JP2016132731A - ハイドロゲル - Google Patents

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Abstract

【課題】吸水時の体積膨張率が小さく、金属イオン捕捉性の高いハイドロゲルを提供すること。【解決手段】α−オレフィン類とマレイン酸類とが共重合したα−オレフィン−マレイン酸類共重合体を架橋した網目構造を有し、体積膨張率が120%以下であることを特徴とする、ハイドロゲル。【選択図】なし

Description

本発明は、α−オレフィン類とマレイン酸類とが共重合したα−オレフィン−マレイン酸類共重合体を架橋した網目構造を有するハイドロゲルに関する。
現在、一般に知られているハイドロゲルを形成するものとしては、例えば、澱粉、カラギーナン、繊維素誘導体、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリオキシエチレンオキサイド等の水溶性重合体がある。これらの水溶性重合体を用いるハイドロゲルは保香材、防火材、保温材、保冷材等の用途に広く利用されている。
しかしながら、これらの水溶性重合体を用いるハイドロゲルは、その製造方法が一般に複雑である。例えば、段階的な温度調節などが必要であったり(特許文献1等)、高温下でのゲル化反応を必要であったり、0℃以下の低温でないと安定したハイドロゲルが形成できなかったり、あるいは水溶液のpHを厳密に調整することによりゲル化反応を促進させる必要がある(特許文献2等)といった製造方法が主流で、容易にゲル化できるハイドロゲルの製造方法は少ない。また、ハイドロゲルの含水量が多い場合にはゲル化反応が遅いものが多い。さらに、従来の方法によって得られるハイドロゲルは、吸湿による膨潤率が高く、一定の容器内で使用した場合、吸湿状態から放湿した場合に、体積が収縮するため容器内に空隙が生じるなどの問題がある。
一方、近年の環境浄化、環境保護の観点から、様々な産業問題を引き起こす金属イオンの分離、除去、回収は、非常に重視されているという実情もある。
特開2013−234280公報 特表2009−536940公報
本発明は上記課題事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、製法が比較的簡易で、吸水時の体積膨張率が小さく、金属イオン捕捉性の高いハイドロゲルを提供することである。
本発明者らは、鋭意研究した結果、下記構成のハイドロゲルによって、上記目的を達することを見出し、この知見に基づいて更に検討を重ねることによって本発明を完成した。
すなわち、本発明の一局面に係るハイドロゲルは、α−オレフィン類とマレイン酸類とが共重合したα−オレフィン−マレイン酸類共重合体を架橋した網目構造を有し、200重量部の水を吸水したときの体積膨張率が120%以下であることを特徴とする。
このような構成により、吸水時の体積膨張率が小さく、金属イオン捕捉性の高いハイドロゲルを提供することができる。また、本発明のハイドロゲルは比較的簡易な製造方法によって得ることができるという利点も有する。
さらに、上記ハイドロゲルにおいて、前記網目構造は、α−オレフィン−マレイン酸類共重合体を下記式で表される多価アミンで架橋して得られることが好ましい。
Figure 2016132731
(式中、nは1〜50の整数を示す)
それにより、上記効果をより確実に得ることができる。
さらに、上記ハイドロゲルが、分子内にアンモニア由来のアンモニウムを含まないことが好ましい。それにより、より金属イオン捕捉性の高いハイドロゲルを提供することができる。
また、本発明の他の局面に係る金属イオン捕捉剤は、上述したハイドロゲルからなることを特徴とする。
本発明によれば、吸水時の体積膨張率が小さく、金属イオン捕捉性の高いハイドロゲルが提供される。また、本発明のハイドロゲルは比較的簡易な製造方法によって得ることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施形態のハイドロゲルは、α−オレフィン類とマレイン酸類とが共重合したα−オレフィン−マレイン酸類共重合体を架橋した網目構造を有し、体積膨張率が120%以下であることを特徴とする。
このような構成を有することにより、その製造が比較的簡易で、吸水時に粒子形状を維持することができ、体積膨張率が小さく、かつ金属イオン捕捉性の高いハイドロゲルを提供することができると考えられる。
本実施形態において、ハイドロゲルとは、水を主成分とする溶媒を、高分子が架橋して形成された網目構造に取り込んで保持している構造体をさす。本実施形態のハイドロゲルに含まれる溶媒の量は、特に限定されない。また、網目構造に取り込まれる溶媒は、本発明の効果に影響が出ない程度に、水に溶解する溶媒や水と混和する溶媒を含んでもいてもよい。なお、網目構造とは、α−オレフィン類とマレイン酸類とが共重合したα−オレフィン−マレイン酸類共重合体を架橋することにより、三次元に張り巡らされた網の目のような構造を意味する。
本実施形態で使用するα−オレフィンとは、α位に炭素−炭素不飽和二重結合を有する直鎖状または分岐状のオレフィンである。特に、炭素数2〜12とりわけ2〜8のオレフィンが好ましい。使用し得る代表的な例としては、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、n−ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2,5−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等が挙げられる。この中でも特に、入手性、重合成、生成物の安定性という観点から、イソブチレンが好ましい。ここでイソブチレンとは、イソブチレンを主成分として含む混合物、例えば、BB留分(C4留分)をも包含する。これ等のオレフィン類は単独で用いても2種以上組合せて用いても良い。
これらのオレフィン類の単量体は単独で用いてもよいし、また2種類以上を組合せて用いてもよい。これらの単量体のうち、α−オレフィン、特にはエチレン、イソブチレン等のα−オレフィンが好ましく用いられる。特に、イソブチレンの使用が吸湿による高分子の膨潤を抑制する作用を発揮するという観点からより好ましい。
本実施形態で使用されるマレイン酸類としては、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル(例えば、マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸プロピル、マレイン酸フェニル等)、マレイン酸ジエステル(例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジフェニル等)等の無水マレイン酸誘導体、マレイン酸イミドまたはそのN−置換誘導体(例えば、マレイン酸イミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換アルキルマレイミドN−フエニルマレイミド、N−メチルフエニルマレイミド、N−エチルフエニルマレイミド等のN−置換アルキルフエニルマレイミド、あるいはN−メトキシフエニルマレイミド、N−エトキシフエニルマレイミド等のN−置換アルコキシフエニルマレイミド)、更にはこれ等のハロゲン化物(例えばN−クロルフエニルマレイミド)、無水シトラコン酸、シトラコン酸、シトラコン酸モノエステル(例えば、シトラコン酸メチル、シトラコン酸エチル、シトラコン酸プロピル、シトラコン酸フェニル等)、シトラコン酸ジエステル(例えば、シトラコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、シトラコン酸ジプロピル、シトラコン酸ジフェニル等)等の無水シトラコン酸誘導体、シトラコン酸イミドまたはそのN−置換誘導体(例えば、シトラコン酸イミド、2−メチル−N−メチルマレイミド、2−メチル−N−エチルマレイミド、2−メチル−N−プロピルマレイミド、2−メチル−N−n−ブチルマレイミド、2−メチル−N−t−ブチルマレイミド、2−メチル−N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換アルキルマレイミド2−メチル−N−フエニルマレイミド、2−メチル−N−メチルフエニルマレイミド、2−メチル−N−エチルフエニルマレイミド等の2−メチル−N−置換アルキルフエニルマレイミド、あるいは2−メチル−N−メトキシフエニルマレイミド、2−メチル−N−エトキシフエニルマレイミド等の2−メチル−N−置換アルコキシフエニルマレイミド)、更にはこれ等のハロゲン化物(例えば2−メチル−N−クロルフエニルマレイミド)が好ましく挙げられる。これらの中では、入手性、重合速度、分子量調整の容易さという観点から、無水マレイン酸の使用が好ましい。また、これらのマレイン酸類は単独で使用しても、複数を混合して使用してもよい。
本実施形態において、マレイン酸類として好ましく用いられる無水マレイン酸を使用する場合には、共重合体は必要に応じて、無水マレイン酸部位の加水分解により、水溶性を付与することができる。加水分解を行うにあたっては、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが使用できる。これらは単独で使用しても、複数を組み合わせて使用しても構わない、種々の用途、特に金属イオンの捕捉を目的とする場合、アンモニアを使用することが好ましい。
無水マレイン酸を使用した共重合体とアンモニアとの反応は種々の方法を採用することができるが、共重合体の固体粉末にアンモニアガスを接触させる方法、共重合体粉末を溶媒中にスラリー状に分散させてアンモニアガスを溶媒中にバブリングしながら接触させる方法あるいは共重合体粉末をアンモニア水に溶解する方法などが好ましく採用される。本実施形態の共重合体とアンモニアとの反応比は共重合体に含まれる無水マレイン酸基1モルに対してアンモニア0.5〜2モル程度であり、より好ましくは1〜2モルである。
本実施形態の共重合体中におけるα−オレフィン類とマレイン酸類との組成比は、生成した共重合体を塩基性物質と反応・中和させて得られる、マレイン酸類から誘導されるカルボン酸塩を含む共重合体が水に溶解するような組成比ものであれば本発明の効果を損なわない限り、どの程度であっても差し支えない。通常、マレイン酸類1モルに対し、α−オレフィン類1〜10モル程度である。特に、本実施形態において好ましく用いられるエチレンまたはイソブチレンと無水マレイン酸との各共重合体の場合には、無水マレイン酸1モルに対してエチレン、イソブチレン1〜3モル程度である。好ましくは同モル程度の交互共重合体であることが望ましい。
また、共重合体の分子量はジメチルホルムアミド溶液中、30℃で測定した極限粘度が0.05〜5(dl/g)、好ましくは0.1〜3(dl/g)程度となるような分子量であることが望ましい。
本実施形態のハイドロゲルは、上述したようなα−オレフィン類とマレイン酸類との共重合体を、下記一般式
Figure 2016132731
(但し、式中nは1〜50の整数を示す)
で表わされる多価アミンによって架橋反応処理して得られたハイドロゲルであることが好ましい。
より好ましくは、α−オレフィン類とマレイン酸類との共重合体に塩基を反応させて得られた反応生成物を、前記多価アミンによって架橋反応処理して得られたハイドロゲルである。
また、本実施形態において使用される前記多価アミンは、ゲル化剤としての役割を有する。本実施形態で使用される多価アミンとして、具体的には、例えば、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、直鎖状のポリエチレンイミンまたは分岐を有するポリエチレンイミン等が挙げられ、上記式のnの数が大きいものも使用可能である。但し、nの数が50をこえるものについてはゲル化速度が非常にはやく、部分的にゲルが生じることがあり、均一なハイドロゲルができないため、あまり本実施形態の使用に適さない。なお、ゲル化剤として、アンモニアや1価のアミンを使用しても本発明において所期の目的とするものが得られない。
本発明において、多価アミンの添加量としては、得られるハイドロゲルが水を十分に保液し、且つ金属を補足できる量の添加であればよく、通常イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体100重量部に対して、0.5〜5.5重量部、より好ましくは、0.6〜5重量部の範囲で使用される。架橋に用いる多価アミンが多すぎると、保液能力が低下し、イオンの吸着性が低下する問題があり、少なすぎると保液はするものの金属イオンの吸着力が低下するため好ましくない。
本実施形態における、α−オレフィン類の単量体とマレイン酸類との共重合体を多価アミンで架橋することによって得られたハイドロゲルとは、α−オレフィン類と、マレイン酸類とを溶媒中でラジカル重合して得られた共重合体に多価アミンを反応させることによって得られるハイドロゲルである。
さらに、本実施形態のハイドロゲルには、必要に応じて、公知の安定化剤、トリフェニルホスフィンなどの酸化防止剤等を添加することもできる。
本実施形態のハイドロゲルは体積膨張率が120%以下である。具体的には例えば、本実施形態における体積膨張率とは、乾燥したハイドロゲル100重量に対して200重量部の水を吸水したときの体積膨張率のことをさす。前記体積膨張率が120%を超えると、ハイドロゲルのカルボン酸と金属の親和性が介在する水により希薄となり、十分な金属イオン捕捉性を備えることができない。より好ましくは、前記体積膨張率が115%以下となることである。本実施形態の体積膨張率に特に下限はないが、容器に充填して使用する場合、収縮すると空隙が生成し、充填効率が低下するという観点から、100%以上であることが望ましい。
本実施形態における体積膨張率は、例えばメスシリンダーに乾燥したハイドロゲルを充填し、別途容量を測定した水を添加、吸収させて膨張分を計測することによって測定できる。
本実施形態のハイドロゲルにおいて、その体積膨張率は、例えば、多価アミンの添加量による架橋度を調整することによって、調整することができる。
なお、乾燥したハイドロゲルとは、結晶水以外の水分子を含まない状態のことを指す。また、乾燥したハイドロゲルを得る方法に限りはないが、例えば、常圧下に水の沸点以上に加熱する方法、常圧下に気流を与えながら加熱する方法、減圧下に水を留去する方法を用いることができる。ハイドロゲルの乾燥時の構造変化を抑制するという観点から、常圧下に気流を与えながら加熱する方法、減圧下に水を留去する方法を用いることが好ましい。
本実施形態のハイドロゲルの製造方法としては、特に限定はされないが、その一例について具体的に説明する。まず、共重合体とアンモニアとの反応生成物の1〜60重量%水溶液に、前述した多価アミンを前記共重合体100重量部に対して、0.5〜5.5重量部の量で添加、混合して均一な水溶液とする。その後、例えば該水溶液を所望とする型等に流し込み、室温下あるいは加熱下でゲル化させることによって製造することができる。
ゲル化するまでの時間は共重合体の種類、その濃度、ゲル化剤(多価アミン)の種類、その濃度およびゲル化温度によって変わり、必要に応じてそれらを適宜選択することができるが、一般的には数分〜十数日間程度である。なお、ゲル化反応はゲル化温度の上昇とともに速くなる。本実施形態によれば、共重合体とアンモニアとの反応生成物の水溶液が5〜10重量%程度の低い濃度であっても、室温でゲル化反応が充分進行するが、加温することによって所望の時間でハイドロゲルを得ることができる。また、生成ハイドロゲルのゲル強度も同じように共重合体およびゲル化剤の種類および濃度を選択することによって自由に調整できる。
具体的には、例えば、種々の温度で静置する場合、20℃では6時間、30℃では3〜4時間、40℃では1〜2時間および60℃では10〜20分でゲル化する。
また、本実施形態では、ハイドロゲルの分子内におけるアンモニアの残留は、例えば、該ハイドロゲルを金属イオン捕捉剤として使用場合に金属イオンと反応し、水溶性を高め、金属イオンの吸着性を低下させるために好ましくない。従って、ゲル化時に加熱することが好ましく、60℃〜120℃の範囲、より好ましくは、80℃〜100℃の範囲でゲル化を行い、アンモニアを反応系外に除去することが望ましい。あるいは、ゲル化時に、反応溶液中に窒素などの不活性ガスを投入して、アンモニアの除去性を高めることもできる。
得られたハイドロゲルは、必要に応じて、熱風乾燥、真空乾燥などの方法で、脱水し、保存安定性を高めることが出来る。
本実施形態のハイドロゲルは、その優れた特性から、様々な用途に使用することができる。例えば、金属イオン捕捉剤、保湿剤、金属交換剤等の用途に用いることができる。
なかでも、優れた金属イオン捕捉性を有しているため、金属イオン捕捉剤として使用することによって、より効果を発揮し得る。
本実施形態の金属イオン捕捉剤が捕捉できる金属イオンとしては、例えば、Li、Na、K、Rb等のアルカリ金属イオン、Ca、Mg、Ba等のアルカリ土類金属イオン、Fe、Zn、Cu、Ni、Cr等の遷移金属イオンなどが挙げられる。
本実施形態の捕捉剤はこれらの金属イオンの捕捉、固定、除去、回収に好適に用いることができる。
本実施形態において、前記捕捉剤が金属イオンを捕捉する機構は、カルボン酸による中和および架橋多価アミンによる配位であると考えられる。
本実施形態の金属イオン捕捉剤を用いて溶液中の金属イオンの捕捉する手段としては、特に限定はされないが、金属イオンを含むイオン溶液に対して金属イオン捕捉剤(ハイドロゲル)を添加して膨潤させ、混合・撹拌させることによって溶液中の金属イオンを捕捉することができる。捕捉後は、公知の技術、例えば、酸性水を添加し、カルボン酸を再生することによってハイドロゲルに含まれる金属イオンを分離することもできる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はそれらによって何ら限定されるものではない。
〔ハイドロゲルの製造〕
(実施例1)
イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体(〔η〕=1.06、株式会社クラレ製イソバン−10)100重量部を容器中で撹拌しながらアンモニアガスを吹き込み、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体とアンモニアとの反応生成物(以下、アンモニア付加物と略記する)117重量部を調製した。そして、このアンモニア付加物11.7重量部と水90重量部を混合して水溶液を作成した。次いで得られた水溶液にテトラエチレンペンタミンを0.3重量部を加えて撹拌した後、30℃の温度で静置しておいたところ、10時間でゲル化した。
更に、得られたゲル化物を90℃に加温し、発生する蒸気からアンモニアを系外に除去した。得られたハイドロゲルを80℃の熱風で10時間乾燥し、乾燥中間体(含水物)を20g得た。更に、80℃、1Torrで12時間真空乾燥し、乾燥したハイドロゲル10.2gを得た。この乾燥したハイドロゲルを粉砕し、平均粒径30μmの粒子を得た。この粒子10gの容積を計ったところ、かさ密度は0.58であった。この粉末に20gの水を加えたところ、25℃での体積は20.2mlであり、体積膨張率は117%であった。
(実施例2)
実施例1で使用したイソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体のアンモニア付加物にテトラエチレンペンタミンを0.5重量部を使用した以外は実施例1と同様に行った。得られたゲルの体積膨張率の結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1で使用したイソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体のアンモニア付加物にエチレンジアミンを0.5重量部を使用した以外は、実施例1と同様に行った。得られたゲルの体積膨張率の結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で使用したイソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体のアンモニア付加物にテトラエチレンペンタミンを0.01重量部を使用した以外は実施例1と同様に行った。得られたゲルの体積膨張率の結果を表1に示す。
(比較例2)
分子量17万のポリアクリル酸100重量部を容器中で撹拌しながらアンモニアガスを吹き込み、ポリアクリル酸とアンモニアとの反応生成物(以下、アンモニア付加物と略記する)121重量部を調製した。そして、このアンモニア付加物10重量部と水90重量部を混合して水溶液を作成した。次いで得られた水溶液にテトラエチレンペンタミンを共重合体に対し0.3重量部を加えて撹拌した後、30℃の温度で静置しておいたところ、8時間でゲル化した。
更に、得られたゲル化物を90℃に加温し、発生する蒸気からアンモニアを系外に除去した。得られたゲルを80℃の熱風で10時間乾燥、含水物20gまで乾燥、更に、80℃、1Torrで12時間真空乾燥し、乾燥したゲル10.2gを得た。このゲルを粉砕し、平均粒径42μmの粒子を得た。この粒子10gの容積を計ったところ、かさ密度は0.51であった。この粉末に20gの水を加えたところ、25℃での体積は45.1mlであり、体積膨張率は230%であった。
Figure 2016132731
〔試験例〕金属イオン捕捉性の評価
(試験例1)
塩化アルミニウム100mgをイオン交換水1000gに溶解した。実施例1で得たハイドロゲル10gにイオン交換水10gで膨潤させ、塩化アルミニウム溶液を入れた2000mlビーカーに添加し、3時間攪拌、水中のイオンをICP発光法により分析した。添加前のアルミニウムイオン濃度および添加、攪拌後のアルミニウムイオン濃度を下記の表2に示す。
(試験例2)
塩化第二鉄100mgをイオン交換水1000gに溶解した液を調整し、実施例2で得たハイドロゲルを使用した以外は、試験例1と同様に金属イオン捕捉性の評価試験を実施した。
(試験例3)
塩化亜鉛10mgをイオン交換水1000gに溶解した液を使用し、実施例3で得たハイドロゲルを使用した以外は、試験例1と同様に金属イオン捕捉性の評価試験を実施した。
(試験例4)
比較例1で調整したハイドロゲルを使用した以外は、試験例1と金属イオン捕捉性の評価試験を同様に行った。
(試験例5)
比較例2で調整したハイドロゲルを使用した以外は、試験例1と金属イオン捕捉性の評価試験を同様に行った。
Figure 2016132731
以上の結果より、本発明のハイドロゲルを使用することによって、種々の金属イオンを十分に捕捉することができることが示された。それに対し、体積膨張率の高い比較例のハイドロゲルでは、十分に金属イオンを捕捉することができなかった。

Claims (5)

  1. α−オレフィン類とマレイン酸類とが共重合したα−オレフィン−マレイン酸類共重合体を架橋した網目構造を有し、
    体積膨張率が120%以下であることを特徴とする、ハイドロゲル。
  2. 前記網目構造は、α−オレフィン−マレイン酸類共重合体を下記式で表される多価アミンで架橋して得られる、請求項1に記載のハイドロゲル。
    Figure 2016132731
    (式中、nは1〜50の整数を示す)
  3. 金属イオン捕捉性を有する、請求項1または2に記載のハイドロゲル。
  4. 分子内にアンモニア由来のアンモニウムを含まない、請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイドロゲル。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイドロゲルからなる、金属イオン捕捉剤。
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