JP2016126943A - 蓄電装置および蓄電システム - Google Patents

蓄電装置および蓄電システム Download PDF

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Abstract

【課題】組立作業やメンテナンス性に優れた蓄電装置および蓄電システムの提供。【解決手段】蓄電装置30は、積層された複数のリチウムイオン二次電池セル3と、複数のリチウムイオン二次電池セル3をセル積層方向に挟持する一対の固縛板20を有して、複数のリチウムイオン二次電池セル3を固縛する固縛装置2と、一対の固縛板20で固縛された複数のリチウムイオン二次電池セル3のセル積層方向の膨張量を検出するための変位センサ1と、を備え、変位センサ1は、一対の固縛板20で固縛された複数のリチウムイオン二次電池セル3の外側に配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電装置および蓄電システムに関する。
リチウムイオン電池やキャパシタなどの蓄電装置を車載用や産業用に広く普及させていくためには、長寿命化が必須である。リチウムイオン電池やキャパシタを長期間充放電すると、電池材料の劣化により抵抗が増加し、所定の出力および容量が得られなくなって電池寿命となる。目標寿命を超えて二次電池を使用するには、電池の劣化状態を検知し、劣化状態に応じて充放電条件を調整することが有効な対策の1つである。
特許文献1に記載の技術では、複数のセル(単電池)とバッテリコンピュータから構成される電源装置において、セルと固縛板の間に圧力センサを取り付け、セルが劣化により膨張した場合には、圧力上昇として検知できるシステムが提案されている。
特開2006−24445号公報
しかしながら、圧力センサをセルとセルの間、あるいはセルと固縛板の間に挿入する構成の場合、電池組立作業が複雑になり作業性に劣る。また、センサから誤信号が発信された可能性の有無をチェックしたり、センサの校正が必要となったりした場合は、その都度電池モジュールの解体が必要となり、作業に時間がかかるという課題がある。
請求項1の発明に係る蓄電装置は、積層された複数の蓄電セルと、前記複数の蓄電セルをセル積層方向に挟持する第1および第2の固縛部材を有して、前記複数のセルを固縛する固縛装置と、前記第1および第2の固縛部材で固縛された前記複数の蓄電セルの前記セル積層方向の膨張量を検出するための変位センサと、を備え、前記変位センサは前記固縛装置で固縛された前記複数の蓄電セルの外側に配置される。
請求項6の発明に係る蓄電システムは、請求項1に記載の蓄電装置と、前記蓄電セルの電流値および電圧値に基づいて前記複数の蓄電セルの劣化状態を推定する第1の推定部と、前記膨張量に基づいて前記複数の蓄電セルの劣化状態を推定する第2の推定部と、前記第2の推定部で推定された劣化状態に基づいて、前記第1の推定部で推定された劣化状態の信頼性を判定する判定部と、を備える。
請求項8の発明に係る蓄電システムは、電動車両の車両駆動用電源に用いられる請求項1に記載の蓄電装置と、前記蓄電セルの電流値および電圧値に基づいて前記複数の蓄電セルの劣化状態を推定する第1の推定部と、前記複数の蓄電セルを所定温度かつ所定充電状態に保持して計測された該複数の蓄電セルの基準膨張量が記憶される記憶部と、前記基準膨張量に基づいて前記複数の蓄電セルの劣化状態を推定する第2の推定部と、前記第1の推定部で推定された劣化状態と前記第2の推定部で推定された劣化状態とに基づいて、前記蓄電モジュールの充放電条件を変更する充放電制御部と、を備える。
本発明によれば、組立作業やメンテナンス性に優れた蓄電装置および蓄電システムを提供することができる。
図1は、蓄電システムの第1の実施の形態を説明する図である。 図2は、劣化状態推定の判定処理の一例を示すフローチャートである。 図3は、膨張量補正を説明する図である。 図4は、充放電時間と電池抵抗および膨張量との関係を示す図である。 図5は、蓄電システムの第2の実施の形態を説明する図である。 図6は、第3の実施の形態を説明する図である。 図7は、荷重と電池モジュールの積層方向の寸法との関係の一例を示す図である。 図8は、変位センサ配置の第1の変形例を示す図である。 図9は、変位センサ配置の第2の変形例を示す図である。 図10は、変位センサとしてリニアエンコーダを用いる場合の模式図である。 図11は、差動変圧器式の変位センサを用いる場合の模式図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1は、本発明に係る蓄電システムの第1の実施の形態を説明する図である。図1に示す蓄電システム100は車載用の蓄電システムであり、蓄電装置30、セルコントローラ8、記憶回路9およびバッテリーコントローラ10を備えている。
蓄電装置30は、電池モジュールMD、電池モジュールMDが載置されるベース7、ベース7に固定された基準板6を備えている。電池モジュールMDは、図示左右方向に積層された複数のリチウムイオン二次電池セル3と、それらのリチウムイオン二次電池セル3を固縛する固縛装置2と、一対の変位センサ1とを備えている。固縛装置2は、積層されたリチウムイオン二次電池セル3の左右両端に配置される一対の固縛板20と、固縛板20同士を連結するサイドプレート21とを備えている。サイドプレート21は両サイドに設けられている。固縛板20にサイドプレート21を取り付けることによって、リチウムイオン二次電池セル3の積層体は一対の固縛板20によってセル積層方向に挟持されることになる。
リチウムイオン二次電池セル3は角型の電池セルであって、例えば、電気絶縁用のセパレータを介して正極と負極を積層または捲回し、非水溶性電解液を含浸させた状態で電池容器内に封入したものである。正極はアルミ箔上にLiCoOの粒子を導電剤および結着剤と混合し塗布したものである。なお、正極活物質としては、LiCoOの他に、LiNiO、LiMnO、LiNiCoMnOなどのリチウム金属遷移酸化物を用いることができる。負極は銅箔上に黒鉛の粒子を結着剤と混合し塗布したものである。黒鉛の他にSi、SiOと黒鉛の混合材などを負極活物質に用いることができる。電気絶縁用のセパレータにはPP、PE材を積層した微多孔膜が用いられるが、不織布、セルロースなども代用可能である。非水溶性電解液の電解質にはLiPFが用いられるが、LiBFでも代用できる。電解液の溶媒にはEC、DMC、EMCの3種類を混合したものを用いた。
リチウムイオン二次電池セル3は、充放電サイクルの増加と共に電池容量が低下する。電池容量の低下は、リチウムイオン二次電池セル3の充放電における膨張が要因の一つと考えられている。膨張量は、リチウムイオン二次電池セル3の劣化状態によって異なり、また、リチウムイオン二次電池セル3の充電状態(SOC:state of charge)によっても異なる。図1に示す電池モジュールMDでは、電池モジュールMDの膨張を抑制し電池容量の低下を抑えるために、電池モジュールMDを積層方向に固縛する固縛装置2を備えている。
固縛装置2は、リチウムイオン二次電池セル3の膨張を抑制するために設けられたものである。固縛板20は、複数のリチウムイオン二次電池セル3(以下では、セル積層体と呼ぶ場合もある)のセル積層方向の両端に設けられ、それを挟持している。一対の固縛板20には、所定の圧力でセル積層体が挟持されるようにサイドプレート21で連結されている。固縛装置2により固縛された状態の電池モジュールMDは、ベース7上に固定されている。充放電および電池劣化によってリチウムイオン二次電池セル3が膨張すると、固縛された状態においても固縛板20間の距離が変化する。
各固縛板20には、セル積層体を挟持する面とは反対側の面(以下では、非挟持面と呼ぶ)20aには、変位センサ1が設けられている。変位センサ1と対向する位置には基準板6が設けられている。基準板6は、電池モジュールMDが載置されるベース7に固定されている。変位センサ1は、基準板6と固縛板20との距離を測定するためのセンサである。変位センサ1には、例えば、赤色発光ダイオード(LED)変位センサが用いられる。より高精度の測定が必要な場合にはレーザー変位センサを用いると良い。
各リチウムイオン二次電池セル3は、電流線4を介して接続されたバッテリーコントローラ10により、所定の条件で充放電される。リチウムイオン二次電池セル3の充放電条件は、セルコントローラ8および車両コントローラ11からの情報に基づいてバッテリーコントローラ10で調整される。セルコントローラ8には、電圧線5を介して各リチウムイオン二次電池セル3のセル電圧が入力される。さらに、セルコントローラ8には、各固縛板20に取り付けた変位センサ1から距離情報(検出信号)が入力される。セルコントローラ8は、入力された距離情報(固縛板20の距離情報)に基づいて電池モジュールMDの膨張量を求める。記憶回路9は、セルコントローラ8からの入力信号をログとして記憶する。バッテリーコントローラ10から出力される電池モジュールMDの充放電条件は、車両全体を制御する車両コントローラ11に入力される。
次に、電池モジュールMDに設けられたリチウムイオン二次電池セル3の劣化状態の推定方法について説明する。リチウムイオン二次電池セル3はリチウムイオンが正極と負極間を移動し、挿入、脱離を繰り返すことにより充放電する。リチウムイオン二次電池セル3を長期間充放電運転すると、電極材や電解液などの劣化により、単位時間に移動できるリチウムイオン量や所定の電圧範囲で移動できる総リチウムイオン量が低下し、電池の出力や容量が低下してくる。リチウムイオン二次電池セル3を目標寿命まで使用するためには、このような電池の劣化状況を把握し、劣化状況に応じて充放電条件を調整する必要がある。
前述したように、電圧値および電流値から算出される電池抵抗値から劣化状態を推定する従来の推定方法では、電圧値や電流値に測定誤差が生じた場合、劣化状態を誤って判断してしまうおそれがあった。
リチウムイオン二次電池セル3の劣化を示す指標の一つとして、電極活物質の割れや活物質内でのリチウムイオンの残留などによる電極の膨張がある。そこで、本実施の形態では、変位センサ1の検出データに基づいて得られた電池モジュールMDの膨張量を劣化状態判定に利用することで、劣化状態推定の信頼性向上を図るようにした。
上述したように、本実施の形態では、変位センサ1で測定した基準板6および固縛板20間の距離情報を電圧値としてセルコントローラ8に入力し、電池モジュールMDの膨張量を把握するようにしている。しかし、膨張量は電池モジュールMDのSOCによっても変化するため、膨張量を精度良く評価するには電池モジュールMDを所定SOCに調整した後、変位センサ1で測定することが望ましい。なお、所定SOCとしては特に決まった値はなく、例えば、SOC=50%を所定SOCとすれば良い。
車両運転時には、リチウムイオン二次電池セル3の充放電状態は時間に対して急激に変化することが多いため、所定のSOCに調整して膨張量を測定するのは困難である。また、電池モジュールMDの膨張量は雰囲気温度により影響を受け、車載用の場合、温度変化が大きくなるため測定精度が低下する可能性がある。
そこで、車検や定期点検時などの際に、電池モジュールMDを車両から取り外し、以下のような手順で膨張量を正確に測定する。まず、蓄電装置30を車両から取り外したならば、充放電装置を用いて電池モジュールMDのSOCを所定SOCに調整する。次いで、電池モジュールMDの温度を所定温度に保持して、電池モジュールMDの膨張量を測定する。膨張量測定は、蓄電装置30に設けられている変位センサ1を用いて行う。そして、測定された膨張量E0は、所定SOCおよび所定温度における基準膨張量として、記憶回路9に記憶させる。
図2は、劣化状態推定の判定処理の一例を示すフローチャートである。図2に示す一連の処理は、車両使用状況の特定のタイミング(例えば、車両検査直後や車両起動のタイミングなど)においてバッテリーコントローラ10で実行される。
ステップS10では、リチウムイオン二次電池セル3の電流値、電圧値および膨張量Eを測定し、その測定データを記憶回路9に記憶する。ステップS20では、記憶回路9に記憶された電流値、電圧値の測定データに基づいて電池抵抗R1を算出する。ステップS30では、膨張量測定値Eと測定時の電池温度およびSOCに基づいて、所定温度かつ所定SOCの膨張量E1=E(SOC,T)×K(SOC,T)を算出する。なお、電池モジュールMDには温度センサが設けられており、温度検出信号はバッテリーコントローラ10に入力される。膨張量は電池温度とSOCに依存するので、上述のように換算係数K(SOC,T)を用いて所定温度かつ所定SOCにおける膨張量E1に換算する。換算係数K(SOC,T)は、予めマップデータとして記憶回路9に記憶されている。
なお、本実施の形態では、車両走行時に得られる膨張量E1を、車両検査時に測定された膨張量E0を用いて図3のように補正する。図3において、E(t)は、所定の充放電条件により充放電を行った場合の、充放電時間tに対する膨張量の変化を示している。そして、車両点検時に得られる膨張量E0は正確な測定値なので、曲線E(t)上に乗っている。そして、車両点検直後の車載状態において膨張量E1を取得する。この膨張量E1は所定温度かつ所定SOCにおける値に換算したものではあるが、車両点検時に得られる膨張量E0に比べて誤差を含んでいる。そのため、差分=E0−E1を補正値(オフセット値)として記憶回路9に記憶し、その後に取得される膨張量E1(補正前)に対しては、「膨張量E1(補正前)+補正値」を補正後膨張量E1とする。そのため、補正後膨張量E1は曲線E(t)に近い値となる。ステップS30における膨張量E1には、この補正後膨張量E1が用いられる。もちろん、多少の誤差を許容するならば、膨張量E1(補正前)を用いても構わない。
ステップS40では、ステップS20,S30で取得された電池抵抗R1および膨張量E1に基づいて、充放電時間tr1,te1をそれぞれ算出する。記憶回路9には、電池抵抗R1と充放電時間tr1との相関を表すマップデータ、および、所定温度かつ所定SOCにおける膨張量E1と充放電時間te1との相関を表すマップデータが、予め記憶されている。これらのマップデータと電池抵抗R1および膨張量E1とから充放電時間tr1,te1を算出する。
ステップS50では、充放電時間tr1,te1の差分=|te1−tr1|が、許容値Δtに対して差分≦Δtを満足するか否かを判定する。図4は、充放電時間tと電池抵抗Rおよび膨張量Eとの関係を示す図である。相関R(t),E(t)は、予めマップデータまたは相関関数として記憶回路9に記憶されている。図4に示す例では、差分=|te1−tr1|は差分≦Δtを満足している。すなわち、ステップS20で取得された電池抵抗R1は信頼性があり、電流値および電圧値に関する測定系は正常であると判断することができる(ステップS60)。
一方、電池抵抗が図4のR2のような値であった場合、充放電時間tr1と充放電時間te1との乖離が大きいので、取得された電池抵抗R2は信頼性が無いと判定する(ステップS70)。すなわち、電流値および電圧値に関する測定系に異常が生じていると判断することができる。
ステップS60において信頼性有りと判定した場合には、通常通り、電池抵抗R1を用いて劣化状態の推定を行う。一方、ステップS70において「信頼性無し」と判定した場合には、ステップS80に進んで、電池計測系に異常があることを知らせる警報をバッテリーコントローラ10から車両コントローラ11に送信する。
なお、図4に示したR(t)およびE(t)は、所定の充放電パターンで電池モジュールMDを使用した場合の電池抵抗および膨張量の推移を示したものである。そのため、劣化しやすい充放電条件で充放電を行った場合には、ステップS40で算出される充放電時間tr1,te1は、実際にタイマでカウントされている充放電時間に比べて長くなる。すなわち、電池モジュールMDの残寿命はより短くなっていることになる。
そのような場合、充放電条件を変更して、電池モジュールMD公称の電池保証時間まで使用できるように残寿命を延ばすことが行われる。そのような対策としては、例えば、充電制御時のSOC上限値を、予め設定されているSOC上限値よりも低く設定する方法がある。その結果、電池モジュールMDのSOCの使用範囲が低めに設定されるため、電池モジュールMDの劣化進行の度合いが小さくなり、残寿命の改善を図ることができる。
なお、図2に示す処理では、車載状態における測定系診断について説明した。しかし、車両検査時に蓄電装置30を車両から取り外して電池モジュールMDの膨張量E0を測定した際に、その充放電の際の電圧および電流から算出される電池抵抗R1と膨張量E0とから測定系の状態を診断しても良い。
また、上述の劣化診断に代えて、以下のような診断を行って測定系の診断や劣化状態の判断を、バッテリーコントローラ10で行うようにしても良い。すなわち、車両点検時に取得された電池抵抗R1と膨張量E0が、実際にカウントされた充放電時間と相関R(t1),E(t)とから予測される電池抵抗値および膨張量よりも大きい場合には、電池モジュールMDの劣化が予測より進行していると判断される。その場合には、目標寿命を達成できなくなるため、充放電時における電流、電圧の動作範囲を狭くする、あるいは時間当たりの充放電サイクル数を減らすなど緩和した条件に変更し、バッテリーコントローラ10でセルの充放電を制御する。
一方、電池抵抗は予測値よりも高いが、膨張量が予測値よりも小さい場合には、電解液の劣化や部材と信号線との接触不良あるいは誤信号などの可能性が考えられるため、要因を推定し対策する必要がある。
また、電池抵抗および膨張量の両方とも予測値以下である場合には、電池モジュールMDの劣化は予測範囲内であると思われるため、条件を変更せず充放電を行う。
なお、電池寿命の予測には寿命予測式が用いられることが多いが、正負極の活物質、電解液組成、充放電条件、温度などによって予測値が変わる。そのため、事前に実電池にできるだけ近い条件で寿命評価試験を行い、その結果に基づいて作成した予測式を用いる必要がある。
以上説明したように、本実施の形態の蓄電装置30では、変位センサ1により基準板6を検出することにより、各固縛板20と対向する基準板6との距離変化がそれぞれ検出される。その結果、固縛板20で固縛されたセル積層体の、積層方向の膨張量を検出することができる。
変位センサ1は、図1に示すように固縛板20の非挟持面20aに、すなわち、固縛板20の外側に露出した部分(非挟持面20a)に配置されているので、セル積層体を固縛板20で固縛した後に、変位センサ1を固縛板20に取り付けることも可能であり、組立作業性に優れている。また、固縛状態においても非挟持面20aへの変位センサ1の着脱ができるので、固縛後の変位センサ1の検査や校正を容易に行うことができると共に、変位センサ1が故障している場合の交換作業も容易に行うことができる。
また、バッテリーコントローラ10においては、リチウムイオン二次電池セル3の電流値および電圧値に基づいてリチウムイオン二次電池セル3の劣化状態を推定し、電池モジュールMDの膨張量に基づいてリチウムイオン二次電池セル3の劣化状態を推定し、膨張量に基づいて推定された劣化状態に基づいて、電流値および電圧値に基づいて推定された劣化状態の信頼性を判定するようにした。これにより、電流値および電圧値の計測系の異常を診断することができ、劣化状態の誤診断を防止することができる。すなわち、劣化状態診断の信頼性向上を図ることができる。
さらに、記憶回路9に、電池モジュールMDを所定温度かつ所定充電状態に保持して計測された膨張量E0を記憶させ、測定された膨張量を基準膨張量E0に基づいてバッテリーコントローラ10で補正し、測定された膨張量に代えて前記補正された膨張量に基づいて劣化状態を推定することにより、上述した計測系の異常診断をより正確に行うことができる。
−第2の実施の形態−
図5は、第2の実施の形態を説明する図である。図5は、設置タイプの蓄電システム200の概略構成を示す模式図であり、図1に示した車載用の蓄電システム100と比較すると、蓄電コントローラ12を備え、記憶回路9を備えていない点が異なる。蓄電コントローラ12は蓄電システム200の全体の制御を行うものであり、バッテリーコントローラ10に制御信号を送る。
蓄電システム200の使用用途は、停電時の非常用電源や電力負荷平準化のためのバックアップ電源などである。上述した車載用の蓄電システム100では、充電条件や温度などが激しく変化するので、蓄電装置30を車両から外し、所定温度かつ所定SOC状態にして膨張量E0を計測した。
一方、蓄電システム200の場合には、車載用の蓄電システム100と比べて時間に対する充放電状態の変化は小さく、また、周囲温度の変化も少ない。そのため、電池モジュールMDの充放電時の電流、電圧、膨張量をオンタイムで連続計測し、所定SOCに達した時の電流、電圧、膨張量から電池抵抗と膨張量を求めるようにする。なお、電池抵抗と膨張量から電池の劣化状態を把握する過程は車載用の場合と同様である。ただし、蓄電装置30を取り外して電池モジュールMDの膨張量E0の測定は行われないので、ステップS30における膨張量E1は計測された膨張量そのものである。
このように、本実施の形態では、リチウムイオン二次電池セル3の電流値および電圧値に基づいて電池モジュールMDの劣化状態を推定する。そして、推定された劣化状態の信頼性を、変位センサ1の検出値から得られる膨張量に基づいて判定するようにした。蓄電システム200は一般に車載用と比べて大容量であり、電池モジュールMDの数も多くなる。そのため、上述した車載用と同様の方法では、電池の劣化状態の把握および充放電状態の調整に多くの時間が必要となり、ランニングコストの上昇やシステム稼働率の低下を招くことが考えられる。そこで、上述のように電池モジュールMDの膨張量をオンタイム計測することで、劣化状態診断の時間を短縮することができる。
−第3の実施の形態−
図6は、第3の実施の形態を説明する図である。図6は、蓄電装置30を示す図である。なお、図6ではサイドプレート21の図示を省略した。この蓄電装置30は、第1の実施の形態に示した車載用の蓄電システム100にも、第2の実施の形態に示した設置型の蓄電システム200にも適用することができる。
本実施の形態では、一方の固縛板20の上端面(すなわち、非挟持面)20bに変位センサ1を設け、他方の固縛板20の上端面20bにセンサターゲットとしての基準板6を配置するようにした。なお、図6に示す例では、図示右側の固縛板20に変位センサ1を設け、図示左側の固縛板20に基準板6を設けているが、逆の配置としても良い。
本実施形態では、変位センサ1は、一方の固縛板20の外側に露出した上端面20bに配置されているので、第1の実施の形態の場合と同様に、蓄電装置30の組立作業性に優れている。さらに、固縛状態においても上端面20bへの変位センサ1の着脱ができるので、固縛後の変位センサ1の検査や校正を容易に行うことができると共に、変位センサ1が故障している場合の交換作業も容易に行うことができる。
複数のリチウムイオン二次電池セル3を固縛する場合、リチウムイオン二次電池セル3の積層体の両側に固縛板20を取り付け、固縛板20が取り付けられた電池モジュールMDを押え板22aと荷重板22bとの間に配置する。そして、荷重板22bを固縛板20方向に押圧して所定の荷重を加え、荷重を加えた状態で固縛板20に不図示のサイドプレート21(図1参照)取り付ける。これにより、電池モジュールMDは固縛状態となる。
図7は、電池モジュールMDに荷重を加えた場合の、荷重と電池モジュールMDの積層方向の寸法(ここでは幅寸法と呼ぶ)との関係の一例を示す図である。電池モジュールMDの幅寸法は荷重が大きいほど短くなる。また、同一荷重であっても、電池モジュールMDのSOCの高低によって幅寸法が異なる。図7ではSOC1>SOC2>SOC3の関係にある。同一荷重Fに対して、SOC1,SOC2,SOC3の場合の各幅寸法W1,W2,W3は、W1>W2>W3となっている。
そのため、同一構成の電池モジュールMDを量産する場合、変位センサ1の検出結果を利用して以下のような組み立て作業を行うことができる。まず、使用される電池モジュールMDに対して、図7に示すような荷重と幅寸法との相関を事前に求めておく。そして、図6に示すように荷重板22bに荷重を加え、変位センサ1で検出される固縛板20間の距離(すなわち幅寸法)が所定の寸法となったならば、固縛板20にサイドプレート21を固定する。
その結果、電池モジュールMDは、固縛の際に固縛荷重を測定しなくても、所定の固縛荷重で固縛されることになる。このような固縛作業では、固縛荷重で管理するよりも変位センサ1で検出される幅寸法で管理する方が作業性に優れ、作業時間の短縮を図ることができる。また、変位センサ1を、固縛作業時の幅寸法管理と充放電に伴う膨張量の検出の両方に兼用して用いることができる。
上述した実施の形態は以下のような作用効果を奏する。蓄電装置30は、図1に示すように、積層された複数のリチウムイオン二次電池セル3(蓄電セル)と、複数のリチウムイオン二次電池セル3をセル積層方向に挟持する一対の固縛板20を有する固縛装置2と、一対の固縛板20で固縛された複数のリチウムイオン二次電池セル3のセル積層方向の膨張量を検出するための変位センサ1と、を備える。変位センサ1は、固縛装置2で固縛された複数のリチウムイオン二次電池セル3の外側に配置される。
このように、変位センサ1を、固縛装置2で固縛された複数のリチウムイオン二次電池セル3の外側に配置したので、組立作業性に優れる。さらに、固縛状態においても、変位センサ1の校正や修理、交換等を容易に行うことができる。
なお、固縛装置2で固縛された複数のリチウムイオン二次電池セル3の外側に配置する方法としては、例えば、図1に示す構成のように、一対の固縛板20の各々の非挟持面20aに変位センサ1を設け、各変位センサ1と対向配置された基準板6を被検出部として使用する。
また、図6に示す構成のように、変位センサ1を一方の固縛板20の上端面20bに設け、被検出部としての基準板6を他方の固縛板20の上端面20bに設けるようにしても良い。このような構成とすることで、変位センサ1の個数を減らすことができる。なお、固縛板20の上端面20bに設ける代わりに、固縛板20をリチウムイオン二次電池セル3の上方に延ばし、その固縛板20の非挟持面を被検出部としても良い。
また、図8に示すように、変位センサ1を、固縛板20の非挟持面20aと離間して対向配置された基準板6に設けるようにしても良い。この場合、固縛板20の非挟持面20aが変位センサ1の被検出部として機能する。このような構成とすることにより、変位センサ1が取り付けられていない電池モジュールMD(例えば、既存の車載用あるいは蓄電用の電池モジュールMD)についても、膨張量を測定することが可能となる。
また、図9に示すように、変位センサ1を、リチウムイオン二次電池セル3間に挿入された金属板31の、外側に露出している部分に取り付けるような構成としても良い。変位センサ1が固縛板20や基準板6に取り付けることができない場合には、このような構成とすることにより、電池モジュールMDの膨張量を測定することが可能となる。図9に示す例では、一対の金属板31間には5個のリチウムイオン二次電池セル3が設けられているので、検出される膨張量Eは5個分の膨張量となる。そのため、電池モジュールMDの膨張量は(E/5)×7と推定される。
なお、上述した実施形態では、変位センサ1に光学式の変位センサ(赤色発光ダイオード(LED)変位センサ、レーザー変位センサ)を用いる例を示したが、他の方式の変位センサを用いても構わない。例えば、非接触式の変位センサとしては例えばリニアエンコーダ等があり、接触式であれば差動変圧器式の変位センサ等が上げられる。
図10はリニアエンコーダを用いる場合の模式図であり、図10(a)は平面図、図10(b)は側面図である。図10に示す例では、両方の固縛板20に対してリニアエンコーダ40が設けられており、各固縛板20のセル積層方向の位置(変位)は、各々に設けられたリニアエンコーダ40によって検出される。なお、図10(a)では、図示下側のサイドプレート21は、二点鎖線で示した。
リニアエンコーダ40には、検出部40aとメインスケール40bとが設けられている。メインスケール40bは、固縛板20の露出部である側面20cに設けられている。検出ヘッド40aには、メインスケール40bを挟んで光源402と受光部401とが設けられている。受光部401には、図示していないがインデックススケールと受光素子とが設けられている。電池モジュールMDが膨張して固縛板20がセル積層方向(図示左右方向)に移動すると、検出ヘッド40aに対してメインスケール40bが相対移動し、リニアエンコーダ40によって移動量が検出される。各リニアエンコーダ40の移動量から、電池モジュールMDの膨張量を算出することができる。
図11は、差動変圧器式の変位センサを用いる場合の模式図である。変位センサ50には可動鉄心51が設けられている。可動鉄心51は図示左右方向に移動する構成となっており、この移動量を差動変圧器によって検出する。変位センサ50は、可動鉄心51の先端が固縛板20の非挟持面20aと接触するように設けられている。そのため、電池モジュールMDが膨張して固縛板20がセル積層方向(図示左右方向)に移動すると、可動鉄心51が左右方向に移動し、各固縛板20の移動量が検出される。各変位センサ50で検出された移動量から、電池モジュールMDの膨張量を算出することができる。
なお、上述した計測系の診断や充放電条件の変更に関する内容は、上述した変位センサ1を設ける構成ではなく、圧力センサを電池セル間や電池セルと固縛板20との間に設ける従来の構成においても適用することができる。
なお、上述した実施形態では、リチウムイオン二次電池セル3を蓄電セルの一例として説明したが、リチウムイオンキャパシタ等を蓄電セルに用いた蓄電モジュールを備える蓄電装置にも本発明を適用できる。また、角型のリチウムイオン二次電池セル3に限らず、ラミネート方式の電池セルにも適用することができる。
上記の通り、種々の実施の形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1,50…変位センサ、2…固縛装置、3…リチウムイオン二次電池セル、6…基準板、7…ベース、8…セルコントローラ、9…記憶回路、10…バッテリーコントローラ、11…車両コントローラ、12…蓄電コントローラ、20…固縛板、20a…非挟持面、20b…上端面、20c…側面、21…サイドプレート、30…蓄電装置、31…金属板、40…リニアエンコーダ、100,200…蓄電システム、MD…電池モジュール

Claims (8)

  1. 積層された複数の蓄電セルと、
    前記複数の蓄電セルをセル積層方向に挟持する第1および第2の固縛部材を有して、前記複数のセルを固縛する固縛装置と、
    前記第1および第2の固縛部材で固縛された前記複数の蓄電セルの前記セル積層方向の膨張量を検出するための変位センサと、を備え、
    前記変位センサは前記固縛装置で固縛された前記複数の蓄電セルの外側に配置される、蓄電装置。
  2. 請求項1に記載の蓄電装置において、
    前記変位センサは、前記第1および第2の固縛部材の少なくとも一方の非挟持面に配置される、または、前記第1および第2の固縛部材の少なくとも一方の非挟持面と離間して対向配置され、
    前記変位センサと対向するように配置されて、該変位センサにより検出される被検出部を備える蓄電装置。
  3. 請求項2に記載の蓄電装置において、
    前記第1の固縛部材の非挟持面に設けられる第1の変位センサと、
    前記第2の固縛部材の非挟持面に設けられる第2の変位センサと、
    前記第1の変位センサと対向配置され、前記第1の変位センサにより検出される第1の被検出部と、
    前記第2の変位センサと対向配置され、前記第2の変位センサにより検出される第2の被検出部と、を備える蓄電装置。
  4. 請求項2に記載の蓄電装置において、
    前記変位センサは前記第1の固縛部材の非挟持面に設けられ、
    前記被検出部は前記第2の固縛部材の非挟持面に設けられる、蓄電装置。
  5. 請求項2に記載の蓄電装置において、
    前記第1の固縛部材の非挟持面と対向配置される第1の変位センサと、
    前記第2の固縛部材の非挟持面と対向配置される第2の変位センサと、を備え、
    前記第1の固縛部材の非挟持面は、前記第1の変位センサにより検出される前記被検出部として用いられ、
    前記第2の固縛部材の非挟持面は、前記第2の変位センサにより検出される前記被検出部として用いられる、蓄電装置。
  6. 請求項1に記載の蓄電装置と、
    前記蓄電セルの電流値および電圧値に基づいて前記複数の蓄電セルの劣化状態を推定する第1の推定部と、
    前記膨張量に基づいて前記複数の蓄電セルの劣化状態を推定する第2の推定部と、
    前記第2の推定部で推定された劣化状態に基づいて、前記第1の推定部で推定された劣化状態の信頼性を判定する判定部と、を備える蓄電システム。
  7. 請求項6に記載の蓄電システムにおいて、
    前記複数の蓄電セルを所定温度かつ所定充電状態に保持して計測された該複数の蓄電セルの基準膨張量が記憶される記憶部と、
    前記膨張量を前記基準膨張量に基づいて補正する補正部と、を備え、
    前記第2の推定部は、前記膨張量に代えて前記補正部で補正された膨張量に基づいて前記複数の蓄電セルの劣化状態を推定する、蓄電システム。
  8. 電動車両の車両駆動用電源に用いられる請求項1に記載の蓄電装置と、
    前記蓄電セルの電流値および電圧値に基づいて前記複数の蓄電セルの劣化状態を推定する第1の推定部と、
    前記複数の蓄電セルを所定温度かつ所定充電状態に保持して計測された該複数の蓄電セルの基準膨張量が記憶される記憶部と、
    前記基準膨張量に基づいて前記複数の蓄電セルの劣化状態を推定する第2の推定部と、
    前記第1の推定部で推定された劣化状態と前記第2の推定部で推定された劣化状態とに基づいて、前記蓄電モジュールの充放電条件を変更する充放電制御部と、を備える蓄電システム。
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