JP2016121603A - タービンおよびセンサの変更方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タービン回転軸の回転を検出することに利用される回転検出用ギア部を他の回転検出用ギア部に容易に置換する。【解決手段】タービン回転軸1を回転駆動させる蒸気タービン本体と、発電機に回転接続される発電機回転軸11と、タービン回転軸1と発電機回転軸11との間に接続されてタービン回転軸1の回転を電機回転軸11に伝達する中間軸14と、中間軸14に形成される回転検出用ギア部21を用いてタービン回転軸1の回転を検出するセンサ26とを備えている。このような蒸気タービンは、中間軸14を他の中間軸に置換することにより、発電機回転軸11またはタービン回転軸1を加工することなく、タービン回転軸1の回転を検出することに利用される回転検出用ギア部21を他の回転検出用ギア部に容易に置換することができる。【選択図】図2
Description
本発明は、タービン回転軸の回転を検出するセンサが設けられているタービンおよびセンサの変更方法に関する。
高温高圧の蒸気を用いて回転動力を生成する蒸気タービンが知られている。蒸気タービン(以降、単に「タービン」と記載する)は、信頼性の高い運転制御を行うために、タービンの回転軸には、回転軸の回転状況を検出するためのセンサが設けられている。センサとしては、無回転検出センサ、回転数検出センサ、異常速度検出センサ等が例示され、信頼性向上のために同一検出内容に複数のセンサが重複して設置されるため、センサの数量は多数となる。各センサは、各センサを構成する機器の耐熱性の関係からタービン車室の外側に設置されており、タービンの外側に延びる回転軸の周方向に伸びたディスクの外周の全周方向に設けられた回転数検出用の凹凸溝(ギア)に対向して、ギア外周より少しの間隔をあけて非接触で凹凸溝の通過数を感知出来るように設けられている。
特許文献1には、入力軸と出力軸との間に正逆回転可能に設けられた中間軸の回転数を検出する中間軸回転数センサが設けられる異常判定装置が記載されている。特許文献2には、自由回転型ガスタービンと発電機との間に中間軸が設けられた設備が記載されている。
タービン回転軸への別センサへの更新や追加センサを追加で設置する場合に、各センサの設置場所に余裕スペースが無い場合には、タービンの回転駆動を一旦停止して、回転数検出用ギアの拡大やギアの位置を変更するためにタービン回転軸を直接加工することが必要となる場合がある。タービンを設置している現地で、タービン回転軸を直接加工することは、加工内容が限定されるとともに実質的でなく、各センサを再配置することから検討を行うにしても各センサの数量が多いために追加センサを追加で設置できる数量には、限界があった。更にはセンサ類のメンテナンスを実施する場合にも手間がかかっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、タービン回転軸の回転を検出するセンサを他のセンサに更新や追加設置する作業を容易にするタービンおよびセンサの変更方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のタービンおよびセンサの変更方法は、以下の手段を採用する。
本発明によるタービンは、タービン回転軸を回転させるタービン本体と、負荷に接続される負荷回転軸と前記タービン回転軸との間に介設されて前記負荷回転軸と前記タービン回転軸とに固定される中間軸と、前記中間軸に形成される回転検出用ギア部を用いて前記タービン回転軸の回転を検出するセンサとを備えている。
本発明によるタービンは、タービン回転軸を回転させるタービン本体と、負荷に接続される負荷回転軸と前記タービン回転軸との間に介設されて前記負荷回転軸と前記タービン回転軸とに固定される中間軸と、前記中間軸に形成される回転検出用ギア部を用いて前記タービン回転軸の回転を検出するセンサとを備えている。
タービン回転軸の回転を検出することに利用される回転検出用ギア部は、たとえば、センサを更新したり追加設置するときに、形状が異なる回転検出用ギア部に置換が必要となる場合がある。このようなタービンは、中間軸を他の回転検出用ギア部が形成された他の中間軸に置換することにより、負荷回転軸またはタービン回転軸を加工することなく、回転検出用ギア部を他の回転検出用ギア部に容易に置換することができる。
前記タービン回転軸は、前記タービン回転軸の軸長手方向の荷重を支持するスラスト軸受を備え、前記スラスト軸受は、前記タービン本体より前記中間軸に近い側に配置されている。
このようなタービンは、タービン回転軸のうちのタービン本体より中間軸に近い側にスラスト軸受が配置されていることにより、タービン本体の熱によるタービン回転軸の熱膨張によりセンサの固定位置に対して回転検出用ギア部が軸方向に移動する距離を低減することができる。このため、センサがタービン回転軸の回転を検出することに必要である回転検出用ギア部の軸方向の長さを低減することができる。
本発明によるタービンは、前記負荷回転軸を回転可能に支持するラジアル軸受と、前記中間軸に形成される油切用張出部を用いて前記ラジアル軸受の潤滑油が存在する領域と前記スラスト軸受の潤滑油が存在する領域とを分離する油切とをさらに備えている。
このようなタービンは、ラジアル軸受から排出される潤滑油とスラスト軸受から排出される潤滑油とが混合することにより発生する不具合を防止することができる。このようなタービンは、さらに、ラジアル軸受から排出される潤滑油とスラスト軸受から排出される潤滑油とが混合しないようにすることができ、たとえば、ラジアル軸受から排出される潤滑油の状態とスラスト軸受から排出される潤滑油の状態とを別個に観察することにより、ラジアル軸受とスラスト軸受との健全な潤滑状況を別個に推測することができる。このようなタービンは、油切用張出部が中間軸に形成されていることにより、負荷回転軸またはタービン回転軸を加工することなく、油切用張出部を容易にメンテナンスすることができる。
本発明によるタービンは、前記タービン回転軸を回転駆動させた後の蒸気を復水する復水器を前記タービン回転軸の軸長手方向にさらに備え、前記タービン本体は、前記復水器と前記中間軸との間に配置されている。
すなわち、このような中間軸は、いわゆる軸流排気型蒸気タービンに適用されるときに、タービン本体の復水器が配置される側の反対側に配置される。これにより中間軸の交換などのメンテナンス作業が復水器と干渉することなく容易になる。軸流排気型蒸気タービンは、このような中間軸を備えることにより、負荷回転軸またはタービン回転軸を加工することなく、タービン回転軸の回転を検出することに利用される回転検出用ギア部を他の回転検出用ギア部に容易に置換することができる。
本発明によるタービンは、前記タービン回転軸を回転駆動させた後の蒸気を復水する復水器を備え、前記復水器が前記タービン回転軸の鉛直方向下方側領域に設置されている。すなわち、このような中間軸は、いわゆる下向き排気型蒸気タービンに適用されることもできる。
本発明によるセンサの変更方法は、本発明によるタービンを用いて実行される。本発明によるセンサの変更方法は、前記中間軸を前記負荷回転軸と前記タービン回転軸とから取り外す工程と、前記回転検出用ギア部と異なる他の回転検出用ギア部が形成された他の中間軸を前記負荷回転軸と前記タービン回転軸との間に接続する工程と、前記センサを更新センサへ交換する工程と追加センサを設置する工程の少なくともいずれか一つの工程とを備えている。
このようなセンサの変更方法によれば、タービンは、既存の中間軸を他の中間軸に取り換えることにより、タービン回転軸または負荷回転軸を加工することなく、タービン回転軸の回転の検出に用いられる回転検出用ギア部を回転検出用の各センサの更新や追加による各センサの配置に適切になる回転検出用ギア部を保有する他の中間軸へと、タービン設置現地にて容易に交換することができる。
本発明によるタービンおよびセンサの変更方法は、中間軸を他の中間軸に交換することにより、負荷回転軸またはタービン回転軸を加工することなく、タービン回転軸の回転を検出することに利用される回転検出用ギア部を回転検出用の各センサの配置に適切となる他の回転検出用ギア部に容易に置換することができる。
以下に、本発明の一実施形態にかかるタービンについて図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態の蒸気タービン10(タービン)は、軸流排気型蒸気タービンであり、図1に示されているように、タービン回転軸1とタービン本体2と復水器3とを備えている。タービン回転軸1は、円柱軸状に形成され、図示されていない複数のラジアル軸受を介して、回転軸線5を中心に回転可能に支持されている。タービン本体2は、高圧タービン6と中圧タービン7と低圧タービン8とを備えている。
[第1の実施形態]
第1の実施形態の蒸気タービン10(タービン)は、軸流排気型蒸気タービンであり、図1に示されているように、タービン回転軸1とタービン本体2と復水器3とを備えている。タービン回転軸1は、円柱軸状に形成され、図示されていない複数のラジアル軸受を介して、回転軸線5を中心に回転可能に支持されている。タービン本体2は、高圧タービン6と中圧タービン7と低圧タービン8とを備えている。
高圧タービン6と中圧タービン7と低圧タービン8とは、回転軸線5と平行である方向に並んで配置されている。高圧タービン6は、図示されていないボイラにより生成される高温高圧の蒸気の供給を受けて、回転動力に変換してタービン回転軸1を回転させ、中圧の蒸気を排出する。中圧タービン7は、高圧タービン6から排出される中圧の蒸気の供給を受けて、回転動力に変換してタービン回転軸1を回転させ、低圧の蒸気を排出する。低圧タービン8は、中圧タービン7から排出される蒸気を図示しないボイラで再熱した蒸気の供給を受けて、回転動力に変換してタービン回転軸1を回転させ、回転動力へ変換した後の蒸気を排出する。
復水器3は、復水器3の蒸気入口部分が、回転軸線5と平行もしくは同軸となる方向にタービン本体2と並んで配置され、タービン本体2の低圧タービン8から排出された蒸気を復水器3の蒸気入口部分に圧力損失が少なく導入されるように配置されている。復水器3は、低圧タービン8から排出される蒸気を凝縮させて復水を生成する。復水器3により生成された復水は、前述の図示しないボイラに高温高圧の蒸気の原料として供給される。
蒸気タービン10は、さらに、発電機回転軸11(負荷回転軸)と発電機12(負荷)とを回転軸線5と同軸線上に備えている。発電機回転軸11は、円柱軸状に形成され、後述されるラジアル軸受32を介して発電機回転軸11の軸心を中心に回転可能に支持されている。発電機12は、発電機回転軸11の回転を用いて発電する。
蒸気タービン10は、さらに、中間軸14を備えている。中間軸14は、図2に示されるように、円柱軸状に形成される中間軸体24を備えている。中間軸14は、タービン回転軸側取付フランジ15と発電機回転軸側取付フランジ16とを備えている。タービン回転軸側取付フランジ15は、円盤状に形成され、中間軸体24の一端に接合されている。タービン回転軸側取付フランジ15は、複数の締結部材18を介し、タービン回転軸1の高圧タービン6側の端部に形成されるタービン回転軸フランジ17へ中間軸体24の軸心を回転軸線5に合致させて固定されることにより、中間軸14をタービン回転軸1に固定する。複数の締結部材18としては、複数対のボルトとナットとが例示される。発電機回転軸側取付フランジ16は、円盤状に形成され、中間軸体24の他端に接合されている。発電機回転軸側取付フランジ16は、複数の締結部材20を介し、発電機回転軸11のタービン本体2側の端部に形成される発電機回転軸フランジ19へ中間軸体24の軸心を発電機回転軸11の軸心に合致させて固定されることにより、中間軸14を発電機回転軸11に固定する。
中間軸14は、さらに、回転検出用ギア部21と油切用張出部22とを備えている。回転検出用ギア部21は、中間軸体24の周面の一部を周方向に張り出して最外周が凹凸の溝状になるよう中間軸体24の軸心に平行な溝が全周に形成されている。油切用張出部22は、中間軸体24の周面のうち、回転検出用ギア部21と発電機回転軸側取付フランジ16の間の一部を周方向に張り出して形成されている。油切用張出部22の最外周で図示しない固定部でフィン状の先端部を設けた油切33を静止固定させている。油切用張出部22の最外周部分で油切33との間に微小な隙間が一周するように形成されている。
回転検出用ギア部21は、図3に示されるように、周面に検出面23が形成されている。検出面23には、中間軸体24の軸心に平行である溝状の凹凸が形成されている。蒸気タービン10は、さらに、センサ取付用部材25と複数のセンサ26とを備えている。センサ取付用部材25は、概ね円筒形もしくは円筒の一部の円弧形に形成され、中間軸14の回転検出用ギア部21を周方向から囲むように配置されて図示しない支持構造で静止固定されている。本実施形態による複数のセンサ26は、それぞれ、検出面23と垂直に向かい合う一端に検出部が形成され、センサ取付用部材25を介して検出部が回転検出用ギア部21の検出面23に接触することなく近接するように支持されている。
複数のセンサ26は、それぞれ、回転に関する物理量を検出するセンサであり、無回転検出センサと回転数検出センサと異常速度検出センサとを含んでいる。複数のセンサ26の計測原理は様々なものが使用できるが、信頼性が高いものである必要があり、たとえばセンサの検出部と検出面23の溝状の凹凸との間のギャップ電圧の変化を計測することが行われる。回転検出用ギア部21の検出面23の溝状の凹凸と、静止固定したセンサ取付用部材25に取り付けたセンサの検出部との間の隙間(ギャップ)は、回転検出用ギア部21に回転軸線5を中心とした回転の発生により、隙間の広狭が周期的に発生する。この隙間変化に伴いセンサのギャップ電圧が対応して変化することから、回転検出用ギア部21に回転軸線5を中心とした回転の発生は、センサのギャップ電圧の変化で判断することができる。無回転検出センサは、検出部と検出面23との間のギャップ電圧の変化を測定することにより、回転軸線5を中心に中間軸14が回転しているか回転していないかを精度よく検出する。回転数検出センサは、検出部と検出面23との間のギャップ電圧の変化を測定することにより、回転軸線5を中心に中間軸14が単位時間あたりに回転する回転数を検出する。異常速度検出センサは、検出部と検出面23との間のギャップ電圧の変化を測定することにより、回転軸線5を中心に中間軸14が単位時間あたりに回転する回転数が異常な値であるかどうかを検出する。
蒸気タービン10は、さらに、図2に示されるように、スラスト軸受31とラジアル軸受32と油切33とを備えている。本実施形態におけるスラスト軸受31は、タービン回転軸1のうちのタービン本体2より中間軸14に近い位置に配置され、すなわち、タービン回転軸1のタービン回転軸フランジ17近傍に配置されている。スラスト軸受31は、外部から供給される潤滑油を用いてスラスト荷重に対する摩耗や発熱の発生を抑制している。スラスト軸受31は、タービン回転軸1が回転軸線5を中心に回転可能に支持し、かつ、タービン回転軸1が回転軸線5と平行な方向に移動しないように、回転軸線5の方向に移動する力に対抗する。
本実施形態におけるラジアル軸受32は、発電機回転軸11のうちの発電機12より中間軸14に近い位置に配置され、すなわち、発電機回転軸11の発電機回転軸フランジ19近傍に配置されている。ラジアル軸受32は、外部から供給される潤滑油を用いて、回転軸線5を中心に回転可能に発電機回転軸11を支持している。
油切33は、図2では簡易にフィン状の先端部があることを示していたが、図4に示されるように、中間軸体24の軸心に垂直な平面に沿って配置される板状材を含む箱が形成されている。中間軸体24の軸心に垂直な平面に沿う板状材には、油切用張出部22が貫通する孔が形成され、貫通する孔の内周側の先端部にフィン状の油切部34が形成されている。油切部34は、油切部34と油切用張出部22との間に形成される隙間を微小に管理することで、ラジアル軸受32から排出される潤滑油が油切部34よりスラスト軸受31側に流出しないように形成されている。また、油切部34は、スラスト軸受31から排出される潤滑油が中間軸14の表面を伝わって油切部34よりラジアル軸受32側に流入しないように、形成されている。すなわち、油切33は、ラジアル軸受32から排出される潤滑油とスラスト軸受31から排出される潤滑油とが混合しないように、油切用張出部22の周方向へ張り出す段差と油切部34を用いてラジアル軸受32から潤滑油が排出される領域とスラスト軸受31から潤滑油が排出される領域とを分離している。
蒸気タービン10は、さらに、図示されていない蒸気流入量調整装置と制御装置とを備えている。蒸気流入量調整装置は、制御装置に制御されることにより、図示されていないボイラからタービン本体2に供給される高温高圧の蒸気の流量を調整する。制御装置は、タービン本体2が定格回転数でタービン回転軸1を回転させるように、複数のセンサ26により計測された物理量に基づいて蒸気流入量調整装置を制御することによりタービン本体2に供給される蒸気の流量を調整する。
蒸気タービン10は、複数のセンサ26の信頼性を向上させるために、センサの更新をしたり追設することがある。蒸気タービン10は、複数のセンサ26に他のセンサを追設する場合など回転検出用ギア部21を変更したり追加加工が必要なときに、回転検出用ギア部21をセンサ追設用中間軸に交換することにより、回転検出用ギア部21を変更する。
以下に、本発明の一実施形態にかかるセンサの変更方法について図面を参照して説明する。
[第2の実施形態]
第2の実施形態におけるセンサの変更方法は、既述の第1の実施形態の蒸気タービン10を用いて実行される方法であり、回転検出用ギア部21をセンサ追設用中間軸に交換する方法である。センサ追設用中間軸41は、図5に示されるように、中間軸14と同様にして、円柱軸状に形成されるセンサ追設用中間軸体44を備えており、タービン回転軸側取付フランジ15と発電機回転軸側取付フランジ16と油切用張出部22とを備えている。センサ追設用中間軸41は、さらに、回転検出用ギア部21と別形状の回転検出用ギア部42を備えている。別形状の回転検出用ギア部42は、回転検出用ギア部21と同様にして、センサ追設用中間軸体44の周面の一部を一周するように形成され、回転軸線5に平行である溝状の凹凸が形成される検出面がセンサ追設用中間軸体44外周に形成されている。別形状の回転検出用ギア部42は、さらに、回転軸線5の方向の長さが回転検出用ギア部21の回転軸線5の方向の長さより長くなるように形成されている。
[第2の実施形態]
第2の実施形態におけるセンサの変更方法は、既述の第1の実施形態の蒸気タービン10を用いて実行される方法であり、回転検出用ギア部21をセンサ追設用中間軸に交換する方法である。センサ追設用中間軸41は、図5に示されるように、中間軸14と同様にして、円柱軸状に形成されるセンサ追設用中間軸体44を備えており、タービン回転軸側取付フランジ15と発電機回転軸側取付フランジ16と油切用張出部22とを備えている。センサ追設用中間軸41は、さらに、回転検出用ギア部21と別形状の回転検出用ギア部42を備えている。別形状の回転検出用ギア部42は、回転検出用ギア部21と同様にして、センサ追設用中間軸体44の周面の一部を一周するように形成され、回転軸線5に平行である溝状の凹凸が形成される検出面がセンサ追設用中間軸体44外周に形成されている。別形状の回転検出用ギア部42は、さらに、回転軸線5の方向の長さが回転検出用ギア部21の回転軸線5の方向の長さより長くなるように形成されている。
蒸気タービン10は、タービン本体2に蒸気の供給と回転駆動を一旦停止して自然冷却された後に、複数のセンサ26と油切33とが取り外される。蒸気タービン10は、複数のセンサ26と油切33とが取り外された後に、タービン回転軸1と発電機回転軸11の間から中間軸14が取り外される。蒸気タービン10は、中間軸14が取り外された後に、タービン回転軸1と発電機回転軸11の間にセンサ追設用中間軸41が取り付けられる。このとき、タービン回転軸側取付フランジ15は、複数の締結部材18を介し、タービン回転軸1の高圧タービン6側の端部に形成されるタービン回転軸フランジ17へ固定されることにより、センサ追設用中間軸41をタービン回転軸1に固定する。発電機回転軸側取付フランジ16は、複数の締結部材20を介し、発電機回転軸11のタービン本体2側の端部に形成されている発電機回転軸フランジ19へ固定されることにより、センサ追設用中間軸41を発電機回転軸11に固定する。
蒸気タービン10は、センサ追設用中間軸41が取り付けられた後に、油切33が取り付けられ、複数のセンサ26に他のセンサが追設された複数のセンサ43が取り付けられる。
蒸気タービン10は、複数のセンサ26を複数のセンサ43に交換するときや複数のセンサ43を追加するときに、回転検出用ギア部21の回転軸線5の方向の長さを延長することが必要となる場合がある。このようなセンサの変更方法によれば、蒸気タービン10は、回転検出用ギア部21より長い回転検出用ギア部42を備えるセンサ追設用中間軸41に中間軸14を交換することにより、タービン回転軸1または発電機回転軸11を直接加工することなく、複数のセンサ43に必要な長さを有する回転検出用ギア部42に回転検出用ギア部21を容易に交換することができる。
なお、センサ追設用中間軸41は、中間軸14を追加加工することにより作製することもできる。この場合も、蒸気タービン10は、タービン回転軸1または発電機回転軸11を直接加工することなく、タービン回転軸1と発電機回転軸11の間から取り外した中間軸14を工場に持ち帰り適切な形状へと再加工することで、複数のセンサ43に必要な長さを有する回転検出用ギア部42に回転検出用ギア部21を容易に交換することができる。
さらに、蒸気タービン10は、タービン本体2の復水器3が配置される側の反対側に中間軸14が配置されていることにより、復水器3にメンテナンス作業が干渉することなく、タービン本体2へアクセスすることが容易になり、中間軸14を取り外して容易にセンサ追設用中間軸41に交換してメンテナンスを行うことができる。
蒸気タービン10は、タービン回転軸1におけるタービン本体2より発電機回転軸11に近い位置にスラスト軸受31が設置されることにより、タービン本体2に供給される蒸気の熱によるタービン回転軸1の熱膨張により発電機回転軸11が回転軸線5の方向に移動する距離を低減することができ、発電機回転軸11が移動することにより発電機12に不具合が発生することを防止することができる。
なお、発電機12の不具合の一例として、発電効率の低下がある。たとえば、発電機回転軸11の移動によって図示しない発電機内の固定子コアと回転子コアとの位置関係が変化し、その変化を是正しようと図示しない固定子コア,回転子コア間の磁力が働くことで、回転子コアの回転力が低下して、発電効率の低下が発生することがある。
なお、発電機12の不具合の一例として、発電効率の低下がある。たとえば、発電機回転軸11の移動によって図示しない発電機内の固定子コアと回転子コアとの位置関係が変化し、その変化を是正しようと図示しない固定子コア,回転子コア間の磁力が働くことで、回転子コアの回転力が低下して、発電効率の低下が発生することがある。
蒸気タービン10は、タービン回転軸1における軸長手方向の中心よりスラスト軸受31配置側の端部に中間軸14が接合されている。このことにより、タービン本体2に蒸気が導入されるとタービン回転軸1の熱膨張が生じるが、回転検出用ギア部21の位置が軸方向に移動する距離を低減することができ、複数のセンサ26の固定位置が回転検出用ギア部21から回転軸線5の方向にずれることを防止することができる。従い、回転検出用ギア部21と複数のセンサ26との軸方向に位置ずれが少ないため、蒸気タービン10は、回転検出用ギア部21の回転軸線5の方向に設ける余裕の長さを低減することができ、回転検出用ギア部21の製造コストを低減することができる。また、回転検出用ギア部21の回転軸線5の方向の長さを低減することにより、中間軸14の回転軸線5の方向の長さも低減することができるので、蒸気タービン10が設置される設置スペースを低減することができる。
ラジアル軸受32に供給される潤滑油は、スラスト軸受31に供給される潤滑油と異なっていることがある。このとき、スラスト軸受31から排出される潤滑油がラジアル軸受32に供給される潤滑油へ混入してラジアル軸受32に供給されたり、ラジアル軸受32から排出される潤滑油がスラスト軸受31に供給される潤滑油に混入してスラスト軸受31に供給されたりすることにより、不具合を発生することがある。このような不具合としては、潤滑油の粘度の変化による潤滑不良やスラッジの発生が例示される。蒸気タービン10は、ラジアル軸受32の潤滑油が存在する領域とスラスト軸受31の潤滑油が存在する領域とが油切33により、分離されていることにより、ラジアル軸受32の潤滑油とスラスト軸受31の潤滑油とが混合することにより発生する不具合を防止することができる。蒸気タービン10は、さらに、ラジアル軸受32から排出される潤滑油とスラスト軸受31から排出される潤滑油とが混合しないようにすることにより、ラジアル軸受32から排出される潤滑油の状態(たとえば、温度)とスラスト軸受31から排出される潤滑油の状態とを別個に観察することにより、ラジアル軸受32とスラスト軸受31との健全な潤滑状況にあるかを別個に推測することができる。
蒸気タービン10は、油切33に利用される油切用張出部22が中間軸14に設けられていることにより、油切用張出部22にメンテナンスなど補修作業が発生した際に中間軸14とともに取り外して工場での補修加工を容易に実施することができ、油切用張出部22のメンテナンス性を向上することができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態の蒸気タービン50は、いわゆる下向き排気型蒸気タービンであり、図6に示されているように、復水器3が配置される位置と発電機12が配置される位置とが既述の第1の実施形態の蒸気タービン10と異なっている。発電機12は、回転軸線5と平行もしくは同軸となる方向にタービン本体2と並んで配置され、タービン本体2の低圧タービン8に近い側に配置されている。復水器3は、タービン回転軸1の鉛直方向下方側領域に設置され、発電機12の鉛直方向下方に設置されている。復水器3の蒸気入口部分は、回転軸線5に対して垂直で鉛直下向きに低圧タービン8から排出される排蒸気を導入して凝縮させる。
第3の実施形態の蒸気タービン50は、いわゆる下向き排気型蒸気タービンであり、図6に示されているように、復水器3が配置される位置と発電機12が配置される位置とが既述の第1の実施形態の蒸気タービン10と異なっている。発電機12は、回転軸線5と平行もしくは同軸となる方向にタービン本体2と並んで配置され、タービン本体2の低圧タービン8に近い側に配置されている。復水器3は、タービン回転軸1の鉛直方向下方側領域に設置され、発電機12の鉛直方向下方に設置されている。復水器3の蒸気入口部分は、回転軸線5に対して垂直で鉛直下向きに低圧タービン8から排出される排蒸気を導入して凝縮させる。
蒸気タービン50は、中間軸51を備えている。中間軸51は、既述の第1の実施形態における中間軸14と同様にして、タービン回転軸1と発電機回転軸11との間に配置され、タービン回転軸1と発電機回転軸11とに固定されている。中間軸51は、さらに、回転検出用ギア部52と油切用張出部53とを備えている。回転検出用ギア部52は、既述の第1の実施形態における回転検出用ギア部21と同様にして、中間軸51の周面の一部を一周するように形成され、回転軸線5に平行である溝状の凹凸が形成される検出面が周面に形成されている。油切用張出部53は、油切用張出部22と同様にして、中間軸51の周面のうちの回転検出用ギア部52より発電機12の側の一部を一周するように形成されている。
蒸気タービン50は、さらに、スラスト軸受55とラジアル軸受56と油切57とを備えている。スラスト軸受55は、タービン回転軸1の中間軸51の側の端に配置されている。ラジアル軸受56は、発電機回転軸11の中間軸51の側に配置されている。油切57は、ラジアル軸受56から排出される潤滑油とスラスト軸受55から排出される潤滑油とが混合しないように、中間軸51の油切用張出部53を用いてラジアル軸受56から潤滑油が排出される領域と、スラスト軸受55から潤滑油が排出される領域とを分離している。
蒸気タービン50は、タービン回転軸1のうちのタービン本体2より中間軸51に近い位置にスラスト軸受55が配置されていることにより、既述の第1の実施形態の蒸気タービン10と同様にして、タービン回転軸1の熱膨張により回転検出用ギア部52が回転軸線5の方向に移動する距離を低減することができ、回転検出用ギア部21の回転軸線5の方向の長さを低減することができる。
蒸気タービン50は、ラジアル軸受56の潤滑油が存在する領域とスラスト軸受55の潤滑油が存在する領域とが油切57により、分離されていることにより、既述の第1の実施形態の蒸気タービン10と同様にして、ラジアル軸受56の潤滑油とスラスト軸受55の潤滑油とが混合することにより発生する不具合を防止することができる。蒸気タービン50は、さらに、ラジアル軸受56から排出される潤滑油とスラスト軸受55から排出される潤滑油とが混合しないようにすることにより、ラジアル軸受56から排出される潤滑油の状態とスラスト軸受55から排出される潤滑油の状態とを別個に観察することにより、ラジアル軸受56とスラスト軸受55との健全な潤滑状況にあることを別個に推測することができる。
蒸気タービン50は、油切57に利用される油切用張出部53が中間軸51に設けられていることにより、既述の第1の実施形態の蒸気タービン10と同様にして、発電機回転軸11またはタービン回転軸1を加工することなく、油切用張出部53を容易に交換することができ、油切用張出部53を容易にメンテナンスすることができる。
蒸気タービン50は、回転検出用ギア部52をより回転軸線5方向に長い追設用回転検出用ギア部に交換するときに、既述の第1の実施形態の蒸気タービン10と同様にして、追設用回転検出用ギア部が形成されたセンサ追設用中間軸を準備し、既設の中間軸51がセンサ追設用中間軸に交換される。蒸気タービン50は、既設の中間軸51がセンサ追設用中間軸に交換されることにより、タービン回転軸1または発電機回転軸11を直接加工することなく、必要な長さを有する回転検出用ギア部に回転検出用ギア部52を容易に交換することができる。このため、蒸気タービン50は、タービン回転軸1の回転を検出するためのセンサの更新や追加センサの設置を容易に実施することができる。
なお、油切用張出部22、53は、中間軸14、51において回転検出用ギア部21、52よりスラスト軸受31、55側に配置されることもできる。蒸気タービン10、50は、油切用張出部がこのように配置されて場合でも、油切用張出部22、53にメンテナンスなど補修作業が発生した際に中間軸14、51とともに取り外して工場での補修加工を容易にすることができ、油切用張出部22、53のメンテナンス性を向上することができる。油切用張出部22、53は、発電機回転軸11またはタービン回転軸1に形成されることもできるが、油切用張出部のメンテナンスにあたっては発電機回転軸11またはタービン回転軸1に直接加工を行う必要があるが、本実施形態において油切用張出部22、53を中間軸14、51として容易に交換することができる。
なお、タービン本体2は、蒸気と異なる他の流体を用いてタービン本体に置換されることができる。そのタービン本体としては、燃料が燃焼することにより生成された高温のガスを用いてタービン回転軸1を回転させるガスタービンが例示される。このようなタービン本体が適用されたタービンも、既述の実施形態の蒸気タービン10、50と同様にして、中間軸14、51を交換することにより、回転検出用ギア部を容易に変更や追加加工をすることができ、タービン回転軸1の回転を検出するためのセンサを容易に追設することができる。
1 :タービン回転軸
2 :タービン本体
3 :復水器
5 :回転軸線
10:蒸気タービン(タービン)
11:発電機回転軸(負荷回転軸)
12:発電機(負荷)
14:中間軸
21:回転検出用ギア部
22:油切用張出部
26:複数のセンサ
31:スラスト軸受
32:ラジアル軸受
33:油切
41:センサ追設用中間軸
42:回転検出用ギア部
43:複数のセンサ
50:蒸気タービン
51:中間軸
52:回転検出用ギア部
53:油切用張出部
55:スラスト軸受
56:ラジアル軸受
57:油切
2 :タービン本体
3 :復水器
5 :回転軸線
10:蒸気タービン(タービン)
11:発電機回転軸(負荷回転軸)
12:発電機(負荷)
14:中間軸
21:回転検出用ギア部
22:油切用張出部
26:複数のセンサ
31:スラスト軸受
32:ラジアル軸受
33:油切
41:センサ追設用中間軸
42:回転検出用ギア部
43:複数のセンサ
50:蒸気タービン
51:中間軸
52:回転検出用ギア部
53:油切用張出部
55:スラスト軸受
56:ラジアル軸受
57:油切
Claims (6)
- タービン回転軸を回転駆動させるタービン本体と、
負荷に回転接続される負荷回転軸と、
前記タービン回転軸と前記負荷回転軸との間に接続されて前記タービン回転軸の回転を前記負荷回転軸に伝達する中間軸と、
前記中間軸に形成される回転検出用ギア部を用いて前記タービン回転軸の回転を検出するセンサと
を備えるタービン。 - 前記タービン回転軸は、前記タービン回転軸の軸長手方向の荷重を支持するスラスト軸受を備え、
前記スラスト軸受は、前記タービン本体より前記中間軸に近い側に配置される請求項1に記載のタービン。 - 前記負荷回転軸を回転可能に支持するラジアル軸受と、
前記中間軸に形成される油切用張出部を用いて前記ラジアル軸受の潤滑油が存在する領域と前記スラスト軸受の潤滑油が存在する領域とを分離する油切と
をさらに備える請求項2に記載のタービン。 - 前記タービン回転軸を回転駆動させた後の蒸気を復水する復水器を前記タービン回転軸の軸長手方向にさらに備え、
前記タービン本体は、前記復水器と前記中間軸との間に配置される請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のタービン。 - 前記タービン回転軸を回転駆動させた後の蒸気を復水する復水器を備え、
前記復水器が前記タービン回転軸の鉛直方向下方側領域に設置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のタービン。 - 請求項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載のタービンを用いて実行される前記センサの変更方法であり、
前記中間軸を前記負荷回転軸と前記タービン回転軸とから取り外す工程と、
前記回転検出用ギア部と異なる他の回転検出用ギア部が形成された他の中間軸を前記負荷回転軸と前記タービン回転軸との間に接続する工程と、
前記センサを更新センサへ交換する工程と追加センサを設置する工程の少なくともいずれか一つの工程と
を備えるセンサの変更方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014261294A JP2016121603A (ja) | 2014-12-24 | 2014-12-24 | タービンおよびセンサの変更方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014261294A JP2016121603A (ja) | 2014-12-24 | 2014-12-24 | タービンおよびセンサの変更方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016121603A true JP2016121603A (ja) | 2016-07-07 |
Family
ID=56327187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014261294A Pending JP2016121603A (ja) | 2014-12-24 | 2014-12-24 | タービンおよびセンサの変更方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016121603A (ja) |
-
2014
- 2014-12-24 JP JP2014261294A patent/JP2016121603A/ja active Pending
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