JP2016126195A - クリーニンングブレード、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

クリーニンングブレード、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】弾性部材の先端稜線部の捲れ、異常磨耗及び異音の発生を抑制し、弾性部材の追随性やクリーニング性を長期に渡って維持することができるクリーニンングブレード、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置の提供。【解決手段】被清掃部材に当接する弾性部材622の当接部62cが紫外線硬化性組成物による改質部を有するクリーニングブレード62において、改質部が当接部表面から厚み方向の領域に第1の紫外線硬化性組成物を含有する含浸部62dと、先端稜線部を含む弾性部材の表面に第2の紫外線硬化性組成物で形成された表面層の少なくとも一方であり、ATR−IR法により求められる改質部の赤外吸収スペクトルと弾性部材の未改質部の赤外吸収スペクトルとの差スペクトルにおける、800〜820[cm−1]のピーク面積値SAと、1697〜1753[cm−1]のピーク面積値SBとのピーク面積比SA/SBが0.0126以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、クリーニンングブレード、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、被清掃部材としての像担持体(以下、「感光体」、「電子写真感光体」、「静電潜像担持体」と称することもある)について、転写紙や中間転写体へトナー像を転写した後の表面に付着した不必要な転写残トナーなどの付着物はクリーニング手段によって除去している。
前記クリーニング手段のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。前記クリーニングブレードは、ポリウレタンゴム等の弾性部材で構成されている。そして、前記クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して当接部(先端稜線部)を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーを堰き止めて掻き落とし除去する。
この種のクリーニングブレードとして、例えば、特許文献1には、クリーニングブレードの先端稜線部が紫外線硬化性組成物を含む樹脂でコーティングされた表面層を有するクリーニングブレードが記載されている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンエラストマーからなる弾性部材の被清掃部材との当接部に、鉛筆硬度B〜6Hの皮膜硬度を有する樹脂をコーティングさせた表面層が設けられている。これにより、弾性部材の当接部と被清掃部材である像担持体との摩擦係数を下げることができ、クリーニングブレードの耐摩耗性や、弾性部材の先端稜線部のめくれを良好に抑制することができるとされている。
また、特許文献2には、シリコーンを含有した紫外線硬化組成物を弾性部材に含浸させて膨潤させた後、紫外線照射処理してクリーニングブレードの少なくと像担持体と当接する先端稜線部に弾性体ブレードよりも硬い表面層を形成したものが記載されている。このように、弾性部材に紫外線硬化組成物を含浸させることで、弾性部材の表面層が経時使用において磨耗しても、弾性部材の紫外線硬化組成物を含浸した部位が被清掃部材と接する。これにより、弾性部材の先端稜線部と像担持体との摩擦係数を下げることができ、硬度の低い弾性部材のみの部分が像担持体の表面に直接接触することに起因してクリーニングブレードと像担持体表面との摩擦係数が大きくなって異常摩耗や異音が発生する、という不具合を経時で抑制することができるとされている。
しかしながら、特許文献1のクリーニングブレードや、特許文献2のクリーニングブレードのように、被清掃部材の表面に当接する弾性部材の先端稜線部に紫外線硬化性組成物を含む改質部を有したクリーニングブレードは、次のような問題が生じる。すなわち、前記改質部の紫外線硬化組成物の硬化が不十分であると、経時で樹脂の硬化が進むことで先端稜線部の硬度が変化してしまう。これにより、初期には適性であった硬度が、クリーニングブレードの長期の使用または保管によって高硬度化してしまう。
クリーニングブレードの先端稜線部が適性とする硬度よりも高硬度化すると、被清掃部材表面への追従性の低下や当接部の摩耗の加速が起こり、クリーニング不良や異音が発生しやすくなるという問題が生じる。
上述した課題を達成するために、本発明は、被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面に付着した付着物を除去する弾性部材を備え、前記弾性部材の前記被清掃部材の表面に当接する先端稜線部が、紫外線硬化性組成物による改質部を有するクリーニングブレードにおいて、
前記改質部が、前記先端稜線部表面から厚み方向の領域に第1の紫外線硬化性組成物を含有する含浸部と、先端稜線部を含む前記弾性部材の表面に第2の紫外線硬化性組成物で形成された表面層の少なくとも一方であり、ATR−IR法により求められる、前記改質部の赤外吸収スペクトルと前記弾性部材の未改質部の赤外吸収スペクトルとの差スペクトルにおける、800〜820[cm−1]のピーク面積値Sと、1697〜1753[cm−1]のピーク面積値Sとのピーク面積比S/Sが、0.0126以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、弾性部材の先端稜線部のめくれ、異常磨耗及び異音の発生を抑制し、弾性部材の被清掃部材に対する追随性やクリーニング性を長期に渡って維持することができる。
本実施形態のクリーニングブレードの一例を示す斜視図。 本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図。 同画像形成装置の備える作像ユニットの一例を示す概略構成図。 本実施形態のクリーニングブレードの他の一例を示す断面図。(a)は、クリーニングブレードが感光体表面に当接している状態を示す拡大断面図。(b)は、クリーニングブレードの先端稜線部近傍の拡大図。 弾性仕事率の説明図。 (a)及び(b)は、トナーの円形度の測定方法を説明するための説明図。 実施例におけるクリーニングブレードの表面層の平均厚みの測定箇所を示す図。 (a)は、従来のクリーニングブレードの先端稜線部が捲れた状態を示す図。(b)は、従来のクリーニングブレードの先端面の局所的な摩耗について説明する図。(c)は、従来のクリーニングブレードの先端稜線部が欠落した状態を示す図。
以下、本発明を適用したクリーニングブレードの一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態のクリーニングブレードの斜視図である。
本実施形態のクリーニングブレード62は、短冊形状の弾性部材622からなり、弾性部材622の先端稜線部62cを高硬度化するための改質部を有してなり、支持部材621、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。このクリーニングブレード62では、弾性部材622は支持部材621に一端が連結され、他端に所定長さの自由端部を有し、自由端側の一端である先端稜線部62cが前記被清掃部材表面に長手方向に沿って当接するように配置されている。これにより、前記被清掃部材表面に付着した付着物を除去する。
また、本実施形態のクリーニングブレード62は、ATR−IR法により求められる、前記改質部の赤外吸収スペクトルと、弾性部材622の未改質部の赤外吸収スペクトルとの差スペクトルにおける、800〜820[cm−1]のピーク面積値Sと、1697〜1753[cm−1]のピーク面積値Sとのピーク面積比S/Sが、0.0126以下である。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された小粒径で球形に近いトナー(以下、「重合トナー」と称することがある)を用いた画像形成装置が知られている。前記重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴があり、前記要求に応えることが可能である。しかし、前記重合トナーは、クリーニングブレードを用いて像担持体表面から除去しようとしても十分に除去することが困難であり、クリーニング不良が発生してしまうという問題がある。これは、小粒径でかつ球形度に優れた前記重合トナーが、前記クリーニングブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けるからである。
かかるすり抜けを抑えるには、感光体ドラム123とクリーニングブレード62との当接圧力を高めてクリーニング能力を高める必要がある。しかし、次のような不具合が生じる。すなわち、クリーニングブレード62の当接圧を高めると、感光体ドラム123とクリーニングブレード62との摩擦力が高まる。その結果、図8(a)に示すように、クリーニングブレード62が感光体ドラム123の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれてしまう。このめくれたクリーニングブレード62が、そのめくれに抗して原形状態に復元する際に異音が発生することがある。さらに、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれた状態でクリーニングをし続けると、図8(b)に示すように、クリーニングブレード62のブレード先端面62aの先端稜線部62cから数[μm]離れた箇所に局所的な摩耗が生じてしまう。このような状態で、さらにクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなり、最終的には、図8(c)に示すように、先端稜線部62cが欠落してしまう。先端稜線部62cが欠落してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまう。
そこで、クリーニングブレードの感光体ドラム表面に当接する先端稜線部62cの捲れを抑制するために、先端稜線部を高硬度化して変形しにくくすることが試みられている。例えば、クリーニングブレード又は弾性部材の先端稜線部62cに紫外線硬化樹脂を含む表面層を設けて先端稜線部62cを高硬度化させて、先端稜線部62cの捲れや変形を防止することが提案されている(特許文献1〜2)。
しかしながら、前記特許文献1の表面層を設けたクリーニングブレード、及び前記特許文献2の含浸部分を設けたクリーニングブレードであっても、像担持体に形成される粉体量が非常に多い連続的なベタ画像形成時等のクリーニングに対して厳しい条件では、クリーニング不良を生じてしまうことがあった。これは、以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、前記弾性部材の先端面の長手方向にわたって表面層や含浸部分を設けているため、表面層や含浸部分の影響により弾性部材の弾性が阻害されることがある。前記弾性部材の弾性が阻害されると、像担持体が偏心していたり、像担持体表面に微小なうねりがあったりした場合、像担持体表面に当接するクリーニングブレードの長手方向で当接圧が変動し、クリーニングブレードの当接部の像担持体表面への追随性が低下してしまう。連続的なベタ画像形成時など、クリーニングブレードによって、多くのトナーが堰き止められているとき、堰き止められているトナーによるクリーニングブレードへの押圧力が高くなる。そのため、クリーニングブレードの像担持体に対する当接圧が低い部分では、クリーニングブレードが当接する力よりも像担持体上のトナーによるクリーニングブレードへの押圧力が勝ると、その部分で当接状態が維持できなくなり、クリーニングブレードをトナーがすり抜けてしまう。その結果、像担持体に形成される粉体量が非常に多い連続的なベタ画像形成時等の厳しい条件では、クリーニング不良が生じてしまうと考えられる。
そして、前記特許文献1に記載の表面層のみを設ける構成で硬度が高い表面層の層厚が高いと、表面層の剛性によって弾性部材の弾性が阻害され、弾性部材の当接部の像担持体表面への追随性が低下する。このため、表面層のみを設ける構成では、当接部の像担持体表面への追随性を維持するために硬度が高い表面層の層厚を薄くする必要がある。前記表面層を薄くすると、経時使用において短時間でクリーニングブレードの弾性部材が露出する程度に表面層が摩耗する。硬度の低い弾性部材が露出して像担持体の表面に直接接触すると、クリーニングブレードと像担持体表面との摩擦係数が大きくなり、異常摩耗や異音が発生する。
また、前記特許文献2に記載の紫外線硬化性組成物を弾性部材に含浸させ、紫外線照射処理をして含浸部分を形成する構成では、次のような課題がある。すなわち、当接部の最表面の硬度が表面層を弾性部材の表面に設ける構成と同等となるように、含浸部分を形成しようとすると、弾性部材の表面を覆うことができる程度に多量の紫外線硬化性組成物を含浸させる必要がある。このように多量の紫外線硬化性組成物を含浸させると、弾性部材の内部に染み込んだ紫外線硬化性組成物の含有量も多くなる。多量の紫外線硬化性組成物が染み込んだ弾性部材に紫外線を照射すると、含浸部分が過剰に硬くかつ過剰に深く形成されて、弾性部材の弾性が阻害されることにより、当接部の像担持体表面への追随性が低下する。
一方、前記弾性部材の当接部の像担持体表面への追随性を維持するために、前記弾性部材に対する紫外線硬化性組成物の含浸量を少なくすると、前記弾性部材の表面を紫外線硬化性組成物で覆い切れなくなり、前記弾性部材の当接部の最表面が弾性部材の基材ゴムと(メタ)アクリル樹脂とが混在した状態となり、表面層を設けるものに比べて使用開始当初の当接部の最表面の硬度が低くなって、クリーニングブレードと像担持体との摩擦力が大きくなる。像担持体との摩擦力が大きくなると、弾性部材の当接部にめくれが生じ易くなる。
また、弾性部材の当接部を含む部分に(メタ)アクリル樹脂が含浸され、かつ前記当接部を含む弾性部材の表面に弾性部材よりも硬い表面層を設けたクリーニングブレードが提案されている(特許文献3参照)。この提案によると、当接部を含む表面に弾性部材よりも硬い表面層を設けているため、前記当接部を含む部分に含浸させる(メタ)アクリル樹脂の量を当接部の最表面の硬度に関係無く調節することができる。これにより、含浸量を少なくすることが可能となり、含浸部分が過剰に硬く、かつ過剰に深く形成されることに起因して当接部の像担持体表面への追随性が低下することを抑制できると記載されている。
しかし、前記特許文献3に記載のクリーニングブレードは、当接部を高硬度化した反面、像担持体の細やかな振動に対する追従性が低下しクリーニング不良が発生しやすいという欠点がある。
また近年、電子写真方式による画像形成装置においては、高速化のニーズが高まっている。画像形成速度を高速化すると、像担持体の軸ぶれにより、高速回転する像担持体に細やかな振動が発生していまい、前記特許文献3に記載のクリーニングブレードでは、高速化した画像形成装置に十分対応できていなかった。また、像担持体表面の微小なうねりに対する追従性にも十分対応できていなかった。
しかし、本出願人は、後述する検証実験で示すように、改質部の赤外吸収スペクトルと前記弾性部材の未改質部の赤外吸収スペクトルとの差スペクトルにおける、ピーク面積比を規定することにより、高い追従性と、めくれやブレード磨耗の両立、及び、長期に渡る良好なクリーニング性の維持を図ることができた。
<ピーク面積比S/S
以下、前記「ATR−IR法により求められる、前記改質部の赤外吸収スペクトルと前記弾性部材の未改質部の赤外吸収スペクトルとの差スペクトルにおける、800〜820[cm−1]のピーク面積値Sと、1697〜1753[cm−1]のピーク面積値Sとのピーク面積比S/S」について説明する。
前記差スペクトルにおける1697〜1753[cm−1]のピーク面積値Sとは、紫外線硬化性組成物のエステル結合に由来するピークの面積値であり、すなわち、硬化反応前後で変化しないピークの面積値である。このため、1697〜1753[cm−1]のピーク面積値Sを、改質部の紫外線硬化性組成物量とすることができる。
一方、前記差スペクトルにおける800〜820[cm−1]のピーク面積値Sとは、紫外線硬化性組成物のC=C結合に由来するピークの面積値であり、すなわち、硬化反応により減少するピークの面積値である。このため、800〜820[cm−1]のピーク面積値Sを、改質部の未硬化部分の量とすることができる。
したがって、紫外線硬化性組成物量に対する未硬化(反応していない)部分の比率をS/Sとして表現できる。このS/Sの値は、小さいほど硬化反応が進んでいる、すなわち、硬化率が高いことを示している。
本実施形態の本実施形態のクリーニングブレード62は、S/Sの値を0.0126以下とすることで、高い追従性と、めくれやブレード磨耗の両立、及び、長期に渡る良好なクリーニング性の維持を図ることができる。S/Sの値が0.0126より高くなると、紫外線硬化樹脂の硬化率が十分ではないため、経時で未反応部の硬化反応が進んでしまう。したがって、クリーニングブレードの改質部の硬度が、長期の使用または保管によって、製造後初期に得た所望の硬度から外れてしまい、追従性の低下や摩耗速度の加速などの不具合が生じてしまう。
なお、S/Sの値の好ましい範囲として下限値はなく、できるだけ小さい値であるほど好ましい。
本実施形態における差スペクトルは、以下の方法で得られる。
すなわち、改質部の赤外吸収スペクトルと未改質部の赤外吸収スペクトルとの差を取る際に、弾性部材であるウレタンゴムのC‐N‐H結合に由来する1533cm−1のピークの値の差が0となるように、未改質部の赤外吸収スペクトルの吸光度スケールを調節する。この調節後の未改質部の赤外吸収スペクトルを改質部の赤外吸収スペクトルから引くことで、前記差スペクトルが得られる。これにより、含浸部や表面層等の改質部の紫外線硬化性組成物のスペクトルを得ることができる。
また、上述した方法で差スペクトルを求めることで、弾性部材由来の赤外吸収スペクトルのピークによって、注目しているピークである改質部の紫外線硬化樹脂のピークが隠れてしまうのを防ぐことができる。
このとき、弾性部材622であるウレタンゴムの赤外吸収スペクトルを得るための測定部位として使用する未改質部とは、弾性部材622における、弾性部材622の先端稜線部62cを含む改質部以外の部分を示している。すなわち、改質部と未改質部とで弾性部材の材質が同じであれば、改質部以外のどこを測定してもよい。また、クリーニングブレード全体に渡って改質部を設けている場合は、このクリーニングブレードと同じ材質で、かつ、改質をしていない弾性部材を測定した値を、弾性部材の未改質部の赤外吸収スペクトルとしてもよい。
なお、IR法により得られる赤外吸収スペクトルはサーモフィッシャーサイエンティフィックス製NICOLET AVATAR370を用いて測定することができる。窓材としてはGeを用いて測定する。
<被清掃部材>
前記被清掃部材としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記被清掃部材の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状、平板状、シート状、などが挙げられる。前記被清掃部材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常用いられる程度の大きさが好ましい。
前記被清掃部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。
前記被清掃部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記クリーニングブレードを画像形成装置に適用した場合には、例えば、像担持体、などが挙げられる。
<付着物>
前記付着物としては、被清掃部材表面に付着しており、前記クリーニングブレードの除去対象となるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー、潤滑剤、無機微粒子、有機微粒子、ゴミ、埃又はこれらの混合物、などが挙げられる。これらの中でも、トナーが好ましく、ガラス転移温度が50℃以下の低温定着性のトナーが特に好ましい。
<支持部材>
前記支持部材としては、その形状、大きさ、及び材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記支持部材の形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。前記支持部材の大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記支持部材の材質としては、例えば、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。これらの中でも、強度の点から金属板が好ましく、ステンレススチール等の鋼板、アルミニウム板、リン青銅板が特に好ましい。
<弾性部材>
前記弾性部材622としては、その形状、材質、大きさ、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記弾性部材622の形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。前記弾性部材622の大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記弾性部材622の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高弾性が得られやすい点から、ポリウレタンゴム、ポリウレタンエラストマー、などが好適である。
前記弾性部材の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを用いてポリウレタンプレポリマーを調製し、該ポリウレタンプレポリマーに硬化剤、及び必要に応じて硬化触媒を加えて、所定の型内にて架橋し、炉内にて後架橋させたものを遠心成型によりシート状に成型後、常温放置、熟成したものを所定の寸法にて、平板状に裁断することにより、製造される。
前記ポリオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高分子量ポリオール、低分子量ポリオール、などが挙げられる。
前記高分子量ポリオールとしては、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール;エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオール等のアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール;カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量ポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノン−ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の二価アルコール;1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシエトキシメチル)プロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の三価又はそれ以上の多価アルコール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(HXDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、などが挙げられる。
前記硬化触媒の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01[質量%]以上0.5[質量%]以下が好ましく、0.05[質量%]以上0.3[質量%]以下がより好ましい。
前記弾性部材のJIS−A硬度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60度以上が好ましく、65度以上80度以下がより好ましい。前記JIS−A硬度が、60度未満であると、ブレード線圧が得られにくく、像担持体との当接部の面積が拡大し易いため、クリーニング不良が発生することがある。
ここで、前記弾性部材のJIS−A硬度は、例えば、高分子計器株式会社製 マイクロゴム硬度計 MD−1などを用いて測定することができる。
前記弾性部材のJIS K6255規格に準拠した反発弾性率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、23[℃]で、35[%]以下が好ましく、20[%]以上30[%]以下がより好ましい。前記反発弾性係数が、35[%]を超えると、クリーニングブレードの弾性部材にタック性が生じて、クリーニング不良が生じてしまうことがある。
ここで、前記弾性部材の反発弾性係数は、例えば、JIS K6255規格に準拠し、23℃において、株式会社東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用いて測定することができる。
前記弾性部材の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0[mm]以上3.0[mm]以下が好ましい。
<改質部>
前記「弾性部材622の先端稜線部62cを高硬度化するための改質部を有し」とは、前記像担持体に当接する先端稜線部62cに改質処理を施していることを示す。前記改質部は前記先端稜線部62cの表面だけでなく内部に含まれてもよく、先端稜線部62cを覆うように表面層を形成した場合には、先端稜線部62cの内部に含まれており、かつ先端稜線部62cに表面層を形成している場合、なども含まれる。前記弾性部材622の少なくとも先端稜線部62cに改質部を形成する材料が含まれていれば、前記弾性部材622の先端稜線部62c以外の部位にも改質部を形成する材料が含まれていてもかまわない。
本実施形態のクリーニングブレード62においては、改質部として弾性部材622の先端稜線部62cを高硬度化するための含浸部分62dを有している。
これにより、弾性部材の当接部の摩耗が進行しても、表面層近傍内部の高硬度化が保たれるので長期に亘って、良好なクリーニング性を保持することができる。
<含浸部>
前記弾性部材622の前記被清掃部材の表面に当接する先端稜線部(当接部)62cは、前記当接部表面から厚み方向の領域において、第1の紫外線硬化性組成物の硬化物を含有する。
前記「当接部表面から厚み方向の領域において、第1の紫外線硬化性組成物の硬化物を含有する」とは、前記当接部の表面だけでなく内部に含まれていることを意味し、前記当接部の内部に含まれており、かつ当接部に表面層を形成している場合も含まれる。
なお、前記弾性部材の少なくとも当接部に紫外線硬化性組成物の硬化物が含まれていれば、前記弾性部材の当接部以外の部位にも紫外線硬化性組成物の硬化物が含まれていても構わない。
<<第1の紫外線硬化性組成物>>
前記第1の紫外線硬化性組成物は、(メタ)アクリレート化合物を含有することが望ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
−分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物−
前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、分子内に嵩高い特殊な脂環構造を有しているので、官能基数が少なく、かつ分子量が小さい(メタ)アクリレート化合物を用いることができるので、前記弾性部材の当接部に含浸されやすく、前記当接部の硬度を効率よく向上させることができる。
前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の脂環構造の炭素数は、6以上が好ましく、6以上12以下がより好ましい。前記炭素数が、6未満であると、当接部の硬度が弱くなることがあり、12を超えると、立体障害が起きる可能性がある。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の官能基数は、2以上が好ましく、2以上6以下がより好ましく、2以上4以下が更に好ましい。前記官能基数が、2未満であると、当接部の硬度が弱くなることがあり、6を超えると、立体障害が起きる可能性がある。
前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の分子量分は、200以下が好ましい。前記分子量が、200を超えると、分子サイズが大きくなるため弾性部材に含浸しにくくなり、高硬度化が困難となることがある。
前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、官能基が少なくても特殊な環状構造により架橋点の不足を補うことができる点から、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物、アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、などが挙げられる。
前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、商品名:A−DCP(新中村化学工業株式会社製)、などが挙げられる。
前記アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリアクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリメタクリレート、などが挙げられる。
前記アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、商品名:X−DA(出光興産株式会社製)、商品名:X−A−201(出光興産株式会社製)、商品名:ADTM(三菱ガス化学株式会社製)、などが挙げられる。
前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記第1の紫外線硬化性組成物に対して、固形分量で、20[質量%]以上100[質量%]以下が好ましく、50[質量%]以上100[質量%]以下がより好ましい。前記含有量が、20[質量%]未満であると、特殊な環状構造による高硬度化が損なわれてしまうことがある。
前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物(特に、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物)が、前記弾性部材の前記被清掃部材の表面に当接する当接部に含まれていることは、例えば、赤外顕微鏡、又は液体クロマトグラフィーにより分析することができる。
前記第1の紫外線硬化性組成物は、前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物以外にも、分子量が100以上1,500以下の(メタ)アクリレート化合物、フッ素系(メタ)アクリレート化合物を含有することができる。
前記分子量が100以上1,500以下の(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクレリート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,11−ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,18−オクタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PEG600ジ(メタ)アクリレート、PEG400ジ(メタ)アクリレート、PEG200ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール・ヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、オクチル/デシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレート構造を有する化合物が好ましい。
前記官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレート構造を有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、などが挙げられる。
前記フッ素系(メタ)アクリレート化合物としては、パーフルオロポリエーテル骨格を有するものが好ましく、パーフルオロポリエーテル骨格を有し、官能基数が2以上であるものがより好ましい。
前記フッ素系(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルメタクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルメタクリレート、2−[(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−(トリフルオロメチル)−2'−ヒドロキシ)プロピル]−3−ノルボルニルメタクリレート、1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシ−4−メチル−5−ペンチルメタクリラート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘニコサフルオロドデシルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘニコサフルオロドデシルメタクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,12,12,12−ヘニコサー11−(トリフルオロメチル)ドデシルメタクリレート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フッ素系(メタ)アクリレート化合物としては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、例えば、オプツールDAC−HP(ダイキン工業株式会社製)、メガファックRS−75(DIC株式会社製)、ビスコートV−3F(大阪有機化学工業株式会社)、などが挙げられる。
前記フッ素系(メタ)アクリレート化合物の前記第2の紫外線硬化性組成物における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、固形分量で、0.1[質量%]以上50[質量%]以下が好ましい。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光重合開始剤、重合禁止剤、希釈剤、などが挙げられる。
−光重合開始剤−
前記光重合開始剤としては、光のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合を開始させるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、などが挙げられる。これらの中でも、光ラジカル重合開始剤が特に好ましい。
前記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物、などが挙げられる。
前記光ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光ラジカル重合開始剤としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、イルガキュア 651、イルガキュア 184、DAROCUR 1173、イルガキュア 2959、イルガキュア 127、イルガキュア 907、イルガキュア 369、イルガキュア 379、DAROCUR TPO、イルガキュア 819、イルガキュア 784、イルガキュア OXE 01、イルガキュア OXE 02、イルガキュア 754(以上、チバ・スペシャリティーケミカルズ社製);Speedcure TPO(Lambson社製);KAYACURE DETX−S(日本化薬株式会社製);Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製);ユベクリルP36(UCB社製)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記第1の紫外線硬化性組成物に対して、1[質量%]以上20[質量%]以下が好ましい。
−重合禁止剤−
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、ジ−t−ブチルパラクレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、α−ナフトール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール化合物;p−ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、2,5−ジ−ブチルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、モノメチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン等のキノン化合物;フェニル−β−ナフチルアミン、p−ベンジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレンジアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、フェニルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物;ジニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸等のニトロ化合物;キノンジオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム化合物;フェノチアジン等の硫黄化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−希釈剤−
前記希釈剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;エタノール、プロパノール、1−ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶媒、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記弾性部材の当接部に、分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する第1の紫外線硬化性組成物の硬化物を含ませる(含浸させる)方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記弾性部材の当接部に、前記第1の紫外線硬化性組成物をハケ塗り、ディップ塗工等で含浸させた後、紫外線を照射して硬化させる方法、などが挙げられる。
前記紫外線の照射の条件については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、積算光量が500[mJ/cm]以上が好ましい。また、酸素阻害による硬化率の低下を抑制するためには不活性ガス(Ar、N2、CO2など)雰囲気下での照射がより好ましい。
上述したように、本実施形態のクリーニングブレード62は、前記弾性部材の前記被清掃部材の表面に当接する当接部が、前記当接部表面から厚み方向の領域に、分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する第1の紫外線硬化性組成物の硬化物を含有している。
前記弾性部材の当接部に、分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する第1の紫外線硬化性組成物の硬化物を含ませることにより、弾性部材のウレタンゴムと(メタ)アクリル樹脂を含む混合層が形成される。すると、ゴム内部に樹脂の網目鎖が形成されることで、ゴム自体の架橋密度が擬似的に増加し、耐摩耗性が向上すると考えられる。その結果、前記弾性部材の当接部が高硬度化し、当接部が捲れたり、変形するのを抑制することができる。更に、経時による当接部の摩耗によって内部が露出したときも内部への含浸作用により、同様に捲れや変形を抑制することができる。
<表面層>
前記第1の紫外線硬化性組成物の硬化物を含有する先端稜線部62cは、第2の紫外線硬化性組成物の硬化物を含む表面層を有してもよい。
<<第2の紫外線硬化性組成物>>
前記第2の紫外線硬化性組成物は、(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子内にペンタエリスリトール構造を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
−分子内にペンタエリスリトール構造を有する(メタ)アクリレート化合物−
前記分子内にペンタエリスリトール構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、分子量が110以下であり、官能基数が3〜6のものが好ましく、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらの中でも、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
前記分子内にペンタエリスリトール構造を有する(メタ)アクリレート化合物の分子量は110以下、官能基数は3〜6が好ましい。
前記分子内にペンタエリスリトール構造を有する(メタ)アクリレート化合物の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記第2の紫外線硬化性組成物に対して、固形分量で、20[質量%]以上90[質量%]以下が好ましく、50[質量%]以上80[質量%]以下がより好ましい。
前記第2の紫外線硬化性組成物は、前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物以外にも、分子量が100以上1,500以下の(メタ)アクリレート化合物、フッ素系(メタ)アクリレート化合物、分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有することができる。
前記分子量が100以上1,500以下の他の(メタ)アクリレート化合物、前記フッ素系(メタ)アクリレート化合物、及び前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、前記第1の紫外線硬化性組成物と同様なものの中から適宜選択することができる。
前記その他の成分としては、前記第1の紫外線硬化性組成物と同様なものを用いることができる。
前記弾性部材の当接部に、第2の紫外線硬化性組成物の硬化物を含有する表面層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、当接部に前記第2の紫外線硬化性組成物をスプレー塗布して表面層を形成し、紫外線を照射し硬化させる方法、などが挙げられる。
前記紫外線の照射条件については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、積算光量が500[mJ/cm]以上が好ましい。また、酸素阻害による硬化率の低下を抑制するためには不活性ガス(Ar、N2、CO2など)雰囲気下での照射がより好ましい。
前記クリーニングブレードの弾性仕事率は、60[%]以上90[%]以下が好ましい。前記弾性仕事率はマルテンス硬度の測定時の積算応力から、以下のようにして求められる特性値である。前記マルテンス硬度は、ビッカース圧子を一定の力で、例えば、30秒間で押し込み、5秒間保持し、一定の力で30秒間抜く動作を行いながら微小硬度計を用いて計測する。
ここで、ビッカース圧子を押し込むときの積算応力をWplast、試験荷重除荷寺の積算応力をWelastとすると、弾性仕事率は、Welast/Wplast×100[%]の式で定義される特性値である(図5参照)。前記弾性仕事率が高いほど、塑性変形が少ない、即ち、ゴム性が高いことを表す。前記弾性仕事率が低すぎると、ゴムというよりガラスに近い状態であり、当接部の動きが抑制されすぎて、逆に耐摩耗性を悪化させる。通常、(メタ)アクリル樹脂は、前記マルテンス硬度の範囲では、前記弾性仕事率がある程度高く、ゴムの状態が得られる。しかし、前記(メタ)アクリル樹脂の構造によっては弾性仕事率が高くなりすぎて、クリーニングブレードとしての姿勢を適度に保てないことがある。
本実施形態のクリーニングブレード62は、弾性部材の被清掃部材の表面に当接する先端稜線部62cの捲れを抑制でき、使用時における弾性部材の先端稜線部62cの摩耗が少なく、良好なクリーニング性を長期間に亘って維持することができる。このため、各種分野に幅広く用いることができるが、以下に説明する画像形成装置、及びプロセスカートリッジに特に好適に用いられる。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本実施形態に係る画像形成装置は、像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、クリーニング手段と、潤滑剤塗布手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。なお、前記帯電手段と前記露光手段を合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
本実施形態に係る画像形成装置で用いられる画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と、クリーニング工程と、潤滑剤塗布工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含んでなる。なお、前記帯電工程と前記露光工程を合わせて静電潜像形成工程と称することもある。
また、本実施形態に係る画像形成装置で用いられる画像形成方法は、本実施形態に係る画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記クリーニング工程は前記クリーニング手段により行うことができ、前記潤滑剤塗布工程は前記潤滑剤塗布手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
<像担持体>
前記像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。前記像担持体の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状、などが挙げられる。前記像担持体の材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。
<帯電工程及び帯電手段>
前記帯電工程は、前記像担持体の表面を帯電させる工程であり、帯電手段により実施される。
前記帯電は、例えば、前記帯電手段を用いて前記像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電手段の形状としては、例えば、ローラ、磁気ブラシ、ファーブラシ等のどのような形態をとってもよく、電子写真方式の画像形成装置の仕様及び形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、前記磁気ブラシは、例えば、Zn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電手段として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。又はブラシを用いる場合、例えば、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属又は他の導電処理された芯金に巻き付けたり、張り付けたりすることで帯電器とする。
前記帯電器は、前記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られる利点がある。
前記帯電器が像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、帯電器が、像担持体にギャップテープを有し非接触に近接配置された帯電ローラであり、前記帯電ローラに直流及び交流電圧を重畳印加することによって像担持体表面を帯電するものも好ましい。
<露光工程及び露光手段>
前記露光工程は、帯電された像担持体表面を露光する工程であり、前記露光手段により行われる。
前記露光は、例えば、前記露光手段を用いて前記像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接像担持体上に投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して電子写真感光体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本実施形態においては、前記像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナーを用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナーを用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナーを収容し、前記静電潜像に該トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるものなどが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと、必要に応じてキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記像担持体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該像担持体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させるトナーは、前記トナーを含む現像剤であってもよく、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
−トナー−
前記トナーは、トナー母体粒子と、外添剤とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記トナーは、モノクロトナー及びカラートナーのいずれであってもよい。
前記トナー母体粒子は、少なくとも結着樹脂、及び着色剤を含み、必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等のその他の成分を含んでなる。
−−−結着樹脂−−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂等のスチレン又はその置換体の単重合体、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族炭化水素、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂と比較して、トナーの保存時の安定性を確保しながら、溶融粘度を低下させることができる点でポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合反応によって得ることができる。
前記アルコール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類;1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノーA等のエーテル化ビスフェノール類;これらを炭素数3〜22の飽和又は不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単位体;その他の2価のアルコール単位体;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、ショ糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の多価アルコール単量体、などが挙げられる。
前記カルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和又は不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルと、リノレイン酸からの二量体酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、3,3−ジカルボキシメチルブタン酸、テトラカルボキシメチルメタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これら酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体、などが挙げられる。
−−−着色剤−−−
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1[質量%]以上15[質量%]以下が好ましく、3[質量%]以上10[質量%]以下がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−離型剤−−−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワックス類、などが挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、などが挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、などが挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート、などが挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド、などが挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド、などが挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン、などが挙げられる。これらのカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、などが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックス、などが挙げられる。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5[質量%]以上15[質量%]以下が好ましい。
−−−帯電制御剤−−−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。
前記帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.2質量部以上5質量部以下がより好ましい。
−−外添剤−−
前記外添剤としては、少なくともシリカ粒子を含有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、例えば、シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機粒子;ソープフリー乳化重合法により得られる平均粒径が0.05[μm]〜1[μm]のポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等の樹脂粒子などを含んでいてもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、表面が疎水化処理されているシリカが特に好ましい。
前記シリカとしては、例えば、シリコーン処理シリカが挙げられる。前記シリコーン処理シリカとは、その表面がシリコーンオイルにより表面処理(疎水化処理)されたシリカである。
前記表面処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、などが挙げられる。
前記シリコーン処理シリカとしては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、RY200、R2T200S、NY50、RY50(以上、日本エアロジル社製)、などが挙げられる。
−−その他の成分−−
前記トナーにおけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸などが挙げられる。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、像担持体や中間転写体に残存する転写後のトナーを除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01[μm]以上1[μm]以下のものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、などが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
−−トナーの製造方法−−
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知のトナーの製造方法の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法、などが挙げられる。これらの中でも、画質向上のために、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等の重合法が好ましい。
−−−混練・粉砕法−−−
前記混練・粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。前記溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械株式会社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記溶融混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際、ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
次いで、外添剤のトナー母体粒子への外添が行われる。トナー母体粒子と外添剤とをミキサーを用い、混合及び攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー母体粒子表面に被覆される。この時、シリカ粒子等の外添剤を均一かつ強固にトナー母体粒子に付着させることが耐久性の点で重要である。
−−−重合法−−−
前記重合法によるトナーの製造方法としては、例えば、有機溶媒中に少なくともウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂と着色剤を含むトナー材料を溶解乃至分散させる。そして、この溶解乃至分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去し、洗浄して得られる。
前記ウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させて得られる、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーなどが挙げられる。そして、このポリエステルプレポリマーとアミン類等との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られる変性ポリエステル樹脂は、低温定着性を維持しながらホットオフセット性を向上させることができる。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)としては、例えば、脂肪族多価イソシアネート(例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1個以上が好ましく、平均1.5個〜3個がより好ましく、平均1.8個〜2.5個が更に好ましい。
前記ポリエステルプレポリマーと反応させるアミン類(B)としては、例えば、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)、などが挙げられる。
前記2価アミン化合物(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン(例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);脂肪族ジアミン(例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、などが挙げられる。
前記3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、などが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、などが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、などが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、などが挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)の中でも、B1及びB1と少量のB2の混合物が特に好ましい。
前記アミン類(B)の比率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、1/2〜2/1が好ましく、1.5/1〜1/1.5がより好ましく、1.2/1〜1/1.2が更に好ましい。
上記のような重合法によるトナーの製造方法によれば、小粒径かつ球形状トナーを環境負荷少なく、低コストで作製することができる。
前記分散のための分散機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。
これらの中でも、分散体(油滴)の粒径を2[μm]以上20[μm]以下に制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。
前記回転数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000[rpm]以上30,000[rpm]以下が好ましく、5,000[rpm]以上20,000[rpm]以下がより好ましい。
前記分散時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合、0.1分間以上5分間以下が好ましい。
前記分散温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加圧下において、0℃以上150℃以下が好ましく、40℃以上98℃以下がより好ましい。なお、一般に、前記分散温度が高温である方が分散は容易である。
前記トナー材料を水系媒体中に分散させる際の、水系媒体の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー材料100質量部に対して、50質量部以上2,000質量部以下が好ましく、100質量部以上1,000質量部以下がより好ましい。
前記分散液から有機溶媒を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の有機溶媒を除去する方法などが挙げられる。
前記有機溶媒が除去されると、トナー母体粒子が形成される。トナー母体粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、更に分級等を行うことができる。前記分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。
前記得られたトナー母体粒子は、前記外添剤、必要に応じて前記帯電制御剤等の粒子と混合してもよい。このとき、機械的衝撃力を印加することにより、トナー母体粒子の表面から前記外添剤等の粒子が脱離するのを抑制することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。
前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
前記トナーの平均円形度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.97以上が好ましく、0.97以上0.98以下がより好ましい。前記平均円形度が、0.97未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがある。
前記トナーの平均円形度は、例えば、シスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5.5[μm]以下が好ましい。
前記体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.00以上1.40以下が好ましい。前記比(Dv/Dn)が、1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
前記トナーの体積平均粒径及び粒度分布は、例えば、コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれも、コールター社製)などにより測定することができる。
前記トナーのガラス転移温度は、50℃以下である。このような低温定着性のトナーであっても、トナーを押し潰して大きく変形させることを抑制でき、クリーニングブレードの当接部及び像担持体に付着することを防止できる。
前記トナーは、磁性キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合、二成分現像剤中のキャリアとトナーの質量比は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記キャリア100質量部に対して、トナー1質量部以上10質量部以下が好ましい。
前記磁性キャリアとしては、粒子径20[μm]以上200[μm]以下程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなどが挙げられる。
前記被覆樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。
更に必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。前記導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛などが挙げられる。これらの導電粉は、平均粒子径1[μm]以下のものが好ましい。前記平均粒子径が、1[μm]を超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
なお、前記トナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー或いは非磁性トナーとしても用いることができる。
<転写工程及び転写手段>
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第1次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第2次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写手段を用いて前記像担持体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第1次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第2次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト、などが挙げられる。
前記転写手段(前記第1次転写手段、前記第2次転写手段)は、前記像担持体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
<定着工程及び定着手段>
前記定着工程は、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程であり、定着手段を用いて、定着させることができる。なお、2色以上のトナーを用いる場合は、各色のトナーが記録媒体に転写される毎に定着させてもよいし、全色のトナーが記録媒体に転写されて積層された状態で定着させてもよい。
前記定着手段としては、特に限定されず、公知の加熱加圧手段を用いた熱定着方式を採用することができる。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラを組合せたもの、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトを組合せたもの等が挙げられる。このとき、加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃〜200℃が好ましい。なお、必要に応じて、前記定着手段と共に、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
<クリーニング工程及びクリーニング手段>
前記クリーニング工程は、前記像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、本発明の前記クリーニングブレードが用いられる。
前記クリーニングブレードの弾性部材は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記像担持体表面に対して、10[N/m]以上100[N/m]以下の押圧力で当接することが好ましい。前記押圧力が、10[N/m]未満であると、クリーニングブレードの弾性部材が像担持体表面に当接する当接部位のトナー通過によるクリーニング不良が発生し易くなり、100[N/m]を超えると、当接部位の摩擦力の増加によりクリーニングブレードが捲れ上がることがある。前記押圧力は、10[N/m]以上50[N/m]以下が好ましい。
前記押圧力は、例えば、共和電業社製小型圧縮型ロードセルを組み込んだ測定装置を用いて測定することができる。
前記クリーニングブレードの弾性部材が前記像担持体表面に当接する部位における接線とクリーニングブレードの端面とのなす角度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、65°以上85°以下であることが好ましい。
前記なす角度θが、65°未満であると、クリーニングブレードの捲れ上りが発生することがあり、85°を超えると、クリーニング不良が発生することがある。
<潤滑剤塗布工程及び潤滑剤塗布手段>
前記潤滑剤塗布工程は、前記像担持体表面に潤滑剤を塗布する工程であり、潤滑剤塗布手段により実施される。
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の手段としては、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段、などが挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程、などが挙げられる。
−除電工程及び除電手段−
前記除電工程は、前記像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
−リサイクル工程及びリサイクル手段−
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段などが挙げられる。
−制御工程及び制御手段−
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、本実施形態に係るの画像形成装置の一例について図面を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置500の一例を示す概略構成図である。この画像形成装置500は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記載することがある。)用の4つの作像ユニット1Y,1C,1M,1Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
4つの作像ユニット1の上方には、中間転写体としての中間転写ベルト14を備える転写ユニット60が配置されている。詳細は後述する各作像ユニット1Y,1C,1M,1Kが備える感光体3Y,3C,3M,3Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上に重ね合わせて転写される構成である。
また、4つの作像ユニット1の下方に光書込ユニット40が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット40は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各作像ユニット1Y,1C,1M,1Kの感光体3Y,3C,3M,3Kに照射する。これにより、感光体3Y,3C,3M,3K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット40は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー41によって偏光させながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,3C,3M,3Kに照射するものである。前記構成のものに代えて、LEDアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
光書込ユニット40の下方には、第1給紙カセット151、第2給紙カセット152が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録媒体Pが複数枚重ねられた紙束の状態で収容されており、一番上の記録媒体Pには、第1給紙ローラ151a、第2給紙ローラ152aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ151aが駆動手段によって図2中反時計回りに回転駆動すると、第1給紙カセット151内の一番上の記録媒体Pが、カセットの図2中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路153に向けて排出される。また、第2給紙ローラ152aが駆動手段によって図2中反時計回りに回転駆動すると、第2給紙カセット152内の一番上の記録媒体Pが、給紙路153に向けて排出される。
給紙路153内には、複数の搬送ローラ対154が配設されている。給紙路153に送り込まれた記録媒体Pは、これら搬送ローラ対154のローラ間に挟み込まれながら、給紙路153内を図2中下側から上側に向けて搬送される。
給紙路153の搬送方向下流側端部には、レジストローラ対55が配設されている。レジストローラ対55は、記録媒体Pを搬送ローラ対154から送られてくる記録媒体Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録媒体Pを適切なタイミングで後述の二次転写ニップに向けて送り出す。
図3は、同画像形成装置の備える作像ユニットの一例であり、4つの作像ユニット1のうちの一つの概略構成を示す構成図である。
図3に示すように、作像ユニット1は、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
感光体3の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、一次転写ローラ7、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10、及び除電ランプ等が配置されている。帯電ローラ4は、帯電手段としての帯電装置が備える帯電部材であり、現像装置5は、感光体3の表面上に形成された潜像をトナー像化する現像手段である。一次転写ローラ7は、感光体3の表面上のトナー像を中間転写ベルト14に転写する一次転写手段としての一次転写装置が備える一次転写部材である。クリーニング装置6は、トナー像を中間転写ベルト14に転写した後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段である。潤滑剤塗布装置10は、クリーニング装置6がクリーニングした後の感光体3の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段である。除電ランプは、クリーニング後の感光体3の表面電位を除電する除電手段である。
帯電ローラ4は、感光体3に所定の距離を持って非接触で配置され、感光体3を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電ローラ4によって一様帯電された感光体3の表面は、潜像形成手段である光書込ユニット40から画像情報に基づいてレーザ光Lが照射され静電潜像が形成される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の二本スクリュによって撹拌及び搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51の表面上に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
クリーニング装置6は、ファーブラシ101、クリーニングブレード62などを有している。クリーニングブレード62は、感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向で感光体3に当接している。なお、クリーニングブレード62の詳細については後述する。
潤滑剤塗布装置10は、固形潤滑剤103や潤滑剤加圧スプリング103a等を備え、固形潤滑剤103を感光体3上に塗布する塗布ブラシとしてファーブラシ101を用いている。固形潤滑剤103は、ブラケット103bに保持され、潤滑剤加圧スプリング103aによりファーブラシ101側に加圧されている。そして、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転するファーブラシ101により固形潤滑剤103が削られて感光体3上に潤滑剤が塗布される。感光体への潤滑剤塗布により感光体3表面の摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。
帯電装置は、帯電ローラ4を感光体3に近接させた非接触の近接配置方式であるが、帯電装置としては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の構成を用いることができる。これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式がより望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
光書込ユニット40のレーザ光Lの光源や除電ランプ等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザは照射エネルギーが高く、また600[nm]以上800[nm]以下の長波長光を有するため、良好に使用される。
図2に示す転写手段としての転写ユニット60は、中間転写ベルト14の他、ベルトクリーニングユニット162、第1ブラケット63、第2ブラケット64などを備えている。また、4つの一次転写ローラ7Y,7C,7M,7K、二次転写バックアップローラ66、駆動ローラ67、補助ローラ68、テンションローラ69なども備えている。中間転写ベルト14は、これら8つのローラ部材に張架されながら、駆動ローラ67の回転駆動によって図2中反時計回りに無端移動させられる。4つの一次転写ローラ7Y,7C,7M,7Kは、このように無端移動させられる中間転写ベルト14を感光体3Y,3C,3M,3Kとの間に挟み込んでそれぞれ一次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト14の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えば、プラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト14は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y,3C,3M,3K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト14上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像と称することがある。)が形成される。
二次転写バックアップローラ66は、中間転写ベルト14のループ外側に配設された二次転写ローラ70との間に中間転写ベルト14を挟み込んで二次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対55は、ローラ間に挟み込んだ記録媒体Pを、中間転写ベルト14上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、二次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト14上の4色トナー像は、二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ70と二次転写バックアップローラ66との間に形成される二次転写電界や、ニップ圧の影響により、二次転写ニップ内で記録媒体Pに一括二次転写される。そして、記録媒体Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト14には、記録媒体Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット162によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット162は、ベルトクリーニングブレード162aを中間転写ベルト14のおもて面に当接させており、これによって中間転写ベルト14上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
転写ユニット60の第1ブラケット63は、ソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ68の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。画像形成装置500は、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第1ブラケット63を図2中反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により、補助ローラ68の回転軸線を中心にしてY,C,M用の一次転写ローラ7Y,7C,7Mを図2中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト14をY,C,M用の感光体3Y,3C,3Mから離間させる。そして、4つの作像ユニット1Y,1C,1M,1Kのうち、K用の作像ユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY,C,M用の作像ユニット1を無駄に駆動させることによる作像ユニット1を構成する各部材の消耗を回避することができる。
二次転写ニップの図2中上方には、定着ユニット80が配設されている。この定着ユニット80は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ81と、定着ベルトユニット82とを備えている。定着ベルトユニット82は、定着部材たる定着ベルト84、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ83、テンションローラ85、駆動ローラ86、温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト84を加熱ローラ83、テンションローラ85及び駆動ローラ86によって張架しながら、図2中反時計回り方向に無端移動させる。この無端移動の過程で、定着ベルト84は加熱ローラ83によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト84の加熱ローラ83への掛け回し箇所には、図2中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ81がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ81と定着ベルト84とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト84のループ外側には、温度センサが定着ベルト84のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト84の表面温度を検知する。この検知結果は、定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ83に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ81に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。
上述した二次転写ニップを通過した記録媒体Pは、中間転写ベルト14から分離した後、定着ユニット80内に送られる。そして、定着ユニット80内の定着ニップに挟まれながら図2中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト84によって加熱され、押圧されることによりフルカラートナー像が記録媒体Pに定着される。
このようにして定着処理が施された記録媒体Pは、排紙ローラ対87のローラ間を経た後、画像形成装置外へと排出される。画像形成装置500本体の筺体の上面には、スタック部88が形成されており、排紙ローラ対87によって画像形成装置外に排出された記録媒体Pは、このスタック部88に順次スタックされる。
転写ユニット60の上方には、Y,C,M,Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ200Y,200C,200M,200Kが配設されている。トナーカートリッジ200Y,200C,200M,200K内のY,C,M,Kトナーは、作像ユニット1Y,1C,1M,1Kの現像装置5Y,5C,5M,5Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ200Y,200C,200M,200Kは、作像ユニット1Y,1C,1M,1Kとは独立して画像形成装置本体に脱着可能である。
次に、画像形成装置500における画像形成動作について説明する。
まず、操作部などからプリント実行の信号を受信すると、帯電ローラ4及び現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、光書込ユニット40及び除電ランプなどの光源にもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータにより感光体3が図2中矢印方向に回転駆動される。
感光体3が図2中矢印方向に回転すると、まず、感光体3表面が、帯電ローラ4によって所定の電位に一様帯電される。そして、光書込ユニット40から画像情報に対応したレーザ光Lが感光体3上に照射され、感光体3表面上のレーザ光Lが照射された部分が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体3の表面は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシによって摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。各作像ユニット1において、同様の作像プロセスが実行され、各作像ユニット1Y,1C,1M,1Kの各感光体3Y,3C,3M,3Kの表面上に各色のトナー像が形成される。
このように、画像形成装置500では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
各感光体3Y,3C,3M,3Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上で重なるように、順次一次転写される。これにより、中間転写ベルト14上に4色トナー像が形成される。
中間転写ベルト14上に形成された4色トナー像は、第1給紙カセット151又は第2給紙カセット152から給紙され、レジストローラ対55のローラ間を経て、二次転写ニップに給紙される記録媒体Pに転写される。このとき、記録媒体Pはレジストローラ対55に挟まれた状態で一旦停止し、中間転写ベルト14上の画像先端と同期を取って二次転写ニップに供給される。トナー像が転写された記録媒体Pは中間転写ベルト14から分離され、定着ユニット80へ搬送される。そして、トナー像が転写された記録媒体Pが定着ユニット80を通過することにより、熱と圧力の作用でトナー像が記録媒体P上に定着されて、トナー像が定着された記録媒体Pは画像形成装置500の外に排出され、スタック部88にスタックされる。
一方、二次転写ニップで記録媒体Pにトナー像を転写した中間転写ベルト14の表面は、ベルトクリーニングユニット162によって表面上の転写残トナーが除去される。
また、一次転写ニップで中間転写ベルト14に各色のトナー像を転写した感光体3の表面は、クリーニング装置6によって転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
画像形成装置500の作像ユニット1は、図3に示すように感光体3と、プロセス手段として帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10などとが枠体2に収められている。そして、作像ユニット1は、プロセスカートリッジとして画像形成装置500本体から一体的に着脱可能となっている。画像形成装置500では、作像ユニット1がプロセスカートリッジとしての感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっているが、感光体3、帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
前記画像形成装置500に用いるトナーとしては、画質向上の点から、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、又は分散重合法により製造された重合トナー(ガラス転移温度が50℃以下の低温定着性トナー)を用いることが好ましい。これらの中でも、高解像度の画像を形成する点から、平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]以下の重合トナーを用いることが好ましい。
前記高円形かつ小粒径の重合トナー(低温定着性トナー)においては、従来の粉砕トナーを感光体3表面から除去するときと同じようにしてクリーニングブレード62で除去しようとしても、前記重合トナーを感光体3表面から十分に除去しきれず、クリーニング不良が発生する。そこで、クリーニングブレード62の感光体3への当接圧を高めて、クリーニング性をアップしようとすると、クリーニングブレード62が早期に摩耗してしまうという問題がある。また、クリーニングブレード62と感光体3との摩擦力が高まって、クリーニングブレード62の感光体3と当接している当接部(先端稜線部)62cが感光体3の移動方向に引っ張られて、先端稜線部(当接部)62cが捲れてしまう(図8(a)〜図8(c)参照)。クリーニングブレード62の先端稜線部(当接部)62cが捲れると、異音や振動、当接部の欠落などの様々な問題が生じてしまう。また、クリーニングブレードをすり抜けた低温定着性のトナーは押し潰され、前記クリーニングブレードの表面や像担持体に融着してクリーニング機能を低下させたり、前記像担持体の表面に融着して画像不良となるという課題がある。
図4(a)及び図4(b)は、本実施形態のクリーニングブレードの他の一例を示す断面図であり、図3のクリーニングブレード62の拡大断面図である。図4(a)は、クリーニングブレード62が感光体(像担持体)3の表面に当接している状態の説明図であり、図4(b)は、クリーニングブレード62の先端稜線部(当接部)62c近傍の拡大説明図である。
本実施形態のクリーニングブレード62は、含浸部に加え、表面層を設けた以外は、図1に基づき説明したものと同様の構成である。このため、図1と同様な部分には同じ符号を付し、説明を省略する。以下、被清掃部材としての像担持体3、付着物としてのトナーを用いて説明する。
図4(a)に示すように、クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチック等の剛性材料からなる平板状の支持部材621と、短冊状の弾性部材622とで構成されている。弾性部材622は、支持部材621の一端側に接着剤などにより固定されており、支持部材621の他端側は、クリーニング装置6のケースに片持ち支持されている。
また、クリーニングブレード62は、支持部材621と、該支持部材に一端が連結され、他端に所定長さの自由端部を有する平板状の弾性部材622とからなる。前記弾性部材622の自由端側の一端である先端稜線部62cが感光体(像担持体)3表面に長手方向に沿って当接するように配置されている。
弾性部材622としては、像担持体3の偏心や像担持体3の表面の微小なうねりなどに追随できるように、高い反発弾性体率を有するものが好ましく、ポリウレタンゴムなどが好適である。前記弾性部材のJIS−A硬度は60度以上が好ましい。また、前記弾性部材のJIS K6255規格に準拠した反発弾性率は、23[℃]で35[%]以下が好ましい。
本実施形態の前記弾性部材622の像担持体表面に当接する先端稜線部(当接部)62cは、改質部100として後述する含浸部分62dと表面層623とを有している。
前記当接部表面から厚み方向の領域に第1の紫外線硬化性組成物の硬化物を含有する含浸部分62dを有している。前記第1の紫外線硬化性組成物の硬化物を含有する当接部は、第2の紫外線硬化性組成物の硬化物を含む表面層623を有している。
前記クリーニングブレード62では、ウレタンゴムからなる弾性部材622に対してディップ塗工により第1の紫外線硬化性組成物を含浸させ、さらに表面層623を形成する第2の紫外線硬化性組成物をスプレー塗工した後、紫外線照射により樹脂を硬化させている。
含浸させた第1の紫外線硬化性組成物を硬化させるために紫外線を照射するタイミングとしては、弾性部材622に第1の紫外線硬化性組成物を含浸させた後、表面層623を被覆する前に、紫外線を照射してもよい。弾性部材622の基材となるウレタンゴムに前記第1の紫外線硬化性組成物を含浸させた後、一度、紫外線を照射して含浸させた前記第1の紫外線硬化性組成物を硬化させた後に、表面層623を形成する第2の紫外線硬化性組成物で被覆する構成であれば、表面層623を形成する前にウレタンゴムに対して第1の紫外線硬化性組成物の含浸状態を固定し、後から表面層623を形成する第2の紫外線硬化性組成物を塗布しても、含浸状態が変化しないため、所望の含浸状態の弾性部材622を作製できる。
弾性部材622の当接部62cへの含浸処理は、ハケ塗り、スプレー塗工、ディップ塗工などによって、紫外線硬化性組成物を含浸させることで可能である。
上述した弾性体の表面と内部のマルテンス硬度の差は、ポリウレタンなどの弾性部材622に、紫外線硬化性樹脂モノマーを、含浸させたりすることにより得ることができる。含浸させる場合には、紫外線硬化性樹脂モノマーの種類、重合開始剤の種類、硬化方法、処方液の固形分濃度、処方液の重合開始剤濃度、含浸時間、含浸後のブレード表面の樹脂残渣の洗浄工程、表面層の形成などにより、高硬度化される部分の深さが変化する。
本実施形態においては、クリーニングブレードの高い追従性を実現するために、クリーニングブレードの稜線近傍の表層のみを硬くすることを狙い、上記の条件を鋭意検討した。その結果、含浸後のブレード樹脂残渣の洗浄工程において、洗浄液や工程を変えることで、表面近傍に染込んだモノマーを任意の量を吸い出し、内部と表面近傍の硬度差をコントロールすることができることがわかった。また、表面層を設けたときに、表面層の厚さや表面層を設けた後の乾燥時間(紫外線を照射する前の時間)を変えることで、表面層形成液が表面近傍に染込ませることが可能であり、表面近傍のみを高硬度にすることができることがわかった。
表面層623は、弾性部材622に紫外線硬化樹脂を含浸させて所定時間風乾させた後に、スプレー塗工、ディップ塗工、あるいはスクリーン印刷等によって、クリーニングブレード62の先端稜線部62cを被覆する。
表面層623としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、弾性部材のマルテンス硬度よりも硬い第2の紫外線硬化性組成物が好ましく、0.2[μm]以上5[μm]以下の厚みで被覆するのが好ましい。また、表面層623は、弾性部材622よりも硬度が高い部材とすることで、剛直なため、変形し難く、クリーニングブレード62の先端稜線部62cのめくれを抑制することができる。
紫外線硬化性組成物を含浸させた後、または、表面層623による被覆を行った後に、紫外線を照射することで、図4に示す含浸部分62dを形成し、先端稜線部(当接部)62cの硬度上昇を図る改質効果を生じさせることができる。
当接部を含む表面に弾性部材622よりも硬い表面層623を2[μm]〜5[μm]以下の厚みで設ける。このように、弾性部材622の先端稜線部62cが、表面層623と含浸部分62dとを有することで、先端稜線部から弾性部材の厚み方向に20[μm]離れた位置の表面のマルテンス硬度が1[N/mm]〜15[N/mm]であることを実現できる。
その結果、弾性部材の当接部のめくれを抑制し、かつ前記当接部の被清掃部材に対する追随性を良好にできると共に、異音及びブレード摩耗を抑制し、高速印刷においても良好なクリーニング性を得ることができるクリーニングブレードを提供することができる。
また、本実施形態のクリーニングブレード62は、ATR−IR法により求められる、前記改質部の赤外吸収スペクトルと、弾性部材622の未改質部の赤外吸収スペクトルとの差スペクトルにおける、800〜820[cm−1]のピーク面積値Sと、1697〜1753[cm−1]のピーク面積値Sとのピーク面積比S/Sが、0.0126以下である。
これにより、製造後初期から改質部の硬化率が高くすることができるため、長期の使用または保管後においても、弾性部材の当接部の動きの抑制と適度な柔軟性により感光体への追従性を持つことができ、良好なクリーニング性と異音の発生を抑えることができる。
(プロセスカートリッジ)
本実施形態のプロセスカートリッジは、像担持体と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
前記クリーニング手段としては、本発明の前記クリーニングブレードが用いられる。
前記プロセスカートリッジは、像担持体と、本発明の前記クリーニングブレードとを内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段の少なくとも1つの手段を具備し、画像形成装置に着脱可能とした装置(部品)である。
なお、上述した説明では、弾性部材622の先端稜線部62cが、改質部として含浸部のみを有する例、改質部として含浸部と表面層とを有する例を用いて説明したが、本発明の効果が得られる構成としてはこれに限らない。例えば、弾性部材622の先端稜線部62cが、改質部として表面層のみを有する場合であっても、同様の効果を得ることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<弾性部材のJIS−A硬度>
弾性部材の当接面側のJIS−A硬度は、高分子計器株式会社製マイクロゴム硬度計MD−1を用い、JIS K6253に準じて測定した(23℃)。
<弾性部材の反発弾性率>
弾性部材の反発弾性率は、23[℃]で、株式会社東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。試料は厚み4[mm]以上となるように厚み2[mm]のシートを重ね合わせたものを用いた。
<トナーの平均円形度>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000、シスメックス株式会社製)により計測した。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100[mL]〜150[mL]中に、分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1[mL]〜0.5[mL]加え、更に測定試料(トナー)を0.1[g]〜0.5[g]程度加えた。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で1分間〜3分間分散処理し、分散液の濃度が3,000[個/μL]〜10,000[個/μL]となるようにしたものを前記分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定した。そして、この測定結果に基づき、図6(a)に示す実際のトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ図6(b)に示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を平均円形度とした。
<トナーの体積平均粒径>
トナーの体積平均粒径は、コールターカウンター法によって求めた。具体的には、コールターマルチサイザー2e型(ベックマン・コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機株式会社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析した。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1[質量%]NaCl水溶液を電解液として用意した。そして、この電解水溶液100[mL]〜150[mL]中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1[mL]〜5[mL]加えた。更に、これに被検試料としてのトナーを2[mg]〜20[mg]加え、超音波分散器で1分間〜3分間分散処理した。そして、別のビーカーに電解水溶液100[mL]〜200[mL]を入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、前記コールターマルチサイザー2e型にかけた。
アパーチャーとしては、100[μm]のものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00[μm]以上2.52[μm]未満;2.52[μm]以上3.17[μm]未満;3.17[μm]以上4.00[μm]未満;4.00[μm]以上5.04[μm]未満;5.04[μm]以上6.35[μm]未満;6.35[μm]以上8.00[μm]未満;8.00[μm]以上10.08[μm]未満;10.08[μm]以上12.70[μm]未満;12.70[μm]以上16.00[μm]未満;16.00[μm]以上20.20[μm]未満;20.20[μm]以上25.40[μm]未満;25.40[μm]以上32.00[μm]未満;32.00[μm]以上40.30[μm]未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00[μm]以上32.0[μm]以下のトナーを対象とした。
そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出した。ただし、「X」は各チャンネルにおける代表径、「V」は各チャンネルの代表径における相当体積、「f」は各チャンネルにおける粒子個数である。
<トナーのガラス転移温度の測定>
トナーのガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量計、セイコーインスツルメンツ社製)で、昇温速度10[℃/分間]にて測定した。
次に、本出願人らが行った検証実験について説明する。
下記に示す検証実験は、弾性部材622の材質、含浸部分62dの含浸処理材料(紫外線硬化性組成物)、含浸時間、表面層623の表面処理材料(紫外線硬化性組成物)、表面層の平均厚み、UV照射積算量、及び、照射雰囲気をそれぞれ変化させて、評価を行ったものである。
(製造例)
−弾性部材1〜2の作製−
特開2011−141449号公報の実施例1に記載のクリーニングブレードの作製方法を参照して、平均厚み1.8[mm]の平板状の弾性部材1〜2を作製した。
これら弾性部材1〜2の物性について、下記表1に示した。
Figure 2016126195
(調製例)
−紫外線硬化性組成物の調製−
下記表2に示す組成から、紫外線硬化性組成物1〜6を常法により調製した。
Figure 2016126195
前記紫外線硬化性組成物1〜6で用いた硬化材料の詳細について、下記表3及び表4に示す。
Figure 2016126195
Figure 2016126195
<トナーの作製例>
以下に示す重合法(特開2014−92633号公報)により作製したトナーを用いた。作製したトナーの物性は、以下のとおりである。
・トナー母体粒子:平均円形度0.98、体積平均粒径4.9[μm]
・外添剤:小粒径シリカ1.5質量部(クラリアント社製、H2000)
小粒径酸化チタン0.5質量部(テイカ社製、MT−150AI)
大粒径シリカ1.0質量部(電気化学工業社製、UFP−30H)
・トナーのガラス転移温度:50℃
(実施例1)
<クリーニングブレード1の作製>
厚み1.8[mm]の短冊形状の弾性部材1の先端面から3[mm]幅を、紫外線硬化性組成物1も300[s]浸漬した後、シクロヘキサンで弾性部材1の表面に付着している紫外線硬化性組成物1の残渣を洗浄した後、2分間風乾した。
次に、含浸処理後の弾性部材1の被清掃部材との当接部(先端稜線部)に対して、紫外線硬化性組成物4をスプレー塗工して表面層を形成した。具体的には、含浸処理を行った各弾性部材の当接部に対して、スプレー塗工により弾性部材の先端面から6[mm/s]のスプレーガン移動速度にて弾性部材1の先端全面に重ね塗りを行った。3分間指触乾燥後、弾性部材の下面に当接部から先端約3[mm]幅に、表面層の平均厚み2.3[μm]の表面層が形成されるように塗工した。その後、3分間指触乾燥を行い、UV照射積算量が60000 [mJ/cm]となるように高圧水銀ランプを用いて紫外線露光を行った。このとき紫外線露光(照射雰囲気)は大気雰囲気下で行なった。
次に、前記当接部に表面層が形成された各弾性部材をカラー複合機(imagio MP C4500、株式会社リコー製)に搭載できるように板金ホルダーに接着剤で固定した。以上により、当接部に表面層が形成されたクリーニングブレード1を作製した。
<紫外線積算光量測定方法>
紫外線積算光量計UIT−250(ウシオ電機製)を用いて254[nm]の波長における紫外線積算光量を測定した。このとき、積算光量計のセンサー部がクリーニングブレードの先端稜線部の高さと同じになるようにして測定をした。
<表面層の平均厚み>
図7は、実施例におけるクリーニングブレードの表面層の平均厚みの測定箇所を示す断面図である。
図7に示すように、前記弾性部材622を長手方向に対して直交する面で輪切りにし、この断面を上向きにして、デジタルマイクロスコープVHX−2000(株式会社キーエンス製)で観察した。測定箇所は、前記断面の短軸面62eにおける、当接側長軸面62fの当接部(先端稜線部)62cから弾性部材622の厚み方向に30[μm]位置、50[μm]位置、及び100[μm]位置で、表面層の厚みを測定し、その平均値を表面層の平均厚みとした。
前記弾性部材を輪切りにする方法としては、弾性部材622の長手方向の厚みが3[mm]となるように、弾性部材622の長手方向に対して垂直に剃刀を用いて切断した。その際、垂直スライサーを用いると断面をよりきれいに切ることができる。前記弾性部材を輪切りにする長手方向の位置は、両端の2[cm]の部分を除いた位置とした。
作製した前記弾性部材及びクリーニングブレードについて、以下のようにして、諸特性を測定した。結果を表6に示した。
<クリーニングブレードのピーク面積比S/S
クリーニングブレードのピーク面積比は、サーモフィッシャーサイエンティフィックス製NICOLET AVATAR370を用いてATR法にて測定したIRスペクトルから算出された2つのピーク面積から得られる。改質処理後の弾性部材の改質部のIR測定測定位置は、改質部であれば任意の地点の測定が可能である。また、弾性部材の未改質部のIR測定測定位置は、未改質部であれば任意の地点の測定が可能である。ピーク面積については付属のソフトウェアを用いて算出した。
<マルテンス硬度>
前記先端稜線部から
先端稜線部から弾性部材の厚み方向に20[μm]離れた位置のマルテンス硬度(HM)は、フィシャー・インストルメンツ社製、微小硬度計 HM−2000を用い、ビッカース圧子を1.0mNの力で10秒間押し込み、5秒間保持し、1.0[mN]の力で10秒間抜いて、測定した。
(実施例1の画像形成装置)
<画像形成装置の組み立て>
作製したクリーニングブレード1をカラー複合機(imagio MP C4500、株式会社リコー製)(プリンター部は図2に示す画像形成装置500と同様の構成)に取り付け、実施例1の画像形成装置を組み立てた。
なお、クリーニングブレードは、線圧:20[g/cm]、クリーニング角:79°となるように画像形成装置に取り付けた。
前記画像形成装置は、感光体表面への潤滑剤塗布装置を備えており、潤滑剤塗布により感光体表面の静止摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持されている。
前記感光体表面の静止摩擦係数は、特開平9−166919号公報の段落番号[0046]に記載のオイラーベルトの方法により測定した。
<画像形成条件>
前記画像形成装置を用い、実験室環境:21[℃]で65%RH、通紙条件:画像面積率5[%]チャートを3プリント/ジョブで、50,000枚(A4サイズ横)を出力し、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表7に示した。
<クリーニング性>
評価画像として、縦帯パターン(紙進行方向に対して)43[mm]幅、3本チャートをA4サイズ横で、20枚出力し、得られた画像を目視観察し、クリーニング不良による画像異常の有無により、クリーニング性を評価した。下記、「○」「△」を許容可とし、「×」を許容不可とした。
[評価基準]
○:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上にも感光体上にも目視で確認できない
△:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上には存在しないが感光体上には目視で確認できる
×:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上にも感光体上にも目視で確認できる。
<異音>
異音の評価として、クリーニング性評価の画像出力時に人の耳により異音発生有無の確認を行い、以下のように判断した。このとき、高周波や低周波など音に違いがある場合でも、ブレードから出ている音であれば区別なく異音として発生の有無を評価した。
[評価基準]
○:異音が発生しない
×:異音が発生する
<長期安定性>
長期での使用によりクリーニングブレードの特性が安定性を確認するため、クリーニングブレード作製1週間後(初期)に画像を出力後、クリーニング性と異音との評価を行った後、そのクリーニングブレードを暗所(画像形成装置内同等)で3ヶ月保管した後、画像を出力後、クリーニング性評価と異音評価を行なった。
(実施例2〜9及び比較例1〜5)
−クリーニングブレード2〜9及び10〜14の作製−
実施例1のクリーニングブレード1において、下記表5に示す弾性部材、含浸処理に用いる紫外線硬化性組成物、含浸時間、表面層形成に用いる紫外線硬化性組成物、表面層の平均厚み、UV照射積算量、及び、照射雰囲気に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜9及び比較例1〜5のクリーニングブレード2〜9及び10〜14を作製した。
作製した各クリーニングブレード2〜13を、実施例1のクリーニングブレード1と同様にカラー複合機(imagio MP C4500、株式会社リコー製)に取り付け、実施例2〜8及び比較例1〜5の画像形成装置を組み立てた。また、実施例1と同様にして、クリーニング性、異音、及び長期安定性を評価し、この結果を表7に示した。
Figure 2016126195
Figure 2016126195
Figure 2016126195
表7の結果から、実施例1〜9のクリーニングブレード1〜9においては、IRスペクトルでのピーク面積比S/Sの値が0.0126以下である。これにより、製造後初期から改質部の硬化率が高いことで3ヶ月保管後も、弾性部材の当接部の動きの抑制と適度な柔軟性により感光体への追従性を持つことができ、良好なクリーニング性と異音の発生を抑えることができることがわかった。
一方、比較例1では、当接部が紫外線硬化樹脂により改質されていないことで、弾性部材の当接部の動きを抑制できず、クリーニング不良と異音が発生した。
また、比較例2〜5では、IRスペクトルでのピーク面積比S/Sの値が0.0126以下になっていない。このため、製造後初期ではクリーニング性が良好であっても、3ヶ月の保管の間に改質部の硬化反応が進んでしまい、初期の特性から変化してしまった。これにより、3ヶ月後の評価では、摩耗が進行しやすくなり、クリーニング不良が発生した。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
感光体3等の被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面に付着した付着物を除去する弾性部材622等の弾性部材を備え、前記弾性部材の前記被清掃部材の表面に当接する先端稜線部62c等の当接部が、紫外線硬化性組成物による改質部100等の改質部を有するクリーニングブレードにおいて、前記改質部が、前記当接部表面から厚み方向の領域に第1の紫外線硬化性組成物を含有する含浸部分62d等の含浸部と、先端稜線部を含む前記弾性部材の表面に第2の紫外線硬化性組成物で形成された表面層623等の表面層の少なくとも一方であり、ATR−IR法により求められる、前記改質部の赤外吸収スペクトルと前記弾性部材の未改質部の赤外吸収スペクトルとの差スペクトルにおける、800〜820[cm−1]のピーク面積値Sと、1697〜1753[cm−1]のピーク面積値Sとのピーク面積比S/Sが、0.0126以下である。
本態様においては、上述した検証実験で示したように、IRスペクトルでのピーク面積比S/Sの値を0.0126以下とすることで、初期から改質部の硬化率が高くすることができる。このため、3ヶ月保管後も、弾性部材の当接部の動きの抑制と適度な柔軟性により感光体への追従性を持つことができ、良好なクリーニング性と異音の発生を抑えることができる。
また、SA/SBの値が0.0126より高くなると、製造後初期における改質部の紫外線硬化性組成物の硬化率が十分ではなく、経時で未反応部の硬化反応が進むことで、長期の使用または保管時に狙いの硬度から外れてしまい、追従性の低下や摩耗速度の加速などの不具合が生じてしまう。
(態様B)
態様Aにおいて、少なくとも表面層623等の前記表面層が前記改質部であり、前記表面層の厚さが0.2[μm]以上5[μm]以下である。
これによれば、検証実験で示したように、耐摩耗性を向上でき、前記弾性部材の当接部のめくれを抑制することができる。
(態様C)
態様A又はBにおいて、弾性部材622の先端稜線部62c等の前記クリーニングブレードの先端稜線部から20[μm]の表面のマルテンス硬度が1〜15[N/mm]である。
これによれば、検証実験で示したように、弾性部材の当接部のめくれを抑制し、かつ前記当接部の被清掃部材に対する追随性を良好にできると共に、異音及びブレード摩耗を抑制し、高速印刷においても良好なクリーニング性を得ることができる。
(態様D)
態様A〜Cいずれか一において、少なくとも前記含浸部と前期表面層とが前記改質部であり、前記第1の紫外線硬化性組成物及び前記第2の紫外線硬化性組成物が、(メタ)アクリレート化合物を含有する。
(態様E)
態様A〜Dいずれか一において、少なくとも前記含浸部が前記改質部であり、前記第1の紫外線硬化性組成物が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する。
これによれば、分子内に嵩高い特殊な脂環構造を有しているので、官能基数が少なく、かつ分子量が小さい(メタ)アクリレート化合物を用いることができる。したがって、前記弾性部材の当接部に含浸されやすく、前記当接部の硬度を効率よく向上させることができる。また、脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の脂環構造の炭素数が、6未満であると、当接部の硬度が弱くなることがある。
(態様F)
態様A〜Eいずれか一において、少なくとも前記表面層が前記改質部であり、前記第2の紫外線硬化性組成物が、分子内にペンタエリスリトール構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する。
(態様G)
感光体3等の像担持体と、前記像担持体表面を帯電させる帯電ローラ4等の帯電手段と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する光書込ユニット40等の露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像装置5等の現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写ユニット60等の転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着ユニット等の定着手段と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置6等のクリーニング手段とを有する画像形成装置500等の画像形成装置において、前記クリーニング手段として態様A〜Fいずれか一のクリーニングブレードを用いる。
かかる構成を備えることで、良好なクリーニング性が維持でき、良好な画像を得ることができる。
(態様H)
感光体3等の像担持体と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置6等のクリーニング手段とを少なくとも有するプロセスカートリッジにおいて、前記クリーニング手段として、態様A〜Fいずれか一のクリーニングブレードを用いる。
これによれば、上記実施形態に説明したように、良好なクリーニング性を得ることができる。また、プロセスカートリッジの形態を取ることで、操作性を向上できる。
1 作像ユニット
3 感光体
4 帯電ローラ
5 現像装置
6 クリーニング装置
10 潤滑剤塗布装置
14 中間転写ベルト
40 光書込ユニット
50 現像装置
60 転写ユニット
62 クリーニングブレード
62a ブレード先端面
62c 先端稜線部
62d 含浸部分
80 定着ユニット
100 改質部
500 画像形成装置
621 支持部材
622 弾性部材
623 表面層
ピーク面積値
ピーク面積値
/S ピーク面積比
特許第3602898号 特開2004−233818号公報 特許第5532378号

Claims (8)

  1. 被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面に付着した付着物を除去する弾性部材を備え、前記弾性部材の前記被清掃部材の表面に当接する当接部が、紫外線硬化性組成物による改質部を有するクリーニングブレードにおいて、
    前記改質部が、前記当接部表面から厚み方向の領域に第1の紫外線硬化性組成物を含有する含浸部と、先端稜線部を含む前記弾性部材の表面に第2の紫外線硬化性組成物で形成された表面層の少なくとも一方であり、ATR−IR法により求められる、前記改質部の赤外吸収スペクトルと前記弾性部材の未改質部の赤外吸収スペクトルとの差スペクトルにおける、800〜820[cm−1]のピーク面積値Sと、1697〜1753[cm−1]のピーク面積値Sとのピーク面積比S/Sが、0.0126以下であることを特徴とするクリーニングブレード。
  2. 請求項1のクリーニングブレードにおいて、少なくとも前記表面層が前記改質部であり、前記表面層の厚さが0.2[μm]以上5[μm]以下であることを特徴とするクリーニングブレード。
  3. 請求項1又は2のクリーニングブレードにおいて、前記クリーニングブレードの先端稜線部から20[μm]の表面のマルテンス硬度が1〜15[N/mm]であることを特徴とするクリーニングブレード。
  4. 請求項1乃至3いずれか一のクリーニングブレードにおいて、少なくとも前記含浸部と前期表面層とが前記改質部であり、前記第1の紫外線硬化性組成物及び前記第2の紫外線硬化性組成物が、(メタ)アクリレート化合物を含有することを特徴とするクリーニングブレード。
  5. 請求項1乃至4いずれか一のクリーニングブレードにおいて、少なくとも前記含浸部が前記改質部であり、前記第1の紫外線硬化性組成物が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有することを特徴とするクリーニングブレード。
  6. 請求項1乃至5いずれか一のクリーニングブレードにおいて、少なくとも前記表面層が前記改質部であり、前記第2の紫外線硬化性組成物が、分子内にペンタエリスリトール構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有することを特徴とするクリーニングブレード。
  7. 像担持体と、前記像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有する画像形成装置において、前記クリーニング手段として請求項1乃至6いずれか一のクリーニングブレードを用いることを特徴とする画像形成装置。
  8. 像担持体と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有するプロセスカートリッジにおいて、前記クリーニング手段として、請求項1乃至6いずれか一のクリーニングブレードを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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