JP2016139950A - アレイアンテナ装置、通信装置およびアレイアンテナ構成方法 - Google Patents

アレイアンテナ装置、通信装置およびアレイアンテナ構成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 アレイアンテナ装置の小型化および周波数掃引によるビーム走査範囲の拡大を図る。【解決手段】 アレイアンテナ装置1は、複数のセル2が配列されている態様を備える。各セル2は、特性インピーダンスの異なる複数種の伝送線路3(3a,3b,3c)が電気的に直列接続されている線路群の態様を備えている。線路群は、曲がり部5を有する形状を備えている。セル2が配列している方向のセル2の幅の物理的な長さをセル幅dとした場合に、セル2の線路群が持つ電気的な長さである電気長は、セル幅d分の自由空間の電気長よりも長い。【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の放射素子が配列配置されているアレイアンテナの技術に関する。
アンテナには多数の種類が有り、その一種として、アレイアンテナがある。このアレイアンテナにも多数の種類が有り、その一種として、直列給電アレイアンテナがある。この直列給電アレイアンテナは、配列配置されている複数の放射素子と、それら放射素子を電気的に直列に接続する複数の給電線路とを有する配列構造を備えている。このような直列給電アレイアンテナにおいては、その配列構造の一端側に進行波(電流(信号))を供給することによって、各放射素子に進行波が供給され当該放射素子から電波(電磁波)が放射される。これら各放射素子からの電波は合成され、この合成波によりアレイアンテナ装置の送受信動作が行われる。このようなアレイアンテナ装置における電波(合成波)の放射パターンの主軸方向は、周波数掃引(電流の周波数変化)によって給電線路における位相(移相量)が変化することを利用して制御できることが知られている。
特許文献1において開示されているレーダ装置は、複数の放射素子と、それら放射素子を電気的に直列に接続する給電線路とを備えている。このレーダ装置では、給電線路はクランク状に引き回されている。このように給電線路をクランク状に引き回すことによって給電線路の電気的な長さ(電気長)が長くなる。このように、給電線路の電気長を長くすることにより、レーダ装置は、周波数掃引によるビーム走査範囲(放射パターンの主軸方向の可変範囲)を広くできる。
特許文献1では、給電線路において、放射素子と接続している部位(素子給電部)間における物理的な長さ(線路長)は次のように設計されている。
ここで、電流が供給される給電線路の一端側を給電端というものとする。また、給電線路に接続されている複数の放射素子のうち、給電端に電気的に最も近い放射素子を1番目の放射素子とし、その次に給電端に電気的に近い放射素子を2番目の放射素子とするというように、給電端側から放射素子に番号が付されているとする。さらに、給電線路に供給される電流の周波数が周波数f0である場合に、1番目の放射素子が給電線路に接続している素子給電部Pでの電流の位相を基準位相とし、k番目の放射素子の素子給電部における電流の位相をP(k)とする。k番目の放射素子の特性に基づく電流の移相量(位相遅延量)をPe(k)とする。k番目の放射素子の素子給電部とk+1番目の放射素子の素子給電部との間の給電線路の電気長に基づく移相量をPl(k)とする。
このような場合に、k番目とk+1番目の放射素子の素子給電部間における電流の位相差ΔPは、数式(1)のように書き表すことができる。
Figure 2016139950
この位相差ΔPが2nπ[rad](nは自然数)である場合に、アレイアンテナの放射効率を高めることができる。このことから、位相差ΔPが2nπ[rad]となるように、k番目とk+1番目の放射素子の素子給電部間の給電線路の線路長DLが設計される。つまり、位相差ΔPが2nπ[rad]となるための線路長DLは、数式(2)により求めることができる。なお、数式(2)におけるλgは、周波数f0の電流における波長を表している。
Figure 2016139950
なお、特許文献2には、アンテナとして機能する放射素子の形状がミアンダ形状である構成が開示されている。特許文献3には、デュアルバンドアンテナの構成が開示されており、そのデュアルバンドアンテナを構成する放射素子として、ミアンダ形状の放射素子が開示されている。
特許第4858559号公報 国際公開第WO2007/010675号 国際公開第WO2014/064786号
特許文献1に開示されている上記のような給電線路の線路長等の設計手法では、給電線路と放射素子とのインピーダンス整合が考慮されていない。このため、特許文献1に開示されている設計手法を利用すると、周波数によっては、給電線路と放射素子とがインピーダンス整合していない状態になってしまう場合がある。アレイアンテナでは、給電線路と放射素子とが電気的に周期的に配列されていることから、そのようなインピーダンス不整合の状態になると、Bragg反射に因るストップバンドが発生してしまう。このストップバンドでは、アレイアンテナは、電波を放射しにくくなるために、周波数によっては、アンテナとして動作できなくなるという事態が発生する。このことに起因して、特許文献1に開示されているアレイアンテナにおいては、周波数掃引によるビーム走査範囲を広げることが難しいという問題がある。
本発明は上記課題を解決するために成された。すなわち、本発明の主な目的は、小型化、および、周波数掃引によるビーム走査範囲の拡大が容易な直列給電アレイアンテナに関する技術を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のアレイアンテナ装置は、
異なる特性インピーダンスを持つ複数種の伝送線路が電気的に直列接続され前記伝送線路のうちの特性インピーダンスの低い前記伝送線路が放射素子として機能する線路群により構成されるセルを複数有し、これらセルは、電気的に直列接続されている態様でもって配列されており、
前記セルにおける前記線路群は、曲がり部を有する形状を備え、
前記セルが配列している方向の前記セルの幅の物理的な長さをセル幅dとした場合に、前記セルの前記線路群が持つ電気的な長さである電気長は、前記セル幅d分の自由空間の電気長よりも長い特性を持つ。
本発明の通信装置は、
本発明のアレイアンテナ装置と、
当該アレイアンテナ装置に電流を供給する給電源である無線回路と
を備える。
本発明のアレイアンテナ構成方法は、
異なる特性インピーダンスを持つ複数種の伝送線路が電気的に直列接続されている線路群により構成される複数のセルを、電気的に直列接続されている態様でもって配列形成し、
前記セルが配列している方向の前記セルの幅の物理的な長さをセル幅dとした場合に、前記セルの前記線路群が持つ電気的な長さである電気長は、前記セル幅d分の自由空間の電気長よりも長くなるように、前記セルにおける前記線路群を、曲がり部を有する形状に形成する。
本発明によれば、直列給電アレイアンテナ装置において、小型化、および、周波数掃引によるビーム走査範囲の拡大を容易にする。
本発明に係る第1実施形態のアレイアンテナ装置の構成を説明する図である。 本発明に係る第2実施形態のアレイアンテナ装置の構成を模式的に表す斜視図である。 第2実施形態のアレイアンテナ装置を構成するセル(線路群)の分散関係の一例を表すグラフである。 第2実施形態のアレイアンテナ装置を構成するセル(線路群)の放射効率と周波数との関係例を表すグラフである。 第2実施形態のアレイアンテナ装置におけるビーム走査範囲の一例を表す図である。 本発明に係る第3実施形態のアレイアンテナ装置の構成を模式的に表すモデル図である。 本発明に係る第4実施形態のアレイアンテナ装置の構成を説明する図である。 本発明に係る第5実施形態のアレイアンテナ装置の構成を説明する図である。 本発明に係る第6実施形態のアレイアンテナ装置の構成を説明する図である。 本発明に係るその他の実施形態のアレイアンテナ装置を説明する図である。 本発明に係るさらに別のその他の実施形態のアレイアンテナ装置を説明する図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1(a)は、本発明に係る第1実施形態のアレイアンテナ装置の構成を簡略化して表すモデル図である。この第1実施形態のアレイアンテナ装置1は、直列給電タイプのアレイアンテナ装置である。このアレイアンテナ装置1は、複数のセル2を有している。各セル2は、複数の伝送線路3(3a,3b,3c)が電気的に直列接続されている線路群の態様を備えている。各セル2を構成する伝送線路3(3a,3b,3c)は開放系の線路である。また、伝送線路3b,3cの特性インピーダンスは等しい、あるいは、ほぼ等しい。伝送線路3aの特性インピーダンスは、伝送線路3b,3cの特性インピーダンスよりも低い。換言すれば、接続されている伝送線路3a,3bの特性インピーダンスは互いに異なり、また、接続されている伝送線路3a,3cの特性インピーダンスも互いに異なっている。
このように特性インピーダンスが異なる複数種の伝送線路3が接続されていることにより、セル2は、電流が特性インピーダンスの低い伝送線路から特性インピーダンスの高い伝送線路に流れ込む線路接続部を有する。この線路接続部において、電流の一部が反射し、これによる電波(電磁波)の放射が発生する。つまり、この第1実施形態では、各セル2における特性インピーダンスの低い伝送線路3aは、電波(電磁波)を放射する放射素子として機能する。
この第1実施形態のアレイアンテナ装置1は、放射素子として機能する伝送線路3aを有する複数のセル2が電気的に直列接続されている。このように複数のセル2が配列されているセル列の一端側Sは、電流を供給する給電源(無線回路(高周波回路))7に接続されている。また、セル列の他端側Eは、例えば、終端抵抗8に接続されている。
給電源7からアレイアンテナ装置1(セル列)に電流(進行波)が供給されることにより、放射素子としての各伝送線路3aから電波が放射される。各伝送線路3aから放射された電波は合成され、この合成波により、アレイアンテナ装置1はアンテナとしての機能を実現することができる。また、各セル2の伝送線路3aは伝送線路3b,3cを介して直列接続されていることにより、各伝送線路3aに通電している電流(進行波)に位相差が生じる。この位相差を周波数掃引によって変化させることにより、前記合成波の進行方向(換言すれば、放射ビームの主軸方向)が変化(走査)する。
この第1実施形態では、各セル2の線路群(伝送線路3a,3b,3c)は、曲がり部5を有する形状と成している。これにより、この第1実施形態のアレイアンテナ装置1は、次のような特性を備えている。すなわち、ここでは、セル2が配列している方向Xのセル2の幅の物理的な長さをセル幅dとする。また、セル2の線路群(伝送線路3a,3b,3c)の一端から他端までの線路の電気的な長さ(電気長)をLeとする。さらに、電磁波がセル幅d分の自由空間を進んだ場合におけるセル幅d分の自由空間の電気長をLoとする。
この第1実施形態では、セル2の線路群の電気長Leは、セル幅d分の自由空間の電気長Loよりも長い(Le>Lo)。
この第1実施形態のアレイアンテナ装置1は、上記のように、セル2の線路群が曲がり部を有する形状を備えていることによって、各セル2の線路群の電気長Leを短くすることなく、各セル2の小型化を図ることができる。これにより、アレイアンテナ装置1は、大型化することなく、配列するセル2の数を増加することができる。つまり、アレイアンテナ装置1は、放射素子(伝送線路3a)を増加することができるので、放射効率の向上を図ることができる。
また、第1実施形態のアレイアンテナ装置1においては、前記の如く、各セル2の線路群が曲がり部を有する形状と成し、各セル2は、線路群の電気長Leがセル幅d分の自由空間の電気長Loよりも長い(Le>Lo)という特性を備えている。このように、セル2の線路群は、電気長Loよりも長い電気長Leを備えていることから、アレイアンテナ装置1は、その電気長Leが関与する、周波数の変化に対する放射ビームの主軸方向の変化を大きくできる。すなわち、アレイアンテナ装置1は、ビーム走査範囲(放射ビームの主軸方向の可変範囲)の拡大を図ることができる。
このようなアレイアンテナ装置1は、例えば、図1(b)に表されているように、給電源である無線回路(高周波回路)7を備える通信装置4に組み込まれ当該通信装置4を構成する。第1実施形態のアレイアンテナ装置1を組み込んだ通信装置4は、上記のようなアレイアンテナ装置1の放射効率向上とビーム走査範囲の拡大によって、通信性能の向上を図ることができる。
<第2実施形態>
以下に、本発明に係る第2実施形態を説明する。なお、この第2実施形態の説明において、第1実施形態のアレイアンテナ装置を構成する構成部分と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
図2は、本発明に係る第2実施形態のアレイアンテナ装置の構成を簡略化して表す斜視図である。
この第2実施形態のアレイアンテナ装置1は、第1実施形態のアレイアンテナ装置1と基本構成が同様な直列給電アレイアンテナ装置であり、第1実施形態における伝送線路3と同様な伝送線路3を有している。すなわち、第2実施形態のアレイアンテナ装置1は、特性インピーダンスの異なる複数種の伝送線路3(3a,3b,3c)を有する線路群を備えた複数のセル2が電気的に直列接続されている構成を備えている。換言すれば、複数のセル2は、伝送線路3による電流(進行波)の位相遅延量が周期的となるように一列に並べられた配列構造を構成している。
この第2実施形態では、伝送線路3(3a,3b,3c)は、基体(誘電体基体)10に形成されたマイクロストリップ線路により構成されている。
また、この第2実施形態では、各セル2において、伝送線路3aの電気長Laと、特性インピーダンスが同様な伝送線路3b,3cの合計の電気長Lbとは、仕様等により定められている使用周波数帯において、数式(3)を満たすように設計されている。
Figure 2016139950
なお、数式(3)におけるβ1は、伝送線路3aに関する、物理的な単位長さ当たりの線路による電流(進行波)の位相遅延量を表す位相定数を示している。β2は、伝送線路3b,3cに関する、物理的な単位長さ当たりの線路による電流(進行波)の位相遅延量を表す位相定数を示している。また、l1は、伝送線路3aの線路長(物理的な長さ)を表し、l2は、伝送線路3b,3cの合計の線路長(物理的な長さ)を表している。
伝送線路3(3a,3b,3c)が数式(3)を満たすように設計されることによって、伝送線路3a,3b,3cが接続している部分におけるインピーダンス整合条件が満たされることとなる。これにより、アレイアンテナ装置1は、特性インピーダンスの高い伝送線路3bから特性インピーダンスの低い伝送線路3aに電流が流れる線路接続部分での電流(進行波)の反射を抑制できる。これにより、伝送線路3を通電している電流(進行波)が無用に減衰することが抑制され、当該電流は、効率良く終端抵抗8までアレイアンテナ装置1を通電できる。
この第2実施形態では、アレイアンテナ装置1は、上記したような条件を満たすだけでなく、以下に説明するような条件をも満たすように設計される。
ここで、直列給電アレイアンテナ装置の特性を説明するパラメータについて説明する。
この第2実施形態におけるアンテナ構造のような周期的な構造における電磁波の特性は、Floquetの定理(固体物理学ではBlochの定理とも呼ばれる)に基づくと、数式(4)のように表すことができる。この数式(4)は、周期間隔(つまり、セル2におけるセル幅)dでもって周期的に配列された複数のセル2のうち、給電源7側からn番目のセル2における電圧Vnと電流Inを表す式である。
Figure 2016139950
なお、数式(4)において、Vnは、給電源7側からn番目のセル2における電圧を表し、Inは、給電源7側からn番目のセル2における電流を表している。Vn+1は、給電源7側からn+1番目のセル2における電圧を表し、In+1は、給電源7側からn+1番目のセル2における電流を表している。行列[A,B,C,D]は伝送行列(F((Fundamental)行列)を表している。さらに、γは伝搬定数を表している。dはセル2の配列間隔(セル幅)を表している。
数式(4)における電圧Vnと電流Inが解を持つためには、数式(5)が成立する必要がある。
Figure 2016139950
数式(5)を利用することにより、伝搬定数γについて、数式(6)に表されるような分散関係が得られる。
Figure 2016139950
数式(6)におけるdはセル2の配列間隔(セル幅)を表している。αは電流(進行波)の減衰項を表す減衰定数を表している。βは位相定数を表している。減衰定数αと位相定数βは、電流(進行波)の周波数に依存する値であり、アレイアンテナ装置1のアンテナ特性に大きく関与する値である。
つまり、減衰定数αが大きい場合には、電流(進行波)が伝送線路3を給電源7側から終端抵抗8側に伝搬していく際の電流の減衰量が大きい、つまり、電流(進行波)は効率良く伝搬されない。これにより、伝送線路3a(換言すれば、アレイアンテナ装置1)から放射される電波が弱くなる。このことを考慮すると、減衰定数αは、アレイアンテナ装置1における使用周波数帯において、小さいことが好ましい。なお、減数定数αが大きい値となる周波数帯は、ストップバンドあるいは禁止帯あるいは禁制帯などと呼ばれる。
数式(3)、(6)を利用することにより、伝搬定数γに関する数式(7)が得られる。この数式(7)は、アレイアンテナ装置1における分散関係を表している。
Figure 2016139950
なお、数式(7)におけるZ1は、伝送線路3aにおける特性インピーダンスを表し、Z2は、伝送線路3b,3cにおける特性インピーダンスを表している。
アレイアンテナ装置1において、減衰定数α(伝搬定数γ)を低減するための条件は、数式(6)、(7)を参照すると、数式(3)を満たすという条件である。この第2実施形態では、前記の如く、数式(3)を満たすように伝送線路3が設計されることから、減衰定数αが低減され、アレイアンテナ装置1は、放射効率を高めることができる。
ところで、アレイアンテナ装置1における放射ビームの主軸方向は、伝送線路3が形成されている基体10の上面に直交する方向に対する角度θを利用して表すと、数式(8)のようにセル2における位相定数βを用いて表すことができる。
Figure 2016139950
なお、数式(8)におけるlは、セル2における線路群(伝送線路3a,3b,3c)の一端から他端までの線路の物理的な長さを表している。dはセル2のセル幅を表している。k0はセル幅dにおける自由空間での電波の波数を表している。
すなわち、アレイアンテナ装置1が電波を放射するためには、数式(8)が成立する必要があり、このためには、|β|<k0という条件を満たす必要がある。また、位相定数βは、各セル2の線路群の線路長によって可変調整できる。具体的には、セル2における線路群の線路長が長くなるに従って、位相定数βは、周波数の変化に対する変化が大きくなる。さらに、数式(8)に基づくと、周波数の変化に対する位相定数βの変化が大きくなるに従って、放射ビームの主軸方向θを大きく可変できる。これらのことを考慮すると、放射ビームの主軸方向θの可変範囲を広くするためには、アレイアンテナ装置1は、セル2における線路群の線路長を長くすることが好ましい。
この第2実施形態では、セル2の線路群は、線路長が関与するセル2の線路群の電気長を利用した次のような条件を満たすように設計される。その条件の一つは、第1実施形態の説明でも述べた条件であり、アレイアンテナ装置1の使用周波数帯において、セル2の線路群の電気長Leは、セル幅d分の自由空間の電気長Loよりも長い(Le>Lo)という条件である。さらに、別の条件として、伝送線路3aの電気長Laは、伝送線路3b,3cの合計の電気長Lbと等しい、あるいは、ほぼ等しいという条件もある。
この第2実施形態におけるアレイアンテナ装置1は、上記のように構成されており、例えば、図3、図4および図5に表されるような特性を持つことができる。すなわち、図3は、各セル2における伝送線路3に通電する電流(進行波)の周波数と、伝送線路3における分散関係との関係例を表すグラフである。この図3におけるグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は分散関係に応じた数値を表している。また、図3における鎖線Aは、αl/π(=α×l÷π)に関する分散関係を表し、点線Bは、βl/π(=β×l÷π)に関する分散関係を表し、実線Cは、k0l/π(=k0×l÷π)に関する分散関係を表している。なお、αは減衰定数を表し、βは位相定数を表し、lはセル2の線路群の線路長を表し、k0はセル幅dにおける自由空間での電波の波数を表している。
この第2実施形態では、前記の如く、各セル2における伝送線路3aの電気長Laと、伝送線路3b,3cの合計の電気長Lbとは同じ、あるいは、ほぼ同じであり、これら電気長La,Lbは、円周率πの自然数の倍数である。図3に表されているハッチング領域は、その伝送線路3における電気長の条件を満たす周波数帯を表し、アレイアンテナ装置1は、そのハッチング領域の周波数帯において、アンテナ動作を行うことができる。図3に表されているように、アレイアンテナ装置1は、複数の周波数帯においてアンテナ動作を行うことができる。
図4は、第2実施形態のアレイアンテナ装置1における放射特性を表すグラフである。この図4のグラフにおける縦軸は放射効率を表し、横軸は周波数を表している。また、図4におけるハッチング領域は、図3に表されているハッチング領域と同じ周波数帯(つまり、アレイアンテナ装置1がアンテナ動作を行う周波数帯)を表している。図4に表されているように、アレイアンテナ装置1の放射効率が高くなっている周波数帯は、アンテナ動作に使用される周波数帯である。換言すれば、第2実施形態のアレイアンテナ装置1は、アンテナ動作に使用する周波数帯において、放射効率を高めることができる。なお、放射効率は、周波数が高くなるほど、相対的にアンテナの実効開口面積が広くなるために高くなる傾向がある。
図5は、アレイアンテナ装置1における指向性(放射ビームの主軸方向)を表す図である。図5における円形グラフの外周に付されている数値は角度θを表し、この角度θは、図2に表されている角度θに相当している。この図5における点線Aは伝送線路3に通電している電流(進行波)の周波数が817MHzである場合における指向性を表している。点線Bは伝送線路3に通電している電流(進行波)の周波数が846MHzである場合における指向性を表している。点線Cは伝送線路3に通電している電流(進行波)の周波数が874MHzである場合における指向性を表している。点線Dは伝送線路3に通電している電流(進行波)の周波数が903MHzである場合における指向性を表している。点線Eは伝送線路3に通電している電流(進行波)の周波数が946MHzである場合における指向性を表している。点線Fは伝送線路3に通電している電流(進行波)の周波数が974MHzである場合における指向性を表している。実線Gは伝送線路3に通電している電流(進行波)の周波数が1003MHzである場合における指向性を表している。
図5に表されているように、通電する電流の周波数を817MHzから1003MHzにかけて掃引した場合に、アレイアンテナ装置1における放射ビームの主軸方向は、−50°から+40°の角度範囲に亘って変化する。このように、この第2実施形態のアレイアンテナ装置1は、周波数掃引によって、広い角度範囲でもって放射ビームの主軸方向を変化できる。
この第2実施形態のアレイアンテナ装置1は、上記のように、小型化、および、周波数掃引によるビーム走査範囲の拡大を容易に図ることができるという効果を得ることができる。
また、この第2実施形態では、伝送線路3aの曲がり部5は、角度を持つ角部ではなく、曲率を持つ円弧状と成している。この構成は、その曲がり部5での不要な放射を抑制できる。すなわち、伝送線路3aのように、線路幅が広い線路においては、電流(進行波)の周波数が高くなるにつれて線路の曲がり部でのインピーダンス不連続性が顕著になる。このため、伝送線路3aの曲がり部が例えば鋭角を持つ角部であるような曲がりがきつい角部である場合には、電流(進行波)の周波数が高い場合に、その曲がり部でインピーダンス不整合が生じ、これにより電流の不要な放射が生じる可能性がある。これに対し、この第2実施形態では、伝送線路3aの曲がり部は、円弧状であり、曲がりが緩やかであることから、そのような電流の不要な放射を抑制できる。このことは、放射効率の向上に寄与するものである。
さらに、この第2実施形態では、伝送線路3はマイクロストリップ線路により構成されている。これにより、伝送線路3は、誘電体基体10の誘電率に起因して電気長を長くすることができる。
<第3実施形態>
以下に、本発明に係る第3実施形態を説明する。なお、この第3実施形態の説明において、第1や第2の実施形態のアレイアンテナ装置における構成部分と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
図6は、第3実施形態のアレイアンテナ装置における伝送線路の一部を抜き出し簡略化して表すモデル図である。この第3実施形態では、各セル2は、電気長の異なる複数の伝送線路3を含む複数の組12(12A,12B)を有している。図6の例では、電気長の異なる複数の伝送線路3A1,3A2,3A3によって、組12Aが構成されている。また、電気長の異なる複数の伝送線路3B1,3B2,3B3によって、組12Bが構成されている。さらに、組12Aにおける伝送線路3A1,3A2,3A3の特性インピーダンスは、組12Bにおける伝送線路3B1,3B2,3B3の特性インピーダンスよりも低くなるように設計されている。
この第3実施形態では、上記のような複数の組12A,12Bを持つセル2が配列配置されている。つまり、組12A,12Bが交互に配列配置されている。この第3実施形態では、電気的に隣り合う組12A,12Bは、スイッチ回路13を介して電気的に接続される。スイッチ回路13は、電気的に隣り合う組12の一方を構成する複数の伝送線路3のうちの選択された1本を、他方の組12の選択された1本の伝送線路3に電気的に直列接続する回路構成を有する。かつ、スイッチ回路13は、直列接続する伝送線路3の組み合わせを切り換える回路構成を備えている。このスイッチ回路13の切り換え動作は、例えば、アレイアンテナ装置1が組み込まれる通信装置4の制御装置(図示せず)によって制御される。
なお、給電源7に最も近い組12Bの伝送線路3は、スイッチ回路14を介して給電源7に電気的に接続される。また、終端抵抗8に最も近い組12Aの伝送線路3は、スイッチ回路15を介して終端抵抗8に電気的に接続される。スイッチ回路14,15は、組12A,12Bの複数の伝送線路3のうちの選択された1本を給電源7あるいは終端抵抗8に電気的に切り換え接続する回路構成を備えている。これらスイッチ回路14,15の切り換え動作は、スイッチ回路13と同様に、例えば、アレイアンテナ装置1が組み込まれる通信装置4の制御装置(図示せず)によって制御される。
なお、この第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、接続する組12A,12Bの伝送線路3は、同じ電気長を持つことが好ましい。このため、スイッチ回路13は、組12A,12Bの同じ電気長を持つ伝送線路3同士が電気的に接続するように切り換え動作が制御される。なお、このようにスイッチ回路13の切り換え動作が制御されることによって、各セル2の位相遅延量が同様になる。
この第3実施形態のアレイアンテナ装置1における上記以外の構成は、第1又は第2の実施形態のアレイアンテナ装置1の構成と同様であり、ここでは、その重複説明は省略する。
この第3実施形態のアレイアンテナ装置1においても、第1又は第2の実施形態と同様の構成を備えていることから、第1又は第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。つまり、第3実施形態においても、各伝送線路3(3A1,3A2,3A3,3B1,3B2,3B3)は、円周率πの自然数倍の電気長を持つように設計されている。また、伝送線路3A1,3A2,3A3のうちの選択された1本と、伝送線路3B1,3B2,3B3のうちの選択された1本とがスイッチ回路13によって電気的に直列接続されることによって、セル2における線路群が構成される。各セル2の線路群は、曲がり部を有する形状と成しており、当該線路群が持つ電気長Leは、セル幅d分の自由空間の電気長Loよりも長い(Le>Lo)という条件を満たすように設計されている。このような構成を備えていることにより、第3実施形態のアレイアンテナ装置1は、小型化、および、周波数掃引によるビーム走査範囲の拡大を容易に図ることができるという効果を得ることができる。
さらに、この第3実施形態のアレイアンテナ装置1は、複数の伝送線路3の中から選択された伝送線路3にスイッチ回路によって電流が通電するように、電流経路(線路群の電気長)の切り換えが可能な構成を備えている。これにより、第3実施形態のアレイアンテナ装置1は、各セル2における線路群の位相定数を可変制御することが容易となる。また、アレイアンテナ装置1は、送受信が可能な電波の周波数帯を増加することが容易となる。
<第4実施形態>
以下に、本発明に係る第4実施形態を説明する。なお、この第4実施形態の説明において、第1〜第3の各実施形態のアレイアンテナ装置の構成部分と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
図7は、第4実施形態のアレイアンテナ装置の構成を簡略化して表すモデル図である。なお、第4実施形態のアレイアンテナ装置1においても、セル2は、第1〜第3の実施形態で述べたと同様に、複数の伝送線路3が接続されている線路群を備えているが、図7では、伝送線路3の図示が省略されている。
この第4実施形態では、アレイアンテナ装置1は、複数のセル2が配列配置されている複数のセル列18を備えている。これらセル列18は、例えば、並設されている。具体的には、例えば、複数のセル列18は、セル2の配列方向Xに直交する方向Yに配列配置されている。
さらに、アレイアンテナ装置1は、電力分配回路(例えば電力分配器)16と、移相回路(例えば移相器)17とを備えている。電力分配回路16は、給電源17から供給される電流(進行波)を各セル列18に分配供給する回路構成を備えている。移相回路17は、電力分配回路16から各セル列18にそれぞれ電流を供給する分岐通路19にそれぞれ介設されている。各移相回路17は、各セル列18に供給する電流の位相を可変調整することが可能な回路構成を備えている。各移相回路17は、例えば、アレイアンテナ装置1が組み込まれる通信装置4の制御装置(図示せず)によって制御されることによって、セル列18に供給する電流の位相を可変制御する。
この第4実施形態のアレイアンテナ装置1における上記以外の構成は第1又は第2又は第3の実施形態のアレイアンテナ装置1の構成と同様であり、ここでは、その説明は省略する。この第4実施形態のアレイアンテナ装置1は、第1又は第2又は第3の実施形態のアレイアンテナ装置1と同様な構成を備えている。このため、第4実施形態のアレイアンテナ装置1は、第1〜第3の実施形態と同様に、小型化、および、周波数掃引によるビーム走査範囲の拡大を容易に図ることができるという効果を得ることができる。
さらに、この第4実施形態のアレイアンテナ装置1は、複数のセル列18が配列配置され、移相回路17によって、各セル列18に供給される電流の位相を可変可能な構成を備えている。このため、第4実施形態のアレイアンテナ装置1は、ビーム走査範囲をより広げることができる。すなわち、セル2が配列している方向をX方向とし、セル列18が配列している方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向とする。第4実施形態のアレイアンテナ装置1は、X方向およびZ方向に平行なXZ平面における角度θの方向に放射ビームを走査できるだけでなく、Y方向およびZ方向に平行なYZ平面においても、放射ビームの主軸方向を走査できる。
なお、この第4実施形態では、アレイアンテナ装置1は、電力分配回路16と位相回路17を備えているが、アレイアンテナ装置1は、それら電力分配回路16と位相回路17を含まず、当該電力分配回路16と位相回路17は通信装置4に設けられていてもよい。
<第5実施形態>
以下に、本発明に係る第5実施形態を説明する。なお、この第5実施形態の説明において、第1〜第4の実施形態のアレイアンテナ装置の構成部分と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
図8は、第5実施形態のアレイアンテナ装置を構成する伝送線路3を抜き出して簡略化して表すモデル図である。この第5実施形態のアレイアンテナ装置1は、第1〜第4の何れかの実施形態の構成に加えて、放射素子20を備えている。放射素子20は、伝送線路3とは異なる態様の放射素子であり、各セル2における伝送線路3の接続部に電気的に接続されている。具体的には、放射素子20は,特性インピーダンスの高い伝送線路3b(3B1,3B2,3B3)から特性インピーダンスの低い伝送線路3a(3A1,3A2,3A3)に電流が流れ込む線路接続部分に電気的に接続されている。
この第5実施形態のアレイアンテナ装置1は、第1〜第4の実施形態と同様の構成を備えていることによって、第1〜第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、各セル2において、放射素子20が電気的に接続されているので、第5実施形態のアレイアンテナ装置1は、各セル2における放射効率をより高めることができる。
なお、第3実施形態のように、伝送線路3間にスイッチ回路13が介設されている場合には、例えば、そのスイッチ回路13において、接続対象として選択された伝送線路3間を電気的に接続する経路に、放射素子20を接続する構成を備える。
<第6実施形態>
以下に、本発明に係る第6実施形態を説明する。なお、この第6実施形態の説明において、第1〜第5の実施形態のアレイアンテナ装置の構成部分と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
第1〜第5の各実施形態では、各セル2を構成する線路群は、特性インピーダンスの異なる2種類の伝送線路3が電気的に直列接続されている態様を備えている。これに対し、この第6実施形態では、各セル2を構成する線路群は、特性インピーダンスの異なる3種類以上の伝送線路3が電気的に直列接続されている態様を備えている。図9は、そのようなセル2における線路群の一例を表すモデル図である。図9の例では、各セル2を構成する線路群は、特性インピーダンスの異なる5種類の伝送線路3(3r,3s,3t,3u,3v)が直列接続されている態様を備えている。この例では、各伝送線路3の特性インピーダンスは、伝送線路3r,3s,3t,3u,3vの順に高くなっている。
これら各伝送線路3に関しても、第1〜第5の各実施形態における伝送線路3と同様に、各伝送線路3の電気長は、アレイアンテナ装置1における使用周波数帯において、円周率πの自然数の倍数となっている。また、各セル2を構成する伝送線路3の線路群(3r,3s,3t,3u,3v)は、曲がり部を有する形状と成し、当該線路群の電気長Leは、セル幅d分の自由空間の電気長Loよりも長い(Le>Lo)という条件を満たすように設計されている。
この第6実施形態のアレイアンテナ装置1においても、第1〜第5の各実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、各セル2において、第1〜第5の実施形態よりも、特性インピーダンスの異なる伝送線路3の接続部(つまり、電波の放射部分)の数が増加することから、アレイアンテナ装置1の放射効率を高めることができる。さらに、各セル2の線路群が特性インピーダンスの異なる3種類以上の伝送線路3を有する構成は、特性インピーダンスの種類が増加することにより、設計の自由度を高くすることができる。
<その他の実施形態>
なお、本発明は第1〜第6の各実施形態に限定されず、様々な実施の形態を採り得る。例えば、第1〜第6の各実施形態では、各セル2を構成する線路群の曲がり部5は、曲率を持つ円弧状である。これに対し、各セル2を構成する線路群の曲がり部5の少なくとも一つは、角度を持つ角部であってもよい。図10は、セル2を構成する線路群が曲がり部5として角部24を持つ態様の一例が表されている。このように、セル2を構成する線路群が曲がり部5として角部24を持つ態様である場合には、その角部24がインピーダンス不連続部分となって不要な放射が発生することを防止するために、角部24は、次のような角度条件を満たしている。すなわち、角部24は、135°以上、かつ、180°以下の角度範囲内の角度p,qを持つ鈍角となるように設計される。
また、前述した各実施形態では、セル2の配列の終端は終端抵抗8に接続されている。これに対し、セル2の配列の終端は、例えば、図11(a)に表されるように、開放端であってもよい。または、セル2の配列の終端は、例えば、図11(b)に表されるように、リアクタンス22に接続されてもよい。さらに、セル2の配列の終端は、例えば、図11(c)に表されるように、基準電位を持つグラウンドに接地(短絡)されてもよい。これらのように、セル2の配列の終端を開放端とする、あるいは、リアクタンスやグラウンドに接続する構成とすることにより、アレイアンテナ装置1に定在波給電を行うことができるため、より放射効率を高めることができる。
1 アレイアンテナ装置
2 セル
3 伝送線路
5 曲がり部
10 基体
18 セル列
20 放射素子

Claims (10)

  1. 異なる特性インピーダンスを持つ複数種の伝送線路が電気的に直列接続され前記伝送線路のうちの特性インピーダンスの低い前記伝送線路が放射素子として機能する線路群により構成されるセルを複数有し、これらセルは、電気的に直列接続されている態様でもって配列されており、
    前記セルにおける前記線路群は、曲がり部を有する形状を備え、
    前記セルが配列している方向の前記セルの幅の物理的な長さをセル幅dとした場合に、前記セルの前記線路群が持つ電気的な長さである電気長は、前記セル幅d分の自由空間の電気長よりも長い特性を持つアレイアンテナ装置。
  2. 前記セルを構成する前記各種の伝送線路の電気長は、それぞれ、設定の使用周波数帯において、円周率πの自然数倍である請求項1記載のアレイアンテナ装置。
  3. 前記伝送線路は、マイクロストリップ線路により構成されている請求項1又は請求項2記載のアレイアンテナ装置。
  4. 前記セルを構成する複数種の前記伝送線路のうちの最も特性インピーダンスの低い前記伝送線路は前記曲がり部を有し、当該曲がり部は、曲率を有する円弧状であるか、あるいは、角度を持つ角部であり、当該曲がり部が角部である場合には、当該角部は、135°以上、かつ、180°以下の角度範囲内の角度を持つ鈍角である請求項1又は請求項2又は請求項3記載のアレイアンテナ装置。
  5. 前記セルは、電気長の異なる複数本の前記伝送線路を含む組を複数備え、これら組は、互いに特性インピーダンスが異なり、かつ、スイッチ回路を介して電気的に直列に配列されており、
    前記スイッチ回路は、電気的に隣り合う前記組の一方を構成する複数本の前記伝送線路のうちの選択された1本の前記伝送線路と、隣り合う前記組の他方を構成する複数本の前記伝送線路のうちの選択された1本の前記伝送線路とを電気的に接続すると共に、それら接続する前記伝送線路の組み合わせを切り換える回路構成を備えている請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載のアレイアンテナ装置。
  6. 前記セルが配列されているセル列の一端側は、電流を供給する給電源に電気的に接続され、前記セル列の他端側は、開放端であるか、あるいは、終端抵抗に電気的に接続されるか、あるいは、リアクタンスに電気的に接続されるか、あるいは、グラウンドに短絡される請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載のアレイアンテナ装置。
  7. 前記セルが配列されているセル列が複数並設されており、それら各セル列は、電流の位相遅延量を可変調整する別々の移相回路を通して共通の給電源に電気的に接続される請求項1乃至請求項6の何れか一つに記載のアレイアンテナ装置。
  8. 前記セルには、前記伝送線路とは異なる放射素子が、特性インピーダンスが異なる前記伝送線路の接続部分に電気的に接続されている請求項1乃至請求項7の何れか一つに記載のアレイアンテナ装置。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れか一つに記載のアレイアンテナ装置と、
    当該アレイアンテナ装置に電流を供給する給電源である無線回路と
    を備える通信装置。
  10. 異なる特性インピーダンスを持つ複数種の伝送線路が電気的に直列接続されている線路群により構成される複数のセルを、電気的に直列接続されている態様でもって配列形成し、
    前記セルが配列している方向の前記セルの幅の物理的な長さをセル幅dとした場合に、前記セルの前記線路群が持つ電気的な長さである電気長は、前記セル幅d分の自由空間の電気長よりも長くなるように、前記セルにおける前記線路群を、曲がり部を有する形状に形成するアレイアンテナ構成方法。
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