JP2016138729A - 室内空調機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケーシング10の後面10Bの吸込窓部9近傍に気化フィルタ2を配設すると共に、ケーシング10の前面10Aの吹出窓部8に出没自在のヒーター3を備え、夏期使用状態で、気化フィルタ2の上方から水を供給して流下させつつ吸込窓部9からの空気を通過させて、水の気化熱により空気を冷却して吹出窓部8から冷風を吹出し、冬期使用状態で、気化フィルタ2の上方から水を供給して流下させつつ吸込窓部9からの空気を通過させ、次に、ヒーター3にて空気を加熱して吹出窓部8から温風を吹出すように構成し、夏冬兼用としている。
【選択図】図1
Description
また、冬は空気が乾燥し易く、室内の湿度が低下すると、体感温度が低くなり、エアコンの暖房を使用しても十分な温かさが得られないという欠点があった。湿度の低い室内で体感上の温かさを得るために、エアコンの設定温度を高く設定すると、使用電力量が増大し、電気代が高くなっていた。しかも、乾燥した雰囲気の室内では、肌が乾燥し易く、しかも、風邪やインフルエンザ等が伝染し易かった。
また、上記気化フィルタは、松のパルプ及び固化剤から成り、波形の凹凸が前方下傾状に形成されると共に全体が上下細長帯状の第1波形帯体と、波形の凹凸が後方下傾状に形成されると共に全体が上下細長帯状の第2波形帯体とを、左右方向に交互に積層し、上記第1波形帯体と上記第2波形帯体によって多数の小孔が形成されているものである。
また、上記ケーシングは、上記前面の左右いずれかに偏在して上記吹出窓部が形成され、上記ヒーターは、左右スライド自在に保持され、上記夏期使用状態で、上記吹出窓部を避けて前面残部に対応する待機位置に収納され、かつ、上記冬期使用状態で、上記吹出窓部に対応する作動位置に配設されると共に、通過する空気を加熱するように構成されているものである。
図1に示すように、本発明の室内空調機は、ケーシング10内に、鉛直軸心廻りに回転する水車型の送風ファン4を備え、送風ファン4を駆動するためのモーター18を有している。ケーシング10の後面10Bには吸込窓部9が設けられている。吸込窓部9近傍には、気化フィルタ2と、除塵フィルタ17とが、配設され、さらに、複数の吸気孔19aが形成された後面カバー部材19が、ケーシング10の後方から吸込窓部9に嵌め込まれている。なお、気化フィルタ2は、1枚だけでなく2枚以上設けられていても良い。
ヒーター3は、長方形状のセラミックヒーターから成り、可動枠体30に嵌め込まれている。可動枠体30は、その上端・下端が左右方向のガイド杆31,31に支持され、水平軸心廻りに回転するスクリューシャフト32に螺合するナット部材33が固着されている。スクリューシャフト32は小型モーターMによって回転駆動され、スクリューシャフト32が回転することで、可動枠体30と共にヒーター3が左右方向にスライド移動する。即ち、ケーシング10は、図8に示す吹出窓部8に対応する所定の作動位置P1から、図6に示す吹出窓部8を避けて前面残部16に対応する所定の待機位置P0までの間で、ヒーター3をスライド自在に保持している。なお、ケーシング10は、リミットスイッチを有する切換手段7を備え、切換手段7は、ヒーター3が作動位置P1に移動すると、可動枠体30の側面に当接し、ヒーター3(可動枠体30)を停止すると共に、ヒーター3が発熱を開始する。
ヒーター3は、「高」「中」「低」の3段階に温度設定を切換可能とし、電気的な制御手段によって、ヒーター3の温度が「高」「中」「低」の各設定温度に調整される。ヒーター3は、「高」「中」「低」の各設定温度より+2℃温度が超過すると、サーモスタットによって、発熱を停止する。また、−2℃温度が低下すると、自動的に発熱を再開する。なお、ヒーター3の設定温度は、例えば、「高」が36℃、「中」が29℃、「低」が22℃に設定される。
ケーシング10は、下面10Cに複数のキャスター14,14が取着され、上面10Dにハンドル部23を有し、手動操作によって自由走行する。また、ケーシング10の上面10Dには、操作部24を備えている。操作部24には、運転の開始と停止を行うON/OFFの主電源スイッチ、「冷房」「暖房」「加湿」等の運転モードを切換える選択スイッチ、ヒーター3の温度設定を「高」「中」「低」の3段階に切換える温度調整スイッチ等が設けられている。
ケーシング10の下部後方寄りには、貯水用タンク5が収容され、タンク5から水を汲み上げるためのポンプ20と、このポンプ20と上下方向の管22にて連通連結される給水桶部21とを、有している。給水桶部21は、気化フィルタ2の上方位置に配設され、ポンプ20によって汲み上げられた水を一時的に貯水し、底部に形成された複数の小孔から所定少量ずつの水を、気化フィルタ2の上方から滴下している。
第1波形帯体11及び第2波形帯体12は、上下細長帯状に形成され、松から取り出した木材繊維である松のパルプ、及び、松のパルプを接着一体化する固化剤から成る。原料とする松は、アカマツ、クロマツ、ゴヨウマツ等のどの種類でも良く、中国のマツでも良い。松のパルプは、水を含んでもふやけないので、気化フィルタ2が水に濡れた場合であっても、第1波形帯体11・第2波形帯体12の剛性が低下することはなく、気化フィルタ2は、その形状を保つことができる。しかも、気化フィルタ2には、水が染み込まないので、表面に水が付着しても直ぐに乾き、バクテリアやカビが発生しにくい利点もある。図4のように、第1波形帯体11と第2波形帯体12は、波形の凹凸が複数箇所の接着点25で互いに接触するように重ねられ、接着されている。
ケーシング10には、塗装後に、酸化チタン等の光触媒が噴霧又は塗布されている。ケーシング10が光触媒によってコーティングされることで、外面が汚れにくくなり、美しい外観が長期にわたって保持される。
また、吹出窓部8近傍に、活性石体を配設しても良い。活性石体は、二酸化硅素及びアルミナを主成分とし、二酸化チタン等様々な種類の金属酸化物を微量成分として含む天然岩石(鉱物)の粉末を球状に成形したものである。具体的には、天然岩石を粉砕して得られた粉末を水溶性セルロース粉末と混合し、次いで水を添加、混合し、得られた泥状物を直径2mm〜10mm、より好ましくは2mm〜5mmの球状(球体)に成形し、乾燥させた後、焼結した、いわゆるセラミックボールが望ましい。あるいは、上記天然岩石の粉末を、合成樹脂又はその発泡体から成る直径2mm〜10mmの球体の表面に膜状に固着して球状に成形して、セラミックボールとしても良い。天然岩石(鉱物)としては、例えば、石英斑岩、花崗岩、麦飯岩、トルマリン(電気石)、安山岩、流紋岩、泥岩、砂岩等があり、イオン交換により空気をマイナスイオン化する能力を有する。また、遠赤外線放射性や抗菌・消臭(脱臭)性及び微弱磁場形成能力を有する。
図9に示す夏期使用状態では、気化フィルタ2の上方から水を流下させつつ、送風ファン4を回転させ、図中矢印のように吸込窓部9から前方へ空気を送る。この際、気化フィルタ2の後方で、除塵フィルタ17が微小な塵埃やウィルス飛沫等を除去し、後面カバー部材19によって、吸込窓部9から吸入する空気の量を調整する。気化フィルタ2では、通過する空気が小孔13内で乱流となって、気化フィルタ2の上方から流れてきた水を気化させ、気化熱により空気を冷却する。この際、気化した水(水蒸気)が空気と共に前方へ送られる。夏期使用状態に於て、ヒーター3は、吹出窓部8を避けて前面残部16に対応する待機位置P0に収納され、気化フィルタ2からの冷たい空気が、吹出窓部8から冷風Cとして吹出す。
図5で説明したように、水の流れは、前方下傾状の小孔13Bと後方下傾状の小孔13Fとを、交互に流下してゆき、水の流下距離は極めて長くなり、かつ、複雑に乱れつつ流れ落ち、小孔13F,13Bの内面全体に略均等に付着し、空気との接触面積及び接触時間が極めて長くなる。しかも、各小孔13は、その横断面積が、前後中間位置で絞られて減少し、小孔13内で空気の乱流も発生するので、一層、水と空気の接触が密に激しくなり、水の気化効率も改善でき、冷却効果も著しく向上できる。
気化フィルタ2の上方から水を流下させつつ、図中矢印のように吸込窓部9から前方へ空気を送り、気化フィルタ2を通過する空気に適度な湿気を付与する。この際、水の気化熱によって空気は冷却される。次に、吹出窓部8に配設されたヒーター3によって、気化フィルタ2からの空気を加熱する。適度に加湿された空気は、冬の乾燥した空気と比べて単位体積当りの熱容量が大きく、ヒーター3の熱量を、より多く取り込むことができる。このようにして、吹出窓部8から熱量を多く蓄えた温風Hを吹出す。
気化フィルタ2は、三角山形状の波形の凹凸が前方下傾状に形成された上下細長帯状の第1波形帯体11と、三角山形状の波形の凹凸が後方下傾状に形成された上下細長帯状の第2波形帯体12とを、左右方向に交互に積層しても良い。この場合、気化フィルタ2には、第1波形帯体11と第2波形帯体12によって多数の矩形状小孔13が形成される。
図12は、図11の要部拡大図であって、しかも、水の流れを矢印F1,B1にて示す。既述の図5と同一の符号は、同様の作用と構成であるので、重複説明を省略するが、後方下傾状の小孔13Fの小孔群と、前方下傾状の小孔13Bの小孔群とは、交互に形成されて、後方への流れF1は、第1波形帯体11・第2波形帯体12の後端縁部を円滑に廻り込み、(水が鉛直下方へ直ちに落下することなく)矢印F0からB0へと流れてゆき、側面視ジグザグ状に流下していく。(なお、気化フィルタ2の前面の水の流れは、図12と同様に現れるので図示省略する。)
そして、水の流れは、前方下傾状の小孔13Bと後方下傾状の小孔13Fとを、交互に流下して、側面視ジグザグ状を描き、気化フィルタ2の上端から下端までの流下距離は極めて長くなり、かつ、複雑に乱れつつ流れ落ち、小孔13F,13Bの内面全体に略均等に付着し(乾燥した部位が生じないで)、空気との接触面積及び接触時間が極めて長くなる。さらに、小孔13の横断面積が大小変化して、空気の乱流が生じ、一層、水と空気の接触が激しく行われ、気化効率が改善し、冷却効果も改善できる。
3 ヒーター
8 吹出窓部
9 吸込窓部
10 ケーシング
10A 前面
10B 後面
11 第1波形帯体
12 第2波形帯体
13 小孔
16 前面残部
P0 待機位置
P1 作動位置
Claims (4)
- ケーシング(10)の後面(10B)の吸込窓部(9)近傍に気化フィルタ(2)を配設すると共に、上記ケーシング(10)の前面(10A)の吹出窓部(8)に出没自在のヒーター(3)を備え、
夏期使用状態で、上記気化フィルタ(2)の上方から水を供給して流下させつつ上記吸込窓部(9)からの空気を通過させて、上記水の気化熱により該空気を冷却して上記吹出窓部(8)から冷風を吹出し、
冬期使用状態で、上記気化フィルタ(2)の上方から水を供給して流下させつつ上記吸込窓部(9)からの空気を通過させ、次に、上記ヒーター(3)にて該空気を加熱して上記吹出窓部(8)から温風を吹出すように構成し、
夏冬兼用としたことを特徴とする室内空調機。 - 上記夏期使用状態と上記冬期使用状態に於ける全体の外形寸法を不変とした請求項1記載の室内空調機。
- 上記気化フィルタ(2)は、松のパルプ及び固化剤から成り、波形の凹凸が前方下傾状に形成されると共に全体が上下細長帯状の第1波形帯体(11)と、波形の凹凸が後方下傾状に形成されると共に全体が上下細長帯状の第2波形帯体(12)とを、左右方向に交互に積層し、上記第1波形帯体(11)と上記第2波形帯体(12)によって多数の小孔(13)が形成されている請求項1又は2記載の室内空調機。
- 上記ケーシング(10)は、上記前面(10A)の左右いずれかに偏在して上記吹出窓部(8)が形成され、
上記ヒーター(3)は、左右スライド自在に保持され、上記夏期使用状態で、上記吹出窓部(8)を避けて前面残部(16)に対応する待機位置(P0)に収納され、かつ、上記冬期使用状態で、上記吹出窓部(8)に対応する作動位置(P1)に配設されると共に、通過する空気を加熱するように構成されている請求項1,2又は3記載の室内空調機。
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