JP2016135828A - 電子部品保持シート及び電子部品の剥離方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで、比較的質量が重い電子部品であってもしっかりと保持でき、かつ保持させた電子部品を簡便に剥離させることができる電子部品保持シート、及び該電子部品保持シートを用いた電子部品の剥離方法を提供することを目的とする。【解決手段】JIS K6251に準拠して測定した切断時伸びが500%以上であり、粘着剤が配合されており、シート表面に電子部品100が粘着する粘着部10が部分的に設けられ、該シート表面における粘着部10以外の部分が、電子部品が粘着しない非粘着部12である、シリコーンゴム製の電子部品保持シート1。また、電子部品保持シート1の下面1bに粘着させて保持させた電子部品100を、電子部品保持シート1を延伸して、剥離させて落下させる、電子部品の剥離方法。【選択図】図2
Description
本発明は、電子部品保持シート及び電子部品の剥離方法に関する。
セラミックコンデンサ、チップ抵抗、コイル、半導体ウエハ等の電子部品を搬送する際に用いる電子部品保持具としては、例えば、保持プレートの下面に粘着性ゴムによって粘着層が形成された電子部品保持具が知られている(特許文献1)。該電子部品保持具においては、粘着性ゴムの粘着力を利用して、粘着層の下面に電子部品を粘着させて保持させた状態で、電子部品を搬送することができる。しかし、該電子部品保持具では、粘着層表面にブレードの先端を摺動させて、該ブレードの先端で電子部品を掻き取る必要があり、電子部品の剥離操作が煩雑である。また、比較的質量の重い板状の電子部品をしっかりと保持させることが難しい。
また、電子部品を保持するものとしては、シリコーンゴム等の粘着性ゴムにガラスビーズ等の固形粒体を配合したシート材と、該シート材を延伸するための可動機構とを備える電子部品保持器具が知られている(特許文献2)。該電子部品保持器具においては、粘着性ゴムの粘着力を利用して、シート材の上面に電子部品を粘着させて保持できるようになっている。また、可動機構によりシート材を延伸して該シート材の厚みを減少させ、固形粒体によってシート表面を部分的に隆起させることで、シート材と電子部品との接触面積を減らして電子部品を容易に剥離できるようになっている。
しかし、特許文献2の電子部品保持器具は、ガラスビーズ等の固形粒体を配合するためにコストが高くなるうえ、固体粒体を均一に分散させてシート表面の粘着性を均一に制御することが難しく、また比較的質量の重い板状の電子部品をしっかりと保持させることが難しい。また、シート材表面の電子部品を連続的に剥離するためには、ピックアップ装置によって各電子部品をピックアップする必要があり、装置に極めて高い精度が要求される。また、ピックアップ装置によって一つ一つ電子部品をピックアップする方法は生産効率が悪く、コストがさらに高くなる。
本発明は、低コストで、比較的質量が重い板状の電子部品であってもしっかりと保持でき、かつ保持させた電子部品を簡便に剥離させることができる電子部品保持シート、及び該電子部品保持シートを用いた電子部品の剥離方法を提供することを目的とする。
本発明の電子部品保持シートは、シート表面に電子部品を粘着させて保持するシリコーンゴム製の電子部品保持シートであって、JIS K6251に準拠して測定した切断時伸びが500%以上であり、粘着剤が配合されていることを特徴とする。
本発明の電子部品保持シートにおいては、シート表面に電子部品が粘着する粘着部が部分的に設けられ、該シート表面における前記粘着部以外の部分が、電子部品が粘着しない非粘着部であることが好ましい。
本発明の電子部品の剥離方法は、本発明の電子部品保持シートの下面に粘着させて保持させた電子部品を、該電子部品保持シートを延伸して、剥離させて落下させることを特徴とする。
本発明の電子部品保持シートは、低コストで、比較的質量が重い板状の電子部品であってもしっかりと保持でき、かつ保持させた電子部品を簡便に剥離させることができる。
本発明の電子部品の剥離方法によれば、シート表面に保持させた電子部品を簡便に剥離させることができる。
本発明の電子部品の剥離方法によれば、シート表面に保持させた電子部品を簡便に剥離させることができる。
[電子部品保持シート]
本発明の電子部品保持シートは、シート表面に電子部品を粘着させて保持するシリコーンゴム製の電子部品保持シートである。例えば、本発明の電子部品保持シートの下面に電子部品を粘着させて保持させた状態で、電子部品を搬送することができる。
本発明の電子部品保持シートは、シート表面に電子部品を粘着させて保持するシリコーンゴム製の電子部品保持シートである。例えば、本発明の電子部品保持シートの下面に電子部品を粘着させて保持させた状態で、電子部品を搬送することができる。
本発明の電子部品保持シートは、JIS K6251に準拠して測定した切断時伸びが500%以上のシートである。切断時伸びが500%以上であることで、シート下面に電子部品を粘着させて保持させた状態で電子部品保持シートを延伸したときに、電子部品がシートから剥離して落下する。このように、ブレードを用いて掻き取る等の操作を行わなくても延伸のみで簡便に電子部品を剥離することができる。
電子部品保持シートの切断時伸びは、例えば、充填材の比率を調節することで制御できる。具体的には、充填材の比率を低くすることで伸度が高くなる傾向がある。
電子部品保持シートの切断時伸びは、例えば、充填材の比率を調節することで制御できる。具体的には、充填材の比率を低くすることで伸度が高くなる傾向がある。
本発明の電子部品保持シートには、粘着剤が配合されている。これにより、粘着剤が配合されていない場合に比べてシート表面の粘着力が高くなっている。そのため、比較的質量の重い板状の電子部品であってもシートの下面に該電子部品をしっかりと保持させることが可能になっている。
本発明の電子部品保持シートに配合する粘着剤としては、電子部品を充分に粘着固定でき、シートを充分に延伸して電子部品を剥離できるものであれば、特に制限されない。粘着剤の具体例としては、例えば、シリコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリオレフィン系エラストマー等が挙げられる。なかでも、シリコーンゴムと均一に混合しやすい点から、シリコーン系粘着剤が好ましい。
粘着剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
粘着剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
粘着剤の配合量は、粘着剤の種類や、電子部品の種類、シート表面における電子部品を粘着可能な領域の面積によっても異なるが、シリコーンゴム100質量部に対して、5〜50質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。粘着剤の配合量が下限値以上であれば、シート表面に電子部品をしっかりと保持させやすい。粘着剤の配合量が上限値以下であれば、質量の重い部品を保持しやすくなる。
なお、本発明の電子部品保持シートには、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、天然ゴム等を配合してもよい。
本発明の電子部品保持シートにおいては、シート表面に電子部品が粘着する粘着部が部分的に設けられ、該シート表面における粘着部以外の部分が、電子部品が粘着しない非粘着部になっていることが好ましい。粘着部とは、シリコーンゴムと粘着剤の粘着力によって、シート表面に電子部品を粘着させることが可能になっている部分である。非粘着部とは、シリコーンゴムと粘着剤の粘着力が充分に発揮されず、電子部品を粘着させることができない部分である。
シート表面に部分的に粘着部を形成することにより、電子部品保持シートを延伸したときに電子部品がシートから剥離しやすくなる。また、シート表面において、保持する電子部品を特定の位置に位置決めすることが可能となるため、シート表面に電子部品を保持した状態で該電子部品に処理を施すことが容易になる。
シート表面に部分的に粘着部を形成することにより、電子部品保持シートを延伸したときに電子部品がシートから剥離しやすくなる。また、シート表面において、保持する電子部品を特定の位置に位置決めすることが可能となるため、シート表面に電子部品を保持した状態で該電子部品に処理を施すことが容易になる。
非粘着部の態様としては、例えば、紫外線照射、放電処理、プラズマ処理等による表面の酸化処理、エンボス加工、マスクキング処理等が施されることで、シリコーンゴムと粘着剤の粘着力が充分に発揮されないようにされた態様が挙げられる。
このような電子部品保持シートとしては、例えば、図1及び図2に例示した電子部品保持シート1が挙げられる。電子部品保持シート1は、上面1a及び下面1bに電子部品100が粘着する複数の粘着部10がドット状に設けられ、かつ上面1a及び下面1bにおける粘着部10以外の部分が、電子部品100が粘着しない非粘着部12になっている。
電子部品保持シート1においては、例えば、図2に示すように、2つの粘着部10によって板状の電子部品100の両端部を下面1bに粘着させて保持させることができる。また、図3に示すように、電子部品保持シート1を延伸することで、粘着部10の間隔が電子部品100よりも大きくなると、電子部品100が容易に剥離して落下するようになっている。
本発明の電子部品保持シートは、シート表面に粘着部と非粘着部を設ける態様とする場合、電子部品保持シート1のように、延伸したときに隣り合う粘着部の間隔が電子部品よりも大きくなるものには限定されない。例えば、複数の粘着部を利用して下面に電子部品を保持させた状態の電子部品保持シートを延伸し、粘着部同士の間隔を広げることで、保持した電子部品と接触する粘着部の数や接触面積を減らすことで、該電子部品に対する粘着力が低下して電子部品が剥離するものであってもよい。
例えば、図4に例示した電子部品保持シート1Aのような態様としてもよい。図4における図2と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。電子部品保持シート1Aは、電子部品100を下面1bに粘着させて保持させたときに、1つの電子部品100に対して長さ方向に並んだ4つの粘着部10が粘着するようになっている以外は、電子部品保持シート1と同様の態様である。電子部品保持シート1Aにおける粘着部10の粘着力は、3つ以上の粘着部10によって1つの電子部品100をシートの下面1bに保持でき、2つの粘着部10では電子部品100を保持できないように調節されている。
電子部品保持シート1Aにおいては、図5に示すように、電子部品保持シート1Aを延伸することで粘着部10の間隔が広がり、電子部品100と接触する粘着部10の数が4つから2つになる。これにより、電子部品100に対する粘着部10の接触面積が減少し、電子部品100に対する粘着力が低下して、電子部品100が容易に剥離して落下するようになっている。
電子部品保持シート1、1Aにおける粘着部10の平面視形状は、円形である。なお、シート表面に粘着部を部分的に設け、該粘着部以外の部分を非粘着部とする場合、粘着部の平面視形状は、円形には限定されず、矩形等であってもよい。
電子部品保持シートのシート表面における粘着部の数は、特に限定されず、保持する電子部品の形状、数等に応じて適宜設定すればよい。電子部品保持シートのシート表面に保持させる電子部品の数は、特に限定されず、1つであってもよく、2つ以上を同時に保持できるようにしてもよい。
電子部品保持シートに電子部品を保持させる際に、非延伸状態において1つの電子部品に粘着する粘着部の数は、電子部品がしっかりと保持され、延伸により電子部品が剥離されるに設定すればよく、2〜10個が好ましく、2〜4個がより好ましい。1つの電子部品に粘着する粘着部の数が下限値以上であれば、電子部品をしっかりと保持しやすくなる。1つの電子部品に粘着する粘着部の数が上限値以下であれば、電子部品保持シートを延伸したときに電子部品が剥離しやすくなる。
シート表面における1つの粘着部の面積は、保持対象の電子部品におけるシート表面に接する表面の面積よりも小さいことが好ましい。電子部品におけるシート表面に接する表面の面積に対する、1つの粘着部の面積の比率は、0.1〜0.5倍が好ましく、0.1〜0.3倍がより好ましい。前記比率が下限値以上であれば、電子部品をしっかりと保持しやすくなる。前記比率が上限値以下であれば、電子部品保持シートを延伸したときに電子部品が剥離しやすくなる。
シート表面に粘着部を部分的に設け、該粘着部以外の部分を非粘着部とする場合、隣り合う粘着部の中心間距離は、特に限定されず、粘着部の大きさ、形状及び粘着力や、保持対象である電子部品の大きさ、形状、質量等に応じて適宜設定すればよい。
シート表面に複数の粘着部を形成する場合、シート表面における各粘着部の配置は、特に限定されない。例えば、電子部品保持シート1、1Aにおける粘着部10のように、シート表面全体において長さ方向と幅方向にそれぞれ直線的に並ぶように配列させてもよい。また、シート表面における複数の特定領域に、それぞれ複数の粘着部が寄り集まるように配置してもよい。
本発明の電子部品保持シートに非延伸状態で電子部品を保持させたときの、電子部品の剥離強度は、0.01〜1.0N/10mmが好ましく、0.02〜0.5N/10mmがより好ましい。剥離強度が下限値以上であれば、電子部品を脱落させずにしっかりと保持させやすい。剥離強度が上限値以下であれば、電子部品保持シートを延伸したときに電子部品が剥離しやすくなる。
なお、剥離強度は、JIS Z0237に準拠される90°引きはがし粘着力の測定方法に基づき、引張速度5mm/sの条件にて測定される値である。
なお、剥離強度は、JIS Z0237に準拠される90°引きはがし粘着力の測定方法に基づき、引張速度5mm/sの条件にて測定される値である。
本発明の電子部品保持シートは、シートを延伸した状態から延伸を解除したときに、延伸前の状態まで縮んで戻る伸縮性を有していることが好ましい。これにより、シート表面に電子部品を粘着させて保持し、搬送後にシートを延伸して電子部品を剥離する操作を繰り返し行うことができる。
本発明の電子部品保持シートの厚さは、0.1〜1.0mmが好ましく、0.3〜0.5mmがより好ましい。電子部品保持シートの厚さが下限値以上であれば、延伸を解除したときに、歪が少ない状態で延伸前の状態に戻ることができる。電子部品保持シートの厚さが上限値以下であれば、シートを延伸して電子部品を剥離させることがより容易になり、延伸を行う際に大きな力を必要とせず、またコスト面でも有利である。
本発明の電子部品保持シートの表面は、鏡面状であってもよいし、微小な凹凸が形成されていてもよい。シート表面に電子部品を粘着させて保持することが容易になる点では、シート表面は鏡面状であることが好ましい。
シート表面に部分的に粘着部を形成する場合、粘着部と非粘着部の境界には段差が形成されないようにすることが好ましい。これにより、シート表面に電子部品を粘着させて保持することが容易になる。
シート表面に部分的に粘着部を形成する場合、粘着部と非粘着部の境界には段差が形成されないようにすることが好ましい。これにより、シート表面に電子部品を粘着させて保持することが容易になる。
本発明の電子部品保持シートにより保持する電子部品は、特に限定されず、例えば、セラミックコンデンサ、チップ抵抗、コイル、半導体ウエハ等が挙げられる。
本発明の電子部品保持シートは、半導体ウエハ等の板状の電子部品を保持して搬送する際に特に有効である。
本発明の電子部品保持シートは、半導体ウエハ等の板状の電子部品を保持して搬送する際に特に有効である。
(製造方法)
本発明の電子部品保持シートの製造方法は、特に限定されない。
例えば、シリコーンゴムに粘着剤を配合した混合物を、Tダイや金型を用いてシート状に成形する方法等が挙げられる。シート表面を鏡面状にする場合は、例えば、キャビティ面が鏡面状の金型を用いる方法、2枚の基材シート(PETフィルム等)の間に前記混合物を押出成形した後に基材シートを剥がす方法等を採用できる。
本発明の電子部品保持シートの製造方法は、特に限定されない。
例えば、シリコーンゴムに粘着剤を配合した混合物を、Tダイや金型を用いてシート状に成形する方法等が挙げられる。シート表面を鏡面状にする場合は、例えば、キャビティ面が鏡面状の金型を用いる方法、2枚の基材シート(PETフィルム等)の間に前記混合物を押出成形した後に基材シートを剥がす方法等を採用できる。
シート表面に粘着部を部分的に形成し、該粘着部以外の部分を非粘着部とする場合、非粘着部を形成する方法は、例えば、シート表面の粘着部とする部分をマスキングした状態で非粘着部となる部分の表面に酸化処理(紫外線照射、放電処理、プラズマ処理等)を施した後にマスクを除去する方法、非粘着部となる部分にエンボス加工を施す方法、非粘着部となる部分にマスクキング処理を施す方法等が挙げられる。なかでも、粘着部とする部分をマスキングした状態で非粘着部となる部分の表面に酸化処理を施した後にマスクを除去する方法が好ましい。該方法によれば、粘着部と非粘着部の境界に段差が生じないため、シート表面に電子部品を粘着させて保持させやすくなる。
(作用効果)
以上説明した本発明の電子部品保持シートにおいては、シリコーンゴムに粘着剤が配合されているため、比較的質量が重い半導体ウエハ等の板状の電子部品であってもしっかりと粘着させて保持することができる。また、本発明の電子部品保持シートは切断時伸びが500%以上であり、延伸によって大きく引き延ばすことが可能である。そのため、延伸という簡便な操作のみによって電子部品への粘着力を低下させ、容易に電子部品を剥離させることができる。
以上説明した本発明の電子部品保持シートにおいては、シリコーンゴムに粘着剤が配合されているため、比較的質量が重い半導体ウエハ等の板状の電子部品であってもしっかりと粘着させて保持することができる。また、本発明の電子部品保持シートは切断時伸びが500%以上であり、延伸によって大きく引き延ばすことが可能である。そのため、延伸という簡便な操作のみによって電子部品への粘着力を低下させ、容易に電子部品を剥離させることができる。
また、シートにガラスビーズ等を配合すると切断時伸びは通常500%未満となるが、本発明の電子部品保持シートは切断時伸び500%以上とすることで前記した効果を得るものであり、ガラスビーズ等を配合しないためにコスト面でも有利である。
なお、本発明の電子部品保持シートは、前記した電子部品保持シート1、1Aには限定されない。
例えば、本発明の電子部品保持シートは、非延伸状態では電子部品が粘着して保持され、延伸したときに電子部品が剥離して落下するように粘着力を調節すれば、シート表面の全面が粘着力を備えるシートであってもよい。具体的には、本発明の電子部品保持シートは、シリコーンゴムに粘着剤を配合してシート状に成形した後に、非粘着部を形成する処理を施さないものであってもよい。
例えば、本発明の電子部品保持シートは、非延伸状態では電子部品が粘着して保持され、延伸したときに電子部品が剥離して落下するように粘着力を調節すれば、シート表面の全面が粘着力を備えるシートであってもよい。具体的には、本発明の電子部品保持シートは、シリコーンゴムに粘着剤を配合してシート状に成形した後に、非粘着部を形成する処理を施さないものであってもよい。
また、本発明の電子部品保持シートは、シートの一方の表面のみが電子部品を粘着して保持できる粘着力を備えているシートであってもよい。ただし、シート両面で2倍の期間使用できる点から、シートの片面だけでなく両面が電子部品を粘着して保持できる粘着力を備えている電子部品保持シートであることが好ましい。
[電子部品の剥離方法]
本発明の電子部品の剥離方法は、前述した本発明の電子部品保持シートの下面に粘着させて保持させた電子部品を剥離する方法である。電子部品の製造等において、必要に応じて本発明の電子部品保持シートに電子部品を保持して搬送した後、本発明の電子部品の剥離方法により該電子部品を剥離させることができる。
本発明の電子部品の剥離方法は、前述した本発明の電子部品保持シートの下面に粘着させて保持させた電子部品を剥離する方法である。電子部品の製造等において、必要に応じて本発明の電子部品保持シートに電子部品を保持して搬送した後、本発明の電子部品の剥離方法により該電子部品を剥離させることができる。
具体的には、本発明の電子部品保持シートの下面に電子部品を粘着させて保持させた状態で、該電子部品保持シートを延伸して、電子部品を剥離させて落下させる方法である。本発明の電子部品保持シートは、延伸することで電子部品に対する粘着力が低下するため、延伸するだけで容易に電子部品が剥離して落下する。
例えば、電子部品保持シート1を用いる場合、電子部品保持シート1の下面1bに電子部品100を粘着させて保持させた状態で、電子部品保持シート1を延伸する。このとき、図3に示すように、粘着部10の間隔が電子部品100よりも大きくなることで、電子部品100に対する粘着力が低下し、電子部品100が容易に剥離して落下する。
また、電子部品保持シート1Aを用いる場合、電子部品保持シート1Aの下面1bに電子部品100を粘着させて保持させた状態で、電子部品保持シート1Aを延伸する。このとき、図5に示すように、粘着部10の間隔が広がり、電子部品100と接触する粘着部10の数が4つから2つになることで、電子部品100に対する粘着力が低下し、電子部品100が容易に剥離して落下する。
電子部品保持シートの下面に保持させる電子部品の数は、特に限定されず、適宜決定すればよい。
延伸によって電子部品を剥離させる際の電子部品保持シートの伸度は、電子部品が剥離して落下するように設定すればよく、電子部品の剥離がより容易になる点では、100%以上が好ましく、200%以上がより好ましい。また、本発明の電子部品保持シートの伸度は、破断を防止する点では、500%以下が好ましく、400%以下がより好ましい。
なお、伸度とは、未延伸状態の長さに対する伸びの長さ(延伸状態の長さと未延伸状態の長さとの差)の百分率を意味する。
なお、伸度とは、未延伸状態の長さに対する伸びの長さ(延伸状態の長さと未延伸状態の長さとの差)の百分率を意味する。
以上説明したように、本発明の電子部品の剥離方法によれば、シートを延伸するだけで、シート表面に保持させた電子部品を簡便に剥離させることができる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[切断時伸び]
電子部品保持シートの切断時伸びは、JIS K6251に準拠して測定し、下式から求めた。
Eb(%)=(Lb−L0)/L0×100
(ただし、Ebは切断時伸びであり、Lbは切断時の標線間距離であり、L0は初期の標線間距離である。)
[切断時伸び]
電子部品保持シートの切断時伸びは、JIS K6251に準拠して測定し、下式から求めた。
Eb(%)=(Lb−L0)/L0×100
(ただし、Ebは切断時伸びであり、Lbは切断時の標線間距離であり、L0は初期の標線間距離である。)
[実施例1]
シリコーンゴム100質量部に対して、粘着剤として信越化学製KR3701を10質量部配合した混合物を用いて、キャビティ面が鏡面状の金型によりシート状に成形した。得られたシートの表面における2箇所に、樹脂フィルムを用いて直径10mmの円形状にマスキングを施した。次いで、厚さ5μm以下でウレタンコーティングを実施し、マスキングしていない部分の粘着力を低下させて非粘着部とし、シート表面の2箇所に円形状の粘着部が設けられた電子部品保持シートを得た。2つの粘着部の中心間距離は50mmとした。得られた電子部品保持シートの切断時伸びは500%であった。
図2に示すように、ガラスエポキシ基材(長さ90mm×幅60mm×厚さ0.5mm、質量5g)を、2箇所の粘着部が基材の長さ方向に並ぶようにして、電子部品保持シートの下面に粘着させて保持させた。次いで、該電子部品保持シートを、非延伸状態に対して伸度が200%となるように延伸したところ、ガラスエポキシ基材が剥離して落下した。
シリコーンゴム100質量部に対して、粘着剤として信越化学製KR3701を10質量部配合した混合物を用いて、キャビティ面が鏡面状の金型によりシート状に成形した。得られたシートの表面における2箇所に、樹脂フィルムを用いて直径10mmの円形状にマスキングを施した。次いで、厚さ5μm以下でウレタンコーティングを実施し、マスキングしていない部分の粘着力を低下させて非粘着部とし、シート表面の2箇所に円形状の粘着部が設けられた電子部品保持シートを得た。2つの粘着部の中心間距離は50mmとした。得られた電子部品保持シートの切断時伸びは500%であった。
図2に示すように、ガラスエポキシ基材(長さ90mm×幅60mm×厚さ0.5mm、質量5g)を、2箇所の粘着部が基材の長さ方向に並ぶようにして、電子部品保持シートの下面に粘着させて保持させた。次いで、該電子部品保持シートを、非延伸状態に対して伸度が200%となるように延伸したところ、ガラスエポキシ基材が剥離して落下した。
[実施例2]
シリコーンゴム100質量部に対して、粘着剤として信越化学製KR3700を30質量部配合した混合物を用いて、キャビティ面が鏡面状の金型によりシート状に成形した。得られたシートの表面に、金属板を用いてドット状にマスキングを施した。次いで、紫外線を照射し、マスキングしていない部分の粘着力を低下させて非粘着部とし、シート表面にドット状に粘着部が設けられた電子部品保持シートを得た。各粘着部は直径10mmの円形とし、隣り合う粘着部の中心間距離は25mmとした。得られた電子部品保持シートの切断時伸びは900%であった。
図4に示すように、ガラスエポキシ基材(長さ120mm×幅120mm×厚さ1.0mm、質量50g)を、基材の長さ方向に4つの粘着部が並ぶようにして、電子部品保持シートの下面に粘着させて保持させた。次いで、該電子部品保持シートを、非延伸状態に対して伸度が300%となるように延伸したところ、ガラスエポキシ基材が剥離して落下した。
シリコーンゴム100質量部に対して、粘着剤として信越化学製KR3700を30質量部配合した混合物を用いて、キャビティ面が鏡面状の金型によりシート状に成形した。得られたシートの表面に、金属板を用いてドット状にマスキングを施した。次いで、紫外線を照射し、マスキングしていない部分の粘着力を低下させて非粘着部とし、シート表面にドット状に粘着部が設けられた電子部品保持シートを得た。各粘着部は直径10mmの円形とし、隣り合う粘着部の中心間距離は25mmとした。得られた電子部品保持シートの切断時伸びは900%であった。
図4に示すように、ガラスエポキシ基材(長さ120mm×幅120mm×厚さ1.0mm、質量50g)を、基材の長さ方向に4つの粘着部が並ぶようにして、電子部品保持シートの下面に粘着させて保持させた。次いで、該電子部品保持シートを、非延伸状態に対して伸度が300%となるように延伸したところ、ガラスエポキシ基材が剥離して落下した。
1、1A 電子部品保持シート
1a 上面
1b 下面
10 粘着部
12 非粘着部
100 電子部品
1a 上面
1b 下面
10 粘着部
12 非粘着部
100 電子部品
Claims (3)
- シート表面に電子部品を粘着させて保持するシリコーンゴム製の電子部品保持シートであって、
JIS K6251に準拠して測定した切断時伸びが500%以上であり、粘着剤が配合されている電子部品保持シート。 - シート表面に電子部品が粘着する粘着部が部分的に設けられ、該シート表面における前記粘着部以外の部分が、電子部品が粘着しない非粘着部である、請求項1に記載の電子部品保持シート。
- 請求項1又は2に記載の電子部品保持シートの下面に粘着させて保持させた電子部品を、該電子部品保持シートを延伸して、剥離させて落下させることを特徴とする、電子部品の剥離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015011382A JP2016135828A (ja) | 2015-01-23 | 2015-01-23 | 電子部品保持シート及び電子部品の剥離方法 |
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Publications (1)
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---|---|
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ID=56512446
Family Applications (1)
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JP2015011382A Pending JP2016135828A (ja) | 2015-01-23 | 2015-01-23 | 電子部品保持シート及び電子部品の剥離方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024063125A1 (ja) * | 2022-09-22 | 2024-03-28 | リンテック株式会社 | 粘着シートからの物体の剥離方法 |
-
2015
- 2015-01-23 JP JP2015011382A patent/JP2016135828A/ja active Pending
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WO2024063125A1 (ja) * | 2022-09-22 | 2024-03-28 | リンテック株式会社 | 粘着シートからの物体の剥離方法 |
WO2024063124A1 (ja) * | 2022-09-22 | 2024-03-28 | リンテック株式会社 | 粘着シート |
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