JP2016117825A - 潤滑油用添加剤、及び潤滑油組成物 - Google Patents

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頼由 高嶋
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泉 寺田
杜継 葛西
Tokei Kasai
杜継 葛西
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Abstract

【課題】例えば270℃以上の高温環境下における潤滑油組成物の酸化劣化を抑制し、塩基価の維持性能を改善することが可能であり、且つ鉱油に対しても溶解性が良好である潤滑油用添加剤、及び基油に当該潤滑油用添加剤を配合してなる潤滑油組成物を提供する。【解決手段】下記一般式(1)で表される、潤滑油用添加剤。〔上記一般式(1)中、R1及びR2は、特定の群から選ばれる有機基であって、R1及びR2の一方が炭素数13以上の有機基(α)であり、他方が炭素数12以下の有機基(β)である。R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、又は特定の有機基であり、R3及びR4が互いに結合して、環構造を形成してもよい。〕【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油用添加剤、及び基油に当該潤滑油用添加剤を配合してなる潤滑油組成物に関する。
従来、内燃機用潤滑油では、清浄分散剤として金属系清浄剤と無灰系分散剤が併用されている。金属系清浄剤としては、一般的に、アルカリ金属やアルカリ土類金属のスルホネート、フェネート、サリシレート、ホスホネート及びこれらの過塩基価物等が用いられている。
エンジンでは、排出ガス中の窒素酸化物(NOx)及び粒子状排出物(Particulate Matter;以下、「PM」ともいう)等による環境汚染対策が重要な課題となっており、排出ガス中の窒素酸化物及び粒子状排出物の削減が急務となっている。
当該課題のうち、NOxの削減に対しては、排出ガスの再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)を高めたり、あるいは燃料噴射時期遅延等によって燃焼ピーク温度を低下させたりすることによって対応している。
しかしながら、燃焼ピーク温度を低下させると、黒煙やPMの増加に繋がるため、排出ガス後処理装置の装着が必要となってくる。この排出ガス後処理装置には、PMトラップ又は酸化触媒等の活用が検討されているが、いずれもフィルター状の構造をしているため、従来のエンジン油では、油中の金属分によって、ラッカー(堆積物)が発生し、ラッカーによるフィルター状の構造の目詰まり(閉塞)が問題となっている。
ラッカーの発生を抑制するには、金属系添加剤の添加量を低減させる必要がある。
そこで、潤滑油中の金属分を低減させ、且つ清浄性を向上させるために、無灰系清浄剤を用いることで、清浄性及び塩基価維持性を高める試みがなされている。
例えば、特許文献1〜5には、アミノアルコール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、テトラゾール系化合物、又はイミダゾール系化合物等の窒素含有化合物からなる潤滑油用添加剤を潤滑油に配合することで、得られる潤滑油の清浄性、高温安定性、低摩擦性、耐摩耗性等の特性を高め得る旨の開示がある。
特開平7−316576号公報 特許第5400612号公報 特表2013−512955号公報 特開2005−54037号公報 特開2006−291042号公報
しかしながら、特許文献1〜5に記載の潤滑油用添加剤を用いた潤滑油組成物は、高温環境下での酸化劣化の抑制効果や、塩基価維持性が十分とはいえず更なる改良が望まれている。
また、本発明者らの検討によれば、上記潤滑油用添加剤の中には、鉱油に対する溶解性が低いため、基油が合成油である場合のみに使用が制限されてしまう添加剤もある。そのため、潤滑油用添加剤には、鉱油に対しても高い溶解性を有するという性質も求められている。
本発明は、例えば270℃以上の高温環境下における潤滑油組成物の酸化劣化を抑制し、塩基価の維持性能を改善することが可能であり、且つ鉱油に対しても溶解性が良好である潤滑油用添加剤、及び基油に当該潤滑油用添加剤を配合してなる潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定構造を有する置換基が導入されたイミダゾール系化合物を潤滑油用添加剤として用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明の一態様によれば、下記〔1〕〜〔2〕を提供する。
〔1〕下記一般式(1)で表される、潤滑油用添加剤。

〔上記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、及び下記一般式(1a)で表される基からなる群より選ばれる有機基であって、
及びRの一方が炭素数13以上の有機基(α)であり、他方が炭素数12以下の有機基(β)である。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、又は下記一般式(1a)で表される基であり、R及びRが互いに結合して、環構造を形成してもよい。

(上記一般式(1a)中、A及びAは、それぞれ独立に、単結合、−CH=CH−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、又は−CH(OH)−であり、A及びAが共に単結合である場合はない。
p、q、rは、それぞれ独立に、0以上の整数であって、p+q+rが11以上の整数である。
*は、前記一般式(1)中の窒素原子又は炭素原子との結合位置を示す。)〕
〔2〕基油に、前記〔1〕の記載の潤滑油用添加剤を配合してなる、潤滑油組成物。
本発明の潤滑油用添加剤は、鉱油に対しても溶解性が良好であり、潤滑油組成物に添加することで、例えば270℃以上の高温環境下における潤滑油組成物の酸化劣化を抑制し、塩基価の維持性能を改善し得る。
〔潤滑油用添加剤〕
本発明の潤滑油用添加剤は、下記一般式(1)で表される。
上記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、及び一般式(1a)で表される基からなる群より選ばれる有機基であって、R及びRの一方が炭素数13以上の有機基(α)であり、他方が炭素数12以下の有機基(β)である。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、又は一般式(1a)で表される基であり、R及びRが互いに結合して、環構造を形成していもよい。
本発明の潤滑油用添加剤は、金属分を含有しないので、ラッカーの発生量を低減することができる。
また、本発明の潤滑油用添加剤は、前記一般式(1)中のR及びRが特定の群から選択される有機基であって、一方が高炭素数の有機基(α)であり、他方が低炭素数の有機基(β)であるため、高温環境下における潤滑油組成物の酸化劣化を抑制し、塩基価の維持性能を改善すると共に、鉱油に対する溶解性を良好とすることができる。
例えば、前記一般式(1)中のR又はRが水素原子である添加剤や、アルコキシ基を有する添加剤は、鉱油に対する溶解性が劣るため、合成油のみに使用が制限されるという問題がある。一方で、本発明の潤滑油用添加剤は、このような問題がなく、鉱油に対しても使用することができる。
そのため、本発明の一態様の潤滑油用添加剤は、鉱油を含む潤滑油組成物に添加されることが好ましい。本発明の一態様の潤滑油用添加剤が添加される具体的な鉱油については、後述の潤滑油組成物の項目で列挙したものが挙げられる。
また、本発明の潤滑油用添加剤は、イミダゾール構造の1位及び2位の一方に高炭素数の有機基(α)を、他方に低炭素数の有機基(β)を有することで、高温環境下における潤滑油組成物の酸化劣化を抑制し、塩基価の維持性能を改善し得るとの効果を奏する。
本発明の一態様の潤滑油用添加剤の一分子中の炭素原子数の合計としては、高温環境下における潤滑油組成物の酸化劣化を抑制し、塩基価の維持性能を改善し得る潤滑油用添加剤とする観点から、好ましくは16〜50、より好ましくは17〜40、更に好ましくは18〜35、より更に好ましくは20〜30である。
前記一般式(1)中のR〜R(後述のR1A、R1B、R2A、R2Bも含む)して選択し得る、前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基(異性体を含む)、ヘキシル基(異性体を含む)、ヘプチル基(異性体を含む)、オクチル基(異性体を含む)、ノニル基(異性体を含む)、デシル基(異性体を含む)、ウンデシル基(異性体を含む)、ドデシル基(異性体を含む)、トリデシル基(異性体を含む)、テトラデシル基(異性体を含む)、オクタデシル基(異性体を含む)、テトラコサニル基(異性体を含む)、テトラコンタニル基(異性体を含む)等が挙げられる。
なお、当該アルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよい。
前記一般式(1)中のR〜R(後述のR1A、R1B、R2A、R2Bも含む)して選択し得る、前記ヒドロキシアルキル基としては、上述のアルキル基に水酸基が置換した基が挙げられる。
前記一般式(1)中のR〜R(後述のR1A、R1B、R2A、R2Bも含む)して選択し得る、前記シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基、ビシクロヘキシル基、デカヒドロナフチル基等が挙げられる。
前記一般式(1)中のR〜R(後述のR1A、R1B、R2A、R2Bも含む)して選択し得る、前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチルフェニル基、ビフェニルイル基、ターフェニルイル基、ビフェニレニル基、ナフチル基、フェニルナフチル基、アセナフチレニル基、アントリル基、ベンゾアントリル基、アセアントリル基、フェナントリル基、ベンゾフェナントリル基、フェナレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、7−フェニル−9,9−ジメチルフルオレニル基、ペンタセニル基、ピセニル基、ペンタフェニル基、ピレニル基、クリセニル基、ベンゾクリセニル基、s−インダセニル基、as−インセニル基、フルオランテニル基、及びペリレニル基等が挙げられる。
前記一般式(1)中のR〜R(後述のR1A、R1B、R2A、R2Bも含む)として選択し得るシクロアルキル基及びアリール基は、さらに炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、及び水酸基からなる群より選ばれる置換基を有していてもよい。
上記炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖のアルキル基及び分岐鎖のアルキル基のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
また、前記一般式(1)中のR〜R(後述のR1A、R1Bも含む)は、下記一般式(1a)で表される基も選択し得る。
上記一般式(1a)中、A及びAは、それぞれ独立に、単結合、−CH=CH−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、又は−CH(OH)−であり、A及びAが共に単結合である場合はない。
p、q、rは、それぞれ独立に、0以上の整数である。
また、p+q+rは、11以上の整数であるが、高温環境下における潤滑油組成物の酸化劣化を抑制し、塩基価の維持性能を改善し得る潤滑油用添加剤とする観点から、好ましくは11〜50の整数、より好ましくは15〜45の整数、更に好ましくは20〜40の整数である。
*は、前記一般式(1)中の窒素原子又は炭素原子との結合位置を示す。
前記一般式(1)において、R及びRが互いに結合して、環構造を形成していもよい。
本発明の一態様としては、環構造を形成した潤滑油用添加剤としては、例えば、下記一般式(i)〜(iii)で表される化合物が挙げられる。

(上記一般式(i)〜(iii)中、R及びRは、前記一般式(1)に関する記載と同じである。また、上記一般式(i)〜(iii)において、環構造を形成した炭素原子は、結合している水素原子に代えて、上述の置換基によって置換された構造を有していてもよい。)
本発明の一態様としては、前記一般式(1)中のR及びRが、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましく、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、共に水素原子であることが更に好ましい。
本発明の一態様としては、有機基(α)の炭素数は、好ましくは13〜30、より好ましくは14〜28、更に好ましくは15〜26、より更に好ましくは16〜24である。
なお、当該有機基(α)の炭素数は、当該有機基の総炭素数を意味するものであり、例えば、シクロアルキル基及びアリール基が置換基を有する場合、当該置換基の炭素数も含まれる。
本発明の一態様としては、高温環境下における潤滑油組成物の酸化劣化を抑制し、塩基価の維持性能を改善し得ると共に、鉱油への溶解性を良好とした潤滑油用添加剤とする観点から、有機基(α)が、炭素数13〜30のアルキル基、炭素数13〜30のヒドロキシアルキル基、又は前記一般式(1a)で表される基であることが好ましく、炭素数13〜30のヒドロキシアルキル基、又は前記一般式(1a)で表される基であることがより好ましく、炭素数13〜30のヒドロキシアルキル基であることが更に好ましい。
有機基(α)として選択し得る、上記ヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシトリデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシペンタデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシヘプタデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシノナデシル基、ヒドロキシイコシル基、ヒドロキシヘンイコシル基、ヒドロキシドコシル基、ヒドロキシトリコシル基、ヒドロキシテトラコシル基、ヒドロキシペンタコシル基等が挙げられる。
なお、当該ヒドロキシアルキル基は、直鎖アルキル基に水酸基が置換した基であってもよく、分岐鎖アルキル基に水酸基が置換した基であってもよいが、直鎖アルキル基に水酸基が置換した基であることが好ましい。また、直鎖又は分岐鎖のアルキル基に対する水酸基の置換位置は、特に限定されない。
これらの中でも、有機基(α)として選択し得る、前記ヒドロキシアルキル基が、下記一般式(1b)で表される基であることが好ましい。
前記一般式(1b)中、s、tは、それぞれ独立に、0以上の整数であり、s+tは11〜28の整数である。*は、前記一般式(1)中の窒素原子又は炭素原子との結合位置を示す。
ここで、潤滑油用添加剤の合成上の観点から、sは、好ましくは1〜3の整数、より好ましくは1又は2である。
また、鉱油への溶解性を向上させた潤滑油用添加剤とする観点から、s+tは、好ましくは11〜26の整数、より好ましくは12〜24の整数、更に好ましくは13〜22の整数、より更に好ましくは13〜18の整数である。
さらに、上記と同様の観点から、tは、好ましくは8〜25の整数、より好ましくは9〜23の整数、更に好ましくは10〜21の整数、より更に好ましくは10〜17の整数である。
本発明の一態様としては、有機基(β)の炭素数は、12以下であるが、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6である。
なお、当該有機基(β)の炭素数は、当該有機基の総炭素数を意味するものであり、上述のアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基が有してもよい置換基の炭素数も含まれる。
有機基(β)としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましい。
有機基(β)として選択し得る、上記アルキル基及び上記ヒドロキシアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2である。
当該アルキル基としては、R〜Rとして選択し得る上述のアルキル基として例示された基のうち、炭素数が1〜10のものが挙げられるが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、又はt−ブチル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、又はイソプロピル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましい。
当該ヒドロキシアルキル基としては、上述のアルキル基に水酸基が置換した基が挙げられる。
有機基(β)として選択し得る、上記シクロアルキル基の炭素数は、好ましくは3〜6、より好ましくは5〜6である。
当該シクロアルキル基としては、R〜Rとして選択し得る上述のシクロアルキル基として例示された基のうち、炭素数3〜10のものが挙げられるが、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基が好ましい。
有機基(β)として選択し得る、上記アリール基としては、フェニル基が好ましい。
なお、有機基(β)として選択し得るシクロアルキル基及びアリール基は、さらに炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、及び水酸基からなる群より選ばれる置換基を有していてもよい。
本発明の一態様の潤滑油用添加剤としては、下記一般式(2−1)又は(2−2)で表される潤滑油用添加剤が好ましい。
上記一般式(2−1)、(2−2)中、R1A及びR2Aは、有機基(α)であり、R1B及びR2Bは、有機基(β)である。
好適な有機基(α)及び有機基(β)は上述のとおりである。
また、本発明の一態様の潤滑油用添加剤としては、下記一般式(3−1)又は(3−2)で表される潤滑油用添加剤がより好ましい。
上記一般式(3−1)、(3−2)中、R1B及びR2Bは、有機基(β)である。好適な有機基(β)は上述のとおりである。
s、tは、それぞれ独立に、0以上の整数であり、s+tは11〜28の整数である。好適なs、tの範囲については、前記一般式(1b)中のs、tの好適範囲と同じである。
なお、潤滑油用添加剤の製造は、後述するように必要に応じて触媒下で行われるものであり、また、反応過程で目的化合物以外の各種不純物が生成されることがある。さらには、原料にも各種不純物が含まれることがある。そのため、潤滑油用添加剤は、触媒残渣や、目的化合物以外の各種不純物が含まれることがあるが、このように目的化合物に加えて触媒残渣や各種不純物が含有されたものも本発明の潤滑油用添加剤に含まれる。
<潤滑油用添加剤の製造方法>
本発明の潤滑油用添加剤の製造方法としては、特に制限は無いが、例えば、イミダゾール骨格を有する化合物(P)と、上記R〜Rのいずれかに対応する基、又はR〜Rのいずれかの一部を構成する基を有する化合物(Q)とを反応させることで得ることができる。
ここで、化合物(Q)としては、上記化合物(P)と反応可能であれば限定されず、ハロゲン化炭化水素、エポキシ化合物、アルコール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボキシル基を有する化合物等が挙げられるが、これらの中では、ハロゲン化炭化水素、エポキシ化合物が好ましい。化合物(Q)は、化合物(P)のイミダゾール骨格に直接結合するように反応してもよいが、イミダゾール骨格上の置換基(例えば、メチル基等のアルキル基)に結合するように反応してもよい。
以上の反応は、必要に応じて塩基触媒等の触媒下で行われる。
〔潤滑油組成物〕
本発明の潤滑油組成物は、基油に、上述の本発明の一態様の潤滑油用添加剤を配合してなるものである。
本発明の潤滑油組成物に配合される、上記潤滑油用添加剤の配合量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.1〜30質量%、更に好ましくは0.1〜20質量%である。
なお、本明細書において、「潤滑油用添加剤を配合してなる潤滑油組成物」とは、「潤滑油用添加剤を含む潤滑油組成物」だけでなく、その効果を損なわない限りにおいて、「当該添加剤が変性した変性物、又は当該添加剤が他の添加剤と反応した反応物を含む潤滑油組成物」も含むものとする。
(汎用添加剤)
本発明の一態様の潤滑油組成物は、本発明の潤滑油用添加剤の効果を損なわない範囲内で、本発明の潤滑油用添加剤には該当せず、一般的な潤滑油組成物に配合される、汎用添加剤(以下、「汎用添加剤」ともいう)を配合されてなるものであってもよい。
このような汎用添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐摩耗剤、本発明の潤滑油用添加剤には該当しない無灰系分散剤、金属系清浄剤、粘度指数向上剤、流動性向上剤、摩擦調整剤、極圧剤等が挙げられる。
なお、本発明の一態様としては、これらの汎用添加剤が複数併用してなるパッケージ添加剤を用いてもよい。
これらの汎用添加剤のそれぞれの配合量は、潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%である。
また、汎用添加剤の合計配合量は、潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜40質量%、より好ましくは0.1〜35質量%である。
なお、一般的に、市販の汎用添加剤の中には、ハンドリング性や基油への溶解性を考慮し、通常希釈油(鉱油又は合成油)に希釈された状態で流通されていることが多いが、上記の汎用添加剤の
本発明の一態様の潤滑油組成物としては、本発明の潤滑油用添加剤には該当しない無灰系分散剤を配合してなるものであることが好ましい。
本発明の潤滑油用添加剤には該当しない無灰系分散剤として、コハク酸イミドやホウ素化されたコハク酸イミドが挙げられる。コハク酸イミド化合物としては、高分子量のアルケニルもしくはアルキル基で置換されたコハク酸無水物と、ポリアルキレンポリアミンとの反応により得られるコハク酸イミド化合物等が挙げられる。これらの無灰系分散剤と併用することで、金属系清浄剤を無使用もしくは低減させることが可能となり、さらに灰分を抑制できる。
金属系清浄剤を配合する場合、当該金属系清浄剤の配合量は、硫酸灰分として、潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下である。
(基油)
基油は、一般に潤滑油用の基油として用いられるものであればよく、100℃における動粘度が1〜50mm/sであるものが好ましく、2〜20mm/sであるものがより好ましい。
なお、基油の動粘度は、JIS K2283−1983に準じ、ガラス製毛管式粘度計を用いて測定したものである。
上記基油としては、鉱油及び合成油のいずれであってもよく、本発明の潤滑油用添加剤は、合成油だけでなく、鉱油に対する溶解性が良好である。そのため、当該基油は、鉱油を含むことが好ましい。
鉱油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等が挙げられ、より具体的には、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製等の処理を1つ以上行って精製したもの、あるいはワックス異性化鉱油等が挙げられる。
合成油としては、例えば、ポリα−オレフィン類、ポリフェニルエーテル、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、エステル油、グリコール系又はポリオレフィン系合成油等が挙げられ、より具体的には、ポリ−α−オレフィン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリブデン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、アルキル置換ジフェニルエーテル、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、炭酸エステル、シリコーン油、フッ素化油、GTL(Gas to Liquids)等が挙げられる。
本発明の一態様で用いる基油としては、100℃での動粘度が4mm/s以上17mm/s未満の基油(I)、及び100℃での動粘度が17mm/s以上40mm/s以下の基油(II)から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。
基油(I)としては、例えば、SAE10〜40等の鉱油又は合成油が挙げられる。
基油(I)の100℃における動粘度は、好ましくは5.6mm/s以上、より好ましくは9.3mm/s以上であり、また、好ましくは14mm/s以下、より好ましくは12.5mm/s以下である。
一方、基油(II)としては、例えば、SAE50、ブライトストック等の鉱油又は合成油が挙げらる。
基油(II)の100℃における動粘度は、好ましくは20mm/s以上、より好ましくは25mm/s以上であり、また、好ましくは38mm/s以下、より好ましくは35mm/s以下である。
本発明の一態様としては、基油(I)の含有量は、基油の全量(100質量%)基準で、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、必要に応じて、基油(II)を含有することが好ましい。
本発明の一態様の潤滑油組成物中の基油の配合量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは50〜99.99質量%以上、より好ましくは55〜99.0質量%、更に好ましくは60〜97.0質量%、より更に好ましくは65〜95.0質量%である。
〔潤滑油組成物の用途〕
本発明の一態様の潤滑油組成物は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機用潤滑油、ギヤ油、軸受油、変速機油、ショックアブソーバー油あるいは工業用潤滑油としても好適に用いられるが、エンジン用に特に好適に用いられる。
また、本発明の一態様の潤滑油組成物が適用される装置としては、当該潤滑油組成物が充填されるガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機;ギヤ間が当該潤滑油組成物で潤滑される歯車構造;摩擦部分や摺動面が当該潤滑油組成物で潤滑される軸受機構;当該潤滑油組成物が充填される変速機;摩擦部分や摺動面が当該潤滑油組成物で潤滑されるショックアブソーバー;その他の各種の工業用装置等が挙げられるが、エンジン等の内燃機が好ましい。
以下に、本発明を、実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
合成実施例1(下記添加剤(A)の合成)
200mlの4つ口フラスコの系内を窒素雰囲気下とした後、系内に、1,2−ジメチルイミダゾール3.5g(36.5mmol)及び脱水テトラヒドロフラン(THF)40mlを配合し、反応液を調製した。そして、当該反応液を−20℃以下まで冷却し、濃度1.6mol/Lのブチルリチウム(BuLi)のn−ヘキサン溶液23.9ml(BuLi量:38.3mmol)を、反応液の温度が−15℃以上にならないように留意して添加した。添加後30分間撹拌し、反応液の温度を5℃まで上げた後、再度−15℃まで冷却した。
次いで、この反応液に、1−ブロモオクタデカン12.1g(36.5mmol)を加え、反応液の温度を−15℃に維持しながら、1時間撹拌した。そして、30分間かけて室温(25℃)まで加温し、さらに30℃まで加温して、1時間撹拌して反応を進行させた。
反応終了後の反応液に、水を加えた後、n−ブタノールを用いて抽出した。そして、抽出液をイオン交換水で洗浄した後、減圧下にてn−ブタノールを留去し、上記添加剤(A)を得た(収量:12.5g、収率:98.5%)。
合成実施例2(下記添加剤(B)の合成)
200mlの4つ口フラスコの系内を窒素雰囲気下とした後、系内に、1,2−ジメチルイミダゾール3.5g(36.5mmol)及び脱水THF40mlを配合し、反応液を調製した。そして、当該反応液を−20℃以下まで冷却し、濃度1.6mol/Lのブチルリチウム(BuLi)のn−ヘキサン溶液23.9ml(BuLi量:38.3mmol)を、反応液の温度が−15℃以上にならないように留意して添加した。添加後30分間撹拌し、反応液の温度を5℃まで上げた後、再度−15℃まで冷却した。
次いで、この反応液に、1,2−エポキシヘキサデカン8.7g(36.3mmol)を加え、反応液の温度を−15℃に維持しながら、1時間撹拌した。そして、30分間かけて室温(25℃)まで加温し、さらに30℃まで加温して、1時間撹拌して反応を進行させた。
反応終了後の反応液に、水を加えた後、n−ブタノールを用いて抽出した。そして、抽出液をイオン交換水で洗浄した後、減圧下にてn−ブタノールを留去し、上記添加剤(B)を得た(収量:12.7g、収率:100%)。
合成実施例3(下記添加剤(C)の合成)
200mlの4つ口フラスコに、2−メチルイミダゾール8.0g(97.6mmol)及び1,2−エポキシヘキサデカン23.4g(97.6mmol)を加え、110℃で3時間撹拌して反応を進行させ、上記添加剤(C)を得た(収量:31.2g、収率:99.3%)。
合成実施例4(下記添加剤(D)の合成)
200mlの4つ口フラスコに、2−フェニルイミダゾール10.0g(69.4mmol)、1,2−エポキシヘキサデカン16.7g(69.4mmol)、及びジメチルアセトアミド(DMAc)20mlを加えて、90℃で3時間撹拌して反応を進行させた。
反応終了後の反応液を室温(25℃)まで冷却した後、減圧下にてDMAcを留去し、上記添加剤(D)を得た(収量:26.6g、収率:99.6%)。
合成実施例5(下記添加剤(E)の合成)
500mlの4つ口フラスコの系内に、モノエタノールアミン24.4g(400mmol)を配合し、ベンズアルデヒド42.9g(400mmol)のメタノール100ml溶液を5〜30℃まで冷却した後に添加して、30℃で1時間撹拌した。
そして、40質量%グリオキサール水溶液58.0g(グリオキサール量:400mmol)及びとアンモニウムカーボネート19.2g(1000mmol)のメタノール10mlの溶液を、5〜30℃にて1時間かけて滴下した後、30℃で1時間撹拌して反応を進行させた。
反応終了後の反応液を濃縮した後、得られた濃縮液をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチル)にて精製して、2−(2−フェニル−イミダゾール−1−イル)エタノールを得た(収量:23.5g、収率:31.2%)。
次いで、200mlの4つ口フラスコに、上記の2−(2−フェニル−イミダゾール−1−イル)エタノール9.41g(50mmol)及びオレイン酸14.1g(50mmol)を加え、130℃で8時間加熱撹拌し、さらに160℃で8時間加熱撹拌して、反応を進行させた。
反応終了後の反応液を室温まで冷却した後、当該反応液に、酢酸エチル/ヘキサンの質量比が1/1の混合溶媒を加えて、析出した固体を濾去し、濾液を濃縮してカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒(ヘキサン/酢酸エチルの質量比を1/1から0/1まで徐々に変化させて使用))にて精製し、上記添加剤(E)を得た(収量:12.6g、収率:55.8%)。
〔潤滑油組成物の調製〕
実施例1〜5
表1に示す合成実施例1〜5で得た添加剤(A)〜(E)のいずれかを2質量%、ホウ素化コハク酸イミドを8質量%、及び25℃の500ニュートラルの鉱油を90質量%配合し、室温(25℃)下で撹拌し、実施例1〜5の潤滑油組成物をそれぞれ調製した。
なお、添加剤(A)〜(E)のいずれにおいても、室温下の上記鉱油に溶解させることができた。
上記ホウ素化コハク酸イミドは、ポリブテニル基の数平均分子量:960、塩基価:29.4mgKOH/g、ホウ素量:2.0質量%のものを用いた(後述の比較例1〜6においても同じものを使用した)。
また、上記500ニュートラルの鉱油として、40℃動粘度=90.51mm/s、100℃動粘度=11.01mm/s、粘度指数=107のものを用いた。
比較例1
上記のホウ素化コハク酸イミドを8質量%、及び上記の25℃の500ニュートラルの鉱油を92質量%を配合し、室温(25℃)下で撹拌し、潤滑油組成物を調製した。
比較例2〜6
表1に示す種類の下記添加剤(i)〜(v)をそれぞれ2質量%、上記のホウ素化コハク酸イミドを8質量%、及び上記の25℃の500ニュートラルの鉱油を90質量%配合し、撹拌して、比較例2〜6の潤滑油組成物をそれぞれ調製した。
なお、比較例6で用いた添加剤((v)は、室温(25℃)下の上記鉱油に溶解させることができたが、比較例2〜5で用いた添加剤(i)〜(iv)は、室温下では当該鉱油に溶解させることができなかったため、55℃まで加熱した上で、少なくともホットチューブ試験及び塩基価維持性能試験を実施できる程度までは溶解させた。
実施例及び比較例で用いた添加剤(A)〜(E)及び(i)〜(v)について、下記の試験を行い、添加剤の鉱油に対する溶解性を評価した。結果を表1に示す。
〔添加剤の鉱油に対する溶解性〕
合成実施例1〜6で得た添加剤(A)〜(E)、及び上記の添加剤(i)〜(v)のいずれかを2質量部と、25℃の500ニュートラル留分の鉱油98質量部に配合し、室温(25℃)下で撹拌し、各添加剤の上記鉱油に対する溶解性を下記基準により評価した。
A+:配合した添加剤が完全に溶解していることが確認された。
A:若干の溶け残りはあるものの、配合した添加剤のほとんどが溶解していることが確認された。
B:配合した添加剤の一部は溶解したが、溶けずに沈殿しているものも確認された。
C:配合した添加剤のほとんどが溶けずに、固化して鉱油中に存在していることが確認された。
また、実施例及び比較例で調製した潤滑油組成物については、以下の試験を行い、評価した。結果を表1に示す。
〔ホットチューブ試験〕
JPI−5S−55−99に基づいて行った。
具体的には、270℃及び280℃のそれぞれの温度に保たれた内径2mmのガラス管中に潤滑油組成物を0.3ml/時、空気を10ml/分で16時間流し続けた。ガラス管中に付着したラッカーと色見本とを比較し、透明の場合は10点、黒の場合は0点として11段階の評点を付けた。評点が高いほど高性能であることを示す。
なお、270℃のホットチューブ試験が0点のものについては、280℃における試験は行わずに終了した。
〔塩基価維持性能試験〕
前述の各温度でのホットチューブ試験後の試験油を回収し、JIS K2501に基づく塩酸法により塩基価を測定した。試験後の塩基価(残存塩基価)と試験前の塩基価(初期塩基価)を比較し、残存塩基価率(%)として示し、以下の式により塩基価維持性能を評価した。なお、残存塩基価率が高いほど、塩基価維持性能が高性能であることを示す。
残存塩基価率(%)=(残存塩基価/初期塩基価)×100
表1から、合成実施例1〜5で得た潤滑油用添加剤(A)〜(E)は、鉱油に対しても優れた溶解性を有していることが分かる。また、実施例1〜5で調製した潤滑油組成物は、270℃以上でのホットチューブ試験がいずれも高く、また、塩基価残存率が良好である。
そのため、本発明の一態様の潤滑油用添加剤は、鉱油に対しても優れた溶解性を有すると共に、270℃以上の高温環境下における潤滑油組成物の酸化劣化を防止し、且つ、塩基価の維持性が高い清浄剤であることが理解できる。
本発明の潤滑油用添加剤は、鉱油に対しても優れた溶解性を有すると共に、高温環境下における潤滑油組成物の酸化劣化を抑制し、塩基価維持性をより向上させ得る、無灰系清浄剤として使用可能である。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表される、潤滑油用添加剤。

    〔上記一般式(1)中、
    及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、及び下記一般式(1a)で表される基からなる群より選ばれる有機基であって、
    及びRの一方が炭素数13以上の有機基(α)であり、他方が炭素数12以下の有機基(β)である。
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、又は下記一般式(1a)で表される基であり、R及びRが互いに結合して、環構造を形成してもよい。

    (上記一般式(1a)中、A及びAは、それぞれ独立に、
    単結合、
    −CH=CH−、
    −O−C(=O)−、
    −C(=O)−O−、
    又は−CH(OH)−であり、
    及びAが共に単結合である場合はない。
    p、q、rは、それぞれ独立に、0以上の整数であって、p+q+rが11以上の整数である。
    *は、前記一般式(1)中の窒素原子又は炭素原子との結合位置を示す。)〕
  2. 一分子中の炭素原子数の合計が16〜50である、請求項1に記載の潤滑油用添加剤。
  3. 及びRが共に水素原子である、請求項1又は2に記載の潤滑油用添加剤。
  4. 有機基(α)が、炭素数13〜30のアルキル基、炭素数13〜30のヒドロキシアルキル基、
    又は前記一般式(1a)で表される基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の潤滑油用添加剤。
  5. 有機基(α)が、炭素数13〜30のヒドロキシアルキル基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の潤滑油用添加剤。
  6. 前記ヒドロキシアルキル基が、下記一般式(1b)で表される基である、請求項5に記載の潤滑油用添加剤。

    (上記一般式(1b)中、s、tは、それぞれ独立に、0以上の整数であって、s+tは11〜28の整数である。*は、前記一般式(1)中の窒素原子又は炭素原子との結合位置を示す。)
  7. 前記一般式(2−1)又は(2−2)で表される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の潤滑油用添加剤。

    〔上記一般式(2−1)、(2−2)中、R1A及びR2Aは、有機基(α)であり、R1B及びR2Bは、有機基(β)である。〕
  8. 前記一般式(3−1)又は(3−2)で表される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の潤滑油用添加剤。

    〔上記一般式(3−1)、(3−2)中、R1B及びR2Bは、有機基(β)である。s、tは、それぞれ独立に、0以上の整数であり、s+tは10〜28の整数である。〕
  9. 鉱油を含む潤滑油組成物に添加される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の潤滑油用添加剤。
  10. 基油に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の潤滑油用添加剤を配合してなる、潤滑油組成物。
  11. 前記基油が、鉱油を含む、請求項10に記載の潤滑油組成物。
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