JP2016142726A - 二次モアレ縞による顕微鏡走査ゆがみの影響を受けない変形測定方法 - Google Patents

二次モアレ縞による顕微鏡走査ゆがみの影響を受けない変形測定方法 Download PDF

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【課題】走査型顕微鏡の走査線のゆがみはモアレ縞のゆがみを引き起こすことからモアレを利用した変形計測に誤差をもたらす。ゆがみを除去するために位相シフト法では、格子そのものを撮影する必要があるため解析範囲が狭くなる。装置そのものをシフトして位相シフトするとその装置が必要で高価になる。
【解決手段】試料の変形前後に撮影した2枚の画像を合成し走査モアレ縞を重ねることで走査ゆがみの影響を除去して試料の変形を測定し得る二次モアレ縞(Secondary Moire)を利用する手法を開発した。
【選択図】図3

Description

本発明は、走査型顕微鏡で変形計測する際に顕微鏡のゆがみの影響を受けない変形測定方法に関する。
全視野変位計測は欠陥検出、損傷評価、界面結合状態の評価といった各種材料の力学的特性評価に広く利用されている。モアレを利用した全視野計測は非接触、広い視野での計測が可能という利点がある。
マイクロ/ナノスケールでのモアレを利用した計測においてはレーザ走査顕微鏡(LSM)、走査電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)などが用いられてきた。これらの走査顕微鏡を利用した場合、図1に示すように走査線のゆがみが形成されるモアレ縞にゆがみをもたらし、変位計測に誤差が生じる。
顕微鏡の走査ゆがみの影響をなくす一般的な手法は位相シフト法である(特許文献1)。
また、デジタルモアレを利用することで画像処理による位相シフトを行い、AFMによる変形計測に走査ゆがみの影響を取り除いた報告がある(非特許文献1)。
また、位相シフトを利用しない方法として、変形前後の試験片格子を重ね合わせることで得られるモアレ縞を利用することで、走査ゆがみの影響を除去した報告がなされている(非特許文献2)。
また、格子とモアレ縞を利用した電子ビームのゆがみ較正により走査ゆがみの影響を除去する例がある(特許文献2)。
二つの干渉縞を合成することで、得られるモアレ縞を利用することで計測誤差を無くすことができる技術が開示されている(特許文献3)。
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顕微鏡の走査線のゆがみは、モアレ縞のゆがみを引き起こすことからモアレを利用した変形計測に誤差をもたらす。たとえば、図2(a)、(b)はステージを移動させたときにLSMで観察された炭素繊維強化プラスチック(CFRP)複合材料の試験片のモアレ縞であるが、試験片は変形していないにもかかわらずモアレ縞が変化している。これは走査ゆがみがもたらしたモアレ縞の変形である。
走査ゆがみがモアレ縞の変形に及ぼす影響を除去する方法として、一般的には位相シフトが利用される。デジタルモアレを利用した画像処理による方法は、容易に位相シフトした画像を得ることが出来るが、格子そのものを撮影する必要があるため解析範囲が狭くなる。
また装置を利用して試験片を微小に移動させて観察することで位相シフトした画像を得ることも出来るが、位相シフトするための装置が必要で高価になる。
また、位相シフトを利用せず試験片の変形前後の格子模様を重ねる方法があるが、同様に解析範囲が狭くなる問題がある。走査ゆがみを較正する手法は顕微鏡操作に経験を有すること、および走査システムに修正を加える必要があるといった専門性を必要とすることから汎用性に欠ける手法である。
このようなことから、走査ゆがみの影響を受けずに簡便な操作で、広い視野で変形計測できる手法の開発が望まれている。
走査ゆがみの影響を受けずに簡便な操作で、広い視野でモアレ計測するために二枚の走査モアレ縞を重ねることで得られる二次モアレ縞(Secondary Moire)を利用する手法を提案する。
二次モアレ模様は走査ゆがみの影響を受けないことから試験片の変形を正確に、高い精度で変形測定することができる。
二次モアレ縞生成の処理の流れを図3に示す。
1.(S1)試験片表面への規則格子作成(または材料に存在する規則構造を規則格子として利用してもよい)
2.(S2)走査ラインを格子ピッチ、または、その整数倍またはその数分の1に近い計測仕様に合わせたピッチで走査して変形前のモアレ縞を得る。
3.(S3)変形前のモアレにゆがみがあるか?(S31)なければ走査モアレ法を利用して変形を計測する。
変形前のモアレにゆがみがある場合は(S32)変形前のモアレ画像を保存して以下の流れで計測する。
4.(S4)試験片に負荷を掛けて、同様にして変形後のモアレ縞を得る。
5.(S5)変形前後のモアレ縞を重ねることで二次モアレ縞を作成する。
二次モアレ縞はその2枚のデジタル画像を加算、減算、乗算等して作製する。また、2枚の画像を重ねる手法を採用して保存されている顕微鏡内の画像を利用する事ができる。
6.(S6)二次モアレ縞から走査ゆがみの影響を受けない変形分布が計測される。Matlab(登録商標)などの画像解析ソフト、または図4に示すような顕微鏡に保存された走査イメージを利用することで容易に二次モアレ縞を得ることができる。
次に、本発明で提案する二次モアレ縞を利用した変形計測の原理を説明する。
まず、二次モアレ縞を利用した変形計測が走査ゆがみの影響を受けない理由を説明する。
試験片に描写した格子ピッチ、およびy方向の走査ピッチをそれぞれp、およびTとすると、試験片格子と走査線の位相はそれぞれ2πy/p、および2πy/Tで表される。
y方向は走査線に垂直方向である。
試験片格子ピッチと走査ピッチが異なるときや両者の方向が異なるとき、図5に示すように試験片格子と走査ラインの干渉により位相2πy(1/p-1/T)の走査モアレ縞が現れる。
試験片の格子ピッチが変形によりp1からp2に変化するとき、変形前後の試験片格子の位相はそれぞれ2πy/p1、および2πy/p2で表される。
走査ピッチが変形前後も一定でTの場合、得られる走査モアレ縞の位相は変形前後でそれぞれ式(1)、および式(2)で表される。
Figure 2016142726
Figure 2016142726
二次モアレは、図6に示すように変形前後の走査モアレの重ね合わせで得られることから二次モアレの位相は式(3)で表される。
Figure 2016142726
式(3)には、走査ピッチであるTが含まれていないことから二次モアレは走査ゆがみの影響を受けないと言える。
また、試験片に描写した格子ピッチが走査ピッチの数倍、または数分の1になるような場合においても二次モアレを利用することで精度の高い変形計測が可能になる。
たとえば、格子ピッチが走査ピッチのn倍程度(nは整数または整分の1、例えば、n=2,3,4またはn=1/2,1/3,1/4等)のとき、得られる走査モアレ縞の位相は変形前後でそれぞれ式(4)、および(5)で表される。
Figure 2016142726
Figure 2016142726
これら変形前後の走査モアレ縞を重ね合わせることで得られる二次モアレ縞の位相は式(6)で与えられる。
Figure 2016142726
式(6)は式(3)と一致していることから、格子ピッチが走査ピッチと大きく異なる場合においても走査ゆがみの影響を受けることなく、変形計測に二次モアレが利用できることがわかる。
変形前後の試験片格子像を重ね合わせたとき、重ね合わせモアレの位相は2πy(1/p1-1/p2)で与えられ、式(3)、(6)と一致することから、重ね合わせモアレと二次モアレは同じ位相を与えることが分かる。
しかし、重ね合わせモアレを得るためには格子ピッチを明瞭に観察できるまで倍率を上げる必要があるため、視野が狭くなる。
一方、二次モアレ縞を得るには格子ピッチを明瞭に観察しなくても格子ピッチよりも大きな寸法である走査モアレを観察できれば良いので、低倍率で広い視野での計測ができる利点がある。
表1に走査顕微鏡を利用したモアレ計測の特性を比較した。
Figure 2016142726
二次モアレ縞は、重ね合わせモアレの同じ変位量の等高線であるので、もしy方向にn次のモアレ縞があるときそこでのy方向変位は式(7)で与えられる。
Figure 2016142726
二次モアレの位相は、二次モアレの間隔dmmを使って2πy/dmmで与えられることから、試験片格子ピッチと二次モアレ縞のピッチとの関係式(8)を得る。y方向のひずみはε=(p2-p1)/p1なので、式(8)からひずみは式(9)で与えられる。
Figure 2016142726
Figure 2016142726
一般に二次モアレ縞のピッチは、試験片に描写した格子ピッチよりも大きいので、式(9)は式(10)に単純化して表現される二次モアレの縞間隔を得ることで式(10)より試験片格子のひずみを算出することができる。
Figure 2016142726
二次モアレを利用した計測では、走査ピッチを格子ピッチに近づける必要がないことから、倍率が不連続な顕微鏡を利用した計測では有利である。また受像素子の種類に依存しない、または測定するスケールはナノからメートルサイズまでの広範囲に及ぶ特徴がある。
本発明の目的は、全視野変形計測において顕微鏡の走査ゆがみの影響を除去するために利用できる二次モアレ縞の作成で、下記の効果が得られる。
第1に、二次モアレ縞は顕微鏡の走査ゆがみの影響を受けないので、二次モアレ縞を利用した変形計測は正確である。
イメージセンサを用いるデジタルカメラを利用した場合にも、レンズ収差によるゆがみの影響を除去できるので同様の効果が期待できる。
第2に、大きな視野の変形計測が容易にできる。
これは、試験片に描写した格子模様を観察する必要がないため、試験片に描写した格子ピッチの1000倍以上の大きさの視野での変形計測が可能になる。
また、スケール的には、顕微鏡観察ではナノからミクロンスケール、イメージセンサを用いるデジタルカメラを利用すればミリからメートルスケールの広範なレンジに渡って変形計測が可能である。
第3には、走査顕微鏡の倍率が連続的に変えることが出来ないとき、走査ピッチを格子ピッチに合わせることが出来ず、得られるモアレ縞が密になり計測誤差が大きくなる問題がある。
このような両者のピッチが大きく異なる場合でも、二次モアレ縞を得ることができ、二次モアレ縞から変形を計測することができる。
受像素子の種類、計測寸法の大小に関係なく、二次モアレ縞の技術は適用することができる。
図1(a)理想的な走査ラインとゆがんだ走査ラインのイメージ図。(b)ゆがんだ走査ラインから得られるゆがんだモアレ縞のイメージ図。 図2(a)、(b)レーザ走査顕微鏡で観察ステージを移動させたときに走査ゆがみの影響で生じた走査モアレ縞に変化が生じた例。 二次モアレを得るためのフローチャート。 顕微鏡に撮影画像を保存する機能を有する場合に二次モアレ縞を得る流れ。 走査モアレ縞を得るイメージ図。pおよびTは試験片上の格子、および走査線ピッチ間隔を、ψは位相を、下付きのs, r, mはそれぞれ試験片に設けた格子、走査格子(参照格子)、走査モアレを表す。 変形前後の格子を重ねることで得られるモアレ(左側)と、変形前後のモアレ縞を重ねることで得られる二次モアレ(右側)が同じであることを説明するイメージ図。 実験装置と操作プロセスのスケッチマップである。 Si基板のLSM観察写真、(a)格子ピッチ2ミクロンの拡大写真、(b)変形前の走査モアレ縞、(c)変形後の走査モアレ縞。 二次モアレ縞の写真、(a)LSMに保存された変形前後の走査モアレ縞の重ね合わせから得られた二次モアレ縞、(b)変形前後の走査モアレ縞のグレー値を加算処理することで得られた二次モアレ縞、(c) 変形前後の走査モアレ縞のグレー値を減算処理することで得られた二次モアレ縞。 Si基板のLSM観察写真、(a)ピッチ0.8ミクロンの規則格子拡大写真、(b)走査ゆがみの影響でゆがんだ走査モアレ縞。 Si基板のLSM観察写真、(a)と(b)はそれぞれ変形前後に観察される走査モアレ縞、(c)変形前後の走査モアレ縞から得られた二次モアレ縞。 CFRPのLSM観察写真、(a)はピッチ3.6ミクロンの規則格子拡大写真、(b)および(c)はそれぞれ変形前後の走査モアレ縞、(d)は変形前後の走査モアレ縞を重ね合わせて得られた二次モアレ縞、(e)は二次モアレ縞の位置とピッチ間隔をわかりやすく説明するために(d)に画像処理を施した結果。
本発明を実施する実験装置の構成概略を、図7に示す。
顕微鏡で試料の変形前後を撮影した画像は、その印刷画像である紙メディアをスキャンして情報処理装置に取り込んでもよいし、直接出力インターフェース(共有の外部記憶装置を含む)を備えた顕微鏡であれば直接取り込んでから、モアレ処理してもよい。
図7に示した実験装置を用いて、二次モアレ縞を得る実証試験を行った。
図8(a)はSi基板の上に2ミクロンピッチの格子を電子ビームリソグラフィで描写した写真で、図8(b)は変形前に走査ピッチ1.925ミクロンのLSMから得られた走査モアレ縞、同図8(c)は変形後に(試料をわずかに回転して移動した、実施例2および実施例3における変形も同様)同じピッチで得られた走査モアレ縞を示す。
図8(b)、(c)の二つの走査モアレ縞を重ねることで得られる二次モアレ縞を図9(a)に示す。
また、図9(b)、(c)に図8(b)、(c)の画像の各画素のグレー値のデジタル加算、減算、または乗算処理から得られる二次モアレ縞を示す。
図9に示した3つの二次モアレ縞は同じピッチを有しており、変形解析に利用することができる。
次に、走査ゆがみの除去の実証試験を行った。
図10(a)に0.8ミクロンピッチの格子を描写したSi基板の写真を示す。
この試験片に走査ピッチ0.385ミクロンのLSMから得られた走査モアレ縞を同図(b)に示す。
この場合、規則格子の走査モアレ縞なので、同じ模様であるべきであるが、観察されるモアレ縞は模様が変化している。特に四角で囲んだ領域に異なる模様変化があり、走査モアレがゆがんでいることがわかる。
図11(a)、(b)に変形前後のLSMから得られたモアレ縞と、これらの画像を重ね合わせることで得られる二次モアレ縞を同図(c)に示す。図(c)中に示す二次モアレ縞(矢印の位置の縞)はゆがみがないことから、二次モアレ縞を得ることで走査ゆがみに依存することなく変形分布を計測することができる。
さらに、変形計測への走査ゆがみの除去の実証試験を行った。
図12(a)に3.6ミクロンピッチの格子をCFRPにナノインプリントリソグラフィ法で転写した写真を示す。
この試験片変形前後の走査ピッチ3.85ミクロンのLSMで観察された走査モアレ縞を図12(b)、および(c)に示す。このとき格子ピッチと走査ピッチはほぼ等しい。
試験片に転写された格子は、均一模様であることから走査モアレ縞は変形前においては均一であるべきだが、図12(b)の四角で囲んだ領域では走査ゆがみによるモアレ縞のゆがみが観察されている。
図12(c)に示した変形後の走査モアレ縞においても、四角の領域において同様にモアレ縞にゆがみが観察されている。
このような走査モアレ縞のゆがみは、変形計測において大きな誤差を与えることから、これらのゆがんだ走査モアレ縞から正確に変形分布を計測することはできない。
この走査モアレ縞のゆがみが変形計測に及ぼす影響を除去するため、図12(b)、(c)の像を重ね合わせることで、同図12(d)に示す二次モアレ縞を得る。図12(e)に得られた二次モアレ縞の位置とピッチ間隔をわかりやすくするために所定の画像処理を施した結果を示す。図12(d)に示すように、得られた二次モアレ縞(図中の矢印の部分のモアレ縞模様)では観察全領域においてゆがみがなく垂直方向に均一に等間隔で観察されたことから、二次モアレ縞は走査ゆがみの影響を受けないことが確認できる。
上に述べた実施例は、走査型顕微鏡で行ったが、二次モアレ縞は少なくともレンズ、CCD、CMOSセンサを備えたカメラの撮像から得られた画像の重ね合わせからも得ることができ、レンズ収差による像のゆがみの計測誤差を抑えることができる。
また、本実施例の画像処理は、パーソナルコンピューターにおいてプログラムおよび画像処理ツールを用いて行ったが、当該処理手段を備える走査型顕微鏡装置上で行ってもよいし、また、そのプログラム等を分割して走査型顕微鏡装置とパーソナルコンピューターで協同して行ってもよい。
本発明は、様々な顕微鏡(LSM, SEM, AFMなど)観察において走査ゆがみの有無に関係なく、全視野かつ広範囲での変形計測に利用することができる。
具体的には材料、構造の変形を利用した力学特性評価、界面近傍の変形・損傷挙動の解明、工業材料の破壊機構解明などに役立つ。
提案する二次モアレ法は、非破壊で金属、高分子、セラミックス、半導体、複合材料、および各種複合材料、多層構造材料、薄膜などさまざまな材料・構造の変形計測に用いられる。
工業分野での適用先は下記の三つが典型として挙げることが出来る。
1.力学特性、損傷挙動の解明
提案手法はヤング率、ポアソン比、弾性限、降伏強度、破断強度などの力学時特性評価、および応力-ひずみ線図を取得するのに有用である。また様々な形態による負荷(たとえば力学的、電気的、熱的など)条件下での層間はく離、座屈、き裂などの損傷進展の評価に利用することができる。
2.強度化、高靭化効果の評価
強度化、高靭化の効果を添加する前後の変形挙動を調べることにより、定量的にこれらの効果を評価することができる。またそれにより効果を最大にする最適な添加材料、界面、構造を決定することができる。
3.残留ひずみ、応力分布や潜在的破損箇所の検出
熱や加工を利用した応力緩和手法を利用することで本手法から様々な材料の残留ひずみ、応力分布の評価が可能になる。また残留ひずみ、応力状態を評価することで潜在的に壊れやすい箇所を同定できる。
1 歪んだ走査ライン
2 本来あるべき走査ライン
3 歪んだモアレ縞
4 走査ライン
5 規則格子
6 走査モアレ縞
7 変形前の走査モアレ縞
8 変形後の走査モアレ縞
9 二次モアレ縞
10 変形前の格子
11 変形後の格子
12 重ねあわせモアレ縞
13 二次モアレ縞縁
14 顕微鏡
15 試料台
16 試料
17 格子
18 熱負荷
19 引張負荷
20 圧縮負荷
21 3点曲げ負荷
22 移動・回転負荷
23 コンピュータ(情報処理装置(表示装置を含む))

Claims (9)

  1. 走査型顕微鏡を用いて撮像したモアレ縞画像に基づく変形計測方法であって、
    その表面に計測仕様に基づく規則格子を備えた試料を準備して、
    変形前の該試料の規則格子のピッチまたはその整数倍またはその数分の1に近い計測仕様に合わせた走査ピッチで走査して撮像したモアレ縞画像と、
    負荷を与えて変形後の該試料を該走査ピッチで走査して撮像したモアレ縞画像を、
    重ね合わせて得た合成画像に現われた二次モアレ縞により、該顕微鏡の走査ひずみを除去して、該負荷による変形を計測することを特徴とするモアレ縞画像に基づく変形計測方法。
  2. 前記走査型顕微鏡に代わってレンズとCCDまたはCMOSセンサのいずれかを備えたカメラを用いて撮像したことを特徴とする請求項1に記載するモアレ縞画像に基づく変形計測方法。
  3. 前記合成画像の二次モアレ縞は、前記変形の前後に撮像した2枚のモアレ縞画像を合成し解析して得たことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載するモアレ縞画像に基づく変形計測方法。
  4. 前記合成画像の二次モアレ縞は、前記変形の前後に撮像した2枚のモアレ縞画像を情報処理装置において画像処理プログラムで合成処理して得たことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載するモアレ縞画像に基づく変形計測方法。
  5. 前記合成処理における二次モアレ縞は、前記変形の前後に撮像した2枚のモアレ縞画像の各画素のグレー値のデジタル加算、減算、または乗算処理の結果であることを特徴とする請求項4に記載するモアレ縞画像に基づく変形計測方法。
  6. 前記変形前の該試料を前記走査ピッチで走査して撮像したモアレ縞画像と、
    連続的負荷を与えて変形後の該試料を前記走査ピッチで走査して連続して撮像した連続したモアレ縞画像を、
    連続して重ね合わせて得た連続した合成画像にあらわれた連続した前記二次モアレ縞により、連続的変形を計測することを特徴とする請求項4または請求項5のいずれか1項に記載するモアレ縞画像に基づく変形計測方法。
  7. 前記変形の前後に撮像した2枚のモアレ縞画像を、一旦前記顕微鏡にまたは前記CCDカメラにまたは外部に備えた記憶装置に保存して、後に、前記合成解析または画像処理プログラムで前記合成処理をしたことを特徴とする請求項5または請求項6のいずれか1項に記載するモアレ縞画像に基づく変形計測方法。
  8. 少なくとも走査型顕微鏡、またはレンズとCCDまたはCMOSセンサのいずれかを備えたカメラ、記憶装置、情報処理装置を備えたモアレ縞画像に基づく変形計測装置であって、
    請求項7に記載するモアレ縞画像に基づく変形計測方法を実施することを特徴とするモアレ縞画像に基づく変形計測装置。
  9. 請求項7に記載するモアレ縞画像に基づく変形計測方法を実施することを特徴とするモアレ縞画像に基づく変形計測プログラムおよび該プログラムを記録した記憶媒体。
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