JP2016136974A - 甘味を提供若しくは調整するための組成物および方法ならびにそれらのスクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
口中で甘味を提供する若しくは高める分子の同定方法およびこうした分子を含有する組成物を提供する。
【解決手段】該方法は、グルコース輸送体タンパク質若しくはATP感受性K+チャンネル(KATP)を発現する哺乳動物口腔細胞、味細胞若しくは異種細胞の該チャンネルの活性の該タンパク質の発現若しくは機能的活性に対する多様な既知若しくは新たな化合物の影響を決定することを構成として採用する。
【選択図】 図1A
Description
単糖および二糖の糖(グルコース、果糖、ショ糖)、糖アルコール、小分子ノンカロリー甘味料(サッカリン、サイクラミン酸、スクラロース)、ジペプチド(アスパルテーム、ネオテーム)およびタンパク質甘味料(モネリン、タウマチン、ブラゼイン)を包含する広範な甘味化合物が、食品添加物としての使用のため、および練り歯磨き粉から製薬学的製剤までの製品を加糖するために存在する。しかしながら、ヒトは、長年にわたり開発された人工ノンカロリー甘味料を上回る天然に存在する甘味料に対する好みを有することが明確であった。
一局面において、口中で甘味を提供する若しくは高める分子の同定方法が、細胞中のグルコース輸送体タンパク質の発現若しくは活性に対する試験分子の影響についてスクリーニングすることにより提供される。一態様において、本方法は、試験分子をグルコース輸送体タンパク質を発現する哺乳動物細胞若しくは細胞株とin vitro培養条件下で接触させること;および該接触された細胞若しくは細胞株によるグルコース輸送体タンパク質の発現レベル若しくは機能的活性を測定することを必要とする。陽性若しくは陰性対照細胞若しくは細胞株のものを上回る試験分子と接触された細胞若しくは細胞株によるグルコース輸送体タンパク質のタンパク質発現若しくはグルコース輸送体タンパク質の機能的活性の増大が、甘味を提供する若しくは高める試験分子を同定する。
本明細書に記述される方法および組成物は新規甘味料を同定および開発するための手段を提供する。I型味受容体の組合せすなわちT1R2およびT1R3は甘味応答の基礎にある主要な受容体と考えられているとは言え、発明者は口腔味細胞中の糖(すなわち甘さ)の検知および従って甘味応答のキネティクスにおけるある種の腸型糖輸送体タンパク質および膵臓内分泌型代謝型グルコースセンサーの意義のある役割を確認した。理論により束縛されることを願わず、発明者は、ナトリウム塩による甘味の増強がSGLT1を介する味細胞へのナトリウム依存性グルコース取り込みに部分的に依存していると仮定する。甘味は、味細胞代謝の糖応答性変化に応答したT1R3味細胞からのホルモン遊離を調節することにより高められることが提案されている。
本明細書で使用される全部の科学および技術用語は、生物学、生物工学および分子生物学の分野の当業者にとって、ならびに本出願で使用される用語の多くへの一般的指針を当業者に提供する刊行された教科書を参照して、それらの既知のかつ通常の意味するところを有する。しかしながら明快さのため以下の用語を後に続くとおり具体的に定義する。すなわち、
「甘味を提供すること」により、試験分子が単独で口腔味細胞により検出される際に甘味を創成することを意味している。
Bridge Corp.などのような供給業者から容易に得ることができる。例えばBhalら、2007 Mol.Pharmaceutics、4(4):556−560を参照されたい。本発明の方法により同定される試験分子/化合物は、甘味のみを提供するかまたは組成物の他成分の甘味を調整する(所望のとおり増大する、高める若しくは阻害する)化合物、小分子、cDNAのような核酸配列、またはペプチド若しくはポリペプチドでありうる。
ある。いくつかの態様において、R2はハロゲンである。
素環基が当該技術分野で既知であり、そして、酸素含有環、窒素含有環、イオウ含有環、混合ヘテロ原子含有環、縮合ヘテロ原子含有環およびそれらの組合せを制限なしに包含する。複素環基は、限定されるものでないがフリル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピロニル、ジオキシニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピペリジニル、2−オキソピペリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、アゼピニル、トリアジニル、ピロリジニル、アゼピニル、オキサチオリル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、ジオキサゾリル、オキサチアゾリル、オキサチオリル、オキサジニル、オキサチアジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、オキセピニル、チエピニル、ジアゼピニル、ベンゾフラニル、チオナフタレン、インドリル、ベナザゾリル(benazazolyl)、プリンジニル(purindinyl)、ピラノピロリル、イソインダゾリル、インドキサジニル、ベンゾキサゾリル、アントラニリル、ベンゾピラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾジアゾニル、ナプチルリジニル(napthylridinyl)、ベンゾチエニル、ピリドピリジニル、ベンゾキサジニル、キサンテニル、アクリジニルおよびプリニル環から選択される。
子顕微鏡検査下でそれらの典型的な外観により同定され得る。それらはα−ガストデューシン、T1R1、2、3、T2R、TrpM5、Snap25、GLASTのような味特異的タンパク質の発現と一緒になって口腔位置によってもまた特定され得る。
能なK+若しくは他の陽イオンの流動である。例えば実施例4で論考されるところのK+電流の測定を参照されたい。こうした活性の別の測定方法は、脱分極を監視する指示色素、例えばCa++指示薬若しくは特定のイオン(K+)の流動の使用による。
一態様において、口中で甘味を提供する若しくは高める分子の同定方法は、試験分子を糖輸送体タンパク質を発現する哺乳動物細胞若しくは細胞株とin vitro培養条件下で接触させることを必要とする。所望の特定のアッセイおよび終点に依存して、適する培養条件は約37℃の温度;若しくは約32から40℃までの範囲を包含する。この温度は約10分ないし24時間維持される。いくつかの態様において、時間は最低約20分、
30分、45分、1時間、3時間、5時間、10時間、15時間、20時間若しくはそれ以上である。遺伝子産物の発現レベル若しくは発現されるタンパク質の機能的活性に対する試験分子の影響を、発現レベルの測定のための上述されたところのいずれかの適する手段により評価および定量する。
該方法は、試験分子を甘さに対する動物の生理学的応答、電気生理学的応答若しくは行動アッセイまたは単離された味細胞、単離された味蕾若しくは味スライスのカルシウム画像化にかけて、該試験分子が甘味を提供する若しくは高めることを確認することにより試験分子をスクリーニングすることをさらに包含しうる。
についてのカウンタースクリーニングアッセイをさらに使用しうる。加えて、該方法は、試験分子を甘さに対する動物の生理学的応答、電気生理学的応答若しくは行動アッセイ、または単離された味細胞、単離された味蕾若しくは味スライスのカルシウム画像化にかけて、該試験分子が甘味を提供する若しくは高めることを確認することにより試験分子をスクリーニングすることもまた包含しうる。
vitro培養条件下で接触させることを必要とする。先行する方法で上述されたところの適する培養条件例えば37℃で約10分ないし24時間後に、該細胞培養物を評価して培養物中のSUR1への試験分子の結合を検出する。結合の検出は多様な慣習的結合アッセイにより行ってよい。陰性対照細胞若しくは細胞株のものを上回る試験分子と接触された細胞若しくは細胞株中のSUR1への試験分子の有意の量の結合の存在が、甘味を提供する若しくは高める試験分子を同定する。
下に提供される実施例は本方法で有用な多様な方法およびアッセイを示す。上で指定される方法で有用な慣習的方法の1つが発現レベルの多様な測定手段である。遺伝子産物の発現レベルは、タンパク質若しくは核酸の測定によるを包含する慣習的手段を使用して測定しうる。発現されたタンパク質の発現レベルの測定は、発現されるタンパク質に向けられるいかなる適するリガンド、例えばタンパク質を検出するための抗体(若しくはいずれかの第二のバイオマーカーに対する抗体)も使用しうる。こうした抗体は現在当該技術分野で現存しうるか、若しくは現在商業的に使用されうるか、または免疫学の分野で現在普遍的な技術により開発されうる。同様に、該リガンドは、使用されるアッセイ形式に依存して検出可能なシグナルを提供することが可能な試薬でタグをつける若しくは標識することができる。こうした標識は、単独でまたは他の組成物若しくは化合物と共同して検出可能なシグナルを提供することが可能である。例えばサンドイッチELISAでのように1種以上のリガンドをある診断方法で使用する場合、標識は望ましくは検出可能なシグナルを生じるように相互作用的である。最も望ましくは、標識は視覚的に例えば比色的に検出可能である。
補助しうる特化されたコンピュータプログラムは、オックスフォード大学、英国オックスフォードから入手可能なGRIDプログラム(P.J.Goodford、J.Med.Chem.、1985 28:849−857);Molecular Simulations、マサチューセッツ州バーリントンから入手可能なMCSSプログラム(A.MirankerとM.Karplus、Proteins:Structure,Function and Genetics、1991 11:29−34);Scripps Research Institute、カリフォルニア州ラホヤから入手可能なAUTODOCKプログラム(D.S.GoodsellとA.J.Olsen、Proteins:Structure,Function,and Genetics、1990 8:195−202);およびカリフォルニア大学、カリフォルニア州サンフランシスコから入手可能なDOCKプログラム(I.D.Kuntzら、J.Mol.Biol.、1982 161:269−288)、ならびにQuantaおよびSybylのようなソフトウェア、次いでCHARMMおよびAMBERのような標準的分子力学力場でのエネルギー最小化および分子ダイナミクスを包含する。小分子化合物の付加的な商業的に入手可能なコンピュータデータベースは、Cambridge Structural
Database、Fine Chemical DatabaseおよびCONCORDデータベースを包含する(総説についてはRusinko,A.、1993、Chem.Des.Auto.News、8:44−47を参照されたい。
ばP.S.Farmer、Drug Design、Ariens,E.J.編、Vol.10、pp 119−143(Academic Press、ニューヨーク、1980);米国特許第5,331,573号明細書;米国特許第5,500,807号明細書;C.Verlinde、Structure、1994 2:577−587;およびI.D.Kuntz、Science、1992 257:1078−1082を参照されたい。本明細書に記述されるモデル構築技術およびコンピュータ評価システムは制限でない。
モデル化技術により一旦構築されれば、本明細書に記述される方法のいずれかにより同定される提案される新たな試験分子、若しくはこれらの方法でのその同定により新たな用途を有することが示される既知分子を、生物活性および適合性についてさらに試験しうる。こうした試験は実施例のin vitroアッセイのような標準的技術を使用して最終組成物の他成分を用いて実施する。本明細書の使用のための適するアッセイは、限定されるものでないが下に実施例に示されるアッセイを挙げることができる。他のアッセイ形式を使用することができ、そしてアッセイ形式の選択は該方法の制限でない。
酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸および類似の既知の許容できる酸を包含する有機および無機酸から形成し得る。塩はまた、例えばナトリウム、リチウム若しくはカリウムを包含する無機塩基、望ましくはアルカリ金属塩、ならびに、アンモニウム塩、モノ、ジおよびトリメチルアンモニウム、モノ、ジおよびトリエチルアンモニウム、モノ、ジおよびトリプロピルアンモニウム(イソおよびノルマル)、エチルジメチルアンモニウム、ベンジルジメチルアンモニウム、シクロヘキシルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、ジベンジルアンモニウム、ピペリジニウム、モルホリニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、1−メチルピペリジニウム、4−エチルモルホリニウム、1−イソプロピルピロリジニウム、1,4−ジメチルピペラジニウム、1−n−ブチルピペリジニウム、2−メチルピペリジニウム、1−エチル−2−メチルピペリジニウム、モノ、ジおよびトリエタノールアンモニウム、エチルジエタノールアンモニウム、n−ブチルモノエタノールアンモニウム、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアンモニウム、フェニルモノエタノールアンモニウムなどのような有機塩基からも形成されうる。
験分子を添加しうるなお他の組成物は、添加された甘味料を必要とする食品、食品添加物、飲料、および経口で投与される製剤のような他の製品を包含する。本発明の化合物は、天然若しくは人工甘味料が現在使用されているいかなる組成物(例えば甘味料、食品添加物、飲料若しくは製剤)でも有用であることが予期される。これらの組成物(上の方法により同定される新たな若しくは既知の分子若しくは化合物は、哺乳動物味細胞を上述されたところの組成物とin vivoで接触させることによる口中の甘味のいかなる提供若しくは調整方法でも使用しうる。
われわれはT1r非依存性甘味の性質を検査し、そしてT1r以外の複数の糖輸送体および糖検知分子の味細胞中の存在を確認した。われわれは、味細胞がグルコース輸送体および他組織で糖センサーとしてはたらく代謝センサーを発現しているかどうか確認することを欲した。RT−PCR、qPCR、インシトゥーハイブリダイゼーションおよび免疫組織化学により、われわれは味細胞が数種のグルコース輸送体(GLUT2、GLUT4、GLUT8およびGLUT9)、ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT1)、KATP代謝センサーの2成分(SUR1およびKir6.1)を発現し、また、インスリン受容体が味細胞で選択的に発現されたことを確認した。甘味における役割と矛盾せず、GLUT4、SGLT1およびSUR1はT1r3陽性味細胞で優先的、選択的若しくは排他的に発現されることを見出した。
A.試薬
合成オリゴヌクレオチドはGenelink(ニューヨーク州ホーソーン)から購入した。プラスミドおよびDNAフラグメント精製のためのキットはQiagen(カリフォルニア州バレンシア)からであった。制限エンドヌクレアーゼはNew England
Biolabs(マサチューセッツ州ビバリー)からであった。ディスパーゼおよびコラゲナーゼAはRoche(インディアナ州インディアナポリス)からであった。抗SNAP−25抗体はDr.Paul Breslinからの贈与物であり;抗SLGT1抗体はDr.Soraya Shirazi−Beecheyからの贈与物であった。
全実験は研究における動物の保護および使用についてのNIHガイドラインのもとで実施し、そしてMonell若しくはユタ州立大学の施設動物管理使用委員会により承認された。本研究に使用された全マウスはC57BL/6J背景であった。T1r3(T1r3−GFP)およびTrpM5(TrpM5−GFP)のためのプロモーター下にGFPを発現するトランスジェニックマウスを以前に記述された(Clapp TRら、2006)とおり生成した。
2匹の成体(2〜10月齢)C57BL/6マウスを頸部脱臼により殺し、そしてそれらの舌を摘出し、2mM EGTAを含有するPBS溶液に入れ、そしてCV乳頭を含有する上皮を、下にある筋組織からの汚染を最小限にするよう注意を払い剥離した。味蕾を欠く味以外の舌上皮を同様の方法で舌の腹側表面から単離した。全RNAは、製造元の説明書に従ってInvitrogenからのPure−Link RNAミニキット(カタログ番号12183018A)を使用して単離した。汚染するゲノムDNAを、Pure−Linkデオキシリボヌクレアーゼ(カタログ番号12185−010)を使用してRNA単離の間にカラム中で消化した。RNA濃度をNanoDrop装置(ND−1000、Thermo Scientific)を使用して測定した。約500ngの全RNAをInvitrogenからのqRT−PCRのためのSuperScript III First−Strand Synthesis SuperMix(カタログ番号11752−050)を使用して逆転写した。
研究された各遺伝子の発現をInvitrogenからのPCR SuperMix(カタログ番号10572014)を使用するPCRにより確認した。プライマーはPrimer3(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/tools/primer−blast/)を使用して設計した。各プライマーが異なるエキソンからであるような全プライマー対を選んだ。各遺伝子に使用したプライマーを表1に提供する。
Gene Expression(Applied Biosystems)を使用するqPCRにより定量した。Taqman FASTカスタムプレートを内部標準としてのGAPDHおよび製造対照としての18s rRNAとともに使用した。各遺伝子についてのTaqmanプローブおよびプライマーの組合せはApplied Biosystemsのウェブサイト(www.appliedbiosystems.com)に従って選び、そして表2に提供する。
GLUT2(Slc2a2、クローン配列BC034675.1)、GLUT4(Slc2a4、クローン配列BC014282.1)、GLUT9(Slc2a9、クローン配列BC006076)およびSGLT1(Slc5a1、クローン配列BC003845)の商業的に入手可能なマウス哺乳動物遺伝子コレクションで確認された完全長cDNAをOpen Biosystems(アラバマ州ハンツビル)から購入し;SUR1(Abcc8、クローン配列BC141411.1)をimaGenes(独国ベルリン)から購入した。各ストックを液体培地中で増殖させ、そしてプラスミドDNAをmini−QIAGENプラスミドキット(カリフォルニア州バレンシア)を使用して精製した。Open Biosystemsからの構築物をpCMV−SPORT6ベクター中およびimaGenesからpYX−AScベクター中で得た。上のクローンからのプラスミドDNAをQuiagenミディプレップキットを使用して精製し、そしてABI 96キャピラリー3730XLシークエンサーを使用してペンシルバニア大学DNAシークエンシング施設で色素ターミネーター法により配列決定した。クローンDNAは、アンチセンスプローブについてSalIで消化しかつT7若しくはT3 RNAポリメラーゼにより転写したか、またはセンスプローブについてNot1で消化しかつSp6 RNAポリメラーゼにより転写した。プローブはDIG RNAラベリングキット(Roche、インディアナ州インディアナポリス)を用いて生成しそしてProbeQuant G−50マイクロカラム(Amersham Biosciences、ニュージャージー州ピスカタウェイ)で精製した。標識RNAプローブの濃度およびA260/A280光学密
度をNanoDropリーダー(ND−1000、Thermo Fisher)で確認した。
成体雄性C57BL/6、トランスジェニックT1r3−GFPおよびトランスジェニックTrpM5−GFPマウス(2〜10月齢)を頸部脱臼により殺し、その後膵、骨格筋、小腸、ならびに舌の有郭、葉状および茸状乳頭含有部分を手早く取り出しかつ氷冷PBS中で手早くすすいだ。インシトゥーハイブリダイゼーションのため、組織を100%エタノールドライアイス浴を使用してTissue−Tek O.C.T.マウント媒体(Sakura、カリフォルニア州トランス)中で急速凍結し、その後1hr以内に薄片を作った。免疫組織化学のため、組織を、O.C.T.に包埋する前に4%パラホルムアルデヒド/1×PBS中4℃で1hr一夜固定しかつ20%ショ糖/1×PBS中4℃で一夜低温保存した。8ないし12ミクロン厚切片をクライオスタットCM3050S(Leica Microsystems、独国ヴェッツラー)を使用して調製し、そして予め被覆された顕微鏡スライドガラス(Superfrost plus、Fisher Scientific、ペンシルベニア州ピッツバーグ)に適用した。切片を40℃で20min乾燥し、そしてインシトゥーハイブリダイゼーションに直ちに使用したか、若しくは免疫組織化学のため−80℃で保存した。
新鮮切片を4%パラホルムアルデヒド/1×PBS中で10min固定し、10μg/mlプロテイナーゼK(Boehringer Mannheim、独国)を含有する1Mトリス−HCl(pH8.0)/0.5M EDTA中37℃で10minインキュベーションにより透過処理し、4%パラホルムアルデヒド/1×PBS中で10min後固定し、その後10minアセチル化した。全段階に次いで、DEPC処理された1×PBSで3回5min洗浄した。スライドガラスをその後、DEPC処理水中50%脱イオン化ホルムアミド、5×生理的食塩水/クエン酸ナトリウム(SSC)、5×Denhardts、500μg/mlサケ精子DNA、250μl/ml酵母tRNA、2.5M EDTAを含有する混合物中室温で1hrプレハイブリダイズした。ハイブリダイゼーションのため、該混合物のアリコートを85℃で10min加熱して酵母tRNAを変性させ、そしてDIG標識RNAプローブを添加して所望の濃度を生じた。以下の濃度すなわち0.5μg/ml GLUT2、0.25μg/ml GLUT4、0.25μg/ml GLUT9、0.5μg/ml SGLT1および0.3μg/ml SUR1を各RNAプローブに使用した。RNAプローブ混合物を85℃で3min加熱してプローブを変性させ、その後直ちに氷上で冷却した。Hybrislipプラスチック製カバーガラス(Invitrogen)を使用してハイブリダイゼーションの間に切片が乾燥するのを防ぎ、そしてスライドガラスを加湿チャンバーに入れ、大型の湿ったジッパー付ビニール袋中に封止しかつ65℃で一夜インキュベートした。プラスチック製カバーガラスを、65℃に予め加温した5×SSC中に浸漬することにより除去した。スライドガラスを0.2×SSC中で各30min3回および0.1×TritonX−100を含むPBS(PBST)中で10min1回洗浄した。チラミド(tyramide)シグナル増幅Plus DNP−APキット(Perkin−Elmer、マサチューセッツ州ボストン)を製造元のプロトコルに従って使用して、GLUT2、GLUT4、GLUT9およびSUR1のRNAプローブからのシグナルを増幅した。SGLT1プローブとハイブリダイズされたスライドガラスは増幅段階なしで舌および腸双方の組織でかなりのmRNA標識を表した。これらのスライドを10%熱不活化正常ヤギ血清を用い室温で1hrブロッキングし、次いでブロッキング溶液中の抗DIG−アルカリホスファターゼ(1:1000、Boehringer)と室温で3hrインキュベートした。アルカリホスファターゼ標識は、レバミソール(Sigma、ミズーリ州セントルイス)を含むNBT+BICP(ニトロブルーテトラゾリウム+5−ブロモ−4−クロロ−3インドリルリン酸)
混合物(Roche)との室温で暗所での一夜インキュベーションにより検出した。スライドガラスをPBSTで洗浄し、水中ですすぎ、増大する一連のETOHで脱水し、Histoclear(National Diagnostics、ジョージア州アトランタ)で透徹し、そしてPermount(Fisher)でカバーガラスを載せた(coverslipped)。アンチセンスおよびセンスRNAプローブは、同等条件を確保するために同等濃度で使用しかつ同一実験で同時に実施した。各実験で、T1r3若しくはガストデューシンアンチセンスプローブを伴うインシトゥーハイブリダイゼーション実験陽性対照を味組織で行ってハイブリダイゼーションが適正にはたらいたことを保証した。加えて、インシトゥーハイブリダイゼーションを陽性対照組織で行ってRNAプローブの質および特異性を確認した。アンチセンスRNAプローブは目的の遺伝子を発現することが既知の組織での陽性の発現について試験した一方、センスRNAプローブは対照として使用した。アンチセンスプローブはGLUT2、GLUT9およびSUR1の膵での適切な発現を示した一方、センスプローブはGLUT2、GLUT9およびSUR1の膵での低い非特異的ハイブリダイゼーションを示した。アンチセンスプローブはGLUT4の骨格筋での適切な発現を示した一方、センスプローブはGLUT4の骨格筋での低い非特異的ハイブリダイゼーションを示した。アンチセンスプローブはSGLT1の腸での適切な発現を示した一方、センスプローブはSGLT1の腸での低い非特異的ハイブリダイゼーションを示した。データは示されない。
標準的免疫組織化学技術を使用した。簡潔には、凍結切片をPBSで再水和した。非特異的結合をブロッキング緩衝液(1×PBS中3%ウシ血清アルブミン、0.3%TritonX−100、2%ヤギ若しくはロバ血清)で室温で1〜2hrブロッキングした。切片を、ウサギ抗GLUT2(1:150、Santa Cruz Biotechnology、サンタクルズ、sc−9117);ウサギ抗GLUT4(1:150、Abcam、マサチューセッツ州ケンブリッジ、ab33780);ウサギ抗Kir6.1(1:100、Abcam、ab80972);ウサギ抗SGLT1(1:150、Abcam、ab14686);ウサギ抗SUR1(1:150、Santa Cruz Biotechnology、sc−25683);ヤギ抗T1R3(1:250、Novus
Biological、NBP1−46466);ヤギ抗GLAST1(1:250、Santa Cruz Biotechnology、sc−7757);若しくはマウス抗SNAP−25(1:250、Chemicon、マサチューセッツ州ビレリカ、MAB331)に対する一次抗体と加湿チャンバー中4℃で一夜インキュベートした。PBSTでの3回の15min洗浄後、スライドガラスを、ブロッキング緩衝液中の以下の蛍光二次抗体(1:500)すなわちウサギ一次抗体の免疫蛍光のためAlexa448ロバ抗ウサギ(Molecular Probes、オレゴン州ユージーン);T1R3−GFPマウスからの切片を用いるウサギ一次抗体の免疫蛍光のためAlexa594ロバ抗ウサギ(Molecular Probes)の1種と室温で1時間インキュベートした。全部の二重免疫蛍光標識を、細胞核を標識するためのDAPI(1:1000、Molecular Probes)と一緒に以下の二次抗体すなわちAlexa488ロバ抗ヤギ、Alexa 488ロバ抗マウス、Alexa594ロバ抗ヤギ、若しくはAlexa594ロバ抗ヤギ(1:500、Molecular Probes)の組合せを用いて行った。陰性対照は一次抗体の省略を包含した。グルコース輸送体抗体もまた陽性対照組織で試験した。味蕾含有切片との使用前に、全抗体を目的の遺伝子を発現することが既知の組織での陽性の発現について試験した。抗体は、膵:GLUT2、SUR1;骨格筋:GLUT4;および小腸:SGLT1で適切な発現を示した(データは示されない)。一次抗体の省略はこれらの組織で二次抗体から低い非特異的バックグラウンドを示した(データは示されない)。
明視野画像を、Nikon Eclipse 80i顕微鏡に接続されたNikon DXM 1200Cデジタルカメラを使用して可視化し、そしてNikon NIS−Element F3.00ソフトウェアを使用して撮像し、若しくはNikon SA Microphot顕微鏡に接続されたSPOTデジタルカメラ(Diagnostics Instruments,Inc)を用い、そしてImage−Pro Plus画像解析ソフトウェア(Media Cybernetics Inc.、メリーランド州シルバースプリング)を使用して最小限に処理した。取得パラメータはアンチセンスおよびセンス双方のプローブを用いるインシトゥーハイブリダイゼーションについて一定に保持した。蛍光画像を、UV、Ar、GeNeおよびHeNeレーザーならびに適切な励起スペクトルを使用してLeica TCS SP2スペクトル共焦点顕微鏡(Leica
Microsystems inc.、独国マンハイム)で撮像した。Leica Scanwareソフトウェアを使用して、撮像されたzシリーズスタックを0.25〜0.35μmステップサイズで取得した。画像を512×512画素形式で走査し;走査線を2回平均しかつフレームを3回走査した。取得パラメータ(すなわち利得、相殺およびPMT設定)は抗体を用いる実験および抗体を含まない対照について一定に保持した。デジタル画像をトリミングし、そしてPhotoshop CS(Adobe Systems,Inc.、カリフォルニア州サンノゼ)を使用して配置した。関連するアンチセンスおよびセンス画像を同一の輝度およびコントラストで調節した。図内の蛍光画像はバックグラウンド標準化のため輝度およびコントラストについて調節した。
量的測定を実施して、GLUT4若しくはSUR1を共発現した単独でおよび二重で標識されたII型(T1r3)およびIII型(SNAP−25)味細胞の比率を決定した。味蕾含有切片をLecia共焦点顕微鏡で40×対物レンズ下で走査し、そして、個々の味細胞を容易に識別し得た100〜150μm2面積を生じるように拡大し;細胞体全体を可視化し得た味細胞のみを計数した。各味細胞型について、CV乳頭全体の1切片および葉状乳頭からの2〜3切片を計数した。
味細胞を、低若しくは高グルコースを含む細胞培地中で試験化合物と24hインキュベートする。糖取り込みを、SGLT−1に選択的でありかつ他のグルコース輸送体により輸送されないC14標識糖プローブα−MG(Amersham Biosciences、米国ニュージャージー州ピスカタウェイ)を使用するラジオアッセイで測定する(KimmichとRandles、Am.J.Physiol.1981 Nov;241(5):C227−32;Turnerら、J.Biol.Chem.1996 Mar 29;271(13):7738−44)。α−MG取り込みは15minから少なくとも2hまで直線的である。予備研究は、SGLT−1によるα−GM糖プローブの取り込みが、放射標識プローブの存在下で添加される0.5mMフロリジン(Sigma)を使用して選択的であることを示す。
野生型C57BL/6マウスの茸状乳頭からの味蕾を、十分に確立された手順(例えば
Baquero AF、Gilbertson TA 2010 Am J Physiol doi:10.1152/ajpcell.00318.2010を参照されたい)により単離した。味蕾内の個々の細胞を、7.2のpHのK−グルコン酸、140mM;CaCl2、1mM;MgCl2、2mM;HEPES、10mM;EGTA、11mMの標準的細胞内溶液で満たした場合に4〜10MΩの抵抗まで引かれるホウケイ酸パッチピペットを用いる慣習的全細胞パッチクランプ条件を使用することから記録した。Na−グルコン酸、140mM;KCl、5mM;MgCl2、1mM;HEPES、10mM、グルコース、10mM;ピルビン酸Na、10mMおよびテトロドトキシン、0.5mMを含有する、公称でCa2+フリーの細胞外溶液を使用して、10mV増分で−80から+40mVまでの0.4s電圧段階の間の外向きK+電流を単離した。グリベンクラミド(0.1〜100μM;Sigma)をこの溶液に添加し、そして約4ml/minの流速で浴適用して(bath−applied)5s未満での溶液変更を可能にした。直列抵抗およびキャパシタンスを記録前に最適に補償し、そしてどの記録も漏洩を差し引かなかった。電流データを記録しそしてコマンド電位をpClampソフトウェア(v.8−10)を使用して送達した。このソフトウェアはAxoPatch 200B増幅器およびDigidata 1322Aデータ取得システム(Molecular Devices、カリフォルニア州サニーベイル)とインターフェースされた。
使用される味細胞は実施例1で記述されるとおり単離し、そしてラット尾I型コラーゲン被覆カバーガラス上で数時間ないし1週若しくは2か月間まで培養する。例えばBaquero AF、Gilbertson TA 2010 Am J Physiol doi:10.1152/ajpcell.00318.2010を参照されたい。
Chemosensory Research、A.SpielmanとJ.Brandにより編中。CRC Press、1995により記述されるところの標準的画像化技術を使用して実施する。照明は顕微鏡に接続されたLSR SPECTRAMASTER
モノクロメーターにより提供する。200倍拡大下で細胞中のfura−2からの発射光を510nmでフィルタリングしかつ冷却されたCCDカメラ(Olympix、Perkin Elmer Life Sciences、メリーランド州ベセスダ)で記録する。励起波長は広帯域フィルターを使用して340〜380nmでありかつ発射波長は510nmである。画像は、照明器、カメラおよび取得を制御しかつ画像の比例拡大(ratioing)および擬似カラー画像の表示を実施するMerlin Imaging Workstation(Perkin Elmer Life Sciences、メリーランド州ベセスダ)を使用してデジタル化する。記録設定への導入後、細胞は2日を超えた間生存可能なままであり、かつ、色素漂白の可視的効果を伴わず一度に2時間連続して画像化し得る。
AMの陽性のシグナルにより示されるとおり試験される全刺激により刺激し得る。典型的には数個の細胞を試験する。
腸および/若しくは他の組織に存在することが既知のグルコース輸送体または膵でグルコース検知に関与する代謝センサーが味細胞にもまた存在しうるかどうかを確認するため、われわれは最初に味および味以外組織でのそれらのmRNAの発現を検査した。cDNAを、マウス有郭(CV)乳頭から単離された味蕾および味細胞を欠く舌上皮細胞(「味以外」(NT)陰性対照)から調製し、その後ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を、以下すなわちGLUT2、GLUT4、GLUT8、GLUT9B、SGLT1、SUR1、SUR2A、SUR2B、Kir6.1、Kir6.2およびインスリン受容体に対応するcDNAに特異的なプライマー対を使用して実施した。PCRにより、われわれは、味以外組織からより味からのcDNA中のGLUT8、GLUT9B、SGLT1、SUR1、SUR2A、Kir 6.1、およびインスリン受容体のより高レベルの発現を観察した(図1Aおよび1Bを参照されたい)。PCRは、GLUT2、GLUT4 SUR2BおよびKir6.2のmRNAが味以外組織に対して味でより多量で発現されなかったことを示した(図1Aおよび1B)。
胞中および周囲のセンスプローブ対照への味細胞のハイブリダイゼーションは、対応するアンチセンスプローブでよりも一般により低かった。データは示されない。
上のデータは、グルコース輸送体およびKATPサブユニットが味細胞中に存在することを複数の独立した技術により示す。これらのグルコース輸送体若しくは細胞内グルコース代謝のセンサーのいずれかがグルコースの味細胞検知で機能するはずであるならば、それらは、最もありそうには、グルコースおよび他の甘味化合物を検出することが既知である味細胞で見出されるであろう(すなわちII型味細胞のT1r2+T1r3陽性サブセット)。この可能性を検査するため、われわれは、T1r3−GFPトランスジェニックマウス(Clapp TRら、2006)からのT1r3を発現する味細胞で緑色蛍光タンパク質の固有の蛍光を可視化することと一緒に、輸送体若しくはKATPサブユニットに対する抗体を使用して味細胞を二重染色した。こうしてGLUT4、SGLT1およびSUR1がT1r3陽性味細胞中で優先的に発現されることが見出された。二重染色はT1r3プロモーターからトランスジーンとして発現される緑色蛍光タンパク質(GFP)の固有の蛍光を利用した。上置き画像はGLUT4、SGLT1およびSUR1とのT1r3の頻繁な共発現を示す(データは示されない)。
単独および二重標識された細胞を計数した。結果を下の表3に記録する。分子は遺伝子1および遺伝子2双方を発現する味細胞の数である。分母は遺伝子1を発現する味細胞の数である。遺伝子1および遺伝子2双方を発現する味細胞を遺伝子1を発現するものの比率としてカッコ内に示す。ND、未測定。GLUT4若しくはSUR1をT1r3と共発現する味細胞の定量は、(1)GLUT4を発現する味細胞の90〜92%がT1r3を発現する一方、T1r3細胞の13〜20%はGLUT4を発現せず;および(2)SUR1を発現する味細胞の80〜85%がT1r3を発現する一方、T1r3細胞の11〜24%はSUR1を発現しないことを確認した。SUR1をSnap−25と共発現するCV味細胞の定量は、SUR1を発現する味細胞の17%がSnap−25を発現することを確認した。要するに、ほとんどのSUR1を発現する味細胞はT1r3を発現するII型細胞であり、残りはありそうにはSnap−25を発現するIII型細胞である。
上述された電気生理学アッセイ由来のデータは、KATPサブユニットKir6.1およびSUR1が味細胞に存在し、SUR1は主としてT1r3を発現する味細胞で見出されることを示す。マウス味細胞に機能的KATPチャンネルが存在するならば、われわれは、SUR1に結合するグリベンクラミドのようなスルホニル尿素化合物によりそれらが阻害されることを期待できよう。事実、グリベンクラミドはマウス茸状味細胞中で外向き(K+)電流を阻害しなかった(図2Aおよび2B)。
態様1:(a)試験分子を、ATP感受性K+チャンネル(KATP)を介してスルホニル尿素受容体(SUR)およびカリウム内向き整流性チャンネル(Kir)を発現する哺乳動物細胞若しくは細胞株とin vitro培養条件下で接触させること;
(b)接触された細胞若しくは細胞株中のKATPチャンネルの電子生理学的若しくは機能的活性を測定することであって;ここで、陰性対照細胞若しくは細胞株のものと比較した試験分子と接触された細胞若しくは細胞株のKATPの電気生理学的若しくは機能的活性の減少若しくは阻害が、甘味を提供する若しくは高める試験分子を同定すること、を含んでなる、口中で甘味を提供する若しくは高める分子の同定方法。
態様2:SURがSUR1である、態様1に記載の方法。
態様3:KirがKIR6.1である、態様1に記載の方法。
態様4:細胞若しくは細胞株が口腔味細胞若しくは口腔味細胞株である、態様1に記載の方法。
態様5:細胞若しくは細胞株がKATPチャンネルを発現する異種細胞である、態様1に記載の方法。
態様6:細胞若しくは細胞株が、KATPチャンネルを発現するよう操作されている形質転換細胞若しくは細胞株である、態様2若しくは3に記載の方法。
態様7:細胞若しくは細胞株が内分泌細胞株である、態様5に記載の方法。
態様8:電気生理学的活性が、細胞若しくは細胞株の分極若しくは脱分極またはある種のイオン指示薬若しくは流動の変化である、態様1に記載の方法。
態様9:(c)試験分子でカウンタースクリーニングアッセイを実施して該試験分子により媒介される非特異的K+電気生理学的活性を排除することをさらに含んでなる、態様1に記載の方法。
態様10:(d)試験分子を、甘さに対する動物の生理学的応答アッセイ、電気生理学的応答アッセイ若しくは行動アッセイ、または単離された味細胞、単離された味蕾若しくは味スライスのカルシウム画像化にかけることをさらに含んでなる、態様9に記載の方法。態様11:陰性対照が、口中で甘味を提供しない若しくは高めないことが既知の対照分子により接触される同一細胞若しくは細胞株を含んでなる、態様1に記載の方法。
態様12:陰性対照が、試験若しくは対照分子により接触されない同一細胞若しくは細胞株を含んでなる、態様1に記載の方法。
態様13:態様1−12のいずれかに記載の方法により同定される試験分子を含んでなる口中で甘味を提供する若しくは高める組成物。
態様14:(a)試験分子を、糖輸送体を発現する哺乳動物細胞若しくは細胞株とin vitro培養条件下で接触させること;および(b)接触された細胞若しくは細胞株による糖輸送体の発現レベル若しくは機能的活性を測定することであって;ここで、陰性対
照細胞若しくは細胞株のものを上回る試験分子と接触された細胞若しくは細胞株による糖輸送体の発現若しくは糖輸送体の機能的活性の増大が、甘味を提供する若しくは高める試験分子を同定する、ことを含んでなる、口中で甘味を提供する若しくは高める分子の同定方法。
態様15:発現レベルが糖輸送体のmRNAのレベルである、態様14に記載の方法。
態様16:発現レベルが糖輸送体タンパク質のレベルである、態様14に記載の方法。
態様17:糖輸送体を発現する細胞若しくは細胞株が糖輸送体を発現する口腔味細胞若しくは口腔味細胞株である、態様14に記載の方法。
態様18:糖輸送体を発現する細胞若しくは細胞株が糖輸送体を発現する異種細胞である、態様14に記載の方法。
態様19:糖輸送体を発現する細胞若しくは細胞株が糖輸送体を発現するよう操作されている形質転換細胞若しくは細胞株である、態様17若しくは18に記載の方法。
態様20:前記糖輸送体を発現する細胞株が内分泌細胞株である、態様19に記載の方法。
態様21:糖輸送体を発現する細胞若しくは細胞株が味シグナル伝達タンパク質を発現するいずれかの細胞若しくは細胞株である、態様14に記載の方法。
態様22:機能的活性が能動輸送活性若しくは受動的促進輸送活性である、態様14に記載の方法。
態様23:機能的活性がグルコース若しくはナトリウムの取り込み若しくは輸送である、態様14に記載の方法。
態様24:糖輸送体がナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)である、態様14−23のいずれかに記載の方法。
態様25:糖輸送体が、GLUT2、GLUT4、GLUT8、GLUT9、GLUT1およびGLUT3よりなる群から選択される、態様14−23のいずれかに記載の方法。態様26:SGLTがSGLT1若しくはSGLT3である、態様24に記載の方法。
態様27:(c)試験分子でカウンタースクリーニングアッセイを実施して該試験分子の非特異的活性を排除することをさらに含んでなる、態様14に記載の方法。
態様28:(d)試験分子を、甘さに対する動物の生理学的応答アッセイ、電子生理学的応答アッセイ若しくは行動アッセイ、または単離された味細胞、単離された味蕾若しくは味スライスのカルシウム画像化にかけることをさらに含んでなる、態様14に記載の方法。
態様29:陰性対照が、口中で甘味を提供しない若しくは高めないことが既知の対照分子により接触される同一細胞若しくは細胞株を含んでなる、態様14に記載の方法。
態様30:陰性対照が、試験若しくは対照分子により接触されない同一細胞若しくは細胞株を含んでなる、態様14に記載の方法。
態様31:態様14−30のいずれかに記載の方法により同定される試験分子を含んでなる口中で甘味を提供する若しくは高める組成物。
態様32:(a)試験分子を、スルホニル尿素受容体1(SUR1)タンパク質を発現する哺乳動物細胞若しくは細胞株とin vitro培養条件下で接触させること;および(b)培養物中のSUR1タンパク質への試験分子の結合を検出することであって;ここで、陰性対照細胞若しくは細胞株のものを上回る試験分子と接触された細胞若しくは細胞株中のSUR1への試験分子の有意の量の結合の存在が、甘味を提供する若しくは高める試験分子を同定すること、を含んでなる、口中で甘味を提供する若しくは高める分子の同定方法。
態様33:細胞若しくは細胞株が口腔味細胞若しくは口腔味細胞株である、態様32に記載の方法。
態様34:細胞若しくは細胞株がSUR1を発現する異種細胞である、態様32に記載の方法。
態様35:細胞若しくは細胞株がSUR1を発現するよう操作されている形質転換細胞若しくは細胞株である、態様33若しくは34に記載の方法。
態様36:細胞若しくは細胞株が内分泌細胞株である、態様34に記載の方法。
態様37:結合が試験分子に結合されている標識を使用する結合アッセイにより検出される、態様32に記載の方法。
態様38:(c)試験分子でカウンタースクリーニングアッセイを実施して、試験分子のSUR1以外の結合活性を排除することをさらに含んでなる、態様32に記載の方法。
態様39:(d)試験分子を、甘さに対する動物の生理学的応答アッセイ、電気生理学的応答アッセイ若しくは行動アッセイ、または単離された味細胞、単離された味蕾若しくは味スライスのカルシウム画像化にかけることをさらに含んでなる、態様33に記載の方法。
態様40:陰性対照が、SUR1を結合するがしかし口中で甘味を提供しない若しくは高めないことが既知の対照分子により接触される同一細胞若しくは細胞株を含んでなる、態様32に記載の方法。
態様41:陰性対照が、試験もしくは対照分子により接触されないまたはSUR1を結合しない対照分子により接触される同一細胞若しくは細胞株を含んでなる、態様32に記載の方法。
態様42:態様32−41のいずれかに記載の方法により同定される試験分子を含んでなる口中で甘味を提供する若しくは高める組成物。
態様43:(a)試験分子を、ATP感受性K+チャンネル(KATP)を介してスルホニル尿素受容体(SUR)およびカリウム内向き整流性チャンネル(Kir)を発現する哺乳動物細胞若しくは細胞株とin vitro培養条件下で接触させること;(b)接触された細胞若しくは細胞株中のSUR1の核局在化を測定若しくは検出することであって;ここで、陰性対照細胞若しくは細胞株中のSURの核局在化に関して接触された細胞若しくは細胞株中のSUR1の核局在化の変化が、甘味を提供する若しくは調整する試験分子を示す、ことを含んでなる、口中で甘味を提供する若しくは高める分子の同定方法。
態様44:SURがSUR1である、態様43に記載の方法。
態様45:KirがKIR6.1である、態様43に記載の方法。
態様46:細胞若しくは細胞株が口腔味細胞若しくは口腔味細胞株である、態様43に記載の方法。
態様47:細胞若しくは細胞株がKATPチャンネルを発現する異種細胞である、態様43に記載の方法。
態様48:細胞若しくは細胞株がKATPチャンネルを発現するよう操作されている形質転換細胞若しくは細胞株である、態様46若しくは47に記載の方法。
態様49:細胞若しくは細胞株が内分泌細胞株である、態様48に記載の方法。
態様50:(c)試験分子でカウンタースクリーニングアッセイを実施して、試験分子により媒介される非特異的核局在化を排除することをさらに含んでなる、態様43に記載の方法。
態様51:(d)試験分子を、甘さに対する動物の生理学的応答アッセイ、電気生理学的アッセイ若しくは行動アッセイ、または単離された味細胞、単離された味蕾若しくは味スライスのカルシウム画像化にかけることをさらに含んでなる、態様50に記載の方法。
態様52:陰性対照が、口中で甘味を提供しない若しくは高めないことが既知の対照分子により接触される同一細胞若しくは細胞株を含んでなる、態様43に記載の方法。
態様53:陰性対照が試験若しくは対照分子により接触されない同一細胞若しくは細胞株を含んでなる、態様43に記載の方法。
態様54:態様43−53のいずれかに記載の方法により同定される試験分子を含んでなる、口中で甘味を提供する若しくは高める組成物。
態様55:スルホニル尿素(SU)化合物若しくはSU誘導体を含んでなる、態様18、31、42若しくは54のいずれかに記載の組成物。
態様56:哺乳動物味細胞を態様18、31、42、54若しくは55のいずれかに記載の組成物とin vivoで接触させることを含んでなる、口中での甘味の提供若しくは調整方法。
態様57:前記組成物が、甘味料、食品添加物、飲料若しくは製剤である、態様13、31、42、54若しくは55に記載の組成物。
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Claims (8)
- (a)(i)試験分子を、糖輸送体を発現する哺乳動物細胞若しくは細胞株とin vitro培養条件下で接触させるステップ;および
(ii)接触された細胞若しくは細胞株による糖輸送体の発現レベル若しくは機能的活性を測定するステップあって、陰性対照細胞若しくは細胞株のものを上回る試験分子と接触された細胞若しくは細胞株による糖輸送体の発現若しくは糖輸送体の機能的活性の増大が、甘味を提供する若しくは高める試験分子を同定する、ステップ;または
(b)(i)試験分子を、スルホニル尿素受容体1(SUR1)タンパク質を発現する哺乳動物細胞若しくは細胞株とin vitro培養条件下で接触させるステップ;および(ii)培養物中のSUR1タンパク質への試験分子の結合を検出するステップであって、陰性対照細胞若しくは細胞株のものを上回る試験分子と接触された細胞若しくは細胞株中のSUR1への試験分子の有意の量の結合の存在が、甘味を提供する若しくは高める試験分子を同定する、ステップ;または
(c)(i)試験分子を、ATP感受性K+チャンネル(KATP)を介してスルホニル尿素受容体(SUR)およびカリウム内向き整流性チャンネル(Kir)を発現する哺乳動物細胞若しくは細胞株とin vitro培養条件下で接触させるステップ;および
(ii)接触された細胞若しくは細胞株中のSUR1の核局在化を測定若しくは検出するステップであって、陰性対照細胞若しくは細胞株中のSURの核局在化に関して接触された細胞若しくは細胞株中のSUR1の核局在化の変化が、甘味を提供する若しくは調整する試験分子を示す、ステップ
を含んでなる、口中で甘味を提供する若しくは高める分子の同定方法。 - SURがSUR1である、請求項1に記載の方法。
- KirがKIR6.1である、請求項1に記載の方法。
- 細胞若しくは細胞株が、口腔味細胞若しくは口腔味細胞株、味シグナル伝達タンパク質を発現する異種細胞、形質転換細胞若しくは内分泌細胞または細胞株である、請求項1に記載の方法。
- 電気生理学的活性が、細胞若しくは細胞株の分極若しくは脱分極またはある種のイオン指示薬若しくは流動の変化である、請求項1(a)に記載の方法。
- 請求項1に記載の方法であって、
(iii)試験分子で対スクリーニングアッセイを実施して該試験分子により媒介される非特異的活性若しくは結合を排除するステップ;および
(iv)試験分子を、甘さに対する動物の生理学的応答アッセイ、電子生理学的応答アッセイ若しくは行動アッセイ、または単離された味細胞、単離された味蕾若しくは味スライスのカルシウム画像化にかけるステップの1つ若しくはそれ以上をさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。 - 陰性対照が、口中で甘味を提供しない若しくは高めないことが既知の対照分子により接触されるか;または試験若しくは対照分子により接触されないかのいずれかである同一細胞若しくは細胞株を含んでなる、請求項1に記載の方法。
- 機能的活性が、能動輸送活性、受動的促進輸送活性、グルコースの取り込み若しくは輸送およびナトリウムの取り込み若しくは輸送から選択される、請求項1に記載の方法。
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