JP2016122697A - 炭化珪素半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゲート絶縁膜における電界集中を緩和可能な炭化珪素半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】炭化珪素半導体装置1は、炭化珪素基板10と、第1ゲート電極27aと、第2ゲート電極27bと、絶縁層21aと、ゲート配線28とを有する。第1ゲート電極27aは、第1ドリフト領域12a、第1ボディ領域13aおよび第1ソース領域14aの各々に対面する。第2ゲート電極27bは、第2ドリフト領域12b、第2ボディ領域13bおよび第2ソース領域14bの各々に対面する。絶縁層21aは、第1ドリフト領域12aと、第2ドリフト領域12bとの境界M12上であって、かつ第1ゲート電極27aと、第2ゲート電極27bとの間に設けられている。ゲート配線28は、絶縁層21aを跨ぐように第1ゲート電極27aと第2ゲート電極27bとを繋いでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素半導体装置およびその製造方法に関する。
近年、半導体装置の高耐圧化、低損失化、高温環境下での使用などを可能とするため、半導体装置を構成する材料として炭化珪素の採用が進められつつある。
炭化珪素を用いたMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)は、珪素を用いたMOSFETよりも高い絶縁破壊耐性を有している。そのため、炭化珪素を用いたMOSFETは、珪素を用いたMOSFETと比較して、ゲート絶縁膜に印加される電圧が高くなる。たとえば、Brett A. Hull、外10名,”Performance of 60A,1200V 4H−SiC DMOSFETs”,Material Science Forum,2009,Vols.615−617,p.749−752(非特許文献1)は、炭化珪素基板の表面にゲート酸化膜が設けられた平面型MOSFETを開示している。
Brett A. Hull、外10名,"Performance of 60A,1200V 4H−SiC DMOSFETs",Material Science Forum,2009,Vols.615−617,p.749−752
しかしながら、Brett A. Hull、外10名,”Performance of 60A,1200V 4H−SiC DMOSFETs”,Material Science Forum,2009,Vols.615−617,p.749−752(非特許文献1)に記載のMOSFETにおいては、ドリフト層上のゲート絶縁膜に電界が集中することで、ゲート絶縁膜の絶縁破壊が発生する場合があった。
本発明の一態様の目的は、ゲート絶縁膜における電界集中を緩和可能な炭化珪素半導体装置およびその製造方法を提供することである。
本発明の一態様に係る炭化珪素半導体装置は、炭化珪素基板と、第1ゲート電極と、第2ゲート電極と、絶縁層と、ゲート配線とを備える。炭化珪素基板は、主面を有し、かつ第1セル領域と、第1セル領域と接する第2セル領域とを含む。第1セル領域は、第1導電型を有する第1ドリフト領域と、第1導電型とは異なる第2導電型を有する第1ボディ領域と、第1ボディ領域によって第1ドリフト領域から隔てられかつ第1導電型を有する第1ソース領域とを有する。第2セル領域は、第1ドリフト領域と接しかつ第1導電型を有する第2ドリフト領域と、第2導電型を有する第2ボディ領域と、第2ボディ領域によって第2ドリフト領域から隔てられかつ第1導電型を有する第2ソース領域とを有する。第1ゲート電極は、第1ドリフト領域、第1ボディ領域および第1ソース領域の各々に対面する。第2ゲート電極は、第2ドリフト領域、第2ボディ領域および第2ソース領域の各々に対面する。絶縁層は、第1ドリフト領域と、第2ドリフト領域との境界上であって、かつ第1ゲート電極と、第2ゲート電極との間に設けられている。ゲート配線は、絶縁層を跨ぐように第1ゲート電極と第2ゲート電極とを繋いでいる。
本発明の一態様に係る炭化珪素半導体装置の製造方法は以下の工程を備えている。主面を有し、かつ第1セル領域と、第1セル領域と接する第2セル領域とを含む炭化珪素基板が準備される。第1セル領域は、第1導電型を有する第1ドリフト領域と、第1導電型とは異なる第2導電型を有する第1ボディ領域と、第1ボディ領域によって第1ドリフト領域から隔てられかつ第1導電型を有する第1ソース領域とを有する。第2セル領域は、第1ドリフト領域と接しかつ第1導電型を有する第2ドリフト領域と、第2導電型を有する第2ボディ領域と、第2ボディ領域によって第2ドリフト領域から隔てられかつ第1導電型を有する第2ソース領域とを有する。第1ドリフト領域、第1ボディ領域および第1ソース領域の各々に対面する第1ゲート電極が形成される。第2ドリフト領域、第2ボディ領域および第2ソース領域の各々に対面する第2ゲート電極が形成される。第1ドリフト領域と、第2ドリフト領域との境界上であって、かつ第1ゲート電極と、第2ゲート電極との間に絶縁層が形成される。絶縁層を跨ぐように第1ゲート電極と第2ゲート電極とを繋ぐゲート配線が形成される。
上記によれば、ゲート絶縁膜における電界集中を緩和可能な炭化珪素半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の縦断面模式図であり、図2および図3のI−I線矢視図に相当する。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の横断面模式図であり、図1のII−II線矢視図に相当する。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の横断面模式図であり、図1のIII−III線矢視図に相当する。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の第1変形例を示す横断面模式図である。 ストライプ形状のセル領域を示す横断面模式図である。 六角形のセル領域を示す横断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法のソース電極を形成する工程を概略的に示すフロー図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第1工程を示す縦断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第2工程を示す縦断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第3工程を示す縦断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第3工程を示す横断面模式図であり、図11のXII−XII線矢視図に相当する。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第4工程を示す縦断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第5工程を示す縦断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第6工程を示す縦断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の変形例を示すフロー図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の変形例を示す縦断面模式図である。
[本発明の実施形態の説明]
発明者は、ゲート絶縁膜における電界集中を緩和する方策について鋭意研究を行った結果、以下の知見を得て本発明の一態様を見出した。
たとえば平面型MOSFETのゲート絶縁膜は、ゲート電極とJFET(Junction Field Effect Transistor)領域とに挟まれて設けられている。そのため、ゲート電極とソース電極との間に逆方向バイアスを印加すると、JFET領域上のゲート絶縁膜の部分に電界が集中する。JFET領域上のゲート絶縁膜の中でも、特に隣り合う2つのセル領域の境界上におけるゲート絶縁膜の部分には電界が集中しやすい。そこで発明者は、隣り合う2つのセル領域の境界上に位置するゲート電極の部分を除去し、当該除去した部分を絶縁層で埋めることにより、ゲート絶縁膜の電界集中を緩和することを考え出した。
次に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る炭化珪素半導体装置1は、炭化珪素基板10と、第1ゲート電極27aと、第2ゲート電極27bと、絶縁層21aと、ゲート配線28とを備える。炭化珪素基板10は、主面10aを有し、かつ第1セル領域CL1と、第1セル領域CL1と接する第2セル領域CL2とを含む。第1セル領域CL1は、第1導電型を有する第1ドリフト領域12aと、第1導電型とは異なる第2導電型を有する第1ボディ領域13aと、第1ボディ領域13aによって第1ドリフト領域12aから隔てられかつ第1導電型を有する第1ソース領域14aとを有する。第2セル領域CL2は、第1ドリフト領域12aと接しかつ第1導電型を有する第2ドリフト領域12bと、第2導電型を有する第2ボディ領域13bと、第2ボディ領域13bによって第2ドリフト領域12bから隔てられかつ第1導電型を有する第2ソース領域14bとを有する。第1ゲート電極27aは、第1ドリフト領域12a、第1ボディ領域13aおよび第1ソース領域14aの各々に対面する。第2ゲート電極27bは、第2ドリフト領域12b、第2ボディ領域13bおよび第2ソース領域14bの各々に対面する。絶縁層21aは、第1ドリフト領域12aと、第2ドリフト領域12bとの境界M12上であって、かつ第1ゲート電極27aと、第2ゲート電極27bとの間に設けられている。ゲート配線28は、絶縁層21aを跨ぐように第1ゲート電極27aと第2ゲート電極27bとを繋いでいる。
上記(1)に係る炭化珪素半導体装置1によれば、絶縁層21aは、第1ドリフト領域12aと、第2ドリフト領域12bとの境界M12上であって、かつ第1ゲート電極27aと、第2ゲート電極27bとの間に設けられている。これにより、境界M12上には、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bのいずれも存在しないので、境界M12上のゲート絶縁膜15の部分における電界集中を緩和することができる。またゲート配線28は、第1ゲート電極27aと第2ゲート電極27bとを繋いでいる。これにより、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々に対して、ゲート電圧を印加することができる。なお、絶縁層21aは、境界M12に接して設けられていてもよいし、境界M12と絶縁層21aとの間に他の層が設けられていてもよい。
(2)上記(1)に係る炭化珪素半導体装置1において好ましくは、主面10aにおいて、第1ドリフト領域12a、第1ボディ領域13a、第1ソース領域14a、第2ドリフト領域12b、第2ボディ領域13bおよび第2ソース領域14bの各々と接するゲート絶縁膜15と、ゲート絶縁膜15、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々と接する層間絶縁膜21とをさらに備える。第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々は、ゲート絶縁膜15上に設けられている。絶縁層21aは、層間絶縁膜21の少なくとも一部を構成する。これにより、簡易な方法で絶縁層21aをゲート絶縁膜15上に設けることができる。
(3)上記(2)に係る炭化珪素半導体装置1において好ましくは、主面10aに対して垂直な方向において、層間絶縁膜21の厚みHは、100nm以上1.5μm以下である。層間絶縁膜21の厚みHを100nm以上とすることにより、ゲート絶縁膜15の絶縁破壊を効果的に抑制することができる。層間絶縁膜21の厚みHを1.5μm以下とすることにより、層間絶縁膜21の加工を容易に行うことができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに係る炭化珪素半導体装置1において好ましくは、第1ゲート電極27aは、第2ゲート電極27bに対面する第1側面27a1を有し、かつ第1ボディ領域13aは、第2ボディ領域13bに対面する第2側面13a1を有する。主面10aに平行な方向において、第1側面27a1と第2側面13a1との距離dは、0.1μm以上0.75μm以下である。第1側面27a1と第2側面13a1との距離dを0.1μm以上とすることにより、アライメント誤差を考慮した場合においても、第1ゲート電極27aをチャネル領域上に形成することができる。第1側面27a1と第2側面13a1との距離dを0.75μm以下とすることにより、ゲート絶縁膜15の絶縁破壊を効果的に抑制することができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに係る炭化珪素半導体装置1において好ましくは、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々は、ポリシリコンを含む。これにより、900℃以上の温度でアニールを行う場合において、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々が二酸化珪素と反応することを抑制することができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに係る炭化珪素半導体装置1において好ましくは、ゲート配線28は、Al、Cu、WおよびSiの少なくともいずれかを含む。Alの場合には、ゲート配線28を容易に加工することができる。Cu、WおよびSiの場合には、ゲート配線28を形成する工程以降の高温プロセスに耐えることができる。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに係る炭化珪素半導体装置1において好ましくは、ゲート配線28の導電率は、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々の導電率よりも高い。これにより、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々に対して電圧を高速で印加することができるので、炭化珪素半導体装置1のスイッチング特性を向上することができる。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに係る炭化珪素半導体装置1において好ましくは、主面10aに対して垂直な方向に沿って見て、第1セル領域CL1および第2セル領域CL2の各々は多角形である。第1セル領域CL1および第2セル領域CL2は、多角形の一辺M12aを共有している。一辺の一端C0および他端C4の各々の上には、絶縁層21aが設けられている。一辺の一端C0および他端C4は、複数のセル領域の頂点が重なる点(重点)である。当該重点から第1ボディ領域13aまでの距離は、重点以外の一辺上の点から第1ボディ領域13aまでの距離よりも長い。そのため、第1ボディ領域13aから伸長する空乏層が重点まで到達しづらいので、重点上のゲート絶縁膜15の部分は、重点以外の一辺上の点上のゲート絶縁膜15の部分よりも電界強度が高くなる。重点上に絶縁層21aを設けることにより、重点上のゲート絶縁膜15の部分における電界集中を緩和することができる。
(9)上記(8)に係る炭化珪素半導体装置1において好ましくは、主面10aに対して垂直な方向に沿って見て、一端C0と他端C4との間において、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bとが接続されている。これにより、第1ゲート電極27aが第2ゲート電極27bから離間している場合と比較して、炭化珪素半導体装置1のスイッチング速度を向上することができる。
(10)本発明の一態様に係る炭化珪素半導体装置1の製造方法は以下の工程を備えている。主面10aを有し、かつ第1セル領域CL1と、第1セル領域CL1と接する第2セル領域CL2とを含む炭化珪素基板10が準備される。第1セル領域CL1は、第1導電型を有する第1ドリフト領域12aと、第1導電型とは異なる第2導電型を有する第1ボディ領域13aと、第1ボディ領域13aによって第1ドリフト領域12aから隔てられかつ第1導電型を有する第1ソース領域14aとを有する。第2セル領域CL2は、第1ドリフト領域12aと接しかつ第1導電型を有する第2ドリフト領域12bと、第2導電型を有する第2ボディ領域13bと、第2ボディ領域13bによって第2ドリフト領域12bから隔てられかつ第1導電型を有する第2ソース領域14bとを有する。第1ドリフト領域12a、第1ボディ領域13aおよび第1ソース領域14aの各々に対面する第1ゲート電極27aが形成される。第2ドリフト領域12b、第2ボディ領域13bおよび第2ソース領域14bの各々に対面する第2ゲート電極27bが形成される。第1ドリフト領域12aと、第2ドリフト領域12bとの境界M12上であって、かつ第1ゲート電極27aと、第2ゲート電極27bとの間に絶縁層21aが形成される。絶縁層21aを跨ぐように第1ゲート電極27aと第2ゲート電極27bとを繋ぐゲート配線28が形成される。
上記(10)に係る炭化珪素半導体装置1の製造方法によれば、第1ドリフト領域12aと、第2ドリフト領域12bとの境界M12上であって、かつ第1ゲート電極27aと、第2ゲート電極27bとの間に絶縁層21aが形成される。これにより、境界M12上には、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bのいずれも存在しないので、境界M12上のゲート絶縁膜15の部分における電界集中を緩和することができる。また絶縁層21aを跨ぐように第1ゲート電極27aと第2ゲート電極27bとを繋ぐゲート配線28が形成される。これにより、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々に対して、ゲート電圧を印加することができる。
(11)上記(10)に係る炭化珪素半導体装置1の製造方法において好ましくは、主面10aにおいて、第1ドリフト領域12a、第1ボディ領域13a、第1ソース領域14a、第2ドリフト領域12b、第2ボディ領域13bおよび第2ソース領域14bの各々と接するゲート絶縁膜15が形成される。第1ソース領域14aと接する第1ソース電極16aが形成される。第2ソース領域14bと接する第2ソース電極16bが形成される。第1ゲート電極27aを形成する工程において、第1ゲート電極27aは、ゲート絶縁膜15上に形成され、かつ第2ゲート電極27bを形成する工程において、第2ゲート電極27bは、ゲート絶縁膜15上に形成される。第1ソース電極16aを形成する工程および第2ソース電極16bを形成する工程の各々は、絶縁層21aを形成する工程後であって、ゲート配線28を形成する工程前に行われる。これにより、ゲート配線28を構成する材料が絶縁層21aを構成する材料と反応してゲート配線28が絶縁層21a内に拡散することによりゲート電流がリークすることを抑制することができる。
(12)上記(11)に係る炭化珪素半導体装置1の製造方法において好ましくは、第1ソース電極16aを形成する工程は、第1ソース領域14aに接する第1金属層16a1を形成する工程と、第1金属層16a1を900℃以上でアニールする工程とを含む。第2ソース電極16bを形成する工程は、第2ソース領域14bに接する第2金属層16b1を形成する工程と、第2金属層16b1を900℃以上でアニールする工程とを含む。これにより、第1金属層16a1および第2金属層16b1の各々を構成する材料のシリサイド化が促進されるので、第1ソース電極16aおよび第2ソース電極16bの各々と炭化珪素基板10との接触抵抗を低減することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。また、本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。
まず、本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置1としてのMOSFET1の構成について説明する。
図1に示されるように、本実施の形態に係るMOSFET1は、炭化珪素基板10と、ゲート絶縁膜15と、ゲート電極27と、ソース電極と、ドレイン電極20と、第1層間絶縁膜21と、第2層間絶縁膜22と、ゲート配線28と、ソース配線19とを主に有している。
炭化珪素基板10は、炭化珪素単結晶基板11と、炭化珪素単結晶基板11上に配置された炭化珪素エピタキシャル層24とを主に有する。炭化珪素単結晶基板11は、たとえばポリタイプ4Hの六方晶炭化珪素単結晶から構成されており、n型(第1導電型)の導電型を有する。炭化珪素基板10は、炭化珪素エピタキシャル層24により構成される第1の主面10aと、第1の主面10aと反対側に位置し、炭化珪素単結晶基板11により構成される第2の主面10bとを有する。炭化珪素基板10の第1の主面10aは、たとえば{0001}面から8°以下程度オフした面であり、好ましくは(0001)面から8°以下程度オフした面である。炭化珪素エピタキシャル層24は、ドリフト領域と、ボディ領域と、ソース領域と、コンタクト領域とを主に有している。
ドリフト領域は、たとえば窒素などのn型不純物を有しており、n型の導電型を有する。ドリフト領域が含むn型不純物の濃度は、たとえば1×1014cm-3以上1×1016cm-3以下である。図1および図2に示されるように、ドリフト領域は、第1ドリフト領域12aと、第2ドリフト領域12bと、第3ドリフト領域12cとを有している。ボディ領域は、たとえばアルミニウムまたはホウ素などのp不純物を含んでおり、p型(第2導電型)の導電型を有する。ボディ領域が含むp型不純物の濃度は、たとえば1×1016cm-3以上1×1018cm-3以下である。ボディ領域は、第1ボディ領域13aと、第2ボディ領域13bと、第3ボディ領域13cとを有している。
ソース領域は、リンなどのn型不純物を含んでおり、n型の導電型を有する。ソース領域が含むn型不純物の濃度は、たとえば1×1020cm-3程度である。ソース領域は、ボディ領域によりドリフト領域から離間されている。ソース領域が含むn型不純物の濃度は、ドリフト領域が含むn型不純物の濃度よりも高い。図1および図2に示されるように、ソース領域は、第1ソース領域14aと、第2ソース領域14bと、第3ソース領域14cとを有している。コンタクト領域は、たとえばアルミニウムなどのp型不純物を含み、p型の導電型を有する。コンタクト領域が含むp型不純物の濃度は、たとえば1×1020cm-3程度である。コンタクト領域が含むp型不純物の濃度は、ボディ領域が含むp型不純物の濃度よりも高い。コンタクト領域は、第1コンタクト領域18aと、第2コンタクト領域18bと、第3コンタクト領域18cとを有している。
図1および図2に示されるように、炭化珪素基板10は、第1セル領域CL1と、第2セル領域CL2と、第3セル領域CL3とを有している。平面視(第1の主面10aに対して垂直な方向から見た視野)において、第1セル領域CL1と、第2セル領域CL2と、第3セル領域CL3との各々は、多角形である。多角形とは、たとえば六角形であり、好ましくは正六角形である。多角形は、長方形や正方形などの四角形であってもよい。平面視において、第1セル領域CL1は、第2セル領域CL2と、第3セル領域CL3とに接する。第2セル領域CL2は、第1セル領域CL1と、第3セル領域CL3とに接する。第3セル領域CL3は、第1セル領域CL1と、第2セル領域CL2とに接する。第1セル領域CL1と第2セル領域CL2との境界が、第1ドリフト領域12aと第2ドリフト領域12bとの境界M12である。
第1セル領域CL1および第2セル領域CL2は、多角形の一辺M12aを共有している。第2セル領域CL2および第3セル領域CL3は、多角形の一辺M23aを共有している。第3セル領域CL3および第1セル領域CL1は、多角形の一辺M13aを共有している。辺M12aと、辺M23aと、辺M13aとは、三重点C0を共有する。第1ドリフト領域12aは、辺M12aにおいて第2ドリフト領域12bと接する。第2ドリフト領域12bは、辺M23aにおいて第3ドリフト領域12cと接する。第3ドリフト領域12cは、辺M13aにおいて第1ドリフト領域12aと接する。なお、辺M12aは、第1セル領域CL1と、第2セル領域CL2との境界M12が、炭化珪素基板10の第1の主面10aに露出する部分である。同様に、辺M23aは、第2セル領域CL2と、第3セル領域CL3との境界が、炭化珪素基板10の第1の主面10aに露出する部分である。同様に、辺M13aは、第1セル領域CL1と、第3セル領域CL3との境界が、炭化珪素基板10の第1の主面10aに露出する部分である。
第1セル領域CL1は、第1ドリフト領域12aと、第1ボディ領域13aと、第1ソース領域14aと、第1コンタクト領域18aとを有する。平面視において、第1ボディ領域13aと、第1ソース領域14aと、第1コンタクト領域18aとの各々は、六角形の外形を有する。第1コンタクト領域18aは、第1ソース領域14aに取り囲まれている。第1ソース領域14aは、第1ボディ領域13aに取り囲まれている。第1ボディ領域13aは、第1ドリフト領域12aに取り囲まれている。第1ソース領域14aは、第1ボディ領域13aによって第1ドリフト領域12aから隔てられている。
第2セル領域CL2は、第2ドリフト領域12bと、第2ボディ領域13bと、第2ソース領域14bと、第2コンタクト領域18bとを有する。平面視において、第2ボディ領域13bと、第2ソース領域14bと、第2コンタクト領域18bとの各々は、六角形の外形を有する。第2コンタクト領域18bは、第2ソース領域14bに取り囲まれている。第2ソース領域14bは、第2ボディ領域13bに取り囲まれている。第2ボディ領域13bは、第2ドリフト領域12bに取り囲まれている。第2ソース領域14bは、第2ボディ領域13bによって第2ドリフト領域12bから隔てられている。
第3セル領域CL3は、第3ドリフト領域12cと、第3ボディ領域13cと、第3ソース領域14cと、第3コンタクト領域18cとを有する。平面視において、第3ボディ領域13cと、第3ソース領域14cと、第3コンタクト領域18cとの各々は、六角形の外形を有する。第3コンタクト領域18cは、第3ソース領域14cに取り囲まれている。第3ソース領域14cは、第3ボディ領域13cに取り囲まれている。第3ボディ領域13cは、第3ドリフト領域12cに取り囲まれている。第3ソース領域14cは、第3ボディ領域13cによって第3ドリフト領域12cから隔てられている。
図1に示されるように、第1ゲート電極27aは、第2ゲート電極27bに対面する第1側面27a1を有する。第2ゲート電極27bは、第1ゲート電極27aに対面する第3側面27b1を有する。第1ボディ領域13aは、第2ボディ領域13bに対面する第2側面13a1を有する。第2ボディ領域13bは、第1ボディ領域13aに対面する第4側面13b1を有する。第1の主面10aに平行な方向において、第1側面27a1と第2側面13a1との距離dは、0.1μm以上0.75μm以下である。好ましくは、距離dは、0.2μm以上0.5μm以下である。同様に、第1の主面10aに平行な方向において、第3側面27b1と第4側面13b1との距離は、0.5μm以上1.0μm以下である。第1の主面10aに平行な方向において、第1側面27a1は、第2側面13a1と境界M12との間に位置する。同様に、第1の主面10aに平行な方向において、第3側面27b1は、第4側面13b1と境界M12との間に位置する。なお、境界M12は、第2側面13a1と、第4側面13b1との中間に位置する面である。
図2に示されるように、平面視において、第1コンタクト領域18a、第2コンタクト領域18bおよび第3コンタクト領域18cの外形は、それぞれ、第1ソース領域14a、第2ソース領域14bおよび第3ソース領域14cの外形の相似形であってもよい。同様に、平面視において、第1ソース領域14a、第2ソース領域14bおよび第3ソース領域14cの外形は、それぞれ、第1ボディ領域13a、第2ボディ領域13bおよび第3ボディ領域13cの外形の相似形であってもよい。なお、第1ボディ領域13aと第2ボディ領域13bとに挟まれた部分と、第1ボディ領域13aと第3ボディ領域13cとに挟まれた部分と、第2ボディ領域13bと第3ボディ領域13cとに挟まれた部分とはJFET領域を形成する。
図1に示されるように、ゲート絶縁膜15は、たとえば二酸化珪素から構成されており、炭化珪素基板10の第1の主面10a上に設けられている。ゲート絶縁膜15は、第1の主面10aにおいて、ボディ領域と、ソース領域と、ドリフト領域とに接している。具体的には、ゲート絶縁膜15は、第1の主面10aにおいて、第1ソース領域14aと、第1ボディ領域13aと、第1ドリフト領域12aと、第2ソース領域14bと、第2ボディ領域13bと、第2ドリフト領域12bと、第3ソース領域14cと、第3ボディ領域13cと、第3ドリフト領域12cとに接する。ゲート絶縁膜15と接する第1ボディ領域13a、第2ボディ領域13bおよび第3ボディ領域13cの各々の部分には、チャネル領域CHが形成可能に構成されている。ゲート絶縁膜15の厚みは、たとえば40nm以上50nm以下である。
図1に示されるように、第1層間絶縁膜21は、第1絶縁層21aと、第2絶縁層21bと、第3絶縁層21cを有している。第1絶縁層21aは、ゲート絶縁膜15に接している。好ましくは、第1絶縁層21aは、第1層間絶縁膜21の少なくとも一部を構成している。第2絶縁層21bは、第1絶縁層21a上に設けられている。第2絶縁層21bは、第1ゲート電極27a、第2ゲート電極27bおよび第3ゲート電極27cの各々上に設けられていてもよい。言い換えれば、第1層間絶縁膜21は、ゲート絶縁膜15、第1ゲート電極27a、第2ゲート電極27bおよび第3ゲート電極27cの各々に接していてもよい。第1絶縁層21a、第2絶縁層21bおよび第3絶縁層21cの各々は、たとえば二酸化珪素を含む材料から構成されている。第1の主面10aに対して垂直な方向において、第1層間絶縁膜21の厚みHは、100nm以上1.5μm以下である。好ましくは、厚みHは、500nm以上1.2μm以下である。第2層間絶縁膜22は、第1層間絶縁膜21およびゲート配線28の各々に接して設けられている。第1層間絶縁膜21および第2層間絶縁膜22は、層間絶縁膜を構成している。層間絶縁膜は、ゲート電極27とソース電極16との間を電気的に絶縁している。
図1に示されるように、第1絶縁層21aは、第1ドリフト領域12aと、第2ドリフト領域12bとの境界M12上であって、かつ第1ゲート電極27aと、第2ゲート電極27bとの間に設けられている。言い換えれば、第1絶縁層21aは、境界M12に沿って広がる架空面と、第1ゲート電極27aと第2ゲート電極27bと挟まれた領域とが交差する領域に設けられている。図3に示されるように、第1絶縁層21aは、第1ドリフト領域12aと、第2ドリフト領域12bとの境界線M12a上に設けられている。第1絶縁層21aは、第1ドリフト領域12aと、第3ドリフト領域12cとの境界線M13a上であって、かつ第1ゲート電極27aと、第3ゲート電極27cとの間に設けられていてもよい。同様に、第1絶縁層21aは、第2ドリフト領域12bと、第3ドリフト領域12cとの境界線M23a上であって、かつ第2ゲート電極27bと、第3ゲート電極27cとの間に設けられていてもよい。第1絶縁層21aは、第1ドリフト領域12a、第2ドリフト領域12bおよび第3ドリフト領域12cの各々に対面していてもよい。平面視において、第3絶縁層21cは、ソース配線19を取り囲むように設けられている。平面視において、第1絶縁層21aは、第1ゲート電極27a、第2ゲート電極27bおよび第3ゲート電極27cの各々を取り囲むように設けられている。平面視において、第1絶縁層21aは、ハニカム構造を有している。
ゲート電極は、チャネル領域CHに対面して設けられている。図3に示されるように、ゲート電極は、第1ゲート電極27aと、第2ゲート電極27bと、第3ゲート電極27cとを有する。第1ゲート電極27a、第2ゲート電極27bおよび第3ゲート電極27cの各々は、ゲート絶縁膜15上に設けられている。第1ゲート電極27aは、第1ドリフト領域12a、第1ボディ領域13aおよび第1ソース領域14aの各々に対面する。同様に、第2ゲート電極27bは、第2ドリフト領域12b、第2ボディ領域13bおよび第2ソース領域14bの各々に対面する。同様に、第3ゲート電極27cは、第3ソース領域14cと、第3ボディ領域13cと、第3ドリフト領域12cとの各々に対面する。第1ゲート電極27a、第2ゲート電極27bおよび第3ゲート電極27cの各々は、不純物がドープされたポリシリコンを含む。平面視において、第1ゲート電極27a、第2ゲート電極27bおよび第3ゲート電極27cの各々は、第3絶縁層21cの外側であって、かつ第1絶縁層21aの内側に位置している。
図1に示されるように、ゲート配線28は、第1絶縁層21aを跨ぐように第1ゲート電極27aと第2ゲート電極27bとを繋いでいる。ゲート配線28は、第2絶縁層21bを跨ぐように設けられていてもよい。好ましくは、ゲート配線28は、第1ゲート電極27a、第2ゲート電極27bおよび第3ゲート電極27cの各々に接している。ゲート配線28は、第2絶縁層21bの側面と上面と、第3絶縁層21cの側面と上面とに接していてもよい。
好ましくは、ゲート配線28の導電率は、第1ゲート電極27a、第2ゲート電極27bおよび第3ゲート電極27cの各々の導電率よりも高い。ゲート配線28は、たとえばAl(アルミニウム)、Cu(銅)、W(タングステン)およびSi(シリコン)の少なくともいずれかを含む。ゲート配線28は、たとえばAl、Cu、WまたはSiの単体であってもよいし、Al、Cu、WおよびSiの少なくのいずれかを含む化合物または合金であってもよい。ゲート配線28は、たとえばポリシリコンであってもよい。ゲート配線28がAlから構成されている場合、ゲート配線28を容易に加工することができる。
ソース電極16は、第1ソース電極16aと、第2ソース電極16bと、第3ソース電極とを有する。第1ソース電極16aは、炭化珪素基板10の第1の主面10aにおいて、第1ソース領域14aと、第1コンタクト領域18aとに接している。同様に、第2ソース電極16bは、第1の主面10aにおいて、第2ソース領域14bと、第2コンタクト領域18bとに接している。同様に、第3ソース電極は、第1の主面10aにおいて、第3ソース領域と、第3コンタクト領域とに接している。ソース電極は、たとえばアルミニウムを含む材料からなる。好ましくは、ソース電極は、TiAlSiを含む材料からなる。ソース電極に接してソース配線19が設けられている。ソース配線19は、層間絶縁膜21を覆うように設けられている。
ドレイン電極20は、炭化珪素基板10の第2の主面10bに接して設けられている。ドレイン電極20は、たとえばNiSiなど、n型の炭化珪素単結晶基板11とオーミックコンタクト可能な材料から構成されており、炭化珪素単結晶基板11と電気的に接続されている。
次に、変形例に係るMOSFETの構成について説明する。
図4に示されるように、第1絶縁層21aは、多角形のセル領域の各頂点に設けられており、かつ隣り合う2つの頂点の間の領域においては、ゲート電極が設けられていてもよい。具体的には、多角形の一辺M12aの一端C0および他端C4の各々の上には、第1絶縁層21aが設けられている。好ましくは、第1絶縁層21aは、多角形の一辺M23aの一端C0および他端C6の各々上と、多角形の一辺M13aの一端C0および他端C5の各々上とに設けられている。
平面視において、一端C0と他端C4との間において、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bとが接続されている。同様に、平面視において、一端C0と他端C6との間において、第3ゲート電極27cおよび第2ゲート電極27bとが接続されていてもよい。同様に、平面視において、一端C0と他端C5との間において、第1ゲート電極27aおよび第3ゲート電極27cとが接続されていてもよい。つまり、平面視において、ゲート電極は、第1絶縁層21aを取り囲むように設けられていてもよい。平面視において、第1絶縁層21aは、たとえば三角形である。平面視において、第1絶縁層21aは、たとえば四角形や六角形などの三角形以外の多角形であってもよいし、円形であってもよい。
図4に示されるように、第1ボディ領域13aは頂点C1を有し、第2ボディ領域13bは頂点C2を有し、第3ボディ領域13cは頂点C3を有する。平面視において、絶縁層21aは、第1ボディ領域13aの一端C0に最も近い頂点C1と、第2ボディ領域13bの一端C0に最も近い頂点C2と、第3ボディ領域13cの一端C0に最も近い頂点C3とを繋ぐ三角形の内部に設けられていてもよい。
図5に示されるように、セル領域は、平面視においてストライプ形状(長方形)であってもよい。図6に示されるように、セル領域は、平面視において多角形(たとえば六角形)であってもよい。ドレイン電流は、ゲート幅Wgに比例し、かつチャネル長Lgに反比例する。つまり、チャネル長Lgが同じ場合、ゲート幅Wgが大きい程、電流は流れやすい。図5および図6において、矢印は電子の流れを示している。電子は、たとえば第1ソース領域14aから第1ボディ領域13aを通過して第1ドリフト領域12aに流れる。図5および図6において、太線の全長は、ゲート幅Wgの全長を示している。図5および図6に示されるように、セル領域の形状が六角形の場合におけるゲート幅Wgの全長は、セル領域がストライプ形状の場合におけるゲート幅Wgの全長よりも大きくなる。そのため、セル領域が六角形の半導体装置のオン抵抗は、セル領域がストライプ形状の半導体装置のオン抵抗よりも低くなる。
次に、本実施の形態に係るMOSFET1の製造方法について説明する。
まず炭化珪素基板を準備する工程(S10:図7)が実施される。具体的には、たとえばポリタイプ4Hの六方晶炭化珪素からなる炭化珪素単結晶基板11が準備される。次に、炭化珪素単結晶基板11上にエピタキシャル成長によりn型(第1導電型)の炭化珪素エピタキシャル層24が形成される(図9参照)。炭化珪素エピタキシャル層24は、たとえば窒素などのn型不純物を含んでいる。炭化珪素エピタキシャル層24は、第1の主面10aを構成する。炭化珪素単結晶基板11は、第2の主面10bを構成する。炭化珪素基板10の第1の主面10aは、たとえば(0001)面から8°以下程度オフした面である。
次に、炭化珪素エピタキシャル層24の第1の主面10aに対してイオン注入が実施される。たとえばアルミニウムなどのp型不純物が炭化珪素エピタキシャル層24に対してイオン注入される。これにより、第1ボディ領域13aと、第2ボディ領域13bと、第3ボディ領域13cとが形成される。次に、第1ボディ領域13a、第2ボディ領域13bおよび第3ボディ領域13cの各々に対して、たとえばリンなどのn型不純物がイオン注入される。これにより、第1ソース領域14a、第2ソース領域14bおよび第3ソース領域14cが形成される。次に、第1ソース領域14a、第2ソース領域14bおよび第3ソース領域14cの各々に対して、たとえばアルミニウムなどのp型不純物がイオン注入される。これにより、第1コンタクト領域18a、第2コンタクト領域18bおよび第3コンタクト領域18cが形成される。
次に、活性化アニール工程が実施される。具体的には、たとえばアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中において、炭化珪素基板10をたとえば1700℃程度に加熱して、30分間程度保持する熱処理が実施される。これによりイオン注入された不純物が活性化する。
以上により、第1セル領域CL1と、第1セル領域CL1と接する第2セル領域CL2とを含む炭化珪素基板10が準備される(図10参照)。第1セル領域CL1は、n型を有する第1ドリフト領域12aと、n型とは異なるp型を有する第1ボディ領域13aと、第1ボディ領域13aによって第1ドリフト領域12aから隔てられかつn型を有する第1ソース領域14aとを有する。第2セル領域CL2は、第1ドリフト領域12aと接しかつn型を有する第2ドリフト領域12bと、p型を有する第2ボディ領域13bと、第2ボディ領域13bによって第2ドリフト領域12bから隔てられかつn型を有する第2ソース領域14bとを有する。第1ドリフト領域12aと第2ドリフト領域12bとの境界M12が、第1セル領域CL1と第2セル領域CL2との境界である。
炭化珪素基板10は、第1セル領域CL1および第2セル領域CL2の各々に接する第3セル領域CL3を含んでいてもよい。第3セル領域CL3は、第1ドリフト領域12aと接しかつn型を有する第3ドリフト領域12cと、p型を有する第3ボディ領域13cと、第3ボディ領域13cによって第3ドリフト領域12cから隔てられかつn型を有する第3ソース領域14cとを有する。
次に、ゲート絶縁膜を形成する工程(S20:図7)が実施される。炭化珪素エピタキシャル層24上にゲート絶縁膜15が形成される。具体的には、酸素雰囲気中において、炭化珪素基板10が、たとえば1300℃程度の温度下で1時間程度保持される。これにより、炭化珪素エピタキシャル層24の第1の主面10aが熱酸化されてゲート絶縁膜15が形成される。以上により、第1の主面10aにおいて、第1ドリフト領域12a、第1ボディ領域13a、第1ソース領域14a、第1コンタクト領域18a、第2ドリフト領域12b、第2ボディ領域13b、第2ソース領域14b、第2コンタクト領域18b、第3ドリフト領域12c、第3ボディ領域13c、第3ソース領域14c、第3コンタクト領域18cの各々と接するゲート絶縁膜15が形成される。
次に、窒素アニール工程が実施されてもよい。具体的には、一酸化窒素雰囲気中において、炭化珪素基板10が1100℃程度の温度でたとえば1時間程度保持される。次に、アルゴンや窒素などの不活性ガス中において、炭化珪素基板10を加熱する熱処理が実施されてもよい。たとえばアルゴン雰囲気中において、炭化珪素基板10は1100℃以上1500℃以下の温度で1時間程度保持される。
次に、ゲート電極を形成する工程(S30:図7)が実施される。たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、不純物が添加されたポリシリコンからなるゲート電極がゲート絶縁膜15上に形成される。図11に示されるように、第1ゲート電極27aは、第1ドリフト領域12a、第1ボディ領域13a、第1ソース領域14aおよび第1コンタクト領域18aの各々に対面して形成される。第2ゲート電極27bは、第2ドリフト領域12b、第2ボディ領域13b、第2ソース領域14bおよび第2コンタクト領域18bの各々に対面して形成される。第3ゲート電極27cは、第3ドリフト領域12c、第3ボディ領域13c、第3ソース領域14cおよび第3コンタクト領域18cの各々に対面して形成される。
図12に示されるように、第1ゲート電極27a、第2ゲート電極27bおよび第3ゲート電極27cの各々は環状を有している。平面視において、第1ゲート電極27aの外縁は、第1ボディ領域13aの外縁と、第1セル領域CL1の外縁との間に位置する。平面視において、第1ゲート電極27aの内縁は、第1ソース領域14aの外縁と、第1コンタクト領域18aの外縁との間に位置する。同様に、平面視において、第2ゲート電極27bの外縁は、第2ボディ領域13bの外縁と、第2セル領域CL2の外縁との間に位置する。平面視において、第2ゲート電極27bの内縁は、第2ソース領域14bの外縁と、第2コンタクト領域18bの外縁との間に位置する。同様に、平面視において、第3ゲート電極27cの外縁は、第3ボディ領域13cの外縁と、第3セル領域CL3の外縁との間に位置する。平面視において、第3ゲート電極27cの内縁は、第3ソース領域14cの外縁と、第3コンタクト領域18cの外縁との間に位置する。
次に、第1層間絶縁膜を形成する工程(S40:図7)が実施される。たとえばCVD法により、二酸化珪素から構成された第1層間絶縁膜21が、第1ゲート電極27a、第2ゲート電極27bおよび第3ゲート電極27cの各々を覆うように形成される。第1層間絶縁膜21は、第1ゲート電極27a、第2ゲート電極27b、第3ゲート電極27cおよびゲート絶縁膜15の各々に接するように形成される。第1層間絶縁膜21は、第1絶縁層21aと、第2絶縁層21bとを含む。第1絶縁層21aは、第1ドリフト領域12aと、第2ドリフト領域12bとの境界M12上であって、かつ第1ゲート電極27aと、第2ゲート電極27bとの間に形成される。同様に、第1絶縁層21aは、第1ドリフト領域12aと、第3ドリフト領域12cとの境界上であって、かつ第1ゲート電極27aと、第3ゲート電極27cとの間に形成されてもよい。同様に、第1絶縁層21aは、第2ドリフト領域12bと、第3ドリフト領域12cとの境界上であって、かつ第2ゲート電極27bと、第3ゲート電極27cとの間に形成されてもよい。
次に、たとえばエッチングによりソース電極を形成する予定の領域の第1層間絶縁膜21およびゲート絶縁膜15が除去されることにより凹部TH1が形成される。これにより、第1コンタクト領域18aと、第2コンタクト領域18bと、第3コンタクト領域18cと、第1ソース領域14aと、第2ソース領域14bと、第3ソース領域14cとがゲート絶縁膜15から露出する。
次に、ソース電極を形成する工程(S50:図7)が実施される。好ましくは、ソース電極を形成する工程(S50:図7)は、金属層を形成する工程(S51:図8)と、金属層をアニールする工程(S52:図8)とを含んでいる。
まず、金属層を形成する工程(S51:図8)が実施される。たとえばスパッタリング法により、第1金属層16a1、第2金属層16b1および第3金属層16c1の各々が炭化珪素基板10の第1の主面10a上に形成される。第1金属層16a1、第2金属層16b1および第3金属層16c1の各々は、たとえばTi(チタン)、Al(アルミニウム)およびSi(珪素)を含んでいてもよい。図14に示されるように、第1金属層16a1は、第1ソース領域14aおよび第1コンタクト領域18aの各々に接するように形成される。第2金属層16b1は、第2ソース領域14bおよび第2コンタクト領域18bの各々に接するように形成される。第3金属層16c1は、第3ソース領域14cおよび第3コンタクト領域18cの各々に接するように形成される。
次に、金属層をアニールする工程(S52:図8)が実施される。具体的には、第1金属層16a1が第1ソース領域14aおよび第1コンタクト領域18aの各々と接し、第2金属層16b1が第2ソース領域14bおよび第2コンタクト領域18bの各々と接し、かつ第3金属層16c1が第3ソース領域14cおよび第3コンタクト領域18cの各々と接した状態で、炭化珪素基板10が1000℃程度でアニールされる。これにより、第1金属層16a1、第2金属層16b1および第3金属層16c1の各々がシリサイド化される。結果として、第1ソース領域14aとオーミック接合する第1ソース電極16aと、第2ソース領域14bとオーミック接合する第2ソース電極16bと、第3ソース領域14cとオーミック接合する第3ソース電極16cとが形成される。
好ましくは、第1ソース電極16aは、第1コンタクト領域18aとオーミック接合し、第2ソース電極16bは、第2コンタクト領域18bとオーミック接合し、かつ第3ソース電極16cは、第3コンタクト領域18cとオーミック接合する。好ましくは、第1金属層16a1、第2金属層16b1および第3金属層16c1の各々は、900℃以上1100℃以下でアニールされる。第1金属層16a1、第2金属層16b1および第3金属層16c1の各々を1100℃以下でアニールすることにより、金属層を構成する材料が蒸発することを抑制することができる。また金属層を構成する材料が第1層間絶縁膜21を構成する材料と反応することを抑制することができる。
次に、ゲート配線を形成する工程(S60:図7)が実施される。まず第1層間絶縁膜21の一部をエッチングすることで第1層間絶縁膜21に凹部TH2が形成される。これにより、第1ゲート電極27a、第2ゲート電極27bおよび第3ゲート電極27cの各々が第1層間絶縁膜21から露出する。次に、たとえばスパッタリングにより、第1絶縁層21aを跨ぐように第1ゲート電極27aと第2ゲート電極27bとを繋ぐゲート配線28が形成される。ゲート配線28は、たとえばAl(アルミニウム)、Cu(銅)、W(タングステン)およびSi(シリコン)の少なくともいずれかを含む。好ましくは、ゲート配線28は、第2絶縁層21bの側面と上面とに接するように形成される。好ましくは、ゲート配線28は、第1ゲート電極27a、第2ゲート電極27bおよび第3ゲート電極27cの各々と接するように形成される。
次に、第2層間絶縁膜を形成する工程(S70:図7)が実施される。たとえばCVD法により、二酸化珪素から構成された第2層間絶縁膜22が、ゲート配線28を覆うように形成される。図15に示されるように、第2層間絶縁膜22は、ゲート配線28および第1層間絶縁膜21に接するように形成される。第2層間絶縁膜22は、ゲート配線28の上面に形成された凹部を埋めるように形成されてもよい。
次に、ソース配線を形成する工程(S80:図7)が実施される。たとえばアルミニウムを含む材料からなるソース配線19が第2層間絶縁膜22を覆い、かつ第1ソース電極16aおよび第2ソース電極16bの各々と接するように形成される。次に、炭化珪素単結晶基板11の第2の主面10bに接するドレイン電極20が形成される。ドレイン電極20は、たとえばNiSiを含む。ドレイン電極20は、n型の導電型を有する炭化珪素単結晶基板11とオーミック接合する。以上の手順により、図1に示すMOSFET1が完成する。
なお、本実施の形態においては、ソース電極を形成する工程(S50:図7)は、第1層間絶縁膜21を形成する工程(S40:図7)後であって、かつゲート配線を形成する工程(S60:図7)前に実施される。つまり、第1ソース電極16aを形成する工程および第2ソース電極16bを形成する工程の各々は、絶縁層21aを形成する工程後であって、ゲート配線28を形成する工程前に行われる。アルミニウムの融点は約660℃である。ゲート配線28をアルミニウムで形成する場合は、約900℃以上の温度でアニールする工程を有するソース電極を形成する工程(S50:図7)は、ゲート配線を形成する工程(S60:図7)前に実施されることが望ましい。
次に、変形例に係る炭化珪素半導体装置1の製造方法について説明する。
図16に示されるように、ソース電極を形成する工程(S50:図16)は、ゲート配線を形成する工程(S60:図16)後であって、かつ第2層間絶縁膜を形成する工程(S70:図16)前に実施されてもよい。具体的には、上記実施の形態で説明した方法と同様の方法により、炭化珪素基板を準備する工程(S10:図16)と、ゲート絶縁膜を形成する工程(S20:図16)と、ゲート電極を形成する工程(S30:図16)と、第1層間絶縁膜を形成する工程(S40:図16)とが実施される。
図17に示されるように、第1ソース領域14aと、第1コンタクト領域18aと、第2ソース領域14bと、第2コンタクト領域18bとがゲート絶縁膜15に覆われた状態で、第1層間絶縁膜21に対してエッチングが行われる。これにより、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々が、第1層間絶縁膜21から露出する。第1層間絶縁膜21をエッチングする際、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々上の第1層間絶縁膜21の部分は除去されるが、第1コンタクト領域18aおよび第2コンタクト領域18bの各々上の第1層間絶縁膜21の部分は除去されない。
次に、たとえばエッチングによりソース電極を形成する予定の領域の第1層間絶縁膜21およびゲート絶縁膜15が除去されることにより、第1コンタクト領域18aと、第2コンタクト領域18bと、第3コンタクト領域18cと、第1ソース領域14aと、第2ソース領域14bと、第3ソース領域14cとがゲート絶縁膜15から露出する。
次に、上記実施の形態で説明した方法と同様の方法により、ソース電極を形成する工程(S50:図16)と、第2層間絶縁膜を形成する工程(S70:図16)と、ソース配線を形成する工程(S80:図16)とが実施されることにより、図1に示すMOSFETが製造される。
なお上記実施の形態において、第1導電型はn型であり、かつ第2導電型はp型であるとして説明したが、第1導電型をp型とし、かつ第2導電型をn型としてもよい。炭化珪素半導体装置としてMOSFETを例に挙げて説明したが、炭化珪素半導体装置は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などであってもよい。
次に、本実施の形態に係る炭化珪素半導体装置としてのMOSFET1およびその製造方法の作用効果について説明する。
本実施の形態に係るMOSFET1によれば、第1絶縁層21aは、第1ドリフト領域12aと、第2ドリフト領域12bとの境界M12上であって、かつ第1ゲート電極27aと、第2ゲート電極27bとの間に設けられている。これにより、境界M12上には、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bのいずれも存在しないので、境界M12上のゲート絶縁膜15の部分における電界集中を緩和することができる。またゲート配線28は、第1ゲート電極27aと第2ゲート電極27bとを繋いでいる。これにより、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々に対して、ゲート電圧を印加することができる。
また本実施の形態に係るMOSFET1によれば、第1の主面10aにおいて、第1ドリフト領域12a、第1ボディ領域13a、第1ソース領域14a、第2ドリフト領域12b、第2ボディ領域13bおよび第2ソース領域14bの各々と接するゲート絶縁膜15と、ゲート絶縁膜15、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々と接する層間絶縁膜21とをさらに備える。第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々は、ゲート絶縁膜15上に設けられている。第1絶縁層21aは、層間絶縁膜21の少なくとも一部を構成する。これにより、簡易な方法で絶縁層21aをゲート絶縁膜15上に設けることができる。
さらに本実施の形態に係るMOSFET1によれば、第1の主面10aに対して垂直な方向において、層間絶縁膜21の厚みHは、100nm以上1.5μm以下である。層間絶縁膜21の厚みHを100nm以上とすることにより、ゲート絶縁膜15の絶縁破壊を効果的に抑制することができる。層間絶縁膜21の厚みHを1.5μm以下とすることにより、層間絶縁膜21の加工を容易に行うことができる。
さらに本実施の形態に係るMOSFET1によれば、第1ゲート電極27aは、第2ゲート電極27bに対面する第1側面27a1を有し、かつ第1ボディ領域13aは、第2ボディ領域13bに対面する第2側面13a1を有する。第1の主面10aに平行な方向において、第1側面27a1と第2側面13a1との距離dは、0.1μm以上0.75μm以下である。第1側面27a1と第2側面13a1との距離dを0.1μm以上とすることにより、アライメント誤差を考慮した場合においても、第1ゲート電極27aをチャネル領域上に形成することができる。第1側面27a1と第2側面13a1との距離dを0.75μm以下とすることにより、ゲート絶縁膜15の絶縁破壊を効果的に抑制することができる。
さらに本実施の形態に係るMOSFET1によれば、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々は、ポリシリコンを含む。これにより、900℃以上の温度でアニールを行う場合において、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々が二酸化珪素と反応することを抑制することができる。
さらに本実施の形態に係るMOSFET1によれば、ゲート配線28は、Al、Cu、WおよびSiの少なくともいずれかを含む。Alの場合には、ゲート配線28を容易に加工することができる。Cu、WおよびSiの場合には、ゲート配線28を形成する工程以降の高温プロセスに耐えることができる。
さらに本実施の形態に係るMOSFET1によれば、ゲート配線28の導電率は、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々の導電率よりも高い。これにより、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々に対して電圧を高速で印加することができるので、炭化珪素半導体装置1のスイッチング特性を向上することができる。
さらに本実施の形態に係るMOSFET1によれば、第1の主面10aに対して垂直な方向に沿って見て、第1セル領域CL1および第2セル領域CL2の各々は多角形である。第1セル領域CL1および第2セル領域CL2は、多角形の一辺M12aを共有している。一辺の一端C0および他端C4の各々の上には、絶縁層21aが設けられている。一辺の一端C0および他端C4は、複数のセル領域の頂点が重なる点(重点)である。当該重点から第1ボディ領域13aまでの距離は、重点以外の一辺上の点から第1ボディ領域13aまでの距離よりも長い。そのため、第1ボディ領域13aから伸長する空乏層が重点まで到達しづらいので、重点上のゲート絶縁膜15の部分は、重点以外の一辺上の点上のゲート絶縁膜15の部分よりも電界強度が高くなる。重点上に絶縁層21aを設けることにより、重点上のゲート絶縁膜15の部分における電界集中を緩和することができる。
さらに本実施の形態に係るMOSFET1によれば、第1の主面10aに対して垂直な方向に沿って見て、一端C0と他端C4との間において、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bとが接続されている。これにより、第1ゲート電極27aが第2ゲート電極27bから離間している場合と比較して、炭化珪素半導体装置1のスイッチング速度を向上することができる。
本実施の形態に係るMOSFET1の製造方法によれば、第1ドリフト領域12aと、第2ドリフト領域12bとの境界上であって、かつ第1ゲート電極27aと、第2ゲート電極27bとの間に第1絶縁層21aが形成される。これにより、境界M12上には、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bのいずれも存在しないので、境界M12上のゲート絶縁膜15の部分における電界集中を緩和することができる。また第1絶縁層21aを跨ぐように第1ゲート電極27aと第2ゲート電極27bとを繋ぐゲート配線28が形成される。これにより、第1ゲート電極27aおよび第2ゲート電極27bの各々に対して、ゲート電圧を印加することができる。
また本実施の形態に係るMOSFET1の製造方法によれば、第1の主面10aにおいて、第1ドリフト領域12a、第1ボディ領域13a、第1ソース領域14a、第2ドリフト領域12b、第2ボディ領域13bおよび第2ソース領域14bの各々と接するゲート絶縁膜15が形成される。第1ソース領域14aと接する第1ソース電極16aが形成される。第2ソース領域14bと接する第2ソース電極16bが形成される。第1ゲート電極27aを形成する工程において、第1ゲート電極27aは、ゲート絶縁膜15上に形成され、かつ第2ゲート電極27bを形成する工程において、第2ゲート電極27bは、ゲート絶縁膜15上に形成される。第1ソース電極16aを形成する工程および第2ソース電極16bを形成する工程の各々は、第1絶縁層21aを形成する工程後であって、ゲート配線28を形成する工程前に行われる。これにより、ゲート配線28を構成する材料が絶縁層21aを構成する材料と反応してゲート配線28が絶縁層21a内に拡散することによりゲート電流がリークすることを抑制することができる。
さらに本実施の形態に係るMOSFET1の製造方法によれば、第1ソース電極16aを形成する工程は、第1ソース領域14aに接する第1金属層16a1を形成する工程と、第1金属層16a1を900℃以上でアニールする工程とを含む。第2ソース電極16bを形成する工程は、第2ソース領域14bに接する第2金属層16b1を形成する工程と、第2金属層16b1を900℃以上でアニールする工程とを含む。これにより、第1金属層16a1および第2金属層16b1の各々を構成する材料のシリサイド化が促進されるので、第1ソース電極16aおよび第2ソース電極16bの各々と炭化珪素基板10との接触抵抗を低減することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 MOSFET(炭化珪素半導体装置)
10 炭化珪素基板
10a 第1の主面(主面)
10b 第2の主面
11 炭化珪素単結晶基板
12a 第1ドリフト領域
12b 第2ドリフト領域
12c 第3ドリフト領域
13a 第1ボディ領域
13a1 第2側面
13b1 第4側面
13b 第2ボディ領域
13c 第3ボディ領域
14a 第1ソース領域
14b 第2ソース領域
14c 第3ソース領域
15 ゲート絶縁膜
16 ソース電極
16a1 第1金属層
16a 第1ソース電極
16b1 第2金属層
16b 第2ソース電極
16c1 第3金属層
16c 第3ソース電極
18a 第1コンタクト領域
18b 第2コンタクト領域
18c 第3コンタクト領域
19 ソース配線
20 ドレイン電極
21 層間絶縁膜
21 第1層間絶縁膜
21a 第1絶縁層(絶縁層)
21b 第2絶縁層
21c 第3絶縁層
22 第2層間絶縁膜
24 炭化珪素エピタキシャル層
27 ゲート電極
27a1 第1側面
27a 第1ゲート電極
27b 第2ゲート電極
27b1 第3側面
27c 第3ゲート電極
28 ゲート配線
C0 三重点(一端)
C1,C2,C3 頂点
C4,C5,C6 他端
CH チャネル領域
CL1 第1セル領域
CL2 第2セル領域
CL3 第3セル領域
H 厚み
Lg チャネル長
M12 境界
M12a 辺、一辺、境界線
M13a 辺、一辺、境界線
M23a 辺、一辺、境界線
TH1,TH2 凹部
Wg ゲート幅
d 距離

Claims (12)

  1. 主面を有し、かつ第1セル領域と、前記第1セル領域と接する第2セル領域とを含む炭化珪素基板を備え、
    前記第1セル領域は、第1導電型を有する第1ドリフト領域と、前記第1導電型とは異なる第2導電型を有する第1ボディ領域と、前記第1ボディ領域によって前記第1ドリフト領域から隔てられかつ前記第1導電型を有する第1ソース領域とを有し、
    前記第2セル領域は、前記第1ドリフト領域と接しかつ前記第1導電型を有する第2ドリフト領域と、前記第2導電型を有する第2ボディ領域と、前記第2ボディ領域によって前記第2ドリフト領域から隔てられかつ前記第1導電型を有する第2ソース領域とを有し、さらに、
    前記第1ドリフト領域、前記第1ボディ領域および前記第1ソース領域の各々に対面する第1ゲート電極と、
    前記第2ドリフト領域、前記第2ボディ領域および前記第2ソース領域の各々に対面する第2ゲート電極と、
    前記第1ドリフト領域と、前記第2ドリフト領域との境界上であって、かつ前記第1ゲート電極と、前記第2ゲート電極との間に設けられた絶縁層と、
    前記絶縁層を跨ぐように前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とを繋いでいるゲート配線とを備える、炭化珪素半導体装置。
  2. 前記主面において、前記第1ドリフト領域、前記第1ボディ領域、前記第1ソース領域、前記第2ドリフト領域、前記第2ボディ領域および前記第2ソース領域の各々と接するゲート絶縁膜と
    前記ゲート絶縁膜、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極の各々と接する層間絶縁膜とをさらに備え、
    前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極の各々は、前記ゲート絶縁膜上に設けられており、
    前記絶縁層は、前記層間絶縁膜の少なくとも一部を構成する、請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
  3. 前記主面に対して垂直な方向において、前記層間絶縁膜の厚みは、100nm以上1.5μm以下である、請求項2に記載の炭化珪素半導体装置。
  4. 前記第1ゲート電極は、前記第2ゲート電極に対面する第1側面を有し、かつ前記第1ボディ領域は、前記第2ボディ領域に対面する第2側面を有し、
    前記主面に平行な方向において、前記第1側面と前記第2側面との距離は、0.1μm以上0.75μm以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
  5. 前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極の各々は、ポリシリコンを含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
  6. 前記ゲート配線は、Al、Cu、WおよびSiの少なくともいずれかを含む、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
  7. 前記ゲート配線の導電率は、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極の各々の導電率よりも高い、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
  8. 前記主面に対して垂直な方向に沿って見て、前記第1セル領域および前記第2セル領域の各々は多角形であり、
    前記第1セル領域および前記第2セル領域は、前記多角形の一辺を共有しており、
    前記一辺の一端および他端の各々の上には、前記絶縁層が設けられている、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
  9. 前記主面に対して垂直な方向に沿って見て、前記一端と前記他端との間において、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極とが接続されている、請求項8に記載の炭化珪素半導体装置。
  10. 主面を有し、かつ第1セル領域と、前記第1セル領域と接する第2セル領域とを含む炭化珪素基板を準備する工程を備え、
    前記第1セル領域は、第1導電型を有する第1ドリフト領域と、前記第1導電型とは異なる第2導電型を有する第1ボディ領域と、前記第1ボディ領域によって前記第1ドリフト領域から隔てられかつ前記第1導電型を有する第1ソース領域とを有し、
    前記第2セル領域は、前記第1ドリフト領域と接しかつ前記第1導電型を有する第2ドリフト領域と、前記第2導電型を有する第2ボディ領域と、前記第2ボディ領域によって前記第2ドリフト領域から隔てられかつ前記第1導電型を有する第2ソース領域とを有し、さらに、
    前記第1ドリフト領域、前記第1ボディ領域および前記第1ソース領域の各々に対面する第1ゲート電極を形成する工程と、
    前記第2ドリフト領域、前記第2ボディ領域および前記第2ソース領域の各々に対面する第2ゲート電極を形成する工程と、
    前記第1ドリフト領域と、前記第2ドリフト領域との境界上であって、かつ前記第1ゲート電極と、前記第2ゲート電極との間に絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層を跨ぐように前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とを繋ぐゲート配線を形成する工程とを備える、炭化珪素半導体装置の製造方法。
  11. 前記主面において、前記第1ドリフト領域、前記第1ボディ領域、前記第1ソース領域、前記第2ドリフト領域、前記第2ボディ領域および前記第2ソース領域の各々と接するゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1ソース領域と接する第1ソース電極を形成する工程と、
    前記第2ソース領域と接する第2ソース電極を形成する工程とをさらに備え、
    前記第1ゲート電極を形成する工程において、前記第1ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜上に形成され、かつ前記第2ゲート電極を形成する工程において、前記第2ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜上に形成され、
    前記第1ソース電極を形成する工程および前記第2ソース電極を形成する工程の各々は、前記絶縁層を形成する工程後であって、前記ゲート配線を形成する工程前に行われる、請求項10に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  12. 前記第1ソース電極を形成する工程は、前記第1ソース領域に接する第1金属層を形成する工程と、前記第1金属層を900℃以上でアニールする工程とを含み、
    前記第2ソース電極を形成する工程は、前記第2ソース領域に接する第2金属層を形成する工程と、前記第2金属層を900℃以上でアニールする工程とを含む、請求項11に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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