JP2016137527A - 制御装置、制御方法、及びプログラム - Google Patents

制御装置、制御方法、及びプログラム Download PDF

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敦義 西面
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Abstract

【課題】目標経路に対し高精度かつ再現性の高い曲がり孔を加工することができる電解加工装置の制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、先端に軸回りに異方性を有した電極棒を回転させつつ、電極棒先端から電解液を流出させて電極棒先端の範囲を電解加工する電解加工装置において、電極棒の先端に関する位置情報である先端計測情報を取得する先端計測情報取得部と、予め設定された目標経路情報に基づいて設定された平面曲線が記憶された経路情報記憶部と、前記平面曲線上における加工目標位置と前記先端計測情報とから得られる前記平面曲線の曲線法線方向の偏差に基づいて電解液の流量を算出する流量算出部と、前記流量算出部が算出した流量と、前記平面曲線上における加工目標位置と先端計測情報とから得られる前記平面曲線を含む平面の法線方向の偏差とに基づいて、前記電極棒の軸線回りの向きを決定する電極向き算出部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解加工装置の制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
機械加工が困難な難削材の電解加工は、一般的に電解加工法や放電加工法によって行われており、特に高アスペクト比を有する難削材に対して電解加工をする際には電解加工法
を用いることが好ましい。
孔径に比べて、孔深さが長い高アスペクト比の孔加工を行う場合、電解加工装置が用いられる。電解加工装置は、可撓性を持つ筒状の電極を有しており、この電極と工作物の間に電解液を流入させ、電極を陰極、工作物を陽極とする電圧をかけながら電極を挿入することで、工作物を溶解して孔加工を行う。
また、特許文献1には、可撓性を持つ筒状の電極であって、電極の周方向位置の一部に電解液を径方向外側に向かって噴出することができる電解加工工具が記載されている。この工具によれば、電極から噴出する電解液の流量を操作して孔の曲率を制御し、電極の向きによって電極液の噴出方向を操作することで孔の曲がり方向を制御しながら、所望の形状の孔加工を行うことができる。
また、工具にUT(Ultrasonic Testing)センサを設け、孔位置のリアルタイムに計測するシステムを電解加工装置に組み合わせ、曲がり孔の目標経路を設定し、孔位置の計測値と目標経路との偏差を流量、及び電極の向きにフィードバックすることにより、目標経路との偏差を減少させることができる。
特開2014−113678号公報
フィードバック制御において、電解液の流量と電極の向きを決定するために必要な曲がり孔加工のモデルによると、形成される孔の位置と曲率、捩率は非線形の関係にあることがわかっており、この非線形モデルを用いると、電極の捩率や電解液の流量の制御が複雑になってしまう。また、孔加工のモデルを考えず、PI制御などを行うと目標経路との偏差を十分に減少させることができず、加工精度に課題が残る。
そこでこの発明は、上記の課題を解決することのできる制御装置、制御方法、及びプログラムを提供することを目的としている。
本発明の第1の態様は、先端に軸回りに異方性を有した電極棒を回転させつつ、電極棒先端から電解液を流出させて電極棒先端の範囲を電解加工する電解加工装置において、電極棒の先端に関する位置情報である先端計測情報を取得する先端計測情報取得部と、予め設定された目標経路情報に基づく平面曲線を記憶する経路情報記憶部と、前記平面曲線上における加工目標位置と前記先端計測情報とから得られる前記平面曲線の曲線法線方向の偏差に基づいて電解液の流量を算出する流量算出部と、前記流量算出部が算出した流量と、前記平面曲線上における加工目標位置と前記先端計測情報とから得られる前記平面曲線を含む平面の法線方向の偏差とに基づいて、前記電極棒の軸線回りの向きを決定する電極向き算出部と、を備える制御装置である。
本発明の第2の態様における制御装置は、前記目標経路情報が空間曲線を示す場合に、当該空間曲線を構成する複数の平面曲線を、各平面曲線を接続する端点における接線周りに回転させて前記複数の平面曲線を一つの平面上の統合平面曲線に変換する座標変換部、を備え、前記座標変換部は、前記先端計測情報を、前記統合平面曲線を基準とする位置情報に変換し、前記流量算出部は、前記座標変換部が変換した前記先端計測情報と前記統合平面曲線における加工目標位置との偏差に基づいて前記流量を算出し、前記電極向き算出部は、前記座標変換部が変換した前記先端計測情報と前記統合平面曲線における加工目標位置との偏差に基づいて前記電極棒の軸線回りの向きを決定する。
本発明の第3の態様における制御装置は、前記電解液の流量の変化率を算出する流量変化率算出部と、前記流量の変化率と先端計測情報の補正量との関係を記憶する補正量記憶部と、を備え、前記流量算出部は、前記流量の変化率と上記関係とに基づいて得られる補正量によって補正した先端計測情報を用いて前記流量を算出する。
本発明の第4の態様における前記流量の変化率と先端計測情報の補正量とは、線形関係にある。
本発明の第5の態様は、先端に軸回りに異方性を有した電極棒を回転させつつ、電極棒先端から電解液を流出させて電極棒先端の範囲を電解加工する電解加工装置において、電極棒の先端に関する位置情報である先端計測情報を取得し、予め設定された目標経路情報に基づく平面曲線を記憶する経路情報記憶部から前記平面曲線を取得し、前記平面曲線上における加工目標位置と前記先端計測情報とから得られる前記平面曲線の曲線法線方向の偏差に基づいて電解液の流量を算出し、前記算出した流量と、前記平面曲線上における加工目標位置と前記先端計測情報とから得られる前記平面曲線を含む平面の法線方向の偏差とに基づいて、前記電極棒の軸線回りの向きを決定する制御方法である。
本発明の第6の態様は、先端に軸回りに異方性を有した電極棒を回転させつつ、電極棒先端から電解液を流出させて電極棒先端の範囲を電解加工する電解加工装置を制御する制御装置のコンピュータを、電極棒の先端に関する位置情報である先端計測情報を取得する手段、予め設定された目標経路情報に基づく平面曲線を記憶する経路情報記憶部から前記平面曲線を取得する手段、前記平面曲線上における加工目標位置と前記先端計測情報とから得られる前記平面曲線の曲線法線方向の偏差に基づいて電解液の流量を算出する手段、前記算出した流量と、前記平面曲線上における加工目標位置と前記先端計測情報とから得られる前記平面曲線を含む平面の法線方向の偏差とに基づいて、前記電極棒の軸線回りの向きを決定する手段、として機能させるためのプログラムである。
本発明の実施形態による制御装置によれば、目標経路に対し、高精度かつ再現性の高い曲がり孔を加工することができる。
本発明の第一実施形態による制御装置を備える電解加工システムの構成の一例を示す図である。 本発明の第一実施形態による制御装置の制御対象である電解加工装置の一例を示す図である。 本発明の第一実施形態による電解加工装置が被加工物に対して行う電曲がり孔加工のモデルの一例を示す図である。 本発明の第一実施形態による線形制御モデルの概略ブロック図である。 本発明の第一実施形態による制御装置の状態推定部を示す図である。 本発明の第一実施形態による制御装置を備える電解加工システムの処理フローの一例である。 本発明の第二実施形態による制御装置を備える電解加工システムの一例を示す図である。 本発明の第二実施形態による座標変換を説明する第一の図である。 本発明の第二実施形態による座標変換を説明する第二の図である。 本発明の第二実施形態による座標変換を説明する第三の図である。 本発明の第二実施形態による制御装置を備える電解加工システムの処理フローの一例である。 本発明の第三実施形態による制御装置を備える電解加工システムの一例を示す図である。 本発明の第三実施形態による流量変化と推定値誤差を説明する第一の図である。 本発明の第三実施形態による流量変化と推定値誤差を説明する第二の図である。 本発明の第三実施形態による制御装置を備える電解加工システムの処理フローの一例である。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態による制御装置を備える電解加工システムの構成の一例を示す図である。
図1で示すように、第一実施形態による電解加工システム1は、制御装置2と、電解加工装置3と、超音波探傷装置4とを備える。
電解加工システム1が備える制御装置2は、先端計測情報取得部101と、流量算出部102と、電極向き算出部103と、状態推定部104と、記憶部105と、操作量決定部106とを備える。
制御装置2が備える先端計測情報取得部101は、超音波探傷装置4が測定した加工孔の位置情報を取得し、電解加工装置3が備える加工具である電極棒10の先端位置の位置情報を推定する。
流量算出部102は、予め定められた加工孔の形状を示す目標経路情報に基づいて設定された平面曲線上における加工目標位置と、電極棒10の先端位置の推定位置情報とから得られる前記平面曲線の曲線法線方向の偏差に基づいて電解液の流量を決定する。
電極向き算出部103は、流量算出部102が演算した電解液の流量と、平面曲線上における加工目標位置と電極棒10の先端位置の推定位置情報とから得られる平面曲線を含む平面の法線方向の偏差とに基づいて、電極棒10の軸線回りの向きを決定する。
状態推定部104は、先端計測情報取得部101が推定した電極棒10の先端位置の位置情報などに基づいて、曲がり孔の角度や曲率等の直接測定できない状態量を、予め定められた推定モデルを用いて推定する。推定した曲がり孔の角度や曲率は、電極棒10の先端位置の推定位置の補正に用いる。
記憶部105は、電極棒10を移動させる理想的な経路であって予め設定された経路情報に基づいて設定された平面曲線など、電解加工装置3の動作に必要な種々のデータを記憶している。
操作量決定部106は、流量算出部102が算出した電解液の流量、電極向き算出部103が算出した電極棒10の軸線回りの向き、に応じて電解加工装置3の操作量を決定し、電解加工装置3へ操作量を指令する。
電解加工装置3は、制御装置2による制御に基づいて、被加工物に対して加工を行う。
超音波探傷装置4は、加工中の孔位置のリアルタイム計測システムである。超音波探傷装置4は、電極棒10の所定の部分に設けられたUT(Ultrasonic Testing)センサから、電極棒10に係る位置情報を取得し、制御装置2へ出力する。
図2は、本発明の第一実施形態による制御装置の制御対象である電解加工装置の一例を示す図である。
電解加工装置3は、図2で示すように、加工孔201内に挿入されながら、被加工物200を電解加工する電極棒10と、その電極棒10を操作する駆動部20とを備える。また、図2には、電解加工装置3と同時に、被加工物200と、電解加工装置3で加工した加工孔201と、内壁面202と、電解液Lとが示されている。
電解加工装置3は、電解液Lを介して電極棒10と被加工物200との間に電圧を印加して通電することにより、被加工物200を溶解させて加工する。電解加工装置3は、先端に軸回りに異方性を有した電極棒を回転させつつ、電極棒先端から電解液を流出させて電極棒先端の範囲を電解加工する。
具体的には、電極棒10の先端面11は、軸方向に対して傾斜する方向を向いている。したがって、電圧印加時の電界は、電極棒10の先端面11が向く方向に偏在することになり、即ち、電極棒10の先端の周方向の一部に電場強度が偏在する。電解加工装置3が備える電極棒10内を流通する電解液Lは、電極の先端から流出されるほか、一部は電極棒10のある側面に設けられた孔部(図示せず)から電極棒10の径方向外部へと向かって流出される。孔部から流出された電解液Lは、加工孔201に流体作用力を付与することにより、電極棒10にはその反力が付与され、電極棒10による加工孔の穿設方向を変化させることができる。異方性とは、これら先端面11の傾斜や電極棒10のある側面にのみ孔部が設けられていることを指す。
したがって、駆動部20は、電極棒10内を流通する電解液Lの液量を変化させることで、加工孔への流体作用力の大きさを変化させ、その結果、加工孔201の穿設方向を調整することができる。これにより、意図した曲率の加工孔を容易に形成することができる。また、電極棒10は、可撓性を有している。電解加工装置3は、電極棒10を軸回りに回転させながら加工孔へ送り込むため、円滑な加工を行うことが可能となる。その結果、電解加工装置3は、曲がり孔の加工孔を容易に形成することができる。
制御装置2の流量算出部102は、適切な電解液Lの液量を算出し、電極向き算出部103は、電極棒10の軸回りの向きを算出し、電極棒10の径方向外部へ向かって流出される電解液の噴出向きを決定する。なお、電解液Lの流量は多すぎると電極と孔内壁の接触により短絡が発生し、少なすぎると電解反応による生成物が液流で除去されず電解反応が進まなくなる。このため、流量算出部102が算出する電解液Lの流量には上下限値制約を設けるか、上下限値を超えないようなモデルに基づいて電解液Lの流量を決定するものとする。
図3は、本発明の第一実施形態による電解加工装置が被加工物に対して行う電曲がり孔加工のモデルの一例を示す図である。
図3は、本実施形態における電解液Lの流量と電極の向きを決定するために必要な曲がり孔加工のモデルである。符号30は、図3の座標系の原点である。原点とは加工開始位置である。また、符号31は、電極棒10を示している。符号32は、加工された孔を示している。ここで孔の形状を表す曲線の曲率をκ、捩率をτ、孔の位置をχ=[x、y、z]T、電極棒10の長さをζとし、孔の形状を表す曲線のある点における接線方向(電極棒10の進行方向)をe1、法線方向をe2、e1及びe2に直交する方向をe3とすると、曲率、捩率、孔位置の関係は以下の式で表すことができる。
Figure 2016137527
なお、e=[eix、eiy、eizT、|e|=1 i=1,2,3、
×e=e、e×e=e、e×e=eが成り立つ。
本実施形態の電解加工装置3では、曲率τは、電解液Lの流量に比例し、捩率τは、電極の向きの変化率に比例している。式(1)が示すように、曲率、捩率、孔位置の関係は、非線形の関係にある。従って、このままでは線形制御理論に基づいて、電解液Lの流量、電極の向きを制御することができず、制御が複雑になってしまう。そこで、本実施形態では、線形制御理論に基づいて、孔位置と目標経路の偏差を減少させる様に電解液Lの流量、電極の向きを制御するフィードバック制御を行う制御装置2を提供する。
図4は、本発明の第一実施形態による線形制御モデルの概略ブロック図である。
図4は、目標孔軌道に対し、捩れが微小で、曲がりが十分小さい範囲で定め、非線形である制御対象のモデルを簡略化し、線形フィードバック制御系を構成した場合の制御モデルのブロック図である。式(1)にて、孔の曲り、捩じりが微小である場合、
1x、e1y、e2y、e2z、e3x、e3z ≒ 0、
1z、e2x、e3y ≒ 1、
であり、曲率、捩率と孔の位置の関係は以下のように簡略化することができる。
Figure 2016137527
そして、x方向、y方向について、図4のような線形の制御モデルを設計することができる。この制御モデルによれば、第一のコントローラC1によってx方向の目標値との偏差を小さくし、x方向の目標値に沿った加工ができる電解液Lの流量を算出することができる。また、第二のコントローラC2によって、y方向の目標値との偏差を小さくし、y方向の目標値に沿った加工ができる電極棒10の向きを算出することができる。なお、図4のC1は、流量算出部102が有するコントローラである。また、C2は、電極向き算出部103が有するコントローラである。
図5は、本発明の第一実施形態による制御装置の状態推定部を示す図である。
図5で示す第二の実施形態による制御装置2は、制御対象である電極棒10の先端の位置と、孔の傾きと、曲率とを示す状態sをセンサなどにより取得した物理量から直接的あるいは間接的に取得できない場合に、制御対象と同様の構成と増幅部とを備える状態推定部104を用いて入力u(この場合、流量の変化率)と出力w(この場合、位置)に基づいて推定する。
図5で示す制御対象では、次の式(3)で示す状態方程式が成り立つ。
Figure 2016137527
また、図5で示す状態推定部104では、次の式(4)で示す状態方程式が成り立つ。
Figure 2016137527
なお、増幅部のゲインHは、制御理論により周知されているように、例えば公知である極配置法に基づいて、de/dt=(A―HC)eにおいて推定誤差e(=ξ−x)がゼロに収束するように決定する。
図6は、本発明の第一実施形態による制御装置を備える電解加工システムの処理フローの一例である。
図6を用いて本実施形態における電解液Lの流量と電極棒10の向きの制御について説明する。
なお、以下において加工孔の形状は、平面曲線であり、z方向は、被加工物200の加工開始位置(図3の符号30)における平面曲線の接線方向であり、x方向とは、加工開始位置における平面曲線の法線方向である。また、y方向とは、平面曲線を含む平面に対する法線方向である。電解加工装置3は、この3次元座標系に基づいて加工を行うものとする。
まず、ユーザの加工開始指示操作に基づいて、電解加工装置3は、加工を開始する(ステップS11)。具体的には、操作量決定部106が、記憶部105に予め記憶された加工孔の平面曲線を示す目標経路を読み出して、電極棒10の加工開始位置、電極棒10の先端の加工開始位置から微小距離前方の目標経路上の位置とに基づいて進出角度、曲率を算出し、電極棒10の送り速さや、電解液Lの噴出量、電極棒10の向きなどの操作量を算出する。操作量決定部106は、算出した操作量を電解加工装置3へ出力する。本処理フローでは、電解加工装置3が被加工物200を電解加工するために制御装置2が電解加工装置3の電極棒10から噴出する電解液Lの流量と電極棒10の向きを制御する処理を説明する。
次に、先端計測情報取得部101は、電極棒10で加工した孔位置(センサ検出孔位置)を超音波探傷装置4から取得する(ステップS12)。取得したセンサ検出孔位置は、UTセンサが取り付けられた位置であって、電極棒10の先端位置よりも少し後方のセンサの取り付け位置(微小時間だけ過去に加工した位置)である。先端計測情報取得部101は、取得したセンサ検出孔位置から電極棒10の先端位置の位置情報を推定する。例えば、先端計測情報取得部101は、所定時間ごとに超音波探傷装置4から取得した位置情報と予め記憶部105に記憶された先端位置推定モデルに基づいて、電極棒10の先端位置を推定する。先端計測情報取得部101は、電極棒10の先端位置の位置情報を、状態推定部104に出力する。
次に、状態推定部104は、電極棒10の先端の現在位置における孔の傾き、曲率を推定する(ステップS13)。例えば、状態推定部104が備える制御対象における状態方程式である式(3)は、次の式(5)となる。
Figure 2016137527
ここで、sは電極棒10の先端位置である。s’は孔の傾きである。s’’は先端位置における曲率である。vξは電極送り速度である。また、Kcurvは、流量−曲率間比例定数である。状態推定部104は、先端計測情報取得部101から取得した位置情報と、例えば、操作量決定部106が指令した電解液の流量の指令値から流量の変化率を求め、式(5)に代入し、流量−曲率間比例定数Kcurvを算出する。
また、状態推定部104が処理に用いる状態方程式である式(4)は、次の式(6)となる。
Figure 2016137527
なお、式(6)において、ゲインHoは、公知の極配置法に基づいて求める。また、式(6)において、poleは、状態推定部104における時定数に基づいて設定する極である。
そして、状態推定部104は、算出した流量−曲率間比例定数Kcurvに基づいて、孔の傾き、曲率を推定する。
状態推定部104は、推定した孔の傾き、曲率に基づいて、予め記憶部105に格納されている電極棒10の先端位置補正モデルに基づいて、先端位置の補正量を算出し、先端計測情報取得部101から取得した電極棒10の先端位置を補正する。状態推定部104は、補正後の電極棒10の先端位置の位置情報を流量算出部102と電極向き算出部103へ出力する。
なお、電解液Lの流量及び電極棒10の向きの制御に孔の傾き、曲率を用いない場合は、このステップを省略することもできる。その場合、先端計測情報取得部101は、電極棒10の先端位置の位置情報を、流量算出部102と電極向き算出部103へ出力する。
次に、流量算出部102が電解液Lの流量を算出し、電極向き算出部103が電極棒10の向きを演算する(ステップS14)。具体的には、流量算出部102が、記憶部105が記憶する目標経路情報から電極棒10の挿入量に基づいて、現在の加工目標位置のうちx方向の座標情報を読み出し、先端計測情報取得部101から取得した電極棒10の先端位置のx方向の座標情報との偏差を計算する。また、流量算出部102は、計算したx方向の偏差に基づいて、この偏差を小さくし、x方向の目標値に沿って加工できる電解液Lの流量を決定する。例えば、予めx方向の位置の偏差と流量とを対応付けたテーブルが記憶部105に記憶されており、流量算出部102は、このテーブルから電解液Lの流量を決定する。また、電極向き算出部103が、記憶部105が記憶する目標経路情報から電極棒10の挿入量に基づいて、現在の加工目標位置のうちy方向の座標情報を読み出し、先端計測情報取得部101から取得した電極棒10の先端位置のy方向の座標座標との偏差を計算する。また、電極向き算出部103は、計算したy方向の偏差と流量算出部102が算出した電解液Lの流量に基づいて、この偏差を小さくし、y方向の目標値に沿って加工できる電極棒10の軸回りの向きを決定する。例えば、予めy方向の位置の偏差と電解液Lの流量と電極棒10の軸線回りの角度とを対応付けたテーブルが記憶部105に記憶されており、流量算出部102は、このテーブルから電極棒10の軸線回りの向きを決定する。流量算出部102は、算出した電解液Lの流量を操作量決定部106へ出力する。電極向き算出部103は、算出する電極棒10の向きを操作量決定部106へ出力する。なお、現在の電極棒10の挿入量は、例えば操作量決定部106が把握しており、操作量決定部106から取得するものとする。
ここで、算出される電解液Lの流量、電極棒10の軸回りの向きについて一例をあげると、曲りが大きい場合、電解液Lの流量は大きくなる。また、電極棒10の軸回りの向きについては、y方向の捩じりが大きい程、電極棒10の向きの変化も大きくなるが、同じy方向の捩じりであっても、電解液Lの流量が大きければ、電極棒10の向きの変化は小さくてよいし、電解液Lの流量が小さい場合、電極棒10の向きの変化を大きくしなければならない。
操作量決定部106は、流量算出部102及び電極向き算出部103からそれぞれ取得した電解液Lの流量、電極棒10の軸回りの向きに基づいて、電解液Lの噴出量、電極棒10の軸回りの向きなどの操作量を決定する。操作量決定部106は、算出した操作量を電解加工装置3へ出力する。
次に、操作量決定部106は、記憶部105が記憶する目標経路に基づく加工が終了したかどうかを判定し(ステップS16)、終了していない場合、ステップS12からの処理を繰り返す。加工が終了したと判定した場合、本処理フローは終了する。
以上、第一実施形態による制御装置2によれば、曲がり孔加工モデルと線形制御理論に基づいたフィードバック制御を用いて、適切な電解液Lの流量と電極棒10の軸回りの向きを算出する。具体的には、先端計測情報取得部101は、加工孔の位置情報(センサ検出孔位置)を取得し、電極棒10の先端位置の位置情報を推定する。また、流量算出部102は、推定した先端位置のx方向の位置情報と予め定められた目標位置のx方向の偏差に基づいて、電解液Lの流量を決定する。また、電極向き算出部103は、推定した先端位置のy方向の位置情報と予め定められた目標位置のy方向の偏差、及び、流量算出部102が算出した電解液Lの流量に基づいて、電極棒10の向きを決定する。これにより、平面曲線で定めた目標経路に対し、高精度かつ再現性の高い曲がり孔を加工することができる。
なお、第一実施形態は、加工孔の形状が平面曲線であって、上述のy方向の捩じりが無い、又は微小である場合に適した制御方法である。
<第二実施形態>
以下、本発明の第二実施形態による制御装置を、図7〜図11を参照して説明する。
第二実施形態は、第一実施形態が加工孔の形状が平面曲線の場合の制御だったのに対して、加工孔の形状が空間曲線である場合の制御方法である。
図7は、本発明の第二実施形態による制御装置を備える電解加工システムの一例を示す図である。
第二実施形態による制御装置2は、座標変換部107を備えている。
座標変換部107は、目標経路が空間曲線である場合に、当該空間曲線を構成する複数の平面曲線を、各平面曲線を接続する端点における接線周りに回転させて目標経路を1つの平面曲線(統合平面曲線)に変換する。
また、流量算出部102及び電極向き算出部103は、変換された座標を計測位置として用いる。他の構成は、第一実施形態と同様である。
図8は、本発明の第二実施形態による座標変換を説明する第一の図である。
図9は、本発明の第二実施形態による座標変換を説明する第二の図である。
図8〜図9は、加工の前に事前に行う座標変換を説明するための図である。まず図8について説明を行う。
符号80は、加工孔の目標経路を示している。目標経路80は、空間曲線である。この空間曲線は、原点81と端点82を結んでできる第一平面曲線と、端点82と端点83を結んでできる第二平面曲線と、端点83と端点84を結んでできる第三平面曲線とを含んで構成される。第一平面曲線の端点82における接線と、第二平面曲線の端点82における接線とは一致する(接線82A)。第二平面曲線の端点83における接線と、第三平面曲線の端点83における接線とは一致する(接線83A)。このようにして、加工前にN個の平面曲線を、端点におけるお互いの接線が一致する様につなぎ合わせた空間曲線を作成し、目標経路とする。
次に、座標変換部107は、第三平面曲線が第二平面曲線と同じ平面に含まれるように第三平面曲線を回転する。例えば端点84が端点84Bに移動するように回転する。つまり、作成した目標経路について、図8に示す様にk個目の平面内曲線を、k個目の平面内曲線とk−1個目の平面内曲線が共有する端点における接線まわりに、k個目の平面内曲線がk−1個目の平面に含まれるように回転させる(2≦k≦N)。
次に座標変換部107は、同じ平面内に含まれるようになった第二平面曲線及び第三平面曲線が、第一平面曲線と同じ平面に含まれるように回転する。例えば端点83が端点83Bへ移動するように回転する。このとき図9が示すように、この回転により端点84Bは、端点84Cに移動する。つまり、上記操作でk−1個目の平面に移されたk個目の平面内曲線をk−1個目の平面内曲線とk−2個目の平面内曲線が共有する端点における接線まわりに、k個目の平面内曲線がk−2個目の平面に含まれるように回転させる(3≦k≦N)。これを、k個目の平面内曲線が1個目の平面に含まれるまで繰り返す。
このようにして座標変換部107は、加工孔の目標経路を構成する複数の平面曲線を、一番最後に加工する平面曲線Kから順に、1つ前に加工する平面曲線K−1が含まれる平面と同じ平面内に含まれるように、平面曲線Kと平面曲線K−1を接続する端点周りに回転していく。最終的には、最初に加工する平面曲線が含まれる平面内(1個目の平面)に、全ての平面曲線が含まれる。この全ての平面曲線を1個目の平面に統合した平面曲線が統合平面曲線である。また、最初に加工する平面曲線の端点の内、2個目の平面曲線と接続していない側の端点を原点とし、1個目の平面内に2軸(x、z軸)、1個目の平面と垂直な方向に1軸(y軸)を持つ正規直交座標系を取り、この座標系を、基準座標系と呼ぶ。
図10は、本発明の第二実施形態による座標変換を説明する第三の図である。
図10は、加工中に行う座標変換を説明するための図である。
座標変換部107は、先端計測情報取得部101がセンサ検出孔位置を取得する度に以下の座標変換を行う。なお、センサ検出孔位置は、上述の基準座標系で得られるものとする。
まず、座標変換部107は、現在の加工位置が何個目の平面曲線かを求める。具体的には、
Σ(i=1〜k−1)i個目の平面曲線の長さ < 電極の挿入量
≦Σ(i=1〜k)i個目の平面曲線の長さ
・・・・(7)
を満たすkを求める(2≦k≦N)。
次に、座標変換部107は、基準座標系の基底ベクトルについて図8〜9を用いて説明したのと逆の回転操作を行い、k個目の平面においてk個目の平面曲線とk−1個目の平面曲線が共有する端点を原点とし、逆の回転操作を行ってできた基準座標系の基底ベクトルを基底ベクトルとして持つローカル座標系を作成する。座標変換部107は、基準座標系からローカル座標系への座標変換行列を生成する。
次に、座標変換部107は、以下を計算する。
(k−1個目の平面曲線とk個目の平面曲線が共有する端点を図8〜図9説明したように回転させた点の位置を基準座標で表した座標情報)+
基準座標系からローカル座標系への座標変換行列 ×
(基準座標系における電極棒10の先端の位置情報 − 基準座標におけるk−1個目の平面曲線とk個目の平面曲線が共有する端点位置) ・・・・(8)
なお、基準座標におけるk−1個目の平面曲線とk個目の平面曲線が共有する端点位置とは、ローカル座標系の原点を基準座標系であらわしたものである。
次に、式(8)によって得た値を電極棒10の先端の位置情報、図8〜図9で説明した加工前に算出した1個目の平面内に含まれるように回転したk個目の平面曲線における現在の目標加工位置を目標経路情報、として第一実施形態と同様のフィードバック制御を行う。
本実施形態によれば、平面曲線が変更されるたびに、現在加工している平面曲線のローカル座標系に切り替えることにより平面曲線内の制御とすることができるので、第一実施形態を適用することができる。
なお、図10において、符号86は、実際の加工経路を示している。符号85は、目標経路である。図10の場合、式(8)によって図中X´、Y´、X´軸からなるローカル座標系に変換すると、目標経路85と実際の加工経路86のy方向における偏差が大きくなり、電極棒10の向きを変更する制御が働く。これによって捩じれた孔が形成される。また、加工中の平面空間がk−1番目からk番目に切り替わったときなども同様にy方向の偏差が生じ、捩じれた孔(空間曲線)が形成される。
図11は、本発明の第二実施形態による制御装置を備える電解加工システムの処理フローの一例である。
図11を用いて本実施形態における電解液Lの流量と電極棒10の向きの制御について説明する。
まず、ユーザの加工開始指示操作を行うと、座標変換部107が、図8〜図9を用いて説明した加工前処理を行う(ステップS17)。つまり、座標変換部107は、記憶部105から空間曲線である加工孔の目標経路情報を読み出し、目標経路を平面曲線ごとに切り出す。座標変換部107は、切り出した平面曲線を回転させ、1個目の平面曲線が含まれる平面内に収まるようにし統合平面曲線を生成する。座標変換部107は、回転後の各平面曲線の経路情報を記憶部105に書き込む。なお、目標経路情報は、空間曲線として記憶部105に記憶されていて座標変換部107が、空間曲線を平面空間ごとに切り出してもよいし、例えば予め複数の平面空間と各平面空間を含む平面同士の角度が記憶されていて、座標変換部107は、各平面空間と角度を読み出して統合平面曲線を生成してもよい。
次に、電解加工装置3は、加工を開始する(ステップS11)。次に、先端計測情報取得部101は、センサ検出孔位置を超音波探傷装置4から取得する(ステップS12)。先端計測情報取得部101は、取得した位置情報から電極棒10の先端位置の位置情報を推定する。先端計測情報取得部101は、電極棒10の先端位置の位置情報を、座標変換部107に出力する。
次に、座標変換部107は、図10を用いて説明したような加工中処理を行う(ステップS18)。具体的には、まず座標変換部107は、何番目の平面曲線を加工しているのかを電極棒10の挿入量及び式(7)から算出する。電極棒10の挿入量は、例えば操作量決定部106の出力する操作量に電極棒10の挿入量が含まれており、その情報を取得するものとする。そして、座標変換部107は、先端計測情報取得部101から取得した電極棒10の先端位置の位置情報に対して座標変換を行って、ローカル座標系で表した先端位置の位置情報と、現在加工している平面曲線のローカル座標系の原点との差分を、加工前処理で行った処理によって生成された統合平面曲線における現在加工中の平面曲線に対して反映したときの電極棒10の先端位置の位置情報を算出し、状態推定部104へ出力する。なお、状態推定部104による孔の傾きなどの推定を行わない場合、座標変換部107は、電極棒10の先端位置の位置情報を流量算出部102と電極向き算出部103へ出力する。
次に、状態推定部104は、第一実施形態と同様に電極棒10の先端の現在位置における孔の傾き、曲率を推定する(ステップS13)。状態推定部104は、孔の傾き、曲率に基づいて電極棒10の先端位置の位置情報を補正し、補正後の電極棒10の先端位置情報を流量算出部102と電極向き算出部103へ出力する。
次に、流量算出部102及び電極向き算出部103は、記憶部105から加工前処理を行った後の目標経路(統合平面曲線)における、現在加工中の平面曲線上に存在する電極棒10の挿入量に対応する現在の目標加工位置の情報を読み出す。そして、ステップS18で算出した電極棒10の先端位置の位置情報と、読み出した目標加工位置に基づいて、第一実施形態と同様に流量算出部102が電解液Lの流量を算出し、電極向き算出部103が電極棒10の軸回りの向きを算出する(ステップS14)。操作量決定部106は、流量算出部102及び電極向き算出部103から取得した値に基づいて、電解液Lの噴出量、電極棒10の向きなどの操作量を決定し、電解加工装置3へ出力する。
加工が終了するまで、ステップS12からの処理を繰り返す。加工が終了すると、本処理フローは終了する。
本実施形態によれば、曲がり孔加工モデルと線形制御理論に基づいたフィードバック制御を用いることに加え、空間曲線で定めた目標経路を平面曲線として、電極棒10の先端位置を電極の挿入量に応じたローカル座標系に変換して制御装置2に認識させることにより、空間曲線で定めた目標経路に対し、高精度かつ再現性の高い曲がり孔を加工することができる。
<第三実施形態>
以下、本発明の第三実施形態による制御装置を、図12〜図15を参照して説明する。
第三実施形態では、第一実施形態、第二実施形態に加え、電極棒10の先端位置に電解液Lの流量変化に応じた補正を加える。目標経路に対し高精度な追従性を確保しようとすると、実際の加工孔の位置(電極棒10の先端位置)を高精度に推定することが重要になる。特に急激な流量変化を伴う目標経路に対し、制御を行うためには、電極棒10の先端位置の予測精度を高める必要がある。先端位置の先端位置推定モデルによる推定値は、特に、電解液Lの流量の変化率に依存した感度を有しているが、予測するための物理モデルを構築することが困難であり、安定かつ精度の高い制御を行うことが難しい。本実施形態ではこの課題に対して、電極棒10の先端位置に電解液Lの流量変化に応じた補正を加えることで対応する。
図12は、本発明の第三実施形態による制御装置を備える電解加工システムの一例を示す図である。
第三実施形態は、第二実施形態と組み合わせることも可能であるが、第一実施形態と組み合わせた場合を例に説明を行う。
第三実施形態による制御装置2は、流量変化率算出部108を備えている。
流量変化率算出部108は、電解液Lの流量の変化率を取得する。例えば、流量変化率算出部108は、センサによって検出した電解液Lの流量を所定時間ごとに取得し、流量の変化率を算出する。あるいは流量変化率算出部108は、流量算出部102が算出した電解液Lの流量や操作量決定部106が出力した流量指令値を取得し、電解液Lの流量の変化率を算出する。
また、先端計測情報取得部101は、記憶部105に記憶された流量の変化率と電極棒10の先端位置の推定値誤差に対する補正量との対応テーブルまたは関数と、流量変化率算出部108が算出した流量の変化率とに基づいて、電極棒10の先端の推定位置を補正する。他の構成は、第一実施形態と同様である。
図13は、本発明の第三実施形態による流量変化と推定値誤差を説明する第一の図である。
図13は、電極棒10の先端位置の曲り方向における推定値誤差と流量変化率の関係を示す図である。
図13において、符号91は、電極棒10の先端位置の曲り方向における推定値誤差の挙動を示している。符号92は、電解液Lの流量変化率の挙動を示している。図13が示すように電極棒10の先端位置の推定誤差と流量変化率には、良好な相関関係がある。
図14は、本発明の第三実施形態による流量変化と推定値誤差を説明する第二の図である。
図14は、電極棒10の先端位置の推定値誤差と電解液Lの流量変化率の位相図である。
符号93は、図13に基づいて、推定値誤差と流量変化率との関係をプロットしたグラフである。推定誤差値δ_eと流量変化率dq/dt(qは流量、tは時間)には、ヒステリシスが見られるが、平均的には符号94が示すような線形関係にあると見なすことができる。推定値誤差と流量変化は、以下の関係式で表すことができる。
δ_e = a × dq/dt + b ・・・・(9)
なお、a、bは定数である。
図15は、本発明の第三実施形態による制御装置を備える電解加工システムの処理フローの一例である。
図15を用いて本実施形態における電解液Lの流量と電極棒10の向きの制御について説明する。
まず、ユーザの加工開始指示操作に基づいて電解加工装置3は、加工を開始する(ステップS11)。次に、先端計測情報取得部101は、センサ検出孔位置を超音波探傷装置4から取得する(ステップS12)。先端計測情報取得部101は、取得した位置情報から電極棒10の先端位置の位置情報を推定する。
ステップS12と並行して、流量変化率算出部108は、電解液Lの流量の変化率を算出する(ステップS19)。例えば、流量変化率算出部108は、センサによって測定した電解液Lの流量を所定間隔で取得し、単位時間当たりの流量の変化率を算出してもよい。あるいは、流量変化率算出部108は、流量算出部102が算出した流量を取得し、流量の変化率を算出してもよい。流量変化率算出部108は、取得した電解液Lの流量の変化率を先端計測情報取得部101に出力する。次に先端計測情報取得部101は、電解液Lの流量の変化率に基づいて、電極棒10の先端位置の推定誤差を算出する(ステップS20)。例えば、記憶部105に電解液Lの流量の変化率と電極棒10の先端位置の推定値誤差に対する補正量との対応テーブルが記憶されていて、先端計測情報取得部101は、流量変化率算出部108から取得した電解液Lの流量の変化率に基づいてこのテーブルを読み込んで補正量(δ_e)を取得する。
次に先端計測情報取得部101は、ステップS12で推定した電極棒10の先端位置(x)とステップS20で算出した補正量(δ_e)とを用いて以下の式によって電極棒10の先端位置の曲り方向(x方向)の位置情報を補正する(ステップS21)。
x_c = x − δ_e ・・・(10)
先端計測情報取得部101は、補正後のx_cを含む電極棒10の先端位置の位置情報を状態推定部104へ出力する。
以下の処理は、第一実施形態と同様である。つまり、状態推定部104が、孔の傾き、曲率を推定し(ステップS13)、電極棒10の先端位置を更に補正する。次に、流量算出部102が電解液Lの流量を算出し、電極向き算出部103が電極棒10の向きを演算する(ステップS14)。そして、操作量決定部106は、電解液Lの流量と電極棒10の向きを取得して操作量指令信号を生成し、電解加工装置3へ出力する(ステップS15)。以降は、加工が終了するまで、ステップS12からの処理を繰り返し、加工が終了すると、本処理フローは終了する。
本実施形態によれば、流量変化率に対する電極棒10の先端位置の推定値の変動を小さく抑制することで、推定精度を向上させることができると共に、目標経路に対する追従精度を高めることができる。
なお本発明の実施形態について説明したが、上述の制御装置2は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。なお、記憶部105は、経路情報記憶部及び補正量記憶部の一例である。超音波探傷装置4から取得する孔位置情報は、先端計測情報の一例である。
1・・・電解加工システム
2・・・制御装置
3・・・電解加工装置
4・・・超音波探傷装置
101・・・先端計測情報取得部
102・・・流量算出部
103・・・電極向き算出部
104・・・状態推定部
105・・・記憶部
106・・・操作量決定部
107・・・座標変換部
108・・・流量変化率算出部

Claims (6)

  1. 先端に軸回りに異方性を有した電極棒を回転させつつ、電極棒先端から電解液を流出させて電極棒先端の範囲を電解加工する電解加工装置において、
    電極棒の先端に関する位置情報である先端計測情報を取得する先端計測情報取得部と、
    予め設定された目標経路情報に基づく平面曲線を記憶する経路情報記憶部と、
    前記平面曲線上における加工目標位置と前記先端計測情報とから得られる前記平面曲線の曲線法線方向の偏差に基づいて電解液の流量を算出する流量算出部と、
    前記流量算出部が算出した流量と、前記平面曲線上における加工目標位置と前記先端計測情報とから得られる前記平面曲線を含む平面の法線方向の偏差とに基づいて、前記電極棒の軸線回りの向きを決定する電極向き算出部と、
    を備える制御装置。
  2. 前記目標経路情報が空間曲線である場合に、当該空間曲線を構成する複数の平面曲線を、各平面曲線を接続する端点における接線周りに回転させて前記複数の平面曲線を一つの平面上の統合平面曲線に変換する座標変換部、
    を備え、
    前記座標変換部は、前記先端計測情報を、前記統合平面曲線を基準とする位置情報に変換し、
    前記流量算出部は、前記座標変換部が変換した前記先端計測情報と前記統合平面曲線における加工目標位置との偏差に基づいて前記流量を算出し、
    前記電極向き算出部は、前記座標変換部が変換した前記先端計測情報と前記統合平面曲線における加工目標位置との偏差に基づいて前記電極棒の軸線回りの向きを決定する、
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記電解液の流量の変化率を算出する流量変化率算出部と、
    前記流量の変化率と先端計測情報の補正量との関係を記憶する補正量記憶部と、
    を備え、
    前記流量算出部は、前記流量の変化率と上記関係とに基づいて得られる補正量によって補正した先端計測情報を用いて前記流量を算出する、
    請求項1または請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記流量の変化率と先端計測情報の補正量とは、線形関係にある
    請求項3に記載の制御装置。
  5. 先端に軸回りに異方性を有した電極棒を回転させつつ、電極棒先端から電解液を流出させて電極棒先端の範囲を電解加工する電解加工装置において、
    電極棒の先端に関する位置情報である先端計測情報を取得し、
    予め設定された目標経路情報に基づく平面曲線を記憶する経路情報記憶部から前記平面曲線を取得し、
    前記平面曲線上における加工目標位置と前記先端計測情報とから得られる前記平面曲線の曲線法線方向の偏差に基づいて電解液の流量を算出し、
    前記算出した流量と、前記平面曲線上における加工目標位置と前記先端計測情報とから得られる前記平面曲線を含む平面の法線方向の偏差とに基づいて、前記電極棒の軸線回りの向きを決定する
    制御方法。
  6. 先端に軸回りに異方性を有した電極棒を回転させつつ、電極棒先端から電解液を流出させて電極棒先端の範囲を電解加工する電解加工装置を制御する制御装置のコンピュータを、
    電極棒の先端に関する位置情報である先端計測情報を取得する手段、
    予め設定された目標経路情報に基づく平面曲線を記憶する経路情報記憶部から前記平面曲線を取得する手段、
    前記平面曲線上における加工目標位置と前記先端計測情報とから得られる前記平面曲線の曲線法線方向の偏差に基づいて電解液の流量を算出する手段、
    前記算出した流量と、前記平面曲線上における加工目標位置と前記先端計測情報とから得られる前記平面曲線を含む平面の法線方向の偏差とに基づいて、前記電極棒の軸線回りの向きを決定する手段、
    として機能させるためのプログラム。
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