JP2016132013A - ハンドプレス機 - Google Patents

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寿夫 倉田
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【課題】ハンドプレス機について、小さくても大きなプレス力を発揮できることに加え、ハンマーを用いて行う作業にも使用できるようにする。【解決手段】カムシャフト31と、カムシャフト31に接続した操作レバー33と、載置台10と、載置台10上方で上下にスライド動作可能に配置されたスライド体32とを備え、操作レバー33を旋回させることで回転したカムシャフト31によりスライド体32を押し下げて載置台10上のワークに対しプレス動作を行うハンドプレス機1であって、そのスライド体32のプレスバー32c下端側がワークの加工に用いる工具を連結・固定するための固定手段として、載置台10上面との間で前記工具を配設可能な間隔を有して設けられており、先端側を下向きした前記工具の基端側が前記固定手段を介してスライド体32に固定された状態で操作レバー33を押し下げることで、前記ワークに所定の加工を実施可能なものとした。【選択図】図1

Description

本発明は、手動で操作レバーを動かすことでワークに圧力を加えるハンドプレス機に関し、殊に、回転するカムシャフトでスライド体を押し下げてプレス動作を行うハンドプレス機に関する。
操作レバーの先端側を手で押し下げて作動させ、駆動源を用いることなくワークを圧縮したり切断したりするハンドプレス機は、特開平7−223094号公報や実登第3022354号公報に記載されているように周知である。前者のハンドプレス機は、操作レバーの基端軸における回動を、ギヤ機構を介してプレス体の直線動作に変換するギヤ式のものであるが、部品点数が多く全体として重く嵩張ることから、持ち運びには不便である
これに対し、後者のハンドプレス機は、基端側を軸支された操作レバーの途中にプレス体を配置したテコ式のものであることから、部品点数が少なく軽くコンパクトであるため、持ち運びにも便利である。しかし、このように単純な構造のテコ式ものにあっては、大きなプレス力を発揮しにくいことに加えプレス動作における微調整を行いにくいという難点がある。
そこで、レバー操作により回転するカムシャフトでスライド体(プレス体)を押し下げてワークに圧力を加えるハンドプレス機も普及するようになった。このようにカムシャフト式を採用することで、プレス動作における微調整を行いやすくなるとともに、テコ式のものと比べてより大きなプレス力を発揮できるようになる。ところが、この方式ではカムシャフトが回転しながら偏芯したカム部外周面をプレス体上面に押し当てて押し下げる構成であるため、カム部外周面とプレス体上面との間で生じた摩擦抵抗によるエネルギーロスが大きくなりやすく、同等の入力を行った場合に発揮されるプレス力がギヤ式のものよりも小さいと言われている。
一方、上述したハンドプレス機は、レザークラフトの型抜き作業にも使用されているが、型抜き後のレザーに対し専用工具で菱目打ちを行ったり、カシメや刻印を設けたりする工程を要するのが一般的である。その場合、工具の基端側をハンマーで叩きながら作業を進めるが、その際に一方の手で工具を支えながら他方の手のハンマーで連続的に叩くことから、ハンマーを持つ手に疲労が溜まりやすいことに加え、連続した打音が周辺への迷惑となりやすかった。そのため、このような細かい作業も同じハンドプレス機を用いて行えれば極めて便利である。
特開平7−223094号公報 実登第3022354号公報
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、ハンドプレス機について、小さくても大きなプレス力を発揮できることに加え、ハンマーを用いて行う作業にも使用できるようにすることを課題とする。
そこで、本発明は、本体の所定位置で両端側を軸支されるカムシャフトと、このカムシャフトに対し中心軸線の直角方向から接続された操作レバーと、本体の所定位置に設けられたワーク載置部と、このワーク載置部上方で上下にスライド動作可能に配置されたスライド体とを備え、操作レバー先端側を手で所定方向に旋回させることにより回転したカムシャフトでスライド体を押し下げてワーク載置部に載置したワークに対しプレス動作を行うハンドプレス機において、前記スライド体には、その下端側にワークの加工に用いる工具を連結・固定するための固定手段が前記ワーク載置部上面との間で前記工具を配設可能な間隔を有して設けられており、先端側を下向きした前記工具の基端側が前記固定手段を介してスライド体に固定された状態で前記操作レバーを押し下げることにより、前記工具の下方に位置するワークに対し所定の加工を実施可能とされている、ことを特徴とするものとした。
例えば、レザークラフトにおいては、菱目打ちやカシメの固定等、型抜き後においてハンマーで専用の工具を叩きながら行う作業が複数種類あるところ、上述のようにハンドプレス機のスライド体に工具を連結・固定するための固定手段を設けるとともに、その工具を配設可能な間隔を固定手段とワーク載置部との間に確保した構成としたことで、レザークラフト等において型抜き作業を行うだけではなく、従来はハンマーを用いていたその後の細かい作業についても、小さな力で騒音を伴うことなく容易に実施できるものとなる。
この場合、そのカムシャフトの偏芯した大径部分であるカム部には、その外周面に内周面を接しながら内周側と外周側との間で周方向の滑りを生じさせる管状のニードルベアリングが設けられており、このニードルベアリングの外周面をスライド体の所定位置に押圧しながらプレス動作を行うものとすれば、従来は摩擦抵抗でエネルギーロスを生じていたカム部外周面とスライド体との間に、その摩擦抵抗を軽減するベアリング部品が存在することでプレス時のエネルギーロスを最小限に抑えることができ、同レベルの入力でもより大きなプレス力を発揮可能となり、且つ、ボールベアリングと比べて管状構造を薄くできることから、装置のサイズアップを抑えやすいものとなる。
また、上述したハンドプレス機において、前記固定手段は、その下面側に縦向きの軸状に形成された工具の上端側を下から挿入させる挿入孔が開口しており、所定の締結機構で前記工具の挿入部分を締結して固定するものとされている、ことを特徴としたものとすれば、連結・固定作業が容易なものとなる。
この場合、前記固定手段は、縦向きの軸状に形成された介装部材の上端側を前記挿入孔に挿入・固定することによっても構成され、前記挿入孔に固定された前記介装部材の下端側を所定の工具の基端側に当接又は連結した状態で作業を実施可能とされている、ことを特徴としたものとすれば、例えば短いサイズの工具を用いる場合に、介装部材を介装することで工具の先端側とワーク載置面との間隔の調整が容易に行えるものとなる。
ハンドプレス機のスライド体に工具を連結・固定するための固定手段を設けた本発明によると、小さくても大きなプレス力を発揮できることに加えハンマーを用いて行う作業にも使用できるものとなる。
本発明における実施の形態であるハンドプレス機の斜視図である。 図1のハンドプレス機のカムシャフトの軸線に沿う拡大した縦断面図である。 図1のハンドプレス機に工具を連結・固定してカシメやホックを設ける作業を行う場合の側面図である。 図1のハンドプレス機に工具を連結・固定して菱目打ち作業を行う場合の側面図である。 図2のハンドプレス機において、レザークラフトの型抜き作業を行う際に、工具に適した介装部材を介装する場合を説明するための側面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、本実施の形態であるハンドプレス機1の斜視図を示している。このハンドプレス機1は、その用途としてレザー等のシート状部材における型抜きカット作業を想定したものであるが、レザークラフトの場合等、型抜き後において従来はハンマーで所定の工具を叩きながら行う菱目打ちやカシメ・ホックの配置作業、或いは刻印打設等の作業等にも使用できる点を特徴としており、且つ、少ない部品点数により軽量でコンパクトなものとなっている。
このハンドプレス機1は、ワークを載せる載置部としてのベースプレートからなる載置台10と、プレス機構3を構成する本体ケーシング30、側板21a,21b、底板22と、載置台10上に垂直に立設され背後に補助板20を有しながらこれらを支持する支持板2を備えている。また、そのプレス機構3は、図2の断面図に示すように、側板21a,21bで両端側を軸支されたカムシャフト31と、カムシャフト31の両端側にその中心軸線に対し直角方向から接続されたアーム33b及びその先端側のハンドル33aからなる操作レバー33と、載置台10上方で上下にスライド動作可能に配置されカムシャフト31を左右に貫通してなるプレス部材としてのスライド体32とを備えている。
図1、図2は、ハンドプレス機1を動作させる前段階のスライド体32が上死点に位置している状態を示しているが、図3に示すように、その操作レバー33の先端側(ハンドル33a)を手で把持して図中時計回りに旋回動作させることにより、カムシャフト31が回転してスライド体32を押し下げ、載置台10上の敷板500,500に載せたレザー等のワーク100aに対し、上からプレス動作を行うようになっている。
そして、図2の断面図に示すように、そのカムシャフト31において回転軸に対し中心軸を偏芯して設けられ両端側の軸部31b,31cの間でこれらよりも大径に形成された部分であるカム部31a(矢印で示した側面部分図を参照)の外周面に、その外周面に内周面を接した状態で内周側と外周側との間で周方向の滑りを生じさせる管状のベアリング部品であるニードルベアリング35a,35bが設けられており、そのニードルベアリング35a,35bの外周面でスライド体32を構成する下部材(プレス板)32a及び上部材32bの内面に当接しながら、下部材32a下面から垂設したプレスバー32cを上下させて作業を行うものとしている。
即ち、従来例において回転による摩擦抵抗によりエネルギーロスを生じていた部分である、カムシャフト31のカム部31a外周面とスライド体32の当接面との間に、その摩擦抵抗を軽減するためのニードルベアリング35a,35bを介装したことで、そのエネルギーロスを最小限に抑えるものとしており、同レベルの強さの入力でもより大きなプレス力の発揮が可能なものとなっている。
また、側板21a,21bの各軸孔で軸支される小径の軸部31b,31cの外周面と、軸孔の内周面との間にもニードルベアリング35c,35dが介装されており、カムシャフト31における回転時の摩擦抵抗をさらに軽減しながら装置の耐久性を確保している。尚、このように周壁を薄肉に形成した管状のニードルベアリング35a,35b,35c,35dを採用したことにより、装置のサイズアップや重量増加を最小限に抑えることにも成功している。
図3は、レザークラフトにおいて、カシメやホックを設ける場合を示したものであるが、スライド体32を構成しているプレスバー32cは、その先端側が底板22を貫通してその下面側に突出しており、その突出した先端面には縦向きの軸状に形成された工具の基端側(上端側)を挿入・固定するための図示しない挿入孔が開口しているとともに、その外周面には固定ネジ320が横向きに螺入されて工具の固定手段を構成している。
この例では、棒状に形成されたカシメ・ホック用の工具302をプレスバー32c先端側に連結・固定しており、カットされたレザー等のワーク100aが敷板500,500の上に載置された状態で、カシメ・ホックの設置作業を行うものとしている。尚、この作業に使用するハンドプレス機1は、スライド体32のストロークが14mm程度で下死点付近にて最大のプレス力を発揮するものであることが好ましい。
そして、図では敷板500を2枚使用してワーク100aを最適な高さ位置になるように調整してある。以上のような構成としたことで、片手で操作レバー33を操作しながら音を立てることなく僅かな力で作業を行えるようになっている。そのため、操作する手に過剰な負担をかけにくいことに加え、従来は夜間や早朝に連続したハンマー音を発することによる騒音問題を回避しやすいものとなった。
図4は、レザークラフトにおける菱目打ちの作業を行う場合を示している。この例では、スライド体32のプレスバー32c先端側には底面が平坦な分銅状の工具301が連結・固定されており、その平坦な底面に菱目打ち用の工具401の基端側を当接させた状態にして、プレス動作によりレザー等のシート状のワーク100aに菱目を形成させるものである。
図5は、カット前のレザー等のシート状部材であるワーク100bに対し型抜き作業でカットを行う場合を示している。この場合、敷板500の上にワーク100bを置いた状態として、その上にカット用の型402を置き、さらにその上に当て板としての金属板410を置いた状態とする。そして、図3で示したカシメ・ホック用の工具302を介装した状態で、その先端側に円柱状で底面が平坦なプレス用の工具303を連結してプレス作業を行うものとしている。
この場合、工具302は基端側の小径部302bをプレスバー32b先端側に連結し、先端側の小径部302cを工具の上面に開口した挿入孔に挿入して固定ネジ303bで締結して固定する。そして、型抜きの面積がある程度大きくて一度でカットできない場合は、プレス位置を複数箇所に分けてプレス動作を行えばよい。このように、複数回に分けてプレスすれば比較的大きな型抜きも可能であり、一つのハンドプレス機1で型抜きから型抜き後にハンマーを用いていた作業にも使用できることから、極めて便利なものとなっている。
以上、述べたように、ハンドプレス機について、本発明により、小さくても大きなプレス力を発揮できることに加え、ハンマーを用いて行う作業にも容易に使用できるようになった。
1 ハンドプレス機、2 支持板、3 プレス機構、10 載置台、21 31 カムシャフト、32 スライド体、32c プレスバー、33 操作レバー、35a,35b,35c,35d ニードルベアリング、100a,100b ワーク、301,302,401 工具

Claims (4)

  1. 本体の所定位置で両端側を軸支されるカムシャフトと、該カムシャフトに対し中心軸線の直角方向から接続された操作レバーと、前記本体の所定位置に設けられたワーク載置部と、該ワーク載置部上方で上下にスライド動作可能に配置されたスライド体とを備え、操作レバー先端側を手で所定方向に旋回させることにより回転した前記カムシャフトで前記スライド体を押し下げて前記ワーク載置部に載置したワークに対しプレス動作を行うハンドプレス機において、前記スライド体には、その下端側に前記ワークの加工に用いる工具を連結・固定するための固定手段が前記ワーク載置部上面との間で前記工具を配設可能な間隔を有して設けられており、先端側を下向きした前記工具の基端側が前記固定手段を介してスライド体に固定された状態で前記操作レバーを押し下げることにより、前記工具の下方に位置する前記ワークに対し所定の加工を実施可能とされている、ことを特徴とするハンドプレス機。
  2. 前記カムシャフトの偏芯した大径部分であるカム部には、その外周面に内周面を接しながら内周側と外周側との間で周方向の滑りを生じさせる管状のニードルベアリングが設けられており、該ニードルベアリングの外周面を前記スライド体の所定位置に押圧しながらプレス動作を行うものとされている、ことを特徴とする請求項1に記載したハンドプレス機。
  3. 前記固定手段は、その下面側に縦向きの軸状に形成された工具の上端側を下から挿入させる挿入孔が開口しており、所定の締結機構で前記工具の挿入部分を締結して固定するものとされている、ことを特徴とする請求項1または2に記載したハンドプレス機。
  4. 前記固定手段は、縦向きの軸状に形成された介装部材の上端側を前記挿入孔に挿入・固定することによっても構成され、前記挿入孔に固定された前記介装部材の下端側を所定の工具の基端側に当接又は連結した状態で作業を実施可能とされている、ことを特徴とする請求項3に記載したハンドプレス機。
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