JP2016128971A - 予兆診断システム及び予兆診断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械設備の状態の長期及び短期の予兆診断を良好な精度で行うことを可能とする。【解決手段】予兆診断システム1は、機械設備に設置した複数のセンサからのセンサデータを時系列データとして取得し、時系列データを学習データとした統計的手法により、機械設備の異常や性能などの状態を示す指標である状態測度を算出する状態測度算出部12と、過去から現在までの状態測度の推移を、多項式により近似した近似式を算出する近似式算出部13と、近似式を用いて、将来の所定の時点までの状態測度を推定する状態測度推定部14と、近似式を算出するために参照する状態測度の期間を設定する参照期間設定部19とを備え、参照期間設定部19は、参照期間として最新の時系列データの取得時刻を含む第1期間か、第1期間よりも短く、最新の時系列データの取得時刻を含む第2期間かを設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、機械設備の状態を診断する予兆診断システム及び予兆診断方法に関する。
建設機械、医療機器、風力・太陽光や火力などの発電設備、水処理、プラントなどの各種の機械設備において、機械設備の異常による稼働率低下や、性能や品質の劣化による最終仕様の未達、信頼性の不足など、顧客への悪影響を未然に防止するため、定期保守が行われている。しかしながら、定期保守を実施していても、故障による機械設備のダウンや性能の劣化は避けられず、機械設備に付加したセンサのデータに基づく異常の早期発見(異常予兆検知)は言うに及ばず、性能や品質のモニタ(監視)といった概念も重要になってきている。
しかし、多くのセンサデータや膨大な機械設備情報、保守履歴情報があるなかで、機械設備の状態を把握し、あとどれくらい故障しないで稼働可能なのか(設備の稼働継続可能時間)を予測することは、設計及び現場の両知識と、多くのデータ解析を必要とし、難易度が高く困難を伴うものであった。
例えば、特許文献1には、機械設備から取得した多次元のセンサデータにガウシアンプロセス、k−NN(k-Nearest Neighbor)法、粒子フィルタ法などを適用して、当該機械設備の異常測度を推定し、更にはRUL(Remaining Useful Life)を推定する異常診断手法が開示されている。
また、特許文献2には、プラントのプロセス状態量を取得し、第1の期間(例えば、1日)ごとに、制御システムの性能評価指標値を算出し、第1の期間よりも長い第2の期間(例えば、1ヶ月)分の性能評価指標値を用いてトレンドを算出する手法が開示されている。
特開2013−152655号公報 特開2013−58099号公報
しかしながら、機械設備の状態は時々刻々と変化するため、例えば、特許文献1に開示されたように、保守作業を行うごとに、近傍の期間の異常測度のトレンドを分析して用いるのでは、長期間先の異常測度の推定やRULの推定などの予測を、十分な精度で行うことが難しい場合がある。また、特許文献2に開示されたように、トレンドを算出する際に一定の長さの期間についての時系列データを用いると、機械設備全体の寿命のような長期間先の予測と、部品の交換時期のような短期間先の予測とを、ともに十分な精度で行うことが難しい場合がある。
そこで、本発明は、機械設備の状態について、長期及び短期先の予兆診断を、良好な精度で行うことができる予兆診断システム及び予兆診断方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る予兆診断システムは、機械設備の状態を診断する予兆診断システムであって、前記機械設備に設置した複数のセンサからのセンサデータを時系列データとして取得する時系列データ取得部と、前記時系列データを学習データとした統計的手法により、前記機械設備の状態を示す指標である状態測度として、前記機械設備の正常状態からの乖離の大きさを示す指標である異常測度又は前記機械設備の性能を示す指標である性能測度を算出する状態測度算出部と、過去から現在までに取得した前記時系列データに基づいて算出した前記状態測度の推移を、多項式により近似した近似式を算出する近似式算出部と、前記近似式を用いて、将来の所定の時点までの状態測度を推定する状態測度推定部と、前記近似式算出部が前記近似式を算出するために参照する前記状態測度に対応する前記時系列データが取得された期間である参照期間を設定する参照期間設定部と、を備え、前記参照期間設定部は、前記参照期間として、最新の前記時系列データが取得された時刻を含む第1期間か、前記第1期間よりも短く、前記最新の時系列データが取得された時刻を含む第2期間かを設定し、前記近似式算出部は、前記参照期間設定部が設定した前記参照期間に取得された前記時系列データについての状態測度を用いて前記近似式を算出するように構成される。
本発明によれば、機械設備の状態について長期及び短期の予兆診断を良好な精度で行うことができる。
なお、前記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態に係る予兆診断システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る予兆診断システムにおける状態測度算出部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態において用いられる状態測度の算出手法の例として、k−NN法を説明する図である。 本発明の実施形態において用いられる状態測度の算出手法の例として、局所部分空間法を説明する図である。 本発明の実施形態において用いられる異常測度の例を模式的に示すグラフ図である。 本発明の実施形態において用いられるフィルタ処理後の異常測度の例を模式的に示すグラフ図である。 本発明の実施形態において、状態測度として異常測度を用いた場合の予兆診断の手法を説明するための説明図である。 本発明の実施形態において、状態測度として性能測度を用いた場合の予兆診断の手法を説明するための説明図である。 本発明の実施形態に係る予兆診断システムにおいて、予兆診断処理の流れを示すフローチャートである。 図9に示したフローチャートにおける状態測度算出処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る予兆診断システムの診断対象となる機械設備の異常測度の推移を模式的に示すグラフ図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は適宜に省略する。
本発明の実施形態に係る予兆診断システムは、工場、商業施設、工事現場、病院などで使用される機械設備の稼働率を維持・向上するため、機械設備の正常状態からの乖離の大きさを示す指標である異常測度や機械設備の性能を示す指標である性能測度である機械設備の状態測度を把握して、異常発生や性能低下などの予兆診断のための情報を提供するものである。そのために、診断対象となる機械設備からセンサデータ、又はセンサデータに加えて、稼働情報、イベント情報、設備負荷、作業報告書などに関する情報を取得し、取得した情報を用いて、現在から将来にかけての機械設備の状態測度を推定し、更には機械設備の稼働継続可能時間(RUL;余寿命)を推定する。
ここで、図11を参照して、機械設備の状態測度の経時変化について説明する。図11では、状態測度として、機械設備の状態が劣化するほど指標値が上昇する異常測度を用いて説明するが、機械設備の状態が劣化するほど指標値が低下する性能測度を用いた場合でも、変化の方向が異なるだけで同様である。
機械設備の異常測度は、比較的に劣化し易く短期間で交換が必要となる部品の劣化による変動と、機械設備の全体が劣化してオーバーホールや主要ユニットの交換などの大規模な保守作業が必要な変動とがある。部品レベルの劣化による変動Bは比較的に短い期間Bの変化として現れる一方で、機械設備の全体が劣化するような変動Aは比較的に長い期間Aに亘って徐々に上昇する変化として現れる。
そこで、本発明の実施形態に係る予兆診断システムは、短期の変動及び長期の変動の何れも良好な精度で推定して、予兆診断のための情報として提供するものである。
なお、本明細書において、機械設備の「性能」には、機械設備が有する機能以外の出力形態や、機械設備が製造する製品などの出来具合などに関連する量や質的な変数が対応している。例えば、「性能」は、ガスエンジンの燃費が悪くなることや、プレス機の対象加工品の精度が劣化した程度を指すものである。
また、「RUL」は、診断対象である機械設備としては正常な範囲で稼働することができるが、性能が所定のレベル(例えば、最大性能の60%など)よりも低下する状態に到達するまでの期間をいう場合も含むものである。これによって、機械設備の性能が低下し過ぎる前に、計画的に保守作業を実行して、機械設備の生産性を高く維持することが可能となる。
更にまた、「予兆診断」とは、機械設備が稼働不能となる異常な状態に達するかどうかを診断することに限らず、正常な状態の範囲で稼働可能ではあるが、機械設備の性能の低下の程度を診断することも含むものである。
[予兆診断システムの構成]
まず、図1を参照して、本実施形態に係る予兆診断システム1の構成について説明する。
図1に示すように、予兆診断システム1は、時系列データ取得部10と、時系列データ記憶部11と、状態測度算出部12と、近似式算出部13と、状態測度推定部14と、RUL算出部(稼働継続可能時間算出部)15と、異常予兆検知部16と、出力部17と、センサデータ抽出部18と、参照期間設定部19とを備えて構成されている。
時系列データ取得部10は、インターネット網などを介して、診断対象である機械設備から出力される多次元のセンサデータを取得する手段である。センサデータは、取得時刻(又はセンサで測定された時刻)と対応付けられた時系列データとして取り扱われる。時系列データ取得部10は、取得した最新の、すなわち現在の時系列データを取得するごとに、時系列データ記憶部11に順次に記憶させることで蓄積する。
なお、現在の時系列データについては、時系列データ取得部10から状態測度算出部12に直接出力するようにしてもよい。
時系列データ記憶部11は、時系列データ取得部10から入力された時系列データを記憶するものである。また、時系列データ記憶部11に記憶される時系列データは、状態測度算出部12及びセンサデータ抽出部18によって、過去及び現在の時系列データとして適宜に参照される。
なお、時系列データ記憶部11に、新たに取得した時系列データを追加する場合は、不図示の評価手段によって、データとしての妥当性(異常ではないこと、既に時系列データ記憶部11に格納されているデータとの類似性)を評価した後に蓄積され、正常状態における過去の時系列データとして活用できる形態になっている。
また、診断対象となる機械設備が複数である場合は、時系列データは、診断対象の単位となる各機械設備に対応付けて記憶される。
時系列データ記憶部11に記憶される時系列データには、センサデータの他に、環境データとしてイベントデータ、稼働データ、負荷データ、保守履歴データなどが含まれるようにしてもよい。これらのデータは、何れもそれぞれが取得された時刻に対応付けられている。
ここで、イベントデータとは、機械設備の運転状態を示すものであり、例えば、機械設備の起動や停止などの運転パターンの制御状態を示すものである。
稼働データとは、機械設備の運転時間や操作時間などの稼働時間やその累積時間を示すものである。例えば、ショベルなどでは、走行時間や旋回動作の時間などの動作の詳細時間が該当する。
負荷データとは、機械設備にかかる負荷状態を示すものであり、例えば、エンジンにかかる負荷の状況や燃費、医療設備における患者数、工作機械における被加工物の硬さなどが該当する。
保守履歴データとは、機械設備に関して過去の故障内容、部品交換などの作業履歴を示すものであり、保守作業として行われた作業項目のリストが含まれている。
状態測度算出部12は、時系列データ記憶部11に記憶されている現在及び過去の時系列データを参照して、この時系列データを学習データとした統計的手法により、機械設備の状態を示す指標である状態測度を算出するものである。また、状態測度算出部12は、センサデータ抽出部18から状態測度を算出する際に用いるセンサデータの種別を入力して、当該特定の種別のセンサデータからなる多次元センサデータを用いて状態測度を算出する。状態測度算出部12は、算出した状態測度を近似式算出部13、異常予兆検知部16及び参照期間設定部19に出力する。また、状態測度算出部12は、算出した状態測度を時系列データとして不図示の記憶手段に蓄積しておき、近似式算出部13などからの要求に応じた期間についての状態測度の時系列データを出力するように構成してもよい。
また、状態測度算出部12は、図2に示すように、第1状態測度算出部121と、第2状態測度算出部122と、状態測度統合部123と、フィルタ処理部124とを備えている。第1状態測度算出部121及び第2状態測度算出部122は、互いに異なる手法により状態測度を算出するものである。第1状態測度算出部121及び第2状態測度算出部122は、それぞれが算出した状態測度を状態測度統合部123に出力する。
状態測度を算出する手法としては、ベクトル量子化法や局所部分空間法などを用いることができる。これらの状態測度を算出する手法の説明については後記する。
なお、第1状態測度算出部121及び第2状態測度算出部122は、それぞれ、多次元のセンサデータをそのまま多次元ベクトルとして用いてもよいが、特徴変換を施した特徴量を用いるようにしてもよい。特徴変換の手法としては、例えば、主成分分析、独立成分分析、ウェーブレット変換などを用いることができる。特徴変換を施すことによって、時系列データの次元数を低減したり、状態測度の感度を向上させたりすることが可能となる。
状態測度統合部123は、第1状態測度算出部121及び第2状態測度算出部122から、それぞれが算出した状態測度を入力し、2つの状態測度を1つの値に統合して、フィルタ処理部124に出力する。
2つの状態測度を統合する方法としては、調和平均、加重平均などを用いることができる。特に、異なる手法によって算出された状態測度を、それぞれの状態測度の特性を損なわずに、かつ、それぞれの状態測度の特性が強調され過ぎないように統合するには、調和平均を用いることが好ましい。
なお、状態測度を算出するために用いる手法は、2つに限定されるものではなく、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、3つ以上の手法で状態測度を算出する場合は、調和平均することで1つの値に統合することが好ましい。
フィルタ処理部124は、状態測度統合部123から1つに統合された状態測度を入力し、状態診断の感度又は信頼性を向上させたり、ノイズを除去するために、時間軸方向に所定のフィルタ処理を施すものである。フィルタ処理部124によるフィルタ処理後の状態測度は、図1に示す近似式算出部13、異常予兆検知部16及び参照期間設定部19に出力される。
なお、本実施形態では、統合した状態測度にフィルタ処理を施すようにしたが、各手法により算出された状態測度にフィルタ処理を施した後に、統合するようにしてもよい。
フィルタ処理の方法としては、例えば、所定の時間幅についての移動平均を算出する移動平均フィルタや、所定の時間幅についての最小値を算出する最小値フィルタ、所定の時間幅についての最大値を算出する最大値フィルタなどを用いることができる。
ここで、図7に示すように、状態測度として、機械設備の状態が劣化するほど指標値が上昇する異常測度を用いたときに、フィルタ処理を適用する場合を例として説明する。
フィルタ処理として最小値フィルタを用いた場合は、例えば、図7に示すように、上下に大きく振動しながら変化する異常測度の波形200が、細かいピークの下限値を接続したような波形201に変換される。最小値フィルタを用いることで、ノイズの重畳によって異常測度の上昇が過大に評価されることを抑制することができる。このため、高い確度で予兆診断を行うことができる。
また、フィルタ処理として最大値フィルタを用いた場合は、異常測度の最大値を逃さずに把握することができる。このため、高い感度で異常診断を行うことができる。
また、フィルタ処理として移動平均フィルタを用いた場合は、最大値フィルタと最小値フィルタとの中間的な特性の予兆診断を行うことができる。
なお、これのらフィルタ処理において、フィルタサイズである時間幅は、異常測度の周波数特性や異常測度に含まれるノイズ成分の周波数特性などに応じて、適宜に定めることができる。
また、状態測度として、機械設備の状態が劣化するほど指標値が低下する性能測度を用いる場合は、異常測度を用いる場合とは反対に、最大値フィルタを用いることで予兆診断の確度を高めることができ、最小値フィルタを用いることで予兆診断の感度を高めることができる。
また、第1近似式を算出するために用いる状態測度と、第2近似式を算出するために用いる状態測度とについて、それぞれ異なるフィルタ処理を施すようにしてもよい。
例えば、長期の予兆診断用の第1近似式を算出するために用いられる状態測度について、所定の周波数以上の成分を除去又は低減するローパスフィルタ処理を施すようにしてもよい。これによって、短期の変動による影響を抑制して、長期の予兆診断を精度よく行うことができる。
また、短期の予兆診断用の第2近似式を算出するために用いられる状態測度について、所定の周波数以下の成分を除去又は低減するハイパスフィルタ処理を施すようにしてもよい。これによって、長期の変動によってベースレベルがかさ上げされる影響を抑制して、短期の予兆診断を精度よく行うことができる。
更に、これらのフィルタ処理と前記した最小値フィルタ処理や最大値フィルタ処理とを組み合わせて用いるようにしてもよい。
次に、状態測度を算出する2つの手法について説明する。
本実施形態では、何れの手法においても、診断対象である機械設備が正常に稼働している間にセンサで測定することで得られた時系列データ(以下、「正常データ」ともいう)を用いるものである。
なお、前記したように、センサデータを特徴変換した特徴量の時系列データを用いるようにしてもよい。
(ベクトル量子化法)
まず、図3を参照して、ベクトル量子化法について説明する。
ベクトル量子化法においては、正常データを学習データとして予めクラスタリングをしておき、診断対象となる現在の時系列データ(以下、「診断データ」ともいう)と、当該診断データが所属するクラスタとの距離に基づいて状態測度を算出するものである。
ベクトル量子化法によれば、予め生成したクラスタを用いることで、高速に、また安定した精度で状態測度を算出することができる。
クラスタリングの方法としては、例えば、k平均法を用いることができる。また、診断データが所属するクラスタの判定には、例えば、k−NN法を用いることができる。
図3に示すように、学習データが、クラスタA(黒丸「●」で示した学習データをメンバxとするクラスタ)とクラスタB(黒四角「■」で示した学習データをメンバxとするクラスタ)とにクラスタリングされているとする。k−NN法によれば、図3に破線の円で示したように、まず、診断データqの最近傍のk個(図3の例では5個)のメンバxA,xBを抽出する。そして、各クラスタについて抽出されたメンバ数を計数して、抽出されたメンバ数の最も多いクラスタが、診断データqの所属クラスタであると判定する。図3に示した例では、クラスタBの所属するメンバxが3個と最も多く抽出されたため、診断データqの所属クラスタはクラスタBと判定される。
次に、診断データqと所属クラスタであるクラスタBの代表値c(例えば、所属メンバの重心を用いることができる)との距離dを用いることで、機械設備の正常状態からの乖離の大きさを示す指標である異常測度を算出する。
なお、異常測度は、診断データqと所属クラスタの代表値cとの距離dをそのまま用いてもよいが、正規化することが好ましい。ここで正規化は、距離dを、所属クラスタの広がりを示す半径で除することで行うことができる。クラスタの半径は、特に限定されるものではないが、例えば、代表値cから各メンバまでの距離の平均値、代表値cから最遠に位置するメンバまでの距離、メンバの標準偏差又は標準偏差を定数倍したもの、などを用いることができる。
なお、診断データqの所属クラスタの判定は、k−NN法に限定されるものではない。例えば、診断データqと各クラスタの代表値cとの距離が最も近いクラスタを所属クラスタであると判定することもできる。
また、状態測度として性能測度を用いる場合は、次に示すように、異常測度を用いて性能測度を算出することができる。
前記したように、異常測度は、機械設備の正常状態(代表値cに対応)からの乖離度の大きさを示すものであるため、診断データqと代表値cとの距離dが大きくなるほど異常測度も大きくなる。すなわち、異常測度は、機械設備が理想的な好ましい状態から離れるほど大きな値となる。従って、性能測度は、異常測度とは、その値が逆の方向に変化する指標である。つまり、距離dが大きくなるほど、性能測度は小さくなる。
そこで、本実施形態では、性能測度を、異常測度と値が逆の方向に変化する(異常測度が大きくなるほど性能測度が小さくなるような)異常測度の関数として算出する。
このような関数としては、性能測度をy、異常測度をzとすると、例えば、式(1.1)〜式(1.3)を挙げることができる。
y=1/z (但し、c>0として、z<cのときは、y=c) ・・・(1.1)
y=1/(z+c) (但し、c>0) ・・・(1.2)
y=c−z (cは例えば、zの最大値)・・・(1.3)
但し、式(1.1)〜式(1.3)において、cは正の定数である。
式(1.1)は、異常測度zの逆数であり、式(1.2)は、式(1.1)において異常測度zが「0」となる場合を考慮して、分母が「0」とならないように正の定数cを加算した関数であり、式(1.3)は、定数cから異常測度zを減じる関数である。
(局所部分空間法)
次に、図4を参照して、局所部分空間法について説明する。
局所部分空間法では、診断データqの最近傍のk個の正常データを抽出し、診断データqから、抽出されたk個の正常データで定められる(k−1)次元の部分空間へ降ろした垂線の長さに基づいて状態測度を算出するものである。
局所部分空間法によれば、蓄積された正常データから、診断データに類似する正常データを抽出して用いるため、機械設備の状態変化が激しい場合でも、精度を保った状態測度の算出が可能である。
図4に示した例では、k=3として、3個の正常データx,x,xが抽出されている。ここで、3個の正常データで定められる2次元の部分空間SSは平面である。そして、診断データqから部分空間SSに降ろした垂線の足Xbまでの距離dを算出する。当該距離dをそのまま異常測度として用いてもよいが、正規化することが好ましい。ここで正規化は、例えば、距離dを抽出したk個の正常データの標準偏差で除することで行うことができる。
なお、本手法でも、前記したベクトル量子化法と同様に、状態測度として性能測度を用いる場合は、式(1.1)〜式(1.3)など用いて、異常測度から性能測度を算出することができる。
なお、本実施形態では、例えば、第1状態測度算出部121がベクトル量子化方を用い、第2状態測度算出部122が局所部分空間法を用いて、それぞれ前記した手順で状態測度を算出する。
また、状態測度算出部12は、長期及び短期で機械設備を診断する目的に応じて、それぞれの診断目的に適した状態測度を算出するようにしてもよい。
例えば、長期の診断として、機械設備全体の状態の予兆診断する場合は、取得した多次元の時系列データの全て又はほとんど全ての要素を用いて状態測度を算出するようにしてもよい。また、短期の診断として、機械設備の一部のユニットや部品レベルの状態の予兆診断をする場合は、多次元の時系列データの内で、診断対象となるユニットや部品に関係の深い要素を用いて状態測度を算出するようにしてもよい。
更にまた、機械設備を診断する目的に応じて、状態測度として異常測度を用いて予兆診断するものと、性能測度を用いて予兆診断するものとが混在していてもよい。例えば、長期の予兆診断に用いられる状態測度として性能測度を用い、短期の予兆診断に用いられる状態測度として異常測度を用いるようにしてもよい。
図1に戻って、予兆診断システム1の構成について説明を続ける。
近似式算出部13は、状態測度算出部12から入力した過去及び現在の状態測度を用いて、当該状態測度の推移を示す多項式による近似式を算出するものである。また、本実施形態における近似式算出部13は、近似式を算出するために参照する状態測度に対応する時系列データが取得された期間である参照期間についての情報を、参照期間設定部19から入力し、当該参照期間に取得された時系列データについての状態測度を用いて近似式を算出する。ここで、参照期間は、参照期間設定部19によって、最新の時系列データが取得された時刻を含む第1期間か、第1期間よりも短く、最新の時系列データが取得された時刻を含む第2期間かの何れかが選択的に設定される。
近似式算出部13は、参照期間設定部19が設定した参照期間における状態測度の時系列データにフィットする近似式を算出する。ここで、近似式を算出するとは、近似式である多項式の各係数を算出することである。また、近似式算出部13は、算出した近似式を、状態測度推定部14に出力する。
更にまた、近似式算出部13は、近似式の係数の誤差についても算出することが好ましい。これによって、算出した近似式の信頼性を、誤差の大きさで示すことができる。近似式算出部13が係数の誤差を算出する場合は、当該係数の誤差も状態測度推定部14に出力される。
なお、便宜的に、相対的に長期間である第1期間を参照期間として、当該参照期間における状態測度を用いて算出される近似式を「第1近似式」と呼び、相対的に短期間である第2期間を参照期間として、当該参照期間における状態測度を用いて算出される近似式を「第2近似式」と呼ぶこととする。
例えば、機械設備全体やあるユニット全体など寿命を診断するために第1近似式を用いる場合は、第1期間は、診断対象である機械設備が正常稼働を開始した初期から、あるいは初期の一定の期間を除き、稼働の安定期の最初から現在までの全ての期間とすることが好ましい。すなわち、第1期間は、期間長が最新の時系列データが取得され、更にそのデータについての状態測度が算出されるごとに、拡張することが好ましい。このようにして、第1近似式を算出するために参照される期間が拡張されるほど、部品の劣化などによる短期間の変動などの影響が相殺されて、第1近似式を用いた長期間に亘る変動の推定の精度を向上させることができる。
また、第1期間を拡張せずに、一定の長さとしてもよい。すなわち、診断を行う現在の時点から、一定の長さの期間を第1期間としてもよい。言い換えれば、時間の経過とともに、第1期間の始点(図7において、時刻t11)がシフトするようにするものである。
例えば、過去の状態測度の推移に、比較的に大きな変動が含まれている場合に、長期間先の状態測度の推定に影響を与える恐れがある。このような比較的大きな変動があった場合でも、その後に状態測度が長期間に亘って安定した場合には、第1期間の始点が前記した変動期間以降となった時点で、その後の長期間先の状態測度を精度よく推定することが可能となる。
また、例えば、機械設備の1ユニットや、個々の部品などの寿命や交換時期などを診断するために第2近似式を用いる場合は、診断対象となるユニットや部品の設計寿命や過去の使用実績などに基づいて、第2期間を現在の時点から一定の長さとすることが好ましい。言い換えれば、時間の経過とともに、第2期間の始点(図7において、時刻t21)がシフトするようにするものである。
また、診断対象である部品交換などの保守作業を行って状態測度が回復した場合は、保守作業以前の期間が第2期間に含まれないように、第2期間を設定することが好ましい。これによって、保守作業後の状態測度を、より適切に推定することができる。
なお、近似式算出部13は、前記したように、センサデータの組み合わせの異なる多次元ベクトルの時系列データを用いて算出された状態測度を用いて、それぞれ第1近似式及び第2近似式を算出するようにしてもよい。
また、第1近似式及び第2近似式である多項式の次数は特に限定されるものではなく、1次以上の多項式を用いことができる。第1近似式の多項式の次数と第2近似式の多項式の次数とは同じでもよく、異なるようにしてもよい。また、多項式の次数を、オペレータからの指示に応じて適宜に選択可能なように構成してもよい。例えば、図7に示すように、状態測度(異常測度)の推移(実線で示した波形201)と選択した次数の近似式を用いて描画した曲線(破線で示した波形202)とを表示装置や印刷装置などにグラフ表示して、オペレータが当該グラフ表示された状態測度(異常測度)の推移を示す曲線にフィットする適切な次数が決まるまで、次数の選択と近似式の再計算とを繰り返すことができるようにしてもよい。
ここで、状態測度の多項式近似について、3次関数で近似する場合を例に説明する。
状態測度をy、時刻をxとしたとき、状態測度yは、時刻xの3次関数として、係数a,b,c,dを用いて式(2.1)のように表すことができる。
y=ax+bx+cx+d ・・・(2.1)
係数a,b,c,dは、実測データである(x,y)の時系列データを用いて、最小二乗法を適用することで算出することができる。多項式の次数が1次、2次又は4次以上の場合も、係数の数が増減するが、最小二乗法により算出することができる。
また、係数a,b,c,dの各最確値についての誤差は、測定値である(x,y)の近似式からの誤差の分布から統計的な手法で求めることができる。すなわち、x,yの近似式からの誤差が正規分布に従うと仮定した場合に、x,yの誤差の標準偏差などから、係数a,b,c,dについて、標準誤差を算出することができる。
更に簡単な例として、状態測度yを、時刻xの1次関数で近似する場合について説明する。この場合は、近似式は、係数a,bを用いて、式(2.2)のように表すことができる。
y=ax+b ・・・(2.2)
また、係数a,bは、次のような手順で算出される。すなわち、測定値の個数をNとし、x,yについての個々の実測値を、添字iを用いて、y,xのように表し、測定値xにほとんど誤差がないと仮定すると、係数a,bは、それぞれ式(3.1),式(3.2)のように表され、更に、係数a,bの標準誤差σ,σは、式(4.3)で表されるyの誤差の標準偏差σを用いて、それぞれ式(4.1),式(4.2)のように表される。
Figure 2016128971
状態測度推定部14は、近似式算出部13から近似式として、多項式の係数及び係数の誤差を入力し、当該近似式を用いて、現時点から将来にかけての所定の期間を推定期間(図7では、第1近似式を用いる場合は時刻t0から時刻t12までの期間、第2近似式を用いる場合は時刻t0から時刻t22までの期間)とし、将来の状態測度を推定する。
ここで、将来の状態測度を推定するとは、例えば、近似式として前記した式(2.1)を用いた場合は、係数a,b,c,dと、推定期間について適宜な間隔(例えば、時系列データのサンプリングと同じ間隔)で、各時刻xについての状態測度yを算出することである。
状態測度推定部14は、所定の長期間の推定期間について算出した状態測度を、RUL算出部15及び出力部17に出力する。
また、第1近似式を用いた推定期間は、第2近似式を用いた推定期間よりも長くすることが好ましい。すなわち、第1近似式を用いた推定期間は、例えば機械設備全体に関わるような、長期間の変動を把握しやすいように、診断対象の寿命に応じた長さとすることが好ましい。また、第2近似式を用いた推定期間は、例えば部品の寿命などに応じた長さとすることが好ましい。このように、推定期間を診断対象の寿命に応じた長さとすることで、無駄な計算処理を行わないようにすることができる。
なお、状態測度の推定期間は、予め定められた一定の長さの期間であってもよく、オペレータにより、キーボードやポインティングデバイスなどの適宜な入力手段を用いて指定されるようにしてもよい。
RUL算出部(稼働継続可能時間算出部)15は、状態測度推定部14から所定の推定期間について算出された状態測度を入力して、当該推定期間の状態測度の推移に基づいて、RUL(稼働継続可能時間)を算出する。RUL算出部15は、算出したRULを、出力部17に出力する。
なお、RUL算出部15は、状態測度推定部14から、第1近似式を用いて所定の推定期間について算出された状態測度を入力した場合は、例えば、機械設備全体の寿命のような、相対的に長期間のRULを算出する。
また、RUL算出部15は、状態測度推定部14から、第2近似式を用いて所定の推定期間について算出された状態測度を入力した場合は、例えば、部品レベルの交換時期のような、相対的に短期間のRULを算出する。
ここで、図7及び図8を参照して、RULを算出する方法について説明する。なお、図7は、状態測度として異常測度を用いた場合を示し、図8は、状態測度として性能測度を用いた場合を示している。
図7において、波形201はフィルタ処理後の異常測度の実測値を示し、実線で示した波形202は第1近似式を用いて算出された現在の時刻までの異常測度を示し、破線で示した波形203は第1近似式を用いて算出された推定期間の異常測度の最確値を示している。また、過去の時刻t11から現在の時刻t0までの期間が、近似式を算出する際の参照期間である第1期間である。
また、閾値204は、機械設備が正常に稼働可能な限界となる異常測度の上限値を示すものである。すなわち、推定された異常測度の波形203が閾値204に達する時刻までは、機械設備が可能であることを示す。従って、現在の時刻t0から推定された異常測度が当該閾値204に達する時刻までの時間を、長期のRULの推定値として算出することができる。
また、図8において、波形301はフィルタ処理後の性能測度の実測値を示し、実線で示した波形302は第1近似式を用いて算出された現在の時刻までの性能測度を示し、破線で示した波形303は第1近似式を用いて算出された推定期間の性能測度の最確値を示している。また、過去の時刻t11から現在の時刻t0までの期間が、近似式を算出する際の参照期間である第1期間である。
また、閾値304は、機械設備が所定の性能レベルで稼働可能な限界となる性能測度の下限値を示すものである。すなわち、推定された性能測度の波形303が閾値304に達する時刻までは、機械設備が前記した所定の性能レベルで稼働可能であることを示す。従って、現在の時刻t0から推定された性能測度が当該閾値304に達する時刻までの時間を、長期のRULの推定値として算出することができる。
なお、状態測度として性能測度を用いた場合は、異常測度を用いた場合とは状態の劣化の方向と指標値の関係が逆であること以外は同様であるから、主として図7を参照して説明を続ける。
更に、第1近似式を算出する際に、第1近似式の誤差、すなわち、第1近似式である多項式の係数の誤差を算出することで、当該誤差を用いて、第1近似式の上限値と下限値とを推定することができる。図7に示すように、推定期間において波形203は、推定された異常測度の最確値を示し、波形203の上下に点線で示した波形は、異常測度の推定値の上下限値を示すものである。
このように、推定された異常測度の最確値に加えて、例えば、式(2.2)において、係数a,bを最確値から標準誤差σ、σの1.96倍変化させた近似式を用いて、95%の信頼区間における異常測度の上下限値を算出することで、推定値の信頼性を把握することができる。また、異常測度の推定誤差に加えて、又は代えて、異常測度の上下限値の波形が閾値204を超える時刻を用いて長期のRULの推定誤差を算出するようにしてもよい。
また、図7に示すように、各波形201,202,203、閾値204、RUL推定値、RUL推定誤差などを表示してオペレータに提示することにより、異常測度の将来の推移やその信頼性(妥当性)を、オペレータが容易に把握することができる。
更に、本実施形態では、新たな診断データ(時系列データ)を取得するごとに、異常測度を算出し、当該最新の異常測度を加えた参照期間を設定し直して、逐次に第1近似式を算出し、更には、RULを算出し直すことが好ましい。
このように、時系列データを取得するごとに参照期間を設定し直して異常測度の第1近似式を再計算することで、最新の近似式に基づいてRULを推定することができる。また、第1近似式やRULなどの再計算に伴い、図7に示した波形などの表示内容も更新される。このため、RULの推定などの機械設備の異常診断を、常に高い精度で行うことができる。また、第1近似式として多項式を用いるため、非常に短い間隔で時系列データを取得する場合でも、時系列データを取得するごとに容易に第1近似式を算出することができる。
第1近似式を用いた長期のRULの算出について説明したが、第2近似式を用いた短期のRULも同様に、対応する推定期間(図7において、時刻t0から時刻t22までの期間)について算出した状態測度(異常測度又は性能測度)を用いて算出することができる。
図1に戻って、予兆診断システム1の構成について説明を続ける。
異常予兆検知部16は、状態測度算出部12から、最新の時系列データについて算出された状態測度を入力し、当該状態測度が所定の閾値よりも劣化しているかどうかを判定することで、異常予兆の有無を検知する。状態測度が異常測度のときは、異常測度が所定の閾値を超えている場合に、また、状態測度が性能測度のときは、性能測度が所定の閾値をよりも低下している場合に、異常予兆検知部16は、機械設備に「異常予兆あり」と診断し、当該診断結果を出力部17に出力する。
出力部17は、状態測度推定部14から長期及び短期の推定期間について算出された状態測度の時系列データを入力し、RUL算出部15から長期及び短期のRULを入力し、異常予兆検知部16から異常予兆の有無の診断結果を入力し、これらの入力データを表示するものである。また、出力部17は、これらの入力データの表示に代えて、又は加えて、不図示の上位システムであるAHM(asset health management)やEAM(enterprise asset management)にこれらのデータを出力する。また、出力部17は、更に、状態測度算出部12から過去の状態測度を入力し、近似式算出部13から第1近似式及び/又は第2近似式を入力して、図7や図8に示すように、状態測度(異常測度、性能測度)に関するデータをグラフ表示するようにしてもよい。
センサデータ抽出部18は、時系列データ記憶部11に蓄積された多次元のセンサデータから、診断対象となる機械設備や部品などの状態測度に大きく影響する1又は2以上のセンサデータを抽出し、抽出したセンサデータの種別を状態測度算出部12に出力する。状態測度を算出するために用いるセンサデータの次元数を低減することで、状態測度の算出のための処理負荷を低減することができる。なお、例えば、機械設備全体を診断対象をする場合は、センサデータ抽出を行わないで、状態測度算出部12は、すべての種別のセンサデータを用いて状態測度を算出するようにしてもよい。
センサデータの抽出方法としては、例えば、各センサデータ間のインパルス応答を利用することができる。すなわち、時系列データ記憶部11に蓄積されている過去に取得された時系列データを用いて各センサデータの状態測度に対するインパルス応答を調べておき、状態測度の変化に大きな影響を与えるセンサデータを予め抽出しておくことができる。
また、他の抽出方法として、状態測度が大きく変化した際に、状態測度に対する寄与度の大きなセンサデータを予め抽出するようにしてもよい。
また、センサデータ抽出部18は、評価したい性能や異常などの状態の種別が更に多数種類ある場合は、状態の種別ごとに適したセンサデータを抽出しておき、オペレータの指示などによって選択された性能の種別に対応するセンサデータの種別情報を状態測度算出部12に出力するようにすればよい。
参照期間設定部19は、状態測度算出部12から過去の状態測度の時系列データを入力し、近似式算出部13が近似式を算出するために参照する状態測度に対応する時系列データが取得された期間を決定するものである。参照期間設定部19は、例えば、オペレータの指示に従って、決定した過去の状態測度の参照期間として、第1期間又は第2期間を選択し、選択した方の期間についての情報を近似式算出部13に出力する。
なお、本実施形態では、近似式算出部13は、参照期間として設定された第1期間又は第2期間に応じて近似式を算出するように構成したが、参照期間が第1期間の場合の近似式を算出するサブユニット(例えば、第1近似式算出部)と、参照期間が第2期間の場合の近似式を算出する場合のサブユニット(例えば、第2近似式算出部)とを備え、2つの近似式の算出を並行して処理できるように構成してもよい。この場合は、参照期間設定部19は、第1近似式算出部の参照期間として第1期間を設定し、第2近似式算出部の参照期間として第2期間を設定する。
また、近似式算出部13が、前記したように第1期間と第2期間とに対応して2つのサブユニットを備える場合は、更に、状態測度推定部14及びRUL算出部15も、第1期間と第2期間とに対応して、それぞれ2つのサブユニットを備え、2系統の状態測度推定及びRUL算出を並行して行えるように構成してもよい。
なお、本実施形態では、2つの近似式である第1近似式及び第2近似式を用いて将来の状態測度を推定するようにしたが、過去の状態測度の参照期間が互いに異なる3以上の近似式を用いて、それぞれ将来の状態測度を推定するようにしてもよい。また、その場合に、参照期間が同じであっても、用いるセンサデータの組み合わせがことなる多次元ベクトルの時系列データを用いて近似式を算出するものが含まれてもよい。また、第1近似式を算出するタイミングと第2近似式を算出するタイミングとは同じでもよく、異なっていてもよく、例えば、それぞれ異なる間隔で算出するようにしてもよい。また、オペレータが必要に応じて、第1近似式、第2近似式の何れか一方又は両方を選択可能なように構成してもよい。
[予兆診断システムの動作]
次に、図9及び図10を参照(適宜図1及び図2参照)して、実施形態に係る予兆診断システム1が予兆診断処理を行う動作について説明する。
図10に示すように、予兆診断システム1は、時系列データ取得部10によって、機械設備に設置されたセンサの測定値であるセンサデータを時系列データとして取得する(ステップS10)。時系列データ取得部10によって取得された時系列データは、時系列データ記憶部11に正常データのデータベースとして蓄積される。なお、機械設備が正常でない状態、例えば、不図示の評価手段によってデータの妥当性が否定された時系列データは、時系列データ記憶部11に蓄積されない。
また、時系列データ記憶部11には、予め、状態測度の算出に必要な量の正常データが蓄積されているものとする。
次に、予兆診断システム1は、状態測度算出部12によって、ステップS10で取得された最新の時系列データを診断データとして、過去の正常データを適宜に参照して、当該診断データについての状態測度を算出する(ステップS11)。なお、長期の予兆診断に用いる状態測度と、短期の予兆診断に用いる状態測度が異なる場合は、それぞれに対応する状態測度を算出するものとする。
ここで、図10を参照して、状態測度算出部12によって行われる状態測度算出処理ステップ(S11)について説明する。
状態測度算出部12は、第1状態測度算出部121によって、第1の手法(例えば、ベクトル量子化法)を用いて状態測度を算出する(ステップS30)。
次に、状態測度算出部12は、第2状態測度算出部122によって、第2の手法(例えば、局所部分空間法)を用いて状態測度を算出する(ステップS31)。
なお、ステップS30とステップS31とは、何れを先に行ってもよく、並行して行ってもよい。
また、ステップS30及びステップS31で用いられるセンサデータの種別は、予め、センサデータ抽出部18によって抽出されているものとする。
次に、状態測度算出部12は、状態測度統合部123によって、ステップS30及びステップS31で算出された状態測度を1つの値に統合する(ステップS32)。
次に、状態測度算出部12は、フィルタ処理部124によって、ステップS23で1つの値に統合された状態測度について、最新の状態測度を含む状態測度の時系列データに最小値フィルタなどの所定のフィルタ処理を施す(ステップS33)。なお、状態測度算出部12が算出した状態測度の時系列データは、状態測度算出部12内の記憶手段に蓄積されているものとする。また、長期の予兆診断に用いる状態測度と、短期の予兆診断に用いる状態測度が異なる場合は、それぞれの状態測度について、別個にステップS30からステップS33の処理を行うものとする。
図9に戻って、予兆診断システム1の動作について説明を続ける。
予兆診断システム1は、参照期間設定部19によって、近似式を算出するために用いる状態測度の時系列データの参照期間である第1期間又は第2期間を選択的に設定する(ステップS12)。
次に、予兆診断システム1は、近似式算出部13によって、ステップS12で設定された参照期間の時系列データを用いて、状態測度の推移を示す近似式を算出する(ステップS13)。詳細には、予兆診断システム1は、近似式算出部13によって、設定された参照期間の時系列データを用いて近似式を算出する。
次に、予兆診断システム1は、状態測度推定部14によって、ステップS13で算出された近似式を用いて、推定期間である所定の将来の期間について、所定の時間間隔(例えば、時系列データのサンプリング間隔)で、状態測度を算出(推定)する(ステップS14)。詳細には、予兆診断システム1は、状態測度推定部14によって、第1近似式を用いる場合は長期の状態測度を推定し、第2近似式を用いる場合は短期の状態測度を推定する。
次に、予兆診断システム1は、RUL算出部15によって、ステップS14で算出された状態測度の推定値を用いて、RULを算出する(ステップS15)。詳細には、予兆診断システム1は、RUL算出部15によって、長期の状態測度の推定値を用いる場合は長期のRULを算出し、短期の状態測度の推定値を用いる場合は短期のRULを算出する。
また、同じタイミングで第1近似式を用いた状態測度推定処理及びRUL算出処理と、第2近似式を用いた状態測度推定処理及びRUL算出処理とを行う場合は、それぞれの一連の処理を順次に行うようにする。例えば、まずステップS12で参照時間として第1期間を設定し、続けてステップS13からステップS15を行い、その後に、ステップS12に戻って、参照期間として第2期間を設定し、続けてステップS13からステップS15を行うようにすることができる。
次に、予兆診断システム1は、異常予兆検知部16によって、ステップS11で算出された診断データについての状態測度を用いて、異常予兆の有無を診断する(ステップS16)。なお、ステップS16は、ステップS11以降の何れのタイミング行ってもよい。
次に、予兆診断システム1は、出力部17によって、ステップS15で算出されたRUL、ステップS16で診断された異常予兆の有無、ステップS14で算出された状態測度の推定値などの診断結果を、不図示の表示装置に表示し、又は/及び外部の上位システムに出力する。
また、予兆診断システム1は、ステップS10からステップS17までの処理を、診断データとして新たな時系列データを取得するごとに実行することが好ましい。
また、本実施形態では、長期の予兆診断と、短期の予兆診断とを選択的に又は順次に行うようにしたが、これに限定されるものではない。近似式算出部13が、第1近似式を算出するサブユニットと、第2近似式を算出するサブユニットとを備えて並行して処理することができる場合は、ステップS12において、参照期間設定部19によって、第1近似式を算出するサブユニットに対して参照期間として第1期間を設定し、第2近似式を算出するサブユニットに対して参照期間として第2期間を設定することができる。更に、状態測度推定部14及びRUL算出部15もそれぞれ2系統のサブユニットを備えて、ステップS13からステップS15の処理を2系統について並行して行うようにしてもよい。
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。また、前記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テープ、ファイルなどの情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVDなどの記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 予兆診断システム
10 時系列データ取得部
11 時系列データ記憶部
12 状態測度算出部
13 近似式算出部
14 状態測度推定部
15 RUL算出部(稼働継続可能時間算出部)
16 異常予兆検知部
17 出力部
18 センサデータ抽出部
19 参照期間設定部
121 第1状態測度算出部
122 第2状態測度算出部
123 状態測度統合部
124 フィルタ処理部
200 異常測度の波形
201 フィルタ処理後の異常測度の波形
202 近似式の波形
203 推定期間の近似式の波形
204 閾値
300 性能測度の波形
301 フィルタ処理後の性能測度の波形
302 近似式の波形
303 推定期間の近似式の波形
304 閾値
しかしながら、機械設備の状態は時々刻々と変化するため、例えば、特許文献1に開示されたように、保守作業を行うごとに、近傍の期間の異常測度のトレンドを分析して用いるのでは、長期間先の異常測度の推定やRULの推定などの予測を、十分な精度で行うことが難しい場合がある。また、特許文献2に開示されたように、トレンドを算出する際に一定の長さの期間についての時系列データを用いると、機械設備全体の寿命のような長期間先の予測と、部品の交換時期のような短期間先の予測とを、ともに十分な精度で行うことが難しい場合がある。
そこで、本発明は、機械設備の状態について、長期及び短期先の推定を、良好な精度で行うことができる予兆診断システム及び予兆診断方法を提供することを課題とする。
本発明によれば、機械設備の状態について長期及び短期の推定を良好な精度で行うことができる。
なお、前記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
ここで、図5に示すように、状態測度として、機械設備の状態が劣化するほど指標値が上昇する異常測度を用いたときに、フィルタ処理を適用する場合を例として説明する。
フィルタ処理として最小値フィルタを用いた場合は、例えば、図6に示すように、上下に大きく振動しながら変化する異常測度の波形200が、細かいピークの下限値を接続したような波形201に変換される。最小値フィルタを用いることで、ノイズの重畳によって異常測度の上昇が過大に評価されることを抑制することができる。このため、高い確度で予兆診断を行うことができる。
また、フィルタ処理として最大値フィルタを用いた場合は、異常測度の最大値を逃さずに把握することができる。このため、高い感度で異常診断を行うことができる。
また、フィルタ処理として移動平均フィルタを用いた場合は、最大値フィルタと最小値フィルタとの中間的な特性の予兆診断を行うことができる。
なお、これのらフィルタ処理において、フィルタサイズである時間幅は、異常測度の周波数特性や異常測度に含まれるノイズ成分の周波数特性などに応じて、適宜に定めることができる。
また、第1近似式及び第2近似式である多項式の次数は特に限定されるものではなく、1次以上の多項式を用いことができる。第1近似式の多項式の次数と第2近似式の多項式の次数とは同じでもよく、異なるようにしてもよい。また、多項式の次数を、オペレータからの指示に応じて適宜に選択可能なように構成してもよい。例えば、図6に示すように、状態測度(異常測度)の推移(実線で示した波形201)と選択した次数の近似式を用いて描画した曲線(破線で示した波形202)とを表示装置や印刷装置などにグラフ表示して、オペレータが当該グラフ表示された状態測度(異常測度)の推移を示す曲線にフィットする適切な次数が決まるまで、次数の選択と近似式の再計算とを繰り返すことができるようにしてもよい。
次に、状態測度算出部12は、状態測度統合部123によって、ステップS30及びステップS31で算出された状態測度を1つの値に統合する(ステップS32)。
次に、状態測度算出部12は、フィルタ処理部124によって、ステップS32で1つの値に統合された状態測度について、最新の状態測度を含む状態測度の時系列データに最小値フィルタなどの所定のフィルタ処理を施す(ステップS33)。なお、状態測度算出部12が算出した状態測度の時系列データは、状態測度算出部12内の記憶手段に蓄積されているものとする。また、長期の予兆診断に用いる状態測度と、短期の予兆診断に用いる状態測度が異なる場合は、それぞれの状態測度について、別個にステップS30からステップS33の処理を行うものとする。
次に、予兆診断システム1は、出力部17によって、ステップS15で算出されたRUL、ステップS16で診断された異常予兆の有無、ステップS14で算出された状態測度の推定値などの診断結果を、不図示の表示装置に表示し、又は/及び外部の上位システムに出力する(ステップS17)
1 予兆診断システム
10 時系列データ取得部
11 時系列データ記憶部
12 状態測度算出部
13 近似式算出部
14 状態測度推定部
15 RUL算出部(稼働継続可能時間算出部)
16 異常予兆検知部
17 出力部
18 センサデータ抽出部
19 参照期間設定部
121 第1状態測度算出部
122 第2状態測度算出部
123 状態測度統合部
124 フィルタ処理部
200 異常測度の波形
201 フィルタ処理後の異常測度の波形
202 近似式の波形
203 推定期間の近似式の波形
204 閾値
301 フィルタ処理後の性能測度の波形
302 近似式の波形
303 推定期間の近似式の波形
304 閾値

Claims (7)

  1. 機械設備の状態を診断する予兆診断システムであって、
    前記機械設備に設置した複数のセンサからのセンサデータを時系列データとして取得する時系列データ取得部と、
    前記時系列データを学習データとした統計的手法により、前記機械設備の状態を示す指標である状態測度として、前記機械設備の正常状態からの乖離の大きさを示す指標である異常測度又は前記機械設備の性能を示す指標である性能測度を算出する状態測度算出部と、
    過去から現在までに取得した前記時系列データに基づいて算出した前記状態測度の推移を、多項式により近似した近似式を算出する近似式算出部と、
    前記近似式を用いて、将来の所定の時点までの状態測度を推定する状態測度推定部と、
    前記近似式算出部が前記近似式を算出するために参照する前記状態測度に対応する前記時系列データが取得された期間である参照期間を設定する参照期間設定部と、
    を備え、
    前記参照期間設定部は、前記参照期間として、最新の前記時系列データが取得された時刻を含む第1期間か、前記第1期間よりも短く、前記最新の時系列データが取得された時刻を含む第2期間かを設定し、
    前記近似式算出部は、前記参照期間設定部が設定した前記参照期間に取得された前記時系列データについての状態測度を用いて前記近似式を算出することを特徴とする予兆診断システム。
  2. 前記第1期間は、前記時系列データ取得部が最新の前記時系列データを取得するごとに、当該最新の時系列データが取得された時刻を追加する分だけ順次に拡張されることを特徴とする請求項1に記載の予兆診断システム。
  3. 前記第1期間は、前記最新の時系列データが取得された時刻を含む所定の長さであることを特徴とする請求項1に記載の予兆診断システム。
  4. 前記第2期間は、前記最新の時系列データが取得された時刻を含む所定の長さであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の予兆診断システム。
  5. 前記第1期間に取得された前記時系列データについての状態測度を用いて算出された前記近似式である第1の近似式を用いて将来の状態測度を推定する期間は、前記第2期間に取得された前記時系列データについての状態測度を用いて算出された前記近似式である第2の近似式を用いて将来の状態測度を推定する期間よりも長いことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の予兆診断システム。
  6. 前記状態測度に対して、所定の時間幅における最大値、最小値又は移動平均値を算出するフィルタ処理を施すフィルタ処理部を更に備え、
    前記近似式算出部は、前記フィルタ処理が施された状態測度を用いて前記近似式を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の予兆診断システム。
  7. 機械設備の状態を診断する予兆診断方法であって、
    前記機械設備に設置した複数のセンサからのセンサデータを時系列データとして取得する時系列データ取得処理ステップと、
    前記時系列データを学習データとした統計的手法により、前記機械設備の状態を示す指標である状態測度として、前記機械設備の正常状態からの乖離の大きさを示す指標である異常測度又は前記機械設備の性能を示す指標である性能測度を算出する状態測度算出処理ステップと、
    過去から現在までに取得した前記時系列データに基づいて算出した前記状態測度の推移を、多項式により近似した近似式を算出する近似式算出処理ステップと、
    前記近似式を用いて、将来の所定の時点までの状態測度を推定する状態測度推定処理ステップと、
    前記近似式算出処理ステップで前記近似式を算出するために参照する前記状態測度に対応する前記時系列データが取得された期間である参照期間を設定する参照期間設定処理ステップと、を含み、
    前記参照期間設定処理ステップにおいて、前記参照期間として、最新の前記時系列データが取得された時刻を含む第1期間か、前記第1期間よりも短く、前記最新の時系列データが取得された時刻を含む第2期間かを設定し、
    前記近似式算出処理ステップにおいて、前記参照期間設定処理ステップで設定した前記参照期間に取得された前記時系列データについての状態測度を用いて前記近似式を算出することを特徴とする予兆診断方法。
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