JP2016124011A - 鋼板の切断方法および切断装置 - Google Patents

鋼板の切断方法および切断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】切り離された鋼板と切断装置との接触を防止すること。【解決手段】ヘッド31の先端からレーザLを照射して鋼板Sを切断する切断装置1を用いて、鋼板Sの製品部とスクラップ部とを分割する際に、製品部とスクラップ部との境界の一部を切断し、境界の一部を切断する場合よりも、鋼板Sの上面からヘッド31の先端までの高さHを高くした状態で、スクラップ部を分割切断することでスクラップ部の一部を鋼板Sから切り離す。【選択図】 図2

Description

本発明は、レーザを用いて鋼板を切断することで、鋼板の製品部とスクラップ部とを分割する鋼板の切断方法および切断装置に関する。
鋼板の製造過程では、製品よりも大きな鋼板を、レーザ切断機等の切断装置を用いて切断し、製品部とスクラップ部とに分割することで、所望する大きさの製品に加工する処理が行われる。この際、切り離された鋼板が、応力によって反り上がる等の変形をすることで、鋼板と切断装置の先端とが接触し、切断装置が破損する場合がある。
これに対して、例えば特許文献1には、鋼板をレーザ切断する際に、レーザ光照射部周囲に、冷却用の水を霧状に噴霧する切断方法が開示されている。特許文献1の切断方法によれば、切断時に生じる熱応力による熱変形を抑制できることから、切断後の鋼板とレーザ切断装置の先端との接触を防止することができる。
特開2000−52081号公報
しかし、特許文献1に記載の切断方法では、切断時に生じる熱応力による熱変形を抑制することができるが、鋼板の圧延工程や熱処理工程で生じる残留応力を抑制することができない。このため、鋼板の残留応力が大きい場合、切り離された鋼板が変形し、鋼板と切断装置とが接触してしまう。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、切り離された鋼板と切断装置との接触を防止することができる鋼板の切断方法および切断装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る鋼板の切断方法は、ヘッドの先端からレーザを照射して鋼板を切断する切断装置を用いて、鋼板の製品部とスクラップ部とを分割する際に、製品部とスクラップ部との境界の一部を切断し、境界の一部を切断する場合よりも、鋼板の上面からヘッドの先端までの高さを高くした状態で、スクラップ部を分割切断することでスクラップ部の一部を鋼板から切り離すことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る切断装置は、ヘッドの先端からレーザを照射して鋼板を切断するレーザ切断機と、レーザ切断機の切断動作を制御する制御部とを有し、制御部は、レーザ切断機にて鋼板の製品部とスクラップ部とを分割する際に、製品部とスクラップ部との境界の一部を切断し、境界の一部を切断する場合よりも、鋼板の上面からヘッドの先端までの高さを高くした状態で、スクラップ部を分割切断するようにレーザ切断機を制御することを特徴とする。
本発明に係る鋼板の切断方法および切断装置によれば、切り離された鋼板と切断装置との接触を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る鋼板の切断装置を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る鋼板の切断装置を示す側面図である。 切断装置のヘッドを示す一部断面図である。 本発明の一実施形態に係る鋼板の切断方法を示す説明図である。 切り離されたスクラップ部とヘッドの先端とが接触した状態を示す斜視図である。 実施例および比較例におけるノズル破損頻度を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
<切断装置の装置構成>
はじめに、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係る鋼板Sの切断装置1の装置構成について説明する。切断装置1は、鋼板Sの切断が行われる切断場に設けられ、図1に示すように、筐体2と、レーザ切断機3と、レール4a,4b,5a,5bと、制御部6とを有する。
筐体2は、内部にレール4a,4bおよびレーザ切断機3が設けられ、さらに図2に示すように、長手方向となるx軸方向の両端、且つ下端側となるz軸負方向側に、y軸方向に並ぶ一対の車輪21がそれぞれ設けられる。筐体2は、車輪21がレール5a,5b上に配置され、不図示の駆動部によって車輪21が回転することで、レール5a,5bが延在するy軸方向に移動可能に構成される。
レーザ切断機3は、図2に示すように、ヘッド31と、車輪32とを有する。レーザ切断機3は、増幅媒質にファイバーを用いたファイバーレーザ切断機であり、ヘッド31から照射されるレーザLを用いて鋼板Sを切断する。ヘッド31は、不図示の昇降手段によって上下方向であるz軸方向に昇降可能に設けられ、図3に示すように、ヘッド本体311と、ノズル312とを有する。ヘッド本体311は、円筒状の部材であり、下端にノズル312が接続される。また、ヘッド本体311の上部には、不図示のレーザ発振器から伝送されるレーザLを絞る集光レンズや、アシストガスG1を供給するアシストガス供給手段等が設けられる。アシストガスG1は、酸素ガスであり、鋼板Sの切断時に酸化反応を促進させる。ノズル312は、z軸負方向側である下端側が細くなるようにテーパーが設けられた略円筒状の部材であり、シールドガス供給口312aと、ヘッダ312bと、シールドガス供給路312cとを有する。シールドガス供給口312aは、不図示のシールドガス供給装置に接続され、シールドガス供給装置から送られるシールドガスG2をヘッダ312bへと供給する。シールドガスG2は、酸素ガスと空気とが混合されたガスである。ヘッダ312bは、ノズル312の内部に略円環状に形成され、z軸負方向側端には、シールドガス供給路312cが接続される。シールドガス供給路312cは、ヘッダ312bからノズル312の下端まで延在して、ヘッダ312bの全周に渡って設けられる。また、ヘッド本体311とノズル312の中心部には、ヘッド本体311の上端からノズル312の下端まで貫通する中空部313が形成される。ヘッド本体311の上端に設けられる集光レンズから照射されるレーザLおよびアシストガス供給手段から供給されるアシストガスG1は、中空部313を介して、ヘッド31の先端から照射および噴射される。
また、レーザ切断機3は、ヘッド31の上端部に弾性体からなる不図示の緩衝部材が設けられる。上記構成により、ヘッド31は、主に水平方向からの外力を受けた場合に、緩衝部材が外力を緩衝し、外力に応じて上端を支点にz軸方向に対して傾斜する。このため、レーザ切断機3は、水平方向から外力を受けた場合に、緩衝部材が外力を緩衝することで、外力によるヘッド31の曲がりや折損等の損傷を防止することができる。
車輪32は、y軸方向の両端に、z軸負方向側且つx軸方向に並んで一対設けられる。レーザ切断機3は、車輪32がレール4a,4b上に配置され、レーザ切断機3に設けられた不図示の駆動部によって車輪32が回転することで、レール4a,4bが延在するx軸方向に移動可能に構成される。
レール4a,4bは、筐体2の内部に、x軸方向に延在して敷設され、上部には車輪32が配置される。また、レール5a,5bは、y軸方向に延在して敷設され、上部には車輪21が配置される。
制御部6は、筐体2に接続され、筐体2のy軸方向への移動動作、並びにレーザ切断機3のx軸方向への移動動作および切断動作を制御する。
切断装置1は、図1に示す切断場に設けられ、切断場に配された鋼板S1〜S4を切断する。鋼板S1〜S4は、例えば厚さが6mm以上32mm以下程度の厚鋼板であり、予め圧延や熱処理、粗切断処理等が行われる。切断場には、レール5a,5bの間に、x軸方向に延在する鋼製の枕木7a〜7dがy軸方向に並んで設けられる。枕木7a〜7dの上には、鋼板S1〜S4が配置される。
<鋼板の切断方法>
次に、図3〜図5を参照して、本実施形態に係る鋼板Sの切断方法について説明する。
切断装置1にて切断される鋼板Sは、シャー設備等の粗切断設備にて、予め所定の大きさに切断される。鋼板Sの所定の大きさとは、図4(a)に示すように、製品部Saと斜線領域で示すスクラップ部Sbとからなる大きさである。本実施形態では、鋼板Sを切断することで、鋼板Sを製品部Saとスクラップ部Sbとに分割し、所望する大きさの鋼板を製造する。さらに、鋼板Sを切断する際、スクラップ部Sbを複数の領域に分割して切断が行われる。例えば、図4(a)に図示した例では、スクラップ部Sbは、3つのスクラップ部Sb1〜Sb3に分けて切断される。
まず、図1に示すように、枕木7a,7b上に鋼板S1,S2、および枕木7c,7d上に鋼板S3,S4がそれぞれ配される。その後、筐体2およびレーザ切断機3が、切断が行われる所定の位置へと移動し、後述する切断方法によって4枚の鋼板S1〜S4が順に切断される。
鋼板Sの切断方法について詳細に説明する。本実施例では、図4(a)に示すように、鋼板Sを製品部Saと3つのスクラップ部Sb1〜Sb3との4つの領域に分割する。はじめに、図4(a)の状態から、製品部Saとスクラップ部Sbとの境界の一部であり、スクラップ部Sb1の長手方向の長さよりも長い切断領域C1を、鋼板Sの端部から中心に向かって切断する。このとき、切断領域C1の切断は、通常切断処理にて行われる。通常切断処理とは、製品部Saとスクラップ部Sbとの分割切断をする際の、通常の切断方法である。通常切断処理では、図3に示すように、ヘッド31は、鋼板Sの上面からヘッド31のz軸負方向側の先端までの距離である高さHが所定の高さに設けられる。鋼板Sの上面からヘッド31の先端までの所定の高さは、切断装置1の仕様によって異なるが、例えば2mmとすることで一般的なレーザ切断機に適用することができる。その後、中空部313を介して鋼板SにレーザLおよびアシストガスG1が、照射および噴射され、鋼板Sが酸化反応することで切断される。アシストガスG1は、鋼板SのレーザLが照射された領域の酸化反応を促進させ、鋼板Sの切断面に生じるドロスを吹き飛ばす。さらに、レーザLおよびアシストガスG1の照射および噴射と同時に、シールドガス供給路312cから、シールドガスG2が噴射される。シールドガスG2は、アシストガスG1の直進性を高めることで、アシストガスG1の拡散を抑える。なお、通常切断処理では、レーザ切断機3が、レーザLやアシストガスG1、シールドガスG2を照射・噴射させながら、所定の移動速度でy軸方向に移動することで、y軸方向に延びる切断領域C1が所定の切断速度で切断される。この際、レーザ切断機3の移動は、筐体2に設けられた車輪21が回転し、筐体2がy軸方向に移動することで行われる。通常切断処理中の切断速度は、レーザ切断機3の仕様や鋼板Sの厚み等によって異なるが、鋼板Sが切断され、且つ破断面が製品として満足する品質となるように設定される。切断領域C1が切断された後、レーザLやアシストガスG1、シールドガスG2の照射・噴射が停止する。
次いで、レーザ切断機3がスクラップ部Sb1の短辺にあたる、図4(c)に示す切断領域C2の切断開始位置まで移動し、切断領域C2が鋼板Sの中心から端部へ向けて切断される。切断領域C2の切断は、スクラップ部Sb1,Sb2を分割する切断処理であり、切断領域C2が切断されることで、鋼板Sからスクラップ部Sb1が切り離される。なお、切断領域C2の切断は、スクラップ切断処理にて行われる。スクラップ切断処理では、ヘッド31は、図2に示す高さHが通常切断処理の場合よりも高い位置に設けられる。スクラップ切断処理時の高さHは、残留応力により反りが生じた鋼板Sの高さよりも高くなればよい。例えば、鋼板Sが厚み6mm以上32mmの一般的な厚鋼板である場合、残留応力により生じる反り量は4mm未満となる。したがって、この場合、スクラップ切断処理における高さHは4mmに設定される。
また、スクラップ切断処理では、通常切断処理よりも低い切断速度で切断が行われることが好ましい。さらに、スクラップ切断処理では、通常切断よりもレーザ切断機3のレーザ出力を下げて、レーザLを照射させることが好ましい。なお、スクラップ切断処理において、切断速度およびレーザ出力は、スクラップ切断処理時のヘッド31の高さHの条件において、切れ残りがないように鋼板Sが確実に切断される条件に設定される。さらに、スクラップ切断処理では、切断開始から所定の長さが切断されるまでの間、レーザ照射のオンオフを繰り返すパルス切断にて鋼板Sを切断する。パルス切断を行う長さは、切断装置1の仕様によって異なるが、例えば20mmとすることで一般的なレーザ切断機に適用することができる。
なお、スクラップ切断処理において、レーザ切断機3は、レーザ切断機3に設けられた車輪32が回転することで、x軸方向に移動しながら切断処理を行う。また、スクラップ切断処理における、アシストガスG1およびシールドガスG2の流量等の他の条件については、通常切断処理と同様とする。
ここで、スクラップ部Sbを分割する切断処理では、スクラップ部Sb1が鋼板Sから切り離される際に、鋼板Sに残留応力があると、切り離されたスクラップ部Sb1が、短辺側の端部が反るように変形する可能性がある。スクラップ部Sb1に反りが生じた際に、通常切断処理時のようにヘッド31の高さHが低いと、ヘッド31とスクラップ部Sb1の端部とが接触する。このとき、本実施形態のように、ヘッド31の上部に緩衝部材が設けられている場合、図5に示すように、スクラップ部Sb1による外力によってヘッド31が傾斜するため、ヘッド31とスクラップ部Sb1との接触によるヘッド31の曲がりや折損を防止することができる。しかし、ヘッド31とスクラップ部Sb1との接触は、スクラップ部Sb1の切り離し直後に生じるため、レーザLが照射された状態で生じることとなる。このため、ヘッド31内部におけるレーザLの照射経路が中空部313からずれ、ヘッド31に孔空き等の損傷が生じる。ヘッド31のノズル312に孔が開いてしまうと、アシストガスG1やシールドガスG2が漏れ、適正なガス圧を保つことができなくなる。また、ヘッド31とスクラップ部Sb1との接触により、ノズル312が損傷する場合や、変形による外力が大きいために緩衝部材では外力を完全に緩衝できずにヘッド31が曲がりや折損が生じる場合もある。
これに対して、本実施形態では、スクラップ部Sbの切断を行う際に、鋼板Sの上面からヘッド31の先端までの高さHが通常切断処理よりも高く設定される。このため、残留応力によって切り離し後のスクラップ部Sb1が反った場合でも、スクラップ部Sb1の端部とヘッド31との接触を防止することができる。なお、ヘッド31の高さHを通常切断処理時よりも高くすると、アシストガスG1が拡散するため、アシストガスG1による鋼板Sの切断面からのドロスの排出能力が低下し、破断面が荒れる可能性がある。しかし、スクラップ切断処理にて切断される切断領域C2は、スクラップ部Sbの領域であるため、破断面が荒れても品質上の問題が生じることがない。また、ヘッド31の高さHを通常切断処理時よりも高くすることで、レーザLの出力やアシストガスG1の流量等の条件によっては、切断が十分に行われずに切り残りが生じる可能性がある。これに対して、本実施形態では、スクラップ切断処理時の切断速度を通常切断処理時よりも遅くし、切断に必要な熱やアシストガスG1を十分に供給できるため、切り残りを防止することができる。さらに、本実施形態では、スクラップ切断処理時のレーザ出力を通常切断処理時よりも低くする。これにより、切断領域への過剰な熱の蓄積を防止することができることから、バーニング防止することができる。さらに、スクラップ切断処理の開始初期の切断を、パルス切断で行うことで、切断領域C2の鋼板Sの中心側の切断をする際のバーニングを抑制することができる。このため、切断領域C2を切断する際に生じるバーニングによる、製品部Saの破断面の品質低下を防止することができる。
切断領域C2が切断された後、レーザLやアシストガスG1、シールドガスG2の照射・噴射が停止する。
さらに、レーザ切断機3がスクラップ部Sb2の長辺にあたる、図4(d)に示す切断領域C3の切断開始位置まで移動し、切断領域C3が切断される。切断領域C3は、切断領域C1と同様に、製品部Saとスクラップ部Sbとの境界の一部である。切断領域C3の切断は、図4(b)に示す切断領域C1の切断と同様に行われる。つまり、切断領域C3を切断する際には、通常切断処理によって製品部Saとスクラップ部Sbとが切断される。
その後、レーザ切断機3がスクラップ部Sb2の短辺にあたる、図4(e)に示す切断領域C4の切断開始位置まで移動し、切断領域C4が切断される。切断領域C4の切断は、図4(b)に示す切断領域C2の切断と同様に行われる。つまり、切断領域C4を切断する際には、スクラップ切断処理によってスクラップ部Sb2,Sb3の分割切断が行われる。これにより、鋼板Sからスクラップ部Sb2が切り離される。
次いで、レーザ切断機3がスクラップ部Sb3の長辺にあたる、図4(f)に示す切断領域C5の切断開始位置まで移動し、切断領域C5が切断される。切断領域C5の切断は、図4(b)に示す切断領域C1の切断と同様に行われる。つまり、切断領域C5を切断する際には、通常切断処理によって製品部Saとスクラップ部Sbとが切断される。これにより、鋼板Sからスクラップ部Sb3が切り離される。
以上のように、図4(a)〜4(f)に示す切断処理の工程を経ることで、鋼板Sからスクラップ部Sbが切り離され、鋼板Sが図4(g)に示すように所望する大きさの製品部Saに加工される。また、本実施形態では、図1に示す4枚の鋼板S1〜S4が、この一連の切断処理の工程によって、順に切断される。
<変形例>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、スクラップ切断処理において一定の高さHで鋼板Sを切断するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、ヘッド31の先端の高さHを、スクラップ切断処理の後半のみ通常切断処理よりも高くし、それ以外の時期については通常切断処理と同じとしてもよい。この場合、通常切断処理と同じ高さHで切断する際には、切断速度を通常切断処理を同じ速度としてもよい。
また、上記実施形態では、図4(a)に示すように、スクラップ部Sbが製品部Saの幅方向に隣接する場合について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、スクラップ部Sbは、図4(a)と同様な平面視において、製品部Saの長手方向および幅方向にそれぞれ隣接するL字状の形状であってもよい。なお、この場合についても同様に、製品部Saとスクラップ部Sbとの切断と、スクラップ部Sbの分割切断の2種類の切断が、通常切断処理およびスクラップ切断処理の2種類の切断方法によって行われる。
また、上記実施形態では、レーザ切断機3は、ファイバーレーザ切断機であるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、結晶レーザ等の他の固体レーザ切断機が用いられてもよい。
<実施形態の効果>
(1)本発明の実施形態に係る鋼板Sの切断方法は、ヘッド31の先端からレーザLを照射して鋼板Sを切断する切断装置1を用いて、鋼板Sの製品部Saとスクラップ部Sbとを分割する際に、製品部Saとスクラップ部Sbとの境界の一部C1,C3を切断し、境界の一部C1,C3を切断する場合よりも、鋼板Sの上面からヘッド31の先端までの高さHを高くした状態で、スクラップ部Sbを分割切断することでスクラップ部Sbの一部を鋼板Sから切り離す。上記構成によれば、製品部Saとスクラップ部Sbとを切断する場合よりもヘッド31の高さを高くすることで、スクラップ部Sbが鋼板Sから切り離される際に、切り離された鋼板とレーザ切断装置との接触を防止することができる。このため、ヘッド31の破損等を防止することができ、安定的な操業が可能となるため、生産効率を向上させることができる。また、上記構成によれば、スクラップ部Sbを分割切断するため、切断後のスクラップ部Sbの取り扱いを容易にすることができる。さらに、スクラップ部Sbを分割切断し、分割切断されたスクラップ部Sb1〜Sb3の長さを短くすることで、残留応力により生じる反り量を小さくすることができる。
(2)スクラップ部Sbを分割切断する際に、製品部Saとスクラップ部Sbとを切断する場合よりも切断装置1の切断速度を低下させる。上記構成によれば、分割切断する際にヘッド31の高さHを高くすることで、レーザLのエネルギーが伝わりづらくなった場合においても、切断に必要な蓄熱を十分に行うことができる。
(3)スクラップ部Sbを分割切断する際に、切断装置1のレーザ出力を低減する。上記構成によれば、過剰に蓄熱することを防止することができるため、(2)の構成のように切断速度を低下させた場合でも、バーニングを防止することができる。
(4)ヘッド31の先端からレーザLを照射して鋼板Sを切断するレーザ切断機3と、レーザ切断機3の切断動作を制御する制御部6とを有し、制御部6は、レーザ切断機3にて鋼板Sの製品部Saとスクラップ部Sbとを分割する際に、製品部Saとスクラップ部Sbとの境界の一部C1,C3を切断し、境界の一部C1,C3を切断する場合よりも、鋼板Sの上面からヘッド31の先端までの高さHを高くした状態で、スクラップ部Sbを分割切断するようにレーザ切断機3を制御する。上記構成によれば、(1)と同様な効果を得ることができる。
次に、本発明者が行った実施例について説明する。
実施例では、鋼板Sの上面からヘッド31の先端(下端)までの高さHを、通常切断処理時には2.0mm、スクラップ切断処理時には4.0mmとして、上記実施形態と同様に鋼板Sの切断処理を行った。また、スクラップ切断処理では、通常切断処理に比べ、鋼板Sの切断速度およびレーザ切断機3のレーザ出力を5%以上20%以下の範囲で低減させた。また、実施例の比較として、比較例では、実施例の通常切断処理と同じ切断条件にて、スクラップ部Sbの分割を含む鋼板Sの切断をすべて行った。
実施例の結果、スクラップ切断処理をする際に切り残しがなく、またバーニングも発生しないことを確認した。
また、実施例および比較例の条件で同じ枚数の鋼板Sを処理した際の、ヘッド31の先端のノズル312の鋼板Sとの接触による破損の発生頻度を図6に示す。図6では、比較例に対する実施例でのノズル発生頻度の相対値を示すため、比較例でのノズル破損頻度を1として指数化した。図6に示すように、実施例におけるノズル破損頻度が0.15となり、鋼板Sとの接触によるノズルの破損頻度を85%低減でき、安定的な操業ができることを確認した。また、安定的な操業による効果として、実施例の方法を適用することにより、比較例に比べ1日当たりに鋼板Sを切断処理する量が4%増加することを確認した。
1 :切断装置
2 :筐体
3 :レーザ切断機
31 :ヘッド
311 :ヘッド本体
312 :ノズル
312a :シールドガス供給口
312b :ヘッダ
312c :シールドガス供給路
313 :中空部
4a,4b,5a,5b :レール
6a〜6d :枕木
S,S1〜S4 :鋼板
Sa :製品部
Sb :スクラップ部

Claims (4)

  1. ヘッドの先端からレーザを照射して鋼板を切断する切断装置を用いて、前記鋼板の製品部とスクラップ部とを分割する際に、
    前記製品部と前記スクラップ部との境界の一部を切断し、
    前記境界の一部を切断する場合よりも、前記鋼板の上面から前記ヘッドの先端までの高さを高くした状態で、前記スクラップ部を分割切断することで前記スクラップ部の一部を前記鋼板から切り離すことを特徴とする鋼板の切断方法。
  2. 前記スクラップ部を分割切断する際に、前記製品部と前記スクラップ部とを切断する場合よりも、前記切断装置の切断速度を低下させることを特徴とする請求項1に記載の鋼板の切断方法。
  3. 前記スクラップ部を分割切断する際に、前記切断装置のレーザ出力を低減することを特徴とする請求項2に記載の鋼板の切断方法。
  4. ヘッドの先端からレーザを照射して鋼板を切断するレーザ切断機と、
    前記レーザ切断機の切断動作を制御する制御部と
    を有し、
    前記制御部は、前記レーザ切断機にて前記鋼板の製品部とスクラップ部とを分割する際に、前記製品部と前記スクラップ部との境界の一部を切断し、前記境界の一部を切断する場合よりも、前記鋼板の上面から前記ヘッドの先端までの高さを高くした状態で、前記スクラップ部を分割切断するように前記レーザ切断機を制御することを特徴とする切断装置。
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