JP2016137900A - クリアケース、クリアケース用支持部材、及びシート素材の製造方法 - Google Patents

クリアケース、クリアケース用支持部材、及びシート素材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016137900A
JP2016137900A JP2015012545A JP2015012545A JP2016137900A JP 2016137900 A JP2016137900 A JP 2016137900A JP 2015012545 A JP2015012545 A JP 2015012545A JP 2015012545 A JP2015012545 A JP 2015012545A JP 2016137900 A JP2016137900 A JP 2016137900A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
clear case
region
area
design
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015012545A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016137900A5 (ja
JP6525187B2 (ja
Inventor
正和 宮原
Masakazu Miyahara
正和 宮原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sun-Q Co Ltd
Original Assignee
Sun-Q Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sun-Q Co Ltd filed Critical Sun-Q Co Ltd
Priority to JP2015012545A priority Critical patent/JP6525187B2/ja
Publication of JP2016137900A publication Critical patent/JP2016137900A/ja
Publication of JP2016137900A5 publication Critical patent/JP2016137900A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6525187B2 publication Critical patent/JP6525187B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】遠近感を利用した立体感溢れた表現が可能であると共に、内部に収容された物品と一体化された意匠表現を実現可能なクリアケース、クリアケース用支持部材、及びシート素材の製造方法の提供と目的とした。【解決手段】クリアケース10は、透光性を有するシート状素材13によって構成され、前方領域Fから後方領域Rを視認可能なクリアケース本体13を有する。前方領域Fの一部が前方印刷領域とされ、前方領域の残部が前方非印刷領域とされている。また、後方領域については、印刷が施された後方印刷領域とされている。前方領域側から視認すると、前方印刷領域において印刷により呈示された絵柄、及び前方非印刷領域を通じて視認される後方印刷領域において印刷により呈示された絵柄の組合せからなる意匠絵図が構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、物品を収容するためのクリアケース、クリアケース用支持部材、及びシート素材の製造方法に関する。
従来、下記特許文献1に開示されているクリアケース用支持部材や、下記特許文献2に開示されている包装用箱等、クリアケースに対して印刷を施す部分とクリアケースの透明な部分とを活用し、視覚効果や展示効果を生じるものが提供されている。
特許文献1に開示されているクリアケース用支持部材は、クリアケースに収納する物品を支持するための支持部材に印刷が施されている。
また、下記特許文献2に開示されている包装用箱は、包装用箱の組立て状態において絵柄印刷片の外側において重なる蓋部を有する。この包装用箱は、前記蓋部に絵柄印刷片に印刷された絵柄と同じ絵柄を印刷した上で複数の抜き部を設けた構造とされている。このような構成とすることにより、包装用箱の組立て状態において、蓋部に設けられた絵柄と、抜き部を透過して視認される絵柄印刷片の絵柄との僅かにずれて視認させ、視覚的に趣向を凝らした表現を実現しようとしている。
特開2010−64777号公報 特開2010−235162号公報
上述した特許文献1のクリアケース用支持部材によれば、支持部材に施された背景となる絵柄と収容される物品との組合せにより視覚効果が期待される。しかしながら、この支持部材は、クリアケース内に配置された物品の背景を構成するだけのものであり、遠近感を利用した立体感溢れた表現が可能なものではない。
また、上述した特許文献2の包装用箱は、印刷が施された1枚のブランクシートから形成されるものにより、多少の奥行き感を与えることができる。しかしながら、紙の厚みやたわみを利用して奥行き感を視認させるようとするものであるため、立体的な視覚効果が不十分である。また、この包装用箱では、内部に収納された物品と一体となったデザインによる視覚効果を与えることはできない。そのため、特許文献2の包装用箱をもってしても、遠近感を利用した立体感溢れた表現を十分に行うことができない。
かかる知見に基づき、本発明においては、遠近感を利用した立体感溢れた表現が可能であると共に、内部に収容された物品と一体化された意匠表現を実現可能なクリアケースやクリアケース用支持部材と、このような立体的表現を実現するためのシート素材の製造方法の提供と目的とした。
上述した課題を解決すべく提供される本発明のクリアケースは、透光性を有するシート状素材によって構成され、特定の視認方向手前側の領域をなす前方領域から前記視認方向奥側の領域をなす後方領域を視認可能なクリアケース本体を有し、前記前方領域の一部が、印刷が施された前方印刷領域とされ、前記前方領域の残部が、印刷の施されていない前方非印刷領域とされており、前記後方領域の一部又は全部が、印刷が施された後方印刷領域とされており、前記前方領域側から前記視認方向に視認することにより、前記前方印刷領域において印刷により呈示された絵柄、及び前記前方非印刷領域を通じて視認される前記後方印刷領域において印刷により呈示された絵柄の組合せからなる意匠絵図が構成されるものである。
本発明のクリアケースは、特定の視認方向から視認した状態において、手前側に位置する前方領域において印刷が施されていない領域(前方非印刷領域)を通じ、後方側に位置する後方領域の後方印刷領域に印刷された絵柄が視認できる。また、前方印刷領域と後方側印刷領域とが視認方向の前後に離れた位置にあるため、前方印刷領域及び後方印刷領域に呈示された絵柄の組合せにより遠近感を持たせた表現が可能となり、立体感溢れる意匠絵図を構成できる。すなわち、本発明のクリアケースにおいては、前方印刷領域及び後方印刷領域に呈示された絵柄の間に、クリアケース本体に形成された内部空間の奥行きに相当する遠近差があり、その効果により立体感溢れた表現が可能となる。
また、本発明のクリアケースは、内部に物品を収容すると、前方印刷領域に呈示された絵柄が見えると共に、前方非印刷領域を介して内部に収容された物品が見え、さらにその背後に後方印刷領域に施された絵柄が見える状態になる。そのため、本発明のクリアケースによれば、前方印刷領域及び後方印刷領域に施された絵柄と内部に収容された物品とが一体化された意匠表現を実現できる。
また、本発明のクリアケースは、従来技術のように別途支持部材等を設けることを必須とすることなく、立体感溢れる意匠効果を得ることができる。そのため、本発明のクリアケースは、製造に要するコストや手間を最小限に抑制できる。
また、同様の知見に基づいて提供される本発明のクリアケースは、透光性を有するのシート状素材によって構成され、特定の視認方向手前側の領域をなす前方領域から前記視認方向奥側の領域をなす後方領域を視認可能なクリアケース本体を有し、前記シート状素材の表面及び裏面のいずれか一方が絵柄の印刷が施される印刷面であり、他方が絵柄の印刷が施されていない非印刷面とされ、前記印刷面が前記クリアケース本体の内側に向くように組み立てられるものであり、前記前方領域の一部が、前記非印刷面側から前記印刷面に施された前記絵柄を視認可能とされた前方印刷領域とされ、前記前方領域の残部が、印刷の施されていない前方非印刷領域とされており、前記後方領域の一部又は全部が、前記印刷面側から前記絵柄を視認可能なように印刷が施された後方印刷領域とされており、前記前方領域側から前記視認方向に視認することにより、前記前方印刷領域に呈示された前記絵柄、及び前記前方非印刷領域を通じて視認される前記後方印刷領域に呈示された前記絵柄の組合せからなる意匠絵図が構成されるものである。
本発明のクリアケースにおいては、特定の視認方向から視認すると、前方印刷領域に印刷された絵柄と共に、前方非印刷領域を介して後方印刷領域に印刷された絵柄が視認でき、両者が相まって意匠絵図が構成される。また、意匠絵図を構成する一部が手前側、残部が奥側に見えるため、意匠絵図を遠近感を持たせた立体感溢れるものとすることができる。すなわち、本発明のクリアケースにおいては、クリアケース本体に形成された内部空間の奥行きに相当する遠近差があり、その効果により立体感溢れた表現が可能となる。
また、本発明のクリアケースは、内部に物品を収容すると、前方印刷領域に呈示された絵柄が見えると共に、前方非印刷領域を介して内部に収容された物品が見え、さらにその背後に後方印刷領域に施された絵柄が見える状態になる。そのため、本発明のクリアケースによれば、前方印刷領域及び後方印刷領域に施された絵柄と内部に収容された物品とが一体化された意匠表現を実現できる。
また、本発明のクリアケースは、従来技術のように別途支持部材等を設けることを必須としない。そのため、本発明のクリアケースは、製造に要するコストや手間を最小限に抑制できる。
さらに、本発明のクリアケースにおいては、シート状素材のうち、組立状態においてクリアケース本体の内側を向く面が印刷面とされ、印刷面に印刷が施される。これにより、前面印刷領域に印刷により施された絵柄をクリアケース本体をなすシート状素材の質感を活かしつつ表現することができる。また、後面印刷領域に施された絵柄についても、前面非印刷領域を通じて視認されるため、シート状素材の質感と相まった表現がなされる。従って、本発明によれば、クリアケース本体を構成するシート状素材の質感を活かした意匠絵図の表現が可能となる。
ここで、本発明のクリアケースのようにシート状素材を用いた場合、単に印刷を施しただけでは印刷部分が透けてしまう。これにより、前方領域に印刷により施された絵柄が、クリアケース本体の収容物や後方領域の絵柄と重複し、想定したような意匠効果が得られない可能性がある。また、後方領域の絵柄が透けてしまうと、クリアケース本体の背後に存在する物等が意匠絵図に紛れ込み、意匠効果が損なわれるという問題がある。
かかる知見に基づけば、上述した本発明のクリアケースは、前記前方印刷領域において、前記印刷面に対して前記意匠絵図を構成する着色を施した前面側図柄層が重なり、さらに前記前面側図柄層の一部又は全部に対して無彩色の前方側下地層が重なるように多層印刷が施されており、前記後方印刷領域において、前記印刷面の一部又は全部に対して無彩色の背面側下地層が重なり、さらに前記背面側下地層に対して前記意匠絵図を構成する着色を施した背面側図柄層が重なるように多層印刷が施されているものであることが望ましい。
上述したように前方側下地層や背面側下地層を設けることにより、前面側図柄層や背面側図柄層が透けてしまうのを防止できる。また、上述したように前方側下地層や背面側下地層を無彩色とすることにより、前面側図柄層や背面側図柄層に施された色彩を引き立てることができる。
また、前面側図柄層の一部に前方側下地層が重なり、前面側図柄層の残部には前方側下地層が重ならないように印刷を施した場合には、前面側図柄層に施された絵柄の一部に透ける部分を形成できる。同様に、後方印刷領域において印刷面の一部に背面側下地層が重なり、残部に背面側下地層が重ならないように印刷を施した場合には、背面側図柄層に施された絵柄の一部に透ける部分を形成できる。このように、本発明のクリアケースにおいては、前方側下地層や背面側下地層を活用して前面側図柄層や背面側図柄層に施された絵柄の透け具合を調整できる。
上述した本発明のクリアケースは、前記内部空間に収容される収容物と、前記前方印刷領域及び前記後方印刷領域に施された印刷との組合せにより意匠絵図が構成されるものであることが望ましい。
本発明のクリアケースは、シート状素材によって形成されており、内部空間に収容されている収容物を視認できることを利用し、収容物とクリアケース本体に施された意匠絵図とが一体化して見えるデザイン構造を実現できる。すなわち、本発明のクリアケースによれば、意匠絵図に加えて収容物をデザインを構成するものとして活用できる。
上述した本発明のクリアケースは、前記クリアケース本体の視認方向に応じて複数の前記意匠絵図を視認可能であり、前記前方領域を所定方向から視認することにより、複数の前記意匠絵図を同時に視認可能であることが好ましい。
かかる構成とすることで、視認方向の変化に伴い意匠絵図も変化する意匠効果が得られるクリアケースを提供できる。また、本発明のように前方領域を所定方向から視認することにより複数の意匠絵図を同時に視認可能とすることにより、意匠絵図の組合せによる新たな意匠効果を得ることも可能となる。
上述した本発明のクリアケースは、前記クリアケース本体内に収容された物品を前記前方領域側から視認可能なように支持する支持部材を備えており、前記支持部材が、シート状であって透光性を有する支持部材用素材によって構成されたものであり、前記クリアケース本体内において前記前方領域側に配置される前方支持部と、前記クリアケース本体内において前記前方支持部よりも前記視認方向奥側に配置される後方支持部とを有し、前記クリアケース本体を前記前方領域側から視認することにより、前記前方支持部及び後方支持部に印刷により呈示された図柄の組合せからなる意匠絵図が構成されるものである。
本発明のクリアケースは、物品を支持するための支持部材を備えている。この支持部材は、クリアケース本体内において前方領域側に配置される前方支持部と、視認方向奥側に配置される後方支持部とを有し、前方領域側から視認することにより、前方支持部及び後方支持部に呈示された図柄の組合せからなる意匠絵図が構成される構造となっている。また、前方支持部及び後方支持部が視認方向の前後に離れた位置に存在しているため、遠近感を持たせた表現が可能となる。そのため、本発明によれば、クリアケース本体だけでなく支持部材も意匠効果を発揮するための素材として活用できる。
また、本発明のクリアケース用支持部材は、透光性を有するクリアケース本体内に収容された物品を、前記クリアケース本体において特定の視認方向手前側の面をなす前方領域側から視認可能なように支持するクリアケース用支持部材であって、シート状であって透光性を有する支持部材用素材によって構成されており、前記クリアケース本体内において前記前方領域側に配置される前方支持部と、前記クリアケース本体内において前記前方支持部よりも前記視認方向奥側に配置される後方支持部とを有し、前記クリアケース本体を前記前方領域側から視認することにより、前記前方支持部及び後方支持部に印刷により呈示された図柄の組合せからなる意匠絵図が構成されるものである。
本発明のクリアケース用支持部材は、クリアケース本体内において前方領域側に配置される前方支持部と、視認方向奥側に配置される後方支持部とを有し、前方領域側から視認することにより、前方支持部及び後方支持部に呈示された図柄の組合せからなる意匠絵図が構成される構造となっている。また、前方支持部及び後方支持部が視認方向の前後に離れた位置に存在しているため、遠近感を持たせた表現が可能となる。そのため、本発明によれば、意匠効果を発揮するための素材として活用可能なクリアケース用支持部材を提供できる。
また、本発明のシート素材の製造方法は、透光性を有するシート状素材によって構成され、特定の視認方向手前側の面をなす前方領域側から内部を視認可能であって、前記前方領域に、前記非印刷面側から前記絵柄を視認可能なように印刷が施された前方印刷領域が設けられ、前記前方領域に対して前記視認方向奥側の面をなす後方領域に、前記印刷面側から前記絵柄を視認可能なように印刷が施された後方印刷領域が設けられたクリアケースに用いられるもの関する。本発明のシート素材の製造方法は、前記シート状素材の表面及び裏面のいずれか一方からなる印刷面に対して無彩色の塗布材で印刷を施すことにより、前記後方印刷領域における下地となる下地層を含む領域の印刷を行う第一印刷工程と、前記第一印刷工程による印刷処理が施された前記シート状素材の前記印刷面上に印刷を施すことにより、前記前方印刷領域及び前記後方印刷領域における図柄層の印刷を行う第二印刷工程と、前記第二印刷工程による印刷処理が施された前記シート状素材の前記印刷面上に、無彩色の塗布材で印刷を施すことにより、前記前方印刷領域において下地となる下地層の印刷、及び前記後方印刷領域において図柄を構成する図柄層のうち前記無彩色の前記塗布材と同色部分の印刷を行う第三印刷工程とを有する。また、本発明のシート素材の製造方法は、前記後方印刷領域に印刷される図柄が、前記視認方向から正面視した状態において前記後方印刷領域に呈示される図柄を表裏反転させたものとすることができる。
本発明によれば、上述した本発明のクリアケースやクリアケース用支持部材を実現するために最適なシート素材の製造方法を提供できる。
なお、本発明のクリアケースは、図柄をなす層(図柄層)が、レギュラー四色で印刷されたものであることが望ましい。ここでレギュラー四色とは、印刷において基本色となるシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色を意味する。レギュラー四色の印刷により、金色や銀色等の特殊な色を除き再現可能とされている。また、レギュラー四色を使用することにより、自由なデザインが可能となる。
また、本発明のクリアケースは、図柄をなす層(図柄層)を、1色又は2色以上の特色を用いたものとすることも可能である。具体的には、図柄層の印刷に際し、レギュラー四色だけでなく、白色や金色や銀色等の色を使用しても良い。かかる特色を用いることで、シンプルなデザインを構成する場合や、凸版印刷にて印刷をする場合に、レギュラー四色を用いる場合と比較して印刷コストを抑えることができる。
本発明によれば、遠近感を利用した立体感溢れた表現が可能であると共に、内部に収容された物品と一体化された意匠表現を実現可能なクリアケースやクリアケース用支持部材と、このような立体的表現を実現するためのシート素材の製造方法を提供できる。
本発明の第一実施形態に係るクリアケースを組立て、物品であるリンゴを収納した状態を示した斜視図である。 図1のクリアケースの展開図であり、(a)はクリアケースの組立て状態において内側となる面の正面図、(b)は(a)の展開図におけるA−A’断面図を示している。 図1のクリアケースの製造工程において用いられる印刷版下を示す説明図であり、(a)は第一印刷工程において用いられる印刷版下、(b)は第二印刷工程において用いられる印刷版下、(c)は第三印刷工程において用いられる印刷版下を示している。 (a)は図1のクリアケースをB方向から視認した際の意匠絵図、(b)はC方向から視認した際の意匠絵図、(c)はD方向から視認した際の意匠絵図である。 図1のクリアケースの製造方法の流れを示すフローチャートである。 本発明の第二実施形態に係るクリアケースを組立て、物品であるボールペンを収納した状態を示した斜視図である。 (a)は図6のクリアケースの概要を示した正面図であり、(b)は(a)のE−E’断面図である。 (a)は図6のクリアケースを構成するクリアケース本体の展開図であり、(b)はG−G’断面図である。 図6のクリアケースを構成する支持部材の展開図を示している。 (a)は図9の支持部材を組立てた状態の正面図、(b)は(a)の状態からボールペンを挟み込んだ状態の正面図、(c)は(a)において図柄が印刷された部位を拡大した断面図である。
≪第一実施形態≫
以下、本発明に係るクリアケース10の第一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上下左右等の位置関係を示す用語については、特に断りのない限り、図1に示すようにクリアケース10を配置した状態を基準として説明する。
図1に示すように、クリアケース10は、リンゴ2(物品)を収容するための内部空間S1を有する立体的な容器である。クリアケース10は、樹脂製であって透光性を有するシート状素材15を箱状に組み立てたクリアケース本体13によって構成されている。
クリアケース本体13は、四方を取り囲む側面21,22,23,24と、上蓋部25によって構成された天面、底部26〜29によって構成された底面の六面によって構成されている。クリアケース本体13は、図1に示すように側面21,22のいずれか一方又は双方を正面視した視認状態(以下、「正視認状態」とも称す)において意匠効果を発現するものである。クリアケース本体13は、正視認状態において視認方向手前側の領域をなす前方領域F側から、視認方向奥側の領域をなす後方領域Rを視認可能とされている。具体的には、前方領域Fをなす側面21,22側から後方領域Rをなす側面23,24を視認可能とされている。
クリアケース本体13を構成するシート状素材15には、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)などの素材を原材料として使用できる。シート状素材15は、原材料となる樹脂製のシートを図2に示すような形状に打ち抜くことにより形成される。
シート状素材15は、クリアケース本体13の組み立て状態において上述したような立体形状となるものであればいかなるものであっても良いが、例えば図3(a)に示した展開形状となるものとすることができる。図3(a)に示すとおり、本実施形態においては、シート状素材15は、クリアケース本体13の側面21,22,23,24をなす矩形(正方形あるいは長方形)の領域が互いに連接して設けられたものとされている。側面22の上部には、上蓋部25をなす矩形の領域が隣接して設けられている。上蓋部25のさらに上部に隣接して、差込部30をなす領域が設けられている。側面22の下部には、隣接して底部27(フラップ)をなす領域が設けられている。側面21の上部に隣接して蓋片33が設けられ、さらに下部に隣接して底部26が設けられている。さらに側面21において側面22とは反対側の位置には、糊代部31が設けられている。また、側面23の上部に隣接して蓋片32が設けられ、下部に隣接して底部28が設けられている。側面24の下部には隣接して底部29が設けられている。
図3(b)に示すように、シート状素材15は、表面が絵柄を印刷するための印刷面15aとされ、裏面が絵柄の印刷が施されない非印刷面15bとされる。クリアケース本体13は、印刷面15aが内側(内部空間S1側)に向くようにシート状素材15を組み立てることにより構成される。
また、図3(a),(b)に示すように、シート状素材15には、印刷面15aに印刷が施された印刷領域40と、印刷が施されていない非印刷領域42とが設けられている。各側面21,22,23,24においては、意図的に印刷領域40と非印刷領域42を設け、クリアケース10に収納されるリンゴ2を視認可能としている。具体的には、本実施形態では、クリアケース10の前方領域Fをなす側面21,22の一部について印刷が施された前方印刷領域40a,40bとされ、残部について前方非印刷領域42a,42bとされている。また、クリアケース10の後方領域Rをなす側面23,24については、全体が施された後方印刷領域40c,40dとされている。
ここで、図3(b)に示すように、前方印刷領域40a,40bにおいては、印刷面15aに対して意匠絵図を構成するための前方側図柄層51が重なり、さらに前方側図柄層51の一部又は全部に対して無彩色の前方側下地層53が重なるように多層印刷が施されている。そのため、前方印刷領域40a,40bにおいては、印刷面15aに印刷された前方側図柄層51による絵柄を非印刷面15b側から視認可能とされている。また、前方非印刷領域42a,42bにおいては、印刷が施されていない。そのため、正視認状態においては、前方非印刷領域42a,42bを通じてクリアケース10の内部空間S1や後方領域Rを視認できる。
また、後方印刷領域40c,40dにおいては、印刷面15aに対して無彩色の後方側下地層55が重なり、さらに後方側下地層55に対して意匠絵図を構成するための着色を施した後方側図柄層57が重なるように多層印刷が施されている。そのため、後方印刷領域40c、40dにおいては、印刷面15a側から後方側図柄層57に描かれた絵柄を視認可能であるが、非印刷面15b側からは後方側図柄層57に描かれた絵柄を視認できない。クリアケース10の組立状態においては、正視認方向後方側に位置する側面23,24の印刷面15a側が側面21,22の非印刷領域42を通じて見える。そのため、後方側図柄層57に描かれた絵柄は、正視認状態において前方非印刷領域42a,42bを通じて視認できるが、クリアケース10の後方側からは視認できない。
各側面21,22,23,24についてさらに詳細に説明すると、図1や図2に示すとおり、側面21には、白雪姫をイメージした絵図62が印刷されている。側面21においては、クリアケース10の組立て状態において、最も外側にシート状素材15の非印刷面15bが露出している。また、クリアケース10の内側に配されたシート状素材15の印刷面15aには、クリアケース10の外側から内側に向けて前方側図柄層51及び前方側下地層53の順番で印刷が施されている。そのため、側面21を正面視すると、白雪姫をイメージした絵図62があたかもシート状素材15によってコーティングされたかのような質感で視認される。また、側面21において絵図62以外の領域は非印刷領域42aとされている。そのため、非印刷領域42aを通じて、クリアケース10の内部空間S1や、側面21に対して視認方向奥側に位置する側面23を視認することができる。
側面22には、魔女をイメージした絵図64が印刷されている、側面22についても、クリアケース10の組立て状態において側面21と同様の構成となるように形成されている。すなわち、側面22においては、クリアケース10の外側にシート状素材15の非印刷面15bが露出すると共に、内部空間S1側に向く印刷面15aには、外側から内側に向けて前方側図柄層51及び前方側下地層53の順番で印刷が施されている。そのため、側面22を正面視すると、魔女をイメージした絵図62があたかもシート状素材15によってコーティングされたかのような質感で視認される。また、側面22においては、非印刷領域42bを通じ、クリアケース10の内部空間S1や、側面22に対して視認方向奥側に位置する側面24を視認することができる。
側面23には、白雪姫をイメージした絵図62の背景をなす絵図66が印刷されている。側面23においては、クリアケース10の組立て状態において外側にシート状素材15の非印刷面15bが露出すると共に、内部空間S1側に向く印刷面15aには多層に亘って印刷が施されている。具体的には、印刷面15aには、クリアケース10の外側から内側に向けて後方側下地層55、後方側図柄層57の順で印刷が施されている。そのため、側面23においては、クリアケース10の外側ではなく内側に向けて絵図66の図柄が呈示される。従って、正視認状態においては、側面21の非印刷領域42aを通じ、リンゴ2の背後に絵図66が拡がっているように見える。なお、側面23においては非印刷領域42が設けられていないため、クリアケース10の外側から絵図66は視認できない。
側面24には、魔女をイメージした絵図64の背景をなす絵図68が印刷されている。側面24においても、クリアケース10の組立て状態において側面23と同様の構成となるように形成されている。すなわち、クリアケース10の組立て状態において、外側に露出するように非印刷面15bが設けられている。内部空間S1側に向く印刷面15aにいは、クリアケース10の外側から内側に向けて後方側下地層55、後方側図柄層57の順で印刷が施されている。これにより、側面24においても、側面23と同様にクリアケース10の外側ではなく内側に向けて絵図68の図柄が呈示される。従って、正視認状態においては、側面22の非印刷領域42bを通じ、リンゴ2の背後に絵図68が拡がっているように見える。なお、側面24においても非印刷領域42は設けられていないため、クリアケース10の外側から絵図68は視認できない。
ここで、上述したクリアケース10の製造方法について説明する。クリアケース10は、概ね図5に示したフローに則って製造される。具体的には、クリアケース10を製造する場合には、先ずステップ1〜ステップ4に係る工程(シート状素材15の製造方法)によりシート状素材15を製造する。その後、ステップ5に係る工程においてシート状素材15を組み立ててクリアケース10を完成させる。以下、各工程についてさらに詳細に説明する。
具体的には、クリアケース10を製造する際には、先ずステップ1の第一印刷工程が実施される。第一印刷工程においては、シート状素材15の印刷面15aに対して無彩色の印刷を施すことにより、後方印刷領域40c,40dにおける下地となる下地層(後方側下地層55)が印刷される。具体的には、本実施形態では、第一印刷工程においてシート状素材15に塗布する塗布材として白色のインクが用いられる。そのため、図3(a)においてハッチングにより示した領域、後方印刷領域40c,40dの略全面が無彩色(本実施形態では白色)で印刷される。
上述した第一印刷工程による印刷が完了すると、処理工程がステップ2の第二印刷工程に移行する。第二印刷工程においては、シート状素材15の印刷面15a側に所定の塗布材を用いて印刷を施すことにより、前方印刷領域40a,40b及び後方印刷領域40c,40dにおける図柄層、すなわち前方側図柄層51及び後方側図柄層57のうち塗布材で表現可能な部分についての印刷が行われる。本実施形態では、第二印刷工程において用いる塗布材として、レギュラー四色、すなわちシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクが用いられる。
第二印刷工程についてさらに具体的に説明すると、図3(b)に黒色あるいは灰色で示した領域が塗布材で印刷される。また、後方印刷領域40c,40dにおいて白色の部分を除く領域が塗布材によって印刷される。また、ステップ1において予め印刷されていた後方側下地層55の上に、後方側図柄層57をなす有彩色の部分の印刷も完了する。
また、図3(a)と図4(a),(b)と比較して分かるように、後方印刷領域40c,40dに印刷される図柄は、視認方向から正面視した状態において後方印刷領域に提示される図柄を表裏反転させたものとされる。
上述した第二印刷工程が完了すると、処理工程がステップ3の第三印刷工程に移行する。第三印刷工程においては、印刷面15a側にさらに無彩色の塗布材を用いて印刷が施されることにより、前方印刷領域40a,40bにおいて下地となる前方側下地層53の印刷が行われる。これにより、前方印刷領域40a,40bが透光性が大幅に低減される。この状態においては、前方印刷領域40a,40bに印刷された図柄があたかも紙面に印刷されたかのように見える。これに加えて、前方印刷領域40a,40bにおいて図柄を構成する図柄層(前方側図柄層51)のうち、第三印刷工程にて用いられる無彩色の塗布材(本実施形態では白色)と同色の部分についても印刷される。具体的には、前方印刷領域40aに描かれる白色の花柄の領域が印刷される。
上述したようにして樹脂シートに対して印刷が施されると、ステップ4の成型工程において打ち抜き等の手法によりシート状素材15が切り出される。その後、ステップ5の組立工程において、シート状素材15を組み立てることにより、クリアケース10が完成する。なお、クリアケース10の製造については、ステップ1〜ステップ4の各工程をクリアケースの製造元において行い、ステップ5の組立工程をユーザーが行うようにしても良い。
なお、上述したクリアケース10の製造方法においては、第三印刷工程において前方印刷領域40a,40bの図柄層(前方側図柄層51)のうち、無彩色(白色)の部分を印刷する例を示したが、第一印刷工程において前方側図柄層51のうち無彩色(白色)の部分を印刷するようにしても良い。
次に、クリアケース10の使用状態において看者に与える意匠効果について図面を参照しながら説明する。図1はクリアケース10を組立て、リンゴ2を収納した場合の斜視図を示している。クリアケース10は、側面21を正面視する方向Bから視認すると、視認方向手前側から奥行き方向に側面21に構成された白雪姫をイメージした絵図62、リンゴ2(リンゴ)、側面23(背景)の順に並んだ状態で視認される。これにより、図4(a)に示すように、側面23によって構成された背景と白雪姫との間にリンゴが入った立体的な意匠絵図が構成され、白雪姫の可愛らしい雰囲気とリンゴや背景とが一体化したイメージを看者に与えることができる。
一方、側面22を正面視する方向Cからクリアケース10を視認した場合には、視認方向手前側から奥行き方向に、側面22に構成された魔女をイメージした絵図64、リンゴ2(リンゴ)、側面24(背景)の順で並んだ状態で視認される。これにより、図4(b)に示すように、側面24によって構成された背景と魔女との間にリンゴが入った立体的な意匠絵図が構成され、魔女の怖い雰囲気とリンゴや背景とが一体化したイメージを看者に与えることができる。
また、クリアケース10は、側面21及び側面22の双方を正面視できる角度で視認することにより、側面21あるいは側面22のみを正面視した状態とは異なるイメージの意匠絵図を構成できる。具体的には、側面21及び側面22の間に形成された稜線L近傍を中心としてクリアケース10を視認すると、側面21及び側面22の双方を正面視した状態になる。この状態においては、側面21側の領域において白雪姫をイメージした絵図62、リンゴ2(リンゴ)、側面23(背景)の順に並んだ状態で視認される一方、側面22側の領域において魔女をイメージした絵図64、リンゴ2(リンゴ)、側面24(背景)の順で並んだ状態で視認される。これにより、図4(c)に示すように、あたかも会話をしている白雪姫と魔女との間にリンゴが入った立体的な意匠絵図が構成され、白雪姫のストーリーを看者に想起させる意匠効果が得られる。
≪第二実施形態≫
次に、本発明の第二実施形態のクリアケース70について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において上下左右等の位置関係については、特に断りのない限り、図6に示すようにクリアケース70を配置した状態を基準として説明する。また、第一実施形態に係るクリアケース10と重複する構成については、適宜詳細の説明を省略することがある。
クリアケース70は、ボールペン4(物品)を収納して、販売するためのものである。クリアケース70は、クリアケース本体80に加え、支持部材100を備えている点において上述したクリアケース10と構成が大きく相違している。クリアケース70は、ボールペン4を収納するためのものであり、支持部材100は、ボールペン4をクリアケース70内で固定するためのものである。
図6に示すように、クリアケース本体80は、略直方体状の箱体である。クリアケース本体80は、ボールペン4や支持部材100を収容可能な内部空間S2を有する。クリアケース本体80は、樹脂製であって透光性を有するシート状素材81を箱状に組み立てたものである。
クリアケース本体80は、後面83、側面84、前面85、及び側面86によって四方が取り囲まれ、天面をなす上蓋部88と、底面をなす底部92(フラップ)により上下が閉塞された外観形状を有する。また、クリアケース本体80には、陳列に利用するためのフック部87が後面83から突出するように設けられている。クリアケース本体80は、図6に示すように前面85及び側面86のいずれか一方又は双方を正面視した視認状態(以下、「正視認状態」とも称す)において後に詳述するような特有の意匠効果を発現する。クリアケース本体80は、正視認状態において視認方向手前側の領域をなす前面85及び側面86(前方領域F)側から、視認方向奥側の領域をなす後面83及び側面84(後方領域R)を視認可能とされている。
シート状素材81は、組み立て状態においてクリアケース本体80となるものであればいかなるものであっても良いが、例えば図8(a)に示した展開形状となるものとすることができる。図8(a)に示したシート状素材81は、展開状態において糊代部82、後面83、側面84、前面85、側面86が互いに連接して設けられている。前面85の上部には、上蓋部88が隣接して設けられている。上蓋部88のさらに上部に隣接して、差込部89が設けられている。また、前面85の下部には、隣接して底部92(フラップ)が設けられ、さらに底部92の下部には差込部93が設けられている。後面83の上部には隣接してフック部87が設けられており、フック部87の略中央には穴部96が設けられている。側面84,86の上部にはそれぞれ隣接して蓋片90,91が設けられ、下部にはそれぞれ隣接して底片94,95が設けられている。
図8(b)に示すように、シート状素材81は、表面が絵柄を印刷するための印刷面81aとされ、裏面が絵柄の印刷が施されない非印刷面81bとされる。クリアケース本体80は、印刷面81aが内側(内部空間S2側)に向くようにシート状素材81を組み立てることにより構成される。
また、シート状素材81には、印刷面81aに印刷が施された印刷領域140と、印刷が施されていない非印刷領域142とが設けられている。印刷領域140だけでなく非印刷領域142を設けることにより、クリアケース本体80に収納されるボールペン4等を視認可能としている。具体的には、本実施形態では、クリアケース本体80の前方領域Fをなす前面85及び側面86の一部が前方印刷領域140a,140bとされ、残部が前方非印刷領域142a,142bとされている。また、後方領域Rをなす後面83及び側面84については、全体が後方印刷領域140c,140dとされており、非印刷領域142は存在していない。
図8(b)に示すとおり、前方印刷領域140a,140bにおいては、印刷面81aに対して意匠絵図を構成するための前方側図柄層154が重なり、さらに前方側図柄層154の一部又は全部に対して無彩色(本実施形態においては白色)の前方側下地層152が重なるように多層印刷が施されている。そのため、前方印刷領域140a,140bにおいては、印刷面81aに印刷された前方側図柄層154による絵柄を非印刷面81b側から視認可能とされている。前方印刷領域140a,140bには、人の手の親指付近をイメージした絵図134が構成されている。また、前方非印刷領域142a,142bにおいては、印刷が施されていない。そのため、正視認状態においては、前方非印刷領域142a,142bを通じてクリアケース本体80の内部空間S2や後方領域Rを視認できる。
また、後方印刷領域140c,140dにおいては、印刷面81aに対して無彩色(本実施形態では白色)の後方側下地層151が重なり、さらに後方側下地層151に対して意匠絵図を構成するための着色を施した後方側図柄層153が重なるように多層印刷が施されている。そのため、後方印刷領域140c、140dにおいては、印刷面81a側から後方側図柄層153に描かれた絵柄を視認可能であるが、非印刷面15b側からは後方側図柄層153に描かれた絵柄を視認できない。すなわち、後方側図柄層153に描かれた絵柄は、正視認状態において前方非印刷領域142a,142bを通じて視認できるが、クリアケース本体80の後方(背後)からは視認できない。後面83及び側面84の後方印刷領域140c,140dには、原稿用紙をイメージした絵図132が構成されている。なお、後方領域Rをなす後面83及び側面84には非印刷領域142が設けられていない。
図10(b)等に示すように、支持部材100は、ボールペン4を固定してクリアケース本体80に収納するためのものである。図9に示すように、支持部材100は、透光性を有する樹脂製のシート状素材102によって構成されている。シート状素材102は、原材料となる樹脂製のシートに対して印刷を施し、さらに略長方形に打ち抜き、折線を設ける等の加工を施して形成されたものである。
具体的には、シート状素材102には、長手方向に10本の折線106a,106b,108a,108b,110a,110b,112a,112b,122a,122bと、切込線124a,124bとが設けられている。図10に示すように、シート状素材102は、折線106a,106b,108a,108b,110a,110b,112a,112bに沿って折り曲げることができる。シート状素材102をこのように折り曲げると、支持部前面111,113(前方支持部)、支持部後面115(後方支持部)、支持部側面107,109が形成される。また、シート状素材102の幅方向中間部には、上下方向に亘って斜めに延びる溝部126が形成される。溝部126は、支持部側面107,109及び支持部後面115によって区画された溝状の部分であり、ボールペン4が略隙間なく嵌まる大きさとされている。また、シート状素材102の長手方向中央より上部には、折線122a,122bと切込線124a,124bによって固定部120が形成される。固定部120は、支持部前面111,113側において溝部126を跨ぐように形成された帯状の部分である。固定部120が設けられることにより、ボールペン4を挿通させて溝部126から脱落しないように固定することができる。
シート状素材102は、一方の面が印刷面102aとされ、他方の面が非印刷面102bとされている。シート状素材102では、クリアケース本体80に支持部材100を収容した状態において、クリアケース本体80の後面83側を向く面が印刷面102aとされ、前面85側を向く面が非印刷面102bとされている。シート状素材102においては、印刷面102a側にのみ印刷が施され、非印刷面102bには印刷が施されていない。
また、シート状素材102には、印刷面102aにおいて印刷が施された支持部印刷領域145と、印刷が施されていない支持部非印刷領域147とが設けられている。支持部印刷領域145には、人の手がボールペン4を握ったイメージを構成するための絵図136が構成されている。
支持部印刷領域145においては、上述したクリアケース本体80と同様の手法により印刷が施されている。具体的には、図10(c)に示すように、支持部印刷領域145においては、印刷面102aに対して意匠絵図を構成するための図柄層155が重なり、さらに図柄層155に対して無彩色(本実施形態においては白色)の下地層157が重なるように多層印刷が施されている。また、図柄層155には、正視認状態において確認される図柄とは表裏反転した状態で図柄が印刷されている。そのため、シート状素材102を折り曲げて支持部材100を形成すると、図10のように非印刷面102b側から印刷領域140cに人の手をイメージした絵図136を視認できる。
次に、クリアケース70の使用状態において看者に与える視認効果につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。クリアケース70は、支持部材100にボールペン4を装着したものをクリアケース本体80に収容させた状態で使用される。先ず、支持部材100にボールペン4を装着した状態においては、図10(b)に示すように、人の手をイメージした絵図136に現された人差し指と中指とでボールペン4が挟まれているかのようなイメージの意匠効果が得られる。また、ボールペン4を装着した状態の支持部材100をクリアケース本体80内に収容させると、図6や図7(a)に示すように、ボールペン4の手前に親指付近をイメージした絵図134が配置された状態になる。これにより、筆記するためにボールペン4を人の手で握っているかのようなイメージの意匠絵図が立体的に構成される。さらに、図6に示すように、後面83及び側面84に描かれた原稿用紙をイメージした絵図132が背後に現れる。これにより、絵図132によって表現された原稿用紙にしたためられた文字をボールペン4で記入している状況を看者に想起させるような意匠効果が得られる。
本実施形態では、図柄の印刷に、レギュラー四色のインク、すなわちシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックのインクを使用しているが本発明はこれに限定されるものではなく、その他1色又は2色以上の特色を用いることも可能である。具体的には、白色や金色や銀色等の色を図柄の印刷に使用しても良い。
上述した本発明のクリアケースは、本発明の実施形態の一部を例示したものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、大きさや印刷領域、クリアケースの形状等、適宜選択可能である。クリアケースの中に収納する物品とクリアケースが一体化したデザインの選択により、物品を商品として店頭で販売する場合において、クリアケースに構成されるデザイン絵図の奥行きやストーリー性を利用したデザインが可能となる。また、商品のイメージをわかりやすく消費者に認識させ、消費者が見て楽しめる、目を引く等の販促効果が期待できる。
本発明のクリアケース、クリアケース用支持部材、及びシート素材の製造方法は、物品を販売するための包装資材、サンプル品の展示等、物品の様々な販促に有効活用することができる。
2 リンゴ(物品)
4 ボールペン(物品)
10 クリアケース
13 クリアケース本体
15 シート状素材
15a 印刷面
15b 非印刷面
40 印刷領域
40a 前方印刷領域
40b 前方印刷領域
40c 後方印刷領域
40d 後方印刷領域
42 非印刷領域
42a 前方非印刷領域
42b 前方非印刷領域
42a 非印刷領域
42b 非印刷領域
51 前方側図柄層
53 前方側下地層
55 後方側下地層
57 後方側図柄層
70 クリアケース
80 クリアケース本体
81 シート状素材
81a 印刷面
81b 非印刷面
100 支持部材
102 シート状素材
102a 印刷面
102b 非印刷面
107 支持部側面
111 支持部前面
115 支持部後面
140 印刷領域
140a 前方印刷領域
140b 前方印刷領域
140c 後方印刷領域
140d 後方印刷領域
142 非印刷領域
142a 前方非印刷領域
142b 前方非印刷領域
145 支持部印刷領域
147 支持部非印刷領域
151 後方側下地層
152 前方側下地層
153 後方側図柄層
154 前方側図柄層
155 図柄層
157 下地層
S1 内部空間
S2 内部空間
F 前方領域
R 後方領域

Claims (9)

  1. 透光性を有するシート状素材によって構成され、特定の視認方向手前側の領域をなす前方領域から前記視認方向奥側の領域をなす後方領域を視認可能なクリアケース本体を有し、
    前記前方領域の一部が、印刷が施された前方印刷領域とされ、前記前方領域の残部が、印刷の施されていない前方非印刷領域とされており、
    前記後方領域の一部又は全部が、印刷が施された後方印刷領域とされており、
    前記前方領域側から前記視認方向に視認することにより、前記前方印刷領域において印刷により呈示された絵柄、及び前記前方非印刷領域を通じて視認される前記後方印刷領域において印刷により呈示された絵柄の組合せからなる意匠絵図が構成されることを特徴とするクリアケース。
  2. 透光性を有するシート状素材によって構成され、特定の視認方向手前側の領域をなす前方領域から前記視認方向奥側の領域をなす後方領域を視認可能なクリアケース本体を有し、
    前記シート状素材の表面及び裏面のいずれか一方が絵柄の印刷が施される印刷面であり、他方が絵柄の印刷が施されていない非印刷面とされ、
    前記印刷面が前記クリアケース本体の内側に向くように組み立てられるものであり、
    前記前方領域の一部が、前記非印刷面側から前記印刷面に施された前記絵柄を視認可能とされた前方印刷領域とされ、前記前方領域の残部が、印刷の施されていない前方非印刷領域とされており、
    前記後方領域の一部又は全部が、前記印刷面側から前記絵柄を視認可能なように印刷が施された後方印刷領域とされており、
    前記前方領域側から前記視認方向に視認することにより、前記前方印刷領域に呈示された前記絵柄、及び前記前方非印刷領域を通じて視認される前記後方印刷領域に呈示された前記絵柄の組合せからなる意匠絵図が構成されることを特徴とするクリアケース。
  3. 前記前方印刷領域において、前記印刷面に対して前記意匠絵図を構成する着色を施した前方側図柄層が重なり、さらに前記前方側図柄層の一部又は全部に対して無彩色の前方側下地層が重なるように多層印刷が施されており、
    前記後方印刷領域において、前記印刷面に対して無彩色の後方側下地層が重なり、さらに前記後方側下地層に対して前記意匠絵図を構成する着色を施した後方側図柄層が重なるように多層印刷が施されていることを特徴とする請求項2に記載のクリアケース。
  4. 前記クリアケースの内部空間に収容される収容物と、前記前方印刷領域及び前記後方印刷領域に施された印刷との組合せにより意匠絵図が構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクリアケース。
  5. 前記クリアケース本体の視認方向に応じて複数の前記意匠絵図を視認可能であり、
    前記前方領域を所定方向から視認することにより、複数の前記意匠絵図を同時に視認可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のクリアケース。
  6. 前記クリアケース本体内に収容された物品を前記前方領域側から視認可能なように支持する支持部材を備えており、
    前記支持部材が、シート状であって透光性を有する支持部材用素材によって構成されたものであり、
    前記クリアケース本体内において前記前方領域側に配置される前方支持部と、
    前記クリアケース本体内において前記前方支持部よりも前記視認方向奥側に配置される後方支持部とを有し、
    前記クリアケース本体を前記前方領域側から視認することにより、前記前方支持部及び前記後方支持部に印刷により呈示された図柄の組合せからなる意匠絵図が構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクリアケース。
  7. 透光性を有するクリアケース本体内に収容された物品を、前記クリアケース本体において特定の視認方向手前側の面をなす前方領域側から視認可能なように支持するクリアケース用支持部材であって、
    シート状であって透光性を有する支持部材用素材によって構成されており、
    前記クリアケース本体内において前記前方領域側に配置される前方支持部と、
    前記クリアケース本体内において前記前方支持部よりも前記視認方向奥側に配置される後方支持部とを有し、
    前記クリアケース本体を前記前方領域側から視認することにより、前記前方支持部及び前記後方支持部に印刷により呈示された図柄の組合せからなる意匠絵図が構成されることを特徴とするクリアケース用支持部材。
  8. 透光性を有するシート状素材によって構成され、特定の視認方向手前側の面をなす前方領域側から内部を視認可能であって、前記前方領域に、前記非印刷面側から前記絵柄を視認可能なように印刷が施された前方印刷領域が設けられ、前記前方領域に対して前記視認方向奥側の面をなす後方領域に、前記印刷面側から前記絵柄を視認可能なように印刷が施された後方印刷領域が設けられたクリアケースに用いられるシート素材の製造方法であって、
    前記シート状素材の表面及び裏面のいずれか一方からなる印刷面に対して無彩色の塗布材で印刷を施すことにより、前記後方印刷領域における下地となる下地層を含む領域の印刷を行う第一印刷工程と、
    前記第一印刷工程による印刷処理が施された前記シート状素材の前記印刷面上に塗布材で印刷を施すことにより、前記前方印刷領域及び前記後方印刷領域における図柄層を含む領域の印刷を行う第二印刷工程と、
    前記第二印刷工程による印刷処理が施された前記シート状素材の前記印刷面上に、無彩色の塗布材で印刷を施すことにより、前記前方印刷領域において下地となる下地層を含む領域の印刷を行う第三印刷工程とを有することを特徴とするシート素材の製造方法。
  9. 前記後方印刷領域に印刷される図柄が、前記視認方向から正面視した状態において前記後方印刷領域に呈示される図柄を表裏反転させたものであることを特徴とする請求項8に記載のシート素材の製造方法。
JP2015012545A 2015-01-26 2015-01-26 クリアケース、クリアケース用支持部材、及びシート素材の製造方法 Active JP6525187B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015012545A JP6525187B2 (ja) 2015-01-26 2015-01-26 クリアケース、クリアケース用支持部材、及びシート素材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015012545A JP6525187B2 (ja) 2015-01-26 2015-01-26 クリアケース、クリアケース用支持部材、及びシート素材の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016137900A true JP2016137900A (ja) 2016-08-04
JP2016137900A5 JP2016137900A5 (ja) 2016-12-28
JP6525187B2 JP6525187B2 (ja) 2019-06-05

Family

ID=56558293

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015012545A Active JP6525187B2 (ja) 2015-01-26 2015-01-26 クリアケース、クリアケース用支持部材、及びシート素材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6525187B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018100122A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 小林製薬株式会社 物品収容体

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09169375A (ja) * 1995-12-18 1997-06-30 Kokuyo Co Ltd 筆記具ホルダー及びその収納ケース
JP2000281160A (ja) * 1999-03-25 2000-10-10 Mamiya Op Co Ltd 展示用釣竿収納容器
US20040128876A1 (en) * 2002-07-19 2004-07-08 Maria Cheek Greeting cards, postcards, gift bags, and the like employing a special effects container
JP2004189261A (ja) * 2002-12-10 2004-07-08 Kanebo Ltd 包装用箱およびそれを用いた包装体の陳列方法
JP2007039046A (ja) * 2005-07-29 2007-02-15 Yoshino Kogyosho Co Ltd 商品の加飾方法
JP2012201370A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Ueroku Insatsu Kk 包装陳列用ケース
JP2014114061A (ja) * 2012-12-12 2014-06-26 Dainippon Printing Co Ltd 包装用フィルムおよび容器

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09169375A (ja) * 1995-12-18 1997-06-30 Kokuyo Co Ltd 筆記具ホルダー及びその収納ケース
JP2000281160A (ja) * 1999-03-25 2000-10-10 Mamiya Op Co Ltd 展示用釣竿収納容器
US20040128876A1 (en) * 2002-07-19 2004-07-08 Maria Cheek Greeting cards, postcards, gift bags, and the like employing a special effects container
JP2004189261A (ja) * 2002-12-10 2004-07-08 Kanebo Ltd 包装用箱およびそれを用いた包装体の陳列方法
JP2007039046A (ja) * 2005-07-29 2007-02-15 Yoshino Kogyosho Co Ltd 商品の加飾方法
JP2012201370A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Ueroku Insatsu Kk 包装陳列用ケース
JP2014114061A (ja) * 2012-12-12 2014-06-26 Dainippon Printing Co Ltd 包装用フィルムおよび容器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018100122A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 小林製薬株式会社 物品収容体

Also Published As

Publication number Publication date
JP6525187B2 (ja) 2019-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9256070B2 (en) Image display device and program
KR20050048726A (ko) 투명창이 있는 입체 플라스틱 시트 및 그 제조방법
JP6525187B2 (ja) クリアケース、クリアケース用支持部材、及びシート素材の製造方法
JP2015031808A (ja) 映像表示装置及びプログラム
KR101697224B1 (ko) 입체감 및 고급질감을 제공하는 화장품 용기
KR101513376B1 (ko) 투명한 광학부재를 갖춘 용기
CN111051211B (zh) 薄片材料容器
JP2007039046A (ja) 商品の加飾方法
JP2007003628A (ja) フィルムラベル及びその製造方法
JP6174093B2 (ja) 映像表示装置
JP5304056B2 (ja) 包装用箱
US7159866B2 (en) Hidden element puzzle
JP5498034B2 (ja) 樹脂成型物製造方法、樹脂成型物、樹脂成型物ユニット
JP6805579B2 (ja) 包装箱
JP6417454B2 (ja) 映像表示装置
JP5240753B2 (ja) 情報カード
JP2011219107A (ja) 加飾二重容器
JP2020104298A (ja) 箱、ラベル又は台紙
JP3110936U (ja) クリヤファイル
JP2010235162A (ja) 包装用箱
JP3147969U (ja) 遮蔽性を有するクリアファイル
JP3111245U (ja) 額縁
JP2015048106A (ja) 紙箱
CN204725939U (zh) 一种图案扩大3d呈现塑胶膜
JP3174621U (ja) 包装用材

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161109

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181009

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181016

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190424

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6525187

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250