JP2016124010A - 鋼板の形状制御装置及び形状制御方法 - Google Patents

鋼板の形状制御装置及び形状制御方法 Download PDF

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知義 小笠原
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孝博 檀上
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隆喜 寺崎
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裕史 津山
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Abstract

【課題】操業制約条件の下で鋼板の形状及び伸張率の双方を同時に制御可能な鋼板の形状制御装置及び形状制御方法を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態である形状制御処理によれば、実績収集部11が、調質圧延中の鋼板の幅方向の形状及び伸張率の実績値を収集し、評価関数設定部12が、収集部によって収集された鋼板の幅方向の形状及び伸張率の実績値を用いて、幅方向各位置での形状目標値と形状値との偏差の2乗値と伸張率目標値と伸張率との偏差の2乗値とを同じにすると共に鋼板の形状及び伸張率の制御優先度を設定する各2乗値の重みを算出し、算出された重みが乗算された2乗値の和を評価関数として設定し、操作量設定部13が、操業制約条件の下で評価関数の値が最小になる片圧下位置及びベンダー力を少なくとも含む調質圧延機の操作量を制御周期毎に算出し、算出された操作量に従って調質圧延機を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、調質圧延工程における鋼板の形状制御装置及び形状制御方法に関するものである。
調質圧延工程は、鋼板の形状を矯正すると共に鋼板の強度を調整するために行われる圧延工程である。一般に、鋼板の形状は、圧延ロールのベンダー力(曲げ力)と片圧下とにより目標形状になるように制御される。一方、鋼板の強度は伸張率又は伸び率と呼ばれる被制御量を目標範囲内に収めることによって制御され、これは圧延機の両圧下位置及び張力を制御することによって実現できる。
ここで、鋼板の形状は伸び差率によって定量評価される。伸び差率とは、図13に示すように、長さ方向の一定区間lに対する幅方向中心位置と幅方向端部位置との間の長さ方向の伸び差Δlの比率を意味する。なお、図13に示す例は、幅方向端部位置の方が幅方向中心位置よりも鋼板Sが伸びている状態を表しており、この状態は耳伸びとされる状態である。そして、鋼板の形状不良度合いは以下に示す数式(1)で定量化される。このようにして鋼板の幅方向の形状を定量評価することができる。
Figure 2016124010
この伸び差率は、以下の数式(2)に示す関数f(x)により近似され、耳伸び、腹伸び、複合伸び等の形状不良に特徴付けられることが一般的である。
Figure 2016124010
ここで、xは鋼板の幅方向位置を示し、−1≦x≦1の範囲内に正規化されている。また、λ〜λは任意の係数を示している。
また、伸張率又は伸び率と呼ばれる物理量eは、圧延機の入側における鋼板速度(入側速度)Vinと圧延機の出側における鋼板速度(出側速度)Voutとの比を用いて以下に示す数式(3)で定義される。
Figure 2016124010
また、圧延機の入側における鋼板の板厚(入側厚)Hin及び圧延機の出側における鋼板の板厚(出側厚)Houtと入側速度及び出側速度との間にはマスフロー一定則が成り立つことから、以下に示す数式(4)が成立する。
Figure 2016124010
これらの数式(3),(4)を用いると、伸張率又は伸び率と呼ばれる物理量eは、鋼板の入側厚Hin及び出側厚Houtを変数とする以下に示す数式(5)でも表現できる。
Figure 2016124010
調質圧延工程における鋼板の形状制御及び伸び率制御に関する技術としては、特許文献1,2及び非特許文献1記載の技術がある。詳しくは、特許文献1には、ベンダー力操作及び両圧下位置操作が鋼板の形状及び伸び率の双方に影響する干渉系であることに着目し、それらの非干渉化を実現するベンダー力操作量及び両圧下位置操作量を同時に算出する技術が記載されている。特許文献2には、板幅方向の伸び差率を一定にする、つまりフラットな鋼板にするベンダー力を求める際に、ベンダー力がそのハード制約上下限に入るように板厚を設定する技術が記載されている。非特許文献1には、伸び率制御において、鋼板先端部の実績情報を用いて鋼板の塑性係数や入側板厚を推定し、推定結果に基づいて両圧下位置のダイナミック設定を行うことにより目標値への追従性を高める技術が記載されている。
特公平7−34931号公報 特許第2888364号公報
上之俊昭、空尾謙嗣、"ダイナミックプロセス制御シミュレータによる板厚・伸び率制御精度向上"、新日鐵技報第379号(2003)
しかしながら、特許文献1記載の技術は、ベンダー力操作量及び圧下操作量を被制御量である形状及び伸び率の次元に変換しているだけであり、非干渉化制御を行っていない。また、アクチュエータの設備制約や伸び率の目標範囲からの逸脱に対する対策については開示、示唆されていない。また、特許文献2記載の技術は、鋼板の形状制御のみを行っており、伸び率制御は行っていない。また、特許文献1記載の技術と同様、伸び率の設定範囲からの逸脱に対する対策については開示、示唆されていない。さらに、非特許文献1記載の技術は、両圧下位置の鋼板形状への影響を考慮してなく、伸び率によっては良好な両圧下位置の設定がかえって鋼板の形状不良を招く可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、操業制約条件の下で鋼板の形状及び伸張率の双方を同時に制御可能な鋼板の形状制御装置及び形状制御方法を提供することにある。
本発明に係る鋼板の形状制御装置は、調質圧延工程における鋼板の形状制御装置であって、調質圧延中の鋼板の幅方向の形状及び伸張率の実績値を収集する収集部と、前記収集部によって収集された鋼板の幅方向の形状及び伸張率の実績値を用いて、幅方向各位置での形状目標値と形状値との偏差の2乗値と伸張率目標値と伸張率との偏差の2乗値とを同じにすると共に鋼板の形状及び伸張率の制御優先度を設定する各2乗値の重みを算出し、該重みが乗算された2乗値の和を評価関数として設定する設定部と、操業制約条件の下で前記評価関数の値が最小になる片圧下位置及びベンダー力を少なくとも含む調質圧延機の操作量を制御周期毎に算出する算出部と、前記算出部によって算出された操作量に従って調質圧延機を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る鋼板の形状制御装置は、上記発明において、前記算出部は、鋼板の形状及び伸張率に対する調質圧延機の操作量の影響係数を用いて調質圧延機の操作量を算出することを特徴とする。
本発明に係る鋼板の形状制御装置は、上記発明において、前記操業制約条件には、調質圧延機の操作量の上下限値、調質圧延機の操作量の変更量の上下限値、及び伸張率の上下限値のうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする。
本発明に係る鋼板の形状制御方法は、調質圧延工程における鋼板の形状制御方法であって、調質圧延中の鋼板の幅方向の形状及び伸張率の実績値を収集する収集ステップと、前記収集ステップにおいて収集された鋼板の幅方向の形状及び伸張率の実績値を用いて、幅方向各位置での形状目標値と形状値との偏差の2乗値と伸張率目標値と伸張率との偏差の2乗値とを同じにすると共に鋼板の形状及び伸張率の制御優先度を設定する各2乗値の重みを算出し、該重みが乗算された2乗値の和を評価関数として設定する設定ステップと、操業制約条件の下で前記評価関数の値が最小になる片圧下位置及びベンダー力を少なくとも含む調質圧延機の操作量を制御周期毎に算出する算出ステップと、前記算出ステップにおいて算出された操作量に従って調質圧延機を制御する制御ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る鋼板の形状制御装置及び形状制御方法によれば、操業制約の下で鋼板の形状及び伸張率の双方を同時に制御することができる。
図1は、鋼板の形状及び伸張率の干渉系の構成を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施形態である鋼板の形状制御装置の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の一実施形態である形状制御処理の流れを示すフローチャートである。 図4は、鋼板形状に対する片圧下位置、ベンダー力、及び両圧下位置の影響係数を示す図である。 図5は、本発明例における評価関数値を示す図である。 図6は、本発明例における形状制御結果を示す図である。 図7は、本発明例における伸張率制御結果を示す図である。 図8は、本発明例における操作量を示す図である。 図9は、従来例における評価関数値を示す図である。 図10は、従来例における形状制御結果を示す図である。 図11は、従来例における伸張率制御結果を示す図である。 図12は、従来例における操作量を示す図である。 図13は、伸び差率の定義を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である鋼板の形状制御装置について説明する。
〔干渉系の構成〕
始めに、図1を参照して、本発明の制御対象である鋼板の形状及び伸張率の干渉系の構成について説明する。
図1は、本発明の制御対象である鋼板の形状及び伸張率の干渉系の構成を示す模式図である。本発明の制御対象である鋼板の形状及び伸張率の干渉系は、伝達関数表現で図1に示すようにモデル化できる。ここで、図中の変数は、以下に示すように時定数や鋼板の形状及び伸張率に対する影響係数を表したものである。すなわち、Tはレベリング時定数、Tはベンダー力時定数、Tは圧下時定数、Tは前後方張力時定数、gi,1は片圧下位置変更量Δuに対する形状i変化量(iは鋼板の幅方向位置を示し、i=1,2,…,Nである)、gi,2はベンダー力変更量Δuに対する形状i変化量、gi,3は両圧下位置変更量Δuに対する形状i変化量、gi,4は後方張力変更量Δutbに対する形状i変化量、gi,5は前方張力変更量Δutfに対する形状i変化量、hは片圧下位置変更量Δuに対する伸張率変化量、hはベンダー力変更量Δuに対する伸張率変化量、hは両圧下位置変更量Δuに対する伸張率変化量、hは後方張力変更量Δutbに対する伸張率変化量、hは前方張力変更量Δutfに対する伸張率変化量、sはラプラス演算子を示している。これにより、例えば伸張率[%]は以下に示す数式(6)のように表される。
Figure 2016124010
〔形状制御装置の構成〕
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態である鋼板の形状制御装置の構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態である鋼板の形状制御装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、本発明の一実施形態である鋼板の形状制御装置1は、コンピュータ等の情報処理装置によって構成され、上位システム2及び調質圧延機を制御する制御システム3と電気的に接続されている。この鋼板の形状制御装置1は、内部の演算処理装置がコンピュータプログラムを実行することによって、実績収集部11、評価関数設定部12、及び操作量設定部13として機能する。これら各部の機能については後述する。
このような構成を有する鋼板の形状制御装置1は、以下に示す形状制御処理を実行することにより、操業制約の下で鋼板の形状及び伸張率の双方を同時に制御する。以下、図3に示すフローチャートを参照して、形状制御処理を実行する際の鋼板の形状制御装置1の動作について説明する。
〔形状制御処理〕
図3は、本発明の一実施形態である形状制御処理の流れを示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、上位システム2から形状制御装置1に調質圧延工程の実行指示と共に影響係数gi,1,gi,2,gi,3,gi,4,gi,5,h,h,h,h,h、伸張率の目標値、伸張率の上下限値eL,eU、及び目標形状r(i)(i=1,2,…,N)に関する情報が入力されたタイミングで開始となり、形状制御処理はステップS1の処理に進む。形状制御処理は、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS1の処理では、実績収集部11が、制御システム3から鋼板の形状及び伸張率の実績値を収集し、収集した実績値を評価関数設定部12に入力する。これにより、ステップS1の処理は完了し、形状制御処理はステップS2の処理に進む。
ステップS2の処理では、評価関数設定部12が、今回の処理が初回の処理であるか否かを判別する。判別の結果、今回の処理が初回の処理である場合、評価関数設定部12は、形状制御処理をステップS3の処理に進める。一方、今回の処理が初回の処理でない場合には、評価関数設定部12は、形状制御処理をステップS6の処理に進める。
ステップS3の処理では、評価関数設定部12が、実績収集部11から入力された初回の処理における鋼板の形状及び伸張率の実績値を用いて、初回の処理における形状の評価関数の値と伸張率の評価関数の値とが同じになる重みを設定する正規化処理を実行する。詳しくは、本実施形態では、評価関数として、以下の数式(7)に示すような、幅方向位置での形状目標値と形状値との偏差の2乗値と伸張率目標値と伸張率との偏差の2乗値との和を採用する。数式(7)に示す評価関数fは、次元が異なる形状と伸張率とを同時に評価し、さらに形状はN点、伸張率は1点の評価関数となっているため、各2乗値に乗算する評価重みq(i)(i=1,2,…,N),q(N+1)を適切に設定する必要がある。
Figure 2016124010
ここで、r(i)(i=1,2,…,N)は幅方向位置での形状目標値、r(N+1)は伸張率目標値、y(i)(i=1,2,…,N)は幅方向位置での形状実績値、y(N+1)は伸張率実績値、q(i)(i=1,2,…,N)は形状の評価関数に対する評価重み、q(N+1)は伸張率の評価関数に対する評価重みを示している。
そこで、評価関数設定部12は、以下の数式(8)に示す制御誤差ベクトルEを定義する。また、数式(7)に示すように、評価関数fは形状及び伸張率の誤差の2乗和と言えるで、評価重みをq(i)(i=1,2,…,N),q(N+1)とすれば、N点の形状の評価関数の値は以下に示す数式(9)のようになる。また同様に、伸張率の評価関数の値は以下に示す数式(10)のようになる。
Figure 2016124010
Figure 2016124010
Figure 2016124010
そこで、評価関数設定部12は、これらを用いてN点の形状の評価関数の値と伸張率の評価関数の値とを同一にするために、評価重みq(i)(i=1,2,…,N),q(N+1)を以下に示す数式(11)のように設定する。これにより、ステップS3の処理は完了し、形状制御処理はステップS4の処理に進む。
Figure 2016124010
ステップS4の処理では、評価関数設定部12が、上位システム2から伝送される優先被制御量パラメータαを用いて形状及び伸張率の制御優先度を設定する。ここで、本実施形態では、優先被制御量パラメータαは、0〜1の範囲内で連続値をとる実数値とする。優先被制御量パラメータαの値が0に近いほど形状制御を強く動作させ、優先被制御量パラメータαの値が1に近いほど伸張率制御を強く動作させたい場合には、評価重みq(i)(i=1,2,…,N),q(N+1)を以下に示す数式(12)のように設定する。これにより、ステップS4の処理は完了し、形状制御処理はステップS5の処理に進む。
Figure 2016124010
ステップS5の処理では、評価関数設定部12が、ステップS3及びステップS4の処理結果に基づいて最終的な評価重みq(i)(i=1,2,…,N),q(N+1)の値を設定する。詳しくは、評価関数設定部12は、正規化処理と制御優先度設定処理の双方の処理結果に基づいて、評価重みq(i)(i=1,2,…,N),q(N+1)を以下に示す数式(13),(14)のように設定する。そして、評価関数設定部12は、設定した評価重みq(i)(i=1,2,…,N),q(N+1)を操作量設定部13に出力する。これにより、ステップS5の処理は完了し、形状制御処理はステップS6の処理に進む。
Figure 2016124010
Figure 2016124010
ステップS6の処理では、操作量設定部12が、評価関数設定部12によって設定された評価重みq(i)(i=1,2,…,N),q(N+1)を用いて以下に示す操業制約条件の下で数式(7)に示す評価関数fを最小化する最適化問題を解くことによって、操作量Δu,Δu,Δu,Δubt,Δuftを算出する。評価関数fを最小化する最適化問題は、2次計画問題として知られており、内点法等のアルゴリズムを用いて解くことができる。以後、操作量設定部12は、算出された操作量を制御指令として制御システム3に出力する。なお、以下に示す操業制約条件以外の制約条件として、伸張率の先端からの許容変動範囲制約、板厚上下限制約等が考えられるが、実情に応じて制約条件を追加することで所望の特性が得られる。これにより、ステップS6の処理は完了し、一連の形状制御処理は終了する。
[操業制約条件]
・両圧下位置の上下限値
Figure 2016124010
ここで、SLは両圧下位置の下限値、SUは両圧下位置の上限値、Uは現時刻の両圧下位置の実績値を示している。
・両圧下位置変更量の上下限値
Figure 2016124010
ここで、vSLは両圧下位置変更量の下限値、vSUは両圧下位置変更量の上限値を示している。
・前方張力の上下限値
Figure 2016124010
ここで、TfLは前方張力の下限値、TfUは前方張力の上限値、UTfは現時刻の前方張力の実績値を示している。
・前方張力変更量の上下限値
Figure 2016124010
ここで、vTfLは前方張力変更量の下限値、vTfUは前方張力変更量の上限値を示している。
・後方張力の上下限値
Figure 2016124010
ここで、TbLは後方張力の下限値、TbUは後方張力の上限値、UTbは現時刻の後方張力の実績値を示している。
・後方張力変更量の上下限値
Figure 2016124010
ここで、vTbLは後方張力変更量の下限値、vTbUは後方張力変更量の上限値を示している。
・伸張率の上下限値
Figure 2016124010
ここで、eLは伸張率の下限値、eUは伸張率の上限値、eは現時刻の伸張率の実績値を示している。
なお、以下の数式(22),(23)に示す伸張率eの予測式及び関係式から伸張率eの上下限値を書き直すと、以下に示す数式(24)の条件が得られる。
Figure 2016124010
Figure 2016124010
Figure 2016124010
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である形状制御処理によれば、実績収集部11が、調質圧延中の鋼板の幅方向の形状及び伸張率の実績値を収集し、評価関数設定部12が、収集部によって収集された鋼板の幅方向の形状及び伸張率の実績値を用いて、幅方向各位置での形状目標値と形状値との偏差の2乗値と伸張率目標値と伸張率との偏差の2乗値とを同じにすると共に鋼板の形状及び伸張率の制御優先度を設定する各2乗値の重みを算出し、算出された重みが乗算された2乗値の和を評価関数として設定し、操作量設定部13が、操業制約条件の下で評価関数の値が最小になる片圧下位置及びベンダー力を少なくとも含む調質圧延機の操作量を制御周期毎に算出し、算出された操作量に従って調質圧延機を制御する。これにより、操業制約の下で鋼板の形状及び伸張率の双方を同時に制御することができる。
本発明例において用いる鋼板形状に対する片圧下位置、ベンダー力、及び両圧下位置の影響係数を図4に示す。また、伸張率に対する片圧下位置、ベンダー力、及び両圧下位置の影響係数は順に-1.2002e-05[%/μm]、1.3207e-04[%/MPa]、0.0014[%/μm]とした。本発明例における伸張率の管理範囲は1.0〜1.5[%]とし、制御周期は100[msec]とした。また、優先被制御量パラメータαの値は0.5とした。一方、従来例では、伸張率制御は行わず、形状制御のみを行った。本発明例における評価関数値、形状制御結果、伸張率制御結果、及び操作量をそれぞれ図5〜図8に示す。また、アクチュエータ制約は以下の通りであった。
<アクチュエータ制約>
両/片圧下位置上下限値:±5000[μm/s]
両/片圧下位置変更量上下限値:±1000[μm/s]
ベンダー力上下限値:±50[ton/chock]
ベンダー力変更量上下限値:±20[ton/chock/s]
図5に示すように、本発明例では、形状及び伸張率の評価関数は共に初期状態から単調に減少している。これは、図6及び図7に示す形状及び伸張率が共に目標値に近づいていることからも納得できる。そして、15[sec]時点での形状の評価関数値は837、伸張率の評価関数値は1444となり、評価関数の合計値は2281となった。これに対して、従来例で本発明例と同じ尺度で定量化した評価関数値を図9に示す。図9に示すように、従来例では、15[sec]時点での形状の評価関数値は25、伸張率の評価関数値は6425であり、評価関数の合計値は6450となり、本発明例の2281より大幅に悪化している。評価関数値が示すように、図10に示す形状制御結果については、図6に示す本発明例の方が不良であるが、図11に示す伸張率制御結果については、図7に示す本発明例が優っている。特に図11に示すように、従来例では、目標値からの伸張率の偏差が拡大していることは注目すべきである。
図8に示す本発明例の操作量及び図12に示す従来例の操作量とを比較すると、従来例では、初期形状を矯正するために2次成分に効果のあるベンダー力と両圧下位置とを同じ方向性で動作させている。これに対して、本発明例では、ベンダー力と両圧下位置とは逆方向に動作させている。これは、伸張率を制御するためには両圧下位置を操作することが効果的であり、この初期状態を矯正するためには圧下を閉める方向に制御する必要があるが、そうすると図4の影響係数に示すように、鋼板形状は耳波(幅方向端部位置の方が幅方向中心位置より伸びること)になる。その悪影響を打ち消すために、ベンダー力を圧下の方向性とは逆に動作させていると解釈できる。以上のことから、本発明例によれば、形状と伸張率とを優先度に従って同時に制御できることが確認された。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 形状制御装置
2 上位システム
3 制御システム
11 実績収集部
12 評価関数設定部
13 操作量設定部
S 鋼板

Claims (4)

  1. 調質圧延工程における鋼板の形状制御装置であって、
    調質圧延中の鋼板の幅方向の形状及び伸張率の実績値を収集する収集部と、
    前記収集部によって収集された鋼板の幅方向の形状及び伸張率の実績値を用いて、幅方向各位置での形状目標値と形状値との偏差の2乗値と伸張率目標値と伸張率との偏差の2乗値とを同じにすると共に鋼板の形状及び伸張率の制御優先度を設定する各2乗値の重みを算出し、該重みが乗算された2乗値の和を評価関数として設定する設定部と、
    操業制約条件の下で前記評価関数の値が最小になる片圧下位置及びベンダー力を少なくとも含む調質圧延機の操作量を制御周期毎に算出する算出部と、
    前記算出部によって算出された操作量に従って調質圧延機を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする鋼板の形状制御装置。
  2. 前記算出部は、鋼板の形状及び伸張率に対する調質圧延機の操作量の影響係数を用いて調質圧延機の操作量を算出することを特徴とする請求項1に記載の鋼板の形状制御装置。
  3. 前記操業制約条件には、調質圧延機の操作量の上下限値、調質圧延機の操作量の変更量の上下限値、及び伸張率の上下限値のうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼板の形状制御装置。
  4. 調質圧延工程における鋼板の形状制御方法であって、
    調質圧延中の鋼板の幅方向の形状及び伸張率の実績値を収集する収集ステップと、
    前記収集ステップにおいて収集された鋼板の幅方向の形状及び伸張率の実績値を用いて、幅方向各位置での形状目標値と形状値との偏差の2乗値と伸張率目標値と伸張率との偏差の2乗値とを同じにすると共に鋼板の形状及び伸張率の制御優先度を設定する各2乗値の重みを算出し、該重みが乗算された2乗値の和を評価関数として設定する設定ステップと、
    操業制約条件の下で前記評価関数の値が最小になる片圧下位置及びベンダー力を少なくとも含む調質圧延機の操作量を制御周期毎に算出する算出ステップと、
    前記算出ステップにおいて算出された操作量に従って調質圧延機を制御する制御ステップと、
    を含むことを特徴とする鋼板の形状制御方法。
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