JP2016123670A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】不正を抑制することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】音声を出力可能な音声出力部と、その音声出力部の背面側を覆うカバー体と、音声出力部に音声を出力するための第1信号を出力する信号出力手段と、を有している。信号出力手段と音声出力部とを電気的に接続するための接続線がカバー体を通じて音声出力部からカバー体の外部へと配設される。カバー体の内部に配設され、光を受光することに基づいて、第2信号を出力可能な受光手段より出力される第2信号を判定する判定手段による判定結果が特定の判定結果である場合に、異常を示す異常信号が出力手段より出力される。
【選択図】図6

Description

本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
従来より、パチンコ機等の遊技機には、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力装置が配設されている。この音声出力装置からは、遊技の演出に関わる音声や、外部に異常や不正等を報知するための音声が出力される。
このようなパチンコ機において、異常を検知した場合には、警報音等の音声を出力して、異常を報知する遊技機が知られている。
特開2011−167406公報
この場合、スピーカ等では、音声が出力されるコーン部は、容易に破損できるので、破損して、内部の接続ケーブルを切断して、不正をしても警報音等の音声が出力されないようにする等の不正が行われる虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、不正を抑制することができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、音声を出力可能な音声出力部と、その音声出力部の背面側を覆うカバー体と、前記音声出力部に音声を出力するための第1信号を出力する信号出力手段と、を有し、その信号出力手段と前記音声出力部とを電気的に接続するための接続線が前記カバー体を通じて前記音声出力部から前記カバー体の外部へと配設され、前記カバー体の内部に配設され、光を受光することに基づいて、第2信号を出力可能な受光手段と、その受光手段より出力される前記第2信号を判定する判定手段と、その判定手段による判定結果が特定の判定結果である場合に、異常を示す異常信号を出力する出力手段とを備える。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記カバー体は、前記音声出力部の背面との間に所定の空間を有する形状で構成され、前記音声出力部の背面側より出力される音声を音声出力部の前面側方向へと出力する為の開口部を前面側に形成されているものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機において、前記受光手段は、前記開口部から入光する光を受光し難い位置に配置されている。
請求項4記載の遊技機は、請求項2または3記載の遊技機において、前記受光手段は、前記接続線の少なくとも一部に受光部を向けて配置されている。
請求項5記載の遊技機は、請求項2から4のいずれかに記載の遊技機において、前記開口部は、前記音声出力部の前面側と並列して一方側に形成されているものであり、前記受光手段と前記接続線とは、前記一方側に対して他方側に配置されているものである。
請求項6記載の遊技機は、請求項1から5のいずれかに記載の遊技機において、前記音声出力部の前面側に配置される前面カバー体を有し、その前面カバー体は、前記音声出力部の前面側から離間して配置されているものである。
請求項1記載の遊技機によれば、カバー体内部には、受光手段が配設されているので、音声出力部を破損して、内部の接続線を断線させようとされた場合にも、外部から光が入ったことを判定手段により判定することができ、不正を早期に認識することができる。よって、不正を抑制することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音出力部の背面側より出力される音声は、カバー体と音声出力部の背面との間の所定の空間に出力され、その出力された音声はカバー体の前面側に形成される開口部より音出力部の前面側方向へと出力される。これにより、音出力部の前面側には、音出力部の前面側から出力される音声と、音出力部の背面側から出力される音声とが出力されることとなり、音出力部の前面側に出力される音声を迫力あるものとすることができ、遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声出力部の背面側より出力される音声を音声出力部の前面側方向へと出力する開口部より外部の光が入光することとなるが、受光手段は開口部から入光する光を受光し難い位置に配置されている。これにより、開口部より入光する光の影響を受けずに、音声出力部を破損して内部の接続線を断線させようとされた場合を判定することができ、不正を認識する精度を向上させることができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項2または3記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、カバー体内部に配設された接続線に対して入光する外部からの光を受光手段が受光可能となっている。ここで、音声出力部を破損された場合に、内部の接続線に対して外部からの光が入光する場合は、接続線が断線される可能性の高い場合であり、内部の接続線に対して外部からの光が入光しない場合は、接続線が断線される可能性の低い場合である。よって、内部の接続線に対して外部からの光が入光する場合を受講手段が受光したことを、判定手段によって判定できる。これにより、接続線が断線される可能性の高い場合を精度よく判定することができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項2から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開口部は、接続線が配置されている一方側とは異なる他方側に配置されているので、開口部より不正に接続線を切断される不正を抑制できるという効果がある。
請求項6記載の遊技機によれば、請求項1から5のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声出力部を破損させて異物を挿入する不正を前面カバー体により防ぐことができる。よって、不正を抑制することができるという効果がある。
第1の実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 内枠と前面枠と下皿ユニットとが開放された状態におけるパチンコ機の斜視図である。 (a)は、音出力装置の正面斜視図であり、(b)は、音出力装置の正面図である。 音出力装置を、図5(b)におけるV−V線で切断した場合の断面図である。 音出力装置を、図6におけるVI−VI線で切断した場合の断面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 (a)は、主制御装置におけるROMの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、主制御装置におけるRAMの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1乱数カウンタC1と大当たり判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 (a)は、変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たり時における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、外れ時(通常)における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(d)は、外れ時(確変)における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図である。 (a)は、音声ランプ制御装置におけるROMの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、音声ランプ制御装置におけるRAMの内容を模式的に示した模式図である。 音声ランプ制御装置のROMに格納される楽曲データテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるスピーカチェック処理を示したフローチャートである。 第2実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第2実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの内容を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される振動計測処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるスピーカチェック処理2を示したフローチャートである。
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図8参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図8参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が16回(16ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。尚、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、第2入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が第2入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、第2入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。「大当たりA」、「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となる。その後、「大当たりA」では大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次の大当たりが発生するまでの間はパチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態)が付与される。一方、「大当たりB」では大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短く設定される時短状態が付与される。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、変動時間が短くなり、第1入賞口64に付随する電動役物の開放時間が長く、開放回数が多くなる、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間、即ち、大当たり終了後から次の大当たりが発生するまでの間のことを、特別図柄の確変期間と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間、即ち、大当たり終了後から特別図柄の抽選が所定回数(100回)終了するまでの間のことを、普通図柄の時短期間と称す。尚、説明を分かり易くするために、特別図柄の抽選回数を用いて普通図柄の時短期間を示す。例えば、所定回数が100回であれば、普通図柄の時短期間が100回であると記載する。
なお、大当たりの種別に応じてラウンド数を変えても良いし、大当たりの種別の一部のみラウンド数を変えても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり終了後に、「特別図柄の高確率状態」および「普通図柄の時短状態」となるが、「特別図柄の高確率状態」が終了した後に、「普通図柄の時短状態」となるように構成しても良い。
また、時短状態の継続期間は任意に定めればよい。例えば、大当たり種別が「大当たりA」になると、その「大当たりA」終了後から特別図柄の抽選が30回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりB」になると、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が60回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。また、特別図柄の抽選回数に代えて、所定時間(例えば、2分から5分など)が経過するまで、普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。なお、これに限られず、「特別図柄の高確率状態」に設定される場合があっても良い。
また、特別図柄の大当たりになって、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行すると、その状態は、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が時短回数(100回)終了するまで継続される。一方、特別図柄の大当たりになった後、時短回数分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。この時短回数は、上述したように、特別図柄の大当たり種別によって定められており、大当たり種別が「大当たりB」であれば、所定回数は100回となる。
そして、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から、その新たな大当たり種別に対応する回数分の特別図柄の抽選が終了するまで継続される。例えば、「大当たりB」になって「普通図柄の時短状態」に移行した後、10回目の特別図柄の抽選で「大当たりB」になると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が100回行われるまで継続される。即ち、本実施形態では、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、その度に、その新たな特別図柄の大当たり種別に応じて時短期間(「普通図柄の時短状態」の継続期間)が更新される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図8参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりB」であれば、「7」を除く奇数番号である「1,3,5,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
主制御装置110では、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、特別図柄の抽選が行われ、その後、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドが送信され、その結果、第3図柄表示装置81では、第1図柄表示装置37の変動表示に応じて第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われる場合には、まず、第3図柄の高速変動表示が開始され、その後、予め定められた時間(例えば、10秒〜60秒など)が経過すると、第3図柄の中速変動表示へ切り替わり、更に、第3図柄の低速変動表示へ切り替わる。ここで、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、同一番号の主図柄(第3図柄)が揃う停止表示が行われ変動演出が終了し、続けて、大当たり演出が開始される。一方、特別図柄の抽選結果が外れである場合には、同一番号の主図柄(第3図柄)が揃わない停止表示が行われて変動演出が終了し、保留されている始動入賞があれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、次の変動演出が開始される。
大当たり演出は、オープニング演出が行われる期間と、ラウンド演出が行われる期間と、エンディング演出が行われる期間との3つの期間に分けられる。オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知して、遊技者の期待感を高めるための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。また、エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知すると共に、大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(普通図柄の時短期間)を遊技者に報知する(時短期間表示を行う)、または、保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることを遊技者に報知する(確定演出表示を行う)ための演出である。尚、エンディング演出において、遊技価値(普通図柄の時短期間)が遊技者に報知されることを「時短期間表示」が行われると称し、保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることが遊技者に報知されることを「確定演出表示」が行われると称す。
第3図柄表示装置81において大当たり演出が行われる場合には、図5(a)に示すように、まず、第3図柄の停止表示がなされるタイミングに合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へオープニングコマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、変動演出に続けて、オープニング演出が開始される。
次に、オープニング演出が終了するタイミングに合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ第1ラウンドを示すラウンド数コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、オープニング演出に続けて、第1ラウンドに対応するラウンド演出が開始される。本実施形態では、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行した後、その状態は、特定入賞口65aの開閉が16回繰り返されるまで(16ラウンド)継続される。
第1ラウンドが開始され、特定入賞口65aが開放された後、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)が経過すると、特定入賞口65aが閉鎖されると共に、第1ラウンドが終了する。すると、直ぐに第2ラウンドの開始タイミングとなり、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ第2ラウンドを示すラウンド数コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、第1ラウンドに対応するラウンド演出に続けて、第2ラウンドに対応するラウンド演出が開始される。第2ラウンドが開始されると、第1ラウンドの場合と同様に、特定入賞口65aの開閉制御が行われる。その後は、新たなラウンドが開始されるタイミングとなる毎に、新たなラウンド数を示すラウンド数コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されると共に、特定入賞口65aの開閉制御が行われる。これにより、第1ラウンドから第16ラウンドまでの各ラウンド演出が順番に実行される。
そして、特定入賞口65aの開閉が16回(16ラウンド)終了したタイミングに合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へエンディングコマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、エンディング演出が開始される。上述したように、エンディング演出では、特別遊技状態の終了が遊技者に報知されると共に、時短期間表示が行われる(大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(普通図柄の時短期間)が遊技者に報知される)、または、確定演出表示が行われる(保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることが遊技者に報知される)。エンディング演出において「時短期間表示」が行われるか、「確定演出表示」が行われるかは、今回の特別図柄の大当たり種別や、保留されている特別図柄の大当たり種別や、図示しないカウンタの値などに基づいて選択される。
第3図柄表示装置81において「時短期間表示」が行われる場合には、例えば、図5(b)に示すように、第3図柄表示装置81の画面右下に、「チャンス100回」(期間情報の一例)と表示される。この画面は、特別図柄の抽選がなされ、抽選結果が「大当たりB」である場合に表示されるものであり、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでは、普通図柄の時短状態が継続されることを意味する。遊技者は、この画面が表示されると、これから普通図柄の時短状態が継続される期間(普通図柄の時短期間)を容易に認識することができる。
尚、普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球が第2入球口67を通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放される機会も多くなるので、球が第1入球口64へ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、特別図柄の大当たりになるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第1入球口64へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
一方、第3図柄表示装置81において「確定演出表示」が行われる場合には、例えば、第3図柄表示装置81の画面右下に、「スーパーチャンス!」(別の情報一例)と表示される。この画面は、保留されている特別図柄の抽選うち、何れかの抽選がなされた場合に抽選結果が必ず大当たりとなることを意味する。遊技者は、この画面が表示されると、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が第2入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が第2入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図8参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図8参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の内部構成について説明する。図4は、内枠12と前面枠14と、下皿ユニット15とが開放された状態におけるパチンコ機10の斜視図である。
パチンコ機10には、その外殻を形成する外枠11が設けられ、この外枠11に対して内枠12が開閉可能に支持される。遊技場においては、外枠11の外周面が遊技場の島設備に固定される。内枠12、前面枠14および下皿ユニット15は、外枠11に対して前面側に開放可能に構成されるので、パチンコ機10の前面側からは触れられない裏面側や内部に対しての点検や調整は、外枠11に対して内枠12等を前面側に開放して行われる。
外枠11には、内枠12を支持するために正面視左側の上下2カ所に金属製の上ヒンジ(図示せず)および下ヒンジ(図示せず)が取り付けられている。この上ヒンジおよび下ヒンジが設けられた側を開閉の軸として内枠12は開閉可能に支持される。
内枠12は、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース55を主体に構成されており、内枠ベース55の中央部には略円形状の中央窓55aが形成されている。内枠ベース55の裏面側には遊技盤13の取付部が設けられ、遊技盤13が着脱可能に装着される。
内枠ベース55の中央窓55aの下側は、前面側が開放した凹状に窪んで形成されており、その奥側には、平面状の取付面52bが形成されている。取付面52bには、球を遊技盤13の前面に発射するための発射ユニット140や、上皿17および下皿50に球を排出する通路を形成する通路形成部材54等が取り付けられる。
外枠11と内枠12との間には、内枠12の開放および閉鎖を検出するスイッチSW1(SW1a,SW1b)が設けられており、内枠12と前面枠14との間には、前面枠14の開放および閉鎖を検出するスイッチSW2(SW2a,SW2b)が設けられている。スイッチSW1は、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aと、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bとから構成される。また、スイッチSW2は、内枠12の前面枠14と対向する面に配設された雌型スイッチSW2aと、前面枠14の内枠12と対向する面に配設された雄型スイッチSW2bとから構成される。
スイッチSW1およびスイッチSW2は、内枠12が閉鎖された状態では遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では導通状態となるものである。
また、図4に示したように、下皿ユニット15の背面側中央には、略直方体形状の音出力装置226が配設されている。この音出力装置226は、遊技者の遊技結果に応じて音声や効果音、メロディー等の各種音声を遊技者が聞き取り可能な音量で出力(発音)するものである。この音出力装置226は、例えば、第3図柄表示装置81で変動演出が表示される場合においてリーチ演出が発生するのにあわせて所定の音声(例えば、「リーチ」という女性の声)を出力(発音)する。また、例えば、大当たりとなった場合に、その大当たり中に所定の楽曲(例えば、歌やクラシック音楽等)を出力(再生)する。これにより、第3図柄表示装置81による視覚的な演出だけでなく、音出力装置226から発せられる各種音声によって聴覚的な演出を行うことができるので、演出効果を高めることができる。
また、音出力装置226は、パチンコ機10に対して何らかの異常が検出された場合に警告音を出力(発音)することができる。この警告音により、遊技者やホールの店員に対して異常の発生を認識させることができるので、パチンコ機10に発生した異常を迅速に解消させることができる。また、不正遊技者によって賞球を不当に得るための不正行為が行われ、パチンコ機10に異常が生じた場合に、音出力装置226によって発せられる警告音によってホールの店員が容易に不正遊技者を特定することができる。よって、不正行為を早期に対策することができるので、不正行為が行われた場合にホールの被害を最低限とすることができる。
ここで、図5から図7を参照して、この音出力装置226の構造について説明する。まず、図5を参照して音出力装置226の外観について説明する。図5(a)は、音出力装置226の正面斜視図であり、図5(b)は、音声出力装置226の正面図である。
図5(a),(b)に示した通り、音出力装置226には、正面視略正方形形状の前面カバー226aが設けられており、その前面カバー226aの中央部分に、音声等の音を発生(発音)するための正面視略円形形状のスピーカ226cが配設されている。即ち、前面カバー226aにおいて、正面視中央部分に、スピーカ226cと半径が略同一の円形の開口部が設けられており、この大開口部にスピーカ226cが裏面より取り付け可能に構成されている。
なお、詳細については後述するが、スピーカ226cは、その背面側に電力の供給を受けるための配線226c3(図6参照)が設けられており、配線226c3を介して供給される電力に基づいて各種音声を出力(発音)することが可能に構成されている。
前面カバー226aの背面側には、前面カバー226aに取り付けられたスピーカ226cの側面側、および背面側を覆うための背面カバー226bが設けられている。これらの前面カバー226a、および背面カバー226bは、例えばポリスチレン樹脂等によって構成されており、ゴム等の弾性体に比べて破壊することが困難に構成されている。これにより、不正遊技者が前面カバー226aや背面カバー226bを破壊し、スピーカ226cの背面側に設けられている配線226c3(図6参照)を切断しようとしたり、スピーカ226c3自体を背面側や側面側から破壊しようとしたりする行為を防止(抑制)することができる。
ここで、上述した通り、発音装置226は、パチンコ機10に発生した異常を報知するための警告音をスピーカ225cより出力可能に構成されている。よって、スピーカ226c3の配線226c3が切断されてしまうこと等により警告音を出力することができない状態になってしまうと、パチンコ機10に発生した異常をホールの店員等が認識し難くなってしまう。つまり、不正遊技者が賞球を不当に得る目的で行った不正行為によりパチンコ機10に対して異常が発生していたとしても、その不正行為が看過されてしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、スピーカ226cを、破壊されにくい前面カバー226a、および背面カバー226bによって覆っているので、スピーカ226cが警告音等を出力できない状態とされてしまうことを防止(抑制)することができる。よって、不正行為に対する抑制を図ることができる。
前面カバー226aには、その正面側に4つのLED(外部LED226g1〜226g4)が設けられている(図5(b)参照)。図5(b)に示した通り、これらの外部LED226g1〜226g4は、前面カバー226aの正面側のうち、スピーカ226cの上側(外部LED226g1)、右側(外部LED226g2)、下側(外部LED226g3)、左側(外部LED226g4)にそれぞれ取り付けられている。これらの外部LED226g1〜226g4は、遊技状態に応じて発光するように制御される。この各外部LED226g1〜226g4によって発せられる光は、振動板226c2などが破損された場合に音声出力装置226の内部領域226b1(図6参照)へ光を入射する光源の役割を果たすように構成されている。
なお、各外部LED226g1〜226g4は、音出力装置226に対して不正行為(例えば、音出力装置226へ異物を挿入するなど)が行われている可能性がある場合に発光するように制御してもよい。これにより、音出力装置226に対して不正行為が行われていることを、周囲にいるホールの店員等に容易に気付かせることができる。
また、図5(b)に示した通り、前面カバー226aの正面視左方上側には、円形の小開口部(ダクト部226a1)が設けられている。この小開口部(ダクト部226a1)は、前面カバー226aの背面側に貫通しており、前面カバー226aの背面側と、背面カバー226bの内壁部分と、スピーカ226cの背面側とによって囲まれた領域(音出力装置226の内部領域226b1)に繋がっている。このダクト部226a1により、スピーカ226cの背面側へと発せられた音波(各種音声)が音出力装置226の前面側へと導かれる(放出される)。なお、このダクト部226a1を介して音出力装置226の前面側へと導かれた各種音声は、スピーカ226aから直接前面側に発せされた音波(各種音声)に比較して低音域が増幅された状態となる。これにより、音出力装置226の前面側に対してより重厚感のある音声を出力することができる。
また、前面カバー226aの前面側には、四隅(正面視略正方形形状の前面カバー226aにおける各頂点付近)にそれぞれ前面カバー226の背面側まで貫通した貫通穴が空けられている。例えば、前面カバー226aにおいて、正面視右下部分には、貫通穴226a2が設けられている。各貫通穴の内側には、ネジを前面カバー226aの背面側から通せるように、螺旋状の溝が設けられている。
背面カバー226bは、上部が開放された箱形状であり、その開放された開口面には、前面カバー226aの裏面と当接するフランジ部が設けられている(図6参照)。このフランジ部には、前面カバー226aに設けられた4つの貫通穴に対応する、4つの貫通穴が設けられている。背面カバー226bに設けられた貫通穴にも、前面カバー226aに設けられている貫通穴と同様に、螺旋状の溝がそれぞれ設けられている。
なお、下皿ユニット15の背面側には、前面カバー226a、背面カバー226bにそれぞれ設けられた貫通穴に対応する4つの取り付け穴が設けられている(図示なし)。下皿ユニット15に設けられた取り付け穴と、前面カバー226a、背面カバー226bにそれぞれ設けられた貫通穴との位置を合わせ、背面側からネジで締結することにより、音出力装置226が下皿ユニット15の背面側中央部分に固定される(図4参照)。
また、図5(a)に示した通り、前面カバー226aに設けられている各貫通穴の周囲の略正方形形状の領域は、前面カバー226aにおける他の部分よりも正面視手前側へと突出している。この突出部分の奥行きは、少なくとも前面カバー226aの前面側に設けられているLED(外部LED226g1〜226g4)よりも長くなるように構成されている。即ち、下皿ユニット15に対して音出力装置226を取り付けた場合に、下皿ユニット15の背面側と、外部LED226g1〜226g4とが接触してしまうことがないように、例えば奥行きを各外部LED226g1〜226g4よりも1mm長くなるように構成されている。これにより、外部LED226g1〜226g4が取り付けの際に下皿ユニット15と前面カバー226aとに挟まれて圧迫され、故障してしまうことを防止(抑制)することができる。よって、外部LED226g1〜226g4をより確実に正常動作させることができる。
次に、図6を参照して、音出力装置226の内部構造について説明する。図6は、音出力装置226を、図5(b)におけるV−V線で切断した場合の断面図である。
図6に示した通り、音出力装置226の内部には、前面カバー226aと、背面カバー226bと、スピーカ226cとで囲まれる内部領域226b1が形成されている。この内部領域226b1の中央左寄り(即ち、パチンコ機10に対して正面視手前側寄り)にスピーカ226cが配設されている。このスピーカ226cは、上述した通り、前面カバー226aに対して背面側から取り付けられる。図6に示した通り、スピーカ226cはフレーム部226c1と、振動することで各種音声を出力(発音)する振動板226c2と、振動板226c2を振動させるための電力を供給するための配線226c3とで構成されている。
フレーム部226c1は、スピーカ226cを前面カバー226aに対して固定するために設けられている。このフレーム部c1には、貫通穴226c1aが上下左右の計4カ所に設けられている。この貫通穴226c1aと前面カバー226aの裏側に設けられた取付穴とをネジで締結することにより、前面カバー226aの裏側にスピーカ226cを固定することができる。また、フレーム部226c1には、計4カ所に開口部が設けられており、中央の上部および下部に比較的開口面積の広い大開口部が、中央の左部および右部には比較的開口面積の狭い小開口部が設けられている。
フレーム部226c1の前面側(前面カバー226側)には、振動板226c2が設けられている。この振動板226c2を振動させることによって、各種音声が出力(発音)される。この振動板226c2は、スピーカ226cを前面カバー226aに対して取り付けた場合に、正面側に露出する位置に設けられている。なお、この振動板226cは、広い周波数範囲の音波を発生させられるようにすると共に、振動させるために要する電力を低減するために、薄くて低密度な素材で構成されている。即ち、前面カバー226aや背面カバー226bに比較して脆い素材で構成されている。よって、刃物等により切り込みを入れたり穴をあけたりすることが比較的容易となるので、不正遊技者が不正行為(例えば、配線226c3を切断する等)を行う際に狙われる可能性が高い。
詳細については後述するが、本実施形態では、不正遊技者により振動板226c2に穴が開けられる等により、外光や上述した各外部LED226g1〜226g4の光が内部領域226b1へと入射し、内部領域226b1の明るさ(光量)が変化した場合に、内部領域226b1に設けられた光検出回路226eによって異常と検出することができるように構成されている。これにより、振動板226c2を破壊することによる不正行為の抑制を図ることができる。なお、外光や上述した各外部LED226g1〜226g4の光が内部領域226b1へと入射したか否かを判別しやすくなるように、振動板226c2は光透過性の低い素材で構成されている。また、同一の理由により、前面カバー226a、および背面カバー226bも、光透過性の低い素材で構成されている。これにより、音出力装置226の内部である内部領域226b1は、外部の明るさ(光量)に比べて暗くすることができ、外光や上述した各外部LED226g1〜226g4の光が内部領域226b1へと入射したかを判別しやすくできる。
スピーカ226cの背面側には、スピーカ226cに対して電力を供給するための配線226c3が接続されている。この配線226c3の他端は、背面カバー226cの背面側を通って電源装置115(図8参照)へと繋がっている。上述した通り、スピーカ226cは、この配線226c3を介して電源装置115より供給される電力を用いて音を出力することが可能となっている。即ち、この配線226c3が断線すると、音出力装置226から音を出力することが不可能となる。
内部領域226b1の底面側には、台座部材226b2が設けられている。この台座部材226b2は、上述した内部領域226b1の明るさ(光量)を検出(測定)するための光検出回路226eを、その上面に配置するための部材である。台座部材226bの高さは、光検出回路226eによって外光が検出されやすくなる(即ち、振動板226c2が破壊されたことが検出されやすくなる)高さに設定されている。つまり、フレーム部226c1の上部および下部に設けられた開口部から内部領域226c4へと入射する光を検出できる位置に、光検出回路226eが配置されている。
光検出回路226eは、公知の光センサと、その光センサから出力される電流値を検出可能な検出回路によって構成されている。光検出回路226eに設けられている光センサは、照射された光の明るさ(照度)に応じて異なる値の電流値が流れるように構成されており、照射された光が明るいほど(照度が高いほど)多くの電流が流れるように構成されている。光検出回路226eは、光センサ226e1から出力される電流の電流値に基づいて内部領域226b1の明るさを判別することができる。そして、検出された電流値が所定値以上となった場合(例えば、照度5ルクスに対応する電流値よりも高い電流値となったことを検出した場合)に、異常が発生した(即ち、振動板226c2が破られる等の不正行為が行われた)と判別する。光検出回路226eは、異常が発生したと判別した場合に、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対して、光検出信号LSをハイ(5V)に設定して出力する。音声ランプ制御装置113では、スピーカチェック処理(図29参照)において、入出力ポート225に入力される光検出信号LSがハイ(5V)であるかロー(0V)であるかを判別し(図29のS1502)、光検出信号LSがハイ(5V)であると判別された場合に(図29のS1502:Yes)、警報音の出力などの異常時処理を実行する。
更に、台座部材226b2の上面において、光検出回路226eよりも右側(即ち、パチンコ機10に対して正面視奥側)には内部LED226d2が設けられている。この内部LED226d2は、光検出回路226eにより検出された光の照度(光量)が所定量(例えば、照度が5ルクス)となったことを、光センサから出力される電流値に基づいて検出した場合に、点灯状態となるように制御される。これにより、例えば、振動板226c2を破壊した不正遊技者が、破損箇所を塞ぐなどして外光が内部領域226b1へと入射しないようにしても、点灯状態に設定された内部LED226d1の光が光検出回路226eに対して継続して照射される。ここで、内部LED226d1が点灯状態となった場合に光検出回路226eに対して照射される光の照度(光量)は、内部領域226b1の明るさが異常と判別される照度(例えば、5ルクス以上)となるように構成されている。よって、一旦振動板226c2が破壊され、所定量(例えば、5ルクス)以上の光が検出回路226e1によって検出されれば、その後に破損個所が塞がれたとしても光検出回路226eの状態を、照度(光量)の検出値が所定値(例えば、5ルクス)以上になっている状態に保つことができる。従って、内部領域226b1において異常が発生していることを継続して報知できるので、不正行為の実行を抑制することができる。
また、音出力装置226は下皿ユニット15の裏面に取り付けられており、音出力装置226の前面カバー226aと下皿ユニット15の裏面との間に外部LED226g1〜226g4が設けられている。ここで、不正遊技者が音出力装置226の取り付けられている部分の下皿ユニット15を手で覆うなどして、外光が音出力装置226へと入射しないようにする、即ち、振動板226cなどを破損したとしても外光が内部領域226b1へと入射しないようにして、光検出回路226eによる異常検知を行えないようにする不正行為が考えられる。この場合においても、前面カバー226aと下皿ユニット15との間に設けられた外部LED226g1〜226g4の光が内部領域226b1へと入射するので、上述した不正行為が行われたとしても、振動板226c2などの破損を検知することができる。
なお、内部LED226d1と同一のLED(内部LED226d2)が、内部領域226b1の上面側(天面側)にも設けられている。この内部LED226d2も、内部LED226d1と同様に、光検出回路226eの検出値が所定値以上(例えば、5ルクス以上)と判別され、振動板226c2が破壊された可能性が高い(異常が発生している)と判別された場合に点灯状態となるように制御される。内部領域226b1の底面側、および天面側にそれぞれ内部LED226d1,226d2を設けておくことで、振動板226c2が破損しているか否かを見た目から容易に判別することができる。即ち、振動板226c2の下方が不正遊技者によって破壊された場合は、内部領域226b1の下方に設けられている内部LED226d1の光が破損個所から外部へと漏れ出やすくなる。よって、内部LED226d1の光を確認したホールの店員等が、振動板226c2の下方に破損個所が存在することを容易に発見することができる。また、振動板226c2の上方が不正遊技者によって破壊された場合は、内部領域226b1の上方に設けられている内部LED226d2の光が破損個所から外部へと漏れ出やすくなる。よって、内部LED226d2の光を確認したホールの店員等が、振動板226c2の下方に破損個所が存在することを容易に発見することができる。
内部領域226b1の上方には、ダクト部226a1が設けられている。このダクト部226a1は、上述した通り、スピーカ223cの背面側へと出力された各種音声を、音出力装置226の外部へと放出させるために設けられている。本実施形態におけるダクト部226a1は、前面カバー226の前面から背面カバー226bの内壁へと向かう経路が形成されている。この経路は、背面カバー226bへと向かって伸びており、背面カバー226bの後方面と当接する手前で折り返された形状となっており、折り返された後は、前面カバー226aの背面へ向かって伸び、前面カバー226aの背面に達する前に途切れるように構成されている。このダクト部226aにより、内部領域226b1と音出力装置226の外部とを空間的に連続させることができる。なお、上述した通り、ダクト部226a1における入口部分(図5(b)参照)は、円形の開口部となっているが、ダクト部226a1の形成する経路の形状は、その断面が略正方形形状となるように構成されている。これにより、経路の断面を円形とするよりも、ダクト部226a1の形成が容易となる。
上述した通り、ダクト部226a1の経路は、その途中で折り返されており、折り返しの前後で経路の方向が180度反転するように構成されている。このように構成することで、前面カバー226aの前面側からダクト部226a1へと入射した外光が、内部領域226b1へと届き難くなるように構成している。よって、振動板226c2に破損等の異常が発生していないにも関わらず、ダクト226a1へと入射した外光により光検出回路226eの検出する光量(照度)が所定値(例えば、5ルクス)以上となってしまうことを防止(抑制)できる。よって、より正確に振動板226c2の異常を検出することができる。
更に、図6に示した通り、ダクト部226の経路上には2つの突出壁226a1a,226a1bが設けられている。図6に示す通り、突出壁226a1aは、ダクト部226a1により形成される経路の上側(天面側)に設けられている。一方、突出壁226a1bは、ダクト部226a1により形成される経路の下側(底面側)に設けられている。このように、構成することで、より外部からの光が内部領域226b1へと届き難くすることができる。つまり、振動板226c2に破損等の異常が発生していないにも関わらず、ダクト226a1へと入射した外光により光検出回路226eの検出する光量(照度)が所定値(例えば、5ルクス)以上となってしまうことを防止(抑制)できる。よって、より正確に振動板226c2の異常を検出することができる。
次に、図7を参照して、音出力装置226の内部構造についての説明を続ける。図7は、音出力装置226を、図6におけるVI−VI線で切断した場合の断面図である。
図7に示した通り、背面カバー226bと前面カバー226aとにより形成される内部領域226b1の左上部には、ダクト部226a1が設けられている。このダクト部226a1によって、上述したように、前面カバー226の前面から背面カバー226bの内壁へと向かう経路が形成されている。この経路は、背面カバー226bへと向かって伸びており、背面カバー226bの後方面と当接する手前で折り返された形状となっており、折り返された後は、前面カバー226aの背面へ向かって伸び、前面カバー226aの背面に達する前に途切れるように構成されている。
このダクト部226a1により形成される経路には、突出壁226a1aが経路の上面側から立設され、その突出壁226a1aの奥側には突出壁226a1bが経路の底面側から立設されている。これらの突出壁226a1aおよび突出壁226a1bによって光の進行が妨げられることにより、光が内部領域262b1へと到達しに難くなるように構成されている。
上述したように、本パチンコ機10における音出力装置226は、光が入射困難な内部領域226b1を有しており、その内部領域226b1にはスピーカ226cとそのスピーカ226cへと電力を供給する配線226c3が設けられている。この内部領域226b1には、入射する光を検出する光検出回路226eが設けられており、例えば、振動板226c1が破られること等により内部領域226b1に光が入射したこと(または、入射する光の光量が所定値以上となったこと)を検出し、エラー出力を行うよう構成されている。
ここで、音出力装置226から音を出力させないようにする不正行為として、スピーカ226c1へ電力を供給している配線226c3を切断する不正行為がある。音出力装置226から警告音等の各種音声を出力することができなくなれば、ホールの店員等により異常の発生を発見することが困難となってしまう。よって、不正遊技者により、他の不正行為(例えば、大当たりとなる確率を変更する等により大当たりを引き当てやすくし、賞球を獲得する等)が行われ、ホールに不測の不利益を与えてしまう虞がある。
これに対して本実施形態におけるパチンコ機10では、スピーカ226c1に電力を供給するための配線226c3を切断するために振動板226c2を破壊すると、光検出回路223e1によって内部領域226b1の明るさが変化したことが検出され、エラー出力される。よって、上記した不正行為を抑制するこができる。
また、本パチンコ機10における音出力装置226は、ダクト部226a1が設けられている側(内部領域226b1の上面側)と反対側(内部領域226b1の底面側)に光検出回路226eを設けている。このように構成することで、ダクト部226a1が設けられている側(内部領域226e1の上面側)に光検出回路226eを設ける場合に比較して、ダクト部226aへと入射した光が回折等により内部領域226b1に到達した場合でも、その内部領域226b1へと到達した光を検出され難くできる。よって、光検出回路226eの誤作動を防止(抑制)できるので、内部領域226b1への光の入射をより正確に検出することができる。
さらに、本パチンコ機10における音出力装置226は、振動板226c2と配線226c3との間に光検出回路226eが設けられている。よって、配線226c3を切断しようとした場合、光検出回路226eの近傍へ配線226c3を切断するための異物を挿入する必要がある。即ち、不正遊技者により不正行為が行われる場合は、光検出回路226eの近傍が明るくなりやすいので、振動板226c2を破り、配線226c3を切断しようとする不正行為をより効果的に検出することができる。
また、光検出回路226eは、台座部材226b2の上に設けられている。即ち、振動板226c2と配線226c3との間に台座部材226b2が設けられている。これにより、振動板226c2を破り配線226c3を切断しようとして不正遊技者が異物を内部領域226b1へと挿入した場合に、台座部材226b2によって異物が配線226c3へ到達することを妨げることができる。よって、配線226c3を切断する不正行為の実行を困難にすることができる。
また光検出回路226eが検出した信号を出力するための信号線は、光検出回路226に近い側の背面カバー226bの側面から外部へと繋がるように配設されている。これにより、光検出回路226eの信号線は光検出回路226eと近接する背面カバー226bとの間に配設されることとなり、振動板226c2を破壊しても、光検出回路226eの信号線を切断することが困難となるようにできる。よって、光検出回路226eの信号線を切断する不正行為を抑制することができる。内部LED226dの配線も同様に配設されており、内部LED226dの配線を切断する不正行為を抑制できるように構成されている。
<第1実施形態における遊技機の電気的構成について>
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。
ここで、図9を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図23参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図15参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図23参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブルは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。尚、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルと、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとは、主制御装置110のROM202内に設けられている(図10(a)参照)。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。そして、図11(a)に示すように、この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個であり、その乱数値である「0」は、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「0〜9」は、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/40」となる。
なお、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定してもよい。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図11(b)に示すように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、乱数値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、2種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。尚、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、第1当たり種別選択テーブル202bにより設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
尚、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図23参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図12参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターンテーブルには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA・大当たりB共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通図柄当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図11(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64に付随する電動役物が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図23参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図8に戻り、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202が設けられている。また、主制御装置110のMPU201に設けられるRAM203は、図9に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図23参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図22参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図21参照)が即座に実行される。
ここで、図10〜12を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられるROM202とRAM203との詳細について説明する。図10(a)は、このROM202の内容を模式的に示した模式図である。図10(a)に示した通り、ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターンテーブル202dとが少なくとも設けられている。これら各種テーブルの詳細については、図11および図12を参照して後述する。
図10(b)は、RAM203の内容を模式的に示した模式図である。RAM203は、図10に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、確変フラグ203eと、時短中カウンタ203fと、その他メモリエリア203zとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
なお、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)してもよい。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図18のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図16のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図16のS206、図18のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示すると共に、保留球数を示す第2図柄保留ランプ84を点灯させる。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、第2入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が第2入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図20のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図19のS505参照)。
球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図20のS605)。一方、球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図21のS603:No)。
確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203eの値がオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203eの値がオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変フラグ203eは、初期値がオフに設定されており、確変大当たりである大当たりAの終了時にオンに設定される(図24のS1011参照)。その後、次の大当たりの開始を設定する際にオフに設定される(図16のS213)。
MPU201によって特別図柄変動開始処理(図16参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理では、確変フラグ203eの値が参照され、その値がオンであれば、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変フラグ203eの値がオフであれば、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる(図17のS303,S304参照)。
時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、時短大当たりである大当たりBの終了時に100が設定される(図24のS1012参照)。即ち、大当たりBになった場合には、時短中カウンタ203fの値が幾つであるかに関わらず、新たに100が設定される。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203fの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図19のS510,S511参照)。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)されるものである。
次に、図11および図12を参照して、ROM202の内容の詳細について説明する。図10(a)に示した通り、ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターンテーブル202dとが少なくとも設けられている。
第1当たり乱数テーブル202a(図11(a)参照)は、上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値が規定されたテーブルである。この第1当たり乱数テーブル202aに規定されている乱数値と、第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するためのテーブル(低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a)と、特別図柄の高確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するためのテーブル(高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a)とが設けられており、それぞれのテーブルに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なっている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図11(b)参照)は、大当たりAと大当たりBとがそれぞれ選択可能となるように設定されている。具体的には、大当たりAの判定値として第1当たり種別カウンタC2の値「0〜49」が、大当たりBの判定値として「50〜99」が設定されている。
第2当たり乱数テーブル202c(図11(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。図11(c)に示した通り、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態中)は、第2当たり乱数カウンタバッファに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。また、普通図柄の高確率時(普通図柄の時短状態中)は、第2当たり乱数バッファカウンタに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。なお、上述の通り、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物が所定時間だけ開放される。
次に、図12を参照して、変動パターンテーブル202dの詳細について説明する。変動パターンテーブル202d(図12(a)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。この変動パターンテーブル202dには、特別図柄の抽選結果に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、図12(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図12(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図12(c)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図12(d)参照)とが少なくとも規定されている。なお、図示は省略したが、このほかにも、時短遊技状態における変動パターンテーブル等が設定されている。
次に、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図12(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ設定されている。各変動パターンに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が判定値として設定されている。
具体的には、ノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンについては、「0〜50」が、スーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンについては、「51〜179」が、スペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンについては、「180〜198」がそれぞれ変動種別カウンタCS1の判定値として設定される。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する時には、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
図12(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の抽選結果が外れである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチを設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間の比較的に短い短外れ(7秒)と変動時間の長い長外れ(10秒)が設定されている。短外れ(7秒)に対しては、「0〜98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99〜198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、外れのノーマルリーチ各種(30秒)に対して「0〜149」が、外れのスーパーリーチ各種(60秒)に対して「150〜197」が、外れのスペシャルリーチ各種(90秒)に対して「198」が、変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より取得している変動種別選択カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より変動パターンを選択する。
図12(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は、遊技状態が確変遊技状態である場合に、外れとなる特別図柄の変動パターンを選択するためのデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3では、設定されている変動種別選択カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2とは異なる点で相違する。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチが決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図21参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)などの表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、図13を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222とRAM223の内容について説明する。図13(a)は、ROM222の内容を模式的に示した模式図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターンテーブル222aと楽曲データテーブル222bとが少なくとも設けられている。
変動パターンテーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)に対応した変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
楽曲データテーブル222bは、パチンコ機10の遊技状態に対応した楽曲データが設定されている。この楽曲データテーブル222bの楽曲データを後述する楽曲転送エリア223eに設定することにより、音出力装置226から設定された楽曲の音が出力されることとなる。この楽曲データテーブル222bの詳細については、図14を参照して後述する。
図13(b)は、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の内容を模式的に示した模式図である。音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、楽曲転送エリア223eと、電源断処理中フラグ223xと、電源断フラグ223yと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示および図示しない保留球数を示すLEDの点灯に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納し、LEDの点灯制御を行うと共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図27のS1302参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図28のS1402参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図26参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図27のS1305参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図28のS1408参照)。
楽曲転送エリア223eは、音出力装置226から出力する楽曲データを設定する領域である。この楽曲転送エリア223eに楽曲データが設定されると、メイン処理における音編集・出力処理において(図26のS1209参照)、設定された楽曲データに基づいて音出力装置226から音が出力されるように制御される。楽曲転送エリア223eに設定する楽曲データは、上述した楽曲データテーブル222bに格納されている。
電源断処理中フラグ223xは、主制御装置110が電源断を検知すると音声ランプ制御装置113へ電源断コマンドが送られ、音声ランプ制御装置113がその電源断コマンドを受信すると、電源断フラグ223yがオンに設定され、電源断処理が実行される(図26のS1216参照)。そして、電源断処理が終了すると、電源断処理中フラグ223xがオフに設定される(図26のS1218参照)。この電源断処理中フラグ223xは、立ち上げ処理で参照され(図25のS1102参照)、オンである場合は、電源断処理の実行中で電源断となった(即ち、RAM破壊されている)と判断し、RAM破壊のチェックをすることなく、RAM破壊された場合の処理を実行する。
電源断フラグ223yは、主制御装置110が電源断を検知すると音声ランプ制御装置113へ電源断コマンドが送られ、音声ランプ制御装置113がその電源断コマンドを受信すると、電源断フラグ223yがオンに設定され、電源断処理が実行される(図26のS1216参照)。そして、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図25)において、電源断フラグ223yがオンの場合に、RAMの作業領域がクリアされ、電源断フラグ223yがオフに設定される(図25のS1110参照)。
その他メモリエリア223zは、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図27参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次に、図14を参照して、楽曲データテーブル222bの詳細について説明する。図13は、楽曲データテーブル222bの内容を模式的に示した模式図である。楽曲データテーブル222bは、図13に示すように、各種変動パターン用楽曲222b1と、オープニング用楽曲222b2と、各種大当たり用楽曲222b3と、エンディング用楽曲222b4とを少なくとも有している。
各種変動パターン用楽曲222b1は、上述した変動パターンテーブルに基づいて設定される変動パターンに対応する楽曲である。この各種変動パターン用楽曲222b1は、変動表示設定処理において表示用変動パターンコマンドが設定される場合に(図28のS1404参照)、その変動パターンに応じた楽曲が選択され、楽曲転送エリア223eに設定される(図28のS1405参照)。これにより、第3図柄表示装置81に表示される変動表示に応じた楽曲を、音出力装置226から出力することができる。
オープニング用楽曲222b2は、大当たり種別に応じた大当たり遊技のオープニング演出に対応する楽曲である。このオープニング用楽曲222b2は、コマンド判定処理においてオープニングコマンドを受信したと判別された場合に(図27のS1307:Yes)、表示用オープニングコマンドが設定されると共に、オープニング用楽曲222b2が楽曲転送エリア223eに設定される(図28のS1309)。これにより、大当たり遊技が開始されることを示唆するオープニング用楽曲を、音出力装置226から出力することができる。オープニング用楽曲としては、具体的に、「パラララ〜ン、ラララ〜ン、パラララ、ランラン、パララララン。パララ〜ン、パラララン、パラ、ランラン、パララララン。(以降リピート3回)」という音楽が再生されることとなり、遊技者はこの音楽を聴くことで大当たり遊技が開始されることを認識できる。
各種大当たり用楽曲222b3は、大当たり種別に応じた大当たり遊技の演出に対応する楽曲である。この各種大当たり用楽曲222b3は、上述した大当たりのオープニング演出の設定時に、オープニング用楽曲222b2と共に、楽曲転送エリア223eに転送される。これにより、オープニング演出後に実行される大当たり演出に対応する大当たり用楽曲を、音出力装置226から出力することができる。具体的には、歌やクラシック音楽などの音楽が再生される。よって、大当たり時に第3図柄表示装置81による視覚的な演出と共に、音出力装置226から出力される大当たり用楽曲によって聴覚的な演出がされることにより、演出効果を向上することができる。
エンディング用楽曲222b4は、大当たり遊技におけるエンディング演出に対応する楽曲である。このエンディング用楽曲222b4は、コマンド判定処理においてエンディングコマンドを受信したと判別された場合に(図27のS1310:Yes)、表示用エンディングコマンドが設定されると共に、エンディング用楽曲222b4が楽曲転送エリアに設定される(図27のS1312)。これにより、大当たり遊技の終了時に第3図柄表示装置81に表示されるエンディング演出に対応するエンディング楽曲を、音出力装置226から出力することができる。
その他演出用楽曲222b5は、上述した楽曲以外の楽曲である。例えば、SW演出の演出中におけるSW演出用楽曲や、所定時間(1時間毎)に実行される演出(RTC演出)におけるRTC演出用楽曲などが設けられている。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。この表示制御装置114は公知の物であるため、その詳細な説明を省略する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図21参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図15から図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図15は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、図16〜図18を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第2入球口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図20を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図16は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図23参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図17を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図17を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、大当たり種別に基づいて大当たりデータを設定する(S212)。そして、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S213)、S216の処理へ移行する。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S214)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S214:Yes)、時短中カウンタ203fの値を1減算して(S215)、S216の処理へ移行する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S214:No)、S215の処理をスキップして、S216の処理へ移行する。
S213またはS215の処理を終えると、停止コマンドを設定し(S216)、本処理を終了する。ここで設定された停止コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図23参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、停止コマンドを受信すると、実行中の変動表示を、停止種別コマンドにより受信した停止種別で停止させる処理を実行する。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図17は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図15参照)の特別図柄変動処理(図16参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変フラグ203eがオンであるか否かを判定する(S302)。確変フラグ203eがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203eの値がオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であることを示す。
確変フラグ203eの値がオンである場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、確変フラグ203eがオフである場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0」の1個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりA(16R確変大当たり)であると判定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりB(16R時短大当たり)であると判定する(図11(b)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとしては、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとしては、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。
S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図23)のS901の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図18のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図18は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図23参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S406)、本処理を終了する。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
なお、この始動入賞処理において、始動入賞に基づいて取得された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するよう構成してもよい。これにより、実行される演出を当該演出の実行前に判別することができるため、その判別結果に基づいて楽曲データの設定などを予め実行しておくことで、処理負荷を分散させることができる。
次に、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図19は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定する(S508)。尚、時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203fの値が1以上である場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなり難くなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者は特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つ。しかし、第1入球口64に付随する電動役物が開放されると、特定入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることとなる。よって、第1入球口64に付随する電動役物が開放されることを抑制し、特定入賞口65aに入賞させやすい状態とするためである。尚、特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図11(c)参照)。
S508の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図10(c)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S512)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S514)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S514:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S515)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S515:Yes)、S517の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S515の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S515:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S516)、S519の処理へ移行する。S514の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S514:No)、S517の処理へ移行する。S517の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S517)、S519の処理へ移行する。
S512の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を設定する(S518)。このS518の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S519の処理へ移行する。
S519の処理では、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S519)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S519:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S520)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S519:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S521)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S520の処理またはS521の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S518の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図23参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S513の処理またはS518の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。S525の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図23参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S524の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、S525の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図20は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が第2入球口67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、第2入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球が第2入球口67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が第2入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球が第2入球口67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。尚、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図21は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図22を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図22は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS812へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS812へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS812へ移行する。なお、メイン処理(図23参照)のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S812の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S812)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S813,S814)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。RAMの初期化処理(S813,S814)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S813)、その後、RAM203の初期値を設定する(S814)。RAM203の初期化処理の実行後は、S810の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S810の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S810の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S811)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図23を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図23は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図15参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図15参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図16参照)や始動入賞処理(図18参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図24参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、第1変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、第1変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、第1変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
第1変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図19参照)のS525の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S906)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図17参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図17参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図17参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図19参照)のS520の処理またはS521の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図19参照)のS523の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図19参照)のS513の処理またはS518の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901〜S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図21のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901〜S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存したりしなくても、立ち上げ処理(図22参照)の初期設定の処理(S801)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図24は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン割込処理(図23参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図16参照)のS208の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1002)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図23参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1003)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1003の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1003:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1003の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1103:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1004)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1004:Yes)、特定入賞口65aを開放し(S1005)、本処理を終了する。なお、S1004の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合に(S1004:Yes)、ラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113に向けて送信するようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において新たなラウンドの開始タイミングを判別することができ、新たなラウンドの開始に合わせて楽曲や演出を変更することができる。
一方、S1004の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1004:No)、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1006)。具体的には、特定入賞口65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口65aに球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1006の処理において、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1006:Yes)、特定入賞口65aを閉鎖して(S1007)、本処理を終了する。一方、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1006:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1008)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1008の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1008:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1009)、実行されていた特別遊技が確変大当たりであったか否かを判別する(S1010)。S1010の処理において、大当たりA(16R確変大当たり)であったと判別された場合は(S1010:Yes)、確変フラグ203eをオンに設定して(S1011)、本処理を終了する。一方、S1010の処理において、大当たりB(16R時短大当たり)であったと判別された場合は(S1010:No)、時短中カウンタ203fに100を設定して(S1012)、本処理を終了する。
ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図23参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。一方、S1008の処理において、エンディングの開始タイミングでない場合には(S1008:No)、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図25から図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図25を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図25は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1217の電源断処理(図26参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1102)。図26を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図26のS1314参照)、S1217の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグ203xがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグ203xはオフされる。よって、S1217の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグ203xの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグ203xがオフであれば(S1102:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1103)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1106の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1103:Yes)、S1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1103:No)、S1108へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1103:Yes)、S1104へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1103:No)、S1108へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1102:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1217の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1104の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1104)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1105:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1106)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1105:No)、RAM223の異常を報知して(S1107)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1108の処理では、電源断フラグ203yがオンされているか否かを判別する(S1108)。電源断フラグ203yはS1217の電源断処理の実行時にオンされる(図26のS1216参照)。つまり、電源断フラグ203yは、S1217の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1108:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1109)、電源断フラグ223yをオフに設定する(S1110)。その後、RAM223の初期値を設定した後(S1111)、割込み許可を設定して(S1112)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグ223yがオフされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1108:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1109およびS1110をスキップして、処理をS1111へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1111)、割込み許可を設定して(S1112)、メイン処理へ移行する。
なお、S1109のクリア処理をスキップするのは、S1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至った場合には、S1104の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図26を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図26は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1201の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1201)、1m秒以上経過していなければ(S1201:No)、S1202〜S1211の処理を行わずにS1212の処理へ移行する。S1201の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1202〜S1211が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1212のコマンド判定処理や、S1213の変動表示設定処理や、S1213およびS1214のカウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1212の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1213の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1201の処理で1m秒以上経過していれば(S1201:Yes)、まず、S1203〜S1213の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1202)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1208の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1203)、その後電源投入報知処理を実行する(S1204)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1205の処理へ移行する。
S1205の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1206)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1207)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1207の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1208)、その後音編集・出力処理を実行する(S1209)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1209の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1210)、S1211の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1208のランプ編集処理が実行される。なお、S1209の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1210の処理後、スピーカチェック処理が実行され(S1211)、S1212の処理へ移行する。スピーカチェック処理(S1211)は、音出力装置226内に設けられる光検出回路226eにより、音声出力装置226の内部領域226b1に光が入射しているかを判別し、エラー報知を行うための処理である。このスピーカチェック処理(S1211)の詳細については、図29を参照して後述する。
S1212の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理が実行される(S1212)。このコマンド判定処理の詳細については、図27を参照して後述する。S1212の処理を終えると、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、変動表示設定処理を実行する(S1213)。具体的には、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図28を参照して後述する。
S1213の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1214)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1214の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1214:Yes)、電源断フラグ203y及び電源断処理中フラグ203xを共にオンして(S1216)、電源断処理を実行する(S1217)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグ203xをオフし(S1218)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1214の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1214:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1215)、RAM223が破壊されていなければ(S1215:No)、S1201の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1214:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1212)について説明する。図27は、このコマンド判定処理(S1212)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1212)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の開始の決定も行う。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1301)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1301:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1302)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1303)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図28参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1301:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1304)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1304:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1305)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1306)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図28参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1304:No)、次いで、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S1307)。そして、オープニングコマンドを受信した場合には(S1307:Yes)、受信したコマンドに応じた表示用オープニングコマンドを設定し(S1308)、オープニング用楽曲と大当たり用楽曲と楽曲データテーブル222bから選択して楽曲転送エリア223eに設定し(S1309)、本処理を終了する。
ここで、オープニングコマンドは、大当たり遊技が開始される場合に主制御装置110から送信される。よって、大当たり遊技が開始される場合に表示用オープニングコマンドとオープニング用楽曲とを設定することができるので、大当たり遊技の開始に合わせて、第3図柄表示装置への演出の表示と、音出力装置226への楽曲の再生開始とを実行することができる。
S1307の処理において、オープニングコマンドを受信していない場合には(S1307:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S1309)。そして、エンディングコマンドを受信した場合には(S1309:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S1311)、エンディング用楽曲222b4を楽曲転送エリア223eに設定して(S1312)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図26参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
一方、S1310の処理において、エンディングコマンドを受信していない場合には(S1310:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1313)、メイン処理に戻る。その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。その他のコマンドとしては、例えば、上述したラウンド数コマンド、保留球数コマンドなどがある。
次に、図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1213)について説明する。図28は、この変動表示設定処理(S1213)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1213)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1401)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1401:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1406の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1401:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1402)、次いで、コマンド判定処理(図27参照)のS1303の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1403)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1404)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、変動パターンに応じた変動パターン用楽曲を楽曲データテーブル222bの各種変動パターン用楽曲222b1から選択し、楽曲転送エリア223eに設定する(S1405)。このS1405の処理によって、変動パターン用楽曲が楽曲転送エリア223eに設定されることで、音出力装置226より変動パターン用の楽曲が再生されることとなる。
S1405の処理を終えると、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1406)。S1406の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1407の処理へ移行する。
S1407の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1407)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1407:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1407:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1408)、次いで、コマンド判定処理(図27参照)のS1306の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1409)。
次いで、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(S1410)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
次に、図29を参照して、メイン処理(図26参照)において実行されるスピーカチェック処理(S1211)の詳細について説明する。図29は、スピーカチェック処理(S1211)を示すフローチャートである。このスピーカチェック処理(S1211)は、音出力装置226に異常が発生しているか否かを判別し、異常が発生していると判別した場合には、異常時処理を実行するものである。
スピーカチェック処理(S1211)は、まず、光検出回路226eからの光検出信号LSの状態を取得する(S1501)。次いで、その取得した光検出信号LSがハイであるか否かを判別する(S1502)。上述したように、光検出信号LSは、光検出回路226eに設けられている光センサから出力される電流値が照度5ルクスに対応する電流値よりも高い場合、即ち、内部領域226b1に照射される光の明るさ(照度)が5ルクス以上となった場合に、ハイ(5V)に設定されるものである。よって、S1502の処理において、光検出信号LSがハイであると判別される場合は、音出力装置226の振動板226c2などが破壊され、内部領域226b1に光が入射している状態であると判別することができる。
S1502の処理において、光検出信号LSがハイであると判別された場合は(S1502)、音声出力装置226の内部領域226b1に光が入射している場合であり、振動板226c2などが破壊された可能性が高いため、S1503〜S1506の異常時処理を実行する。
具体的には、内部LED226d1,226d2をオンに設定し(S1503)、スピーカ226cに警報音信号を出力するよう設定し(S1504)、外部出力端子板261に異常信号を出力する(S1505)。次いで、表示用異常コマンドを設定し(S1506)、本処理を終了する。
S1503の処理により、内部LED226d1,226d2が発光するように制御される。これにより、振動板226c2を破損した後、破損箇所を塞ぐなどして光が内部領域226b1へと入射しないようにしても、内部LED226d1,226d2の光によって、異常であることを継続して報知でき、不正行為の実行を抑制することができる。
この内部LED226dは、遊技機の電源を切ることでオフに設定される。即ち、ホールの従業員などが異常の報知を認識し、不正行為の有無を確認した後に、遊技機が再起動されるまで異常の報知が継続される。なお、内部LED226d1,226d2は、所定の操作(例えば、RAM消去スイッチ122の押下)によりオフにされるように構成してもよい。また、内部LED226dを用いずに、光検出回路226eによる異常の検出(光を検出)を継続して記憶するように構成し、所定の操作(例えば、RAM消去スイッチ122の押下)によりその記憶された情報を初期化するようにしてもよい。これにより、内部LRD226dを用いずとも、一度異常を検出した後に、継続して異常があったことを報知することができる。
S1504の処理により、スピーカ226cから警報音が出力される。ここで、光検出信号LSがハイとなるのは、振動板226c2の破損等により内部領域226b1へ光が入射する場合である。よって、内部領域226b1へ光が入射した時点で、即ち、スピーカ226cへ電力を供給する配線226c3が切断される前の時点で、スピーカ226cから警報音を出力することができる。これにより、配線226c3が切断され、スピーカ226cから完全に音が出力されなくなる前に警報音を出力することができるので、異常の発生に気づきやすくすることができ、不正行為を抑制することができる。
なお、音出力装置226以外に、音を出力するスピーカを設けておき、そのスピーカから警報音を出力するように構成してもよい。これにより、音出力装置226が破壊され、警報音を出力できない状態となった場合においても、警報音を出力することができ、ホールの店員等に異常を気づかせることができる。
S1505の処理により、異常信号が外部出力端子板261に出力されるので、その異常信号をホールコンピュータなどで検知することができる。これにより、配線226c3が切断されるなどにより、スピーカ226cから音が出力できなくなった場合においても、異常の発生を検知することができる。
また、他のエラーの報知を行う異常時処理(S1504、S1506)を実行せず、外部出力端子板261への異常信号の出力のみを実行するようにしてもよい。これにより、遊技者に異常検知をしていることを感知されることなく、不正行為を実行する遊技者を監視することができる。
S1506の処理により設定された表示用異常コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図26参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、この表示用異常コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81に異常が表示される。これにより、不正行為の発生が報知されるので、不正行為を抑制することができる。
S1502の処理において、光検出信号LSがハイでないと判別された場合は、S1503〜S1506の処理をスキップして、本処理を終了する。
以上、説明したように、本第1実施形態では、音出力装置226内部の配線226c3を切断しようとする不正行為を、音出力装置226内の内部領域226b1に光が入射することを検出することで、検知できるように構成されている。よって、配線226c3が切断される前に、内部領域226c4への異物の進入を検知できるので、上述した不正行為を抑制することができる。
また、内部領域226c4に配置される配線226c3と振動板226c2との間には、台座部材226b2が設けられている。これにより、振動板226c2を破損し、配線226c3を切断するために異物を内部領域226c4へ進入させたとしても、台座部材226b2が障害となり、配線226c3を切断することを困難とすることができる。
さらに、配線226c3と振動板226c2との間に光検出回路226eが設けられている。これにより、配線226c3を切断しようとして、振動板226c2を破損する不正行為を効率良く検出することができる。
また、音出力装置226には光が進入可能なダクト部226a1が設けられており、そのダクト部226a1と反対側に光検出回路226eとが設けられている。これにより、光検出回路226eはダクト部226a1から進入する光の影響を受けにくいので、受光精度を向上させることができる。よって、不正行為を精度よく検出することができる。
なお、ダクト部226a1の設けられている側に、光検出回路226eを設けるよう構成してもよい。この場合、ダクト部から進入する光の光量を考慮して、異常と判別する光検出回路226eに対して照射される光の照度(光量)を定めることで、音出力装置226の振動板226c2などの破壊を検出することができる。
また、ダクト部226a1の設けられている側に第1の光検出回路226eを設け、その第1の光検出回路226eとスピーカ226cを挟んで対角する位置(即ち、ダクト部226a1から遠い位置)に第2の光検出回路226eを設けるようにしてもよい。この場合、第1の光検出回路226eはダクト部226a1の影響を受けるので、第2の光検出回路226eよりも検出される光の照度(光量)が多くなる。これにより、第2の光検出回路226eにより検出される光の照度(光量)が、第1の光検出回路226eに比べ多くなった場合(または差が所定量以下となった場合)に異常であると判別することができる。
さらに、音出力装置226内の配線226c3が設けられる領域を遮光部材で覆い、その覆われた空間に光検出回路226eを設けるように構成しても良い。これにより、音声出力装置226の内部でも、特に重要な配線226c3が切断される可能性が高い場合にのみ光検出回路226eによる異常検出が行われ、異常を報知することができる。よって、軽微な異常にも関わらず異常が報知されてしまい、遊技者やホール従業員が困惑することを防止できる。
また、音出力装置226の前面にカバー体が設けられ、そのカバー体と前面カバー226aとの間に発光装置(LEDなど)を設けられている。これにより、カバー体を遮光しながら振動板226c2を破損させるなどの不正行為が実行されたとしても、カバー体の内部に設けられた発光装置によって、振動板226c2が破損されたことを検出することが可能となる。しかし、これに限られず、発光装置を設けずとも、カバー体前面側を遮光されたとしても、遊技機に設けられている発光する装置からの光(例えば第3図柄表示装置からの光)が、カバー体と前面カバー226aとの間に入射するよう構成してもよい。これにより、発光装置(LEDなど)を特別に設けることなく、上述した不正行為を検出することを可能とすることができる。
さらに、本実施形態の音出力装置226には、ダクト部226a1から入射した光を迂回させるための迂回光路226b3が設けられ、その迂回光路226b3より内部の領域に光検出回路226eが設けられている。光検出回路226eはダクト部226a1から入射する光の影響を受けにくいので、受光精度を向上させることができる。よって、不正行為を精度よく検出することができる。なお、迂回光路226d3は特定波長の光を通過し難くするよう構成し(例えば、偏光板を設ける、特定波長の回折限界となるよう光路を入り組ませる、特定波長を吸収する素材で迂回光路を構成する、など)、光検出回路226eはその通過し難くした特定波長の光を検出するようにしてもよい。
<第2実施形態>
次に、図30から図37を参照して、第2の実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1の実施形態では、音出力装置226の内部領域226b1への光の入射に基づいて音出力装置226への不正行為(振動板226c2を破り、内部へ異物を侵入させる行為など)を検出するように構成されている。これに対し、本第2実施形態では、音出力装置226に振動センサ226fを設け、音出力装置226から音が出力される場合に振動する振動板226c2の位置(基準点からの変位量)を、振動センサ226fにより定期的に計測し、その計測結果に基づいて、音出力装置226への不正行為を検出するように構成している。
具体的には、パチンコ機10の立ち上げ処理時に、大当たり時のオープニング用楽曲222b2を音出力装置226により再生し、その際の振動板226c2の変位量を10μs毎に5秒間取得し、想定振動パターンとして記憶しておく。そして、遊技中において大当たりとなった場合に、同一のオープニング用楽曲222b2を再生し、その際の計測振動パターンを計測し、記憶しておいた想定振動パターンとを比較する。そして、計測振動パターンと想定振動パターンとの差異が大きい場合には、振動板226c2が破損されたとして異常検出する。
これにより、音出力装置226から音が出力されない状態、または、音を正常に出力できない状態を振動の計測結果より検出することができるので、振動により音を出力する音出力装置226の異常(音不鳴り、異音出力など)を正確に検出することができる。
<第2実施形態における遊技機の電気的構成について>
まず、図30を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図30は、は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本第2実施形態では、上述した第1実施形態に対し、音声出力装置226において光検出回路226eに代えて振動センサ226fが設けられ、内部LED226dが削除される点で相違し、その他の点で同一である。同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態におけるスピーカ226cの振動板226c2の背面には金属板が取り付けられており、振動センサ226fは、その金属板と接触しない位置に取り付けられ、金属板とセンサとによって形成されるコンデンサの静電容量から変位量(振動レベル)を測定するものである。
ここで、スピーカ226cは、配線226c3から入力される電圧に基づいて、振動板226c2を変位(振動)させることにより、音を出力するものである。配線226c3から入力される電圧は「−5V〜5V」の間で可変され、入力電圧が「0V」の時に振動板226c2は振動板226c2が可動する範囲の中点である初期位置となり、入力電圧に応じて振動板226c2の位置が可変される。振動板226c2が可変される位置は、入力電圧の大きさに比例して初期位置から遠ざかるものであり、正の入力電圧が入力されると初期位置から前面方向へと振動板226c2が可変され、負の入力電圧が入力されると初期位置から背面方向へと振動板226c2が可変される。具体的には、入力電圧が「5V」である場合に、振動板226c2は前面方向の可動域の上限位置まで可変され、入力電圧が「−5V」である場合に、振動板226c2は背面方向の可動域の上限位置まで可変される。また、入力電圧が「2.5V」である場合には、振動板226c2は前面方向の可動域の上限位置と初期位置との中点へと可変される。
上述した変位量(振動レベル)は、スピーカ226cの振動板226c2が初期位置から可変された量を示す値であり、「−128〜127」の値で示される。振動板226c2が初期位置からスピーカ226cの前面方向に可変されると正の値となり、初期位置からスピーカ226cの背面方向へ可変されると負の値となる。具体的には、振動板226c2が前面方向の可動域の上限位置まで可変されると、変位量(振動レベル)は「127」となり、反対に、振動板226c2が背面方向の可動域の上限位置まで可変されると、変位量(振動レベル)は「−128」となる。
振動センサ226fにより測定される振動板226c2の変位量(振動レベル)は、振動レベル信号BLとして音声ランプ制御装置113の入出力ポート225へ入力される。この振動レベル信号BLは、後述する振動計測処理において取得される(図35のS2102)。振動計測処理は、タイマ割込みによって10μs毎に実行されるので、10μs毎に振動レベル信号BLを取得することができる。ここで、10μsの周期は、周波数に換算すると100kHzであるので、100kHzのサンプリング周波数で振動板226c2の変位量(振動レベル)を計測可能に構成されている。
なお、振動センサ226fは、これに限られず、振動板226c2に圧電素子(受けた圧力に基づいて電圧を生じる素子)を接触させ、その圧電素子が生じる電圧によって振動板226c2の変位量(振動レベル)を測定するものでもよい。また、振動センサ226fに代えて音センサを設け、その音センサの検出する音圧を変位量(振動レベル)として測定してもよい。その他、レーザー変位計や加速度センサなどによって、振動板226c2の変位量(振動レベル)を計測するようにしてもよい。
詳細は後述するが、本実施形態では、パチンコ機10の立ち上げ時にオープニング楽曲が再生され、その間、振動計測処理(図35参照)が10μs毎に実行され、振動板226c2の変位量(振動レベル)が想定振動メモリ223hに記憶される。その後、遊技が実行され大当たりとなると、オープニング楽曲が再生され、振動計測処理(図35参照)が同様に実行される。その際に計測された計測振動メモリ223gと想定振動メモリ223hとの値が比較され、その値の差が許容範囲内であれば正常と判別され、許容範囲外であれば異常と判別される。異常と判別された場合には、異常であることが報知される。これにより、例えば、振動板226c2が破損されることで、振動板226c2が振動されなくなる場合に、計測された計測振動メモリ223gと想定振動メモリ223hとの値の差が許容範囲外となるので、振動板226c2の破損を検出し、異常を報知することができる。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113のRAM223について説明する。図31は、音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。本実施形態におけるRAM223は、計測カウンタ223f、計測振動メモリ223g、想定振動メモリ223hが新たに設けられた点で相違する。その他の点は同一であり、同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図31(b)を参照して、本実施形態において新たに設けられたRAM223の内容について説明する。
計測カウンタ223fは、楽曲転送エリア223eに楽曲データを設定してからの経過時間を計測するためのカウンタである。即ち、楽曲の再生時間を計測するためのカウンタである。この計測カウンタ223fは、振動計測処理(図35参照)が実行される度に1加算されるものであり(S2104参照)、想定振動設定処理(図34参照)またはスピーカチェック処理2(図37参照)において参照される。参照された計測カウンタ223fが500000である場合は(図34のS2004、図37のS2201)、楽曲の再生時間が5秒となる場合であり、想定振動設定処理(図34参照)またはスピーカチェック処理2(図37参照)にて必要な処理が実行された後、計測カウンタ223fは0に初期化される。
計測振動メモリ233gは、計測した振動レベル信号BLの値を記憶しておくメモリであり、振動計測処理(図35参照)において、開始アドレスから順に振動レベル信号BLの値が書き込まれる(図35のS2103参照)。この書き込みされた計測振動メモリ233gの値は、想定振動設定処理(図34参照)において、計測カウンタ223fが500000である場合(即ち、設定した楽曲が5秒再生された場合)に想定振動メモリ223hに設定された後に初期化される。また、スピーカチェック処理2(図37参照)において、計測カウンタ223fが500000である場合(即ち、設定した楽曲が5秒再生された場合)に、想定振動メモリ223hと比較された後に初期化される。詳細は後述するが、この比較結果の差分が許容範囲内であるか否かにより、音出力装置226の異常であるか否かが判別される。
想定振動メモリ223hは、パチンコ機10の立ち上げ時に楽曲データを再生した場合における、振動計測結果を記憶しておくためのメモリであり、上述したように想定振動設定処理(図34参照)において、計測カウンタ223fが500000である場合(即ち、設定した楽曲が5秒再生された場合)に想定振動メモリ223hの内容が設定される。また、スピーカチェック処理2(図37)において、振動を計測した結果と想定振動との比較結果が許容範囲であると判別された場合に(図37のS2203:Yes参照)、計測結果である計測振動メモリの内容により更新される。これにより、パチンコ機10の周囲の環境(温度、湿度等)が、立ち上げ時から変化している場合に適応させることができる。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図32を参照して、本第2実施形態における主制御装置110の制御処理について説明する。本第2実施形態は、上述した第1実施形態に対し、立ち上げ処理の一部処理を変更した点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図32を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理の詳細について説明する。図32は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。本第2実施形態では、上述した第1実施形態に比べ、ウエイト時間が変更されている点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
具体的には、S801の電源投入に伴う初期設定処理を実行し(S801)。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では6秒)を実行する(S820)。
ここで、本第2実施形態では、音声ランプ制御装置113において、想定振動設定処理(図34参照)が電源投入時に実行される。この想定振動設定処理(図34参照)により、想定振動メモリ223hが設定され、この想定振動メモリ223hは、オープニング演出の実行時(オープニング楽曲の再生時)に、音出力装置226の異常を検出するために利用される。想定振動メモリ223はオープニング楽曲を先頭から5秒再生した場合の音出力装置226内の振動を記憶するものである。よって、この想定振動設定処理を完了するには5秒の時間が必要となる。そこで、本第2実施形態では、上述した第1実施形態のウエイト時間1秒に対し5秒多い、6秒のウエイト時間を設けている。これにより、サブ側の制御装置が動作可能な状態になるのを待ってから、主制御装置110を起動することができる。
S820の処理を終えると、第1実施形態と同様にS803〜S814の処理を実行し、本処理を終了する。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図33から図37を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される制御処理について説明する。本第2実施形態は、上述した第1実施形態に対し、立ち上げ処理と、コマンド判定処理(S1213参照)の一部が変更される点と、スピーカチェック処理(S1211)に代えてスピーカチェック処理2(S1220)が実行される点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理について説明する。図33は、立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は音声ランプ制御装置113の電源投入時に起動されるものであり、音声ランプ制御装置113を起動させるための処理である。
本第2実施形態における立ち上げ処理では、上述した第1実施形態に対し、想定振動設定処理(S1120)を実行するようにした点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、第1実施形態と同様にS1101からS1110の処理を実行する。次いで、想定振動パターンを計測するために、想定振動設定処理を実行する(S1120)。S1120の処理を終えると、割り込み許可を設定して(S1111)、メイン処理へと移行する。
ここで、図34を参照して、想定振動設定処理(S1120)の詳細について説明する。図34は、想定振動設定処理(S1120)を示したフローチャートである。この想定振動設定処理(S1120)は、音声ランプ制御装置113の起動時にオープニング用楽曲222b2を、音出力装置226を用いて所定時間(本実施形態では5秒)再生し、その再生時の音出力装置226の振動を想定振動として記憶しておく処理である。
想定振動設定処理(S1120)では、まず、オープニング用楽曲222b2を楽曲エリア223eに転送し(S2001)、計測カウンタに0を設定する(S2002)。ここで、本実施形態では、オープニング用楽曲222b2として複数種類の楽曲を備えているが、各楽曲の開始5秒分の音データは同一となるように構成されている。これにより、大当たり開始時にいずれのオープニング用楽曲が選択されて、出力されたとしても、後述するスピーカチェック処理を実行することができる。なお、これに限られず、楽曲を1種類のみとしてもよいし、別途検査用の楽曲を用意してオープニング用楽曲の再生前に再生して検査するようにしてもよい。
S2002の処理を終えると、振動計測処理のタイマ割り込みを設定し(S2003)、S2004の処理へ移行する。S2003の処理において設定されるタイマ割り込み期間は10μsとする。これにより、10μs後に振動計測処理(図35)が実行されることとなる。振動計測処理の詳細については、図35を参照して後述する。
S2004の処理では、計測カウンタ223fが500000であるか否かを判別する(S2004)。この計測カウンタ223fは、10μs毎にタイマ割込により実行される振動計測処理(図35)により1ずつ加算されるものであるので、計測カウンタ223fが500000となるのは、オープニング用楽曲の再生開始(S2001)から5秒後となる。S2004の処理において、計測カウンタ223fが500000でないと判別された場合は、再度S2004の処理を実行する。
なお、再度S2004の処理を実行する前にウエイト処理(例えば、10μs)を入れてもよい。これにより、S2004の処理が頻繁に実行され、MPU221が占有されてしまうことにより、他の処理が動作できないなどの不具合を抑制することができる。
一方、S2004の処理において、計測カウンタ223fが500000であると判別された場合は、オープニング用楽曲の再生を停止するために、楽曲転送エリア223eをクリアし(S2005)、計測振動メモリ223gの内容を想定振動メモリ223hに設定する(S2007)。その後、計測カウンタ223fを0に初期化し、本処理を終了する。なお、S2005の処理においてオープニング用楽曲の再生を停止するように構成しているが、これに限られず、楽曲の全てを再生してから停止してもよいし、所定時間経過後に停止するようにしてもよいし、別の楽曲に切り替えるようにしてもよい。また、楽曲転送エリア223eをクリアすることにより、楽曲の再生を停止するように構成したが、これに限られず、楽曲転送エリア223eのデータをミュート処理(所定時間をかけて徐々に音量を下げていく処理)されたものに切り替えるようにしてもよい。これにより、再生していた楽曲データが急に0データに切り替わることにより発生するノイズ(所謂、ボツ音)を抑制することができる。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるタイマ割り込みにより実行される振動計測処理について説明する。図35は、振動計測処理を示すフローチャートである。この振動計測処理は、音出力装置226に設けられた振動センサ226fの振動レベル信号BLの信号を所定期間(計測カウンタ223fが500000未満の間)計測し、記憶する処理である。
振動計測処理では、まず、計測カウンタ223fが500000であるか否かを判別する(S2101)。計測カウンタ223fが500000であると判別された場合は(S2101:Yes)、振動レベルを計測する期間を経過しているので、そのまま本処理を終了する。
一方、計測カウンタ223fが500000でない(即ち、500000未満である)と判別された場合は(S2101:No)、振動レベル信号BLを取得し(S2102)、計測振動メモリ223gの開始アドレスに計測カウンタ223fの値を加算したアドレスに、取得した振動レベル信号BLの値を書き込む(S2103)。
S2103の処理を終えると、計測カウンタ223fに1を加算し(S2104)、振動計測処理のタイマ割り込みを設定して(S2105)、本処理を終了する。
S2105の処理において、10μs後に再度振動計測処理が実行されるように設定される。これにより、振動計測処理は、計測カウンタ223fが500000になるまで、10μs毎に実行され、計測期間の経過後は、実行されないように構成されている。
なお、本実施形態では、タイマ割り込みにより振動計測処理を実行するように構成したが、これに限られず、メイン処理において10μs毎に実行するようにしてもよい。また、振動計測処理を10μs毎に実行するように構成したが、これに限られず、より短い間隔(例えば、5μs毎)や、より長い間隔(100μs毎)に実行するようにしてもよい。
次に図36を参照して、本実施形態におけるコマンド判定処理(S1212)の詳細について説明する。図36は、コマンド判定処理(S1212)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理(S1212)は、上述した第1実施形態に対し、オープニングコマンドを受信した場合の一部の処理が変更されている点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
コマンド判定処理(S1212)では、上述した第1実施形態と同様にS1301からS1307の処理を実行する。次いで、S1307の処理において、オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S1307:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定し(S1308)、オープニング用楽曲と大当たり用楽曲とを、大当たり種別に基づいて、楽曲転送エリア223eに設定する(S1309)。
S1309の処理を終えると、計測カウンタ223fに0を設定し(S1320)、振動計測処理のタイマ割り込みを設定して(S1321)、本処理を終了する。これにより、オープニング用楽曲が再生される場合の、音出力装置226の振動レベルを計測することができる。
一方、S1307の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別された場合は(S1307:No)、上述した第1実施形態と同様にS1310からS1313の処理を実行して、本処理を終了する。
次に、図37を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理で実行されるスピーカチェック処理2(S1220)について説明する。図37は、スピーカチェック処理2(S1220)を示すフローチャートである。このスピーカチェック処理2(S1220)は、第1実施形態における、スピーカチェック処理(S1211)に代えて実行される処理であり、音出力装置226の異常を検知し、異常の報知を実行するための処理である。
スピーカチェック処理2では、まず、計測カウンタ223fが500000であるか否かを判別する(S2201)。S2201の処理において、計測カウンタ223fが500000でないと判別された場合は(S2201:No)、音出力装置226の振動レベルの計測タイミングではない場合又は計測中の場合であるので、そのまま本処理を終了する。
一方、S2201の処理において、計測カウンタ223fが500000であると判別された場合は(S2201:Yes)、音出力装置226の振動レベルの計測タイミングであるので、音出力装置226の振動レベルが正常であるか否かを判別するためにS2202からS2208の処理を実行する。
S2202の処理では、想定振動メモリ223hと計測振動メモリ223gとの比較を実行する(S2202)。具体的には、各メモリに記憶されている各タイミング(10μs毎)における振動レベルの差を算出し、その差の合計を、想定振動メモリ223hに格納されている各タイミング(10μs)の振動レベルの合計で除することによって算出される誤差割合を用いて比較を行う。次いで、比較結果として算出された差分の合計値が許容範囲であるか否かを判別する(S2203)。具体的には、計測振動メモリ223gと想定振動メモリ223hとの誤差割合が5%以内である場合には許容範囲内であると判別し、5%より大きい場合には許容範囲外であると判別する。なお、この許容範囲内であるかを判別するための値は適宜変更してもよく、本実施形態では、想定振動メモリに格納されている値に対する相対値で規定したが、絶対値で規定するようにしてもよい。また、振動レベルの値を比較するように構成したが、これに限られず、振動の周波数特性を比較するようにしてもよい。
ここで、周波数が1kHzの矩形波をオープニング楽曲として用いる場合について説明する。ここでは、説明を簡単にするために周波数が1kHzの矩形波を用いる場合について説明するが、実際にはオープニング楽曲222b2の楽曲が再生される。パチンコ機10の電源を投入すると、立ち上げ処理においてオープニング楽曲として周波数が1kHzの矩形波が再生され、その際に計測された振動パターンが想定振動メモリ223hに格納される。再生した矩形波の振幅レベルが「100」である場合、この想定振動メモリ223hに格納されるデータとしては、500000回分の振動レベルの値として100000回ごと(1秒ごと)に「100」と「−100」が交互に格納される。
次いで、大当たりが発生し、オープニング楽曲として上述した矩形波が再生され、振動計測処理(図35参照)によって計測振動メモリ223gに100000回ごと(1秒ごと)に「97」と「−97」が交互に格納されたとする。この場合は、各タイミングにおける振動レベルの差(絶対値の差)は「3」であり、500000回分における差(絶対値の差)の合計は、「1500000」となる。この値を、想定振動メモリ223hの値の合計である「50000000」で除した誤差割合は、3%となる。よって、この場合は、許容範囲内の差であると判別する。
一方、計測振動メモリ223gに100000回ごと(1秒ごと)に「90」と「−90」が交互に格納されたとする。この場合は、各タイミングにおける振動レベルの差(絶対値の差)は「10」であり、500000回分における差(絶対値の差)の合計は「5000000」となる。この値より、上記同様に誤差割合を求めると10%となるので、この場合は、許容範囲外の差であると判別する。
なお、値の差(絶対値の差)が許容範囲内であるか否かを判別する方法としては、上述したものに限られず、楽曲再生時間の5秒間において、所定の振動レベル(例えば「70」)を超える回数が何回であるかを測定し、その回数を比較するようにしてもよい。また、想定振動メモリ223gとの比較を行わず、計測振動メモリ223hの各振動レベルの平均が所定の振動レベル(例えば、「50」)に達しているかで判別するようにしてもよい。
S2203の処理において、比較結果の差分が許容範囲(即ち、誤差割合が5%以内)であると判別された場合は、計測振動メモリ223gの内容を想定振動メモリ223hに書き込み(S2207)、S2208の処理へ移行する。本実施形態では、S2207の処理により計測結果である計測振動メモリの内容により更新される。これにより、パチンコ機10の周囲の環境(温度、湿度等)が、立ち上げ時から変化している場合に適応させることができる。なお、S2207の更新処理を行わないようにしてもよい。これにより、徐々に振動板226c2を破壊される場合など、想定振動メモリ223hの内容が徐々に変化してしまう場合がある。この場合に考えられる、振動板226c2が破壊されているにも関わらず、計測振動メモリ223gとの誤差割合が許容範囲となってしまうという不具合を抑制することができる。また、S2207の更新処理を実行すると共に、更新する上限を定めるようにしてもよい。これにより、立ち上げ時から変化している場合に適応させることができると共に、想定振動メモリ223hの内容が徐々に変化してしまい振動板226c2の破壊を検出できないとの不具合を抑制することができる。
一方、S2203の処理において、比較結果の差分が許容範囲でないと判別された場合は、スピーカに警報音信号を出力し(S2204)、外部出力端子板261に異常を示す異常信号を出力し(S2205)、表示用異常コマンドを設定して(S2206)、S2208の処理へ移行する。
S2206またはS2207の処理を終えると、計測カウンタ223fを0に設定し(S2208)、本処理を終了する。
以上、説明したように、本第2実施形態では、音出力装置226の例えば、振動板226c2を破損させることにより、音の出力が不可能または正常に音を出力できないようにする不正行為を、音出力装置226において正常な振動が発生しているか否かを判別することで検出することができるよう構成している。これにより、音出力装置226から正常に音が出力されていないことを検知することができ、不正行為が行われたことを検知することができる。
なお、本実施形態では、電源投入時にオープニング用楽曲を5秒分再生し、その際の音声出力装置226における振動を想定振動として記憶するように構成したが、これに限られず、予め想定振動をROMに設けるように構成してもよい。これにより、電源投入時に想定振動を計測し記憶する必要がなくなるため、パチンコ機10の起動を早くすることができる。
また、本実施形態では、オープニング用楽曲を再生する場合の音出力装置226における振動を想定振動として記憶するように構成したが、これに限られず、所定の変動パターン楽曲を再生する場合を想定振動としてもよいし、特定時刻や特定時間毎に実行されるRTC演出用楽曲を再生する場合を想定振動としてもよい。さらに、パチンコ機10の演出に関わる楽曲を再生する場合を想定振動としたが、これに限られず、特定の周波数(例えば、人間の可聴域外の周波数)の音を再生する場合を想定振動とするようにしてもよい。これにより、人間の可聴域外の周波数を再生し、振動を計測するため、不正行為を監視していることを遊技者に感知されないようにできる。
また、正常な振動が発生しているか否かは、計測振動メモリ223gと想定振動メモリ223hとの値を周波数解析した結果を用いて判定してもよい。さらに、その周波数解析結果において特定の周波数(例えば、低周波)を除いて比較するようにしてもよい。これにより、台の揺れによる振動(低周波)による影響を低くして比較することができるため、異常検出の精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、振動板226c2が振動することで発生する振動レベルを検出するように構成したが、これに限られず、振動板226c2が振動することにより、スピーカ226cの内部のボイスコイル(図示せず)が生み出す電圧を測定するように構成してもよい。これにより、振動板226c2の振動以外による振動(例えば、パチンコ機10の外部から入力される振動)の影響を受けることなく異常検出を行うことができるため、異常検出の精度を向上させることができる。
さらに、振動板226c2による振動がない場合、即ち、音が出力されていない場合にのみ異常検出するようにしてもよい。また、振動レベルが所定量以下である場合、即ち、音量が所定量以下である場合に異常検出するようにしてもよい。これにより、音が所定量以上出力されている場合は、正常な警報音ではないとしても異常を知らせることができるためであり、音量のみを比較すればよいので製造コストを削減することができる。
なお、ROM222に出荷時に異常判定用の振動情報(正常時におけるチェック用の音声を出力させた場合のコーンの振動回数または振動幅に基づく情報)を記憶させておき、電源投入毎にその振動情報に対しての相違を判定する処理を実行する。判定結果が正常範囲内(例えば、5%以内の誤差)であれば、検出した振動情報をRAM223の記憶エリアに記憶して、その振動情報に対して遊技中は異常があるか判定を実行するように構成してもよい。このように構成することで、湿度等で変化するスピーカのコーンの状態に合わせた振動情報で異常を検出することができる。さらに、初期設定での異常判定は、10%の誤差等で異常を判定して、遊技中には、計測した振動情報に対して3%以内の誤差で判別を行うようにしてもよい。このように、初期設定では、スピーカの状態を緩い設定値で異常を判別して、遊技中は個体差に合わせた振動情報で厳しい設定値(許容範囲)で異常を判定することで、より正確に異常を検知することができる。
また、上述した第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせてもよい。例えば、光検出回路226eと振動センサ226fとのいずれもが異常であると判別することにより、異常を報知するように構成すれば、不正行為の検出をより精度よく行うことができる。
なお、本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態、変形例の全部または一部をそれぞれ組み合わせて構成してもよい。また、主制御装置110、音声ランプ制御装置113等のサブ制御装置で構成したが、それに限らず、全ての機能を主制御装置110に集約して構成しても良い。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(スピーカ内部に光センサを配置して不正を検出)
音声を出力可能な音声出力部と、その音声出力部の背面側を覆うカバー体と、前記音声出力部に音声を出力するための第1信号を出力する信号出力手段と、を有し、その信号出力手段と前記音声出力部とを電気的に接続するための接続線が前記カバー体を通じて前記音声出力部から前記カバー体の外部へと配設された遊技機において、前記カバー体の内部に配設され、光を受光することに基づいて、第2信号を出力可能な受光手段と、その受光手段より出力される前記第2信号を判定する判定手段と、その判定手段による判定結果が特定の判定結果である場合に、異常を示す異常信号を出力する出力手段とを備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力装置が配設されている。この音声出力装置から出力する音声により、不正等を検知した場合には、警報音等の音声を出力して、異常を報知する遊技機が知られている(特開2011−167406公報)。この場合、スピーカ等では、音声が出力されるコーン部は、容易に破損できるので、破損して、内部の接続ケーブルを切断して、不正をしても警報音等の音声が出力されないようにする不正が行われる虞があった。このような不正を抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機A1によれば、カバー体内部には、受光手段が配設されているので、音声出力部を破損して、内部の接続線を断線させようとされた場合にも、外部から光が入ったことを判定手段により判定することができ、不正を早期に認識することができる。よって、不正を抑制することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記カバー体は、前記音声出力部の背面との間に所定の空間を有する形状で構成され、前記音声出力部の背面側より出力される音声を音声出力部の前面側方向へと出力する為の開口部を前面側に形成されているものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音出力部の背面側より出力される音声は、カバー体と音声出力部の背面との間の所定の空間に出力され、その出力された音声はカバー体の前面側に形成される開口部より音出力部の前面側方向へと出力される。これにより、音出力部の前面側には、音出力部の前面側から出力される音声と、音出力部の背面側から出力される音声とが出力されることとなり、音出力部の前面側に出力される音声を迫力あるものとすることができ、遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A2において、前記受光手段は、前記開口部から入光する光を受光し難い位置に配置されていることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声出力部の背面側より出力される音声を音声出力部の前面側方向へと出力する開口部より外部の光が入光することとなるが、受光手段は開口部から入光する光を受光し難い位置に配置されている。これにより、開口部より入光する光の影響を受けずに、音声出力部を破損して内部の接続線を断線させようとされた場合を判定することができ、不正を認識する精度を向上させることができるという効果がある。
遊技機A2またはA3において、前記受光手段は、前記接続線の少なくとも一部に受光部を向けて配置されていることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2またはA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、カバー体内部に配設された接続線に対して入光する外部からの光を受光手段が受光可能となっている。ここで、音声出力部を破損された場合に、内部の接続線に対して外部からの光が入光する場合は、接続線が断線される可能性の高い場合であり、内部の接続線に対して外部からの光が入光しない場合は、接続線が断線される可能性の低い場合である。よって、内部の接続線に対して外部からの光が入光する場合を受講手段が受光したことを、判定手段によって判定できる。これにより、接続線が断線される可能性の高い場合を精度よく判定することができるという効果がある。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記開口部は、前記音声出力部の前面側と並列して一方側に形成されているものであり、前記受光手段と前記接続線とは、前記一方側に対して他方側に配置されているものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開口部は、接続線が配置されている一方側とは異なる他方側に配置されているので、開口部より不正に接続線を切断される不正を抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記音声出力部の前面側に配置される前面カバー体を有し、その前面カバー体は、前記音声出力部の前面側から離間して配置されているものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声出力部を破損させて異物を挿入する不正を前面カバー体により防ぐことができる。よって、不正を抑制することができるという効果がある。
遊技機A6において、前記音声出力部と前記前面カバー体との間より、前記音声出力部に向けて前記光を出力する発光手段を有することを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7よれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声出力部樋と離間して配置された前面カバー体との間より、音声出力部に向けて光りを発光する発光手段が配置されているので、音声出力部を破損させる不正が行われると、内部に発光手段の光が入りやすく構成できる。よって、受光手段により光を検出し易く構成でき、不正を早期に発見できるという効果がある。
<特徴B群>(コーン部の振動を検出して不正を認識)
振動部を振動させることで音声を出力可能な音声出力部と、前記振動部の振動情報を検出する検出手段と、前記所定の音声を前記音声出力部より出力させる場合に、前記検出手段により検出された前記振動情報に基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果が特定の判定結果である場合に、異常処理を実行する異常処理実行手段とを有するものであることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力装置が配設されている。この音声出力装置から出力する音声により、不正等を検知した場合には、警報音等の音声を出力して、異常を報知する遊技機が知られている(特開2011−167406公報)。この場合、スピーカ等では、音声が出力されるコーン部は、容易に破損できるので、破損して、内部の接続ケーブルを切断して、不正をしても警報音等の音声が出力されないようにする不正が行われる虞があった。このような不正を抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機B1によれば、振動情報により音声出力部の振動部における破損を検知される。破損されたことに対応する判定結果が判定手段により判定されることで、異常処理が異常処理実行手段により実行される。これにより、早期に不正を認識できる。よって、不正を抑制することができるという効果がある。
遊技機B1において、前記振動情報を記憶可能な記憶手段を有し、前記判定手段は、前記記憶手段に記憶された前記振動情報と前記検出手段により検出された前記振動情報とに基づいて判定を実行するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶された振動情報と検出手段によって検出された振動情報とに基づいて判定手段は、特定の判定結果であるか判定するので、安定した判定を実行することができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、前記振動情報は、所定の音声が前記音声出力部より出力される場合に、所定の期間、前記検出手段により検出される前記振動部の振動回数に基づく情報で構成されているものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、所定の期間における振動部の振動回数で振動情報が構成されるので、精度のよい検出を実行することができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、前記振動情報は、所定の音声が前記音声出力部より出力される場合に、所定以上または所定以下の振動幅に基づく情報で構成されているものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、振動情報が所定の音声が出力される場合における所定以上または所定以下の振動幅に基づく情報で構成されているので、少ない情報量で不正の検出に必要な振動情報を検出できるという効果がある。
遊技機B4において、前記振動幅に基づく情報には、前記所定以上または前記所定以下の振動幅が検出された時間情報が付与されているものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振動幅が検出された時間情報が付与されているので、時間情報のズレ等を判定することで、より正確な不正の検出を行うことができるという効果がある。
遊技機B2からB5のいずれかにおいて、前記記憶手段には、予め所定の振動情報が記憶されているものであることを特徴であることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B2からB5のいずれかの奏する効果に加え、記憶手段には予め所定の振動情報が記憶されているものであるので、不正の判定を決まった振動情報に対しての相違で判定することができるという効果がある。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、電源が投入された場合に、初期処理を実行する初期処理実行手段を有し、前記初期処理実行手段は、前記初期処理として、少なくとも前記所定の音声を前記音声出力部より音声を出力させて前記判定手段による判定を実行するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6のいずれかの奏する効果に加え、電源投入時の初期処理により所定の音声を出力して、判定手段により判定が実行されるので、電源投入前に実行されている不正にも早期に認識できるという効果がある。
遊技機B7において、前記初期処理実行手段は、前記初期処理で実行される前記判定手段により判定が前記特定の結果でない場合には、判定した振動情報を前記記憶手段に記憶させて更新するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、電源投入時の初期処理で異常が無い場合には、記憶手段に記憶されている振動情報が更新されるので、より正確な振動情報で判定を行うことができるという効果がある。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、特定の条件が成立した場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行される場合に、前記所定の音声を前記音声出力部より出力させる音声制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技が実行される場合に、振動情報が検出される所定の音声が出力されるので、不正により特典遊技が実行されている場合にも不正を早期に発見でき、遊技店側の損害を抑制できるという効果がある。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記検出手段は、前記音声出力部の前記振動部の異なる2部位以上にそれぞれ配置されるものであり、前記それぞれの前記検出手段により検出された前記振動情報について判別する判別手段を有し、前記異常処理実行手段は、前記判別手段による判別結果が特定の判別結果である場合に、前記異常処理を実行するものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B1からB9のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、検出手段が振動部の異なる2部位以上の位置に配置され、それぞれの振動情報により判定されるので、より精度の高い検出を行うことができる。よって、不正を抑制できるという効果がある。
遊技機B1からB10のいずれかにおいて、前記所定の音声は、可聴域以外の周波数で構成された音声で構成されているものであることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B1からB10のいずれかの奏する効果に加え、所定の音声が可聴域以外の周波数で構成されているので、遊技者には聞こえない音声で不正を検出することができるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機C1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機C2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機C3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
81 第3図柄表示装置(報知手段)
203a 特別図柄保留球格納エリア(乱数情報記憶手段)
203f 時短中カウンタ(期間設定手段)
S213〜S216 第1特定手段
S301 記憶情報取得手段
S304,S305 抽選手段
S406 乱数情報取得手段
S408、S504 抽選結果判定手段
S1602,S1605,S1607 第2特定手段
S1602,S1604〜S1607 期間比較手段
S1653〜S1655 第3特定手段
S1656,S1657 報知制御手段
本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
従来より、パチンコ機等の遊技機には、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力装置が配設されている。この音声出力装置からは、遊技の演出に関わる音声や、外部に異常や不正等を報知するための音声が出力される。
このようなパチンコ機において、異常を検知した場合には、警報音等の音声を出力して、異常を報知する遊技機が知られている。
特開2011−167406公報
この場合、スピーカ等では、音声が出力されるコーン部は、容易に破損できるので、破損して、内部の接続ケーブルを切断して、不正をしても警報音等の音声が出力されないようにする等の不正が行われる虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、不正を抑制することができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、音声を出力可能な音声出力部と、その音声出力部の背面側を覆うカバー体と、前記音声出力部に対して、音声を出力するための第1信号を出力する信号出力手段と、を有し、前記信号出力手段と前記音声出力部とを電気的に接続するための接続線が前記カバー体を通じて前記音声出力部から前記カバー体の外部へと配設された遊技機において、前記カバー体の内部に配設され、光を受光することに基づいて、第2信号を出力可能な受光手段と、その受光手段より出力される前記第2信号を判定する判定手段と、その判定手段による判定結果が特定の判定結果である場合に、異常を示す異常信号を出力する出力手段とを備える。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記カバー体は、前記音声出力部の背面との間に所定の空間を有する形状で構成され、前記音声出力部の背面側より出力される音声を前記音声出力部の前面側方向へと出力する為の開口部を前面側に形成されているものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機において、前記受光手段は、前記開口部から入光する光を受光し難い位置に配置されている。
請求項4記載の遊技機は、請求項2または3記載の遊技機において、前記音声出力部の前面側に配置される前面カバー体と、前記所定の空間の外部に配置され、光を発光することが可能な発光手段と、を有し、前記前面カバー体は、前記音声出力部の前面側から離間して配置されているものであり、前記発光手段は、少なくとも前記前面カバー体と前記音声出力部の前面側との間に、発光した光が入射する位置に配置されている。
請求項5記載の遊技機は、請求項2から4のいずれかに記載の遊技機において、前記所定の空間に設けられ、前記判定手段による判定結果が特定の判定結果であることに基づいて光を発光する内部発光手段を備える
請求項1記載の遊技機によれば、音声を出力可能な音声出力部と、その音声出力部の背面側を覆うカバー体と、前記音声出力部に対して、音声を出力するための第1信号を出力する信号出力手段と、を有し、前記信号出力手段と前記音声出力部とを電気的に接続するための接続線が前記カバー体を通じて前記音声出力部から前記カバー体の外部へと配設されるものであって、前記カバー体の内部に配設され、光を受光することに基づいて、第2信号を出力可能な受光手段と、その受光手段より出力される前記第2信号を判定する判定手段と、その判定手段による判定結果が特定の判定結果である場合に、異常を示す異常信号を出力する出力手段とを備える。これにより、不正を抑制することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記カバー体は、前記音声出力部の背面との間に所定の空間を有する形状で構成され、前記音声出力部の背面側より出力される音声を前記音声出力部の前面側方向へと出力する為の開口部を前面側に形成されているものである。これにより、遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記受光手段は、前記開口部から入光する光を受光し難い位置に配置されている。これにより、不正を認識する精度を向上させることができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項2または3記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記音声出力部の前面側に配置される前面カバー体と、前記所定の空間の外部に配置され、光を発光することが可能な発光手段と、を有し、前記前面カバー体は、前記音声出力部の前面側から離間して配置されているものであり、前記発光手段は、少なくとも前記前面カバー体と前記音声出力部の前面側との間に、発光した光が入射する位置に配置されている。これにより、不正を抑制することができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項2から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記所定の空間に設けられ、前記判定手段による判定結果が特定の判定結果であることに基づいて光を発光する内部発光手段を備える。これにより、不正を抑制できるという効果がある。
第1の実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 内枠と前面枠と下皿ユニットとが開放された状態におけるパチンコ機の斜視図である。 (a)は、音出力装置の正面斜視図であり、(b)は、音出力装置の正面図である。 音出力装置を、図5(b)におけるV−V線で切断した場合の断面図である。 音出力装置を、図6におけるVI−VI線で切断した場合の断面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 (a)は、主制御装置におけるROMの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、主制御装置におけるRAMの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1乱数カウンタC1と大当たり判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 (a)は、変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たり時における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、外れ時(通常)における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(d)は、外れ時(確変)における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図である。 (a)は、音声ランプ制御装置におけるROMの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、音声ランプ制御装置におけるRAMの内容を模式的に示した模式図である。 音声ランプ制御装置のROMに格納される楽曲データテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるスピーカチェック処理を示したフローチャートである。 第2実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第2実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの内容を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される振動計測処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるスピーカチェック処理2を示したフローチャートである。
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図8参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図8参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が16回(16ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。尚、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、第2入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が第2入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、第2入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。「大当たりA」、「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となる。その後、「大当たりA」では大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次の大当たりが発生するまでの間はパチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態)が付与される。一方、「大当たりB」では大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短く設定される時短状態が付与される。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、変動時間が短くなり、第1入賞口64に付随する電動役物の開放時間が長く、開放回数が多くなる、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間、即ち、大当たり終了後から次の大当たりが発生するまでの間のことを、特別図柄の確変期間と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間、即ち、大当たり終了後から特別図柄の抽選が所定回数(100回)終了するまでの間のことを、普通図柄の時短期間と称す。尚、説明を分かり易くするために、特別図柄の抽選回数を用いて普通図柄の時短期間を示す。例えば、所定回数が100回であれば、普通図柄の時短期間が100回であると記載する。
なお、大当たりの種別に応じてラウンド数を変えても良いし、大当たりの種別の一部のみラウンド数を変えても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり終了後に、「特別図柄の高確率状態」および「普通図柄の時短状態」となるが、「特別図柄の高確率状態」が終了した後に、「普通図柄の時短状態」となるように構成しても良い。
また、時短状態の継続期間は任意に定めればよい。例えば、大当たり種別が「大当たりA」になると、その「大当たりA」終了後から特別図柄の抽選が30回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりB」になると、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が60回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。また、特別図柄の抽選回数に代えて、所定時間(例えば、2分から5分など)が経過するまで、普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。なお、これに限られず、「特別図柄の高確率状態」に設定される場合があっても良い。
また、特別図柄の大当たりになって、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行すると、その状態は、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が時短回数(100回)終了するまで継続される。一方、特別図柄の大当たりになった後、時短回数分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。この時短回数は、上述したように、特別図柄の大当たり種別によって定められており、大当たり種別が「大当たりB」であれば、所定回数は100回となる。
そして、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から、その新たな大当たり種別に対応する回数分の特別図柄の抽選が終了するまで継続される。例えば、「大当たりB」になって「普通図柄の時短状態」に移行した後、10回目の特別図柄の抽選で「大当たりB」になると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が100回行われるまで継続される。即ち、本実施形態では、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、その度に、その新たな特別図柄の大当たり種別に応じて時短期間(「普通図柄の時短状態」の継続期間)が更新される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図8参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりB」であれば、「7」を除く奇数番号である「1,3,5,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
主制御装置110では、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、特別図柄の抽選が行われ、その後、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドが送信され、その結果、第3図柄表示装置81では、第1図柄表示装置37の変動表示に応じて第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われる場合には、まず、第3図柄の高速変動表示が開始され、その後、予め定められた時間(例えば、10秒〜60秒など)が経過すると、第3図柄の中速変動表示へ切り替わり、更に、第3図柄の低速変動表示へ切り替わる。ここで、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、同一番号の主図柄(第3図柄)が揃う停止表示が行われ変動演出が終了し、続けて、大当たり演出が開始される。一方、特別図柄の抽選結果が外れである場合には、同一番号の主図柄(第3図柄)が揃わない停止表示が行われて変動演出が終了し、保留されている始動入賞があれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、次の変動演出が開始される。
大当たり演出は、オープニング演出が行われる期間と、ラウンド演出が行われる期間と、エンディング演出が行われる期間との3つの期間に分けられる。オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知して、遊技者の期待感を高めるための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。また、エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知すると共に、大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(普通図柄の時短期間)を遊技者に報知する(時短期間表示を行う)、または、保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることを遊技者に報知する(確定演出表示を行う)ための演出である。尚、エンディング演出において、遊技価値(普通図柄の時短期間)が遊技者に報知されることを「時短期間表示」が行われると称し、保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることが遊技者に報知されることを「確定演出表示」が行われると称す。
第3図柄表示装置81において大当たり演出が行われる場合には、図5(a)に示すように、まず、第3図柄の停止表示がなされるタイミングに合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へオープニングコマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、変動演出に続けて、オープニング演出が開始される。
次に、オープニング演出が終了するタイミングに合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ第1ラウンドを示すラウンド数コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、オープニング演出に続けて、第1ラウンドに対応するラウンド演出が開始される。本実施形態では、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行した後、その状態は、特定入賞口65aの開閉が16回繰り返されるまで(16ラウンド)継続される。
第1ラウンドが開始され、特定入賞口65aが開放された後、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)が経過すると、特定入賞口65aが閉鎖されると共に、第1ラウンドが終了する。すると、直ぐに第2ラウンドの開始タイミングとなり、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ第2ラウンドを示すラウンド数コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、第1ラウンドに対応するラウンド演出に続けて、第2ラウンドに対応するラウンド演出が開始される。第2ラウンドが開始されると、第1ラウンドの場合と同様に、特定入賞口65aの開閉制御が行われる。その後は、新たなラウンドが開始されるタイミングとなる毎に、新たなラウンド数を示すラウンド数コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されると共に、特定入賞口65aの開閉制御が行われる。これにより、第1ラウンドから第16ラウンドまでの各ラウンド演出が順番に実行される。
そして、特定入賞口65aの開閉が16回(16ラウンド)終了したタイミングに合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へエンディングコマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、エンディング演出が開始される。上述したように、エンディング演出では、特別遊技状態の終了が遊技者に報知されると共に、時短期間表示が行われる(大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(普通図柄の時短期間)が遊技者に報知される)、または、確定演出表示が行われる(保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることが遊技者に報知される)。エンディング演出において「時短期間表示」が行われるか、「確定演出表示」が行われるかは、今回の特別図柄の大当たり種別や、保留されている特別図柄の大当たり種別や、図示しないカウンタの値などに基づいて選択される。
第3図柄表示装置81において「時短期間表示」が行われる場合には、例えば、図5(b)に示すように、第3図柄表示装置81の画面右下に、「チャンス100回」(期間情報の一例)と表示される。この画面は、特別図柄の抽選がなされ、抽選結果が「大当たりB」である場合に表示されるものであり、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでは、普通図柄の時短状態が継続されることを意味する。遊技者は、この画面が表示されると、これから普通図柄の時短状態が継続される期間(普通図柄の時短期間)を容易に認識することができる。
尚、普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球が第2入球口67を通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放される機会も多くなるので、球が第1入球口64へ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、特別図柄の大当たりになるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第1入球口64へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
一方、第3図柄表示装置81において「確定演出表示」が行われる場合には、例えば、第3図柄表示装置81の画面右下に、「スーパーチャンス!」(別の情報一例)と表示される。この画面は、保留されている特別図柄の抽選うち、何れかの抽選がなされた場合に抽選結果が必ず大当たりとなることを意味する。遊技者は、この画面が表示されると、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が第2入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が第2入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図8参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図8参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の内部構成について説明する。図4は、内枠12と前面枠14と、下皿ユニット15とが開放された状態におけるパチンコ機10の斜視図である。
パチンコ機10には、その外殻を形成する外枠11が設けられ、この外枠11に対して内枠12が開閉可能に支持される。遊技場においては、外枠11の外周面が遊技場の島設備に固定される。内枠12、前面枠14および下皿ユニット15は、外枠11に対して前面側に開放可能に構成されるので、パチンコ機10の前面側からは触れられない裏面側や内部に対しての点検や調整は、外枠11に対して内枠12等を前面側に開放して行われる。
外枠11には、内枠12を支持するために正面視左側の上下2カ所に金属製の上ヒンジ(図示せず)および下ヒンジ(図示せず)が取り付けられている。この上ヒンジおよび下ヒンジが設けられた側を開閉の軸として内枠12は開閉可能に支持される。
内枠12は、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース55を主体に構成されており、内枠ベース55の中央部には略円形状の中央窓55aが形成されている。内枠ベース55の裏面側には遊技盤13の取付部が設けられ、遊技盤13が着脱可能に装着される。
内枠ベース55の中央窓55aの下側は、前面側が開放した凹状に窪んで形成されており、その奥側には、平面状の取付面52bが形成されている。取付面52bには、球を遊技盤13の前面に発射するための発射ユニット140や、上皿17および下皿50に球を排出する通路を形成する通路形成部材54等が取り付けられる。
外枠11と内枠12との間には、内枠12の開放および閉鎖を検出するスイッチSW1(SW1a,SW1b)が設けられており、内枠12と前面枠14との間には、前面枠14の開放および閉鎖を検出するスイッチSW2(SW2a,SW2b)が設けられている。スイッチSW1は、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aと、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bとから構成される。また、スイッチSW2は、内枠12の前面枠14と対向する面に配設された雌型スイッチSW2aと、前面枠14の内枠12と対向する面に配設された雄型スイッチSW2bとから構成される。
スイッチSW1およびスイッチSW2は、内枠12が閉鎖された状態では遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では導通状態となるものである。
また、図4に示したように、下皿ユニット15の背面側中央には、略直方体形状の音出力装置226が配設されている。この音出力装置226は、遊技者の遊技結果に応じて音声や効果音、メロディー等の各種音声を遊技者が聞き取り可能な音量で出力(発音)するものである。この音出力装置226は、例えば、第3図柄表示装置81で変動演出が表示される場合においてリーチ演出が発生するのにあわせて所定の音声(例えば、「リーチ」という女性の声)を出力(発音)する。また、例えば、大当たりとなった場合に、その大当たり中に所定の楽曲(例えば、歌やクラシック音楽等)を出力(再生)する。これにより、第3図柄表示装置81による視覚的な演出だけでなく、音出力装置226から発せられる各種音声によって聴覚的な演出を行うことができるので、演出効果を高めることができる。
また、音出力装置226は、パチンコ機10に対して何らかの異常が検出された場合に警告音を出力(発音)することができる。この警告音により、遊技者やホールの店員に対して異常の発生を認識させることができるので、パチンコ機10に発生した異常を迅速に解消させることができる。また、不正遊技者によって賞球を不当に得るための不正行為が行われ、パチンコ機10に異常が生じた場合に、音出力装置226によって発せられる警告音によってホールの店員が容易に不正遊技者を特定することができる。よって、不正行為を早期に対策することができるので、不正行為が行われた場合にホールの被害を最低限とすることができる。
ここで、図5から図7を参照して、この音出力装置226の構造について説明する。まず、図5を参照して音出力装置226の外観について説明する。図5(a)は、音出力装置226の正面斜視図であり、図5(b)は、音声出力装置226の正面図である。
図5(a),(b)に示した通り、音出力装置226には、正面視略正方形形状の前面カバー226aが設けられており、その前面カバー226aの中央部分に、音声等の音を発生(発音)するための正面視略円形形状のスピーカ226cが配設されている。即ち、前面カバー226aにおいて、正面視中央部分に、スピーカ226cと半径が略同一の円形の開口部が設けられており、この大開口部にスピーカ226cが裏面より取り付け可能に構成されている。
なお、詳細については後述するが、スピーカ226cは、その背面側に電力の供給を受けるための配線226c3(図6参照)が設けられており、配線226c3を介して供給される電力に基づいて各種音声を出力(発音)することが可能に構成されている。
前面カバー226aの背面側には、前面カバー226aに取り付けられたスピーカ226cの側面側、および背面側を覆うための背面カバー226bが設けられている。これらの前面カバー226a、および背面カバー226bは、例えばポリスチレン樹脂等によって構成されており、ゴム等の弾性体に比べて破壊することが困難に構成されている。これにより、不正遊技者が前面カバー226aや背面カバー226bを破壊し、スピーカ226cの背面側に設けられている配線226c3(図6参照)を切断しようとしたり、スピーカ226c3自体を背面側や側面側から破壊しようとしたりする行為を防止(抑制)することができる。
ここで、上述した通り、発音装置226は、パチンコ機10に発生した異常を報知するための警告音をスピーカ225cより出力可能に構成されている。よって、スピーカ226c3の配線226c3が切断されてしまうこと等により警告音を出力することができない状態になってしまうと、パチンコ機10に発生した異常をホールの店員等が認識し難くなってしまう。つまり、不正遊技者が賞球を不当に得る目的で行った不正行為によりパチンコ機10に対して異常が発生していたとしても、その不正行為が看過されてしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、スピーカ226cを、破壊されにくい前面カバー226a、および背面カバー226bによって覆っているので、スピーカ226cが警告音等を出力できない状態とされてしまうことを防止(抑制)することができる。よって、不正行為に対する抑制を図ることができる。
前面カバー226aには、その正面側に4つのLED(外部LED226g1〜226g4)が設けられている(図5(b)参照)。図5(b)に示した通り、これらの外部LED226g1〜226g4は、前面カバー226aの正面側のうち、スピーカ226cの上側(外部LED226g1)、右側(外部LED226g2)、下側(外部LED226g3)、左側(外部LED226g4)にそれぞれ取り付けられている。これらの外部LED226g1〜226g4は、遊技状態に応じて発光するように制御される。この各外部LED226g1〜226g4によって発せられる光は、振動板226c2などが破損された場合に音声出力装置226の内部領域226b1(図6参照)へ光を入射する光源の役割を果たすように構成されている。
なお、各外部LED226g1〜226g4は、音出力装置226に対して不正行為(例えば、音出力装置226へ異物を挿入するなど)が行われている可能性がある場合に発光するように制御してもよい。これにより、音出力装置226に対して不正行為が行われていることを、周囲にいるホールの店員等に容易に気付かせることができる。
また、図5(b)に示した通り、前面カバー226aの正面視左方上側には、円形の小開口部(ダクト部226a1)が設けられている。この小開口部(ダクト部226a1)は、前面カバー226aの背面側に貫通しており、前面カバー226aの背面側と、背面カバー226bの内壁部分と、スピーカ226cの背面側とによって囲まれた領域(音出力装置226の内部領域226b1)に繋がっている。このダクト部226a1により、スピーカ226cの背面側へと発せられた音波(各種音声)が音出力装置226の前面側へと導かれる(放出される)。なお、このダクト部226a1を介して音出力装置226の前面側へと導かれた各種音声は、スピーカ226aから直接前面側に発せされた音波(各種音声)に比較して低音域が増幅された状態となる。これにより、音出力装置226の前面側に対してより重厚感のある音声を出力することができる。
また、前面カバー226aの前面側には、四隅(正面視略正方形形状の前面カバー226aにおける各頂点付近)にそれぞれ前面カバー226の背面側まで貫通した貫通穴が空けられている。例えば、前面カバー226aにおいて、正面視右下部分には、貫通穴226a2が設けられている。各貫通穴の内側には、ネジを前面カバー226aの背面側から通せるように、螺旋状の溝が設けられている。
背面カバー226bは、上部が開放された箱形状であり、その開放された開口面には、前面カバー226aの裏面と当接するフランジ部が設けられている(図6参照)。このフランジ部には、前面カバー226aに設けられた4つの貫通穴に対応する、4つの貫通穴が設けられている。背面カバー226bに設けられた貫通穴にも、前面カバー226aに設けられている貫通穴と同様に、螺旋状の溝がそれぞれ設けられている。
なお、下皿ユニット15の背面側には、前面カバー226a、背面カバー226bにそれぞれ設けられた貫通穴に対応する4つの取り付け穴が設けられている(図示なし)。下皿ユニット15に設けられた取り付け穴と、前面カバー226a、背面カバー226bにそれぞれ設けられた貫通穴との位置を合わせ、背面側からネジで締結することにより、音出力装置226が下皿ユニット15の背面側中央部分に固定される(図4参照)。
また、図5(a)に示した通り、前面カバー226aに設けられている各貫通穴の周囲の略正方形形状の領域は、前面カバー226aにおける他の部分よりも正面視手前側へと突出している。この突出部分の奥行きは、少なくとも前面カバー226aの前面側に設けられているLED(外部LED226g1〜226g4)よりも長くなるように構成されている。即ち、下皿ユニット15に対して音出力装置226を取り付けた場合に、下皿ユニット15の背面側と、外部LED226g1〜226g4とが接触してしまうことがないように、例えば奥行きを各外部LED226g1〜226g4よりも1mm長くなるように構成されている。これにより、外部LED226g1〜226g4が取り付けの際に下皿ユニット15と前面カバー226aとに挟まれて圧迫され、故障してしまうことを防止(抑制)することができる。よって、外部LED226g1〜226g4をより確実に正常動作させることができる。
次に、図6を参照して、音出力装置226の内部構造について説明する。図6は、音出力装置226を、図5(b)におけるV−V線で切断した場合の断面図である。
図6に示した通り、音出力装置226の内部には、前面カバー226aと、背面カバー226bと、スピーカ226cとで囲まれる内部領域226b1が形成されている。この内部領域226b1の中央左寄り(即ち、パチンコ機10に対して正面視手前側寄り)にスピーカ226cが配設されている。このスピーカ226cは、上述した通り、前面カバー226aに対して背面側から取り付けられる。図6に示した通り、スピーカ226cはフレーム部226c1と、振動することで各種音声を出力(発音)する振動板226c2と、振動板226c2を振動させるための電力を供給するための配線226c3とで構成されている。
フレーム部226c1は、スピーカ226cを前面カバー226aに対して固定するために設けられている。このフレーム部c1には、貫通穴226c1aが上下左右の計4カ所に設けられている。この貫通穴226c1aと前面カバー226aの裏側に設けられた取付穴とをネジで締結することにより、前面カバー226aの裏側にスピーカ226cを固定することができる。また、フレーム部226c1には、計4カ所に開口部が設けられており、中央の上部および下部に比較的開口面積の広い大開口部が、中央の左部および右部には比較的開口面積の狭い小開口部が設けられている。
フレーム部226c1の前面側(前面カバー226側)には、振動板226c2が設けられている。この振動板226c2を振動させることによって、各種音声が出力(発音)される。この振動板226c2は、スピーカ226cを前面カバー226aに対して取り付けた場合に、正面側に露出する位置に設けられている。なお、この振動板226cは、広い周波数範囲の音波を発生させられるようにすると共に、振動させるために要する電力を低減するために、薄くて低密度な素材で構成されている。即ち、前面カバー226aや背面カバー226bに比較して脆い素材で構成されている。よって、刃物等により切り込みを入れたり穴をあけたりすることが比較的容易となるので、不正遊技者が不正行為(例えば、配線226c3を切断する等)を行う際に狙われる可能性が高い。
詳細については後述するが、本実施形態では、不正遊技者により振動板226c2に穴が開けられる等により、外光や上述した各外部LED226g1〜226g4の光が内部領域226b1へと入射し、内部領域226b1の明るさ(光量)が変化した場合に、内部領域226b1に設けられた光検出回路226eによって異常と検出することができるように構成されている。これにより、振動板226c2を破壊することによる不正行為の抑制を図ることができる。なお、外光や上述した各外部LED226g1〜226g4の光が内部領域226b1へと入射したか否かを判別しやすくなるように、振動板226c2は光透過性の低い素材で構成されている。また、同一の理由により、前面カバー226a、および背面カバー226bも、光透過性の低い素材で構成されている。これにより、音出力装置226の内部である内部領域226b1は、外部の明るさ(光量)に比べて暗くすることができ、外光や上述した各外部LED226g1〜226g4の光が内部領域226b1へと入射したかを判別しやすくできる。
スピーカ226cの背面側には、スピーカ226cに対して電力を供給するための配線226c3が接続されている。この配線226c3の他端は、背面カバー226cの背面側を通って電源装置115(図8参照)へと繋がっている。上述した通り、スピーカ226cは、この配線226c3を介して電源装置115より供給される電力を用いて音を出力することが可能となっている。即ち、この配線226c3が断線すると、音出力装置226から音を出力することが不可能となる。
内部領域226b1の底面側には、台座部材226b2が設けられている。この台座部材226b2は、上述した内部領域226b1の明るさ(光量)を検出(測定)するための光検出回路226eを、その上面に配置するための部材である。台座部材226bの高さは、光検出回路226eによって外光が検出されやすくなる(即ち、振動板226c2が破壊されたことが検出されやすくなる)高さに設定されている。つまり、フレーム部226c1の上部および下部に設けられた開口部から内部領域226c4へと入射する光を検出できる位置に、光検出回路226eが配置されている。
光検出回路226eは、公知の光センサと、その光センサから出力される電流値を検出可能な検出回路によって構成されている。光検出回路226eに設けられている光センサは、照射された光の明るさ(照度)に応じて異なる値の電流値が流れるように構成されており、照射された光が明るいほど(照度が高いほど)多くの電流が流れるように構成されている。光検出回路226eは、光センサ226e1から出力される電流の電流値に基づいて内部領域226b1の明るさを判別することができる。そして、検出された電流値が所定値以上となった場合(例えば、照度5ルクスに対応する電流値よりも高い電流値となったことを検出した場合)に、異常が発生した(即ち、振動板226c2が破られる等の不正行為が行われた)と判別する。光検出回路226eは、異常が発生したと判別した場合に、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対して、光検出信号LSをハイ(5V)に設定して出力する。音声ランプ制御装置113では、スピーカチェック処理(図29参照)において、入出力ポート225に入力される光検出信号LSがハイ(5V)であるかロー(0V)であるかを判別し(図29のS1502)、光検出信号LSがハイ(5V)であると判別された場合に(図29のS1502:Yes)、警報音の出力などの異常時処理を実行する。
更に、台座部材226b2の上面において、光検出回路226eよりも右側(即ち、パチンコ機10に対して正面視奥側)には内部LED226d2が設けられている。この内部LED226d2は、光検出回路226eにより検出された光の照度(光量)が所定量(例えば、照度が5ルクス)となったことを、光センサから出力される電流値に基づいて検出した場合に、点灯状態となるように制御される。これにより、例えば、振動板226c2を破壊した不正遊技者が、破損箇所を塞ぐなどして外光が内部領域226b1へと入射しないようにしても、点灯状態に設定された内部LED226d1の光が光検出回路226eに対して継続して照射される。ここで、内部LED226d1が点灯状態となった場合に光検出回路226eに対して照射される光の照度(光量)は、内部領域226b1の明るさが異常と判別される照度(例えば、5ルクス以上)となるように構成されている。よって、一旦振動板226c2が破壊され、所定量(例えば、5ルクス)以上の光が検出回路226e1によって検出されれば、その後に破損個所が塞がれたとしても光検出回路226eの状態を、照度(光量)の検出値が所定値(例えば、5ルクス)以上になっている状態に保つことができる。従って、内部領域226b1において異常が発生していることを継続して報知できるので、不正行為の実行を抑制することができる。
また、音出力装置226は下皿ユニット15の裏面に取り付けられており、音出力装置226の前面カバー226aと下皿ユニット15の裏面との間に外部LED226g1〜226g4が設けられている。ここで、不正遊技者が音出力装置226の取り付けられている部分の下皿ユニット15を手で覆うなどして、外光が音出力装置226へと入射しないようにする、即ち、振動板226cなどを破損したとしても外光が内部領域226b1へと入射しないようにして、光検出回路226eによる異常検知を行えないようにする不正行為が考えられる。この場合においても、前面カバー226aと下皿ユニット15との間に設けられた外部LED226g1〜226g4の光が内部領域226b1へと入射するので、上述した不正行為が行われたとしても、振動板226c2などの破損を検知することができる。
なお、内部LED226d1と同一のLED(内部LED226d2)が、内部領域226b1の上面側(天面側)にも設けられている。この内部LED226d2も、内部LED226d1と同様に、光検出回路226eの検出値が所定値以上(例えば、5ルクス以上)と判別され、振動板226c2が破壊された可能性が高い(異常が発生している)と判別された場合に点灯状態となるように制御される。内部領域226b1の底面側、および天面側にそれぞれ内部LED226d1,226d2を設けておくことで、振動板226c2が破損しているか否かを見た目から容易に判別することができる。即ち、振動板226c2の下方が不正遊技者によって破壊された場合は、内部領域226b1の下方に設けられている内部LED226d1の光が破損個所から外部へと漏れ出やすくなる。よって、内部LED226d1の光を確認したホールの店員等が、振動板226c2の下方に破損個所が存在することを容易に発見することができる。また、振動板226c2の上方が不正遊技者によって破壊された場合は、内部領域226b1の上方に設けられている内部LED226d2の光が破損個所から外部へと漏れ出やすくなる。よって、内部LED226d2の光を確認したホールの店員等が、振動板226c2の下方に破損個所が存在することを容易に発見することができる。
内部領域226b1の上方には、ダクト部226a1が設けられている。このダクト部226a1は、上述した通り、スピーカ223cの背面側へと出力された各種音声を、音出力装置226の外部へと放出させるために設けられている。本実施形態におけるダクト部226a1は、前面カバー226の前面から背面カバー226bの内壁へと向かう経路が形成されている。この経路は、背面カバー226bへと向かって伸びており、背面カバー226bの後方面と当接する手前で折り返された形状となっており、折り返された後は、前面カバー226aの背面へ向かって伸び、前面カバー226aの背面に達する前に途切れるように構成されている。このダクト部226aにより、内部領域226b1と音出力装置226の外部とを空間的に連続させることができる。なお、上述した通り、ダクト部226a1における入口部分(図5(b)参照)は、円形の開口部となっているが、ダクト部226a1の形成する経路の形状は、その断面が略正方形形状となるように構成されている。これにより、経路の断面を円形とするよりも、ダクト部226a1の形成が容易となる。
上述した通り、ダクト部226a1の経路は、その途中で折り返されており、折り返しの前後で経路の方向が180度反転するように構成されている。このように構成することで、前面カバー226aの前面側からダクト部226a1へと入射した外光が、内部領域226b1へと届き難くなるように構成している。よって、振動板226c2に破損等の異常が発生していないにも関わらず、ダクト226a1へと入射した外光により光検出回路226eの検出する光量(照度)が所定値(例えば、5ルクス)以上となってしまうことを防止(抑制)できる。よって、より正確に振動板226c2の異常を検出することができる。
更に、図6に示した通り、ダクト部226の経路上には2つの突出壁226a1a,226a1bが設けられている。図6に示す通り、突出壁226a1aは、ダクト部226a1により形成される経路の上側(天面側)に設けられている。一方、突出壁226a1bは、ダクト部226a1により形成される経路の下側(底面側)に設けられている。このように、構成することで、より外部からの光が内部領域226b1へと届き難くすることができる。つまり、振動板226c2に破損等の異常が発生していないにも関わらず、ダクト226a1へと入射した外光により光検出回路226eの検出する光量(照度)が所定値(例えば、5ルクス)以上となってしまうことを防止(抑制)できる。よって、より正確に振動板226c2の異常を検出することができる。
次に、図7を参照して、音出力装置226の内部構造についての説明を続ける。図7は、音出力装置226を、図6におけるVI−VI線で切断した場合の断面図である。
図7に示した通り、背面カバー226bと前面カバー226aとにより形成される内部領域226b1の左上部には、ダクト部226a1が設けられている。このダクト部226a1によって、上述したように、前面カバー226の前面から背面カバー226bの内壁へと向かう経路が形成されている。この経路は、背面カバー226bへと向かって伸びており、背面カバー226bの後方面と当接する手前で折り返された形状となっており、折り返された後は、前面カバー226aの背面へ向かって伸び、前面カバー226aの背面に達する前に途切れるように構成されている。
このダクト部226a1により形成される経路には、突出壁226a1aが経路の上面側から立設され、その突出壁226a1aの奥側には突出壁226a1bが経路の底面側から立設されている。これらの突出壁226a1aおよび突出壁226a1bによって光の進行が妨げられることにより、光が内部領域262b1へと到達しに難くなるように構成されている。
上述したように、本パチンコ機10における音出力装置226は、光が入射困難な内部領域226b1を有しており、その内部領域226b1にはスピーカ226cとそのスピーカ226cへと電力を供給する配線226c3が設けられている。この内部領域226b1には、入射する光を検出する光検出回路226eが設けられており、例えば、振動板226c1が破られること等により内部領域226b1に光が入射したこと(または、入射する光の光量が所定値以上となったこと)を検出し、エラー出力を行うよう構成されている。
ここで、音出力装置226から音を出力させないようにする不正行為として、スピーカ226c1へ電力を供給している配線226c3を切断する不正行為がある。音出力装置226から警告音等の各種音声を出力することができなくなれば、ホールの店員等により異常の発生を発見することが困難となってしまう。よって、不正遊技者により、他の不正行為(例えば、大当たりとなる確率を変更する等により大当たりを引き当てやすくし、賞球を獲得する等)が行われ、ホールに不測の不利益を与えてしまう虞がある。
これに対して本実施形態におけるパチンコ機10では、スピーカ226c1に電力を供給するための配線226c3を切断するために振動板226c2を破壊すると、光検出回路223e1によって内部領域226b1の明るさが変化したことが検出され、エラー出力される。よって、上記した不正行為を抑制するこができる。
また、本パチンコ機10における音出力装置226は、ダクト部226a1が設けられている側(内部領域226b1の上面側)と反対側(内部領域226b1の底面側)に光検出回路226eを設けている。このように構成することで、ダクト部226a1が設けられている側(内部領域226e1の上面側)に光検出回路226eを設ける場合に比較して、ダクト部226aへと入射した光が回折等により内部領域226b1に到達した場合でも、その内部領域226b1へと到達した光を検出され難くできる。よって、光検出回路226eの誤作動を防止(抑制)できるので、内部領域226b1への光の入射をより正確に検出することができる。
さらに、本パチンコ機10における音出力装置226は、振動板226c2と配線226c3との間に光検出回路226eが設けられている。よって、配線226c3を切断しようとした場合、光検出回路226eの近傍へ配線226c3を切断するための異物を挿入する必要がある。即ち、不正遊技者により不正行為が行われる場合は、光検出回路226eの近傍が明るくなりやすいので、振動板226c2を破り、配線226c3を切断しようとする不正行為をより効果的に検出することができる。
また、光検出回路226eは、台座部材226b2の上に設けられている。即ち、振動板226c2と配線226c3との間に台座部材226b2が設けられている。これにより、振動板226c2を破り配線226c3を切断しようとして不正遊技者が異物を内部領域226b1へと挿入した場合に、台座部材226b2によって異物が配線226c3へ到達することを妨げることができる。よって、配線226c3を切断する不正行為の実行を困難にすることができる。
また光検出回路226eが検出した信号を出力するための信号線は、光検出回路226に近い側の背面カバー226bの側面から外部へと繋がるように配設されている。これにより、光検出回路226eの信号線は光検出回路226eと近接する背面カバー226bとの間に配設されることとなり、振動板226c2を破壊しても、光検出回路226eの信号線を切断することが困難となるようにできる。よって、光検出回路226eの信号線を切断する不正行為を抑制することができる。内部LED226dの配線も同様に配設されており、内部LED226dの配線を切断する不正行為を抑制できるように構成されている。
<第1実施形態における遊技機の電気的構成について>
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。
ここで、図9を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図23参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図15参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図23参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブルは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。尚、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルと、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとは、主制御装置110のROM202内に設けられている(図10(a)参照)。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。そして、図11(a)に示すように、この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個であり、その乱数値である「0」は、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「0〜9」は、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/40」となる。
なお、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定してもよい。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図11(b)に示すように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、乱数値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、2種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。尚、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、第1当たり種別選択テーブル202bにより設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
尚、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図23参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図12参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターンテーブルには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA・大当たりB共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通図柄当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図11(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64に付随する電動役物が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図23参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図8に戻り、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202が設けられている。また、主制御装置110のMPU201に設けられるRAM203は、図9に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図23参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図22参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図21参照)が即座に実行される。
ここで、図10〜12を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられるROM202とRAM203との詳細について説明する。図10(a)は、このROM202の内容を模式的に示した模式図である。図10(a)に示した通り、ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターンテーブル202dとが少なくとも設けられている。これら各種テーブルの詳細については、図11および図12を参照して後述する。
図10(b)は、RAM203の内容を模式的に示した模式図である。RAM203は、図10に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、確変フラグ203eと、時短中カウンタ203fと、その他メモリエリア203zとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
なお、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)してもよい。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図18のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図16のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図16のS206、図18のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示すると共に、保留球数を示す第2図柄保留ランプ84を点灯させる。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、第2入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が第2入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図20のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図19のS505参照)。
球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図20のS605)。一方、球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図21のS603:No)。
確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203eの値がオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203eの値がオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変フラグ203eは、初期値がオフに設定されており、確変大当たりである大当たりAの終了時にオンに設定される(図24のS1011参照)。その後、次の大当たりの開始を設定する際にオフに設定される(図16のS213)。
MPU201によって特別図柄変動開始処理(図16参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理では、確変フラグ203eの値が参照され、その値がオンであれば、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変フラグ203eの値がオフであれば、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる(図17のS303,S304参照)。
時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、時短大当たりである大当たりBの終了時に100が設定される(図24のS1012参照)。即ち、大当たりBになった場合には、時短中カウンタ203fの値が幾つであるかに関わらず、新たに100が設定される。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203fの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図19のS510,S511参照)。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)されるものである。
次に、図11および図12を参照して、ROM202の内容の詳細について説明する。図10(a)に示した通り、ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターンテーブル202dとが少なくとも設けられている。
第1当たり乱数テーブル202a(図11(a)参照)は、上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値が規定されたテーブルである。この第1当たり乱数テーブル202aに規定されている乱数値と、第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するためのテーブル(低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a)と、特別図柄の高確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するためのテーブル(高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a)とが設けられており、それぞれのテーブルに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なっている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図11(b)参照)は、大当たりAと大当たりBとがそれぞれ選択可能となるように設定されている。具体的には、大当たりAの判定値として第1当たり種別カウンタC2の値「0〜49」が、大当たりBの判定値として「50〜99」が設定されている。
第2当たり乱数テーブル202c(図11(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。図11(c)に示した通り、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態中)は、第2当たり乱数カウンタバッファに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。また、普通図柄の高確率時(普通図柄の時短状態中)は、第2当たり乱数バッファカウンタに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。なお、上述の通り、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物が所定時間だけ開放される。
次に、図12を参照して、変動パターンテーブル202dの詳細について説明する。変動パターンテーブル202d(図12(a)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。この変動パターンテーブル202dには、特別図柄の抽選結果に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、図12(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図12(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図12(c)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図12(d)参照)とが少なくとも規定されている。なお、図示は省略したが、このほかにも、時短遊技状態における変動パターンテーブル等が設定されている。
次に、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図12(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ設定されている。各変動パターンに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が判定値として設定されている。
具体的には、ノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンについては、「0〜50」が、スーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンについては、「51〜179」が、スペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンについては、「180〜198」がそれぞれ変動種別カウンタCS1の判定値として設定される。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する時には、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
図12(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の抽選結果が外れである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチを設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間の比較的に短い短外れ(7秒)と変動時間の長い長外れ(10秒)が設定されている。短外れ(7秒)に対しては、「0〜98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99〜198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、外れのノーマルリーチ各種(30秒)に対して「0〜149」が、外れのスーパーリーチ各種(60秒)に対して「150〜197」が、外れのスペシャルリーチ各種(90秒)に対して「198」が、変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より取得している変動種別選択カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より変動パターンを選択する。
図12(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は、遊技状態が確変遊技状態である場合に、外れとなる特別図柄の変動パターンを選択するためのデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3では、設定されている変動種別選択カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2とは異なる点で相違する。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチが決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図21参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)などの表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、図13を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222とRAM223の内容について説明する。図13(a)は、ROM222の内容を模式的に示した模式図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターンテーブル222aと楽曲データテーブル222bとが少なくとも設けられている。
変動パターンテーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)に対応した変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
楽曲データテーブル222bは、パチンコ機10の遊技状態に対応した楽曲データが設定されている。この楽曲データテーブル222bの楽曲データを後述する楽曲転送エリア223eに設定することにより、音出力装置226から設定された楽曲の音が出力されることとなる。この楽曲データテーブル222bの詳細については、図14を参照して後述する。
図13(b)は、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の内容を模式的に示した模式図である。音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、楽曲転送エリア223eと、電源断処理中フラグ223xと、電源断フラグ223yと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示および図示しない保留球数を示すLEDの点灯に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納し、LEDの点灯制御を行うと共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図27のS1302参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図28のS1402参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図26参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図27のS1305参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図28のS1408参照)。
楽曲転送エリア223eは、音出力装置226から出力する楽曲データを設定する領域である。この楽曲転送エリア223eに楽曲データが設定されると、メイン処理における音編集・出力処理において(図26のS1209参照)、設定された楽曲データに基づいて音出力装置226から音が出力されるように制御される。楽曲転送エリア223eに設定する楽曲データは、上述した楽曲データテーブル222bに格納されている。
電源断処理中フラグ223xは、主制御装置110が電源断を検知すると音声ランプ制御装置113へ電源断コマンドが送られ、音声ランプ制御装置113がその電源断コマンドを受信すると、電源断フラグ223yがオンに設定され、電源断処理が実行される(図26のS1216参照)。そして、電源断処理が終了すると、電源断処理中フラグ223xがオフに設定される(図26のS1218参照)。この電源断処理中フラグ223xは、立ち上げ処理で参照され(図25のS1102参照)、オンである場合は、電源断処理の実行中で電源断となった(即ち、RAM破壊されている)と判断し、RAM破壊のチェックをすることなく、RAM破壊された場合の処理を実行する。
電源断フラグ223yは、主制御装置110が電源断を検知すると音声ランプ制御装置113へ電源断コマンドが送られ、音声ランプ制御装置113がその電源断コマンドを受信すると、電源断フラグ223yがオンに設定され、電源断処理が実行される(図26のS1216参照)。そして、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図25)において、電源断フラグ223yがオンの場合に、RAMの作業領域がクリアされ、電源断フラグ223yがオフに設定される(図25のS1110参照)。
その他メモリエリア223zは、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図27参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次に、図14を参照して、楽曲データテーブル222bの詳細について説明する。図13は、楽曲データテーブル222bの内容を模式的に示した模式図である。楽曲データテーブル222bは、図13に示すように、各種変動パターン用楽曲222b1と、オープニング用楽曲222b2と、各種大当たり用楽曲222b3と、エンディング用楽曲222b4とを少なくとも有している。
各種変動パターン用楽曲222b1は、上述した変動パターンテーブルに基づいて設定される変動パターンに対応する楽曲である。この各種変動パターン用楽曲222b1は、変動表示設定処理において表示用変動パターンコマンドが設定される場合に(図28のS1404参照)、その変動パターンに応じた楽曲が選択され、楽曲転送エリア223eに設定される(図28のS1405参照)。これにより、第3図柄表示装置81に表示される変動表示に応じた楽曲を、音出力装置226から出力することができる。
オープニング用楽曲222b2は、大当たり種別に応じた大当たり遊技のオープニング演出に対応する楽曲である。このオープニング用楽曲222b2は、コマンド判定処理においてオープニングコマンドを受信したと判別された場合に(図27のS1307:Yes)、表示用オープニングコマンドが設定されると共に、オープニング用楽曲222b2が楽曲転送エリア223eに設定される(図28のS1309)。これにより、大当たり遊技が開始されることを示唆するオープニング用楽曲を、音出力装置226から出力することができる。オープニング用楽曲としては、具体的に、「パラララ〜ン、ラララ〜ン、パラララ、ランラン、パララララン。パララ〜ン、パラララン、パラ、ランラン、パララララン。(以降リピート3回)」という音楽が再生されることとなり、遊技者はこの音楽を聴くことで大当たり遊技が開始されることを認識できる。
各種大当たり用楽曲222b3は、大当たり種別に応じた大当たり遊技の演出に対応する楽曲である。この各種大当たり用楽曲222b3は、上述した大当たりのオープニング演出の設定時に、オープニング用楽曲222b2と共に、楽曲転送エリア223eに転送される。これにより、オープニング演出後に実行される大当たり演出に対応する大当たり用楽曲を、音出力装置226から出力することができる。具体的には、歌やクラシック音楽などの音楽が再生される。よって、大当たり時に第3図柄表示装置81による視覚的な演出と共に、音出力装置226から出力される大当たり用楽曲によって聴覚的な演出がされることにより、演出効果を向上することができる。
エンディング用楽曲222b4は、大当たり遊技におけるエンディング演出に対応する楽曲である。このエンディング用楽曲222b4は、コマンド判定処理においてエンディングコマンドを受信したと判別された場合に(図27のS1310:Yes)、表示用エンディングコマンドが設定されると共に、エンディング用楽曲222b4が楽曲転送エリアに設定される(図27のS1312)。これにより、大当たり遊技の終了時に第3図柄表示装置81に表示されるエンディング演出に対応するエンディング楽曲を、音出力装置226から出力することができる。
その他演出用楽曲222b5は、上述した楽曲以外の楽曲である。例えば、SW演出の演出中におけるSW演出用楽曲や、所定時間(1時間毎)に実行される演出(RTC演出)におけるRTC演出用楽曲などが設けられている。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。この表示制御装置114は公知の物であるため、その詳細な説明を省略する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図21参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図15から図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図15は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、図16〜図18を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第2入球口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図20を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図16は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図23参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図17を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図17を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、大当たり種別に基づいて大当たりデータを設定する(S212)。そして、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S213)、S216の処理へ移行する。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S214)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S214:Yes)、時短中カウンタ203fの値を1減算して(S215)、S216の処理へ移行する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S214:No)、S215の処理をスキップして、S216の処理へ移行する。
S213またはS215の処理を終えると、停止コマンドを設定し(S216)、本処理を終了する。ここで設定された停止コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図23参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、停止コマンドを受信すると、実行中の変動表示を、停止種別コマンドにより受信した停止種別で停止させる処理を実行する。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図17は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図15参照)の特別図柄変動処理(図16参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変フラグ203eがオンであるか否かを判定する(S302)。確変フラグ203eがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203eの値がオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であることを示す。
確変フラグ203eの値がオンである場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、確変フラグ203eがオフである場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0」の1個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりA(16R確変大当たり)であると判定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりB(16R時短大当たり)であると判定する(図11(b)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとしては、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとしては、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。
S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図23)のS901の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図18のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図18は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図23参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S406)、本処理を終了する。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
なお、この始動入賞処理において、始動入賞に基づいて取得された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するよう構成してもよい。これにより、実行される演出を当該演出の実行前に判別することができるため、その判別結果に基づいて楽曲データの設定などを予め実行しておくことで、処理負荷を分散させることができる。
次に、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図19は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定する(S508)。尚、時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203fの値が1以上である場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなり難くなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者は特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つ。しかし、第1入球口64に付随する電動役物が開放されると、特定入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることとなる。よって、第1入球口64に付随する電動役物が開放されることを抑制し、特定入賞口65aに入賞させやすい状態とするためである。尚、特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図11(c)参照)。
S508の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図10(c)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S512)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S514)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S514:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S515)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S515:Yes)、S517の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S515の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S515:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S516)、S519の処理へ移行する。S514の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S514:No)、S517の処理へ移行する。S517の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S517)、S519の処理へ移行する。
S512の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を設定する(S518)。このS518の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S519の処理へ移行する。
S519の処理では、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S519)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S519:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S520)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S519:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S521)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S520の処理またはS521の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S518の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図23参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S513の処理またはS518の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。S525の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図23参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S524の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、S525の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図20は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が第2入球口67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、第2入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球が第2入球口67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が第2入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球が第2入球口67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。尚、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図21は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図22を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図22は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS812へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS812へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS812へ移行する。なお、メイン処理(図23参照)のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S812の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S812)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S813,S814)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。RAMの初期化処理(S813,S814)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S813)、その後、RAM203の初期値を設定する(S814)。RAM203の初期化処理の実行後は、S810の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S810の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S810の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S811)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図23を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図23は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図15参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図15参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図16参照)や始動入賞処理(図18参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図24参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、第1変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、第1変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、第1変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
第1変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図19参照)のS525の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S906)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図17参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図17参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図17参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図19参照)のS520の処理またはS521の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図19参照)のS523の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図19参照)のS513の処理またはS518の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901〜S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図21のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901〜S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存したりしなくても、立ち上げ処理(図22参照)の初期設定の処理(S801)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図24は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン割込処理(図23参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図16参照)のS208の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1002)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図23参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1003)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1003の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1003:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1003の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1103:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1004)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1004:Yes)、特定入賞口65aを開放し(S1005)、本処理を終了する。なお、S1004の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合に(S1004:Yes)、ラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113に向けて送信するようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において新たなラウンドの開始タイミングを判別することができ、新たなラウンドの開始に合わせて楽曲や演出を変更することができる。
一方、S1004の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1004:No)、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1006)。具体的には、特定入賞口65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口65aに球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1006の処理において、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1006:Yes)、特定入賞口65aを閉鎖して(S1007)、本処理を終了する。一方、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1006:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1008)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1008の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1008:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1009)、実行されていた特別遊技が確変大当たりであったか否かを判別する(S1010)。S1010の処理において、大当たりA(16R確変大当たり)であったと判別された場合は(S1010:Yes)、確変フラグ203eをオンに設定して(S1011)、本処理を終了する。一方、S1010の処理において、大当たりB(16R時短大当たり)であったと判別された場合は(S1010:No)、時短中カウンタ203fに100を設定して(S1012)、本処理を終了する。
ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図23参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。一方、S1008の処理において、エンディングの開始タイミングでない場合には(S1008:No)、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図25から図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図25を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図25は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1217の電源断処理(図26参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1102)。図26を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図26のS1314参照)、S1217の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグ203xがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグ203xはオフされる。よって、S1217の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグ203xの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグ203xがオフであれば(S1102:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1103)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1106の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1103:Yes)、S1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1103:No)、S1108へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1103:Yes)、S1104へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1103:No)、S1108へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1102:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1217の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1104の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1104)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1105:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1106)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1105:No)、RAM223の異常を報知して(S1107)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1108の処理では、電源断フラグ203yがオンされているか否かを判別する(S1108)。電源断フラグ203yはS1217の電源断処理の実行時にオンされる(図26のS1216参照)。つまり、電源断フラグ203yは、S1217の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1108:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1109)、電源断フラグ223yをオフに設定する(S1110)。その後、RAM223の初期値を設定した後(S1111)、割込み許可を設定して(S1112)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグ223yがオフされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1108:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1109およびS1110をスキップして、処理をS1111へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1111)、割込み許可を設定して(S1112)、メイン処理へ移行する。
なお、S1109のクリア処理をスキップするのは、S1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至った場合には、S1104の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図26を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図26は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1201の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1201)、1m秒以上経過していなければ(S1201:No)、S1202〜S1211の処理を行わずにS1212の処理へ移行する。S1201の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1202〜S1211が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1212のコマンド判定処理や、S1213の変動表示設定処理や、S1213およびS1214のカウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1212の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1213の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1201の処理で1m秒以上経過していれば(S1201:Yes)、まず、S1203〜S1213の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1202)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1208の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1203)、その後電源投入報知処理を実行する(S1204)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1205の処理へ移行する。
S1205の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1206)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1207)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1207の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1208)、その後音編集・出力処理を実行する(S1209)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1209の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1210)、S1211の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1208のランプ編集処理が実行される。なお、S1209の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1210の処理後、スピーカチェック処理が実行され(S1211)、S1212の処理へ移行する。スピーカチェック処理(S1211)は、音出力装置226内に設けられる光検出回路226eにより、音声出力装置226の内部領域226b1に光が入射しているかを判別し、エラー報知を行うための処理である。このスピーカチェック処理(S1211)の詳細については、図29を参照して後述する。
S1212の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理が実行される(S1212)。このコマンド判定処理の詳細については、図27を参照して後述する。S1212の処理を終えると、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、変動表示設定処理を実行する(S1213)。具体的には、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図28を参照して後述する。
S1213の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1214)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1214の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1214:Yes)、電源断フラグ203y及び電源断処理中フラグ203xを共にオンして(S1216)、電源断処理を実行する(S1217)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグ203xをオフし(S1218)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1214の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1214:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1215)、RAM223が破壊されていなければ(S1215:No)、S1201の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1214:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1212)について説明する。図27は、このコマンド判定処理(S1212)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1212)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の開始の決定も行う。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1301)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1301:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1302)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1303)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図28参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1301:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1304)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1304:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1305)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1306)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図28参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1304:No)、次いで、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S1307)。そして、オープニングコマンドを受信した場合には(S1307:Yes)、受信したコマンドに応じた表示用オープニングコマンドを設定し(S1308)、オープニング用楽曲と大当たり用楽曲と楽曲データテーブル222bから選択して楽曲転送エリア223eに設定し(S1309)、本処理を終了する。
ここで、オープニングコマンドは、大当たり遊技が開始される場合に主制御装置110から送信される。よって、大当たり遊技が開始される場合に表示用オープニングコマンドとオープニング用楽曲とを設定することができるので、大当たり遊技の開始に合わせて、第3図柄表示装置への演出の表示と、音出力装置226への楽曲の再生開始とを実行することができる。
S1307の処理において、オープニングコマンドを受信していない場合には(S1307:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S1309)。そして、エンディングコマンドを受信した場合には(S1309:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S1311)、エンディング用楽曲222b4を楽曲転送エリア223eに設定して(S1312)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図26参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
一方、S1310の処理において、エンディングコマンドを受信していない場合には(S1310:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1313)、メイン処理に戻る。その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。その他のコマンドとしては、例えば、上述したラウンド数コマンド、保留球数コマンドなどがある。
次に、図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1213)について説明する。図28は、この変動表示設定処理(S1213)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1213)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1401)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1401:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1406の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1401:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1402)、次いで、コマンド判定処理(図27参照)のS1303の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1403)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1404)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、変動パターンに応じた変動パターン用楽曲を楽曲データテーブル222bの各種変動パターン用楽曲222b1から選択し、楽曲転送エリア223eに設定する(S1405)。このS1405の処理によって、変動パターン用楽曲が楽曲転送エリア223eに設定されることで、音出力装置226より変動パターン用の楽曲が再生されることとなる。
S1405の処理を終えると、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1406)。S1406の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1407の処理へ移行する。
S1407の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1407)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1407:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1407:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1408)、次いで、コマンド判定処理(図27参照)のS1306の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1409)。
次いで、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(S1410)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
次に、図29を参照して、メイン処理(図26参照)において実行されるスピーカチェック処理(S1211)の詳細について説明する。図29は、スピーカチェック処理(S1211)を示すフローチャートである。このスピーカチェック処理(S1211)は、音出力装置226に異常が発生しているか否かを判別し、異常が発生していると判別した場合には、異常時処理を実行するものである。
スピーカチェック処理(S1211)は、まず、光検出回路226eからの光検出信号LSの状態を取得する(S1501)。次いで、その取得した光検出信号LSがハイであるか否かを判別する(S1502)。上述したように、光検出信号LSは、光検出回路226eに設けられている光センサから出力される電流値が照度5ルクスに対応する電流値よりも高い場合、即ち、内部領域226b1に照射される光の明るさ(照度)が5ルクス以上となった場合に、ハイ(5V)に設定されるものである。よって、S1502の処理において、光検出信号LSがハイであると判別される場合は、音出力装置226の振動板226c2などが破壊され、内部領域226b1に光が入射している状態であると判別することができる。
S1502の処理において、光検出信号LSがハイであると判別された場合は(S1502)、音声出力装置226の内部領域226b1に光が入射している場合であり、振動板226c2などが破壊された可能性が高いため、S1503〜S1506の異常時処理を実行する。
具体的には、内部LED226d1,226d2をオンに設定し(S1503)、スピーカ226cに警報音信号を出力するよう設定し(S1504)、外部出力端子板261に異常信号を出力する(S1505)。次いで、表示用異常コマンドを設定し(S1506)、本処理を終了する。
S1503の処理により、内部LED226d1,226d2が発光するように制御される。これにより、振動板226c2を破損した後、破損箇所を塞ぐなどして光が内部領域226b1へと入射しないようにしても、内部LED226d1,226d2の光によって、異常であることを継続して報知でき、不正行為の実行を抑制することができる。
この内部LED226dは、遊技機の電源を切ることでオフに設定される。即ち、ホールの従業員などが異常の報知を認識し、不正行為の有無を確認した後に、遊技機が再起動されるまで異常の報知が継続される。なお、内部LED226d1,226d2は、所定の操作(例えば、RAM消去スイッチ122の押下)によりオフにされるように構成してもよい。また、内部LED226dを用いずに、光検出回路226eによる異常の検出(光を検出)を継続して記憶するように構成し、所定の操作(例えば、RAM消去スイッチ122の押下)によりその記憶された情報を初期化するようにしてもよい。これにより、内部LRD226dを用いずとも、一度異常を検出した後に、継続して異常があったことを報知することができる。
S1504の処理により、スピーカ226cから警報音が出力される。ここで、光検出信号LSがハイとなるのは、振動板226c2の破損等により内部領域226b1へ光が入射する場合である。よって、内部領域226b1へ光が入射した時点で、即ち、スピーカ226cへ電力を供給する配線226c3が切断される前の時点で、スピーカ226cから警報音を出力することができる。これにより、配線226c3が切断され、スピーカ226cから完全に音が出力されなくなる前に警報音を出力することができるので、異常の発生に気づきやすくすることができ、不正行為を抑制することができる。
なお、音出力装置226以外に、音を出力するスピーカを設けておき、そのスピーカから警報音を出力するように構成してもよい。これにより、音出力装置226が破壊され、警報音を出力できない状態となった場合においても、警報音を出力することができ、ホールの店員等に異常を気づかせることができる。
S1505の処理により、異常信号が外部出力端子板261に出力されるので、その異常信号をホールコンピュータなどで検知することができる。これにより、配線226c3が切断されるなどにより、スピーカ226cから音が出力できなくなった場合においても、異常の発生を検知することができる。
また、他のエラーの報知を行う異常時処理(S1504、S1506)を実行せず、外部出力端子板261への異常信号の出力のみを実行するようにしてもよい。これにより、遊技者に異常検知をしていることを感知されることなく、不正行為を実行する遊技者を監視することができる。
S1506の処理により設定された表示用異常コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図26参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、この表示用異常コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81に異常が表示される。これにより、不正行為の発生が報知されるので、不正行為を抑制することができる。
S1502の処理において、光検出信号LSがハイでないと判別された場合は、S1503〜S1506の処理をスキップして、本処理を終了する。
以上、説明したように、本第1実施形態では、音出力装置226内部の配線226c3を切断しようとする不正行為を、音出力装置226内の内部領域226b1に光が入射することを検出することで、検知できるように構成されている。よって、配線226c3が切断される前に、内部領域226c4への異物の進入を検知できるので、上述した不正行為を抑制することができる。
また、内部領域226c4に配置される配線226c3と振動板226c2との間には、台座部材226b2が設けられている。これにより、振動板226c2を破損し、配線226c3を切断するために異物を内部領域226c4へ進入させたとしても、台座部材226b2が障害となり、配線226c3を切断することを困難とすることができる。
さらに、配線226c3と振動板226c2との間に光検出回路226eが設けられている。これにより、配線226c3を切断しようとして、振動板226c2を破損する不正行為を効率良く検出することができる。
また、音出力装置226には光が進入可能なダクト部226a1が設けられており、そのダクト部226a1と反対側に光検出回路226eとが設けられている。これにより、光検出回路226eはダクト部226a1から進入する光の影響を受けにくいので、受光精度を向上させることができる。よって、不正行為を精度よく検出することができる。
なお、ダクト部226a1の設けられている側に、光検出回路226eを設けるよう構成してもよい。この場合、ダクト部から進入する光の光量を考慮して、異常と判別する光検出回路226eに対して照射される光の照度(光量)を定めることで、音出力装置226の振動板226c2などの破壊を検出することができる。
また、ダクト部226a1の設けられている側に第1の光検出回路226eを設け、その第1の光検出回路226eとスピーカ226cを挟んで対角する位置(即ち、ダクト部226a1から遠い位置)に第2の光検出回路226eを設けるようにしてもよい。この場合、第1の光検出回路226eはダクト部226a1の影響を受けるので、第2の光検出回路226eよりも検出される光の照度(光量)が多くなる。これにより、第2の光検出回路226eにより検出される光の照度(光量)が、第1の光検出回路226eに比べ多くなった場合(または差が所定量以下となった場合)に異常であると判別することができる。
さらに、音出力装置226内の配線226c3が設けられる領域を遮光部材で覆い、その覆われた空間に光検出回路226eを設けるように構成しても良い。これにより、音声出力装置226の内部でも、特に重要な配線226c3が切断される可能性が高い場合にのみ光検出回路226eによる異常検出が行われ、異常を報知することができる。よって、軽微な異常にも関わらず異常が報知されてしまい、遊技者やホール従業員が困惑することを防止できる。
また、音出力装置226の前面にカバー体が設けられ、そのカバー体と前面カバー226aとの間に発光装置(LEDなど)を設けられている。これにより、カバー体を遮光しながら振動板226c2を破損させるなどの不正行為が実行されたとしても、カバー体の内部に設けられた発光装置によって、振動板226c2が破損されたことを検出することが可能となる。しかし、これに限られず、発光装置を設けずとも、カバー体前面側を遮光されたとしても、遊技機に設けられている発光する装置からの光(例えば第3図柄表示装置からの光)が、カバー体と前面カバー226aとの間に入射するよう構成してもよい。これにより、発光装置(LEDなど)を特別に設けることなく、上述した不正行為を検出することを可能とすることができる。
さらに、本実施形態の音出力装置226には、ダクト部226a1から入射した光を迂回させるための迂回光路226b3が設けられ、その迂回光路226b3より内部の領域に光検出回路226eが設けられている。光検出回路226eはダクト部226a1から入射する光の影響を受けにくいので、受光精度を向上させることができる。よって、不正行為を精度よく検出することができる。なお、迂回光路226d3は特定波長の光を通過し難くするよう構成し(例えば、偏光板を設ける、特定波長の回折限界となるよう光路を入り組ませる、特定波長を吸収する素材で迂回光路を構成する、など)、光検出回路226eはその通過し難くした特定波長の光を検出するようにしてもよい。
<第2実施形態>
次に、図30から図37を参照して、第2の実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1の実施形態では、音出力装置226の内部領域226b1への光の入射に基づいて音出力装置226への不正行為(振動板226c2を破り、内部へ異物を侵入させる行為など)を検出するように構成されている。これに対し、本第2実施形態では、音出力装置226に振動センサ226fを設け、音出力装置226から音が出力される場合に振動する振動板226c2の位置(基準点からの変位量)を、振動センサ226fにより定期的に計測し、その計測結果に基づいて、音出力装置226への不正行為を検出するように構成している。
具体的には、パチンコ機10の立ち上げ処理時に、大当たり時のオープニング用楽曲222b2を音出力装置226により再生し、その際の振動板226c2の変位量を10μs毎に5秒間取得し、想定振動パターンとして記憶しておく。そして、遊技中において大当たりとなった場合に、同一のオープニング用楽曲222b2を再生し、その際の計測振動パターンを計測し、記憶しておいた想定振動パターンとを比較する。そして、計測振動パターンと想定振動パターンとの差異が大きい場合には、振動板226c2が破損されたとして異常検出する。
これにより、音出力装置226から音が出力されない状態、または、音を正常に出力できない状態を振動の計測結果より検出することができるので、振動により音を出力する音出力装置226の異常(音不鳴り、異音出力など)を正確に検出することができる。
<第2実施形態における遊技機の電気的構成について>
まず、図30を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図30は、は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本第2実施形態では、上述した第1実施形態に対し、音声出力装置226において光検出回路226eに代えて振動センサ226fが設けられ、内部LED226dが削除される点で相違し、その他の点で同一である。同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態におけるスピーカ226cの振動板226c2の背面には金属板が取り付けられており、振動センサ226fは、その金属板と接触しない位置に取り付けられ、金属板とセンサとによって形成されるコンデンサの静電容量から変位量(振動レベル)を測定するものである。
ここで、スピーカ226cは、配線226c3から入力される電圧に基づいて、振動板226c2を変位(振動)させることにより、音を出力するものである。配線226c3から入力される電圧は「−5V〜5V」の間で可変され、入力電圧が「0V」の時に振動板226c2は振動板226c2が可動する範囲の中点である初期位置となり、入力電圧に応じて振動板226c2の位置が可変される。振動板226c2が可変される位置は、入力電圧の大きさに比例して初期位置から遠ざかるものであり、正の入力電圧が入力されると初期位置から前面方向へと振動板226c2が可変され、負の入力電圧が入力されると初期位置から背面方向へと振動板226c2が可変される。具体的には、入力電圧が「5V」である場合に、振動板226c2は前面方向の可動域の上限位置まで可変され、入力電圧が「−5V」である場合に、振動板226c2は背面方向の可動域の上限位置まで可変される。また、入力電圧が「2.5V」である場合には、振動板226c2は前面方向の可動域の上限位置と初期位置との中点へと可変される。
上述した変位量(振動レベル)は、スピーカ226cの振動板226c2が初期位置から可変された量を示す値であり、「−128〜127」の値で示される。振動板226c2が初期位置からスピーカ226cの前面方向に可変されると正の値となり、初期位置からスピーカ226cの背面方向へ可変されると負の値となる。具体的には、振動板226c2が前面方向の可動域の上限位置まで可変されると、変位量(振動レベル)は「127」となり、反対に、振動板226c2が背面方向の可動域の上限位置まで可変されると、変位量(振動レベル)は「−128」となる。
振動センサ226fにより測定される振動板226c2の変位量(振動レベル)は、振動レベル信号BLとして音声ランプ制御装置113の入出力ポート225へ入力される。この振動レベル信号BLは、後述する振動計測処理において取得される(図35のS2102)。振動計測処理は、タイマ割込みによって10μs毎に実行されるので、10μs毎に振動レベル信号BLを取得することができる。ここで、10μsの周期は、周波数に換算すると100kHzであるので、100kHzのサンプリング周波数で振動板226c2の変位量(振動レベル)を計測可能に構成されている。
なお、振動センサ226fは、これに限られず、振動板226c2に圧電素子(受けた圧力に基づいて電圧を生じる素子)を接触させ、その圧電素子が生じる電圧によって振動板226c2の変位量(振動レベル)を測定するものでもよい。また、振動センサ226fに代えて音センサを設け、その音センサの検出する音圧を変位量(振動レベル)として測定してもよい。その他、レーザー変位計や加速度センサなどによって、振動板226c2の変位量(振動レベル)を計測するようにしてもよい。
詳細は後述するが、本実施形態では、パチンコ機10の立ち上げ時にオープニング楽曲が再生され、その間、振動計測処理(図35参照)が10μs毎に実行され、振動板226c2の変位量(振動レベル)が想定振動メモリ223hに記憶される。その後、遊技が実行され大当たりとなると、オープニング楽曲が再生され、振動計測処理(図35参照)が同様に実行される。その際に計測された計測振動メモリ223gと想定振動メモリ223hとの値が比較され、その値の差が許容範囲内であれば正常と判別され、許容範囲外であれば異常と判別される。異常と判別された場合には、異常であることが報知される。これにより、例えば、振動板226c2が破損されることで、振動板226c2が振動されなくなる場合に、計測された計測振動メモリ223gと想定振動メモリ223hとの値の差が許容範囲外となるので、振動板226c2の破損を検出し、異常を報知することができる。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113のRAM223について説明する。図31は、音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。本実施形態におけるRAM223は、計測カウンタ223f、計測振動メモリ223g、想定振動メモリ223hが新たに設けられた点で相違する。その他の点は同一であり、同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図31(b)を参照して、本実施形態において新たに設けられたRAM223の内容について説明する。
計測カウンタ223fは、楽曲転送エリア223eに楽曲データを設定してからの経過時間を計測するためのカウンタである。即ち、楽曲の再生時間を計測するためのカウンタである。この計測カウンタ223fは、振動計測処理(図35参照)が実行される度に1加算されるものであり(S2104参照)、想定振動設定処理(図34参照)またはスピーカチェック処理2(図37参照)において参照される。参照された計測カウンタ223fが500000である場合は(図34のS2004、図37のS2201)、楽曲の再生時間が5秒となる場合であり、想定振動設定処理(図34参照)またはスピーカチェック処理2(図37参照)にて必要な処理が実行された後、計測カウンタ223fは0に初期化される。
計測振動メモリ233gは、計測した振動レベル信号BLの値を記憶しておくメモリであり、振動計測処理(図35参照)において、開始アドレスから順に振動レベル信号BLの値が書き込まれる(図35のS2103参照)。この書き込みされた計測振動メモリ233gの値は、想定振動設定処理(図34参照)において、計測カウンタ223fが500000である場合(即ち、設定した楽曲が5秒再生された場合)に想定振動メモリ223hに設定された後に初期化される。また、スピーカチェック処理2(図37参照)において、計測カウンタ223fが500000である場合(即ち、設定した楽曲が5秒再生された場合)に、想定振動メモリ223hと比較された後に初期化される。詳細は後述するが、この比較結果の差分が許容範囲内であるか否かにより、音出力装置226の異常であるか否かが判別される。
想定振動メモリ223hは、パチンコ機10の立ち上げ時に楽曲データを再生した場合における、振動計測結果を記憶しておくためのメモリであり、上述したように想定振動設定処理(図34参照)において、計測カウンタ223fが500000である場合(即ち、設定した楽曲が5秒再生された場合)に想定振動メモリ223hの内容が設定される。また、スピーカチェック処理2(図37)において、振動を計測した結果と想定振動との比較結果が許容範囲であると判別された場合に(図37のS2203:Yes参照)、計測結果である計測振動メモリの内容により更新される。これにより、パチンコ機10の周囲の環境(温度、湿度等)が、立ち上げ時から変化している場合に適応させることができる。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図32を参照して、本第2実施形態における主制御装置110の制御処理について説明する。本第2実施形態は、上述した第1実施形態に対し、立ち上げ処理の一部処理を変更した点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図32を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理の詳細について説明する。図32は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。本第2実施形態では、上述した第1実施形態に比べ、ウエイト時間が変更されている点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
具体的には、S801の電源投入に伴う初期設定処理を実行し(S801)。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では6秒)を実行する(S820)。
ここで、本第2実施形態では、音声ランプ制御装置113において、想定振動設定処理(図34参照)が電源投入時に実行される。この想定振動設定処理(図34参照)により、想定振動メモリ223hが設定され、この想定振動メモリ223hは、オープニング演出の実行時(オープニング楽曲の再生時)に、音出力装置226の異常を検出するために利用される。想定振動メモリ223はオープニング楽曲を先頭から5秒再生した場合の音出力装置226内の振動を記憶するものである。よって、この想定振動設定処理を完了するには5秒の時間が必要となる。そこで、本第2実施形態では、上述した第1実施形態のウエイト時間1秒に対し5秒多い、6秒のウエイト時間を設けている。これにより、サブ側の制御装置が動作可能な状態になるのを待ってから、主制御装置110を起動することができる。
S820の処理を終えると、第1実施形態と同様にS803〜S814の処理を実行し、本処理を終了する。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図33から図37を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される制御処理について説明する。本第2実施形態は、上述した第1実施形態に対し、立ち上げ処理と、コマンド判定処理(S1213参照)の一部が変更される点と、スピーカチェック処理(S1211)に代えてスピーカチェック処理2(S1220)が実行される点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理について説明する。図33は、立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は音声ランプ制御装置113の電源投入時に起動されるものであり、音声ランプ制御装置113を起動させるための処理である。
本第2実施形態における立ち上げ処理では、上述した第1実施形態に対し、想定振動設定処理(S1120)を実行するようにした点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、第1実施形態と同様にS1101からS1110の処理を実行する。次いで、想定振動パターンを計測するために、想定振動設定処理を実行する(S1120)。S1120の処理を終えると、割り込み許可を設定して(S1111)、メイン処理へと移行する。
ここで、図34を参照して、想定振動設定処理(S1120)の詳細について説明する。図34は、想定振動設定処理(S1120)を示したフローチャートである。この想定振動設定処理(S1120)は、音声ランプ制御装置113の起動時にオープニング用楽曲222b2を、音出力装置226を用いて所定時間(本実施形態では5秒)再生し、その再生時の音出力装置226の振動を想定振動として記憶しておく処理である。
想定振動設定処理(S1120)では、まず、オープニング用楽曲222b2を楽曲エリア223eに転送し(S2001)、計測カウンタに0を設定する(S2002)。ここで、本実施形態では、オープニング用楽曲222b2として複数種類の楽曲を備えているが、各楽曲の開始5秒分の音データは同一となるように構成されている。これにより、大当たり開始時にいずれのオープニング用楽曲が選択されて、出力されたとしても、後述するスピーカチェック処理を実行することができる。なお、これに限られず、楽曲を1種類のみとしてもよいし、別途検査用の楽曲を用意してオープニング用楽曲の再生前に再生して検査するようにしてもよい。
S2002の処理を終えると、振動計測処理のタイマ割り込みを設定し(S2003)、S2004の処理へ移行する。S2003の処理において設定されるタイマ割り込み期間は10μsとする。これにより、10μs後に振動計測処理(図35)が実行されることとなる。振動計測処理の詳細については、図35を参照して後述する。
S2004の処理では、計測カウンタ223fが500000であるか否かを判別する(S2004)。この計測カウンタ223fは、10μs毎にタイマ割込により実行される振動計測処理(図35)により1ずつ加算されるものであるので、計測カウンタ223fが500000となるのは、オープニング用楽曲の再生開始(S2001)から5秒後となる。S2004の処理において、計測カウンタ223fが500000でないと判別された場合は、再度S2004の処理を実行する。
なお、再度S2004の処理を実行する前にウエイト処理(例えば、10μs)を入れてもよい。これにより、S2004の処理が頻繁に実行され、MPU221が占有されてしまうことにより、他の処理が動作できないなどの不具合を抑制することができる。
一方、S2004の処理において、計測カウンタ223fが500000であると判別された場合は、オープニング用楽曲の再生を停止するために、楽曲転送エリア223eをクリアし(S2005)、計測振動メモリ223gの内容を想定振動メモリ223hに設定する(S2007)。その後、計測カウンタ223fを0に初期化し、本処理を終了する。なお、S2005の処理においてオープニング用楽曲の再生を停止するように構成しているが、これに限られず、楽曲の全てを再生してから停止してもよいし、所定時間経過後に停止するようにしてもよいし、別の楽曲に切り替えるようにしてもよい。また、楽曲転送エリア223eをクリアすることにより、楽曲の再生を停止するように構成したが、これに限られず、楽曲転送エリア223eのデータをミュート処理(所定時間をかけて徐々に音量を下げていく処理)されたものに切り替えるようにしてもよい。これにより、再生していた楽曲データが急に0データに切り替わることにより発生するノイズ(所謂、ボツ音)を抑制することができる。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるタイマ割り込みにより実行される振動計測処理について説明する。図35は、振動計測処理を示すフローチャートである。この振動計測処理は、音出力装置226に設けられた振動センサ226fの振動レベル信号BLの信号を所定期間(計測カウンタ223fが500000未満の間)計測し、記憶する処理である。
振動計測処理では、まず、計測カウンタ223fが500000であるか否かを判別する(S2101)。計測カウンタ223fが500000であると判別された場合は(S2101:Yes)、振動レベルを計測する期間を経過しているので、そのまま本処理を終了する。
一方、計測カウンタ223fが500000でない(即ち、500000未満である)と判別された場合は(S2101:No)、振動レベル信号BLを取得し(S2102)、計測振動メモリ223gの開始アドレスに計測カウンタ223fの値を加算したアドレスに、取得した振動レベル信号BLの値を書き込む(S2103)。
S2103の処理を終えると、計測カウンタ223fに1を加算し(S2104)、振動計測処理のタイマ割り込みを設定して(S2105)、本処理を終了する。
S2105の処理において、10μs後に再度振動計測処理が実行されるように設定される。これにより、振動計測処理は、計測カウンタ223fが500000になるまで、10μs毎に実行され、計測期間の経過後は、実行されないように構成されている。
なお、本実施形態では、タイマ割り込みにより振動計測処理を実行するように構成したが、これに限られず、メイン処理において10μs毎に実行するようにしてもよい。また、振動計測処理を10μs毎に実行するように構成したが、これに限られず、より短い間隔(例えば、5μs毎)や、より長い間隔(100μs毎)に実行するようにしてもよい。
次に図36を参照して、本実施形態におけるコマンド判定処理(S1212)の詳細について説明する。図36は、コマンド判定処理(S1212)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理(S1212)は、上述した第1実施形態に対し、オープニングコマンドを受信した場合の一部の処理が変更されている点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
コマンド判定処理(S1212)では、上述した第1実施形態と同様にS1301からS1307の処理を実行する。次いで、S1307の処理において、オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S1307:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定し(S1308)、オープニング用楽曲と大当たり用楽曲とを、大当たり種別に基づいて、楽曲転送エリア223eに設定する(S1309)。
S1309の処理を終えると、計測カウンタ223fに0を設定し(S1320)、振動計測処理のタイマ割り込みを設定して(S1321)、本処理を終了する。これにより、オープニング用楽曲が再生される場合の、音出力装置226の振動レベルを計測することができる。
一方、S1307の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別された場合は(S1307:No)、上述した第1実施形態と同様にS1310からS1313の処理を実行して、本処理を終了する。
次に、図37を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理で実行されるスピーカチェック処理2(S1220)について説明する。図37は、スピーカチェック処理2(S1220)を示すフローチャートである。このスピーカチェック処理2(S1220)は、第1実施形態における、スピーカチェック処理(S1211)に代えて実行される処理であり、音出力装置226の異常を検知し、異常の報知を実行するための処理である。
スピーカチェック処理2では、まず、計測カウンタ223fが500000であるか否かを判別する(S2201)。S2201の処理において、計測カウンタ223fが500000でないと判別された場合は(S2201:No)、音出力装置226の振動レベルの計測タイミングではない場合又は計測中の場合であるので、そのまま本処理を終了する。
一方、S2201の処理において、計測カウンタ223fが500000であると判別された場合は(S2201:Yes)、音出力装置226の振動レベルの計測タイミングであるので、音出力装置226の振動レベルが正常であるか否かを判別するためにS2202からS2208の処理を実行する。
S2202の処理では、想定振動メモリ223hと計測振動メモリ223gとの比較を実行する(S2202)。具体的には、各メモリに記憶されている各タイミング(10μs毎)における振動レベルの差を算出し、その差の合計を、想定振動メモリ223hに格納されている各タイミング(10μs)の振動レベルの合計で除することによって算出される誤差割合を用いて比較を行う。次いで、比較結果として算出された差分の合計値が許容範囲であるか否かを判別する(S2203)。具体的には、計測振動メモリ223gと想定振動メモリ223hとの誤差割合が5%以内である場合には許容範囲内であると判別し、5%より大きい場合には許容範囲外であると判別する。なお、この許容範囲内であるかを判別するための値は適宜変更してもよく、本実施形態では、想定振動メモリに格納されている値に対する相対値で規定したが、絶対値で規定するようにしてもよい。また、振動レベルの値を比較するように構成したが、これに限られず、振動の周波数特性を比較するようにしてもよい。
ここで、周波数が1kHzの矩形波をオープニング楽曲として用いる場合について説明する。ここでは、説明を簡単にするために周波数が1kHzの矩形波を用いる場合について説明するが、実際にはオープニング楽曲222b2の楽曲が再生される。パチンコ機10の電源を投入すると、立ち上げ処理においてオープニング楽曲として周波数が1kHzの矩形波が再生され、その際に計測された振動パターンが想定振動メモリ223hに格納される。再生した矩形波の振幅レベルが「100」である場合、この想定振動メモリ223hに格納されるデータとしては、500000回分の振動レベルの値として100000回ごと(1秒ごと)に「100」と「−100」が交互に格納される。
次いで、大当たりが発生し、オープニング楽曲として上述した矩形波が再生され、振動計測処理(図35参照)によって計測振動メモリ223gに100000回ごと(1秒ごと)に「97」と「−97」が交互に格納されたとする。この場合は、各タイミングにおける振動レベルの差(絶対値の差)は「3」であり、500000回分における差(絶対値の差)の合計は、「1500000」となる。この値を、想定振動メモリ223hの値の合計である「50000000」で除した誤差割合は、3%となる。よって、この場合は、許容範囲内の差であると判別する。
一方、計測振動メモリ223gに100000回ごと(1秒ごと)に「90」と「−90」が交互に格納されたとする。この場合は、各タイミングにおける振動レベルの差(絶対値の差)は「10」であり、500000回分における差(絶対値の差)の合計は「5000000」となる。この値より、上記同様に誤差割合を求めると10%となるので、この場合は、許容範囲外の差であると判別する。
なお、値の差(絶対値の差)が許容範囲内であるか否かを判別する方法としては、上述したものに限られず、楽曲再生時間の5秒間において、所定の振動レベル(例えば「70」)を超える回数が何回であるかを測定し、その回数を比較するようにしてもよい。また、想定振動メモリ223gとの比較を行わず、計測振動メモリ223hの各振動レベルの平均が所定の振動レベル(例えば、「50」)に達しているかで判別するようにしてもよい。
S2203の処理において、比較結果の差分が許容範囲(即ち、誤差割合が5%以内)であると判別された場合は、計測振動メモリ223gの内容を想定振動メモリ223hに書き込み(S2207)、S2208の処理へ移行する。本実施形態では、S2207の処理により計測結果である計測振動メモリの内容により更新される。これにより、パチンコ機10の周囲の環境(温度、湿度等)が、立ち上げ時から変化している場合に適応させることができる。なお、S2207の更新処理を行わないようにしてもよい。これにより、徐々に振動板226c2を破壊される場合など、想定振動メモリ223hの内容が徐々に変化してしまう場合がある。この場合に考えられる、振動板226c2が破壊されているにも関わらず、計測振動メモリ223gとの誤差割合が許容範囲となってしまうという不具合を抑制することができる。また、S2207の更新処理を実行すると共に、更新する上限を定めるようにしてもよい。これにより、立ち上げ時から変化している場合に適応させることができると共に、想定振動メモリ223hの内容が徐々に変化してしまい振動板226c2の破壊を検出できないとの不具合を抑制することができる。
一方、S2203の処理において、比較結果の差分が許容範囲でないと判別された場合は、スピーカに警報音信号を出力し(S2204)、外部出力端子板261に異常を示す異常信号を出力し(S2205)、表示用異常コマンドを設定して(S2206)、S2208の処理へ移行する。
S2206またはS2207の処理を終えると、計測カウンタ223fを0に設定し(S2208)、本処理を終了する。
以上、説明したように、本第2実施形態では、音出力装置226の例えば、振動板226c2を破損させることにより、音の出力が不可能または正常に音を出力できないようにする不正行為を、音出力装置226において正常な振動が発生しているか否かを判別することで検出することができるよう構成している。これにより、音出力装置226から正常に音が出力されていないことを検知することができ、不正行為が行われたことを検知することができる。
なお、本実施形態では、電源投入時にオープニング用楽曲を5秒分再生し、その際の音声出力装置226における振動を想定振動として記憶するように構成したが、これに限られず、予め想定振動をROMに設けるように構成してもよい。これにより、電源投入時に想定振動を計測し記憶する必要がなくなるため、パチンコ機10の起動を早くすることができる。
また、本実施形態では、オープニング用楽曲を再生する場合の音出力装置226における振動を想定振動として記憶するように構成したが、これに限られず、所定の変動パターン楽曲を再生する場合を想定振動としてもよいし、特定時刻や特定時間毎に実行されるRTC演出用楽曲を再生する場合を想定振動としてもよい。さらに、パチンコ機10の演出に関わる楽曲を再生する場合を想定振動としたが、これに限られず、特定の周波数(例えば、人間の可聴域外の周波数)の音を再生する場合を想定振動とするようにしてもよい。これにより、人間の可聴域外の周波数を再生し、振動を計測するため、不正行為を監視していることを遊技者に感知されないようにできる。
また、正常な振動が発生しているか否かは、計測振動メモリ223gと想定振動メモリ223hとの値を周波数解析した結果を用いて判定してもよい。さらに、その周波数解析結果において特定の周波数(例えば、低周波)を除いて比較するようにしてもよい。これにより、台の揺れによる振動(低周波)による影響を低くして比較することができるため、異常検出の精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、振動板226c2が振動することで発生する振動レベルを検出するように構成したが、これに限られず、振動板226c2が振動することにより、スピーカ226cの内部のボイスコイル(図示せず)が生み出す電圧を測定するように構成してもよい。これにより、振動板226c2の振動以外による振動(例えば、パチンコ機10の外部から入力される振動)の影響を受けることなく異常検出を行うことができるため、異常検出の精度を向上させることができる。
さらに、振動板226c2による振動がない場合、即ち、音が出力されていない場合にのみ異常検出するようにしてもよい。また、振動レベルが所定量以下である場合、即ち、音量が所定量以下である場合に異常検出するようにしてもよい。これにより、音が所定量以上出力されている場合は、正常な警報音ではないとしても異常を知らせることができるためであり、音量のみを比較すればよいので製造コストを削減することができる。
なお、ROM222に出荷時に異常判定用の振動情報(正常時におけるチェック用の音声を出力させた場合のコーンの振動回数または振動幅に基づく情報)を記憶させておき、電源投入毎にその振動情報に対しての相違を判定する処理を実行する。判定結果が正常範囲内(例えば、5%以内の誤差)であれば、検出した振動情報をRAM223の記憶エリアに記憶して、その振動情報に対して遊技中は異常があるか判定を実行するように構成してもよい。このように構成することで、湿度等で変化するスピーカのコーンの状態に合わせた振動情報で異常を検出することができる。さらに、初期設定での異常判定は、10%の誤差等で異常を判定して、遊技中には、計測した振動情報に対して3%以内の誤差で判別を行うようにしてもよい。このように、初期設定では、スピーカの状態を緩い設定値で異常を判別して、遊技中は個体差に合わせた振動情報で厳しい設定値(許容範囲)で異常を判定することで、より正確に異常を検知することができる。
また、上述した第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせてもよい。例えば、光検出回路226eと振動センサ226fとのいずれもが異常であると判別することにより、異常を報知するように構成すれば、不正行為の検出をより精度よく行うことができる。
なお、本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態、変形例の全部または一部をそれぞれ組み合わせて構成してもよい。また、主制御装置110、音声ランプ制御装置113等のサブ制御装置で構成したが、それに限らず、全ての機能を主制御装置110に集約して構成しても良い。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(スピーカ内部に光センサを配置して不正を検出)
音声を出力可能な音声出力部と、その音声出力部の背面側を覆うカバー体と、前記音声出力部に音声を出力するための第1信号を出力する信号出力手段と、を有し、その信号出力手段と前記音声出力部とを電気的に接続するための接続線が前記カバー体を通じて前記音声出力部から前記カバー体の外部へと配設された遊技機において、前記カバー体の内部に配設され、光を受光することに基づいて、第2信号を出力可能な受光手段と、その受光手段より出力される前記第2信号を判定する判定手段と、その判定手段による判定結果が特定の判定結果である場合に、異常を示す異常信号を出力する出力手段とを備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力装置が配設されている。この音声出力装置から出力する音声により、不正等を検知した場合には、警報音等の音声を出力して、異常を報知する遊技機が知られている(特開2011−167406公報)。この場合、スピーカ等では、音声が出力されるコーン部は、容易に破損できるので、破損して、内部の接続ケーブルを切断して、不正をしても警報音等の音声が出力されないようにする不正が行われる虞があった。このような不正を抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機A1によれば、カバー体内部には、受光手段が配設されているので、音声出力部を破損して、内部の接続線を断線させようとされた場合にも、外部から光が入ったことを判定手段により判定することができ、不正を早期に認識することができる。よって、不正を抑制することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記カバー体は、前記音声出力部の背面との間に所定の空間を有する形状で構成され、前記音声出力部の背面側より出力される音声を音声出力部の前面側方向へと出力する為の開口部を前面側に形成されているものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音出力部の背面側より出力される音声は、カバー体と音声出力部の背面との間の所定の空間に出力され、その出力された音声はカバー体の前面側に形成される開口部より音出力部の前面側方向へと出力される。これにより、音出力部の前面側には、音出力部の前面側から出力される音声と、音出力部の背面側から出力される音声とが出力されることとなり、音出力部の前面側に出力される音声を迫力あるものとすることができ、遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A2において、前記受光手段は、前記開口部から入光する光を受光し難い位置に配置されていることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声出力部の背面側より出力される音声を音声出力部の前面側方向へと出力する開口部より外部の光が入光することとなるが、受光手段は開口部から入光する光を受光し難い位置に配置されている。これにより、開口部より入光する光の影響を受けずに、音声出力部を破損して内部の接続線を断線させようとされた場合を判定することができ、不正を認識する精度を向上させることができるという効果がある。
遊技機A2またはA3において、前記受光手段は、前記接続線の少なくとも一部に受光部を向けて配置されていることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2またはA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、カバー体内部に配設された接続線に対して入光する外部からの光を受光手段が受光可能となっている。ここで、音声出力部を破損された場合に、内部の接続線に対して外部からの光が入光する場合は、接続線が断線される可能性の高い場合であり、内部の接続線に対して外部からの光が入光しない場合は、接続線が断線される可能性の低い場合である。よって、内部の接続線に対して外部からの光が入光する場合を受講手段が受光したことを、判定手段によって判定できる。これにより、接続線が断線される可能性の高い場合を精度よく判定することができるという効果がある。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記開口部は、前記音声出力部の前面側と並列して一方側に形成されているものであり、前記受光手段と前記接続線とは、前記一方側に対して他方側に配置されているものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開口部は、接続線が配置されている一方側とは異なる他方側に配置されているので、開口部より不正に接続線を切断される不正を抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記音声出力部の前面側に配置される前面カバー体を有し、その前面カバー体は、前記音声出力部の前面側から離間して配置されているものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声出力部を破損させて異物を挿入する不正を前面カバー体により防ぐことができる。よって、不正を抑制することができるという効果がある。
遊技機A6において、前記音声出力部と前記前面カバー体との間より、前記音声出力部に向けて前記光を出力する発光手段を有することを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7よれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声出力部樋と離間して配置された前面カバー体との間より、音声出力部に向けて光りを発光する発光手段が配置されているので、音声出力部を破損させる不正が行われると、内部に発光手段の光が入りやすく構成できる。よって、受光手段により光を検出し易く構成でき、不正を早期に発見できるという効果がある。
<特徴B群>(コーン部の振動を検出して不正を認識)
振動部を振動させることで音声を出力可能な音声出力部と、前記振動部の振動情報を検出する検出手段と、前記所定の音声を前記音声出力部より出力させる場合に、前記検出手段により検出された前記振動情報に基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果が特定の判定結果である場合に、異常処理を実行する異常処理実行手段とを有するものであることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力装置が配設されている。この音声出力装置から出力する音声により、不正等を検知した場合には、警報音等の音声を出力して、異常を報知する遊技機が知られている(特開2011−167406公報)。この場合、スピーカ等では、音声が出力されるコーン部は、容易に破損できるので、破損して、内部の接続ケーブルを切断して、不正をしても警報音等の音声が出力されないようにする不正が行われる虞があった。このような不正を抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機B1によれば、振動情報により音声出力部の振動部における破損を検知される。破損されたことに対応する判定結果が判定手段により判定されることで、異常処理が異常処理実行手段により実行される。これにより、早期に不正を認識できる。よって、不正を抑制することができるという効果がある。
遊技機B1において、前記振動情報を記憶可能な記憶手段を有し、前記判定手段は、前記記憶手段に記憶された前記振動情報と前記検出手段により検出された前記振動情報とに基づいて判定を実行するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶された振動情報と検出手段によって検出された振動情報とに基づいて判定手段は、特定の判定結果であるか判定するので、安定した判定を実行することができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、前記振動情報は、所定の音声が前記音声出力部より出力される場合に、所定の期間、前記検出手段により検出される前記振動部の振動回数に基づく情報で構成されているものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、所定の期間における振動部の振動回数で振動情報が構成されるので、精度のよい検出を実行することができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、前記振動情報は、所定の音声が前記音声出力部より出力される場合に、所定以上または所定以下の振動幅に基づく情報で構成されているものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、振動情報が所定の音声が出力される場合における所定以上または所定以下の振動幅に基づく情報で構成されているので、少ない情報量で不正の検出に必要な振動情報を検出できるという効果がある。
遊技機B4において、前記振動幅に基づく情報には、前記所定以上または前記所定以下の振動幅が検出された時間情報が付与されているものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振動幅が検出された時間情報が付与されているので、時間情報のズレ等を判定することで、より正確な不正の検出を行うことができるという効果がある。
遊技機B2からB5のいずれかにおいて、前記記憶手段には、予め所定の振動情報が記憶されているものであることを特徴であることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B2からB5のいずれかの奏する効果に加え、記憶手段には予め所定の振動情報が記憶されているものであるので、不正の判定を決まった振動情報に対しての相違で判定することができるという効果がある。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、電源が投入された場合に、初期処理を実行する初期処理実行手段を有し、前記初期処理実行手段は、前記初期処理として、少なくとも前記所定の音声を前記音声出力部より音声を出力させて前記判定手段による判定を実行するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6のいずれかの奏する効果に加え、電源投入時の初期処理により所定の音声を出力して、判定手段により判定が実行されるので、電源投入前に実行されている不正にも早期に認識できるという効果がある。
遊技機B7において、前記初期処理実行手段は、前記初期処理で実行される前記判定手段により判定が前記特定の結果でない場合には、判定した振動情報を前記記憶手段に記憶させて更新するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、電源投入時の初期処理で異常が無い場合には、記憶手段に記憶されている振動情報が更新されるので、より正確な振動情報で判定を行うことができるという効果がある。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、特定の条件が成立した場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行される場合に、前記所定の音声を前記音声出力部より出力させる音声制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技が実行される場合に、振動情報が検出される所定の音声が出力されるので、不正により特典遊技が実行されている場合にも不正を早期に発見でき、遊技店側の損害を抑制できるという効果がある。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記検出手段は、前記音声出力部の前記振動部の異なる2部位以上にそれぞれ配置されるものであり、前記それぞれの前記検出手段により検出された前記振動情報について判別する判別手段を有し、前記異常処理実行手段は、前記判別手段による判別結果が特定の判別結果である場合に、前記異常処理を実行するものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B1からB9のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、検出手段が振動部の異なる2部位以上の位置に配置され、それぞれの振動情報により判定されるので、より精度の高い検出を行うことができる。よって、不正を抑制できるという効果がある。
遊技機B1からB10のいずれかにおいて、前記所定の音声は、可聴域以外の周波数で構成された音声で構成されているものであることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B1からB10のいずれかの奏する効果に加え、所定の音声が可聴域以外の周波数で構成されているので、遊技者には聞こえない音声で不正を検出することができるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機C1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機C2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機C3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来より、パチンコ機等の遊技機には、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力装置が配設されている。この音声出力装置からは、遊技の演出に関わる音声や、外部に異常や不正等を報知するための音声が出力される。
このようなパチンコ機において、異常を検知した場合には、警報音等の音声を出力して、異常を報知する遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2011−167406公報)。
この場合、スピーカ等では、音声が出力されるコーン部は、容易に破損できるので、破損して、内部の接続ケーブルを切断して、不正をしても警報音等の音声が出力されないようにする等の不正が行われる虞があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、不正を抑制することができる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、音声を出力可能な音声出力部と、その音声出力部の背面側を覆うカバー体と、前記音声出力部に音声を出力するための第1信号を出力する信号出力手段と、を有し、その信号出力手段と前記音声出力部とを電気的に接続するための接続線が前記カバー体を通じて前記音声出力部から前記カバー体の外部へと配設され、前記カバー体の内部に配設され、光を受光することに基づいて、第2信号を出力可能な受光手段と、その受光手段より出力される前記第2信号を判定する判定手段と、その判定手段による判定結果が特定の判定結果である場合に、異常を示す異常信号を出力する出力手段とを備える。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記カバー体は、前記音声出力部の背面との間に所定の空間を有する形状で構成され、前記音声出力部の背面側より出力される音声を音声出力部の前面側方向へと出力する為の開口部を前面側に形成されているものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記受光手段は、前記開口部から入光する光を受光し難い位置に配置されている。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想2または3記載の遊技機において、前記受光手段は、前記接続線の少なくとも一部に受光部を向けて配置されている。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想2から4のいずれかに記載の遊技機において、前記開口部は、前記音声出力部の前面側と並列して一方側に形成されているものであり、前記受光手段と前記接続線とは、前記一方側に対して他方側に配置されているものである。
技術的思想6の遊技機は、技術的思想1から5のいずれかに記載の遊技機において、前記音声出力部の前面側に配置される前面カバー体を有し、その前面カバー体は、前記音声出力部の前面側から離間して配置されているものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、カバー体内部には、受光手段が配設されているので、音声出力部を破損して、内部の接続線を断線させようとされた場合にも、外部から光が入ったことを判定手段により判定することができ、不正を早期に認識することができる。よって、不正を抑制することができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音出力部の背面側より出力される音声は、カバー体と音声出力部の背面との間の所定の空間に出力され、その出力された音声はカバー体の前面側に形成される開口部より音出力部の前面側方向へと出力される。これにより、音出力部の前面側には、音出力部の前面側から出力される音声と、音出力部の背面側から出力される音声とが出力されることとなり、音出力部の前面側に出力される音声を迫力あるものとすることができ、遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声出力部の背面側より出力される音声を音声出力部の前面側方向へと出力する開口部より外部の光が入光することとなるが、受光手段は開口部から入光する光を受光し難い位置に配置されている。これにより、開口部より入光する光の影響を受けずに、音声出力部を破損して内部の接続線を断線させようとされた場合を判定することができ、不正を認識する精度を向上させることができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想2または3記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、カバー体内部に配設された接続線に対して入光する外部からの光を受光手段が受光可能となっている。ここで、音声出力部を破損された場合に、内部の接続線に対して外部からの光が入光する場合は、接続線が断線される可能性の高い場合であり、内部の接続線に対して外部からの光が入光しない場合は、接続線が断線される可能性の低い場合である。よって、内部の接続線に対して外部からの光が入光する場合を受講手段が受光したことを、判定手段によって判定できる。これにより、接続線が断線される可能性の高い場合を精度よく判定することができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想2から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開口部は、接続線が配置されている一方側とは異なる他方側に配置されているので、開口部より不正に接続線を切断される不正を抑制できるという効果がある。
技術的思想6記載の遊技機によれば、技術的思想1から5のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声出力部を破損させて異物を挿入する不正を前面カバー体により防ぐことができる。よって、不正を抑制することができるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
113 音声ランプ制御装置(信号出力手段)
226a1 ダクト部(開口部)
226b 背面カバー(カバー体)
226c スピーカ(音声出力部)
226d 内部LED(内部発光手段)
226e 光検出回路(受光手段)
S1211 判定手段
S1506 出力手段

Claims (6)

  1. 音声を出力可能な音声出力部と、
    その音声出力部の背面側を覆うカバー体と、
    前記音声出力部に音声を出力するための第1信号を出力する信号出力手段と、を有し、
    その信号出力手段と前記音声出力部とを電気的に接続するための接続線が前記カバー体を通じて前記音声出力部から前記カバー体の外部へと配設された遊技機において、
    前記カバー体の内部に配設され、光を受光することに基づいて、第2信号を出力可能な受光手段と、
    その受光手段より出力される前記第2信号を判定する判定手段と、
    その判定手段による判定結果が特定の判定結果である場合に、異常を示す異常信号を出力する出力手段とを備えることを特徴とする遊技機。
  2. 前記カバー体は、前記音声出力部の背面との間に所定の空間を有する形状で構成され、
    前記音声出力部の背面側より出力される音声を音声出力部の前面側方向へと出力する為の開口部を前面側に形成されているものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記受光手段は、前記開口部から入光する光を受光し難い位置に配置されていることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
  4. 前記受光手段は、前記接続線の少なくとも一部に受光部を向けて配置されていることを特徴とする請求項2または3記載の遊技機。
  5. 前記開口部は、前記音声出力部の前面側と並列して一方側に形成されているものであり、前記受光手段と前記接続線とは、前記一方側に対して他方側に配置されているものであることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の遊技機。
  6. 前記音声出力部の前面側に配置される前面カバー体を有し、その前面カバー体は、前記音声出力部の前面側から離間して配置されているものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の遊技機。
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