JP2013082019A - バリ取り方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】より適切なバリ取りを行うことができるバリ取り方法を提供する。
【解決手段】バリ取り方法は、ワーク上のバリの形状を計測する計測工程(S1、S2)と、計測工程で得られた計測値に基づき、バリの長さ方向に沿って所定の根元算出点における両側の根元位置を算出する根元算出工程(S3〜S11)と、根元算出工程で得られた根元位置に基づいてバリ取り工具の軌道を算出する軌道算出工程と、軌道算出工程で得られた軌道に従ってバリ取り工具を移動させながらバリ取り加工を行うバリ取り工程とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】バリ取り方法は、ワーク上のバリの形状を計測する計測工程(S1、S2)と、計測工程で得られた計測値に基づき、バリの長さ方向に沿って所定の根元算出点における両側の根元位置を算出する根元算出工程(S3〜S11)と、根元算出工程で得られた根元位置に基づいてバリ取り工具の軌道を算出する軌道算出工程と、軌道算出工程で得られた軌道に従ってバリ取り工具を移動させながらバリ取り加工を行うバリ取り工程とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、加工軌道に従ってバリ取り工具を移動させながらバリ取り加工を行うバリ取り方法に関する。
自動化されたバリ取り機では、予め基準ワークを使用して、バリ取り軌跡が記憶され、バリ取り軌跡に従ってバリ取り工具を移動させながら、バリ取り加工が行われる。しかし、実際にバリ取り加工の対象となる実ワークには、鋳造後のワーク歪みが存在するので、予め記憶しているバリ取り軌跡によれば、ワーク歪の分だけ、バリの取残しや削り過ぎが生じる。
このワーク歪による不都合に対処する技術として、従来、予め設定されたバリ取り軌跡に従ってバリ取り機を動作させるとともに、バリ取り工具に設けたフローティング機構によりバリ取り工具がワーク歪に追従するようにしたものが知られている。
また、実ワークにおいては、金型の劣化等によってバリの大きさが変化する。このため、バリ取り機に設定されている送り(移動)速度でバリ取り加工を行うと、加工負荷が大きくなり、バリ取り機やバリ取り工具に想定以上の負荷が掛かる場合がある。この場合、バリによってバリ取り機が煽られて、バリの取残しや過切削が生じるおそれがある。
このようなバリの変化による不都合に対処する1つの技術として、形状認識手段を用いて認識されるワークの形状を理想形状と比較し、理想形状と一致しない部分をバリとして認識してバリの断面積等を取得し、これに応じて加工速度やバリ取り工具の押付圧等を変えてバリ取り加工を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、バリの変化による不都合に対処する別の技術として、バリ取り加工を行う前に、除去するバリの情報を測定し、得られた情報に基づいて、除去するバリに適合するようにバリ取り工具の制御条件を設定してバリ取り加工を行う技術も知られている。
しかしながら、上述のフローティング機構によりワーク歪に追従する技術によれば、バリの厚みや高さの変化によって加工負荷が高くなった場合に、バリ取り工具が煽られて、バリの取残しや過切削が生じ、適切なバリ取りを行うことができなくなるおそれがある。
また、上述のバリの変化による不都合に対処する特許文献1の技術によれば、バリ取り加工の速度や押付圧を変更することによって加工負荷を調整することはできるが、加工軌跡を変えることができないので、鋳造歪に起因するバリの取残しや過切削を回避することはできない。
また、上述のバリの変化による不都合に対処する別の技術によれば、バリが曲がっている場合にはバリに関する適切な情報が得られず、バリ取り工具の制御条件を適切に設定することができない。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、より正確なバリ取りを行うことができるバリ取り方法を提供することにある。
本発明のバリ取り方法は、ワーク上のバリの形状を計測する計測工程と、前記計測工程で得られた計測結果に基づき、前記バリの長さ方向に沿って所定の根元算出点における両側の根元位置を算出する根元算出工程と、前記根元算出工程で得られた根元位置に基づいてバリ取り工具の軌道を算出する軌道算出工程と、前記軌道算出工程で得られた軌道に従ってバリ取り工具を移動させながらバリ取り加工を行うバリ取り工程とを具備することを特徴とする。
これによれば、バリの根元位置を求め、この根元位置に基づいてバリ取り工具の軌道を算出するようにしたので、様々な形状のバリについて適切なバリ取り工具の軌道を設定し、正確なバリ取り加工を行うことができる。また、これにより、バリ取り加工について、より高度な自動化を図ることができる。
本発明においては、前記根元算出工程で得られた根元算出点における根元位置が所定の基準位置から所定以上離れている場合には、該根元位置の代わりに、該根元算出点の根元位置に関する所定の標準値又は既に前記根元算出工程で得られた他の根元算出点の根元位置に基づいて算出される根元位置が採用されるようにしてもよい。
これによれば、バリが曲がっていることに起因して、根元位置を適切に算出できない根元算出位置についても、より適切な根元位置を採用し、次の軌道算出工程に供することができる。
また、本発明においては、前記計測工程で得られた計測結果は、前記バリ及び該バリに隣接する前記ワークの部分の前記根元算出点における横断面の外形を、所定の計測範囲内の複数の計測点の位置と、各計測点における該バリ又はワークの高さの計測値とで表したものであり、前記根元算出工程は、前記計測工程で得られた計測結果について所定の微分処理を施す第1微分工程と、前記第1微分工程で得られた処理結果について所定の移動平均を求める平滑化工程と、前記平滑化工程で得られた処理結果について所定の微分処理を施す第2微分工程と、前記第2微分工程で得られた各計測点での値が、前記計測範囲の一方の側からみて、最初及び最後にピーク値を示す各計測点に基づき、前記両側の根元位置を決定する根元位置決定工程とを備えていてもよい。
これによれば、簡便なレーザ変位計等でバリ形状を計測し、負荷の少ない処理により的確にバリの根元位置を算出することができる。
また、本発明においては、前記根元位置決定工程では、前記最初のピーク値を示す計測点から前記計測範囲の一方の側へ所定距離だけ離れた計測点の位置と、前記最後のピーク値を示す計測点から前記計測範囲の他方の側へ所定距離だけ離れた計測点の位置とを、該計測点の位置が増減する方向における前記両側の根元位置にそれぞれ決定するようにしてもよい。
これによれば、バリの根元位置を、バリ取り加工の精度がより向上するように決定することができるので、バリ取り加工の加工誤差を減少させ、より高精度でバリ取り加工を行うことができる。
また、本発明においては、前記一方の側へ所定距離だけ離れた計測点を含むその前後数点の計測点での前記高さの計測値の平均値と、前記他方の側へ所定距離だけ離れた計測点を含むその前後数点の計測点での前記高さの計測値の平均値とを、該高さの方向における前記両側の根元位置にそれぞれ決定するようにしてもよい。
これによれば、より高精度でバリの根元位置を決定することができる。したがって、より高精度でバリ取り加工を行うことができる。
また、本発明においては、前記軌道算出工程では、前記ワークのバリのない場合の形状を表すデータを参照して前記バリ取り工具の軌道が算出されるようにしてもよい。
これによれば、バリの根元位置に加え、バリのない場合のワークの形状を参照してバリ取り工具の軌道が算出されるので、ワークの形状が考慮されたより適切なバリ取り工具の軌道に従い、より高精度でバリ取り加工を行うことができる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るバリ取り装置によりバリの形状を計測している様子を示す模式図である。図1に示すように、このバリ取り装置は、ワーク1上のバリ2の形状を、ロボット3により、レーザセンサ4を介して計測し、計測値をパソコン5により処理して、バリ2の根元位置や、ワークディスタンスW/Dに対するバリ2の根元の高さの変位量を取得する。
また、このバリ取り装置は、得られた根元位置等に基づいてバリ取り工具6の軌道を算出し、得られた軌道に従ってバリ取り工具6を移動させながら、ワーク1上のバリ2を削り取るバリ取り加工を行う。
レーザセンサ4としては、ワーク1までの距離を計測することができるレーザ変位計が用いられる。ワークディスタンスW/Dは、レーザセンサ4の前面からワーク1までの基準となる距離であり、例えば70mmに設定される。バリ2は、例えば、ワーク1を成形するときの金型の合せ面により、該合せ面に沿って長く形成されたものである。
図2は、バリ取り装置における根元位置計測処理を示すフローチャートである。この処理では、ワーク1上のバリ2の根元位置等が取得される。図2に示すように、根元位置計測処理を開始すると、バリ取り装置は、まず、ステップS1及びS2からなる計測工程を行う。計測工程では、ワーク上のバリの形状が計測される。
すなわち、ステップS1において、レーザセンサ4を計測開始位置まで移動させる。なお、ワーク1上のバリ2の位置は予めわかっており、このバリ2の位置に対応して、計測開始位置及び計測軌跡が定められている。
次に、ステップS2において、計測軌跡に沿ってレーザセンサ4を移動させながら、バリ2を含むワーク1の形状を計測する。この計測は、予めティーチング等によりバリ2の長さ方向に沿って定められた各根元算出点について行われる。
各根元算出点では、バリ2に直交し、かつバリ2に隣接するワーク1の部分の表面に平行な方向にレーザセンサ4を計測範囲にわたって移動させながら、計測範囲内の各計測点において、ワーク1までの距離が計測される。各計測点は一定間隔で配置されており、各計測点には、計測開側から順番に定められた番号が定義される。この番号は、計測範囲における各計測点の位置に対応する。
図3は、根元算出点における形状計測結果の一例を示すグラフである。グラフの縦軸は、上述のワークディスタンスW/Dを基準とするワーク1表面又はバリ2の高さ(mm)であり、横軸は各計測点の位置である。計測点の位置は、計測開始位置の計測点の番号を0とし、順次インクリメントする各計測点の番号で示している。図3の例では、根元算出点における形状計測は、計測点0〜計測点800の計測範囲について行われている。
図3のように、ステップS2で得られる計測結果は、バリ2及びこれに隣接するワーク1の部分の各根元算出点における横断面の外形を、ワーク1部分の表面及び該横断面に沿って一方の方向に値が増大する座標軸上の各計測点の位置と、該計測点におけるバリ2又はワーク1の高さの計測値とで表したものとなっている。
次に、ステップS3〜S11からなる根元算出工程を行う。根元算出工程では、計測工程で得られた計測結果に基づき、各根元算出点におけるバリ2の両側の根元位置が算出される。
すなわち、ステップS3では、ステップS2で得られた各根元算出点に係る計測結果について根元算出点毎に微分処理を施す第1微分工程を行う。この微分処理は、各n番目の計測点nについて、微分値を求めることにより行われる。各計測点nの微分値は、その計測点nの計測値を次の計測点n+1の計測値から減算することにより求めることができる。
ステップS4では、第1微分工程で得られた各根元算出点の微分処理結果についてそれぞれ移動平均を求める処理を行う平滑化工程が行われる。移動平均を求める処理は、各計測点nについて、その計測点nと、その前後の計測点n−1及び計測点n+1とを含む3点での微分値の平均値を求めることにより行われる。
ステップS5では、平滑化工程で得られた各根元算出点の処理結果についてそれぞれ微分処理を施す第2微分工程を行う。この微分処理は、各計測点nについて微分値を求めることにより行われる。各計測点nの微分値は、ステップS4で求めたその計測点nについての平均値を、次の計測点n+1についての平均値から減算することにより行われる。
図4は、図3の例に係る根元算出点について、上述の平滑化工程による処理結果及び第2微分工程による処理結果の一例を示すグラフである。グラフの横軸は、図3の場合と同様の各計測点の位置であり、縦軸は、移動平均の値又は微分値である。図4中のグラフ曲線7は、平滑化工程による処理結果を示している。グラフ曲線8は、第2微分工程による処理結果を示している。
すなわち、グラフ曲線7は、図3のグラフ曲線の平滑化された変化率を示しており、グラフ曲線8はさらにその変化率を示している。したがって、グラフ曲線8における微分値が大きい計測点ほど、その位置での図3のグラフ曲線の変化の度合いが激しい。
図5は、グラフ曲線8について、図4のグラフの一部を拡大して示した図である。図3〜図5からわかるように、グラフ曲線8の最初のピーク位置a及び最後のピーク位置bは、図3のグラフ曲線が示すバリ2の根元位置c及びdにほぼ一致している。
したがって、次のステップS6〜S10からなる根元位置決定工程により、バリ2の各根元算出点における根元位置が決定される。ステップS6〜S10の処理は、各根元算出点での第2微分工程による処理結果について行われる。
すなわち、まず、ステップS6では、第2微分工程による計測点0〜800の範囲についての処理結果のうち、その範囲の両端近傍のものを無視し、中央近傍の必要部分のみを抽出する。これにより、図5のグラフ曲線で例示されるような計測点280〜350についての処理結果のみが次のステップS7の処理で用いられる。
ステップS7では、ステップS6で抽出された第2微分工程での処理結果について、最初と最後のピーク点を求める。すなわち、順番が小さい方の計測点に係るデータから順に、各計測点nに対応するデータについて、次の計測点n+1に対応するデータを順次減算してゆき、減算結果が最初にマイナスの値となった計測点を最初のピーク点とする。
最後のピーク点も、順番が大きい方の計測点に係るデータから順に、同様の減算処理を行ってゆくことにより求めることができる。上述のように、これらのピーク点は、バリ2の根元位置にほぼ一致する。
ステップS8では、順番が最小の計測点から見て、最初のピーク点から一定距離だけ手前の計測点、例えば最初のピーク点から順番が5だけ小さい計測点を点Aとする。ステップS9では、最後のピーク点から一定距離だけ後側の計測点、例えば最後のピーク点から順番が5だけ大きい計測点を点Bとする。点A及び点Bが、計測点の位置が増減する方向におけるバリ2の両側の根元位置となる。
ステップS10では、点Aを含むその前後の数点、例えば点A及びその直前直後の計測点を含む3点の計測点での高さの平均値を、バリ2の一方の側における高さ方向の根元位置として決定する。また、点Bを含むその前後の数点、例えば点A及びその直前直後の計測点を含む3点の計測点での高さの平均値を、バリ2の他方の側における高さ方向の根元位置として決定する。
また、決定されたバリ2の両側の根元位置の高さのうち、高い方の高さをバリ根元高さとする。このバリ根元高さは、バリ取りを行う高さを規定する。これにより根元位置決定工程が完了する。
次に、ステップS11では、ステップS10で得られた各根元算出点におけるバリ根元高さを、ワークディスタンスW/Dから減算し、得られた値を、ワーク1のバリのない場合の形状を表す標準データからの変位量、すなわち歪み量として記憶する。これにより根元算出工程が完了するとともに、図2の根元位置計測処理が終了する。
根元位置計測処理が終了すると、その後、軌道算出工程及びバリ取り工程を経てバリ取りが行われる。軌道算出工程では、根元算出工程で得られた根元位置に基づいてバリ取り工具の軌道が算出される。
すなわち、その軌道の算出に際しては、ワーク1のバリのない場合の形状を表す標準データが参照される。このとき、上述のステップS11で得られた変位量を考慮して、標準データが参照される。そして、その変位量を考慮した標準データ上における根元位置を通り、かつその標準データにより表される形状に沿った軌道となるように、バリ取り工具の軌道が算出される。
バリ取り工程では、軌道算出工程で得られた軌道に従ってバリ取り工具を移動させながら、バリ取り加工が行われる。
一方、バリ2上の各根元算出点において、バリ2が曲がっている部分が存在する場合がある。バリ2が曲がっている部分に対応する根元算出点については、根元位置を正しく計測することができない。
図6及び図7はそれぞれ、上述図3のグラフと同様の形状計測結果の一例を示すグラフである。ただし、図3の場合よりも狭い計測範囲について示している。図6では、曲がっていないバリ2の部分の根元算出点における計測結果が示されている。これに対し、図7では、曲がっているバリ2の部分の根元算出点における計測結果が示されている。
図6及び図7からわかるように、曲がっているバリ2の部分については、一方の側、すなわち図7の例では計測順でみて、図6の場合よりもかなり後側において、高さがバリ2の先端の高さから直ちに基端の高さに下がっており、根元位置の高さが正しく計測されないことがわかる。
したがって、上述のステップS8及びS9で得られたバリ2の両側の根元位置を示す点A及び点B間の距離が所定値以上である異常な根元算出点については、バリ2が曲がっていて、その根元位置は正確ではないと考えられ、採用することはできない。
そこで、上述の根元算出工程で得られた両側の根元位置が所定以上離れている根元算出点については、該根元位置の代わりに、該根元算出点の根元位置に関する所定の標準値又は既に根元算出工程で得られた他の根元算出点の根元位置に基づいて算出される根元位置が採用される。所定の標準値としては、例えば、両側の根元位置間の標準の距離や、両側の根元位置の標準値そのものが該当する。
他の根元算出点の根元位置に基づいて異常な根元算出点についての根元位置を算出する場合には、例えば、その異常な根元算出点の両側に位置し、かつ上述のステップS8及びS9で得られたバリ2の両側の根元位置を示す点A及び点B間の距離が所定値未満である正常な根元算出位置についての根元位置に基づき、所定の補間式を用いてその異常な根元算出点についての根元位置を算出することができる。
以上のように本実施形態によれば、バリ2の根元位置を求め、この根元位置に基づいてバリ取り工具の軌道を算出するようにしたので、種々の形状のバリについて適切なバリ取り工具の軌道を設定し、バリ取り加工を行うことができる。したがって、バリ取り加工について、より高度な自動化を図ることができる。
根元算出工程で得られた両側の根元位置が所定以上離れている根元算出点については、該根元位置の代わりに、該根元算出点の根元位置に関する所定の標準値等に基づいて算出される根元位置が採用されるので、バリが曲がっていることに起因して、根元位置を適切に算出できない根元算出位置についても、より適切な根元位置を採用し、次の軌道算出工程に供することができる。
また、第1微分工程と、平滑化工程と、第2微分工程とを経て得られた処理結果についての最初及び最後のピーク位置に基づき、根元位置を決定するようにしたので、負荷の少ない処理により的確にバリの根元位置を算出することができる。
また、上述の最初及び最後のピーク位置から所定距離だけそれぞれ両側へ離れた位置の計測点及び該計測点での高さにより定められる位置を両側の根元位置として決定するようにしたので、バリ2の根元位置を、より加工精度が向上するように決定することができる。これにより、バリ取りにおける加工誤差を減少させ、より高精度でバリ取り加工を行うことができる。
また、上述のように最初及び最後のピーク位置から離れた位置を根元位置として決定する際、その各位置の近傍の高さの平均値をその各根元位置の高さとして採用するようにしたので、より高精度でバリ2の根元位置を決定することができる。したがって、さらにバリ取りにおける加工誤差を減少させ、より高精度でバリ取り加工を行うことができる。
また、ワークのバリのない場合の形状を表すデータを参照してバリ取り工具の軌道を算出するようにしたので、バリ2の根元位置に加え、バリ2のない場合のワークの形状を考慮してバリ取り工具の軌道を算出することができる。したがって、より適切なバリ取り工具の軌道に従い、より高精度でバリ取り加工を行うことができる。
なお、本発明は上述実施形態に限定されない。例えば、上述においては、バリ2の根元位置を、第1微分工程と、平滑化工程と、第2微分工程とを経て得られた処理結果についての最初及び最後のピーク位置に基づいて決定するようにしているが、これに限らず他の方法でバリ2の根元位置を決定するようにしてもよい。例えば、バリ2の撮像結果に基づき、画像処理によりバリ2の根元位置を決定するようにしてもよい。
1…ワーク、2…バリ、6…バリ取り工具。
Claims (6)
- ワーク上のバリの形状を計測する計測工程と、
前記計測工程で得られた計測結果に基づき、前記バリの長さ方向に沿って所定の根元算出点における両側の根元位置を算出する根元算出工程と、
前記根元算出工程で得られた根元位置に基づいてバリ取り工具の軌道を算出する軌道算出工程と、
前記軌道算出工程で得られた軌道に従ってバリ取り工具を移動させながらバリ取り加工を行うバリ取り工程とを具備することを特徴とするバリ取り方法。 - 前記根元算出工程で得られた根元算出点における根元位置が所定の基準位置から所定以上離れている場合には、該根元位置の代わりに、該根元算出点の根元位置に関する所定の標準値又は既に前記根元算出工程で得られた他の根元算出点の根元位置に基づいて算出される根元位置が採用されることを特徴とする請求項1に記載のバリ取り方法。
- 前記計測工程で得られた計測結果は、前記バリ及び該バリに隣接する前記ワークの部分の前記根元算出点における横断面の外形を、所定の計測範囲内の複数の計測点の位置と、各計測点における該バリ又はワークの高さの計測値とで表したものであり、
前記根元算出工程は、
前記計測工程で得られた計測結果について所定の微分処理を施す第1微分工程と、
前記第1微分工程で得られた処理結果について所定の移動平均を求める平滑化工程と、
前記平滑化工程で得られた処理結果について所定の微分処理を施す第2微分工程と、
前記第2微分工程で得られた各計測点での値が、前記計測範囲の一方の側からみて、最初及び最後にピーク値を示す各計測点に基づき、前記両側の根元位置を決定する根元位置決定工程とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のバリ取り方法。 - 前記根元位置決定工程では、前記最初のピーク値を示す計測点から前記計測範囲の一方の側へ所定距離だけ離れた計測点の位置と、前記最後のピーク値を示す計測点から前記計測範囲の他方の側へ所定距離だけ離れた計測点の位置とを、該計測点の位置が増減する方向における前記両側の根元位置にそれぞれ決定することを特徴とする請求項3に記載のバリ取り方法。
- 前記一方の側へ所定距離だけ離れた計測点を含むその前後数点の計測点での前記高さの計測値の平均値と、前記他方の側へ所定距離だけ離れた計測点を含むその前後数点の計測点での前記高さの計測値の平均値とを、該高さの方向における前記両側の根元位置にそれぞれ決定することを特徴とする請求項4に記載のバリ取り方法。
- 前記軌道算出工程では、前記ワークのバリのない場合の形状を表すデータを参照して前記バリ取り工具の軌道が算出されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のバリ取り方法。
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JP2020082287A (ja) * | 2018-11-27 | 2020-06-04 | 株式会社タダノ | 溶接ロボット |
JP2021070079A (ja) * | 2019-10-30 | 2021-05-06 | 富士電機株式会社 | バリ取り装置 |
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