JP2016119265A - ヒータユニット及びステアリングホイール - Google Patents

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Abstract

【課題】組付作業性に優れ、使用者がステアリング操作の際に違和感を覚えることのないステアリングホイールと、それに使用されるヒータユニットを提供すること。
【解決手段】高分子発泡体からなる基材10と、コード状ヒータ1と、伸縮性を有する薄状体33とを有し、上記基材10における上記コード状ヒータ1が配設される箇所が、高密度化されて該コード状ヒータ1の形状に沿うように薄くなっており、それによって平坦な形状となっており、上記薄状体33が、上記コード状ヒータ1を覆うようにして、上記基材10における上記コード状ヒータ1が配設される面に配置されているヒータユニット。上記薄状体33には孔が形成されており、布体(トリコット又はラッセル)であるヒータユニット。ホイール芯材と被覆材の間に上記ヒータユニットが設置されるステアリングホイール。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、自動車、船舶などに使用されるステアリングホイールと、そのホイール部を暖めるために使用されるヒータユニットに係り、特に、組付作業性に優れ、使用者がステアリング操作の際に違和感を覚えることのないものに関する。
従来より、寒冷時に運転手の手を温めるために、ステアリングホイールのホイール部にヒータユニットを装着することが提案されている。図3に示すように、ステアリングホイール71は、ホイール部72、スポーク部73、ボス部74からなり、ホイール部72はホイール芯材77と合成樹脂、繊維製品、皮革などからなる被覆材78とから形成される。ヒータユニット31は、このホイール芯材77と被覆材78の間に設置され、スポーク部73及びボス部74を通されたリード線(図示しない)に接続されて給電される。
ステアリングホイールに設置されるヒータユニットとしては、例えば、特許文献1〜4に示すような、基材上に所定のパターン形状でコード状ヒータを配設したものが知られている。ここで、基材としては、各種の発泡樹脂シート、発泡ゴムシート、ゴムシート、不織布、織布などが開示されている。
特開2003−317905公報:松下電器産業 特開2011−121477公報:クラベ 特開2014−143175公報:クラベ 国際公開WO2014/104000公報:豊田合成、クラベ
しかしながら、上記特許文献1,2をはじめとした従来のヒータユニットでは、図10に示すように、単に基材110、110´にコード状ヒータ101を配設するのみであったため、コード状ヒータ101が配設される箇所に厚みが生じてしまっていた。そのため、使用者がステアリングホイールを握った際、凹凸を感じてしまい、ステアリング操作の際に違和感を覚えることになってしまっていた。
特許文献3,4によるヒータユニットは、この課題を解消するべく、コード状ヒータが配設される箇所の厚さが、コード状ヒータの形状に沿うように薄くなっており、それによって平坦な形状としたものである。しかしながら、特許文献3によるヒータユニットは、図11に示すように、コード状ヒータ101のおおよそ半周分について、開放されて押さえがない状態で配設されている。そのため、強い外力や極端な熱履歴を受けた際に、コード状ヒータ101が突出し、使用者が凹凸を感じてくる可能性があった。また、特許文献4によるヒータユニットは、図12に示すように、高分子発泡体からなる2枚の基材110、110´を必要とするため、薄くすることが困難であり、それによって、ステアリングホイールへの組付が困難なものとなっていた。
本発明は、このような従来技術の欠点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、使用者がステアリング操作の際に違和感を覚えることのないステアリングホイールと、それに使用される組付作業性に優れたヒータユニットを提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明によるヒータユニットは、高分子発泡体からなる基材と、コード状ヒータと、伸縮性を有する薄状体とを有し、上記基材における上記コード状ヒータが配設される箇所が、高密度化されて該コード状ヒータの形状に沿うように薄くなっており、それによって平坦な形状となっており、上記薄状体が、上記コード状ヒータを覆うようにして、上記基材における上記コード状ヒータが配設される面に配置されているものである。
また、上記薄状体には孔が形成されていることが考えられる。
また、上記薄状体が、布体であることが考えられる。
また、上記布体が、トリコット又はラッセルであることが考えられる。
また、本発明によるステアリングホイールは、上記のヒータユニットと、ホイール芯材と、被覆材とからなり、上記ホイール芯材と上記被覆材の間に上記ヒータユニットが設置されるものである。
また、本発明によるヒータユニットの製造方法は、高分子発泡体からなる基材と、コード状ヒータと、伸縮性を有する薄状体とからなるヒータユニットの製造方法であって、上記基材上に、所定のパターン形状で上記コード状ヒータを配設し、上記基材における上記コード状ヒータが配設された面に上記薄状体を配置し、熱プレス板によって上記基材、上記コード状ヒータ及び上記薄状体を加熱加圧することで、上記基材における上記コード状ヒータが配設される箇所の厚さを、該コード状ヒータの形状に沿うように薄くし、それによって平坦な形状にするとともに、上記基材、上記コード状ヒータ及び上記薄状体を一体化させるものである。
本発明によれば、コード状ヒータによる凹凸が現れず平坦な形状となっているため、使用者がステアリング操作の際に違和感を覚えることはない。また、全体として厚さを薄くすることができるため、ヒータユニットをステアリングホイールに組付ける際の作業性も優れたものとなる。
本発明によるヒータユニットの構成を一部切り欠いて示す平面図である。 本発明によるヒータユニットの要部を拡大して示す断面図である。 本発明によるヒータユニットをステアリングホイール内に組付けた状態を一部切り欠いて示す斜視図である。 本発明で使用されるコード状ヒータの構成をその一部を切り欠いて示す側面図である。 本発明で使用されるコード状ヒータの構成をその一部を切り欠いて示す側面図である。 本発明で使用されるホットプレス式ヒータ製造装置の構成を示す図である。 本発明のヒータユニットにおいて、コード状ヒータを所定のパターン形状に配設する様子を示す一部斜視図である。 本発明で使用される布体の薄状体を示す写真である。 本発明で使用される布体の薄状体を示す写真である。 従来のヒータユニットの要部を拡大して示す断面図である。 従来のヒータユニットの要部を拡大して示す断面図である。 従来のヒータユニットの要部を拡大して示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明する。
まず、本実施の形態におけるコード状ヒータ1の構成から説明する。本実施の形態におけるコード状ヒータ1は図5に示すような構成になっている。まず、外径約0.2mmの芳香族ポリアミド繊維束からなるヒータ芯3の外周に、素線径0.08mmの錫銅合金線からなる導体素線5aを7本引き揃え、ピッチ1.00mmで螺旋状に巻装してコード状ヒータ1を構成する。なお、導体素線5aには、ポリウレタンからなる絶縁被膜5bが厚さ約0.005mmで被覆されている。この外周に、熱融着部9としての難燃剤が配合されたポリエチレン樹脂が0.25mmの厚さで押出・被覆されている。コード状ヒータ1はこのような構成になっていて、その仕上外径は0.9mmである。
次に、上記構成をなすコード状ヒータ1を配設する基材10の構成について説明する。本実施例における基材10は、見かけ密度0.03g/cm、(JIS K7222準拠)、硬さ11.77(JIS K6400−2準拠)、厚さ4mmの発泡ポリウレタン樹脂からなる。
次に、コード状ヒータ1を覆うようにして基材10に配置される薄状体33について説明する。本実施例における薄状体33は、ポリエステル繊維を編んで形成した布体であり、生地の名称としてトリコットと称されるもので、目付けは150g/cmとなっている。この薄状体33は、孔が六方配置となるように編まれている。ここで六方配置とは、一つの孔の周囲に6つの孔が配置されるものであり、円の最密配置に類する配置である。また、この薄状体33の一方の面には、ポリエチレン樹脂からなる熱融着樹脂による接着層が形成されている。
次に、上記コード状ヒータ1を基材10上に所定のパターン形状で配設するとともに、基材10、コード状ヒータ1及び薄状体33を接着・固定する構成について説明する。図6はコード状ヒータ1が配設された基材を加熱加圧するためのホットプレス式ヒータ製造装置13の構成を示す図である。まず、ホットプレス治具15があり、このホットプレス治具15上には複数個の係り止め機構17が設けられている。上記係り止め機構17は、図7に示すように、ピン19を備えていて、このピン19はホットプレス冶具15に穿孔された孔21内に下方より差し込まれている。このピン19の上部には先端が針となった係り止め部材23が軸方向に移動可能に取り付けられていて、コイルスプリング25によって常時上方に付勢されている。そして、図7中仮想線で示すように、これら複数個の係り止め機構17の係り止め部材23にコード状ヒータ1を引っ掛けながら、予め配置してある薄状体33上に、コード状ヒータ1を所定のパターン形状にて配設することになる。
図6に戻って、上記複数個の係り止め機構17の上方にはプレス熱板27が昇降可能に配置されている。すなわち、コード状ヒータ1を複数個の係り止め機構17の係り止め部材23に引っ掛けながら所定のパターン形状にて配設し、その上に基材10を置く。その状態で上記プレス熱板27を降下させてコード状ヒータ1と基材10に、加熱加圧を施すものである。このプレス熱板27の降下にあたっては、少なくとも、基材10の圧縮量がコード状ヒータ1の外径よりも大きくなるように設計する必要がある。それによって、基材10が圧縮され高密度化されるとともに、コード状ヒータ1の熱融着層9が融着して、コード状ヒータ1と基材10、及び、コード状ヒータ1と薄状体33が接着・固定されることになる。また、薄状体33に形成された接着層は、コード状ヒータ1及び基材10側の面に形成されているため、基材10と薄状体33についても接着・固定されることになる。尚、上記プレス熱板27の降下による加熱加圧時には複数個の係り止め機構17の係り止め部材23はコイルスプリング25の付勢力に抗して下方に移動するものである。本実施の形態においては、この後に基材10を裏返し、薄状体33側の面から更にプレス熱板によって加熱加圧を行った。
上記作業を行うことにより、図1及び図2に示すようなステアリングホイール用のヒータユニット31を得ることができる。なお、図2は図1の要部を拡大して示す断面図である。基材10は、平板のプレス熱板27によって圧縮されることになるため、コード状ヒータ1が配設される箇所については、より強く加圧されることになる。これにより、基材10におけるコード状ヒータ1が配設される箇所は、コード状ヒータ1の形状に沿うような形状で、他の箇所よりも薄くなる。これにより、ヒータユニット31は、コード状ヒータ1が配設される箇所においても凹凸がなく、平坦な形状となる。また、このようにして得られたヒータユニット31は、基材10が圧縮され高密度になっているため、機械的強度を向上させることができる。なお、本実施の形態によって得られたヒータユニットの厚さは1.00mmであり、コード状ヒータ1が配設された箇所における基材10の最小厚さは0.52mmであり、コード状ヒータ1が配設されていない箇所における基材10の厚さは1.00mmであった。なお、コード状ヒータ1の熱融着層9が加熱加圧により変形したため、実際にはコード状ヒータ1は扁平した形状となっていた。また、コード状ヒータ1は、基材10と薄状体33に挟持される構造になるため、コード状ヒータ1が突出してしまうようなことを防止することができる。
上記のようにして得られた実施の形態によるヒータユニット31について、コード状ヒータ1の両端は、引き出されてリード線35に接続され、このリード線35により、コード状ヒータ1、温度制御装置39、及び、コネクタ(図示しない)が接続されている。温度制御装置はコード状ヒータ1上に配置され、コード状ヒータ1の発熱によってヒータユニットの温度制御を行うこととなる。また、基材10に突出部10fを形成しておいてもよい。温度制御装置39及びコード状ヒータ1とリード線35との接続部は、衝撃等からの防御のため、基材の突出部10fで包まれて保護される構成も考えられる。この観点から、突出部10fには加熱加圧をしないことも考えられる。そして、上記したコネクタを介して図示しない車両の電気系統に接続されることになる。又、上記構成をなすヒータユニット31は、図3に示すような状態で、ステアリングホイール71のホイール芯材77と被覆材78の間に設置される。この際、本実施例によるヒータユニット31は、ステアリングホイール71への組付けの作業

性が良好であった。これは、高分子発泡体からなる基材10が1枚のみであり、薄状体33も伸縮性に優れるものであるため、ヒータユニット31としても薄く伸縮性に優れたものとなったためである。特に、ホイール部72とスポーク部73の連結部分のような曲面が組合わさった形状の部分にも、ヒータユニット31を引き伸ばす等して形状を適合させ容易に設置することができた。
基材10又は薄状体33には、ヒータユニット31とステアリングホイールの被覆材78又はホイール芯材77とを接着するための接着層(図示しない)が形成される。接着層の形成は、予め離型シート上に接着剤のみからなる接着層を形成し、該接着層を上記離型シートから上記基材10や薄状体33の表面に転写することが好ましい。これにより、接着剤は基材10や薄状体33の内部には侵入せず、基材10や薄状体33の表面のみに接着層が形成されることになる。なお、ヒータユニット31と被覆材78とを接着する場合、薄状体33側(コード状ヒータ1を配設した側)と被覆材78とを接着するより、コード状ヒータ1を配設しない側と被覆材78とを接着する方が好ましい。また、ヒータユニット31とホイール芯材77を接着する場合、コード状ヒータ1を配設しない側とホイール芯材77とを接着するより、薄状体33側(コード状ヒータ1を配設した側)とホイール芯材77とを接着する方が好ましい。これらは、コード状ヒータ1による凹凸が被覆材78表面に表れにくくなるためである。
上記のようにして得られた実施の形態によるヒータユニット31について、薄状体33側をホイール芯材77側とするようにして、図3に示すようにステアリングホイールに組付けた状態で、実使用に供し、違和感の確認を行った。確認は、10人の使用者がステアリングホイールを握り、左右10回ずつ操舵作業を行って、コード状ヒータ1による凹凸を感じるかを聞き取り調査した。その結果、実施の形態のものについて、違和感を覚えると回答した使用者は0人だった。
尚、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。コード状ヒータ1には、従来公知の如何なるコード状ヒータも使用することができる。例えば、特許第4202071号公報に記載されているような、ヒータ芯の外周に発熱体素線を引き揃えて構成された発熱体が巻回され、その外周にFEPからなる絶縁体層、必要に応じてポリエチレンからなる熱融着層が形成されたコード状ヒータ、特願2007−158452明細書に開示されているような、ヒータ芯3が熱収縮性及び熱溶融性を有するものであるコード状ヒータ、特願2007−158453明細書に開示されているような、発熱体が絶縁被膜により被覆された導体素線を引き揃えたものから構成されたコード状ヒータ、特開2007−134341公報に開示されているような、発熱体が銅固溶体と銅銀共晶がファイバー状になった銀入り銅合金線の素線であるものから構成されたコード状ヒータなどを使用しても良い。また、図4に示すような構成のものも考えられる。具体的には、まず、外径約0.2mmの芳香族ポリアミド繊維束からなるヒータ芯3の外周に、素線径0.08mmの錫銅合金線からなる導体素線5aを7本引き揃え、ピッチ1.00mmで螺旋状に巻装してコード状ヒータ1を構成する。なお、導体素線5aには、ポリウレタンからなる絶縁被膜5bが厚さ約0.005mmで被覆されている。コード状ヒータ1はこのような構成になっていて、その仕上外径は0.38mmある。
基材10についても、発泡ポリウレタン樹脂に限定されるものではなく、例えば、他の材質からなる発泡樹脂シート、発泡ゴムシートなど種々の高分子発泡体が考えられる。特に伸縮性に優れるものが好ましく、表面にコード状ヒータの凹凸が現れないように硬度を調節したものが好ましい。また、硬度を調節するには、発泡率を調整する、気泡の状態を独立気泡または連続気泡にする、目的に応じた硬度の材料を使用するなどの方法がある。材料としては、ポリウレタン樹脂、クロロプレンゴム、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ネオプレンゴム、ジエン系ゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体など、種々の樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどから選択すれば良い。また、基材10は複数用いても良い。複数の基材10を層状に積層しても良い。この場合、複数の基材10それぞれを異なる材質のものとしても良い。これにより、表面にコード状ヒータの凹凸が表れにくくなる。また、気泡内など基材10の内部空隙にまで接着剤が侵入しないように接着層を形成すれば、基材10が硬化して伸縮性を損なうことはなく、風合いが悪化することもないため好ましい。
薄状体33については、ヒータユニット31としての厚さを薄くするため、充分に薄いものが使用される。具体的には、ヒータユニット31として配置した状態での見かけの厚さとして、基材10における高密度化された部分の厚さより薄いことが望まれる。また、薄状体33としては、ヒータユニット31としての伸縮性を阻害しないよう、伸縮性を有するものとされる。薄状体33を構成する材料としては布体の他、樹脂シート、ゴムシート等の高分子材料シートを使用してもよい。これらの材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、クロロプレンゴム、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ネオプレンゴム、ジエン系ゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体など、種々の樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどから適宜選択すれば良い。薄状体33として布体を使用する場合、織物、編物、不織布等が考えられる。織物としては、基本的な組織である平織、綾織(斜文織)、朱子織があり、それぞれの変化形や混合形、特別形などもある。これらを適宜使用することができる。編物としては、大きく分けて緯方向に編目を作っていく緯編と経方向に編目を作っていく経編とがある。緯編には平編(天竺編)、ゴム編(リブ編)、両面編(インターロック)、パール編(リンクス)の4種類の基本的な組織があり、さらに緯編は編機の違いにより丸編と横編に分かれる。経編には開き目と閉じ目(シングル・デンビー編)を原組織として、トリコット、ラッセル、ミラニーズの3種類の基本的な組織がある。そして、編物にもこれらの組織を様々に変化・複合化させた多くの種類がある。これらを適宜使用することができる。不織布は、繊維を織らずに絡み合わせたシート状のもので、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、ステッチボンド法等の種々の方法によって形成される。これら布体の中でも、伸縮性の面から、編物が好ましく、更に一般に生産性が高く緯編に比べ薄生地とすることができ、ほつれ難い経編のものが好ましく、特に伸縮性に優れるトリコット、ラッセルが好ましい。また、布体を構成する繊維材料としては、例えば、ポリエステル系繊維、脂肪族ポリアミド系繊維、芳香族ポリアミド系繊維、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、アクリレート系繊維、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維、ポリフェニレンサルファイド系繊維、ポリカーボネート系繊維、ポリオキシメチレン系繊維、ポリスチレン系繊維、ポリエーテルエステル系繊維、ガラス繊維、炭素繊維、綿、麻、絹、羊毛等の中から、使用目的に応じて適宜選択することができる。これらの繊維は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、モノフィラメント、マルチフィラメント糸、スパン糸、混繊糸、異形断面糸、複合糸、紡績糸(混紡糸含む)の何れの形態のものであってもよく、これらは単独でも又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
薄状体33に、より伸縮性を持たせるため、これらには孔を形成することが考えられる。この孔は、薄状体33の厚さ方向に連通するものである。孔を形成することにより、引き伸ばされた際に孔が偏平して潰れるように変形することで、より伸縮性が向上するものである。孔の径としては、小さすぎると伸縮性向上の効果が充分に発現せず、大きすぎるとコード状ヒータ1と薄状体33との接着固定が充分なされない可能性があるため、コード状ヒータ1の外径と同程度(0.5倍〜3倍)であることが好ましい。また、孔の配置が不規則であると、伸縮性に偏りができるため、規則性をもって孔を配置することが好ましい。特に、孔が六方配置となるように形成されることが好ましい。ここで六方配置とは、1つの孔の周囲に6つの孔が配置されるものであり、円の最密配置に類する配置である。例えば、1つの孔の周囲に4つの孔が配置される正方配置の場合、特定2方向に孔が存在せず薄状体材料が連続する部分が平行して生じることになる。この場合、薄状体材料が連続する方向に引っ張ると、孔が偏平して潰れる変形が生じにくく、孔による伸縮性向上の効果が不十分ともなり得る。これに対し、六方配置であれば、孔が存在せず薄状体材料が連続する部分が生じる方向がなく、いかなる方向に引っ張っても孔が偏平して潰れる変形が生じ、優れた伸縮性を得ることができる。なお、孔の径が小さく孔の間隔が広い場合、一見、孔が存在せず薄状体材料が連続する部分が生じるように見えるが、実際にはこの薄状体材料が連続する方向に引っ張ったとしても、張力方向に対して抗力方向がずれるため、孔が偏平して潰れる変形を生じ、充分に伸縮することになる。
薄状体33への孔の形成については、当初から孔が形成されているように薄状体33を製造してもよいし、後加工によって薄状体33に孔を形成しても良い。例えば、薄状体33として高分子材料シートを使用する場合、所定の孔が形成されるようにシートを押出成形することや、シート状に成形した後に連続的に打ち抜き加工をして孔を形成することなどが考えられる。また、薄状体33として布体を使用する場合、当初から孔が形成された所謂メッシュの布地として製造することや、製造した布体に後加工で打ち抜き加工をして孔を形成することなどが考えられる。また、網も本発明の孔が形成された薄状体33に含まれるものである。
本発明で使用される布体の薄状体33の一例を図8,図9に示す。図8に示すのは、孔が六方配置されたトリコットのものである。図9に示すのは、孔が正方配置された一般的なたて編のものである。上記のように、孔が正方配置されていると、特定方向への伸縮性が劣るようになるが、この伸縮性が劣る方向には伸縮しないようにヒータユニットを配置する場合、孔が正方配置された薄状体33でも充分に使用が可能となる。
また、基材10と薄状体33の接着・固定や、コード状ヒータ1と薄状体33の接着・固定をするために、薄状体33または基材10に接着層を形成することが考えられる。上記実施例においては、薄状体33の表面に予め熱融着樹脂による接着層を形成しているが、他の態様も考えられる。例えば、薄状体33や基材10に接着剤を塗布すること、薄状体33とコード状ヒータ1の間に熱融着樹脂シートを配置しておくこと、なども考えられる。接着層としては、熱融着樹脂のみでなく、例えば、高分子アクリル系粘着剤からなりテープ基材を使用しない接着層や、ポリプロピレンフィルムの両面に接着剤を形成してなる接着層など種々のもの使用できる。それ単独でFMVSS No.302自動車内装材料の燃焼試験に合格するような難燃性を有するものであれば、ヒータユニットの難燃性が向上し好ましい。また、ヒータユニットの伸縮性を損なわないために、粘着剤のみからなる接着層であることが好ましい。また、これらと併せて、コード状ヒータ1の熱融着層9を併用することもできる。なお、コード状ヒータ1の熱融着層9のみで充分な接着固定が可能であるなら、上記のような接着層は必要ない。
また、コード状ヒータ1を基材10に配設する際、加熱加圧による融着によって接着・固定する態様でなく、他の態様によりコード状ヒータ1を基材10に固定しても良い。例えば、縫製によりコード状ヒータ1を基材10に固定しても良いし、他の態様を用いても良い。また、基材10を加熱加圧する際には、プレス熱板27のみでなくホットプレス治具15についても加熱しても良い。この際、プレス熱板27とホットプレス治具15の温度を異なるものとして、基材10の圧縮率を変え、即ち気孔率を変化させることも考えられる。また、薄状体33の配置について、上記実施例では、コード状ヒータ1を基材10に配設するのと同時に行ったが、コード状ヒータ1を基材10に配設してから、後工程で薄状体33を貼付等により配置しても構わない。
本発明のヒータユニットによれば、組付作業性に優れるとともに、使用者がステアリング操作の際に違和感を覚えることのないようにすることができる。このようなヒータユニットは、例えば、自動車、船舶、各種輸送用車両、各種農耕用車両、各種土木建設用重機などに使用されるステアリングホイールに使用され、そのホイール部を暖めるためのヒータユニットとして好適に使用することができる。また、本発明によるヒータユニットは、コード状ヒータ部分の凹凸がなく平坦なものであることを活かし、ステアリングホイールのみでなく、例えば、電気毛布、電気カーペット、カーシートヒータ、ステアリングヒータ、暖房便座、防曇鏡用ヒータ、加熱調理器具、床暖房用ヒータ、被服用ヒータ等に応用することも考えられる。
1 コード状ヒータ
10 基材
31 ヒータユニット
33 薄状体
71 ステアリングホイール

Claims (6)

  1. 高分子発泡体からなる基材と、コード状ヒータと、伸縮性を有する薄状体とを有し、
    上記基材における上記コード状ヒータが配設される箇所が、高密度化されて該コード状ヒータの形状に沿うように薄くなっており、それによって平坦な形状となっており、
    上記薄状体が、上記コード状ヒータを覆うようにして、上記基材における上記コード状ヒータが配設される面に配置されているヒータユニット。
  2. 上記薄状体には孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載のヒータユニット。
  3. 上記薄状体が、布体であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のヒータユニット。
  4. 上記布体が、トリコット又はラッセルであることを特徴とする請求項3記載のヒータユニット。
  5. 請求項1〜請求項4何れか記載のヒータユニットと、ホイール芯材と、被覆材とからなり、上記ホイール芯材と上記被覆材の間に上記ヒータユニットが設置されるステアリングホイール。
  6. 高分子発泡体からなる基材と、コード状ヒータと、伸縮性を有する薄状体とからなるヒータユニットの製造方法であって、上記基材上に、所定のパターン形状で上記コード状ヒータを配設し、上記基材における上記コード状ヒータが配設された面に上記薄状体を配置し、熱プレス板によって上記基材、上記コード状ヒータ及び上記薄状体を加熱加圧することで、上記基材における上記コード状ヒータが配設される箇所の厚さを、該コード状ヒータの形状に沿うように薄くし、それによって平坦な形状にするとともに、上記基材、上記コード状ヒータ及び上記薄状体を一体化させるヒータユニットの製造方法。
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