JP2016125693A - 冷却部品および情報処理装置 - Google Patents

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千香良 西尾
Chikara Nishio
千香良 西尾
尾崎 行雄
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行雄 尾崎
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Abstract

【課題】安定して発熱体を冷却可能な冷却部品およびそれを備えた情報処理装置を提供する。
【解決手段】発熱体からの受熱によって液相の作動流体を蒸発させる蒸発部を備える冷却部品であって、蒸発部は、作動流体の還流方向に沿って伸びる蒸気流路と、蒸気流路の長手方向に沿って蒸気流路の側面に凹設され蒸発部の入口側から供給される液相の作動流体を流す第1液流路と、蒸気流路の側面に沿って対向配置された堰部と側面との間に形成され、第1液流路から流出した液相の作動流体を流す第2液流路とを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷却部品および情報処理装置に関する。
コンピュータなどの情報処理装置に備えられる電子部品などの発熱体を冷却する冷却部品(装置)としてヒートパイプ(Heat Pipe)が知られている。また、例えば、液相の作
動流体を蒸発させる蒸発部、気相の作動流体を液化する凝縮部、蒸発部および凝縮部に接続されると共に内部に作動流体が封入されたループ管を備えたループ型ヒートパイプ(LHP:Loop Heat Pipe)も知られている。このループ型ヒートパイプは、例えば液輸送ポンプなどを用いずにウィックなどの毛細管力によって作動流体を循環させて、熱を輸送することが可能である。
これらに関連して、スリットを有する仕切板を複数重ね合わせてコンテナ内に封止し、コンテナ内に作動液を封入すると共に上記スリットにより形成される空間をウィックとして利用するフラット型ヒートパイプが知られている(例えば、特許文献1を参照)。このフラット型ヒートパイプでは、コンテナ内で毛管現象と蒸発現象をリンクして作動液を還流させている。
また、ループ型ヒートパイプの蒸発部において、液相の作動流体が供給される液流路と、蒸発させた作動流体を流す蒸気流路とを沿わせて配置するウィック構造が知られている(例えば、特許文献2を参照)。このようなウィック構造では、液流路と蒸気流路との境界面、即ち液相の作動流体が蒸発する界面において毛細管力が生じ、凝縮部側から蒸発部側に向けて液相の作動流体が引っ張られ、作動流体が還流する。
特開2002−39693号公報 特開2009−97757号公報 特開2012−127642号公報
ところで、発熱体の発熱量が大きくなると液流路内に気泡が発生し、割れた気泡の膜が蒸気流路の壁面に濡れ広がってしまうことが想定される。そして、この濡れ広がりが液流路内の液相の作動流体と繋がると、液流路と蒸気流路との間の気液分離ができなくなり、作動流体を還流させるための毛細管力が弱まることで、発熱体の冷却能力が失われる虞がある。
本件は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、安定して発熱体を冷却可能な冷却部品およびそれを備えた情報処理装置を提供することを目的とする。
本件の一観点によると、発熱体からの受熱によって液相の作動流体を蒸発させる蒸発部を備える冷却部品であって、前記蒸発部は、前記作動流体の還流方向に沿って伸びる蒸気流路と、前記蒸気流路の長手方向に沿って該蒸気流路の側面に凹設され、前記蒸発部の入口側から供給される液相の作動流体を流す第1液流路と、前記蒸気流路の側面に沿って対向配置された堰部と前記側面との間に形成され、前記第1液流路から流出した液相の作動
流体を流す第2液流路と、を有する、冷却部品が提供される。
また、本件の一観点によると、配線基板上に設けられた電子部品と、前記電子部品を冷却する冷却部品と、を備え、前記冷却部品は、前記電子部品からの受熱によって液相の作動流体を蒸発させる蒸発部を有し、前記蒸発部は、前記作動流体の還流方向に沿って伸びる蒸気流路と、前記蒸気流路の長手方向に沿って該蒸気流路の側面に凹設され、前記蒸発部の入口側から供給される液相の作動流体を流す第1液流路と、前記蒸気流路の側面に沿って対向配置された堰部と前記側面との間に形成され、前記第1液流路から流出した液相の作動流体を流す第2液流路と、を有する、情報処理装置が提供される。
本件によれば、安定して発熱体を冷却可能な冷却部品およびそれを備えた情報処理装置を提供できる。
図1は、実施形態1に係る情報処理装置を示す図である。 図2は、実施形態1に係る情報処理装置に搭載される冷却ユニットの概略図である。 図3は、実施形態1に係るループ型ヒートパイプの蒸発部における断面構造を示す図である。 図4は、実施形態1に係るループ型ヒートパイプの蒸発部におけるマイクロ流路の拡大図である。 図5は、実施形態1に係るループ型ヒートパイプの蒸発部において作動流体が蒸発する状況を説明する図である。 図6は、比較例に係るループ型ヒートパイプのマイクロ流路を示す図である。 図7は、比較例に係るループ型ヒートパイプの蒸発部におけるマイクロ流路の作用を説明する図である。 図8は、実施形態1に係るループ型ヒートパイプの蒸発部におけるマイクロ流路の作用を説明する図である。 図9は、実施形態2に係るループ型ヒートパイプの蒸発部におけるマイクロ流路Bの断面構造を示す図である。
以下、図面を参照しながら本件に関する実施形態を詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る情報処理装置1を示す図である。図1に示す情報処理装置1は、所謂ノート型パーソナルコンピュータであり、本体2と表示ユニット3を備えている。本体2は、箱状に形成された筐体4を有する。筐体4内部には、配線基板(図示せず)が収容されており、この配線基板上に発熱体が実装されている。発熱体は、例えば使用時に熱を発生する電子部品であり、CPU(Central Processing Unit)、グラフィックチ
ップ、メモリなどが例示できる。
図2は、実施形態1に係る情報処理装置1に搭載される冷却ユニット5の概略図である。冷却ユニット5は、ループ型ヒートパイプ10、放熱部材6、および冷却ファン7などを備える。放熱部材6は、例えば複数の放熱フィンを含んでいてもよい。また、冷却ファン7は、例えば放熱部材6に向けて空気を吐出し、放熱部材6を冷却する。
ループ型ヒートパイプ10は、発熱体8の熱を放熱部材6まで輸送する冷却部品である
。ループ型ヒートパイプ10は、環状に形成された流路11を有する容器12と、この容器12内に封入された作動流体13とを有する。ループ型ヒートパイプ10の作動流体13は、毛細管力によって流路11内を一方向に還流(循環)するようになっている。
ループ型ヒートパイプ10は、蒸発部21、凝縮部22、蒸気管23、および液管24などを備える。液管24は、凝縮部22の出口と蒸発部21の入口とを接続する配管であり、凝縮部22において液化した作動流体13を蒸発部21に向かって移送する。つまり、液管24は、液相の作動流体13を蒸発部21に供給する。一方、蒸気管23は、蒸発部21の出口と凝縮部22の入口に接続されており、蒸発部21において蒸発した作動流体13を凝縮部22に向かって移送する。つまり、蒸気管23は、気相の作動流体13を凝縮部22に供給する。なお、蒸気管23および液管24の形状および構造は特に限定されないが、例えば扁平形の中空構造であってもよい。
蒸発部21は、発熱体8と熱的に接触しており、発熱体8から熱を受け取る。そして、蒸発部21が発熱体8から受け取った熱によって、蒸発部21に供給された液相の作動流体13が加熱されることで、その作動流体13が気化する。そして、作動流体13が気化する際の潜熱によって発熱体8を冷却することができる。
蒸発部21で気化した作動流体13は、蒸発部21から蒸気管23に流出し、蒸気管23を通じて凝縮部22に供給される。凝縮部22は、上述した放熱部材6と熱的に接触しており、気相の作動流体13が凝縮部22において冷却されることで、液化する。凝縮部22において液化した作動流体13は、再び液管24を通じて蒸発部21に供給される。このようにして、容器12内に形成される環状の流路11を作動流体13が一定の方向に循環することで、発熱体8の冷却を継続的に行うことができる。
なお、ループ型ヒートパイプ10の容器12は、例えば扁平形状を有し、例えば銅などの金属で形成されている。また、作動流体13としては、例えば水、アルコール、アンモニア、ブタン、または不凍液などを一例として挙げられる。また、ループ型ヒートパイプ10は、蒸発部21内に形成されるマイクロ流路26において毛細管力を発生させ、この毛細管力を利用して液相の作動流体13を凝縮部22から蒸発部21に還流させている。以下、蒸発部21におけるマイクロ流路26の詳細構造について説明する。
図3は、実施形態1に係るループ型ヒートパイプ10の蒸発部21における断面構造を示す図である。図4は、実施形態1に係るループ型ヒートパイプ10の蒸発部21におけるマイクロ流路26の拡大図である。図2〜図4を参照すると、蒸発部21のマイクロ流路26は、作動流体13が還流する方向に沿って伸びている。ここで、蒸発部21において、マイクロ流路26が延伸する方向(以下、「流路延伸方向」という)に直交する方向を「幅方向」とする。蒸発部21は複数のマイクロ流路26を有しており、複数のマイクロ流路26が平行に蒸発部21の幅方向に並んでいる。また、本実施形態では、複数のマイクロ流路26が蒸発部21の入口から出口に亘って形成されているが、マイクロ流路26は蒸発部21における一部の区間に形成されていてもよい。
図3に示すように、蒸発部21は、発熱体8の上部に載置されると共に発熱体8と熱的に接触する受熱壁51と、この受熱壁51に対向する受熱対向壁52とを有している。受熱壁51および受熱対向壁52は、蒸発部21の下壁および上壁である。更に、蒸発部21は、各マイクロ流路26を区画する区画壁53を有している。区画壁53は、受熱壁51および受熱対向壁52と直交するように蒸発部21の高さ方向に沿って配置されている。このようにして、各マイクロ流路26は、蒸発部21の受熱壁51、受熱対向壁52、および左右一組の区画壁53によって、その空間が画定されている。なお、図3に示す符号9は、発熱体8を実装するプリント配線基板を示している。また、蒸発部21の受熱壁
51は、例えば、伝熱グリスや伝熱シートを介して発熱体8と熱的に接触させてもよい。
図4に示すように、マイクロ流路26は、作動流体13の延伸方向に伸びる矩形状の蒸気流路31と、この蒸気流路31の長手方向に沿って蒸気流路31の側面に凹設される一組の第1液流路32を含んでいる。ここで、一対の第1液流路32は矩形状を有しており、その断面積は蒸気流路31と比べて相対的に小さい。
図4において、符号31aは蒸気流路31の「上面」、符号31bは蒸気流路31の「下面」、符号31cは蒸気流路31の「側面」である。蒸気流路31は、上面31a、下面31b、および左右一組の側面31cによってその形状が画定されている。そして、蒸気流路31は、上面31aおよび下面31bの離間寸法によってその高さ寸法が規定され、左右一組の側面31c同士の離間寸法によってその幅寸法が規定されている。また、図4における符号32aは第1液流路32の「開口面」、符号32bは第1液流路32の「溝底面」、符号32cは第1液流路32の「溝側面」である。第1液流路32は、開口面32aおよび溝底面32bの離間寸法によってその深さ寸法が規定され、一組の溝側面32b同士の離間寸法によってその幅寸法が規定されている。以上のように、マイクロ流路26における一組の第1液流路32は、蒸気流路31と連通するように該蒸気流路31の側面31cに沿って凹設された溝状の流路である。また、本実施形態の蒸発部21は、蒸気流路31および第1液流路32が作動流体13の還流方向に沿って平行に配置されている。
図5は、実施形態1に係るループ型ヒートパイプ10の蒸発部21において作動流体13が蒸発する状況を説明する図である。ループ型ヒートパイプ10は、図5に示すように、蒸発部21が発熱体8からの熱を受けることで作動する。図5に示す白抜き矢印は、発熱体8から蒸発部21が受け取る熱を概念的に示している。マイクロ流路26の第1液流路32には、液相の作動流体13が貯留されており、発熱体8と熱的に接触している蒸発部21の受熱壁51が発熱体8からの熱を受け取ると、この熱によって第1液流路32における液相の作動流体13が加熱され、蒸発する。このようにして、マイクロ流路26の第1液流路32で蒸発した作動流体13の蒸気は、第1液流路32から蒸気流路31に排出される(図5中、破線矢印にて概念的に示す)。また、第1液流路32において、液相の作動流体13が蒸発した箇所には、毛細管力によって蒸発部21の入口側から新たな液相の作動流体13が順次引き込まれてくる。
このように、発熱体8からの熱によって第1液流路32における液相の作動流体13が連続的、継続的に蒸発することで、凝縮部22から液相の作動流体13が蒸発部21に順次移送され、蒸発部21から気相の作動流体13が凝縮部22に順次移送される。その結果、ポンプなどを使用せずに、環状の流路11内の作動流体13を一方向に循環させることができ、発熱体8を連続的に冷却できる。なお、第1液流路32から蒸気流路31に排出された作動流体13の蒸気は、マイクロ流路26の下流側(蒸発部21の出口側)に向かって流れ、蒸発部21の出口から蒸気管23に排出される。また、本実施形態においては、マイクロ流路26における第1液流路32は微小断面となっており、蒸気流路31の流路断面積に比べて第1液流路32の流路断面積は相対的に小さくなっている。このように、第1液流路32の流路断面積を調節することで、液相の作動流体13を凝縮部22から蒸発部21に還流させるために十分な大きさの毛細管力が得られるようになっている。
ところで、図5に示す符号33は、液相の作動流体13と気相の作動流体13の界面(以下、「気液分離界面」という)を示している。この気液分離界面は、作動流体13が蒸発する界面ともいえる。図5に示すように、作動流体13の気液分離界面33の位置が第1液流路32内に収まることで、マイクロ流路26内における作動流体13の気液分離が所望の位置でなされ、十分な大きさの毛細管力を安定し発生させることができる。しかし
ながら、例えば、発熱体8の発熱量が大きくなると、マイクロ流路26の第1液流路32における作動流体13が急激に加熱され、第1液流路32内に気泡が発生する場合がある。そして気泡が割れた際、蒸気流路31の上面31a又は下面31bに接した気泡の膜が濡れ広がり、この濡れ広がりが第1液流路32の液相の作動流体13と繋がってしまうと、第1液流路32内に気液分離界面を留めておくことが困難になる虞がある。そうすると、作動流体13の気液分離界面位置が蒸気流路31内に進入する。その結果、液相の作動流体13が蒸気流路31内に満たされてしまい、マイクロ流路26において得られる毛細管力が弱まり、ループ型ヒートパイプ10における発熱体8の冷却能力が低下し、或いは、失われる虞がある。
そこで、上記不都合を抑制するために、本実施形態に係るループ型ヒートパイプ10は、蒸気流路31における側面31cの近傍に割れた気泡の膜、即ち液相の作動流体13が濡れ広がることを抑制するための堰(せき)部34を形成している(図4、図5等を参照)。この堰部34は、蒸気流路31の上面31aおよび下面31bから垂直に蒸気流路31側に向かって凸設された堰堤状の突起であり、左右一組の側面31cにそれぞれ対向するように側面31cの近傍に設けられている。また、各堰部34は、対向する側面31cと所定の寸法だけ離間して側面31cに沿って(即ち、流路延伸方向に沿って)延伸して配置されている。
そして、図4、図5等に示すように、蒸気流路31の上面31aおよび下面31bに凸設される堰部34によって、対向する側面31cとの間に第1液流路32から流出した液相の作動流体13を受け入れるための第2液流路35が形成されている。第2液流路35は、第1液流路32から液相の作動流体13が流出した際、液相の作動流体13を毛細管力によって吸い込み、吸い込んだ作動流体13を長手方向に流すことによって、液相の作動流体13が蒸気流路31に濡れ広がることを抑制する。ここで、第2液流路35は、第1液流路32に比べて相対的に断面積が小さな微小断面となっており、液相の作動流体13を第2液流路35に引き込むために十分な大きさの毛細管力が得られる。なお、図4、図5等に示すように、蒸気流路31に対する第1液流路32の開口方向と、蒸気流路31に対する第2液流路35の開口方向は互いに直交している。
図6に、比較例に係るループ型ヒートパイプのマイクロ流路26Aを示す。比較例に係るマイクロ流路26Aは、蒸気流路31の上面31aおよび下面31bに堰部34が形成されていない点で、本実施形態に係るマイクロ流路26と相違する。図7は、比較例に係るループ型ヒートパイプの蒸発部におけるマイクロ流路の作用を説明する図である。比較例に係るマイクロ流路26Aにおいて、例えば発熱体8の発熱量が大きくなった場合に、図7の(a)に示すように第1液流路32内に作動流体13の気泡13Aが発生する。そして、図7の(b)に示すように、気泡13Aが割れると、蒸気流路31の側面31cや第1液流路32の溝側面32cに液相の作動流体13が滲み出す。そして、図7の(c)に示すように、第1液流路32における液相の作動流体13が毛細管力によって蒸気流路31側に向かって前進する。その結果、図7の(d)に示すように、第1液流路32において、蒸気流路31側に向かって前進する液相の作動流体13と、(b)において壁面に滲み出した液相の作動流体13とが繋がる。そうすると、図7の(e)に示すように、第1液流路32における液相の作動流体13が蒸気流路31に濡れ広がってしまう。そして、最終的には、図7の(f)に示すように、蒸気流路31が液相の作動流体13によって満たされる。
このような状態に至ると、マイクロ流路26において得られる毛細管力が弱まってしまい、ループ型ヒートパイプにおける発熱体8の冷却能力が低下し、或いは、失われる虞がある。また、たとえ、発熱体8からの熱によって蒸気流路31および第1液流路32に充満した液相の作動流体13が蒸発したとしても、作動流体13の蒸気を蒸発部21の出口
側に向かって蒸気流路31を規則的に流すことは難しい。従って、液相の作動流体13を凝縮部22から蒸発部21に還流させるだけの毛細管力を得ることが難しくなる虞がある。
これに対して、図4に示すように、蒸気流路31に堰部34を形成し、蒸気流路31および第1液流路32の間に第2液流路35を配設した本実施形態に係るマイクロ流路26は、図8に示すように作用する。図8は、実施形態1に係るループ型ヒートパイプ10の蒸発部21におけるマイクロ流路26の作用を説明する図である。即ち、図8の(a)に示すように、第1液流路32内に作動流体13の気泡13Aが発生し、図8の(b)に示すようにその気泡13Aが割れると、比較例と同様に、蒸気流路31の側面31cや第1液流路32の溝側面32cに液相の作動流体13が滲み出す。
これに対して、本実施形態に係るマイクロ流路26においては、蒸気流路31における堰部34と側面31cの間に第2液流路35が形成されている。そのため、図8の(c)に示すように、蒸気流路31の側面31cや第1液流路32の溝側面32cに滲み出た液相の作動流体13を毛細管力によって第2液流路35に吸い込ませることができる。その結果、図8の(d)に示すように、蒸気流路31の側面31cや第1液流路32の溝側面32cに流出した液相の作動流体13を素早く除去することができる。
そして、図8の(e)に示すように、第1液流路32における液相の作動流体13が蒸気流路31に向かって前進しても、蒸気流路31の側面31c等に滲み出た液相の作動流体13は既に第2液流路35内へと吸い込まれている。そのため、蒸気流路31の側面31cと第1液流路32の溝側面32bとの間の角部36で止まり、作動流体13の気液分離を維持することができる。
そして、図8の(f)に示すように、第2液流路35に吸い込まれた液相の作動流体13は、第2液流路35の毛細管力によって第2液流路35の長手方向(延伸方向)に流されると共に、発熱体8からの熱によって加熱される。第2液流路35の長手方向に分散された液相の作動流体13は、受熱壁51との接触面積も大きいため、第2液流路35内の作動流体13を速やかに蒸発させることができる。また、本実施形態においては、第1液流路32の流路断面積に比べて、第2液流路35の流路断面積を相対的に小さくしているため、第1液流路32から流出する液相の作動流体13を第2液流路35に吸い込むための毛細管力を十分に確保することができる。例えば、第2液流路35の流路断面積を、第1液流路32の流路断面積の50分の1程度にしてもよい。但し、第1液流路32の流路断面積に対する第2液流路35の流路断面積の比率は特定の比率に限定されない。
以上のように、本実施形態に係るループ型ヒートパイプ10においては、前述した図7の(e)に示すような状況に至ること、即ち、第1液流路32における液相の作動流体13が蒸気流路31に濡れ広がることを抑制できる。従って、第1液流路32における液相の作動流体13に気泡が発生するような場合においても、作動流体13が環状の流路11を循環するために利用する毛細管力が弱くなってしまうことを抑制できる。よって、ループ型ヒートパイプ10による発熱体8の冷却能力が低下することを抑制できる。つまり、安定して発熱体8を冷却することの可能なループ型ヒートパイプ10およびこれを備えた情報処理装置1を提供することができる。
また、本実施形態においては、図4に示すように、蒸気流路31の下面31b又は上面31aから凸設された堰部34の高さが、当該堰部34が対向配置されている側面31cの高さ(角部36の高さ)よりも低くなっている。この態様によれば、第1液流路32における液相の作動流体13に発生した気泡が膨張して割れた際に、当該気泡の膜が堰部3に接触することを、より一層好適に抑制できる。
なお、ループ型ヒートパイプ10における蒸発部21の形状および大きさは自由に変更することができる。特に限定されないが、例えば、蒸発部21の一辺の寸法を数十mm程度とし、厚さを数百μmから数mm程度にしてもよい。また、蒸発部21のマイクロ流路26については、幅寸法を数百μm程度にしてもよいし、高さ寸法を数十μm程度にしてもよい。また、堰部34の高さは、特に限定されないが、例えば蒸気流路31の上面31a又は下面31bからの突出高さを数μm程度にしてもよい。また、蒸気流路31の側面31cの高さ、即ち、第2液流路35の溝底面と第1液流路32における溝側面32cとの段差寸法はなるべく小さくすることが好ましく、例えば10μm程度としてもよい。この段差寸法を小さくすることで、作動流体13の気泡が割れて蒸気流路31の側面31cに染み出した作動流体13を第2液流路35の溝底面まで速やかに吸い込ませ、毛細管力で除去することができる。但し、上記の寸法については一例であり、これらに限定されない。なお、マイクロ流路26蒸発部21は、銅などの金属材料を用いてもよい。マイクロ流路26を形成する方法は種々の方法を採用することができ、例えば、金属の板材にエッチング加工を施すことでマイクロ流路26を形成してもよい。
<変形例>
なお、本実施形態においては、蒸発部21における蒸気流路31の上面31aおよび下面31bの双方から蒸気流路31に向けて堰部34を凸設しているが、これには限られない。例えば、上面31aおよび下面31bのうち少なくとも何れか一方から蒸気流路31に向けて堰部34を凸設し、その堰部34と側面31cとの間に第2液流路35を形成してもよい。ここで、上面31aは受熱対向壁の内面の一例であり、下面31bは受熱壁の内面の一例である。
また、蒸発部21の蒸気流路31における堰部34は、少なくとも受熱壁51の内面、即ち、本実施形態では下面31bに凸設されていることが好ましい。これによれば、重力方向下方側に位置する下面31bに少なくとも堰部34および第2液流路35を配置することができる。そして、この態様によれば、マイクロ流路26内において作動流体13の気泡が割れた際に、重力で下方に落下してくる液相の作動流体13(気泡の膜)を、第2液流路35で好適に受け止めることができるという利点がある。但し、蒸発部21の蒸気流路31における堰部34を上面31aおよび下面31bのうち、上面31aに設けるようにしてもよい。
また、蒸発部21の蒸気流路31における堰部34は、受熱壁51および受熱対向壁52の内面の双方、即ち、下面31bおよび上面31aに凸設するようにすると、さらに好ましい。これによれば、マイクロ流路26内において作動流体13の気泡が割れた際に、重力で下方に落下してくる液相の作動流体13(気泡の膜)を、より好適に第2液流路35で受け止めることができるという利点がある。また、情報処理装置1のプリント配線基板9に対してループ型ヒートパイプ10の上下(表裏)姿勢を逆さに取り付けた場合においても、この態様であれば、重力方向下方側に堰部34および第2液流路35を配置できる。つまり、蒸発部21における受熱壁51および受熱対向壁52のどちらが重力方向下方側に位置したとしても、作動流体13の気泡が割れた際に重力で下方に落下する液相の作動流体13を、第2液流路35で好適に受け止めることができる。これにより、液相の作動流体13が蒸気流路31に濡れ広がることを好適に抑制できる。
また、本実施形態においては、液管24を中空構造としているが、蒸発部21と同様、液管24内に作動流体13の還流方向に沿ってマイクロ流路を配置してもよい。これによれば、液相の作動流体13を凝縮部22から蒸発部21に還流させるための毛細管力を、より一層大きくすることができる。また、ファイバーなどの繊維状材料を蒸発部21から液管24に伸ばして配置してもよく、このような態様によっても液相の作動流体13を還
流させる毛細管力を増大させることができる。また、本実施形態では、蒸発部21におけるマイクロ流路26を1層構造にしているが、複数層にしてもよい。蒸発部21におけるマイクロ流路26の積層数を増やすことで、蒸発部21においてより大きな毛細管力を得ることができるようになる。
<実施形態2>
次に、実施形態2について説明する。図9は、実施形態2に係るループ型ヒートパイプ10の蒸発部21におけるマイクロ流路26Bの断面構造を示す図である。なお、実施形態2において、実施形態1と共通する構造については、同一の参照符号を付すことでその詳しい説明を省略する。実施形態2に係る蒸発部21のマイクロ流路26Bは、図9に示すように、第1液流路31および第2液流路35の境界部に階段形状を有する段差部37が形成されている。より具体的には、堰部34が対向する側面31cの上端と第1液流路32の溝側面32bとの間に階段形状を有する段差部37が形成されている。これによれば、第1液流路31から流出した液相の作動流体13を第2液流路35に吸い込ませた際、第2液流路35における作動流体13と第1液流路31における作動流体13の相互間の繋がり(連続性)を段差部37によって遮断することができる。これにより、第2液流路35における液相の作動流体13が蒸発する前に、第1液流路32および第2液流路35の作動流体13を繋がりにくくすることができる。つまり、ループ型ヒートパイプ10において、より一段と安定して発熱体8の冷却を行うことができる。
以上、情報処理装置1および発熱体の冷却部品であるループ型ヒートパイプ10について説明したが、上記実施形態及び変形例は種々の変更、改良、組み合わせ等が可能である。なお、上記実施形態では、ループ型ヒートパイプ10をノート型パーソナルコンピュータに搭載する場合を例に説明したが、他の情報処理装置に適用してもよい。
1・・・情報処理装置
5・・・冷却ユニット
8・・・発熱体
10・・・ループ型ヒートパイプ
11・・・流路
12・・・容器
13・・・作動流体
21・・・蒸発部
22・・・凝縮部
23・・・蒸気管
24・・・液管
26・・・マイクロ流路
31・・・蒸気流路
32・・・第1液流路
33・・・気液分離界面
34・・・堰部
35・・・第2液流路

Claims (9)

  1. 発熱体からの受熱によって液相の作動流体を蒸発させる蒸発部を備える冷却部品であって、
    前記蒸発部は、
    前記作動流体の還流方向に沿って伸びる蒸気流路と、
    前記蒸気流路の長手方向に沿って該蒸気流路の側面に凹設され、前記蒸発部の入口側から供給される液相の作動流体を流す第1液流路と、
    前記蒸気流路の側面に沿って対向配置された堰部と前記側面との間に形成され、前記第1液流路から流出した液相の作動流体を流す第2液流路と、
    を有する、
    冷却部品。
  2. 前記冷却部品は、更に、気相の作動流体を液化させる凝縮部と、前記蒸発部と前記凝縮部を接続し前記凝縮部において液化した作動流体を前記蒸発部に還流させる液管と、前記蒸発部と前記凝縮部を接続し前記蒸発部において蒸発した作動流体を前記凝縮部に還流させる蒸気管と、を備えるループ型ヒートパイプである、
    請求項1に記載の冷却部品。
  3. 前記蒸気流路に対する前記第1液流路の開口方向と、前記蒸気流路に対する前記第2液流路の開口方向が直交する、請求項1又は2に記載の冷却部品。
  4. 前記蒸発部は、前記側面に接続されると共に前記発熱体と熱的に接触する受熱壁およびこの受熱壁と対向して配置される受熱対向壁を有し、
    前記堰部は、前記受熱壁の内面および前記受熱対向壁の内面の少なくとも何れか一方から前記蒸気流路側に向かって凸設されている、
    請求項1から3の何れか一項に記載の冷却部品。
  5. 前記堰部が少なくとも前記受熱壁の内面に凸設されている、請求項4に記載の冷却部品。
  6. 前記堰部が前記受熱壁の内面および前記受熱対向壁の内面の双方に凸設されている、請求項4又は5に記載の冷却部品。
  7. 前記受熱壁の内面又は前記受熱対向壁の内面から凸設された前記堰部の高さが、該堰部が対向配置されている前記側面の高さよりも低い、請求項4から6の何れか一項に記載の冷却部品。
  8. 前記第1液流路および前記第2液流路の境界部に階段形状を有する段差部が形成されている、請求項1から7の何れか一項に記載の冷却部品。
  9. 配線基板上に設けられた電子部品と、
    前記電子部品を冷却する冷却部品と、を備え、
    前記冷却部品は、前記電子部品からの受熱によって液相の作動流体を蒸発させる蒸発部を有し、
    前記蒸発部は、
    前記作動流体の還流方向に沿って伸びる蒸気流路と、
    前記蒸気流路の長手方向に沿って該蒸気流路の側面に凹設され、前記蒸発部の入口側から供給される液相の作動流体を流す第1液流路と、
    前記蒸気流路の側面に沿って対向配置された堰部と前記側面との間に形成され、前記第
    1液流路から流出した液相の作動流体を流す第2液流路と、
    を有する、
    情報処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018080901A (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 新光電気工業株式会社 ループ型ヒートパイプ及びその製造方法
JPWO2019230911A1 (ja) * 2018-05-30 2020-12-17 大日本印刷株式会社 ベーパーチャンバー、及び電子機器

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