスト水を注排水することにより、前記ストラット部材の積載時に中性浮力状態となる最小重量、又は、前記ストラット部材の非積載時に中性浮力状態となる最大重量に重量を調整可能なフロータを用意する工程と、前記フロータ内のバラスト水を排水して、前記フロータの重量を前記最小重量に設定する工程と、前記ストラット部材を下部構造物に曳航する工程と、前記フロータの一部にバラスト水を注水して、前記フロータの重量を前記最大重量に設定する工程と、前記バラスト水の注入後に、前記フロータと前記ストラット部材とを切り離す工程と、を含む水域構造物の補強工法を提供する。
この構成によれば、フロータがストラット部材を積載している間は、フロータ内を気体で満たしてフロータの浮力を最大浮力に設定することにより、フロータとストラット部材とが水中で中性浮力状態を維持される。また、ストラット部材をおろした後は、フロータの一部のみを気体で満たしてフロータの浮力を最小浮力に設定することにより、フロータが水中で中性浮力状態を維持される。すなわち、ストラット部材の積載/非積載に応じて、フロータ内にバラスト水を注排水することにより、フロータが水中で安定して浮遊する中性浮力状態になるため、ストラット部材を簡便に且つ安全に運搬することができる。
また、フロータが鋼製であることにより、フロータが水中で水圧を受けても形状が保持されて、フロータ内の気体容積が一定に維持されるため、フロータの潜水深度に係らず所望の浮力を得ることができる。
請求項9記載の水域構造物の補強工法は、請求項7又は8記載の水域構造物の補強工法の構成に加えて、前記フロータとストラット部材とを切り離す前に、前記ストラット部材を接続部材で前記水域構造物に仮接続する工程を含む水域構造物の補強工法を提供する。
この構成によれば、フロータとストラット部材を切り離す前に、ストラット部材を水域構造物に吊り替えることにより、フロータが水中で浮遊する中性浮力状態に維持されるようにフロータの浮力が調整された後に、フロータとストラット部材とが切り離されるため、ストラット部材の切り離し直後にフロータが急浮上することを抑制することができる。
本発明によれば、ストラット部材の積載/非積載に応じてフロータが水中で安定して浮遊するだけの浮力を簡便に得られ、且つ、深度に係らず所望の浮力を得られるため、ストラット部材を簡便に且つ安全に運搬することができる。
水中構造物にストラット部材を取り付けた状態を示す模式図。 本発明の第1実施例に係るフロータを示す図。 本発明に係るフロータを用いた水中構造物の補強工法の手順を示す模式図。 本発明の第2実施例に係るフロータを示す図。
本発明は、被運搬物を簡便に且つ安全に運搬可能なフロータを提供するという目的を達成するために、被運搬物を水中曳航するフロータにおいて、中空に形成されて内部を密閉された鋼製の第1の浮力発生部と、中空に形成され、弁を介して内部にバラスト水を注排水可能な鋼製の第2の浮力発生部と、を備え、フロータは、被運搬物の積載時には、フロータの重量及び被運搬物の重量と第1の浮力発生部の容積に応じた浮力及び第2の浮力発生部の容積に応じた浮力とで中性浮力状態になり、被運搬物の非積載時には、フロータの重量及び第2の浮力発生部内に注水されたバラスト水の重量と第1の浮力発生部の容積に応じた浮力とで中性浮力状態になることにより実現した。
本発明は、被運搬物を簡便に且つ安全に運搬可能なフロータを提供するという目的を達成するために、被運搬物を水中曳航するフロータにおいて、フロータの重量は、中空鋼製のフロータ内にバラスト水を注排水することにより、被運搬物の積載時に中性浮力状態となる最小重量、又は、ストラット部材の非積載時に中性浮力状態となる最大重量に調整可能であることにより実現した。
本発明は、被運搬物を簡便に且つ安全に運搬可能な水中構造物の補強工法を提供するという目的を達成するために、水域構造物の補強に供するストラット部材をフロータで水中曳航する水域構造物の補強工法において、中空に形成されて内部を密閉された鋼製の第1の浮力発生部と、中空に形成され、弁を介して内部にバラスト水を注排水して可能な鋼製の第2の浮力発生部と、を備えているフロータを用意する工程と、第2の浮力発生部内のバラスト水を排水して、ストラット部材の積載時にフロータが中性浮力状態となるように第1の浮力発生部及び第2の浮力発生部の浮力を設定する工程と、ストラット部材を下部構造物に曳航する工程と、第2の浮力発生部にバラスト水を注水して、ストラット部材の非積載時に中性浮力状態となるように第1の浮力発生部の浮力を設定する工程と、バラスト水の注水後に、フロータと前記ストラット部材とを切り離す工程と、を含むことにより実現した。
本発明は、被運搬物を簡便に且つ安全に運搬可能な水中構造物の補強工法を提供するという目的を達成するために、水域構造物の補強に供するストラット部材をフロータで水中曳航する水域構造物の補強工法において、中空鋼製に形成され、内部にバラスト水を注排水することにより、ストラット部材の積載時に中性浮力状態となる最小重量、又は、ストラット部材の非積載時に中性浮力状態となる最大重量に重量を調整可能なフロータを用意する工程と、フロータ内のバラスト水を排水して、フロータの重量を最小重量に設定する工程と、ストラット部材を下部構造物に曳航する工程と、フロータの一部にバラスト水を注水して、フロータの重量を最大重量に設定する工程と、バラスト水の注水後に、フロータとストラット部材とを切り離す工程と、を含むことにより実現した。
以下、本発明の第1実施例に係るフロータ10について、図1、2に基づいて説明する。以下、「上」、「下」とは、鉛直方向の上方、下方にそれぞれ対応するものとする。図1は、水中構造物にストラット部材1を取り付けた状態を示す模式図である。図2(a)は、第1の実施例に係るフロータ10の平面図であり、図2(b)は、フロータ10の正面図であり、図2(c)は、フロータ10の左側面図である。
ストラット部材1は、図1に示すように、湾岸等に列設される下部構造物2、2同士を連結するものである。下部構造物2は、水底地盤3に立設されると共に上部を水面から突出している。上部構造物4は、下部構造物3上に載置されている。
ストラット部材1は、入れ子状の伸縮部1aと、伸縮部1aの両端に配設された鞘管部1bと、を備えている。伸縮部1aが隣り合う下部構造物2の間隔に応じて伸縮し、鞘管部1bが下部構造物2に結合することにより、ストラット部材1は、下部構造物2同士を固定し、下部構造物2の耐震性が向上する。
フロータ10は、図2(a)〜(c)に示すように、被運搬物としてのストラット部材1を吊り下げるようにして一体化される。フロータ10は、長手方向Lに沿って長い円筒状に形成された2本のケーシング11を連結して構成されている。フロータ10は、鋼製であるが、フロータ10の材質はこれに限定されるものではなく、フロータ10の潜水深度に応じた水圧を受けてもケーシング10の形状が変わらず安定するものであれば、例えば、アルミニウム、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)等の如何なるものであっても構わない。
ケーシング11の内部には、長手方向Lに離間して2枚の円板状の隔壁12が配設されている。ケーシング11は、隔壁12を介して、第1の浮力発生部13と、該第1の浮力発生部13の長手方向Lの前後に配置された第2の浮力発生部14と、に仕切られている。
第1の浮力発生部13は、断面円形状に形成されている。これにより、第1の浮力発生部13は、外周で均一に水圧を受けるため、別途補強することなく水圧に耐えることができる。第1の浮力発生部13は、中空に形成され、内部を密閉されており、内部は空気で満たされている。なお、第1の浮力発生部13の断面形状は、円形に限定されるものではなく、例えば、八角形等の多角形であっても構わない。
第2の浮力発生部14は、断面円形状に形成されている。これにより、第2の浮力発生部14は、外周で均一に水圧を受けるため、別途補強することなく水圧に耐えることができる。第2の浮力発生部14は、中空に形成されている。第2の浮力発生部14の下部には、注水弁15が取り付けられている。また、第2の浮力発生部14の上部には、排気弁16が取り付けられている。なお、第2の浮力発生部14の断面形状は、円形に限定されるものではなく、例えば、八角形等の多角形であっても構わない。
第1の浮力発生部13及び第2の浮力発生部14の各容積は、フロータ10及びフロータ10で曳航するストラット部材1の自重に応じて設定される。具体的には、第2の浮力発生部14の容積に応じた浮力は、ストラット部材1の自重とつり合うように設定される。また、第1の浮力発生部13の容積に応じた浮力は、フロータ10の自重につり合うように設定される。
幅方向Wに対向する第1の浮力発生部13、13は、第1の連結部17を介して連結されている。
幅方向Wに対向する第2の浮力発生部14、14は、第2の連結部18を介して連結されている。第2の連結部18は、中空円筒状に形成されている。第2の連結部18の両端は、第2の浮力発生部14の下部に連通されている。
次に、フロータ10を用いた水中構造物の補強工法について、図面に基づいて説明する。図3(a)は、フロータ10にストラット部材1を取り付けた状態を示す模式図であり、図3(b)は、ストラット部材1と下部構造物2とをワイヤ5で連結した状態を示す模式図であり、図3(c)は、第2の浮力発生部14内にバラスト水Waを注水した状態を示す模式図であり、図3(d)は、フロータ10とストラット部材1とを切り離した状態を示す模式図である。
まず、図3(a)に示すように、フロータ10を用意する。ストラット部材1がフロータ10に積載されると、ストラット部材1及びフロータ10は、第1の浮力発生部13及び第2の浮力発生部14の容積に応じた浮力により、中性浮力状態になる。すなわち、バラスト水を排水した最小重量のフロータ10は、水中でフロータ10及びストラット部材1を中性浮力状態で浮遊させる。このような中性浮力状態においては、フロータ10が潜水士から受ける外力で簡単に動くため、ストラット部材1を下部構造部2まで容易に曳航することができる。
次に、図3(b)に示すように、ストラット部材1と上部構造体4から吊り下げたワイヤ5で連結し、吊り替える。
次に、図3(c)に示すように、フロータ10の第2の浮力発生部14にバラスト水Waとしての海水を注水する。バラスト水Waの注水は、注水弁15及び排気弁16を開くことにより行われる。第2の浮力発生部14内の気体は、排気弁16を介して外部に排気される。バラスト水Waは、第2の浮力発生部14内を満たすまで注水される。また、幅方向Wに対向する第2の浮力発生部14、14は、中空の第2の連結部18を介して連通されているため、バラスト水Waは、幅方向Wでバランスよく注水される。バラスト水Waが第2の浮力発生部14内に満たされると、第2の浮力発生部14内の気体が排気されるため、ストラット部材1及びフロータ10は、第1の浮力発生部13の容積に応じた浮力及びワイヤ4の張力で支持されている。
その後、図3(d)に示すように、フロータ10とストラット部材1とを切り離す。このとき、フロータ10は、第1の浮力発生部13の容積に応じた浮力により、中性浮力状態になっている。すなわち、バラスト水を注水した最大重量のフロータ10は、水中でフロータ10を中性浮力状態で浮遊させる。これにより、フロータ10が外部から受ける外力で簡単に動くため、ストラット部材1を積載していない、即ち、ストラット部材1の非積載時にも、フロータ10の急浮上を抑制してその場に留まるので、安全に回収することができる。
次に、本発明の第2実施例に係るフロータ20ついて、図4に基づいて説明する。図4(a)は、フロータ20の平面図であり、図4(b)は、フロータ20の側面図であり、図4(c)は、図4(a)中のA−A線断面図である。なお、第2実施例に係るフロータ20の部材のうち第1実施例に係るフロータ10に対応する部材は、対応する20番台の符号を付し、重複する説明を省略する。
フロータ20は、3本のケーシング21を連結して構成されている。ケーシング21は、上段に1本配置され、下段に2本配置されている。ケーシング21は、鋼製であり、水深に応じた水圧を受けても断面形状は維持される。以下、上段に配置されたケーシング21を「上段ケーシング21a」と称呼し、下段に配置されたケーシング21を「下段ケーシング21b」と称呼する。
上段ケーシング21aは、中空で密閉して形成されている。即ち、上段ケーシング21aは、全体として第1の浮力発生部23となっている。
下段ケーシング21bは、中空円筒状に形成され、内部に2枚の円板状の隔壁22が配設されている。下段ケーシング21bは、隔壁22を介して、中央の第2の浮力発生部24と、該第2の浮力発生部24の長手方向Lの前後に配置される第1の浮力発生部23と、に仕切られている。
上段ケーシング21aと下段ケーシング21bとは、3枚の連結鋼板29で連結されている。
このようにして得られた本実施例に係るフロータ20は、上段ケーシング21a及び下段ケーシング21bの両端が、第1の浮力発生部23として機能し、常に浮力を発生している。また、下段ケーシング21bの中央が、第2の浮力発生部24として機能し、バラスト水の注排水に応じて、第2の浮力発生部24が生じさせる浮力の有無を切り換えることができる。
上述したように、本発明は、ストラット部材の積載/非積載に応じて、フロータの第2の浮力発生部にバラスト水を注排水することにより、フロータが水中で安定して浮遊する中性浮力状態になるため、ストラット部材を簡便に且つ安全に運搬することができる。
また、鋼製のフロータは水中で水圧を受けても形状が保持され、第1の浮力発生部及び第2の浮力発生部の容積が一定に維持されるため、フロータの潜水深度に係らず所望の浮力を得ることができる。
さらに、第2の浮力発生部は、ストラット部材の非積載時には、第2の浮力発生部内をバラスト水で満水にすることにより、第2の浮力発生部内がバラスト水と気体とが混在することが回避できるため、第2の浮力発生部内でバラスト水が偏在することに起因するフロータの傾きが抑制され、水中でのフロータの姿勢を安定させることができる。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。例えば、フロータの用途は、ストラット部材の運搬に限定されるものではなく、例えば、水中で鋼製杭等に施工する電気防食工法の陽極を運搬したり、海上橋脚の洗掘を防止する根固めブロックを運搬する等、上空を制限されるためにクレーンを使用できない状況において、被運搬物を運搬したり据え付けする場合等、水中で重量構造物を運搬・設置する如何なるものにも適用可能である。
1 ・・・ ストラット部材(被運搬物)
2 ・・・ 下部構造物
3 ・・・ 水底地盤
4 ・・・ 上部構造物
5 ・・・ ワイヤ(接続部材)
10・・・ フロータ
11・・・ ケーシング
12・・・ 隔壁
13・・・ 第1の浮力発生部
14・・・ 第2の浮力発生部
15・・・ 注水弁
16・・・ 排気弁
17・・・ 第1の連結部
18・・・ 第2の連結部
20・・・ フロータ
21・・・ ケーシング
21a・・・上段ケーシング
21b・・・下段ケーシング
22・・・ 隔壁
23・・・ 第1の浮力発生部
24・・・ 第2の浮力発生部
25・・・ 注水弁
26・・・ 排気弁
29・・・ 連結鋼板
L ・・・ 長手方向
W ・・・ 幅方向
Wa・・・ バラスト水

Claims (9)

  1. 被運搬物を水中曳航するフロータにおいて、
    中空に形成されて内部を密閉された鋼製の第1の浮力発生部と、
    中空に形成され、弁を介して内部にバラスト水を注排水可能な鋼製の第2の浮力発生部と、
    を備え、
    前記フロータは、前記被運搬物の積載時には、前記フロータの重量及び前記被運搬物の重量と前記第1の浮力発生部の容積に応じた浮力及び第2の浮力発生部の容積に応じた浮力とで中性浮力状態になり、前記被運搬物の非積載時には、前記フロータの重量及び前記第2の浮力発生部内に注水されたバラスト水の重量と前記第1の浮力発生部の容積に応じた浮力とで中性浮力状態になることを特徴とするフロータ。
  2. 前記第2の浮力発生部は、前記被運搬物の非積載時に、前記第2の浮力発生部の内部をバラスト水で満たすことを特徴とする請求項1記載のフロータ。
  3. 前記第1の浮力発生部は、断面円形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のフロータ。
  4. 前記第2の浮力発生部は、断面円形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のフロータ。
  5. 被運搬物を水中曳航するフロータにおいて、
    前記フロータの重量は、中空鋼製のフロータ内にバラスト水を注排水することにより、前記被運搬物の積載時に中性浮力状態となる最小重量、又は、前記被運搬物の非積載時に中性浮力状態となる最大重量に調整可能であることを特徴とするフロータ。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項記載のフロータを用いて水域構造物の補強に供するストラット部材を前記水域構造物まで曳航することを特徴とする水域構造物の補強工法。
  7. 水域構造物の補強に供するストラット部材をフロータで水中曳航する水域構造物の補強工法において、
    中空に形成されて内部を密閉された鋼製の第1の浮力発生部と、中空に形成され、弁を介して内部にバラスト水を注排水可能な鋼製の第2の浮力発生部と、を備えているフロータを用意する工程と、
    前記第2の浮力発生部内のバラスト水を排水して、前記ストラット部材の積載時に前記フロータが中性浮力状態となるように前記第1の浮力発生部及び第2の浮力発生部の浮力を設定する工程と、
    前記ストラット部材を下部構造物に曳航する工程と、
    前記第2の浮力発生部にバラスト水を注水して、前記ストラット部材の非積載時に中性浮力状態となるように前記第1の浮力発生部の浮力を設定する工程と、
    前記バラスト水の注水後に、前記フロータと前記ストラット部材とを切り離す工程と、
    を含むことを特徴とする水域構造物の補強工法。
  8. 水域構造物の補強に供するストラット部材をフロータで水中曳航する水域構造物の補強工法において、
    中空鋼製に形成され、内部にバラスト水を注排水することにより、前記ストラット部材の積載時に中性浮力状態となる最小重量、又は、前記ストラット部材の非積載時に中性浮力状態となる最大重量に重量を調整可能なフロータを用意する工程と、
    前記フロータ内のバラスト水を排水して、前記フロータの重量を前記最小重量に設定する工程と、
    前記ストラット部材を下部構造物に曳航する工程と、
    前記フロータの一部にバラスト水を注水して、前記フロータの重量を前記最大重量に設定する工程と、
    前記バラスト水の注水後に、前記フロータと前記ストラット部材とを切り離す工程と、
    を含むことを特徴とする水域構造物の補強工法。
  9. 前記フロータとストラット部材とを切り離す前に、前記ストラット部材を接続部材で前記水域構造物に仮接続する工程を含むことを特徴とする請求項7又は8記載の水域構造物の補強工法。
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