JP2016127031A - フィルム状微細構造転写装置及びフィルム状微細構造体の製造方法 - Google Patents

フィルム状微細構造転写装置及びフィルム状微細構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルム状の基材によって転写ロールの外周面に擦過痕がつくのを防止できるフィルム状微細構造転写装置及びフィルム状微細構造体の製造方法を提供する。【解決手段】転写装置(100)は、微細凹凸パターンが外周面に形成された転写ロール(107)と、長尺方向に走行するフィルム状のモールド基材(101)を介して転写ロール(107)に接離可能に設けられ、転写ロール(107)に接近した場合にモールド基材(101)を転写ロール(107)と共に挟持する、転写ロール(107)のモールド基材(101)の搬送方向前側及び後側にそれぞれ設けられた一対のニップロール(108a、108b)と、モールド基材(101)のパスライン及びニップロール(108a、108b)の移動線(I)を横切って移動し、転写ロール(107)のモールド基材(101)の搬送方向前側に設けられたパスガイドロール(112)と、を具備する。【選択図】図1

Description

本発明は、フィルム状微細構造転写装置及びフィルム状微細構造体の製造方法に関する。
特許文献1には、フィルム構造体の製造方法及び装置に関する発明が開示されている。特許文献1では、転写ロールと、転写ロールに近接して設けられたバックアップロールと、フィルム送り手段等とを備えたフィルム構造体の製造装置が開示されている。転写ロールの周面には微細な凹凸パターンが形成されている。そして転写フィルムが、転写ロールとバックアップロールとの間に送り込まれ、微細な凹凸パターンがフィルム側に転写される。
特許文献2にも、凹凸形状転写ロールとバックアップロールとを備えたロール・ツー・ロール装置が開示されている。
特許文献3には、基材を搬送しながら、ロール版の周側面に前記基材を押圧して周側面に形成された凹凸形状を基材に賦型して光学フィルムを作製する光学フィルムの製造方法が開示されている。
また、特許文献3には、起動工程において、ロール版の周側面に、周側面の凹凸形状を保護する保護材を配置した状態で、ロール版の回転及び基材の搬送を開始し、ロール版の回転及び基材の搬送が定常状態に立ち上がると、保護材を除去することで、基材によりロール版の周側面の凹凸形状を保護することが開示されている。
特許第4976868号公報 特開2009−220504号公報 特開2013−142814号公報
特許文献1から特許文献3では、いずれも、フィルムを転写ロールに接触させるときに、フィルムによって転写ロールの表面に擦過痕をつけてしまうことについての課題認識がなく、したがってそれを解決する手段も提示されていない。
本発明は、上記説明した問題点に鑑みてなされたものであり、フィルム状の基材の表面を転写ロールの外周面に接触させるときに、基材によって転写ロールの外周面に擦過痕がつくのを防止できるフィルム状微細構造転写装置及びフィルム状微細構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のフィルム状微細構造転写装置は、微細凹凸パターンが外周面に形成された転写ロールと、長尺方向に走行するフィルム状の基材を介して前記転写ロールに接離可能に設けられ、前記転写ロールに接近した場合に前記基材を前記転写ロールと共に挟持する、前記転写ロールの前記基材の搬送方向前側及び後側にそれぞれ設けられた一対のニップロールと、前記基材のパスライン及び前記ニップロールの移動線を横切って移動し、前記転写ロールの前記基材の搬送方向前側又は後側の少なくともいずれか一方に設けられたパスガイドロールと、を具備することを特徴とする。
この構成によれば、パスガイドロールにより、基材と転写ロールとの接触を回避し、通紙時の転写ロールへの擦過を防止することができる。
本発明のフィルム状微細構造転写装置において、前記転写ロールの前記基材の搬送方向前側に設けられた前記基材を繰出すフィルム繰出し部と、前記転写ロールの前記基材の搬送方向後側に設けられた前記基材を巻き取るフィルム巻取り部と、前記基材の搬送方向前側に設けられた前側の前記ニップロールと前記フィルム繰出し部との間、及び、前記基材の搬送方向後側に設けられた後側の前記ニップロールと前記フィルム巻取り部との間の少なくともいずれか一方に設けられたブレーキ部と、をさらに具備することが好ましい。
本発明のフィルム状微細構造体の製造方法は、転写ロールの微細凹凸パターンが形成された外周面と、フィルム状の基材の表面とを、前記基材の面方向から当接させる当接工程と、前記転写ロールを回転させつつ前記基材の表面に前記転写ロールの前記微細凹凸パターンを転写する転写工程と、を有し、前記当接工程は、前記基材に張力をかけながら行うことを特徴とする。
この構成によれば、当接工程において基材に張力をかけることにより、基材の搬送方向の移動を抑制し、擦過痕を防止することができる。
本発明のフィルム状微細構造体の製造方法において、前記転写ロールを前記基材と同期させることが好ましい。
本発明のフィルム状微細構造体の製造方法において、前記転写ロールとの抱角を大きくとり、且つ、前記基材の張力を強くし、前記転写ロールの駆動抵抗を小さくすることで前記転写ロールを前記基材と同期することが好ましい。
本発明のフィルム状微細構造体の製造方法において、前記当接工程において、前記転写ロールの前記基材の搬送方向前側及び後側にそれぞれ設けられた一対のニップロールを、前記基材を介して前記転写ロールに押し当てることが好ましい。
本発明のフィルム状微細構造体の製造方法において、前記ニップロールの面圧が、0.05〜0.2kgf/cmであることが好ましい。
本発明のフィルム状微細構造体の製造方法において、前記当接工程において、前記基材のパスライン及び前記ニップロールの移動線を横切って移動し、前記転写ロールの前記基材の搬送方向前側又は後側の少なくともいずれか一方に設けられたパスガイドロールを、前記基材に張力をかけつつ、前記基材を前記転写ロールから引き離された状態になる第1の位置から、前記基材が前記転写ロールに当接した状態になる第2の位置に移動させ、前記基材の余剰分を巻き取ることが好ましい。
本発明のフィルム状微細構造体の製造方法において、前記基材の前記余剰分を巻取る方向と前記転写ロールを挟んで逆側に位置する一方の前記ニップロールを前記転写ロールに当接した状態で、前記基材の前記余剰分を巻き取ることが好ましい。
本発明のフィルム状微細構造体の製造方法において、前記基材の前記余剰分を巻取る方向と前記転写ロールを挟んで逆側でブレーキをかけ、前記基材の前記余剰分を巻き取ることが好ましい。
本発明によれば、フィルム状の基材の表面を転写ロールの外周面に当接させるときに、基材によって転写ロールの外周面に擦過痕がつくのを防止できる。
本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図である。 本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図である。 本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図である。 本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図である。 本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図である。 本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図である。 本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図である。 本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法の第2のフィルム状モールドの複製工程に用いられる転写装置を示す概略図である。 本実施の形態に係る第nのフィルム状モールドの製造方法を示す説明図である。 フィルム状モールドの断面概略図である。
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態は、フィルム状微細構造体の製造開始時に、転写ロールの外周面がフィルム状の基材に接触して、転写ロールの外周面に擦過痕が生じるのを防止するものである。
転写ロールの外周面には微細凹凸パターンが形成され、この微細凹凸パターンが基材の転写層に転写されてフィルム状微細構造体が製造される。ここで「フィルム状微細構造体」とは、基材の転写層に微細凹凸パターンが転写されたフィルムを指し、フィルム状モールド(副資材又は中間材料)と、フィルム状構造体(永久材料等)を含む。また「フィルム」、「フィルム状」とは可撓性を備えた薄い板状物を指し、厚みや材質等を限定するものでない。
フィルム状微細構造体の製造開始時に、微細凹凸パターンが形成された転写ロールの外周面に、フィルム状の基材の表面を当接させる際、転写ロールの回転と基材の搬送が同期していない場合、接触の衝撃により微細凹凸パターンが破損する可能性がある。
そこで、本実施の形態は、転写工程に先立って、転写ロールの微細凹凸パターンが形成された外周面と、フィルム状の基材の表面とを、前記基材の面方向から当接させる当接工程を、基材に張力をかけながら行うことにより、転写ロールの外周面への擦過を防止する。
以下、本実施の形態に係るフィルム状微細構造体の製造方法について、本実施の形態の転写装置を参照しながら説明する。本実施の形態では、フィルム状モールドを例に挙げて説明する。
(第1のフィルム状モールド作製工程)
図1は、本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図である。
図1に示す転写装置100は、モールド基材101を繰出す繰出し駆動部102と、モールド基材101を巻取る巻取り駆動部104とを備える。繰出し駆動部102と巻取り駆動部104との間には、モールド基材101の搬送方向MDにおける上流側から下流側に向けて順に、モールド基材101上に光硬化性樹脂を塗布する塗布手段105と、ガイドロール106と、外周面に微細凹凸パターンを有する転写ロール(円筒状金型)107と、モールド基材101上の光硬化性樹脂と転写ロール107の外周面との間を密着させるニップロール108a、108bからなる押圧手段108と、光硬化性樹脂に光を照射する光源109とが設けられている。
なお、溶媒を用いて光硬化性樹脂を塗布する場合には、光硬化性樹脂中の溶媒を乾燥する乾燥炉111をさらに備えていても良い。
ここで、ニップロール108a、108bは、長尺方向(搬送方向MD)に走行するモールド基材101を介して転写ロール107に接離可能に設けられている。例えば、図1に示すように、ニップロール108aは移動線Iに沿って移動する。
また、転写ロール107のモールド基材101の搬送方向前側には、パスガイドロール112が、モールド基材101のパスライン(搬送経路)、及び、モールド基材101の搬送方向前側に設けられた前側のニップロール108aの移動線Iを横切って移動可能に設けられている。すなわち、パスガイドロール112は、本実施の形態においては、前側のニップロール108aが、転写ロール107から離間した状態において、前側のニップロール108aと転写ロール107との間のモールド基材101のパスラインに対し、上方の第1の位置A(図1中一点破線で示す)と、下方の第2の位置B(図1中実線で示す)の間で移動可能に構成されている。つまり、第1の位置とは、パスガイドロール112がモールド基材101に当接していない状態となる位置であり、第2の位置とは、パスガイドロール112がモールド基材101に当接し、モールド基材101を転写ロール107から引き離した状態となる位置である。
さらに、転写ロール107に対して、モールド基材101の搬送方向前側に設けられた前側のニップロール108aと、繰出し駆動部102との間に、第1ブレーキ部113が設けられている。一方、転写ロール107に対して、モールド基材101の搬送方向後に設けられた後側のニップロール108bと、巻取り駆動部104との間に、第2ブレーキ部114が設けられている。
上記のような構成からなる転写装置100を用いて、次のように第1のフィルム状モールドを作製する。
(当接工程)
本実施の形態では、転写工程に先立って、転写ロール107の微細凹凸パターンが形成された外周面と、モールド基材101の表面とを、モールド基材101の面方向から当接させる。この工程を当接工程と呼ぶ。
図2〜図6は、本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図であり、特に当接工程を示している。図2に示すように、パスガイドロール112を、第2の位置に配置する。この状態で、モールド基材101を繰出し駆動部102から繰出し、図2中一点鎖線で示すようにモールド基材101を通紙する。つまり、モールド基材101をパスガイドロール112にかかるようにして、転写ロール107に当接させることなく、通紙する。
次に、図3に示すように、第1ブレーキ部113及び第2ブレーキ部114をON状態にする。次いで、繰出し駆動部102及び巻取り駆動部104を動作させる。この際の繰出し駆動部102及び巻取り駆動部104は、トルク30Nで駆動する。
次に、図4に示すように、第1ブレーキ部113をOFF状態にし、パスガイドロール112を第1の位置に移動させ、モールド基材101を転写ロール107に当接させる。次いで、モールド基材101の搬送方向前側に設けられた前側のニップロール108aで、モールド基材101を転写ロール107の外周面に圧着する。
次に、図5に示すように、第1ブレーキ部113をON状態にし、第2ブレーキ部114をOFF状態にする。そして、モールド基材101の搬送方向後側に設けられた後側のニップロール108bで、モールド基材101を転写ロール107の外周面に圧着する。
次に、図6に示すように、第2ブレーキ部114をON状態にする。この結果、転写ロール107の微細凹凸パターンが形成された外周面と、フィルム状のモールド基材の表面とを、前記モールド基材の面方向から当接させ、且つ、モールド基材101に張力をかけけることができる。
以上説明したように、当接工程において、図2に示すように、パスガイドロール112により、モールド基材101と転写ロール107との接触を回避し、通紙時の転写ロール107への擦過を防止することができる。
また、当接工程において、モールド基材101に張力をかけることにより、モールド基材101の搬送方向の移動を抑制し、擦過痕を防止することができると共に、転写ロール107に当接されるニップロール108a、108bの速度が抑えられ、衝撃が緩和されることで、転写ロール107のダメージを軽減することができる。
モールド基材101が転写ロール107に当接した状態において、転写ロール107の擦過を防止するためには、転写ロール107がモールド基材101と同期することが非常に重要である。
特に、モールド基材101が停止した状態から動き始めた瞬間に、モールド基材101の動きに転写ロール107が追従せずに擦過が発生しやすい。転写ロール107との抱角を大きくとり、当接する面積を広くし、且つ、転写ロール107の駆動抵抗を小さくし、モールド基材101の張力を強くすることで転写ロール107をモールド基材101と同期し、擦過を抑制することができる。
転写ロール107へのニップロール108a、108bの押付力は、モールド基材101を介して、塗工した樹脂を転写ロール107の微細凹凸パターンに確実に圧入できる力をかけ、且つ、微細凹凸パターンに損傷を与えない程度にとどめておく必要がある。特に、転写ロール107に押し当てる際の押付力を、0.05〜0.2kgf/cmとすることが好ましい。
当接工程において、最も擦過が発生しやすいのは、パスガイドロール112を、モールド基材101を転写ロール107から引き離された状態になる第1の位置から、モールド基材101が転写ロール107に当接した状態になる第2の位置に移動させ、パス長が短くなったことによって発生するモールド基材101の余剰分が張力を無くし、転写ロール107に接することである。
モールド基材101の弛みによる転写ロール107の擦過を防止するためには、モールド基材101の余剰分を繰出し駆動部102又は巻取り駆動部104によって巻き取ることで、常に張力をかけることが重要である。
まず、当接工程では、パスガイドロール112を、モールド基材101を転写ロール107から引き離された状態になる第1の位置から、モールド基材101が転写ロール107に当接した状態になる第2の位置に移動させる際、モールド基材101の弛みによる転写ロール107の擦過を防止するために、モールド基材101の余剰分を繰出し駆動部102によって巻き取ることで、常に張力をかける。次いで、張力を維持した状態で、モールド基材101をニップロール108aによって固定する。この固定により、モールド基材101にブレーキをかけることができる。
同様に、転写ロール107とニップロール108bによって、転写ロール107と巻取り駆動部104の間のモールド基材101を固定するために、第2ブレーキ部114を解除する。この解除により、モールド基材101の余剰分を巻取り駆動部104によって巻き取ることで、常に張力をかけることができる。次いで、張力を維持した状態で、モールド基材101をニップロール108bによって固定する。この固定により、モールド基材101にブレーキをかけることができる。
当接工程では、モールド基材101の一部を第1ブレーキ部113又は第2ブレーキ部114で固定し、転写ロール107を挟んで反対側の繰出し駆動部102により、モールド基材101の余剰分を一方向で巻き取ることで、転写ロール107とモールド基材101との当接部でのMD方向の移動を抑制し、停止した転写ロール107に擦過なく当接することが望ましい。
上記のように、第1ブレーキ部113又は第2ブレーキ部114で固定し、転写ロール107を挟んでそれぞれの反対側の巻取り駆動部104又は繰出し駆動部102により、モールド基材101の余剰分を一方向で巻き取ることで、転写ロール107にモールド基材101が当接した状態を保持することでMD方向の移動を抑制し、停止した転写ロール107に擦過なく当接することが可能である。
モールド基材101を固定する方法としては、モールド基材101の余剰分を巻取る方向と転写ロール107を挟んで逆側に位置する第1ブレーキ部113又は第2ブレーキ部114を使用することの他に、モールド基材101の余剰分を巻取る方向と転写ロール107を挟んで逆側に位置するニップロール108a、108bを使用することも可能である。ニップロール108a、108bを使用してモールド基材101にブレーキをかけるには、ニップロール101a、108bの一部が転写ロール107に直接接触することが好ましい。
(転写工程)
図7は、本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図であり、特に転写工程を示している。図7に示すように、第1ブレーキ部113及び第2ブレーキ部114をOFF状態とし、繰出し駆動部102及び巻取り駆動部104を駆動させ、モールド基材101を搬送する。塗布手段105により、繰出し駆動部102から送り出した光透過性のモールド基材101上に光硬化性樹脂を塗布して光硬化性樹脂層(転写層)を形成する。光硬化性樹脂層付きのモールド基材101は、ガイドロール106を経て転写ロール107へ供給する。
次に、転写ロール107及びニップロール108a、108bを回転させながら、転写ロール107の外周面を光硬化性樹脂層に密着させて光硬化性樹脂層の表面に微細凹凸パターンを転写する。
転写ロール107の外周面には微細凹凸パターンが形成されており、光硬化性樹脂層と微細凹凸パターンとが密着した状態にある。なお、モールド基材101は、フィルム状基材上に光硬化性樹脂層が所定厚で形成された構成である。
微細凹凸パターンは、円錐形状、角錐形状若しくは楕円錘形状の凸部を複数含むピラー形状、又は、円錐形状、角錐形状若しくは楕円錘形状の凹部を複数含むホール形状或いはラインアンドスペース形状である。ここで、「ピラー形状」とは、「柱状体(錐状態)が複数配置された形状」であり、「ホール形状」とは、「柱状(錐状)の穴が複数形成された形状」である。
微細凹凸パターンのスケールに関しては、用いられる用途に依存するため、特に規定することはしないが、数十ナノメートルから数十ミクロンメートルを指す。またこのスケールは、微細構造体一つの大きさ、径、深さ、ピッチであっても構わない。また、ランダムな構造も微細構造体の一つとすることができる。
大きさの一例であるが、微細凹凸パターンは、例えば、ピッチPが、100nm〜3000nm程度(好ましくは200nm以上)、凸部幅Dが、30nm〜3000nm程度(好ましくは100nm以上)である。また、凸部高さHは、数十nm〜数十μm程度とされる。ピッチPは、隣接する凸部と凹部との幅を足した大きさ、隣り合う凸部間の中間幅、あるいは、隣り合う凹部間の中間幅で定義される。またモールド基材101の光硬化性樹脂層の膜厚は、1〜20μm程度である。
続いて、光硬化性樹脂層に光源109から光を照射して光硬化性樹脂層を光硬化して樹脂硬化物層を形成する。
以上により表面に微細凹凸パターンを備えた第1のフィルム状モールド103を作製することができる。そして図7に示すように、第1のフィルム状モールド103を、巻取り駆動部104で巻き取る。
なお、第1のフィルム状モールド103の作製工程においては、転写ロール107から第1のフィルム状モールド103に転写された微細凹凸パターンを保護するため、光硬化後の光硬化性樹脂層上に保護フィルム(カバーフィルム)をラミネートしてもよい。
(第2のフィルム状モールドの複製工程)
図8は、本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法の第2のフィルム状モールドの複製工程に用いられる転写装置を示す概略図である。
図8に示す転写装置200は、被転写基材201を送り出すための第1の送り出しロール202と、完成した第2のフィルム状モールド203を巻き取るための第1の巻き取りロール204とを備える。第1の送り出しロール202と第1の巻き取りロール204との間には、第1のフィルム状モールド103の搬送方向MDにおける上流側から下流側に向けて順に、被転写基材201の表面に光硬化性樹脂を塗布する塗布手段205と、第1のフィルム状モールド103を送り出すための第2の送り出しロール206と、第1のフィルム状モールド103と被転写基材201とを貼り合わせるための貼合手段207と、ガイドロール208と、第1のフィルム状モールド103と被転写基材201とを密着させるための押圧手段209と、光硬化性樹脂層に光を照射する光源210と、ガイドロール211と、第1のフィルム状モールド103を巻き取るための第2の巻き取りロール212と、が設けられている。
貼合手段207は、一対のラミネートロール207a、207bで構成されている。押圧手段209は、第1のフィルム状モールド103と被転写基材201がその外周面上を搬送されるゴムロール209aと、ゴムロール209aに第1のフィルム状モールド103と被転写基材201を押圧するニップロール209b、209cと、で構成されている。
また、光硬化性樹脂を溶媒に溶かして被転写基材201に塗布する場合には、塗布手段205の下流側に乾燥炉213を設けることができる。また、貼合手段207の下流側に乾燥炉214を設けても良い。
また、第1の送り出しロール202と、第2の送り出しロール206とを入れ替えても構わない。すなわち、第1のフィルム状モールド103の樹脂硬化物層の凹凸形成面上に光硬化性樹脂を塗布しても良い。
このような構成からなる転写装置200を用いて、次のように第2のフィルム状モールドの複製を行う。
まず、第1の送り出しロール202から、被転写基材201を送り出し、その表面上に、塗布手段205により光硬化性樹脂を直接塗布し、光硬化性樹脂層を形成する。
次に、貼合手段207によって第2の送り出しロール206から巻き出された第1のフィルム状モールド103の樹脂硬化物層の凹凸形成面を、被転写基材201上の光硬化性樹脂層に貼り合わせる。
この際、被転写基材201上の光硬化性樹脂層は、第1のフィルム状モールド103の樹脂硬化物層の凹凸形成面の樹脂塗布領域内に貼り合わせる。第1のフィルム状モールド103と被転写基材201との位置合わせは、例えば、フィルムの蛇行調整装置を設置することにより行うことができる。
第1のフィルム状モールド103及び被転写基材201を、ガイドロール208を経て、押圧手段209に供給する。押圧手段209において、第1のフィルム状モールド103の樹脂硬化物層の凹凸形成面を光硬化性樹脂層に密着させる。この状態で、光源210から光硬化性樹脂に光を照射し、光硬化性樹脂を光硬化させる。押圧手段209による密着によって酸素による未硬化を防止することができる。
この後、第1のフィルム状モールド103及び被転写基材201を、ガイドロール211まで搬送し、ここで、第1のフィルム状モールド103から表面に樹脂硬化物層が形成された被転写基材201、すなわち、第2のフィルム状モールド203を剥離する。このとき、第1のフィルム状モールド103の微細凹凸構造の反転形状が第2のフィルム状モールド203に転写される。
この後、第2のフィルム状モールド203を、第1の巻き取りロール204に巻き取る。一方、第1のフィルム状モールド103を、第2の巻き取りロール212に巻き取る。
(第nのフィルム状モールドの作製)
以上説明した本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法では、転写ロール107から微細凹凸パターンを転写して作製した第1のフィルム状モールド103を原版として第2のフィルム状モールド203を複製する場合について説明した。しかし、第2のフィルム状モールド203を原版として第3のフィルム状モールドをさらに複製することも可能である。すなわち、本発明は、第(n−1)(nは2以上の整数)のフィルム状モールドから第nのフィルム状モールドの製造方法に適用することが可能である。
図9は、本実施の形態に係る第nのフィルム状モールドの製造方法を示す説明図である。図9に示すように、円筒状金型M−0を原版として第1のフィルム状モールドM−1を作製し、この第1のフィルム状モールドM−1を原版として第2のフィルム状モールドM−2を複製できる。さらに、第2のフィルム状モールドM−2を原版として第3のフィルム状モールドM−3を複製できる。同様にして、第n−1のフィルム状モールドM−(n−1)を原版として、第nのフィルム状モールドM−nを複製できる。
つまり、第nのフィルム状モールドM−nを複製するために用いられた第n−1のフィルム状モールドM−(n−1)は、一つ前の第n−2のフィルム状モールドM−(n−2)(図示せず)を原版として用いて作製されたものである。
上記のようにして製造された第2〜第nのフィルム状モールドM−2〜M−nのいずれも、これを原版として微細凹凸構造付き製品Pを量産するために使用することができる。
(第nのフィルム状モールドの応用例)
以上説明した本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法により得られた第nのフィルム状モールドは、例えば、反射防止材の製造、レジストマスクの作製、細胞培養培地、超撥水加工及び超親水加工に応用することができ、有用である。例えば、ピラー形状、円錐形状、角錐形状、惰円錐形状を含む周期的な微細凹凸構造を有するものは、反射防止効果があるモスアイ構造の反射防止膜として用いることができる。ここで、モスアイ構造とは、サブミクロンオーダーのピラミッド状凹凸構造を蛾の目のような2次元パターンに配置した構造をいう。このような微細構造体においては、表面に形成されるナノオーダーの微細凹凸構造が滑らかな屈曲率傾斜を誘発し、界面の屈折率差で発生する反射が起きないため、反射防止膜として好適に用いることが可能となる。また、本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法により得られた第nのフィルム状モールドを用い、エッチング対象である基板の表面にレジストマスクを作製できる。
本実施の形態では、パスガイドロール112を、転写ロール107と前側のニップロール108aとの間に配置しているが、転写ロール107と後側のニップロール108bとの間に配置しても良いし、これらの両方に配置しても良い。
以下、本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法の構成要素についてさらに詳細に説明する。
(塗布手段)
塗布手段105、205によるフィルム状基材への光硬化性樹脂の塗布方法としては、公知の塗布コーター又は含浸塗布コーターを用いた塗布方法が挙げられる。具体的には、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ブレードコーター、ワイヤーバーコーター、エアーナイフコーター、ディップコーター、コンマナイフコーター、スプレーコーター、カーテンコーター、スピンコーター、ラミネーターなどを用いた塗布方法が挙げられる。これらの塗布方法は、必要に応じて1種の塗布方法を用いてもよく、2種以上の塗布方法を組合せて用いてもよい。また、これらの塗布方法は、生産性の観点から連続方式で塗布することが好ましい。また、ディップコーター、コンマナイフコーター、グラビアコーター又はラミネーターを使用した連続方式の塗布方法が特に好ましい。
(光源)
光硬化性樹脂への光照射に用いる光源109、210としては、特に制限されるものではなく、用途及び設備に応じて種々の光源を用いることができる。例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、無電極ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、LEDランプ、キセノンパルス紫外線ランプなどを用いることができる。また、光硬化性樹脂は、波長200nm〜500nmの紫外線又は可視光を露光量が100mJ/cm〜2000mJ/cmとなるように照射することにより硬化することができる。また、酸素による光硬化反応の阻害を防止する観点から、光照射時には酸素濃度が低い状態で光を照射することが望ましい。
(転写ロール)
転写ロール107は継ぎ目のないことがより好ましい。継ぎ目があった場合、最終的に得られる微細凹凸パターン付製品において、継ぎ目部に対応する微細凹凸パターンがない箇所を切り落とすため、歩留まりが悪化するだけでなく、切り落とす作業が余分に入るため連続生産性も悪化する。
転写ロール107の微細凹凸パターンは、レーザー切削法、電子線描画法、フォトリソグラフィー法、半導体レーザーを用いた直接描画リソグラフィー法、干渉露光法、電鋳法、陽極酸化法などの加工方法により、円筒状の基材の外周面に直接形成することができる。これらの中でも、微細凹凸パターンに継目のない転写ロールを得る観点から、フォトリソグラフィー法、半導体レーザーを用いた直接描画リソグラフィー法、干渉露光法、電鋳法、陽極酸化法が好ましく、半導体レーザーを用いた直接描画リソグラフィー法、干渉露光法、陽極酸化法がより好ましい。
また、転写ロール107としては、上記加工方法で平板基板の表面に形成した微細構造を樹脂材料(フィルム)へ転写し、このフィルムを転写ロールの外周面に位置精度よく貼り合わせたものを用いてもよい。また、上記加工方法で平板基板の表面に形成した微細構造を電鋳法によりニッケルなどの薄膜に転写し、この薄膜をローラーに巻き付けたものを用いてもよい。
転写ロール107の材料としては、微細凹凸パターンの形成が容易であり、耐久性に優れた材料を用いることが望ましい。このような観点から、ガラスロール、石英ガラスロール、ニッケル電鋳ロール、クロム電鋳ロール、アルミロール、又はSUSロール(ステンレス鋼ロール)が好ましい。
ニッケル電鋳ロール及びクロム電鋳ロール用の母材としては、導電性を有する導電性材料を用いることができる。導電性材料としては、例えば、鉄、炭素鋼、クロム鋼、超硬合金、金型用鋼(例えば、マルエージング鋼など)、ステンレス鋼、アルミ合金などの材料が好適に用いられる。
転写ロール107の表面には、離型処理を施すことが望ましい。離型処理を施すことにより、転写ロール107の表面自由エネルギーを低下させることができるので、連続的に光硬化性樹脂へ転写した場合においても、良好な剥離性及び微細凹凸パターンのパターン形状を保持することができる。また、第1のフィルム状モールド103から複製される第2のフィルム状モールド203まで、転写ロール107の離型性が反映されるため、離型処理を行うことが好ましい。
離型処理には、市販の離型剤及び表面処理剤を用いることができる。市販の離型剤及び表面処理剤としては、例えば、オプツール(登録商標)(ダイキン化学工業社製)、デュラサーフ(登録商標)(ダイキン化学工業社製)、ノベック(登録商標)シリーズ(3M社製)などが挙げられる。また、離型剤、表面処理剤としては、転写ロール107の材料の種類及び転写される光硬化性樹脂との組合せにより、適宜、好適な離型剤、表面処理剤を選択することができる。
(フィルム状モールド)
フィルム状モールドについて以下に説明する。図10は、フィルム状モールドの断面概略図である。図10には第1のフィルム状モールド103を図示した。図10に示すように、第1のフィルム状モールド103は、フィルム状基材115上に、樹脂硬化物層117が形成されている。図10に示すように、樹脂硬化物層117の表面には微細凹凸パターン116が形成されている。図10に示す微細凹凸パターン116は、転写ロール107の微細凹凸パターンを転写した形状であり、すなわち微細凹凸パターンの反転形状(逆パターン)とされる。微細凹凸パターン116は、円錐形状、角錐形状若しくは楕円錘形状の凸部を複数含むピラー形状、又は、円錐形状、角錐形状若しくは楕円錘形状の凹部を複数含むホール形状或いはラインアンドスペース形状である。大きさの一例であるが、微細凹凸パターン116は、例えば、ピッチPが、100nm〜3000nm程度(好ましくは200nm以上)、凸部幅Dが、30nm〜3000nm程度(好ましくは100nm以上)、凸部高さH1が、数十nm〜数十μm程度とされる。ピッチPは、隣接する凸部と凹部との幅を足した大きさ、隣り合う凸部間の中間幅、あるいは、隣り合う凹部間の中間幅で定義される。
(フィルム基材)
第1のフィルム状モールドの作製において用いられるモールド基材101や第2のフィルム状モールドの複製に用いられる被転写基材201には光透過性があるフィルム状基材を用いることができる。
フィルム状基材としては、紫外・可視光領域で使用する光源に対して実質的に光透過性を有する材料を主成分とするものであれば特に限定されないが、ハンドリング性、加工性に優れた樹脂材料であることが好ましい。このような樹脂材料としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、トリアセチルセルロール(TAC)樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂、及び、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂が挙げられる。
フィルム状基材の厚みは、材料にもよるが、好ましくは20〜200μm、より好ましくは50〜150μm、さらに好ましくは50〜100μmである。200μm以下であれば、光ナノインプリントの光源に使用される紫外線の透過率が良好であり、光硬化に充分な光量を得ることができる。20μmであれば、フィルムとしての剛性を保持することができるため、ハンドリングが容易である。
フィルム状基材の表面には、光硬化性樹脂との密着性向上のため、プライマー処理、大気圧プラズマ処理、コロナ処理を施すことができる。
(光硬化性樹脂)
光硬化性樹脂層は光硬化性樹脂で形成される。光硬化性樹脂は、転写性、原版からの剥離性、フィルム状基材との密着性、粘度、製膜特性、感光性、硬化後の力学特性、樹脂鋳型作製時の樹脂層との剥離性を考慮して選択する。
光硬化性樹脂としては、例えば、光重合開始剤により重合可能な各種アクリレート化合物及びメタクリレート化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、チオール化合物、シリコーン系化合物などを使用することができる。これらの中でも、アクリレート化合物及びメタクリレート化合物、エポキシ化合物、シリコーン系化合物を用いることが好ましく、アクリレート化合物、メタクリレート化合物を用いることがより好ましい。これらの化合物は単独種類で用いてもよく、エポキシ化合物とアクリレート化合物との組合せなど、複数種類を組合せて用いてもよい。
アクリレート化合物及びメタクリレート化合物としては、(メタ)アクリル酸、フェノキシエチルアクリレート、及びベンジルアクリレートなどの芳香族系の(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、アクリレート化合物及びメタクリレート化合物としては、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、光硬化性樹脂としては、上記アクリレート化合物及びメタクリレート化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、シリコーン系化合物のうち、炭化水素中の水素がフッ素に置換されたフッ素含有化合物を用いることができる。フッ素含有化合物を用いることにより、硬化後の表面自由エネルギーが減少し、転写工程における原版(転写ロール107及び第1のフィルム状モールド103)からの被転写結果物(第1のフィルム状モールド103及び第2のフィルム状モールド203)の離型性が向上する。
フッ素含有(メタ)アクリレートとしては、ポリフルオロアルキレン鎖及び/又はペルフルオロ(ポリオキシアルキレン)鎖と、重合性基とを有することが好ましい。
光硬化性樹脂としては、感光性を向上するため光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤などが挙げられる。光重合開始剤は、使用する光源波長及び基材(透明シート)、諸物性などを考慮し、選択することができる。市販されている開始剤の例としては、BASF社製の「IRGACURE(登録商標、以下同じ)」(例えば、IRGACURE651、184、500、2959、127、754、907、369、379、379EG、819、1800、784、OXE01、OXE02)や「DAROCUR(登録商標、以下同じ)」(例えば、DAROCUR1173、MBF、TPO、4265)などが挙げられる。
光硬化性樹脂としては、光感度向上のため増感剤を含むものが好ましい。このような増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、などが挙げられる。また、増感剤は、単独種類で用いてもよく、複数種類を混合物として用いてもよい。
光硬化性樹脂は、溶媒を添加して粘度を調整することができる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、などが好ましい。これらの溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。これらの溶媒中でも、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン及びメチルエチルケトン、イソプロピルアルコールが好ましい。
なお本実施の形態におけるモールド基材は、ロール形状のほか、金型などあらゆる形状に適用される。
以下、本発明の効果を明確にするために実施した実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
巻取り側のブレーキをONにした状態で、繰出し駆動部を動作させ、繰出し側のフィルム張力30Nにてニップロールを面圧0.05kgf/cmにてモールド基材を介して転写ロールに当接した。
その結果、余剰なモールド基材が常に繰出し側駆動部によって巻き取られることで、フィルムのMD方向の移動を抑制し、転写ロールへの擦過痕は1〜2mmに軽減した。
(比較例1)
巻取り側のブレーキをONにした状態で、繰出し駆動部を動作させ、繰出し側のフィルム張力30Nにてニップロールを面圧0.2kgf/cm以上にてモールド基材を介して転写ロールに当接した。
その結果、転写ロールの微細凹凸パターンに損傷が生じていることが確認された。また転写ロールの両側に配置された一方のニップロールが片当たりしたとき(偏荷重)は、先にニップロールが接触した部分での転写ロールの微細凹凸パターンに損傷が生じていることが確認された。
(比較例2)
巻取り側のブレーキをONにした状態で、繰出し駆動部を動作させ、繰出し側のフィルム張力30Nにてニップロールを面圧0.04kgf/cm以下にてモールド基材を介して転写ロールに当接したが、張力の変動により、ニップロールが転写ロールから離れ、当接工程を完了することができなかった。
(比較例3)
巻取り側のブレーキをONにした状態で、繰出し駆動部を動作させず、繰出し側のフィルム張力をかけずに、ニップロールを面圧0.05kgf/cmにてモールド基材を介して転写ロールに当接した。
その結果、余剰なモールド基材が重力によってMD方向に移動しながら転写ロールに擦過し、転写ロールに10〜50mmの擦過痕が生じた。
(実施例2)
巻取り側のブレーキをONにした状態で、転写ロールのモールド基材の搬送方向前側に設けられたパスガイドロールを、繰出し側駆動部により30Nの張力をかけつつ、モールド基材を転写ロールから引き離された状態になる第1の位置から、モールド基材が転写ロールに当接した状態になる第2の位置に移動させ、ニップロールを面圧0.05kgf/cmにてモールド基材を介して転写ロールに当接した。その結果、転写ロールへの擦過痕は発生しなかった。
(比較例4)
巻取り側のブレーキをかけずに、繰出し側駆動部と巻取り側駆動部によりモールド基材に30Nの張力をかけつつ、転写ロールの前記モールド基材の搬送方向前側に設けられたパスガイドロールを、モールド基材を転写ロールから引き離された状態になる第1の位置から、モールド基材が転写ロールに当接した状態になる第2の位置に移動させ、ニップロールを面圧0.05kgf/cmにてフィルムを介して転写ロールに当接した。
その結果、フィルムがMD方向に動きながら当接され、転写ロールに1〜2mmの擦過痕が発生した。
本発明は、微細凹凸パターンを形成するためのフィルム状微細構造体の製造方法に適用することができ、得られたフィルム状微細構造体は、例えば、反射防止材の製造、レジストマスクの作製、細胞培養培地、超撥水加工及び超親水加工に好適に適用することが可能である。
100、200 転写装置
101 モールド基材
103、203 フィルム状モールド
105、205 塗布手段
107 転写ロール
108、209 押圧手段
108a、108b、209b、209c ニップロール
109、210 光源
112 パスガイドロール
113 第1ブレーキ部
114 第2ブレーキ部
115 フィルム状基材
117 樹脂硬化物層

Claims (10)

  1. 微細凹凸パターンが外周面に形成された転写ロールと、
    長尺方向に走行するフィルム状の基材を介して前記転写ロールに接離可能に設けられ、前記転写ロールに接近した場合に前記基材を前記転写ロールと共に挟持する、前記転写ロールの前記基材の搬送方向前側及び後側にそれぞれ設けられた一対のニップロールと、
    前記基材のパスライン及び前記ニップロールの移動線を横切って移動し、前記転写ロールの前記基材の搬送方向前側又は後側の少なくともいずれか一方に設けられたパスガイドロールと、
    を具備することを特徴とするフィルム状微細構造転写装置。
  2. 前記転写ロールの前記基材の搬送方向前側に設けられた前記基材を繰出すフィルム繰出し部と、
    前記転写ロールの前記基材の搬送方向後側に設けられた前記基材を巻き取るフィルム巻取り部と、
    前記基材の搬送方向前側に設けられた前側の前記ニップロールと前記フィルム繰出し部との間、及び、前記基材の搬送方向後側に設けられた後側の前記ニップロールと前記フィルム巻取り部との間の少なくともいずれか一方に設けられたブレーキ部と、
    をさらに具備することを特徴とする請求項1記載のフィルム状微細構造転写装置。
  3. 転写ロールの微細凹凸パターンが形成された外周面と、フィルム状の基材の表面とを、前記基材の面方向から当接させる当接工程と、
    前記転写ロールを回転させつつ前記基材の表面に前記転写ロールの前記微細凹凸パターンを転写する転写工程と、を有し、
    前記当接工程は、前記基材に張力をかけながら行うことを特徴とするフィルム状微細構造体の製造方法。
  4. 前記転写ロールを前記基材と同期させることを特徴とする請求項3記載のフィルム状微細構造体の製造方法。
  5. 前記転写ロールとの抱角を大きくとり、且つ、前記基材の張力を強くし、前記転写ロールの駆動抵抗を小さくすることで前記転写ロールを前記基材と同期することを特徴とする請求項4記載のフィルム状微細構造体の製造方法。
  6. 前記当接工程において、前記転写ロールの前記基材の搬送方向前側及び後側にそれぞれ設けられた一対のニップロールを、前記基材を介して前記転写ロールに押し当てることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載のフィルム状微細構造体の製造方法。
  7. 前記ニップロールの面圧が、0.05〜0.2kgf/cmであることを特徴とする請求項6記載のフィルム状微細構造体の製造方法。
  8. 前記当接工程において、前記基材のパスライン及び前記ニップロールの移動線を横切って移動し、前記転写ロールの前記基材の搬送方向前側又は後側の少なくともいずれか一方に設けられたパスガイドロールを、前記基材に張力をかけつつ、前記基材を前記転写ロールから引き離された状態になる第1の位置から、前記基材が前記転写ロールに当接した状態になる第2の位置に移動させ、前記基材の余剰分を巻き取ることを特徴する請求項6又は請求項7記載のフィルム状微細構造体の製造方法。
  9. 前記基材の前記余剰分を巻取る方向と前記転写ロールを挟んで逆側に位置する一方の前記ニップロールを前記転写ロールに当接した状態で、前記基材の前記余剰分を巻き取ることを特徴とする請求項8記載のフィルム状微細構造体の製造方法。
  10. 前記基材の前記余剰分を巻取る方向と前記転写ロールを挟んで逆側でブレーキをかけ、前記基材の前記余剰分を巻き取ることを特徴とする請求項8記載のフィルム状微細構造体の製造方法。
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