JP2019519514A - 概日時計の乱れに関連するマイクロバイオームの調節異常を処置するための方法及び医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、マイクロバイオーム調節異常の処置に関する。該調節異常は、続いていくつかの慢性疾患の発生の一因となる場合がある。したがって、宿主−微生物叢相互作用に有益な変化を誘導する新しいポストバイオティック化合物の特徴づけが、極めて望ましい場合がある。本発明者らは、Nlrp6がCsnk2阻害剤を用いた処置に応答して上皮の可塑性への腸内微生物叢の多様性の周期性適応を日周性に調和させることを示した。したがって、本発明は、特に概日時計の乱れに関連するマイクロバイオーム調節異常の処置に使用するためのCsnk2阻害剤に関する。該阻害剤は、フラボンなどの、化学合成された又は天然の選択的Csnk2阻害剤より選択され得る。

Description

発明の分野:
本発明は、マイクロバイオーム調節異常の処置、特に概日時計の乱れに関連するマイクロバイオームの調節異常の処置に使用するための方法及び医薬組成物に関する。
発明の背景:
数百万年の共進化にわたり、腸内微生物群落(微生物叢)のその富栄養環境への適応は、宿主の全身の健康に貢献した。この高度に複雑な微生物生態系は、腸管微生物群落(微生物叢)の多様性の詳細な像が明らかにされた最近まで、その重要性が過小評価されてきた。
腸内微生物叢は、誕生の初日から、衛生状態、性別、加齢、薬物摂取及び摂食行動を含む内因性メカニズムと外因性メカニズムとの間の複雑な相互作用によって形づくられた環境に適応した地球上で最も高密度の生態系の一つに相当する(1)。所与のヒト個体の腸内におよそ500〜1,000個の異なる細菌種が存在し得る。結腸は、生息が最も高密度の区画であり、細菌数は、ヒトにおいて内容物1グラムあたり細胞約1011〜1012個に達する。
そのような微生物叢は、消化及び免疫調節などの重要な生理学的機能を維持し、それにより、宿主の全身の健康を増進する。マイクロバイオームは、宿主をいくつかの病態から防御する無数の機能を果たす。実際、宿主−微生物叢の共生は、少なくとも3方向で進化した。第一に、共生微生物による定着は、免疫の発達に重要である。第二に、共生群落は、侵入する病原体を食い止めておき、病原体が有毒であることを防止する。第三に、腸内微生物叢は、マウスにおいて、及び潜在的にヒトにおいて、グリカンを消化し、脂肪貯蔵を調節するように見受けられる。
腸内微生物叢における、したがって腸内マイクロバイオームにおける不安定性(ディスバイオシスとして公知)は、発生率及び社会経済的影響が増え続けている癌、自己免疫障害及び炎症障害などのいくつかの一般的なヒト免疫病態の発病に関連付けられた。その結果、免疫レベル及び代謝レベルの両方で宿主−微生物相利共生のいくつかの機能的欠陥が報告されており、健康及び疾患における腸内マイクロバイオームの重要性がますます認識されるに至った。
腸内微生物叢の組成における日内周期変動が最近になって観察されており(2)、この変動は、上皮の自己再生における時刻の変動と一致する(3)。逆に、無菌マウスではいくつかの時計ベースの腸管機能が抑止されている(4、5)。そのようなリズムは、おおよそ24時間サイクルに従う周期性生理的変化を特徴とする。
このリズムは、規則的に再発する生理的パターンを大部分の生存生物に予期させる、内因性、自家持続性、時間追跡性の分子機構である概日時計によって維持されている。そのうえ、時計機構は環境変化に適応することもできる(6)。疫学研究が、昼夜サイクルを障害する状態と、結腸直腸癌、メタボリックシンドローム及びIBDなどの多様な慢性炎症疾患との間の関連を示したので(8)、前述の時間追跡システムの障害は、ヒトの健康にとって潜在的に広範な意味を有する。
遺伝的乱れ又は時間移行のいずれかによる宿主概日時計のこの乱れが、続いてIBDなどのいくつかの慢性疾患の発生の原因になり得る、ディスバイオシスとも呼ばれる(Thaiss et al., 2014; Liang et al., 2014)微生物叢の調節異常の原因であることがさらに示されている。最近のゲノムワイド関連研究が、ビタミンD受容体(VDR;rs11168249);核因子インターロイキン3調節型(NFIL3、E4BP4とも呼ばれる;rs4743820);及びカゼインキナーゼII型(CSNK2;rs9267531)を含む概日時計に関与する遺伝子における、IBDの素因となるいくつかの一塩基多型を明らかにしたことは、実際に注目に値する。しかし、宿主の健康に及ぼすマイクロバイオームの高い生理的関連性にもかかわらず、微生物叢の概日調節の基礎となる分子決定因子は、まだ未知である。
概日タイミングの持続期間の乱れへの慢性曝露は(世界中の工業化社会で数百万人を冒すので、宿主概日時計の乱れによって誘導されるディスバイオシスを予防又は治療するために適切な新しい化合物を開発する強い必要性がある。このような方法で、宿主−微生物叢相互作用に有益な変化を誘導する新しいポストバイオティック化合物の特徴づけが概日時計の乱れを有する被験者にとって、特に概日時計の乱れに関連するディスバイオシスに苦しむ対象において、極めて望ましい場合があることが示唆されている。
発明の概要:
本出願の発明者らは、Nod様受容体タンパク質6(Nlrp6)がカゼインキナーゼ2(Csnk2)との直接相互作用により時計ベースの腸陰窩恒常性を保つことを報告した。
本発明者らは、腸細胞系列の仕様における重度の時計調整不良がNlrp6欠損マウスにおいて周期変動している細菌属の蓄積に繋がることを示し、機構的にNlrp6の欠如が陰窩基底部円柱細胞の再生を犠牲にしてCsnk2のリズミカルな核シャトリングを抑止することを実証した。
本発明者らは、Csnk2阻害剤によるCsnk2活性の全身阻害が機能的Nlrp6により増殖中の前駆細胞の増大を抑制する一方で、カスパーゼ−1と独立して腸の炎症から防御する腸内微生物叢における変化を導くことをさらに実証した。まとめると、本発明者らの結果は、Nlrp6が微生物叢の組成を制御すること、特にNlrp6が食物フラボノイドなどのCsnk2阻害剤を用いた処置に応答して上皮の可塑性への腸内微生物叢の多様性の周期性適応を日周性に調和させることを示した。
したがって、本発明は、微生物叢の調節異常又はマイクロバイオームの調節異常、優先的に概日時計の乱れに関連する微生物叢又はマイクロバイオームの調節異常の処置を必要とする対象における該処置に使用するためのカゼインキナーゼ2(Csnk2)活性の阻害剤に関する。
本発明は、睡眠機能障害などの概日リズム睡眠障害を患う又はそのリスクがある対象における、特に補助食品として特に有用である。
典型的には、本発明によるCnsk2阻害剤は、例えばアピゲニン、ルテオリン、クリシン、又はチロホスチンAG99などのフラボノイド、チロホスチン及びその誘導体の間より選択することができる。
発明の詳細な説明:
本発明は、微生物叢の調節異常又はマイクロバイオームの調節異常の処置を必要とする対象における該処置に使用するための方法及び組成物(例えば医薬組成物)を提供する。
より詳細には、本発明は、特に概日時計の乱れに関連する、微生物叢の調節異常又はマイクロバイオームの調節異常の処置に使用するためのCsnk2活性の阻害剤に関する。
本明細書に使用される用語「Csnk2」は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、「CK2」としても公知のカゼインキナーゼ2型又は「カゼインキナーゼ2」を表す。したがって、Csnk2は、真核界全体で進化的に保存されている、二つのα/α’触媒サブユニット及び二つの非触媒(すなわち調節性)βサブユニットから構成される四量体セリン/トレオニン選択的プロテインキナーゼである。この広範に分布する高度に多面発現性で構成的活性型のセリン/トレオニンキナーゼは、例えばCozza G及びPinna L A.(Expert Opin Ther Targets. 2016; 20(3):319-40)によって記載されたように、ヒトホスホプロテオームの実質的な比率の生成を担っている。
本発明による「カゼインキナーゼ2活性阻害剤」という用語は、Csnk2タンパク質の生物学的活性を(部分的又は完全に)阻害する能力を有する、天然又は非天然の化合物を表す。本発明の範囲は、今や公知の全てのそれらのCsnk2阻害剤及び将来発見されるべきそれらのCnsk2阻害剤を含む。Csnk2阻害剤は、一般に、以下の三つのカテゴリーに分類される:(1)Csnk2の調節サブユニットを標的化する阻害剤(例えば、遺伝的に選択されたペプチドアプタマー);(2)Csnk2の触媒活性の阻害剤(例えば、キノベン、TBB、DMAT、IQA);及び(3)しばしばCsnk2サブユニット界面に結合する分子であり、そのサブユニットの高親和性相互作用を阻害するCsnk2ホロ酵素撹乱物質。各クラスのCsnk2阻害剤は、小分子、機能性核酸、ペプチド模倣薬、抗体(任意の抗体フラグメントも含む)、又はCnsk2の生物学的活性が阻害される、Csnk2、特に触媒サブユニット若しくは調節サブユニットに対するアプタマーペプチドなどの任意の種類の分子であることができる。
Csnk2阻害剤は、i)ATP結合部位と直接相互作用できることで、ATPの接近及びリン酸転移反応を遮断するATP競合阻害剤(I型阻害剤とも呼ばれる)又はii)ATP結合領域と無関係の構造エレメントに結合する非競合ATP阻害剤(アロステリック阻害剤又は基質競合物質)(Cozza et al., Expert Opinion on Therapeutic Patents, 2012; 22:9, 1081-1097に記載されたものなど)より選択することができる。
いくつかの実施態様では、CK2阻害剤は、以下に記載されている化合物である:
- Maksym O. Chekanov, Olga V. Ostrynska, Sergii S. Tarnavskyi, Anatoliy R. Synyugin, Nadiia V. Briukhovetska, Volodymyr G. Bdzhola, Alexander E. Pashenko, Andrey A. Fokin, Sergiy M. Yarmoluk. Design, synthesis and biological evaluation of 2-aminopyrimidinones and their 6-aza-analogs as a new class of CK2 inhibitors. Journal of Enzyme Inhibition and Medicinal Chemistry 2014 Oct;29(5):639-46。
- Maksym O. Chekanov, Olga V. Ostrynska, Anatoliy R. Synyugin, Volodymyr G. Bdzhola, Sergiy M. Yarmoluk. Design, synthesis and evaluation of 2-phenylisothiazolidin-3-one-1,1-dioxides as a new class of human protein kinase CK2 inhibitors. Journal of Enzyme Inhibition and Medicinal Chemistry 2014 Jun;29(3):338-43。
- Giorgio Cozza, Lorenzo A Pinna, Stefano Moro. Protein kinase CK2 inhibitors: a patent review. Expert Opinion on Therapeutic Patents Sep 2012, Vol. 22, No. 9, Pages 1081-1097。
- Cozza et al, How druggable is protein kinase CK2? Med Res Rev. 2010 May;30(3):419-62。
- Zhu et al., Inhibition of protein kinase CK2 expression and activity blocks tumor cell growth. Mol Cell Biochem. 2010 Jan;333(1-2):159-67。
- Lopez-Ramos et al., New potent dual inhibitors of CK2 and Pim kinases: discovery and structural insights. FASEB J. 2010 Sep;24(9):3171-85。
- Giorgio Cozza & Lorenzo A Pinna, Casein kinases as potential therapeutic targets. Expert Opin Ther Targets. 2016 Mar;20(3):319-40。
Csnk2阻害剤の例には、以下が非限定的に含まれる:
− TBB(TTBt、4,5,6,7テトラブロモベンゾトリアゾール、Ki=0.40μM、PDBコード:1J91)、TBI(TTBz、4,5,6,7−1H−テトラブロモベンズイミダゾール、Ki=0.30μM、PDBコード:2OXY)、DRB(5,6−ジクロロ−1−β−D−リボフラノシルベンズイミダゾール)などのポリハロゲン化ベンゾトリアゾール及びベンズイミダゾール誘導体、IQA([5−オキソ−5,6−ジヒドロインドロ−(1,2−a)キナゾリン−7−イル]酢酸)などのインドロキナゾリン誘導体、又は類似体K25/DMAT(2−ジメチルアミノ−4,5,6,7−テトラブロモ−1H−ベンズイミダゾール、Ki=0.04μM、PDBコード:1ZOE);
− アントラキノン、フラボノイド(典型的には下記のフラボン)、チロホスチン、クマリン及びその誘導体、例えばエモジン(5,6−ジクロロ−l−P−D−リボフラノシルベンズイミダゾール(DB)、6−メチル−1,3,8−トリヒドロキシアントラキノン)(Ki=1.5μM、PDBコード:1F0Q、3PZH、3BQC及び3C13)、ケルセチン(2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−4H−クロメン−4−オン)、レゾルフィン、4,4’,5,5’,6,6’−ヘキサヒドロキシジフェン酸2,6,2’,6’−ジラクトン(エラグ酸)、MNA(1,8−ジヒドロキシ−4−ニトロアントラキノン、Ki=0.78μM)、MNY(1,4−ジアミノ−5,8−ジヒドロキシ−アントラキノン)、キナリザリン(1,2,5,8−テトラヒドロキシ−アントラキノン、Ki=0.06μM、PDBコード:3FL5、3Q9Y、3Q9Z)、MNX(1,8−ジヒドロキシ−4−ニトロ−キサンテン−9−オン、Ki=0.8μM)又はDBC(3,8−ジブロモ−7−ヒドロキシ−4−メチルクロメン−2−オン)などのヒドロキシクマリン(hydroxycourmarine)誘導体などの天然化合物
− Novartis IQA(5−オキソ−5,6−ジヒドロインドロ−(1,2−a)キナゾリン−7−イル酢酸、IC50=0.39μM、PDBコード:1OM1)、TBCA((E)−3−(2,3,4,5−テトラブロモフェニル)アクリル酸、Ki=0.077μM)及び安息香酸化合物26(3,4,5トリブロモ安息香酸IC50=0.64μM)及び化合物10((E)−3−(3−スチボノフェニル)プロパ−2−エン酸、IC50=0.15μM)のようなその誘導体、又は化合物7(5,6,8−トリクロロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、Ki=0.06μM)、TID46(2−(4,5,6,7−テトラヨード−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2Hイソインドール−2−イル)プロパン酸、IC50=0.15μM)、及びキサンテン系化合物35(2,3,4,5−テトラブロモ−6−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)−安息香酸、IC50=0.08μM)、若しくはCX−4945((5−(3−クロロ−フェニルアミノ)−ベンゾ[c][2,6]ナフチリジン−8−カルボン酸、IC50=0.002μM、PDBコード=3PE1)のような異なる足場からの他の誘導体などの、Csnk2のATP結合部位の基礎的なLys68との相互作用を確立することができる共通のカルボキシル特徴を有する化合物
− 多環足場によって特徴づけられるピラゾロ−トリアジン、ピリドカルバゾール、ベンゾピリドインドール及びインデノインドール誘導体(PDBコード:2PVH、2PVJ、2PVK、2PVL、2PVN及び3BE9)
− インビトロCK2ホロ酵素構造を破壊することができるPhe508欠失を有するCFTR配列由来のペプチド(IC50=15μM)、環状ペプチド及びそのポドフィロトキシンインドロ類似体(W16、IC50=20μM)のような小型ペプチドなどの非ATP部位特異的CK2阻害剤、並びにヘマテイン(3,4,6a,10−テトラヒドロキシ−6,7−ジヒドロインデノ[2,1−c]クロメン−9−オン、IC50=0.55μM)、ベンゾチアゾール誘導体(特に化合物1,2’−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−3,6,3’−トリメチル−[2,6’]ビベンゾチアゾリル−7−スルホン酸、IC50=0.5μM)及び無機ポリオキソ金属酸塩(POM、IC50=0.0014μM)などの他の化合物。
本発明によるCsnk2阻害剤には、国際特許出願PCT/US2007/077464、PCT/US2008/074820、及びPCT7US2009/035609、及び米国仮出願第61/170,468号(2009年4月17日出願)、同第61/242,227号(2009年9月14日出願)、同第61,180,090号(2009年5月20日出願)、同第61/218,318号(2009年6月18日出願)、同第61/179,996号(2009年5月20日出願)、同第61/218,214号(2009年6月14日出願)、同第61/41,806号(2009年9月11日)、同第61/180,099号(2009年5月20日出願)、同第61/218,347号(2009年6月18日出願)、同第61/237,227号(2009年8月26日出願)、同第61/243,107号(2009年9月16日出願)及び同第61/243,104号(2009年9月16日出願)に記載された式のうちのいずれかの化合物も非限定的に含まれ、これらの各々の内容は、その全体で参照により本明細書に組み入れられる。CK2阻害剤は、国際特許出願PCT/US2007/077464、PCT/US2008/074820、及びPCT/US2009/035609に開示される方法を含む、当技術分野において公知の方法によって合成することができる。
いくつかの実施態様では、CK2阻害剤は:


からなる群より選択される。
いくつかの実施態様では、CK2阻害剤は、CX−4945:

である。
CX−4945は、ファーストインクラスの強力、選択的で経口利用可能なCK2のATP競合阻害剤であって、好都合な薬物特性を有する(Siddiqui-Jain A, Bliesath J, Macalino D, Omori M, Huser N, Streiner N, Ho CB, Anderes K, Proffitt C, O'Brien SE, Lim JK, Von Hoff DD, Ryckman DM, Rice WG, Drygin D. CK2 inhibitor CX-4945 suppresses DNA repair response triggered by DNA-targeted anticancer drugs and augments efficacy: mechanistic rationale for drug combination therapy. Mol Cancer Ther. 2012 Apr;11(4):994-1005. doi: 10.1158/1535-7163.MCT-11-0613. Epub 2012 Jan 20)。
いくつかの実施態様では、CK2阻害剤は、式:

を有する化合物(化合物1若しくは化合物2)又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルである。
いくつかの実施態様では、CK2阻害剤は、国際公開公報第2011/013002号に記載された化合物であり、特に:

及びその薬学的に許容し得る塩又はエステルからなる群より選択される。
いくつかの実施態様では、CK2阻害剤は、アロステリックCK2阻害剤、すなわち、ATPと競合しないが、酵素が不活性になるようにCK2サブユニット(例えばCK2アルファ)のコンフォメーションを改変することによってCK2をまだ阻害する化合物である。アロステリックCK2阻害剤の例には、Moucadel V, Prudent R, Sautel CF, Teillet F, Barette C, Lafanechere L, Receveur-Brechot V, Cochet C. Antitumoral activity of allosteric inhibitors of protein kinase CK2. Oncotarget. 2011 Dec;2(12):997-1010に記載されたようなアゾナフタレン誘導体(化合物M4)が非限定的に含まれる。
いくつかの実施態様では、アロステリックCK2阻害剤は、一般式:

を有するD3.1である。
いくつかの実施態様では、アロステリックCK2阻害剤は、一般式:

を有するM4である。
上記のような本発明の化合物は、例えば、March, ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4.sup.th Ed., (Wiley 1992); Carey and Sundberg, ADVANCED ORGANIC CHEMISTY 3.sup.rd Ed., Vols. A and B (Plenum 1992)、及びGreen and Wuts, PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS 2.sup.nd Ed. (Wiley 1991)に記載されているような当業者に公知の方法、技法、及び材料を使用して合成することができる。本発明の化合物及びその中間体を調製するために有用な出発材料は、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee, Wis.)、Sigma Chemical Co.(St. Louis, Mo.)、Maybridge(Cornwall, England)、Asinex(Winston-Salem, NC)、ChemBridge(San Diego, CA)、ChemDiv(San Diego, CA)、SPECS(Delft, The Netherlands)、Timtec(Newark, DE)などの販売元から市販されており、又はその代わりに、周知の合成方法によって調製することができる(例えば、Harrison et al., "Compendium of Synthetic Organic Methods", Vols. 1-8 (John Wiley and Sons, 1971 - 1996); "Beilstein Handbook of Organic Chemistry," Beilstein Institute of Organic Chemistry, Frankfurt, Germany; Feiser et al., "Reagents for Organic Synthesis," Volumes 1 -21, Wiley Interscience; Trost et al., "Comprehensive Organic Synthesis," Pergamon Press, 1991 ; "Theilheimer's Synthetic Methods of Organic Chemistry," Volumes 1 -45, Karger, 1991 ; March, "Advanced Organic Chemistry," Wiley Interscience, 1991 ; Larock "Comprehensive Organic Transformations," VCH Publishers, 1989; Paquette, "Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis," 3d Edition, John Wiley & Sons, 1995を参照されたい)。本化合物及び/又はその出発材料の合成のための他の方法は、当技術分野において記載されているか、又は当業者に容易に明らかである。試薬及び/又は保護基の代替は、上記に提供される参考文献及び当業者に周知の他の一覧から見出され得る。特に、本化合物の調製は、保護及び脱保護(例えば、アセタール基の形成及び除去)の1つ以上のステップを含み得る。適切な保護基を選択するための手引きは、例えば、Greene & Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis," Wiley Interscience, 1999に見出すことができる。加えて、調製は、カラムクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(TLC)、再結晶化、蒸留、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等のような様々な精製を含み得る。また、プロトン及び炭素−13核磁気共鳴(H及び13C NMR)、赤外及び紫外分光分析(IR及びUV)、X線結晶解析、元素分析(EA)、HPLC並びに質量分析(MS)などの化学反応産物の同定及び定量のための化学分野において周知の様々な技法も、同様に使用することができる。調製は、化学分野において周知の保護及び脱保護、精製及び同定及び定量の任意の他の方法も伴い得る。
アントラキノン、フラボノイド、チロホスチン及びその誘導体より、特にフラボン、チロホスチン及びその誘導体より選択されるCsnk2の天然阻害剤は、本発明により特に好ましい。そのような化合物の追加的で非限定的な例は、Lolli Gら(Biochemistry 2012; 51:60-97-6107)にも記載されている。そのような化合物の例には、上述の化合物に加えて、ケルセチン、フィセチン、ケンフェロール、ルテオリン、アピゲニン、クリシン、及びチロホスチンAG99が含まれる。典型的には、ナリンゲニン、ナリンギン、ヘスペリチン、タキシフォリン、ガランギン、ビオチャニンA及びゲニステインは、本発明によるCsnk2阻害剤として使用されない。
特に、フラボン、チロホスチン及びその誘導体より選択されるCnsk2阻害剤は、本発明により、よく適している。最も好ましくは、Cnsk2阻害剤は、アピゲニン、ルテオリン、クリシン、及びチロホスチンAG99、特にアピゲニン、ルテオリン、及びチロホスチンAG99からなる化合物の群より選択することができる。最も好ましくは、Csnk2阻害剤は、ヒトの食事の著名な構成成分であるアピゲニンである。
好ましくは、本発明によるCsnk2阻害剤(天然又は非天然)は、Csnk2に対して10未満、最も好ましくは5μM未満、なおより好ましくは1μM未満のIC50を有する。好ましくは、選択された阻害剤は、Csnk2の選択阻害剤でもある。典型的には、該選択的阻害剤は、G−CK及びCK1、特にCK1αに対して1μMを超える、特に10μMを超えるIC50を有する。
いくつかの実施態様では、Csnk2活性の阻害は、Csnk2遺伝子発現の阻害剤を通じても達成され得る。本発明により、Csnk2阻害剤は、遺伝子の発現を阻害する又は顕著に低下させる生物学的効果を有する天然又は合成化合物を表す。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド構築物又は低分子干渉RNA(siRNA)をCsnk2遺伝子発現阻害剤として本発明に使用することもできる。例として、Csnk2α/α’を特異的に標的化する一本鎖DNA/RNAキメラオリゴマー又はsiRNAが使用され得る(Trembley JH, Unger GM, Korman VL, et al., PLoS One 2014;9(10):e109970; Unger GM, Kren BT, Korman VL, et al., Mol Cancer Ther 2014;13(8):2018-29; Kren BT, Unger GM, Abedin MJ, et al., Breast Cancer Res 2015;17:19)。
微生物叢は、対象中又は対象上に存在する微生物全体を表す。マイクロバイオームは、対象中又は対象上に存在する微生物全体及びその総体的な遺伝物質を表す。したがって、マイクロバイオーム調節異常は、微生物叢調節異常に直接起因する。本明細書に使用される用語「微生物叢調節異常」又は「マイクロバイオーム調節異常」は、好ましくは、それぞれ「腸内微生物叢調節異常」及び「腸内マイクロバイオーム調節異常」を表す。本明細書に使用される「マイクロバイオーム調節異常」、特に「腸内マイクロバイオーム調節異常」は、特にディスバイオシスを表す。「微生物不均衡」とも名付けられるディスバイオシスは、腸管微生物叢又はマイクロバイオームの逸脱したレパートリーとして定義することができる。
特に、個体内のこの微生物群落の組成における極端な複雑さ及び変動性のせいで、微生物叢の十分な特徴づけは、まだ欠落している。しかし、微生物叢の細菌成分は、近年ヒトマイクロバイオームプロジェクト(Petersen et al., The NIH Human Microbiome Project. Genome Res. 2009; (12):2317-23を参照されたい)などの大規模プロジェクトによって推進された集中的な研究の主題であった。メタゲノム研究により、群落組成における幅広い個人間変動性にもかかわらず、マイクロバイオームに共通の機能性中核があることが確立された。この知識に基づき、微生物叢を特徴づけている文献は急拡大している(Clemente et al., Cell 2012; 148(6): 1258-70; Sartor RB, Mucosal Immunology 2011; 4(2): 127-132を参照されたい。ヒト胃腸管微生物叢の分析を総説しているFrank DN et Pace NR Current Opinion in Gastroenterology 2001, 17:52-57も参照されたい)。
所与の対象における微生物不均衡は、前記対象の微生物叢を少なくとも健康な対象の微生物叢と比較することによって特徴づけられる場合がある。したがって、群落組成における違いが微生物不均衡を明らかにする場合がある。微生物叢の分析は、便試料などの腸内微生物叢試料に対して行われる場合がある。
好ましくは、少なくとも1人の健康な対象は、代謝疾患、炎症疾患、免疫疾患又は癌性疾患を全く患わない。好ましくは、少なくとも1人の健康な対象は、概日リズム障害も患わない。典型的には、該対象は、IBD、メタボリックシンドローム、糖尿病又は結腸直腸癌を患わない。同じく典型的には、対象は、正常な睡眠パターン及び規則的な食物摂取パターンを有する。
同様に好ましくは、少なくとも1人の健康な対象は、所与の対象と同じ年齢、同じ性別及び同じ地理上の区域出身である。同様に好ましくは、少なくとも1人の健康な対象は、所与の対象と同じ食生活(例えば、欧米様食生活)を有する。有利には、腸内微生物叢の比較は、1人を超える健康な対象(すなわち健康集団)の微生物叢の健康プロファイルに対して行われる。
所与の対象におけるマイクロバイオーム調節異常は、腸内マイクロバイオーム試料(例えば、便試料)の代謝産物を定性的及び/又は定量的に分析すること並びに得られた代謝産物のプロファイルを少なくとも1人の健康な対象(上に定義)の代謝プロファイルと比較することによっても検出され得る。例として、腸内マイクロバイオーム試料中のフラボン化合物(アピゲニンなど)の定量分析が、所与の対象に行われ、結果が、少なくとも1人の健康な対象、好ましくは健康集団におけるフラボンレベルと比較される場合がある。マイクロバイオーム調節異常は、典型的には、少なくとも1人の健康な対象におけるレベルと比較した所与の対象におけるフラボン化合物の減少したレベルによって特徴づけることができる。
少なくとも1人の健康な対象と比較して所与の対象のマイクロバイオームにおいて差次的に産生されると考えられ得る代謝産物は、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍若しくはそれを超えてアップレギュレーションされる、又は少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍若しくはそれを超えてダウンレギュレーションされ得る。
いくつかの実施態様では、ディスバイオシスは、有益細菌の減少したレベル及び/又は減少した細菌多様性と一般的に関連する、有害細菌の増加したレベルに関連する。
有害/有益細菌の非限定的な例は、以下であり得る。
有害/有益細菌の例は、Clemente et al., Cell 2012; 148(6): 125-1270; Sartor Mucosal Immunology 2011; 4(2):127-132; Schwabe FR et Jobin C, Nat Rev Cancer. 2013 Nov; 13(11): 800-812; Gagniere J et al., World J Gastroenterol. 2016 Jan 14;22(2):501-18; Keku TO et al., Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol. 2015 Mar 1;308(5):G351-63にも記載されている。
さらに、以前に言及されたように、腸内微生物叢、したがって腸内マイクロバイオームの組成は、上皮の自己再生における時刻変動と一致する日内周期変動にも供される。本出願に含まれる結果によって示されるように、Nlrp6の不在は、微生物叢の組成変化を導いた日周性に周期変動する細菌属の強い蓄積に関連する。より一般的には、本データは、Cnsk2がNlrp6活性の抑制を通じて上皮幹細胞活性の十分に特徴づけられた日内周期変動を編成することを示している。概日時計の乱れに関連する微生物叢調節異常又はマイクロバイオーム調節異常という用語は、腸内微生物叢又は腸内マイクロバイオームの日周リズム性の欠如も表す。
したがって、これに関連して、ディスバイオシスを患う対象は、典型的には、腸内微生物叢の日周変動の変化及び/又は欠如によって特徴づけることができる。微生物叢日周リズム性の欠如を、1日の経過にわたる腸内微生物叢の連続分析により対象において検出することができる(例えば結果に示すが、Thaiss CA et al., Gut Microbes. 2015;6(2):137-42又はThaiss CA et al., Cell. 2014;159(3):514-29も参照されたい)。
本明細書に使用される「概日時計の乱れ」は、通常、生物がその生物特性及び挙動を昼夜サイクルにおける毎日の環境変化と調和させることを可能にする対象の概日リズムにおける乱れを表す。
本明細書に使用される用語「対象」は、哺乳動物、好ましくはヒト対象を意味する。
いくつかの実施態様では、本発明に従う対象は、晩に起きていることが困難で朝に寝ていることが困難なことによって特徴づけられる睡眠相前進障害(ASPD)、睡眠開始及び終了の正常なタイミングよりもずっと遅いこと並びに夜中の覚醒ピーク期間によって特徴づけられる睡眠相後退障害(DSPD)、不規則睡眠覚醒リズム、又は罹患した個体の睡眠が日毎に遅くなり、覚醒ピークの期間も日毎に時計回りに連続して進む非24時間睡眠覚醒障害などの概日リズム睡眠障害を患っている。本発明に従う対象には、例えば高齢、夜勤、交代制勤務、又はアルツハイマー病、パーキンソン病、若しくは任意の精神衛生疾患(mental health disease)などの疾患が原因の概日リズム睡眠障害のリスクもある可能性がある。
いくつかの実施態様では、本発明による対象(好ましくはヒト)は、ディスバイオシスに苦しむ又は苦しみやすい可能性もある。特定の実施態様では、「対象」という用語は、宿主概日時計の乱れによって起こるディスバイオシスに苦しむ又は苦しみやすい対象を表す。
本明細書に使用される「ディスバイオシスの素因となる疾患」という用語は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、IBD、メタボリックシンドローム、肥満、耐糖能障害、アレルギー及び癌などの、宿主概日時計の乱れに関連するディスバイオシスによって誘導される疾患を表す(Jones et al., 2016; Scavuzzi et al., 2016; Thaiss et al., 2014; Liang et al., 2014)。
「処置」、「処置すること」又は「処置する」等の用語は、所望の薬理効果及び/又は生理効果を得ることを表す。この効果は、疾患及び/又は疾患に起因し得る有害作用の部分又は完全改善又は治癒に関して特に治療的である。処置は、疾患の症状を阻害する(すなわち、その発生を停止する)又は疾患の症状を軽減する(すなわち、疾患若しくは症状の後退を引き起こす)ことを目的とする、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の処置を対象とする。「処置」、「処置すること」又は「処置する」等の用語は、疾患又はその症状を完全又は部分的に予防する点で所望の薬理予防効果及び/又は生理予防効果を得ることも表す。したがって、これらの用語は、疾患又は症状のリスク又は素因があり得るが、それを有するとまだ診断されていない対象において疾患又は症状が起こるのを予防することを目的とする、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の処置を対象とする。
特に、「微生物叢調節異常の処置」又は「マイクロバイオーム調節異常の処置」という用語は、腸内微生物叢若しくは腸内マイクロバイオームの有益な機能性の日周リズム性の回復及び/又は有害細菌、特に有害腸内細菌の比率の減少を特に含む。
さらにまとめると、本発明者らによって得られたデータは、Csnk2の阻害が代謝機能を調節し、腸炎を軽減することを示している。例として、それらのデータは、Csnk2阻害剤で処置されたLDサイクル(12時間/12時間の明/暗)の野生型マウスが、大腸炎の前臨床モデルとしてのデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)の経口投与に対してあまり重度でない体重減少を有したことを実証している。また、対照と比較したときに、Csnk2阻害剤で処置されたマウスの結腸の代表的なヘマトキシリン・エオシン染色切片上に炎症細胞の減少した浸潤が顕著に証明された。
したがって、「微生物叢調節異常又はマイクロバイオーム調節異常の処置」という用語は、微生物叢調節異常又はマイクロバイオーム調節異常の予防も表すことができる。そのような予防、特に日周予防は、概日リズムの睡眠の乱れを患う又はそのリスクがある対象において特に関心対象である。Csnk2阻害剤は、健康な患者における予防的処置としても使用され得る。好ましくは、前記の健康な患者は、概日リズム障害のリスクがある、又は炎症疾患、免疫疾患、代謝疾患若しくは癌を患うリスクがある。該リスクは、発病家族歴又は衛生状態及び食習慣に基づき確立される場合がある。
本発明のいくつかの実施態様では、「微生物叢調節異常の処置」という用語は、概日リズムの乱れに関連するいくつかの病気、特に結腸直腸癌、メタボリックシンドローム及びIBDなどの概日リズムの乱れに関連する微生物叢調節異常によって誘導される病気の予防も表すことができる。したがって、本発明によるCK2阻害剤は、例えば発病家族歴、若しくは食事療法が原因で結腸直腸癌、メタボリックシンドローム及びIBDのリスクがある対象に、又は結腸直腸癌再発の予防に使用され得る。
「微生物叢調節異常の処置」という用語は、健康状態、特に正常な生理的消化機能及び免疫機能の維持も表す。
これに関連して、本発明によるCsnk2阻害剤は、生理的消化及び免疫調節を保つために、任意の生理的症状の不在下で、特に任意の消化又は免疫症状の不在下で補助食品として使用され得る。
Csnk2遺伝子発現阻害剤又はCsnk2阻害剤は、医薬組成物の形態で投与され得る。好ましくは、該阻害剤は、治療有効量で投与される。
「治療有効量」によって、任意の医学的処置に適用可能な合理的な利益/リスク比で微生物調節異常を治療及び/又は予防するために十分な量のCsnk2遺伝子発現阻害剤又はCsnk2阻害剤が意味される。
本発明のいくつかの実施態様では、「治療有効量」によって、概日リズムの乱れに関連するいくつかの病気、特に概日リズムの乱れに関連する微生物叢調節異常によって誘導される病気を予防するために十分なCsnk2遺伝子発現阻害剤又はCsnk2阻害剤の量も意味される。
本発明のいくつかの実施態様では、「治療有効量」によって、対象を健康な状態に維持するために、特に、該対象における正常な生理的消化及び/又は免疫機能を維持するために十分なCsnk2遺伝子発現阻害剤又はCsnk2阻害剤の量も意味される。
本発明の化合物及び組成物の1日合計使用量は、担当医師が健全な医学的判断の範囲内で決定できると理解される。任意の特定の対象に特異的な治療又は食物レジメンは、治療又は予防されるべき障害又は調節異常及びその重症度;採用される特異的化合物の活性;採用される特異的組成物、患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別及び食餌;投与時間、投与経路、及び採用される特異的化合物の排泄速度;処置の持続期間;採用される特異的ポリペプチドと組み合わせて又は同時に使用される薬物;並びに医学分野で周知の類似の要因を含む多様な要因に依存し得る。例えば、所望の治療効果を達成するために要求されるレベルよりも低いレベルで化合物の用量を開始して、所望の効果が達成されるまで投薬量を徐々に増加させることは、十分に当業者の技能の範囲内である。
「治療又は食物レジメン」によって、治療の間に使用される投薬パターンが意味される。治療又は食物レジメンは、導入レジメン及び維持レジメンを含み得る。「導入レジメン」又は「導入期間」という語句は、初回処置のために使用される治療若しくは食物レジメン(又は治療若しくは食物レジメンの部分)を表す。導入レジメンの一般的な目標は、処置レジメンの初回期間の間に対象に高レベルの薬物を提供することである。導入レジメンは、維持レジメンの間に医師が採用するよりも多い用量の薬物を投与すること、維持レジメンの間に医師が薬物を投与するよりも多い頻度で薬物を投与すること、又はその両方を含み得る「負荷レジメン」を(部分的又は全体的に)採用し得る。「維持レジメン」又は「維持期間」という語句は、障害又は調節異常の処置の間に対象を維持するために、例えば、対象を寛解状態又は良好な健康状態に長期間(数ヶ月又は数年)保つために使用される治療又は食物レジメン(又は治療若しくは食物レジメンの部分)を表す。維持レジメンは、連続療法(例えば、薬物を一定の間隔で、例えば、毎日、毎週、毎月、毎年などで投与する)又は間欠療法(例えば、断続処置、間欠処置、再発時の処置)を採用し得る。
本発明に従う使用のためのCsnk2遺伝子発現阻害剤又はCsnk2阻害剤を、薬学的に許容し得る賦形剤及び場合により生分解性ポリマーなどの徐放マトリックスと組み合わせて治療又は食物組成物が形成される場合がある。
本発明の食物組成物の医薬において、活性主薬は、単独又は別の活性主薬と組み合わせて、従来の医薬又は生理的支持体との混合物としての単位投薬形態で動物及びヒトに投与することができる。適切な単位投与形態は、錠剤、ゲルカプセル剤、散剤、顆粒剤及び経口懸濁剤又は液剤、舌下及び口内投与形態、エアロゾル、移植片、皮下、経皮、局所、腹腔内、筋肉内、静脈内、真皮下、経皮、くも膜下腔内及び鼻腔内投与形態並びに直腸投与形態などの経口経路を含む。好ましくは、適切な投与は、経口又は直腸経路を通じて行われる。
好ましくは、医薬組成物は、注射可能な製剤にとって薬学的又は生理的に許容し得るビヒクルを含有する。これらは、特に、等張無菌食塩水(リン酸一ナトリウム若しくはリン酸二ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム若しくは塩化マグネシウム等又はそのような塩の混合物)、又は場合に応じて無菌水若しくは生理食塩水を添加すると注射液の構成が可能になる乾燥組成物、特に凍結乾燥組成物であり得る。注射用途に適切な医薬形態には、無菌水溶液若しくは分散液;ゴマ油、ラッカセイ油若しくは水性プロピレングリコールを含む製剤;及び無菌注射液若しくは分散液の即時調製用の無菌粉末が含まれる。全ての場合で、形態は、無菌でなければならず、容易なシリンジ通過性が存在する程度に流動性でなければならない。形態は、製造及び保存条件で安定でなければならず、細菌、ウイルス及び真菌などの微生物の混入作用から保護されなければならない。
本発明の化合物を遊離塩基又は薬理学的に許容し得る塩として含む溶液を、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合された水中に調製することができる。分散液を、グリセロール、液体プロピレングリコール、及びその混合物中並びに油中に調製することもできる。普通の保存及び使用条件で、これらの調製物は、微生物の増殖を防止するための保存剤を含有する。
本発明のCsnk2遺伝子発現阻害剤又はCsnk2阻害剤は、中性形態又は塩形態の組成物に製剤化することができる。薬学的又は生理的に許容し得る塩には、例えば、塩酸若しくはリン酸などの無機酸、又は酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸等などの有機酸と形成される酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ基と形成される)が含まれる。遊離カルボキシル基と形成される塩は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、又は水酸化第二鉄などの無機塩基、及びイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカイン等などの有機塩基由来であることもできる。
担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体プロピレングリコール等)、その適切な混合物、及び植物油を含有する溶媒又は分散媒でもあることができる。適度の流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散液の場合は所要の粒子サイズの維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗細菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等によってもたらすことができる。多くの場合、等張剤、例えば糖又は塩化ナトリウムを含むことが好ましい。組成物の長期吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物中に使用することによってもたらすことができる。
製剤化されると、液剤は投薬製剤と適合性の方法で、治療的に有効な量で投与される。製剤は、多様な投薬形態で、例えば薬物放出カプセル等により容易に投与され、他の薬学的又は生理的に許容し得る形態には、例えば錠剤又は経口投与様の他の固形剤;リポソーム製剤;持続放出カプセル;及び現在使用される任意の他の形態が含まれる。
本発明は、概日時計の乱れに関連するものを含む微生物叢調節異常を処置する方法であって、それを必要とする対象に上記Csnk2阻害剤を投与することを含む方法にも関する。
本発明は、良好な健康状態の維持するため、並びに/又は生理的消化及び免疫調節を保つための方法であって、対象に上記Csnk2阻害剤を含む補助食品を投与することを含む方法にも関する。該補助食品は、以前に記載されたような食物レジメンに従って投与され得る。例えば、Csnk2阻害剤の該全身補助は、1日の特定時間に、特に食物Cnsk2阻害剤の吸収があまり効果的でないときに、投与され得る。
いくつかの実施態様では、対象は、概日リズム睡眠障害を患う又はそのリスクがある。
いくつかの実施態様では、補助食品は、任意の病理症状の不在下で、特に任意の消化又は免疫症状の不在下で投与される。
本発明は、以下の図面及び実施例によってさらに例証される。しかし、これらの実施例及び図面は、本発明の範囲を限定すると決して解釈されるべきでない。
日周性に周期変動する細菌の蓄積は、Nlrp6欠損マウスにおける抗微生物ペプチド及びインターロイキン−18の周期性発現と同時発生する。A.野生型(ZTあたりn=5)及びNlrp6欠損(ZTあたりn=6)マウスの腸内微生物叢内で周期変動している細菌OTUの相対的存在量。B.野生型(ZTあたりn=5)及びNlrp6欠損(ZTあたりn=6)マウスにおける連続3日にわたるバクテロイデス門(Bacteroidetes)/ファーミキューテス門(Firmicutes)の比の概日周期変動。C.野生型(ZTあたりn=4)及びNlrp6−/−(ZTあたりn=4)マウスの粘膜領域におけるリゾチーム(lysosyme)陽性シグナルの平均強度。D.野生型(1時点あたりn=4〜5)及びNlrp6−/−(1時点あたりn=5〜6)マウスの回腸組織における抗菌遺伝子発現。E.野生型(ZTあたりn=4)及びNlrp6−/−(ZTあたりn=4)マウスの粘膜領域内のMuc2陽性細胞数。F.野生型(1時点あたりn=4〜5)及びNlrp6−/−(1時点あたりn=5〜6)マウスの結腸組織外植片におけるIL−18タンパク質レベル。G.野生型(ZTあたりn=4〜5)及びNlrp6−/−(ZTあたりn=5〜6)マウスの結腸組織におけるIL−18コード遺伝子の相対発現。黒及び白のマークはそれぞれ野生型マウス及びNlrp6−/−マウスを表す。スケールバーは100mmを表す。エラーバーはSEMを示す。*p≦0.05、**p≦0.01。 上皮Nlrp6の周期性発現が概日時計を調節する。A.野生型マウス(n=5)の結腸及び小腸におけるNlrp6、Bmal1及びDbpについての転写レベルの周期変動。B、C.野生型マウス及びNlrp6−/−マウス(n=5)の小腸組織における遺伝子発現。D.小腸オルガノイドにおける免疫蛍光染色の代表的な図。スケールバーは50μMを表す。E.結腸組織試料におけるKi67の免疫染色の代表的な図。スケールバーは100mmを表す。黒及び白のマークは、それぞれ野生型マウス及びNlrp6−/−マウスを表す。エラーバーはSEMを示す。*p≦0.05、**p≦0.01。 Nlrp6は、カゼインキナーゼ2により上皮自己再生の時間生物学的性質を調節する。A、FLAG Abを用いた回腸組織におけるNlrp6−3×Flag−GFPタンパク質の免疫共沈。B、抗CNSK2抗体、抗pERK抗体及び抗ERK抗体を使用して、ZT12及びZT24での野生型MEF及びNlrp6欠損MEFからの核(N)及び細胞質(C)抽出物をウエスタンブロット分析に供した。示した結果は、二つの独立した実験の代表である。C、アピゲニン(750μg/マウス、週2回)の3週間レジメンの結果としてのシグナル伝達経路の上位五つ。差次的に発現した遺伝子の数を各富化経路について示す。D、ビヒクル処置マウス及びアピゲニン処置マウスの結腸組織における時計遺伝子の発現。E、結腸陰窩あたりのKi67+細胞の平均数。F、2% DSSを投与する前にアピゲニンで3週間前処置された野生型(n=5)マウス(750μg/マウス、週2回)の体重減少。G、結腸の長さ。H、組織学的スコア。I、2% DSSを投与する前にアピゲニンで3週間前処置されたNlrp6−/−(n=4)マウス(750μg/マウス、週2回)の体重減少。J、結腸の長さ。K、組織学的スコア。エラーバーはSEMを示す。*p≦0.05。示した結果は、三つの独立した実験の代表である。黒及び白のマークはそれぞれ野生型マウス及びNlrp6−/−マウスを表す。 Nlrp6による腸内微生物叢の制御は、アピゲニンの抗炎症効果の一因である。NTマウス及びApiマウスを3週間のApi処置の間に同時飼育した。A、アピゲニンで処置された又はされなかった野生型(n=5)マウス及びNlrp6−/−(n=5)マウスからプロファイルされた糞便細菌群落の主座標分析。主座標を、比較された試料の群落組成を表す非存在度ベースのジャカール距離に基づき計算した。野生型(n=5)マウス及びNlrp6−/−(sh n=4、ch n=5)マウスについて、体重減少(B、E)、結腸の長さ(C、F)、及び大腸炎スコア(D、G)示す。黒及び白のマークは、それぞれ野生型マウス及びNlrp6−/−マウスを表す。エラーバーは、SEMを示す。*p≦0.05。スケールバーは100μMを表す。
実施例:
本明細書に提供される結果は、Nlrp6がカゼインキナーゼ2による宿主−微生物叢相互作用の日内周期変動を支援することを示している。言い換えると、著者らは、非古典的Nlrp6インフラマソームがCsnk2を通じて概日時計を調節することを実証した。
概日タイミングの持続時間の乱れ(例えば交代制夜勤又は睡眠不足)への慢性曝露は、世界中で数百万人に影響を及ぼす。睡眠機能障害の健康上の影響は、ほとんど理解されていないメカニズムによる炎症性腸疾患への感受性を含む。本明細書において、本発明者らは、Nod様受容体タンパク質6(Nlrp6)が、カゼインキナーゼ2(Csnk2)と直接相互作用することを通じて時計ベースの腸管陰窩ホメオスタシス保護することを実証する。腸管細胞系列の仕様における重度の時計調整不良は、Nlrp6欠損マウスにおいて周期変動している細菌属の蓄積に導く。機構的に、Nlrp6の欠如は、陰窩基底部円柱細胞の再生を犠牲にしてCsnk2のリズム的な核シャトリングを打ち消す。逆に、フラボノイドアピゲニンによるCsnk2活性の阻害は、機能的Nlrp6による増殖中の前駆細胞の増大を抑制し、一方で、カスパーゼ−1と独立して腸炎から防御する腸内微生物叢の変化に導く。まとめると、Nlrp6は、食物フラボノイドに応答して上皮可塑性への腸内微生物叢多様性の周期性適応を日周性に調和させる。
略語の一覧。ANOSIM:類似性分析、Arntl:アリール炭化水素受容体核内輸送体様、Csnk2:ホスビチン/カゼインキナーゼII型、DSS:デキストラン硫酸ナトリウム、IEC:腸管上皮細胞、eGFP:強化緑色蛍光タンパク質、ERK1/2:細胞外シグナル制御キナーゼ1及び2、IBD:炎症性腸疾患、LD:12時間/12時間の明/暗、MEF:マウス胚性線維芽細胞、Nlrp6:ヌクレオチド結合オリゴマー化ドメイン(NOD)様受容体6、OTU:操作的分類単位、Ppar−アルファ:ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アルファ、Ppar−ガンマ:ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ、Rora、RAR関連オーファン受容体A、rRNA:16SリボソームRNA、ZT:ツァイトゲーバー。
材料及び方法
マウス及び試薬。Nlrp6−3×Flag−IRES−eGFPマウスをInstitut Clinique de la Souris(Illkirch、France;さらなる詳細は請求により入手可能)で作製した。半日の明サイクル曝露及び温度制御環境中で、齢及び性別が一致するNlrp6欠損(Nlrp6−/−)マウス及び対照C57BL6/Jマウスに標準的な実験用固形飼料を自由摂取させた。全ての動物実験は、政府のガイドライン86/609/CEE号に従って認定された施設(B59−108号)において地域の実験審査委員会(CEEA232009R)によって承認された。大腸炎の実験モデルを、以前10に記載されたように行った。組織及び血液採取をLD条件で行い、ZT0は明期の開始(午前8時)であり、ZT12は、夕暮れ(午後8時)であった。アピゲニン(750μg/マウス;Santa Cruz)を、週に2回ZT6に1又は3週間腹腔内に与えた。
初代IECの単離、不死化マウス胚性線維芽細胞の作製及び培養。以前31に記載されたように、初代IEC及び固有層単核細胞(LPMC)を遠位回腸及び結腸から単離した。製造業者の説明書に従ってCD11b+ LPMCをMiltenyiキットによって富化した。線維芽細胞の単離のために、IECを単離して廃棄し、残りの組織を収集し、PBS中で洗浄した。無菌メスを使用して、結腸組織を小片に切り分けた(25〜30片)。標準的な細胞培養皿の底に無菌メスにより網目を刻み、管腔側を下にして組織片を網の接点に置いた。皿を20分間放置して乾燥させ、皿の底に組織を付着させ、5%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充した培地DMEM、10% FCSを慎重に添加した。皿を37℃、5% CO2でインキュベートした。次の5日間に皿の中の培地を新鮮DMEM、10% FCS、2.5%ペニシリン/ストレプトマイシンと毎日交換し、その後、1週間に2回新鮮DMEM、10% FCS、1%ペニシリン/ストレプトマイシンと交換した。組織部分から生じた個別の細胞の存在を毎日モニタリングした。培養5日後に大型で星形の線維芽細胞が最初に認められた。合計3週間培養後、組織部分を皿から除去し、懸濁細胞をPBSで洗浄して除き、トリプシン/EDTAと共に37℃で5分間2回インキュベートすることにより接着細胞を剥離させた。接着細胞を400×gで3分間ペレット化し、細胞培養フラスコ中のDMEM、10% FCS、1%ペニシリン/ストレプトマイシンに移した。細胞を1週間に2回継代し、継代4回目にさらなる操作のために使用した。妊娠したNlrp6欠損雌及び野生型雌の子宮角から胎生E13.5〜14.5日に得られた胚から、不死化マウス胚生線維芽細胞(MEF)を作製した。各胚から胎盤及び卵黄嚢を取り除き、胎仔の内臓を摘除し、断頭し、その後、氷冷0.25%トリプシン/EDTAを用いて37℃で20分間消化した。トリプシン消化を中和後、懸濁細胞に100Mフィルターを通過させ、10% FBS、可欠アミノ酸及び抗生物質を補充したDMEM培地(Life technology)を有する0.1%ゼラチンコーティングされたフラスコ上で培養した。25回を超える継代の不死化(MEFi)を使用した。実験の24時間前に、6ウェルプレート中、2% ITS−A(Life technologies)+2% FBSを含有するDMEM Glutamax培地(Life technologies)にMEFi(細胞0.08×106個)を三つ組で蒔いた。24時間毎に7日間、トリプシン処理により細胞を収集し、Countess(登録商標)装置を製造業者の説明書(Life technologies)に従って使用して計数した。以前32に記載されたようにMEFの同期化を行った。化学合成された有機化合物U0126を20Mで使用した(Sigma-Aldrich)。
腸管オルガノイドの形成及び免疫蛍光染色。以前33に記載されたように小腸陰窩を単離した。丸底プレートに10μl/ウェルで埋め込まれた低成長因子matrigel(Corning)注に陰窩500個/ウェルを蒔いた。37℃、5% CO2で20分間インキュベート後、以前33に記載されたように陰窩培地100μl/ウェルを陰窩に過剰負荷した。培地を4日毎に交換した。播種の6日後に、Cell Recovery溶液(BD Bioscience)を添加してmatrigelからオルガノイドを回収し、次に、HBSS中の0.8U/μl DNアーゼ及び0.3U/μl ディスパーゼで処理して単一細胞を得た。次に、細胞懸濁液をAF488コンジュゲート生/死染色(Life Technologies)で染色し、固定し、透過処理し、抗Ki67 eFluor660 Ab(クローンSolA15, eBioscience)と共にインキュベートした。次に細胞をBD FACS Canto IIで取得し、結果をFlowJoソフトウェアにより解析した。免疫蛍光染色のために、オルガノイドを4% PFAで固定し、すでに34に記載されたように4%低融点アガロース中に包埋した。HM650V vibratome(Thermo Fisher Scientific)を使用することによって150mm切片を得た。抗体抗Ki67 efluor660クローン:SolA15(eBioscience)及びAF488コンジュゲート型ファロイジン(Life Technologies)を使用した。核をDAPIによって染色した(1μg/ml, Life Technologies)。ProLong Gold Antifade試薬(Life Technologies)を用いて切片をマウントした。Opterraマルチポイント走査共焦点顕微鏡(Bruker)を使用して画像を取得した。
免疫組織化学、免疫蛍光及び組織分析。腸管組織をホルマリン中で固定し、一連の漸増する濃度のアルコール及びトルエン中で脱水し、その後パラフィン中に包埋した。免疫組織化学のために、厚さ5μMの組織切片をSuperfrost Plusスライド(Thermo Scientific)上に置き、60℃で10分間インキュベートし、一連の段階的アルコール及び蒸留水により再水和させた。内因性ペルオキシダーゼを3%過酸化水素により10分間ブロッキングした。電子レンジ中で切片を20分間蒸すことによって抗原賦活化をクエン酸緩衝液(10mM、pH6)中で行った。5% BSA/PBSを用いて組織切片をRTで30分間ブロッキングし、Ki67に対する一次Ab(1:100, ab15580, Abcam)、Flag M2に対する一次Ab(1:100, F3165, Sigma)又は切断されたカスパーゼ3に対する一次Ab(1:50, 9661, Cell Signalling)のいずれかを直接適用し、室温(RT)で1時間又は4℃で一晩インキュベートした。スライドをPBS中で3回洗浄し、その後、二次ペルオキシダーゼコンジュゲート型ヤギ抗ウサギIgG Ab(1:100, Interchim)又はペルオキシダーゼコンジュゲート型ヤギ抗マウスIgG Ab(1:100, Interchim)のいずれかをRTで2時間適用した。3.3’−ジアミノベンジジン溶液(BD Pharmingen)を使用することによって標的抗原を視覚化し、続いてヘマトキシリンを用いて核を対比染色した。リゾチームに対する一次抗体(A0099, Dako)を1:1000で、Cell Signalling Technologyによって提供されるプロトコールに従って4℃で一晩インキュベートすることによって免疫蛍光染色手技を行った。二次Ab(1:200, A11008, Life Technologies)をRTで1時間適用し、続いてDAPIを用いて核を対比染色した。ProLongR Gold Antifade試薬(Life Technologies)を使用することによって組織切片をカバーした。Zeiss Axioplan 2画像顕微鏡、Axio Imager Z1顕微鏡、Axiovisionソフトウェア(全てZeiss, Oberkochen, Germany製)、及びImageJソフトウェアを使用することによって顕微鏡分析を行った。凍結切片(5m)の染色を行って、製造業者の説明書(Cell Signaling Technology)に従って結腸組織上のGFPを染色した。ポリクローナルウサギ抗GFP Ab(1/1000, Molecular Probes)及びモノクローナルラット抗インテグリン6Ab(1/100, BD Pharmingen)を一次Abとして使用し、試料上で一緒にRTで3時間インキュベートした。二次AF488共役ヤギ抗ウサギAb及びAF594共役ヤギ抗ラットAb(1:500, Molecular Probes)をRTで1時間適用し、続いてDAPIで対比染色した。切片をMowiolでカバーした。
ツーハイブリッドスクリーニング、免疫共沈及びウエスタンブロッティング。製造業者(Agilent technologies)の説明書に従って細菌ツーハイブリッドスクリーニングを行った。completeプロテアーゼ阻害剤(Roche)を補充したPY緩衝液(50mM トリス−HCl、150mM NaCl、5mM EDTA、1%(v/v) Triton X-100、pH=8)中に遠位回腸組織試料を溶解した。組み換えプロテインGセファロース(Life Technologies)及びマウス抗flag M2 Ab(Sigma-Aldrich)を使用してNlrp6−3×Flag−IRES−eGFPマウスの総組織タンパク質からNlrp6タンパク質を沈殿させた。completeプロテアーゼ阻害剤(Roche)を補充したRipa緩衝液(10mM Tris−HCl、150mM NaCl、1%(v/v) Triton X-100、0.1%(w/v) SDS、0.5%(w/v) デオキシコール酸Na)中でMEF細胞を溶解することによりウエスタンブロッティング用のタンパク質を単離した。タンパク質濃度をPierce BCAキット(Thermo Fisher)によって測定し、Blot LDS Sample Buffer及びBlot Sample Reducing Agent中のタンパク質10μgをBlot 4-12% Bis-Tris Plus gel(Life Technologies)に負荷した。試料を膜に移行させるためにiBlot2及びNC Regular Stockを使用し、ブロッキング及びAb希釈のために5%乳汁溶液を使用した。以下の一次Abを使用した:ウサギ抗アクチン(Interchim)、ウサギ抗Csnk2 Sigma)、ウサギ抗ホスホERK1/2(Cell Signalling)、ウサギ抗ERK1/2(Cell Signalling)、マウス抗Flag M2(Sigma)、ヤギ抗Nlrp6 E20(Santa Cruz)、ウサギ抗SP1(Santa Cruz)及びマウス抗チューブリン(Cell Signalling)。ペルオキシダーゼコンジュゲート型ロバ抗ヤギIgG Ab(Santa Cruz)、ペルオキシダーゼコンジュゲート型ヤギ抗マウスIgG Ab(Interchim)及びペルオキシダーゼコンジュゲート型ヤギ抗ウサギIgG Ab(Interchim)を二次Abとして使用した。
組織外植片の分析。遠位結腸組織部分(長さ0.5cm)を縦に開き、PBS中でよく洗浄して便及び細片を廃棄した。組織をDMEM GlutaMax、10% FCS(v/v)、1%(v/v) ペニシリン/ストレプトマイシン中でインキュベートし、37℃、5% CO2で8時間放置した。製造業者(MBL)の説明書に従ってELISAにより培地中のIL−18を測定した。
遺伝子発現及びマイクロアレイ分析。cDNA合成キット(Agilent Technologies)を製造業者の説明書に従って用いて、単離したRNAを逆転写した。SYBR GreenリアルタイムPCRキットを使用して、結果として生じたcDNA(総RNA 5ngに相当)を増幅し、Stratagene Mx3005P(Agilent Technologies)で検出した。フォワードプライマー及びリバースプライマー(要請があれば配列は入手可能)を用いてRT−PCRを行った。PCR増幅が完了後、単一アンプリコンの存在を確認するためにDNA融解曲線の分析を実施した。転写物レベルを規準化するためにActbを内部基準遺伝子として使用した。(a)関心対象の遺伝子とActbとについてPCRサイクルの閾値(Ct)を比較すること(ΔCt)および(b)処置群と対照群とについてのΔCt値を比較すること(ΔCt)によって相対mRNAレベル(2−Ct)を決定した。アピゲニン処置マウス又はビヒクル処置マウスから単離されたIECに対するマイクロアレイ分析を以前10に記載されたように行った。以前28に記載されたように両側フィッシャー直接確率法を使用して遺伝子オントロジー分析を行った。関心対象の遺伝子に関連する生物学的過程をGene Ontology Consortium(http://www.geneontology.org)から検索した。
微生物叢の分析。デュアルインデックスの融合プライマー、簡潔には、illuminaリンカー配列、12塩基のバーコード配列及び不均一性スペーサーに続き、16S rRNA遺伝子特異的フォワード(319F:ACTCCTACGGGAGGCAGCAG)プライマー配列又はリバース(806R:GGACTACHVGGGTWTCTAAT)プライマー配列のいずれかからなるプライマーを使用して、16S rRNA遺伝子可変領域V3及びV4を増幅した29。上述のコンポジットプライマーを使用して、GeneAmp PCRシステム9700(Applied Biosystems, Foster City, California, USA)において以下のサイクリング条件を使用して二つ組でDNAを増幅した:98℃で3分の初回変性、続いて98℃で10秒の変性、50℃で30秒のアニーリング及び72℃で30秒の伸長を30サイクル。最終の伸長は72℃で10分間であった。増幅産物をアガロースゲルで泳動してアンプリコンのサイズ及び増幅性能を評価した。SequalPrepキット(Invitrogen)を使用してアンプリコンの量を規準化し、単一のライブラリーとしてプールした。2×300配列決定キットを使用し、標準HP10及びHP11プライマーを用いてIllumina MiSeqで配列決定を行った。ソフトウェアMOTHURを使用して、品質管理のために配列決定の読み取りデータを主に処理した。フォワード及びリバース読み取りデータを集合させて、コンティグを形成し、特異的プライマー及びバーコードと完全にはマッチせず、任意の多義の塩基及び八つを超えるホモポリマーを有する読み取りデータを下流の分析から除去した。所望の細菌V3−V4可変領域と整列しない配列、キメラの疑い及び非細菌起源の可能性を検出し、除去した。少なくとも97%の類似性を有する配列を操作的分類単位(OTU)にクラスター形成した。Mothur改変RDP参照及び分類学データベースを使用してこれらのOTUを分類学的に分類した30。群落間のJaccard距離に対して主座標分析(PcoA)を行った。Rアプリケーションパッケージ(www.r-project.org)を用いてrglを使用して主座標を視覚化した。分析された群間の差に寄与する顕著なOTUを同定するために指標分析を行った。多様性のノンパラメトリックShannon指数をアルファ多様性指数の尺度として計算した。ノンパラメトリックMann-Whitney検定によって統計的な差を決定した。
統計。Prism4.0(GraphPad Software, San Diego, CA)を使用してデータを解析した。Dunnの多重比較検定を伴うノンパラメトリックKruskal-wallis検定、Bonferroniの多重比較検定を伴うノンパラメトリックMann-Whitney検定又はパラメトリック一元配置ANOVA検定を使用した。種レベルのOTUで潜在的周期性成分を検出するためにJTK_サイクルアルゴリズムを実行した12。このツールは、組み合わせJonckheere-Terpstra-Kendallアルゴリズムに基づき秩序化された独立群にわたるデータのサブセットにおいて秩序化の単調さ(例えばリズム的パターン)を検出するためにノンパラメトリック検定法を使用する。値は、規準化されたデータの平均+/−SEMを表す。星印、P≦0.05で有意差。
結果
ハイスループット配列決定における最近の進歩は、出生したその日から、衛生状態、性別、加齢、薬物摂取及び摂食行動を含む内因性メカニズムと外因性メカニズムとの間の複雑な相互作用によって形づくられた環境に適応した腸内微生物群落(微生物叢)の構築の詳細な観察を可能にした(1)。安定な生態的地位の存在は、消化又は免疫調節などの重要な生理機能を維持し、それにより、宿主の全身の健康を増進する。腸内微生物叢の組成における日内周期変動は、宿主の摂食時間、性別及びいくつかのコア時計成分の関数として観察され(2、3、4)、それらは、上皮の自己再生における時刻変動と一致する(3)。逆に、腸上皮細胞(IEC)による糖質コルチコイドの感知(5)を含むいくつかの時計ベースの腸管機能は、無菌マウスにおいて打ち消される(4)。そのようなリズムは、大まかに24時間サイクルに従う周期性生理的変化を特徴づける。リズムは、内因性、自家持続性、時間追跡性の分子機構である概日時計によって維持されており、大部分の生きた生物が規則的に再発する生理的パターンを予期できるようにする。そのうえ、時計機構は環境変化に適応することもできる(6)。前述の時間追跡システムの障害は、ヒトの健康にとって潜在的に広範な意味を有する。勤労者の約15〜20%が、夜勤を含む交代制勤務スケジュールに定期的に従事しており(7)、それは、全勤務生活にわたり潜在的に概日リズムを障害するものである。疫学研究が、昼夜サイクルを障害する状態(例えば交代制勤務、断眠、時差ぼけ)と、結腸直腸癌、メタボリックシンドローム及び炎症性腸疾患(IBD)などの多様な慢性炎症疾患との間の関連を示した(8)。リズム的な栄養摂取の明らかに強い影響にもかかわらず、IECと腸内微生物叢との相互作用がどのように調節され、そのような相利的な相互作用の安定性が日周サイクルにわたりどのように維持されるかは、驚くほどほとんど知られていない。
ヌクレオチド結合オリゴマー化ドメイン(NOD)様受容体6(Nlrp6)は、腸内微生物叢の組成を調製することによって腸管ホメオスタシスを制御することが示されている(9〜11)。Nlrp6が1日の経過にわたり腸内微生物叢の組成を制御し得るかどうかを判定するために、本発明者らは、12時間毎に3日間にわたり収集した便試料からの16SリボソームRNA(rRNA)遺伝子配列決定ベースの細菌プロファイルにおける周期性変数の検出のためにノンパラメトリックJTK_サイクルアルゴリズムを適用した(12)。以前の結果と一致して(2)、約0.6%(42/2672)の細菌操作的分類単位(OTU)の存在度が日周性に周期変動することが見出された(P値<0.05、Benjamini-Hochberg補正後、図1A)。これらのリズム的な周期変動OTUのうち、厳密な12時間/12時間明暗条件(LD)で自由摂取させた野生型マウスとNlrp6欠損マウスとの間で8OTUが共有された。特有の8OTUだけが野生型マウスにおいて周期変動挙動を表すことが示された。対照的に、Nlrp6の不在は、26OTUを有する日周性に周期変動する細菌属の強い蓄積に導き、これらは、有意なリズムパターンによって特徴づけられた(P値<0.05、Benjamini-Hochberg補正後、図1A)。前述の周期性OTUの間で、これらの大部分はクロストリジウム目(Clostridiales)群と関係した。その結果、変化したリズム性は、微生物叢の変化した組成に導き、バクテロイデス(Bacteroides)/ファーミキューテス(Firmicutes)比のより強いゆらぎがあり(図1B)、それは、最終的にNlrp6欠損マウスにおける公知の前糖尿病状態の一因となり得る(13)。より重要なことには、いくつかの抗微生物ペプチドについての転写物レベルのリズム的な変化が、Nlrp6欠損マウスの遠位回腸で観察された(示さず)。その結果、パネート細胞によるリゾチーム含有顆粒は、Nlrp6欠損マウスにおいて夜明けに(ツァイトゲーバー時間0、ZT0)あまり豊富でないことが見出され、一方でZT6及びZT12に差は見られなかった(図1C、D)。Nlrp6欠損マウスにおける前述の遺伝子のこのリズム的な発現パターンは、Muc2陽性IEC数(図1E)並びに杯細胞の成熟を防止すると考えられるインターロイキン−18の転写物(図1F)及びタンパク質(図1G)レベルの両方の周期変動と相関した(14)。タイミングにおけるこの異常な相は、一緒になってNlrp6欠損マウスにおけるディスバイオシスの徴候の一因となり得る、日周性に周期変動している細菌属の蓄積も説明することもできる(9)。
コルチコトロピン放出ホルモン(コルチコリベリンとも呼ばれる)における夜間減少を考えて(5)、本発明者らは、Nlrp6の発現が、Nlrp6の発現を抑制することが公知であるそのような視床下部放出ペプチドホルモンの日内ゆらぎの結果として変動し得るという仮説を立てた(15)。それ自体興味深いことに、概日サイクルにわたる変動が、Nlrp6の転写レベルについて遠位回腸及び結腸の両方で観察された(図2A)。小腸及び大腸でのNlrp6発現の底点位相(bathyphase)は、IECにおけるRAR関連オーファン受容体A(Rora)シグナル伝達によって調節されることが公知である、アリール炭化水素受容体核内輸送体様(Arntl又はBmal1とも呼ばれる)(図2B)のリズム的発現と逆相関した(5)。仮説と一致して、Nlrp6欠損マウスの遠位回腸における遺伝子発現分析は、Bmal1(図2B)及びいくつかの核内受容体(図2C)の異常な日内周期変動を明らかにし、その調節解除はメタボリックシンドロームを引き起こすことが示された(5)。特に、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アルファ(Ppar−アルファ)及びガンマ(Ppar−ガンマ)の遺伝子発現は、野生型マウスの遠位回腸及び結腸の両方で「休止期」の間に低下したが、Nlrp6欠損マウスにおいて最高レベルのままであった(図2C)。それと一致して、Nlrp6欠損マウスの小腸及び大腸は、Ppar−ガンマの活性を高めることが公知であるノクターニンのより大きな発現を示した(図2C)。まとめると、本発明者らの結果は、核内受容体の増悪した上皮活性化を明らかにし、このせいで、Nlrp6欠損マウスの腸管バリアは、1日の経過にわたり損傷に対する炎症応答をより発生しやすくなり得る。
どの細胞型が微生物叢との腸管界面でNlrp6を発現し得るかを定義するために、本発明者らは、カルボキシ末端3×Flagタグ及びIRES−eGFPカセットを有するNlrp6を発現しているノックインマウスを作製した(示さず)。qRT−PCR分析は、Ppar−ガンマについて報告されたことのように(16)、分化したIECに限定されたNlrp6の発現を明らかにし(データは示さず)、それは、免疫蛍光及び免疫組織化学分析によって確認された(データは示さず)。本発明者らは、次に、野生型マウス及びNlrp6欠損マウスの空腸由来の三次元培養IECのモデル(オルガノイドとしても公知)を利用した。興味深いことに、オルガノイドにおけるNlrp6の発現喪失は、Ki67細胞の比率の増加を招いた(図2D)。Nlrp6欠損マウスから得られたマウス胚性線維芽細胞(MEF)において類似の結果が観察され、その結果では、LPSに応答して細胞外シグナル制御キナーゼ1及び2(ERK1/2)並びにAktシグナル伝達の活性化増加が観察された(データは示さず)。本発明者らは、次に、細胞外シグナル制御キナーゼ1及び2(ERK1/2)シグナル伝達の選択的阻害剤であるU0126を用いた処置を行って細胞増殖を評価した。U0126処理された野生型MEFの増殖速度は、類似処理されたNlrp6欠損MEFの一つに匹敵することが見出された(データは示さず)。Ki67を使用する免疫組織化学分析により、結腸IECのより高い増殖指数も夕暮れに観察された(データは示さず)が、切断型カスパーゼ−3陽性細胞数は、野生型マウスとNlrp6欠損マウスとの間で類似であることが見出された(データは示さず)。したがって、Nlrp6−/−マウスにおける大腸炎のリスク強化は、IECの調節解除されたサイクリング及びIECの増殖に関与するERK1/2標的遺伝子の発現強化と同時発生した(10)。これらの結果は、Nlrp6のリズム的な上皮発現が上皮バリア機能の時計ベースの維持に関与する可能性があることを本発明者らに示唆した。
Nlrp6シグナル伝達が上皮の自己再生をどのように日周性に指示し得るかのさらなる洞察を得るために、本発明者らは、ベイトとしてマウスNlrp6のピリンドメインを適用することによりMEF cDNAライブラリーの細菌ツーハイブリッドスクリーニングを行った。二つの陽性重複クローンは、ホスビチン/カゼインキナーゼII型の調節性ベータサブユニット(Csnk2β、OMIM 115441)をコードするcDNAを含有した。Csnk2は、真核界にわたり進化的に保存されている四量体性セリン/トレオニン選択的プロテインキナーゼである。興味深いことに、Csnk2は、期間延長及びストレス応答経路の調節に関与する概日時計のコアメンバーである(17、18)。ショウジョウバエ(Drosophila)において、アンダンテ変異体は、異常に長い概日期を招くCsnk2の喪失によって特徴づけられる(17)。本発明者らのツーハイブリッドスクリーニングによって予測されるように、Nlrp6は、マウス腸内のCsnk2βと一緒に内因性に免疫沈降した(図3A)。Csnk2が活性化時に核区画に移行することを考えて(19)、本発明者らは、次に、Nlrp6の不在下でのERK1/2シグナル伝達の活性化増加が、Csnk2の異常な昼夜シャトリングに起因し得ると仮定した(20、21)。それと一致して、Csnk2β及びリン酸化ERK1/2の核シャトリングの日内周期変動は、Nlrp6の不在下で時刻依存的に妨害されることが分かった(図3B)。Nlrp6がCsnk2の下流で機能し得るかどうかを評価するために、本発明者らは、Csnk2活性のATP競合阻害剤である天然の植物フラボンとしてアピゲニン(4’,5,7−トリヒドロキシフラボン)を利用した。注目すべきことに、マイクロアレイ分析は、アピゲニン投与された野生型マウスにおいてLogfc 1.5で差次的に発現された54種の遺伝子の特異的サブセットを明らかにした。興味深いことに、アピゲニン処置のシグネチャーは、癌及び概日リズムシグナル伝達に関連する遺伝子が富化されていることが見出された(図3C)。重要なことに、qRT−PCR分析は、いくつかの時計機構遺伝子の結腸転写レベルが、Nlrp6によるアピゲニン投与によって有意に影響されたことを明らかにした(図3d)。その結果、Ki67 Ab染色によって示されるようにアピゲニンの3週間レジメンはIECの増殖を低下させ、カスパーゼ−3陽性IEC数に全く変化を有さなかった(図3D)。対照的に、アピゲニンの抗増殖効果は、Nlrp6欠損マウスにおいて打ち消された(図3D)。これらの結果は、Cnsk2がNlrp6活性の抑制により上皮幹細胞活性の十分に特徴づけられた日内周期変動を編成することを強く実証している。
フラボンは、ヒトの食餌の重要な成分であるフラボノイドのクラスである。食物フラボノイド、アピゲニンは、概日リズムの乱れに関連するいくつかの病気の処置のために有望な薬物である。LDサイクルを受けているアピゲニン処置された野生型マウスは、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)の経口投与を受けてあまり重度でない体重減少を有した(図3F)。アピゲニンを投与すると、他のフラボンで観察されたのと同様に、より低い疾患−活性指数がより大きな結腸の長さと相関した(22)。一致して、対照と比較したとき、アピゲニンで処置されたマウスからの結腸の代表的なヘマトキシリン・エオシン染色切片について、炎症細胞の浸潤減少が顕著に証明された(図3J)。対照的に、DSS曝露の間にマウスが暗条件で3概日サイクルの間、飼育された場合、アピゲニンの抗炎症効果は観察されなかった。本発明者らは、次に、アピゲニンがNlrp6を経由してDSS誘導大腸炎から防御し得るかどうかを判定した。本発明者らの以前の結果と一致して、Nlrp6を欠如するマウスのアピゲニンを用いた処置は、消耗性疾患を改善せず(図4I)、結腸の長さを変えず(図3J)、その後の組織分析において炎症に効果を有しなかった(図3K)。まとめると、これらの観察は、アピゲニンがマウスを腸炎から防御するかどうかをNlrp6が大きく決定することを実証している。
16S rRNA遺伝子配列決定によって、本発明者らは、次に、アピゲニンの抗炎症役割が腸内微生物叢の細菌組成における変化に関連したかどうかに取り組んだ。Jaccard距離に関する類似性の統計解析(ANOSIM)は、アピゲニンで処置された野生型マウスの腸内微生物叢組成が、対照の一つと顕著に異なったことを明らかにした(R=0.33、p=0.015;図A)。細菌OTUの間でアピゲニンが誘導する変化は、アリスティペス(Alistipes)、パラサチュエルラ(Parasatuerlla)及びバクテロイデスを含む、バクテロイデス門由来のいくつか属の増大を含んでいた。より重要なことには、野生型マウスにおけるアピゲニン処置は、狭義のクロストリジウム(Clostridium)及び未分類ルミノコッカス科(Ruminococcacceae)の減少に導き、それらは、Nlrp6欠損マウスにおいて周期変動することが容易に見出された。以前の結果と一致して(9)、腸内微生物叢組成の大規模変化は、Nlrp6の不在下で細菌多様性の減少を引き起こした(p=0.001)。特に、Nlrp6欠損マウスの腸内細菌の生態は、バクテロイデス門(アリスティペス、バルネシエラ(Barnesiella)及びアロバクルム(Allobaculum)を含む)に属する無鞭毛及び酪酸産生細菌の存在度低下によって特徴づけられ、それは、未分類のポルフィロモナス科(Porphyromonadaceae)及びクロストリジウム目の属の成長と相関した。アピゲニンが誘導するディスバイオシスが腸管ホメオスタシスに果たす役割をさらに確認するために、ビヒクル処置マウス及びアピゲニン処置マウスを3週間にわたり同時飼育し、その後DSSで誘発した。重要なことには、同時飼育されたビヒクル処置動物における消耗性疾患を、アピゲニンを投与されている野生型マウスで観察されたのと類似の程度まで改善した(図4B、C、D)。対照的に、Nlrp6欠損マウスにおける同時飼育実験は、同時飼育された動物と単一飼育された動物との間で大腸炎の防御に何も差を明らかにしなかった(図4O〜R)。それと一致して、本発明者らは、アピゲニン処置Nlrp6欠損マウス及びビヒクル処置Nlrp6欠損マウスからの腸内微生物叢の組成に全般的な変化を観察しなかった(ANOSIM、p=0.283)(図4E、F、G)。総合して、これらの結果は、アピゲニンによる概日時計の同調化が、腸炎に対する伝達性の防御を付与する腸内微生物叢におけるNlrp6依存性変化を伴うことを示している。
まとめると、本発明者らは、Nlrp6がIECの増殖及び腸内細菌の生態の日内周期変動を編成すると結論する。本発明者らは、Nlrp6がCsnk2の下流で作用し、そのことが、多様な種において概日期間を延長することができることを実証した(17、18)。より重要なことには、食物アピゲニンによるCsnk2活性の薬理学的阻害は、Nlrp6を通じてマウスを腸炎から防御した。アピゲニンは、広範囲の疾患を処置するための、中医学の生物学的活性成分である天然植物フラボンである。第一に、同時飼育実験は、アピゲニン条件付け微生物叢の防御活性が野生型成マウスにさえ伝播可能であることを明らかにした。対照的に、アピゲニンで処置されたNlrp6欠損マウスは、同時飼育された未処置の変異型動物に防御を付与しなかった。注目すべきは、アピゲニンの生物学的活性は、腸内微生物叢内に見られるC環切断活性を有するいくつかの共生菌の異化活性にほとんど依存する(23)。あまり多様化していないことが公知であるIBD患者由来の腸内微生物叢によるフラボンの吸収及び代謝を評価するためのさらなる研究が今や切に待たれる。このパラダイムを理解することは、重度の代謝及び睡眠障害を経験したIBD患者における個別化医療の開発に向けて必須である。さらに、最近のゲノムワイド関連研究は、IBDの素因となる対立遺伝子が、CSNK2をコードする遺伝子中にあることを明らかにしたが(24)、CSNK2は、IBD患者からの結腸陰窩の核にあまり発現されず、そこに移行することが見出されている(25、26)。興味深いことに、ビタミンD受容体(rs11168249);核因子及びインターロイキン3調節因子(rs4743820)を含む、いくつかの他の概日時計成分がIBDにおいて差次的に発現されるのと同時に(25)、IBDの素因にも関与することも見出された(27、28)。まとめると、本発明者らの結果は、Csnk2に対して公知の阻害活性を有する食物フラボン及び栄養補給食品のバイオアベイラビリティーを改善することによる、IBDにおける時間生物学的療法を考慮する必要性を主張するものである。それは、該療法がNlrp6を通じて微生物叢の構築を決定することによって腸管上皮の再生及び大腸炎の転帰に大きく影響するからである。
参考文献


本出願にわたり、本発明が属する技術の現状を様々な参考文献が説明している。これらの参考文献の開示は、これによって参照により本開示に組み入れられる。

Claims (5)

  1. 概日時計の乱れに関連するマイクロバイオーム調節異常の処置を必要とする対象における処置における使用のためのカゼインキナーゼ2(Csnk2)活性阻害剤。
  2. マイクロバイオーム調節異常が、ディスバイオシス及び/又は腸内微生物叢の日周リズム性喪失を含む、請求項1記載の使用のためのカゼインキナーゼ2(Csnk2)活性阻害剤。
  3. 対象が概日リズム睡眠障害を患っている又は対象にそのリスクがある、請求項1又は2のいずれか一項に記載の使用のためのCsnk2活性阻害剤。
  4. フラボン、チロホスチン及びその誘導体より選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用のためのCsnk2活性阻害剤。
  5. アピゲニン、ルテオリン、及びチロホスチンAG99からなる群より選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用のためのCsnk2活性阻害剤。
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