JP2016125463A - 排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】NOxの浄化性能の向上を可能にした排気浄化装置を提供する。【解決手段】排気浄化装置30は、添加弁38と着火部33とを備えるバーナー31と、排気ガス中の燃料に含まれる炭化水素を含酸素化合物に改質する改質触媒40と、排気ガス中の粒子性物質を捕捉するフィルター41であって、排気ガス中の燃料と含酸素化合物とを還元剤に用いてNOxを還元してNH3を生成する銀系触媒である第1選択還元型触媒42を含むフィルター41と、排気ガス中のNOxを吸着するNOx吸着材43と、第1選択還元型触媒42が生成したNH3を還元剤に用いてNOxを還元する第2選択還元型触媒47と、改質触媒40および第1選択還元型触媒42の少なくとも一方が不活性状態であることを条件の1つとしてバーナー31を燃焼状態に制御する制御装置70とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの排気ガスに含まれる窒素酸化物を浄化する排気浄化装置であって、エンジンの燃料を還元剤に用いて窒素酸化物を浄化する排気浄化装置に関する。
従来から、ディーゼルエンジンの排気浄化装置として、炭化水素(HC)を主成分とするエンジンの燃料を還元剤に用いて窒素酸化物(以下、NOxという。)を選択的に還元するHC−SCR触媒(Hydro Carbon−Selective Catalytic Reduction)を用いたものがある。例えば特許文献1には、活性温度域が互いに異なるHC−SCR触媒を直列に配置し、各HC−SCR触媒に対して燃料を添加する排気浄化装置が開示されている。この排気浄化装置によれば、幅広い温度範囲でHC−SCR触媒によるNOxの還元が可能である。
特開2012−92690号公報
しかし、環境保全等の観点から、排気浄化装置にはさらなるNOxの浄化性能の向上が求められている。本発明は、NOxの浄化性能の向上を可能にした排気浄化装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する排気浄化装置は、排気通路を流れる排気ガスを昇温可能なバーナーと、排気ガスに燃料を添加する添加弁と、前記バーナーおよび前記添加弁の下流に位置し、排気ガス中の燃料に含まれる炭化水素の一部を含酸素化合物に改質する改質触媒と、前記改質触媒の下流に位置し、排気ガス中の粒子性物質を捕捉するフィルターであって、排気ガス中の燃料と含酸素化合物とを還元剤に用いてNOxを還元してNHを生成する第1選択還元型触媒を含む前記フィルターと、前記改質触媒の下流に位置し、排気ガス中のNOxを吸着するNOx吸着材と、前記フィルターおよびNOx吸着材の下流に位置し、前記第1選択還元型触媒が生成したNHを還元剤に用いてNOxを還元する第2選択還元型触媒と、前記バーナーを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記改質触媒および前記第1選択還元型触媒の少なくとも一方が不活性状態であるときに前記バーナーを燃焼状態に制御する。
上記構成によれば、改質触媒および第1選択還元型触媒の少なくとも一方が不活性状態であるときにバーナーが燃焼状態に制御され、排気ガス中のNOxをNOx吸着材に吸着させながら各種触媒の昇温が促進される。そのため、NOxの排出量を抑えながら、第1および第2選択還元型触媒でのNOxの還元が早期に実現可能である。また、改質触媒および第1選択還元型触媒が活性状態にあるとき、燃料中の炭化水素の一部は、アルデヒド類やケトン類いった含酸素化合物へ改質触媒で改質されたうえで第1選択還元型触媒に流入する。第1選択還元型触媒において含酸素化合物は炭化水素よりも反応性が高いため、NOxが効率よく還元される。すなわち、第1および第2選択還元型触媒でのNOxの還元が早期に実現可能であるとともに第1選択還元型触媒において効率よくNOxが還元されることから、NOxの浄化性能が向上する。
上記排気浄化装置において、前記制御部は、前記改質触媒および前記第1選択還元型触媒が活性状態であり、かつ、前記NOx吸着材が飽和状態であり、かつ、前記第2選択還元型触媒が不活性状態であるときに前記バーナーを燃焼状態に制御してもよい。
上記構成によれば、改質触媒および第1選択還元型触媒が活性状態であっても、NOx吸着材においてNOxを吸着することができず、かつ、第2選択還元型触媒においてNOxを還元できないときには、バーナーを燃焼状態に制御する。これにより、第1および第2選択還元型触媒の双方によるNOxの還元が早期に実現される。
上記排気浄化装置において、前記バーナーは、前記添加弁と前記添加弁が添加した燃料に着火する着火部とを含み、前記制御部は、前記改質触媒、前記第1選択還元型触媒、および、前記第2選択還元型触媒が活性状態であるときに、前記添加弁が添加した燃料を燃焼させない添加状態に前記バーナーを制御することが好ましい。
上記構成によれば、バーナーを構成する添加弁によって、排気ガスに対する燃料の添加が行われる。そのため、第1選択還元型触媒に流入する排気ガスに燃料を添加する構成を別途設ける必要がない。その結果、排気浄化装置の構成を簡素化することができる。
上記排気浄化装置において、前記フィルターは、前記改質触媒と前記NOx吸着材との間に位置することが好ましい。
上記構成によれば、改質触媒とフィルターとの間における含酸素化合物の反応が抑えられ、第1選択還元型触媒を含むフィルターにより多くの含酸素化合物を供給可能である。
上記排気浄化装置において、前記第2選択還元型触媒は、積層構造体であり、燃料を還元剤に用いてNOxを還元するHC触媒層と、前記HC触媒層に積層されて前記第2選択還元型触媒の表層を構成し、前記第1選択還元型触媒が生成したNHを還元剤に用いてNOxを還元するNH触媒層とを備えることが好ましい。
上記構成によれば、第2選択還元型触媒においては、第1選択還元型触媒にて生成されたNHに加えて、第1選択還元型触媒にて反応しなかった燃料を還元剤に用いてNOxを還元することができる。その結果、NOxの浄化性能がさらに向上する。
上記排気浄化装置は、前記第2選択還元型触媒の下流に位置し、排気ガス中の残存燃料を酸化する酸化触媒をさらに備えることが好ましい。
上記構成によれば、外気に対する燃料の排出が抑えられることから、NOxを還元するうえで添加弁による燃料の添加量についての自由度が向上する。
一実施形態の排気浄化装置を搭載したエンジンシステムの概略構成を示す概略構成図である。 NOx吸着材の吸着特性の一例を示すグラフである。 第2選択還元型触媒の表面付近における断面構造を示す断面図である。 HC触媒層およびNH触媒層の構造を模式的に示す図である。 通常処理の処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 NOxの浄化性能を比較した結果の一例を示すグラフである。
図1から図6を参照して排気浄化装置の一実施形態について説明する。まず、図1を参照して、排気浄化装置が搭載されたエンジンシステムの全体構成について説明する。
図1に示すように、エンジンシステムは、ディーゼルエンジン10(以下、エンジン10という。)を備える。エンジン10のシリンダーブロック11には、一列に並んだ6つのシリンダー12が形成されている。各シリンダー12には、インジェクター13から燃料が噴射される。シリンダーブロック11には、各シリンダー12に吸入空気を供給するためのインテークマニホールド14と、各シリンダー12からの排気ガスが流入するエキゾーストマニホールド15とが接続されている。
インテークマニホールド14に接続される吸気通路16には、上流側から順に、図示されないエアクリーナー、ターボチャージャー17を構成するコンプレッサー18、インタークーラー19が設けられている。エキゾーストマニホールド15に接続される排気通路20には、コンプレッサー18に連結軸を介して連結され、ターボチャージャー17を構成するタービン22が設けられている。
エンジンシステムは、エキゾーストマニホールド15と吸気通路16とを接続するEGR通路25を備える。EGR通路25には、EGRクーラー26が設けられ、EGRクーラー26における吸気通路16側には、EGR通路25の流路断面積を変更可能なEGR弁27が設けられている。EGR弁27が開状態にあるとき、吸気通路16には、EGR通路25を通じて排気ガスの一部がEGRガスとして導入される。シリンダー12には、排気ガスと吸入空気との混合気体である作動ガスが供給される。
シリンダー12では、作動ガスとインジェクター13が噴射した燃料との混合気が燃焼する。シリンダー12からの排気ガスは、エキゾーストマニホールド15を通じて排気通路20へと流入し、タービン22を通過した後、排気浄化装置30に流入する。
排気浄化装置30は、排気ガスを昇温可能なバーナー31を備える。バーナー31は、排気通路20内を流れる排気ガスに燃料を添加する添加部32と排気通路20内に添加された燃料に着火する着火部33とを有する。
添加部32は、還元剤である燃料を貯留する燃料タンク34に接続された燃料通路35を備える。この燃料タンク34は、インジェクター13が噴射する燃料を貯留する燃料タンクであってもよいし、該燃料タンクとは別個に設けられる燃料タンクであってもよい。添加部32は、燃料通路35にポンプ36と調整弁37とを備える。ポンプ36は、例えばエンジンを動力源とするポンプであって、燃料タンク34内の燃料を所定圧力で調整弁37に圧送する。調整弁37は、燃料通路35の流路断面積を変更可能な弁であり、調整弁37を通過する燃料の量を調整する。添加部32は、排気通路20内に位置する添加弁38を備える。添加部32は、調整弁37が開状態にあるときに添加弁38から排気ガスに燃料を添加し、調整弁37が閉状態にあるときに添加弁38から排気ガスに燃料を添加しない。着火部33は、例えばスパークプラグやグロープラグであって、図示されない電源装置から電力が供給されることで駆動し、添加部32が添加した燃料に着火する。着火された燃料は、排気ガスに残存する酸素を酸化剤として燃焼する。添加部32による燃料の添加、および、着火部33の駆動は、後述する制御装置70によって制御される。制御装置70は、添加部32および着火部33の制御を通じて、バーナー31の作動状態を停止状態、燃焼状態、および、添加状態のいずれかに制御する。停止状態は、添加部32が燃料を添加しない状態である。燃焼状態は、添加部32の添加した燃料が燃焼する状態であり、添加状態は、添加部32の添加した燃料が燃焼しない状態である。
なお、バーナー31は、添加部32が添加した燃料に対して空気を供給可能な空気供給部を備えていてもよい。こうした構成によれば、添加部32が添加可能な燃料量に関する自由度が向上する。
排気浄化装置30は、排気通路20におけるバーナー31の下流に、排気ガス中の燃料に含まれる炭化水素の一部を例えばアルデヒド類やケトン類といった含酸素化合物に改質する改質触媒40を備える。含酸素化合物は、後述する第1選択還元型触媒42におけるNOxとの反応性が炭化水素よりも高いため、炭化水素を還元剤に用いる場合よりも高いNOxの低減効果を発現する。
改質触媒40は、セラミックあるいは金属からなるモノリス担体と、このモノリス担体にコーティングされた触媒層とを有する。触媒層は、粒子状の触媒担体と、触媒担体に担持された触媒金属とを有する。触媒担体の形成材料は、例えばゼオライトやアルミナ等であり、触媒金属は、例えば鉄、亜鉛、コバルトである。触媒担体がゼオライトである場合、触媒層は、触媒金属イオンがゼオライトの陽イオンと置換したゼオライトの粒子で構成される。触媒担体がアルミナである場合、触媒層は、触媒金属を担持させたγ−アルミナの粒子、あるいは、触媒金属を担持させたθ−アルミナの粒子で構成される。改質触媒40は、炭化水素の一部を含酸素化合物に改質する程度の酸化力を有していればよいため、上述した鉄、亜鉛、または、コバルトを1kgあたりに20g〜50g含有するように構成される。この改質触媒40は、改質下限温度TrcL(例えば200℃)以上であって改質上限温度TrcH(例えば600℃)以下の温度範囲を活性温度域として有する。
また、触媒担体の形成材料は、例えばゼオライトやアルミナ等であり、触媒金属は、例えば白金、パラジウム、ロジウムである。触媒担体がゼオライトである場合、触媒層は、触媒金属イオンがゼオライトの陽イオンと置換したゼオライトの粒子で構成される。触媒担体がアルミナである場合、触媒層は、触媒金属を担持させたγ−アルミナの粒子、あるいは、触媒金属を担持させたθ−アルミナの粒子で構成される。改質触媒40は、炭化水素の一部を含酸素化合物に改質する程度の酸化力を有していればよく、上述した白金、パラジウム、あるいは、ロジウムを1kgあたりに0.01g〜1g含有するように構成される。この改質触媒40は、改質下限温度TrcL(例えば150℃)以上であって改質上限温度TrcH(例えば350℃)以下の温度範囲を活性温度域として有する。
排気浄化装置30は、排気通路20における改質触媒40の下流にフィルター41を備える。フィルター41は、排気ガス中の粒子性物質(PM:Particulate Matter)を捕捉するフィルター機能と、排気ガス中の燃料および含酸素化合物を還元剤に用いてNOxを還元するNOx還元機能とを有する。フィルター41は、バーナー31によって再生温度Tfr(例えば600℃)まで昇温されると、粒子性物質が焼却されてフィルター機能が再生する。
フィルター41は、例えば耐熱性に優れたセラミックやステンレスを素材としたウォール・フロー・フィルターであるフィルター本体と、フィルター本体にコーティングされた触媒層である第1選択還元型触媒42とを有する。第1選択還元型触媒42は、銀アルミナあるいは銀ゼオライトを含む。フィルター41は、銀を担持させたγ−アルミナの粒子、あるいは、銀を担持させたθ−アルミナの粒子をフィルター本体にコーティングして構成される。またフィルター41は、銀イオンがゼオライトの陽イオンと置換したゼオライトの粒子をフィルター本体にコーティングして構成される。第1選択還元型触媒42は、第1下限温度Tc1L(例えば200℃)以上であって第1上限温度Tc1H(例えば650℃)以下の温度範囲を活性温度域として有し、NOxを還元する反応においてNHを生成する。また、上述した構成の第1選択還元型触媒42では、NOxとの反応性の高い含酸素化合物がNOxと反応するとともに、燃料の酸化活性が低いため、燃料の一部が反応せずに通過する。そのため、その通過した燃料を後段の触媒の還元剤に用いることが可能である。
排気浄化装置30は、排気通路20におけるフィルター41の下流に、NOxを吸着するNOx吸着材43を備える。NOx吸着材43を形成する材料は、希土類系、アルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化物、ゼオライト等である。
図2に、NOx吸着材43の温度である吸着材温度Tadと最大吸着量Mad1との関係である吸着特性を示す。図2に示すように、NOx吸着材43は、吸着材温度Tadが低いほど最大吸着量Mad1が多くなり、吸着材温度Tadが高いほど最大吸着量Mad1が少なくなる。NOx吸着材43は、吸着材温度Tadがフィルター41の再生温度Tfrまで上昇すると最大吸着量Mad1がほぼ0になる。NOx吸着材43は、エンジン10の停止から時間が経つほど吸着材温度Tadが外気温に近づくため、エンジン10の始動時はNOxを吸着可能な状態にある。NOx吸着材43は、吸着材温度Tadが所定の放出温度(例えば200℃)よりも高くなるとNOxの積極的な放出を開始する。
排気浄化装置30は、排気通路20におけるNOx吸着材43の下流に、NOx吸着材43を通過したNOx、および、NOx吸着材43が放出したNOxを還元する第2選択還元型触媒47を備える。
図3に示すように、第2選択還元型触媒47は、セラミックあるいは金属からなるモノリス担体48と、モノリス担体48の表面に積層されたHC触媒層49と、HC触媒層49に積層されたNH触媒層50とを備える。
HC触媒層49は、排気ガス中の燃料を還元剤に用いてNOxを還元する。HC触媒層49は、粒子状の触媒担体と触媒担体に担持された銅とを有する。触媒担体の形成材料は、多孔質構造を有するゼオライトである。このゼオライトには、ZSM−5型ゼオライト、あるいは、ベータ型ゼオライトが適用可能である。ZSM−5型ゼオライトおよびベータ型ゼオライトが有する孔の孔径は、例えば5〜8Åであり、燃料に含まれる炭化水素の分子径よりも大きい。すなわち、ZSM−5型ゼオライトおよびベータ型ゼオライトは、炭化水素が進入可能な孔を有する多孔質材料である。HC触媒層49は、銅を担持させた粒子状の触媒担体をモノリス担体にコーティングして構成される。
NH触媒層50は、フィルター41において生成されたNHを還元剤に用いてNOxを還元する。NH触媒層50は、粒子状の触媒担体と触媒担体に担持された銅とを有する。触媒担体の形成材料は、多孔質構造を有するゼオライトである。このゼオライトには、チャバサイト構造を有するゼオライトが適用可能であり、例えばSAPO−34型ゼオライトが適用可能である。なお、SAPOは、シリコアルミノフォスフェートのことである。SAPO−34型ゼオライトが有する孔の孔径は、例えば3〜4Åであり、燃料に含まれる炭化水素の分子径よりも小さく、かつ、NHの分子径よりも大きい。すなわち、SAPO−34型ゼオライトは、炭化水素の進入を拒む一方でNHの進入を許可する孔を有する多孔質材料である。NH触媒層50は、銅を担持させた粒子状の触媒担体をHC触媒層49が形成されたモノリス担体にコーティングして構成される。
第2選択還元型触媒47は、第2下限温度Tc2L(例えば200℃)以上であって第2上限温度Tc2H(例えば600℃)以下の温度範囲を活性温度域として有する。
図4に示すように、第2選択還元型触媒47では、NH(アンモニア)がNH触媒層50を構成する触媒担体51の孔51hに進入する一方、HC(炭化水素)が触媒担体51の孔51hに進入しない。そのため、HCは、触媒担体51の粒子間の隙間52を通ってHC触媒層49に到達する。そして、HC触媒層49に到達したHCは、HC触媒層49を構成する触媒担体53の孔53h中に進入する。これにより、NH触媒層50では、孔51hに進入したNHを還元剤に用いてNOxが還元され、HC触媒層49では、孔53hに進入したHCを還元剤に用いてNOxが還元される。
排気浄化装置30は、排気通路20における第2選択還元型触媒47の下流に排気ガス中の残存燃料を酸化する酸化触媒54を備える。酸化触媒54は、セラミックあるいは金属からなるモノリス担体と、このモノリス担体にコーティングされた触媒層とを有する。触媒層は、白金ゼオライト、白金アルミナ、または、白金−パラジウムアルミナを含む。白金ゼオライトを含む触媒層は、白金イオンがゼオライトの陽イオンと置換したゼオライトの粒子で構成される。白金アルミナを含む触媒層は、白金を担持させたγ−アルミナの粒子、あるいは、白金を担持させたθ−アルミナの粒子で構成される。白金−パラジウムアルミナを含む触媒層は、白金及びパラジウムを担持させたγ−アルミナ粉末、あるいは、白金及びパラジウムを担持させたθ−アルミナ粉末で構成される。酸化触媒54は、第3下限温度Tc3L(例えば200℃)以上であって第3上限温度Tc3H(例えば600℃)以下の温度範囲を活性温度域として有する。なお、酸化触媒54では、燃料の酸化反応、および、燃料を還元剤に用いたNOxの還元反応が生じるが、NOxの還元反応よりも燃料の酸化反応が優先して進行する。
排気浄化装置30は、吸気通路16におけるコンプレッサー18の上流に、吸入空気量Qaを検出する吸入空気量センサー55を備える。排気浄化装置30は、バーナー31と改質触媒40との間に第1排気温度Te1を検出する第1温度センサー56、フィルター41とNOx吸着材43との間に第2排気温度Te2を検出する第2温度センサー57、NOx吸着材43と第2選択還元型触媒47との間に第3排気温度Te3を検出する第3温度センサー58、および、酸化触媒54の下流に第4排気温度を検出する第4温度センサー59を備える。また、排気浄化装置30は、フィルター41とNOx吸着材43との間に第1NOx濃度Cx1を検出する第1NOx濃度センサー60、酸化触媒54の下流に第2NOx濃度Cx2を検出する第2NOx濃度センサー61、および、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサー62を備える。各種センサーは、各々の検出値を示す信号を制御装置70に出力する。また、制御装置70には、インジェクター13からの燃料噴射を制御する噴射制御部63から燃料噴射量Qfを示す信号が入力される。
制御装置70は、CPUと、各種制御プログラムおよび最大吸着量テーブル等の各種データが格納されたROMと、各種演算における演算結果や各種データが一時的に格納されるRAMとを有するマイクロコンピューターを中心に構成される。制御装置70は、各種センサー等からの信号に基づいて各種情報を取得し、その取得した各種情報とROMに格納された各種制御プログラムや各種データとに基づき、調整弁37と着火部33とを制御することでバーナー31の作動状態を制御する。なお、制御装置70は、吸入空気量Qaおよび燃料噴射量Qfに基づいて、排気ガスの流量である排気流量Qeを演算する。
上述したようにバーナー31は、停止状態、燃焼状態、および、添加状態を有する。制御装置70は、次のように調整弁37と着火部33とを制御することにより、バーナー31の作動状態を制御する。
バーナー31が停止状態にあるとき、制御装置70は、調整弁37を閉状態に制御している。バーナー31を停止状態から燃焼状態へ制御するとき、制御装置70は、着火部33に対して所定時間だけ電力を供給するとともに調整弁37を閉状態から開状態に制御する。以後、制御装置70は、調整弁37を開状態に制御し続けることによりバーナー31を燃焼状態に維持する。バーナー31を停止状態から添加状態へ制御するとき、制御装置70は、着火部33に対する電力の供給を行わずに、調整弁37を閉状態から開状態に制御する。以後、制御装置70は、調整弁37を開状態に制御し続けることによりバーナー31を添加状態に維持する。
バーナー31を添加状態から燃焼状態へ制御するとき、制御装置70は、着火部33に対して所定時間だけ電力を供給するとともに調整弁37を開状態に維持する。バーナー31を燃焼状態から添加状態へ制御するとき、制御装置70は、着火部33に対する電力の供給を行うことなく、例えば所定時間だけ調整弁37を閉状態に制御することにより燃料の燃焼を停止したのち、再び調整弁37を開状態へ制御する。
制御装置70は、バーナー31の作動状態を選択し、その選択した作動状態にバーナー31を制御する通常処理を実行する。制御装置70は、第1排気温度Te1と第2排気温度Te2とに基づき、改質触媒40の温度である改質触媒温度Trc、および、第1選択還元型触媒42の温度である第1触媒温度Tc1を演算する。また、制御装置70は、改質触媒温度Trcが得られる演算式、および、第1触媒温度Tc1が得られる演算式の各々に対して、例えば排気流量Qe、第1排気温度Te1、第2排気温度Te2等を代入することにより改質触媒温度Trcおよび第1触媒温度Tc1を演算する。これらの演算式は、例えば改質触媒40の質量や熱容量および第1選択還元型触媒42の質量や熱容量に基づいて設定される。また、制御装置70は、第2排気温度Te2と第3排気温度Te3との平均値をNOx吸着材43の温度である吸着材温度Tadとして演算する。制御装置70は、第3排気温度Te3と第4排気温度Te4とに基づき、第2選択還元型触媒47の温度である第2触媒温度Tc2、および、酸化触媒54の温度である第3触媒温度Tc3を演算する。制御装置70は、第2触媒温度Tc2が得られる演算式、および、第3触媒温度Tc3が得られる演算式の各々に対して、例えば排気流量Qe、第3排気温度Te3、第4排気温度Te4等を代入することにより第2触媒温度Tc2および第3触媒温度Tc3を演算する。これらの演算式は、例えば第2選択還元型触媒47の質量や熱容量および酸化触媒54の質量や熱容量に基づいて設定される。
制御装置70は、NOx吸着材43の吸着量Madを演算する。制御装置70は、例えば、排気流量Qe、吸着材温度Tad、および、第1選択還元型触媒42を通過した排気ガス中のNOx濃度である第1NOx濃度Cx1に基づいて吸着量Madを演算する。制御装置70は、排気流量Qeと第1NOx濃度Cx1とに基づき第1選択還元型触媒42を通過した排気ガス中のNOx量である第1NOx量Qx1を前回の吸着量Madに加算することにより吸着量Madの暫定値を演算する。制御装置70は、吸着材温度Tadに応じた最大吸着量Mad1(図2参照)が規定された最大吸着量テーブルをROMに格納している。制御装置70は、吸着量Madの暫定値が吸着材温度Tadに応じた最大吸着量Mad1よりも低いとき、その暫定値を今回の吸着量Madに設定する。一方、制御装置70は、吸着量Madの暫定値が最大吸着量Mad1以上であるとき、すなわちNOx吸着材43が飽和状態にあるとき、最大吸着量Mad1を吸着量Madに設定する。制御装置70は、エンジン10の運転中は吸着量Madを演算し続けるとともに、エンジン停止時における吸着量Madを次のエンジン始動時における吸着量Madの初期値に設定する。制御装置70は、吸着材温度Tadが再生温度Tfrに到達すると吸着量Madをリセット、すなわち0に設定する。
制御装置70は、フィルター41における粒子性物質の堆積量Mfを演算し、その演算した堆積量Mfが上限値を超えると通常処理を強制的に終了してフィルター41のフィルター機能を再生する再生処理を実行する。制御装置70は、例えば、フィルター41における圧力損失等に基づいて堆積量Mfを演算する。再生処理において、制御装置70は、バーナー31を燃焼状態に制御して第1触媒温度Tc1を再生温度Tfrまで昇温をする。制御装置70は、バーナー31が燃焼状態にあるときも堆積量Mfを演算し、その堆積量Mfが下限値を下回ると再生処理を終了して通常処理を再開する。
図5を参照して排気浄化装置30の動作について説明する。
図5に示すように、通常処理において、制御装置70は、各種センサーからの信号に基づいて各種情報を取得する(ステップS11)。制御装置70は、ステップS11にて取得した情報とROMに格納している各種データ等とに基づき、上述した処理にしたがって各種温度とNOx吸着材43の吸着量Madとを演算する。(ステップS12)。
次に制御装置70は、第1条件として、改質触媒40および第1選択還元型触媒42の少なくとも一方が不活性状態であるか否かを判断する(ステップS13)。制御装置70は、改質触媒温度Trcが改質下限温度TrcL未満、または、第1触媒温度Tc1が第1下限温度Tc1L未満のとき、第1条件が成立すると判断する。改質下限温度TrcLには、改質触媒40の触媒金属に応じた値が設定される。第1条件が成立するとき(ステップS13:YES)、制御装置70は、燃焼許可条件が成立するか否かを判断する(ステップS14)。例えば、制御装置70は、燃料噴射量Qfが所定量よりも多い高負荷状態、および、エンジン回転数Neが所定回転数よりも大きい高回転状態のいずれにもエンジン10の運転状態が該当しないとき、燃焼許可条件が成立すると判断する。制御装置70は、燃焼許可条件が成立するとき(ステップS14:YES)、バーナー31を燃焼状態に制御し(ステップS15)、燃焼許可条件が成立しないとき(ステップS14:NO)、バーナー31を停止状態に制御する(ステップS16)。燃焼状態において、制御装置70は、例えば、吸入空気量Qaやエンジン回転数Ne、燃料噴射量Qf等に基づいて燃料添加量を演算し、その演算した燃料添加量の燃料が添加弁38から添加されるように調整弁37を制御する。第1条件が成立するとき(ステップS13:YES)は吸着材温度Tadが前回のエンジン停止時よりも低く、外気温に近い場合もある。そのため、この燃焼状態においては、NOx吸着材43にNOxを吸着させつつ、バーナー31によって排気ガスが昇温されることで各種触媒40,42,47,54の昇温が図られる。
なお、高負荷状態では、排気温度が高いためバーナー31による排気ガスの昇温効果が少ない。また、高回転状態においては、排気流量Qeが多いことでバーナー31の失火が生じやすい。そのため、これら高負荷状態および高回転状態においてバーナー31を停止状態に制御することで、バーナー31における燃料消費量を抑えることができる。
一方、第1条件が不成立のとき(ステップS13:NO)、制御装置70は、第2条件として、NOx吸着材43が飽和状態にあるか否かを判断する(ステップS17)。第2条件が成立するとき(ステップS17:YES)、制御装置70は、第3条件として、第2選択還元型触媒47および酸化触媒54の少なくとも一方が不活性状態であるか否かを判断する(ステップS18)。制御装置70は、第2触媒温度Tc2が第2下限温度Tc2L未満、または、第3触媒温度Tc3が第3下限温度Tc3L未満であるとき、第3条件が成立すると判断する。第3条件が成立するとき(ステップS18:YES)、制御装置70は、ステップS14の燃焼許可条件が成立するか否かに応じて、バーナー31を燃焼状態(ステップS15)、もしくは、停止状態(ステップS16)に制御する。
他方、制御装置70は、第1条件の不成立(ステップS12:NO)、および、第2条件の不成立(ステップS17:NO)のとき、バーナー31を停止状態に制御する(ステップS16)。すなわち、制御装置70は、改質触媒40および第1選択還元型触媒42が活性状態にあり、かつ、NOx吸着材43が飽和状態でないときは、バーナー31を停止状態に制御して、排気ガス中のNOxをNOx吸着材43に吸着させる。
また、制御装置70は、第1条件の不成立(ステップS13:NO)、第2条件の成立(ステップS17:YES)、および、第3条件の不成立(ステップS18:NO)のとき、バーナー31を添加状態に制御する(ステップS19)。添加状態において、制御装置70は、NOx吸着材43のNOx放出量と、例えば吸入空気量Qaやエンジン回転数Ne、燃料噴射量Qf等に基づきエンジン10が排出したNOx量とを演算する。そして、制御装置70は、その演算したNOx放出量およびNOx量のNOxが第1および第2選択還元型触媒42,47にて還元される燃料添加量を演算する。制御装置70は、その燃料添加量の燃料が添加弁38から添加されるように調整弁37を制御する。
燃料が添加された排気ガスは、改質触媒40において燃料の一部が含酸素化合物に改質されてフィルター41に流入する。フィルター41において、排気ガスは、粒子性物質が捕捉されるとともに、第1選択還元型触媒42によって含酸素化合物および燃料を還元剤に用いてNOxが還元され、その還元反応によって生成されたNHを取り込む。フィルター41を通過した排気ガスは、第1選択還元型触媒42で反応しなかった燃料と、NOxの還元反応によって生成されたNHとを含む。そして、排気ガスは、NOx吸着材43が放出したNOxを取り込んで第2選択還元型触媒47に流入する。
第2選択還元型触媒47に流入した排気ガスは、HC触媒層49にて燃料を還元剤に用いてNOxが還元され、NH触媒層50にてNHを還元剤に用いてNOxが還元される。そして、第2選択還元型触媒47を通過した排気ガスは、酸化触媒54に流入し、第1および第2選択還元型触媒42,47で反応しなかった残存燃料が酸化される。
また、制御装置70は、通常処理の実行中に堆積量Mfが上限値を超えると通常処理を強制的に終了してフィルター41の再生処理を実行する。再生処理が終了すると、制御装置70は、吸着量Madをリセットしたうえで通常処理を再開する。
図6は、エンジン10をWHTCモードで運転した場合におけるNOxの浄化性能を比較した結果の一例を示すグラフである。実施例は、上述した排気浄化装置30である。比較例は、バーナー31、改質触媒40、および、NOx吸着材43を有していない排気浄化装置である。具体的には、排気通路の上流側から順に、第1燃料添加弁、燃料を還元剤とする白金系の低温型触媒、フィルター機能のみを有するフィルター、第2燃料添加弁、燃料を還元剤とする銀系の高温型触媒、NHを還元剤とする銅系の触媒、および、酸化触媒が配置された排気浄化装置である。図6に示すように、実施例の排気浄化装置30では、比較例の排気浄化装置に比べて、約10〜15%の浄化性能の向上が確認された。
上記実施形態の排気浄化装置30によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)改質触媒40および第1選択還元型触媒42の少なくとも一方が不活性状態であるときにバーナー31が燃焼状態に制御される。これにより、NOx吸着材43にNOxを吸着させながら各種触媒40,42,47,54の昇温が促進され、燃料を還元剤に用いたNOxの還元が早期に実現される。
(2)第1選択還元型触媒42では、燃料と含酸素化合物とを還元剤に用いてNOxが還元されることでNOxが効率よく還元される。
(3)上記(1)(2)によりNOxの浄化性能を向上させることができる。
(4)上記(2)により、NOxの浄化に起因する燃料消費量が低減される。
(5)改質触媒40および第1選択還元型触媒42が活性状態であり、かつ、NOx吸着材43が飽和状態でないときにバーナー31が停止状態に制御される。このとき、排気ガスで第2選択還元型触媒47および酸化触媒54を昇温させながら、排気ガス中のNOxをNOx吸着材43に吸着させることができる。
(6)改質触媒40および第1選択還元型触媒42が活性状態であり、かつ、NOx吸着材43が飽和状態であり、かつ、第2選択還元型触媒47および酸化触媒54の少なくとも一方が不活性状態であるときに、バーナー31が燃焼状態に制御される。これにより、第2選択還元型触媒47および酸化触媒54の昇温が促進される。その結果、第1および第2選択還元型触媒42,47の双方によるNOxの還元がさらに早期に実現される。
(7)燃料を還元剤に用いてNOxを還元する白金系触媒では、燃料の酸化反応も強いため、NOxの還元と燃料そのものの酸化とによって燃料のほとんどが反応してしまう。この点、銀系触媒である第1選択還元型触媒42では、燃料の酸化反応が弱く、燃料の一部が反応しないため、反応しなかった燃料を後段の触媒の還元剤に用いることができる。これにより、燃料の添加を1つの箇所で行うことができる。そして、その燃料の添加がバーナー31を構成する添加弁38によって行われることで、排気ガスに燃料を添加する添加弁を別途設ける必要がない。その結果、排気浄化装置の簡素化を図ることができる。
(8)含酸素化合物は、燃料の主成分である炭化水素の燃焼過程における中間体であるため、炭化水素に比べて反応性が高い。そのため、第1選択還元型触媒42を有するフィルター41が改質触媒40の直後に位置することで、より多くの含酸素化合物をフィルター41に供給することができる。
(9)第2選択還元型触媒47は、HC触媒層49とNH触媒層50とを備える。これにより、第2選択還元型触媒47は、第1選択還元型触媒42にて反応しなかった燃料と第1選択還元型触媒42にて生成されたNHとでNOxを還元することができる。
(10)第2選択還元型触媒47の下流に酸化触媒54が位置していることで、外気に対する燃料の排出が抑えられる。その結果、NOxを還元するうえで添加部32による燃料の添加量についての自由度が向上する。
(11)定期的に行われるフィルター41の再生処理によって吸着量Madがリセットされることから、演算値である吸着量MadとNOx吸着材43の実際の吸着量との誤差を小さくすることができる。これにより、NOx吸着材43が飽和状態であるか否かの判断についての確度が高まり、NOx吸着材43が飽和状態でないときにバーナー31が燃焼状態に制御されることが抑えられる。その結果、バーナー31における燃料の消費を抑えることができる。また、フィルター41の再生処理中に吸着量Madを演算しないことで制御装置70に対する負荷を抑えることもできる。
(12)含酸素化合物は、燃料に含まれる炭化水素よりも低い温度(例えば150℃)で燃焼が開始する。そのため、バーナー31を燃焼状態に制御せずとも、排気ガスによって昇温された含酸素化合物が燃焼することでフィルター41を再生することができる。これにより、フィルター41の再生に要する燃料量を低減することが可能である。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・酸化触媒54は、排気ガス中の残存燃料が極少量、または、許容範囲に収まるのであれば割愛されてもよい。この場合、通常処理のステップS18の処理では、第2選択還元型触媒47が不活性状態であるか否かが判断される。
・第2選択還元型触媒47は、第1選択還元型触媒42において生成されたNHを還元剤に用いてNOxを還元する機能を有していればよく、NH触媒層50のみを触媒層として有していてもよい。
・排気浄化装置30は、バーナー31と改質触媒40との間に、別途、排気ガスに燃料を添加する構成を有していてもよい。こうした場合、バーナー31は、添加状態には制御されず、停止状態、もしくは、燃焼状態に制御される。
・フィルター41は、NOx吸着材43と第2選択還元型触媒47との間に位置していてもよい。
・制御装置70は、改質触媒40および第1選択還元型触媒42の少なくとも一方が不活性状態である第1条件を次のように判断してもよい。すなわち、制御装置70は、例えばエンジン回転数Ne、燃料噴射量Qf、および、吸入空気量Qaに基づき、排気浄化装置30に流入する排気ガス中のNOx量Qxを演算する。そして、NOx量Qxに対するNOx量Qxと第1NOx量Qx1との差の比率を第1NOx低減率R1(=(Qx−Qx1)/Qx)として演算する。制御装置70は、例えばフィルター41における排気ガスの空間速度SV1、第1触媒温度Tc1、および、NOx量Qxに基づくNOx低減率の目標値Rt1を演算し、第1NOx低減率R1が目標値Rt1未満であるか否かで第1条件の成否を判断してもよい。この目標値Rt1は、改質触媒40および第1選択還元型触媒42に対して一定量の燃料が供給された場合に触媒40,42の双方が活性状態であると判断可能なNOx低減率であり、予め行った実験やシミュレーションの結果に基づいて設定される。こうした場合、制御装置70は、例えば、エンジン10の始動後に、バーナー31の添加弁38から一定量の燃料を排気ガスに添加して第1条件の成否の初期判断を行う。そして、制御装置70は、バーナー31を燃焼状態に制御するときには、一定量の未燃燃料が改質触媒40に流入するように燃料がリッチなリッチ燃焼状態にバーナー31を制御する。また、制御装置70は、NOx量Qxが規定されたNOx量マップと、第1NOx低減率R1の目標値Rt1が規定された第1目標値マップとを各種データとしてROMに格納していることが好ましい。
・制御装置70は、NOx吸着材43が飽和状態である第2条件をNOx吸着材43の前後におけるNOx量の差に基づいて判断してもよい。この場合、NOx吸着材43と第2選択還元型触媒47との間に新たにNOx濃度センサーが配設される。
・制御装置70は、第2選択還元型触媒47および酸化触媒54の少なくとも一方が不活性状態である第3条件を次のように判断してもよい。すなわち、制御装置70は、排気流量Qeと第2NOx濃度Cx2とに基づき酸化触媒54を通過した排気ガスに含まれる第2NOx量Qx2を演算するとともに、第1NOx量Qx1に対する第1NOx量Qx1と第2NOx量Qx2との差の比率を第2NOx低減率R2(=(Qx1−Qx2)/Qx1)として演算する。制御装置70は、例えば第2選択還元型触媒47における排気ガスの空間速度SV2、第2触媒温度Tc2、および、第1NOx量Qx1に基づくNOx低減率の目標値Rt2を演算し、第2NOx低減率R2が目標値Rt2未満であるか否かで判断してもよい。この目標値Rt2は、第2選択還元型触媒47および酸化触媒54に対して一定量の燃料が供給された場合に触媒47,54の双方が活性状態であると判断可能なNOx低減率であり、予め行った実験やシミュレーションの結果に基づいて設定される。こうした場合、制御装置70は、例えば、改質触媒40および第1選択還元型触媒42における燃料の消費量を演算し、この消費量を考慮したうえで第2選択還元型触媒47に一定量の未燃燃料が流入するように、燃料がリッチなリッチ燃焼状態にバーナー31を制御する。また、制御装置70は、第2NOx低減率R2の目標値Rt2が規定された第2目標値マップを各種データとしてROMに格納していることが好ましい。
・改質触媒40および第1選択還元型触媒42が活性状態にあり、かつ、NOx吸着材43が飽和状態でないとき、制御装置70は、バーナー31を添加状態に制御してもよい。こうした構成であれば、第1選択還元型触媒42でNOxが還元されるため、NOx吸着材43に流入するNOx量を低減することができる。その結果、NOx吸着材43が飽和状態に到達するまでの期間が先延ばしされるとともに、その期間に第2選択還元型触媒47および酸化触媒54を排気ガスで昇温させることができる。
・制御装置70は、改質触媒40および第1選択還元型触媒42が活性状態であるときに、NOx吸着材43の状態に関わらず、バーナー31を添加状態に制御してもよい。こうした構成によれば、改質触媒40における燃料の改質と第1選択還元型触媒42におけるNOxの還元とが行われることから、第2選択還元型触媒47が不活性状態であっても、第1選択還元型触媒42で還元された分だけNOxを低減することができる。
・制御装置70は、改質触媒40および第1選択還元型触媒42の少なくとも一方が不活性状態であり、かつ、NOx吸着材43が飽和状態に到達したことを条件としてバーナー31を停止状態から燃焼状態に制御してもよい。こうした構成によれば、バーナー31の燃焼が開始されるまでの期間、NOx吸着材43にNOxを吸着させることができる。
・制御装置70は、バーナー31を燃焼状態に制御する際の条件として燃焼許可条件を含んでいなくともよい。こうした構成によれば、例えば、エンジン10の運転状態に関わらず各種触媒の早急な昇温が必要とされる場合やエンジン10の高回転状態においてバーナー31の燃焼状態が安定する場合にバーナー31を燃焼状態に制御することができる。
・制御装置70は、改質触媒40および第1選択還元型触媒42が活性状態にあるときにバーナー31を燃焼状態に制御する場合、バーナー31において未燃燃料が発生するように燃料がリッチなリッチ燃焼状態にバーナー31を制御してもよい。こうした構成によれば、第1選択還元型触媒42においてNOxを還元しつつ、第2選択還元型触媒47の昇温を促進することができる。
・制御装置70は、酸化触媒54の状態に関わらず、第2選択還元型触媒47が不活性状態であることを条件の1つとしてバーナー31を燃焼状態に制御してもよい。
10…ディーゼルエンジン、11…シリンダーブロック、12…シリンダー、13…インジェクター、14…インテークマニホールド、15…エキゾーストマニホールド、16…吸気通路、17…ターボチャージャー、18…コンプレッサー、19…インタークーラー、20…排気通路、22…タービン、25…EGR通路、26…EGRクーラー、27…EGR弁、30…排気浄化装置、31…バーナー、32…添加部、33…着火部、34…燃料タンク、35…燃料通路、36…ポンプ、37…調整弁、38…添加弁、40…改質触媒、41…フィルター、42…第1選択還元型触媒、43…NOx吸着材、47…第2選択還元型触媒、48…モノリス担体、49…HC触媒層、50…NH触媒層、51…触媒担体、52…隙間、53…触媒担体、54…酸化触媒、55…吸入空気量センサー、56…第1温度センサー、57…第2温度センサー、58…第3温度センサー、59…第4温度センサー、60…第1NOx濃度センサー、61…第2NOx濃度センサー、62…エンジン回転数センサー、63…噴射制御部、70…制御装置。

Claims (6)

  1. 排気通路を流れる排気ガスを昇温可能なバーナーと、
    排気ガスに燃料を添加する添加弁と、
    前記バーナーおよび前記添加弁の下流に位置し、排気ガス中の燃料に含まれる炭化水素の一部を含酸素化合物に改質する改質触媒と、
    前記改質触媒の下流に位置し、排気ガス中の粒子性物質を捕捉するフィルターであって、排気ガス中の燃料と含酸素化合物とを還元剤に用いてNOxを還元してNHを生成する第1選択還元型触媒を含む前記フィルターと、
    前記改質触媒の下流に位置し、排気ガス中のNOxを吸着するNOx吸着材と、
    前記フィルターおよびNOx吸着材の下流に位置し、前記第1選択還元型触媒が生成したNHを還元剤に用いてNOxを還元する第2選択還元型触媒と、
    前記バーナーを制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記改質触媒および前記第1選択還元型触媒の少なくとも一方が不活性状態であるときに前記バーナーを燃焼状態に制御する排気浄化装置。
  2. 前記制御部は、前記改質触媒および前記第1選択還元型触媒が活性状態であり、かつ、前記NOx吸着材が飽和状態であり、かつ、前記第2選択還元型触媒が不活性状態であるときに前記バーナーを燃焼状態に制御する請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 前記バーナーは、前記添加弁と前記添加弁が添加した燃料に着火する着火部とを含み、
    前記制御部は、前記改質触媒、前記第1選択還元型触媒、および、前記第2選択還元型触媒が活性状態であるときに、前記添加弁が添加した燃料を燃焼させない添加状態に前記バーナーを制御する請求項2に記載の排気浄化装置。
  4. 前記フィルターは、前記改質触媒と前記NOx吸着材との間に位置する請求項1〜3のいずれか一項に記載の請求項1に記載の排気浄化装置。
  5. 前記第2選択還元型触媒は、積層構造体であり、
    燃料を還元剤に用いてNOxを還元するHC触媒層と、
    前記HC触媒層に積層されて前記第2選択還元型触媒の表層を構成し、前記第1選択還元型触媒が生成したNHを還元剤に用いてNOxを還元するNH触媒層とを備える
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の排気浄化装置。
  6. 前記第2選択還元型触媒の下流に位置し、排気ガス中の残存燃料を酸化する酸化触媒をさらに備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の排気浄化装置。
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