JP2016136501A - 線状導体及び該線状導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小径化に伴う機械的特性の低下を抑制するとともに、生産性を向上する。
【解決手段】 可撓性を有する絶縁性の線状部材10を複数撚り合せ、隣接する前記線状部材10,10間に形成される溝11内に、長手方向へ連続するように導電材からなる導電層20cを設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】 可撓性を有する絶縁性の線状部材10を複数撚り合せ、隣接する前記線状部材10,10間に形成される溝11内に、長手方向へ連続するように導電材からなる導電層20cを設けた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車や飛行機などの搬送機器、ロボットや工作機械などの産業機器、携帯電話やデジタルカメラ、医療機器、蓄電池、各種センサ、導電性繊維、配線材料等、各種の電子・電気機器又は該機器用の部品に用いられる線状導体及び該線状導体の製造方法に関するものである。
一般に、携帯電話やデジタルカメラ、自動車、ロボット、工作機械などにおいて、常時振動を受ける部分や可動部分に配線される線状導体は、過酷なテンションや曲げなどの応力を繰り返し受けるため、高い強度や、耐衝撃性、耐屈曲性等が要求される。また、電動機や電磁ソレノイド等のように導線をコイル状に巻いて用いる場合や、導線を幾度も屈曲させて配線する必要がある場合等には、柔軟な屈曲性が要求される。さらに、製品の小型化等のためには、線状導体の小径化が要求される。
従来、前記のような要求を満足しようとする発明には、例えば特許文献1に記載されるように、外周部を絶縁材料から形成してなる長尺中実状の基体(10)を備え、前記基体の外周部に、長手方向へわたる溝(11)を設け、該溝内に、長手方向へ連続するように、導電体からなる導電層(20)を形成するようにした線状導体がある。
この従来技術によれば、導電層よりも軸心側の部分を絶縁材料により形成しているため、前記絶縁材料の部分の材質調整により、小径化に伴う強度低下を容易に抑制することができる。
この従来技術によれば、導電層よりも軸心側の部分を絶縁材料により形成しているため、前記絶縁材料の部分の材質調整により、小径化に伴う強度低下を容易に抑制することができる。
ところで、前記従来技術において、前記基体の外周面に前記溝を形成する製法には、例えば、押出成形やナノインプリント等が挙げられる。
しかしながら、押出成形では、成形性等の問題から、基体となる直径1mm以下の繊維の外周面に、幅0.3mm以下の微細な溝を形成するのは困難である。
また、ナノインプリントは、基体を数cm単位の基材とすれば可能だが、それ以上の大きさになると加工が困難であり、特殊な設備や成形技術等が必要になる。
しかしながら、押出成形では、成形性等の問題から、基体となる直径1mm以下の繊維の外周面に、幅0.3mm以下の微細な溝を形成するのは困難である。
また、ナノインプリントは、基体を数cm単位の基材とすれば可能だが、それ以上の大きさになると加工が困難であり、特殊な設備や成形技術等が必要になる。
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、小径化に伴う機械的特性の低下を抑制することができる上、極細に形成した場合にも生産性が良好な線状導体及び該線状導体の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための一手段は、可撓性を有する絶縁性の線状部材を複数撚り合せ、隣接する前記線状部材間に形成される溝内に、長手方向へ連続するように導電材からなる導電層を設けたことを特徴とする。
本発明は、以上説明したように構成されているので、小径化に伴う機械的特性の低下を抑制することができる上、極細に形成した場合にも生産性が良好である。
本実施の形態の第一の特徴は、可撓性を有する絶縁性の線状部材を複数撚り合せ、隣接する前記線状部材間に形成される溝内に、長手方向へ連続するように導電材からなる導電層を設けて、線状導体を構成した(図1及び図3参照)。
この構成によれば、撚り合せられた複数の線状部材により機械的特性を向上することができる上、押出成形やナノインプリント等の従来の溝加工を不要にし、極細に形成した場合にも生産性が良好である。
この構成によれば、撚り合せられた複数の線状部材により機械的特性を向上することができる上、押出成形やナノインプリント等の従来の溝加工を不要にし、極細に形成した場合にも生産性が良好である。
第二の特徴として、より生産性を向上するために、前記導電層は、ナノ粒子状金属インクを硬化させてなる。
第三の特徴として、より電気的特性を良好にするために、前記導電層は、ナノ粒子状金属インクを硬化させてなるシード層の表面に、導電性金属膜を設けてなる。
第四の特徴として、各導電層の電気的独立性を向上するために、前記溝内には、隣接する前記線状部材間を覆うように絶縁性の合成樹脂からなる被覆層が設けられ、前記導電層は、前記溝内における前記被覆層上に設けられている(図3参照)。
第五の特徴は、線状導体の製造方法であって、複数の前記線状部材を撚り合せる工程と、前記溝内に、前記導電層を形成する工程とを含む。
第六の特徴は、線状導体の製造方法であって、複数の前記線状部材を撚り合せる工程と、隣接する前記線状部材間を前記被覆層により覆う工程と、前記溝内における前記被覆層上に、前記導電層を形成する工程とを含む。
次に、上記特徴を有する好ましい実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る線状導体の一例を示す拡大断面図である。
この線状導体1は、可撓性を有する絶縁性の線状部材10を複数撚り合せ、隣接する線状部材10,10の谷間に形成される溝11内に、長手方向へ連続するように導電材からなる導電層20cを設けてなる。
この線状導体1は、可撓性を有する絶縁性の線状部材10を複数撚り合せ、隣接する線状部材10,10の谷間に形成される溝11内に、長手方向へ連続するように導電材からなる導電層20cを設けてなる。
線状部材10は、長尺軸状に形成された合成樹脂製の繊維である。この線状部材10の材質は、後述する製造工程における熱影響を受け難くするために、融点が150°C以上であって且つ電気絶縁性を有する合成樹脂材料であることが好ましく、例えば、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)や、PEEK樹脂(ポリエーテルエーテルケトン)等を用いる。また、線状部材10には、複数種類の合成樹脂材料を多層構造にした複合繊維を用いてもよい。
この線状部材10は、複数本撚り合せられる。詳細に説明すれば、複数の線状部材10の各々は、螺旋状に曲げられた状態で他の線状部材10に接触している。そして、隣接する二つの線状部材10,10の谷間には、溝11が形成される。
各線状部材10は、図示例によれば、断面略円柱状としているが、隣接する線状部材10間に溝11となる谷間を確保できる断面形状であればよく、例えば、断面多角形状等、他の断面形状とすることも可能である。
各線状部材10は、図示例によれば、断面略円柱状としているが、隣接する線状部材10間に溝11となる谷間を確保できる断面形状であればよく、例えば、断面多角形状等、他の断面形状とすることも可能である。
導電層20cは、ナノ粒子状金属インク20(微粒子金属分散インクとも称する)を硬化させてなるシード層と、このシード層の表面にメッキ処理された導電性金属膜(例えば銅膜)とからなり、溝11内を長手方向へ連続している。
ナノ粒子状金属インク20は、銀を導電性金属成分とし、所定温度で熱硬化するものを用いる。
なお、ナノ粒子状金属インク20の他例としては、常温硬化するものや、銀以外の導電性金属を主成分とするもの等を用いることも可能である。また、このナノ粒子状金属インク20には、水溶媒型、有機溶媒型の何れを用いることも可能である。
ナノ粒子状金属インク20は、銀を導電性金属成分とし、所定温度で熱硬化するものを用いる。
なお、ナノ粒子状金属インク20の他例としては、常温硬化するものや、銀以外の導電性金属を主成分とするもの等を用いることも可能である。また、このナノ粒子状金属インク20には、水溶媒型、有機溶媒型の何れを用いることも可能である。
次に、上記線状導体1の製造方法を、図2及び図3に沿って詳細に説明する。
本実施例では、線状部材10として、直径約250μmのPET繊維を用いた。
先ず、複数本(図示例によれば3本)の線状部材10を束ね合せて、撚り線状に構成する。この状態において、隣接する線状部材10,10は、図2(a)に示すように、外周面同士が接触し、これらの間には谷間状の溝11が形成される。
本実施例では、線状部材10として、直径約250μmのPET繊維を用いた。
先ず、複数本(図示例によれば3本)の線状部材10を束ね合せて、撚り線状に構成する。この状態において、隣接する線状部材10,10は、図2(a)に示すように、外周面同士が接触し、これらの間には谷間状の溝11が形成される。
次に、撚り線状の複数本の線状部材10は、図3に示すように、ローラRに導かれることで、長手方向へ繰り出されながら搬送され、その搬送途中で、後述する複数の工程を通過してゆく。
先ず、撚り線状の複数本の線状部材10に対し、その外周面から異物等の汚れを除去してその表面状態を均一にする洗浄工程(図3(1)参照)や、ナノ粒子状金属インク20が付着し易いようにする表面改質処理(図3(2))等が施される。
前記洗浄工程は、例えば、IPA(イソプロピルアルコール)超音波洗浄や、アセトン超音波洗浄、水超音波洗浄等とすればよい。
また、前記表面改質処理は、例えば、UVオゾン洗浄(光洗浄)や、プラズマ洗浄、シランカップリング材を用いた処理、官能基(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基など)を用いた処理、その他の親水化処理等とすればよい。
なお、前記洗浄工程及び/又は洗浄工程は、線状部材10の表面状態によっては省くことも可能である。
前記洗浄工程は、例えば、IPA(イソプロピルアルコール)超音波洗浄や、アセトン超音波洗浄、水超音波洗浄等とすればよい。
また、前記表面改質処理は、例えば、UVオゾン洗浄(光洗浄)や、プラズマ洗浄、シランカップリング材を用いた処理、官能基(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基など)を用いた処理、その他の親水化処理等とすればよい。
なお、前記洗浄工程及び/又は洗浄工程は、線状部材10の表面状態によっては省くことも可能である。
次に、複数本の線状部材10は、長手方向へ導かれ、容器内に溜められたナノ粒子状金属インク20に浸漬される(図3(3)参照)。この工程により、複数本の線状部材10の外周面には、図2(b)に示すように、ナノ粒子状金属インク20が付着する。すなわち、複数本の線状部材10の全外周面がナノ粒子状金属インク20によって覆われた状態になる。
次に、複数本の線状部材10の周囲の余分なナノ粒子状金属インク20を除去する処理が施される(図3(4)参照)。この処理は、複数本の線状部材10に対し、その長手方向両側の複数のローラRによって張力を加えることで、これら線状部材10の弛みを除去し、この状態において、これら線状部材10の周囲に高圧エアーを吹き付けて、余分なナノ粒子状金属インク20を飛ばす。なお、他の製造方法として、線状部材10を所定長さの長尺体とした場合等には、遠心力により余分なナノ粒子状金属インク20を飛ばすことも可能である。
次に、ナノ粒子状金属インク20の薄膜を形成した複数の線状部材10を、約150℃の熱処理炉に通過させることで(図3(5)参照)、ナノ粒子状金属インク20を金属化(硬化)する。この状態では、図2(c)に示すように、隣り合う線状部材10,10の谷間の溝11には、ナノ粒子状金属インク20が硬化してなる金属膜20aが形成される。
次に、谷間に金属膜20aを有する複数本の線状部材10を、エッチング溶液(硝酸10%溶液)に通過させ、隣り合う溝11,11間の曲面等に付着した不要な金属膜20aを溶融除去して(図3(6)参照)、メッキ処理の下地となるシード層20bを形成する。
このエッチング工程によれば、各シード層20bが、線状部材10外周に付着した不要な金属膜によって他のシード層20bに接触するようなことを防ぐことができる。
このエッチング工程によれば、各シード層20bが、線状部材10外周に付着した不要な金属膜によって他のシード層20bに接触するようなことを防ぐことができる。
次に、前記エッチング後の線状部材10及びシード層20bを、水洗いし(図3(7)参照)、その後、ドライヤーで乾燥する(図3(8)参照)。
次に、図3(9)に示すように、複数本の線状部材10及びシード層20bをメッキ液中に通過させることによって、シード層20bの表面に銅膜を無電解メッキ処理する。このメッキ処理によれば、隣接する線状部材10,10の谷間(溝11)には、シード層20bの表面に銅メッキ層を有する導電層20cが形成される。この導電層20cは、溝11に沿って長手方向へ連続する。
なお、前記メッキ処理は、電気メッキ処理等、無電解メッキ処理以外のメッキ処理とすることも可能である。
なお、前記メッキ処理は、電気メッキ処理等、無電解メッキ処理以外のメッキ処理とすることも可能である。
前記工程により完成した線状導体1は、図2(e)及び図1に示すように、複数本の線状部材10外周部に、周方向に間隔を置いた複数の導電層20cを有する。この線状導体1は、適宜長さに切断して使用したり、網目状に加工して使用したり、コイル状に加工して用いたり等することが可能である。
上記構成の線状導体1及びその製造方法によれば、引張強度や、曲げ強度、耐衝撃性、屈曲性、伸びや、伸縮性等の機械的特性を、線状部材10の材質や断面積、本数等により容易に調整したり向上したりすることができる上、押出成形やナノインプリント等の従来の溝加工を不要にし、極細に形成した場合にも生産性が良好である。
また、線状部材10を外径の異なるものに変更することで、導電層20cの断面積や、線状導体1全体の外径を容易に調整することができる。
また、線状部材10を外径の異なるものに変更することで、導電層20cの断面積や、線状導体1全体の外径を容易に調整することができる。
特に、線状導体1の外径を極小化した場合でも、複数の線状部材10の外周に、導電層20cを設けるための溝11を容易に形成することができ、さらに、該溝11内には極細な導電層20cを容易に形成することができる。
例えば、本願発明者は、上記した製造工程により、図6に示す試作品を作成した。
この試作品は、PET繊維からなる外径約50μmの線状部材10を7本束ねて撚り合せることで、これら複数の線状部材10の外径を約150μmにするとともに、これらの外周側に、隣接する線状部材10,10の谷間による7つの溝11を形成し、各溝11内に、ナノ粒子状金属インク20を硬化させてなる導電層(シード層20b)を、約10μmの幅で長手方向へ連続するように形成した。
前記導電層は、導電性を有するためそのまま長尺状の導体として用いることが可能である。なお、導通抵抗を安定させる等のために、前記導電層をシード層20bとし、該シード層20bの表層部に金属膜20aを設けるようにしてもよい。
この試作品は、PET繊維からなる外径約50μmの線状部材10を7本束ねて撚り合せることで、これら複数の線状部材10の外径を約150μmにするとともに、これらの外周側に、隣接する線状部材10,10の谷間による7つの溝11を形成し、各溝11内に、ナノ粒子状金属インク20を硬化させてなる導電層(シード層20b)を、約10μmの幅で長手方向へ連続するように形成した。
前記導電層は、導電性を有するためそのまま長尺状の導体として用いることが可能である。なお、導通抵抗を安定させる等のために、前記導電層をシード層20bとし、該シード層20bの表層部に金属膜20aを設けるようにしてもよい。
次に、本発明に係る線状導体の他例について説明する。なお、以下に示す線状導体は、上述した線状導体1を一部変更したものであるため、主にその変更部分について詳述し、上記線状導体1と略同一の構成については、同一の符号を付けることで重複する詳細説明を省略する。
上述した線状導体1では、上記製造工程において隣接する線状部材10,10同士を密接させることで、外周部に形成される複数(図示例によれば3つ)の導電層20cをそれぞれ電気的に独立させることが可能であるが、隣接する線状部材10,10間に隙間が生じて複数の導電層20cが電気的に接続されてしまう可能性もある。図4に示す線状導体2は、このような課題を解消し、各導電層20cの独立性を向上するものである。
線状導体2は、線状導体1に対し、絶縁性の合成樹脂からなる被覆層30を加えた構成になっている。
被覆層30は、隣接する線状部材10,10間の溝11内において、隣接する線状部材10,10間を覆うように設けられ、特に本実施例2の好ましい態様によれば、複数の線状部材10の全周を連続的に覆うように設けられる。
この被覆層30は、電気絶縁性を有する合成樹脂であればよく、本実施例ではポリパラキシリレン樹脂を用いている。
導電層20cは、隣接する線状部材10,10間の溝11内において、前記被覆層30の表面上に設けられ、長手方向に連続している。
被覆層30は、隣接する線状部材10,10間の溝11内において、隣接する線状部材10,10間を覆うように設けられ、特に本実施例2の好ましい態様によれば、複数の線状部材10の全周を連続的に覆うように設けられる。
この被覆層30は、電気絶縁性を有する合成樹脂であればよく、本実施例ではポリパラキシリレン樹脂を用いている。
導電層20cは、隣接する線状部材10,10間の溝11内において、前記被覆層30の表面上に設けられ、長手方向に連続している。
次に、図4に示す線状導体2の製造方法について説明する。
本実施例では、線状部材10として、直径約250μmのPET繊維を用いた。
先ず、複数本(図示例によれば3本)の線状部材10を束ね合せて、撚り線状に構成する。この状態において、隣接する線状部材10,10は、図2(a)に示すように、外周面同士が接触し、これらの間には谷間状の溝11が形成される。ここまでの、工程は、上述した線状導体1の製造工程と同様である。
本実施例では、線状部材10として、直径約250μmのPET繊維を用いた。
先ず、複数本(図示例によれば3本)の線状部材10を束ね合せて、撚り線状に構成する。この状態において、隣接する線状部材10,10は、図2(a)に示すように、外周面同士が接触し、これらの間には谷間状の溝11が形成される。ここまでの、工程は、上述した線状導体1の製造工程と同様である。
次に、撚り線状の線状部材10の全外周に、真空蒸着法によってポリパラキシリレン樹脂の被覆層30がコーティングされる(図5(b)参照)。
この後、隣接する線状部材10,10間の溝11内における被覆層30の表面上に、導電層20cが形成される。この導電層20cを形成する工程は、上述した線状導体1の製造工程と同様であり、図3(1)〜(9)に示す工程が順次に行われる。そして、前記工程により、図5に示すように、複数本の線状部材10の外周に複数の導電層20cを有する線状導体2が形成されてゆく。
よって、図4に示す線状導体2によれば、上述した線状導体1と同様の作用効果を有するのに加えて、各導電層20cの独立性を向上することができる。すなわち、例えば、上記実施例1の線状導体1によれば、隣接する線状部材10,10間の隙間にナノ粒子状金属インク20が流れ込んで、周方向に隣り合う導電層20c,20c同士が短絡してしまう可能性がある。しかしながら、実施例2の線状導体2によれば、隣接する線状部材10,10間の隙間を被覆層30によって塞ぐことができるため、隣り合う導電層20c,20c間の短絡を防ぎ、各導電層20cを電気的に独立した導線として用いることができる。
さらに、図示例の線状導体2によれば、複数の線状部材10の全周を被覆層30によって覆ったため、製造工程中の熱影響や薬品等の影響により、線状部材10の外周面が損傷するのを防いだり、複数の線状部材10が解れてしまったりするようなことを防ぐことができる。
なお、上記線状導体1,2によれば、線状部材10として合成樹脂繊維を用いたが、この線状部材10の他例としては、最外周部に絶縁性の被覆を有する光ファイバーケーブルを用いることが可能である。すなわち、この他例では、線状導体1又は2を構成する複数の線状部材10のうち、その一部又は全部を前記光ファイバーケーブルとする。この他例によれば、1本の線状導体によって電気エネルギーと光エネルギーの両方を伝達することができる。
また、上記線状導体1,2によれば、電気特性の良好な態様として、導電層20cをナノ粒子状金属インクからなるシード層20bと、該シード層20bにメッキ処理された導電性金属膜(銅膜)とにより構成したが、他例としては、前記導電性金属膜(銅膜)を省いて、導電層20cをナノ粒子状金属インクのみから構成することも可能である。
また、上記線状導体1において、隣接する線状部材10,10間の密接性をより向上するためには、これら線状部材10,10同士を熱融着したり接着剤を用いて接着したりしてもよい。
また、図示例の線状導体1では、隣接する線状部材10,10同士を密着させることで複数の導電層20cがそれぞれ電気的に独立するようにしたが、他例としては、複数の導電層20cをこれらの中心部で電気的に接続された構成とすることも可能である。この他例では、各溝11内において隣接する線状部材10,10間に隙間を設け、該隙間にナノ粒子状金属インク20を通過させた後、このナノ粒子状金属インク20を硬化させるようにすればよい。
この他例によれば、接続された複数の導電層20cにより断面積が大きくなるので、当該線状導体1の許容電流を増大することができる。
この他例によれば、接続された複数の導電層20cにより断面積が大きくなるので、当該線状導体1の許容電流を増大することができる。
また、図示例の線状導体2によれば、生産性及び品質を向上する好ましい態様として、複数の線状部材10の全周を被覆層30によって覆ったが、他例としては、隣接する線状部材10,10間の溝11のみを被覆層30によって部分的に覆った態様とすることも可能である。
また、図示例以外の他例としては、撚り線状の複数の線状部材10及び導電層20cを、径方向に複数層重なり合うように配設することも可能である。すなわち、この他例では、上記構成の線状導体1又は2の外周に、複数の線状部材10を撚り線状に重ね合わせるとともにこれらの外周の溝11にも導電層20cを設け、必要に応じてさらに外周にも同構造の線状部材10及び導電層20cを設ける。
この他例によれば、それぞれが独立した多数の導電層20cを周方向と径方向の両方向に複数配設することができる。
この他例によれば、それぞれが独立した多数の導電層20cを周方向と径方向の両方向に複数配設することができる。
1,2:線状導体
10:線状部材
11:溝
20:ナノ粒子状金属インク
20b:シード層
20c:導電層
30:被覆層
10:線状部材
11:溝
20:ナノ粒子状金属インク
20b:シード層
20c:導電層
30:被覆層
Claims (6)
- 可撓性を有する絶縁性の線状部材を複数撚り合せ、隣接する前記線状部材間に形成される溝内に、長手方向へ連続するように導電材からなる導電層を設けたことを特徴とする線状導体。
- 前記導電層は、ナノ粒子状金属インクを硬化させてなることを特徴とする請求項1記載の線状導体。
- 前記導電層は、ナノ粒子状金属インクを硬化させてなるシード層の表面に、導電性金属膜を設けてなることを特徴とする請求項1記載の線状導体。
- 前記溝内には、隣接する前記線状部材間を覆うように絶縁性の合成樹脂からなる被覆層が設けられ、前記導電層は、前記溝内における前記被覆層上に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の線状導体。
- 複数の前記線状部材を撚り合せる工程と、前記溝内に、前記導電層を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の線状導体の製造方法。
- 複数の前記線状部材を撚り合せる工程と、隣接する前記線状部材間を前記被覆層により覆う工程と、前記溝内における前記被覆層上に、前記導電層を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項4記載の線状導体の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110739448A (zh) * | 2018-07-19 | 2020-01-31 | 丰田自动车株式会社 | 非水电解质二次电池、负极合材层的评价方法和非水电解质二次电池的制造方法 |
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2015
- 2015-01-23 JP JP2015011820A patent/JP2016136501A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110739448A (zh) * | 2018-07-19 | 2020-01-31 | 丰田自动车株式会社 | 非水电解质二次电池、负极合材层的评价方法和非水电解质二次电池的制造方法 |
CN110739448B (zh) * | 2018-07-19 | 2022-09-16 | 丰田自动车株式会社 | 非水电解质二次电池、负极合材层的评价方法和非水电解质二次电池的制造方法 |
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