JP2016125530A - 取着体、取着具及び配線・配管材固定装置 - Google Patents

取着体、取着具及び配線・配管材固定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】帯状体を介して柱状体へ簡単に取り付け可能な取着具を提供する。
【解決手段】取着具100は、長尺方向に変形して柱状体Pの外周に巻回されて締結される帯状体120と、該帯状体120を挿通するための挿通部113を有し、該挿通部113を通過する帯状体120によって柱状体Pに取り付けられる取着体110と、を備える。取着体110には、挿通部113内で帯状体120に当接する当接部117,118が設けられている。帯状体120が当接部117,118に当接した状態で挿通部113内に保持され、取着体110の自重だけで帯状体120が挿通部113内を移動することが規制され、所定の大きさの力が取着体110に作用したときに帯状体120が挿通部113内を長尺方向に摺動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、柱状体に取り付けられる取着具、取着体、及び、柱状体に取り付けられて配線・配管材を支持する配線・配管材固定装置に関する。
従来、電柱などの柱状体に取り付けられる種々の取付具や配線・配管材固定装置が存在する。
例えば、特許文献1は、ポール(柱状体)に取り付けられて、配線・配管材を支持する配線・配管材保持具を開示する。該配線・配管材保持具は、ポール(P)に取り付けられる固定台座(V)と、該固定台座(V)に固定されて配線・配管材(D)を保持する保持体(T)と、固定台座(V)をポール(P)に括り付けるための帯状固定具(A)とを備える(引用文献1の図10及び図11参照)。該固定台座(V)には、ポール(P)に固定される固定部(13)及び帯状固定具(A)を挿通可能な一対の固定具挿通部(14)が設けられている。そして、ポール(P)に固定台座(V)を固定するには、固定台座(V)の左右一対の固定具挿通部(14)に帯状固定具(A)のバンド部(61)を挿通して、固定部(13)の内側面をバンド部(61)に覆った状態で、該バンド部(61)をポール(P)に巻回して、固定台座(V)とほぼ反対側において、バンド部(61)を締付具(62)により引っ張って締付固定する。なお、()内に特許文献1の符号を示した。
特許第4949813号公報
特許文献1の固定台座(V)では、固定具挿通部(14)の大きさが帯状固定具(A)のバンド部(61)の断面よりも大きく、バンド部(61)が固定具挿通部(14)内をその断面方向に遊動可能である。そのため、締付具(62)で帯状固定具(A)をポール(P)に締め付ける前段階では、作業中に固定台座(V)から手を放すと、重力の作用により、固定台座(V)が自重でバンド部(61)の下方に滑り落ち、固定台座(V)の固定具挿通部(14)からバンド部(61)がすり抜けて固定部材(V)が落下してしまう虞があった。すなわち、帯状固定具(A)で固定台座(V)をポールに括り付ける際、帯状固定具(A)と固定台座(V)の両方を常に手で把持しなければならないため、作業性が低下することが問題であった。また、高所で作業した場合、部材の落下により事故を引き起こす虞があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、帯状体を介して柱状体へ簡単に取り付け可能な取着具、配線・配管材固定装置及び取着体を提供することにある。
請求項1に記載の取着具は、柱状体に取り付けられる取着具であって、
長尺方向に変形して柱状体の外周に巻回されて締結される帯状体と、
帯状体を挿通するための挿通部を有し、挿通部を通過する帯状体によって柱状体に取り付けられる取着体と、
を備え、
取着体には、挿通部内に挿通した帯状体に当接する当接部が設けられ、
帯状体が当接部に当接した状態で挿通部内に保持され、取着体又は帯状体の自重だけで帯状体が挿通部内を移動することが規制され、所定の大きさの力が取着体又は帯状体に作用したときに帯状体が挿通部内を長尺方向に摺動することを特徴とする。
請求項2に記載の取着具は、請求項1に記載の取着具において、当接部は、挿通部の内周縁の一端側から他端側へと突出する突出部を含み、該突出部先端が帯状体外面に当接するように構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の取着具は、請求項2に記載の取着具において、取着体には、帯状体を挿通するための一対の挿通部が帯状体の長尺方向に沿って設けられ、突出部が一対の挿通部の両方に形成され、各突出部が互いに離隔する方向に延びていることを特徴とする。
請求項4に記載の取着具は、請求項2又は3に記載の取着具において、帯状体の幅方向の両縁に隆起部が形成され、突出部先端が隆起部の間に入り込み、帯状体の幅方向中央の扁平部に当接することを特徴とする。
請求項5に記載の取着具は、請求項1から4のいずれか一項に記載の取着具において、取着体は、帯状体と協働して配線・配管材を取り囲み、帯状体の締め付けにより配線・配管材を保持する受け部を有することを特徴とする。
請求項6に記載の配線・配管材固定装置は、柱状体に対して配線・配管材を支持する配線・配管材固定装置であって、
長尺方向に変形して、柱状体の外周に巻回されるとともに配線・配管材を保持する帯状体と、
帯状体を挿通するための挿通部、及び、帯状体と協働して配線・配管材を取り囲み保持する受け部を有し、挿通部を通過する帯状体によって柱状体に取り付けられる取着体と、
挿通部に挿通された帯状体を柱状体に巻回して締結する締結具と、
を備え、
取着体には、挿通部内に挿通した帯状体に当接する当接部が設けられ、
帯状体が当接部に当接した状態で挿通部内に保持され、取着体又は帯状体の自重だけで帯状体が挿通部内を移動することが規制され、所定の大きさの力が取着体又は帯状体に作用したときに帯状体が挿通部内を長尺方向に摺動することを特徴とすることを特徴とする。
請求項7に記載の取着体は、帯状体によって柱状体に取り付けられる取着体であって、
長尺方向に変形して柱状体の外周に巻回される帯状体を挿通するための挿通部と、
挿通部内で帯状体に当接する当接部と、を備え、
当接部は、当該取着体がその自重によって挿通部内を移動することを規制し、所定の大きさの力が取着体に作用したときに、帯状体が挿通部内を長尺方向に摺動することを許容することを特徴とする。
請求項1に記載の取着具によれば、取着体に設けられた当接部は、該取着体又は帯状体の自重だけで挿通部を介して取着体及び帯状体が相対移動することを規制し、所定の大きさの力が取着体に作用したときに帯状体が挿通部内を長尺方向に摺動することを許容する。すなわち、帯状体が挿通部に保持された状態で当接部と帯状体とが当接(接触)することにより、少なくとも当接部と帯状体との間に摩擦力が発生する。この静止摩擦力は、取着体又は帯状体に作用する重力よりも大きいため、帯状体に対して取着体が自重だけで摺動することを規制する。つまり、柱状体への取付作業の際、取着体又は帯状体から手を放しても取着体及び帯状体が互いに対して重力で滑り落ちることなく、その場に維持される。これにより、作業時において作業者の片手が自由となり、作業性が改善される。他方、取着体及び帯状体を繋ぎ止める力が摩擦力だけなので、作業者が静止摩擦力を超える所定の大きさの力を取着体に加えるだけで、取着体を帯状体の長尺方向に容易に摺動させることが可能である。すなわち、本発明の取着具は、作業中に取着体又は帯状体が落下する虞を大幅に軽減可能であり、尚且つ、作業者が取着体の挿通部に帯状体を簡単に挿通させることが可能であるので、柱状体への取着具の取付作業を大幅に改善するものである。
請求項2に記載の取着具によれば、請求項1の発明の効果に加えて、挿通部内で突出部先端が帯状体外面に当接することにより、摩擦力が発生する。すなわち、本発明によれば、簡易な構造で取着体及び帯状体を仮保持することが可能である。
請求項3に記載の取着具によれば、請求項2の発明の効果に加えて、帯状体が一対の挿通部の両方を通過する際、各挿通部内で突出部に当接する帯状体の箇所が互いに離隔するため、帯状体の屈曲する度合いを緩やかなものとすることができる。つまり、突出部によって、帯状体の各挿通部への挿通が妨げられることを抑えることができる。
請求項4に記載の取着具によれば、請求項2又は3の発明の効果に加えて、突出部先端が帯状体の両縁の隆起部の間に入り込んで帯状体の央部に当接することにより、突出部先端の帯状体の幅方向への相対移動を隆起部によって規制し、帯状体が幅方向にずれることを防止することができる。
請求項5に記載の取着具によれば、請求項1から4のいずれかの発明に加えて、取着体が配線・配管材のための受け部を有することにより、当該取着具を介して配線・配管材を柱状体に取り付けることが可能である。
請求項6に記載の配線・配管材固定装置によれば、取着体に設けられた当接部は、該取着体又は帯状体の自重だけで挿通部を介して取着体及び帯状体が相対移動することを規制し、所定の大きさの力が取着体に作用したときに帯状体が挿通部内を長尺方向に摺動することを許容する。すなわち、帯状体が挿通部に保持された状態で当接部と帯状体とが当接(接触)することにより、当接部と帯状体との間に摩擦力が発生する。この静止摩擦力は、取着体又は帯状体に作用する重力よりも大きいため、帯状体に対して取着体がその自重だけで摺動することを規制する。つまり、柱状体への取付作業の際、取着体又は帯状体から手を放しても取着体及び帯状体が互いに対して重力で滑り落ちることなく、当接部及び帯状体外面間の摩擦力によって、その場に維持される。これにより、作業時において作業者の片手が自由となり、作業性が改善される。他方、取着体及び帯状体を繋ぎ止める力が摩擦力だけなので、作業者が静止摩擦力を超える所定の大きさの力を取着体に加えるだけで、取着体を帯状体の長尺方向に容易に摺動させることが可能である。すなわち、本発明の取着具は、作業中に取着体又は帯状体が落下する虞を大幅に軽減可能であり、尚且つ、作業者が取着体の挿通部に帯状体を簡単に挿通させることが可能である。さらに、取着体には、帯状体と協働して配線・配管材を取り囲み保持する受け部を有しているので、取着体を柱状体へと取り付けるとともに配線・配管材を柱状体へと固定することができる。すなわち、本発明は、配線・配管材の柱状体への固定作業を大幅に改善するものである。
請求項7に記載の取着体によれば、当接部は、該取着体がその自重によって挿通部内を移動することを規制し、所定の大きさの力が取着体に作用したときに帯状体が挿通部内を長尺方向に摺動することを許容する。すなわち、帯状体が挿通部に保持された状態で当接部と帯状体とが当接(接触)することにより、当接部と帯状体との間に摩擦力が発生する。この静止摩擦力は、取着体に作用する重力よりも大きいため、帯状体に対して取着体がその自重だけで摺動することを規制する。つまり、柱状体への取付作業の際、取着体から手を放しても取着体が帯状体から滑り落ちることなく、当接部及び帯状体外面間の摩擦力によって、その場に維持される。これにより、作業時において作業者の片手が自由となり、作業性が改善する。他方、取着体及び帯状体を繋ぎ止める力が摩擦力だけなので、作業者が静止摩擦力を超える所定の大きさの力を取着体に加えるだけで、取着体を帯状体の長尺方向に容易に摺動させ、簡単に操作可能である。すなわち、本発明の取着体は、作業中に取着体が落下する虞を大幅に軽減可能であり、尚且つ、作業者が取着体の挿通部に帯状体を簡単に挿通させることが可能であるので、帯状体を用いた柱状体への取着体の取付作業を大幅に改善するものである。
本発明に係る一実施形態(第1実施形態)の取着具の概略斜視図。 図1の取着具の取着体の斜視図。 図2の取着体の(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図及び(d)A−A断面図。 図1の取着具の帯状体の(a)斜視図及び(b)B−B断面図。 図1の取着具の締結具を示す(a)正面から見た斜視図、(b)背面から見た斜視図及び(c)C−C断面図。 図1の取着具を柱状体に設置して配線・配管材を固定した設置構造の概略斜視図。 図6の設置構造の概略断面図。 (a)図7の設置構造の部分拡大図であり、(b)そのD−D断面図。 図6の設置構造を構築する各工程を示す模式図。 本発明に係る別実施形態(第2実施形態)の取着具の概略斜視図。 図10の取着具の取着体の(a)正面側から見た斜視図、及び(b)背面側から見た斜視図。 図11の取着体の(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図及び(d)E−E断面図。 図10の取着具を柱状体に設置した設置構造の概略断面図。 (a)図13の設置構造の部分拡大図であり、(b)そのF−F断面図。 図13の設置構造を構築する各工程を示す模式図。 本発明に係る別実施形態(変形例)の取着体の概略斜視図。 本発明に係る別実施形態(変形例)の取着具の概略断面図。 本発明に係る別実施形態(変形例)の取着具の概略正面図。 本発明に係る別実施形態(変形例)の取着具の概略斜視図。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
[第1実施形態]
本実施形態の取着具100は、柱状体Pに取り付けられるとともに配線・配管材Qを柱状体Pに支持するものである。つまり、本実施形態の取着具100は配線・配管材固定装置である。
図1は、本発明の一実施形態の取着具100の概略斜視図である。図1に示すとおり、本実施形態の取着具100は、柱状体Pに取り付けられる取着体110と、長尺方向に変形して柱状体Pの外周に巻回される帯状体120と、該帯状体120の両端を締結するための締結具130(図1に示さず)と、を備えてなる。
該取着具100では、長尺の帯状体120が取着体110の一対の挿通部113を通過するとともに柱状体Pに巻回されることにより、取着体110が柱状体Pに括り付けられる。以下、図2乃至5を参照して、取着具100の各部材について説明する。
図2は、取着体110の概略斜視図である。図3(a)〜(d)は、該取着体110の平面図、正面図、側面図及びA−A断面図である。図4(a)、(b)は、帯状体120の斜視図及びB−B断面図である。図5(a)〜(c)は、締結具130の正面及び背面からそれぞれ見た斜視図及びC−C断面図である。なお、本実施形態では、取着具100の柱状体Pの外方側を正面と定めた。
図2及び図3に示すとおり、取着体110は、肉部である取着体本体111と、該取着体本体111上で帯状体120と協働して配線・配管材Qを取り囲み保持する受け部112と、該取着体本体111に穿設された一対の挿通部113と、挿通部113内に設けられた突出部117と、該突出部117先端に対向配置された円柱部118と、を備えてなる。該取着体110は、柱状体Pの外方を向くように配置される表面110aと、その反対側の裏面110bとを有する。なお、表面110a及び裏面110bは構造的に同一であり、柱状体Pに設置される際に区別される。
取着体本体111は、扁平な全体形状を有し、その正面視外形(輪郭)が略矩形状を有しているとともに、平面視外形及び側面視外形が略I字形状を有している。より詳細には、取着体本体111は、正面視において帯状体120の幅方向(図3(b)の縦方向)に沿って配置される短辺と、帯状体120の長尺方向(図3(b)の横方向)に沿って配置される長辺とから構成されている。そして、取着体本体111は、平面視において、略中央が凹むようになだらかに湾曲しており、その両端が半円状となっている。さらに、取着体本体111は、側面視において、直線的に上下に延在しているが、その上下端部の幅が中央の幅よりも大きい。なお、該取着体本体111は、合成樹脂で成形されたものであるが、その材質は当業者であれば任意に選択可能であり、例えば、金属材料で形成してもよい。
受け部112は、取着体本体111の表面110aの略中央に定められている。該受け部112は、帯状体120と協働して閉塞されたリングを形成し、その内方に配線・配管材Qを配置する。そして、帯状体120を締め付けることにより、受け部112が配線・配管材Qを受ける(又は支持する)ように機能する。
一対の挿通部113が取着体本体111の肉部に穿設されている。一対の挿通部113は、取着体本体111の中心を挟んで長辺方向に沿って配列している。この挿通部113は、短辺方向(幅方向)に延びるスリットであり、扁平型の帯状体120を挿通可能に構成されている。一対の挿通部113の両方を帯状体120が通過可能であり、2つの挿通部113が帯状体120の長尺方向に沿って配置されている。
また、該挿通部113を通過する帯状体120に当接すべく、各挿通部113内で突出部117が突出形成されている。この突出部117は、挿通部113の内周縁の取着体本体111中央側(一端側)から離隔する方向(他端側)へと突出する突片からなる。換言すると、各突出部117は、帯状体120の長尺方向に沿って取着体本体111の内側から外側へと延在している。つまり、一対の突出部117は、互いに離隔する方向に延びている。そして、突出部117基端が挿通部113内周縁と一体化しており、突出部117は基端から先端に向けてテーパー状となっている。さらに、突出部117先端は、幅方向に沿って略直線状に延びており、台形状の2本の歯を形成するがごとく、その略中央で基端側に切り欠きが形成されている。換言すると、突出部117は2つの突片からなる。後述するとおり、突出部117先端面は、帯状体120外面に当接可能に構成されている。
さらに、取着体本体111の長辺方向の両端において、突出部117先端と対向するように断面視円形の円柱部118が形成されている。この円柱部118は、挿通部113の内周縁の一部を構成している。そして、突出部117先端と円柱部118の曲面との間の隙間に帯状体120が挿通される。この隙間は、帯状体120の厚みとほぼ等しい。より詳細には、突出部117先端が帯状体120の扁平部121に当接し、且つ、円柱部118の曲面が帯状体120の隆起部122に当接するように構成されている。すなわち、突出部117及び円柱部118が協働して当接部として機能する。また、該隙間は、帯状体120の扁平部121の厚みと一方の隆起部122の隆起高さとの和とほぼ等しい。これにより、帯状体120が挿通部113内で捻れることが防止される。
本実施形態の帯状体120は、図4に示すとおり、薄厚の扁平形状の長尺体である。該帯状体120は、取着体110の一対の挿通部113に挿通された状態で柱状体Pに巻回されることにより、該取着体110を柱状体Pに括り付けるとともに配線・配管材Qを保持するように機能する。この帯状体120は、その断面視において、所定幅の扁平部121と該扁平部121の幅方向の両側で隆起する隆起部122とを有する。該帯状体120は、所定の剛性(硬さ)及び弾性を有し、長尺方向に屈曲変形させたときに屈曲した箇所が重力で垂れ落ちることなく、ピンと張ったアーチ(円弧)形状を維持可能である。また、該帯状体120は、屋外で電柱などの柱状体Pに巻回されることを想定しており、所定の強度及び耐候性を有していることが好ましい。なお、本実施形態では、帯状体120は合成樹脂からなるが、金属線等の他の材質が選択されてもよい。
本実施形態の締結具130は、帯状体120の両端側を締結し、柱状体Pの外周を包囲するように、閉塞した環状部を形成することに用いられる。図5(a)に示すとおり、締結具130は、筺体状の締結具本体131と、該締結具本体131に穿設された一対の固定孔132とを備える。各固定孔132は、帯状体120を挿通可能な形状で構成されており、各固定孔132に帯状体120の端部が挿通される。固定孔132には、帯状体120の挿入口132aが定められている。また、図5(b)に示すように、各固定孔132内には、尖った先端が挿入口132aから離隔するように斜め方向に延びたロック爪133が設けられている。該ロック爪133は、板バネ式に上下に弾性変形である。そして、帯状体120の端部が固定孔132の挿入口132aから挿入されたときに、帯状体120の正(進行)方向の移動を許容するが、逆(脱抜)方向の移動を規制する。より具体的には、帯状体120が正方向に向かう際には、ロック爪133が押し下げられ、帯状体120が固定孔132内を進行可能である。他方、帯状体120が逆方向に向かう際には、ロック爪133先端が帯状体120の外面に食い込んで、帯状体120を係止する。
次に、図6乃至図8を参照して、本実施形態の取着具100が電柱である柱状体Pに取り付けられた設置構造10を説明する。図6は、設置構造10の概略斜視図である。図7は、設置構造10の横断面図である。図8(a)は、図6の設置構造10の取着体110近傍の部分拡大図であり、図8(b)はそのD−D断面図である。
図6及び図7に示すとおり、本実施形態の設置構造10では、柱状体Pの外周に帯状体120が堅く巻回された状態で該帯状体120の両端部が締結具130によって締結されている。該帯状体120は、柱状体Pの外径に合わせて変形するとともに柱状体Pに堅く巻回されており、弛むことなくピンと張った緊張状態で各部材の間で張架されている。そして、配線・配管材Qが取着体110及び帯状体120によって、柱状体Pに括り付けられて固定されている。
より詳細には、図8(a)に示すとおり、取着体110の裏面110bが柱状体P外面に向くように、取着体110が帯状体120によって固定されている。帯状体120が一対の挿通部113の両方を通過して、取着体110の受け部112と帯状体120とが協働して表面110a側に閉塞されたリングを形成している。そして、帯状体120及び受け部112が配線・配管材Qを包囲して締め付けることにより、配線・配管材Qを柱状体Pに固定している。このとき、該帯状体120は、緊張状態にあるため、取着体110の裏面110bを柱状体P外面に付勢している。さらに、帯状体120が円柱部118(挿通部内周縁)の曲面部分に沿って取着体本体111の外方に屈曲しているので、帯状体120の接触部分が傷つくことを抑えるとともに取着体110と帯状体120の密着が高まり、より安定的な固定が可能となる。
図8(b)は、図8(a)の横断面図である。図8(b)に示すとおり、挿通部113に挿通された帯状体120の扁平部121内面に突出部117先端が当接している。他方、帯状体120の隆起部121外面に円柱部118の曲面部分(挿通部113内周縁)が当接している。すなわち、帯状体120は、取着体110の挿通部113内で3点と当接し、突出部117及び円柱部118の間に挟まれて保持されている。
続いて、図9(a)〜(c)を参照して、該設置構造10を構築する方法を説明する。
まず、柱状体P(本実施形態では電柱)を包囲可能な長さの帯状体120と、1又は複数(本実施形態では1つ)の取着体110と、1つの締結具130と、柱状体Pに固定する1又は複数(本実施形態では1つ)の配線・配管材Qとを準備する。
次に、図9(a)に示すとおり、取着体110の挿通部113に裏面110b側から帯状体120の先端を挿通させるとともに、配線・配管材Qを把持して取着体110の表面100aの受け部112に近付ける。このとき、帯状体120が当接部117,118に当接した状態で挿通部113内に保持され、取着体110の自重だけで帯状体120が挿通部113内を移動することが規制されている。
より詳細には、帯状体120が挿通部113内で突出部117先端及び円柱部118曲面部分で挟まれている。そして、突出部117と帯状体120とが当接(接触)することにより、突出部117先端面と帯状体120の扁平部121外面との間に摩擦力が発生する。同様に、円柱部118に帯状体120の隆起部122が当接し、その間に摩擦力が発生する。ただし、突出部117の接触面積の方が大きいので、前者の摩擦力が大きい。当接部との静止摩擦力は、取着体110及び/又は帯状体120に作用する重力よりも大きいため、取着体110及び/又は帯状体120の自重だけで摺動することを規制する。つまり、柱状体Pへの取付作業の際、取着体110から手を放しても、あるいは、帯状体120から手を放しても、取着体110及び帯状体120が互いに対して挿通部113を介して滑り落ちることなく、その場に維持される。すなわち、帯状体120が当接部で仮保持されることで、作業時において作業者の片手が自由となり、一方の手で取着体110及び帯状体120のいずれか一方を把持し、他方の手で配線・配管材Qを簡単に把持及び操作することができる。
なお、本実施形態では、当接部による静止摩擦力は、取着体110に作用する重力よりも大きく、尚且つ、帯状体120に作用する重力よりも大きいので、いずれの部材から手を放しても、他方の部材が保持される。しかしながら、取着体110の重量が非常に大きい場合には、静止摩擦力が取着体110に作用する重力よりも小さく、且つ、帯状体120に作用する重力より大きくてもよい。あるいは、帯状体120が長く重い場合には、静止摩擦力が帯状体120に作用する重力よりも小さく、且つ、取着体110に作用する重力より大きくてもよい。この静止摩擦力は、当接部117,118の帯状体120への当たりの強さによって任意に定められる。この当たりが強い場合には、静止摩擦力が大きくなり、重量の大きい部材を仮保持できるが、帯状体120の挿通部113内での摺動操作により強い力が必要となる。すなわち、仮保持できる重量と摺動操作感とはトレードオフの関係にある。それ故、両部材間の重量差が大きい場合、いずれか軽い方のみを仮保持可能とするように当接部の当たりの強さを調整すると、より良好な摺動操作感を得ることができる。
続いて、取着体110の表面110a側で配線・配管材Qを包囲すべく、帯状体120を取着体110の表面110a側に引き出す。このとき、帯状体120は、突出部117及び円柱部118(当接部)に当接した状態で挿通部113内を摺動する。つまり、作業者が静止摩擦力を越える所定の力で帯状体120を引くことにより、帯状体120が摩擦力に抗して挿通部113内を(長手方向に沿った両方向に)滑らかに摺動可能である。
そして、図9(b)に示すように、一方の挿通部113から引き出された帯状体120の端部を他方の挿通部113へと表面110aから挿入する。このとき、取着体本体111と帯状体120との間に閉塞されたリングが形成され、その中に配線・配管材Qが配置される。なお、一対の挿通部113において、各突出部117が互いに反対方向(帯状体120の長尺方向に沿った外側)に突出しているので、挿入位置を互いに離隔させ、帯状体120の屈曲を緩やかにし、挿通部113に帯状体120を容易に挿通可能である。
さらに、図9(c)に示すように、帯状体120を挿通部113から裏面100b側に所定の長さで引き出し、配線・配管材Qを帯状体120で受け部112に引き寄せるように締め付けることにより、配線・配管材Qを取着体110(受け部112)に一体的に保持することができる。
次いで、帯状体120を柱状体Pの外周に巻回させ、その両端部を締結具130の固定孔132に可能な限り挿通させる。これにより、取着体110を柱状体Pに押し付けるとともに配線・配管材Qを取着体110に引き寄せるように、帯状体120を緊張状態で締結することができる。その結果、配線・配管材Qを柱状体Pに固定することができる。
以下、本発明に係る一実施形態の取着具100(取着体110)における作用効果について説明する。
本実施形態の取着具100によれば、取着体110に設けられた当接部117,118は、取着体110又は帯状体120の自重だけで取着体110及び帯状体120が挿通部113を介して相対移動すること(すなわち、重力による落下)を規制し、所定の大きさの力が取着体110又は帯状体120に作用したときに帯状体120が挿通部113内を長尺方向に沿った双方向に摺動することを許容する。すなわち、帯状体120が挿通部113に保持された状態で当接部117,118と帯状体120とが当接(接触)することにより、当接部117,118と帯状体120との間に摩擦力が発生する。この静止摩擦力は、取着体110及び/又は帯状体120に作用する重力よりも大きいため、取着体110及び帯状体120が自重だけで相対的に摺動することを規制する。つまり、柱状体Pへの取付作業の際、取着体110及び/又は帯状体120から手を放しても取着体110及び帯状体120が互いに対して重力の作用で滑り落ちることなく、当接部117,118及び帯状体120外面間の摩擦力によって、その場に維持される。よって、帯状体120が当接部117,118で仮保持されることで、作業時において作業者の片手が自由となり、一方の手で取着体110及び帯状体120のいずれか一方を把持し、他方の手で配線・配管材Qを簡単に把持及び操作することができる。他方、取着体110及び帯状体120を繋ぎ止める力が摩擦力だけなので、作業者が静止摩擦力を超える所定の大きさの力を取着体110又は帯状体120に加えるだけで、取着体110を帯状体120の長尺方向の双方向に容易に摺動させることが可能である。すなわち、本実施形態の取着具100は、作業中に取着体110又は帯状体120が落下する虞を大幅に軽減可能であり、尚且つ、作業者が取着体110の挿通部113に帯状体120を簡単に挿通させることが可能である。すなわち、本発明は、取着具(配線・配管材固定装置)100による配線・配管材Qの柱状体Pへの固定作業を大幅に改善するものである。
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の実施形態や変形例を取り得る。以下、本発明の第2実施形態及び変形例を説明する。各実施形態において、下二桁が共通する構成要素は、同一又は類似の特徴を有し、その説明を一部省略する。
[第2実施形態]
次に、図10〜図15を参照して第2実施形態の取着具200を説明する。図10は、本発明の一実施形態の取着具200の概略斜視図である。本実施形態の取着具200は、柱状体Pに取付対象物を固定するために柱状体Pの外方にボルト状の固定部材250を立設するものである。つまり、本実施形態の取着具200はボルト体立設装置である。
図10に示すとおり、本実施形態の取着具200は、柱状体Pに取り付けられる取着体210と、長尺方向に変形して柱状体Pの外周に巻回される帯状体220と、該帯状体220の両端を締結するための締結具230(図10に示さず)と、取付対象物を固定するための固定部材250と、を備えてなる。なお、取着具200の帯状体220及び締結具230は、取着具100のものと同一である。
該取着具200では、長尺の帯状体220が取着体210の一対の挿通部213を通過するとともに柱状体Pに巻回されることにより、固定部材250を保持する取着体210が柱状体Pに括り付けられる。本実施形態では、固定部材250は、一般的なボルト体であり、先端でねじ山を有する軸部(固定部)251と、該軸部251から張り出した六角形の頭部(基端部)252とからなる。そして、固定部が柱状体Pの外方に臨むように、すなわち軸部251が柱状体Pの外方に突出するように、固定部材250が取着体210及び帯状体220によって保持される。
図11及び図12に示すとおり、取着体210は、肉部である取着体本体211と、該取着体本体211に穿設された一対の挿通部213と、取着体本体211の略中央を貫通する貫通孔215と、挿通部213内に設けられた突出部217と、該突出部217先端に対向配置された円柱部218と、を備えてなる。なお、取着体210は、受け部の代わりに貫通孔215及び凹部216を備えることを除いて、一実施形態の取着体110と共通する。
貫通孔215は、固定部材250を保持するための保持部として機能する。すなわち、貫通孔215は、固定部材250の軸部251が挿通可能であり、且つ、頭部252の通過を規制する大きさの丸孔である。そして、取着体210の柱状体P側の裏面210bにおいて、貫通孔215周縁に凹部216が形成されている。この凹部216は、背面視六角形であり、ボルト状の固定部材250の六角形の頭部252の少なくとも一部を嵌入可能に構成されている。すなわち、凹部216の内面には、頭部252に係合して固定部材250の回転を規制する回転規制部が設けられている。
次に、図13及び図14を参照して、本実施形態の取着具200が電柱である柱状体Pに取り付けられた設置構造20を説明する。図13は、取着具200の設置構造20の横断面図である。図14(a)は、図13の設置構造20の取着体210近傍の部分拡大図であり、図14(b)はそのF−F断面図である。
図13に示すとおり、本実施形態の設置構造20では、柱状体Pの外周に帯状体220が堅く巻回された状態で該帯状体220の両端部が締結具230によって締結されている。該帯状体220は、柱状体Pの外径に合わせて変形するとともに柱状体Pに堅く巻回されており、弛むことなくピンと張った緊張状態で各部材の間で張架されている。本実施形態では、該帯状体220によって、2つの取着体210が柱状体Pに固定されている。すなわち、取着具200は、柱状体Pの径や取付対象物の数等に応じて複数の取着体210を備えてもよい。そして、各取着体210において、固定部材250の軸部251が柱状体Pの外方に突出し、該軸部251に取付対象物(図示せず)を固定可能である。該取付対象物は、例えば、配線ボックス、ケーブル用吊架金物などである。
より詳細には、図14(a)に示すとおり、取着体210の凹部216が形成された裏面210bが柱状体P外面に向くように、取着体210が帯状体220によって固定されている。帯状体220は、取着体210の両端の円柱部218の外方を通り、該円柱部218に柱状体Pの外方から巻き付くように屈曲している。そして、帯状体220が取着体210の表面210a側から一対の挿通部213を通過して、取着体210の略中央で裏面210bと柱状体P外面との間に延びている。該帯状体220は、緊張状態にあるため、取着体210の裏面210bを柱状体P外面に付勢している。特には、取着体210の両端の円柱部218が帯状体220によって柱状体P側に向けて牽引されている。このとき、帯状体220が円柱部218(挿通部内周縁)の曲面部分に沿って屈曲しているので、帯状体220の接触部分が傷つくことを抑えるとともに取着体210と帯状体220の密着が高まり、より安定的な固定が可能となる。
また、固定部材250の軸部251が裏面210b側から取着体210の貫通孔215を貫通し、頭部252の一部が凹部216に収容されているとともに、固定部材250の軸部251が貫通孔215を介して取着体210の表面210aから突出している。つまり、固定部材250の固定部(軸部251)が柱状体Pの外方に臨むように立設されている。そして、帯状体220が固定部材250の頭部252の外側を通過し、該頭部252の外面に当接している。このとき、帯状体220が緊張状態で張られているので、その張力によって固定部材250の頭部252が取着体本体211に対して付勢されている。つまり、帯状体220が固定部材250の基端部(頭部252)と柱状体Pとの間を通過することにより、頭部252が取着体210と帯状体220とによって挟持される。すなわち、本実施形態の設置構造20では、帯状体220の巻回によって取着体210が柱状体Pに対して押圧固定され、尚且つ、取着体210が固定部材250の頭部252を柱状体Pに向けて押圧する。そして、帯状体220内面が柱状体P外面に当接し、帯状体220及び固定部材250の頭部252を隔てて、取着体210が柱状体P外面から離隔して保持されている。その結果、帯状体220が固定部材250の頭部252と柱状体P外面との間に介在した状態で、固定部材250が柱状体Pに引き寄せられて立設している。
この帯状体220による押圧力(又は挟持力)によって、固定部材250の軸部251が貫通孔215から緩んだり、脱抜したりすることが規制されている。さらに、六角形の頭部252の角部が六角形の凹部216の内面の角部(回転規制部216a)とが係合し、頭部252が凹部216内で回転することが規制されている。その結果、固定部材250が取着体210及び帯状体220によって安定的に保持されている。
図14(b)は、図14(a)の横断面図である。図14(b)に示すとおり、挿通部213に挿通された帯状体220の扁平部221内面に突出部217先端が当接している。他方、帯状体220の隆起部221外面に円柱部218の曲面部分(挿通部213内周縁)が当接している。すなわち、帯状体220は、取着体210の挿通部213内で3点と当接し、突出部217及び円柱部218の間に挟まれて保持されている。
続いて、図15(a)〜(c)を参照して、該設置構造20を構築する方法を説明する。
まず、柱状体P(本実施形態では電柱)を包囲可能な長さの帯状体220と、取付対象物の数に応じて1又は複数(本実施形態では2つ)の取着体210及び固定部材250と、1つの締結具230とを準備する。
次に、図15(a)に示すとおり、取着体210の挿通部213に表面210a側から帯状体220の先端を挿通させるとともに、固定部材250の軸部251を取着体210の貫通孔215に裏面210b側から挿通する。このとき、帯状体220が当接部217,218に当接した状態で挿通部213内に保持され、取着体210の自重だけで帯状体220が挿通部213内を移動することが規制されている。
より詳細には、帯状体220が挿通部213内で突出部217先端及び円柱部218曲面部分で挟まれている。そして、突出部217と帯状体220とが当接(接触)することにより、突出部217先端面と帯状体220の扁平部221外面との間に摩擦力が発生する。同様に、円柱部218に帯状体220の隆起部222が当接し、その間に摩擦力が発生する。ただし、突出部217の接触面積の方が大きいので、前者の摩擦力が大きい。当接部との静止摩擦力は、取着体210及び/又は帯状体220に作用する重力よりも大きいため、取着体210及び帯状体220の自重だけで互いに対して摺動することを規制する。つまり、柱状体Pへの取付作業の際、取着体210から手を放しても、、あるいは、帯状体220から手を放しても、取着体210及び帯状体220が互いに対して挿通部213を介して滑り落ちることなくその場に維持される。すなわち、帯状体220が仮保持されることで、作業時において作業者の片手が自由となり、一方の手で取着体210及び帯状体220のいずれか一方を把持し、他方の手で固定部材250を操作して取着体210の貫通孔215に簡単に挿通させることができる。
続いて、貫通孔215に配置された固定部材250の頭部252の外側を帯状体220が通るように、帯状体220を取着体210の裏面210b側に引き出す。このとき、帯状体220は、突出部217及び円柱部218(当接部)に当接した状態で挿通部213内を摺動する。つまり、作業者が静止摩擦力を越える所定の力で帯状体220を引くことにより、帯状体220が摩擦力に抗して挿通部213内を(長手方向に沿った両方向に)滑らかに摺動可能である。
そして、図15(b)に示すように、一方の挿通部213から引き出された帯状体220の端部を他方の挿通部213へと裏面210bから挿入する。このとき、取着体本体211と帯状体220との間に閉塞されたリングが形成され、その中に固定部材250の頭部252が配置される。これにより、固定部材250が貫通孔215から抜け落ちることが抑えられる。特には、帯状体220が所定の剛性及び弾性を有しているため、図15(b)に示すような一対の挿通部213の間に張られたアーチ形状が維持される。そのため、固定部材250が貫通孔215から抜け出るように頭部252が浮き上がったとしても、当該頭部252を帯状体220内面が抑え、軸部252が貫通孔215から完全に離脱することを抑えることができる。
さらに、図15(c)に示すように、帯状体220を挿通部213から表面200a側に所定の長さで引き出し、帯状体220の外面が固定部材250の頭部252に当接するように締め付けることにより、固定部材250を取着体210に一体的に保持することができる。同様の操作を別の取着体210においても実施することにより、取着具200として、複数の取着体210及び固定部材250を帯状体220に一体的に組み付けることができる。すなわち、取着具200では、帯状体220を柱状体Pに巻回する前段階の配置構成において、取着体210及び帯状体220によって固定部材250の頭部252が挟持されて仮保持され、帯状体220の一方の面(すなわち、柱状体Pの外面)側に固定部材250の軸部251を立設させている。
次いで、取着体210及び固定部材250を保持した帯状体220を柱状体Pの外周に巻回させ、その両端部を締結具230の固定孔232に可能な限り挿通させる。これにより、取着体210を柱状体Pに押し付けるとともに固定部材250を取着体210に引き寄せるように、帯状体220を緊張状態で締結することができる。その結果、固定部材250の軸部251を外方に突出又は立設させ、取着具200を柱状体Pに取り付けることができる。
したがって、本発明の取着具は、配線・配管材固定装置に限定されず、上述したボルト体立設装置においても本発明の効果を発揮することができる。よって、本発明の取着具の技術思想は、上述した以外の種々の用途に応用可能である。
[変形例]
本発明の取着具は、上記実施形態に限定されずに、例えば、以下のように変形可能である。
(1)上記実施形態では、柱状体が円柱状の電柱であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、柱状体は、多角形の柱状のポール等であってもよい。
(2)上記実施形態では、締結具が帯状体を緊張状態で締結しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、該締結具を使用せずとも、帯状体の両端を結びつけることにより、帯状体を柱状体に堅く巻回してもよい。
(3)上記実施形態では、取着体の挿通部の両方に当接部が設けられているが、図16の取着体310のように挿通部313の一方のみに当接部(突出部317)を設けてもよい。その場合、帯状体の先端を先に当接部のある挿通部313に挿通させることにより、帯状体を取着体310に仮保持することが可能である。
(4)上記実施形態では、突出部が硬質の突片からなるが、本発明はこれに限定されない。例えば、図17の取着体410のように突出部417を弾性変形可能な突片としてもよい。この場合、突出部417の弾性復帰力によって帯状体420が突出部417及び円柱部418の間に挟持される。この弾接によって、当接部417,418と帯状体420との接触箇所に摩擦力が発生し、帯状体420を取着体410に仮保持可能である。すなわち、当接部417,418は、該取着体410がその自重によって挿通部413内を移動することを規制し、所定の大きさの力が取着体410に作用したときに帯状体420が挿通部413内を長尺方向に沿った双方向に摺動することを許容する。
(5)上記実施形態では、当接部の一部が突出部からなるが、本発明はこれに限定されない。例えば、図18の取着体510では、挿通部513の縦幅が帯状体520の幅よりも狭く、且つ、その一部が湾曲している。図18に示すとおり、帯状体520を挿通部513に挿通した状態では、帯状体520が挿通部513の内周縁に当接して湾曲変形した状態で取着体510に仮保持されている。このとき、その帯状体520と挿通部513内周縁の接触部分において摩擦力が発生し、取着体510の重みによって帯状体520が挿通部513を移動することが規制されている。すなわち、当接部(挿通部513の内周縁)は、該取着体510がその自重によって挿通部513内を移動することを規制し、所定の大きさの力が取着体510に作用したときに帯状体520が挿通部513内を長尺方向に沿った双方向に摺動することを許容する。よって、本発明の技術思想の範囲において、当業者であれば、当接部の形態を適宜変更することが可能である。
(6)上記実施形態では、一対(2つ)の挿通部内に1本の帯状体が通過し、当接部によって仮保持されるが、本発明はこれに限定されない。例えば、図19の取着具600では、1つの挿通部613内に2重に重なった帯状体620を当接部617,617で仮保持可能である。つまり、挿通部613内における突出部617,617間の隙間が帯状体620の2枚分の厚みにほぼ等しい。この場合、帯状体620が重ね合わさった状態で挿通部613を通過し、その両側に当接部としての突出部617,617が当接する。すなわち、当接部617,617は、該取着体610がその自重によって挿通部613内を移動することを規制し、所定の大きさの力が取着体610に作用したときに帯状体620が挿通部613内を長尺方向に沿った双方向に摺動することを許容する。そして、取着体610の受け具612側に形成されたリングの内に配線・配管材Qを配置し、帯状体620を裏面610b側に摺動させることにより、配線・配管材Qを取着体610に一体的に保持可能である。
(7)上記実施形態では、取着体本体に一対(2つ)の挿通部が形成されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、取着体に3以上の挿通部を穿設してもよい。その場合、帯状体を2以上の挿通部に選択的に挿通させることができる。
(8)上記実施形態では、当接部は挿通部内で帯状体に当接するものであるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、挿通部外部(例えば、取着体本体の表面や挿通部の外縁)に当接部を凸設し、挿通部内周縁とは離れた位置で帯状体と当接するようにしてもよい。この場合も同様に帯状体を仮保持することが可能である。このような当接部として、挿通部外部且つ取着体表面に取着され、帯状体に向けて延びる爪や突片などが挙げられる。
(9)上記実施形態では、1又は2の挿通部内で当接部が柔軟な帯状体に当接するが、本発明はこれに限定されない。例えば、取着体に複数の(例えば3以上の)挿通部を設け、複数の挿通部に対して帯状体を複数回屈曲させて挿通させ、帯状体が取着体本体(挿通部内縁又は外縁)に当接する(絡みつく)複数の接触箇所を当接部として機能させてもよい。また、帯状体に剛性がある場合には、帯状体の屈曲と同時に弾性復帰力が発生し、帯状体の弾発力による取着体との接触が互いを仮保持させる当接部として機能し得る。
(10)上記実施形態では、代表的な取着具として配線・配管材固定装置及びボルト体立設装置を説明したが、本発明はこれに限定されず、種々の用途に本発明の技術的思想を応用することが可能である。例えば、配線ボックス等をポール(柱状体)に取り付けるためのポールバンド金具を取着体(ポールバンド金具と帯状体のセットで取着具)としてもよい。または、スイッチ等の器具やボックス等を前面に取り付けるための取付板を取着体(取付板と帯状体のセットで取着具)としてもよい。あるいは、電柱やポール(柱状体)に取着される配線・配管ボックスの底壁に本発明の構成要素を設け、ボックス自体を取着体(ボックスと帯状体のセットで取着具)としてもよい。したがって、本発明は、当該明細書で説明した用途に限定されるものではない。
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
10 設置構造
100 取着具(配線・配管材固定装置)
110 取着体
110a 表面
110b 裏面
111 取着体本体
112 受け部
113 挿通部
117 突出部(当接部)
118 円柱部(当接部)
120 帯状体
121 扁平部
122 隆起部
130 締結具
131 締結具本体
132 固定孔
132a 挿通口
133 ロック爪
200 取着具(ボルト体立設装置)
P 柱状体
Q 配線・配管材

Claims (7)

  1. 柱状体に取り付けられる取着具であって、
    長尺方向に変形して柱状体の外周に巻回されて締結される帯状体と、
    前記帯状体を挿通するための挿通部を有し、前記挿通部を通過する前記帯状体によって前記柱状体に取り付けられる取着体と、
    を備え、
    前記取着体には、前記挿通部内に挿通した前記帯状体に当接する当接部が設けられ、
    前記帯状体が前記当接部に当接した状態で前記挿通部内に保持され、前記取着体又は前記帯状体の自重だけで前記帯状体が前記挿通部内を移動することが規制され、所定の大きさの力が前記取着体又は前記帯状体に作用したときに前記帯状体が前記挿通部内を長尺方向に摺動することを特徴とする取着具。
  2. 前記当接部は、前記挿通部の内周縁の一端側から他端側へと突出する突出部を含み、該突出部先端が帯状体外面に当接するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の取着具。
  3. 前記取着体には、前記帯状体を挿通するための一対の挿通部が前記帯状体の長尺方向に沿って設けられ、前記突出部が前記一対の挿通部の両方に形成され、前記各突出部が互いに離隔する方向に延びていることを特徴とする請求項2記載の取着具。
  4. 前記帯状体の幅方向の両縁に隆起部が形成され、前記突出部先端が前記隆起部の間に入り込み、前記帯状体の幅方向中央の扁平部に当接することを特徴とする請求項2又は3に記載の取着具。
  5. 前記取着体は、前記帯状体と協働して配線・配管材を取り囲み、前記帯状体の締め付けにより前記配線・配管材を保持する受け部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の取着具。
  6. 柱状体に対して配線・配管材を支持する配線・配管材固定装置であって、
    長尺方向に変形して、柱状体の外周に巻回されるとともに前記配線・配管材を保持する帯状体と、
    前記帯状体を挿通するための挿通部、及び、前記帯状体と協働して前記配線・配管材を取り囲み保持する受け部を有し、前記挿通部を通過する前記帯状体によって前記柱状体に取り付けられる取着体と、
    前記挿通部に挿通された前記帯状体を前記柱状体に巻回して締結する締結具と、
    を備え、
    前記取着体には、前記挿通部内に挿通した前記帯状体に当接する当接部が設けられ、
    前記帯状体が前記当接部に当接した状態で前記挿通部内に保持され、前記取着体又は前記帯状体の自重だけで前記帯状体が前記挿通部内を移動することが規制され、所定の大きさの力が前記取着体又は前記帯状体に作用したときに前記帯状体が前記挿通部内を長尺方向に摺動することを特徴とすることを特徴とする配線・配管材固定装置。
  7. 帯状体によって柱状体に取り付けられる取着体であって、
    長尺方向に変形して柱状体の外周に巻回される帯状体を挿通するための挿通部と、
    前記挿通部内で前記帯状体に当接する当接部と、を備え、
    前記当接部は、当該取着体がその自重によって前記挿通部内を移動することを規制し、所定の大きさの力が前記取着体に作用したときに、前記帯状体が前記挿通部内を長尺方向に摺動することを許容することを特徴とする取着体。
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