JP2016138575A - 車両用デファレンシャル装置 - Google Patents

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辰哉 林
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【課題】簡単な構成で、潤滑油温の上昇が抑制されると共に、冷態時の潤滑油粘度上昇によるスピンロスが低減できる車両用デファレンシャル装置を提供する。【解決手段】デファレンシャルキャリヤ3の外周面3aを覆う保温カバー21によってチャンバ40を形成し、保温カバー21に走行風を導入する開口部24及び導出する開口部34を設け、開口部24を閉鎖する導入側可変シャッタ26と、開放可能に開口部34を閉鎖する導出側可変シャッタ36を備える。車両の走行による走行風で導入側可変シャッタ26、および導出側可変シャッタ36を開き、開口部24から導入された走行風がデファレンシャルキャリヤ3の外周面3aに沿って流れて潤滑油温の過剰な上昇が抑制する。一方、車両が走行してデファレンシャル装置内の潤滑油が昇温した状態で停車すると、導入側可変シャッタ26、および導出側可変シャッタ36が開口部24、34を閉鎖してデファレンシャルキャリヤ3に貯留された潤滑油が保温される。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用デファレンシャル装置に関し、特にスピンロスの低減及び良好な潤滑が確保できる車両用デファレンシャル装置に関する。
車両におけるデファレンシャル装置は、内部に差動歯車機構を収容するデファレンシャルケースと、デファレンシャルケースに固定されるリングギヤと、デファレンシャルケースを回転自在に収容するギヤ収容室が形成されたデファレンシャルキャリヤと、デファレンシャルキャリヤに回転自在に支持されてリングギヤに噛み合うドライブピニオンを備え、ギヤ収容室に潤滑油が貯留される。
このデファレンシャル装置は、リングギヤの下部をギヤ収容室の下部に貯留された潤滑油に浸漬して該部を潤滑すると共にリングギヤにより掻き上げられて飛散する潤滑油によって各被潤滑部を潤滑する。
しかし、高速走行時や高負荷時等にリングギヤとドライブピニオンとの噛み合いによる発熱や差動歯車機構等の各部の発熱及び潤滑油の攪拌による発熱等で潤滑油温が高くなり、ギヤ収容室の下部に貯留される潤滑油の粘性が過剰に低下して各被潤滑部の良好な潤滑ができないことが懸念される。さらに、潤滑油の高温化に伴い潤滑油の劣化が促進される。
一方、長期間に亘り停車してデファレンシャル装置が周囲の気温と同じ温度或いは所定の温度以下に冷却される冷態時においては、ギヤ収容室に貯留される潤滑油の温度が低下して粘度が上昇する。この潤滑油の粘度が上昇した状況で、車両が発進すると、リングギヤやドライブピニオン、差動歯車機構等による潤滑油の攪拌抵抗が大きくなり、スピンロス(駆動損失)により燃費の悪化を招き、かつリングギヤにより掻き上げられる潤滑油量が減少して各被潤滑部の潤滑不足が発生する。特に、車両発進直後に旋回走行等が行われた場合には、まだ差動歯車機構に十分な潤滑油が供給されていない状況下で差動動作が行われ、差動歯車機構の損傷や耐久性の低下が懸念される。
この対策として特許文献1のデファレンシャル装置100は、図11に概要を示すように、後部に差動歯車機構及びドライブピニオン106に噛み合うリングギヤ105等を収容するギヤ収容室102が形成されたデファレンシャルキャリヤ101を有し、デファレンシャルキャリヤ101の後方開口端を閉蓋するリヤカバー103の内壁にフィン103aを形成し、フィン103aの背面側にウォータジャケット103bを形成するとともに外壁に断熱材104が設けられる。
このギヤ収容室102に貯留された潤滑油が冷えた冷態状態で、エンジンを始動すると、エンジンとの熱交換で昇温した冷媒がウォータジャケット103bに供給されてギヤ収容室102の潤滑油を暖める。これにより、エンジンの始動後にデファレンシャル装置100及び潤滑油が暖められて粘度が減少して、デファレンシャル装置100のスピンロスが低減する。
特許文献2のデファレンシャル装置110は、図12に示すように、ハウジング111と、その中に内蔵されてドライブピニオン113の回転をドライブ軸114に伝達するギヤ機構112を備え、ハウジング111の内部に潤滑油が貯留される。このハウジング111の外周に保温ケース115を設ける一方、エンジンの排気と熱交換された循環水の熱を蓄える蓄熱タンクを備え、エンジン始動時に蓄熱タンクの循環水を保温ケース115に供給循環させてデファレンシャル装置110を暖機する。
また、特許文献3のデファレンシャル装置は、デファレンシャルキャイヤの内部上方にリングギヤの回転により掻き上げられた潤滑油を受ける受け皿を設け、かつリヤカバーの外側にオイルクーラを備えた導風ダクトを設け、受け皿で受け止められた潤滑油をオイルクーラに循環させて潤滑油の温度上昇を抑止する。
特開2012−237358号公報 特開2004−278345号公報 実開平05−076845号公報
上記特許文献1によると、デファレンシャルキャリヤの後方開口端を閉蓋するリヤカバーにフィン及びウォータジャケットを形成し、エンジン始動時にエンジンとの熱交換で昇温した冷媒をウォータジャケットに供給循環してギヤ収容室に貯留された潤滑油が暖めてられ、潤滑油の粘度が抑制されて冷態時のスピンロスが低減する。
しかし、エンジンと熱交換した冷媒をデファレンシャル装置のリヤカバーに形成されたウォータジャケットに循環供給することから、そのためのサーモスタット、ウォータポンプ、ラジエータ、ウォータジャケット等の多くの構成部材を要し、その構成が複雑になるとともに制御が厄介になる。特に冷媒が循環するエンジンとデファレンシャル装置とが車体前後に離反して配置される車両では、構造がさらに複雑になるととともに重量が増加して燃費に影響を与える。
特許文献2によると、デファレンシャル装置のハウジングの外周に保温ケースを設け、エンジン始動時に蓄熱タンクの循環水を保温ケースに供給してデファレンシャル装置を暖機することで潤滑油を暖められ、冷態時のスピンロスが低減される。
しかし、エンジン排気との間で熱交換する熱交換機、潤滑水を循環させる循環回路、蓄熱タンク、電動ポンプ及び保温ケース等の多くの構成部材を備え、その構成が複雑になると供に制御が煩雑にまる。
これら特許文献1及び特許文献2のデファレンシャル装置においては、デファレンシャル装置及び潤滑油が温められて冷態時のスピンロスが低減するものの、高速走行時や高負荷時等に潤滑油温が高くなり、潤滑油の粘性が過剰に低下して各被潤滑部の良好な潤滑ができないことが懸念される。さらに、潤滑油の高温化に伴い潤滑油の劣化が促進される。
一方、特許文献3によると、デファレンシャル装置のリヤカバーの外側にオイルクーラを備えた導風ダクトを設け、潤滑油をオイルクーラに循環させて冷却することで、潤滑油の温度上昇が抑止される。
しかし、潤滑油を保温或いは加温する手段がなく、例えば、冷態時において潤滑油の温度が過剰に低下して粘度が上昇することが懸念される。
従って、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、簡単な構成により、過剰な潤滑油温の上昇が抑制されると共に、冷態時の潤滑油粘度上昇によるスピンロスが低減できる車両用デファレンシャル装置を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載の車両用デファレンシャル装置の発明は、車体前後方向に延在する筒部及び該筒部の後端に差動歯車機構及びリングギヤを収容し、かつ下部に潤滑油を貯留する中空筒状のギヤ収容室が連続形成されたデファレンシャルキャリヤと、該デファレンシャルキャリヤギヤの後方開口端を閉蓋するリヤカバーとを備え、前記リングギヤの回転によって潤滑油を掻き上げて各被潤滑部を潤滑するデファレンシャル装置において、前記ギヤ収容室を含むデファレンシャルキャリヤの外周面を被覆して前記デファレンシャルキャリヤの外周面との間に中空筒状のチャンバを形成する保温カバーと、該保温カバーの前部に開口して走行風を前記チャンバ内に導入する走行風導入口と、前記保温カバーの後部に開口して前記チャンバ内に導入された前記走行風を排出する導出口と、車両が走行する時の走行風を受けて開放可能に前記走行風導入口を閉鎖する導入側可変シャッタと、前記チャンバ内の空気圧を受けて開放可能に前記導出口を閉鎖する導出側可変シャッタと、を有する保温装置を備えたことを特徴とする。
これによると、ギヤ収容室を含むデファレンシャルキャリヤの外周面を覆う中空筒状のチャンバを形成する保温カバーと、走行風導入口を閉鎖する導入側可変シャッタと、保温カバーに形成された導出口を閉鎖する導出側可変シャッタを設ける簡単な構成で、車両の走行による走行風が各可変シャッタを開かせる。これにより、導入口から導入された走行風が保温カバーによって誘導されてギヤ収容室を含むデファレンシャルキャリヤの外周面に沿って流れて導出口から放出する風路が生成され、デファレンシャルキャリヤが冷却されてギヤ収容室内の潤滑油温の過剰な上昇が抑制され、かつ潤滑油温の過剰な上昇による被潤滑部の潤滑不良や潤滑油の劣化が抑制される。
一方、車両が走行してデファレンシャル装置内の潤滑油が昇温した状態で停車すると、各可変シャッタに作用する走行風がなくなり、各可変シャッタにより走行風導入口及び導出口が閉じられてチャンバ内にデファレンシャルキャリヤの外周面を囲むように空気が滞留する保温性に優れた空気層が形成され、かつデファレンシャルキャリヤの外周面が外気に直接的に曝されることなくなり、走行時に昇温したデファレンシャルキャリヤやギヤ収容室に貯留された潤滑油が保温される。これにより、長期間に亘り停車した冷態時においても、ギヤ収容室に貯留される潤滑油の温度低下が抑制されて、潤滑油の粘度が適正な使用範囲或いは適正な使用可能状態に保持される。
この潤滑油の粘度が適正に保持された状態で、車両が発進することで、リングギヤや、差動歯車機構等による潤滑油の攪拌抵抗が抑制されて、スピンロスによる燃費の悪化が回避或いは抑制され、かつリングギヤにより掻き上げられて飛散する潤滑油量が確保されて各被潤滑部の潤滑不足が防止できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1の車両用デファレンシャル装置において、前記走行風導入口は、前記保温カバーの前部における下部範囲に比較して上部範囲に開口面積が大きくなるように開口し、前記導出口は前記保温カバーの後部における下部範囲に比較して上部範囲に開口面積が大きくなるように開口することを特徴とする。
これによると、チャンバの下部範囲に対して上部範囲を流れる送風量が多くなり、ギヤ収容室を含むデファレンシャルキャリヤの上部が積極的に冷却され、潤滑油が効率的に冷却される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両用デファレンシャル装置において、前記保温カバーは、前記走行風導入口からチャンバ内に導入された走行風を前記ギヤ収容室上部に向けて誘導する送風誘導手段を備えたことを特徴とする。これによると、例えばリブ等の送風誘導手段によって誘導される走行風によってギヤ収容室の上部が冷却され、潤滑油の冷却が効率的に行われる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用デファレンシャル装置において、前記保温カバーは、前記デファレンシャルキャリヤの下部を覆う断熱層を備えたことを特徴とする。これによると、デファレンシャルキャリヤの下部を覆う断熱層を備えることで、停車時における潤滑油の油温低下が抑制される。
本発明によると、ギヤ収容室を含むデファレンシャルキャリヤの外周面を覆う中空筒状のチャンバを形成する保温カバーと、保温カバーに形成された走行風導入口を閉鎖する導入側可変シャッタと、導出口を閉鎖する導出側可変シャッタを設ける簡単な構成で、車両の走行により走行風導入口からキャンバ内に導入された走行風が保温カバーによって誘導されてデファレンシャルキャリヤのギヤ収容室を含むデファレンシャルキャリヤの外周面に沿って流れてデファレンシャルキャリヤ内の潤滑油温の過剰な上昇が抑制され、潤滑油温の過剰な上昇による被潤滑部の潤滑不良や潤滑油の劣化が抑制される。
一方、車両が走行してデファレンシャル装置内の潤滑油が昇温した状態で停車すると、各可変シャッタにより走行風導入口及び導出口が閉じられてチャンバ内にデファレンシャルキャリヤの外周面を囲むように保温性に優れた空気層が形成されてデファレンシャルキャリヤに貯留された潤滑油が保温される。この潤滑油が保温された状態で車両が発進することで、リングギヤや、差動歯車機構等による潤滑油の攪拌抵抗が抑制されて、スピンロスによる燃費の悪化が回避或いは抑制され、かつリングギヤにより掻き上げられて飛散する潤滑油量が確保されて各被潤滑部の潤滑不足が防止できる。
一実施の形態に係るデファレンシャル装置を備えた車両の構成図である。 デファレンシャル装置の概要を示す縦断面図である。 デファレンシャル装置を前方から見た前部斜視図である。 デファレンシャル装置を後方から見た後部斜視図である。 走行風導入口及び逆止弁構造の説明図であり、(a)は図3のV―V線断断面図、(b)は(a)のb矢視図である。 走行風導出口及び逆止弁構造の説明図であり、(a)は図4のVI―VI線断断面図、(b)は(a)のb矢視図である。 作動説明図であり、停車時の状態を示す図である。 作動説明図であり、走行時の状態を示す図である。 他の逆止弁構造の説明図である。 他のデファレンシャル装置の概要を示す縦断面図である。 従来のデファレンシャル装置の概略説明図である。 従来のデファレンシャル装置の概要説明図である。
本発明のデファレンシャル装置の一実施の形態を図1乃至図10を参照して説明する。なお、各図において矢印Ftは車両前方方向を示す。
図1はデファレンシャル装置を備えた車両の構成図、図2はデファレンシャル装置の縦断面図、図3はデファレンシャル装置を前方から見た前部斜視図、図4はデファレンシャル装置を後方から見た後部斜視図である。
図1において、符号Eは車両前部に配置されたエンジンであり、エンジンEの駆動力が変速機Mに入力され、変速機Mからの変速出力が前後方向に延在するプロペラ軸Pを介して車体後部に配置されたデファレンシャル装置1に動力伝達され、デファレンシャル装置1からドライブ軸DL、DRを介して左右の車輪WL、WRに伝達される。
デファレンシャル装置1は、図2に縦断面図を示し、図3に前方から見た前部斜視図、図4に後方から見た後部斜視図を示すように、デファレンシャルキャリヤ3及びリヤカバー6からなる中空状のハウジング2及びデフレンシャルキャリヤ3の外周を被覆する保温装置20を備える。
デファレンシャルキャリヤ3は、図2に示すように、前後方向に延在する筒部4及び該筒部4の後端に連続形成される大径中空状のギヤ収容室5を有する筒状に形成され、筒部4にベアリング4a、4b、4c等介してドライブピニオン7が回転自在に支持されている。ドライブピニオン7の先端にハイポイドギヤ等のファイナルギヤ7aが形成され、筒部4の前端から突出する基端にプロペラ軸Pの後端にジョイントを介して連結するコンパニオンフランジ8がスプライン結合され、ナット8aによって固定される。筒部4の前端とコンパニオンフランジ8との間は、リング状のシール材9a及びリテーナ9bによって閉鎖される。
一方、大径中空状のギヤ収容室5内に、両端部がデファレンシャルキャリヤ3にホルダおよびベアリングを介して回転自在に支持されたデファレンシャルケース11が設けられ、デファレンシャルケース11にドライブピニオン7のファイナルギヤ7aが噛み合う大径のリングギヤ10が設けられる。デファレンシャルケース11内には、差動歯車機構12が収容される。差動歯車機構12は、デファレンシャルケース11に両端が支持されたピニオン軸12aに一対のピニオンギヤ12bが回転自在に設けられ、両ピニオンギヤ12bに左右のサイドギヤ12cが各々噛み合い、各サイドギヤ12cから図示しないジョイント及ドライブ軸DL、DRを介して左右の車輪WL、WRに伝達される。
デファレンシャルキャリヤ3の後方開口端は、シール部材6aを介在して取付ボルト6bによって取り付けられるリヤカバー6によって閉蓋され、ギヤ収容室5内にリングギヤ10の下部が静止油面下に没するように潤滑油が貯留される。
このように構成されたデファレンシャル装置1は、プロペラ軸Pによってドライブピニオン7が回転駆動され、ドライブピニオン7のファイナルギヤ7aに噛み合うリングギヤ10を介してデファレンシャルケース11が回転駆動し、ピニオンギヤ12b、サイドギヤ12c等の差動歯車機構12によって左右の車輪WL、WRに動力分配される。このとき、ギヤ収容室5内において下部範囲が潤滑油に浸漬されて回転するリングギヤ10によって掻き上げられて飛散する潤滑油によって各被潤滑部を潤滑する。
ここで、通常走行時においてリングギヤ10の回転によって飛散する潤滑油はリングギヤ10の周方向に沿って流れ、高温の潤滑油に曝されるギヤ収容室5の上部範囲が、潤滑油が貯留されるギヤ収容室5の下部に対し高温となる傾向がある。このため、通常運転時においてはギヤ収容室5の上部範囲を積極的に冷却することで効率的に潤滑油の油温上昇が抑制される。また、運転停止時における潤滑油の温度低下は潤滑油が貯留されるギヤ収容室5の下部を保温することで有効的に抑制される。
保温装置20は、例えば樹脂製でデファレンシャルキャリヤ3の外周面3aにほぼ倣った形状でデファレンシャルキャリヤ3を、その外周面3aと間隙を有して覆う筒状の外周カバー部22と、外周カバー部22の前端縁22aと筒部4の前端外周面と間回を閉鎖する環状の前側カバー部23と、外周カバー部22の後端縁22bとギヤ収容室5の後端外周面と間を閉鎖する環状の後側カバー部33とが一体形成された筒状の保温カバー21を備える。これらデファレンシャルキャリヤ3の外周面3aと、保温カバー21とによってデファレンシャルキャリヤ3の外周面3aに沿って前後方向に連続する筒状のチャンバ40が形成される。
なお、保温カバー21は例えば、上下に分離された半割状の上側カバーと下側カバーと形成し、デファレンシャルキャリヤ3に上側及び下側から上側カバー及び下側カバーによって被覆するように構成される。
外周カバー部22は、デファレンシャルキャリヤ3の筒部4の前端外周面から筒部後端に亘って筒部4の外周面を間隙を有して被覆する筒部カバー部22Aと、筒部カバー部22Aの後端に連続形成されてギヤ収容室5の前端外周面から後端外周面に亘ってギヤ収容室5の外周面を間隙を有して被覆する大径筒状のギヤ収容室カバー部22Bを備える。また、外周カバー部22には、後述する前側カバー部23に開口する走行風導入口となる開口部24からチャンバ40内に導入される走行風をギヤ収容室5の上部範囲に誘導する送風誘導手段となるリブ22Cが形成される。
保温カバー21の前部を形成する前側カバー部23は、図3に示すように外周が外周カバー部22の前端縁22aに連続形成され内周縁23aが筒部4の前端外周面に当接或いは近接する環状板であって、その上部範囲及び両側部範囲に前方からの走行風を導入する走行風導入口となる矩形の開口部24が開口し、開口部24の全体の開口面積は、前部カバー部23の下部範囲に比較して上部範囲が大きくなるように開口する。各開口部24に対して走行風を受けて開口部24を開閉する導入側可変シャッタ26を有する逆止弁構造25を備える。
逆止弁構造25の構成を図5を参照して説明する。図5(a)は図3のV−V線断面図であり、(b)は(a)のb矢視図である。
開口部24を開閉する導入側可変シャッタ26は、前側カバー部23に形成された開口部24を後方、すなわちチャンバ40側から閉鎖可能な矩形板状であって、前側カバー部23に対して一辺がスプリング27sが組み込まれたヒンジ27で回動可能に取り付けられる。この導入側可変シャッタ26は、ヒンジ27に組み込まれたスプリング27sによって常時、閉方向に付勢される。
導入側可変シャッタ26は、前方から予め設定された以上の走行風圧Pを受けた際、その風圧Pによってスプリング27sの付勢力に抗して仮想線26aで示すように開位置に回動して開口部24を開放する。一方、走行風圧Pが設定風圧より小さいときにはスプリング27sの付勢力で導入側可変シャッタ26は開口部24を閉じた閉止位置に保持される。
これにより、車両1が停止しているか或いは走行速度が遅いために導入側可変シャッタ26に、導入側可変シャッタ26を開かせるだけの風圧Pが作用しないときは、図5(a)に示すように、導入側可変シャッタ26が開口部24を閉じた閉位置に維持される。一方、車両1の走行により走行風の風圧Pが導入側可変シャッタ26を開かせる大きさになると、導入側可変シャッタ26がヒンジ27のスプリング27sによる付勢力に抗して仮想線26aで示すように回動して開口部24を開放し、走行風がチャンバ40内に導入される。
また、保温カバー21の後部を形成する後側カバー部33は、図4に示すように外周が外周カバー部22の後端縁22bに連続形成され内周縁33aがギヤ収容室5の後端外周面に当接或いは近接する環状板であって、その上部範囲及び両側部範囲にチャンバ40内の空気を導出する導出口となる矩形の開口部34が開口し、開口部34の全体の開口面積は、後部カバー部33の下部範囲に比較して上部範囲が大きくなるように開口する。
各開口部34に対して前方、すなわちチャンバ40側からの空気圧乃至風圧Pを受けて開放可能に閉鎖する導出側可変シャッタ36を有する逆止弁構造35を備える。
逆止弁構造35の構成を図6を参照して説明する。図6(a)は図4のVI−VI線断面図であり、同図(b)は(a)のb矢視図である。
開口部34を開閉する導出側可変シャッタ36は、後側カバー部33に形成された開口部34を後方側から閉鎖可能な矩形板状であって、後側カバー部33に対して一辺がヒンジ37によって回動可能に取り付けられる。
この導出側可変シャッタ36は、前方、すなわちチャンバ40側から予め設定された以上の空気圧乃至風圧Pを受けた際、その風圧Pによってスプリング37sの付勢力に抗して仮想線36acで示す開位置に回動して開口部34を開放する。一方、風圧Pが設定風圧より小さいときにはスプリング37sの付勢力で導出側可変シャッタ36は開口部34を閉じた閉位置に維持される。
これにより、車両1が停止しているか或いは走行速度が遅く、前側カバー部23に設けた導入側可変シャッタ26を開かせるだけの風圧Pが作用しないときは、導出側可変シャッタ26が開口部26を閉じた閉位置に保持されて前方からの走行風等がチャンバ40内に導入されることがない。一方、走行風が導入されない状態においては導出側可変シャッタ36に前方から空気圧乃至風圧Pが作用することがなく開口部36を閉じた閉位置に保持される。すなわち、この状態では前側カバー部23の各開口部24が導入側可変シャッタ26によって閉じられとともに後側カバー部33の各開口部34が導出側可変シャッタ36によって閉じられ、封鎖されたチャンバ40内に空気が滞留する。換言すると、車両1が停止あるいは走行が遅いときには、前側カバー部23及び後側カバー部33に設けられた各開口部24、34の導入側可変シャッタ26、および導出側可変シャッタ36が閉じ、外気が遮断されてチャンバ40に滞留する空気層によってデファレンシャルキャリヤ3が被覆されて保温可能になる。
一方、車両1の走行による走行風の風圧Pが、前側カバー部23に設けた導入側可変シャッタ26を開かせる大きさになると、その風圧Pによって前側カバー部23の開口部24を閉止する導入側可変シャッタ26が押し広げられ、開放された開口部24から走行風がチャンバ40内に導入されて、チャンバ40内の空気圧が高められ、その風圧Pが後側カバー部33の開口部34から導出側可変シャッタ36に作用して、導出側可変シャッタ36が回動して開口部34を開放する。すなわち、走行風の風圧によって前部カバー部23に設けた導入側可変シャッタ26が開口部24を開放した際には、チャンバ40に導入された走行風の風圧によって後側カバー部33に設けた導出側可変シャッタ36による開口部34が開放されて開口部34から放出される。
換言すると、これにより、チャンバ40内に開口部24から導入された走行風が外周カバー22によって誘導されてデファレンシャルキャリヤ3の筒部4からギヤ収容室5の外周面3aに沿って流れて開口部34から放出される風路Fが生成され、デファレンシャルキャリヤ3を冷却する。この冷却は、走行風導入口となる開口部24の全体の開口面積が、前部カバー部23の下部範囲に比較して上部範囲が大きくなるように開口し、かつ導出口となる開口部34の全体の開口面積が、後部カバー部33の下部範囲に比較して上部範囲が大きくなるように開口することで、チャンバ40の下部範囲に比較して上部範囲の送風量が多く制御されてデファレンシャルキャリヤ3の上部が積極的に冷却され、特にリブ37Cに誘導される走行風によって積極的にギヤ収容室5の上部範囲を冷却する。
次に、図2及び図7及び図8等を参照して作用を説明する。図7は停車時のデファレンシャル装置1の状態を示し、図8は走行時のデファレンシャル装置1の状態を示す。
停車時においては、デファレンシャル装置1は、走行風が作用することなく図7に概略を示すように、前側カバー部23の各開口部24及び後側カバー部33の各開口部34が導入側可変シャッタ26、および導出側可変シャッタ36によって閉蓋され、かつドライブピニオン7及びリングギヤ10等が回転停止状態であり、ギヤ収容室5の下部に貯留された潤滑油は、リングギヤ10等によって攪拌されることなく、リングギヤ10の下部及びリングギヤ10に噛み合うファイナルギヤ7aの下部及びドライブピニオン7を回転自在に支持するベアリング4a、4b、4cの下部等が潤滑油に浸漬された状態に維持される。
走行開始すると、回転するリングギヤ10によってギヤ収容室の下部に貯留される潤滑油が攪拌されるとともに、リングギヤ10によって掻き上げられた飛散する潤滑油によって各被潤滑部が潤滑される。
一方、走行等によりリングギヤ10とドライブピニオン7との噛み合いや、差動歯車機構12等の各部の発熱や潤滑油の攪拌による発熱でギヤ収容室5の下部に貯留される潤滑油の温度が上昇して粘度が次第に低下し、リングギヤ10による潤滑油の連れ廻り量が増加してリングギヤ10により掻き上げられて飛散する潤滑油が多くなり、各被潤滑部を良好に潤滑するする。特に、リングギヤ10の回転によって掻き上げられて飛散する潤滑油は、リングギヤ10の回転に応じてリングギヤ10の周方向に沿って流れギヤ収容室5の上部範囲に付着して該部の温度を上昇させる。
ここで、車両1の走行による風圧Pが、前側カバー部23の各開口部24に設けた導入側可変シャッタ26を開かせる大きさなると、図8に概略を示すように、その風圧Pによって前側カバー部23の各開口部24を閉止する導入側可変シャッタ26が押し広げられ、各開放された開口部24か走行風がチャンバ40内に導入され、その空気圧Pが後側カバー部33の開口部34から導出側可変シャッタ36に作用して、開口部34を開放する。これにより、前側カバー部23の開口部24から導入された走行風が外周カバー22によって誘導されてデファレンシャルキャリヤ3の筒部4からギヤ収容室5に亘る外周面3aに沿って流れて後側カバー部33の開口部34から放出される風路Fが生成され、デファレンシャルキャリヤ3が冷却され、デファレンシャルキャリヤ3内の潤滑油温の過剰な上昇が抑制されて、被潤滑部の潤滑不良や潤滑油の劣化が回避乃至抑制される。
特に、前側カバー部23の上部及び側部範囲に走行風導入用の開口部24が開口し、後側カバー部33の上部及び側部範囲に放出用の開口部34を形成することで、開口部24から導入された走行風がチャンバ40内の上側部分に沿って積極的に走行風が流れ、比較的高温となるデファレンシャルキャリヤ3の上部範囲を効率的に冷却され、かつ走行風がリブ3Aに誘導されてギヤ収容室5の上部範囲が冷却されて効率的にデファレンシャルキャや3及び潤滑油が冷却される。
車両1が走行してデファレンシャル装置1及びデファレンシャル装置1内の潤滑油が昇温した後停車すると、前側カバー部23に配置されたシャッタ26に作用する走行風がなくなり、図7に示すようにヒンジ27に組み付けられたスプリング27sの付勢力で導入側可変シャッタ26が開口部26を閉じた閉位置となり、閉位置に保持されて前方から空気がチャンバ40内に導入されることがなくなる一方、導出側可変シャッタ36がヒンジ37に組み込まれたスプリング37sの付勢力で開口部34を閉じた閉位置に保持される。
この状態では前側カバー部23の各開口部24が導入側可変シャッタ26によって閉じられとともに後側カバー部33の各開口部34が導出側可変シャッタ36によって閉じられ、チャンバ40内にデファレンシャルキャリヤ3の外周面3aを囲むように空気が滞留して保温性に優れた空気層Aが形成され、かつデファレンシャルキャリヤ3の外周面3aが外気に直接的に曝されることなく、走行時に昇温したデファレンシャルキャリヤ3やギヤ収容室5に貯留された潤滑油が保温され、潤滑油の温度低下が抑制される。
これにより、長期間に亘り停車した状態、例え高速走行後に数時間停車した、いわゆる冷態時においても、ギヤ収容室5に貯留される潤滑油の温度低下が抑制されて、潤滑油の温度低下による粘度上昇が抑えられて潤滑の粘度が適正な使用、範囲或いは適正な使用可能状態に保持される。
この潤滑油の粘度が適正に保持された状態で、車両1が発進することで、リングギヤ10や、差動歯車機構12等による攪拌抵抗が抑制されて、スピンロスによる燃費の悪化が回避或いは抑制され、かつリングギヤ10により掻き上げられて飛散する潤滑油量が確保されて各被潤滑部の潤滑不足が防止できる。特に、車両発進直後に車両旋回等が行われた場合でも、潤滑油が差動歯車機構12に潤滑油が確保された状況下で差動動作が行われ、差動歯車機構12の損傷が抑制されて耐久性の向上が得られる。
従って、この実施の形態によると、デファレンシャルキャリヤ3の外周3aに間隙を有して覆う保温カバー21及び保温カバー21に開口する各開口部24、34を開閉する導入側可変シャッタ26、および導出側可変シャッタ36を設ける簡単な構成で、車両の走行による走行風が導入側可変シャッタ26を開かせ、開放された開口部24から走行風がチャンバ40内に導入して導出側可変シャッタ36が開口部34を開放する。これにより、開口部24から導入された走行風が保温カバー21によって誘導されてギヤ収容室5を含むデファレンシャルキャリヤ3の外周面3aに沿って流れて開口部b34から放出される風路が生成され、デファレンシャルキャリヤ3が冷却されてギヤ収容室5内の潤滑油温の過剰な上昇が抑制され、潤滑油温の過剰な上昇による被潤滑部の潤滑不良や潤滑油の劣化が回避乃至抑制される。
一方、車両1が走行してデファレンシャル装置1内の潤滑油が昇温した状態で停車すると、導入側可変シャッタ26が開口部24を閉じ、かつ開口部34が導出側可変シャッタ36で閉じられてチャンバ40内にデファレンシャルキャリヤの外周面を囲むように空気が滞留して保温性に優れた空気層Aが形成され、かつデファレンシャルキャリヤ3の外周面3aが外気に直接的に曝されることなく、走行時に昇温したデファレンシャルキャリヤ3やギヤ収容室5に貯留された潤滑油が保温されて、潤滑油の温度低下による粘度上昇が抑えられ、潤滑の粘度が適正な使用、範囲或いは適正な使用可能状態に保持される。
この潤滑油の粘度が適正に保持された状態で、車両が発進することで、リングギヤ10や、差動歯車機構12等による潤滑油の攪拌抵抗が抑制されて、スピンロスによる燃費の悪化が回避或いは抑制され、かつリングギヤ10により掻き上げられて飛散する潤滑油量が確保されて各被潤滑部の潤滑不足が防止できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるこことなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では、デファレンシャルキャリヤ3の外周面3a全体に亘り保温カバー21で被覆してデファレンシャルキャリヤ3のほぼ全長に亘る円筒状のチャンバ40を形成したが、筒部4の後端近傍からリングギヤ10及び差動歯車機構12等が収容されかつ潤滑油が貯留されるギヤ収容室5の後端外周までの範囲のみを部分的に覆う保温カバー21を設けることで、保温カバー21の小型化を図りデファレンシャル装置1の小型化及びデファレンシャル装置1の占有スペースの増大を抑制することもできる。
さらに、上記実施の形態ではチャンバ40内に導入された走行風を収容室5の上部範囲に誘導する送風誘導手段としてリブ22Cを外周カバー部22に形成したが、デファレンシャルキャリヤ3の外周面3aに設けられるリブ等によって形成することもできる。
また、上記実施の形態では、スプリング27a、37aが組み込まれたヒンジ27、37を介して導入側可変シャッタ26、および導出側可変シャッタ36を閉位置に常時付勢するように構成したが、例えば図9に示すように、前端側カバー部23や後端側カバー部33の各開口部24、34を開閉可能に閉鎖する導入側可変シャッタ26、および導出側可変シャッタ36を薄いゴム板等の可撓性を有する弾性部材で構成し、前側カバー部23及び後側カバー部33に導入側可変シャッタ26、および導出側可変シャッタ36の一辺をリベット26b、36b等で固定して構成し、車両が停止し走行風が作用しないときには、実線で示す開口部24、34を閉じた状態となり、走行により風圧Pを受けて導入側可変シャッタ26、および導出側可変シャッタ36が仮想線26a、36aで示すように弾性変形して各開口部24、34を開き、走行風がチャンバ40内を通過するように構成することができる。これによると、走行風を受けた導入側可変シャッタ26、および導出側可変シャッタ36が自身の弾性で変形して開状態となるため、必ずしも導入側可変シャッタ26、および導出側可変シャッタ36を上記ヒンジ27、37のような軸部材等を用いて回動可能に支持する必要がなくなり、部品点数の削減及び生産性の向上を図ることができる。
さらに、図10の断面図を示すように、デファレンシャルキャリヤ3の下部を覆う断熱層41をデファレンシャルキャイヤ3と保温カバー21の外周カバー部22との間に形成、或いは保温カバー22と一体に形成することもできる。これによると、潤滑油を貯留するギヤ収容室5の下部が断熱層41で被覆され、停車時における潤滑油の保温機能が向上する。
1 デファレンシャル装置
3 デファレンシャルキャリヤ
3a 外周面
4 筒部
5 ギヤ収容室
6 リヤカバー
7 ドライブピニオン
10 リングギヤ
11 デファレンシャルケース
12 差動歯車機構
20 保温装置
21 保温カバー
22 外周カバー部
22C リブ(送風誘導手段)
23 前側カバー部(前部)
24 開口部(走行風導入口)
26 導入側可変シャッタ
33 後側カバー部(後部)
34 開口部(導出口)
36 導出側可変シャッタ
40 チャンバ
41 断熱層

Claims (4)

  1. 車体前後方向に延在する筒部及び該筒部の後端に差動歯車機構及びリングギヤを収容し、かつ下部に潤滑油を貯留する中空筒状のギヤ収容室が連続形成されたデファレンシャルキャリヤと、該デファレンシャルキャリヤギヤの後方開口端を閉蓋するリヤカバーとを備え、前記リングギヤの回転によって潤滑油を掻き上げて各被潤滑部を潤滑するデファレンシャル装置において、
    前記ギヤ収容室を含むデファレンシャルキャリヤの外周面を被覆して前記デファレンシャルキャリヤの外周面との間に中空筒状のチャンバを形成する保温カバーと、
    該保温カバーの前部に開口して走行風を前記チャンバ内に導入する走行風導入口と、
    前記保温カバーの後部に開口して前記チャンバ内に導入された前記走行風を排出する導出口と、
    車両が走行する時の走行風を受けて開放可能に前記走行風導入口を閉鎖する導入側可変シャッタと、
    前記チャンバ内の空気圧を受けて開放可能に前記導出口を閉鎖する導出側可変シャッタと、
    を有する保温装置を備えたことを特徴とする車両用デファレンシャル装置。
  2. 前記走行風導入口は、前記保温カバーの前部における下部範囲に比較して上部範囲に開口面積が大きくなるように開口し、前記導出口は前記保温カバーの後部における下部範囲に比較して上部範囲に開口面積が大きくなるように開口することを特徴とする請求項1に記載の車両用デファレンシャル装置。
  3. 前記保温カバーは、前記走行風導入口から前記チャンバ内に導入された走行風を前記ギヤ収容室上部に向けて誘導する送風誘導手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用デファレンシャル装置。
  4. 前記保温カバーは、前記デファレンシャルキャリヤの下部を覆う断熱層を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用デファレンシャル装置。
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