JP2016125312A - 部材間の接合構造 - Google Patents

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【課題】何れか一方の部材が支柱に対して先に溶接により固定される場合においても、これにより影響を受けることなく大地震等による振動エネルギーを十分に吸収することが可能な部材間の接合構造を提供する。
【解決手段】孔が形成される第1部材43と、貫通孔33が形成され、第1部材43よりも先に構造体に溶接固定される第2部材26と、第2部材26に形成された貫通孔33に嵌め込まれ、第1部材43の表面に接触された状態とされる介装構造体62と、少なくとも介装構造体62及び第1部材43の孔にボルトの軸を貫通させることによりこれらを締結するボルト63とナット64とを備え、第1部材43と第2部材26との間隙をαとし、介装構造体62の板厚をtとしたとき、t>αとされている。
【選択図】図2

Description

本発明は、構造物に導入される部材間の接合構造に関する。
従来より、大地震等の大きな振動エネルギーを効率良く吸収し、建築物の構造部材の損傷を防止することを目的として、特許文献1に開示される制震機構が提案されている。
特許文献1に開示される制震機構は、一対の枠部材の折れ曲り材が略X形状となるように、摩擦ダンパーを介して連結されることによって制震機構が構成され、これら枠部材の上下の連結プレートが土台や梁に固定され、直材が柱に固定されるものである。これにより、特許文献1に開示される制震機構は、大地震等が発生したときに、その振動エネルギーを摩擦ダンパーで吸収するとともに、柱の引き抜けやめり込みを防止するものとなる。
特開2001−336303号公報 特許第5422074号公報
しかし、特許文献1に開示される制震機構は、一対の折れ曲り材の枠部材を用いるものであり、これら一対の枠部材に作用する押圧力によって、摩擦ダンパーの摩擦抵抗を利用するものであることから、これら一対の枠部材に作用する押圧力が不十分となる場合に、振動エネルギーを十分に吸収することができず、建築物が倒壊するおそれがあるという問題点があった。
また、特許文献1に開示される制震機構は、一対の折れ曲り材の枠部材に作用する押圧力を利用するものであることから、建築物にブレース材を設けないものとする場合に適用することができないものとなり、大地震等による振動エネルギーを十分に吸収することができず、建築物が倒壊するおそれがあるという問題点があった。
さらに、特許文献1に開示される制震機構は、建築物にブレース材を設けるものとした場合であっても、ブレース材を設けた位置に限定して適用されるものとなることから、振動エネルギーを十分に吸収することができず、建築物が倒壊するおそれがあるという問題点があった。
また、特許文献2には、鉄板、鋼板、ステンレス板等の一対の第1部材が、面材の端部から面内方向に突出させて所定の間隔を空けて略平行に一対となって設けられ、アルミニウム等の第2部材が、一対の第1部材の間に挟み込まれて設けられることで、第1部材と第2部材との異種材料接触状態での褶動によって、地震等によって建築物に作用する振動を摩擦減衰によって吸収して、建築物の倒壊や面材の崩落を防止する技術が開示されている。
しかしながら、この特許文献2の開示技術には、鉛直に立設された柱体に対して第2部材を水平方向に向けて先に溶接固定し、その溶接された第2部材に対して、梁に連結され、又は梁のフランジを構成する第1部材を添設する際におけるより好適な構成については特段開示されていない。特に柱体に対して先に第2部材を溶接することにより、第1部材との間で施工誤差に伴う間隙が形成されることがあり、この間隙に影響を受けることなく上述した振動の摩擦減衰を吸収できる構成は従来において特段提案されていなかった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、何れか一方の部材が支柱に対して先に溶接により固定される場合においても、これにより影響を受けることなく大地震等による振動エネルギーを十分に吸収することが可能な部材間の接合構造を提供することにある。
請求項1記載の部材間の接合構造は、孔が形成される第1部材と、貫通孔が形成され、前記第1部材よりも先に構造体に固定される第2部材と、前記第2部材に形成された前記貫通孔に嵌め込まれ、前記第1部材の表面に接触された状態とされる介装構造体と、少なくとも前記介装構造体及び前記第1部材の孔にボルトの軸を貫通させることによりこれらを締結する締結部材とを備え、前記第1部材と前記第2部材との間隙をαとし、前記介装構造体の板厚をtとしたとき、t>αとされていることを特徴とする。
請求項2記載の部材間の接合構造は、請求項1記載の発明において、前記第1部材は、2枚の前記第2部材間に介装され、前記第1部材と一方の第2部材との間隙をα1、前記第1部材と他方の第2部材との間隙をα2とし、前記一方の第2部材に形成された貫通孔に嵌め込まれた介装構造体の板厚をt1とし、前記他方の第2部材に形成された貫通孔に嵌め込まれた介装構造体の板厚をt2としたとき、α1<t1、かつα2<t2であることを特徴とする。
請求項3記載の部材間の接合構造は、請求項1又は2記載の発明において、前記介装構造体は、前記第2部材よりも外側に突出するように増厚されていることを特徴とする。
請求項4記載の部材間の接合構造は、請求項1〜3のうち何れか1項記載の発明において、前記第1部材と前記介装構造体の少なくとも各接触面は、互いに異種材料で構成されていることを特徴とする。
請求項5記載の部材間の接合構造は、請求項1〜3のうち何れか1項記載の発明において、前記介装構造体は、前記第1部材へ接触する第1層と、前記締結部材へ接触する第2層とを有し、前記第1層と前記第1部材の少なくとも各接触面は、互いに異種材料で構成されていることを特徴とする。
請求項6記載の部材間の接合構造は、請求項2記載の発明において、前記2枚の第2部材の何れか一方の前記貫通孔に嵌め込まれる介装構造体は、前記ボルトと螺合可能な雌ネジが形成されていることを特徴とする。
請求項7記載の部材間の接合構造は、第1貫通孔が形成される第1部材と、第2貫通孔が形成され、前記第1部材よりも先に構造体に固定される第2部材と、前記第1部材に形成された前記第1貫通孔に嵌め込まれる第1介装構造体と、前記第2部材に形成された前記第2貫通孔に嵌め込まれ、前記第1介装構造体の表面に接触された状態とされる第2介装構造体と、少なくとも前記第1介装構造体及び前記第2介装構造体の各孔にボルトの軸を貫通させることによりこれらを締結する締結部材とを備えることを特徴とする。
請求項8記載の部材間の接合構造は、請求項1〜7のうち何れか1項記載の発明において、前記介装構造体及びこれが嵌め込まれる貫通孔は、角形状とされていることを特徴とする。
請求項9記載の部材間の接合構造は、請求項8記載の発明において、前記第1部材は、2枚の前記第2部材間に介装され、前記第2介装構造体は、何れか一方又は双方の前記第2部材における第2貫通孔に嵌め込まれていることを特徴とする。
請求項10記載の部材間の接合構造は、第1貫通孔が形成される第1部材と、第2貫通孔が形成される第2部材と、前記第1部材に形成された前記第1貫通孔に嵌め込まれる第1介装構造体と、前記第2部材に形成された前記第2貫通孔に嵌め込まれ、前記第1介装構造体の表面に接触された状態とされる第2介装構造体と、少なくとも前記第1介装構造体及び前記第2介装構造体の各孔にボルトの軸を貫通させることによりこれらを締結する締結部材とを備え、前記第1部材と前記第2部材は、それぞれ折り曲げられた端部を介して面材を挟持してなることを特徴とする。
請求項11記載の部材間の接合構造は、貫通孔が形成される第1部材と、前記第1部材よりも先に構造体に固定され、孔が形成される第2部材と、前記第1部材に形成された前記貫通孔に嵌め込まれ、前記第2部材の表面に接触された状態とされる介装構造体と、少なくとも前記介装構造体及び前記第2部材の孔にボルトの軸を貫通させることによりこれらを締結する締結部材とを備え、前記第1部材と前記第2部材との間隙をαとし、前記介装構造体の板厚をtとしたとき、t>αとされていることを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、地震による振動が構造物に加わった場合、面材は、壁枠に対して相対的に水平方向に向けて、換言すれば面材の面内方向に向けて振動、変位することとなる。かかる場合に、面材及びこれに連結されている第2部材、更にはこの第2部材に嵌め込まれる介装構造体は、壁枠に連結されている第1部材に対して相対的に変位していくこととなる。実際には、この介装構造体における貫通孔に挿入されているボルトの軸が、第1部材における水平長孔を、その地震に応じて水平方向に往復振動することとなる。このとき介装構造体は、第1部材の表面に押圧されている状態になっているが、このようなボルトの軸による水平長孔中の水平変位に応じて、介装構造体が第1部材の表面上を摺動することとなる。即ち、介装構造体が第1部材に押圧された状態で紙面奥行き方向及び紙面手前方向に向けて交互に摺動することとなる。その結果、第1部材の表面とこれに対して押圧する介装構造体との間で互いに摩擦が作用することとなる。そして、この摩擦に応じて地震による振動エネルギーが摩擦減衰によって吸収されることとなる。
本発明を適用した部材間の接合構造の斜視図である。 本発明を適用した部材間の接合構造の側面図である。 本発明を適用した部材間の接合構造において、介装構造体の板厚をより増厚させた例を示す図である。 (a)は、接合構造を鉛直下向きに視認した状態を示す平面図であり、(b)は、介装構造体の平面形態を長方形状で構成した例を示す図である。 介装構造体を2層構造で構成した例を示す図である。 介装構造体の内部にボルトの足を螺合可能な雌ネジを形成した例を示す図である。 一の第2部材と、第1部材間のみで接合を行う例を示す図である。 介装構造体の代替として、厚座金を介装する例を示す図である。 介装構造体を3層からなる座金で構成する例を示す図である。 一の座金を外側に向けて中心へ徐々に縮径化させた形状で構成した例を示す図である。 第1部材に嵌め込まれる第1介装構造体と、第2部材に嵌め込まれる第2介装構造体とを互いに当接させる例について説明するための図である。 図11の形態について一方の第2部材の構成を省略し、他方の第2部材と第1部材間のみで接合を行う例を示す図である。 柱体として、鋼管柱を使用するのではなく、H形鋼を使用する例を示す図である。 本発明を適用した部材間の接合構造の他の実施形態を示す側面図である。 本発明を適用した部材間の接合構造の他の実施形態を示す平面図である。 本発明を適用した部材間の接合構造を、板ガラスを配設する構造体に適用する例を示す図である。 図16における板ガラスを配設する構造体の他の形態について示す図である。 ターンバックルに本発明を適用する場合について説明するための図である。 第2部材に介装構造体を嵌め込むことなく、第1部材に介装構造体を嵌め込む形態を示す図である。 第2部材について中継部材を介して柱体に取り付ける例を示す図である。
以下、本発明を適用した部材間の接合構造100を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した接合構造100は、図1に示すような柱体41と梁42の接合構造に適用される。この接合構造100において、略鉛直方向に立設されたいわゆる鋼管柱としての柱体41には、第2部材26が、面内方向が水平方向となるように延長されている。また、梁42は、ウェブ44の上端において、フランジを構成する第1部材43aが取り付けられ、ウェブ44の下端において、同じくフランジを構成する第1部材43bがそれぞれ取り付けられる。
図2は、かかる接合構造100の詳細な断面図を示している。
第1部材43a、43bは、ウェブ44に対して面内方向が水平方向となるように外側に延長されている。第1部材43a、43bには、それぞれ孔101が形成されている。各孔101には、ボルト63の軸が挿通される。第1部材43は、鋼板、アルミニウム板、ステンレス板、真鍮板等のようにあらゆる種類の金属製の板材で構成されている。
第2部材26は、柱体41に対して溶接により固定される。この第2部材26は、柱体41に対して梁42が接合される前において、先に柱体41に固定される。第2部材26は、詳細には、第2部材26aとこれに対して下方に離間して取り付けられる第2部材26bとからなる。この第2部材26aと、第2部材26bとの間に、梁42を構成する第1部材43が介装されることとなる。
第2部材26a、26bには、貫通孔33が形成されている。この貫通孔33には、それぞれ介装構造体62が嵌め込まれる。介装構造体62は、鋼板、アルミニウム板、ステンレス板、真鍮板、レジン、ゴム、樹脂板等により構成されている。この介装構造体62にはほぼ中央に貫通孔62dが形成されていわゆる環を形成するように構成されている。この介装構造体62の外形及びサイズは、これが嵌め込まれる第2部材26の貫通孔33の形状、サイズに応じたものとなっている。即ち、貫通孔33が円形であれば、介装構造体62の外形は、貫通孔33よりも僅かに縮径された円形状とされている。同様に貫通孔33が角形状であれば、介装構造体62の外形も当該貫通孔33よりも僅かに縮径された同様の角形状となる。更に、この介装構造体62の板厚は、いかなるもので構成されていてもよいが、図2の例では、第2部材26a、26bの表面から突出しない程度の厚みとされている。ちなみに、この介装構造体62は、貫通孔33に対してほぼ隙間無く嵌合されている場合以外に、遊びを持たせた状態で遊嵌させるようにしてもよい。
ボルト63は、その軸が介装構造体62における貫通孔62d、第1部材43における孔101にそれぞれ挿通されている。このボルト63の軸先端は、ナット64により螺着されている。このようなボルト63とナット64による締め付けを行うことで、ボルト63の頭部からの圧縮力がボルト63の頭部とナット64との間で発生する圧縮力は、第2部材26aにおける介装構造体62、第1部材43、第2部材26bにおける介装構造体62を介して伝達されることとなる。その結果、介装構造体62から第1部材43の両面に対して押圧力が負荷された状態で固定することが可能となる。なお、ボルト63とナット64との間でいわゆる高力ボルト接合を行うようにしてもよい。
次に上述した構成からなる本発明における作用効果について説明をする。
地震による振動が構造物に加わった場合、梁42は、柱体41に対して相対的に水平方向に向けて、換言すれば第1部材26の面内方向に向けて振動、変位することとなる。かかる場合に、第1部材26は、第2部材33に嵌め込まれる介装構造体62に対して相対的に変位していくこととなる。実際には、この介装構造体62における貫通孔62dに挿入されているボルト63の軸が、第1部材43における孔101に対して、その地震に応じて水平方向に往復振動することとなる。このとき介装構造体62は、第1部材43の表面に押圧されている状態になっているが、このような水平変位しようとする力に応じて、介装構造体62が第1部材43の表面上を摺動することとなる。即ち、図2で示すところの介装構造体62が第1部材43に押圧された状態で紙面左右方向に向けて交互に摺動することとなる。その結果、第1部材43の表面とこれに対して押圧する介装構造体62との間で互いに摩擦が作用することとなる。そして、この摩擦に応じて地震による振動エネルギーが摩擦減衰によって吸収されることとなる。
従って本発明は、大地震等による振動エネルギーを十分に吸収することが可能な接合構造100として具現化することが可能となる。
特に本発明によれば、第1部材43と介装構造体62とが互いに異種材料で構成されていることにより、異種材料接触状態でこれらを互いに褶動させることもできる。ここで、異種材料接触状態とは、鉄材又は鋼材とアルミニウムとが接触する異種金属接触状態や、鉄材又は鋼材と真鍮とが接触する異種金属接触状態、鉄材又は鋼材とステンレスとが接触する異種金属接触状態、鉄材又は鋼材と金属粉を含有する樹脂とが接触する異種材料接触状態、鉄材又は鋼材と金属粉を含有しない樹脂やゴムとが接触する異種材料接触状態等をいう。即ち、この異種材料接触状態は、第1部材43と介装構造体62を構成する材料が異なるものであれば、いかなるものであってもよい。これにより、上述した摩擦減衰をより効果的に作用させることが可能となる。特に鉄板、鋼板等とアルミニウム板等との間で異種材料接触状態を形成させることにより、互いの摩擦係数の相違により、摩擦力をより強く作用させることができ、より摩擦減衰を働かせることが可能となる。なお、第1部材43自体と介装構造体62自体とが互いに異種材料で構成されている場合以外に、少なくとも第1部材43と介装構造体62とにおける接触面が異種材料で構成されていればよい。これにより、上述した効果を奏することは勿論である。
第1部材43と介装構造体62と接触面における平滑度を向上させることで、これらが異種材料接触状態で褶動するときに、鉄板、鋼板等とアルミニウム板等との間でアルミニウム等が鉄板、鋼板等に部分的に溶け込むものとなり、各々の金属粒子が一体化されて界面を形成させることなく、金属流動する部位が形成されるものとなる。これにより、本発明を適用した接合構造100では、界面を形成する摩擦抵抗と比較して、著しく高い摩擦係数を得ることができ、建築物に作用する振動に対する吸収性能を著しく向上させて、建築物の倒壊や面材の崩落を確実に防止することが可能となる。
また、本発明によれば、最初に柱体41に対して第2部材26a、26bを溶接により接合し、その後に梁42における第1部材43a、43bをそれぞれ第2部材26a、26b間に介装させ、貫通孔33に介装構造体62を嵌め込んだ上でボルト63、ナット64を介して固定している。このとき、第2部材26を柱体41に溶接する際の位置ずれや施工誤差が発生する場合があり、その結果、第2部材26と第1部材43との間には間隙が生じる場合がある。この間隙の総和をαとする。即ち、このαは、第1部材26aと第2部材43aとの間の幅と、第1部材26bと第2部材43aとの間の幅との和で表される。
ここで介装構造体62の板厚をtとしたとき、t>αとされていることが前提となる。これにより、第2部材26を柱体41に溶接する際の位置ずれや施工誤差が発生した場合においても、介装構造体62の板厚tがαを下回ることがないことから、第2部材26からの振動を介装構造体62を介して第1部材43へ着実に伝えることが可能となる。
図3は、本発明を適用した接合構造100の他の実施の形態を示している。この例では、介装構造体62の板厚をより増厚させた構成としている。具体的には、介装構造体62を、第2部材よりも外側に突出するように増厚されている。かかる場合においても、介装構造体62の板厚tは、t>αの条件を満たすように設定することで、第2部材26からの振動を介装構造体62を介して第1部材43へ着実に伝えることが可能となる。係る構成において、ボルト63の頭部と介装構造体62の間、及びナット64と介装構造体62との間には、ワッシャー111が介装されている。
また、この図3に示す実施形態によれば、第2部材26の板厚に対して、介装構造体62の板厚を増厚させているため、以下に説明する効果を奏するものとなる。即ち、第2部材26を柱体41に対して寸分の誤差も無く所定位置に調整して溶接することは困難である。通常は、図3に示すように第2部材26a、26bの間隔が、第1部材43の板厚よりも広く構成される場合が多い。かかる場合には、第1部材43が第2部材26a、26bの間に遊嵌された状態となる。このような状態とされていた場合に、第1部材43と一方の第2部材26aとの間隙をα1、第1部材43と他方の第2部材26bとの間隙をα2とし、一方の第2部材26aに嵌め込まれた介装構造体61−1の板厚をt1とし、他方の第2部材26bに形成された貫通孔に嵌め込まれた介装構造体61−2の板厚をt2としたとき、α1<t1、かつα2<t2とされていることが必須となる。これにより、第2部材26における柱体41への取り付け位置に対する寸分の誤差を吸収することが可能となる。
図4(a)は、接合構造100を鉛直下向きに視認した状態を示す平面図である。この例では、介装構造体62の平面形態を四角形状で構成した例である。介装構造体62が嵌め込まれる貫通孔33についても同様にこの介装構造体62の外径形状に対応させた四角形状で構成されることとなる。なお、介装構造体62と貫通孔33との間には僅かに間隙が形成されている場合があるが、これに対しては例えば点溶接113を施すことにより、介装構造体62と貫通孔33とを互いに強固に固定することが可能となる。
図4(b)は、介装構造体62の平面形態を長方形状で構成した例である。介装構造体62が嵌め込まれる貫通孔33についても同様にこの介装構造体62の外径形状に対応させた長方形状で構成されることとなる。なお、介装構造体62と貫通孔33との間に僅かに形成された間隙には、同様に点溶接113が施されることとなる。ちなみに介装構造体62の平面形態は、四角形状のみならず、三角形、五角形、六角形その他の多角形状で構成されていてもよく、貫通孔33もその介装構造体62の平面形態に応じた形状とされていることにより互いの嵌合が実現できる。このように介装構造体62及び貫通孔33を角形状で構成することにより、これら介装構造体62がボルト63の回転操作に応じてとも回りしてしまうのを防止することが可能となる。
図5は、介装構造体62を2層構造で構成した例を示している。この例では、介装構造体62について、第1部材43へ接触する第1層62aと、ボルト63及びナット64へ接触する第2層62bとにより構成した例を示している。ちなみに、第2層62bがボルト63及びナット64へ接触することの意味するところは、上述したワッシャー111を介してボルト63及びナット64等の締結部材に接触することも含まれる。
ここで、第1部材43と第1層62aとは、互いに異種材料で構成されている。これにより、上述した異種材料接触状態でこれらを互いに褶動させることもできる。即ち、この異種材料接触状態は、第1部材43と第1層62aとを構成する材料が異なるものであれば、いかなるものであってもよい。これにより、上述した摩擦減衰をより効果的に作用させることが可能となる。特に第1部材43を鉄板、鋼板等で構成し、第1層62aをアルミニウム板や、アルミニウム合金、銅合金、青銅、ステンレス等からなる板材で構成することで、両者間でより好適な異種材料接触状態を形成させることが可能となる。このとき、第1部材43及び第1層62aのそれぞれの接触面が少なくとも異種材料で構成されていてもよい。
図6は、介装構造体62の内部に、ボルト63の足を螺合可能な雌ネジ62cを形成した例を示している。介装構造体62のほぼ中央には孔が形成され、その孔の内壁に雌ネジ62cが形成されている。このような構成を採用することにより、ナット64を設ける必要が無くなり、部品点数を少なくすることによる施工コストの抑制を図ることが可能となる。なお、ボルト63の頭部に相当するナット64と、これに螺合可能なネジ棒201により、上述したボルト63に代替させるようにしてもよい。この介装構造体62の平面形態は、円形以外に多角形状で構成されていてもよく、特にこれが多角形状の場合にはとも回りを防止することが可能となる。
図7は、第2部材26bの構成を省略し、第2部材26aと、第1部材43間のみで接合を行う例を示している。第1部材43の下側からボルト63を挿通させて、介装構造体62、及びワッシャー111から突出されたボルト63の上端をナット64により螺着固定する。
図8〜10は、本発明の変形例を示している。これら変形例において、上述と同一の部材及び構成要素については同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
図8の例では、介装構造体62の代替として、厚座金362を介装する例を示している。厚座金362は、第2部材26a、第1部材43、第2部材26bに至るまで連続する一体的に形成されるものであり、その上下端はワッシャー111を介してボルト63、ナット64により締結される。
図9の例では、介装構造体62を3層からなる座金363a、363b、363cで構成した例を示している。第2部材26の板厚が厚い場合において、このような座金363a〜363cを積層させることにより、その積層体トータルの厚みを、第2部材26の板厚よりも厚くすることが可能となる。
図10の例では、座金363aを外側に向けて中心へ徐々に縮径化させた形状、換言すれば略円錐状で構成した例を示している。またこの座金363aの形状は外側に向けて凸状の曲面形状とされていてもよい。この座金363aに嵌合される座金363bについてもその円錐形状を嵌合可能な凹部が形成され、外側に向けて中心へ徐々に縮径化させた形状、換言すれば略円錐状からなる。最外側の座金363cについても、座金363bの円錐形状からなる凸部を嵌合可能な凹部が形成されている。このような構成とすることで、座金363a〜363cを積層させて配置する際のセンタリングを高精度に実現できる。
図11は、第2部材26aに設けられた貫通孔33に第2介装構造体62−2を嵌め込み、さらに、第1部材43に設けられた貫通孔133に第1介装構造体62−1を嵌め込んだ例を示している。第1介装構造体62−1と第2介装構造体62−2は互いに当接された状態にある。この第2介装構造体62−2は、第1介装構造体62−1よりも径大となるように構成されている。少なくとも第1介装構造体62−1及び第2介装構造体62−2の各孔にボルト63の軸を貫通させることによりこれらを互いに締結する。これら第1介装構造体62−1及び第2介装構造体62−2は、別部材で構成される場合には、第2介装構造体62−2の径をより大きく構成し、第1介装構造体62−1の径をこれよりも縮径して構成するようにしてもよい。これにより、ボルト63とナット64による締め付け固定を行う上で、応力が第1介装構造体62−1に向けて集中させることができ、ひいては安定したボルト固定を実現できる。また、第1介装構造体62−1と第2介装構造体62−2とを互いに同一の径により構成するようにしてもよいし、第2介装構造体62−2が第1介装構造体よりも縮径されていてもよいことは勿論である。また、第1介装構造体62−1と、第2介装構造体62−2は、互いに分離されることなく同一部材で構成するようにしてもよい。また第1介装構造体62−1が第2介装構造体62−2に対して嵌合可能に構成されていてもよい。
このような図11に示す構成においても同様に、第1介装構造体62−1が第2部材26bに押圧された状態で紙面左右方向に向けて交互に摺動することとなる。その結果、第2部材26bの表面とこれに対して押圧する介装構造体62−1との間で互いに摩擦が作用することとなる。そして、この摩擦に応じて地震による振動エネルギーが摩擦減衰によって吸収されることとなる。
ちなみに、第2部材26bには特段介装構造体62を設けないこととしているが、これに限定されるものではなく、第2部材26bに対して介装構造体62を同様に設けるようにしてもよい。かかる場合には、第2部材26bに設けられた介装構造体を、上述した第1介装構造体62−1と接触させるようにして配設する。かかる場合においても、第2部材26bに対して介装構造体62の径を第1介装構造体62−1よりも縮径するようにしてもよいし、拡径するようにしてもよい。
図12は、図11の形態について第2部材26bの構成を省略し、第2部材26aと、第1部材43間のみで接合を行う例を示している。第1部材43の下側からボルト63を挿通させて、介装構造体62、及びワッシャー111から突出されたボルト63の上端をナット64により螺着固定する。かかる形態においても同様に、第2部材26aに設けられた貫通孔33に第2介装構造体62−2を嵌め込み、さらに、第1部材43に設けられた貫通孔133に第1介装構造体62−1を嵌め込み、第1介装構造体62−1と第2介装構造体62−2は互いに当接された状態にある。この例においても、上述した効果を奏することは勿論である。
また、図13は、柱体41として、鋼管柱を使用するのではなく、H形鋼を使用する例を示している。柱体41は、ウェブ312の両端にフランジ311を形成させてなり、このフランジ311に上述した第2部材26a、26bをそれぞれ溶接により先に固着させている。この第2部材26a、26bが溶接固定される高さと同一の高さとなるように、リブ211をウェブ312に対して垂直に設けている。このリブ211が設けられることにより、梁42から伝達される水平方向の振動や応力を伝達させることが可能となる。
また梁42には、金属製の添接板231がウェブ44に対して溶接により固着されてなる。この添接板231には、孔232が設けられており、ウェブ44に設けられた孔の位置と整合が取られていることで、いわゆる貫通孔となっている。
またフランジ311の外側にリブ212が設けられる。このリブ212は、その上端が第2部材26bに接触し、その下端が第2部材26aに接触するようにしてもよい。またこのリブ212に対して金属製の添接板213が溶接により固着される。この添接板213には、孔233が設けられており、リブ212に設けられた孔234の位置と整合が取られていることにより、いわゆる貫通孔となっている。
梁42を実際に柱体41に固定する際には、図13に示すように、梁41のフランジを構成する第1部材43a、43bを、柱体41に溶接により先に固着されている第2部材26a、26b間に挿入する。また、梁42における添接板231を、リブ212に添わせ、同様に添接板213をウェブ44に添わせる。そして、孔232、233、234を介してこれらをボルト接合する。ちなみに、第1部材43と第2部材26との接合は、上述した何れの実施形態を適用するようにしてもよい。つまり、ボルト63、ナット64を介して、介装構造体62を押圧固定することとなる。
図14の形態では、柱体41を鋼管柱で構成し、第2部材26bの構成を省略し、第2部材26aと、第1部材43間のみで接合を行う例の側面図であり、図15は、その平面図を示している。下側の第2部材26aは、長手方向がx方向となるように配設される矩形状の金属板で構成されてなり、下階を構成する柱体41の上端に溶接により取り付けられている。同様に上側の第2部材26aも長手方向がx方向となるように配設される矩形状の金属板で構成されてなり、上階を構成する柱体41の下端に溶接により取り付けられている。上側の第2部材26aと、下側の第2部材26aとの間には、介装用鋼管511が設けられる。この介装用鋼管511は、柱体41を構成する鋼管柱41とほぼ同一のサイズ及び形状で構成されており、平面視において柱体41を構成する鋼管柱と重複する位置に設けられる。ボルト63は、介装構造体62の孔に形成された雌ネジに螺着されることとなる。
また、第2部材26aの上面には、フランジ板512が、また第2部材26aの下面にはフランジ板513がそれぞれ設けられている。このフランジ板512は、平面視においてx方向と垂直方向であるy方向が長手方向となるように延長されている。このフランジ板512に対しても図示しない梁が取り付けられる。その図示しない梁の取り付け方法はいかなる方法で具現化されるものであってもよいが、フランジ板512に対して、上述した2枚一組の第2部材26a、26bと同様の役割を担わせるようにしてもよい。
第2部材26aは、上述した図7等と同様の形態により、第1部材43に取り付けられる。
また当該実施形態においては、介装用鋼管511を第1部材43とみなして構成するようにしてもよい。かかる場合には、第2部材26´を、第2部材26aの上端に先に溶接により固着し、この第2部材26´における図示しない貫通孔に嵌め込まれた介装構造体62を介装用鋼管511に接触させつつこれをボルト63により接合するようにしてもよい。
なお添接板213、231については、それぞれ第2部材26´との干渉を避ける観点から、その下端をカットさせて構成している。
また第2部材26が先に溶接される対象は、柱体41のみならず、他のいかなる構造体を含むものであってもよい。また本発明においては、第2部材が柱体41に対して先に溶接される場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではなく、先に柱体41に固定される者であればよい。この固定方法としては、溶接以外に接着やテープによる貼り付け、その他いかなる方法で固定されるものであってもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、図16に示すように板ガラス30を配設する構造体300に適用される。この構造体300では、板ガラス30を、上枠401と下枠402との間に配設する。板ガラス30は、ケイ酸塩を主成分とするフロート製法で製造された一般的なフロートガラスからなり、長方形状(矩形状)を呈する。勿論、板ガラス30は、フロートガラスに限られず、網入りガラス、強化ガラス、熱線反射ガラスなど他の材質からなる板状のガラスであってもよく、ポリカーボネートやアクリル樹脂などの有機ガラスであってもよい。つまり、板ガラス30は、窓として機能する所定の剛性を有する透明又は半透明の面材であればよい。また、窓として使用しない場合や外壁に使用しない場合は、光透過性や耐水性も要求されない。要するに、板ガラス30は、ガラス製に限定されるものではなく、住宅の壁面を構成する面材であれば特に限定されるものではない。
板ガラス30は、板ガラス30aと板ガラス30bからなるいわゆるペアガラス構造とされており、その下辺部の表側が下プレート411、412に、それぞれ接着材により接着されている。また板ガラス30aと板ガラス30bとの間には、介装プレート413が介装された状態で接着材により接着されている。下プレート411、412の下端は下枠402とほぼ平行となるように折り曲げられる。また、介装プレート413の下端には、別の介装プレート414が下枠402とほぼ平行となるように取り付けられる。なお、下枠402と平行となるように折り曲げられた下プレート411、412及び介装プレート414は、下枠402に対してボルト417、ナット418を介して取り付けられている。
また上枠401に対しては先に第2部材26a、26bが溶接により固着されている。またまた、板ガラス30a、30bの上辺側には、第1部材43が接着材を介して取り付けられている。この図16の例では、2枚の板ガラス30a、30bの外側と、これらの間に合計3枚の第1部材43が貼着される場合を示している。これら第1部材43と第2部材26との間においても、上述した介装構造体62を嵌め込んだいかなる構造が適用されることとなる。ちなみに、この図16の例では、第1部材43に嵌め込まれた介装構造体62と、第2部材26に嵌め込まれた介装構造体62をそれぞれ接触させる構成を採用しているが、これに限定されないことは勿論である。
なお、これら介装構造体62は、ボルト63、ナット64等の締結部材により締結されることとなるが、ナット64と介装構造体62との間にワッシャー111が介装されていてもよく、更にこのワッシャー111とナット64との間にはバネ119が介装されていてもよい。
特にこの下プレート411、412の折曲げ角度が高精度に90°に折り曲げられている場合のみならず、多少なりともその折曲げ角において誤差が発生している場合もある。かかる場合には、下プレート411、412、介装プレート413に介装される板ガラス30a、30bの延長方向が、上枠401に対して垂直にならず、斜めになってしまう。しかしながら、この上枠401に対しては、先ず溶接により第2部材26a、26bが固着され、その後これに対して板ガラス30に取り付けられた第1部材43を取り付けていくこととなる。このため、第2部材26a、26bの面内方向と、第1部材43の面内方向とが必ずしも同一にならない場合がある。従って、第2部材26a、26bの間隔を第1部材43の板厚よりも緩めに設定しておき、かかる第2部材26a、26b間に第1部材43を遊嵌させる。
その結果、第2部材26a、26bと第1部材43との間でトータルの間隙の総和αが出てくるが、介装構造体62の板厚tとの間でt>αの関係が成り立つことは勿論である。つまり、介装構造体62の板厚を厚く構成することにより、上述したような第2部材26a、26bの面内方向と、第1部材43の面内方向が同一でなく、角度ズレが生じる場合においてもこれを吸収することが可能となる。
なお、上述した実施の形態においては、板ガラス30a、30bからなるペアガラスを例に取り説明をしたが、これに限定されるものではなく、1枚の板ガラス30で構成されるものであってもよいし、3枚以上の板ガラス30で構成されるものであってもよい。
また図17は、上述した下プレート411、412、介装プレート414を、第1部材43、第2部材26として、介装構造体62を嵌め込んだ例を示している。この例では、介装プレート414、下プレート411に対して介装構造体62を嵌め込んだ例を示しており、係る介装構造体62は、介装プレート414に嵌め込まれているものの方が、下プレート411に嵌め込まれているものよりも径大に構成されている。また、これら介装構造体62は互いに接触してなり、その板厚tは、トータルの間隙の総和αとの関係でt>αが成立している。
ちなみに介装構造体62は、下プレート412に嵌め込まれていてもよい。かかる場合には、下プレート411に嵌め込まれる介装構造体62の径が最小となり、次に介装プレート414に嵌め込まれる介装構造体62となり、下プレート412に嵌め込まれる介装構造体62の径が最大となるが、大小関係はその逆であってもよし、介装構造体62が最大とされていてもよい。また介装構造体62は、下プレート411よりも更に外側に位置する保護プレート601に嵌め込まれていてもよい。
なお、介装プレート414と、介装プレート413とは互いに溶接により固着されているため、完全に垂直とはならない場合も多々ある。かかる場合にボルト417とナット418を介して螺着固定を行うと角度ズレが生じて、下プレート411、412、介装プレート414間で隙間が生じてしまう。
かかる場合においてトータルの間隙との総和αとの関係において介装構造体62の板厚が設定されていることにより、上述した所期の作用効果を奏することとなる。
図18は、いわゆるターンバックル160に本発明を適用する場合について示している。ターンバックル160は、構造体181に溶接により先に固着される第2部材26a、26bと、この第2部材26a、26bに設けられた貫通孔に嵌め込まれ、第1部材43に接触する介装構造体62と、これら介装構造体62、第1部材43に挿通されるボルト63とこれに螺着されるナット64とを備えている。第1部材43の他端は、一端にネジが形成されたネジ棒243の他端に溶接により固着される。このようなターンバックル160に作用させる場合においても上述と同様の効果を得ることが可能となる。なお、ボルト63は、介装構造体62に対しては遊嵌されている状態となっているが、第1部材43に設けられた孔には、ほぼ隙間無く嵌合されることとなる。
図19は、第2部材26に介装構造体62を嵌め込むことなく、第1部材43に介装構造体62を嵌め込む形態を示している。この例では、一枚の第2部材26に2枚の第1部材43を挟持させている。第2部材26は、柱体41に対して先に溶接により固着されている。第1部材43は、貫通孔にそれぞれ介装構造体62が嵌合されており、この介装構造体62は、第2部材26に接触する構成とされている。また、介装構造体62、第2部材26に挿通されるボルト63とこれに螺着されるナット64とを備えている。ボルト63は、介装構造体62に対しては遊嵌されている状態となっているが、第1部材43に設けられた孔には、ほぼ隙間無く嵌合されることとなる。かかる形態において、αは、同様に第1部材26aと第2部材43aとの間の幅と、第1部材26bと第2部材43aとの間の幅との和で表され、介装構造体62の板厚をtとしたとき、t>αとされていることが前提となる。第1部材43には他の部材244が取り付けられる。なお、このような図19の構成を前提とする場合においても、図1〜18に示す何れの技術思想が反映されていてもよい。
図20は、第2部材26a、26bに介装構造体62を嵌め込み、第2部材26a、26b間に挟持された第1部材43にこの介装構造体62を接触させる点は上述と同様である。但し、これら第2部材26a、26bが直接柱体41へ溶接により固着されているのではなく、中継部材726を介して柱体41へ取り付けられている。この中継部材726は、柱体41に溶接により先に固着される。この中継部材726に対してスペーサー763を介して第2部材26a、26bが取り付けられる。この中継部材726と第2部材26a、26bとの締結は、ボルト63とナット64を介して行うようにしてもよい。また、スペーサー763については特段必須ではなく、省略するようにしてもよい。かかる構成においても、第2部材26は、第1部材43よりも先に柱41側に固定されるため、上述と同様の効果を奏する。
なお貫通孔33に介装構造体62を嵌め込む際において、この介装構造体62と貫通孔33の径を限りなく同一になるように近づけても結局のところは、嵌合作業の容易性の観点から1mm以下の直径差を設ける必要が出てくる。その結果、貫通孔33に介装構造体62を嵌め込んだときに、かかる直径差に基づくガタが発生してしまう場合がある。このようなガタを無くすために、貫通孔33と介装構造体62との間に、液体(接着剤、潤滑剤)を注入するようにしてもよい。液体として接着剤を使用する際には、例えばシリコン系接着剤と、エポキシ系接着剤からなる2液タイプのものを使用してもよい。また、直径差を更に小さくするため、潤滑剤を用いて現場にて注入するようにしてもよい。
また、本発明によれば、貫通孔33にテーパーを設けるようにしてもよい。テーパーが形成された貫通孔33に介装構造体62を挿入することにより、貫通孔33の内周壁に介装構造体62を確実に当接させることが可能となる。これによりガタつきを防止できる。
さらに本発明によれば、介装構造体62を冷却したまま貫通孔33へ挿入し、その後両者が同温度になると直径差が殆ど同一になるようにしてもよい。即ち冷却により介装構造体62を構成する材料が収縮することとなるが、その後温度が上がると、収縮した材料が膨張することとなる。かかる現象を利用し、貫通孔33へ嵌め込む際には、冷却により介装構造体62を縮径化することで嵌め込み容易性を向上させ、その後自然に冷却状態から温度が上昇することで、貫通孔33に嵌め込まれた介装構造体62が膨らむ。その結果、貫通孔33内に隙間無く介装構造体62を嵌め込むことが可能となる。
26 第2部材
30 板ガラス
33 貫通孔
41 柱体
42 梁
43 第1部材
44 ウェブ
62 介装構造体
62a 層
62b 層
62c 雌ネジ
62d 貫通孔
63 ボルト
64 ナット
100 接合構造
101 孔
111 ワッシャー
113 点溶接
119 バネ
133 貫通孔
160 ターンバックル
181 構造体
211 リブ
212 リブ
213、231 添接板
232、233、234 孔
243 ネジ棒
244 歩合
300 構造体
311 フランジ
312 ウェブ
362 厚座金
363a 座金
363b 座金
363c 座金
401 上枠
402 下枠
411、412 下プレート
413、414 介装プレート
417 ボルト
418 ナット
511 介装用鋼管
512、513 フランジ板
601 保護プレート
726 中継部材
763 スペーサー
請求項1記載の部材間の接合構造は、孔が形成される第1部材と、貫通孔が形成され、構造体に固定される第2部材と、前記第2部材に形成された前記貫通孔よりもわずかに縮径させて前記貫通孔に嵌め込まれ、前記第1部材の表面に接触された状態とされる介装構造体と、少なくとも前記介装構造体及び前記第1部材の孔にボルトの軸を貫通させることによりこれらを締結する締結部材とを備え、前記第1部材と前記第2部材との間隙をαとし、前記介装構造体の板厚をtとしたとき、t>αとされていることを特徴とする。
請求項7記載の部材間の接合構造は、第1貫通孔が形成される第1部材と、第2貫通孔が形成され、構造体に固定される第2部材と、前記第1部材に形成された前記第1貫通孔に嵌め込まれる第1介装構造体と、前記第2部材に形成された前記第2貫通孔に嵌め込まれ、前記第1介装構造体の表面に接触された状態とされる第2介装構造体と、少なくとも前記第1介装構造体及び前記第2介装構造体の各孔にボルトの軸を貫通させることによりこれらを締結する締結部材とを備えることを特徴とする。
請求項9記載の部材間の接合構造は、請求項記載の発明において、前記第1部材は、2枚の前記第2部材間に介装され、前記第2介装構造体は、何れか一方又は双方の前記第2部材における第2貫通孔に嵌め込まれていることを特徴とする。
請求項11記載の部材間の接合構造は、貫通孔が形成される第1部材と、構造体に固定され、孔が形成される第2部材と、前記第1部材に形成された前記貫通孔に嵌め込まれ、前記第2部材の表面に接触された状態とされる介装構造体と、少なくとも前記介装構造体及び前記第2部材の孔にボルトの軸を貫通させることによりこれらを締結する締結部材とを備え、前記第1部材と前記第2部材との間隙をαとし、前記介装構造体の板厚をtとしたとき、t>αとされていることを特徴とする。

Claims (11)

  1. 孔が形成される第1部材と、
    貫通孔が形成され、前記第1部材よりも先に構造体に固定される第2部材と、
    前記第2部材に形成された前記貫通孔に嵌め込まれ、前記第1部材の表面に接触された状態とされる介装構造体と、
    少なくとも前記介装構造体及び前記第1部材の孔にボルトの軸を貫通させることによりこれらを締結する締結部材とを備え、
    前記第1部材と前記第2部材との間隙をαとし、前記介装構造体の板厚をtとしたとき、t>αとされていること
    を特徴とする部材間の接合構造。
  2. 前記第1部材は、2枚の前記第2部材間に介装され、
    前記第1部材と一方の第2部材との間隙をα1、前記第1部材と他方の第2部材との間隙をα2とし、前記一方の第2部材に形成された貫通孔に嵌め込まれた介装構造体の板厚をt1とし、前記他方の第2部材に形成された貫通孔に嵌め込まれた介装構造体の板厚をt2としたとき、
    α1<t1、かつα2<t2であること
    を特徴とする請求項1記載の部材間の接合構造。
  3. 前記介装構造体は、前記第2部材よりも外側に突出するように増厚されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の部材間の接合構造。
  4. 前記第1部材と前記介装構造体の少なくとも各接触面は、互いに異種材料で構成されていること
    を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の部材間の接合構造。
  5. 前記介装構造体は、前記第1部材へ接触する第1層と、前記締結部材へ接触する第2層とを有し、前記第1層と前記第1部材の少なくとも各接触面は、互いに異種材料で構成されていること
    を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の部材間の接合構造。
  6. 前記2枚の第2部材の何れか一方の前記貫通孔に嵌め込まれる介装構造体は、前記ボルトと螺合可能な雌ネジが形成されていること
    を特徴とする請求項2記載の部材間の接合構造。
  7. 第1貫通孔が形成される第1部材と、
    第2貫通孔が形成され、前記第1部材よりも先に構造体に固定される第2部材と、
    前記第1部材に形成された前記第1貫通孔に嵌め込まれる第1介装構造体と、
    前記第2部材に形成された前記第2貫通孔に嵌め込まれ、前記第1介装構造体の表面に接触された状態とされる第2介装構造体と、
    少なくとも前記第1介装構造体及び前記第2介装構造体の各孔にボルトの軸を貫通させることによりこれらを締結する締結部材とを備えること
    を特徴とする部材間の接合構造。
  8. 前記介装構造体及びこれが嵌め込まれる貫通孔は、角形状とされていること
    を特徴とする請求項1〜7のうち何れか1項記載の部材間の接合構造。
  9. 前記第1部材は、2枚の前記第2部材間に介装され、
    前記第2介装構造体は、何れか一方又は双方の前記第2部材における第2貫通孔に嵌め込まれていること
    を特徴とする請求項8記載の部材間の接合構造。
  10. 第1貫通孔が形成される第1部材と、
    第2貫通孔が形成される第2部材と、
    前記第1部材に形成された前記第1貫通孔に嵌め込まれる第1介装構造体と、
    前記第2部材に形成された前記第2貫通孔に嵌め込まれ、前記第1介装構造体の表面に接触された状態とされる第2介装構造体と、
    少なくとも前記第1介装構造体及び前記第2介装構造体の各孔にボルトの軸を貫通させることによりこれらを締結する締結部材とを備え、
    前記第1部材と前記第2部材は、それぞれ折り曲げられた端部を介して面材を挟持してなること
    を特徴とする部材間の接合構造。
  11. 貫通孔が形成される第1部材と、
    前記第1部材よりも先に構造体に固定され、孔が形成される第2部材と、
    前記第1部材に形成された前記貫通孔に嵌め込まれ、前記第2部材の表面に接触された状態とされる介装構造体と、
    少なくとも前記介装構造体及び前記第2部材の孔にボルトの軸を貫通させることによりこれらを締結する締結部材とを備え、
    前記第1部材と前記第2部材との間隙をαとし、前記介装構造体の板厚をtとしたとき、t>αとされていること
    を特徴とする部材間の接合構造。
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