JP2016135076A - スピンドルモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スピンドルモータ100は、ベース部50と、ベース部50の一方側に位置し、コイルを有するステータと、ベース部50の一方側に位置し、ステータに対して回転するロータと、を備える。ベース部50には、コイルの複数の引出線Lを一方側から他方側へと通す複数の引出孔Hが設けられている。前記複数の引出線は、1本のコモン線L4を含み、複数の引出孔Hのうち、1つは、コモン線L4を含む2本の引出線が共に引き出される共用引出孔H1であり、その他は、前記2本の引出線以外の引出線が1本ずつ引き出される専用引出孔H2、H3である。
【選択図】図2
Description
一方で、特許文献2に開示されたスピンドルモータの構成では、引出線毎に貫通孔が設けられるため、前記の問題を回避することができるが、引出線の本数だけベース部に設けられる貫通孔の数が増えてしまうため、ベース部の剛性が低下するおそれがある。
ベース部と、
前記ベース部の一方側に位置し、コイルを有するステータと、
前記ベース部の前記一方側に位置し、前記ステータに対して回転するロータと、を備え、
前記ベース部には、前記コイルの複数の引出線を前記一方側から他方側へと通す複数の引出孔が設けられ、
前記複数の引出線は、1本のコモン線を含み、
前記複数の引出孔のうち、1つは、前記コモン線を含む2本の引出線が共に引き出される共用引出孔であり、その他は、前記2本の引出線以外の引出線が1本ずつ引き出される専用引出孔である、
ことを特徴とする。
前記ベース部は、前記一方側へと凹み、前記パッド部を収容する収容部を有し、
前記収容部に前記引出孔が形成されていてもよい。
前記コモン用パッド部又は前記端末用パッド部の少なくとも一方と、前記共用引出孔との距離は、前記専用パッド部と前記専用引出孔との距離よりも長くてもよい。
前記共用引出孔は、前記コモン用パッド部からの距離と、前記端末用パッド部からの距離とが略同一となる位置に設けられていてもよい。
前記専用引出孔は、前記収容部と前記専用パッド部とを貫通して設けられ、
前記専用引出孔から引き出される引出線と前記専用パッド部とは、前記専用引出孔を覆った状態で半田付けされていてもよい。
前記引出孔は、前記収容部と前記回路基板とを貫通して設けられ、
前記パッド部および前記引出孔は、所定の方向に沿って配列されていてもよい。
本発明の第1実施形態に係るスピンドルモータ100は、図1に示すように、アウターロータ型のスピンドルモータとして構成されている。スピンドルモータ100は、例えば、図示しないハードディスク駆動装置(HDD:Hard Disk Drive)の磁気ディスクを回転させるものである。
以下ではスピンドルモータ100の構成の理解を容易にするため、特に断りがない場合は図1における上下方向に対応させて「上」、「下」という用語を用いて説明を行う。
コア21は、板状の磁性材料が上下方向に複数積層されて構成されている。コア21は、軸線Aを中心として略円環状に形成され、その円周方向に沿って配列されると共に外径方向に突出した複数の櫛歯を有する。コア21は、ベース部50に固定され、マグネット13の内周面と隙間を空けて対向する位置に配置されている。
コイル22の端は、後述するようにベース部50の下側へと引き出される4本の引出線Lを構成する。詳細には、コイル22の巻き始めと巻き終わりから、U、V、W相の各々に対応した3本の配線L1〜L3と、1本のコモン線L4とが引き出されることによって、計4本の引出線Lが引き出される。なお、コモン線L4は、U、W、V相の各々に対応した3本の配線L1〜L3の引き出し端の反対側をよじることにより構成されており、1本の引出線と見なすことができる。
以下では、コモン線L4以外の引出線のうち、U相に対応するものを第1配線L1と、V相に対応するものを第2配線L2と、W相に対応するものを第3配線L3と呼ぶ。
ベース部50は、例えばアルミニウム合金からなり、ハードディスク駆動装置のハウジングの一部として構成される。ベース部50は、上下方向においてロータハブ12と対向し、且つ、軸線Aを中心とした径方向に広がって形成されている。
例えばハードディスク駆動装置では、スピンドルモータ100のロータハブ12に所定方法で磁気ディスクが固定されており、スピンドルモータ100の動力で磁気ディスクを回転させる。
各パッド部630は、図2に示すように、回路基板60に形成されたプリント配線の先端部(軸線A側の先端)に位置する略矩形状の部分であり、且つ、前述の通り回路基板60の絶縁層が除去された部分である。なお、図2に示した、各パッド部630と、回路基板60に形成された配線の形状は、あくまで一例であり、図示例の形状に限定されるものではない(後述の図5、図6においても同様)。
なお、第1実施形態に係るスピンドルモータ100では、回路基板60のパッド形成部63の先端部(軸線A側の端部)が、図2に示すように、引出孔Hに若干かかるようになっている。このようにすることで、引出孔Hから引き出される引出線Lが、ベース部50に直接接触することを防止している。
図3の例と対応させれば、コア21の櫛歯間に形成されるスロットのうち、第5スロットから引き出された第1配線L1とコモン線L4が共に共用引出孔H1に挿通され、第6スロットから引き出された第3配線L3が専用引出孔H3に挿通され、第7スロットから引き出された第2配線L2が専用引出孔H2に挿通されることになる。
また、前述の4つのパッド部630も、軸線Aを中心とした円弧に概ね沿って配列されている。具体的には、これらは、同図における上側から、第2パッド部632、第3パッド部633、コモン用パッド部634、第1パッド部631の順で配列されている。
このようにすることで、共用引出孔H1から引き出された第1配線L1の第1パッド部631までの長さと、共用引出孔H1から引き出されたコモン線L4のコモン用パッド部634までの長さを略同一に保つことができるため、どちらかの配線が長くなりすぎるといったことがない。
また、後述の半田付け工程で説明するように、第1配線L1とコモン線L4とを共に、共用引出孔H1から治具(図示せず)を用いて引き出す際に、このように共用引出孔H1から両パッド部への距離を略同一とすれば、第1配線L1とコモン線L4の引き出しの際の移動量を略同一にできるため、配線の接続作業が容易である。
なお、コモン用パッド部634と第1パッド部631とは、後述の半田付け作業を容易にするため、共用引出孔H1を中心とした円周方向において、所定の間隔を開けて配置されることが好ましい。
まず、各引出線Lの先端部を半田槽内に浸すことで、先端部の絶縁皮膜を溶融させて導線を露出させる。
続いて、各引出線Lを対応する引出孔Hに通す。具体的には、共用引出孔H1にコモン線L4と第1配線L1とを共に通し、専用引出孔H2に第2配線L2を通し、専用引出孔H3に第3配線L3を通す。なお、各引出孔Hの内周に絶縁処理を施しておいてもよい。
続いて、各引出孔Hから引き出された引出線Lを治具(図示せず)で保持しつつ、治具を図2の左斜め下方向に移動させることで、各引出線Lの先端を対応するパッド部630近傍に位置させる。
そして、半田付けを行う。具体的には、第1配線L1を第1パッド部631に半田付けにより接続し、コモン線L4をコモン用パッド部634に半田付けにより接続する。また、第2配線L2を第2パッド部632に半田付けにより接続し、第3配線L3を第3パッド部633に半田付けにより接続する。このようにして、回路基板60は、コイル22と電気的に接続される。
共用引出孔H1からは、コモン線L4と第1配線L1とが共に引き出されるが、コモン線L4は3本の配線がよじられて構成されているため、第1配線L1の端末であることを容易に識別できる。無論、その他の孔(専用引出孔H2、H3)からは、1つの孔につき1本の引出線が引き出されるため、各端末の識別は容易である。また、引出線Lの本数だけ引出孔Hを設けるのに比べ、ベース部50に設ける引出孔Hの数を1つ少なくできるため、ベース部50の剛性の低下を抑制することができる。
このように、収容部520に設ける引出孔Hの数を引出線Lの本数よりも減らしたことにより、収容部520を小さくできる。収容部520が小さくなれば、ベース部50に形成する凹部52も小さくできるため、ベース部50の剛性の低下を抑制することができる。
このようにしたことにより、前述したように、配線の接続作業を容易にすることができる。
ここからは、引出孔Hの形成態様や配置が第1実施形態に係るスピンドルモータ100とは異なる第2及び第3実施形態に係るスピンドルモータ200,300を説明する。なお、以下では、第1実施形態に係るスピンドルモータ100と異なる点を主に説明すると共に、第1実施形態に係るスピンドルモータ100と共通の機能を有する各部については第1実施形態に係るスピンドルモータ100と同一の符号を付して説明する。
第2実施形態に係るスピンドルモータ200の要部底面図を図5に示す。このスピンドルモータ200は、引出孔Hの構成が第1実施形態とは異なる。
特に、専用引出孔H2は、収容部520と第2パッド部632とを貫通して設けられ、専用引出孔H3は、収容部520と第3パッド部633とを貫通して設けられている。なお、第2パッド部632、第3パッド部633は、専用パッド部の一例である。
このようにすることで、半田付けにより、第2配線L2と第2パッド部632を接続し、第3配線L3と第3パッド部633とを接続すると共に、専用引出孔H2,H3の回路基板60側の開口(つまり、第2パッド部632と第3パッド部633とに設けられた孔)を封止することができるため、封止作業が容易となる。
なお、図5に示すように、収容部520とパッド形成部63とを貫通する共用引出孔H1から引き出された第1配線L1とコモン線L4の各々には、第1実施形態と同様に、図4(a)に示す第1形成領域S1に従って半田が施される。これにより、第1配線L1と第1パッド部631とが接続され、コモン線L4とコモン用パッド部634とが接続される。
以上のように、第2実施形態に係るスピンドルモータ200では、専用引出孔H2が、第2配線L2の接続先である第2パッド部632を貫通して形成されているため、第2配線L2の専用引出孔H2から引き出された部分の長さを短くすることができる。これにより、ベース部50の下方における第2配線L2の断線を防止することができる。同様に、第2実施形態に係るスピンドルモータ200では、専用引出孔H3が、第3配線L3の接続先である第3パッド部633を貫通して形成されているため、第3配線L3の専用引出孔H3から引き出された部分の長さを短くすることができる。これにより、ベース部50の下方における第3配線L3の断線も防止することができる。
なお、このように第2形成領域S2で半田を施すことで専用引出孔H2,H3が封止されるが、これらの半田箇所、回路基板60、及び、収容部520の内周側をさらに覆うように接着剤を塗布することで、封止をより強固にしてもよい。
第2実施形態においても、コモン線L4及びコモン用パッド部634、第1配線L1及び第1パッド部631の各々には、図4(a)に示した第1形成領域S1に従って半田が施されるが、このように共用引出孔H1の距離を確保することで、半田付け作業が容易となる。
なお、共用引出孔H1は第1実施形態と同様に接着剤により封止される。
第3実施形態に係るスピンドルモータ300の要部底面図を図6に示す。このスピンドルモータ300は、各引出孔Hがパッド形成部63と収容部520とを貫通して形成される点が、第2実施形態に係るスピンドルモータ200と同様であるが、各引出孔Hの配置が異なる。
このように引出孔Hを配列したため、収容部520とそこに収容されるパッド形成部63とを、軸線Aを中心とした径方向に狭く(小さく)形成することができる。そのため、ベース部50の剛性の低下をより良好に低減することが出来る。また、収容部520を小さくできれば回路基板60を小さくすることもできる。
なお、ステータ20の下方に、各パッド部630と各引出孔Hをコンパクトに配列するには、このように軸線Aを中心とした略円周方向に沿って配列することが好ましいが、直線状に配列してもよい。
このように、引出孔Hとパッド部630とを交互に配列することにより、隣り合う引出孔H同士の間隔を確保することができるため、各引出線Lの引き出し作業が容易となり、各引出線Lの端末種別の混同も抑制することができる。
なお、引出孔Hの配列はこれに限られるものではなく、例えば、図6において専用引出孔H3と第3パッド部633との位置を逆にしてもよい。このようにすれば、第2パッド部632と第3パッド部633との間隔を大きくとることができるため、半田付けの作業が容易となる。ただし、共用引出孔H1は、コモン用パッド部634と第1パッド部631との間に形成されることが好ましい。こうしないと、コモン線L4と第1配線L1とが、略同一方向に引き出されることになってしまい、引出線Lの引き出し作業や半田付け作業が複雑になってしまうからである。
つまり、第3実施形態に係るスピンドルモータ300においては、コモン線L4とコモン用パッド部634、及び、第1配線L1と第1パッド部631は、図4(a)に示す第1形成領域S1に従って半田付けがなされる。また、第2配線L2と第2パッド部632、及び、第3配線L3と第3パッド部633の各々も、第1形成領域S1に従って半田付けがなされる。
なお、第3実施形態に係るスピンドルモータ300では、引出孔H2,H3は、パッド形成部63のうちの第2、第3パッド部632、633以外の領域を貫通して形成される点が、第2実施形態に係るスピンドルモータ200とは異なっている。
また、図示しないが、第3実施形態に係るスピンドルモータ300の変形例として、第2実施形態に係るスピンドルモータ200のように、専用引出孔H2を収容部520と第2パッド部632とを貫通して設け、専用引出孔H3を収容部520と第3パッド部633とを貫通して設けてもよい。この場合も、第2実施形態に係るスピンドルモータ200のように、第2配線L2と第3配線L3との各々に、図4(b)に示す第2形成領域S2に従って半田を施せばよい。この変形例によれば、前述のように、収容部520とそこに収容されるパッド形成部63とを軸線Aを中心とした径方向に狭く(小さく)形成することができ、なおかつ、第2実施形態で説明したように、第2、第3配線L2,L3の専用引出孔H2,H3から引き出された部分の長さを短くすることができるため、ベース部50の下方における第2、第3配線L2,L3の断線を防止することができる。
10…ロータ
11…シャフト
12…ロータハブ
13…マグネット
20…ステータ
21…コア
22…コイル
L…引出線(L1〜L3…第1〜第3配線、L4…コモン線)
50…ベース部
51…底面
52…凹部
520…収容部
H…引出孔(H1…共用引出孔、H2、H3…専用引出孔)
60…回路基板
63…パッド形成部
630…パッド部(631〜633…第1〜第3パッド部、634…コモン用パッド部)
Claims (7)
- ベース部と、
前記ベース部の一方側に位置し、コイルを有するステータと、
前記ベース部の前記一方側に位置し、前記ステータに対して回転するロータと、を備え、
前記ベース部には、前記コイルの複数の引出線を前記一方側から他方側へと通す複数の引出孔が設けられ、
前記複数の引出線は、1本のコモン線を含み、
前記複数の引出孔のうち、1つは、前記コモン線を含む2本の引出線が共に引き出される共用引出孔であり、その他は、前記2本の引出線以外の引出線が1本ずつ引き出される専用引出孔である、
ことを特徴とするスピンドルモータ。 - 前記ベース部の前記他方側には、前記複数の引出線の各々を接続する複数のパッド部を有する回路基板が設けられ、
前記ベース部は、前記一方側へと凹み、前記パッド部を収容する収容部を有し、
前記収容部に前記引出孔が形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のスピンドルモータ。 - 前記パッド部は、前記複数の引出線の各々に対応して設けられ、そのうち、前記コモン線と接続されるものをコモン用パッド部とし、前記コモン線と共に前記共用引出孔から引き出される引出線と接続されるものを端末用パッド部とし、前記専用引出孔から引き出される引出線と接続されるものを専用パッド部とすると、
前記コモン用パッド部又は前記端末用パッド部の少なくとも一方と、前記共用引出孔との距離は、前記専用パッド部と前記専用引出孔との距離よりも長い、
ことを特徴とする請求項2に記載のスピンドルモータ。 - 前記パッド部は、前記複数の引出線の各々に対応して設けられ、そのうち、前記コモン線と接続されるものをコモン用パッド部とし、前記コモン線と共に前記共用引出孔から引き出される引出線と接続されるものを端末用パッド部とすると、
前記共用引出孔は、前記コモン用パッド部からの距離と、前記端末用パッド部からの距離とが略同一となる位置に設けられる、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のスピンドルモータ。 - 前記パッド部は、前記複数の引出線の各々に対応して設けられ、そのうち、前記専用引出孔から引き出される引出線と接続されるものを専用パッド部とすると、
前記専用引出孔は、前記収容部と前記専用パッド部とを貫通して設けられ、
前記専用引出孔から引き出される引出線と前記専用パッド部とは、前記専用引出孔を覆った状態で半田付けされている、
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のスピンドルモータ。 - 前記パッド部は、前記複数の引出線の各々に対応して設けられ、
前記引出孔は、前記収容部と前記回路基板とを貫通して設けられ、
前記パッド部および前記引出孔は、所定の方向に沿って配列されている、
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のスピンドルモータ。 - 前記所定の方向は、前記ロータの回転軸を中心とした略円周方向である、
ことを特徴とする請求項6に記載のスピンドルモータ。
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