JP2016141695A - アリールアミン系化合物 - Google Patents

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Masashi Tsuji
雅司 辻
長谷川 浩司
Koji Hasegawa
浩司 長谷川
誠 田口
Makoto Taguchi
誠 田口
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Abstract

【課題】有機電界発光素子用材料として用いられた場合に、高い電荷移動度と有機溶媒に対する高い溶解性とが実現可能な化合物を提供する。
【解決手段】下記式(1)で示される、アリールアミン系化合物:

ただし、式(1)中、Rは炭素数2〜20のアルキル基であり、nは20〜500の整数であり、Xは所定構造を有するユニットである。
【選択図】図1

Description

本発明は、エチレン骨格を主鎖とし、電荷輸送ユニットを側鎖に有する、アリールアミン系化合物に関する。
有機発光ダイオード(OLED)などの有機電界発光素子は、陽極および陰極から注入された正孔および電子が、発光層において再結合することにより、発光層における有機材料を発光させる自己発光型の素子である。
有機電界発光素子には、正孔輸送材料等の電荷輸送材料をはじめとする、有機電界発光素子用材料が用いられている。電荷輸送材料は電荷を発光層へ輸送する能力を有するだけでなく、発光層における正孔と電子の再結合によって形成された励起子が電荷輸送層へ侵入することを防ぐ機能をも果たしている。また、正孔輸送材料が高い電荷移動度や高い三重項エネルギーを持つことにより、特に緑色および青色系OLED素子の高効率化を図ることができると考えられている。
塗布プロセス向けの有機電界発光素子の製造方法としては、残膜性などのプロセス的な観点から、高分子構造の電荷輸送材料が有益である。高分子構造の電荷輸送材料のうち、エチレン骨格を主鎖とし、電荷輸送ユニットを側鎖に有するものは側鎖型高分子材料と呼ばれている。例えば、特許文献1には、正孔輸送ユニットを側鎖に持つ正孔輸送性の側鎖型高分子材料が記載されている。側鎖型高分子材料は電荷輸送ユニットがそれぞれ共役的にほぼ分離しているため、高い三重項エネルギーを取りやすい。また、電荷輸送ユニットが主鎖周辺にペンダント型に配置されているため、電荷輸送ユニット同士が相互作用しやすく、高い電荷輸送度を取りやすいという利点がある。このような点から、側鎖型高分子材料は緑色および青色系OLED素子用の電荷輸送材料として有利である。
特開2006−237592号公報
高効率なOLED素子を得るためには、電荷輸送材料などの有機電界発光素子用材料には高い電荷移動度が要求される。有機電界発光素子用材料の電荷移動度が低いと、素子の駆動電圧が高くなるため、素子駆動時間を縮める一因ともなり得る。
さらに、有機電界発光素子製造過程の塗布プロセスにおいて、有機電界発光素子用材料には有機溶媒に対する高い溶解性が要求される。
従って、高い電荷移動度と、有機溶媒に対する高い溶解性との両方を備える側鎖型高分子材料を得ることは、従来困難であった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、有機電界発光素子用材料として用いられた場合に、高い電荷移動度と有機溶媒に対する高い溶解性とが実現可能な化合物(高分子化合物)を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、所定構造の繰り返し単位を有するアリールアミン系化合物を有機電界発光素子用材料に用いることによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明に係るアリールアミン系化合物によれば、高い電荷移動度と有機溶媒に対する高い溶解性とを有する有機電界発光素子用材料が提供される。
本発明の一実施形態である有機電界発光装置の構造を示す図面である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
<アリールアミン系化合物>
本発明に係るアリールアミン系化合物は、下記式(1)で示される。
式(1)中、Rは炭素数2〜20のアルキル基であり、nは20〜500の整数であり、Xは下記a1〜a4で示される基からなる群から選択される。
前記a1〜a4中、R21、R31、R32、R41、R42、R51、R52、およびR53はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、および下記b1〜b12で示される基からなる群から選択される。
前記b1中、pは0〜3の整数である。
前記b1〜b12中、Z11、Z21、Z22、Z31、Z41、Z42、Z51、およびZ52はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、メトキシ基、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、モノメチルビフェニル基、ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル基、および
で示される基からなる群から選択される。
前記a1〜a4中、Y11、Y21、Y31、Y32、Y41、およびY42はそれぞれ独立に単結合、および下記c1〜c8で示される基からなる群から選択される、
前記c1〜c8中、q、rおよびtはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、R61、R71、R72、R81、R82、R91、およびR92はそれぞれ独立に水素原子、またはメチル基であり、R101は水素原子、フェニル基、およびトリル基からなる群から選択される。
本発明に係るアリールアミン系化合物を有機電界発光素子用材料として用いることにより、高い電荷移動度と有機溶媒に対する高い溶解性とが達成されることを本発明者らは見出した。本発明の技術的範囲を制限するものではないが、これは、以下のメカニズムによるものと考えられる。すなわち、本発明に係るアリールアミン系化合物の繰り返し単位は、エチレン骨格からなる主鎖(以下、「エチレン骨格からなる主鎖」を、単に「主鎖」とも称する。)と、アリールアミン電荷輸送ユニットからなる側鎖(以下、「アリールアミン電荷輸送ユニットからなる側鎖」を、単に「側鎖」とも称する。)と、により構成される。本発明に係るアリールアミン系化合物は、側鎖の一部であるフェニレン基が主鎖に接続したスチレン構造を有する。主鎖に接続したフェニレン基は、パラ位において窒素原子と結合している。当該窒素原子は、炭素数2〜20のアルキル基によって一置換されたフェニル基と、直接結合している(以下、上記窒素原子に直結したフェニル基の、炭素数2〜20のアルキル基を、「アルキル基A」とも称する)。アルキル基Aが側鎖に含まれる
ことにより、アリールアミン系化合物は高い有機溶媒溶解性を備えることとなる。
また、有機電界発光素子の正孔輸送層等に側鎖型高分子材料が用いられた場合、高い電荷移動度が発揮されるためには、側鎖のアリールアミン構造同士が空間的に近づくことが必要であると考えられる。ここで、側鎖に可溶性アルキル基(メチル基を除くアルキル鎖)を導入した側鎖型高分子材料の場合、有機溶媒溶解性は向上するものの、アリールアミン構造同士が空間的に近づくことができず、電荷移動度の低下を引き起こすことが懸念される。しかしながら、本発明に係るアリールアミン系化合物は、主鎖と近い位置にアルキル基Aをただ一つだけ有するため、当該アルキル基Aは主鎖に絡みついたような構造をとることが可能である。これにより、アルキル基Aの存在が立体的障害となることなく、アリールアミン構造同士が空間的に近づくことが可能となり、密な層構造になり得る。一方、主鎖から遠い位置に可溶性アルキル基(メチル基を除くアルキル鎖)を有する側鎖型高分子材料や、可溶性アルキル基を複数有する側鎖型高分子材料では、可溶性アルキル基が立体障害の要因となり得る。これにより、側鎖のアリールアミン構造同士が空間的に近づくことが困難となり、電荷移動度が低くなると考えられる。なお、以上のメカニズムは推定であり、本発明の技術的範囲を制限するものではない。
式(1)中、Rは炭素数2〜20のアルキル基であり、具体的には、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、およびイコシル基が挙げられる。Rを有しない構造やRの炭素数が1である場合、有機溶媒に対する溶解性が低くなる。Rの炭素数が21以上であると、アルキル基の立体障害により、電荷移動度が著しい低下するため好ましくない。Rは直鎖または分岐鎖であることが好ましい。有機溶媒溶解性の観点から、Rの炭素数は3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。Rの炭素数は15以下であることが好ましく、電荷移動度の観点から10以下であることがより好ましい。
式(1)中、Rは2位、3位、または4位のいずれに結合した構造でもよいが、反応性の高いパラ位をキャッピングするという観点から、好ましくは4位に結合した構造(すなわち、ベンゼン環のパラ位に窒素原子とRとが結合した構造)である。
式(1)中、nは20〜500の整数である。nが20未満であると、塗布プロセスにおける成膜性が悪化するため好ましくない。また、nが500を超えると、材料の脆化が生じるため好ましくない。好ましくは、式(1)中、nは100〜300の整数である。
式(1)中、Xは上記a1〜a4で示される基からなる群から選択される。電荷移動度の観点から、Xは上記a2〜a4で示される基からなる群から選択されることが好ましく、上記a2であることがより好ましい。
上記a1〜a4中、R21、R31、R32、R41、R42、R51、R52、およびR53はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、および上記b1〜b12で示される基からなる群から選択される。電荷移動度の観点から、上記a1〜a4中、R21、R31、R32、R41、R42、R51、R52、およびR53はそれぞれ独立に上記b1〜b12で示される基からなる群から選択されることが好ましい。
上記b1〜b12で示される基は、より具体的には、例えば、下記のb1−1、b1−2、b1−3、b1−4、b2−1、b3−1、b4−1、b4−2、b5−1、b5−
2、b6−1、b6−2、b7−1、b7−2、b8−1、b8−2、b9−1、b10−1、b11−1、およびb12−1で示される基である。下記のb1−1、b1−2、b1−3、b1−4、b2−1、b3−1、b4−1、b4−2、b5−1、b5−2、b6−1、b6−2、b7−1、b7−2、b8−1、b8−2、b9−1、b10−1、b11−1、およびb12−1で示される基において、Z11、Z21、Z22、Z31、Z41、Z42、Z51、およびZ52は、b1〜b12の場合と同様である。なお、Z11a、およびZ11bは、Z11に関する記載が適用され、Z11a、およびZ11bは同一であっても異なっていても良い。上記a1〜a4中、R21、R31、R32、R41、R42、R51、R52、およびR53はそれぞれ独立に下記のb1−1、b1−2、b1−3、b1−4、b2−1、b3−1、b4−1、b4−2、b5−1、b5−2、b6−1、b6−2、b7−1、b7−2、b8−1、b8−2、b9−1、b10−1、b11−1、およびb12−1で示される基からなる群から選択されてもよい。
上記Z11、Z21、Z22、Z31、Z41、Z42、Z51、およびZ52はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、メトキシ基、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、モノメチルビフェニル基、ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル基、および
で示される基からなる群から選択される。
好ましくは、上記Z11は水素原子、メチル基、メトキシ基、およびフェニル基からなる群から選択され;Z21、およびZ22はメチル基であり;Z31は水素原子、メチル基、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、モノメチルビフェニル基、ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル基、および
で示される基からなる群から選択され;Z41、Z42、Z51、およびZ52はそれぞれ独立にフェニル基、および
で示される基からなる群から選択される。
上記a1〜a4中、Y11、Y21、Y31、Y32、Y41、およびY42はそれぞれ独立に単結合、および上記c1〜c8で示される基からなる群から選択される。上記c1〜c8で示される基は、より具体的には、例えば、下記c1−1、c1−2、c2−1、c2−2、c3−1、c4−1、c5−1、c6−1、c7−1、およびc8−1で示される基である。下記c1−1、c1−2、c2−1、c2−2、c3−1、c4−1、c5−1、c6−1、c7−1、およびc8−1において、R61、R71、R72、R81、R82、R91、R92、およびR101は、c1〜c8の場合と同様である。なお、R61a、およびR61bは、R61に関する記載が適用され、R61a、およびR61bは同一であっても異なっていても良い。また、R71a、およびR71bは、R71に関する記載が適用され、R71a、およびR71bは同一であっても異なっていても良い。上記a1〜a4中、Y11、Y21、Y31、Y32、Y41、およびY42はそれぞれ独立に単結合、および下記c1−1、c1−2、c2−1、c2−2、c3−1、c4−1、c5−1、c6−1、c7−1、およびc8−1で示される基からなる群から選択されてもよい。
好ましくは、Y11は単結合、c1、およびc2で示される基からなる群から選択され;Y21はc1、c2、c3、c4、c5、c7、およびc8で示される基からなる群から選択され;Y31はc1、またはc2であり;Y32はc1、またはc3であり;Y41、およびY42はc1である。
上記c1〜c8中、q、rおよびtはそれぞれ独立に0〜3の整数である。従って、c1は無置換の、または1置換、2置換、もしくは3置換されたフェニレン基である。c2は、2つのフェニレン基が連結した基であり、これらのフェニレン基はそれぞれ独立に、無置換、または1置換、2置換、もしくは3置換される。q、rまたはtが1〜3の整数の場合、R61、R71、およびR72は2位、3位、または4位の何れの位置に結合していても良いが、好ましくは2位、または3位である。
上記R61、R71、R72、R81、R82、R91、およびR92はそれぞれ独立に水素原子、またはメチル基であり、R101は水素原子、フェニル基、およびトリル基
からなる群から選択される。好ましくは、R61、R71、およびR72はそれぞれ独立に水素原子、またはメチル基であり、R81、R82、R91、およびR92はメチル基であり、R101はフェニル基、またはトリル基である。
本発明の一実施態様では、式(1)中、上記Xが上記a2〜a4で示される基からなる群から選択され、上記Y21、Y31、Y32、Y41、およびY42がそれぞれ独立に上記c1〜c8で示される基からなる群から選択される。このとき、R、およびnについては上記のとおりである。
本発明の好ましい一実施形態では、上記式(1)中、Rは炭素数2〜20のアルキル基であり、nは20〜500の整数であり、Xはa2であり;当該a2中、Y21がフェニレン基であるアリールアミン系化合物が提供される。すなわち、当該実施形態においては、下記式(2)で示される、アリールアミン系化合物が提供される。
上記式(2)中、Rは炭素数2〜20のアルキル基であり、nは20〜500の整数であり、R111、およびR112はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、および上記b1〜b12で示される基からなる群から選択される。なお、上記式(2)中、Rおよびnは上記式(1)と同様の定義である。
好ましくは、式(2)中、R111、およびR112はそれぞれ独立に上記b1〜b10で示される基からなる群から選択される。このとき、Z11、Z21、Z22、Z31、Z41、Z42、Z51、およびZ52はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、メトキシ基、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、モノメチルビフェニル基、ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル基、および
で示される基からなる群から選択されるが、より好ましくは、Z11は水素原子、メチル基、メトキシ基、およびフェニル基からなる群から選択され;Z21、およびZ22はメチル基であり;Z31は水素原子、メチル基、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、モノメチルビフェニル基、ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル基、および
で示される基からなる群から選択され;Z41、Z42、Z51、およびZ52はそれぞれ独立にフェニル基、および
で示される基からなる群から選択される。
本発明のアリールアミン系化合物の主鎖の末端は特に制限されず、使用される原料の種類によって適宜規定されるが、通常、水素原子である。
本発明に係るアリールアミン系化合物において、各繰り返し単位の構造は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。アリールアミン系化合物が2種以上の異なる繰り返し単位を有する(共重合体である)場合の当該アリールアミン系化合物の構造は特に制限されず、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。
本発明に係るアリールアミン系化合物の数平均分子量(Mn)は、本発明の目的効果が得られる限りにおいて特に制限されるものではないが、例えば、5000〜100万であり、好ましくは1万〜70万である。数平均分子量(Mn)が5000以上であることにより、膜が脆化しにくいという利点がある。一方、数平均分子量(Mn)が100万以下であることにより、成膜時に有機電界発光素子用材料の脆化がしにくいという利点がある。
なお、本明細書において、数平均分子量(Mn)および分散度(Mw/Mn)は、ポリスチレンを標準物質としてサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した値を採用するものとする。
本発明に係るアリールアミン系化合物の5%重量減少温度(Td(℃))は、耐熱性の観点から、好ましくは380℃以上であり、より好ましくは400℃以上である。Tdは高いほどよいので、上限は特に制限されないが、実質的には、例えば550℃である。
本発明に係るアリールアミン系化合物のガラス転移温度(Tg(℃))は、成膜性の観点から塗布溶媒の沸点よりも高い温度が好ましく、120℃以上、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは170℃以上である。Tgの上限は特に制限されないが、実質
的には、例えば250℃である。
本明細書において、TdおよびTgは、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明に係るアリールアミン系化合物は、有機溶媒に対して高い溶解性を有することを特徴の一つとする。本明細書において「有機溶媒」とは、有機電界発光素子のウェットプロセスによる、正孔注入層、正孔輸送層、および/または発光層等の各層の成膜時に一般的に使用される有機溶媒である。かような有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アニソール、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性溶媒が例示でき、好ましくは非プロトン性極性溶媒である。アリールアミン系化合物の有機溶媒に対する溶解度は、用いる有機溶媒によって異なるため、一概には規定できない。例えば、溶媒としてトルエンを用いた場合に、溶解度が3重量%以上である。本発明においては、アリールアミン系化合物の有機溶媒に対する溶解性は、実施例に記載のように、被験対象物質の終濃度が3重量%となるように有機溶媒に添加し、室温(25℃)℃において12時間静置した場合に、溶解しない被験対象物質が目視で確認されるか否かによって評価される。
本発明に係るアリールアミン系化合物を有機電界発光素子用材料として用いた場合、高い電荷移動度が達成される。電荷移動度は、実施例に記載のインピーダンス分光法を用いて測定した場合、1×10−6(cm/Vs)以上であることが好ましく、より好ましくは1×10−4(cm/Vs)以上である。
本発明に係るアリールアミン系化合物は、一般式(I)で示される単量体を用いた重合反応により製造することができる。
好ましくは、本発明に係るアリールアミン系化合物の製造には、下記の一般式(II)で示されるスチレン誘導体が用いられる。
なお、前記一般式(I)および一般式(II)中、R、X、R111、およびR112は、式(1)および式(2)において説明したものと同様であり、式(1)および式(2)においてされた説明が適用される。
特に限定されるものではないが、以下に、本発明に係るアリールアミン系化合物の製造に好ましく用いられる例示的なスチレン誘導体(例示単量体1〜113)の構造を示す。
これらの単量体を、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて重合に用いることができる。
本発明に係るアリールアミン系化合物の重合に用いられる単量体は、公知の合成反応を適宜組み合わせて合成することができ、その構造も、例えば実施例に記載のNMRやLC−MS等を用いて確認できる。
本発明に係るアリールアミン系化合物の重合方法は特に制限されない。例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などの公知の重合方法が採用でき、好ましくは製造が容易なラジカル重合を使用する。
重合に用いる溶媒としては、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アニソール、ヘキサメチルリン酸トリアミド等が例示でき、好ましくはトルエンである。これらを1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。本発明に係るアリールアミン系化合物の重合に用いられる単量体は、これら有機溶媒に対する高い溶解性を有する。
溶媒中の単量体濃度(複数の単量体を用いる場合は、その全体量)は、反応溶液全体に対して、通常10〜90重量%であり、好ましくは15〜80重量%である。
重合温度は、分子量の制御の点から、40℃〜100℃とするのが好ましい。重合反応は通常30分〜24時間行われる。
単量体を添加した溶媒は、重合開始剤の添加前に、脱気処理を行ってもよい。脱気処理としては、例えば、凍結脱気や、窒素ガス等の不活性ガスによってバブリングしてもよい。
重合開始剤は従来公知のものを用いることができ、例えばベンゾフェノン、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、およびアゾビスイソブチロニトリル等が例示できる。重合開始剤の配合量は、アリールアミン系化合物の製造に用いる全単量体(1モル)に対して、例えば0.0001〜1モルとなる量である。
<有機電界発光素子用材料>
本発明に係るアリールアミン系化合物は、有機電界発光素子用材料として好適に用いられる。本発明に係るアリールアミン系化合物によれば、高い電荷移動度と有機溶媒に対する高い溶解性とを有する有機電界発光素子用材料が提供される。従って、本発明の一側面では、上記式(1)で示される繰り返し単位(以下、「式(1)で示される繰り返し単位」を、「繰り返し単位(1)」とも称する。)からなる、有機電界発光素子用材料が提供される。当該側面に関しては、上記のアリールアミン系化合物についてされた記載が適宜適用される。
本発明に係る有機電界発光素子用材料は、電荷移動度に優れるため、正孔注入材料、正孔輸送材料、および/または発光層材料(ホスト)等のいずれの有機膜の形成においても好適に利用され得るが、正孔輸送性の観点の観点から、正孔注入材料、および/または正孔輸送材料として特に好適に用いられる。
<有機電界発光素子>
本発明に係るアリールアミン系化合物は、有機電界発光素子用材料として有機電界発光素子に用いられる。本発明の一側面では、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される有機膜と、を備える有機電界発光素子であって、前記有機膜の少なくとも1層は、上記のアリールアミン系化合物を含む、有機電界発光素子が提供される。正孔輸送性の観点から、本発明の好ましい一実施形態は、本発明に係るアリールアミン系化合物を含む有機膜が、正孔注入層または正孔輸送層である。
図1は、本発明の一具体例に係る有機電界発光素子100の断面を示す図面である。図1は、第1電極120/正孔注入層130/正孔輸送層140/発光層150/電子輸送層160/電子注入層170/第2電極180を示しているが、本発明がこのような構造に限定されるものではない。有機電界発光素子は、第1電極/正孔注入機能および正孔輸送機能を持つ単一膜/発光層/電子輸送層/第2電極または第1電極/正孔注入機能および正孔輸送機能を持つ単一膜/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極のような構造であっても良い。
本発明による有機電界発光素子は、前面発光型、または背面発光型のいずれであっても良い。
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る有機発光素子について説明を行う。図1は、本発明の一実施形態に係る有機発光素子の構造の一例を示す概略図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る有機発光素子100は、基板110と、基板110上に配置された第1電極120と、第1電極120上に配置された正孔注入層
130と、正孔注入層130上に配置された正孔輸送層140と、正孔輸送層140上に配置された発光層150と、発光層150上に配置された電子輸送層160と、電子輸送層160上に配置された電子注入層170と、電子注入層170上に配置された第2電極180と、を備える。
基板110は、一般的な有機発光素子で使用される基板を使用することができる。例えば、基板110は、ガラス(glass)基板、半導体基板、または透明なプラスチック(plastic)基板等であってもよい。
第1電極120は、例えば、アノードであり、蒸着法またはスパッタリング(sputtering)法などを用いて基板110上に形成される。具体的には、第1電極120は、仕事関数が大きい金属、合金、導電性化合物等によって透過型電極として形成される。第1電極120は、例えば、透明であり、導電性にすぐれる酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などで形成されてもよい。また、第1電極120は、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)などを用いて反射型電極として形成されてもよい。
正孔注入層130は、第1電極120からの正孔の注入を容易にする機能を備えた層であり、真空蒸着法、スピンコーティング(spin coating)法、インクジェット(ink jet)法などを用いて第1電極120上に形成される。本発明に係るアリールアミン系化合物は有機溶媒溶解性に優れることから、スピンコーティング法、キャスト法、印刷法、またはLB法等のウェットプロセスによる正孔注入層の形成に特に好適に用いられる。また、正孔注入層130は、具体的には、約10nm〜約500nm、より具体的には、約10nm〜約100nmの厚さにて形成されてもよい。なお、正孔注入層130は、本発明に係るアリールアミン系化合物のほか、公知の材料を用いて形成することもでき、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(DNTPD)、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、4,4’,4”−トリス{N,Nジフェニルアミノ}トリフェニルアミン(TDATA)、4,4’,4”−トリス(N,N−2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(PANI/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(PANI/CSA)、またはポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI/PSS)などを用いて形成することができる。
本発明に係るアリールアミン系化合物をウェットプロセスに用いる場合、塗布液全体に対する本発明に係るアリールアミン系化合物の含有量は、例えば、2〜5重量%であり、好ましくは3〜4重量%である。
本発明に係るアリールアミン系化合物が正孔注入層に用いられる場合、層全体に対する含有量は、50〜100重量%(乾燥重量)であり、好ましくは90〜100重量%(乾燥重量)である。
正孔輸送層140は、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料を含む層であり、真空蒸着法、スピンコーティング法、インクジェット法などを用いて正孔注入層130上に形成される。本発明に係るアリールアミン系化合物は有機溶媒溶解性に優れることから、スピンコーティング法、キャスト法、印刷法、またはLB法等のウェットプロセスによる正孔輸送層の形成に特に好適に用いられる。また、正孔輸送層140は、具体的には、約5
nm〜約500nm、より具体的には、約100nm〜約250nmの厚さにて形成されてもよい。なお、正孔輸送層140は、本発明に係るアリールアミン系化合物のほか、公知の正孔輸送材料を用いて形成することもできるが、例えば、N−フェニルカルバゾール(N−phenyl carbazole)、ポリビニルカルバゾール(polyvinyl carbazole)などのカルバゾール誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)を用いて形成することができる。
本発明に係るアリールアミン系化合物が正孔輸送層に用いられる場合、層全体に対する含有量は、50〜100重量%(乾燥重量)であり、好ましくは90〜100重量%(乾燥重量)である。
発光層150は、りん光、蛍光等により光を発する層であり、真空蒸着法、スピンコーティング法、インクジェット法などを用いて正孔輸送層140上に形成される。発光層150は、ホスト材料およびドーパント(dopant)材料を含み、本発明に係るアリールアミン系化合物を含んでもよい。本発明に係るアリールアミン系化合物は有機溶媒溶解性に優れることから、スピンコーティング法、キャスト法、印刷法、またはLB法等のウェットプロセスによる発光層の形成に特に好適に用いられる。なお、発光層150は、具体的には、約10nm〜約100nm、より具体的には、約20nm〜約60nmの厚さで形成されてもよい。
また、発光層150は、他のホスト材料を含んでもよく、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、ポリ(n−ビニルカルバゾール)(PVK)、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(ADN)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBI)、3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(TBADN)、ジスチリルアリーレン(DSA)、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(dmCBP)を含んでもよい。
また、発光層150は、特定の色の光を発する発光層として形成されてもよい。例えば、発光層150は、赤色発光層、緑色発光層、および青色発光層として形成されてもよい。
発光層150が青色発光層である場合、青色ドーパントとしては公知の材料が使用可能であるが、例えば、ペリレン(perlene)およびその誘導体、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジネート]ピコリネートイリジウム(III)(FIrpic)などのイリジウム(Ir)錯体等を使用することができる。
また、発光層150が赤色発光層である場合、赤色ドーパントとしては公知の材料が使用可能であるが、例えば、ルブレン(rubrene)およびその誘導体、4−ジシアノメチレン−2−(p−ジメチルアミノスチリル)−6−メチル−4H−ピラン(DCM)およびその誘導体、ビス(1‐フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)(Ir(piq)2(acac))などのイリジウム錯体、オスミウム(Os)錯体、白金錯体等を使用することができる。
また、発光層150が緑色発光層である場合、緑色ドーパントとしては公知の材料が使
用可能であるが、例えば、クマリン(coumarin)およびその誘導体、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(Ir(ppy))、トリス(2−(3−p−キシイル)フェニル)ピリジン イリジウム(III)(TEG)、トリス(アセチルアセトナート)イリジウム(III)(Ir(acac))などのイリジウム錯体等を使用することができる。
本発明に係るアリールアミン系化合物が発光層に用いられる場合、発光層のホスト全体に対する含有量は、50〜100重量%(乾燥重量)であり、好ましくは90〜100重量%(乾燥重量)である。
電子輸送層160は、電子を輸送する機能を有する電子輸送材料を含む層であり、真空蒸着法、スピンコーティング法、インクジェット法などを用いて発光層150上に形成される。また、電子輸送層160は、具体的には、約10nm〜約100nm、より具体的には、約15nm〜約50nmの厚さにて形成されてもよい。なお、電子輸送層160は、例えば、リチウムキノレート(Liq)などのLi錯体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)などのキノリン(quinoline)誘導体、1,2,4−トリアゾール誘導体(TAZ)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(p−フェニルフェノラート)−アルミニウム(BAlq)、ベリリウムビス(ベンゾキノリン−10−オラート)(BeBq2)などを用いて形成することができる。
電子注入層170は、第2電極180からの電子の注入を容易にする機能を備えた層であり、真空蒸着法などを用いて電子輸送層160上に形成される。また、電子注入層170は、具体的には、約0.1nm〜約10nm、より具体的には、約0.3nm〜約9nmの厚さにて形成されてもよい。なお、電子注入層170は、公知の材料を用いて形成することができるが、例えば、フッ化リチウム(LiF)、塩化ナトリウム(NaCl)、フッ化セシウム(CsF)、酸化リチウム(LiO)、酸化バリウム(BaO)などを用いて形成することができる。
第2電極180は、例えば、カソードであり、蒸着法またはスパッタリング法などを用いて電子注入層170上に形成される。具体的には、第2電極180は、仕事関数が小さい金属、合金、導電性化合物等で反射型電極として形成される。第2電極180は、例えば、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などで形成されてもよい。また、第2電極180は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)などを用いて透過型電極として形成されてもよい。
以上にて、本発明の一実施形態に係る有機発光素子100の構造の一例について説明したが、本発明の一実施形態に係る有機発光素子100の構造は、上記例示に限定されない。本発明の一実施形態に係る有機発光素子100は、公知の他の様々な有機発光素子の構造を用いて形成されてもよい。例えば、有機発光素子100は、正孔注入層130、正孔輸送層140、電子輸送層160、および電子注入層170のうち1層以上を備えていなくともよい。また、有機発光素子100の各層は、単層で形成されてもよく、複数層で形成されてもよい。
さらに、有機発光素子100は、三重項励起子または正孔が電子輸送層160に拡散する現象を防止するために、正孔輸送層140と発光層150との間に正孔阻止層を備えていてもよい。なお、正孔阻止層は、例えば、オキサジアゾール(oxadiazole)誘導体、トリアゾール(triazole)誘導体、またはフェナントロリン(phenanthroline)誘導体などによって形成することができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
以下の合成例では、以下で示す方法により各種分析を行った。
(数平均分子量および重量平均分子量の測定)
ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および分散度
分散度(Mw/Mn)は、GPC(島津製作所製、商品名:LC−20AD)により求めた。この際、測定する高分子化合物は、約0.05重量%の濃度になるようテトラヒドロフランに溶解させて、GPCに20μL注入した。GPCの移動相にはTHFを用い、1.0mL/分の流速で流した。カラムは、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ社製)を用いた。検出器にはUV−VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD−10AV)を用いた。
(NMRの測定)
NMRの測定は、特に記載がない限りは、測定試料5〜20mgを約0.5mLの重水素化クロロホルムに溶解させて、NMR(ブルカー(BRUKER,Inc.)製、商品名:AVANCE III 300)を用いて行った。
(LC−MSの測定)
分子量の測定は、LC−MS(Agilent Technology社製、商品名:Agilent6130B)により行なった。移動相は、MeOH:水:THF:=70:5:25(体積比)の割合で用いた。ドライガス温度は280℃、ドライガス流量は6.0L/minとし、APCI法によりイオン化して測定した。
(ガラス転移温度の測定)
ガラス転移温度(℃)の測定は、DSC(セイコーインスツル社製、商品名:DSC6000)により行なった。各高分子化合物を、アルゴン雰囲気下で毎分10℃の昇温速度で、30℃から250℃まで加熱した後、50℃まで急冷した。そして、毎分10℃の昇温速度で250℃まで測定を行った。
(5%重量減少温度の測定)
5%重量減少温度(Td)の測定は、TG/DTA(セイコーインスツル社製、商品名:TG/DTA6000)により行なった。各高分子化合物を、アルゴン雰囲気下で30℃から毎分10℃の昇温速度で500℃まで測定した。
(電荷移動度の測定)
スパッタ法により150nmの厚さでインジウム−スズ酸化物(ITO)透明導電膜(アノード)を付けたガラス基板に、エタノールで5倍に希釈したポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スルホネート)(PEDOT/PSS)=1:1.25(重量比)の分散液であるBaytron(登録商標) PH510(H.C.Starck社製)を、スピンコートにより20nmの厚さで成膜した。その後、ホットプレート上、220℃で3分間、膜を乾燥させた。その後、高分子化合物をキシレンに溶解させ、スピンコートにより塗布し、ホットプレート上で、200〜250℃で60分間乾燥して膜を形成した。この膜の厚さは約70nmであった。次いで、5nmの厚みで酸化モリブデン、10nmの厚みで金、80nmの厚みでアルミニウムを積層させた。このようにして作成した電荷移動度測定用サンプルの電荷移動度を、インピーダンス分光法により測定した。
(溶解性試験)
溶解性試験は、単量体または高分子化合物を量り取り、有機溶媒を添加して室温で数時間静置させて行った。溶け残った単量体または高分子化合物を目視で判断して溶解性を確認し、3重量%以上の濃度で溶解すれば○、それ以下の場合は×と判断した。
(合成例1)
(例示単量体48の合成)
以下の化学反応式は、例示単量体48の合成プロセスを図示したものである。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、4−ブロモ−4’,4”−ジメチルトリフェニルアミン(10.0g)、4−n−ブチルアニリン(4.66g)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(1.16g)、ナトリウムtert−ブトキシド(3.00g)、トルエン(330mL)を入れ、110℃で2時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーで精製し、N−(4−ブチルフェニル)−N’,N’−ジ−(p−トルイル)ベンゼン−1,4−ジアミン(7.56g)を得た。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、N−(4−ブチルフェニル)−N’,N’−ジ−(p−トルイル)ベンゼン−1,4−ジアミン(2.00g)、4−ブロモベンゼン(0.900g)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.121g)、ナトリウムtert−ブトキシド(0.914g)、トルエン(100mL)を入れ、110℃で6時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー、および再結晶で精製し1.76gの例示単量体48を得た。
以下に、例示単量体48の構造解析結果を示す:
H−NMR(300MHz/CDCl3、 δ(ppm)):7.29〜6.95(m、20H)、6.66(dd、1H)、5.62(d、1H)、5.14(d、1H)、2.58(t、2H)、2.32(s、6H)、1.64〜1.59(m、2H)、1.42〜1.35(m、2H)、0.98(t、3H)
LC−MS(APCI−Positive、m/z):[M+H] 523.3、524.3、525.3。
(合成例2)
(例示単量体49の合成)
以下の化学反応式は、例示単量体49の合成プロセスを図示したものである。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、4−ブロモ−4’,4”−ジメチルトリフェニルアミン(5.34g)、4−n−へキシルアニリン(2.76g)、[1,1’ −ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム (II)(0.430g)、ナトリウムtert−ブトキシド(2.72g)、トルエン(71.0mL)を入れ、120℃で2時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーで精製し、N−(4−ヘキシルフェニル)−N’,N’−ジ−(p−トルイル)ベンゼン−1,4−ジアミン(5.07g)を得た。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、N−(4−ヘキシルフェニル)−N’,N’−ジ−(p−トルイル)ベンゼン−1,4−ジアミン(2.50g)、4−ブロモスチレン(1.12g)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.573g)、ナトリウムtert−ブトキシド(1.07g)、トルエン(25.0mL)を入れ、110℃で2時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー、および再結晶で精製し2.51gの例示単量体49を得た。
以下に、例示単量体49の構造解析結果を示す:
H−NMR(300MHz/CDCl3、 δ(ppm)):7.49〜6.93(m、20H)、6.65(br、1H)、5.57(br、1H)、5.25(br、1H)、2.54(br、2H)、2.35(br、6H)、1.62〜1.34(m、2H)、1.36〜1.25(m、6H)、0.89(t、3H)
LC−MS(APCI−Positive、m/z):[M+H] 551.3、552.3、555.3。
(合成例3)
(例示単量体50の合成)
以下の化学反応式は、例示単量体50の合成プロセスを図示したものである。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、4−ブロモ−4’,4”−ジメチルトリフェニルアミン(5.06g)、4−n−ドデシルアニリン(4.07g)、[1,1’ −ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム (II)(0.580g
)、ナトリウムtert−ブトキシド(1.51g)、トルエン(165mL)を入れ、110℃で3.5時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーで精製し、N−(4−ドデシルフェニル)−N’,N’−ジ−(p−トルイル)ベンゼン−1,4−ジアミン(2.65g)を得た。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、N−(4−ドデシルフェニル)−N’,N’−ジ−(p−トルイル)ベンゼン−1,4−ジアミン(3.37g)、4−ブロモスチレン(1.42g)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(66.0mg)、ナトリウムtert−ブトキシド(1.24g)、トルエン(32.3mL)を入れ、120℃で3時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー、および再結晶で精製し2.65gの例示単量体50を得た。
以下に、例示単量体50の構造解析結果を示す:
H−NMR(300MHz/CDCl3、 δ(ppm)):7.03〜6.59(m、20H)、6.64(dd、1H)、5.60(d、1H)、5.11(d、1H)、2.54(br、2H)、2.29(br、6H)、1.61〜1.25(m、20H)、0.87(t、3H)
LC−MS(APCI−Positive、m/z):[M+H] 635.4、636.4、637.3。
(合成例4)
(比較単量体1の合成)
以下の化学反応式は、比較単量体1の合成プロセスを図示したものである。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、4−ブロモ−4’,4”−ジメチルトリフェニルアミン(10.00g)、4−メチルアニリン(3.41g)、[1,1’ −ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム (II)(0.928g)、ナトリウムtert−ブトキシド(5.45g)、トルエン(142.0mL)を入れ、115℃で5時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーで精製し、N−(4−メチルフェニル)−N’,N’−ジ−(p−トルイル)ベンゼン−1,4−ジアミン(3.50g)を得た。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、N−(4−メチルフェニル)−N’,N’−ジ−(p−トルイル)ベンゼン−1,4−ジアミン(2.00g)、4−ブロモスチレン(1.06g)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.539g)、ナトリウムtert−ブトキシド(1.01g)、トルエン(100.0mL)を入れ、105℃で3時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー、および再結晶で精製し1.66gの比較単量体1を得た。
以下に、比較単量体1の構造解析結果を示す:
H−NMR(300MHz/CDCl3、 δ(ppm)):7.26〜6.59(m、20H)、6.64(dd、1H)、5.60(d、1H)、5.11(d、1H)、2.29(t、9H)
LC−MS(APCI−Positive、m/z):[M+H] 481.3、482.3、482.6。
(合成例5)
(比較単量体2の合成)
以下の化学反応式は、比較単量体2の合成プロセスを図示したものである。
アルゴンで置換した三つ口フラスコに、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(3.00g)、4−n−ドデシルアニリン(3.38g)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.106g)、ナトリウムtert−ブトキシド(2.00g)、トルエン(50.0mL)を入れ、120℃で3時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーで精製し、N−(4−ドデシルフェニル)−N’,N’−ジ−(p−トルイル)ベンゼン−1,4−ジアミン(2.77g)を得た。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、N−(4−ドデシルフェニル)−N’,N’−ジ−(p−トルイル)ベンゼン−1,4−ジアミン(2.77g)、4−ブロモスチレン(0.66g)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.0531g)、ナトリウム tert−ブトキシド(1.00g)、トルエン(25.0mL)を入れ、110℃で2時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー、および再結晶で精製し3.50gの比較単量体2を得た。
以下に、比較単量体2の構造解析結果を示す:
H−NMR(300MHz/CDCl3、 δ(ppm)): 7.25(t、2H)、7.03〜6.91(m、18H)、6.64(dd、1H)、5.35(d、1H)、5.11(d、1H)、2.52(t、2H)、2.31(d、6H)、1.61〜1.55(br、1H)、1.30〜1.25(br、18H)、0.876(t、3H)
LC−MS(APCI−Positive、m/z):[M+H] 635.4、636.4、637.4。
<実施例1>
(高分子化合物1の合成)
シュレンク管に例示単量体48(0.450g)、アゾビスイソブチロニトリル(1.09mg)、トルエン(0.575g)を入れ、凍結脱気を3回行った後、70℃で6時
間加熱した。室温まで冷却し、良溶媒をTHF、貧溶媒を過剰量のアセトン/メタノール(1/1、v/v)とし再沈を5回行い、析出物を真空乾燥し、高分子化合物1(0.200g)を得た。高分子化合物1の数平均分子量および分散度は、それぞれMn=68,600、Mw/Mn=2.79であり、繰り返し単位数(n)=366であった。また、ガラス転移温度および5%重量減少温度は、それぞれTg=173℃、Td=436℃であった。
<実施例2>
(高分子化合物2の合成)
シュレンク管に例示単量体49(0.700g)、アゾビスイソブチロニトリル(2.80mg)、トルエン(2.50ml)を入れ、凍結脱気を3回行った後、65℃で6時間加熱した。室温まで冷却し、良溶媒をTHF、貧溶媒を過剰量のメタノールとし再沈を5回行い、析出物を真空乾燥し、高分子化合物2(0.350g)を得た。高分子化合物2の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=32,800、Mw/Mn=2.46であり、繰り返し単位数(n)=146であった。また、ガラス転移温度および5%重量減少温度は、それぞれTg=214℃、Td=389℃であった。
<実施例3>
(高分子化合物3の合成)
シュレンク管に例示単量体50(0.716g)、アゾビスイソブチロニトリル(0.923mg)、トルエン(1.56ml)を入れ、凍結脱気を3回行った後、70℃で9時間加熱した。室温まで冷却し、良溶媒をTHF、貧溶媒を過剰量のメタノールとし再沈を5回行い、析出物を真空乾燥し、高分子化合物3(0.340g)を得た。高分子化合物3の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=48,895、Mw/Mn=3.01であり、繰り返し単位数(n)=232であった。また、ガラス転移温度および5%重量減少温度は、それぞれTg=162℃、Td=403℃であった。
<比較例1>
(高分子化合物4の合成)
シュレンク管に比較単量体1(0.400g)、アゾビスイソブチロニトリル(2.00mg)、トルエン(10.0ml)を入れ、凍結脱気を3回行った後、65℃で7時間加熱した。室温まで冷却し、良溶媒をTHF、貧溶媒を過剰量のメタノールとし再沈を5回行い、析出物を真空乾燥し、高分子化合物4(0.100g)を得た。高分子化合物4の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=16,000、Mw/Mn=2.37であり、繰り返し単位数(n)=79であった。また、ガラス転移温度および5%重量減少温度は、それぞれTg=185℃、Td=385℃であった。
<比較例2>
(高分子化合物5の合成)
シュレンク管に比較単量体2(0.705g)、アゾビスイソブチロニトリル(1.82mg)、トルエン(1.50g)を入れ、凍結脱気を3回行った後、65℃で7時間加熱した。室温まで冷却し、良溶媒をTHF、貧溶媒を過剰量のメタノールとし再沈を5回行い、析出物を真空乾燥し、高分子化合物5(0.370g)を得た。高分子化合物5の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=19,000、Mw/Mn=2.21であり、繰り返し単位数(n)=66であった。また、ガラス転移温度および5%重量減少温度は、それぞれTg=168℃、Td=397℃であった。
<溶解性の比較>
高分子化合物の合成に用いた単量体、および得られた高分子化合物を用いて、上記の方法により有機溶媒に対する溶解性を評価した。結果を表1および表2に示す。
本発明に用いられる例示単量体48〜50は、種々の溶媒に対して高い溶解性を示した
。一方、従来技術にかかる比較単量体1は、各種溶媒に対して低い溶解性を示した。本発明にかかる実施例1〜3の高分子化合物1〜3は、従来技術による比較例1の高分子化合物4よりも有機溶媒に対する高い溶解性を有している。従って、塗布プロセスによる有機電界発光素子の製造において、有機電界発光素子用材料、特に正孔輸送材料として有望である。また、本発明技術を有する高分子化合物1〜3の電荷移動度は、従来技術にかかる比較例2の高分子化合物5に比べて優れており、塗布プロセスによる有機電界発光素子の製造において、有機電界発光素子用材料、特に正孔輸送材料として有望である。本発明技術を適用すれば、モノマーのアルキル鎖長とアルキル置換基の位置を制御するだけで、単量体、または高分子化合物の溶解性、および有機電界発光素子用材料として用いた場合の電荷移動度を制御可能である。
100 有機電界発光素子、
110 基板、
120 第1電極、
130 正孔注入層、
140 正孔輸送層、
150 発光層、
160 電子輸送層、
170 電子注入層、
180 第2電極。

Claims (5)

  1. 下記式(1)で示される、アリールアミン系化合物:
    ただし、式(1)中、Rは炭素数2〜20のアルキル基であり、nは20〜500の整数であり、Xは下記a1〜a4で示される基からなる群から選択される;
    前記a1〜a4中、R21、R31、R32、R41、R42、R51、R52、およびR53はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、および下記b1〜b12で示される基からなる群から選択され、
    前記b1中、pは0〜3の整数であり、Z11、Z21、Z22、Z31、Z41、Z42、Z51、およびZ52はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、メトキシ基、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、モノメチルビフェニル基、ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル基、および
    で示される基からなる群から選択され、
    前記a1〜a4中、Y11、Y21、Y31、Y32、Y41、およびY42はそれぞれ独立に単結合、および下記c1〜c8で示される基からなる群から選択され、
    前記c1〜c8中、q、rおよびtはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、R61、R71、R72、R81、R82、R91、およびR92はそれぞれ独立に水素原子、またはメチル基であり、R101は水素原子、フェニル基、およびトリル基からなる群から選択される。
  2. 前記Xが前記a2〜a4で示される基からなる群から選択され、前記Y21、Y31、Y32、Y41、およびY42がそれぞれ独立に前記c1〜c8で示される基からなる群から選択される、請求項1に記載のアリールアミン系化合物。
  3. 下記式(2)で示される、請求項1に記載のアリールアミン系化合物:
    ただし、前記式(2)中、Rは炭素数2〜20のアルキル基であり、nは20〜500の整数であり、R111、およびR112はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、および前記b1〜b12で示される基からなる群から選択される。
  4. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に配置される有機膜と、
    を備える有機電界発光素子であって、
    前記有機膜の少なくとも1層は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアリールアミン系化合物を含む、有機電界発光素子。
  5. 前記アリールアミン系化合物を含む有機膜が、正孔注入層または正孔輸送層である、請求項4に記載の有機電界発光素子。
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