JP2016127031A - フィルム状微細構造転写装置及びフィルム状微細構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図である。
本実施の形態では、転写工程に先立って、転写ロール107の微細凹凸パターンが形成された外周面と、モールド基材101の表面とを、モールド基材101の面方向から当接させる。この工程を当接工程と呼ぶ。
図7は、本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図であり、特に転写工程を示している。図7に示すように、第1ブレーキ部113及び第2ブレーキ部114をOFF状態とし、繰出し駆動部102及び巻取り駆動部104を駆動させ、モールド基材101を搬送する。塗布手段105により、繰出し駆動部102から送り出した光透過性のモールド基材101上に光硬化性樹脂を塗布して光硬化性樹脂層(転写層)を形成する。光硬化性樹脂層付きのモールド基材101は、ガイドロール106を経て転写ロール107へ供給する。
図8は、本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法の第2のフィルム状モールドの複製工程に用いられる転写装置を示す概略図である。
以上説明した本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法では、転写ロール107から微細凹凸パターンを転写して作製した第1のフィルム状モールド103を原版として第2のフィルム状モールド203を複製する場合について説明した。しかし、第2のフィルム状モールド203を原版として第3のフィルム状モールドをさらに複製することも可能である。すなわち、本発明は、第(n−1)(nは2以上の整数)のフィルム状モールドから第nのフィルム状モールドの製造方法に適用することが可能である。
以上説明した本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法により得られた第nのフィルム状モールドは、例えば、反射防止材の製造、レジストマスクの作製、細胞培養培地、超撥水加工及び超親水加工に応用することができ、有用である。例えば、ピラー形状、円錐形状、角錐形状、惰円錐形状を含む周期的な微細凹凸構造を有するものは、反射防止効果があるモスアイ構造の反射防止膜として用いることができる。ここで、モスアイ構造とは、サブミクロンオーダーのピラミッド状凹凸構造を蛾の目のような2次元パターンに配置した構造をいう。このような微細構造体においては、表面に形成されるナノオーダーの微細凹凸構造が滑らかな屈曲率傾斜を誘発し、界面の屈折率差で発生する反射が起きないため、反射防止膜として好適に用いることが可能となる。また、本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法により得られた第nのフィルム状モールドを用い、エッチング対象である基板の表面にレジストマスクを作製できる。
塗布手段105、205によるフィルム状基材への光硬化性樹脂の塗布方法としては、公知の塗布コーター又は含浸塗布コーターを用いた塗布方法が挙げられる。具体的には、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ブレードコーター、ワイヤーバーコーター、エアーナイフコーター、ディップコーター、コンマナイフコーター、スプレーコーター、カーテンコーター、スピンコーター、ラミネーターなどを用いた塗布方法が挙げられる。これらの塗布方法は、必要に応じて1種の塗布方法を用いてもよく、2種以上の塗布方法を組合せて用いてもよい。また、これらの塗布方法は、生産性の観点から連続方式で塗布することが好ましい。また、ディップコーター、コンマナイフコーター、グラビアコーター又はラミネーターを使用した連続方式の塗布方法が特に好ましい。
光硬化性樹脂への光照射に用いる光源109、210としては、特に制限されるものではなく、用途及び設備に応じて種々の光源を用いることができる。例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、無電極ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、LEDランプ、キセノンパルス紫外線ランプなどを用いることができる。また、光硬化性樹脂は、波長200nm〜500nmの紫外線又は可視光を露光量が100mJ/cm2〜2000mJ/cm2となるように照射することにより硬化することができる。また、酸素による光硬化反応の阻害を防止する観点から、光照射時には酸素濃度が低い状態で光を照射することが望ましい。
転写ロール107は継ぎ目のないことがより好ましい。継ぎ目があった場合、最終的に得られる微細凹凸パターン付製品において、継ぎ目部に対応する微細凹凸パターンがない箇所を切り落とすため、歩留まりが悪化するだけでなく、切り落とす作業が余分に入るため連続生産性も悪化する。
フィルム状モールドについて以下に説明する。図10は、フィルム状モールドの断面概略図である。図10には第1のフィルム状モールド103を図示した。図10に示すように、第1のフィルム状モールド103は、フィルム状基材115上に、樹脂硬化物層117が形成されている。図10に示すように、樹脂硬化物層117の表面には微細凹凸パターン116が形成されている。図10に示す微細凹凸パターン116は、転写ロール107の微細凹凸パターンを転写した形状であり、すなわち微細凹凸パターンの反転形状(逆パターン)とされる。微細凹凸パターン116は、円錐形状、角錐形状若しくは楕円錘形状の凸部を複数含むピラー形状、又は、円錐形状、角錐形状若しくは楕円錘形状の凹部を複数含むホール形状或いはラインアンドスペース形状である。大きさの一例であるが、微細凹凸パターン116は、例えば、ピッチPが、100nm〜3000nm程度(好ましくは200nm以上)、凸部幅Dが、30nm〜3000nm程度(好ましくは100nm以上)、凸部高さH1が、数十nm〜数十μm程度とされる。ピッチPは、隣接する凸部と凹部との幅を足した大きさ、隣り合う凸部間の中間幅、あるいは、隣り合う凹部間の中間幅で定義される。
第1のフィルム状モールドの作製において用いられるモールド基材101や第2のフィルム状モールドの複製に用いられる被転写基材201には光透過性があるフィルム状基材を用いることができる。
光硬化性樹脂層は光硬化性樹脂で形成される。光硬化性樹脂は、転写性、原版からの剥離性、フィルム状基材との密着性、粘度、製膜特性、感光性、硬化後の力学特性、樹脂鋳型作製時の樹脂層との剥離性を考慮して選択する。
巻取り側のブレーキをONにした状態で、繰出し駆動部を動作させ、繰出し側のフィルム張力30Nにてニップロールを面圧0.05kgf/cm2にてモールド基材を介して転写ロールに当接した。
巻取り側のブレーキをONにした状態で、繰出し駆動部を動作させ、繰出し側のフィルム張力30Nにてニップロールを面圧0.2kgf/cm2以上にてモールド基材を介して転写ロールに当接した。
巻取り側のブレーキをONにした状態で、繰出し駆動部を動作させ、繰出し側のフィルム張力30Nにてニップロールを面圧0.04kgf/cm2以下にてモールド基材を介して転写ロールに当接したが、張力の変動により、ニップロールが転写ロールから離れ、当接工程を完了することができなかった。
巻取り側のブレーキをONにした状態で、繰出し駆動部を動作させず、繰出し側のフィルム張力をかけずに、ニップロールを面圧0.05kgf/cm2にてモールド基材を介して転写ロールに当接した。
巻取り側のブレーキをONにした状態で、転写ロールのモールド基材の搬送方向前側に設けられたパスガイドロールを、繰出し側駆動部により30Nの張力をかけつつ、モールド基材を転写ロールから引き離された状態になる第1の位置から、モールド基材が転写ロールに当接した状態になる第2の位置に移動させ、ニップロールを面圧0.05kgf/cm2にてモールド基材を介して転写ロールに当接した。その結果、転写ロールへの擦過痕は発生しなかった。
巻取り側のブレーキをかけずに、繰出し側駆動部と巻取り側駆動部によりモールド基材に30Nの張力をかけつつ、転写ロールの前記モールド基材の搬送方向前側に設けられたパスガイドロールを、モールド基材を転写ロールから引き離された状態になる第1の位置から、モールド基材が転写ロールに当接した状態になる第2の位置に移動させ、ニップロールを面圧0.05kgf/cm2にてフィルムを介して転写ロールに当接した。
101 モールド基材
103、203 フィルム状モールド
105、205 塗布手段
107 転写ロール
108、209 押圧手段
108a、108b、209b、209c ニップロール
109、210 光源
112 パスガイドロール
113 第1ブレーキ部
114 第2ブレーキ部
115 フィルム状基材
117 樹脂硬化物層
Claims (10)
- 微細凹凸パターンが外周面に形成された転写ロールと、
長尺方向に走行するフィルム状の基材を介して前記転写ロールに接離可能に設けられ、前記転写ロールに接近した場合に前記基材を前記転写ロールと共に挟持する、前記転写ロールの前記基材の搬送方向前側及び後側にそれぞれ設けられた一対のニップロールと、
前記基材のパスライン及び前記ニップロールの移動線を横切って移動し、前記転写ロールの前記基材の搬送方向前側又は後側の少なくともいずれか一方に設けられたパスガイドロールと、
を具備することを特徴とするフィルム状微細構造転写装置。 - 前記転写ロールの前記基材の搬送方向前側に設けられた前記基材を繰出すフィルム繰出し部と、
前記転写ロールの前記基材の搬送方向後側に設けられた前記基材を巻き取るフィルム巻取り部と、
前記基材の搬送方向前側に設けられた前側の前記ニップロールと前記フィルム繰出し部との間、及び、前記基材の搬送方向後側に設けられた後側の前記ニップロールと前記フィルム巻取り部との間の少なくともいずれか一方に設けられたブレーキ部と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載のフィルム状微細構造転写装置。 - 転写ロールの微細凹凸パターンが形成された外周面と、フィルム状の基材の表面とを、前記基材の面方向から当接させる当接工程と、
前記転写ロールを回転させつつ前記基材の表面に前記転写ロールの前記微細凹凸パターンを転写する転写工程と、を有し、
前記当接工程は、前記基材に張力をかけながら行うことを特徴とするフィルム状微細構造体の製造方法。 - 前記転写ロールを前記基材と同期させることを特徴とする請求項3記載のフィルム状微細構造体の製造方法。
- 前記転写ロールとの抱角を大きくとり、且つ、前記基材の張力を強くし、前記転写ロールの駆動抵抗を小さくすることで前記転写ロールを前記基材と同期することを特徴とする請求項4記載のフィルム状微細構造体の製造方法。
- 前記当接工程において、前記転写ロールの前記基材の搬送方向前側及び後側にそれぞれ設けられた一対のニップロールを、前記基材を介して前記転写ロールに押し当てることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載のフィルム状微細構造体の製造方法。
- 前記ニップロールの面圧が、0.05〜0.2kgf/cm2であることを特徴とする請求項6記載のフィルム状微細構造体の製造方法。
- 前記当接工程において、前記基材のパスライン及び前記ニップロールの移動線を横切って移動し、前記転写ロールの前記基材の搬送方向前側又は後側の少なくともいずれか一方に設けられたパスガイドロールを、前記基材に張力をかけつつ、前記基材を前記転写ロールから引き離された状態になる第1の位置から、前記基材が前記転写ロールに当接した状態になる第2の位置に移動させ、前記基材の余剰分を巻き取ることを特徴する請求項6又は請求項7記載のフィルム状微細構造体の製造方法。
- 前記基材の前記余剰分を巻取る方向と前記転写ロールを挟んで逆側に位置する一方の前記ニップロールを前記転写ロールに当接した状態で、前記基材の前記余剰分を巻き取ることを特徴とする請求項8記載のフィルム状微細構造体の製造方法。
- 前記基材の前記余剰分を巻取る方向と前記転写ロールを挟んで逆側でブレーキをかけ、前記基材の前記余剰分を巻き取ることを特徴とする請求項8記載のフィルム状微細構造体の製造方法。
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