JP2016118359A - 空調室内機 - Google Patents

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裕介 樽木
Yusuke Taruki
裕介 樽木
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Abstract

【課題】塵埃除去部がフィルタに沿って移動する清掃機構を備えていても、大型化するのを抑制することのできる空調室内機の提供。【解決手段】空調室内機は、ケーシングと、ケーシングに固定されているフィルタと、清掃機構と、を備える。清掃機構は、清掃ユニット73と、ダストボックス72と、を有する。清掃ユニット73は、フィルタに沿って移動する。清掃ユニット73は、第1ブラシ734と、本体部732と、を含む。第1ブラシ734は、フィルタの表面に付着した塵埃を除去して保持する。本体部732は、第1ブラシ734が保持できなかった塵埃を取る。ダストボックス72は、ケーシングの所定位置に固定されている。ダストボックス72は、第1ブラシ734が保持する塵埃を回収して貯留する。そして、清掃機構は、本体部732が取った塵埃をダストボックス72へと移す塵埃移動動作を行う。【選択図】図11

Description

本発明は、フィルタに付着した塵埃を自動的に除去する清掃機構を備える空調室内機に関する。
従来より、フィルタの表面に付着した塵埃を自動的に除去し、除去された塵埃を回収する機能を有する清掃機構を備える空調室内機がある。例えば、特許文献1(特開2008−121990号公報)に開示されている清掃機構では、フィルタの表面から塵埃を除去する塵埃除去部としての清掃ブラシと、清掃ブラシがフィルタの表面から除去した塵埃を貯留する塵埃貯留部としてのダストボックスとを有している。この清掃機構では、塵埃除去部がダストボックス内に設けられており、ダストボックスがフィルタに沿って移動することで、フィルタの表面から塵埃が除去され、かつ除去された塵埃が回収されてダストボックス内に溜められている。
ここで、塵埃貯留部内に貯留された塵埃を取り除く作業の回数を減らすために、塵埃貯留部を大型化して塵埃貯留部内に貯留できる塵埃量を増やすことが考えられる。しかしながら、特許文献1に開示されている清掃機構のように、フィルタの清掃時に塵埃貯留部がフィルタに沿って移動する構成である場合、塵埃貯留部を大型化すると、大型化した分だけ筐体内に移動スペースを設ける必要があり、この結果、空調室内機が大型化してしまうという問題がある。
そこで、本発明の課題は、塵埃除去部がフィルタに沿って移動する清掃機構を備えていても、大型化するのを抑制することのできる空調室内機を提供することにある。
本発明の第1観点に係る空調室内機は、ケーシングと、フィルタと、清掃機構と、を備える。ケーシングには、吸込口が形成されている。フィルタは、ケーシングに固定されている。フィルタは、吸込口からケーシング内に吸い込まれた室内空気中の塵埃を捕集するためのものである。清掃機構は、ユニットと、塵埃貯留部と、を有する。ユニットは、フィルタに沿って移動する。ユニットは、塵埃除去部と、塵埃保有部と、を含む。塵埃除去部は、フィルタの表面に付着した塵埃を除去して保持する。塵埃保有部は、塵埃除去部が保持できなかった塵埃を取る。塵埃貯留部は、ケーシングの所定位置に固定されている。塵埃貯留部は、塵埃除去部が保持する塵埃を回収して貯留する。そして、清掃機構は、塵埃保有部が取った塵埃を塵埃貯留部へと移す塵埃移動動作を行う。
本発明の第1観点に係る空調室内機では、塵埃を貯留する塵埃貯留部がケーシングの所定位置に固定されている。すなわち、塵埃貯留部が移動しない構成であるため、塵埃貯留部のサイズを大きくしても、可動部品である塵埃保有部のサイズを小さくすれば、ケーシング内における可動部品であるユニットの移動スペースの増加を抑制することができる。さらに、この空調室内機では、塵埃保有部の取った塵埃が塵埃貯留部へと移されて塵埃貯留部で回収されるため、塵埃保有部のサイズを小さくしても塵埃保有部に塵埃が溜まりすぎるのを防止することができる。
これによって、塵埃除去部がフィルタに沿って移動する清掃機構を備えていても、大型化するのを抑制することができる。
本発明の第2観点に係る空調室内機は、第1観点の空調室内機において、塵埃保有部は、開口部と、蓋とを含む。開口部には、開口が形成されている。蓋は、前記開口を覆っており、開閉可能である。そして、塵埃移動動作時には、ユニットの移動に応じてユニットの一部が塵埃貯留部に当接して蓋が開状態を採ることで、前記開口から塵埃貯留部へと塵埃が移動する。このため、この空調室内機では、簡易な構成により塵埃移動動作を行うことができる。
本発明の第3観点に係る空調室内機は、第1観点又は第2観点の空調室内機において、塵埃貯留部は、塵埃剥離部を有する。塵埃剥離部は、塵埃除去部が保持する塵埃を剥離させるためのものである。そして、清掃機構は、塵埃剥離部によって塵埃除去部が保持する塵埃を塵埃除去部から剥離させる塵埃剥離動作を行う。この空調室内機では、塵埃剥離動作により塵埃除去部から塵埃を剥離させることができるため、塵埃除去部に保持された塵埃が回収されないおそれを低減することができる。
本発明の第4観点に係る空調室内機は、第1観点から第3観点のいずれかの空調室内機において、塵埃移動動作時には、塵埃保有部は塵埃貯留部の上方に位置している。また、塵埃移動動作時には、清掃機構の平面視において、塵埃貯留部の少なくとも一部が塵埃保有部と重なるように配置されている。このため、この空調室内機では、塵埃の自重により塵埃保有部から塵埃貯留部へと塵埃を移動させることができる。
本発明の第5観点に係る空調室内機は、第1観点から第4観点のいずれかの空調室内機において、塵埃貯留部の容積は、塵埃保有部の容積よりも大きい。このため、この空調室内機では、塵埃保有部の容積と塵埃貯留部の容積とが同等以上であるよりも、可動部品であるユニットのサイズを小さくすることができる。これにより、空調室内機が大型化するのを抑制することができる。
本発明の第1観点に係る空調室内機では、塵埃除去部がフィルタに沿って移動する清掃機構を備えていても、大型化するのを抑制することができる。
本発明の第2観点に係る空調室内機では、簡易な構成により塵埃移動動作を行うことができる。
本発明の第3観点に係る空調室内機では、塵埃除去部に保持された塵埃が回収されないおそれを低減することができる。
本発明の第4観点に係る空調室内機では、塵埃保有部の塵埃の自重により塵埃保有部から塵埃貯留部へと塵埃を異動させることができる。
本発明の第5観点に係る空調室内機では、大型化するのを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る空調室内機の断面図。 本発明の一実施形態に係る空調室内機の断面図。 フレームに固定された保持枠にフィルタを設置した状態の斜視図。 ガイドフレームに設けられた移動経路を説明するための図。 フレームに固定された保持枠にフィルタを設置した状態の斜視図。 フレームに固定された保持枠にフィルタを設置した状態の斜視図。 フィルタの後側端部周辺の部分断面図。 清掃ユニットの斜視図。 清掃ユニットの断面図。 清掃ユニットの断面図。 清掃ユニット及びダストボックスの断面図。 フィルタの前側端部における清掃ユニットの側面図。 保持枠の前側端部における清掃ユニットの側面図。 フィルタの後側端部近傍における清掃ユニットの側面図。 ガイド部材上に位置する清掃ユニットの側面図。 第1ブラシ及び第2ブラシとフィルタの表面との関係を説明するための図。 フィルタの後側端部とガイド部材との位置関係を説明するための図。 塵埃回収動作時の清掃ユニットとダストボックスとの位置関係を説明するための図。 塵埃回収動作時の清掃ユニットとダストボックスとの位置関係を説明するための図。
以下、本発明に係る空調室内機100について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)空調室内機100の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る空調室内機100の断面図であって、清掃機構70の備える清掃ユニット73が初期位置にある状態を描いた図である。図2は、本発明の一実施形態に係る空調室内機100の断面図であって、清掃機構70の備える清掃ユニット73が保持枠250の前側端部250aにある状態を描いた図である。空調室内機100は、室内の壁面等に取り付けられ、室外に設置されている室外機(図示せず)に冷媒配管(図示せず)を介して接続されている。
空調室内機100は、室内を冷房する冷房運転及び室内を暖房する暖房運転を行うことができる。さらに、図1及び図2に示すように、空調室内機100は、フィルタ25を清掃するための清掃機構70を備えており、フィルタ25に対して清掃機構70の清掃ユニット73が移動することによって自動でフィルタ25から塵埃を除去する自動清掃運転を行うこともできる。
(2)詳細構成
空調室内機100は、主として、ケーシング11と、室内熱交換器13と、室内ファン15と、フィルタ25と、フレーム19と、ガイド部材14と、清掃機構70とを備えている(図1及び図2参照)。
(2−1)ケーシング11
ケーシング11は、横方向(空調室内機100の左右方向)に細長い箱状の形状を有している。ケーシング11は、図1及び図2に示すように、天面板11a、前面板11b及び背面板11cによって立体空間を形成し、その立体空間内に室内熱交換器13、室内ファン15、フレーム19、フィルタ25、ガイド部材14、底フレーム17及び清掃機構70が収納されている。
天面板11aは、ケーシング11の天面を構成する。前面板11bは、ケーシング11の正面を構成する。また、前面板11bは、その上端が天面板11aの一部分に回動自在に支持され、ヒンジ式に動作することができる。
背面板11cは、ケーシング11の背面を構成している。この背面板11cが、室内の壁面に設置された取り付け板(図示せず)にビス止め等によって取り付けられることによって、空調室内機100が室内の壁面に設置される。
ケーシング11の天面板11aには、天面板11aの前側から後側にかけて天面吸込口21が設けられている。この天面吸込口21から天面吸込口21近傍の室内空気が室内ファン15の駆動によってケーシング11内部へと取り込まれ、室内熱交換器13の前側熱交換部13a,13b及び後側熱交換部13cそれぞれに送られる。
図1の破線の矢印Aは、天面吸込口21及び前側熱交換部13bを介して室内ファン15へと送られる室内空気の流れを表している。
ケーシング11の下面は、底フレーム17の底部17aによって構成されているが、該下面には、下面吸込口22と、吹出口23とが形成されている。下面吸込口22は、吹出口23よりも壁側に設けられており、吸込流路16によってケーシング11の内部と繋がっている。下面吸込口22からは、下面吸込口22近傍の室内空気が、室内ファン15の駆動によってケーシング11内部へと取り込まれ、吸込流路16を通って室内熱交換器13の後側熱交換部13cへと送られる。
図1の破線の矢印Bは、下面吸込口22から後側熱交換部13cへと送られる室内空気の流れを表している。
吹出口23は、下面吸込口22よりも空調室内機100の正面側に設けられており、吹出流路18によってケーシング11の内部と繋がっている。天面吸込口21及び下面吸込口22から吸い込まれ室内空気は、室内熱交換器13にて熱交換された後、吹出流路18を通って吹出口23から室内へと吹き出される。
図1の破線の矢印Cは、吹出流路18から吹出口23を介して室内へと送られる空気の流れを表している。
吸込流路16は、下面吸込口22から底フレーム17の流路形成壁17bに沿って形成されている。そして、吹出流路18は吸込流路16と隣接して位置している。
なお、吹出口23付近には、水平フラップ23aがケーシング11に対して回動自在に取り付けられている。水平フラップ23aは、フラップ駆動用モータ(図示せず)によって回動し、空調室内機100の運転状態に応じて吹出口23を開閉する。更に、水平フラップ23aは、吹出口23から吹き出された室内空気がユーザの所望する方向へと案内されるように、室内空気の吹き出し方向を変更する機能を有する。
(2−2)室内熱交換器13
室内熱交換器13は、複数のフィンと複数の伝熱管とで構成されている。室内熱交換器13は、ケーシング11内部において、底フレーム17の一部分に取り付けられている。室内熱交換器13は、空調室内機100の運転状態に応じて蒸発器または凝縮器として機能し、冷媒と室内熱交換器13を通過する空気との間で熱交換を行わせる。
室内熱交換器13は、図1及び図2に示すように、側面視において両端が下方に向いて屈曲する略逆V字型の形状を有し、その下方に室内ファン15が位置している。
(2−3)室内ファン15
室内ファン15は、ケーシング11の内部に位置しており、空調室内機100の長手方向(左右方向)に細長い略円筒形状のクロスフローファンである。室内ファン15が稼働することによって、室内空気が天面吸込口21及び下面吸込口22それぞれから吸い込まれて室内熱交換器13を通過した後に、吹出口23から室内へと供給される(図1の破線の矢印A,B,Cを参照)。
(2−4)底フレーム17
底フレーム17は、底部17aと流路形成壁17bとで構成されている。底部17aは、ケーシング11の下面の少なくとも一部を構成する要素であって、底フレーム17のうちの空調室内機100の外部に露出する部分である。
流路形成壁17bは、底フレーム17のうちの、ケーシング11の内部に位置する部位である。流路形成壁17bは、底部17aの一端から上方に延びており、且つ室内ファン15の形状に沿って湾曲した形状を成している。
(2−5)フレーム19
図3は、ケーシング11及び底フレーム17を取り外した状態の空調室内機100の斜視図である。図4は、ガイドフレーム191を内側(図3に示す矢印a方向)から見た図である。なお、図3では、フィルタ25の一部、及び室内ファン15を省略して描いている。また、図4では、ダストボックス72及び清掃ユニット73が配置された状態を描いている。
フレーム19は、図3に示すように、3つのガイドフレーム191,192,193と、各ガイドフレーム191,192,193の前後端部を連結する連結部材194と、を有する。ガイドフレーム191,192,193には、後述する清掃ユニット73をフィルタ25に沿って移動させるためのスリット状の移動経路195が設けられている(図4参照)。さらに、ガイドフレーム191,192,193には、清掃ユニット73に後述する接触動作を行わせるための接触用ガイド部196が設けられている。接触用ガイド部196は、ここでは、空調室内機100の正面視において左側に位置するガイドフレーム191及び右側に位置するガイドフレーム193では、内側面であって移動経路195の後側端部近傍に設けられており、空調室内機100の正面視において中央に位置するガイドフレーム192では、両側面であって移動経路195の後側端部近傍に設けられている。また、接触用ガイド部196は、移動経路195の後側端部に向かうにつれて移動経路195と接触用ガイド部196との距離が徐々に小さくなるように構成された接触面197を含んでいる。
(2−6)フィルタ25
図5及び図6は、フィルタ25を装着した状態の保持枠250が固定されたフレーム19の一部を斜め方向から見た図である。また、図5及び図6では、空調室内機100の正面視において右側に位置するフィルタ25のみが保持枠250に装着された状態を描いており、特に、図6では、フィルタ25のフィルタ部251を省略して描いている。
フィルタ25は、天面吸込口21及び下面吸込口22から吸い込まれた室内空気中の塵埃を捕集するためのものである。フィルタ25は、ケーシング11の天面板11aと室内熱交換器13との間に配置されており、ケーシング11の内部に着脱可能になっている。そして、フィルタ25は、ケーシング11の内部に装着されて固定されることで、前側熱交換部13a,13b及び後側熱交換部13cを覆う。
フィルタ25は、その中央の部分がケーシング11の天面板11aに沿って延びており、更にはその前後方向における前側端部25a及び後側端部25bが室内熱交換器13の頂点13dよりも下方に垂れ下がっている。すなわち、フィルタ25は、室内熱交換器13の上方を覆うような略逆U字形状を有している。そして、ここでは、図1及び図2に示すように、フィルタ25は、その後側端部25bが後側熱交換部13cの上部から中央部にかけて覆う位置にまで達しており、その前側端部25aが前側熱交換部13b全てを覆い且つ前側熱交換部13aの上部から中央部にかけて覆う位置にまで達している。それゆえ、後側熱交換部13cに対応するフィルタ25の部分は、下面吸込口22から吸い込まれた室内空気から塵埃を捕集することができる。また、前側熱交換部13a,13bに対応するフィルタ25の部分は、天面吸込口21から吸い込まれた室内空気から塵埃を捕集することができる。このように、フィルタ25は、室内熱交換器13の表面が室内空気中の塵埃によって汚染されることを防いでいる。
フィルタ25は、長方形状を呈する平板状の部品であって、室内空気中の塵埃を捕集するフィルタ部251と、フィルタ部251を囲むように枠状に形成されているフィルタ枠252と、を有する(図5及び図6参照)。フィルタ部251は、例えば、樹脂製の糸で平織りまたは綾織された網より構成されている。フィルタ枠252は、フィルタ部251が所定のテンションを維持するようにフィルタ部251の周囲を保持している。
また、フィルタ25は、フレーム19に固定されている保持枠250に着脱自在に設けられている。保持枠250には、フィルタ25の長手方向の両端部(ここでは、左右端部)を支持する支持溝(図示せず)が設けられている。また、支持溝の後側端部には、フィルタ25が装着される際にフィルタ25の装着方向先端側の端部となるフィルタ25の後側端部25bが当接する当接部(図示せず)が設けられている。ユーザは、フィルタ25の後側端部25bが保持枠250の当接部に当接するまで、フィルタ25を保持枠250の支持溝に沿って移動させることで、室内熱交換器13の上方を覆うようにフィルタ25を装着することができる。
さらに、保持枠250には、清掃ユニット73に後述する離反動作を行わせるための離反用ガイド部253が設けられている。離反用ガイド部253は、ここでは、保持枠250の前側端部250aの左右両端にのみ設けられており、先端(ここでは、保持枠250の前側端部250a)に向かうにつれて斜め前方向に傾斜した傾斜面253aを含んでいる(図5及び図6参照)。なお、保持枠250は、正面視において、左右方向に並ぶように、フレーム19に2つ固定されている。そして、フィルタ25は、フレーム19に設置された状態で、正面視において、右側と左側とに並ぶように2つ設置される。
(2−7)ガイド部材14
図7は、フィルタ25の後側端部25bとガイド部材14との位置関係を説明するための図である。
ガイド部材14は、空調室内機100の長手方向に長い部品であって、本実施形態では長方形状を呈する平板状の部品である。ガイド部材14は、フィルタ25の装着時にフィルタ25の端部(ここでは、フィルタ25の後側端部25b)をその上面の一部に乗り上げさせることで、フィルタ25を所定位置(ここでは、図7に示す位置)へと導くためのものである。ガイド部材14は、フィルタ25の後側端部25b近傍から後方に向かって延びるようにガイドフレーム191,192,193に固定されている。図7では、ガイド部材14は、フィルタ25の後側端部25bの手前からフィルタ25の装着方向(図7に示す矢印Z方向)に沿って延びるように配置されている。
本実施形態のガイド部材14は、所定位置に配置されたフィルタ25の後側端部25bが乗り上がる部分を含むガイド部141と、ガイド部141近傍であって平面視においてフィルタ25の後側端部25bと重なっていない主部142と、を主に有している。主部142は、ガイド部材14の短手方向(ここでは、前後方向)において曲率が変わる変曲部143を含む。変曲部143は、主部142の一方の端部(ここでは、前方の端部)に位置しており、ガイド部141に隣接している。また、変曲部143の曲率は、主部142の変曲部143以外の部分及びガイド部141のそれぞれの曲率よりも小さくなるように構成されている。すなわち、変曲部143はガイド部材14の曲り基点となっており、図7に示すように、ガイド部材14は変曲部143を中心として略逆V字状に屈曲している。
また、ガイド部材14の材料としては、各種金属や樹脂等の様々なものが採用され得る。本実施形態のガイド部材14は平板状の部品であるため、例えば、上面へのフィルタ25の後側端部25bの乗り上げやすさを考慮して、加工が容易でありかつ表面の滑らかな板金がガイド部材14として採用されてもよい。また、コスト面を考慮して、ガイド部材14として樹脂製の平板部品が採用されてもよい。
(2−8)清掃機構70
清掃機構70は、清掃ユニット73と、駆動機構71と、塵埃貯留部としてのダストボックス72と、を含んでいる。駆動機構71は、清掃ユニット73を所定の軌道上で往復移動させる。清掃ユニット73は、フィルタ25に付着した塵埃を除去して保持する。ダストボックス72には、清掃ユニット73がフィルタ25から除去した塵埃が溜められる。
清掃機構70は、駆動機構71によって清掃ユニット73を所定の軌道に沿って往復移動させ、フィルタ25に付着した塵埃を清掃ユニット73によって除去して保持する。また、清掃機構70は、清掃ユニット73の往復移動を利用して、清掃ユニット73がフィルタ25から除去して保持した塵埃を、ダストボックス72へと溜める。
(3)清掃機構70の詳細説明
(3−1)清掃ユニット73
図8は、清掃ユニット73の左側端部付近を斜め上から見た図である。図8(a)は、近接状態を採る清掃ユニット73を描いており、図8(b)は、離反状態を採る清掃ユニット73を描いている。図9は、清掃ユニット73を図8(a)の矢印b−bで切断した断面を描いた図である。図10は、清掃ユニット73の断面図である。図10(a)は、清掃ユニット73を図8(a)の矢印c−cで切断した断面を描いている。図10(b)は、清掃ユニット73を図8(b)の矢印d−dで切断した断面を描いている。なお、図9では、フィルタ25を挟んだ状態の清掃ユニット73の断面を描いている。
清掃ユニット73は、第1部材731と第2部材741とが組み合わされることで構成されている。また、清掃ユニット73は、空調室内機100の正面視において、右側と左側とに並ぶように2つ設けられており、各清掃ユニット73が連結されている。
(3−1−1)第1部材731
第1部材731は、フィルタ25の空気流れ下流側に配置される。第1部材731は、塵埃保有部としての本体部732と、ローラ733と、塵埃除去部としての第1ブラシ734と、を有する。
本体部732は、空調室内機100の長手方向に沿った細長い形状を成している(図8参照)。本体部732は、図9に示すように、開口部としての第1部分732aと、蓋732bと、を含む。第1部分732aは、一方向に開口した箱状の部材であり、蓋732bは、第1部分732aの開口732uを覆う開閉可能な部材である。図9では、第1部分732aは、下方に開口している。また、開口732uとは別に、第1部分732aの一部には、第1部分732aの長手方向に沿って延びる開口732fが形成されている。図9では、第1部分732aの前部に、長方形状の開口732fが形成されている。そして、該開口732fは、前部の長手方向に直交する短手方向の中央部分において、前部の長手方向の一方の端部近傍から他方の端部近傍まで設けられている。
蓋732bは、本体部732の長手方向に沿った細長い部材である。蓋732bは、清掃ユニット73の移動に応じて清掃ユニット73の一部がダストボックス72に当接することで第1部分732aの開口732uを開くような構成になっている。例えば、蓋732bの一部が回動自在に支持されており、ヒンジ式に動作することで、蓋732bが第1部分732aの開口732uを開閉する構成であってもよい。本実施形態では、図9に示すように、蓋732bの長手方向に直交する短手方向の端部のうちの後側端部が第1部分732aの後部に回動自在に支持されている。そして、蓋732bの回動軸よりも後方には、蓋側開閉用リブ732rが設けられている。また、蓋732bは、バネ部材等の図示しない付勢部材により、第1部分732aの開口732uを塞ぐ方向に付勢されている。これによって、蓋732bは、第1部分732aの開口732uを閉じた図9に示す姿勢を保つことができる。
ローラ733は、本体部732の長手方向の両端部(左右両端部)近傍に設けられている。ローラ733は、本体部732の長手方向に延びる回転軸を中心として回転可能であり、ガイドフレーム191,192,193の移動経路195内に配置される。そして、ローラ733が移動経路195内の面に当接しながら移動経路195に沿って転がることで、第1部材731が移動経路195に沿った軌道を描きながら移動することになる。
第1ブラシ734は、フィルタ25の後面すなわちフィルタ25の空気流れ下流側に位置する面(以下、下流側面25f1という)に付着している塵埃を除去するために設けられている。第1ブラシ734は、本体部732の長手方向の一方の端部近傍から他方の端部近傍まで、本体部732の第1部分732aの開口732fの長手方向に沿って配置されている。ここでは、第1ブラシ734は、本体部732の第1部分732aの開口732fの短手方向の中央部分に第1ブラシ734が配設されている。また、ここでは、第1ブラシ734が平板状に形成されている。このため、第1ブラシ734の周縁部のうちの短手方向の両端部(図9では、上下端部)と第1部分732aの前部との間には、それぞれ本体部732の長手方向に沿って延びる開口732f1,732f2が存在することになる。
第1ブラシ734は、例えば、樹脂製の平板状の第1基台734aと、複数の線状の毛材734cと、を有する。毛材734cは、第1基台734aの第1面734bに植設されており、図9では、毛材734cの延びる方向が前方を向くように設けられている。そして、第1ブラシ734の毛材734cは、フィルタ25の下流側面25f1と接触する。よって、毛材734cは、フィルタ25の表面に直接接触可能な長さとなるように第1ブラシ734が設計されている。なお、本実施形態では、第1ブラシ734には複数の線状の毛材734cが第1基台734aに植毛されたものを利用しているが、これに限定されるものではなく、フィルタ25の下流側面25f1から塵埃を除去する機能を有するものであれば適宜採用することができる。
さらに、第1部材731の長手方向の両端部(左右両端部)には、第2部材741に向かって延びる第1締結部735が立設されている。第1締結部735の上端部近傍には開口739が形成されている(図10参照)。また、第1締結部735の上端部の内面(中央側の面)であって該開口739の縁部上方には、内側(中央側)に向かって突出する第1突起部736が設けられている。ここでは、第1突起部736は、その断面が2つの傾斜面736a,736bを有する三角形状を呈するように形成されている。
(3−1−2)第2部材741
第2部材741は、第1部材731と同様に、空調室内機100の長手方向に沿った細長い形状を成している(図8参照)。第2部材741は、フィルタ25の上流側面25f2に接触する第2ブラシ742を有する。
第2ブラシ742は、第2部材741の長手方向の一方の端部近傍から他方の端部近傍まで、第2部材741の長手方向に沿って配置されている。ここでは、第2ブラシ742が平板状に形成されている。第2ブラシ742は、フィルタ25の空気流れ上流側に配置されている。第2ブラシ742は、フィルタ25の上流側面25f2に付着している塵埃を除去するために設けられている。そして、ここでは、第1ブラシ734及び第2ブラシ742には、異なるタイプのブラシが採用されている。
第2ブラシ742は、例えば、樹脂製の第2基台742aと、複数の毛742cと、を有する。複数の毛742cは、第2基台742aの第2面742bに植設されており、図9では、毛742cの延びる方向が斜め後下方を向くように設けられている。複数の毛742cは、後述する近接状態のときに、フィルタ25の表面に直接接触可能な長さとなるように第2ブラシ742が設計されている。
ここで、本実施形態の第2ブラシ742には、パイル織りされた織物基布を利用している。織物基布は、織物の表面を覆っているパイル糸が一定の角度で傾斜するように織られており、細かな塵埃を捕集することができる。よって、本実施形態の複数の毛742cとは、パイル織りされた織物基布の表面の短い繊維(パイル糸)のことである。なお、本実施形態では、第2ブラシ742にパイル織りされた織物基布を利用しているが、これに限定されるものではなく、フィルタ25の上流側面25f2から塵埃を取り去る機能を有するものであれば適宜採用することができる。また、清掃ユニット73では、第1基台734aの第1面734bと第2基台742aの第2面742bとは、フィルタ25に直交する方向から視て、少なくともその一部が重なるように対向して位置している。そして、図9に示すように、第1ブラシ734と第2ブラシ742とは、フィルタ25を挟んで向かい合うように配置されている。
第2部材741の長手方向の両端部(左右両端部)には、第1締結部735の延びる方向に沿って延びる第2締結部747が設けられている(図8(a)参照)。第2締結部747は、第1締結部735の外側に位置する外側壁部743と、第1締結部735の内側に位置する内側壁部744と、外側壁部743と内側壁部744とを一体化するための繋ぎ部745と、を有する。内側壁部744の外面(外側壁部743に近い側の面)には、外側(外側壁部743側)に向かって突出する第2突起部746が設けられている。ここでは、第2突起部746は、その断面形状が1つの傾斜面746aを有する三角形状を呈するように形成されている。繋ぎ部745は、第1締結部735の開口739を貫通するように配置されており、内側壁部744において第2突起部746よりも下方の部分と外側壁部743とを接続している。
(3−1−3)近接状態及び離反状態
清掃ユニット73は、第1ブラシ734と第2ブラシ742とが近接している近接状態(図8(a)参照)と、第1ブラシ734と第2ブラシ742とが離反している離反状態(図8(b)参照)と、を採る。
近接状態では、図10(a)に示すように、第1突起部736の傾斜面736aと第2突起部746の傾斜面746aとが当接しており、繋ぎ部745の下面745aと開口739下部を規定する面739aとが近接又は一部当接している。一方で、離反状態では、図10(b)に示すように、第1突起部736の傾斜面736bと第2突起部746の下面746bとが近接又は一部当接しており、第1突起部736の傾斜面736aと繋ぎ部745の上面745bとが近接又は一部当接している。
なお、清掃ユニット73における離反状態と近接状態との切り替の態様がよりクリアになるように、例えば、第2部材741において図10(a)に示す空間Sに、内側壁部744を第1締結部735に向かって付勢するバネ等の付勢部材が配設されていてもよい。
(3−2)駆動機構71
駆動機構71は、清掃ユニット73を、フィルタ25の上流側面25f2及び下流側面25f1に沿うように、移動経路195内の一方の端部と他方の端部との間を往復して移動させる。駆動機構71は、例えば、図3に示すように、駆動モータ74と、駆動モータ74の回転力を清掃ユニット73に伝達する駆動ベルト75とを有している。
(3−2−1)駆動モータ74
駆動モータ74は、ガイドフレーム191,193の外側面に設けられており、専用のギアケース内に収納されている。駆動モータ74は、1又は複数のギアを介して駆動ベルト75近傍に位置するピニオンギア(図示せず)を回転させる。
(3−2−2)駆動ベルト75
駆動ベルト75は、ガイドフレーム191,193の前側端部に設けられた前側プーリ75aと、ガイドフレーム191,193の後側端部に設けられた後側プーリ(図示せず)との間に掛け回された環状のベルトである。駆動ベルト75の外面には、ピニオンギアと噛み合うラックギア(図示せず)が設けられており、駆動モータ74が駆動することで、ピニオンギアが回転し、駆動ベルト75が回転可能な構成になっている。
駆動ベルト75には、第1部材731の長手方向の一方の端部にある連結部738が固定されている。具体的には、空調室内機100の正面視において、左側の清掃ユニット73の第1部材731の有する2つの連結部738では左側に位置する連結部738と駆動ベルト75とが固定されており、右側の清掃ユニット73の第1部材731の有する2つの連結部738では右側に位置する連結部738と駆動ベルト75とが固定されている。また、各清掃ユニット73において駆動ベルト75が固定されていない側の各連結部738は、各連結部738同士で連結されることで、各清掃ユニット73が一体化されている。これにより、駆動ベルト75が回転することで、清掃ユニット73がガイドフレーム191,192,193の移動経路195に沿って図4に示す矢印X、Y方向に往復移動する。
(3−3)ダストボックス72
図11は、保持枠250の前側端部250aに位置した状態の清掃ユニット73及びダストボックス72の断面図である。なお、図11では、保持枠250を省略して描いている。
ダストボックス72は、清掃ユニット73とは別体として、ケーシング11の所定位置に固定される。ここでは、ダストボックス72は、清掃ユニット73の移動方向(第1ブラシ734及び第2ブラシ742の移動方向)の延長線上に配置されている。より詳しくは、ダストボックス72は、ケーシング11において保持枠250の前側端部250aよりも下方に、すなわち、フィルタ25の前側端部25aの下方に固定されている。
ここでは、ダストボックス72内には、第1ブラシ734及び第2ブラシ742によって除去されたフィルタ25の塵埃が溜められる。そして、ダストボックス72は、フレーム19に対し着脱可能に取り付けられている。このため、ユーザは、ダストボックス72をフレーム19及びケーシング11から取り外して、ダストボックス72内に溜まった塵埃を容易に処理することができる。また、ダストボックス72は、主として、本体721と、剥離ブラシ725,726と、を有する。
(3−3−1)本体721
本体721は、空調室内機100の長手方向に沿った細長い部材である(図3参照)。本体721は、図11に示すように、上方に開口した箱状を呈している。本体721の開口721aの周縁部のうちの長手方向に位置する両縁部には、清掃ユニット73の有する第1部材731の蓋732bを開閉するためのダストボックス側開閉用リブ721rが設けられている。ここでは、図11に示すように、ダストボックス側開閉用リブ721rは、上方に突出するように設けられている。また、ダストボックス72の直上に清掃ユニット73が位置している場合、蓋側開閉用リブ732rとダストボックス側開閉用リブ721rとは上下に対向して位置する。そして、清掃ユニット73が移動することによって、蓋側開閉用リブ732rがダストボックス側開閉用リブ721rに当接し、蓋732bが第1部分732aに対して回動する。これにより、第1部分732aの開口732uが開いた状態になる。
なお、本実施形態では、本体721の容積は、第1部材731の本体部732の容積よりも大きくなるように設計されている。
(3−3−2)剥離ブラシ725,726
剥離ブラシ725,726は、清掃ユニット73の有するブラシ734,742に付着している塵埃、すなわちブラシ734,742が保持している塵埃を剥離させて回収するための塵埃回収ブラシとして設けられている。剥離ブラシ725,726は、本体721の長手方向に沿った細長い部材であって、本実施形態では平板状に形成されている。剥離ブラシ725,726は、本体721の長手方向の一方の端部近傍から他方の端部近傍まで、本体721の長手方向に直交する短手方向の中央部分に配置されている。そして、剥離ブラシ725,726は、ブラシ734,742の移動方向の延長線上に配置されている。したがって、清掃ユニット73が、フィルタ25の表面に付着した塵埃を除去するための移動(ここでは、往路移動)をそのまま続けると、ブラシ734,742が保持している塵埃を剥離させて回収することができる。なお、本実施形態の剥離ブラシ725,726は、本体721の開口721a面よりも上方に突出して設けられている。
剥離ブラシ725,726は、ブラシ734,742が保持している塵埃を掻き取って受け取ることでブラシ734,742から塵埃を剥離させ、ブラシ734,742と剥離ブラシ725,726との摺接を利用して剥離ブラシ725,726がブラシ734,742から受け取った塵埃を集めながら回収し本体721内部へと落とす。このような機能を持たせるため、剥離ブラシ725,726の毛は、剥離ブラシ725,726の近傍に位置した状態のブラシ734,742に逆らう方向に向かって延びている。なお、本実施形態のブラシ734,742は剥離ブラシ725,726に対して往復移動するため、剥離ブラシ725,726の毛は、ブラシ734,742の一方の移動時(本実施形態では、往路移動時)のブラシ734,742に逆らう方向に延びている。
また、本実施形態では、剥離ブラシ725,726には、第1ブラシ734に保持されている塵埃を剥離させて回収するための第1剥離ブラシ725と、第2ブラシ742に保持されている塵埃を剥離させて回収するための第2剥離ブラシ726と、が含まれる。そして、図11では、第1剥離ブラシ725の毛は、基台727の後面から斜め後上方に延びるように設けられている。また、図11では、第2剥離ブラシ726の毛は、基台727の前面から斜め前上方に延びるように設けられている。なお、剥離ブラシ725,726には、例えば、基台727に線状の毛材を植毛したものの他、基台727にパイル織りされた織物基布を貼り付けたもの等、ブラシ734,742から塵埃を剥離させて回収することのできるものが適宜採用される。また、清掃ユニット73の移動方向に平行な方向の剥離ブラシ725,726の寸法(図11の状態での上下寸法)は、第1ブラシ734及び第2ブラシ742の該方向の寸法に応じて、第1ブラシ734及び第2ブラシ742が保持している塵埃をより確実に剥離させて回収できるように適宜設計される。ここで、第1ブラシ734及び第2ブラシ742に塵埃が残らないように第1ブラシ734及び第2ブラシ742から塵埃を剥離させて回収するためには剥離ブラシ725,726の該寸法が1mm〜10mmの範囲内にあることが好ましく、加えて清掃機構70の大型化を抑制するためには該寸法が1mm〜5mmの範囲内にあることが好ましい。なお、本実施形態では、傾斜した状態の剥離ブラシ725,726の該寸法を2mm前後に設定している。
(4)第1ブラシ734と第2ブラシ742との対比
図12は、フィルタ25の前側端部25aに位置する清掃ユニット73を側面から見た図である。図13は、フィルタ25の前側端部25aよりも下方に位置する清掃ユニット73を側面から見た図であって、図12の清掃ユニット73が矢印X方向にさらに移動した状態を描いている。図14は、フィルタ25の後側端部25b近傍に位置する清掃ユニット73を側面から見た図である。図15は、フィルタ25の後側端部25bよりも後方に位置する清掃ユニット73を側面から見た図であって、図14の清掃ユニット73が矢印Y方向にさらに移動した状態を描いている。
(4−1)構成及び動作
第1ブラシ734は、フィルタ25の空気流れ下流側に配置されており、本実施形態では、清掃ユニット73のフィルタ25に対する往復移動動作時には常に、すなわち清掃ユニット73の往路移動動作時及び復路移動動作時共に、毛材734cの毛先がフィルタ25の下流側面25f1に接触している。これに対して、第2ブラシ742は、フィルタ25の空気流れ上流側に配置されており、本実施形態では、清掃ユニット73のフィルタ25に対する往復移動動作時において、一方向移動動作時(ここでは、清掃ユニット73の往路移動動作時)には、毛742c(織物基布のパイル糸)がフィルタ25の上流側面25f2に接触しており、他方向移動動作時(ここでは、清掃ユニット73の復路移動動作時)には、毛742cがフィルタ25の上流側面25f2には接触していない。
また、第1ブラシ734を有する第1部材731及び第2ブラシ742を有する第2部材741のうちの少なくとも一方の部材が、フィルタ25の表面(上流側面25f2及び下流側面25f1)に交差する方向に直線的に移動してフィルタ25の表面から離反する離反動作、及び、離反動作時に移動した方向とは反対方向に直線的に移動してフィルタ25の表面に接触する接触動作、を行う。これにより、移動する部材全体がフィルタ25の表面から離れたり近づいたりするため、第1ブラシ734及び/又は第2ブラシ742とフィルタ25の表面との距離が一律に変化することになる。
ここでは、第2部材741がフィルタ25の表面から離反する離反動作が行われる。離反動作では、第2ブラシ742の毛先とフィルタ25の上流側面25f2との間に隙間が生じる位置まで第2部材741が第1部材731に対して移動する。なお、離反動作の際、第1部材731のフィルタ25の表面に対する距離は変わらない。離反動作が行われることで、清掃ユニット73が離反状態を採ることになる。離反状態を採る清掃ユニット73がフィルタ25に対して移動する場合、第1ブラシ734の毛先はフィルタ25の下流側面25f1に接触した状態で移動することになり、第2ブラシ742の毛先はフィルタ25の上流側面25f2に接触していない状態で移動することになる。
また、ここでは、第2部材741がフィルタ25の表面に接触する接触動作が行われる。接触動作では、第2ブラシ742の毛先とフィルタ25の上流側面25f2との間に隙間が生じない位置まで第2部材741が第1部材731に対して移動する。なお、接触動作の際、第1部材731のフィルタ25の表面に対する距離は変わらない。接触動作が行われることで、清掃ユニット73が近接状態を採ることになる。近接状態を採る清掃ユニット73がフィルタ25に対して移動する場合、第1ブラシ734の毛先はフィルタ25の下流側面25f1に接触した状態で移動することになり、第2ブラシ742の毛先はフィルタ25の上流側面25f2に接触した状態で移動することになる。
なお、ここでは、清掃ユニット73において、離反動作は往路移動動作の最後に行われ、接触動作は復路移動動作の最後に行われる。すなわち、離反動作及び接触動作は、いずれもフィルタ25の表面に沿った移動に応じて行われる。さらに、ここでは、清掃ユニット73の離反動作は、第2部材741が保持枠250に設けられた離反用ガイド部253に導かれて移動することで行われる。より詳しくは、図12に示すように、保持枠250の前側端部250aに設けられた離反用ガイド部253の傾斜面253aと、第2部材741の長手方向に交差する方向の短手方向の両端部のうちの図12において下方に位置する側の端部741aの面741fとが当接した状態で清掃ユニット73が矢印X方向に移動することで、図13に示すように、第2部材741がフィルタ25の上流側面25f2に交差する方向であって第1部材731から離れる方向(図13では、前方)へと移動する。なお、ここでは、第2部材741は、離反用ガイド部253の傾斜面253aに沿って移動するため、フィルタ25の上流側面25f2に交差する方向へと徐々に移動することになる。また、ここでは、清掃ユニット73の接触動作は、第2部材741がガイドフレーム191,192,193に設けられた接触用ガイド部196に導かれて移動することで行われる。より詳しくは、図14に示すように、ガイドフレーム191,192,193において移動経路195の後側端部近傍に設けられた接触用ガイド部196の接触面197と第2部材741の外側壁部743の上面743aとが当接した状態で清掃ユニット73が矢印Y方向に移動することで、図15に示すように、第2部材741がフィルタ25の上流側面25f2に交差する方向(ここでは、直交する方向)であって第1部材731に向かう方向(図15では、斜め前下方)へと移動する。
(4−2)フィルタ25との接触角度
図16は、第1ブラシ734及び第2ブラシ742とフィルタ25の表面との関係を説明するための図である。図16に示すように、第2ブラシ742の毛742cがフィルタ25の上流側面25f2に向かって延びる方向と、フィルタ25の上流側面25f2とによって形成される角度である第2角度θ2は、90度より小さい角度である。したがって、第2ブラシ742の毛742cの延びる向きは、フィルタ25の上流側面25f2に対して傾斜している、いわゆる傾斜ブラシといえる。なお、第2角度θ2は、第2ブラシ742がフィルタ25の上流側面25f2から塵埃を取り除く機能を発揮する清掃ユニット73の移動動作時(ここでは、清掃ユニット73の往路移動動作時)に、第2ブラシ742の毛742cがフィルタ25の上流側面25f2に向かって延びる方向と、フィルタ25の上流側面25f2において第2ブラシ742によって塵埃が取り除かれた後の部分であって第2ブラシ742の毛742cの接触部分近傍の部分と、によって形成される角度である。ここでは、第2角度θ2が鋭角であるため、清掃ユニット73の往路移動動作時には、第2ブラシ742の毛742cが、清掃ユニット73の移動方向に逆らう方向を向くようにフィルタ25の上流側面25f2に対して傾斜している。なお、第2角度θ2は0〜90度の角度範囲内にあればよく、本実施形態では、第2角度θ2が約40度となるように第2ブラシ742が設計されている。
これに対して、図13に示すように、第1ブラシ734の毛材734cがフィルタ25の下流側面25f1に向かって延びる方向と、フィルタ25の下流側面25f1とによって形成される角度である第1角度θ1は、第2角度θ2よりも大きくなるように設計されている。そして、本実施形態では、第1ブラシ734は、毛材734cがフィルタ25の下流側面25f1に対して直交する方向に沿って延びるように構成された、いわゆる直毛ブラシといえる。なお、ここでいう、毛材734cがフィルタ25の下流側面25f1に対して直交する方向に沿って延びるように構成されているとは、フィルタ25の下流側面25f1に対して第1ブラシ734の毛材734cの延びる方向が全く傾斜していない状態であるものの他、フィルタ25の下流側面25f1に対して±15度程度傾いているものまで含まれる。そして、本実施形態では、第1角度θ1が約90度となるように第1ブラシ734が設計されている。
(4−3)毛足
図17は、フィルタ25の塵埃除去動作開始時の第2ブラシ742の概念図である。
第1ブラシ734では、第1基台734aに樹脂製の毛材734cが植え込まれており、毛材734cの毛足は比較的長い。これに対して、第2ブラシ742は、第2基台742aの上に織物基布が貼り付けられることで構成されており、第2ブラシ742の織物基布の表面は、第1ブラシ734の毛材734cに比べて短い毛742c(パイル糸)で覆われている。
そして、本実施形態では、図17に示すように、第2ブラシ742の毛742cの高さh(ここでは、第2基台742aの第2面742bから毛742cの先端までの最短距離)が、ガイド部材14の主部142の上面と所定位置に配置されたフィルタ25の後側端部25bの上面25ofとの段差145よりも大きくなるように、フィルタ25、ガイド部材14及び第2ブラシ742がそれぞれ構成されている。より詳しくは、段差145とは、所定位置に配置されたフィルタ25の後側端部25bの上面25ofと変曲部143の上面143ofとの間の距離であって、清掃ユニット73の移動方向に直交する方向に沿った距離であり、この段差145が、第2ブラシ742の毛742cの高さhよりも小さくなっている。また、図17に示すように、ガイド部材14のガイド部141の上面のうちの所定位置に配置されたフィルタ25の後側端部25bと平面視において重なっている面141of1やガイド部141の上面のうちの所定位置に配置されたフィルタ25の後側端部25bと平面視において重なっていない面141of2は、変曲部143の上面143ofを仮想的にフィルタ25側に向かって延ばした仮想延長面pfよりも下方に位置している。そして、清掃機構70による塵埃除去動作の開始時には、清掃ユニット73の第2ブラシ742がガイド部材14の主部142側から段差145を通過することになる。
(5)清掃機構70の動作
図18及び図19は、清掃ユニット73のブラシ734,742が保持する塵埃を剥離させて回収する塵埃剥離動作及び第1部材731の本体部732が取った塵埃をダストボックス72へと移す塵埃移動動作を含む塵埃回収動作時の清掃ユニット73とダストボックス72との位置関係を示す概念図である。
空調室内機100は、ケーシング11内に清掃機構70の動作を制御する制御部(図示せず)を内蔵している。制御部は、空調室内機100の運転時間をカウントしており、前回の自動清掃運転からの累積運転時間が所定時間(例えば、24時間)に到達したときに、自動清掃運転を行う。自動清掃運転では、清掃ユニット73を所定回数(例えば、1回)だけ固定されているフィルタ25に対して往復移動させる往路移動動作及び復路移動動作の他に、清掃ユニット73の往復移動を利用してブラシ734,742が保持している塵埃を剥離させて回収すると共に、第1部材731の本体部732内に溜められた塵埃を回収する塵埃回収動作が行われる。次に、清掃機構70の各動作について説明する。
(5−1)往路移動動作
空調室内機100の運転停止時や通常運転(暖房運転や冷房運転)時には、清掃ユニット73は、図7に示すように、フィルタ25の後側端部25bよりも背面側のガイド部材14の主部142に位置しており、ここが清掃運転開始時の初期位置となっている。このため、清掃ユニット73が初期位置にある場合、第1ブラシ734及び第2ブラシ742はフィルタ25の後側端部25bよりも背面側に位置しており、かつ清掃ユニット73がフィルタ25とは重ならないようになっている。さらに、清掃ユニット73が初期位置にある場合、清掃ユニット73は第1部材731と第2部材741とが近接した近接状態を採っている。したがって、本実施形態では、清掃機構70による清掃運転の開始とほぼ同時にフィルタ25の塵埃除去動作が開始されることになる。
清掃運転が開始されると、まず、近接状態を採る清掃ユニット73が、フィルタ25に対して移動する往路移動動作(矢印X方向への移動動作)が行われる。往路移動動作では、初期位置にある清掃ユニット73が、フィルタ25の後側端部25bを通過し、フィルタ25の前側端部25aの下方まで移動する。ここで、清掃ユニット73の第2ブラシ742は、初期位置からフィルタ25の後側端部25bへと至る前に、ガイド部材14の主部142(変曲部143)の上面とフィルタ25の後側端部25bの上面25ofとの間の段差145を通過する。そして、往路移動動作では、第1ブラシ734の毛材734cがフィルタ25の下流側面25f1に接触して、下流側面25f1に付着している塵埃を上流側面25f2へと押し出す。一方で、第2ブラシ742の毛742c(織物基布のパイル糸)がフィルタ25の上流側面25f2に接触して、フィルタ25の上流側面25f2に付着している塵埃を捕獲する。なお、第2ブラシ742の毛742cは、清掃ユニット73の移動方向に逆らう向きに傾斜しているので、毛742cがフィルタ25の上流側面25f2に付着した塵埃を取り除き、毛742cの先から根元へと溜め込む。ここで、本実施形態の第1ブラシ734は、フィルタ25の下流側面25f1に付着している塵埃を上流側面25f2へと押し出す機能を主として有しているが、第1ブラシ734の毛材734cにも塵埃が付着するため第1ブラシ734も塵埃を保持する。そして、第1ブラシ734が保持しきれなかった塵埃は、開口732f1,732f2を介して本体部732の内部に取り込まれて溜められることになる。すなわち、本体部732は、第1ブラシ734が保持できなかった塵埃を取るものといえる。
そして、清掃ユニット73がフィルタ25の前側端部25aまで移動すると、離反用ガイド部253の傾斜面253aに沿って第2部材741が前方に押し出されることで、第1締結部735の第1突起部736と第2締結部747の第2突起部746とがそれぞれ相手側の傾斜面736a,746aに沿って移動し、第2突起部746が第1突起部736を乗り越える。これにより、第1突起部736が第2突起部746及び繋ぎ部745によって挟まれて係合した状態になり、第1部材731に対する第2部材741の位置が離反状態で固定される。近接状態から離反状態に切り替わった清掃ユニット73は、往路の終点である保持枠250の前側端部250aまで移動する。これにより、清掃ユニット73の往路移動動作が終了する。
(5−2)塵埃回収動作
保持枠250の前側端部250aまで移動した清掃ユニット73は、離反状態を採った状態のまま塵埃回収動作を行う。塵埃回収動作では、剥離ブラシ725,726の近傍で清掃ユニット73が複数回往復移動される。ここでは、第1ブラシ734及び第2ブラシ742が第1剥離ブラシ725及び第2剥離ブラシ726に対して直線に沿った軌道を描くように複数回(例えば、3回)往復移動する。ここでいう直線に沿った軌道とは、直線に対して全く湾曲していない軌道であってもよく、大きな曲線の軌道であってもよい。
なお、本実施形態では、清掃ユニット73が剥離ブラシ725,726近傍において鉛直方向に対して平行に移動するため、第1ブラシ734及び第2ブラシ742は第1剥離ブラシ725及び第2剥離ブラシ726に対して上下方向に延びる直線に沿った軌道を描く。このため、第1ブラシ734及び第2ブラシ742と第1剥離ブラシ725及び第2剥離ブラシ726とは相対的にスライド移動することになる。
また、塵埃回収動作では、図18及び図19に示すように、第1ブラシ734及び第2ブラシ742は、第1剥離ブラシ725及び第2剥離ブラシ726を跨ぐように第1剥離ブラシ725及び第2剥離ブラシ726の移動方向に平行な方向の幅よりも長い距離を往復移動する。なお、塵埃回収動作時の清掃ユニット73の往路移動の際には、第1剥離ブラシ725及び第2ブラシ742が清掃ユニット73の移動方向に逆らう向きに傾斜しているため、第1ブラシ734が第1剥離ブラシ725に摺接しながら移動することで第1ブラシ734が保持している塵埃が第1剥離ブラシ725によって掻き取られ、第2ブラシ742が第2剥離ブラシ726に摺接しながら移動することで第2ブラシ742が保持している塵埃が第2剥離ブラシ726によって掻き取られる。これにより、第1ブラシ734及び第2ブラシ742が保持している塵埃が第1ブラシ734及び第2ブラシ742から剥離される。第1ブラシ734及び第2ブラシ742から剥離された塵埃は、第1剥離ブラシ725及び第2剥離ブラシ726の主に根元に絡みついて第1剥離ブラシ725及び第2剥離ブラシ726が受け取ることになる。また、塵埃回収動作時の清掃ユニット73の復路移動の際には、第1剥離ブラシ725及び第2剥離ブラシ726が清掃ユニット73の移動方向に従う向きに傾斜しているため、第1ブラシ734が第1剥離ブラシ725に摺接しながら移動し、第2ブラシ742が第2剥離ブラシ726に摺接しながら移動しても、各ブラシ734,742,725,726間の塵埃の移動が生じない。この塵埃回収動作における清掃ユニット73の往復移動が複数回行われることで、第1ブラシ734及び第2ブラシ742が保持している塵埃が剥離ブラシ725,726によって剥離されて受け取られ、剥離ブラシ725,726が受け取った塵埃が、剥離ブラシ725,726の下部へと移動していき、剥離ブラシ725,726から離れる。剥離ブラシ725,726から離れた塵埃は、自重により下方へと落下することで回収され、本体721の内部空間に溜められる。
また、塵埃回収動作時の清掃ユニット73の往路移動の際には、清掃ユニット73が移動することで蓋側開閉用リブ732rがダストボックス側開閉用リブ721rに当接する。この結果、蓋732bが付勢部材の付勢力に逆らって回動し、開いていく。これにより、図19に示すように、蓋732bが開状態となり、第1部分732aの開口732uが開放された状態になる。そして、第1部分732aの開口732uが開放されることで、本体部732の内部に溜まっていた塵埃が自重により下方へと落下し、本体721の内部空間に溜められる。一方で、蓋732bは付勢部材により第1部分732aの開口732uを閉じる閉状態となるように付勢されているため、塵埃回収動作時の清掃ユニット73の復路動作の際には、清掃ユニット73の移動に伴って蓋732bが回動して閉じていく。これにより、図18に示すように、蓋732bが閉状態となり、第1部分732aの開口732uが塞がれた状態となる。
ところで、蓋732bは付勢部材により付勢されて第1部分732aの開口732uを閉じているため、塵埃回収動作時の清掃ユニット73の復路移動時の速度が速いと、蓋732bが勢いよく第1部分732aの開口732uを閉じる方向へと回動してしまう。そうすると、付勢部材により生じる音が大きくなってしまうことがある。このような場合、塵埃回収動作時の清掃ユニット73の復路移動の際には常に大きな音が発生するために、ユーザに故障音等と認識されてしまうおそれがある。したがって、塵埃回収動作時の清掃ユニット73の往復移動(特に、復路移動)については、付勢部材による音が発生しないような速度(例えば、秒速1mm程度)で移動することが好ましい。なお、清掃機構70の塵埃回収動作時の移動速度が清掃機構70の往路移動動作時及び復路移動動作時の移動速度よりも遅くなるように設計されていてもよい。
このように、第1ブラシ734及び第2ブラシ742が保持する塵埃を第1剥離ブラシ725及び第2剥離ブラシ726によって剥離させて回収し、かつ本体部732の内部空間に溜められた塵埃を回収する塵埃回収動作が終了する。
(5−3)復路移動動作
塵埃回収動作の終了後、保持枠250の前側端部250aに位置する清掃ユニット73が往路移動動作時とは反対方向に移動する復路移動動作(矢印Y方向への移動動作)が行われる。このとき、清掃ユニット73は離反状態を採っているため、第1ブラシ734はフィルタ25の下流側面25f1に接触しているが、第2ブラシ742はフィルタ25の上流側面25f2には接触していない。このため、復路移動動作の際にも、フィルタ25の下流側面25f1から上流側面25f2へと塵埃が押し出される。一方で、フィルタ25の上流側面25f2には第2ブラシ742が接触していないので、ダストボックス72に捨てきれなかった塵埃が第2ブラシ742に残っていたとしても、フィルタ25の上流側面25f2への塵埃の付着を防止することができる。
清掃ユニット73がフィルタ25の後側端部25b近傍まで移動すると、接触用ガイド部196の接触面197に沿って第2部材741が下方に押し下げられることで、第2締結部747の第2突起部746が第1締結部735の第1突起部736の傾斜面736bに沿って移動し、第2突起部746が第1突起部736を乗り越える。これにより、第1突起部736と第2突起部746及び繋ぎ部745との係合が解除され、第1部材731に対する第2部材741の位置が近接状態で固定される。離反状態から近接状態に切り替わった清掃ユニット73は、復路の終点であって往路の始点である初期位置まで移動する。これにより、清掃運転が終了する。なお、上記動作は、リモコン(図示せず)を使って強制的に実行することもできる。
(6)特徴
(6−1)
本実施形態では、ダストボックス72がケーシング11内の所定位置に固定されている。すなわち、ダストボックス72が移動しない構成であるため、ダストボックス72のサイズを大きくしても、第1部材731の本体部732のサイズを小さくすれば、ケーシング11内における可動部品である清掃ユニット73の移動スペースの増加を抑制することができる。さらに、本実施形態では、第1部材731の本体部732に溜まった塵埃は、ダストボックス72へと移されてダストボックス72に回収される。このため、本体部732のサイズを小さくしても、本体部732に塵埃が溜まりすぎるのを防止することができる。
これによって、清掃ユニット73がフィルタ25に沿って移動する清掃機構を備えていても、空調室内機100が大型化するのを抑制することができている。
また、本実施形態では、第1部材731の本体部732に溜まった塵埃がダストボックス72へと移されてダストボックス72に回収されることから、本体部732は、第1ブラシ734からこぼれた塵埃をダストボックス72まで一時的に搬送する一時搬送手段として機能する。このため、ユーザは、ダストボックス72に溜まった塵埃のみを処理すればよく、本体部732に溜まった塵埃を処理する作業を行う必要がない。これにより、ユーザの塵埃処理作業の負担を軽減することができている。
(6−2)
本実施形態では、塵埃回収動作に含まれる塵埃移動動作時には、清掃ユニット73の移動に応じて本体部732の蓋側開閉用リブ732rが、ダストボックス側開閉用リブ721rに当接して蓋732bが開状態を採ることで、第1部分732aの開口732uからダストボックス72へと塵埃が移動する。このように、本実施形態では、簡易な構成により塵埃移動動作を行うことができている。
(6−3)
本実施形態では、塵埃回収動作に含まれる塵埃剥離動作により、清掃ユニット73のブラシ734,742が保持する塵埃を剥離させることができるため、ブラシ734,742の保持する塵埃が回収されないおそれを低減することができている。
(6−4)
本実施形態では、塵埃移動動作時には、本体部732がダストボックス72の直上に位置している。このため、本体部732は、ダストボックス72の上方に位置しているといえる。また、塵埃移動動作時には、清掃機構70の平面視において、本体部732の全体がダストボックス72と重なっている。このため、清掃機構70の平面視において、ダストボックス72の少なくとも一部が本体部732と重なるように配置されているといえる。このような構成により、本実施形態では、塵埃の自重により、本体部732からダストボックス72へと塵埃を移動させることができている。
(6−5)
本実施形態のダストボックス72の容積は、第1部材731の本体部732の容積よりも大きい。このため、ダストボックス72の容積と本体部732の容積とが同等以上であるよりも、可動部品である清掃ユニット73のサイズを小さくすることができる。これにより、空調室内機100が大型化するのを抑制することができている。
(7)変形例
(7−1)変形例A
上記実施形態では、フィルタ25の空気流れ上流側にフィルタ25に付着した塵埃を除去して保持するための傾斜ブラシが設けられており、フィルタ25の空気流れ下流側にフィルタ25に付着した塵埃を除去して保持するための直毛ブラシが設けられている。加えて、傾斜ブラシが保持する塵埃を該傾斜ブラシから剥離させるための剥離用傾斜ブラシと、直毛ブラシが保持する塵埃を該直毛ブラシから剥離させるための剥離用傾斜ブラシと、が設けられている。
しかしながら、本発明はこれに限定されず、各ブラシの構成は直毛ブラシであっても傾斜ブラシであってもよい。また、剥離用ブラシが設けられていなくてもよい。
(7−2)変形例B
上記実施形態では、第1ブラシ734、第2ブラシ742、第1剥離ブラシ725及び第2剥離ブラシ726がそれぞれ平板状に形成されている。
これに代えて、第1ブラシ734、第2ブラシ742、第1剥離ブラシ725及び第2剥離ブラシ726のうちの少なくともいずれか1つが湾曲した部分を有していてもよい。ただし、清掃機構70の薄型化を考慮すれば、第1ブラシ734、第2ブラシ742、第1剥離ブラシ725及び第2剥離ブラシ726がそれぞれ平板状に形成されていることが好ましい。
(7−3)変形例C
上記実施形態では、第2剥離ブラシ726が移動しない構成であるが、第2剥離ブラシ726が第2ブラシ742に対してスライド移動するように構成されていてもよい。
(7−4)変形例D
上記実施形態では、清掃ユニット73が前後方向に往復移動しているが、本発明はこれに限定されず、左右方向に往復移動するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、往路移動動作時に、第2ブラシ742の毛742cとフィルタ25の上流側面25f2とが接触しており、復路移動動作時に、第2ブラシ742の毛742cとフィルタ25の上流側面25f2とが接触しないように構成されているが、往復移動動作の際の第2ブラシの毛とフィルタの表面との接触関係が逆の構成になっていてもよい。この場合、第2ブラシの毛の延びる方向がフィルタの表面に対して傾斜している場合には、第2ブラシに残留している塵埃がフィルタの表面に付着するおそれを防止するため、第2ブラシの毛の延びる方向が上記実施形態とは逆方向(すなわち、図9における、斜め後上方を向く方向)となっていることが好ましく、第1剥離ブラシ725及び第2剥離ブラシ726の毛の延びる方向が上記実施形態とは逆方向(すなわち、図11における、斜め後下方を向く方向)となっていることが好ましい。
(7−5)変形例E
上記実施形態では、ガイド部材14が変曲部143をガイド部材14の曲り基点として屈曲した形状を呈しているが、ガイド部材14の形状はこれに限定されるものではなく、フィルタ25の後側端部25bの上面25ofと主部142の上面との間に段差145がないフラットな状態(面一の状態)となるように設計されていてもよい。
(7−6)変形例F
上記実施形態では、清掃ユニット73が接触動作及び離反動作を行うが、これに限定されず、接触動作や離反動作が行われなくてもよい。すなわち、清掃ユニット73が常に近接状態を採っていてもよい。このような構成にすることで、第1ブラシ734及び第2ブラシ742が常にフィルタ25の表面に接触した状態となり、第2ブラシ742は、往路移動時だけでなく、復路移動時についてもフィルタ25の表面から塵埃を除去することができる。さらに、このような構成にすることで、第1部材731及び第2部材741を簡易な構成にすることができると共に、接触用ガイド部196や離反用ガイド部253を設ける必要がなく、製造コストを削減することができる。
また、上記実施形態では、離反動作及び接触動作により第2ブラシ742のフィルタ25の表面からの距離のみが変化しているが、第2ブラシ742ではなく第1ブラシ734のフィルタ25の表面からの距離のみが変化してもよく、両ブラシ734,742のフィルタ25の表面からの距離が変化するように構成されていてもよい。
(7−7)変形例G
上記実施形態では、空調室内機100の運転停止時や通常運転(暖房運転や冷房運転)時には、清掃ユニット73がフィルタ25の後側端部25bよりも背面側のガイド部材14の主部142に位置しており、ここが清掃運転開始時の初期位置となっている。このため、清掃機構70による清掃運転の開始とほぼ同時にフィルタ25の塵埃除去動作が開始されている。
しかしながら、空調室内機100の運転停止時や通常運転時の清掃ユニット73の位置はこれに限定されず、例えば、室内熱交換器13の頂点13d近傍の上方や保持枠250の前側端部250aに位置していてもよい。このような場合には、清掃運転が開始されると、一旦、清掃ユニット73を初期位置まで移動させ、その後、往路移動動作すなわち塵埃除去動作が開始されることになる。
(7−8)変形例H
上記実施形態に加えて、清掃ユニット73の移動に応じて、ダストボックス72の本体721の開口721aを開閉する蓋が設けられていてもよい。本体721の開口721aを開閉できる蓋が設けられていることで、ユーザがダストボックス72に溜まった塵埃を処理する際に、ダストボックス72から塵埃が飛散するおそれを低減することができる。
(7−9)変形例I
上記実施形態の清掃ユニット73は、フィルタ25の空気流れ下流側に位置する第1部材731が、フィルタ25に付着した塵埃を除去して保持する塵埃除去部としての第1ブラシ734と、塵埃除去部が保持できなかった塵埃を取る塵埃保有部としての本体部732と、を有している。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、清掃ユニット73が塵埃除去部と、塵埃保有部とを有していればよい。
例えば、上記実施形態において、第1部材731が塵埃除去部としての第1ブラシ734及び塵埃保有部としての本体部732を有しておらず、第2部材741が塵埃除去部としての第2ブラシ742が保持できなかった塵埃を取る塵埃保有部を有している構成であってもよい。或いは、上記実施形態において、第1部材731と共に、第2部材741も塵埃除去部としての第2ブラシ742が保持できなかった塵埃を取る塵埃保有部を有している構成であってもよい。このように、第2部材741が塵埃保有部を有していることで、フィルタ25の空気流れ上流側で塵埃を取ることができる。
また、例えば、上記実施形態において、第1部材731が塵埃保有部を有しておらず塵埃除去部としての第1ブラシ734を有しており、第2部材741が第2ブラシ742を有しておらず塵埃保有部を有していることで、第2部材741が塵埃保有部としてのみ機能するような構成であってもよい。この場合、塵埃保有部としての第2部材741は、第1ブラシ734が保持できなかった塵埃をフィルタ25の上流側で取ることができる。または、上記実施形態において、第1部材731が第1ブラシ734を有しておらず塵埃保有部としての本体部732を有していることで、第1部材731が塵埃保有部としてのみ機能するような構成であってもよい。この場合、第2部材741の第2ブラシ742が塵埃除去部となり、塵埃保有部としての第1部材731は、第2ブラシ742が保持できなかった塵埃をフィルタ25の空気流れ下流側で受けることができる。これにより、室内熱交換器13に塵埃が落下するおそれを低減することができる。
本発明によれば、塵埃除去部がフィルタに沿って移動する清掃機構を備えていても、空調室内機の大型化するのを抑制することができる。
11 ケーシング
21 天面吸込口(吸込口)
25 フィルタ
70 清掃機構
72 ダストボックス(塵埃貯留部)
73 清掃ユニット(ユニット)
100 空調室内機
725 第1剥離ブラシ(塵埃剥離部)
732 本体部(塵埃保有部)
732a 第1部分(開口部)
732b 蓋
732u 開口
734 第1ブラシ(塵埃除去部)
特開2008−121990号公報

Claims (5)

  1. 吸込口(21)が形成されたケーシング(11)と、
    前記ケーシングに対して固定されており、前記吸込口から前記ケーシング内に吸い込まれた室内空気中の塵埃を捕集するためのフィルタ(25)と、
    前記フィルタの表面に付着した塵埃を除去して保持する塵埃除去部(734)と前記塵埃除去部が保持できなかった塵埃を取る塵埃保有部(732)とを含み前記フィルタに沿って移動するユニット(73)と、前記ケーシングの所定位置に固定されており前記塵埃除去部が保持する塵埃を回収して貯留する塵埃貯留部(72)と、を有する清掃機構(70)と、
    を備え、
    前記清掃機構は、前記塵埃保有部が取った塵埃を前記塵埃貯留部へと移す塵埃移動動作を行う、
    空調室内機(100)。
  2. 前記塵埃保有部は、開口(732u)が形成されている開口部(732a)と、前記開口を覆う開閉可能な蓋(732b)と、を含み、
    前記塵埃移動動作時には、前記ユニットの移動に応じて前記ユニットの一部が前記塵埃貯留部に当接して前記蓋が開状態を採ることで、前記開口から前記塵埃貯留部へと塵埃が移動する、
    請求項1に記載の空調室内機。
  3. 前記塵埃貯留部は、前記塵埃除去部が保持する塵埃を剥離させるための塵埃剥離部(725)、を有し、
    前記清掃機構は、前記塵埃剥離部によって前記塵埃除去部が保持する塵埃を前記塵埃除去部から剥離させる塵埃剥離動作を行う、
    請求項1又は2に記載の空調室内機。
  4. 前記塵埃移動動作時には、前記塵埃保有部は前記塵埃貯留部の上方に位置しており、前記清掃機構の平面視において前記塵埃貯留部の少なくとも一部が前記塵埃保有部と重なるように配置されている、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の空調室内機。
  5. 前記塵埃貯留部の容積は、前記塵埃保有部の容積よりも大きい、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の空調室内機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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