JP2016141244A - 故障情報伝達システム及び故障情報伝達方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄道設備に故障が発生した場合に故障の情報を運転士に正確かつ迅速に伝達し得る故障情報伝達システム及び故障情報伝達方法を提案する。
【解決手段】鉄道設備の故障に関する情報を列車に伝達する故障情報伝達システムにおいて、鉄道設備を構成する何れかの機器に故障が発生した場合、故障機器を特定するための故障情報に基づいて、故障機器の設置位置を特定するための故障機器位置情報を作成する故障情報受信装置と、故障機器位置情報及び列車の在線位置を特定するための在線位置情報に基づいて、故障機器の設置付近を走行予定の列車を特定し、一方で故障機器の種別を特定するための運転台表示情報を作成し、特定した列車に対して運転台表示情報を送信する伝達先列車計算装置と、運転台表示情報を受信した場合、運転台表示情報に基づいて、故障機器に関する情報を運転台モニタに表示する運転台モニタ装置とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、故障情報伝達システム及び故障情報伝達方法に関し、特に鉄道設備の故障発生区間を走行予定の列車に対して故障に関する情報を伝達する故障情報伝達システム及び故障情報伝達方法に適用して好適なものである。
近年、列車に故障が発生した場合、列車無線又は携帯電話を用いて、故障に関する情報を指令所の指令員から列車を運転する運転士に伝達することが行われている。この列車の故障に関する情報を伝達する技術については、特許文献1及び2に開示されている。
すなわち特許文献1には、列車に故障が発生した場合、列車内に設置された携帯電話から在線位置情報、列車識別情報、乗務員識別情報及び列車故障情報を運行管理装置側に送信し、一方で運行管理装置側は、列車に対して進行許可情報を送信する技術が開示されている。
また特許文献2には、列車情報サーバが列車から状態情報を受信して列車を監視し、列車に故障が発生した場合、必要に応じて列車のダイヤを自動的に変更し、また旅客案内に関する情報を駅や列車に送信して表示させる技術が開示されている。
特開2007−161253号公報 特開2009−018679号公報
しかし特許文献1に記載の技術では、鉄道設備(信号機、踏切遮断機、転てつ機等)に故障が発生した場合、指令員と運転士との間の通信手段は列車無線や携帯電話に委ねられているため、指令員の作業に手間がかかり、また通話内容に間違いが発生する場合がある。
また特許文献2に記載の技術でも、鉄道設備に故障が発生した場合、故障の情報を列車に伝達することができず、該当列車の運転士が徐行運転や停止等の状況に応じて適正な運行をすることはできない。さらに故障の回復を自動的に伝達することもできない。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、鉄道設備に故障が発生した場合に故障の情報を運転士に正確かつ迅速に伝達し得る故障情報伝達システム及び故障情報伝達方法を提案する。
かかる課題を解決するために、本発明においては、鉄道設備の故障に関する情報を列車に伝達する故障情報伝達システムにおいて、鉄道設備を構成する何れかの機器に故障が発生した場合、故障機器を特定するための故障情報に基づいて、故障機器の設置位置を特定するための故障機器位置情報を作成する故障情報受信装置と、故障機器位置情報及び列車の在線位置を特定するための在線位置情報に基づいて、故障機器の設置付近を走行予定の列車を特定し、一方で故障機器の種別を特定するための運転台表示情報を作成し、特定した列車に対して運転台表示情報を送信する伝達先列車計算装置と、運転台表示情報を受信した場合、運転台表示情報に基づいて、故障機器に関する情報を運転台モニタに表示する運転台モニタ装置とを備える構成とした。
またかかる課題を解決するために、本発明においては、鉄道設備の故障に関する情報を列車に伝達する故障情報伝達方法において、故障情報受信装置が、鉄道設備を構成する何れかの機器に故障が発生した場合、故障機器を特定するための故障情報に基づいて、故障機器の設置位置を特定するための故障機器位置情報を作成する第1のステップと、伝達先列車計算装置が、故障機器位置情報及び列車の在線位置を特定するための在線位置情報に基づいて、故障機器の設置付近を走行予定の列車を特定し、一方で故障機器の種別を特定するための運転台表示情報を作成し、特定した列車に対して運転台表示情報を送信する第2のステップと、運転台モニタ装置が、運転台表示情報を受信した場合、運転台表示情報に基づいて、故障機器に関する情報を運転台モニタに表示する第3のステップとを備える構成とした。
本発明によれば、鉄道設備に故障が発生した場合に故障の情報を運転士に正確かつ迅速に伝達することができる。
故障情報伝達システムの全体構成図である。 故障情報受信装置の内部構成図である。 伝達先列車計算装置の内部構成図である。 運転台モニタ装置の内部構成図である。 故障情報の内部構成図である。 故障情報の内部構成図である。 機器情報DBの内部構成図である。 故障機器位置情報の内部構成図である。 故障機器位置情報の内部構成図である。 線区情報DBの内部構成図である。 在線位置情報の内部構成図である。 運転台表示情報の内部構成図である。 運転台表示情報の内部構成図である。 指示情報DBの内部構成図である。 故障機器位置情報送信処理のフローチャートである。 運転台表示情報送信処理のフローチャートである。 運転台モニタ表示処理のフローチャートである。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)故障情報伝達システムの構成
図1は、本実施の形態における故障情報伝達システム1の全体構成を示す。故障情報伝達システム1は、故障情報受信装置10、伝達先列車計算装置20及び運転台モニタ装置30から構成される。なお故障情報受信装置10、伝達先列車計算装置20及び運転台モニタ装置30は、有線又は無線により互いに通信可能に接続されている。
故障情報受信装置10は、鉄道設備(信号機、踏切遮断機、転てつ機等)の何れかの機器に故障が発生した場合、故障した機器(故障機器)から無線通信により故障情報を受信し、受信した故障情報及び各機器の設置位置が予め登録されている機器情報DB(データベース)に基づいて、故障機器の位置を特定するための故障機器位置情報を作成する。なお故障情報には、故障機器を特定するための情報が含まれている。
そして故障情報受信装置10は、作成した故障機器位置情報を伝達先列車計算装置20に送信する。伝達先列車計算装置20は、故障機器位置情報を受信した場合、受信した故障機器位置情報と、軌道回路の設置位置が予め登録されている線区情報DBと、適宜取得する列車の在線位置を特定するための在線位置情報とに基づいて、故障機器の設置付近を走行予定の列車を特定する。
そして伝達先列車計算装置20は、特定した列車が備える運転台モニタ装置30に故障機器の種別を特定するための運転台表示情報を送信する。運転台モニタ装置30は、運転台表示情報を受信した場合、故障機器に関する情報を運転台モニタに表示して、運転士に注意喚起する。
このように故障情報伝達システム1によれば、鉄道設備の何れかの機器に故障が発生した場合、故障機器の設置付近を走行予定の列車の運転台モニタに故障機器に関する情報を自動的に表示し、故障機器に関する情報を運転士に正確かつ迅速に伝達するようにしている。
(2)各装置の構成
図2は、故障情報受信装置10の内部構成を示す。故障情報受信装置10は、プロセッサ10A及びメモリ10B等を備える一般的なコンピュータである。メモリ10Bには、線区情報算出部102、機器情報DB103及び情報送信部104等のプログラム及びデータベースが格納される。
なおここではハードウェア構成としてプロセッサ10A及びメモリ10Bを備えるとしているが、これ以外にも情報の送受信を行うためのネットワークインターフェースカード、ユーザの操作を受け付けるキーボードやマウス及び情報を表示するディスプレイ等を備える。
線区情報算出部102は、故障情報101を受信し、故障機器が所属する線区の情報を算出する。機器情報DB103には、各機器が所属する線区及び駅を示すデータが格納される。情報送信部104は、伝達先列車計算装置20に故障機器位置情報105を送信する。
図3は、伝達先列車計算装置20の内部構成を示す。伝達先列車計算装置20は、プロセッサ20A及びメモリ20B等を備える一般的なコンピュータである。メモリ20Bには、線区情報DB201、伝達先算出部203及び情報送信部204等のプログラム及びデータベースが格納される。ハードウェア構成については故障情報受信装置10と同様である。
線区情報DB201には、各線区に所属する駅及び軌道回路を示すデータが格納される。伝達先算出部203は、故障機器位置情報105及び在線位置情報202を受信し、情報伝達対象の列車を算出する。情報送信部204は、運転台モニタ装置30に運転台表示情報205を送信する。
図4は、運転台モニタ装置30の内部構成を示す。運転台モニタ装置30は、プロセッサ30A、メモリ30B及び運転台モニタ30C等を備える一般的なコンピュータである。メモリ30Bには、情報表示部301及び指示情報DB302等のプログラム及びデータベースが格納される。情報表示部301は、運転台表示情報205を受信し、運転台モニタ30Cの表示画面に情報を表示する。指示情報DB302には、機器の種別や運転士への指示を示すデータが格納される。
(3)各情報の構成
図5A及び図5Bは、故障情報受信装置10が受信する故障情報101の内部構成を示す。特に図5Aは、信号機が故障した場合に信号機から送信される故障情報101Aの内部構成であり、また図5Bは、踏切遮断機が故障した場合に踏切遮断機から送信される故障情報101Bの内部構成である。
機器種別欄1011には、故障機器の種別が格納される。機器状態欄1012には、故障の発生又は回復を示す情報が格納される。駅名欄1013には、故障が発生した駅(故障機器が所属する駅)の駅名が格納される。装置ID欄1014には、故障が発生した機器を一意に特定するIDが格納される。
図6は、故障情報受信装置10が有する機器情報DB103の内部構成を示す。駅名欄1031には、機器が所属する駅の駅名が格納される。装置ID欄1032には、機器を一意に特定するIDが格納される。線区ID欄1033には、機器が所属する線区を一意に特定するIDが格納される。通行区分欄1034には、機器が上り線又は下り線のうち、何れに設置されているのかを示す情報が格納される。
図7A及び図7Bは、故障情報受信装置10が作成及び送信する故障機器位置情報105の内部構成を示す。特に図7Aは、信号機が故障した場合に作成及び送信される故障機器位置情報105Aの内部構成であり、また図7Bは、踏切遮断機が故障した場合に作成及び送信される故障機器位置情報105Bの内部構成である。
機器種別欄1051には、故障機器の種別が格納される。機器状態欄1052には、故障の発生又は回復を示す情報が格納される。駅名欄1053には、故障が発生した駅(故障機器が所属する駅)の駅名が格納される。
線区ID欄1054には、故障機器が所属する線区を一意に特定するIDが格納される。通行区分欄1055には、故障機器が上り線又は下り線のうち、何れに設置されているのかを示す情報が格納される。
図8は、伝達先列車計算装置20が有する線区情報DB201の内部構成を示す。線区ID欄2011には、軌道回路が所属する線区を一意に特定するIDが格納される。通行区分欄2012には、軌道回路が上り線又は下り線のうち、何れに設置されているのかを示す情報が格納される。駅名欄2013には、軌道回路が所属する駅の駅名が格納される。
座標欄2014には、軌道回路の相対位置を示す情報が格納される。線区ID欄2011及び通行区分欄2012に格納されている情報が同一の場合、座標の値が大きい軌道回路の方が該当線区内で後方に位置することを意味する。軌道回路ID欄2015には、軌道回路を一意に特定するためのIDが格納される。
図9は、伝達先列車計算装置20が適宜受信する在線位置情報202の内部構成を示す。線区ID欄2021には、列車が存在する線区を一意に特定するIDが格納される。通行区分欄2022には、列車が走行している該当線区が上り線又は下り線のうち、何れであるのかを示す情報が格納される。
軌道回路ID欄2023には、列車が在線中の軌道回路を一意に特定するIDが格納される。列車番号欄2024には、列車を特定するための番号が格納される。
図10A及び図10Bは、伝達先列車計算装置20が送信する運転台表示情報205の内部構成を示す。特に図10Aは、信号機が故障した場合に送信される運転台表示情報205Aの内部構成であり、図10Bは、踏切遮断機が故障した場合に送信される運転台表示情報205Bの内部構成である。
機器種別欄2051には、故障機器の種別が格納される。機器状態欄2052には、故障の発生又は回復を示す情報が格納される。駅名欄2053には、故障が発生した駅(故障機器が所属する駅)の駅名が格納される。
図11は、運転台モニタ装置30が有する指示情報DB302の内部構成を示す。機器種別欄3021には、故障機器の種別が格納される。指示欄3022には、運転台モニタ30Cに表示する指示事項が格納される。
(4)フローチャート
図12は、故障機器位置情報送信処理の処理手順を示す。この故障機器位置情報送信処理は、故障情報受信装置10が故障情報101を受信したことを契機として、プロセッサ10Aと、メモリ10Bに格納されている各種プログラムとの協働により実行される。説明の便宜上、処理主体を故障情報受信装置10として説明する。
故障情報受信装置10は、故障機器から送信された故障情報101を受信すると(SP1)、受信した故障情報101に含まれる駅名及び装置IDを取得する(SP2)。
例えば故障機器が信号機の場合、故障情報受信装置10は、信号機から送信された故障情報101A(図5A)を受信し、「B駅」及び「D011」を取得する。また故障機器が踏切遮断機の場合、故障情報受信装置10は、踏切遮断機から送信された故障情報101B(図5B)を受信し、「B駅」及び「D013」を取得する。
次いで故障情報受信装置10は、故障機器が所属する線区及び通行区分を特定するため、機器情報DB103を参照し、ステップSP2で取得した駅名及び装置IDを含むレコードを抽出する。そしてレコードに含まれる線区ID及び通行区分を取得する(SP3)。
例えば故障機器が信号機の場合、故障情報受信装置10は、ステップSP2で「B駅」及び「D011」を取得しており、この「B駅」及び「D011」を含む1つのレコードを機器情報DB103から抽出する。そしてこのレコードに含まれる線区ID「L01」及び通行区分「上」を取得する。
また故障機器が踏切遮断機の場合、故障情報受信装置10は、ステップSP2で「B駅」及び「D013」を取得しており、この「B駅」及び「D013」を含む2つのレコードを機器情報DB103から抽出する。そして各レコードに含まれる線区ID「L01」と、通行区分「上」及び「下」とを取得する。
次いで故障情報受信装置10は、伝達先列車計算装置20に送信する故障機器位置情報105を作成するため、ステップSP3で取得した線区ID及び通行区分を故障機器位置情報105の線区ID欄1054及び通行区分欄1055に格納する(SP4)。
次いで故障情報受信装置10は、ステップSP1で取得した故障情報101に含まれる機器種別、機器状態及び駅名を故障機器位置情報105の機器種別欄1051、機器状態欄1052及び駅名欄1053にそれぞれ格納する(SP5)。
例えば故障機器が信号機の場合、故障情報受信装置10は、ステップSP4及びSP5の処理を実行することにより、故障機器位置情報105A(図7A)を作成する。故障機器が踏切遮断機の場合、故障情報受信装置10は、ステップSP4及びSP5の処理を実行することにより、故障機器位置情報105B(図7B)を作成する。
そして故障情報受信装置10は、伝達先列車計算装置20に故障機器位置情報105を送信して(SP6)、本処理を終了する。
図13は、運転台表示情報送信処理の処理手順を示す。この運転台表示情報送信処理は、伝達先列車計算装置20が故障機器位置情報105を受信したことを契機として、プロセッサ20Aと、メモリ20Bに格納されている各種プログラムとの協働により実行される。説明の便宜上、処理主体を伝達先列車計算装置20として説明する。
伝達先列車計算装置20は、故障情報受信装置10から送信された故障機器位置情報105を受信すると(SP11)、受信した故障機器位置情報105に含まれる駅名、線区ID及び通行区分を取得する(SP12)。
例えばステップSP11で故障機器位置情報105A(図7A)を受信した場合、伝達先列車計算装置20は、「B駅」、「L01」及び「上」を取得する。またステップSP11で故障機器位置情報105B(図7B)を受信した場合、伝達先列車計算装置20は、「B駅」、「L01」、「上」及び「下」を取得する。
次いで伝達先列車計算装置20は、軌道回路の座標を取得するため、線区情報DB201を参照し、ステップSP12で取得した駅名及び通行区分を含むレコードを抽出する。そしてレコードに含まれる座標を取得する(SP13)。
例えばステップSP12で取得した駅名及び通行区分が「B駅」及び「上」の場合(図7A)、伝達先列車計算装置20は、「B駅」及び「上」を含む1つのレコードを線区情報DB201から抽出する。そしてこのレコードに含まれる座標「Z005」を取得する。
またステップSP12で取得した駅名及び通行区分が「B駅」と「上」及び「下」の場合(図7B)、伝達先列車計算装置20は、「B駅」及び「上」を含む1つのレコードと、「B駅」及び「下」を含む1つのレコードとの合計2つのレコードを線区情報DB201から抽出する。そして各レコードに含まれる座標「Z005」及び「Z107」を取得する。
次いで伝達先列車計算装置20は、故障機器付近に設置されている軌道回路を特定するため、線区情報DB201を参照し、ステップSP12で取得した線区ID及び通行区分と、ステップSP13で取得した座標及びこの座標により示される地点よりも後方の座標とを含むレコードを抽出する。そしてレコードに含まれる軌道回路IDを取得する(SP14)。
なおここでは、ある座標により示される地点よりも後方の座標は、このある座標よりも大きい値をとるものとしている。ある座標が「Z005」の場合、この座標「Z005」により示される地点よりも後方の座標は「Z005」の値よりも大きく、例えば「Z008」となる。
ステップSP12で取得した線区ID及び通行区分が「L01」及び「上」であり(図7A)、ステップSP13で取得した座標が「Z005」である場合(図8)、伝達先列車計算装置20は、「L01」、「上」及び「Z005」を含む1つのレコードと、「L01」、「上」及び「Z008」(「Z005」よりも大きい値の座標)を含む1つのレコードの合計2つのレコードを線区情報DB201から抽出する。そして各レコードに含まれる軌道回路ID「K005」及び「K007」を取得する。
またステップSP12で取得した線区ID及び通行区分が「L01」、「上」及び「下」であり(図7B)、ステップSP13で取得した座標が「Z005」及び「Z107」である場合(図8)、伝達先列車計算装置20は、「L01」、「上」及び「Z005」を含む1つのレコードと、「L01」、「上」及び「Z008」(「Z005」よりも大きい値の座標)を含む1つのレコードと、「L01」、「下」及び「Z107」を含む1つのレコードと、「L01」、「下」及び「Z119」(「Z107」よりも大きい値の座標)を含む1つのレコードの合計4つのレコードを線区情報DB201から抽出する。そして各レコードに含まれる軌道回路ID「K002」、「K005」、「K006」及び「K007」を取得する。
次いで伝達先列車計算装置20は、運転台表示情報205を送信すべき伝達先列車を特定するため、在線位置情報202を参照し、ステップSP12で取得した線区ID及び通行区分と、ステップSP14で取得した軌道回路IDとを含むレコードを抽出する。そしてレコードに含まれる列車番号を取得する(SP15)。
例えばステップSP12で取得した線区ID及び通行区分が「L01」及び「上」であり(図7A)、ステップSP14で取得した軌道回路IDが「K005」及び「K007」である場合(図8)、伝達先列車計算装置20は、「L01」、「上」及び「K005」を含む1つのレコードと、「L01」、「上」及び「K007」を含む1つのレコードの合計2つのレコードを在線位置情報202から抽出する。そして各レコードに含まれる列車番号「T005」及び「T007」を取得する。
またステップSP12で取得した線区ID及び通行区分が「L01」、「上」及び「下」であり(図7B)、ステップSP14で取得した軌道回路IDが「K002」及び「K005」、「K006」及び「K007」である場合(図8)、伝達先列車計算装置20は、「L01」、「上」及び「K005」を含む1つのレコードと、「L01」、「上」及び「K007」を含む1つのレコードと、「L01」、「下」及び「K002」を含む1つのレコードと、「L01」、「下」及び「K006」を含む1つのレコードの合計4つのレコードを在線位置情報202から抽出する。そして各レコードに含まれる列車番号「T002」、「T005」、「T007」及び「T008」を取得する。
次いで伝達先列車計算装置20は、運転台モニタ装置30に送信する運転台表示情報205を作成するため、ステップSP11で取得した故障機器位置情報105に含まれる機器種別、機器状態及び駅名を運転台表示情報205の機器種別欄2051、機器状態欄2052及び駅名欄2053にそれぞれ格納する(SP16)。
例えばステップSP11で故障機器位置情報105A(図7A)を受信した場合、伝達先列車計算装置20は、運転台表示情報205A(図10A)を作成する。またステップSP11で故障機器位置情報105B(図7B)を受信した場合、伝達先列車計算装置20は、運転台表示情報205B(図10B)を作成する。
そして伝達先列車計算装置20は、ステップSP15で取得した列車番号により特定される列車だけに対し、ステップSP16で作成した運転台表示情報205を送信して(SP17)、本処理を終了する。
図14は、運転台モニタ表示処理の処理手順を示す。この運転台表示情報表示処理は、運転台モニタ装置30が運転台表示情報205を受信したことを契機として、プロセッサ30Aと、メモリ30Bに格納されているプログラムとの協働により実行される。説明の便宜上、処理主体を運転台モニタ装置30として説明する。
運転台モニタ装置30は、伝達先列車計算装置20から送信された運転台表示情報205を受信すると(SP21)、運転台表示情報205に含まれる機器状態を取得する(SP22)。そして機器状態が発生か否かを判断する(SP23)。
運転台モニタ装置30は、ステップSP23の判断で肯定結果を得ると、指示情報DB302を参照して、ステップSP21で受信した運転台表示情報205に含まれる機器種別と一致するレコードを抽出する。そしてレコードに含まれる指示を取得する(SP24)。
例えばステップSP21で受信した運転台表示情報205が運転台表示情報205A(図10A)である場合、運転台モニタ装置30は、指示情報DB302を参照し、この運転台表示情報205Aに含まれる機器種別「信号機」と一致するレコードを抽出する。そしてこのレコードに含まれる指示として「注意」を取得する。
またステップSP21で受信した運転台表示情報205が運転台表示情報205B(図10B)である場合、運転台モニタ装置30は、指示情報DB302を参照し、この運転台表示情報205Bに含まれる機器種別「踏切遮断機」と一致するレコードを抽出する。そしてこのレコードに含まれる指示として「徐行」を取得する。
そして運転台モニタ装置30は、ステップSP21で受信した運転台表示情報205に含まれる機器種別及び駅名と、ステップSP24で取得した指示とを運転台モニタ30Cに表示して(SP25)、本処理を終了する。
これに対し運転台モニタ装置30は、ステップSP23の判断で否定結果を得ると、運転台モニタ30Cに現在表示されている情報のうち、ステップSP21で受信した運転台表示情報205に含まれる機器種別及び駅名が同一の情報を運転台モニタ30Cから消去して(SP26)、本処理を終了する。
(5)本実施の形態による効果
以上のように本実施の形態による故障情報伝達システム1によれば、故障機器から送信される故障情報101を受信し、この故障情報101と予め備える機器情報DB103とに基づいて、故障機器が所属する線区及び通行区分を示す故障機器位置情報105を作成し、この故障機器位置情報105と、予め備える線区情報DB201及び適宜取得する在線位置情報202とに基づいて、故障機器付近を走行予定の列車を特定し、特定した列車に対してだけ運転台表示情報205を送信して注意喚起するようにした。
よって故障機器付近を走行予定の列車を運転する運転士は、鉄道設備に故障が発生した場合、故障の発生を正確かつ迅速に把握することができる。
また鉄道設備に故障が発生してから運転士に故障の発生が伝達されるまでの一連の処理は全て自動で行われる。よって指令員から運転士に故障の発生を伝達する作業が不要となり、指令員の手間を省くことができる。
また運転台表示情報205は、故障機器付近を走行予定の列車だけに送信される。よって故障機器が所属する線区とは異なる線区或いは故障機器が設置されている通行区分とは異なる通行区分を走行している列車の走行に影響を及ぼすことはない。
また運転台表示情報205には、故障機器の種別と、種別ごとに異なる指示とが含まれる。よって運転士は、故障状況に応じて適切に列車を運行することができる。
また機器状態が「発生」の運転台表示情報205を受信した場合に故障機器の情報と運行に関する指示が運転台モニタ30Cに表示され、「回復」の運転台表示情報205を受信した場合に表示が消去される。よって運転士は、鉄道設備に故障が発生したこと及び故障が回復したことをリアルタイムに把握することができる。
1 故障情報伝達システム
10 故障情報受信装置
20 伝達先列車計算装置
30 運転台モニタ装置

Claims (7)

  1. 鉄道設備の故障に関する情報を列車に伝達する故障情報伝達システムにおいて、
    前記鉄道設備を構成する何れかの機器に故障が発生した場合、故障機器を特定するための故障情報に基づいて、前記故障機器の設置位置を特定するための故障機器位置情報を作成する故障情報受信装置と、
    前記故障機器位置情報及び列車の在線位置を特定するための在線位置情報に基づいて、前記故障機器の設置付近を走行予定の列車を特定し、一方で前記故障機器の種別を特定するための運転台表示情報を作成し、前記特定した列車に対して前記運転台表示情報を送信する伝達先列車計算装置と、
    前記運転台表示情報を受信した場合、前記運転台表示情報に基づいて、前記故障機器に関する情報を運転台モニタに表示する運転台モニタ装置とを備える
    ことを特徴とする故障情報伝達システム。
  2. 前記故障情報受信装置は、
    前記鉄道設備を構成する何れかの機器に故障が発生した場合、
    前記故障機器から送信される前記故障情報を受信し、
    前記故障情報と、前記鉄道設備を構成する機器の設置位置が予め登録されている機器情報とに基づいて、前記故障機器位置情報を作成し、
    前記故障機器位置情報を前記伝達先列車計算装置に送信する
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障情報伝達システム。
  3. 前記伝達先列車計算装置は、
    前記故障情報受信装置から送信される前記故障機器位置情報を受信した場合、
    前記故障機器位置情報と、軌道回路の設置位置が予め登録されている線区情報と、前記在線位置情報とに基づいて、前記故障機器が設置されている線区及び通行区分を走行予定の列車を特定し、
    一方で前記故障機器位置情報に基づいて、前記運転台表示情報を作成し、
    前記特定した列車に対してのみ前記運転台表示情報を送信する
    ことを特徴とする請求項2に記載の故障情報伝達システム。
  4. 前記運転台モニタ装置は、
    前記運転台表示情報を受信した場合、
    前記故障機器の種別に応じて異なる走行指示を前記運転台モニタに表示する
    ことを特徴とする請求項3に記載の故障情報伝達システム。
  5. 前記運転台モニタ装置は、
    前記運転台表示情報と、機器種別と走行指示とが関連付けられて予め登録されている指示情報とに基づいて、前記故障機器の種別、前記故障機器が所属する駅名及び走行指示のうち、何れか又は全てを前記運転台モニタに表示する
    ことを特徴とする請求項4に記載の故障情報伝達システム。
  6. 前記故障情報受信装置は、
    前記故障機器の故障が回復した場合、該回復した故障機器を特定するための情報に基づいて、該回復した故障機器の設置位置を示す位置情報を作成し、
    前記伝達先列車計算装置は、
    前記位置情報及び前記在線位置情報に基づいて、前記回復した故障機器の設置付近を走行予定の列車を特定し、一方で前記回復した故障機器の種別を特定するための表示情報を作成し、前記特定した列車に対して前記表示情報を送信し、
    前記運転台モニタ装置は、
    前記表示情報を受信した場合、前記運転台モニタに表示されている情報のうち、前記回復した故障機器に関する情報を消去する
    ことを特徴とする請求項5に記載の故障情報伝達システム。
  7. 鉄道設備の故障に関する情報を列車に伝達する故障情報伝達方法において、
    故障情報受信装置が、前記鉄道設備を構成する何れかの機器に故障が発生した場合、故障機器を特定するための故障情報に基づいて、前記故障機器の設置位置を特定するための故障機器位置情報を作成する第1のステップと、
    伝達先列車計算装置が、前記故障機器位置情報及び列車の在線位置を特定するための在線位置情報に基づいて、前記故障機器の設置付近を走行予定の列車を特定し、一方で前記故障機器の種別を特定するための運転台表示情報を作成し、前記特定した列車に対して前記運転台表示情報を送信する第2のステップと、
    運転台モニタ装置が、前記運転台表示情報を受信した場合、前記運転台表示情報に基づいて、前記故障機器に関する情報を運転台モニタに表示する第3のステップとを備える
    ことを特徴とする故障情報伝達方法。
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