JP2016142722A - 微粒子サンプリング方法および微粒子分析方法 - Google Patents

微粒子サンプリング方法および微粒子分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固定排出源等からのPM2.5粒子等の微粒子を、1粒子毎の解析可能にするために、粒子の重なりが無く、導電性も確保でき、平滑な基板に均一にサンプリングすることを可能にする。
【解決手段】バーチャルインパクタを用い、捕集対象微粒子を捕集するフィルター部にフィルターを配置し捕集を行い、捕集が終わった後に、フィルターを回収し、表面洗浄を行った平滑基板の表面に上部からフィルターを重ね合わせて、その後フィルターを取り除くことにより、平滑基板上に微粒子を偏り無く採取する微粒子サンプリング方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、微粒子サンプリング方法および微粒子分析方法に関し、特に、電子線や集束イオンビーム等を用いて、大気中を飛散する微粒子(大気中微粒子)、特に固定排出源を含む種々排出源からの微粒子群の1粒子毎の成分情報を測定するための、微粒子サンプリング方法および微粒子分析方法に関するものである。
PM2.5粒子に代表されるような粒径が数ミクロン以下の微粒子は、人体への毒性の高さから、微粒子の粒径分布やその成分の正確な測定技術の開発が必要となっている。特に、固定発生源からのPM2.5は排出量が多い箇所もあるため、実態調査が必要になってきた。ここで、「実態調査」とは、各固定発生源から排出される物質の排出量を、物質別に産業別・燃料別等、各発生源の種類毎にPM2.5粒子等の微粒子の一次粒子の排出インベントリを調べることである。つまり、この「実態調査」によって、微粒子の発生源や微粒子の飛散履歴を特定することができ、効率のよい環境対策を講じることが可能となる。
実態調査のためには、重量法を用いた微粒子量の測定や、誘導結合型プラズマ質量分析法(ICP−MS法)等を利用した微粒子の元素の平均情報を調べる方法などが知られている(非特許文献1)。
粒子群の元素の平均情報は、平均的な組成を明確に出来る。しかしながら、粒子群中にこの平均的な組成とは全く異なる組成元素の粒子が含まれる場合、粒子毎の元素組成がわからない課題があった。特に、少量ではあるが、ある発生源に特徴的な粒子が含まれる場合、元素の平均情報からだけではこの粒子の起源を推定できず、発生源の特定が困難となるという課題があった。
PM2.5粒子は、近年問題になっているように、日本国内のみならず、中国等の大陸からの飛散粒子の越境影響が懸念されているように長距離移動する可能性も高い。そのためPM2.5粒子の発生源においては多数を考慮する必要があるが、その発生源からの寄与度を明らかにすることが出来なければ効率的な対策を立てられない。特に工場煙突等の固定発生源や、自動車、船舶等の移動発生源、及び越境影響の切り分けが出来なければ、対策を立てることが不可能である。そして前述の切り分けのためには、粒子群の元素の平均情報のみでは不十分であり、個々の粒子の解析を行い、その情報をもとにしたクラスター解析により統計的な粒子群を明確にすることが重要となっている。従って、微粒子の1粒子解析技術は重要である。
特許文献1には、電子ビームと集束イオンビームとを併用した微細部位解析装置が開示されている。特許文献1に記載の技術では、電子ビームにより非破壊で注目粒子を特定し、集束イオンビームによりその粒子の成分分析を行うことを可能にしている。
また、走査型分析電子顕微鏡でも、特許文献1と同様な微粒子に関する情報を抽出することが可能である。しかしながら、微粒子は中空のものが多く、その密度を求めるには、微粒子の内部構造と外部とを分離して測定可能な集束イオンビームを備えたシステムが適している。
特許文献2には、捕集基板上の微粒子に集束イオンビームを照射することにより微粒子を切断加工し、試料台を回転させて、切断面に集束イオンビームを照射することにより二次イオンを放出させ、この二次イオンを検出した結果に基づいて、微粒子内部の成分および空隙を評価する方法が開示されている。
複数の発生源由来のPM2.5粒子が入りこんでしまうと、それぞれの発生源による粒子情報がわからず、発生源毎の区別が出来ない。その課題を解決するために、1粒子毎の元素分析を行うことにより、捕集したPM2.5粒子中に含まれる代表的な粒子群を把握する必要がある。そのようなPM2.5粒子の分析手法の一つとして、非特許文献2では、収束イオンビームを用いて元素情報を取得して、クラスター分析を行うことにより捕集中のPM2.5粒子をグループ分けする方法が報告されている。
ここで、PM2.5粒子の1粒子解析を行うためには、粒径2.5μm超の粒子を確実に分離し、さらに粒子毎の重なりが無く、かつ均一に、PM2.5粒子を基板上に捕集する必要がある。
微粒子の捕集手段としては、各種分級方法を利用した方法が知られているが、インパクタを利用した方法(以下、単にインパクタ法ともいう。)や、サイクロン法、バーチャルインパクタを利用した法(以下、単にバーチャルインパクタ法ともいう。)などがある。これら捕集手段は、分級方法の違いに依存している。
インパクタ法は慣性衝突型であり、鉛直下方に向けた試料空気の噴出ノズルと、これに直角に配置した衝突板からなる構造である。このインパクタ法は、噴出ノズルよりの鉛直方向の気流が、衝突板にあたることによって水平方向に曲がる際に、慣性力により衝突板に衝突する粗大粒子と気流に乗って水平方向に曲がる微小粒子に分離する方法である。
サイクロン法は、遠心分離する方法であり、円筒部、円すい部、粒子溜めからなり、空気流が本体内部で螺旋状に旋回する構造である。サイクロン法は、この旋回流による遠心力により璧面に押しつけられ、粒子溜めに捕集される粗大粒子と、気流に乗って通過する微小粒子に分離する方法である。
一方バーチャルインパクタ法は、仮想慣性衝突型と呼ばれる方法であり、前述のインパクタ方式における衝突板を取り去り、代わりに対向ノズルを設けたものである。噴出ノズルから加速された粒子の中で粗大粒子は対向ノズル内を通して捕捉され、微小粒子と分離される。
これらの3つの捕集手段(分級方法)のうちインパクタを利用した方法とサイクロン法を利用した方法では、PM2.5粒子の濃度が高い箇所では、粗大粒子との分離が不十分となり、PM2.5粒子以上の粒径の粒子が多くサンプリングされてしまうことが知られている。上記理由により、固定排出源等の煤塵量が多い箇所ではバーチャルインパクタ法を利用することは必須である。JIS法でもJIS Z 7152-2013で「バーチャルインパクタによる排ガス中のPM10/PM2.5質量濃度痩測定方法」において、分級法としてバーチャルインパクタを適用することが規定されている。
特開2008−39521号公報 特開2011−163872号公報 特開2003−225625号公報
環境省 大気中微小粒子状物質(PM2.5)成分測定マニュアル BUNSEKI KAGAKU Vol.63, No.4, pp.317-322(2014)
ここで、固定排出源等の煤塵量が多い箇所での収束イオンビーム等を用いた1粒子解析には、以下のようなサンプリングが重要である。
つまり、煤塵中の微粒子を正確に分級し、かつ分級した微粒子を元素や粒子サイズによる粒子依存による選択性が無いように均一に平滑基板に載せることが重要である。分級した微粒子を平滑基板上に載せる際に粒子が重なりあってしまうと、個々の粒子を分析することが出来ない。そのため、平滑基板上に均一に粒子がサンプリングされていることが必要である。
また収束イオンビーム等を利用して測定する際、平滑基板表面の面精度が低いと微粒子とのコントラストがつかないため、粒子測定が出来ないと言った課題があった。つまり、平滑基板表面において高い面精度が必要である。
また、平滑基板の材質はその採取の環境を考慮して、高温環境下や腐食ガスでも変質せず、測定法との組み合わせからチャージアップしない程度の導電性が必要となっている。そのような特徴を有する基板として、例えばシリコンウエハーを利用することが開示されている(特許文献2)。
ここで、バーチャルインパクタ法によってPM2.5粒子を捕集する方法としては、粗大粒子の除去率が高いバーチャルインパクタにおいて、PM2.5粒子を採取するフィルターの上方に平滑基板としてシリコンウエハーを設置して吸引し、PM2.5粒子の1粒子解析用のサンプルをシリコンウエハー上に捕集することが一般的に考えられる採取方法である。しかし、PM2.5粒子は周辺のフィルターには採取されるものの、シリコンウエハー上へは極少量しか採取されないという問題があった。
また、上記のバーチャルインパクタ法でシリコンウエハー上に採取された粒子を収束イオンビームを用いて成分測定すると、フィルター上に採取された粒子のICP−MSによる成分分析結果とは成分組成が全く異なる元素が多く観測されることが分かった。これは、上記のバーチャルインパクタ法でシリコンウエハー上に採取された極少量の粒子は、バーチャルインパクタによってサンプリングされたPM2.5粒子を代表していないことを示す。つまりこれは、シリコンウエハー上には、粒子の比重等によって選択的にPM2.5粒子が捕集されているためであると考えられる。
一方、粗大粒子影響が大きく出てしまうインパクタ法やサイクロン法では、粗大粒子除去部にシリコンウエハーを設置することにより、微粒子群のサンプリングは可能である。しかしその構造的問題から大量のオーバーサイズ粒子が混入し、粒子が重なってサンプリングされてしまい、均一に粒子を分布させて捕集することが困難であった。
本発明は、以上の従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、大気中の微粒子群の1粒子毎の成分情報を測定すべく、微粒子を、粗大粒子と十分に分離させ、かつ平滑な基板上に選択性無く均一に採取できる微粒子サンプリング方法および微粒子分析方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するためになされた、本発明の構成は、以下に要約される。
(1)大気中の微粒子を平滑基板上に捕集する方法であって、大気中の微粒子を、バーチャルインパクタ法により分級して、特定の粒径未満の粒径を有する微粒子をフィルター上に捕集し、前記フィルターに前記平滑基板を押しつけることにより、前記微粒子を前記平滑基板上に転写して捕集することを特徴とする微粒子サンプリング方法。
(2)前記微粒子を前記平滑基板上に転写して捕集する際、前記平滑基板の捕集面を上に向くように前記平滑基板を配置し、前記捕集面の上方から前記フィルターの前記微粒子の採取面を下向きにして前記フィルターと前記平滑基板を重ね合わせ、その後前記フィルターを前記平滑基板に押しつけることによって転写することを特徴とする(1)に記載の微粒子サンプリング方法。
(3)前記平滑基板上に重ねた前記フィルターに、8g/cm〜22g/cmの圧を印加して転写することを特徴とする(2)に記載の微粒子サンプリング方法。
(4)前記平滑基板がシリコンウエハーであることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の微粒子サンプリング方法。
(5)前記特定の粒径が2.5μmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一項に記載の微粒子サンプリング方法。
(6)試料を載置する試料台と、電子ビームを照射する電子ビーム照射器と、前記電子ビームの前記試料への照射により散乱された電子を検出する検出器と、集束イオンビームを照射する集束イオンビーム照射器と、前記集束イオンビームを前記試料に照射することにより前記試料から放出される二次イオンを検出する分析計と、を備える装置を用いる微粒子分析方法であって、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の微粒子サンプリング方法で表面上に微粒子を付着させた前記平滑基板を前記試料台に置き、前記平滑基板上の微粒子に電子ビームを照射し、前記電子ビームの照射により散乱された電子を前記検出器によって検出し、検出された前記電子の結果に基づいて、前記微粒子を特定し、前記微粒子に集束イオンビームを照射し、前記集束イオンビームの照射により前記微粒子から放出された二次イオンを検出し、検出された前記二次イオンの結果に基づいて、前記微粒子の成分を分析することを特徴とする微粒子分析方法。
(7)前記集束イオンビームを用いて前記試料を切断加工し、切断加工面が前記集束イオンビームに対して略垂直となるように前記試料台を回転させ、前記微粒子の切断面に前記集束イオンビームを照射して前記微粒子から二次イオンを放出させ、検出した前記二次イオンの結果に基づいて、前記微粒子内部の成分および空隙を評価することを特徴とする(6)に記載の微粒子分析方法。
本発明によれば、微粒子が固定排出源などの煤塵量が多い発生源に由来する場合であっても、代表性を得るに十分な個数のPM2.5粒子等の大気中の微粒子を、平滑基板上に均一かつ重なり無く捕集するサンプリング法を提供できる。特に、本発明によれば、集束イオンビームを用いる分析法などで用いる導電性を確保した平滑基板上にも、粒子の比重や大きさ等に因らず、選択性のない均一な微粒子の捕集を可能とする。
また本発明の微粒子サンプリング方法によってサンプリングされた微粒子は、電子線や集束イオンビームを用いた微粒子分析手法によって、1粒子ごとに、元素組成の測定や空隙の評価、またそれらから比重を測定することが可能である。それにより、得られた分析結果から、平均的な元素組成からは得られない発生源固有の情報を取得することが可能となり、発生源の特定に有力な情報を提供することができ、効率のよい環境対策へ大きく貢献できる。
図1は、本発明の実施形態である固定排出源からPM2.5粒子をサンプリングする方法を示す概略図である。 図2は、バーチャルインパクタ法を説明するための各分級器の概略断面図である。 図3は、集束イオンビームを利用したSIMS装置の概略図である。 図4(a)は、本実施形態の別の態様である分析装置の全体構成を説明するための概略図であって、図4(b)は、図4(a)に示す分析装置の試料台1を180度回転させた状態を説明するための概略図である。 図5は、フィルターからシリコンウエハーに転写した際のシリコンウエハーに捕集された微粒子の光学顕微鏡写真である。 図6は、フィルターからシリコンウエハーに転写した際のシリコンウエハーに捕集された微粒子をFIB-TOF-SIMS装置で測定したSIMS像((a):K、(b):Na)である。 図7は、インパクタ法で採取した際の粉塵の採取状態を示す概略図(側面図および上面図)である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
また、以下では、大気中の微粒子の中でも特にPM2.5粒子のサンプリングを例にとって説明する。
(微粒子サンプリング方法)
図1は、煙突内等の固定排出源からのPM2.5粒子を捕集する方法を示す概略図である。
固定排出源からのPM2.5粒子の排出は通常煙突から排出されるケースが多い。そのため、固定排出源からのPM2.5粒子の採取は、煙道に分級用のサンプラーを導入して行われる。サンプラーは煙道に導入された後に、温度が均一化するまで待った後に、サンプリングを開始することが一般的である。
そこで、本実施形態では図1に示すように、煙道でのサンプリングの際はバーチャルインパクタ101を煙道にいれる。
バーチャルインパクタ101は一般的に、粒径2.5μm以下の微粒子を捕集する最終捕集部111と、2.5μm超10μm以下の粒子を捕集する中間捕集部108、それ以上の粗大粒子を捕集する粗捕集部105とを備えている。
それぞれの捕集部での吸引ガスの吸引量を全て規定値に調整する必要があるため、最終捕集ポンプ104、中間捕集ポンプ103、粗捕集ポンプ102でそれぞれ独立して吸引する。
煙道から粉塵採取口113でサンプリングされた粒子群はまず粗捕集部105に入り、分級部106で仮想慣性衝突型を用いた分級法(バーチャルインパクタ法)により粒径10μm超のものと粒径10μm以下のものに分級され、粒径10μm超のものはフィルター107で捕集する。
粒径10μm以下の粒子はその後、中間捕集部108に入り、分級部109でバーチャルインパクタ法により粒径2.5μm超のものと粒径2.5μm以下のものに分級され、粒径2.5μm超のものはフィルター110で捕集する。
粒径2.5μm以下の粒子は最終捕集部111に入り、粒径2.5μm以下の微粒子、つまりPM2.5粒子をフィルター112で捕集する。
なお、PM2.5粒子を捕集するフィルター112としては石英やテフロン(登録商標)製のものを用いることができる。
図2は、分級器109の概略断面図である。以下、図2を参照しながらバーチャルインパクタ法による粒子の分級方法を説明する。
分級器109は、空気を噴出する円形のノズル401と、該ノズル401の軸線と同一の軸線を有する円形の対向ノズル(集気部)403とから概略構成される。ノズル401と対向ノズル403は、所定の長さの間隔で対向している。なお、分級器106についても略同等の構成である。
対向ノズル403は中間捕集ポンプ103に接続されており、ノズル401から噴出された空気は、所定の割合で、対向ノズル403の内周側と、対向ノズル403内を通らない対向ノズル403の外周側とに分配され、2つの気流が形成される。つまり、ノズル401から噴出された空気は、対向ノズル403の上端により分流されるため、ノズル401より侵入した粒子群からしてみるに、当該上端には仮想の衝突面(仮想衝突面402)が存在するともいえる。
ノズル401より入った粒径が2.5μm超の粒子(粗大粒子)は、慣性力が大きいため、そのまま直進し下部の仮想衝突面402に衝突して、対向ノズル403の下方に設けられたフィルター110(図1参照) に吸引され捕集される。
一方、粒径2.5μm以下の微粒子(PM2.5粒子)は、慣性力が小さいため、対向ノズル403の外周側を流れる気流に乗って曲げられるため仮想衝突面402に衝突することなく、最終捕集ポンプ104により吸引されてフィルター112上に捕集される構造となっている。
なお、分級器106の場合は粒径10μm超の粗大粒子が図1に示すフィルター107へ捕集され、粒径2.5μm超10μm以下の粒子は中間捕集部108へ送られる構造となる。
フィルター112上に採取されたPM2.5粒子群は、重量法によって、全重量が測定され、また酸等によって溶解させて、ICP−MS等によって分析することにより、平均元素組成が測定される。しかし、上記方法では粒子群の元素の平均情報しか得ることが出来ないため、固定発生源から排出され拡散した後では、他の発生源からの粒子と混ざりあってしまい、発生源と観測点との関係を把握することが出来ない。
発生源と観測点との関係を把握するためには、粒子群の元素の平均情報だけでは無く、個々の粒子の元素組成も必要である。さらに、個々の粒子を、粒子の表面と内部とを区別して元素分布を調べることにより、粒子に対する汚染、異物混入等の影響を区別することも可能となる。
そのような個別粒子の測定の一例として、集束イオンビームを用いた2次イオン質量分析(SIMS)装置等を利用した方法や電子線を利用した評価方法などが考えられる。
PM2.5粒子を測定するためには、統計的な情報が必要であり、最低でも1000個程度の粒子を個別に測定する必要がある。そのため、装置に導入するためのPM2.5粒子は平滑基板表面に分散された状態で採取される必要がある。
バーチャルインパクタ法での粒子の捕集は元来、フィルター上に粒子が均一に採取される方法であるため、粒子を分散させて測定することには優れている。しかし、このフィルターの上方に平滑基板を設置してサンプリングを行うと、平滑基板周辺のフィルターには採取されるものの、平滑基板上へはフィルター上で採取されたPM2.5粒子量に比べ圧倒的に少量しか採取されないということを本発明者らは見出した。
これは、バーチャルインパクタ法が上述のように気流を制御する方法であることに起因すると思われる。つまり、バーチャルインパクタ法はガス流れが他の分級方法に比べ遅いため、シリコンウエハー等の風を通さない素材の平滑基板を用いると気流の流れを阻害してしまい、その影響により基板へ付着させるほどの衝突速度を稼ぐことが出来ず、微粒子が基板に乗らない可能性があると考えられる。そのため、ガス流れが遮断される基板上にPM2.5粒子を直接捕集することは困難であると考えられる。
そこで、このバーチャルインパクタ法で捕集した微粒子を平滑基板に転写することを着想した。
転写する際は平滑基板の捕集面を上に向くように配置し、捕集面の上方からフィルターのPM2.5粒子の採取面を下向きにしてフィルターと平滑基板を重ね合わせ、その後フィルターを平滑基板に押しつけることにより、元素依存性が少なく平滑度が高い基板へのPM2.5粒子の捕集が可能となる。
なお、フィルターの採取面を上向きに置き、上方から平滑基板を押しつける方法を用いても基板への転写は可能であるが、前者と同等の力でおしつけた際に、平滑基板を下にした前者の捕集方法に比べ約2割程度粒子の捕集効率が減少した。そのため、効率的な捕集方法は平滑基板を下にしてフィルターを上部から押し付ける方法の方が好ましい。
なお、フィルターから微粒子を転写する際には、フィルターを強い力で平滑基板に押し付けるとフィルターの材質が平滑基板に移ってしまう可能性がある。特にフィルターの材質が石英の場合ははがれやすいので、転写の際は注意が必要である。
平滑な基板表面に十分な個数の微粒子を再現性良く転写する方法として、平滑基板の上に重ねたフィルターの上に任意のおもりを載せて、8〜22g/cmの圧を印加することが有効であることを見出した。これは、例えば、100gで底面積が37cm程度の分銅を載せることによって実現できる。底面積が37cmであり、重さ50gの分銅を載せた場合は、100gのときと比較して1/5程度しか微粒子が転写されなかった。一方、同じ底面積で重さ300gの場合は、押し付ける力が強すぎたことから、フィルターの繊維が平滑基板上に転写され、微粒子解析に対して妨害となった。
平滑基板としては、面精度が高く、かつ高温環境下や腐食ガスでも変質せず、ある程度の導電性を有するものを用いることが好ましい。好ましくは、シリコンウエハーである。
ここで、平滑基板上の汚染微粒子をプラスに帯電させ、マイナスに帯電させたロールに捕集、吸着させて除去した後、これを更に、吸着ロールに転写、除去する基盤又はシートの除塵方法が、特許文献3(特開2003−225625号公報)に開示されている。しかし、特許文献3には、上述してきたような本実施形態の特長である、平滑基板側に微粒子を転写させる方法については開示されていない。平滑基板に微粒子を転写することは、バーチャルインパクタで分級した後、個々の微粒子の解析を行うことを目的とした本発明者が見出した固有の課題を解決するために、鋭意工夫して到達したものである。
(微粒子分析方法)
次に、本実施形態に係る微粒子分析方法について説明する。
本実施形態に係る微粒子分析方法は、試料を載置する試料台と、電子ビームを照射する電子ビーム照射器と、前記電子ビームの前記試料への照射により散乱された電子を検出する検出器と、集束イオンビームを照射する集束イオンビーム照射器と、前記集束イオンビームを前記試料に照射することにより前記試料から放出される二次イオンを検出する分析計と、を備える装置を用いる微粒子分析法であって、上述してきた微粒子サンプリング方法で表面上に微粒子を付着させた前記平滑基板を前記試料台に置き、前記平滑基板上の微粒子に電子ビームを照射し、前記電子ビームの照射により散乱された電子を前記検出器によって検出し、検出された前記電子の結果に基づいて、前記微粒子を特定し、前記微粒子に集束イオンビームを照射し、前記集束イオンビームの照射により前記微粒子から放出された二次イオンを検出し、検出された前記二次イオンの結果に基づいて、前記微粒子の成分を分析することを特徴とする。
以下、図面を用いて詳述する。
図3は、本実施形態に係る微粒子分析方法で用いる装置であって、集束イオンビームを利用したSIMS装置の概略構成の一例を示す図である。
図示のとおり、微粒子分析装置は、主に、試料台1と、集束イオンビーム照射器3と、電子ビーム照射器4と、質量分析計(分析計)5と、二次電子検出器(検出器)6と、を備えている。試料台1は真空槽中にある。
平滑基板7は、観察したい複数のPM2.5粒子群2(以下の説明では、必要に応じて、複数のPM2.5粒子群2をPM2.5サンプル2と略称する)が転写されており、試料台1の上に固定された状態で設置される。
平滑基板7は、原子レベルでフラット(平滑)な表面を持つことが理想的である。例えば、シリコンウエハーを平滑基板7として用いることが望ましい。シリコンウエハー以外でも、SiC、GaAs、サファイア、ガラス等の基板を平滑基板7として用いることができる。
集束イオンビーム照射器3と電子ビーム照射器4は、試料台1の任意の高さにおいて、PM2.5サンプル2の表面の同一地点にビームを照射するように、試料台1に対して鉛直上方向に設置された質量分析計5を挟んで、左右対称な関係となる位置に設置される。本実施形態では、集束イオンビーム照射器3と電子ビーム照射器4は、水平に設置された試料台1に対して伏角が45°となる方向から、PM2.5サンプル2にビームを照射するようにしている。
電子ビーム照射器4は、後述する集束イオンビーム照射器3と同様、或いはそれ以上に集束された集束電子ビームを、PM2.5サンプル2の表面に照射する装置である。
電子ビーム照射器4から電子ビームを走査しながら照射することにより発生した二次電子、つまり、電子ビームの照射により散乱された電子は、二次電子検出器6にて検出され、その検出結果に基づいて、PM2.5サンプル2の二次電子像を観察することができる。
集束イオンビーム照射器3は、一般的に入手可能なものが利用でき、例えば液体金属であるガリウムイオン源からイオンビームを取り出し、PM2.5サンプル2の表面において数10nmのレベルまでイオンビームを集束させることができる装置である。近年は、ガリウムイオン源の他にも、BiやAu等の集束イオン源も開発されており、これらの集束イオン源を使用することも可能である。集束イオンビーム照射器3の集束イオン源としてガリウムイオン源を用いた場合、PM2.5サンプル2の表面において、集束イオンビーム照射器3から照射されたパルス状のGaイオンビームが、PM2.5サンプル2の表面を構成する原子をスパッタリングする。これにより、PM2.5サンプル2から二次イオンが発生する。このようにして発生した二次イオンは、質量分析計5により検出される。
質量分析計5は、測定粒子径が小さいため試料の損傷の激しい直流のイオンビームを用いる四重極型質量分析計や二重収束型質量分析計よりも、パルスイオンビームを用いる飛行時間型質量分析計を質量分析計5に用いた方が望ましい。
このように、集束イオンビームを走査してPM2.5サンプル2に照射することによりPM2.5サンプル2から二次イオンが放出される。そしてこの二次イオンを検出し、二次イオン像に基づいてPM2.5サンプル2の質量を質量分析計5で分析することにより、PM2.5サンプル2の成分を分析することができる。
このとき、電子ビーム照射器4による電子ビームの照射により散乱された電子を検出して得られた二次電子像が観察されたときと同一の視野で、二次イオン像を観察する。尚、前述した集束イオン源の代わりに集束性の高いガスイオン源、液体金属イオン源等を利用することが可能である。
また、PM2.5サンプル2の表面の有機物を取り除き、飛散中におけるPM2.5サンプル2の付着や酸化等の化学反応を観察したい場合もある。この場合には、1013〜1016イオン/cm程度の、パルス化された集束イオンビームを集束イオンビーム照射器3からPM2.5サンプル2に照射して、PM2.5サンプル2の表面付着物を除去した後、前述したようにして二次イオン像を観察するのが望ましい。
以上の通り、本実施形態では、同一装置にて、PM2.5サンプル2を捕集したままで、PM2.5サンプル2の成分を明らかにすることができる。
なお本実施形態の微粒子分析方法では、集束イオンビームを用いて試料(PM2.5サンプル2)を切断加工し、切断加工面が集束イオンビームに対して略垂直となるように試料台1を回転させ、PM2.5サンプル2の切断面に集束イオンビームを照射してPM2.5サンプル2から二次イオンを放出させ、検出した二次イオンの結果に基づいて、微粒子内部の成分および空隙を評価してもよい。
以下、図4を用いて説明するが、図3と同一の部分については、図3に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図4(a)は、図3に示した本実施形態の分析装置の別態様である分析装置の全体構成を説明するための概略概念図である。なお、図中のPM2.5サンプル(試料粒子)2は、説明の都合上、誇張して大きく示しているが、実際の試料粒子は微細なものであり、図示した試料台等との大小関係を正確に表しているものではない。
図4(a)の通り、本発明の別態様の分析装置は、主に試料台1と集束イオンビーム照射器3と電子ビーム照射器4と回転機構8と質量分析計5とからなる。試料台1は、その上に試料が置かれる台であり、水平に保たれることが好ましい。
PM2.5サンプル2の内部の情報を取り出す場合は、特許文献1に記載のように、集束イオンビーム照射器3により、PM2.5サンプル2を切断加工する。また、試料台1の着眼位置(測定対象の微粒子2が存在する位置)を中心に試料台1を(図4(a)の上下方向を回転軸として)180°回転させることが可能な回転機構8(例えば、モータ等)を試料台1に取り付けるようにする。
PM2.5サンプル2の内部の空隙率を求めることは従来の電子線励起蛍光X線分析方法では不可能であった。従来の電子線励起蛍光X線分析では、情報の深さが1μm程度であり、サブミクロン単位の粒子径を有する微粒子の内部の空隙の情報を抽出することができないためである。本実施形態で用いる二次イオン質量分析法の表面における情報深さは数nmと非常に浅い。このため、PM2.5サンプル2の極表面の情報のみを検出する。従って、切断加工したPM2.5サンプル2の内部について元素マッピングを行うことで、PM2.5サンプル2の表面と内部の情報を別々に観察することができる。
図4(b)は、図4(a)に示す分析装置において、回転機構8により試料台1を180度回転させ、試料粒子2の断面を集束イオンビーム照射器2の方向に向けた状態の図である。
このように回転機構8により試料台1を回転させることで、集束イオンビーム照射器3からの集束イオンビームを、切断された試料粒子2の断面に照射することが可能となる。
具体的には、まず、前述したようにして切断した試料粒子2を、当該試料粒子2を中心に回転させながら、集束イオンビームを、前述したようにして試料粒子2に照射して、試料粒子2の内部の情報を得るようにする。この際、電子ビームと、集束イオンビームとを切断面に対して垂直に入射されるようにするのが好ましい。
そして、前述したように、集束イオンビームの照射により試料粒子2から放出される二次イオンを検出し、その二次イオン像を観察した結果に基づいて、試料粒子2の内部の成分分析を行う。また、この二次イオン像を観察した結果に基づいて、試料粒子2の内部にある空隙の大きさ(面積)を求め、試料粒子2と空隙が球であると仮定して、空隙の体積を試料粒子2の体積で割ることにより試料粒子2の空隙率を求める。
以上のようにすることで、各微粒子2一個一個の空隙率を明らかにすることができ、試料粒子2の密度を求めることができる。
尚、前述した本発明の各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の各実施形態の実施例について説明する。実施例の条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した条件の例であり、本発明の適用範囲は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(本発明例)
20mg/m程度の煤塵量が含まれる煙道から、10分間、図1および図2に示すようなバーチャルインパクタを用いてサンプリング、分級して、石英フィルター状にPM2.5粒子を採取した。
次に、PM2.5粒子が採取された石英フィルターを取り出し、石英フィルターの微粒子採取面を下向きにして、シリコンウエハー上に押し付けPM2.5粒子を転写した。
シリコンウエハー表面を光学顕微鏡で観察した結果を図5に示す。この顕微鏡写真より、50μm×50μm間に400個程度のPM2.5粒子の採取が確認された。さらに上記観察した場所とは異なる視野で別に4視野測定を行い、計5視野の測定を行ったところ、PM2.5粒子が合計約2000粒子が測定された。
ここで、転写前の石英フィルター上のPM2.5粒子を硝酸及び過酸化水素水を用いて分解処理をし、高周波マイクロウェーブによる密閉系で分解処理を行う前処理を行った後にICP−MS法で測定し、主要元素である、K,Ca,Al,Mg,Mnの存在比を算出した。さらに、PM2.5粒子を転写したシリコンウエハーの粒子群の存在比も同様に算出したところ、表1で示した通り、フィルター上に捕集された微粒子と同等の存在比で観測された。また、それ以外の微量元素に関してもほぼ同等の量で存在していることがわかった。
上記の転写したシリコンウエハーを図2に示すようなSIMSで測定したK及びNaの結果を図6に示す。図6(a)がKのSIMS像、図6(b)がNaのSIMS像である。
粒子毎にNa、K、ならびにNaとKの両方が含まれているものがあるが、主要成分がそれぞれどちらかで区別すると各粒子数の比は、4:1になった。すなわち、シリコンウエハー上に転写された個々の粒子を測定することによって、組成の異なる粒子を区別できた。これは、ICP−MSによる分析では得られなかった情報である。
(比較例1)
バーチャルインパクタ法でPM2.5粒子を捕集する石英やテフロン(登録商標)製のフィルターの上に予め、シリコンウエハーを設置して粒子をサンプリングした。
その結果、光学顕微鏡で確認したところ、フィルターにはPM2.5粒子は均一に捕集されたが、シリコンウエハー上にはフィルター上と比較して極少数しか捕集されなかった。
また、SIMS装置でサンプリングを行ったシリコンウエハーを確認したところ、フィルター上に捕集した粒子のICP−MS法による元素分析値から得られた存在比と合致しない結果となり、シリコンウエハー上にはPM2.5粒子群のうち一部が選択的に捕集されていることが確認された。
ここで、シリコンウエハー上に捕集された粒子の元素組成とフィルターで捕集された粒子の元素組成をICP−MS法で測定した結果を表2に示す。この結果からもシリコンウエハー上に採取された微粒子は、分級されたPM2.5粒子全体を反映しないサンプリング結果になっていることがわかった。
(比較例2)
インパクタ法で採取されるPM2.5粒子を捕集する板に、シリコンウエハーを採用した。その結果、分級能が下がりサイズが大きい粒子が混入してしまった。また、導入する粒子の密度を下げて分級能力が下がらない条件とした場合においても、粒子は図7のように山のような形状で採取されてしまい、シリコンウエハーへの均一サンプリングが不可能であった。
1:試料台
2:PM2.5粒子群(PM2.5サンプル、試料粒子)
3:集束イオンビーム照射器
4:電子ビーム照射器
5:質量分析計(分析計)
6:二次電子検出器(検出器)
7:平滑基板
8:回転機構
101:バーチャルインパクタ
102:粗捕集ポンプ
103:中間捕集ポンプ
104:最終捕集ポンプ
105:粗捕集部
106:分級部
107:フィルター
108:中間捕集部
109:分級部
110:フィルター
111:最終捕集部
112:フィルター
113:粉塵採取口
401:ノズル
402:仮想衝突面
403:対向ノズル

Claims (7)

  1. 大気中の微粒子を平滑基板上に捕集する方法であって、大気中の微粒子を、バーチャルインパクタ法により分級して、特定の粒径未満の粒径を有する微粒子をフィルター上に捕集し、前記フィルターに前記平滑基板を押しつけることにより、前記微粒子を前記平滑基板上に転写して捕集することを特徴とする微粒子サンプリング方法。
  2. 前記微粒子を前記平滑基板上に転写して捕集する際、前記平滑基板の捕集面を上に向くように前記平滑基板を配置し、前記捕集面の上方から前記フィルターの前記微粒子の採取面を下向きにして前記フィルターと前記平滑基板を重ね合わせ、その後前記フィルターを前記平滑基板に押しつけることによって転写することを特徴とする請求項1に記載の微粒子サンプリング方法。
  3. 前記平滑基板上に重ねた前記フィルターに、8g/cm〜22g/cmの圧を印加して転写することを特徴とする請求項2に記載の微粒子サンプリング方法。
  4. 前記平滑基板がシリコンウエハーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の微粒子サンプリング方法。
  5. 前記特定の粒径が2.5μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の微粒子サンプリング方法。
  6. 試料を載置する試料台と、電子ビームを照射する電子ビーム照射器と、前記電子ビームの前記試料への照射により散乱された電子を検出する検出器と、集束イオンビームを照射する集束イオンビーム照射器と、前記集束イオンビームを前記試料に照射することにより前記試料から放出される二次イオンを検出する分析計と、を備える装置を用いる微粒子分析方法であって、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の微粒子サンプリング方法で表面上に微粒子を付着させた前記平滑基板を前記試料台に置き、
    前記平滑基板上の微粒子に電子ビームを照射し、
    前記電子ビームの照射により散乱された電子を前記検出器によって検出し、
    検出された前記電子の結果に基づいて、前記微粒子を特定し、
    前記微粒子に集束イオンビームを照射し、
    前記集束イオンビームの照射により前記微粒子から放出された二次イオンを検出し、
    検出された前記二次イオンの結果に基づいて、前記微粒子の成分を分析することを特徴とする微粒子分析方法。
  7. 前記集束イオンビームを用いて前記試料を切断加工し、切断加工面が前記集束イオンビームに対して略垂直となるように前記試料台を回転させ、前記微粒子の切断面に前記集束イオンビームを照射して前記微粒子から二次イオンを放出させ、検出した前記二次イオンの結果に基づいて、前記微粒子内部の成分および空隙を評価することを特徴とする請求項6に記載の微粒子分析方法。
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