JP2016121784A - 変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速機において、変速ギヤに形成されたスプラインにおけるチャンファ部の強度を向上させることを目的とする。
【解決手段】回転軸3と共に回転するハブ4に軸線3a方向に沿って移動可能に配設されたスリーブ5と、スリーブ5の内周面に形成されたスリーブスプライン50と、回転軸3に相対回転可能に配設された変速ギヤ7と、変速ギヤ7に固定され、スリーブスプライン50と結合可能に形成されたギヤスプライン70と、を備えた変速機1は、ギヤスプライン70の軸線3a方向の先端部に形成されたギヤチャンファ部72に、ギヤチャンファ面72a,72bと、ギヤチャンファ面72a,72bが交わる部位に直角断面形状が曲線の第二先端稜部72cが形成されるとともに、ギヤチャンファ部72の頂部には、いずれの部位においても第二先端稜部72cの直角断面形状の曲率より小さい曲率に定められた曲面にて頂曲面部72fが形成されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、変速機に関し、特に、ギヤスプラインを構成するギヤスプライン歯のチャンファ部に関する。
手動変速機の一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。手動変速機は、特許文献1の図1、図4および図6に示すように、軸方向にシフト自在に配設され、内スプライン22が形成されたスリーブ21、スリーブ21に対して相対回転可能に配設され、外スプライン2が形成されたギヤ11、および、スリーブ21とギヤ11との間に配設され、スリーブ21の回転速度とギヤ11の回転速度とを同期させるシンクロナイザリング31を備えている。特許文献1の手動変速機における変速は、スリーブ21が軸方向にシフトされることにより、シンクロナイザリング31によってスリーブ21の回転速度とギヤ11の回転速度とが同期し、さらに、スリーブ21が軸方向にシフトされることで、内スプライン22と外スプライン2とが結合することによって行われている。また、外スプライン2と内スプライン22とが結合するときに、外スプライン2に形成された第1のチャンファ部3と内スプライン22の第2のチャンファ部23とが接触し、内スプライン22が外スプライン2を押し分けている。
ここで、一般的に、内スプライン22と外スプライン2とを円滑に結合させるためには、チャンファ部の両側面によってなされる角度の鋭角化およびチャンファ部の軸方向先端に形成された曲面状の稜部の曲率を大きくすることが有効とされている。しかしながら、両側面によってなされる角度を比較的鋭角にし、稜部の曲率を比較的大きくすると、チャンファ部の先端部の断面係数が比較的小さくなる。この場合、外スプライン2が内スプライン22に接触したときに、チャンファ部の先端部にかかる荷重が比較的分散されないため、チャンファ部の先端部に欠け、つぶれ等が発生する恐れが生じる。そして、特許文献1の手動変速機における外スプライン2が内スプライン22に接触する場合には、外スプライン2大径側(外周側)が接触するため、特に、外スプライン2の第1のチャンファ部3の大径側に、このような問題が発生する恐れが生じる。
そこで、特許文献1の手動変速機における外スプライン2の第1のチャンファ部3は、その軸方向先端部に形成される稜線部において、稜線の角度を途中で変えて、大径側稜線を小径側稜線の延長線上よりも後退させている。これにより、この稜線の角度が変わる部位に、内スプライン22が接触するようになる。この稜線の角度が変わる部位は、外スプライン2の第1のチャンファ部3において、大径側よりも小径側に位置するため、大径側の部位に比べて、断面係数を比較的大きくすることができる。これにより、チャンファ部の先端部にかかる荷重が比較的分散するため、チャンファ部の先端部に発生するつぶれ、欠け等を抑制することができる。
特開2010−286029号公報
このように、チャンファ部の形状によって、変速ギヤに形成されたスプラインにおけるチャンファ部の強度の向上が成されているが、一方で、チャンファ部の強度をさらに向上させたいという要請がある。
そこで、本発明は、上述した課題を解消するためになされたもので、変速機において、変速ギヤに形成されたスプラインにおけるチャンファ部の強度を向上させることを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る変速機は、回転軸と共に回転するハブに回転軸の軸線方向に沿って移動可能に配設されたスリーブと、スリーブの内周面に形成されたスリーブスプラインと、回転軸に相対回転可能に配設された変速ギヤと、変速ギヤのスリーブ側の側部に固定され、スリーブスプラインと結合可能に形成されたギヤスプラインと、を備え、スリーブを軸線方向に沿って移動させて、スリーブスプラインを構成するスリーブスプライン歯の軸線方向の先端部に形成されたスリーブチャンファ部を、ギヤスプラインを構成するギヤスプライン歯の軸線方向の先端部に形成されたギヤチャンファ部に押し当てることにより、スリーブスプライン歯によってギヤスプライン歯を回転軸の回転方向に押し分けて、スリーブスプラインとギヤスプラインとを結合させることで変速を行う変速機であって、スリーブチャンファ部には、軸線方向の先端部に回転軸の軸線を通る面に対してそれぞれ反対方向に傾斜する第一スリーブチャンファ面および第二スリーブチャンファ面と、第一スリーブチャンファ面と第二スリーブチャンファ面との交わる部位に直角断面形状が曲線の第一先端稜部と、が形成され、ギヤチャンファ部には、軸線方向の先端部に回転軸の軸線を通る面に対してそれぞれ反対方向に傾斜する第一ギヤチャンファ面および第二ギヤチャンファ面と、第一ギヤチャンファ面と第二ギヤチャンファ面との交わる部位に直角断面形状が曲線の第二先端稜部と、が形成され、第二先端稜部の直角断面形状の曲率は、第一先端稜部の直角断面形状の曲率以下に定められ、第一ギヤチャンファ面および第二ギヤチャンファ面とギヤスプライン歯の外周面とがそれぞれ交わる部位には、直角断面形状が曲線の第一側稜部および第二側稜部が形成され、第二先端稜部と第一側稜部と第二側稜部とが交わる頂部には、いずれの部位においても第二先端稜部の直角断面形状の曲率より小さい曲率の曲面にて頂曲面部が形成され、第一側稜部および第二側稜部の直角断面形状の曲率は、頂曲面部の曲率以上に定められている。
これによれば、ギヤスプライン歯の軸線方向の先端部において、第二先端稜部と第一側稜部と第二側稜部とが交わる頂部には、いずれの部位においても第二先端稜部の直角断面形状の曲率より小さい曲率に定められた曲面にて頂曲面部が形成されているため、頂部の断面係数を比較的大きくすることができる。これにより、変速が行われる際、スリーブチャンファ部とギヤチャンファ部の頂部とが接触する場合におけるギヤチャンファ部の頂部に作用する荷重が比較的分散する。よって、ギヤチャンファ部の頂部のつぶれ、欠け等を抑制することができるため、ギヤチャンファ部の強度を向上することができる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る変速機において、第一ギヤチャンファ面と回転軸の軸線を通る面とのなす角度は、第二ギヤチャンファ面と回転軸の軸線を通る面とのなす角度に対して異なる角度となるように定められている。
第一ギヤチャンファ面と回転軸の軸線を通る面とのなす角度は、第二ギヤチャンファ面と回転軸の軸線を通る面とのなす角度に対して異なる角度となるように定められているため、ギヤチャンファ部の頂部において、軸線を通る面とのなす角度が小さい方のギヤチャンファ面側の断面係数が他方のギヤチャンファ面側の断面係数に比べて小さくなっている。このような場合においても、ギヤチャンファ部の頂部に断面係数を比較的大きくする頂曲面部が形成されているため、ギヤチャンファ部の頂部に作用する荷重が比較的分散する。よって、ギヤチャンファ部の頂部のつぶれ、欠け等を抑制することができるため、ギヤチャンファ部の強度を向上することができる。
また、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る変速機において、頂曲面部のうち少なくとも中央部は、球面によって形成されている。
これによれば、頂曲面部の形状を比較的容易に形成することができる。
本発明の一実施形態における変速機の軸方向部分断面図である。 変速が行われる前における図1に示すスリーブスプラインおよびギヤスプラインの部分拡大図である。 図2に示すIII矢視図であり、スリーブスプライン歯の軸線方向の先端部を表している。 図2に示すIV矢視図であり、ギヤスプライン歯の軸線方向の先端部を表している。 図1に示すスリーブチャンファ部とギヤチャンファ部とが接触した状態を表した側面図である。
以下、本発明による変速機の一実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態における変速機1は、手動にて減速比(変速ギヤ)が選択される手動変速機(MT;マニュアルトランスミッション)である。図1に示す変速機1は、変速ギヤ7が選択されていないニュートラルの状態を表している。また、変速機1は、図1に示すように、シフト装置2に接続されている。シフト装置2は、変速機1の変速を行うものである。シフト装置2は、シフトレバー(図示なし)、シフトケーブル(図示なし)、リンク機構(図示なし)および半円弧状のセレクタ2aを含んで構成されている。シフト装置2は、シフトレバーが操作されることにより、シフトレバーの操作を伝達するシフトケーブルおよびリンク機構を介して、セレクタ2aを後述する回転軸3の軸線3a方向に沿って移動させる。
変速機1は、図1に示すように、回転軸3、ハブ4、スリーブ5、シンクロナイザリング6および変速ギヤ7を備えている。
回転軸3は、エンジン(図示なし)の出力により回転するものである。ハブ4は、回転軸3と共に回転するものである。具体的には、ハブ4は、略円板状に形成され、スプライン結合により、回転軸3に対して回転不能に結合されている。また、ハブ4の外周面には、ハブスプライン(図示なし)が形成されている。
スリーブ5は、ハブ4に回転軸3の軸線3a方向に沿って移動可能に配設されている。スリーブ5は、円筒状に形成され、外周面に環状の凹部5aが形成されている。凹部5aには、セレクタ2aが固定されている。
スリーブ5は、内周面にスリーブスプライン50が形成されている。スリーブスプライン50は、ハブスプラインに、軸線3a方向に摺動可能に嵌合する。スリーブスプライン50は、複数のスリーブスプライン歯51によって形成されている。スリーブスプライン歯51は、図2および図3に示すように、軸線3a方向の先端部にスリーブチャンファ部52が形成されている。スリーブチャンファ部52は、金型を用いて冷間鍛造によって成型されている。
スリーブチャンファ部52は、図3に示すように、軸線3aを通る面に対してそれぞれ反対方向に傾斜する第一スリーブチャンファ面52aおよび第二スリーブチャンファ面52bが形成されている。第一スリーブチャンファ面52aおよび第二スリーブチャンファ面52bと回転軸3の軸線3aを通る面とによってそれぞれなされる角度は、異なる角度になるように定められている。具体的には、第一スリーブチャンファ面52aと軸線3aを通る面とのなす角度は、第二スリーブチャンファ面52bと軸線3aを通る面とのなす角度に対して小さくなるように定められている。また、第一スリーブチャンファ面52aおよび第二スリーブチャンファ面52bは、軸線3aに対して垂直に交わる面に対してそれぞれ傾斜している。具体的には、第一スリーブチャンファ面52aおよび第二スリーブチャンファ面52bは、図2に示すように、スリーブチャンファ部52の軸線3a方向の先端における稜線が、軸線3a方向の先端から後方(図2の左側から右側)に傾斜するように、それぞれ形成されている。
第一スリーブチャンファ面52aと第二スリーブチャンファ面52bとの交わる部位には、図3に示すように、第一先端稜部52cが形成されている。第一先端稜部52cは、直角断面形状が曲線にて形成されている。一般的に、スリーブスプライン50と後述するギヤスプライン70とが円滑に結合するために、第一先端稜部52cの直角断面形状は、曲率が比較的大きい曲線にて形成されることが望ましい。具体的には、第一先端稜部52cの直角断面形状は、例えば、半径0.2mmの円弧にて形成されている。
また、第一スリーブチャンファ面52aおよび第二スリーブチャンファ面52bとスリーブスプライン歯51の外周面51aとがそれぞれ交わる稜部52d,52eは、直角断面形状が曲線にて形成されている。また、その両稜部52d,52eと第一先端稜部52cとが交わる頂部52fは、直角断面形状が曲線にて形成されている。具体的には、これらの直角断面形状は、例えば、半径0.2mmの円弧にて形成されている。
シンクロナイザリング6は、変速が行われる場合に、スリーブ5の回転速度と変速ギヤ7の回転速度とを同期させるものである。シンクロナイザリング6は、円筒状に形成され、図1に示すように、スリーブ5と変速ギヤ7との間に、回転軸3の軸線3a方向に沿って移動可能に配設されている。シンクロナイザリング6は、その内周面6aが、変速ギヤ7側に向かって直径が徐々に増加するテーパ状に形成されている。また、シンクロナイザリング6は、その外周面にシンクロスプライン60が形成されている。シンクロスプライン60は、スリーブスプライン50と結合可能に形成されている。シンクロスプライン60は、複数のシンクロスプライン歯61によって構成されている。図2に示すように、シンクロスプライン歯61のスリーブ5側の軸線3a方向の先端部には、シンクロチャンファ部62が形成されている。
変速ギヤ7は、回転軸3に相対回転可能に配設されている。変速ギヤ7は、図1に示すように、スリーブ5側に略円筒状の側部7aが形成されている。側部7aの外周には、コーン面7a1およびギヤスプライン7a2(70)が形成されている。コーン面7a1は、スリーブ5側に向かって直径が徐々に減少するテーパ状に形成されている。また、コーン面7a1は、シンクロナイザリング6の内周面6aに密着可能に接触するように形成されている。
ギヤスプライン70は、スリーブスプライン50と結合可能に形成されている。ギヤスプライン70は、複数のギヤスプライン歯71によって形成されている。ギヤスプライン歯71は、図2および図4に示すように、スリーブ5側の軸線3a方向の先端部にギヤチャンファ部72が形成されている。
ギヤチャンファ部72は、金型を用いて冷間鍛造によって成型されている。ギヤチャンファ部72は、図4に示すように、軸線3aを通る面に対してそれぞれ反対方向に傾斜する第一ギヤチャンファ面72aおよび第二ギヤチャンファ面72bが形成されている。第一ギヤチャンファ面72aおよび第二ギヤチャンファ面72bと軸線3aを通る面とによりそれぞれなされる角度は、異なる角度に定められている。具体的には、第一ギヤチャンファ面72aと軸線3aを通る面とのなす角度は、第二ギヤチャンファ面72bと軸線3aを通る面とのなす角度に対して小さくなるように定められている。なお、一般的に、ギヤスプライン70とスリーブスプライン50とが円滑に結合するために、第一ギヤチャンファ面72aと第二ギヤチャンファ面72bとによってなされる角度は、比較的小さい角度に定められていることが望ましい。
また、ギヤスプライン70とスリーブスプライン50とが結合する際には、第一ギヤチャンファ面72aと第一スリーブチャンファ面52aとが接触可能である。第一ギヤチャンファ面72aおよび第一スリーブチャンファ面52aと軸線3aを通る面とによりそれぞれなされる角度は、同じ角度に定められている。そして、ギヤスプライン70とスリーブスプライン50とが結合する際には、第二ギヤチャンファ面72bと第二スリーブチャンファ面52bとが接触可能である。第二ギヤチャンファ面72bおよび第二スリーブチャンファ面52bと軸線3aを通る面とによりそれぞれなされる角度は、同じ角度に定められている。
また、第一ギヤチャンファ面72aおよび第二ギヤチャンファ面72bは、回転軸3の軸線3aに対して垂直に交わる面に対してそれぞれ傾斜している。具体的には、第一ギヤチャンファ面72aおよび第二ギヤチャンファ面72bは、図2に示すように、ギヤチャンファ部72の軸線3a方向の先端における稜線が、軸線3a方向の先端から後方(図2の右側から左側)に傾斜するように、それぞれ形成されている。また、ギヤチャンファ部72の軸線3a方向の先端における稜線の軸線3aに対する角度βは、スリーブチャンファ部52の軸線3a方向の先端における稜線の軸線3aに対する角度αより大きくなるように定められている。
また、図4に示すように、第一ギヤチャンファ面72aと第二ギヤチャンファ面72bとの交わる部位には、第二先端稜部72cが形成されている。第一ギヤチャンファ面72aおよび第二ギヤチャンファ面72bとギヤスプライン歯71の外周面71aとがそれぞれ交わる部位には、第一側稜部72dおよび第二側稜部72eが形成されている。さらに、第二先端稜部72cと第一側稜部72dと第二側稜部72eとが交わる部位であるギヤチャンファ部72の頂部には、頂曲面部72fが形成されている。
第二先端稜部72cは、ギヤスプライン歯71の歯元側(小径側)に形成された第一先端曲面部72c1およびギヤスプライン歯71の歯先側(大径側)に形成された第二先端曲面部72c2を備えている。
第一先端曲面部72c1は、直角断面形状が曲線にて形成されている。第一先端曲面部72c1の直角断面形状の曲率は、スリーブチャンファ部52の第一先端稜部52cの直角断面形状の曲率以下に定められている。一般的に、ギヤスプライン70とスリーブスプライン50とが円滑に結合するために、第一先端稜部52cの直角断面形状は、曲率が比較的大きい曲線にて形成されることが望ましい。具体的には、第一先端曲面部72c1の直角断面形状は、例えば、半径0.5mmの円弧にて形成されている。
第二先端曲面部72c2は、直角断面形状が曲線にて形成されている。第二先端曲面部72c2の直角断面形状の曲率は、スリーブチャンファ部52の第一先端稜部52cの直角断面形状の曲率以下に定められている。さらに、第二先端曲面部72c2の直角断面形状の曲率は、第一先端曲面部72c1と頂曲面部72fとを滑らかに接続するように徐々に変化する。後述するように、頂曲面部72fを形成する曲面の曲率は、第一先端曲面部72c1の直角断面形状の曲率より小さいため、第二先端曲面部72c2の直角断面形状の曲率は、第一先端曲面部72c1から頂曲面部72fに向かって徐々に小さくなる。すなわち、第二先端曲面部72c2の周方向幅が、第一先端曲面部72c1から頂曲面部72fに向かって増加する。また、一般的に、第二先端稜部72cは、スリーブスプライン50と円滑に結合するために、曲率が比較的大きい曲線にて形成されることが望ましい。よって、第二先端曲面部72c2の径方向長さは、第一先端曲面部72c1の径方向長さより短く定められている。
第一側稜部72dおよび第二側稜部72eは、直角断面形状が曲線にて形成されている。第一側稜部72dおよび第二側稜部72eの直角断面形状の曲率は、頂曲面部72fの曲率以上に定められている。また、第一側稜部72dおよび第二側稜部72eの直角断面形状の曲率は、頂曲面部72fに滑らかに接続するように徐々に変化する。さらに、第一側稜部72dおよび第二側稜部72eは、頂曲面部72f側から軸線3aに沿って後方(図4の左側)に向かって直角断面形状の曲率が徐々に大きくなるように形成されている。
頂曲面部72fは、曲率が滑らかに変化する曲面にて形成されている。頂曲面部72fは、ギヤチャンファ部72の頂部における強度が向上するように、断面係数が比較的大きく設定されている。すなわち、頂曲面部72fは、比較的小さい曲率にて形成されていることが望ましい。具体的には、頂曲面部72fは、いずれの部位においても第二先端稜部72cの直角断面形状の曲率より小さい曲率の曲面にて形成されている。一方、頂曲面部72fは、ギヤスプライン70とスリーブスプライン50とが円滑に結合するために、周方向長さが短く形成されていることが望ましい。よって、頂曲面部72fは、周方向長さを径方向長さより短くするような曲面にて形成されている。なお、頂曲面部72fの曲率半径は、具体的には、0.8mm以上に定められている。
また、頂曲面部72fのうち少なくとも中央部は、球面によって形成されている。中央部は、ギヤチャンファ部72の軸線3a方向の先端の稜線と第一側稜部72dの稜線と第二側稜部72eの稜線とが交わる点を含む部位である。
次に上述した変速機1において、変速が行われるときの作動について説明する。図1に示すギヤが選択されていないニュートラルの状態から、図1の左側の変速ギヤ7が選択される場合について、スリーブ5が回転軸3の回転速度と同じ回転速度にて回転し、かつ、変速ギヤ7が回転軸3の回転速度と異なる回転速度にて回転している状態から説明する。
シフト装置2のシフトレバーが操作されることにより、セレクタ2aによってスリーブ5が軸線3aに沿って図1の左側に移動する。これにより、スリーブチャンファ部52がシンクロチャンファ部62に押し当てられることで、シンクロナイザリング6が軸線3aに沿って図1の左側に移動するため、シンクロナイザリング6の内周面6aが変速ギヤ7のコーン面7a1に密着するように押し当たる。このとき、シンクロナイザリング6の内周面6aと変速ギヤ7のコーン面7a1との間に生じる摩擦力によって、変速ギヤ7の回転速度が、スリーブ5の回転速度に徐々に同期していく。
変速ギヤ7の回転速度とスリーブ5の回転速度との同期が完了すると、スリーブスプライン50がシンクロスプライン60を押し分け、スリーブ5が軸線3aに沿って図1の左側にさらに移動する。そして、スリーブチャンファ部52とギヤチャンファ部72とが接触する。スリーブチャンファ部52とギヤチャンファ部72の軸線3a方向の先端とが接触する場合、図5に示すように、スリーブチャンファ部52は、ギヤチャンファ部72の頂曲面部72fに接触する。これは、ギヤチャンファ部72の軸線3a方向の先端における稜線の角度βが、スリーブチャンファ部52の軸線3a方向の先端における稜線の角度αより大きくなるように定められているためである。よって、この場合、ギヤチャンファ部72の頂曲面部72fに、スリーブチャンファ部52からの荷重が作用する。なお、この場合、ギヤチャンファ部72の頂曲面部72fには、スリーブチャンファ部52の径方向中央部が接触する。
スリーブチャンファ部52とギヤチャンファ部72とが接触した後、スリーブ5が図1の左側にさらに軸線3aに沿って移動することにより、スリーブスプライン50がギヤスプライン70を押し分け、スリーブスプライン50とギヤスプライン70とが結合する。これによって、変速機1の変速が完了する。
本実施形態によれば、回転軸3と共に回転するハブ4に回転軸3の軸線3a方向に沿って移動可能に配設されたスリーブ5と、スリーブ5の内周面に形成されたスリーブスプライン50と、回転軸3に相対回転可能に配設された変速ギヤ7と、変速ギヤ7のスリーブ5側の側部7aに固定され、スリーブスプライン50と結合可能に形成されたギヤスプライン70と、を備え、スリーブ5を軸線3a方向に沿って移動させて、スリーブスプライン50を構成するスリーブスプライン歯51の軸線3a方向の先端部に形成されたスリーブチャンファ部52を、ギヤスプライン70を構成するギヤスプライン歯71の軸線3a方向の先端部に形成されたギヤチャンファ部72に押し当てることにより、スリーブスプライン歯51によってギヤスプライン歯71を回転軸3の回転方向に押し分けて、スリーブスプライン50とギヤスプライン70とを結合させることで変速を行う変速機1であって、スリーブチャンファ部52には、軸線3a方向の先端部に回転軸3の軸線3aを通る面に対してそれぞれ反対方向に傾斜する第一スリーブチャンファ面52aおよび第二スリーブチャンファ面52bと、第一スリーブチャンファ面52aと第二スリーブチャンファ面52bとの交わる部位に直角断面形状が曲線の第一先端稜部52cと、が形成され、ギヤチャンファ部72には、軸線3a方向の先端部に回転軸3の軸線3aを通る面に対してそれぞれ反対方向に傾斜する第一ギヤチャンファ面72aおよび第二ギヤチャンファ面72bと、第一ギヤチャンファ面72aと第二ギヤチャンファ面72bとの交わる部位に直角断面形状が曲線の第二先端稜部72cと、が形成され、第二先端稜部72cの直角断面形状の曲率は、第一先端稜部52cの直角断面形状の曲率以下に定められ、第一ギヤチャンファ面72aおよび第二ギヤチャンファ面72bとギヤスプライン歯71の外周面71aとがそれぞれ交わる部位には、直角断面形状が曲線の第一側稜部72dおよび第二側稜部72eが形成され、第二先端稜部72cと第一側稜部72dと第二側稜部72eとが交わる頂部には、いずれの部位においても第二先端稜部72cの直角断面形状の曲率より小さい曲率に定められた曲面にて頂曲面部72fが形成され、第一側稜部72dおよび第二側稜部72eの直角断面形状の曲率は、頂曲面部72fの曲率以上に定められている。
これによれば、ギヤスプライン歯71の軸線3a方向の先端部において、第二先端稜部72cと第一側稜部72dと第二側稜部72eとが交わる頂部には、いずれの部位においても第二先端稜部72cの直角断面形状の曲率より小さい曲率の曲面にて頂曲面部72fが形成されているため、頂部の断面係数を比較的大きくすることができる。これにより、変速が行われる際、スリーブチャンファ部52とギヤチャンファ部72の頂部とが接触する場合におけるギヤチャンファ部72の頂部に作用する荷重が比較的分散する。よって、ギヤチャンファ部72の頂部のつぶれ、欠け等を抑制することができるため、ギヤチャンファ部72の強度を向上することができる。
また、第一ギヤチャンファ面72aと回転軸3の軸線3aを通る面とのなす角度は、第二ギヤチャンファ面72bと回転軸3の軸線3aを通る面とのなす角度に対して異なる角度となるように定められている。
第一ギヤチャンファ面72aと回転軸3の軸線3aを通る面とのなす角度は、第二ギヤチャンファ面72bと回転軸3の軸線3aを通る面とのなす角度に対して異なる角度となるように定められているため、ギヤチャンファ部72の頂部において、軸線3aを通る面とのなす角度が小さい方のギヤチャンファ面側の断面係数が他方のギヤチャンファ面側の断面係数に比べて小さくなっている。このような場合においても、ギヤチャンファ部72の頂部に断面係数を比較的大きくする頂曲面部72fが形成されているため、ギヤチャンファ部72の頂部に作用する荷重が比較的分散する。よって、ギヤチャンファ部72の頂部のつぶれ、欠け等を抑制することができるため、ギヤチャンファ部72の強度を向上することができる。
また、頂曲面部72fのうち少なくとも中央部は、球面によって形成されている。
これによれば、頂曲面部72fの形状を比較的容易に形成することができる。
なお、上述した実施形態において、変速機の一例を示したが、本発明はこれに限定されず、他の構成を採用することもできる。例えば、頂曲面部72fは、周方向長さより径方向長さを長くするような曲面にて形成されているが、これに代えて、頂曲面部72fを、周方向長さより径方向長さを短くするような曲面にて形成されているようにしても良い。また、頂曲面部72fを、周方向長さと径方向長さとが同じ長さの曲面にて形成されているようにしても良い。
また、上述した実施形態において、第一ギヤチャンファ面72aと回転軸3の軸線3aを通る面とのなす角度は、第二ギヤチャンファ面72bと回転軸3の軸線3aを通る面とのなす角度に対して小さい角度となるように定められているが、これに代えて、第一ギヤチャンファ面72aと回転軸3の軸線3aを通る面とのなす角度を、第二ギヤチャンファ面72bと回転軸3の軸線3aを通る面とのなす角度に対して大きい角度となるように定めるようにしても良い。また、これらの角度が同じ角度に定められているようにしても良い。
また、上述した実施形態において、変速機1は、シンクロナイザリング6を備えているが、これに代えて、変速機1がシンクロナイザリング6を備えないようにしても良い。
また、上述した実施形態において側稜部72d,72eが、頂曲面部72f側から軸線3a方向の先端から後方に向かって直角断面形状の曲率が徐々に大きくなるように形成されているが、これに代えて、側稜部72d,72eにおける軸線3a方向の後方において、曲率が一定の曲面(例えば、直角断面形状が半径を一定とする円弧)にて形成されている部位を有するようにしても良い。
また、上述した実施形態において、ギヤチャンファ部72の軸線3a方向の先端における稜線の角度βは、スリーブチャンファ部52の軸線3a方向の先端における稜線の角度αより大きくなるように定められているが、これに代えて、角度βと角度αとが同じ、または、角度βが角度αより小さくなるように定められているようにしても良い。
また、上述した実施形態において、変速機1は、手動変速機(MT;マニュアルトランスミッション)であるが、本発明を、AMT(オートメーテッドマニュアルトランスミッション)またはDCT(デュアルクラッチトランスミッション)に適用するようにしても良い。
1…変速機、3…回転軸、3a…軸線、4…ハブ、5…スリーブ、6…シンクロナイザリング、7…変速ギヤ、7a…側部、50…スリーブスプライン、51…スリーブスプライン歯、52…スリーブチャンファ部、52a…第一スリーブチャンファ面、52b…第二スリーブチャンファ面、52c…第一先端稜部、60…シンクロスプライン、61…シンクロスプライン歯、62…シンクロチャンファ部、70(7a2)…ギヤスプライン、71…ギヤスプライン歯、72…ギヤチャンファ部、72a…第一ギヤチャンファ面、72b…第二ギヤチャンファ面、72c…第二先端稜部、72d…第一側稜部、72e…第二側稜部、72f…頂曲面部。

Claims (3)

  1. 回転軸と共に回転するハブに前記回転軸の軸線方向に沿って移動可能に配設されたスリーブと、
    前記スリーブの内周面に形成されたスリーブスプラインと、
    前記回転軸に相対回転可能に配設された変速ギヤと、
    前記変速ギヤの前記スリーブ側の側部に固定され、前記スリーブスプラインと結合可能に形成されたギヤスプラインと、を備え、
    前記スリーブを前記軸線方向に沿って移動させて、前記スリーブスプラインを構成するスリーブスプライン歯の前記軸線方向の先端部に形成された前記スリーブチャンファ部を、前記ギヤスプラインを構成するギヤスプライン歯の前記軸線方向の先端部に形成された前記ギヤチャンファ部に押し当てることにより、前記スリーブスプライン歯によって前記ギヤスプライン歯を前記回転軸の回転方向に押し分けて、前記スリーブスプラインと前記ギヤスプラインとを結合させることで変速を行う変速機であって、
    前記スリーブチャンファ部には、前記軸線方向の先端部に前記回転軸の軸線を通る面に対してそれぞれ反対方向に傾斜する第一スリーブチャンファ面および第二スリーブチャンファ面と、前記第一スリーブチャンファ面と前記第二スリーブチャンファ面との交わる部位に直角断面形状が曲線の第一先端稜部と、が形成され、
    前記ギヤチャンファ部には、前記軸線方向の先端部に前記回転軸の軸線を通る面に対してそれぞれ反対方向に傾斜する第一ギヤチャンファ面および第二ギヤチャンファ面と、前記第一ギヤチャンファ面と前記第二ギヤチャンファ面との交わる部位に直角断面形状が曲線の第二先端稜部と、が形成され、
    前記第二先端稜部の直角断面形状の曲率は、前記第一先端稜部の直角断面形状の曲率以下に定められ、
    前記第一ギヤチャンファ面および前記第二ギヤチャンファ面と前記ギヤスプライン歯の外周面とがそれぞれ交わる部位には、直角断面形状が曲線の第一側稜部および第二側稜部が形成され、
    前記第二先端稜部と前記第一側稜部と前記第二側稜部とが交わる頂部には、いずれの部位においても前記第二先端稜部の直角断面形状の曲率より小さい曲率に定められた曲面にて頂曲面部が形成され、
    前記第一側稜部および前記第二側稜部の直角断面形状の曲率は、前記頂曲面部の曲率以上に定められている変速機。
  2. 前記第一ギヤチャンファ面と前記回転軸の軸線を通る面とのなす角度は、前記第二ギヤチャンファ面と前記回転軸の軸線を通る面とのなす角度に対して異なる角度となるように定められている請求項1記載の変速機。
  3. 前記頂曲面部のうち少なくとも中央部は、球面によって形成されている請求項1または請求項2記載の変速機。
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