JP2016140775A - 液滴吐出システム、位置調整方法およびプログラム - Google Patents

液滴吐出システム、位置調整方法およびプログラム Download PDF

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Sadanori Niie
定憲 新江
植田 尚之
Naoyuki Ueda
尚之 植田
中村 有希
Yuki Nakamura
有希 中村
由希子 安部
Yukiko Abe
由希子 安部
真二 松本
Shinji Matsumoto
真二 松本
雄司 曽根
Yuji Sone
雄司 曽根
遼一 早乙女
Ryoichi Saotome
遼一 早乙女
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嶺秀 草柳
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Abstract

【課題】高精度な位置決めを行うことができる液滴吐出システムを提供する。
【解決手段】液滴を吐出するノズルヘッドと、前記ノズルヘッドと前記ノズルヘッドから吐出された液滴を用いて所定のパターンが描画される対象物との間の距離を測定する測定部と、前記パターン描画中に、前記対象物を水平移動させ、前記測定部で測定された距離に基づいて前記対象物を昇降させる移動部と、を備えたことを特徴とする液滴吐出システム。
【選択図】図17

Description

本発明は、液滴吐出システム、位置調整方法およびプログラムに関するものである。
ディスプレイや半導体集積回路は、基板上に複数層の電子材料膜をパターニングし、積層することで製造されている。従来ではフォトリソグラフィ技術によって高精細なパターニングを行っているが、近年、このプロセスを印刷プロセスにて実現しようとするプリンテッドエレクトロニクス分野が注目されている。
プリンテッドエレクトロニクス分野で用いる印刷プロセスとして、インクジェット法はその一つである。インクジェット技術は、画像形成装置向けに広く利用された技術分野である。しかし、プリンテッドエレクトロニクスとして用いるインクジェット装置の仕様として従来技術では対応できない課題も多い。
その一つにパターン形成の位置ずれがある。プリンテッドエレクトロニクス分野において、従来のインクジェット装置を用いた場合、パターン形成の際の位置ずれが大きな問題となる。既に形成されてある下地のパターンに対し、積層するパターンが位置ずれを起こしてしまうと、設計通りの電子デバイスの特性が得られない。プリンテッドエレクトロニクスでデバイスを製造するためには、サブミクロンから10μm程度の位置精度が要求される。
特許文献1には、基板等の表面とインクジェットヘッドのノズル面との距離を調整するために、基板等を載置したテーブル上に距離センサを設けて、インクジェットヘッドのノズル面との距離を測定することで、測定した距離に応じてインクジェットヘッド上下方向に昇降する構成が記載されている。
特許文献2には、新たに吐出対象物が設置された際にワークギャップを測定し、その測定結果を元にノズルヘッドと吐出対象物を上下方向に移動させてワークギャップを調整する構成が記載されている。
特許文献1のように、検出された最も近い距離を基準にノズル面とテーブルを制御するため、最も近い位置のノズルと最も遠い位置のノズルから吐出される液滴の精度が大きく異なることから、ノズルヘッドに対して精度のばらつきが大きくなる問題がある。
また、特許文献2のように、新たに描画対象物が設置された際にワークギャップを調整する方法では、描画中におけるワークギャップの変動に対応できない。フラットパネルディスプレイの基材に代表されるガラス基板は、実際には基板自体の厚みや歪み、テーブルに吸引による固定で生じる歪みで表面が凹凸の形状となっている。インクジェット装置では、ノズルヘッドと描画対象物は相対的に移動するので、この凹凸によってワークギャップが変動する。そのため、初期操作によるワークギャップ調整では描画中の変動に対応できない問題がある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、吐出した液滴が描画対象物への着弾する際の位置精度を高めることが可能な液滴吐出システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る液滴吐出システムは、液滴を吐出するノズルヘッドと、前記ノズルヘッドと前記ノズルヘッドから吐出された液滴を用いて所定のパターンが描画される対象物との間の距離を測定する測定部と、前記パターン描画中に、前記対象物を水平移動させ、前記測定部で測定された距離に基づいて前記対象物を昇降させる移動部と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、吐出した液滴が描画対象物への着弾する際の位置精度を高めることができる。
液滴吐出システムの一例を示した全体斜視図である。 図1の液滴吐出システムに含まれる液滴吐出装置1の一例を示す斜視図である。 吸着テーブル103における描画対象物の載置面から、Z軸正鉛直方向に向けて観察したノズルヘッドユニット106の周辺の構成を説明した図である。 ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dによるワークギャップの測定について説明した図である。 (a)(b)XYZθステージ102をX軸ガイドレール109及びY軸ガイドレール110に沿って移動させた状態を説明した図である。 XYZθステージ102のZ軸方向への移動機構を説明した図である。 制御部130のハードウエア構成の一例を説明した図である。 CPU131により実行される機能の一例を説明した図である。 制御装置2のハードウエア構成の一例を説明した図である。 CPU201により実現される機能の一例を説明した図である。 液滴吐出システムの制御手順の一例を説明したフローチャートである。 液滴吐出システムにおけるワークギャップ測定部のワークギャップ測定方法の一例を説明した図である。 所定の時間間隔でワークギャップLを送信する処理の一例を説明した図である。 液滴吐出システムの処理手順の一例を説明したシーケンス図である。 描画対象物に所定のパターン描画を行う処理(プロセス1)の一例を説明したシーケンス図である。 パターン描画中にワークギャップを調整する処理(プロセスP2)の一例を説明したシーケンス図である。 ワークギャップの調整前の液滴吐出装置1の状態の一例を説明した図である。 ワークギャップの調整後の液滴吐出装置1の状態の一例を説明した図である。 本発明の実施例1に係る液滴吐出システムのワークギャップ調整後におけるパターン描画の状態の一例を説明した図である。 液滴吐出システムにおいてワークギャップ調整を行っていない場合のパターン描画の状態の一例を説明した図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係る液滴吐出システムについて説明する。まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る液滴吐出システムの概要について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液滴吐出システムの一例を示した全体斜視図である。なお、図1において、Z軸は鉛直方向を、θ軸は鉛直方向に対する回転方向を、それぞれ示している。また、X軸及びY軸は互いに直交し、尚且つ、Z軸に対し直交するよう配置された3次元直交座標系となっている。
図1に示す液滴吐出システムは、液滴吐出装置1と制御装置2により構成されている。
液滴吐出装置1は、液滴の吐出機構を有するノズルヘッドを用いて、描画対象物に対して所定の液滴吐出を行うものである。本発明の一実施形態に係る係る液滴吐出システムは、液滴吐出装置1を用いて電子デバイス等を製造するために必要となる高精度なパターニングを行うことができる。
制御装置2は、液滴吐出装置1の動作を制御するものであり、通信インターフェース(後述)を介して液滴吐出装置1と接続されている。制御装置2は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置により構成される。なお、制御装置2の一例として、パーソナルコンピュータに適用した例を挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、本発明が適用される情報処理装置の種類は任意であり、例えば携帯型情報端末(例えば、スマートフォン、タブレット等)などであってもよい。
また、図1に示すシステム構成は一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、制御装置2により実行される機能は、液滴吐出装置1に組み込まれていてもよい。
図2は、図1の液滴吐出システムに含まれる液滴吐出装置1の一例を示す斜視図である。
液滴吐出装置1は、定盤101、XYZθステージ102、吸着テーブル103、ガントリ104、ガントリZステージ105、ノズルヘッドユニット106、ワークギャップ測定部107、カメラユニット108、X軸ガイドレール109、Y軸ガイドレール110、X軸直線移動可能ステージ111、Y軸直線移動可能ステージ112、Z軸直線移動可能ステージ113、除振台114、制御部130により主に構成されている。
定盤101には、XYZθステージ102を往復可能に取付けられるためのX軸ガイドレール109及びY軸ガイドレール110、ガントリZステージ105を鉛直方向に往復移動可能に取り付けるためのガントリ104と、周囲の振動が伝わらないように除振台114と、が備わっている。
XYZθステージ102のX軸方向には、定盤101に固定されたX軸ガイドレール109に沿って往復移動可能なX軸直線移動可能ステージ111が備わっている。XYZθステージ102のY軸方向には、定盤101に固定されたY軸ガイドレール110に沿って往復移動可能なY軸直線移動可能ステージ112が備わっている。XYZθステージ102のZ軸方向には、XYZθステージ102と吸着テーブル103との間に、Z軸方向に沿って往復移動可能なZ軸直線移動可能ステージ113が備わっている。XYZθステージ102のθ軸方向には、XYZθステージ102と吸着テーブル103との間に、回動(正逆方向に円運動することを意味する)可能な回転ステージが備わっている。
なお、XYZθステージ102の各軸方向の移動動作については、後述する。
吸着テーブル103は、XYZθステージ102に固定されており、描画対象物を吸着によって固定して載置するためのテーブルである。例えば、吸着テーブル103と描画対象物との間を減圧ないしは真空に近い状態にすることによって、描画対象物を固定できるように構成されている。例えば、吸着テーブル表面には、減圧ないし真空状態にするための複数の空気孔が設けられていて、この複数の空気孔は、これらに連結するパイプを通じて吸引手段として真空ポンプ等に連結・接続されている。
ガントリ104は、門型構造であり、XYZθステージ102及び吸着テーブル103を跨ぐように定盤101に固定されている。ガントリ104には、ガントリZステージ105がZ軸方向に往復移動可能に取り付けられている。ガントリZステージ105には、ノズルヘッドユニット106と、カメラユニット108とが取り付けられている。
ガントリZステージ105は、例えば、サーボ機構を備えたリニアモータ等の制御可能な駆動手段により、Z軸方向に往復移動可能に構成されている。ガントリZステージ105は、駆動手段を介して、所定の制御量に基づいてノズルヘッドユニット106及びカメラユニット108が所定のZ軸座標に位置するように制御される。
ノズルヘッドユニット106は、液滴吐出が可能なN本(N≧1)のノズルヘッドと、液滴を吐出するための吐出機構が備わっている。吐出機構から吐出される液滴は、例えば、電子デバイスを作成するための機能性材料の塗布液である。なお、液滴の種類や状態については、特に限定されるものではなく、インクや粘着液などであってもよい。
ワークギャップ測定部107は、ノズルヘッドユニット106と吸着テーブル103との間の距離(以下、ワークギャップとする)を測定するためのものである。
なお、ワークギャップは、ノズルヘッドユニット106と吸着テーブル103に載置された描画対象物との間の距離であってもよい。
ワークギャップ測定部107は、ワークギャップを測定するための測定機構として、レーザ光等の光照射手段を用いる。ワークギャップ測定部107におけるワークギャップの測定方法については、後述する。
図2において、ワークギャップ測定部107は、一例として、ノズルヘッドユニット106の四隅に取付けられている。
カメラユニット108には、吸着テーブル103に載置された描画対象物の印刷面に対してZ軸方向に沿って垂直に、及びXYZθステージ102の移動範囲内で描画対象物を撮像・観察できるように構成された撮像手段である。なお、撮像手段としては、一般的にアライメントカメラに用いるCCDカメラ又は上記機能を発揮する同等の撮像手段でもよい。
ここで、図3を用いて、ノズルヘッドユニット106の周辺の詳細な構成について説明する。図3は、吸着テーブル103における描画対象物の載置面から、Z軸正鉛直方向に向けて観察したノズルヘッドユニット106の周辺の構成を説明した図である。図3には、ノズルヘッドユニット106の周辺図として、吸着テーブル103からZ軸正鉛直方向に向けて観察したガントリZステージ105、ノズルヘッドユニット106、ワークギャップ測定部107、カメラユニット108が記載されている。
なお、カメラユニット108は、必ずしもガントリZステージ105に取り付ける必要はなく、図2で示したガントリ104に直接固定、又は別途固定するための器材を用意してもよい。
図3の示すように、ノズルヘッドユニット106は、ノズルヘッド301とワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dを備えている。一例として、図3に示すワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dによるワークギャップの測定について図4を用いて説明する。
図4に示すように、ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dは、ノズルヘッドユニット106の四隅に取り付けられている。
なお、ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dは、ノズルヘッドユニット106に対して着脱可能に構成されても良い。
また、図4では、ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dをノズルヘッドユニットの四隅に取り付けたが、ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dの取り付け位置は、これに限定されるものではない。好ましくは、ノズルヘッド301とワークギャップ測定部107の位置関係が常に一定に保たれている状態になっていれば、ワークギャップ測定部107の取り付け位置は、適宜変更可能である。
さらに、ワークギャップ測定部107の取り付け数は、適宜変更可能である。好ましくは、ワークギャップを正確に測定するために、ワークギャップ測定部107は、ノズルヘッドユニット106の重心位置から等間隔の距離に、複数設けられていることが好ましい。
ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dは、吸着テーブル103上に載置された描画対象物401または吸着テーブル103に向けてレーザ光を出力する。ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dは、自らが出力したレーザ光が、描画対象物401または吸着テーブル103に対して反射した反射光を受光する。
ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dは、自らが出力したレーザ光の出力時の時刻と、描画対象物401または吸着テーブル103に対して反射した反射光を受光した時刻とに基づいて、ワークギャップLを測定する。レーザ光の出力時刻と受光時刻からのワークギャップLの算出については、測定に用いたレーザ光に対して、予め記憶された固有値を用いる。
ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dは、測定したワークギャップLA、LB、LC、LDを、測定結果として制御装置2に送信する。制御装置2による処理についての詳細は後述する。
ここで、図2に戻り、本発明の液滴吐出装置1のステージ移動制御動作について説明する。
XYZθステージ102のX軸方向には、定盤101に固定されたX軸ガイドレール109に沿って往復移動可能なX軸直線移動可能ステージ111が備わっている。X軸直線移動可能ステージ111は、例えばサーボ機構を備えたリニアモータ等の制御可能な駆動手段により、X軸方向に往復移動可能に構成されている。X軸直線移動可能ステージ111は、駆動手段を介して、吸着テーブル103が所定のX軸座標に位置するように制御されるようになっている。この場合のX軸の位置精度としては、高精細な電子デバイスを製造するためにはサブミクロンから10μmまでの精度を有することが好ましい。
XYZθステージ102のY軸方向には、定盤101に固定されたY軸ガイドレール110に沿って往復移動可能なY軸直線移動可能ステージ112が備わっている。Y軸直線移動可能ステージ112は、例えば、サーボ機構を備えたリニアモータ等の制御可能な駆動手段により、Y軸方向に往復移動可能に構成されている。Y軸直線移動可能ステージ112は、駆動手段を介して、吸着テーブル103が所定のY軸座標に位置するように制御されるようになっている。この場合のY軸の位置精度としては、高精細な電子デバイスを製造するためにはサブミクロンから10μmの精度を有することが好ましい。
一例として、図5(a)(b)を用いて、XYZθステージ102をX軸ガイドレール109及びY軸ガイドレール110に沿って移動させた状態を説明する。例えば、図5(a)のXYZθステージ102は、描画対象物401の第1の着弾位置501に液滴を吐出した状態であり、図5(b)のXYZθステージ102が、描画対象物401の第2の着弾位置502に液滴を吐出した状態である。
図5(a)及び(b)のXYZθステージ102のそれぞれの位置座標は、図5(a)が、(X、Y)=(50.45μm、49.55μm)であり、図5(b)が、(X、Y)=(51.05μm、49.25μm)である。図5(a)から図5(b)へのXYZθステージ102の移動距離は、(X、Y)=(0.6μm、−0.3μm)である。このように、本発明に係る液滴吐出装置1は、XYZθステージ102をXY方向に順次移動させ、吸着テーブル103に載置されている描画対象物401に液滴の吐出を行うことにより、例えば、第1の着弾位置501および第2の着弾位置502のような所望のパターンを描写することができる。
ここで、図2に戻り、XYZθステージ102のZ軸方向の昇降動作について説明する。
XYZθステージ102のZ軸方向には、XYZθステージ102と吸着テーブル103との間に、Z軸方向に沿って往復移動可能なZ軸直線移動可能ステージ113が備わっている。
一例として、図6を用いて、XYZθステージ102のZ軸方向への移動機構について説明する。このZ軸直線移動可能ステージ113は、例えば、サーボ機構を備えたリニアモータ601などの駆動手段により、Z軸方向に往復移動可能に構成されている。また、Z軸直線移動可能ステージ113は、リニアモータ601を介して、所定の制御量に基づいて吸着テーブル103が所定のZ軸座標に位置するように制御される。
なお、駆動手段は、リニアモータ601に限定されるものではなく、Z軸直線移動可能ステージをZ軸方向に往復移動可能な構成であればよい。
XYZθステージ102のθ軸方向には、XYZθステージ102と吸着テーブル103との間に、回動(正逆方向に円運動することを意味する)可能な回転ステージが備わっている。この回転ステージは、例えば、サーボ機構を備えたリニアモータ等の制御可能な駆動手段により、所定の回転軸方向に回動可能に構成されている。また、回転ステージは、駆動手段を介して、所定の制御量に基づいて吸着テーブル103が所定のθ位置に制御されるようになっている。この場合のθ軸は、描画対象物401を載置した際の初期操作に用いることを主としている。
図2に示す制御部130は、液滴吐出装置1の動作を制御するものである。図7を用いて、液滴吐出装置1が備える制御部130のハードウエア構成の一例について説明する。
制御部130は、CPU131、ROM(Read Only Memory)132、RAM(Random Access Memory)133、通信インターフェース134を備える。
CPU131は、後述するROM132に記憶されているプログラム等を実行するためのものである。
ROM132は、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリである。ROM132は、後述にて詳細に説明するが、算出機能及び制御機能を発現するためのCPU131によって実現されるプログラムや、算出機能及び制御機能を発現するための関係データが予め記憶する。
RAM133は、プログラムやデータの展開用メモリとして用いる書き込み及び読み出し可能なメモリである。
通信インターフェース134は、制御装置2と通信を行うためのインターフェースであり、通信インターフェース134を介して制御装置2と通信可能である。通信インターフェース134は、有線通信または無線通信により制御装置2と通信を行う。
次に、図7に示す制御部130が備えるCPU131により実現される機能について説明する。
図8は、CPU131により実現される機能の一例を説明した図である。
CPU131により実現される機能は、液滴吐出指示部141、XYZθステージ移動指示部142、ガントリZステージ移動指示部143、ワークギャップ測定指示部144を含む機能である。
液滴吐出指示部141は、ノズルヘッドユニット106に対して、液滴の吐出のタイミングや液滴の吐出量等に関する液滴の吐出に関わる情報を指示する。
XYZθステージ移動指示部142は、XYZθステージ102の各軸方向に対する移動を制御するものである。
ガントリZステージ移動指示部143は、ガントリZステージ105のZ軸方向に対する移動を制御するものである。
ワークギャップ測定指示部144は、ワークギャップ測定部107におけるワークギャップの測定に関する動作を制御するものである。
なお、CPU131により実現される機能については、後述する制御装置2により実行されてもよい。
次に、図1に示す制御装置2のハードウエア構成について説明する。
図9は、制御装置2のハードウエア構成の一例を示す図である。
制御装置2は、CPU201、ROM202、RAM203、ディスプレイ204、キーボード205、通信インターフェース206を備える。
CPU201は、後述するROM202に記憶されているプログラム等を実行するためのものである。
ROM202は、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリである。ROM202は、後述にて詳細に説明するが、算出機能及び制御機能を発現するためのCPU201によって実現されるプログラムや、算出機能及び制御機能を発現するための関係データが予め記憶する。
RAM203は、プログラムやデータの展開用メモリとして用いる書き込み及び読み出し可能なメモリである。RAM203は、例えば電池等の電源でバックアップされ、CPU201を介して入出力される情報・データを随時記憶し、液滴吐出装置1のメイン電源オフ後も情報・データを記憶保持する。
ディスプレイ204は、例えば、液滴吐出装置1から送信されるデータを表示するものである。また、ディスプレイ204は、ケーブルによってディスプレイI/Fに接続される。このケーブルは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital ∨ideo Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
キーボード205は、ユーザによる各種入力を受け付ける。ユーザは、キーボード205を操作することにより、ディスプレイ204に表示されたデータに基づいて、液滴吐出装置1の制御方法を選択することができる。
なお、キーボード205は、ユーザからの操作入力が受け付けられるものであれば、その態様は問わない。例えば、ディスプレイ204とキーボード205の構成は、タッチパネルディスプレイを用いた一体構成であってもよい。
通信インターフェース206は、液滴吐出装置1と通信を行うためのインターフェースであり、通信インターフェース206を介して液滴吐出装置1と通信可能である。通信インターフェース206は、有線通信または無線通信により液滴吐出装置1と通信を行う。
次に、制御装置2が備えるCPU201により実現される機能の一例について説明する。
図10は、CPU201より実現される機能の一例を示す図である。
CPU201により実現される機能は、パターン描画指示部211と、ワークギャップ調整部212と、ステージ移動指示部213、液滴吐出開始指示部214を含む機能である。
パターン描画指示部211、ワークギャップ調整部212、ステージ移動指示部213、液滴吐出開始指示部214は、ROM202またはRAM203に書き込まれたプログラムを用いて、CPU201により実行される。
パターン描画指示部211は、ノズルヘッドユニット106からの液滴の吐出や、XYZθステージ102の各軸方向への移動動作の制御を指示するものである。パターン描画指示部211は、描画対象物に対して所定のパターン描画を行うために、ノズルヘッドユニット106からの液滴の吐出の指示や、XYZθステージ102のXY方向に対する移動の指示を行う。
ここで、所定のパターン描画とは、例えば図5(a)(b)に示す第1の着弾位置501と第2の着弾位置502のように、描画対象物401に対して、所定の位置間隔で液滴吐出を行うことをいう。
ワークギャップ調整部212は、ワークギャップ測定部107から送信されるワークギャップLに基づいて、ワークギャップを調整する。ワークギャップの調整方法については、後述する。
ステージ移動指示部213は、パターン描画指示部211からの情報に基づいて、XYZθステージ102の移動動作を指示するものである。
ステージ移動指示部213は、XYZθステージ102に対して各軸方向への移動を指示する。移動指示は、XYZθステージ102を各軸方向に対して移動するための各軸座標値を含む。
また、ステージ移動指示部213は、XYZθステージ102の座標値を算出する算出手段としての機能を有する。例えば、ステージ移動指示部213は、測定されたワークギャップLに基づいて、XYZθステージ102をZ軸方向に対して移動するためのZ軸座標値を算出する。
液滴吐出開始指示部214は、パターン描画指示部211からの情報に基づいて、ノズルヘッドユニット106に対して、液滴の吐出のタイミングや液滴の吐出量等に関する液滴の吐出に関わる情報を指示する。
なお、パターン描画指示部211、ワークギャップ調整部212、ステージ移動指示部213、および液滴吐出開始指示部214の上記各機能を分割・分担して相互に補完するような構成にしてもよい。
なお、CPU201により実現される機能については、液滴吐出装置1により実行されてもよい。
図11を参照して、液滴吐出システムの制御動作について説明する。図11は、液滴吐出システムの制御手順の一例を説明したフローチャートである。
まず、制御装置2が備えるCPU201を実行することにより実現する機能であるパターン描画指示部211からのパターン描画の指示に基づいて、XYZθステージ102又はガントリZステージ105を用いたZ軸方向の位置調整を行う。(ステップ101)。この場合、Z軸方向に対する位置調整は、XYZθステージ102のZ軸方向への移動とガントリZステージ105の移動とを併用させても良い。例えば、移動量が大きい場合は、ガントリZステージ105によりZ軸方向の位置調整を行い、移動量が小さい場合は、XYZθステージ102によりZ軸方向の位置調整を行なっても良い。
次に、制御装置2が備えるCPU201を実行することにより実現する機能であるパターン描画指示部211からのパターン描画の指示に基づいて、XYZθステージ102をXYZ方向へ移動させる。(ステップS102)
そして、XYZθステージ102の所定の位置への移動が完了すると(ステップS103のYES)、ワークギャップ測定部107によるワークギャップの算出が行われる。ワークギャップの算出方法の詳細については、後述する。なお、XYZθステージ102が未だ所定の位置にない場合は(ステップ103のNO)、ステップS102の処理を継続する。
ワークギャップ測定部107によりワークギャップが算出され(ステップ104のYES)、XYZθステージ102のZ軸方向への移動が必要である場合(ステップS105のYES)、当該ワークギャップの算出結果に基づいて、XYZθステージ102をZ軸方向に対して昇降動作させる。(ステップS106)
XYZθステージ102のZ軸方向への移動が行なった後、ノズルヘッドユニット106からの液滴吐出を行う。(ステップS107)なお、ワークギャップが算出されていない場合(ステップS104のNO)、またはワークギャップの算出の結果、XYZθステージ102のZ軸方向への移動が必要ないと判断した場合(ステップS105のNO)には、XYZθステージ102のZ軸方向への移動は行わずに、液滴吐出を行う。
なお、ステップS104におけるワークギャップが算出される条件(算出されない条件)は、例えば、ワークギャップは所定の時間経過ごとに算出され、所定の時間経過前であれば、ワークギャップの算出が行われない構成としてもよい。
パターン描画が継続して行われる場合、ステップS102からの処理を繰り返し行う(ステップS108のNO)。
図11におけるステップS101〜ステップS108の処理を行うことにより、液滴の着弾位置の乱れを防止することができる。また、パターン描画中にワークギャップの調整を繰り返し行っているため、パターン描画中においてもワークギャップを適切に保つことができ、高精度な位置決めを行うことができる。
ここで、図12を用いて、ワークギャップ測定部107によるワークギャップの測定方法の一例を説明する。図12は、液滴吐出システムにおけるワークギャップ測定部のワークギャップ測定方法の一例を説明した図である。
ワークギャップ測定部107は、描画対象物401に向けてレーザ光を出力する。(ステップS201)出力されたレーザ光は、描画対象物401によって反射される。
ワークギャップ測定部107は、描画対象物401によって反射された光である反射光を受光する。(ステップS202)
ワークギャップ測定部107は、レーザ光を出力した時刻と反射光を受光した時刻とに基づいて、ワークギャップLを算出する。(ステップS203)具体的には、レーザ光を出力した時刻と反射光を受光した時刻の時間間隔を計測し、予め記憶されたレーザ光の速度に対して計測した時間間隔を乗算することにより、ワークギャップLを算出する。そして、ワークギャップ測定部107は、算出したワークギャップLを制御装置2に送信する。(ステップS204)
なお、ワークギャップLの算出方法は、これに限定するものではない。例えば、レーザ光を出力した時刻と反射光を受光した時刻の時間間隔と、ワークギャップLとの関係を、予めROM202に記憶しておき、時間間隔の計測結果に応じてワークギャップLを算出してもよい。
なお、ワークギャップの測定にレーザ光を用いた例を説明したが、レーザ光に限定しない。たとえば、超音波センサなどの距離測定が可能なセンサを用いてもよい。測定精度がレーザ光と同等またはそれ以上のものが好ましい。
ワークギャップ測定部107は、ステップS201〜ステップS204のワークギャップの測定をパターン描画中に繰り返す。ワークギャップS201〜S203のワークギャップの測定を繰り返すことにより、連続的にワークギャップLを算出する。
ここで、図13を用いて、所定の時間間隔でワークギャップLを送信する処理について説明する。
図13において、横軸は時刻を示す。t1とt2、t2とt3、およびt3とt4のそれぞれの時間間隔は、すべてt秒間隔とする。
ワークギャップ測定部107は、図12で示したように、ワークギャップの測定をパターン描画中に繰り返すことにより、連続的にワークギャップLを算出する。
ワークギャップ測定部107は、t1、t2、t3、t4の時刻において、測定したワークギャップLを制御装置2に送信する。時刻t1、t2、t3、t4で送信されるワークギャップLは、それぞれt0とt1、t1とt2、t2とt3、t3とt4の間に測定された値である。なお、好適には、時刻t1、t2、t3、t4で送信されるワークギャップLは、時刻t1、t2、t3、t4で測定された値であることが好ましい。
制御装置2は、ワークギャップLを受信すると、ROM202に記憶されたプログラムをCPU201により実行することで、ワークギャップ調整部212を実現する。
なお、ワークギャップLを送信する時間間隔は、これに限定されない。例えば、t1とt2、t2とt3、およびt3とt4のそれぞれの時間間隔は、すべて異なる間隔にしてもよい。
ここで、ワークギャップ測定部107で測定されたワークギャップLと、図11のステップS103で実行されるXYZθステージ102のZ方向への移動との関係について接明する。
表1は、ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dにより測定されたワークギャップLと基準値との差分値と、XYZθステージ102の駆動命令値との関係の一例を説明する。
表1は、ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dにより測定されたワークギャップLと基準値との差分値、および当該差分値に対応する駆動命令値の一例を示す。表1は、図13に示すパターン描画中に繰り返し行われるワークギャップ測定の結果(20回分)に対応する。
表1に示す駆動命令値は、ワークギャップLと基準値との差分の平均値である。
当該差分は、ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dにより測定された各ワークギャップLと基準値との差分である。
表1で示す各ワークギャップLと基準値との差分は、CPU201を実行することで実現する機能であるワークギャップ調整部212により算出される。ワークギャップ調整部212により算出された差分値に基づいて、CPU201を実行することで実現する機能であるステージ移動指示部213は、XYZθステージ102のZ軸方向に対する昇降動作を指示する駆動命令値を算出する。
なお、ワークギャップ調整部212及びステージ移動指示部213は、上記各機能を分割・分担して相互に補完するような構成にしてもよい。
図14を参照して、液滴吐出システムの処理手順の一例を説明する。図14は、液滴吐出システムの処理手順の一例を説明したシーケンス図である。
図14に示すように、液滴吐出システムの処理手順は、描画対象物に対する所定のパターン描画に関する処理(プロセスP1)とワークギャップ調整に関する処理(プロセスP2)とから成る。
液滴吐出システムの処理手順は、まず、プロセスP1が行われる。そして、プロセスP1を行いながら、プロセスP2が行われる。後述にて、プロセスP1とプロセスP2を詳細に説明する。
なお、図14に示す液滴吐出システムの処理手順は、プロセスP1とプロセスP2とから成るとしたが、これに限定されるものではない。プロセスP1とプロセスP2を含む処理手順であれば、その他の処理を適宜追加してもよい。
図15を参照して、プロセスP1の一例を説明する。プロセスP1は、ステップS301からステップS305で構成されるプロセスである。
まず、制御装置2は、液滴吐出装置1が備えるCPU131に対してパターン描画の指示を送信する。(ステップS301)具体的には、制御装置2が備えるCPU201を実行することにより実現する機能であるパターン描画指示部211が、液滴吐出装置1が備えるCPU131に対してパターン描画の指示を送信する。
パターン描画の指示は、ノズルヘッドユニット106からの液滴の吐出のタイミングと、XYZθステージ102をXY方向へ移動させるための座標値とを含む。
なお、描画の指示に含まれる液滴の吐出タイミングとXYZθステージ102の座標値は、予めROM202に記憶されている。
CPU131は、パターン描画の指示に含まれる座標値に基づいて、XYZθステージ102に対してXY方向への移動を指示する。(ステップS302)具体的には、CPU131を実行することにより実現する機能であるXYZθステージ移動指示部142が、パターン描画の指示に含まれる座標値に基づいて、XYZθステージ102のXY方向への移動を指示する。
XYZθステージ102は、移動の指示に基づいて、X軸ガイドレール109及びY軸ガイドレール110に沿って移動する。(ステップS303)
CPU131は、パターン描画の指示に含まれる液滴の吐出タイミングに基づいて、ノズルヘッドユニット106に対して液滴の吐出を指示する。(ステップS304)具体的には、CPU131を実行することにより実現する機能である液滴吐出指示部141は、パターン描画の指示に含まれる液滴の吐出タイミングに基づいて、ノズルヘッドユニット106に対して液滴の吐出を指示する。
ノズルヘッドユニット106は、吐出の指示に基づいて、描画対象物に対して液滴の吐出を行う。(ステップS305)
なお、パターン描画の指示に含まれる情報は、パターン描画の内容ごとに、予めROM202に記憶されていてもよい。
上記プロセスP1は、CPU201が実行するプログラムに基づくパターン描画指示部211が担う処理、及びCPU131が実行するプログラムに基づく液滴吐出指示部141、XYZθステージ移動指示部142が担う処理の一例であり、各々の機能が担う処理を分割・分担して相互に補完するように実行してもよい。
上記プロセスP1に応じて、所定のパターン描画が行われる。そして、プロセスP1を行いながら、プロセスP2が行われる。
図16を用いて、プロセスP2の一例を説明する。プロセスP2は、ステップS306からステップS314で構成されるプロセスである。
制御装置2は、液滴吐出装置1が備えるCPU131に対してワークギャップ測定の指示を送信する。(ステップS306)具体的には、制御装置2が備えるCPU201を実行することにより実現する機能であるワークギャップ調整部212が、液滴吐出装置1が備えるCPU131に対してワークギャップ測定の指示を送信する。
CPU131は、ワークギャップ測定部107に対してワークギャップ測定の指示を送信する。(ステップS307)具体的には、CPU131を実行することにより実現する機能であるワークギャップ測定指示部144が、ワークギャップ測定部107に対してワークギャップ測定の指示を送信する。
ワークギャップ測定部107は、描画対象物401に向けて出力しているレーザ光に基づいて、ワークギャップの測定を行う。(ステップS308)ワークギャップの測定は、図12のフローチャートで示す処理に基づいて行われる。ワークギャップ測定部は、図12のフローチャートで示す処理を行うことにより、ワークギャップLを算出する。
ワークギャップ測定部107は、算出したワークギャップLをCPU131に送信する。(ステップS309)
CPU131は、ワークギャップLを制御装置2に送信する。(ステップS310)具体的には、CPU131を実行することにより実現する機能であるワークギャップ測定指示部144が、制御装置2に対してワークギャップLを送信する。制御装置2は、ワークギャップLを受信すると、ROM202に記憶されたプログラムをCPU201により実行することで、ワークギャップ調整部212を実現する
なお、ワークギャップLの送信は、図13で示すように、所定の時間間隔で行われる。所定の時間間隔は、ROM202に記憶されている。なお、所定の時間間隔は、ROM202に記憶せずに、制御装置2からの指示に基づくものであってもよい。
制御装置2は、ワークギャップLに基づいて、XYZθステージ102のZ軸方向に対する昇降動作を指示する駆動命令値を算出する。(ステップS311)具体的には、制御装置2が備えるCPU201を実行することにより実現する機能であるワークギャップ調整部212が、ワークギャップ測定部107から送信されたワークギャップLに基づいて、ワークギャップのずれを算出する。一例として、ワークギャップのずれは、ワークギャップLと所定の基準値との差分値である。ワークギャップ調整部212により算出された差分値に基づいて、制御装置2が備えるCPU201を実行することにより実現する機能であるステージ移動指示部213が、XYZθステージ102のZ軸方向に対する昇降動作を指示する駆動命令値を算出する。詳細な駆動命令値の算出方法については、前述の表1で示した通りである。
駆動命令値は、XYZθステージ102をZ軸方向へ昇降動作させるための座標値を含む。
なお、CPU201が実行するプログラムに基づいて、ワークギャップ調整部212およびステージ移動指示部213が担う処理を分割・分担して相互に補完するように実行してもよい。一例として、ワークギャップ調整部212が、駆動命令値を算出する処理を行なってもよく、ステージ移動指示部213が、ワークギャップのずれを算出してもよい。
制御装置2は、CPU131に対して算出した駆動命令値を送信する。(ステップS312)具体的には、制御装置2が備えるCPU201を実行することにより実現する機能であるステージ移動指示部213が、CPU131に対して算出した駆動命令値を送信する。CPU131は、駆動命令値を受信すると、ROM202に記憶されたプログラムを実行することで、XYZθステージ移動指示部142を実現する。
CPU131は、駆動命令値に基づいて、XYZθステージ102に対してZ軸方向への移動を指示する。(ステップS313)具体的には、CPU131を実行することにより実現するXYZθステージ移動指示部142が、駆動命令値に基づいて、XYZθステージ102に対してZ軸方向への移動を指示する。
XYZθステージ102は、駆動命令値に基づいて、Z軸ガイドレールに沿って昇降動作する。(ステップS314)
上記ステップS306からステップS314までのワークギャップの調整の処理(プロセスP2)は、図16で示すように、パターン描画中に繰り返し行われる。
したがって、ノズルヘッドユニット106からの液滴の吐出を行うとともに、XYZθステージ102のZ軸方向に対する昇降動作を行うことにより、パターン描画中においてもワークギャップの調整を行うことができるため、高精度な位置決めを行うことが可能となる。
また、本発明の液滴吐出システムを用いれば、ノズルヘッドユニット106の移動動作は行わず、XYZθステージ102のZ軸方向に対する昇降動作により、ワークギャップの調整を行うことができるため、パターン描画中にワークギャップの調整を行った場合においても、高精度な位置決めを行うことができる。
ここで、液滴吐出装置1のワークギャップの調整の前後の状態を説明する。
図17は、ワークギャップの調整前の液滴吐出装置1の状態の一例を説明した図である。詳細に説明を行うため、ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dを用いて測定したワークギャップLは、表1に示すNo.1の値と対応するものとする。ここで、ワークギャップの基準値を500μmとする。
図17において、ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dにより測定したワークギャップL1、L2、L3、L4の値は、それぞれL1=499.9603μm、L2=499.9847μm、L3=500.0015μm、L4=500.1373μmである。
図17に示すワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dにより測定されたワークギャップL1、L2、L3、L4と基準値(500μm)との差は、基準とするワークギャップとのずれを表している。この状態において、描画対象物401に対して液滴の吐出を行うと、液滴の着弾位置にずれが生じ、所定のパターン描画を行うことができない。
図18は、図17の状態から、ワークギャップの調整を行なった液滴吐出装置1の状態の一例を説明した図である。表1において、ノズルヘッドユニット106に含まれるワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dにより測定したワークギャップL1’L2’、L3’、L4’の値は、それぞれL1’=499.9393μm、L2’=499.9637μm、L3’=499.0805μm、L4’=500.1163μmである。
つまり、図18の液滴吐出装置1は、図17の液滴吐出装置1の状態からワークギャップの調整を行なったことにより、ワークギャップの値が基準値(500μm)に近づいている。
これは、図6で示したZ軸方向への移動機構を用いて、XYZθステージ102を昇降動作させることにより、ワークギャップを調整したためである。
具体的には、図18の液滴吐出装置1は、図17の液滴吐出装置1の状態からXYZθステージをZ軸方向に0.0210μm移動させたことにより、ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dにおいて測定したワークギャップL1’L2’、L3’、L4’を、ワークギャップの基準値(500μm)に近づけることできた。
このように、液滴吐出システムは、ワークギャップのずれが生じた場合においても、XYZθステージ102をZ軸方向に昇降動作させることにより、ワークギャップを調整することができる。このため、パターン描画中においてもワークギャップを適切に保つことができ、高精度な位置決めを行うことができる。
なお、図17と図18の説明において、ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dで測定したワークギャップL1’L2’、L3’、L4’と、ワークギャップの基準値との差分値を用いたワークギャップの調整について説明したが、ワークギャップの調整方法は、これに限定されない。例えば、ワークギャップ測定部107A、107B、107C、107Dで測定したワークギャップL1’L2’、L3’、L4’の平均値に基づいて、ワークギャップの調整を行う構成であってもよい。
以下、液滴吐出システムの実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図19は、ワークギャップの調整後の液滴吐出装置1において、パターン描画を行なった結果の一例を説明した図である。プリンテッドエレクトロニクスにおける積層構造を有する電子デバイスとしては、例えばTFT(薄膜トランジスタ)を用いる液晶ディスプレイを想定して実施した。また、上記実施例では液晶ディスプレイを想定して実施したが、これに限定されるものではなく、TFT(薄膜トランジスタ)を用いる電子デバイスとして、例えば有機ELディスプレイやエレクトロクロミックディスプレイでも良い。
実施例1では、図16に示すワークギャップの調整を実施した後の状態における液滴吐出システムを用いて、描画対象物401としてガラス基板に対して、液滴吐出装置1に装着したノズルヘッド301と液滴により液滴吐出を行なった。
図19A〜Eは、ノズルヘッドユニット106が備える複数のノズルプレートから液滴吐出を行なった際の、描画対象物に対する各々のノズルプレートからの液滴の着弾の様子を示す。以下、図19A〜Eに対応するノズルプレートをそれぞれノズルプレートA〜Eとする。
図19A〜E内の表に示す数値は、ノズルプレートA〜Eから吐出した液滴が、描画対象物に着弾した際の液滴の粒径を示す。ノズルプレートA〜Eから吐出した液滴の粒径の標準偏差は、0.50μmであった。この結果は、サブミクロンオーダーの精度が要求されるプリンタブルエレクトロニクス分野における電子デバイスの製造に対して、十分に適応可能な範囲である。
(比較例1)
図20は、ワークギャップの調整を行っていない液滴吐出装置1において、パターン描画を行なった結果の一例を説明した図である。ワークギャップの調整を行っていない以外は、実施例1と同様の条件でパターン描画を行なった。
比較例1では、ワークギャップの調整を行っていない液滴吐出装置1を用いて、描画対象物401としてガラス基板に対して、液滴吐出装置1に装着したノズルヘッド301と液滴により液滴吐出を行なった。
図20A〜Eは、ノズルヘッドユニット106が備える複数のノズルプレートから液滴吐出を行なった際の、各々のノズルプレートにおけるパターン描画の結果である。以下、図20A〜Eに対応するノズルプレートをそれぞれノズルプレートA〜Eとする。
図20A〜E内の表に示す数値は、ノズルプレートA〜Eから吐出した液滴が、描画対象物に着弾した際の液滴の粒径を示す。ノズルプレートA〜Eから吐出した液滴の粒径の標準偏差は、2.26μmであった。
実施例1と比較例1の結果より、ワークギャップの調整を行うことによって、液滴の着弾の乱れを防止し、高精度な位置決めを行うことができることが分かった。
このように、本発明に係る液滴吐出システムでは、液滴吐出装置1のワークギャップの調整を行なっているため、液滴の着弾位置の乱れを防止することができる。また、パターン描画中にワークギャップの調整を繰り返し行っているため、パターン描画中においてもワークギャップを適切に保つことができ、高精度な位置決めを行うことができる。
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、上記説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記実施形態や実施例等に記載した技術事項を適宜組み合わせたものであってもよい。
また、本発明を適用する液滴吐出装置が備えるノズルヘッドは、液滴の吐出機構を有する公知の全てのノズルヘッドを含むものである。例えば、液体(インク)を液滴にして吐出させるアクチュエータ手段の方式で述べると、本発明の一実施形態で述べた静電方式以外でも、ピエゾ方式等が挙げられ、これらのノズルヘッドを備えた場合においても、本発明の液滴吐出装置、及びワークギャップの調整方法を適用することができる。
本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに記載されるものではない。
1 液滴吐出装置
2 制御装置
101 定盤
102 XYZθステージ
103 吸着テーブル
104 ガントリ
105 ガントリZステージ
106 ノズルヘッドユニット
107(107A、107B、107C、107D) ワークギャップ測定部
108 カメラユニット
109 X軸ガイドレール
110 Y軸ガイドレール
111 X軸直線移動可能ステージ
112 Y軸直線移動可能ステージ
113 Z軸直線移動可能ステージ
114 除震台
130 制御部
131 CPU
132 ROM
133 RAM
134 通信インターフェース
141 液滴吐出指示部
142 XYZθステージ移動指示部
143 ガントリZステージ移動指示部
144 ワークギャップ測定指示部
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 ディスプレイ
205 キーボード
206 通信インターフェース
211 パターン描画指示部
212 ワークギャップ調整部
213 ステージ移動指示部
214 液滴吐出開始指示部
301 ノズルヘッド
401 描画対象物
501 第1の着弾位置
502 第2の着弾位置
601 リニアモータ
特開2010−179299号公報 特開2004−122112号公報

Claims (18)

  1. 液滴を吐出するノズルヘッドと、
    前記ノズルヘッドと前記ノズルヘッドから吐出された液滴を用いて所定のパターンが描画される対象物との間の距離を測定する測定部と、
    前記パターン描画中に、前記対象物を水平移動させ、前記測定部で測定された距離に基づいて前記対象物を昇降させる移動部と、を備えたことを特徴とする液滴吐出システム。
  2. 前記測定部は、
    前記パターン描画中に前記距離を測定し、
    前記移動部は、
    前記パターン描画中に、前記対象物を水平移動させ、前記パターン描画中に測定された前記距離に基づいて前記対象物を昇降させることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出システム。
  3. 前記移動部は、前記パターン描画中に、前記水平移動および前記昇降を繰り返し行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出システム。
  4. 前記移動部の前記水平移動および前記昇降を制御する制御部を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液滴吐出システム。
  5. 前記制御部は、
    前記測定部で測定された前記距離に基づいて、前記移動部の移動量を算出し、
    算出結果に基づいて、前記移動部の昇降を指示し、
    前記移動部の水平動作を指示し、
    前記昇降の指示と、前記水平動作の指示とを前記パターン描画中に行うことを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出システム。
  6. 前記制御部は、
    前記吐出を指示し、
    前記吐出の指示と、前記昇降の指示と、前記水平動作の指示とを前記パターン描画中に行うことを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出システム。
  7. 前記制御部は、
    前記測定部で測定された前記距離と、所定の基準値との差に基づいて、前記移動部を昇降させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液滴吐出システム。
  8. 前記測定部を複数備え、
    前記制御部は、
    前記複数の測定部で測定された前記距離と所定の基準値との差に基づいて、前記移動部を昇降させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液滴吐出システム。
  9. 前記制御部は、
    前記複数の測定部で測定された前記距離のうち、前記差が最大の値を、前記基準値に近づけるように前記移動部を昇降させることを特徴とする請求項8に記載の液滴吐出システム。
  10. 前記制御部は、
    前記差の平均値に基づいて、前記移動部の昇降を行うことを特徴とする請求項8または9に記載の液滴吐出システム。
  11. 前記複数の測定部に対応する基準値は、共通の値であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の液滴吐出システム。
  12. 前記複数の測定部に対応する基準値は、個別に定められた値であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の液滴吐出システム。
  13. 前記基準値は、所定の時間間隔で更新されることを特徴とする請求項7乃至12のいずれか1項に記載の液滴吐出システム。
  14. 前記測定部を複数備え、
    前記制御部は、
    前記複数の測定部で測定された前記距離の平均値に基づいて、前記移動部を昇降させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液滴吐出システム。
  15. 前記複数の測定部は、前記対象物の中心から間隔が等しく配置され、前記間隔が所定の距離以上であることを特徴とする請求項8乃至14のいずれか1項に記載の液滴吐出システム。
  16. 前記測定部による前記距離の測定は、レーザ光を用いて行われることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の液滴吐出システム。
  17. 対象物に対してノズルヘッドから吐出される液滴を用いて所定のパターンを描画するステップと、
    前記ノズルヘッドと前記対象物との間の距離を測定するステップと、
    前記パターンの描画中に、前記対象物を水平移動させ、前記測定した距離に基づいて前記対象物を昇降させるステップと、を備えたことを特徴とする位置調整方法。
  18. 情報処理装置に、
    対象物に対してノズルヘッドから吐出される液滴を用いて所定のパターンを描画するステップと、
    前記ノズルヘッドと前記対象物との間の距離を測定するステップと、
    前記パターン描画中に、前記対象物を水平移動させ、前記測定した距離に基づいて前記対象物を昇降させるステップと、を実行させるためのプログラム。
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