JP2016136502A - 複合ケーブル及び該複合ケーブルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小径化が容易で生産性に優れた複合ケーブル及び該複合ケーブルの製造方法を提供する。
【解決手段】 光ファイバー10の外周部の絶縁被覆層13に、長手方向へわたる溝Gを設け、前記溝G内に、長手方向へ連続するように導電層20cを設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】 光ファイバー10の外周部の絶縁被覆層13に、長手方向へわたる溝Gを設け、前記溝G内に、長手方向へ連続するように導電層20cを設けた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車や飛行機などの搬送機器、ロボットや工作機械などの産業機器、医療機器、蓄電池、各種センサ、導電性繊維、配線材料等、各種の電子・電気機器又は該機器用の部品に用いられる複合ケーブル及び該複合ケーブルの製造方法に関するものである。
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されるもののように、中心側に光ファーバーを配設するとともに、その周囲に被覆を有する複数の電線を配設し、電気エネルギーと光エネルギーの両方を伝達するようにした複合ケーブルがある。
ところで、一般に、自動車、ロボット、工作機械などの製品や部品において、常時振動を受ける部分や可動部分に配線されるケーブルは、過酷なテンションや曲げなどの応力を繰り返し受けるため、高い強度や、耐衝撃性、耐屈曲性、屈曲柔軟性等が要求される。
一方、前記製品や部品の小型化に伴い、前記のようにして用いられるケーブルには、小径化も求められている。
ところで、一般に、自動車、ロボット、工作機械などの製品や部品において、常時振動を受ける部分や可動部分に配線されるケーブルは、過酷なテンションや曲げなどの応力を繰り返し受けるため、高い強度や、耐衝撃性、耐屈曲性、屈曲柔軟性等が要求される。
一方、前記製品や部品の小型化に伴い、前記のようにして用いられるケーブルには、小径化も求められている。
しかしながら、上記従来の複合ケーブルでは、被覆された光ファイバーの周囲を、複数の被覆電線により覆い、さらにその周囲を被覆した構造であるため、小径化が困難な上、小径化しようとした場合には生産性の低下を招くおそれがある。
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、小径化が容易で生産性に優れた複合ケーブル及び該複合ケーブルの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための一手段は、光ファイバーの外周部の絶縁被覆層に、長手方向へわたる溝を設け、前記溝内に、長手方向へ連続するように導電層を設けたことを特徴とする。
本発明は、以上説明したように構成されているので、小径化が容易で生産性に優も優れている。
本実施の形態の第一の特徴は、光ファイバーの外周部の絶縁被覆層に、長手方向へわたる溝を設け、前記溝内に、長手方向へ連続するように導電層を設けて、複合ケーブルを構成した。
ここで、「光ファイバーの外周部の絶縁被覆層」という構成には、光ファイバーケーブルの最外周層を構成する既存の絶縁被覆層や、光ファイバーケーブルの外周に後加工によって設けられた絶縁被覆層等を含む。
前記特徴によれば、光ファーバーの周囲を被覆された複数の導体により覆うようにした従来技術等に比較し、小径化が容易な上、生産性にも優れている。
前記特徴によれば、光ファーバーの周囲を被覆された複数の導体により覆うようにした従来技術等に比較し、小径化が容易な上、生産性にも優れている。
第二の特徴としては、生産性を向上するために、前記絶縁被覆層が光ファイバーの外周部に予め一体的に設けられた既存の被覆であり、この絶縁被覆層の外周面に前記溝を形成した(図1〜図3参照)。
第三の特徴として、前記光ファイバーを含む可撓性の線状部材を複数撚り合せることで、隣接する前記線状部材間に谷間を形成し、この谷間を前記溝として用いた(図5〜図9)。
ここで、前記「線状部材」には、光ファイバーを構成する線状部材と、光ファイバーを構成しない線状部材との双方を含む。
前記特徴によれば、押出成形やナノインプリント等の従来の溝加工を不要にし、生産性を向上できる上、前記線状部材により機械的特性を向上することができる。特に、当該複合ケーブルを小径化した場合でも前記溝の形成が容易である。
ここで、前記「線状部材」には、光ファイバーを構成する線状部材と、光ファイバーを構成しない線状部材との双方を含む。
前記特徴によれば、押出成形やナノインプリント等の従来の溝加工を不要にし、生産性を向上できる上、前記線状部材により機械的特性を向上することができる。特に、当該複合ケーブルを小径化した場合でも前記溝の形成が容易である。
第四の特徴としては、各導電層の電気的独立性を向上するために、前記谷間を覆うように絶縁性の合成樹脂からなる被覆層が設けられ、前記導電層は、前記被覆層上に設けられている。
第五の特徴としては、複合ケーブルの製造方法であって、前記線状部材を複数撚り合せることで、周方向に隣接する前記線状部材の間に前記谷間を形成する工程を含む。
次に、上記特徴を有する好ましい実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る複合ケーブルの一例を示す拡大断面図である。
この複合ケーブル1は、光ファイバー10の外周側の絶縁被覆層13に、長手方向へわたる溝Gを設け、この溝G内に、長手方向へ連続するように導電層20cを設けてなる。
この複合ケーブル1は、光ファイバー10の外周側の絶縁被覆層13に、長手方向へわたる溝Gを設け、この溝G内に、長手方向へ連続するように導電層20cを設けてなる。
光ファイバー10は、中心部に挿通されたコア11の全外周をクラッド12により覆い、該クラッド12の全外周を被覆13’(図3(a)参照)によって覆った周知の光ファイバーケーブルである。
被覆13’は、光ファイバー10の外周側に予め一体的に形成された絶縁性を有する合成樹脂製の既存の被覆である。この被覆13’は、溝Gが加工されることで、後述する絶縁被覆層13として用いられる。
なお、他例としては、前記光ファイバーケーブルの外周を、該ケーブルとは別の合成樹脂材料により覆い、この合成樹脂材料を絶縁被覆層13として用いてもよい。
被覆13’は、光ファイバー10の外周側に予め一体的に形成された絶縁性を有する合成樹脂製の既存の被覆である。この被覆13’は、溝Gが加工されることで、後述する絶縁被覆層13として用いられる。
なお、他例としては、前記光ファイバーケーブルの外周を、該ケーブルとは別の合成樹脂材料により覆い、この合成樹脂材料を絶縁被覆層13として用いてもよい。
絶縁被覆層13は、その外周面に、周方向に所定間隔を置いて複数の溝Gを有する。各溝Gは、当該複合ケーブル1の長手方向へ連続する溝であり、図示例によれば、深さ方向へ向かって断面積が徐々に狭くなる略V字状に形成される。なお、この溝Gの断面形状の他例としては、略凹字状や、略U字状、略半円状等とすることが可能である。
そして、各溝G内の底部側には、導電層20cが設けられる。
導電層20cは、ナノ粒子状金属インク20(微粒子金属分散インクとも称する)を硬化させてなるシード層と、このシード層の表面にメッキ処理された導電性金属膜(例えば銅膜)とからなり、溝11内を長手方向へ連続している。
ナノ粒子状金属インク20は、銀を導電性金属成分とし、所定温度で熱硬化するものを用いる。
なお、ナノ粒子状金属インク20の他例としては、常温硬化するものや、銀以外の導電性金属を主成分とするもの等を用いることも可能である。また、このナノ粒子状金属インク20には、水溶媒型、有機溶媒型の何れを用いることも可能である。
導電層20cは、ナノ粒子状金属インク20(微粒子金属分散インクとも称する)を硬化させてなるシード層と、このシード層の表面にメッキ処理された導電性金属膜(例えば銅膜)とからなり、溝11内を長手方向へ連続している。
ナノ粒子状金属インク20は、銀を導電性金属成分とし、所定温度で熱硬化するものを用いる。
なお、ナノ粒子状金属インク20の他例としては、常温硬化するものや、銀以外の導電性金属を主成分とするもの等を用いることも可能である。また、このナノ粒子状金属インク20には、水溶媒型、有機溶媒型の何れを用いることも可能である。
次に、上記複合ケーブル1の製造方法を、図3及び図4に沿って詳細に説明する。
まず、光ファイバー10の被覆13’の外周には、切削加工や、プレス加工、ナノインプリント等の適宜な加工手段により、複数の溝Gが形成される(図3(a)(b)参照)。
まず、光ファイバー10の被覆13’の外周には、切削加工や、プレス加工、ナノインプリント等の適宜な加工手段により、複数の溝Gが形成される(図3(a)(b)参照)。
次に、外周に溝Gを有する光ファイバー10は、図4に示すように、ローラRに導かれることで、長手方向へ繰り出されながら搬送され、その搬送途中で、後述する複数の工程を通過してゆく。
先ず、光ファイバー10に対し、その外周面から異物等の汚れを除去してその表面状態を均一にする洗浄工程(図4(1)参照)や、ナノ粒子状金属インク20が付着し易いようにする表面改質処理(図4(2))等が施される。
前記洗浄工程は、例えば、IPA(イソプロピルアルコール)超音波洗浄や、アセトン超音波洗浄、水超音波洗浄等とすればよい。
また、前記表面改質処理は、例えば、UVオゾン洗浄(光洗浄)や、プラズマ洗浄、シランカップリング材を用いた処理、官能基(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基など)を用いた処理、その他の親水化処理等とすればよい。
なお、前記洗浄工程及び/又は洗浄工程は、光ファイバー10外周の表面状態によっては省くことも可能である。
前記洗浄工程は、例えば、IPA(イソプロピルアルコール)超音波洗浄や、アセトン超音波洗浄、水超音波洗浄等とすればよい。
また、前記表面改質処理は、例えば、UVオゾン洗浄(光洗浄)や、プラズマ洗浄、シランカップリング材を用いた処理、官能基(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基など)を用いた処理、その他の親水化処理等とすればよい。
なお、前記洗浄工程及び/又は洗浄工程は、光ファイバー10外周の表面状態によっては省くことも可能である。
次に、外周に溝Gを有する光ファイバー10は、長手方向へ導かれ、容器内に溜められたナノ粒子状金属インク20に浸漬される(図4(3)参照)。この工程により、光ファイバー10の外周面には、図3(c)に示すように、ナノ粒子状金属インク20が付着する。すなわち、光ファイバー10の全外周面がナノ粒子状金属インク20によって覆われた状態になる。
次に、光ファイバー10の周囲の余分なナノ粒子状金属インク20を除去する処理が施される(図4(4)参照)。この処理は、光ファイバー10に対し、その長手方向両側の複数のローラRによって張力を加えることで、光ファイバー10の弛みを除去し、この状態において、光ファイバー10の周囲に高圧エアーを吹き付けて、余分なナノ粒子状金属インク20を飛ばす。なお、他の製造方法として、光ファイバー10を所定長さの長尺体とした場合等には、遠心力により余分なナノ粒子状金属インク20を飛ばすことも可能である。
次に、溝G内にナノ粒子状金属インク20の薄膜を形成した光ファイバー10を、約150℃の熱処理炉に通過させることで(図4(5)参照)、ナノ粒子状金属インク20を金属化(硬化)する。この状態では、図3(d)に示すように、溝G内には、ナノ粒子状金属インク20が硬化してなる金属膜20aが形成される。
次に、溝G内に金属膜20aを有する光ファイバー10を、エッチング溶液(硝酸10%溶液)に通過させ、隣り合う溝G,G間の頂部側等に付着した不要な金属膜20aを溶融除去して(図4(6)参照)、メッキ処理の下地となるシード層20bを形成する。
このエッチング工程によれば、各シード層20bが、光ファイバー10外周に付着した不要な金属膜によって他のシード層20bに接触するようなことを防ぐことができる。
このエッチング工程によれば、各シード層20bが、光ファイバー10外周に付着した不要な金属膜によって他のシード層20bに接触するようなことを防ぐことができる。
次に、前記エッチング後の光ファイバー10及びシード層20bを、水洗いし(図4(7)参照)、その後、ドライヤーで乾燥する(図4(8)参照)。
次に、図4(9)に示すように、光ファイバー10及びシード層20bをメッキ液中に通過させることによって、シード層20bの表面に銅膜を無電解メッキ処理する。このメッキ処理によれば、溝G内には、シード層20bの表面に銅メッキ層を有する導電層20cが形成される。この導電層20cは、溝Gに沿って長手方向へ連続する。
なお、前記メッキ処理は、電気メッキ処理等、無電解メッキ処理以外のメッキ処理とすることも可能である。
なお、前記メッキ処理は、電気メッキ処理等、無電解メッキ処理以外のメッキ処理とすることも可能である。
前記工程により完成した複合ケーブル1は、図1及び図2に示すように、絶縁被覆層13の外周部に、周方向に間隔を置いた複数の導電層20cを有する。この複合ケーブル1は、適宜長さに切断して使用することが可能である。
上記構成の複合ケーブル1及びその製造方法によれば、光ファーバーの周囲を被覆された複数の被覆電線により覆うようにした従来技術等に比較し、小径化が容易な上、生産性にも優れている。
しかも、導電層20cを外周側に露出した構造であるため、接続等のための端末処理が容易である。
また、溝Gの断面形状によって、各導電層20cの断面積を適宜に設定することができる。
しかも、導電層20cを外周側に露出した構造であるため、接続等のための端末処理が容易である。
また、溝Gの断面形状によって、各導電層20cの断面積を適宜に設定することができる。
次に、本発明に係る複合ケーブルの他例について説明する。なお、以下に示す複合ケーブルは、上述した複合ケーブル1を一部変更したものであるため、主にその変更部分について詳述し、上記複合ケーブル1と略同一の構成については、同一の符号を付けることで重複する詳細説明を省略する。
図5及び図6に示す複合ケーブル2では、光ファイバー10を含む可撓性の線状部材を複数撚り合せることで、隣接する前記線状部材間に谷間を形成し、この谷間を、導電層20cを形成するための溝Gとして用いるようにしている。
詳細に説明すれば、この複合ケーブル2は、最外周部に絶縁性の被覆13’を有する光ファイバー10と、該光ファイバー10の外周に沿って螺旋状に旋回するようにして該光ファイバー10に撚り合せられた複数の合成樹脂製の線状部材30と、これら線状部材30の全外周を覆う被覆層40と、隣接する線状部材30,30間の溝G内における被覆層40の上面に設けられた導電層20cとを具備している。
詳細に説明すれば、この複合ケーブル2は、最外周部に絶縁性の被覆13’を有する光ファイバー10と、該光ファイバー10の外周に沿って螺旋状に旋回するようにして該光ファイバー10に撚り合せられた複数の合成樹脂製の線状部材30と、これら線状部材30の全外周を覆う被覆層40と、隣接する線状部材30,30間の溝G内における被覆層40の上面に設けられた導電層20cとを具備している。
線状部材30は、長尺軸状に形成された合成樹脂製の繊維である。この線状部材30の材質は、後述する製造工程における熱影響を受け難くするために、融点が150℃以上であって且つ電気絶縁性を有する合成樹脂材料であることが好ましく、例えば、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)や、PEEK樹脂(ポリエーテルエーテルケトン)等を用いる。また、線状部材30には、複数種類の合成樹脂材材料を多層構造にした複合繊維を用いてもよい。
この線状部材30は、光ファイバー10の外周に複数本撚り合せられる。詳細に説明すれば、複数の線状部材30の各々は、光ファイバー10の周囲で螺旋状に曲げられた状態で他の線状部材30に接触している。そして、隣接する二つの線状部材30,30の谷間には、溝Gが形成される。
各線状部材30は、図示例によれば、断面略円柱状としているが、隣接する線状部材30間に溝Gとなる谷間を確保できる断面形状であればよく、例えば、断面多角形状等、他の断面形状とすることも可能である。
各線状部材30は、図示例によれば、断面略円柱状としているが、隣接する線状部材30間に溝Gとなる谷間を確保できる断面形状であればよく、例えば、断面多角形状等、他の断面形状とすることも可能である。
被覆層40は、隣接する線状部材30,30間の溝G内において、隣接する線状部材30,30間を覆うように設けられ、特に本実施例2の好ましい態様によれば、複数の線状部材30の全周を連続的に覆うように設けられる。
この被覆層40は、電気絶縁性を有する合成樹脂であればよく、本実施例ではポリパラキシリレン樹脂を用いている。
導電層20cは、隣接する線状部材30,30間の溝G内において、前記被覆層40の表面上に設けられ、長手方向に連続している。
この被覆層40は、電気絶縁性を有する合成樹脂であればよく、本実施例ではポリパラキシリレン樹脂を用いている。
導電層20cは、隣接する線状部材30,30間の溝G内において、前記被覆層40の表面上に設けられ、長手方向に連続している。
次に、図5及び図6に示す複合ケーブル2の製造方法について説明する。
先ず、光ファイバー10の周囲に複数本(図示例によれば6本)の線状部材30を束ね合せて、撚り線状に構成する。この状態において、隣接する線状部材30,30は、図7(a)に示すように、外周面同士が接触し、これらの間には谷間状の溝Gが形成される。
なお、線状部材30同士の密着性を向上するために、必要に応じて、隣接する線状部材30,30間を熱溶着したり接着剤により接着するようにしてもよい。
先ず、光ファイバー10の周囲に複数本(図示例によれば6本)の線状部材30を束ね合せて、撚り線状に構成する。この状態において、隣接する線状部材30,30は、図7(a)に示すように、外周面同士が接触し、これらの間には谷間状の溝Gが形成される。
なお、線状部材30同士の密着性を向上するために、必要に応じて、隣接する線状部材30,30間を熱溶着したり接着剤により接着するようにしてもよい。
次に、撚り線状の線状部材30の全外周に、真空蒸着法によってポリパラキシリレン樹脂の被覆層40がコーティングされる(図7(b)参照)。
この後、隣接する線状部材30,30間の溝G内における被覆層40の表面上に、導電層20cが形成される。この導電層20cを形成する工程は、上述した複合ケーブル1の製造工程と同様である。図4(1)〜(9)に示す工程が順次に行われることで、複合ケーブル2が完成する。
よって、図5に示す複合ケーブル2によれば、上述した複合ケーブル1と同様の作用効果を有するのに加えて、引張強度や、曲げ強度、耐衝撃性、屈曲性、伸びや、伸縮性等の機械的特性を、線状部材30の材質や断面積、本数等により容易に調整したり向上したりすることができる上、プレス加工や、切削加工、押出成形、ナノインプリント等の従来の溝加工を不要にし、生産性を向上することができる。
特に、複合ケーブル1の外径を極小化した場合でも、複数の線状部材30の外周に、導電層20cを設けるための溝Gを容易に形成することができる。
また、線状部材30を外径の異なるものに変更することで、導電層20cの断面積や、複合ケーブル1全体の外径を容易に調整することもできる。
特に、複合ケーブル1の外径を極小化した場合でも、複数の線状部材30の外周に、導電層20cを設けるための溝Gを容易に形成することができる。
また、線状部材30を外径の異なるものに変更することで、導電層20cの断面積や、複合ケーブル1全体の外径を容易に調整することもできる。
また、図8に示す複合ケーブル3は、中心部に合成樹脂製の線状部材30を配設し、その周囲に複数の光ファイバー10を撚り合せ、これら光ファイバー10の外周を被覆層40により覆い、隣接する光ファイバー10,10の谷間である溝G内において、被覆層40の表面に導電層20cを形成している。
この複合ケーブル3の製造方法において、被覆層40及び導電層20cを形成する手順は、上記複合ケーブル2の場合と略同様である。
この複合ケーブル3によれば、複合ケーブル2と略同様に小径化した場合でも生産性が良好な上、複数の光ファイバー10による光通信を行うことができる。
なお、図示例の複合ケーブル3では、線状部材30の全外周部に光ファイバー10を配設したが、他例としては、外周部の光ファイバー10の一部を線状部材30に置換したり、中心部及び外周部を全てを光ファイバー10によって構成したり等、適宜に組み合わせることが可能である。
この複合ケーブル3の製造方法において、被覆層40及び導電層20cを形成する手順は、上記複合ケーブル2の場合と略同様である。
この複合ケーブル3によれば、複合ケーブル2と略同様に小径化した場合でも生産性が良好な上、複数の光ファイバー10による光通信を行うことができる。
なお、図示例の複合ケーブル3では、線状部材30の全外周部に光ファイバー10を配設したが、他例としては、外周部の光ファイバー10の一部を線状部材30に置換したり、中心部及び外周部を全てを光ファイバー10によって構成したり等、適宜に組み合わせることが可能である。
また、図9に示す複合ケーブル4は、光ファイバー10と線状部材30とを螺旋状に撚り合せることで、これら光ファイバー10と線状部材30との谷間を溝Gとし、この溝Gを被覆層40により覆い、各溝G内における被覆層40上に導電層20cを形成したものである。
この複合ケーブル4によれば、複合ケーブル2と略同様に小径化した場合でも生産性が良好な上、複数の光ファイバー10による光通信を行うことができる。
この複合ケーブル4の製造方法において、被覆層40及び導電層20cを形成する手順は、上述した複合ケーブル2の場合と略同様である。
なお、図示例の複合ケーブル4では、光ファイバー10と線状部材30を撚り合せるようにしたが、他例としては、線状部材30を用いずに、複数の光ファイバー10のみを撚り合せ、これら光ファイバー10の外周に、上記と同様にして被覆層40及び導電層20cを設けた構造とすることも可能である。
この複合ケーブル4によれば、複合ケーブル2と略同様に小径化した場合でも生産性が良好な上、複数の光ファイバー10による光通信を行うことができる。
この複合ケーブル4の製造方法において、被覆層40及び導電層20cを形成する手順は、上述した複合ケーブル2の場合と略同様である。
なお、図示例の複合ケーブル4では、光ファイバー10と線状部材30を撚り合せるようにしたが、他例としては、線状部材30を用いずに、複数の光ファイバー10のみを撚り合せ、これら光ファイバー10の外周に、上記と同様にして被覆層40及び導電層20cを設けた構造とすることも可能である。
なお、複合ケーブル1及び2によれば、内在する光ファイバー10を単数としたが、他例としては、内在する光ファイバー10を複数とすることも可能である。
また、複合ケーブル1〜4によれば、電気特性の良好な態様として、導電層20cをナノ粒子状金属インクからなるシード層20bと、該シード層20bにメッキ処理された導電性金属膜(銅膜)とにより構成したが、他例としては、前記導電性金属膜(銅膜)を省いて、導電層20cをナノ粒子状金属インクのみから構成することも可能である。
また、上記複合ケーブル2〜4では、各導電層20cの電気的な独立性を向上するために、被覆層40によって覆われた溝G内に導電層20cを設けるようにしたが、他例としては、被覆層40を省き、光ファイバー10と線状部材30の間、又は隣接する光ファイバー10,10間の溝Gに導電層20cを直接設けることも可能である。この場合、周方向に隣接する線状部材間の密着性を向上するために、隣接する線状部材同士を熱融着したり接着剤を用いて接着したりしてもよい。
また、図示例の複合ケーブル2〜4では、隣接する線状部材(光ファイバー10を含む)同士を密着させることで複数の導電層20cがそれぞれ電気的に独立するようにしたが、他例としては、複数の導電層20cをこれらの中心側で電気的に接続された構成とすることも可能である。この他例では、各溝G内において周方向に隣接する線状部材間に隙間を設け、該隙間にナノ粒子状金属インク20を通過させた後、このナノ粒子状金属インク20を硬化させるようにすればよい。
この他例によれば、接続された複数の導電層20cにより断面積が大きくなるので、当該複合ケーブル2〜4の許容電流を増大することができる。
この他例によれば、接続された複数の導電層20cにより断面積が大きくなるので、当該複合ケーブル2〜4の許容電流を増大することができる。
また、図示例の複合ケーブル2〜4によれば、線状部材に対する物理的、熱的及び化学的衝撃を緩和して品質を向上するために、複数の線状部材(光ファイバー10を含む)の全周を被覆層40によって覆ったが、他例としては、隣接する線状部材間の溝(谷間)のみを被覆層40によって部分的に覆った態様とすることも可能である。
また、図示例以外の他例としては、撚り線状の複数の線状部材(光ファイバー10を含む)及び導電層20cを、径方向に複数層重なり合うように配設することも可能である。すなわち、この他例では、上記構成の複合ケーブル2〜4の外周に、複数の線状部材を撚り線状に重ね合わせるとともにこれらの外周の溝Gにも導電層20cを設け、必要に応じてさらに外周にも同構造の線状部材及び導電層を設ける。
この他例によれば、それぞれが独立した多数の導電層20cを周方向と径方向の両方向に複数配設することができる。
この他例によれば、それぞれが独立した多数の導電層20cを周方向と径方向の両方向に複数配設することができる。
1〜4:複合ケーブル
10:光ファイバー(線状部材)
13:絶縁被覆層
20:ナノ粒子状金属インク
20b:シード層
20c:導電層
30:線状部材
40:被覆層
G:溝
10:光ファイバー(線状部材)
13:絶縁被覆層
20:ナノ粒子状金属インク
20b:シード層
20c:導電層
30:線状部材
40:被覆層
G:溝
Claims (5)
- 光ファイバーの外周部の絶縁被覆層に、長手方向へわたる溝を設け、前記溝内に、長手方向へ連続するように導電層を設けたことを特徴とする複合ケーブル。
- 前記絶縁被覆層が光ファイバーの外周部に予め一体的に設けられた既存の被覆であり、この絶縁被覆層の外周面に前記溝を形成したことを特徴とする請求項1記載の複合ケーブル。
- 前記光ファイバーを含む可撓性の線状部材を複数撚り合せることで、隣接する前記線状部材間に谷間を形成し、この谷間を前記溝として用いたことを特徴とする請求項1記載の複合ケーブル。
- 前記谷間を覆うように絶縁性の合成樹脂からなる被覆層が設けられ、前記導電層は、前記被覆層上に設けられていることを特徴とする請求項3記載の複合ケーブル。
- 前記線状部材を複数撚り合せることで、周方向に隣接する前記線状部材の間に前記谷間を形成する工程を含むことを特徴とする請求項3又は4記載の複合ケーブルの製造方法。
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2015
- 2015-01-23 JP JP2015011821A patent/JP2016136502A/ja active Pending
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