JP2016117856A - サファイア板用研磨液組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨速度が高く、且つ、表面粗さの低減を可能とするサファイア板用研磨液組成物、及びそれを用いたサファイア板の製造方法並びに被研磨サファイア板の研磨方法を提供する。
【解決手段】本開示のサファイア板用研磨液組成物は、シリカ粒子と、無機リン酸塩と、添加剤と、水系媒体とを含有し、25℃におけるpHが8以上である。前記添加剤は、アルカノールアミン、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物、水溶性ビニル系ポリマー、及びポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物から選ばれる1種以上の化合物からなる。無機リン酸塩は、好ましくは、オルトリン酸塩、亜リン酸塩、及び次亜リン酸塩からなる群から選ばれる1種以上の無機リン酸塩である。
【選択図】なし

Description

本発明は、サファイア板用研磨液組成物、及びそれを用いたサファイア板の製造方法並びに被研磨サファイア板の研磨方法に関する。
サファイア等の硬脆材料は、光学材料、電子材料又は機械材料として必要不可欠である。
例えば、人工サファイア板は、集積回路基板、赤外線探知用レンズ、時計、スマートフォン等の携帯端末装置等のさまざまな用途の材料として用いられている。特に、LEDの急速な普及に伴い、その基板として利用されるサファイア板の需要が急増している。LED用サファイア基板は、LED素子の発光効率の向上のため、その表面平滑性が高いことが望まれる。
サファイア板の表面平滑性を満足させるために、シリカ粒子を含む研磨液組成物を用いた仕上げ研磨が行われている。サファイア(α−アルミナ、モース硬度9)板よりも低硬度であるシリカ(モース硬度7)粒子を砥粒として用いることにより、サファイア板表面にピットやスクラッチが発生しないようにしている。しかしながら、サファイアは、機械的、化学的、熱的安定性に優れてはいるものの、シリカ粒子を用いた仕上げ研磨において、研磨速度が低いという問題がある。
研磨速度の問題に対し、例えば、特許文献1には、塩化ナトリウムや塩化カリウム等の塩基性pHを有し且つ溶解した塩化合物を含むサファイア板用の研磨液組成物が開示されている。特許文献2、3には、研磨速度の向上を目的として砥粒としてアルミナ粒子が使用され、リン化合物等の添加剤を含む研磨液組成物が開示されている。特許文献4には、pHが酸性領域であり、リン酸又はホスホン酸系の化合物を含むことで研磨速度の向上を可能とした研磨液組成物が開示されている。特許文献5には、繰り返し使用に伴う研磨速度の低減を抑制することを目的として、2種以上の研磨粒子を使用することが開示されている。特許文献6には、研磨対象がステンレスであり、研磨粒子としてダイヤモンド砥粒を使用し、リン酸塩とアルキレングリコールとを含む水系加工研磨液が開示されている。特許文献7には、研磨速度の向上を目的として、アルカノールアミンとパーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物の少なくとも一方を含むサファイア基板用研磨液組成物が開示されている。特許文献8には、酸化アルミニウム等の研磨対象物の表面欠陥(オレンジピール)の低減を目的として、ビニル系ポリマー、ポリアルキレンオキサイド等の表面吸着剤を含む研磨用組成物が開示されている。
特表2008−531319号公報 特表2006−524583号公報 特開2011−62815号公報 特表2009−538236号公報 WO13/099595号 特開2004−331686号公報 特開2009−297818号公報 特開2014−641号公報
一方、生産性の向上を目的としてサファイア板の研磨速度をさらに向上させると同時に、良好な表面平滑性を担保することが望まれている。
本発明は、高速研磨と低表面粗さとの両立が行えるサファイア板用研磨液組成物、及びそれを用いたサファイア板の製造方法並びに被研磨サファイア板の研磨方法を提供する。
本開示のサファイア板用研磨液組成物は、下記成分A〜Cを含み、25℃におけるpHが8以上である。
成分A:シリカ粒子
成分B:無機リン酸塩
成分C:アルカノールアミン、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物、水溶性ビニル系ポリマー、及びポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物から選ばれる1種以上の添加剤
本開示のサファイア板の製造方法の一例は、被研磨サファイア板に対して、本発明のサファイア板用研磨液組成物を供給して前記被研磨サファイア板を研磨する工程を含む、サファイア板の製造方法である。
本発明の被研磨サファイア板の研磨方法は、被研磨サファイア板に対して、本発明のサファイア板用研磨液組成物を供給して前記被研磨サファイア板を研磨する工程を含む、被研磨サファイア板の研磨方法である。
本発明によれば、高速研磨と低表面粗さとの両立が行えるサファイア板用研磨液組成物、及びそれを用いたサファイア板の製造方法並びに被研磨サファイア板の研磨方法を提供できる。
本発明は、シリカ粒子(成分A)と水系媒体(成分D)とを含む研磨液組成物が、そのpHが8以上である場合に、無機リン酸塩(成分B)と、アルカノールアミン、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物、水溶性ビニル系ポリマー、及びポリアルキレンオキサイド骨格を含む重合体から選ばれる1種以上の添加剤(成分C)とを含むことにより、高速研磨と低表面粗さとの両立が行えるという、知見に基づく。
本発明のサファイア板用研磨液組成物(以下「研磨液組成物」と略称する場合もある。)は、シリカ粒子(成分A)、無機リン酸塩(成分B)、アルカノールアミン、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物、水溶性ビニル系ポリマー、及びポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物から選ばれる1種以上の添加剤(成分C)、及び水系媒体(成分D)を含む。本発明の研磨液組成物が無機リン酸塩(成分B)と前記添加剤(成分C)とを含むことにより、高速研磨と低表面粗さとの両立が行える理由は定かではないが、以下のように推察される。
被研磨サファイア板表面にアルカリ性の研磨液組成物が供給されると、サファイアのアルカリ加水分解により、被研磨サファイア板表面の結晶構造が軟質化する。軟質化された被研磨サファイア板表面を研磨する場合、軟質化されていない被研磨サファイア板表面を研磨する場合よりも、高速研磨及び表面粗さの低減が可能となる。シリカ粒子と水系媒体とを含み25℃におけるpHが8以上の研磨液組成物に無機リン酸塩が含まれていると、サファイアと無機リン酸塩とが反応してリン酸アルミニウムが生成される。リン酸アルミニウムの生成に伴って副生物としてアルカリが生じ、当該アルカリにより、被研磨サファイア板のより深部までその結晶構造が軟質化し、加えて、前記添加物(成分C)が、下記の通り、表面粗さの低減、及び/又は研磨速度の向上に寄与することで、高速研磨と低表面粗さとの両立が可能となったものと推測される。
前記添加物(成分C)のうち、アルカノールアミンは、サファイア研磨屑を補足し、研磨された被研磨サファイア板上からのサファイア研磨屑の除去速度を向上させ、シリカ粒子の分散性向上に寄与することで、表面粗さの低減と研磨速度の向上に寄与しているものと推測される。パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物は、被研磨サファイア板と研磨パッドとの摩擦抵抗を低減し、シリカ粒子の被研磨サファイア板と研磨パッドとの間における循環性を改善することにより、表面粗さの低減と研磨速度の向上に寄与しているものと推測される。水溶性ビニル系ポリマーやポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物は、シリカ粒子や被研磨サファイア板の表面に吸着することで、表面粗さの低減に寄与しているものと推測される。但し、本発明はこれらの推定に限定されるものではない。
<シリカ粒子(成分A)>
本発明の研磨液組成物に含まれるシリカ粒子(成分A)は砥粒として作用する。これらのシリカ粒子としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ等が挙げられるが、研磨された被研磨対象物の平滑性向上の観点から、コロイダルシリカがより好ましい。
前記シリカ粒子の使用形態としては、操作性の観点からスラリー状が好ましい。本発明の研磨液組成物に含まれるシリカ粒子がコロイダルシリカである場合、製造容易性及び経済性の観点から、コロイダルシリカは、水ガラスやアルコキシシランの加水分解物から得たものであることが好ましく、水ガラスから得たものであることがより好ましい。水ガラスから得られるシリカ粒子は、従来から公知の方法によって作製できる。
前記シリカ粒子は、粒子表面をシランカップリング剤等で表面処理されたシリカ粒子であってもよいが、研磨速度向上の観点から、表面処理されていないシリカ粒子が好ましい。前記シリカ粒子には、AlやZr等のSi以外の無機元素が含まれていても良いが、研磨速度向上の観点から、固形分の主成分がSiO2であると好ましく、無水酸化物換算でSiO2が90質量%以上であると好ましく、95質量%以上であるとより好ましく、99質量%以上であると更に好ましい。
本発明の研磨液組成物中の前記シリカ粒子の含有量は、研磨速度向上の観点から、SiO2換算濃度で、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。また、本発明の研磨液組成物中のシリカ粒子の含有量は、研磨液組成物のコスト低減及び保存安定性の向上の観点から、SiO2換算濃度で、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下が更に好ましい。
前記シリカ粒子の動的光散乱法で測定される平均二次粒径(平均粒径)は、研磨速度向上の観点から、10nm以上が好ましく、50nm以上がより好ましく、80nm以上が更に好ましく、研磨された被研磨対象物の平滑性向上の観点から、500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、200nm以下が更に好ましい。尚、前記シリカ粒子の動的光散乱法で測定される平均二次粒径は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
本発明の研磨液組成物中の前記シリカ粒子のBET比表面積は、研磨速度向上の観点から10m2/g以上が好ましく、20m2/g以上がより好ましく、30m2/g以上が更に好ましく、同様の観点から、200m2/g以下が好ましく、100m2/g以下がより好ましく、60m2/g以下が更に好ましい。
前記シリカ粒子の平均一次粒径は、研磨された被研磨サファイア板表面の平滑性向上の観点から、500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、200nm以下が更に好ましく、150nm以下が更により好ましく、高研磨速度を担保する観点から、45nm以上が好ましく、70nm以上がより好ましい。尚、本前記シリカ粒子の平均一次粒径は、後述する実施例に記載のとおり、電子顕微鏡(TEM)観察画像において円相当径として求められる粒子径の数平均である。
本発明の研磨液組成物中の前記シリカ粒子の平均一次粒径の下記変動係数は、研磨速度を向上させる観点から、1%以上50%以下であると好ましく、1%以上30%以下であるとより好ましく、1%以上10%以下であると更に好ましい。
変動係数=(標準偏差/平均一次粒径)
本発明の研磨液組成物に含まれるシリカ粒子(成分A)の粒子形状は、球状、金平糖型、会合型等の異形形状等いずれでもよいが、研磨速度向上の観点から、球状又は金平糖型が好ましく、表面粗さ低減との両立の観点から球状がより好ましい。
<無機リン酸塩(成分B)>
本発明の研磨液組成物は、高速研磨と低表面粗さの両立の観点から、無機リン酸塩(成分B)を含有する。無機リン酸塩としては、高速研磨と低表面粗さの両立の観点から、オルトリン酸塩、亜リン酸塩、及び次亜リン酸塩からなる群から選ばれる1種以上の無機リン酸塩が好ましく、オルトリン酸塩、亜リン酸塩がより好ましい。また、無機リン酸塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及びアンモニウム塩からなる群から選ばれる1種以上であると好ましい。アルカリ金属又はアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、及びカリウムが好ましい。これらのなかでも、シリカ粒子の凝集抑制の観点から、無機リン酸塩は、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
無機リン酸塩(成分B)の具体例としては、高速研磨と低表面粗さの両立の観点から、リン酸ナトリウム(Na3PO4)、リン酸カリウム(K3PO4)、リン酸一水素二ナトリウム(Na2HPO4)、リン酸二水素一ナトリウム(NaH2PO4)、リン酸二水素一カリウム(KH2PO4)、リン酸二水素一アンモニウム(NH42PO4)、リン酸一水素二カリウム(K2HPO4)、リン酸一水素二アンモニウム((NH42HPO4)等のオルトリン酸塩;亜リン酸ナトリウム(Na2HPO3)、亜リン酸カリウム(K2HPO3)等の亜リン酸塩;次亜リン酸ナトリウム(NaH2PO2)、次亜リン酸カリウム(KH2PO2)、次亜リン酸アンモニウム(NH42PO2)等の次亜リン酸塩が挙げられるが、これらの中でも、高速研磨と低表面粗さの両立の観点から、好ましくはリン酸一水素二ナトリウム、リン酸一水素二カリウム、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、及び次亜リン酸アンモニウムからなる群から選ばれる1種以上の無機リン酸塩であり、より好ましくはリン酸一水素二ナトリウム、リン酸一水素二カリウム、及び亜リン酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上の無機リン酸塩であり、更に好ましくはリン酸一水素二ナトリウムである。また、これらの無機塩は水和物構造をしていてもよい。
本発明の研磨液組成物に含まれる無機リン酸塩(成分B)の含有量は、高速研磨と低表面粗さの両立の観点から、0.0001質量%以上が好ましく、より好ましくは0.001質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、更により好ましくは0.02質量%以上、更により好ましくは0.05質量%以上、0.08質量%以上である。また、本発明の研磨液組成物に含まれる無機リン酸塩(成分B)の含有量は、研磨された被研磨対象の表面粗さの低減の観点から、1質量%以下が好ましく、より好ましく0.4質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下、更により好ましくは0.2質量%以下である。
本発明の研磨液組成物中における、シリカ粒子(成分A)と無機リン酸塩(成分B)との含有量比[シリカ粒子の含有量(質量%)/無機リン酸塩の含有量(質量%)]は、研磨された被研磨対象の表面粗さの低減の観点から、好ましくは2以上、より好ましく20以上、更に好ましくは100以上、好ましくは10000以下、より好ましく5000以下、更に好ましくは2000以下である。
[添加剤(成分C)]
本発明の研磨液組成物は、表面粗さの低減と研磨速度の向上の観点から、アルカノールアミン、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物、水溶性ビニル系ポリマー、及びポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物から選ばれる1種以上の添加剤を含有する。ここで、「水溶性」とは、水に対して2g/100ml以上の溶解度を有することをいう。
(アルカノールアミン)
本発明の研磨液組成物に含まれるアルカノールアミンとしては、サファイア研磨屑の除去速度の向上、及びシリカ粒子の分散性向上の観点から、好ましくは下記一般式(1)で示される化合物である。但し、一般式(1)中、aは2以上5以下、bは1以上3以下、cは0以上2以下、b+c=3である。
(H)cN[(CH2aOH]b (1)
一般式(1)中、(CH2aは、炭素数が2以上5以下のアルキレン基を示すが、サファイア研磨屑の除去速度の向上、及びシリカ粒子の分散性向上の観点から、aは好ましくは2以上であり、アルカノールアミンの塩基度の観点から、aは好ましくは5以下である。本発明の研磨液組成物に含まれるアルカノールアミンは、具体的には、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン、ジペンタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、トリペンタノールアミンが挙げられるが、サファイア研磨屑の除去速度の向上、シリカ粒子の分散性向上の観点から、エタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンからなる群から選ばれる1種以上のアルカノールアミンがより好ましい。
本発明の研磨液組成物に含まれるアルカノールアミンの含有量は、サファイア研磨屑の除去速度の向上、シリカ粒子の分散性向上の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.7質量%以上であり、経済性の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
(パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物)
本発明の研磨液組成物に含まれるパーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物は、被研磨サファイア板と研磨パッドとの摩擦抵抗を低減し、シリカ粒子の被研磨サファイア板と研磨パッドとの間における循環性を改善する観点から、好ましくは下記一般式(2)で示される化合物である。但し、一般式(2)中、nとmは、nとして1以上10以下、mとして0以上3以下、或いはn+mとして2以上13以下、Xはアミノ基、カルボン酸基、アンモニウム基、アミンオキサイド、又はベタインである。
CF3(CF2n(CH2mX (2)
一般式(2)中、nは、鎖状フルオエロエチル基の炭素数を示すが、シリカ粒子の被研磨サファイア板と研磨パッドとの間における循環性を改善する観点から、好ましくは1以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上であり、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物の水への溶解速度の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは6以下である。mは、アルキレン基の炭素数を示すが、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物の合成容易性の観点から、好ましくは0以上3以下である。本発明の研磨液組成物に含まれるパーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物は、上記一般式(2)で示される化合物のうち、シリカ粒子の被研磨サファイア板と研磨パッドとの間における循環性を改善する観点から、パーフルオロアルキルアミノ酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミンオキシド、及びパーフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれる少なくとも1種のフッ素系化合物がより好ましく、パーフルオロアルキルベタイン及びパーフルオロアルキルアミンオキシドから選ばれる少なくとも1種のフッ素系化合物がより好ましい。
本発明の研磨液組成物に含まれるパーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物の含有量は、被研磨サファイア板と研磨パッドとの間における循環性を改善する観点から、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.0005質量%以上、更に好ましくは0.001質量%、更により好ましくは0.005質量%であり、経済性の観点から、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下、更により好ましくは0.01質量%以下である。
本発明の研磨液組成物が、アルカノールアミンとパーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物のうちの少なくとも一方の水溶性添加剤を含む場合、表面粗さの低減と研磨速度向上の観点から、アルカノールアミンとパーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物の両方を含むと好ましい。アルカノールアミンとパーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物の組み合わせは、表面粗さの低減と研磨速度向上の両立の観点から、好ましくは、ジエタノールアミンとパーフルオロアルキルベタイン、トリエタノールアミンとパーフルオロアルキルアミンオキシド、トリエタノールアミンとパーフルオロアルキルベタインであるが、より好ましくは、トリエタノールアミンとパーフルオロアルキルベタインである。本発明の研磨液組成物が、アルカノールアミンとパーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物の両方を含む場合、これらの質量比(アルカノールアミン/パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物)は、表面粗さの低減と研磨速度向上の観点から、好ましくは80以上、好ましくは500以下である。
(表面吸着剤)
本発明の研磨液組成物は、表面粗さ低減の観点から、水溶性ビニル系ポリマー、及びポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物からなる群から選ばれる1種以上の表面吸着剤を含む。水溶性ビニル系ポリマーは、シリカ粒子や被研磨サファイア板の表面に吸着することで表面粗さを低減する観点から、好ましくは、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及びn-ポリビニルホルムアミドから選ばれる一種以上の表面吸着剤である。ポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物は、シリカ粒子や被研磨サファイア板の表面に吸着することで表面粗さを低減する観点から、好ましくはポリアルキレングリコールであり、より好ましくはポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレングリコール(PPG)、及びエチレングリコールとプロピレングリコールの共重合体からなる群から選ばれる1種以上である。上記表面吸着剤の中でも、研磨速度の向上の観点から、好ましくはポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物であり、より好ましくはポリエチレングリコールである。
本発明の研磨液組成物に含まれる水溶性ビニル系ポリマーの重量平均分子量は、研磨対象物の表面に吸着して保護膜を形成し易いという理由から、好ましくは1000以上、より好ましくは5000以上であり、好ましくは1000000以下、より好ましくは500000以下である。ここで、表面吸着剤の重量平均分子量は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
本発明の研磨液組成物に含まれるポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、研磨対象物の表面に吸着して保護膜を形成し易いという理由から、好ましくは1000以上、より好ましくは5000以上であり、好ましくは100000以下、より好ましくは50000以下である。ここで、表面吸着剤の重量平均分子量は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
本発明の研磨液組成物に含まれる表面吸着剤の含有量は、表面粗さ低減の観点から、好ましくは0.002質量%以上、より好ましくは0.004質量%以上、更に好ましくは、0.006質量%以上であり、研磨速度の観点から、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。
[水系媒体(成分D)]
本発明の研磨液組成物に含まれる水系媒体(成分D)としては、イオン交換水や超純水等の水、又は水と溶媒との混合媒体等が挙げられ、上記溶媒としては、水と混合可能な溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)が好ましい。なかでも、イオン交換水又は超純水がより好ましく、超純水が更に好ましい。本発明の成分Dが、水と溶媒との混合媒体である場合、混合媒体全体に対する水の割合は、特に限定されるわけではないが、経済性の観点から、95質量%以上が好ましく、98質量%以上がより好ましく、実質的に100質量%が更に好ましく、100質量%が更により好ましい。
本発明の研磨液組成物における水系媒体(成分D)の含有量は、特に限定されるわけではなく、成分A、成分B、成分C、後述する任意成分の残余であってよい。
本発明の研磨液組成物の25℃におけるpHは、研磨速度向上の観点から、pH8以上であるが、好ましくは9以上、より好ましくは10以上であり、シリカ粒子の溶解抑制、安定性向上の観点から、好ましくは14未満であり、より好ましくは13未満である。本発明の研磨液組成物の25℃におけるpHは、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
本発明の研磨液組成物は、その使用用途に応じて、従来から公知の任意成分を更に含んでいてもよい。本発明の研磨液組成物が、例えば、半導体素子等の電子部品用サファイア基板用研磨液組成物(例えば、LED用サファイア基板用研磨液組成物)である場合は、本発明の研磨液組成物は、成分C以外の界面活性剤、防錆剤、分散剤、pH調整剤、抗菌剤、帯電防止剤等を更に含んでいてもよい。本発明の研磨液組成物は、過酸化水素等の酸化剤を微量なら含有しても構わないが、研磨速度向上の観点から、過酸化水素等の酸化剤を含有しないほうが好ましい。
[研磨液組成物の調製方法]
本発明の研磨液組成物は、各成分を公知の方法で混合することにより、調製することができる。研磨液組成物は、経済性の観点から、通常、濃縮液として製造され、これを使用時に希釈する場合が多い。前記研磨液組成物は、そのまま使用してもよいし、濃縮液であれば希釈して使用すればよい。濃縮液を希釈する場合、その希釈倍率は、特に制限されず、前記濃縮液における各成分の濃度や研磨条件等に応じて適宜決定できる。尚、上記した各成分の含有量は、使用時における含有量である。
次に、本発明の研磨液組成物を用いた、本発明のサファイア板の製造方法の一例、及び本発明の被研磨サファイア板の研磨方法の一例について説明する。
[被研磨対象]
本発明のサファイア板の製造方法の一例(「本発明の製造方法の一例」と略称する場合もある。)、及び本発明の被研磨サファイア板の研磨方法の一例(「本発明の研磨方法の一例」と略称する場合もある。)において研磨される被研磨対象の形状について特に制限はなく、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状のみならず、レンズ等の曲面部を有する形状であってもよい。また、前記被研磨対象は、スマートフォン等の携帯端末装置のカバーガラスとして用いられるサファイア板、LED用サファイア基板等さまざまであるが、本発明の研磨液組成物は、LED用サファイア基板、スマートフォン等の携帯端末装置のカバーガラスとして用いられるサファイア板の製造方法の研磨工程で使用される研磨液組成物として適している。
故に、本発明のサファイア板の製造方法の一例は、LED用サファイア基板又はスマートフォン等の携帯端末装置のカバーガラス用サファイア板等のサファイア板の製造方法であって、本発明の研磨液組成物を用いて被研磨サファイア板を研磨する工程を含む。また、本発明の被研磨サファイア板の研磨方法の一例は、LED用サファイア基板又はスマートフォン等の携帯端末装置のカバーガラス用サファイア板等のサファイア板の研磨方法であって、本発明の研磨液組成物を用いて被研磨サファイア板を研磨する工程を含む。
前記被研磨サファイア板を研磨する工程は、サファイア単結晶インゴットを薄円板状にスライスして得たウェーハを平面化する第一研磨工程(粗研磨工程)と粗研磨されたウェーハをエッチングした後、ウェーハ表面を鏡面化する第二研磨工程(仕上げ研磨)に分かれるが、本発明の研磨液組成物は、第一研磨工程及び第二研磨工程のいずれにも使用できる。しかし、本発明の研磨液組成物は、サファイア板の表面平滑性及び生産性の向上の観点から、第二研磨工程に使用するのが好ましい。第一研磨工程では、ダイヤモンドを砥粒として含む研磨液組成物を用いるのが一般的である。
本発明の製造方法の一例及び本発明の研磨方法の一例で用いる研磨装置としては、特に制限はなく、被研磨サファイア板を保持する冶具(キャリア:ガラスエポキシ製材料等)と研磨布(研磨パッド)とを備える研磨装置を用いることができ、両面研磨装置及び片面研磨装置のいずれであってもよい。
前記研磨パッドは、特に制限されず、従来公知のものが使用できる。研磨パッドの材質としては、有機高分子等が挙げられ、前記有機高分子としては、ポリウレタン等が挙げられる。前記研磨パッドの形状は、不織布状が好ましい。例えば、不織布研磨パッドとしてSUBA800(ニッタハース社製)が好適に用いられる。
該研磨装置を用いる、本発明の製造方法の一例及び本発明の研磨方法の一例では、被研磨サファイア板をキャリアで保持し研磨パッドを貼り付けた研磨定盤で被研磨サファイア板を挟み込み、本発明の研磨液組成物を研磨パッドと被研磨サファイア板との間に供給し、被研磨サファイア板と前記研磨パッドとを接触させながら、研磨パッド及び/又は被研磨サファイア板を動かすことにより、被研磨サファイア板を研磨する工程を含む。
本発明の製造方法の一例及び研磨方法の一例における研磨荷重は、研磨速度向上の観点から、50g/cm2以上が好ましく、100g/cm2以上がより好ましく、150g/cm2以上が更に好ましく、200g/cm2以上が更により好ましい。また、前記研磨荷重は、装置、パッドなどの耐久性を考慮すると、400g/cm2以下が好ましく、350g/cm2以下がより好ましい。前記研磨荷重の調整は、定盤や被研磨サファイア板等への空気圧や重りの負荷によって行うことができる。研磨荷重は、研磨時に被研磨サファイア板の研磨面に加えられる定盤の圧力を意味する。
本発明の研磨液組成物の供給方法は、予め研磨液組成物の構成成分が十分に混合された状態で研磨パッドと被研磨サファイア板の間にポンプ等で供給する方法、研磨の直前の供給ライン内等で前記構成成分を混合して供給する方法等を用いることができる。研磨速度向上の観点及び装置負荷低減の観点から、予め研磨液組成物の構成成分が十分に混合された状態で、研磨液組成物を、研磨パッドと被研磨サファイア板の間にポンプ等で供給する方法が好ましい。
研磨液組成物の供給速度は、コスト低減の観点から、被研磨サファイア板1cm2あたり20mL/分以下が好ましく、10mL/分以下がより好ましく、5mL/分以下が更に好ましい。また、前記供給速度は、研磨速度向上の観点から、被研磨サファイア板1cm2あたり0.01mL/分以上が好ましく、0.1mL/分以上がより好ましく、0.5mL/分以上が更に好ましい。
本発明の製造方法の一例及び本発明の研磨方法の一例では、本発明の研磨液組成物を用いているので、被研磨サファイア板の研磨速度が速く、研磨後の基板表面の表面粗さを低減できる。
本発明の製造方法の他の一例では、被研磨サファイア板に対して、本発明の研磨液組成物を供給して前記被研磨サファイア板を研磨する工程と、前記工程で使用した前記研磨液組成物を用いて、前記被研磨サファイア板とは別の被研磨サファイア板を研磨する工程と、を含む。
本発明は、更に以下〈1〉〜〈25〉を開示する。
〈1〉 シリカ粒子と、無機リン酸塩と、アルカノールアミン、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物、水溶性ビニル系ポリマー、及びポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物から選ばれる1種以上の添加剤とを含み、25℃におけるpHが8以上の、サファイア板用研磨液組成物。
〈2〉 前記無機リン酸塩は、好ましくはオルトリン酸塩、亜リン酸塩、及び次亜リン酸塩からなる群から選ばれる1種以上の無機リン酸塩であり、より好ましくはオルトリン酸塩及び亜リン酸塩からなる群から選ばれる1種以上の無機リン酸塩である、前記〈1〉に記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈3〉 前記無機リン酸塩は、好ましくはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及びアンモニウム塩からなる群から選ばれる1種以上の無機リン酸塩であり、より好ましくはナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種である、前記〈1〉又は〈2〉に記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈4〉 前記無機リン酸塩は、好ましくはリン酸ナトリウム(Na3PO4)、リン酸カリウム(K3PO4)、リン酸一水素二ナトリウム(Na2HPO4)、リン酸二水素一ナトリウム(NaH2PO4)、リン酸二水素一カリウム(KH2PO4)、リン酸二水素一アンモニウム(NH42PO4)、リン酸一水素二カリウム(K2HPO4)、リン酸一水素二アンモニウム((NH42HPO4)、亜リン酸ナトリウム(Na2HPO3)、亜リン酸カリウム(K2HPO3)、次亜リン酸ナトリウム(NaH2PO2)、次亜リン酸カリウム(KH2PO2)、及び次亜リン酸アンモニウム(NH42PO2)から選ばれる少なくとも1種の無機リン酸塩であり、より好ましくはリン酸一水素二ナトリウム、リン酸一水素二カリウム、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、及び次亜リン酸アンモニウムからなる群から選ばれる1種以上の無機リン酸塩であり、更に好ましくはリン酸一水素二ナトリウム、リン酸一水素二カリウム、及び亜リン酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上の無機リン酸塩であり、更により好ましくはリン酸一水素二ナトリウムである、前記〈1〉から〈3〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈5〉 前記サファイア板用研磨液組成物に含まれる前記無機リン酸塩の含有量は、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、更により好ましくは0.02質量%以上、更により好ましくは0.05質量%以上、更により好ましくは0.08質量%以上であり、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.4質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下、更により好ましくは0.2質量%以下である、前記〈1〉から〈4〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈6〉 前記サファイア板用研磨液組成物に含まれる、前記シリカ粒子と前記無機リン酸塩の含有量比[シリカ粒子の含有量(質量%)/無機リン酸塩の含有量(質量%)]は、好ましくは2以上、より好ましく20以上、更に好ましくは100以上であり、好ましくは10000以下、より好ましく5000以下、更に好ましくは2000以下である、前記〈1〉から〈5〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈7〉 前記アルカノールアミンが、好ましくは下記一般式(1)で示される化合物である前記〈1〉から〈6〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
(H)cN[(CH2aOH]b (1)
但し、一般式(1)中、aは2以上5以下、bは1以上3以下、cは0以上2以下、b+c=3である。
〈8〉 前記アルカノールアミンは、好ましくはエタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン、ジペンタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、及びトリペンタノールアミンからなる群から選ばれる1種以上のアルカノールアミン、より好ましくはエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンからなる群から選ばれる1種以上のアルカノールアミンである、前記〈7〉に記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈9〉 前記サファイア板用研磨液組成物に含まれるアルカノールアミンの含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.7質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である、前記〈1〉から〈8〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈10〉 前記パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物が、好ましくは下記一般式(2)で示される化合物である前記〈1〉から〈9〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
CF3(CF2n(CH2mX (2)
但し、一般式(2)中、nとmは、nとして1以上10以下、mとして0以上3以下、或いはn+mとして2以上13以下、Xはアミノ基、カルボン酸基、アンモニウム基、アミンオキサイド、又はベタインである。
〈11〉 前記パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物が、好ましくはパーフルオロアルキルアミノ酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミンオキシド、及びパーフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれる少なくとも1種のフッ素系化合物、より好ましくはパーフルオロアルキルベタイン及びパーフルオロアルキルアミンオキシドから選ばれる少なくとも1種のフッ素系化合物である前記〈10〉に記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈12〉 前記サファイア板用研磨液組成物にパーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物の含有量は、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.0005質量%以上、更に好ましくは0.001質量%、更により好ましくは0.005質量%であり、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下、更により好ましくは0.01質量%以下である、前記〈1〉から〈11〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈13〉 前記サファイア板用研磨液組成物が、前記アルカノールアミンと前記パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物の両方を含み、前記アルカノールアミンとパーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物の組み合わせは、好ましくは、ジエタノールアミンとパーフルオロアルキルベタイン、トリエタノールアミンとパーフルオロアルキルアミンオキシド、トリエタノールアミンとパーフルオロアルキルベタイン、より好ましくは、トリエタノールアミンとパーフルオロアルキルベタインである前記〈1〉から〈6〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈14〉 質量比(アルカノールアミン/パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物)が、好ましくは80以上、好ましくは500以下である、前記〈13〉に記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈15〉 前記水溶性ビニル系ポリマーが、好ましくはポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及びn-ポリビニルホルムアミドから選ばれる一種以上の化合物であり、より好ましくはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及びn-ポリビニルホルムアミドから選ばれる一種以上の化合物である、前記〈1〉から〈14〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈16〉 前記水溶性ビニル系ポリマーの重量平均分子量が、好ましくは1000以上、より好ましくは5000以上であり、好ましくは1000000以下、より好ましくは500000以下である、前記〈1〉から〈15〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈17〉 前記ポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物が、好ましくはポリアルキレングリコール、より好ましくはポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、及びエチレングリコールとプロピレングリコールの共重合体から選ばれる少なくとも一種の化合物である、前記〈1〉から〈16〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈18〉 前記ポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物の重量平均分子量が、好ましくは1000以上、より好ましくは5000以上であり、好ましくは1000000以下、より好ましくは500000以下である、前記〈1〉から〈17〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈19〉 前記サファイア板用研磨液組成物が、前記水溶性ビニル系ポリマー及び前記ポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物のうちの少なくとも一種の添加剤を表面吸着剤として含み、前記表面吸着剤の含有量は、好ましくは0.002質量%以上、より好ましくは0.004質量%以上、更に好ましくは、0.006質量%以上であり、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である、前記〈1〉から〈18〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈20〉 サファイア板用研磨液組成物の25℃におけるpHは、好ましくは9以上、より好ましくは10以上であり、好ましくは14未満であり、より好ましくは13未満である、前記〈1〉から〈19〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈21〉 前記シリカ粒子の含有量は、SiO2換算濃度で、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましく、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下が更に好ましい、前記〈1〉から〈20〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈22〉 前記シリカ粒子の動的光散乱法で測定される平均二次粒径(平均粒径)は、10nm以上が好ましく、50nm以上がより好ましく、80nm以上が更に好ましく、500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、200nm以下が更に好ましい、前記〈1〉から〈21〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈23〉 前記シリカ粒子の平均一次粒径は、500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、200nm以下が更に好ましく、150nm以下が更により好ましく、45nm以上が好ましく、70nm以上がより好ましい、前記〈1〉から〈22〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物。
〈24〉 被研磨サファイア板に対して、前記〈1〉から〈23〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物を供給して、前記被研磨サファイア板を研磨する工程を含む、サファイア板の製造方法。
〈25〉 被研磨サファイア板に対して、前記〈1〉から〈23〉のいずれかに記載のサファイア板用研磨液組成物を供給して、前記被研磨サファイア板を研磨する工程を含む、被研磨サファイア板の研磨方法。
下記の通り、実施例1〜20、比較例1〜12の研磨液組成物を調整した。実施例1〜20、比較例1〜12の研磨液組成物中における、シリカ粒子、無機リン酸塩又はその比較対象化合物、添加物の、含有量及び種類は各々表1に記載の通りとした。残余の成分はイオン交換水である。
[実施例1〜20]
イオン交換水500gの入ったビーカー内に、無機リン酸塩の供給源を、その有効分の濃度が所定の値となるように添加した後、次いで、添加剤を添加した。その後、40質量%コロイダルシリカ(平均一次粒径80nm、日揮触媒化成(株)製、カタロイドSI-80P)水分散液625gを添加しこれらを撹拌して、無機リン酸塩と添加剤とを含むシリカ水分散液を得た。その後すぐに、pH調整剤を用いて25℃におけるpHが表1に記載の値になるように調整して、実施例1〜20の研磨液組成物を得た。尚、pH調整剤として、pH値を大きくする場合には、48質量%水酸化ナトリウム水溶液(関東化学社製)を水で0.1質量%に希釈したものを用い、pH値を小さくする場合は、62.5%硫酸(テイカ製)を0.1質量%になるように水で希釈したものを用いた。また、無機リン酸塩が、リン酸一水素二ナトリウムである場合は、その供給源として、リン酸一水素二ナトリウム12水和物(和光純薬工業(株)社製)を、亜リン酸ナトリウムである場合は、その供給源として、亜リン酸ナトリウム五水和物(和光純薬工業社製)を、リン酸一水素二カリウムである場合は、その供給源として、リン酸一水素二カリウム(和光純薬工業(株)社製)を、リン酸一水素二アンモニウムである場合は、その供給源として、リン酸一水素二アンモニウム(和光純薬工業(株)社製)を用いた。
[比較例1]
無機リン酸塩又はその比較対象化合物の供給源及び添加剤を添加しないこと以外は、実施例1の研磨液組成物と同様にして、比較例1の研磨液組成物を調製した。
[比較例2]
トリエタノールアミンを添加せず、研磨液組成物のpHを10.0としたこと以外は、実施例1の研磨液組成物と同様にして、比較例2の研磨液組成物を調製した。
[比較例3]
無機リン酸塩又はその比較対象化合物の供給源を添加しないこと以外は、実施例3の研磨液組成物と同様にして、比較例3の研磨液組成物を調製した。
[比較例4]
無機リン酸塩又はその比較対象化合物の供給源を添加しないこと以外は、実施例4の研磨液組成物と同様にして、比較例4の研磨液組成物を調製した。
[比較例5]
無機リン酸塩の比較対象化合物として塩化ナトリウムを添加したこと以外は、実施例3の研磨液組成物と同様にして、比較例5の研磨液組成物を調製した。
[比較例6]
無機リン酸塩の比較対象化合物として塩化ナトリウムを添加したこと以外は、実施例4の研磨液組成物と同様にして、比較例6の研磨液組成物を調製した。
[比較例7]
無機リン酸塩の比較対象化合物としてHEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、イタルマッチ・ジャパン社製)を添加したこと以外は、実施例3の研磨液組成物と同様にして、比較例7の研磨液組成物を調製した。
[比較例8]
無機リン酸塩の比較対象化合物としてATMP(アミノトリ(メチレンホスホン酸)(イタルマッチ・ジャパン社製)を添加したこと以外は、実施例3の研磨液組成物と同様にして、比較例8の研磨液組成物を調製した。
[比較例9]
pH調整剤として、62.5%硫酸(テイカ製)を使用し、研磨液組成物の25℃におけるpHを2.0としたこと以外は、実施例3の研磨液組成物と同様にして、比較例7の研磨液組成物を調製した。
[比較例10]
研磨液組成物のpHを7.1としたこと以外は、実施例3の研磨液組成物と同様にして、比較例8の研磨液組成物を調製した。
[比較例11]
40質量%コロイダルシリカ(平均一次粒径80nm、日揮触媒化成(株)製、カタロイドSI-80P)水分散液625gに代えて、45質量%アルミナ粒子(平均二次粒径0.8μm、α化率90%、結晶子サイズ32nm)水分散液488gを添加したこと以外は、実施例3の研磨液組成物と同様にして、比較例9の研磨液組成物を調製した。
[比較例12]
無機リン酸塩又はその比較対象化合物の供給源を添加しないこと以外は、比較例11の研磨液組成物と同様にして、比較例12の研磨液組成物を調製した。
[アルミナ粒子の体積平均粒子径(D50)の測定方法]
比較例11及び12の研磨液組成物の調製に使用したアルミナ粒子(砥粒)の体積平均粒子径(平均二次粒径)は、0.5%ポイズ530(花王社製;特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤)水溶液を分散媒とし、当該分散媒を下記測定装置内に投入し、続いて透過率が75〜95%になるようにサンプル(アルミナ粒子)を投入し、その後、5分間超音波を掛けた後、測定した。
測定機器 :堀場製作所製 レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置 LA920
循環強度 :4
超音波強度:4
得られた体積分布粒径の累積体積頻度が50%となる粒径をアルミナ粒子の体積平均粒子径(D50)とし、平均二次粒径として表1に示した。
[アルミナ粒子のα化率及び結晶子サイズの測定方法]
アルミナスラリー20gを105℃で5時間乾燥させ、得られた乾燥物を乳鉢で解砕して粉末X線回折用サンプルを得た。各サンプルを粉末X線回折法にて分析し、104面におけるピーク面積をα化率99.9%のα―アルミナ(昭和電工社製、WA―1000)のピーク面積と比較した。粉末X線回折法による測定条件は下記のとおりとした。
(測定条件)
装置:(株)リガク製、粉末X線解析装置 RINT2500VC
X線発生電圧:40kV
放射線:Cu−Kα1線(λ=0.154050nm)
電流:120mA
Scan Speed:10度/分
測定ステップ:0.02度/分
α化率(%)=αアルミナ特有ピーク面積÷WA−1000のピーク面積×100
また、結晶子サイズは、得られた粉末X線回折スペクトルから、粉末X線回折装置付属の粉末X線回折パターン総合解析ソフトJADE(MDI社、シェラーの式による自動計算)を用いて算出した。上記ソフトによる算出処理は、上記ソフトの取扱説明書(Jade(Ver.5)ソフトウェア、取扱説明書 Manual No.MJ13133E02、理学電機〔株〕)に基づいて行った。
<シリカ粒子の平均一次粒径の測定>
シリカ粒子の平均一次粒径は、下記の通り、電子顕微鏡(TEM)観察画像において測定される円相当径として求められる粒子径の数平均である。シリカ粒子を日本電子製透過型電子顕微鏡(TEM)(商品名「JEM-2000FX」、80kV、1〜5万倍)で観察した写真をパソコンにスキャナで画像データとして取込み、解析ソフト「WinROOF(Ver.3.6)」(販売元:三谷商事)を用いて1000〜2000個のシリカ粒子データについて1個1個のシリカ粒子の円相当径として求められる粒子径を求め、数平均により平均一次粒径を求めた。
[シリカ粒子の平均二次粒径の測定]
シリカ粒子(砥粒)の平均二次粒径(分散粒径)は、動的光散乱(DLS)粒度分布計(マルバーン社製、ゼータサイザーナノS)を用いて下記の条件で測定し、得られる体積換算平均粒径を平均二次粒径(分散粒径)として求めた。
溶媒:水(屈折率1.333)
砥粒:コロイダルシリカ(屈折率1.45、減衰係数0.02)
測定温度:25℃
[シリカ粒子のBET比表面積の測定]
シリカ粒子の比表面積は、100℃で24時間乾燥させた粉末サンプルについて、測定サンプル約0.1gを測定セルに小数点以下4桁まで精量し、比表面積の測定直前に200℃の雰囲気下で30分間乾燥した後、比表面積測定装置(マイクロメリティック自動比表面積測定装置 フローソーブIII2305、(株)島津製作所製)を用いて窒素吸着法(BET法)により測定した。実施例1〜20、比較例1〜12の研磨液組成物の調製に用いたシリカ粒子のBET比表面積は40m2/gであった。
[水溶性ビニル系ポリマー、ポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物の重量平均分子量の測定]
上記重量平均分子量は、下記測定条件におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。
〔GPC条件〕
装置:HLC-8320 GPC(東ソー株式会社、検出器一体型)
カラム :GMPWXL+GMPWXL(アニオン)
溶離液 :0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1(体積比)
温度 :40℃
流速 :0.5mL/min
試料サイズ:5mg/mL
検出器 :RI
換算標準 :分子量既知の単分散ポリエチレングリコール
<研磨液組成物のpH測定>
pHメーター(東亜電波工業社製、HM−30G)を用い、25℃にて研磨液組成物のpHを測定した。
<研磨評価>
3インチのサファイア板(c面)に対して下記の研磨条件で、実施例1〜20、比較例1〜12の研磨液組成物を用いて、3時間循環研磨を行った。そして、サファイア板の研磨前後の重量変化を求め、サファイア密度(3.98g/cm3)、サファイア板面積(45.6cm2)から研磨速度(μm/h)を算出した。実施例1〜20、比較例1〜12の研磨液組成物を用いた場合の研磨速度は、比較例1の研磨液組成物を用いた場合の研磨速度を「100」とした場合の相対値で、表1に示した。
(研磨条件)
片面研磨機(テクノライズ社製TR15M−TRK1、定盤径38cm)
不織布研磨パッド(ニッタハース社製SUBA800)
研磨荷重300g/cm2
定盤回転数120rpm
キャリア回転数120rpm
研磨液流量80mL/min(循環)
[表面粗さの測定方法]
AFM(Digital Instrument NanoScope IIIa Multi Mode AFM)を用いて、以下に示す条件で、洗浄後のサファイア板の内周縁と外周縁との中央部分の異なる2箇所を測定し、中心線平均粗さAFM‐Raを測定した。2点の平均値を「表面粗さ」とし、表1に示した。値が小さいほど表面粗さの悪化が抑制されていることを示す。
〔AFMの測定条件〕
Mode: Tapping mode
Area: 5×5μm
Scan rate: 1.0Hz
Cantilever: OMCL−AC160TS−C3
Line: 512×512
Figure 2016117856
表1に示されるように、実施例の研磨液組成物を用いた場合、比較例の研磨液組成物を用いる場合よりも、高速研磨と低表面粗さとの両立が行える。
以上説明した通り、本発明の研磨液組成物を用いた被研磨サファイア板の研磨において、研磨速度が速く、研磨後のサファイア板について良好な表面平滑性が担保されている。したがって、本発明の研磨液組成物を用いれば、例えば、LEDの製造やスマートフォン等の携帯端末装置のカバーガラスの製造に使用されるサファイア板等の生産性が向上する。

Claims (11)

  1. シリカ粒子と、
    無機リン酸塩と、
    アルカノールアミン、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物、水溶性ビニル系ポリマー、及びポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物から選ばれる1種以上の添加剤と、を含み、
    25℃におけるpHが8以上の、サファイア板用研磨液組成物。
  2. 前記無機リン酸塩が、オルトリン酸塩、亜リン酸塩、及び次亜リン酸塩からなる群から選ばれる1種以上の無機リン酸塩である、請求項1に記載のサファイア板用研磨液組成物。
  3. 前記無機リン酸塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及びアンモニウム塩からなる群から選ばれる1種以上の無機リン酸塩である、請求項1又は2に記載のサファイア板用研磨液組成物。
  4. 前記アルカノールアミンが、下記一般式(1)で示される化合物である請求項1から3のいずれか1項に記載のサファイア板用研磨液組成物。
    (H)cN[(CH2aOH]b (1)
    但し、一般式(1)中、aは2以上5以下、bは1以上3以下、cは0以上2以下、b+c=3である。
  5. 前記アルカノールアミンが、エタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンからなる群から選ばれる1種以上のアルカノールアミンである、請求項4に記載のサファイア板用研磨液組成物。
  6. 前記パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物が、下記一般式(2)で示される化合物である請求項1から5のいずれか1項に記載のサファイア板用研磨液組成物。
    CF3(CF2n(CH2mX (2)
    但し、一般式(2)中、nとmは、nとして1以上10以下、mとして0以上3以下、或いはn+mとして2以上13以下、Xはアミノ基、カルボン酸基、アンモニウム基、アミンオキサイド、又はベタインである。
  7. 前記パーフルオロアルキル基を有するフッ素系化合物が、パーフルオロアルキルアミノ酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミンオキシド、及びパーフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれる少なくとも1種のフッ素系化合物である請求項6に記載のサファイア板用研磨液組成物。
  8. 前記水溶性ビニル系ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及びn-ポリビニルホルムアミドから選ばれる一種以上の化合物である請求項1から7のいずれか1項に記載のサファイア板用研磨液組成物。
  9. 前記ポリアルキレンオキサイド骨格を含む水溶性高分子化合物が、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、及びエチレングリコールとプロピレングリコールの共重合体から選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項1から8のいずれか1項に記載のサファイア板用研磨液組成物。
  10. 被研磨サファイア板に対して、請求項1から9のいずれか1項に記載のサファイア板用研磨液組成物を供給して、前記被研磨サファイア板を研磨する工程を含む、サファイア板の製造方法。
  11. 被研磨サファイア板に対して、請求項1から9のいずれか1項に記載のサファイア板用研磨液組成物を供給して、前記被研磨サファイア板を研磨する工程を含む、被研磨サファイア板の研磨方法。
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