JP2016118450A - スポットピン及びマイクロアレイの製造方法 - Google Patents

スポットピン及びマイクロアレイの製造方法 Download PDF

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貴博 片山
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Abstract

【課題】スポットの大きさや形状を維持しつつ、マイクロアレイを製造する際の、生体分子溶液の使用量を低減することが可能なスポットピンを提供する。【解決手段】二つの異なる径を有する段付き軸部2と、段付き軸部2の小径側の端部に設けられ、基板表面に溶液を点着する先端部3と、を備えることを特徴とするスポットピン1を選択する。【選択図】図1

Description

本発明は、スポットピン及びマイクロアレイの製造方法に関するものである。
生化学分野において、DNA、たんぱく質、糖鎖などのバイオ分子や、これらを有する細胞などの対象物を基板上に多数固定した、マイクロアレイの開発が進み、利用されている。具体的には、DNAを固定化し、それらに相同性のあるDNA・RNAを検出・定量するDNAマイクロアレイ(DNAチップともいう)や、タンパク質を多数固定化し、それに対する反応(低分子化合物や他のタンパク質の結合など)を検出するタンパク質マイクロアレイ(代表的なものとして、抗原を対象とした抗体マイクロアレイ)等が知られている。このようなマイクロアレイにより、多数の対象を一度に網羅的に検査・実験を行うことができる。
ところで、マイクロアレイを製造するためには、生体分子が溶解もしくは分散した生体分子溶液(以下、単に「生体分子溶液」という)を基板の表面に接触させて付着させ、固定化する必要がある。一般的に、基板の表面に生体分子を配列し固定化するためには、スポットピンが用いられる。
ここで、図5は、従来のスポットピンの側面図である。また、図6は、従来のスポットピンの先端面を示す平面図である。図5に示すように、従来のスポットピン101は、軸部102と、軸部102の先端側に設けられた先端部103とを備えて概略構成されている。このスポットピン101は、軸部102の基端側がホルダー5の内側に収納されて使用される。
また、先端部103は、基端103a側から先端103b側に向かって漸次縮径されている。すなわち、先端部103は、先端103bに設けられた先端面103Aと側面103Bとを有する円錐台形状となっている。なお、先端面103Aは、図6に示すように、円形の平坦面となっている。
このスポットピン101を用いる場合、生体分子溶液中に軸部102の先端側まで浸かるように先端部103を浸漬し、引き上げた後、基板の表面に先端面103Aを接触させる。これにより、基板の表面上に生体分子溶液を付着させたスポットを形成することができる。
マイクロアレイの製造に用いるスポットピンは、これまでに種々の改善がなされている。例えば、特許文献1には、同一形状のスポットを安定して形成することを目的としたスポットピンが開示されている。具体的には、特許文献1に開示されたスポットピンは、生体分子溶液を接触・付着させる側の先端部分を曲面形状とし、かつ、曲面形状の側面部分にも複数の溝または複数の孔の開口部を形成されている。これにより、スポットピンが基板に対して垂直に接触していないような場合でも、安定して同一形状のスポットを形成可能とされている。
特開2004−205362
ところで、マイクロアレイを製造する際には、基板の表面上に例えば千個以上のスポットを形成する必要がある。そのためには、複数のスポットピンを複数回にわたって生体分子溶液と基板との間を往復させる必要が生じる。
しかしながら、図5及び図6に示すような従来のスポットピン101や、特許文献1に開示されたスポットピンでは、スポットピンによる生体分子溶液の持ち出し量が多いという課題があった。すなわち、スポットピンには、マイクロアレイを製造する際の、生体分子溶液の使用量を低減することが望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、スポットの大きさや形状を維持しつつ、マイクロアレイを製造する際の、生体分子溶液の使用量を低減することが可能なスポットピンを提供することを課題とする。
また、本発明は、スポットの大きさや形状を維持しつつ、生体分子溶液の使用量を低減することが可能なマイクロアレイの製造方法を提供することを課題とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]本発明のスポットピンは、生体分子が溶解又は分散した生体分子溶液を基板表面に接触させて付着させ、前記基板表面に前記生体分子を配列し固定化するために用いるスポットピンであって、二つの異なる径を有する段付き軸部と、前記段付き軸部の小径側の端部に設けられ、前記基板表面に溶液を点着する先端部と、を備えることを特徴とする。
[2]本発明のスポットピンは、前記先端部が、基端側から先端側に漸次縮径されるとともに先端面を有する円錐台形状であることが好ましい。
[3]本発明のスポットピンは、前記先端面に、所定量の溶液を保持するとともに溶液の落下を防止する溶液保持機構が設けられていることが好ましい。
[4]本発明のスポットピンは、前記溶液保持機構が、前記先端面に設けられた環状溝であってもよい。
[5]本発明のスポットピンは、前記溶液保持機構が、前記先端面に設けられた環状突起であってもよい。
[6]本発明のマイクロアレイの製造方法は、前項1〜5のいずれか一項に記載のスポットピンを用いて、生体分子が溶解又は分散した生体分子溶液を、基板表面に付着させて、前記基板表面に前記生体分子を配列し固定化することを特徴とする。
以上説明したように、本発明のスポットピンによれば、二つの異なる径を有する段付き軸部の小径側の端部に先端部が設けられた構成となっており、マイクロアレイを製造する際に先端部及び段付き軸部の小径側を生体分子溶液に浸漬させることになるため、スポットの大きさや形状を維持しつつ、生体分子溶液の使用量を低減することができる。
また、本発明のマイクロアレイの製造方法によれば、生体分子溶液を基板表面に付着させて、基板表面に生体分子を配列し固定化する際に、上述したスポットピンを用いるため、スポットの大きさや形状を維持しつつ、生体分子溶液の使用量を低減することができる。
本発明を適用した一実施形態であるスポットピンの構成を示す側面図である。 本発明を適用した一実施形態であるスポットピンを構成する先端部の先端面を拡大した平面図である。 図2中に示すX−X’線に沿った、拡大断面図である。 本発明のスポットピンの先端面に設けられた溶液保持機構の他の例を示す断面図である。 従来のスポットピンの側面図である。 従来のスポットピンの先端面を示す平面図である。
以下、本発明を適用した一実施形態であるスポットピンについて、これを用いたマイクロアレイの製造方法とともに図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
<スポットピン>
先ず、本発明を適用した一実施形態であるスポットピンの構成について説明する。
図1は、本発明を適用した一実施形態であるスポットピンの構成を示す側面図である。図1に示すように、本実施形態のスポットピン1は、生体分子が溶解又は分散した生体分子溶液(以下、単に「生体分子溶液」という)を基板の表面に接触させて付着させて、基板表面に生体分子を配列して固定化するために用いるものである。このスポットピン1は、段付き軸部2と、先端部3と、を備えて概略構成されている。
段付き軸部2は、異なる径(直径)を有する二つの軸部から構成された、円筒状(棒状)の部材である。具体的には、直径D1を有する大径部2Aと、直径D1よりも小さな直径D2を有する小径部2Bと、が同軸上に直列に接合されている。これにより、大径部2Aと小径部2Bとの接合部には、段部2aが設けられるとともに、1本の軸部材(すなわち、段付き軸部)が構成されている。
大径部2Aは、段付き軸部2の基端側(すなわち、先端部3と反対側)に設けられている。この大径部2Aの直径D1は、従来のスポットピン101における軸部102の直径D1’(図6を参照)と同一径であることが好ましい。具体的には、例えば、直径D1は、2.5〜0.5mmの範囲であればよく、2.0〜1.0mmの範囲が好ましい。直径D1が上記範囲内であると、生体分子溶液の使用量を効果的に低減することができ、かつ、強度を保持することが可能であるために好ましい。
ここで、大径部2Aの直径D1を従来の軸部102の直径D1’と同一の直径とすることにより、従来と同じスポットピン用のホルダー5の内側に、同様に収納することができる。すなわち、本実施形態のスポットピン1を、従来のスポットピン101の代替として使用することができる。
また、図1に示すように、大径部2Aの軸方向の長さL1は、大径部2Aの基端側がホルダー5の内側に収納された際に露出する部分が存在する長さであれば、特に限定されるものではない。すなわち、大径部2Aの長さL1は、ホルダー5の軸方向の長さよりも長いことが好ましい。これにより、スポットピン1をホルダー5にしっかりと取り付けることができる。
さらに、大径部2Aの長さL1は、小径部2Bの軸方向の長さL2と先端部3の軸方向の長さL3との和(L2+L3)よりも長い(すなわち、スポットピン1の全長Lの半分(1/2L)よりも長い)ことがより好ましい。大径部2Aの長さL1をこのように設けることにより、小径部2Bを設けた場合であっても段付き軸部2の全体の強度を担保することができる。
小径部2Bは、段付き軸部2の先端側(すなわち、先端部3側)に設けられている。この小径部2Bの直径D2は、大径部2Aの直径D1よりも小さく、かつ後述する先端部3の先端3b(先端面3A)の直径D3よりも大きければ、特に限定されるものではない。特に、直径D2は、直径D1に対して、50〜95%の大きさであることが好ましく、55〜90%の大きさであることがより好ましく、60〜85%の大きさであることがさらに好ましい。ここで、直径D2の大きさが上記範囲内であると、生体分子溶液の使用量を効果的に低減することができ、かつ、強度を保持することが可能であるため好ましい。
また、小径部2Bの軸方向の長さL2は、スポットピン1を生体分子溶液に浸漬させる際に大径部2Aが浸漬しない長さであれば、特に限定されるものではない。一方、上述したように、段付き軸部2の強度の面からは、大径部2Aの長さL1を長くする方が好ましい。したがって、段付き軸部2の大径部2Aの長さL1と小径部2Bの長さL2は、上記事情を勘案して設定することが好ましい。
先端部3は、基板の表面に生体分子溶液を点着させるために、段付き軸部2の小径部2B側の端部に設けられている。この先端部3は、図1に示すように、基端3a側から先端3b側に向かって漸次縮径されている。そして、先端部3の先端3bには、図2に示すように、平面視した際に円形の先端面3Aが設けられている。この先端面3Aが、基板の表面に生体分子溶液を点着させる際に、基板の表面との接触面となる。すなわち、先端部3は、図1に示すように、先端3bに設けられた先端面3Aと、基端3aと先端3bとの間に設けられた側面3Bとを有する円錐台形状となっている。
先端部3の基端3aの直径は、特に限定されるものではないが、段付き軸部2の小径部2Bの直径D2と同一であることが好ましい。すなわち、段付き軸部2の小径部2Bの側面と、先端部3の側面3Bとが、連続面として設けられていることが好ましい。ここで、先端部3の基端3aの直径と、段付き軸部2の小径部2Bの直径D2とが異なる(すなわち、段付き軸部2の小径部2Bの側面と、先端部3の側面3Bとが、不連続面である)と、段付き軸部2の小径部2Bと先端部3との境界部分に段差が生じ、スポットピン1を生体分子溶液に浸漬させた後に引き上げた際、小径部2Bの側面に付着した生体分子溶液が先端部3にスムーズに移行できなくなるために好ましくない。
一方、先端部3の先端3bの直径(すなわち、先端面3Aの直径)直径D3は、特に限定されるものではなく、用途によって適宜選択することができる。例えば、同じ用途に用いる場合であれば、従来のスポットピン101における先端面103Aの直径D3’(図6を参照)と同一径であることが好ましい。これにより、従来のスポットピン101を用いて形成したスポットと同程度の大きさのスポットを形成することができる。具体的には、例えば、直径D3は、0.10〜1.0mmの範囲のものが挙げられる。
また、先端部3の軸方向の長さL3は、スポットピン1を生体分子溶液に浸漬させる際に先端部3の側面3Bと小径部2Bの側面とによる生体分子溶液の持ち出し量が十分に確保できる長さであれば、特に限定されるものではない。一方、上述したように、段付き軸部2の強度の面からは、大径部2Aの長さL1を長くする方が好ましい。したがって、段付き軸部2の大径部2Aの長さL1と小径部2Bの長さL2は、上記事情を勘案して設定することが好ましい。
ここで、例えば、先端部3の軸方向の長さL3を、従来のスポットピン101における先端部103の軸方向の長さL3’(図6を参照)と同一の長さとした場合、本実施形態のスポットピン1における先端部3の側面3Bと段付き軸部2の軸方向との間の角度は、従来のスポットピン101における先端部103の側面103Bと軸部102の軸方向との間の角度よりも狭角(鋭角)となる。これにより、生体分子溶液に浸漬させた後、小径部2Bの側面に付着した生体分子溶液を、先端部3の側面3Bへ、さらに側面3Bから先端面3Aへと、スムーズに移行させることができる。したがって、本実施形態のスポットピン1は、従来のスポットピン101よりも、生体分子溶液の持ち出し量を低減しつつ、効率的に先端面3Aに生体分子溶液を供給することができる。
これに対して、先端部3の軸方向の長さL3を、従来のスポットピン101における先端部103の軸方向の長さL3’(図6を参照)よりも所定の長さ分だけ短くすることにより、本実施形態のスポットピン1における先端部3の側面3Bと段付き軸部2の軸方向との間の角度と、従来のスポットピン101における先端部103の側面103Bと軸部102の軸方向との間の角度とを同じ角度とすることもできる。
すなわち、本実施形態のスポットピン1によれば、小径部2Bの直径D2、小径部2Bの軸方向の長さL2及び先端部3の軸方向の長さL3を適宜選択することにより、生体分子溶液の持ち出し量、連続して形成可能なスポット数、スポットサイズを容易に最適化することができる。
本実施形態のスポットピン1の先端部3における先端面3Aには、所定量の溶液を保持するとともに溶液の落下を防止するために、溶液保持機構4が設けられている。具体的には、溶液保持機構4は、図2に示すように、先端面3Aの中心Cを中心とした環状の溝部(環状溝)4Aである。
ところで、従来のスポットピン101の先端部103における先端面103Aには、図7に示すように、環状の溝部が設けられていなかった。これに対して、本実施形態のスポットピン1によれば、先端面3Aに溝部を設けることにより、先端面3Aの表面積が増加するため、同一の直径を有する従来のスポットピン101よりも生体分子溶液の保持量を多くすることができるとともに、先端面3Aからの生体分子溶液の落下を抑制することができる。
また、本実施形態のスポットピン1に設けられた溶液保持機構4は、先端面3Aの中心Cを中心として、環状に(すなわち、不連続な部分がなく、周方向に連続して)設けられている。これにより、マイクロアレイを製造する際に先端面3Aのいずれかの部分に偏ることなく生体分子溶液を面内均一に保持することができるため、スポットの形状を一定に維持することができる。
図3に示すように、環状溝4Aの断面形状は、円弧状となっている。ここで、環状溝4Aの深さd及び幅Wは、所定量の溶液を保持するとともに溶液の落下を防止するために十分な大きさであれば、特に限定されるものではない。具体的には、環状溝4Aの幅Wとしては、例えば、0.001〜0.1mmの範囲としてもよく、0.002〜0.05mmの範囲とすることが好ましい。また、上記環状溝4Aは、1つでもよく、径の異なる溝を複数個有していてもよい。
本実施形態のスポットピン1の材料は、上述したような段付き軸部2と、先端面3Aに溶液保持機構4が設けられた先端部3とを形成することができるものであれば、特に限定されるものではない。このような材料としては、例えば、鉄、ステンレス、クロム、チタン、またはこれらの合金である金属材料や、セラミック等の無機材料の焼結体や、テフロン(登録商標)、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレンまたはこれらを混合させた樹脂材料等が挙げられる。これらの中でも、耐食性、溶接性、機械的性質が良好という観点からステンレスを用いることが好ましい。
また、本実施形態のスポットピン1の製造方法は、特に限定されるものではなく、スポットピン1の材料に応じて適宜選択することができる。具体的には、例えば、スポットピン1の材料として金属材料を使用する場合には、旋盤加工、鋳造等により、製造することができる。また、無機材料の焼結体を用いる場合には、旋盤加工等ことにより、製造することができる。また、樹脂材料を使用する場合には、旋盤加工、射出成型等により、製造することができる。
また、先端部3の先端面3Aに環状溝4Aを形成するには、先端部3の先端面3Aを、回転盤を用いて研磨する際に、形成することができる。なお、金属材料では、エッチングによっても形成することができる。
以上説明したように、本実施形態のスポットピン1によれば、二つの異なる径を有する段付き軸部2の小径部2Bの端部に先端部3が設けられた構成となっており、マイクロアレイを製造する際に先端部3及び段付き軸部2の小径部2Bを生体分子溶液に浸漬させることになるため、スポットの大きさや形状を維持しつつ、生体分子溶液の使用量を低減することができる。
また、本実施形態のスポットピン1によれば、先端部3の軸方向の長さL3が従来のスポットピン101における先端部103の軸方向の長さL3’と同一の長さである場合、先端部3の側面3Bと段付き軸部2の軸方向との間の角度が、小径部2Bを有さない従来のスポットピン101よりも狭角(鋭角)となる。これにより、生体分子溶液に浸漬させた後、小径部2Bの側面に付着した生体分子溶液を、先端部3の側面3Bへ、さらに側面3Bから先端面3Aへと、スムーズに移行させることができる。したがって、本実施形態のスポットピン1は、生体分子溶液の持ち出し量を低減しつつ、効率的に先端面3Aに生体分子溶液を供給することができる。
すなわち、本実施形態のスポットピン1によれば、小径部2Bの直径D2、小径部2Bの軸方向の長さL2及び先端部3の軸方向の長さL3を適宜選択することにより、生体分子溶液の持ち出し量、連続して形成可能なスポット数、スポットサイズを容易に最適化することができる。
本実施形態のスポットピン1によれば、環状溝4Aによって先端面3Aの表面積が増加するため、同一の直径を有する環状溝を有しないスポットピンよりも生体分子溶液の保持量を多くすることができるとともに、先端面3Aからの生体分子溶液の落下を抑制することができる。
また、本実施形態のスポットピン1によれば、溶液保持機構4である溝部が先端面3Aの中心Cを中心として環状に(すなわち、不連続な部分がなく、周方向に連続して)設けられている。これにより、マイクロアレイを製造する際に先端面3Aのいずれかの部分に偏ることなく生体分子溶液を面内均一に保持することができるため、スポットの形状を一定に維持することができる。
<マイクロアレイの製造方法>
次に、上述したスポットピン1を用いた本実施形態のマイクロアレイの製造方法について説明する。
本実施形態のマイクロアレイの製造方法では、上述したスポットピン1を用いて、生体分子が溶解又は分散した生体分子溶液を、基板表面に付着させて、前記基板表面に生体分子を配列し、固定化する。
本実施形態のマイクロアレイの製造方法では、液供給工程と、スポットピン接近工程と、スポット形成工程とを含む。
液供給工程は、スポットピン1に生体分子が溶解又は分散した生体分子溶液を供給する工程である。スポットピン1への生体分子溶液の供給は、スポットピン1を生体分子溶液に浸漬することで行うことができる。例えば、スポットピン1を先端部3側から生体分子溶液に浸して、小径部2Bの少なくとも一部が生体分子溶液に浸る程度まで、スポットピン1を生体分子溶液に浸した後、生体分子溶液からスポットピン1を引き上げる。これにより、スポットピン1の先端部3の側面3Bと小径部2Bの一部に生体分子溶液が付着する。
ここで、本実施形態のマイクロアレイの製造方法によれば、先端部3側に従来のスポットピンよりも軸径が小さな小径部2Bを有する段付き軸部2を備えたスポットピン1を用いている。このため、液供給工程において、スポットピン1を生体分子溶液に浸した後、生体分子溶液からスポットピン1を引き上げた際に、スポットピン1の先端部3の側面3Bと小径部2Bの一部に付着する生体分子溶液の量(すなわち、液の持ち出し量)を従来のスポットピンよりも低減することができる。
スポットピン接近工程は、基板にスポットピンを接近させる工程である。マイクロアレイの基板を用意する。次いで、上記液供給工程を経て生体分子溶液の付着したスポットピン1を基板のスポット形成予定位置上方に移動させる。このとき、スポットピン1の先端面3Aと、スポット形成予定位置である基板表面とが対向するようにスポットピン1を配置させることが好ましい。基板にスポットピンを接近させる方法は、例えば、静止状態の基板に対してスポットピンを移動させてもよく、静止状態のスポットピンに対して基板を移動させてもよい。
スポット形成工程は、生体分子溶液を、基板表面に付着させる工程である。スポットピン1を基板に向けて降下させ、スポットピン1に付着した生体分子溶液を基板に接触させて、スポットピン1に付着した生体分子溶液を基板に移行させ、生体分子を基板表面に付着させる。このとき、スポットピン1を基板に接触させてもよく、生体分子溶液を基板に接触させることが可能であれば、スポットピン1自体を基板に接触させなくともよい。例えば、スポットピン1の先端面3Aは基板に接触させずに、先端面3Aに保持させた生体分子溶液を基板に接触させることを行ってもよい。
基板に付着した生体分子は基板に固定化される。例えば、基板表面が生体分子と結合する又は生体分子と親和性の高い親和性物質で修飾された基板使用して、基板上に付着した生体分子を基板に固定することができる。基板上の親和性物質と生体分子との組み合わせは、生体分子の種類に応じて適宜定めればよく、例えば、アビジンとビオチン、Ni-NTA(nickel-nitrilotriacetic acid)とヒスチジン、一級アミノ基と糖鎖、活性エステル(AEGなど)とアミノ基(抗体等)の組み合わせが挙げられる。
前記基板表面に生体分子を配列する方法は、例えば、複数のスポットピンを予め配列させた状態で集合させたスポットピンの集合体を用い、集合体の各スポットピンのそれぞれに生体分子溶液を付着させ、スポットピンに付着した生体分子溶液を基板に接触させて生体分子溶液を基板表面に付着させ、基板表面に生体分子を配列させることが挙げられる。別の例としては、単一のスポットピンを用い、基板スポットピン1に付着した生体分子溶液を、繰り返し基板に接触させて生体分子を基板表面に付着させ、基板表面に生体分子を配列させることが挙げられる。
以上説明したように、本実施形態のマイクロアレイの製造方法によれば、上述したスポットピン1を用いるため、生体分子溶液を基板表面に付着させて、基板表面に生体分子を配列し固定化する際に、スポットの大きさや形状を維持しつつ、生体分子溶液の使用量を低減することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上述した実施形態のスポットピン1では、段付き軸部2の大径部2A及び小径部2Bの形状がいずれも円筒状である場合を一例として説明したが、大径部2Aは多角形状であってもよい。
また、上述した実施形態のスポットピン1における溶液保持機構4は、断面視した際の形状(断面形状)が円弧状の環状溝4Aによって構成される場合を一例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図4(a)に示すように、断面視した際の形状が矩形の環状溝54Aによって、溶液保持機構54が構成されていてもよい。さらには、断面視した際の形状が、三角形等の多角形状の環状溝(図示略)によって溶液保持機構が構成されていてもよい。
また、本発明のスポットピンにおける溶液保持機構は、先端部の先端面に環状に設けられていればよく、環状の溝に限定されるものではない。具体的には、本発明のスポットピンにおける溶液保持機構としては、例えば、図4(b)に示すように、断面視した際の形状が円弧状の環状突起64Bによって構成される溶液保持機構64であってもよいし、図4(c)に示すように、断面視した際の形状が矩形状の環状突起74Bによって構成される溶液保持機構74であってもよい。さらには、断面視した際の形状が、三角形等の多角形状の環状突起(図示略)によって溶液保持機構が構成されていてもよい。
すなわち、本発明のスポットピンにおける溶液保持機構は、先端部の先端面の中央を中心とする環状の溝部(凹部)又は突起部(凸部)のいずれか一つを有していればよい。換言すると、本発明のスポットピンにおける溶液保持機構は、先端部の先端面の中央を中心として同心円状に設けられている限りにおいて、断面視した際の形状及び直径がそれぞれ異なる環状溝と、断面視した際の形状及び直径がそれぞれ異なる環状突起とを組み合わせたものであってもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1及び図2に示すように、小径部あり、環状溝有りのピン(図1中に示すL:26.75mm、L1:15mm、L2:9.45mm、L3:2.3mm、D1:1.5mm、D2:1.0mm、D3:0.2mm)を用いて、スポッティング液に蛍光色素を添加した溶液(20μl)を基板上に200点スポットした。
その後、マイクロアレイスキャナを用いて蛍光量を測定した(レーザ励起共焦点集光方式やエバネッセント波励起型蛍光検出など)。
蛍光量の測定結果、及び、200点スポットを行った後のスポット溶液の残量を、下記の表1に示す。
(比較例1)
図5及び図6に示すように、小径部なし、環状溝なしのピン(図5中に示すL:26.75mm、L1’:24.45mm、L3’:2.3mm、D1’:1.5mm、D3’:0.2mm)を用いて、スポッティング液に蛍光色素を添加した溶液(20μl)を基板上に200点スポットした。
その後、マイクロアレイスキャナを用いて蛍光量を測定した(レーザ励起共焦点集光方式やエバネッセント波励起型蛍光検出など)。
蛍光量の測定結果、及び、200点スポットを行った後のスポット溶液の残量を、下記の表1に示す。
表1に示すように、基板上に200点スポットした結果、比較例1のスポットピン(従来のスポットピン)に対して実施例1のスポットピンでは、小径部があることでスポット液の使用量を減量することができ、環状溝があることでスポットの固定化量を多くできることが確認できた。
1・・・スポットピン
2・・・段付き軸部
2A・・・大径部
2B・・・小径部
2a・・・段部
3・・・先端部
3A・・・先端面
3B・・・側面
3a・・・基端
3b・・・先端
4,54,64,74・・・溶液保持機構
4A,54A・・・環状溝
64B,74B・・・環状突起

Claims (6)

  1. 生体分子が溶解又は分散した生体分子溶液を基板表面に接触させて付着させ、前記基板表面に前記生体分子を配列し固定化するために用いるスポットピンであって、
    二つの異なる径を有する段付き軸部と、
    前記段付き軸部の小径側の端部に設けられ、前記基板表面に溶液を点着する先端部と、を備えることを特徴とするスポットピン。
  2. 前記先端部が、基端側から先端側に漸次縮径されるとともに先端面を有する円錐台形状であることを特徴とする請求項1に記載のスポットピン。
  3. 前記先端面に、所定量の溶液を保持するとともに溶液の落下を防止する溶液保持機構が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のスポットピン。
  4. 前記溶液保持機構が、前記先端面に設けられた環状溝であることを特徴とする請求項3に記載のスポットピン。
  5. 前記溶液保持機構が、前記先端面に設けられた環状突起であることを特徴とする請求項3に記載のスポットピン。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のスポットピンを用いて、生体分子が溶解又は分散した生体分子溶液を、基板表面に付着させて、前記基板表面に前記生体分子を配列し固定化することを特徴とするマイクロアレイの製造方法。
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