JP2016128984A - 車両用情報入力装置 - Google Patents

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Teruo Yoshitomi
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Abstract

【課題】タッチパネルに接触して情報入力を行う際に、タッチパネルへの接触部を摩耗し難くする。
【解決手段】スライド板4(操作板)に、タッチパネル(タッチ入力式表示装置)の表面に接触するローラー10a(接触部)を備えて、このローラー10aをタッチパネルの表面に接触させた状態で移動させるときに、ローラー10aを、移動方向と直交する回転軸10b(転動中心軸)の周りに転動させて、タッチパネルの表面に接触した状態で転がりながら移動させる。
【選択図】図2B

Description

本発明は、タッチパネルを用いて情報入力を行う車両用情報入力装置に関するものである。
この種の車両用情報入力装置としては、例えば、特許文献1に示すタッチパネル式情報表示装置が知られている。このタッチパネル式情報表示装置は、タッチパネルの表面に沿って上下に移動可能なスライド板(操作板)を備え、このスライド板に形成された開口に、タッチパネルの表面に当接する位置検出部(接触部)を備えたダイヤルが取り付けられている。このダイヤルを回転させると、タッチパネルと位置検出部(接触部)の接触位置が移動するため、この接触位置の移動を検出することによって、ダイヤルの回転位置を検出して情報入力を行っていた。
特開2015−5279
しかしながら、特許文献1に記載されたタッチパネル式車両用情報表示装置にあっては、位置検出部(接触部)は常にタッチパネルの表面に接しているため、繰り返し使用している間に摩擦によって摩耗してしまい、接点としての役割を果たさなくなる虞がある。また、特許文献1に記載されているようにタッチパネルの表面に沿って移動するスライド板の一部として回転デバイスを用いたときには、回転デバイス自身の回転操作の他に、スライド板の移動によっても位置検出部(接触部)の摩耗が進む。特に車両においては、長期間に亘って使用できることが前提となるため、摩耗による寿命の短縮は問題であった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたもので、位置検出部(接触部)の機能を維持したまま、その摩耗を減らして寿命を延ばすことを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明に係る車両用情報入力装置は、タッチ操作によって情報入力を行うタッチ入力式表示装置と、前記タッチ入力式表示装置の表面の一部を覆い、前記タッチ入力式表示装置に対して情報入力を行う操作板と、を備えた車両用情報入力装置であって、前記操作板が、前記タッチ入力式表示装置の表面に接触する接触部を備えるとともに、前記接触部を前記タッチ入力式表示装置の表面で移動させることによって情報入力を行う際に、前記接触部が、前記タッチ入力式表示装置の表面に沿って転動可能とされたことを特徴とする。
本発明に係る車両用情報入力装置によれば、前記構成としたことによって、操作板を操作した際に、タッチ入力式表示装置の表面と接触する接触部が転動するため、タッチ入力式表示装置の表面と接触部との間の摩擦が、滑り摩擦ではなく転がり摩擦となる。したがって、接触部を摩耗し難くすることができ、接触部の長寿命化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る実施例1における車両用情報入力装置の外観を示す斜視図である。 図1の切断線A1−A1に沿う断面図である。 図1に示した操作板の底面図である。 実施例1の機能構成を示す機能ブロック図である。 スライド板(操作板)に取り付けられたダイヤルとローラー近傍の詳細な内部構造を示す断面図である。 図4を矢印A2の側から見た底面図である。 図5Aのダイヤルの動作について説明する図である。 図5Aを矢印B1の側から見た側面図である。 図5Aを矢印B2の側から見た側面図である。 ダイヤルの回転方向と回転量を検出する方法について説明する図である。 実施例1の具体的な動作について説明する図である。 実施例1の変形例における操作板の断面図である。 図9Aに示した操作板の底面図である。 ダイヤルを回転させたときに復元力を発生させる別の実施形態を示す斜視図である。 ローラーの別の実施形態を示す斜視図である。
以下、本発明の車両用情報入力装置の具体的な一実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成の説明)
図1は本発明の一実施形態である車両用情報入力装置100aの外観を示す斜視図である。また、図2Aは図1の切断線A1−A1に沿う断面図である。図2Bは図1に示したスライド板4(操作板)の背面側の外観を示す底面図である。図3は車両用情報入力装置100aの機能ブロック図である。
図1に示した車両用情報入力装置100aは、車両の運転席周辺やインストルメントパネル等に取り付けて用いられる。この車両用情報入力装置100aは、開口1aが設けられたケース本体(表示装置本体)1と、開口1a内に設けられた情報表示部2を有する。この情報表示部2は、図2Aに示すように、ケース本体1に保持された情報表示用の液晶表示器2aと、液晶表示器2aの表面に設けられてタッチ操作により画面操作を行う、静電容量方式のタッチパネル3(タッチ入力式表示装置)を有する。液晶表示器2aの裏面側には、後述する制御部20,記憶部30(図3)が実装されたプリント基板15が取り付けられている。
車両用情報入力装置100aは、図3に示すように、情報表示部2と、ダイヤル12と、制御部20と、記憶部30を備える。さらに、制御部20は、図3に図示しないCANシステムによって、車載されたオーディオ機器32,カーナビゲーション機器34,空調装置36,インターネット送受信部38と接続されている。この車両用情報入力装置100aは、車両の運転者をはじめとする乗員が、必要な情報操作を容易に行うことができるよう考慮されて設計された情報表示操作系をなしている。すなわち、車両の乗員は、タッチパネル3とダイヤル12を操作して必要な情報ソース(オーディオ,カーナビゲーション,空調,インターネット等)を選択し、必要な操作を行うことができる。
制御部20は、さらにダイヤル接触位置検出部22を備えている。このダイヤル接触位置検出部22は、タッチパネル押下位置検出部24と、ダイヤル回転方向、回転量検出部26と、操作板位置検出部28からなる。
記憶部30には、車両用情報入力装置100aを動作させるために必要なデータやテーブルが記憶されており、必要に応じて参照されて、必要な情報が読み出されて使用される。
再び図1に戻り、車両用情報入力装置100aは、情報表示部2の表面に沿って上下に移動可能にケース本体1に取り付けられたスライド板4(操作板)を有する。このスライド板4は、アルミニウム等の導電部材から形成されている。更に、スライド板4は、図2Aに示すように、タッチパネル3(タッチ入力式表示装置)の表面に沿わせて配置された表面板部4aと、表面板部4aの両側に連設された側板部4b、4cを有する。
本実施例では、図2Aに示すようにケース本体1の側部に長手方向に延びるガイド溝1b、1cが形成されていると共に、スライド板4の側板部4b、4cの内側面に係合爪4b1,4c1が設けられている。そして、この係合爪4b1,4c1を、それぞれガイド溝1b、1cに係合させることにより、スライド板4の表面板部4aが情報表示部2の表面(タッチパネル3の表面)に沿って移動可能にケース本体1に取り付けられている。なお、側板部4b、4cにケース本体1の裏面に当接する係合板部を設けて、スライド板4がケース本体1の裏面及び側面をガイドとして動くようにしてもよい。
情報表示部2は、このスライド板4(操作板)によって上下に分割されており、スライド板4より上方の部分にコンテンツAを表示させ、スライド板4より下方の部分にコンテンツBを表示させるような表示制御が行われる。
また、図1に示すように、表面板部4aの左右の部分には、情報表示部2を臨む正方形状(四角形状)のスイッチ表示用開口5,6が形成されている。スイッチ表示用開口5の辺5L1〜5L4は触覚式のスイッチ確認部として用いられ、スイッチ表示用開口6の角部6C1〜6C4は触覚式のスイッチ確認部として用いられる。
さらに、表面板部4aの中央部には、タッチパネル3(タッチ入力式表示装置)の表面に沿って回転可能なリング状(環状)のダイヤル12(回転操作部)が設置されている。このダイヤル12の中央部分には、情報表示部2を臨む円形状の開口7が形成されている。
スライド板4(操作板)の両側部には、スイッチ表示用開口5の縁部から側板部4bまで延びる操作突部8、及び、スイッチ表示用開口6の縁部から側板部4cまで延びる操作突部9がそれぞれ形成されている。
ダイヤル12(回転操作部)の裏面側には、図2Bに示すように、タッチパネル3(タッチ入力式表示装置)の表面に当接する円筒状のローラー10a(接触部)が設けられている。このローラー10aは導電性を有する、例えば導電ゴムや金属で形成されて、タッチパネル3に線接触しており、ダイヤル12の半径方向に延びる回転軸10b(転動中心軸)を有している。
ローラー10a(接触部)は、ダイヤル12(回転操作部)の回転操作に伴って、タッチパネル3(タッチ入力式表示装置)の表面に接触しながら回転軸10b(転動中心軸)の周りに回転して、表面板部4aを開口して形成された、図2Bに示す可動範囲13(変位可能範囲)の内部を円弧を描くように転動する。そして、タッチパネル3は、随時、ローラー10aの接触位置に対応する位置情報を出力する。この位置情報は、図3に示したダイヤル回転方向、回転量検出部26において、ダイヤル12の回転方向と回転量を検出するために用いられる。すなわち、ダイヤル12とローラー10aとで、タッチパネル3(図2A)の表面に沿って回転するロータリースイッチ19が構成されている。
ローラー10a(接触部)は、さらに、スライド板4(操作板)を上下にスライドさせて移動させたときに、タッチパネル3(タッチ入力式表示装置)の表面に接触しながら上下に転動して、ローラー10aの接触位置に対応する位置情報を出力する。この位置情報は、図3に示した操作板位置検出部28において、情報表示部2に対するスライド板4の上下方向の位置を検出するために用いられる。
(ダイヤルの詳細構造の説明)
ダイヤル12(回転操作部)の詳細構造について、図4,図5A,図6A,図6Bを用いて説明する。図4は、図2Aに示したスライド板4(操作板)に取り付けられたダイヤル12およびローラー10a近傍の構造をより詳しく示した断面図である。図5Aは、図4を矢印A2の側から見た底面図である。図6Aは図5Aを矢印B1の側から見た側面図である。図6Bは図5Aを矢印B2の側から見た側面図である。
ダイヤル12(回転操作部)は、図4に示すように、底面側(紙面下側)から見て、周囲に亘って凹状に形成された凹状部40を有している。この凹状部40の外側壁42の内面は、ダイヤル支持体60から起立したダイヤル回転ガイド壁62の外壁に沿わせて被せられている。そして、ダイヤル支持体表面パネル68がダイヤル12の上方側から嵌め込まれて、ダイヤル12の周囲端部44を上方から押さえている。これによって、ダイヤル12はダイヤル支持体60から抜け落ちないように保持される。なお、ダイヤル支持体60とダイヤル回転ガイド壁62とダイヤル支持体表面パネル68は、いずれも表面板部4a(図2A参照)の構成要素である。
ダイヤル12(回転操作部)の凹状部40には、内側壁46に沿ってねじりばね16が設置されている。このねじりばね16の一方の端部16aはL字状に曲げ加工されて、ダイヤル支持体60から上方に向けて突出したねじりばね固定部64に掛け止められている。また、ねじりばね16の他方の端部16bもL字状に曲げ加工されて、ダイヤル12の凹状部40から下方に向けて突出したねじりばね固定部48に掛け止められている。
スライド板4(操作板)の底面には、図5Aに示すように、ダイヤル12の開口7の中心O1とローラー10aの回転軸10b(転動中心軸)を結ぶ線分pに対して、角度±φの範囲にローラー10aの可動範囲13(変位可能範囲)が形成されている。そして、ダイヤル12に回転力を加えない状態にあるとき、ねじりばね固定部48,64はスライド板4(操作板)の左右方向に沿って整列している。そして、ローラー10aは可動範囲13の中点位置11にある。
図6Aは、図5Aをねじりばね固定部64の側から見た側面図(B1矢視図)である。また、図6Bは、図5Aをねじりばね固定部48の側から見た側面図(B2矢視図)である。図6Aに示すように、ねじりばね固定部64には溝部66が形成されており、ねじりばね16の端部16aは、この溝部66に掛け止められている。
また、図6Bに示すように、ねじりばね固定部48には溝部50が形成されており、ねじりばね16の端部16bは、この溝部50に掛け止められている。
ねじりばね16の端部16bは、さらに、ローラー10a(接触部)の中心軸を貫通しており、ローラー10aは、ねじりばね16の端部16bの周りに回転可能となっている。すなわち、ねじりばね16の端部16bは、ローラー10aの回転軸10b(転動中心軸)を兼ねている。
なお、ねじりばね16の端部16a,16bはスライド板4(操作板)の左右方向に沿う位置に掛け止められているため、ダイヤル12が回転していないときは、端部16bを回転軸10bとするローラー10aは、スライド板4の左右方向に沿う位置、すなわち、スライド板4の移動方向(上下方向)と直交する方向に配置されている。
(ダイヤルの動作の説明)
図5Aと図5Bを用いて、ダイヤル12(回転操作部)の動作について説明する。
図5Aの状態にあるダイヤル12(回転操作部)を、図5Bに示すように、矢印Pの方向、すなわち時計回り(図5Aは底面図であるため、ダイヤル12の実際の回転方向と反対になる)に角度θだけ回転させると、ローラー10aは回転軸10b(転動中心軸)の周りに回転して、タッチパネル3に接触しながら転動する。このとき、ローラー10aの回転軸10bはダイヤル12の回転方向と直交しているため、ローラー10aの摩耗は最小限に抑えられる。
なお、ねじりばね16の端部16aが掛け止められたねじりばね固定部64はダイヤル支持体60に固定されており、ねじりばね16の端部16bが掛け止められたねじりばね固定部48はダイヤル12に固定されている。したがって、ダイヤル12を回転させると、ねじりばね16にはダイヤル12の回転量に応じた復元力が発生する。そのため、回転させたダイヤル12から手を離すと、ねじりばね16の復元力によって、ダイヤル12は図5Aに示す中点位置11に復帰する。すなわち、ダイヤル12(ローラー10a)は、手を離したときに、可動範囲13(変位可能範囲)の中点位置11に自動的に復帰する中点復帰機構17を備えている。
さらに、ローラー10aは、ダイヤル12から手を離したときに、回転軸10bの方向が、スライド板4の移動方向(上下方向)と直交する方向(左右方向)に自動的に復帰する軸方向調整機構18を備えている。
したがって、ダイヤル12から手を離した状態にあるとき、すなわち、ローラー10aの回転軸10b(転動中心軸)がスライド板4(操作板)の左右方向に沿う位置にあるとき、スライド板4を上下方向に移動させると、ローラー10aはタッチパネル3の表面を転動する。このとき、ローラー10aの回転軸10bはこの移動方向と直交しているため、ローラー10aの摩耗は最小限に抑えられる。
(ダイヤル位置の検出方法の説明)
ダイヤル12(回転操作部)の回転方向と回転量は、図3に示したダイヤル接触位置検出部22において検出される。
ダイヤル12の回転方向と回転量を検出するために、まず、ローラー10a(接触部)がタッチパネル3のどの位置に接触しているかを検出する。この検出は、図3に示したタッチパネル押下位置検出部24において行われる。検出されたタッチパネル3の押下位置は、時刻tの関数として逐次出力される。このとき出力される押下位置を、タッチパネル3の裏面側左上を原点O2(0,0)とするXY座標系(図7)の座標値を用いて、押下位置(x(t),y(t))とする。
なお、本実施例において、円筒形状を有しているローラー10aは、タッチパネル3に対して線接触する。タッチパネル押下位置検出部24は、この線接触した複数の点の重心位置を、タッチパネル3の押下位置として出力する。
ダイヤル回転方向,回転量検出部26は、タッチパネル押下位置検出部24が出力した押下位置(x(t),y(t))の情報を受けて、ローラー10aが中点位置11(図5A)にあるときに出力されるタッチパネル3の押下位置と、ダイヤル12が回転したときに、タッチパネル押下位置検出部24が出力した押下位置とを比較することによって、ダイヤル12の回転方向と回転量を検出する。この検出方法について、図7を用いて説明する。
図7は、タッチパネル3上に設定したXY座標系において、ダイヤル12が回転していない状態にあるときのローラー10aと、ダイヤル12が角度θだけ時計回りに回転した状態にあるときのローラー10aを、それぞれ、タッチパネル3の裏面側から見た図である。図7において、ダイヤル12が回転していないときには、押下位置(x0,y0)が出力されるものとする。また、ダイヤル12を時計回りに角度θ回転したときに、押下位置(x1,y1)が出力されるものとする。
このとき、ダイヤル12の回転量を表す角度θは(式1)によって算出される。
θ=atan{(y0−y1)/(x0−x1)} (式1)
ここで、atanは逆正接関数を表す。
また、ダイヤル12の回転方向は、式1における(y0−y1)の符号によって判断することができる。すなわち、(y0−y1)の符号が正であるときは、ダイヤル12は時計回り(図7では反時計回り)に回転された状態にあると判断される。また、(y0−y1)の符号が負であるときは、ダイヤル12は反時計回り(図7では時計回り)に回転された状態にあると判断される。
操作板位置検出部28は、タッチパネル押下位置検出部24が出力した押下位置(x(t),y(t))とダイヤル回転方向,回転量検出部26の検出結果を受けて、スライド板4(操作板)の上下方向位置を検出する。
なお、ダイヤル12が回転すると、ローラー10aの上下位置が変化するため、スライド板4が上下方向に移動したのと区別がつかなくなる。そのため、ダイヤル12が回転しているときはスライド板4の上下方向位置の検出を中断する。そして、ダイヤル12が回転していないとき(ダイヤル12が中点位置11にあるとき)に検出されたタッチパネル3の押下位置に基づいてスライド板4の上下方向位置の検出を行う。
具体的には、ローラー10aの押下位置のX座標と、ダイヤル12が回転していないときの押下位置のX座標(x0)との差が所定値以上あるときには、ダイヤル12が回転しているものと判断する。そして、スライド板4の上下方向位置の更新は行わない。一方、ローラー10aの押下位置のX座標と、ダイヤル12が回転していないときの押下位置のX座標(x0)との差が所定値以内であるときには、タッチパネル3の押下位置のy座標をスライド板4の上下方向位置とする。
(実施例1の作用の説明)
図8を用いて、実施例1で説明した車両用情報入力装置100aの実際の作用について、オーディオのボリュームを変更する場合を例にあげて説明する。
車両用情報入力装置100aは、車両に搭載された各種情報機器(オーディオ機器,カーナビゲーション機器,空調装置等)を統合的に操作することができる。図8は、情報表示部2に表示される情報の一例を示す図である。図8に示すように、情報表示部2において、車両に搭載された各種情報機器の動作状態を一望することができる。さらに、制御部20(図3)の作用によって、それらの情報機器に対して所望の操作を行うことができる。
図8に示す例では、コンテンツAとして、GPS等から得られた情報に基づくカーナビゲーションシステム用の地図画面が表示されている。この地図画面の下縁部の左右には、スライド板4(操作板)の上縁に近接した位置に、目的地設定に用いる「Search」ボタンSbと、ナビの詳細設定をするための「Menu」ボタンMbが表示されている。この「Search」ボタンSbと「Menu」ボタンMbは、スライド板4の上下方向の移動に伴って、スライド板4との位置関係が変わらないように表示位置が移動する。
地図画面の上縁部中央には右左折地点までの距離及び右左折方向を示す簡易経路誘導表示部D1が表示されている。また、地図画面の上縁部の左隅には地図を縮小させる「−」ボタンが表示され、地図画面の上縁部の右隅には地図を拡大させる「+」ボタンが表示されている。なお、地図画面に触れてピンチイン操作,ピンチアウト操作を行うことによっても地図画面の拡大縮小を行うことができる。さらに、地図画面に触れて上下左右にスライド操作することによって、地図画面を上下左右にスクロールすることができる。
制御部20(図3)は、情報表示部2に表示するコンテンツBの内容を選択させることができる。すなわち、図8に示すように、制御部20は情報表示部2の下縁部にコンテンツを選択するためのコンテンツ表示バー25を表示する。このコンテンツ表示バー25のうち、押下されたボタンに対応する情報が、コンテンツBとして情報表示部2に表示される。
また、制御部20(図3)は、図8に示すように、スイッチ表示用開口5の内部にスイッチ表示部5Sを設定して、複数の触覚式のスイッチ確認部である辺5L1,5L3に対応させて、2つ(複数)の選択スイッチSw1,Sw2を表示させる。そして、図8に示すように、コンテンツAとして地図画面が表示されているとき、選択スイッチSw1は現在位置表示用の選択スイッチとしてされ、選択スイッチSw2は右左折地点表示用のスイッチとされる。
ここで、操作者の指示によって、制御部20(図3)が、「オーディオやラジオ」を操作対象として選択した場合を例にあげて、車両用情報入力装置100aの作用を説明する。
操作対象として「オーディオやラジオ」が選択されたとき、ダイヤル12内の開口7に対応する領域には、タッチパネル3上に表示部12Sが形成されて、ボリューム(音量)表示がなされる。このボリューム表示は、円弧状のボリュームバー12Vとボリュームを表す数値12Wで構成される。このボリュームバー12Vの長さとボリュームの数値12Wは、ダイヤル12を回転操作することによって増減変更される。すなわち、制御部20(図3)は、ダイヤル12が回転操作されて、タッチパネル3からローラー10aの接触位置を示す信号が入力されると、この信号に基づいて、タッチパネル3の押下位置を算出して、さらに、ダイヤル12の回転方向と回転量を算出する。この回転量がダイヤル12の中点位置11から所定角度以上大きいときに、ボリュームバー12Vの長さとボリュームの数値12Wを所定量ずつ増加、または減少させる。ボリュームを増加させるか減少させるかは、ダイヤル12の回転方向によって判断される。すなわち、ダイヤル12が時計回りに回転されたときはボリュームを増加させて、ダイヤル12が反時計回りに回転されたときはボリュームを減少させる。
ボリュームを大きく増加または大きく減少させたいときには、ダイヤル12を所定角度以上回転させる操作を複数回繰り返す。すなわち、ダイヤル12を所定角度以上回転させた後で中点位置11に戻し、再度同じ方向に所定角度以上回転させる操作を行う。このような操作を行うことによって、ダイヤル12を時計回りに所定角度以上M回回転させると、ボリュームバー12Vとボリュームの数値12Wを所定量のM倍増加させることができる。同様に、ダイヤル12を反時計回りに所定角度以上N回回転させると、ボリュームバー12Vとボリュームの数値12Wを所定量のN倍減少させることができる。
なお、上記したボリュームバー12Vの長さとボリュームの数値12Wの変更方法は一例であって、上記の方法に限定されるものではない。すなわち、ダイヤル12を回転させた状態で保持すると、保持している間に亘ってボリュームバー12Vの長さとボリュームの数値12Wが増加(減少)するようにすることもできる。
(実施例1の変形例の説明)
図9Aは実施例1の変形例である、車両用情報入力装置100bのスライド板14(操作板)の断面図である。このスライド板14は、実施例1で説明したスライド板4(図1)と交換可能であり、図9Aに示す断面図は、スライド板14を、図1に示すケース本体1に装着した状態で、図2Aと同様に切断線A1−A1で切った断面図を示す。また、図9Bは、スライド板14(操作板)の背面側の外観を示す底面図である。
スライド板14(操作板)は、図9A,図9Bに示すように、実施例1で説明したスライド板4(操作板)が有する表面板部4aの代わりに表面板部4dを有している。そして、表面板部4dは、ローラー10a(接触部)に加えてローラー10c(接触部)を備えている。
このローラー10c(接触部)は、図9Bに示すように、表面板部4dに埋め込まれて、スライド板14(操作板)の左右方向に延びる回転軸10d(転動中心軸)を有し、表面板部4dに開口されたローラー開口部10eからスライド板14の裏面側に向けて突出して、タッチパネル3(タッチ入力式表示装置)に線接触している。
実施例1では、ローラー10a(接触部)とタッチパネル3の接触位置に基づいて、ダイヤル12の回転方向,回転量と、スライド板4(操作板)の上下方向の位置をそれぞれ検出したが、本変形例では、ローラー10aとタッチパネル3の接触位置に基づいてダイヤル12の回転方向,回転量を検出して、ローラー10c(接触部)とタッチパネル3の接触位置に基づいてスライド板14の上下方向の位置を検出する。
すなわち、実施例1にあっては、前述したように、ダイヤル12(回転操作部)が回転していないことを確認した上で、スライド板4(操作板)の上下方向位置を検出する必要があった。
これに対して、本変形例にあっては、ローラー10a(接触部)の接触位置の移動に基づいてダイヤル12の回転方向,回転量を検出して、ローラー10c(接触部)の接触位置の移動に基づいてスライド板14(操作板)の上下方向の位置を検出する。したがって、前述したように、ローラー10aの接触位置を検出するための複雑な処理を行うことなく、ダイヤル12の回転方向,回転量と、スライド板14(操作板)の上下方向の位置をそれぞれ検出することができる。そのため、ダイヤル12の回転方向,回転量とスライド板14(操作板)の上下方向位置を、より一層簡便に検出することができる。
さらに、前述した実施例1では、図2Aに示したように、スライド板4(操作板)は係合爪4b1,4c1とローラー10aによってタッチパネル3上に保持されていたが、本変形例では、図9Aに示すように、係合爪4b1,4c1とローラー10aに加えて、ローラー10cも保持部材となるため、スライド板14を、タッチパネル3上により一層安定して保持することができる。
以上説明したように、実施例1に係る車両用情報入力装置100aによれば、スライド板4(操作板)がタッチパネル3(タッチ入力式表示装置)の表面に接触するローラー10a(接触部)を備えて、このローラー10aをタッチパネル3の表面に接触させた状態で移動させたときに、ローラー10aはタッチパネル3の表面に接触した状態で転がりながら移動(転動)するため、タッチパネル3の表面とローラー10aとの間の摩擦が、滑り摩擦ではなく転がり摩擦となる。したがって、ローラー10aを摩耗し難くすることができ、よって、ダイヤル12の長寿命化を図ることができる。
また、実施例1に係る車両用情報入力装置100aによれば、スライド板4(操作板)に、ダイヤル12(回転操作部)とローラー10a(接触部)とを有するロータリースイッチ19を設けた。これによって、ダイヤル12を回すことで、ローラー10aがタッチパネル3(タッチ入力式表示装置)の表面に沿って転動しながら円または円弧を描くように変位することになるので、ローラー10aの摩擦を減らすことができる。よって、ロータリースイッチ19を、ローラー10aの摩耗が少ない長寿命のものとすることができる。
そして、実施例1に係る車両用情報入力装置100aによれば、ローラー10a(接触部)を、円または円弧状の可動範囲13(変位可能範囲)の中点位置11に復帰させる中点復帰機構17を設けたため、ダイヤル12(回転操作部)に対する操作力を解除したときに、ローラー10aの位置が、可動範囲13の中点位置11に自動的に復帰する。よって、ダイヤル12を大きく回してローラー10aを一度に大きく変位させる必要がある操作を、ダイヤル12を適度に回してローラー10aを小さく変位させた後でダイヤル12から手を離してローラー10aを中点位置11に復帰させる操作の繰り返しに変更することができる。その結果、ロータリースイッチ19に対する操作の煩わしさを軽減することができるとともに、ローラー10aの可動範囲13を小さく抑えることによって、ロータリースイッチ19の構造を簡略化することができる。
さらに、実施例1に係る車両用情報入力装置100aによれば、スライド板4(操作板)は、タッチパネル3(タッチ入力式表示装置)の表面に沿って移動可能とされるとともに、スライド板4(操作板)の移動時に、ローラー10a(接触部)の転動の中心となる回転軸10b(転動中心軸)を、スライド板4(操作板)の移動方向と直交する方向へ向ける軸方向調整機構18を備えたため、スライド板4(操作板)の移動時には、ローラー10aの回転軸10bがスライド板4(操作板)の移動方向と直交する方向に向く。したがって、スライド板4(操作板)の移動時におけるローラー10aの摩耗を最小限に抑えることができる。
また、実施例1に係る車両用情報入力装置100aによれば、スライド板4(操作板)に備えられた、スライド板4の移動方向と直交する方向の回転軸10b(転動中心軸)を有する円筒状のローラー10a(接触部)が、タッチパネル3(タッチ入力式表示装置)の表面に線状に接触する。したがって、ローラー10aが移動した際の摩耗が低減されるため、ローラー10aの長寿命化を図ることができるとともに、ダイヤル12(回転操作部)の半径方向に沿う回転軸10bを有するローラー10aがタッチパネル3(タッチ入力式表示装置)の表面に線状に接触するため、ロータリースイッチ19を回転させた際のがたつきが軽減される。また、スライド板4(操作板)を上下に移動させた際のがたつきが軽減される。
なお、実施例1の変形例に係る車両用情報入力装置100bによれば、ダイヤル12の回転方向,回転量を検出するローラー10a(接触部)の他に、スライド板14(操作板)の上下方向位置を検出するローラー10c(接触部)を設けたため、ダイヤル12の回転方向,回転量とスライド板14(操作板)の上下方向位置をより一層簡便に検出することができるとともに、スライド板14(操作板)を、タッチパネル3(タッチ入力式表示装置)上に、より一層安定して保持することができる。
ここで、前述した実施例1およびその変形例では、静電容量方式のタッチパネル3の表面に、導電性を有する、例えば導電ゴムや金属で形成されたローラー10a,10cを接触させて、ダイヤル12の回転方向と回転量、およびスライド板の上下方向の位置を検出したが、使用するタッチパネルは静電容量方式に限定されるものではない。すなわち、感圧方式や抵抗膜方式のタッチパネルを使用することもできる。なお、その場合には、ローラー10a,10cは導電性を有する必要がない。
また、前述した実施例1およびその変形例では、ねじりばね16を用いてダイヤル12に、回転角度に応じた復元力を発生させたが、これは、ねじりばね16の代わりに引っ張りばねを設けて実現することもできる。すなわち、図10の斜視図に示すように、ローラー10aの反対側に設けた突起部14に、対向する2方向に延びる引っ張りばね16c,16dを固定して、ダイヤル12の回転角度に応じた復元力を発生させてもよい。このとき、引っ張りばね16c,16dの他端は、図10に図示しないスライド板4(操作板)に固定される。
また、ローラー10a(接触部)は、実施例1およびその変形例で説明したような円筒状のローラーに限定されるものではない。すなわち、図11の斜視図に示すように、円筒状のローラーの端部外周面に導電性を有する複数の凸状接点10gを周状に配列して、ローラー10fとして形成してもよい。このように複数の凸状接点10gを周状に配列することによって、ローラー10fを回転させたときにクリック感を生じさせることができる。したがって、ローラー10fの操作者がローラーの回転量を把握できるため、操作性を向上させることができる。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。
4・・・・・スライド板(操作板)
4a・・・・表面板部
7・・・・・開口
10a・・・ローラー(接触部)
10b・・・回転軸(転動中心軸)
12・・・・ダイヤル(回転操作部)
13・・・・可動範囲(変位可能範囲)
19・・・・ロータリースイッチ
100a・・車両用情報入力装置

Claims (5)

  1. タッチ操作によって情報入力を行うタッチ入力式表示装置と、前記タッチ入力式表示装置の表面の一部を覆い、前記タッチ入力式表示装置に対して情報入力を行う操作板と、を備えた車両用情報入力装置であって、
    前記操作板が、前記タッチ入力式表示装置の表面に接触する接触部を備えるとともに、
    前記接触部を前記タッチ入力式表示装置の表面で移動させることによって情報入力を行う際に、前記接触部が、前記タッチ入力式表示装置の表面に沿って転動可能とされたことを特徴とする車両用情報入力装置。
  2. 前記操作板は、前記タッチ入力式表示装置の表面に沿って回転する回転操作部と、
    前記回転操作部の回転に伴って転動しながら前記タッチ入力式表示装置の表面に沿って円または円弧を描くように変位する前記接触部と、を有するロータリースイッチを備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用情報入力装置。
  3. 前記接触部を、円または円弧状の変位可能範囲の中点位置に復帰させる中点復帰機構を有することを特徴とする請求項2に記載の車両用情報入力装置。
  4. 前記操作板は、前記タッチ入力式表示装置の表面に沿って移動可能とされるとともに、
    前記操作板の移動時に、前記接触部の転動の中心となる転動中心軸を、前記操作板の移動方向と直交する方向へ向ける軸方向調整機構を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用情報入力装置。
  5. 前記接触部は前記操作板に備えられた円筒状のローラーによって形成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用情報入力装置。
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